JP2019019069A - 体脂肪低減剤 - Google Patents

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慎一郎 斉藤
千月香 鈴木
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千月香 鈴木
登 白幡
Noboru Shirahata
登 白幡
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Abstract

【課題】効果的に体脂肪を低減することができる医薬品、医薬部外品、食品又は飼料、或いはこれらに配合可能な素材又は製剤の提供。【解決手段】構成脂肪酸としてα-リノレン酸を含有する油脂を有効成分として含み、α-リノレン酸として1日あたり0.2〜3.8gの量で食事と同時に摂取される体脂肪低減剤。【選択図】なし

Description

本発明は、体脂肪低減剤、血中中性脂肪低減剤、及びエネルギー代謝促進剤に関する。
食事で摂取したエネルギーが消費するエネルギーを上回ると、余剰なエネルギーは中性脂肪として脂肪組織を構成する脂肪細胞に貯蔵される。体内の過剰な脂肪蓄積は、単純性肥満(原発性肥満)を助長し、また、耐糖能障害、脂質代謝異常、高血圧等の健康障害を引き起こす原因となる。特に内臓脂肪の過剰蓄積とこれら健康障害が重なると、動脈硬化性疾患を引き起こす危険性が非常に高いことが明らかとなっている。
体脂肪の蓄積を低減させるには、継続した運動及び食事制限が重要である。しかし、これらの実行は非常に難しいのが実状であり、無理なく効果的に体脂肪を減らすことができる方法が望まれている。
この解決法の一つとして油脂代替物が提案されている。例えば、中鎖脂肪酸(C8−C10)で構成された中鎖脂肪酸トリグリセリドやジアシルグリセロールを高濃度に含む構造脂質は、天然の油脂を摂取した場合と比較して、体脂肪への蓄積性が少ないことが報告されている(例えば、特許文献1)。
一方、α-リノレン酸を含むω3系高度不飽和脂肪酸について、冠動脈疾患、脳卒中等の予防効果があることや脂質代謝に影響を及ぼすこと等が報告されている。
そこでこれまでに、体脂肪の低減を目的にα−リノレン酸を高濃度に含有するジアシルグリセロールの使用が検討されている(例えば、非特許文献1)が、α-リノレン酸の効果は判然としていない。また、油脂代替物は、調理時等に天然の油脂と置き換えて使用することを前提としたもので、これまでの知見は油脂代替物を天然の油脂と比較した効果等であり、α-リノレン酸を含む油脂自体が通常の食事をした際のエネルギー消費へ与える影響については報告がない。
特開2007−112806号公報
Journal of Oleo Science、2001年、第50巻、第9号、p.735−746
本発明は、効果的に体脂肪を低減することができる医薬品、医薬部外品、食品又は飼料、或いはこれらに配合可能な素材又は製剤を提供することに関する。
本発明者は、上記課題に鑑み鋭意検討したところ、構成脂肪酸としてα-リノレン酸を含有する油脂を、1日あたりのα-リノレン酸の摂取量が所定量となるように、食事とともに摂取すれば、当該食事後のエネルギー消費量が増加し、また、体脂肪、血中中性脂肪が有意に低減することを見出した。
すなわち、本発明は、構成脂肪酸としてα-リノレン酸を含有する油脂を有効成分として含み、α-リノレン酸として1日あたり0.2〜3.8gの量で食事と同時に摂取される体脂肪低減剤を提供するものである。
また、本発明は、構成脂肪酸としてα-リノレン酸を含有する油脂を有効成分として含み、α-リノレン酸として1日あたり0.2〜3.8gの量で食事と同時に摂取される血中中性脂肪低減剤を提供するものである。
また、本発明は、構成脂肪酸としてα-リノレン酸を含有する油脂を有効成分として含み、α-リノレン酸として1日あたり0.2〜3.8gの量で食事と同時に摂取されエネルギー代謝促進剤を提供するものである。
また、本発明は、構成脂肪酸としてα-リノレン酸を含有する油脂を、α-リノレン酸として1日あたり0.2〜3.8gの量となるように食事と同時に摂取させる、非治療的な体脂肪低減方法を提供するものである。
また、本発明は、構成脂肪酸としてα-リノレン酸を含有する油脂を、α-リノレン酸として1日あたり0.2〜3.8gの量となるように食事と同時に摂取させる、非治療的な血中中性脂肪低減方法を提供するものである。
また、本発明は、構成脂肪酸としてα-リノレン酸を含有する油脂を、α-リノレン酸として1日あたり0.2〜3.8gの量となるように食事と同時に摂取させる、非治療的なエネルギー代謝促進方法を提供するものである。
本発明によれば、無理なく、効果的に、食事後のエネルギー消費量を増加させることができ、また、体脂肪及び血中中性脂肪を低減することができる。
本発明で用いられる油脂は、構成脂肪酸としてα-リノレン酸を含有する油脂である。本発明において、油脂は、モノアシルグリセロール、ジアシルグリセロール及びトリアシルグリセロールのいずれか1種以上を含むものである。油脂の種類に特に制限はなく、食用油脂として使用できるものであれば何れでもよい。
油脂を構成する脂肪酸中のα−リノレン酸の含有量は、生理効果の点から、好ましくは15質量%(以下、単に「%」とする)以上、より好ましくは17%以上、更に好ましくは20%以上、更に好ましくは30%以上であり、また、酸化安定性の点から、好ましくは75%以下、より好ましくは65%以下、更に好ましくは60%以下である。なお、本明細書における脂肪酸量は遊離脂肪酸換算量である。
本発明において、油脂を構成するα−リノレン酸以外の構成脂肪酸としては、特に限定されず、飽和脂肪酸又は不飽和脂肪酸のいずれであってもよい。
油脂の風味・工業的生産性の点からは、油脂を構成する脂肪酸中の不飽和脂肪酸の含有量は、好ましくは60%以上100%以下、更に好ましくは70%以上100%以下、更に好ましくは80%以上100%以下である。不飽和脂肪酸の炭素数は、生理効果の点から、好ましくは14〜24、より好ましくは16〜22である。
油脂を構成する脂肪酸中のリノール酸(C18:2)の含有量は、工業的生産性の点から、好ましくは5%以上、より好ましくは10%以上であり、また、生理効果の点から、好ましくは40%以下、より好ましくは30%以下、更に好ましくは20%以下である。
油脂を構成する脂肪酸中のオレイン酸(C18:1)の含有量は、工業的生産性の点から、好ましくは10%以上であり、また、生理効果の点から、好ましくは50%以下、より好ましくは40%以下、更に好ましくは30%以下である。
油脂を構成する脂肪酸中の飽和脂肪酸の合計含有量は、外観、生理効果、油脂の工業的生産性の点から、好ましくは40%以下、より好ましくは30%以下、更に好ましくは20%以下であり、また、0.5%以上であるのが好ましい。
飽和脂肪酸の炭素数は、好ましくは14〜24、より好ましくは16〜22である。
本発明において、構成脂肪酸としてα-リノレン酸を含有する油脂中のトリアシルグリセロールの含有量は、油脂の工業的生産性の点から、好ましくは1%以上、より好ましくは2%以上、更に好ましくは3%以上、更に好ましくは5%以上であり、また、好ましくは57%以下、より好ましくは37%以下、更に好ましくは30%以下、更に好ましくは27%以下である。
ジアシルグリセロールは、同じ脂肪酸組成からなるトリアシルグリセロールに比べて、食後の血中トリアシルグリセロールの上昇が抑制され、体脂肪への蓄積性が少ないことから、構成脂肪酸としてα-リノレン酸を含有する油脂中のジアシルグリセロールの含有量は、生理効果の点から、40%以上、好ましくは60%以上、更に好ましくは70%以上である。また、油脂の工業的生産性の点から、好ましくは95%以下、より好ましくは92%以下である。
構成脂肪酸としてα-リノレン酸を含有する油脂中のモノアシルグリセロールの含有量は、風味、油脂の工業的生産性の点から、好ましくは3%以下であり、より好ましくは0〜2%、更に好ましくは0〜1%である。
また、油脂に含まれる遊離脂肪酸又はその塩の含有量は、風味、油脂の工業的生産性の点から、好ましくは0〜5%、より好ましくは0〜2%、更に好ましくは0〜1%である。
トリアシルグリセロール、ジアシルグリセロール及びモノアシルグリセロールの脂肪酸組成は同じであることが油脂の工業的生産性の点から好ましい。
本発明において、油脂の起源として使用できる食用油脂に特に制限はなく、例えば、大豆油、ナタネ油、サフラワー油、米油、コーン油、ヒマワリ油、綿実油、オリーブ油、ゴマ油、落花生油、ハトムギ油、小麦胚芽油、シソ油、アマニ油、エゴマ油、サチャインチ油、クルミ油、キウイ種子油、サルビア種子油、ブドウ種子油、マカデミアナッツ油、ヘーゼルナッツ油、カボチャ種子油、椿油、茶実油、ボラージ油、パーム油、パームオレイン、パームステアリン、やし油、パーム核油、カカオ脂、サル脂、シア脂、藻油等の植物性油脂;魚油、ラード、牛脂、バター脂等の動物性油脂;あるいはそれらのエステル交換油、水素添加油、分別油等の油脂類を挙げることができる。これらの油は、それぞれ単独で用いてもよく、あるいは適宜混合して用いてもよい。なかでも、使用性の点から、植物性油脂を用いるのが好ましく、更に低温耐性に優れた液状油脂を用いるのが好ましく、更にシソ油、アマニ油及びエゴマ油からなる群より選ばれる1種又は2種以上の油脂を用いるのが、α−リノレン酸を豊富に含むため好ましい。なお、液状油脂とは、基準油脂分析試験法2.3.8−27による冷却試験を実施した場合、20℃で液状である油脂をいう。また、食用油脂は、精製工程を経た精製油脂であるのが好ましい。
本発明で用いられる構成脂肪酸としてα-リノレン酸を含有する油脂は、常法に従って、油脂由来の脂肪酸とグリセリンとのエステル化反応、油脂とグリセリンとのエステル交換反応(グリセロリシス)等により得ることができる。必要に応じて通常の食用油脂を混合してもよい。
本発明において、構成脂肪酸としてα-リノレン酸を含有する油脂は、α-リノレン酸として1日あたり0.2〜3.8gの量で食事と同時に摂取される。後記実施例に示すとおり、構成脂肪酸としてα-リノレン酸を含有する油脂を、α-リノレン酸として1日あたり0.9g又は1.4gの量で食事と同時に摂取すると、食事後のエネルギー消費量の増加が認められた。また、当該油脂の食事との継続同時摂取によって、油脂摂取前に比較して、内臓脂肪面積が低減し、さらに血中中性脂肪が減少した。構成脂肪酸としてα-リノレン酸を含有する油脂を、α-リノレン酸として1日あたり0.2〜3.8gの量で食事と同時に摂取することで、当該食事に含まれる糖質や脂質がエネルギーとして代謝されやすくなり、体脂肪及び血中中性脂肪が低減すると考えられる。また、構成脂肪酸としてα-リノレン酸を含有する油脂の食事との継続的な同時摂取は総エネルギー消費量へも影響し、結果、体脂肪及び血中中性脂肪が低減すると考えられる。尚、総エネルギー消費量は、基礎代謝量、食後の熱産生及び身体活動に伴う代謝量で構成される。エネルギーの消費が高まり、体脂肪、特に内臓脂肪が低減すれば、また、血中中性脂肪が減少すれば、脂肪蓄積による体重の増加(単純性肥満)を予防又は改善することが可能となる。さらに、単純性肥満に起因する、例えば、耐糖能障害、脂質代謝異常、高血圧、高尿酸血症等の健康障害、ひいては動脈硬化性疾患や糖尿病等の疾患や症状の発症・病態の進展を予防、改善又は治療することが可能となる。
従って、構成脂肪酸としてα-リノレン酸を含有する油脂は、α-リノレン酸として1日あたり0.2〜3.8gの量で食事と同時に摂取されることで、体脂肪、特に内臓脂肪の低減に有用な体脂肪低減剤、血中中性脂肪低減剤、又は特に食事後のエネルギー代謝を促進するエネルギー代謝促進剤となり得、また、当該体脂肪低減剤、血中中性脂肪低減剤、又はエネルギー代謝促進剤を製造するために使用することができる。また、構成脂肪酸としてα-リノレン酸を含有する油脂は、体脂肪低減、血中中性脂肪低減、又はエネルギー代謝促進のために、α-リノレン酸として1日あたり0.2〜3.8gの量で食事と同時に摂取されるように使用することができる。
当該「使用」は、ヒトを含む動物への摂取であり得、また治療的使用であっても非治療的使用であってもよい。「非治療的」とは、医療行為を含まない概念、すなわち人間を手術、治療又は診断する方法を含まない概念、より具体的には医師又は医師の指示を受けた者が人間に対して手術、治療又は診断を実施する方法を含まない概念である。
本発明の体脂肪低減剤、血中中性脂肪低減剤、又はエネルギー代謝促進剤は、ヒトを含む動物に摂取した場合に体脂肪低減効果、血中中性脂肪低減効果、又はエネルギー代謝促進効果を発揮する医薬品、医薬部外品、食品又は飼料となり、また当該体脂肪低減剤、血中中性脂肪低減剤、又はエネルギー代謝促進剤は、当該医薬品、医薬部外品、食品又は飼料に配合して使用される素材又は製剤となり得る。
当該食品には、体脂肪低減、血中中性脂肪低減、又はエネルギー代謝促進を訴求とし、必要に応じてその旨の表示が許可された食品(特定保健用食品、機能性表示食品)が含まれる。表示の例としては、「脂肪を代謝する力を高める」「食事の脂肪を消費しやすくする」「脂肪を効率よく消費する」「血中中性脂肪の上昇を抑える」「体脂肪を減らす」「内臓脂肪を減らす」がある。機能表示が許可された食品は、一般の食品と区別することができる。
上記医薬品(医薬部外品も含む)の投与形態としては、固形、半固形又は液状であり得、例えば錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、トローチ剤、液剤、シロップ剤等による経口投与が挙げられる。
このような種々の剤型の製剤は、必要に応じて、薬学的に許容される担体、例えば、賦形剤、結合剤、増量剤、崩壊剤、界面活性剤、滑沢剤、分散剤、緩衝剤、浸透圧調整剤、pH調整剤、乳化剤、防腐剤、安定剤、保存剤、増粘剤、流動性改善剤、嬌味剤、発泡剤、香料、被膜剤、希釈剤等や、構成脂肪酸としてα-リノレン酸を含有する油脂以外の薬効成分を適宜組み合わせて調製することができる。
上記食品の形態としては、固形、半固形又は液状であり得、各種食品組成物、さらには、上述した経口投与製剤と同様の形態(錠剤、カプセル剤、トローチ剤等の固形製剤)の栄養補給用組成物が挙げられる。
種々の形態の食品は、必要に応じて、他の食品材料、例えば、溶剤、軟化剤、油、乳化剤、防腐剤、酸味料、甘味料、苦味料、pH調整剤、安定剤、着色剤、酸化防止剤、保湿剤、増粘剤、流動性改善剤、発泡剤、香科、調味料等や、構成脂肪酸としてα-リノレン酸を含有する油脂以外の有効成分を適宜組み合わせて調製することができる。
上記飼料の形態としては、好ましくはペレット状、フレーク状又はマッシュ状であり、例えば、牛、豚、鶏、羊、馬等に用いる家畜用飼料、ウサギ、ラット、マウス等に用いる小動物用飼料、犬、猫、小鳥等に用いるペットフード等が挙げられる。
飼料は、必要に応じて、他の飼料材料、例えば、肉類、蛋白質、穀物類、ぬか類、粕類、糖類、野菜、ビタミン類、ミネラル類、ゲル化剤、保型剤、pH調整剤、調味料、防腐剤、栄養補強剤等や、構成脂肪酸としてα-リノレン酸を含有する油脂以外の有効成分を適宜組み合わせて常法により調製することができる。
上記製剤において、構成脂肪酸としてα-リノレン酸を含有する油脂は、自由に配合できる。例えば、構成脂肪酸としてα-リノレン酸を含有する油脂を5〜100%の範囲で配合できる。
本発明の体脂肪低減剤、血中中性脂肪低減剤、又はエネルギー代謝促進剤は、油脂組成物の形態として摂取されるのが好ましい。
上記製剤が油脂組成物の形態である場合、油脂組成物中の構成脂肪酸としてα−リノレン酸を含有する油脂の含有量は、好ましくは90%以上、より好ましくは94%以上、更に好ましくは94.5%以上であり、また、好ましくは99.9%以下、より好ましくは99.45%以下、より好ましくは99%以下である。
油脂組成物は、風味、酸化安定性、着色抑制等の点から、抗酸化剤を含有するのが好ましい。油脂組成物中の抗酸化剤の含有量は、好ましくは0.005%以上0.5%以下、より好ましくは0.04%以上0.25%以下、更に好ましくは0.08%以上0.2%以下である。
抗酸化剤としては、食品に使用するものであれば特に制限はないが、天然抗酸化剤、レシチン、トコフェロール、アスコルビルパルミテート、アスコルビルステアレート、ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)及びブチルヒドロキシアニソール(BHA)等から選ばれる少なくとも1種が好ましい。
上記製剤は、1食あたりの摂取量単位で包装された形態とすることができる。例えば、フィルム、瓶、アルミ袋等の容器により1食分の摂取量が個包装された形態が挙げられる。また、このような1食あたりの個装を、複数食分を纏めてセットとしてもよい。
従来の油脂代替物は、調理時に通常の食用油脂と置き換えて使用することを前提としているが、油脂代替物の実使用場面で正確に規定の有効量を測りとることは手間がかかり、また、家族構成によっては、調理品を家族で共有する場合があり、各々が油脂代替物の規定の有効量を実際に摂取することは容易ではなかったと考えられる。これに対して、1食あたりの摂取量単位で包装することで、正確に規定の有効量を摂取することができる。当該規定の有効量の摂取を各々が自覚できる。また、携帯性、取扱性、継続性にも優れる。
上記製剤の摂取量は、α-リノレン酸として1日あたり0.2〜3.8gであるが、生理効果の点から、より好ましくはα-リノレン酸として1日あたり0.5〜2.3gであり、更に好ましくは0.9〜1.4gである。なお、本明細書における摂取量は成人1人(60kg)に対しての量とする。
また、構成脂肪酸としてα−リノレン酸を含有する油脂の摂取量は、生理効果の点から、1日あたり1〜5g、好ましくは1〜4g、更に好ましくは1.5〜3gである。
本発明では、斯かる量を食事と同時に摂取する。食事と同時であれば、1日に複数回に分けて摂取してもよいが、生理効果の点から、好ましくは1日1回食事と同時に摂取することが好ましい。食事は、朝食、昼食、夕食、間食のいずれでも構わない。
食事の内容としては、特に限定されず、揚げ物、焼き物、炒め物、煮物、蒸し物、汁物、米飯等の加熱調理品や、サラダ、サンドイッチ、パン等の非加熱調理品等が挙げられる。
構成脂肪酸としてα−リノレン酸を含有する油脂を食事と同時に摂取するにあたっては、当該食事の調理、特に加熱調理に使用して摂取するのではなく、当該食事に混ぜたり、かけたりして、非加熱の状態で摂取することが好ましい。このように摂取することで、食事の内容、食事場所を選ばずに使用できる。
上記製剤は、任意の計画に従って摂取され得る。
摂取期間は特に限定されず、単回摂取でもよく、反復・連続して摂取してもよい。反復・連続して摂取する場合は、5日間以上、好ましくは7日間以上連続して摂取することがより好ましく、14日間以上連続して摂取することが更に好ましい。
上記製剤の摂取対象としては、それを必要とする若しくは希望するヒト又は非ヒト動物等であれば特に限定されない。対象の好ましい例として、単純性肥満者やその予備軍が挙げられる。また、対象の好ましい例として、内臓脂肪面積100cm2以上の者が挙げられる。
〔分析方法〕
(i)油脂のグリセリド組成
ガラス製サンプル瓶に、油脂サンプル約10mgとトリメチルシリル化剤(「シリル化剤TH」、関東化学製)0.5mLを加え、密栓し、70℃で15分間加熱した。これに水1.0mLとヘキサン1.5mLを加え、振とうした。静置後、上層をガスクロマトグラフィー(GLC)に供して分析した。
<GLC分析条件>
(条件)
装置:アジレント6890シリーズ(アジレントテクノジー社製)
インテグレーター:ケミステーションB 02.01 SR2(アジレントテクノジー社製)
カラム:DB−1ht(Agilent J&W社製)
キャリアガス:1.0mL He/min
インジェクター:Split(1:50)、T=340℃
ディテクター:FID、T=350℃
オーブン温度:80℃から10℃/分で340℃まで昇温、15分間保持
(ii)油脂の構成脂肪酸組成
日本油化学会編「基準油脂分析試験法」中の「脂肪酸メチルエステルの調製法(2.4.1.−1996)」に従って脂肪酸メチルエステルを調製し、得られた油脂サンプルを、American Oil Chemists. Society Official Method Ce 1f−96(GLC法)に準拠して測定した。
<GLC分析条件>
カラム:CP−SIL88 50m×0.25mm×0.2μm (VARIAN)
キャリアガス:1.0mL He/min
インジェクター:Split(1:50)、T=300℃
ディテクター:FID、T=300℃
オーブン温度:150℃5min保持→1℃/min昇温→160℃5min保持→2℃/min昇温→200℃10min保持→10℃/min昇温→220℃5min保持
試験例1
〔試験品〕
市販アマニ油を1食あたり2.5gずつ個包装し、試験品1とした。試験品1中のα-リノレン酸量は1.4gであった。
精製油脂1(試験品1)のグリセリド組成は、トリアシルグリセロール96.8%、ジアシルグリセロール3.1%、モノアシルグリセロール0.0%、遊離脂肪酸0.1%、また、脂肪酸組成は、C18:1 19.1%、C18:2 15.3%、C18:3 54.5%、飽和脂肪酸合計 9.7%、その他の脂肪酸 1.5%であった。
〔試験概要〕
(1)被験者及び方法
健常男性10名(平均年齢39歳、平均体格指数BMI23.3kg/m2)を対象に、6日間以上の休止期間を挟む二重盲検交叉比較法にて、食事後のエネルギー代謝を経時的に測定した。
試験では、被験者は12時間以上の絶食後、摂取45分前に空腹時のエネルギー消費量を測定した。その後、指定食(483kcal、エネルギー構成比率として蛋白質15%、脂質32%、糖質53%)を、添加群では試験品1をかけて、非添加群では試験品1をかけないで摂取させた。摂取後、60分〜300分までの食事後のエネルギー消費量を測定した。
空腹時及び食事後のエネルギー消費量は呼気分析器(ARCO2000システム、有限会社アルコシステム製)にて、一定温度環境下(25℃)で測定した。食事後のエネルギー消費量(0〜300分)の増加分曲線下面積(iAUC、0分からの変化量における曲線下面積)を求めた。
有意差の検定はPaired―T検定を実施した。
(2)結果
結果を表1に示す。
Figure 2019019069
表1より明らかなように、試験品1の食事との同時摂取により、食事後のエネルギー消費が増加した。
試験例2
〔試験品〕
アマニ油を酵素により加水分解して得た脂肪酸300質量部とグリセリン47質量部とを混合し、イオン交換樹脂に固定化した1,3位選択リパーゼ(ノボザイム社製)を触媒としてエステル化反応を行った。固定化酵素を濾別した後、反応終了品を分子蒸留し、酸処理及び水洗(蒸留水3回)を行い、処理油を得た。処理油を脱臭して精製油脂2を得た。精製油脂2を1食あたり2.5gずつ個包装し、試験品2とした。試験品2中のα-リノレン酸量は0.9gであった。
精製油脂2のグリセリド組成は、トリアシルグリセロール14.1%、ジアシルグリセロール85.2%、モノアシルグリセロール0.6%、遊離脂肪酸0.1%、また、脂肪酸組成は、C18:1 23.2%、C18:2 16.5%、C18:3 53.4%、飽和脂肪酸合計 5.8%、その他の脂肪酸 1.1%であった。
〔試験概要〕
(1)被験者及び方法
健常男女57名(男性45名、女性12名、平均年齢51歳、平均体格指数BMI26.9kg/m2)を対象に、試験品2を、1日3食(朝食、昼食、夕食)のうちの1食の食事にかけて或いは混合して、12週間継続して摂取させた。被験者には、試験期間中は試験前と変わらぬように食事内容を適正に保ち、暴飲暴食や過度の食事量の増加、低下がないよう指示し、間食の摂取を禁止した。試験品摂取前(0週)と、摂取開始から4週間後(4週)、8週間後(8週)及び12週間後(12週)に、内臓脂肪面積及び血中中性脂肪値を測定した。採血前は12時間以上の絶食とし、水のみ摂取可能とした。
内臓脂肪面積の測定は、内臓脂肪計(EW−FA90、パナソニック(株)製)を用いて行った。本測定機は腹部生体インピーダンス法により内臓脂肪面積を測定するものであり、CTスキャンによる腹部内臓脂肪面積との高い相関を示す(Ryo M, Maeda K, Onda T, Katashima M, Okumiya A, Nishida M, Yamaguchi T, Funahashi T, Matsuzawa Y, Nakamura T, Shimomura I. A new simple method for the measurement of visceral fat accumulation by bioelectrical impedance. Diabet. Care 2005;28: 451- 453.)。血液分析は、株式会社保健科学研究所(神奈川県横浜市)に依頼した。
有意差の検定はPaired―T検定を実施した。
(2)結果
結果を表2及び表3に示す。
Figure 2019019069
Figure 2019019069
表2及び表3より明らかなように、試験品2の食事との継続的な同時摂取により、摂取前(0週)と比較して内臓脂肪面積が有意に低減し、また、血中中性脂肪の減少が認められた。
以上より、構成脂肪酸としてα-リノレン酸を含有する油脂をα-リノレン酸として所定量で食事とともに摂取すれば、エネルギー代謝が高まり、体脂肪及び血中中性脂肪が低減することが明らかとなった。

Claims (10)

  1. 構成脂肪酸としてα-リノレン酸を含有する油脂を有効成分として含み、α-リノレン酸として1日あたり0.2〜3.8gの量で食事と同時に摂取される体脂肪低減剤。
  2. 構成脂肪酸としてα-リノレン酸を含有する油脂を有効成分として含み、α-リノレン酸として1日あたり0.2〜3.8gの量で食事と同時に摂取される血中中性脂肪低減剤。
  3. 構成脂肪酸としてα-リノレン酸を含有する油脂を有効成分として含み、α-リノレン酸として1日あたり0.2〜3.8gの量で食事と同時に摂取されるエネルギー代謝促進剤。
  4. 油脂を構成する脂肪酸中のα-リノレン酸の含有量が15〜75質量%である、請求項1記載の体脂肪低減剤、請求項2記載の血中中性脂肪低減剤又は請求項3記載のエネルギー代謝促進剤。
  5. 食事と混合、又は食事にかけて摂取される、請求項1記載の体脂肪低減剤、請求項2記載の血中中性脂肪低減剤又は請求項3記載のエネルギー代謝促進剤。
  6. 油脂組成物の形態である、請求項1記載の体脂肪低減剤、請求項2記載の血中中性脂肪低減剤又は請求項3記載のエネルギー代謝促進剤。
  7. 1食あたりの摂取量単位で包装された形態である、請求項1記載の体脂肪低減剤、請求項2記載の血中中性脂肪低減剤又は請求項3記載のエネルギー代謝促進剤。
  8. 構成脂肪酸としてα-リノレン酸を含有する油脂を、α-リノレン酸として1日あたり0.2〜3.8gの量となるように食事と同時に摂取させる、非治療的な体脂肪低減方法。
  9. 構成脂肪酸としてα-リノレン酸を含有する油脂を、α-リノレン酸として1日あたり0.2〜3.8gの量となるように食事と同時に摂取させる、非治療的な血中中性脂肪低減方法。
  10. 構成脂肪酸としてα-リノレン酸を含有する油脂を、α-リノレン酸として1日あたり0.2〜3.8gの量となるように食事と同時に摂取させる、非治療的なエネルギー代謝促進方法。
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