JP2013063937A - Gip上昇抑制剤 - Google Patents

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孝司 鬼澤
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Abstract

【課題】医薬品、食品等に利用することのできるGIP上昇抑制剤の提供。
【解決手段】構成脂肪酸の1質量%以上がドコサヘキサエン酸であり、1質量%以上がエイコサペンタエン酸であるトリアシルグリセロールを有効成分とするGIP上昇抑制剤。
【選択図】なし

Description

本発明は、GIP上昇抑制剤に関する。
GIP(ガストリックインヒビトリーポリペプチド又はグルコースディペンデントインスリノトロピックポリペプチド)は、グルカゴン・セクレチンファミリーに属する消化管ホルモンの1つである。GIPはGLP−1(グルカゴン様ペプチド1)と共にインクレチンと称され、脂質や糖質の摂食時に小腸に存在するK細胞より分泌されることが報告されている。また、GIPは、胃酸分泌抑制作用や胃運動抑制作用を有することが知られている(非特許文献1〜3)。そのため、GIPの上昇抑制は、食後の消化促進や胃もたれの改善に有効であると考えられる。
これまでの研究によって、GIPの機能を阻害する物質として、3−ブロモ−5−メチル−2−フェニルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−オール(BMPP)が知られ、食後GIPの分泌を抑制するものとして、グアガム等が知られている(特許文献1、非特許文献4〜9)。また、近年では、GIP受容体アンタゴニストである(Pro3)GIPが知られている。しかし、これらの物質は、安全性や効果の面で十分とはいえない。
近年、高度不飽和脂肪酸の生理活性が注目され、なかでも魚油やその構成成分であるエイコサペンタエン酸(C20:5、以下「EPA」とも記載する)、ドコサヘキサエン酸(C22:6、以下「DHA」とも記載する)の健康機能に関する研究が数多く行われている。例えば、抗動脈硬化作用、脳機能改善作用、視覚機能改善作用、抗腫瘍作用、抗炎症作用等が報告されている(非特許文献10)。また、カツオ由来の魚油に内臓脂肪量の低下作用があることが報告されている(特許文献2)。
GIPとの関連については、魚油を長期間継続して摂取するとGIP分泌が抑制される可能性があることが報告されている(非特許文献11)。また、各種食油を単回摂取した場合、魚油はコーン油等と比べてGIP上昇が少ないことが報告されている(非特許文献12)。しかし一方で、魚油を食事形態で単回摂取してもGIP分泌に影響を与えないとの報告もある(非特許文献13、14)。
すなわち、EPAやDHAを高含有する油脂とGIP分泌との関係については明らかではなかった。
国際公開第01/87341号パンフレット 特開平10−231495号公報
Brown JCら、Canadian J Physiol Pharmacol. 1969,47:113−114 Falko JMら、J Clin Endocrinol Metab.1975,41:260−265 織田敏次ら、消化管 機能と病態、1981年、中外医学社、P205−216 Gatenby SJら、Diabet Med.1996,13:358−364 Ellis PRら、Br J Nutr.1995,74:539−556 Simoes Nunes Cら、Reprod Nutr Dev.1992,32:11−20 Morgan LMら、Br J Nutr.1990,64:103−110 Requejo Fら、Diabet Med.1990,7:515−520 Morgan LMら、Br J Nutr.1985,53:467−475 日本油化学会誌、1999年、48、P1017 Williamsら、Br J Nutr.1992,68(3):655−666 Lardinoisら、J Am Coll Nutr.1988,7(3):241−247 Zampelasrら、Eur J C Nutr.1994,48(12):849−858 Lardinoisら、J Am Coll Nutr.1988,7(2):129−136
本発明は、医薬品、食品等に利用することのできるGIP上昇抑制剤を提供することに関する。
本発明者らは、GIPの上昇をコントロールできる素材について検討したところ、構成脂肪酸にEPAやDHAを多く含むトリアシルグリセロールが食後GIPの上昇を抑制することを見出した。
すなわち、本発明は、以下を提供する。
(1)構成脂肪酸の1質量%以上がドコサヘキサエン酸であり、1質量%以上がエイコサペンタエン酸であるトリアシルグリセロールを有効成分とするGIP上昇抑制剤。
(2)構成脂肪酸の1質量%以上がドコサヘキサエン酸であり、1質量%以上がエイコサペンタエン酸であるトリアシルグリセロールを有効成分とする食後の消化促進剤。
(3)構成脂肪酸の1質量%以上がドコサヘキサエン酸であり、1質量%以上がエイコサペンタエン酸であるトリアシルグリセロールを有効成分とする胃もたれ改善剤。
(4)構成脂肪酸の1質量%以上がドコサヘキサエン酸であり、1質量%以上がエイコサペンタエン酸であるトリアシルグリセロールを含有する油脂組成物を有効成分とするGIP上昇抑制剤。
(5)構成脂肪酸の1質量%以上がドコサヘキサエン酸であり、1質量%以上がエイコサペンタエン酸であるトリアシルグリセロールを含有する油脂組成物を有効成分とする食後の消化促進剤。
(6)構成脂肪酸の1質量%以上がドコサヘキサエン酸であり、1質量%以上がエイコサペンタエン酸であるトリアシルグリセロールを含有する油脂組成物を有効成分とする胃もたれ改善剤。
本発明のGIP上昇抑制剤は、優れたGIP上昇抑制作用を有し、かつ安全性も高いので、例えば、食後の消化促進や胃もたれの改善をするための素材として有用である。
本発明において「GIP上昇抑制」とは、糖質及び脂質を含む食事、特に脂質を多く含む食事、そのなかでもトリアシルグリセロールを多く含む食事を摂取することにより、小腸に存在するK細胞から分泌されたGIPの上昇を抑制することをいう。すなわち、「GIP上昇抑制」とは、主として、糖質と脂質を同時摂取したときの食後に生じるGIP上昇を抑制することをいう。
そして、本発明における「GIP上昇抑制作用」は、K細胞からのGIP分泌を抑制することでGIP上昇を抑制するGIP分泌抑制作用、及び血中GIP濃度を低下させることによりGIP上昇を抑制するGIP低下作用のいずれをも含む概念である。
本発明における「GIP上昇抑制作用」は、トリオレインを基準として判断することができる。例えば、被験物質を投与又は摂取した群における血中GIP分泌量を、トリオレインを投与又は摂取した対照群の血中GIP分泌量と比較し、血中GIP分泌量の減少が認められた場合、当該被験物質にはGIP上昇抑制効果があると評価することができる。評価に際しては、必ずしも統計学的な手法を用いる必要はないが、統計学的に有意差の有無を検定して評価することが好ましい。
本明細書において、「非治療的」とは、医療行為、すなわち治療による人体への処理行為を含まない概念である。
本明細書において、「改善」とは、疾患、症状又は状態の好転、疾患、症状又は状態の悪化の防止又は遅延、あるいは疾患又は症状の進行の逆転、防止又は遅延をいう。
本発明において用いられるトリアシルグリセロールの全構成脂肪酸中、DHAの含有量は1質量%(以下、単に「%」とする)以上であるが、さらに1〜50%、さらに1.5〜30%、さらに1.5〜15%であるのが、GIP上昇抑制効果の点から好ましい。
また、トリアシルグリセロールの全構成脂肪酸中、EPAの含有量は1%以上であるが、さらに1〜50%、さらに1.5〜30%、さらに1.5〜10%であるのが、GIP上昇抑制効果の点から好ましい。
トリアシルグリセロールを構成する残余の構成脂肪酸としては、飽和脂肪酸又は不飽和脂肪酸のいずれであってもよいが、全構成脂肪酸の70〜100%が不飽和脂肪酸であることが好ましく、さらに75〜100%、特に80〜98%であるのが生理効果の点で好ましい。不飽和脂肪酸の炭素数は14〜26、さらに16〜22であるのが生理効果の点から好ましい。
また、トリアシルグリセロールの全構成脂肪酸中、飽和脂肪酸の含有量は60%未満であることが好ましく、より好ましくは0〜30%、さらに0〜20%であるのが、外観、生理効果の点で好ましい。飽和脂肪酸としては、炭素数14〜24、さらに16〜22のものが好ましい。
また、トリアシルグリセロールの全構成脂肪酸中、炭素数8〜10の中鎖脂肪酸の含有量は、5%以下、さらに0〜2%、さらに0〜1%であるのが好ましい。
トリアシルグリセロールの全構成脂肪酸中、トランス不飽和脂肪酸の含有量は、0〜4%、好ましくは0.1〜3.5%、さらに0.2〜3%であるのが風味、生理効果、外観の点で好ましい。
本発明のトリアシルグリセロールは、公知の方法に従い、グリセロールと脂肪酸との縮合反応により合成することができる。また、EPAやDHAを含有する油脂中にこれらを濃縮し、必要に応じて精製することにより得ることができる。例えば、代表的処理方法として油脂分解酵素を利用した加水分解法、エステル交換法、エステル化法が挙げられる。
本発明において、トリアシルグリセロールは、これを含有する油脂組成物として使用することもできる。油脂組成物中の油脂は、トリアシルグリセロールの他にジアシルグリセロール、モノアシルグリセロールのいずれか1種以上を含んでいてもよい。
油脂組成物中のトリアシルグリセロールの含有量は85%以上が好ましく、さらに85〜99.8%、さらに90〜99.5%、さらに92〜99%であるのがGIP上昇抑制効果の点から好ましい。
また、油脂組成物中のジアシルグリセロールの含有量は0〜5%が好ましく、更に0〜4%、特に0.1〜3%であるのが、工業生産性、安定性の点から好ましい。モノアシルグリセロールの含有量は、0〜5%が好ましく、さらに0〜2%、さらに0.1〜2%であるのが、風味、工業生産性の点から好ましい。
ジアシルグリセロール、モノアシルグリセロールの構成脂肪酸は、生理効果、製造上の点から、トリアシルグリセロールと同じであることが好ましい。
また、本発明における油脂組成物に含まれる遊離脂肪酸(塩)の含有量は、5%以下が好ましく、さらに0〜2%、さらに0〜1%であるのが風味、油脂の工業的生産性の点で好ましい。
本発明の油脂組成物に使用できる食用油脂に特に制限はなく、植物性油脂、動物性油脂のいずれでもよい。具体的な原料としては、菜種油(キャノーラ油)、ひまわり油、とうもろこし油、大豆油、あまに油、エゴマ油、米油、紅花油、綿実油、パーム油、やし油、オリーブ油、ぶどう油、アボカド油、ごま油、落花生油、マカデミアナッツ油、ヘーゼルナッツ油、くるみ油;豚脂、牛脂、鶏油、バター油、鰯油、鮪油、鰹油、いか油、さば油等の魚油、鯨油等の海獣油、微生物油及び藻類油等を挙げることができる。なかでも、構成脂肪酸としてEPA、DHAを豊富に含む点から、魚油、海獣油を用いるのが好ましい。
また、これらの油脂を分別、混合したもの、水素添加や、エステル交換反応等により脂肪酸組成を調整したものも利用できるが、水素添加していないものが、油脂を構成する全脂肪酸中のトランス不飽和脂肪酸含量を低減させる点から好ましい。また、市販品を用いてもよい。
更に、本発明の油脂組成物は、保存時及び調理時の酸化安定性の点より、油脂組成物中に抗酸化剤を0.01〜2%含有するのが好ましく、更に0.01〜1%、特に0.01〜0.5%含有するのが好ましい。抗酸化剤としては、天然抗酸化剤、トコフェロール、アスコルビルパルミテート、アスコルビルステアレート、ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)等から選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。
後記実施例に示すように、構成脂肪酸にEPA、DHAを多く含むトリアシルグリセロールは、糖質と脂質を同時摂取したときの食後血中GIP濃度を有意に低下させる作用を示した。従って、構成脂肪酸にDHA及びEPAを多く含むトリアシルグリセロール並びにこれを含有する油脂組成物は、GIP上昇抑制のために使用することができる。また、GIPの上昇抑制は、胃酸分泌の抑制及び胃運動の抑制を軽減させることから、本発明のトリアシルグリセロール及び油脂組成物は、食後の消化促進や胃もたれ、胃酸分泌能の改善のために使用することができる。当該使用は、ヒト若しくは非ヒト動物、又はそれらに由来する検体における使用であり得、また治療的使用であっても非治療的使用であってもよい。
また、本発明のトリアシルグリセロール及び油脂組成物は、GIP上昇抑制剤、GIP上昇を抑制することに基づく食後の消化促進剤、胃もたれ改善剤、胃酸分泌能の改善剤等(以下、「GIP上昇抑制剤等」)として使用することができ、さらにこれらの剤を製造するために使用することができる。このとき、当該GIP上昇抑制剤等には、当該本発明のトリアシルグリセロール及び油脂組成物を単独で、又はこれ以外に、必要に応じて適宜選択した担体等の、配合すべき後述の対象物において許容されるものを使用してもよい。なお、当該製剤は配合すべき対象物に応じて常法により製造することができる。
当該GIP上昇抑制剤等は、GIP上昇抑制や食後の消化促進、胃もたれ改善等の各効果を発揮する、ヒト若しくは動物用の医薬品、医薬部外品、食品、又は飼料の有効成分として配合して使用することができる。また、GIP上昇抑制剤等は、例えばGIP上昇抑制、食後の消化促進や胃もたれ改善をコンセプトとし、必要に応じてその旨を表示した食品、機能性食品、病者用食品、特定保健用食品に応用できる。
本発明のGIP上昇抑制剤等を医薬品の有効成分として用いる場合、当該医薬品は任意の投与形態で投与され得る。投与形態としては、経口、経腸、経粘膜、注射等が挙げられる。経口投与のための製剤の剤型としては、例えば錠剤、被覆錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、粉剤、徐放性製剤、懸濁液、エマルジョン剤、内服液、糖衣錠、丸剤、細粒剤、シロップ剤、エリキシル剤等が挙げられる。非経口投与としては、静脈内注射、筋肉注射剤、吸入、輸液、坐剤、吸入薬、経皮吸収剤、点眼剤、点鼻剤等が挙げられる。
また、斯かる製剤では、本発明のGIP上昇抑制剤等を単独で、又は他の薬学的に許容される担体と組み合わせて使用してもよい。斯かる担体としては、例えば、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、希釈剤、浸透圧調整剤、流動性促進剤、吸収助剤、pH調整剤、乳化剤、防腐剤、安定化剤、酸化防止剤、着色剤、紫外線吸収剤、保湿剤、増粘剤、光沢剤、活性増強剤、抗炎症剤、殺菌剤、矯味剤、矯臭剤、増量剤、界面活性剤、分散剤、緩衝剤、保存剤、香料、被膜剤等が挙げられる。
これらの投与形態のうち、経口投与が好ましく、GIP上昇抑制剤等を含む経口投与用製剤中のトリアシルグリセロール及び油脂組成物の含有量は、通常、製剤全質量の0.001〜100%であり、0.01〜100%であるのが好ましく、0.01〜100%であるのがより好ましい。
また、本発明のGIP上昇抑制剤等を食品の有効成分として配合して用いる場合、一般食品のほか、GIP上昇抑制や食後の消化促進、胃もたれの改善をコンセプトとし、必要に応じてその旨表示した美容食品、病者用食品、栄養機能食品又は特定保健用食品等の機能性食品に応用できる。
本発明のGIP上昇抑制剤等を食品の有効成分として用いる場合、当該食品の形態は、固形、半固形または液状であり得る。食品の例としては、パン類、麺類、クッキー等の菓子類、ゼリー類、乳製品、冷凍食品、インスタント食品、でんぷん加工製品、加工肉製品、その他加工食品、コーヒー飲料等の飲料、スープ類、調味料、栄養補助食品等、及びそれらの原料が挙げられる。また、上記の経口投与製剤と同様、錠剤形態、丸剤形態、カプセル形態、液剤形態、シロップ形態、粉末形態、顆粒形態等であってもよい。
種々の形態の食品を調製するには、GIP上昇抑制剤等を単独で、又は他の食品材料や、溶剤、軟化剤、油、乳化剤、防腐剤、香科、安定剤、着色剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、保湿剤、増粘剤等を適宜組み合わせて用いることができる。
また、GIP上昇抑制剤等を含む食品中におけるトリアシルグリセロール及び油脂組成物の含有量は、その使用形態により異なるが、通常、飲料の形態では、通常0.01〜50%であり、0.01〜20%が好ましく、0.01〜10%がより好ましい。また、錠剤や加工食品等の固形食品形態では、通常0.001〜100%であり、0.01〜80%が好ましく、0.01〜50%がより好ましい。
また、本発明のGIP上昇抑制剤等を飼料の有効成分として用いる場合には、当該飼料としては、例えば牛、豚、鶏、羊、馬等に用いる家畜用飼料、ウサギ、ラット、マウス等に用いる小動物用飼料、マグロ、ウナギ、タイ、ハマチ、エビ等に用いる魚介類用飼料、犬、猫、小鳥、リス等に用いるペットフード等が挙げられる。
尚、飼料を製造する場合には、GIP上昇抑制剤等を単独で、又はこの他に、牛、豚、羊等の肉類、蛋白質、穀物類、ぬか類、粕類、糖類、野菜、ビタミン類、ミネラル類等一般に用いられる飼料原料、更に一般的に飼料に使用されるゲル化剤、保型剤、pH調整剤、調味料、防腐剤、栄養補強剤等を必要に応じて配合し、常法により当該飼料を加工製造することがきできる。
また、GIP上昇抑制剤等を含む飼料中におけるトリアシルグリセロール及び油脂組成物の含有量は、その使用形態により異なるが、通常、液体の形態では、通常0.01〜50%であり、0.01〜20%が好ましく、0.01〜10%がより好ましい。また、錠剤や加工品等の固形の形態では、通常0.001〜100%であり、0.01〜80%が好ましく、0.01〜50%がより好ましい。
上記製剤等の投与又は摂取量は、患者の状態、体重、性別、年齢又はその他の要因に従って変動し得るが、経口投与又は摂取の場合、通常、成人1人1日あたり構成脂肪酸としてドコサヘキサエン酸とエイコサペンタエン酸を含有するトリアシルグリセロールとして0.1〜20gが好ましい。また、上記製剤は、任意の投与計画に従って投与又は摂取され得るが、1日1回〜数回に分けて投与又は摂取することが好ましい。
投与又は摂取する対象は、動物由来の組織、器官、細胞、又はそれらの分画物であり得る。当該組織、器官、細胞、又はそれらの分画物は、好ましくは、GIPを分泌する能力を有する天然由来又は生物学的若しくは生物工学的に改変された組織、器官、細胞、又はそれらの分画物である。
また、本発明のGIP上昇抑制剤等は、摂食・摂餌時或いは摂食・摂餌前に投与又は摂取するのが好ましく、特に摂食中・摂餌前5分から30分以内に投与又は摂取するのが好ましい。摂食・摂餌の栄養組成としては、特に限定されないが、糖質、脂質、蛋白質、ビタミン、ミネラルを含む通常の食事・餌であり、好ましくは、そのエネルギー構成比は、糖質と脂質の比率が100:0〜10:90の食事である。投与又は摂取対象者としては、健常者が好ましく、さらに空腹時血中GIP値が30pg/mL以上、または胃液分泌機能検査において、基礎分泌量が30mL/時間以下のヒトが好ましい。
<油脂の構成脂肪酸組成>
(脂肪酸誘導化)
油脂25mgを量り取り、0.5mol/L水酸化ナトリウム−メタノール溶液を2.0mL加えて、100℃で7分加熱した。次いで、三フッ化ホウ素−メタノール試薬を2mL加えて、100℃で5分加熱した。冷却後、2,2,4−トリメチルペンタンを1mLと塩化ナトリウム飽和水溶液4mLを加えて振り混ぜた後、2,2,4−トリメチルペンタン層を回収し、ガスクロマトグラフィー分析用試料とした。
(ガスクロマトグラフィーシステム概要)
ガスクロマトグラフィー:6890N Network GC System(商品名、アジレントテクノロジー社製)
オートサンプラー:7683 Series Injector(商品名、アジレントテクノロジー社製)
(ガスクロマトグラフィー条件)
温度 注入口:250℃、FID検出器:250℃
オーブン 初期温度:50℃、初期温度保持時間:1分、昇温速度:25℃/分(最終温度:120℃)、2℃/分(最終温度:250℃)
流量:1.49mL/分
注入モード:スプリット(スプリット比:1/100)
カラム:DB―23(商品名、0.25μm×250μm×30m、アジレントテクノロジー社製)
油脂の脂肪酸組成は次式に従い算出した。
脂肪酸組成(%)=A/B×100
(式中、Aは各脂肪酸のピーク面積を示し、Bはピークの総面積を示す。)
<油脂のグリセリド組成>
ガラス製サンプル瓶に、油脂サンプル約10mgとトリメチルシリル化剤(「シリル化剤TH」、関東化学製)0.5mLを加え、密栓し、70℃で15分間加熱した。これに水1.0mLとヘキサン1.5mLを加え、振とうした。静置後、上層をガスクロマトグラフィー(GLC)に供して分析した。
(GLC条件)
ガスクロマトグラフィー:6890N Network GC System(商品名、アジレントテクノロジー社製)
インテグレーター:ケミステーションB 02.01 SR2(アジレントテクノジー社製)
ディテクター:FID、T=350℃
オーブン温度:80℃から10℃/分で340℃まで昇温、15分間保持
キャリアガス:1.0mL He/min
注入モード:スプリット(1:50)、T=320℃
カラム:DB−1ht(Agilent J&W社製)
実施例1 魚油及び八目ウナギ油のGIP上昇抑制作用
評価には、試験群としてイワシ由来精製魚油(日本化学飼料社製)、八目ウナギ油(サミット製油)、ダイズ油(サミット製油)、ナタネ油(サミット製油)、コントロール群としてトリオレイン(シグマ社)を用いた。各油脂組成物の脂肪酸組成は表1に、グリセリド組成は表2に示した。
Figure 2013063937
Figure 2013063937
糖質及び脂質の負荷量がそれぞれ2mg/g体重になるように、脂質として各油脂組成物、糖質としてグルコース(和光純薬)、0.2%卵黄レシチン(和光純薬)、蒸留水を表3に示すような組成で混合し、超音波処理して調製した乳剤を用いた。
Figure 2013063937
7週齢雄性C57BL/6Jマウス(日本クレア)を標準粉末飼料CE−2(日本クレア)において1週間予備飼育した。飼育環境は室温を22±2℃、湿度を55±10%とし、照明時間を7時から19時とした。その後、17時間絶食し、ジエチルエーテル麻酔下、初期採血を眼窩静脈叢より行った(ヘパリン処理ヘマトクリット微量採血管、VITREX製)後、各乳剤を胃内投与後10、30、60分後にジエチルエーテル麻酔下、眼窩静脈叢より採血を行った。採血した血液は氷中保存した後、11000 rpm、6分にて遠心分離し、血漿を得た。得られた血漿は測定まで−80℃で保管した。また、血漿中のGIP濃度をELISA法(Rat/Mouse GIP(Total)ELISA Kit、Linco Research/Millipore co.)、より定量し、グラフの曲線下面積(AUC)を算出した。
トリオレイン投与群(コントロール群)における乳剤投与60分後までのGIP AUC(初期値に対する上昇量)を100とした場合の、各油脂組成物投与60分後までのGIP AUCの相対値を表4に示す。
数値は平均±標準偏差で示した。群間の統計学的有意差については、コントロール群に対するt検定を行ない、両側検定でp値が0.05以下の場合を有意差ありとし、表に*(vsトリオレイン)を示した。
Figure 2013063937
DHA、EPAを豊富に含む魚油及び八目ウナギ油の投与60分後までのGIP AUCはトリオレインに比べて有意に少なかった。これに対し、一般的な食用油脂として用いられるダイズ油及びナタネ油のGIP上昇AUCについては、トリオレインと有意な差は認められなかった。

Claims (7)

  1. 構成脂肪酸の1質量%以上がドコサヘキサエン酸であり、1質量%以上がエイコサペンタエン酸であるトリアシルグリセロールを有効成分とするGIP上昇抑制剤。
  2. 構成脂肪酸の1質量%以上がドコサヘキサエン酸であり、1質量%以上がエイコサペンタエン酸であるトリアシルグリセロールを有効成分とする食後の消化促進剤。
  3. 構成脂肪酸の1質量%以上がドコサヘキサエン酸であり、1質量%以上がエイコサペンタエン酸であるトリアシルグリセロールを有効成分とする胃もたれ改善剤。
  4. 構成脂肪酸の1質量%以上がドコサヘキサエン酸であり、1質量%以上がエイコサペンタエン酸であるトリアシルグリセロールを含有する油脂組成物を有効成分とするGIP上昇抑制剤。
  5. 油脂組成物中にトリアシルグリセロールを85質量%以上含有する請求項4記載のGIP上昇抑制剤。
  6. 構成脂肪酸の1質量%以上がドコサヘキサエン酸であり、1質量%以上がエイコサペンタエン酸であるトリアシルグリセロールを含有する油脂組成物を有効成分とする食後の消化促進剤。
  7. 構成脂肪酸の1質量%以上がドコサヘキサエン酸であり、1質量%以上がエイコサペンタエン酸であるトリアシルグリセロールを含有する油脂組成物を有効成分とする胃もたれ改善剤。
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