JP6422705B2 - Gip上昇抑制剤 - Google Patents

Gip上昇抑制剤 Download PDF

Info

Publication number
JP6422705B2
JP6422705B2 JP2014173580A JP2014173580A JP6422705B2 JP 6422705 B2 JP6422705 B2 JP 6422705B2 JP 2014173580 A JP2014173580 A JP 2014173580A JP 2014173580 A JP2014173580 A JP 2014173580A JP 6422705 B2 JP6422705 B2 JP 6422705B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
acylglycerol
oil
fatty acid
gip
saturated fatty
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014173580A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016047805A (ja
Inventor
義隆 古賀
義隆 古賀
紀子 大崎
紀子 大崎
卓也 森
卓也 森
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kao Corp filed Critical Kao Corp
Priority to JP2014173580A priority Critical patent/JP6422705B2/ja
Publication of JP2016047805A publication Critical patent/JP2016047805A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6422705B2 publication Critical patent/JP6422705B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Acyclic And Carbocyclic Compounds In Medicinal Compositions (AREA)

Description

本発明は、GIP上昇抑制剤に関する。
GIP(ガストリックインヒビトリーポリペプチド又はグルコースディペンデントインスリノトロピックポリペプチド)は、グルカゴン・セクレチンファミリーに属する消化管ホルモンの1つである。GIPは、脂質や糖質の摂食により小腸に存在するK細胞から分泌され、膵β細胞においてインスリン分泌を促進し、また脂肪組織において糖質や脂質の取り込みを亢進する。GIPはまた、胃酸分泌抑制作用や胃運動抑制作用を有することが知られている(非特許文献1〜3)。そのため、GIPの上昇抑制は、食後の消化促進、胃もたれの改善、肥満の予防又は改善等に有効であると考えられている。
従来、脂肪酸がGIP分泌に与える影響については、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸等の炭素数18以下の長鎖脂肪酸が血中GIP分泌を促すことが知られている(非特許文献4)。一方で、特許文献1及び2には、構成脂肪酸にEPAやDHAを多く含むトリアシルグリセロール、又は構成脂肪酸にα−リノレン酸を多く含むトリアシルグリセロールは、通常のトリアシルグリセロールに比べてGIPの上昇作用が低いことが開示されている。また、特許文献3には、モノアシルグリセロールが、トリアシルグリセロール摂取により生じるGIP分泌を抑制することが記載されている。
特開2013−063937号公報 特開2013−075887号公報 特開2007−290989号公報
Brown JCら、Canadian J Physiol Pharmacol. 1969,47:113−114 Falko JMら、J Clin Endocrinol Metab.1975,41:260−265 織田敏次ら、消化管 機能と病態、1981年、中外医学社、P205−216 KWASOWSKIら、BIOSCIENCE REPORT 5、1985:701−705
本発明は、より効果の高いGIP上昇抑制剤を提供することに関する。
本発明者らは、GIPの上昇をより効果的に抑制することができる素材について検討した。その結果、グリセロール骨格の2位にC14〜C18飽和脂肪酸を含むアシルグリセロールが、他のアシルグリセロールに比べてGIPの上昇作用が低いことを見出した。
すなわち本発明は、グリセロール骨格の2位にC14〜C18飽和脂肪酸が結合したアシルグリセロールを有効成分とする、GIP上昇抑制剤を提供する。
また本発明は、グリセロール骨格の2位にC14〜C18飽和脂肪酸が結合したアシルグリセロールを有効成分とする、食後の消化促進剤を提供する。
また本発明は、グリセロール骨格の2位にC14〜C18飽和脂肪酸が結合したアシルグリセロールを有効成分とする、胃もたれ改善剤を提供する。
また本発明は、グリセロール骨格の2位にC14〜C18飽和脂肪酸が結合したアシルグリセロールを有効成分とする、肥満抑制剤を提供する。
さらに本発明は、グリセロール骨格の2位にC14〜C18飽和脂肪酸が結合したアシルグリセロールを含有する油脂組成物を有効成分とする、GIP上昇抑制剤を提供する。
さらに本発明は、グリセロール骨格の2位にC14〜C18飽和脂肪酸が結合したアシルグリセロールを含有する油脂組成物を有効成分とする、食後の消化促進剤を提供する。
さらに本発明は、グリセロール骨格の2位にC14〜C18飽和脂肪酸が結合したアシルグリセロールを含有する油脂組成物を有効成分とする、胃もたれ改善剤を提供する。
さらに本発明は、グリセロール骨格の2位にC14〜C18飽和脂肪酸が結合したアシルグリセロールを含有する油脂組成物を有効成分とする、肥満抑制剤を提供する。
本発明のGIP上昇抑制剤は、通常の油脂に比べてGIP上昇作用が顕著に低いので、例えば、食後の消化促進、胃もたれ改善、肥満抑制等のための素材として有用である。
各種2−モノアシルグリセロールによるGIP分泌率の変化 遊離オレイン酸存在下での各種モノアシルグリセロールによるGIP分泌率の変化。
本明細書において「GIP上昇抑制」とは、脂質及び糖質を含む食事、特に脂質を多く含む食事を摂取することにより小腸に存在するK細胞から分泌されたGIPの上昇を抑制することをいう。すなわち、本明細書における「GIP上昇抑制」とは、好ましくは、食後に生じるGIP上昇を抑制することをいう。また、本明細書における「GIP上昇抑制作用」は、K細胞からのGIP分泌を抑制することでGIP上昇を抑制するGIP分泌抑制作用、及び血中GIP濃度を低下させることによりGIP上昇を抑制するGIP低下作用のいずれをも含む概念である。
本明細書における「GIP上昇抑制作用」は、任意の油脂又は脂肪酸のGIP上昇抑制作用を基準として判断することができる。例えば、被験物質を投与又は摂取した試験群における血中GIP分泌量を、任意の油脂又は脂肪酸(例えばオレイン酸)を投与又は摂取した対照群の血中GIP分泌量と比較する。対照群と比べて試験群で血中GIP分泌量の減少が認められた場合、当該被験物質はGIP上昇抑制効果があると評価することができる。評価に際しては、必ずしも統計学的な手法を用いる必要はないが、統計学的に有意差の有無を検定して評価することが好ましい。
本明細書において、「非治療的」とは、医療行為を含まない、すなわち人間を手術、治療又は診断する方法を含まない概念である。
本明細書において、「改善」とは、疾患、症状又は状態の好転、疾患、症状又は状態の悪化の防止又は遅延、あるいは疾患又は症状の進行の逆転、防止又は遅延をいう。
本発明のGIP上昇抑制剤は、グリセロール骨格の2位にC14〜C18飽和脂肪酸が結合したアシルグリセロール(以下の本明細書において、「本発明のアシルグリセロール」ということがある)を有効成分とする。本発明のアシルグリセロールの2位に結合するC14〜C18飽和脂肪酸としては、ミリスチン酸、パルミチン酸又はステアリン酸が好ましく、ステアリン酸がより好ましい。本発明のアシルグリセロールは、トリアシルグリセロールであることが好ましいが、モノアシルグリセロール又はジアシルグリセロールであってもよい。本発明のアシルグリセロールは、グリセロール骨格の2位にC14〜C18飽和脂肪酸が結合していないアシルグリセロールよりも高いGIP上昇抑制能を有する。また本発明のモノアシルグリセロールは、グリセロール骨格の1位にC14〜C18飽和脂肪酸が結合したモノアシルグリセロールと比べてGIP上昇を強く抑制することができる。
本発明のアシルグリセロールがジアシルグリセロール又はトリアシルグリセロールである場合、該ジ又はトリアシルグリセロールを構成する残余の構成脂肪酸は、飽和脂肪酸又は不飽和脂肪酸のいずれであってもよい。生理効果の観点からは、該ジ又はトリモノアシルグリセロールの残余の構成脂肪酸中、好ましくは70〜100%、より好ましくは75〜100%、さらに好ましくは80〜98%は不飽和脂肪酸であり、該不飽和脂肪酸の炭素数は、好ましくは14〜26、より好ましくは16〜24である。一方、外観及び生理効果の観点からは、該ジ又はトリアシルグリセロールの残余の構成脂肪酸中に含まれる飽和脂肪酸の炭素数は、好ましくは14〜24、より好ましくは16〜24である。該ジ又はトリアシルグリセロールの残余の構成脂肪酸中、炭素数8〜10の中鎖脂肪酸の含有量は、好ましくは5%以下、より好ましくは0〜2%、さらに好ましくは0〜1%である。また、生理効果及び外観の観点からは、該ジ又はトリアシルグリセロールの残余の構成脂肪酸中、トランス不飽和脂肪酸の含有量は、好ましくは0〜4%、より好ましくは0.1〜3.5%、さらに好ましくは0.2〜3%である。
本発明のアシルグリセロールは、公知の方法に従い、グリセロールと脂肪酸との縮合反応により合成することができる。また、常法に従って、後述する食用油脂を所望する脂肪酸組成となるようにエステル交換等を行い、必要に応じて精製することにより得ることができる。食用油脂としては、植物性油脂及び動物性油脂のいずれでもよく、例えば、菜種油(キャノーラ油)、ひまわり油、とうもろこし油、大豆油、あまに油、エゴマ油、米油、紅花油、綿実油、パーム油、やし油、オリーブ油、ぶどう油、アボカド油、ごま油、落花生油、マカデミアナッツ油、ヘーゼルナッツ油、くるみ油、豚脂、牛脂、鶏油、バター油、魚油等、及びこれらを分別又は混合した油脂を挙げることができる。これらの食用油脂は、市販品を用いてもよい。
本発明のアシルグリセロールは、これを含有する油脂組成物の形態で使用することもできる。すなわち、本発明のGIP上昇抑制剤は、グリセロール骨格の2位にC14〜C18飽和脂肪酸が結合した本発明のアシルグリセロールを含有する油脂組成物(以下の本明細書において、「本発明の油脂組成物」ということがある)を有効成分とすることができる。
本発明の油脂組成物は、本発明のアシルグリセロールの他に、その他のトリアシルグリセロール、ジアシルグリセロール、モノアシルグリセロール、及び遊離脂肪酸又はその塩を含んでいてもよい。本発明の油脂組成物における本発明のアシルグリセロールの含有量は、該油脂組成物に含まれる構成脂肪酸の全質量中における本発明のアシルグリセロールの2位に結合した脂肪酸の質量として表され、好ましくは5質量%以上、より好ましくは5〜40質量%、さらに好ましくは10〜40質量%である。
本発明の油脂組成物中におけるトリアシルグリセロールの含有量は、該油脂組成物の全質量中、好ましくは85%質量以上、より好ましくは88〜99.8質量%、さらに好ましくは90〜99.5質量%、なお好ましくは92〜99%質量である。本発明の油脂組成物中のジアシルグリセロールの含有量は、工業生産性及び安定性の点からは、該油脂組成物の全質量中、好ましくは0〜5質量%、より好ましくは0〜4質量%、さらに好ましくは0.1〜3質量%である。また、本発明の油脂組成物中のモノアシルグリセロールの含有量は、風味及び工業生産性の観点からは、該油脂組成物の全質量中、好ましくは0〜5質量%、より好ましくは0〜2質量%、さらに好ましくは0.1〜2質量%である。また、本発明の油脂組成物に含まれる遊離脂肪酸又はその塩の含有量は、風味及び工業生産性の観点からは、該油脂組成物の全質量中、好ましくは5質量%以下、より好ましくは0〜2質量%、さらに好ましくは0〜1質量%である。
本発明の油脂組成物の原料としては、上述した食用油脂、その水素添加物、及びそれらをエステル交換反応等にかけ脂肪酸組成を調整した油脂を挙げることができる。油脂組成物中のトランス不飽和脂肪酸含量を低減させる観点からは、水素添加してない油脂を原料とすることが好ましい。原料油脂は、市販品を用いてもよい。これらの原料油脂を、本発明のアシルグリセロール、及びその他のトリアシルグリセロール、ジアシルグリセロール、モノアシルグリセロール、遊離脂肪酸又はその塩の含有量が適切な値になるように適宜混合することにより、本発明の油脂組成物を製造することができる。
本発明の油脂組成物は、保存時及び調理時の酸化安定性の点で、抗酸化剤を含有することが好ましい。抗酸化剤としては、天然抗酸化剤、トコフェロール、アスコルビルパルミテート、アスコルビルステアレート、ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)等から選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。該油脂組成物中における抗酸化剤の含有量は、好ましくは0.01〜2質量%、より好ましくは0.01〜1質量%、さらに好ましくは0.01〜0.5質量%である。
後記実施例に示すように、グリセロール骨格の2位にC14〜C18飽和脂肪酸が結合したアシルグリセロールは、油脂や脂肪酸の摂取により生じる血中GIP濃度の上昇を抑制する作用を有する。したがって、本発明のアシルグリセロール、及びそれを含む本発明の油脂組成物は、GIP上昇抑制のため、好ましくは油脂や脂肪酸の摂取に起因するGIP上昇の抑制、例えば、油脂や脂肪酸を含む食餌の摂取後に生じるGIP上昇の抑制のために使用することができる。例えば、本発明のアシルグリセロール又は油脂組成物を、食餌に含まれる油脂や脂肪酸の一部又は全部と置き換えるか、又は油脂や脂肪酸を含む食餌に加えることにより、該油脂や脂肪酸の摂取に起因するGIP上昇を抑制することができる。
また、GIPの上昇抑制は、胃酸分泌の抑制及び胃運動の抑制を軽減させることから、本発明のアシルグリセロール及び油脂組成物は、食後の消化促進、又は胃もたれや胃酸分泌能の改善のために使用することができる。さらに、GIPの上昇抑制は肥満の予防や改善に有効であることから、本発明のアシルグリセロール又は油脂組成物は、体重増加や体脂肪増加、又は肥満の抑制のために使用することができる。例えば、本発明のアシルグリセロール又は油脂組成物を、食餌に含まれる油脂や脂肪酸の一部又は全部と置き換えるか、又は油脂や脂肪酸を含む食餌に加えることにより、該油脂や脂肪酸の摂取に起因する食後の消化不良、胃酸分泌不良若しくは胃もたれを改善し、又は該油脂や脂肪酸の摂取に起因する体重増加、体脂肪増加若しくは肥満を抑制することができる。
したがって、一態様において、本発明は、本発明のアシルグリセロール、又は本発明の油脂組成物を有効成分とするGIP上昇抑制剤を提供する。また本発明は、本発明のアシルグリセロール、又は本発明の油脂組成物を有効成分とする、食後の消化促進剤、胃もたれ改善剤、胃酸分泌能の改善剤、体重増加抑制剤、体脂肪増加抑制剤、又は肥満抑制剤を提供する。
別の態様において、本発明は、GIP上昇抑制剤、食後の消化促進剤、胃もたれ改善剤、胃酸分泌能の改善剤、体重増加抑制剤、体脂肪増加抑制剤、又は肥満抑制剤の製造のための、本発明のアシルグリセロール、又は本発明の油脂組成物の使用を提供する。
また別の態様において、本発明は、GIP上昇抑制、食後の消化促進、胃もたれ改善、胃酸分泌能の改善、体重増加抑制、体脂肪増加抑制、又は肥満抑制のための、本発明のアシルグリセロール、又は本発明の油脂組成物の使用を提供する。
上記使用は、ヒト若しくは非ヒト動物、又はそれらに由来する検体における使用であり得る。該非ヒト動物としては、好ましくは非ヒト哺乳動物、例えば、イヌ、ネコ、ハムスター、マウス、ラット、ウサギ、ウマ、ウシ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、サルなどが挙げられるが、これらに限定されない。該検体としては、哺乳動物由来の小腸K細胞、K細胞を含む小腸組織、それらの培養物などが挙げられるが、これらに限定されない。
また、上記使用は、治療的使用であっても、非治療的使用であってもよい。非治療的使用は、例えば、健康増進若しくは美容目的での体重増加や体脂肪増加の抑制のため、又は健康増進目的での食後の消化促進、胃もたれ改善、若しくは胃酸分泌能の改善のために、医療行為としてではなく、本発明のアシルグリセロール又は油脂組成物を投与又は摂取することであり得る。
また本発明によれば、本発明のアシルグリセロール又は油脂組成物は、GIP上昇抑制、食後の消化促進、胃もたれ改善、胃酸分泌能の改善、体重増加抑制、体脂肪増加抑制、又は肥満抑制のための医薬、医薬部外品、飲食品、飼料等の製造のために使用することができる。当該医薬、医薬部外品、飲食品、飼料等は、ヒト又は非ヒト動物用として製造され得る。該非ヒト動物の種類は上述したとおりである。
上記医薬及び医薬部外品は、本発明のアシルグリセロール又は油脂組成物を有効成分として含有する。当該医薬及び医薬部外品は、本発明のアシルグリセロール又は油脂組成物のGIP上昇抑制作用が失われない限り、他の有効成分、薬理成分等を含有していてもよい。
上記医薬及び医薬部外品は、本発明のアシルグリセロール又は油脂組成物から、あるいは必要に応じて薬学的に許容される担体や、上記他の有効成分や薬理成分等を組みあわせて、常法により製造することができる。当該医薬及び医薬部外品は、経口投与又は非経口投与のための任意の剤型に調製され得るが、好ましくは経口投与形態に調製される。
上記飲食品及び飼料は、GIP上昇抑制、食後の消化促進、胃もたれ改善、胃酸分泌能の改善、体重増加抑制、体脂肪増加抑制、肥満抑制等の機能を得ることを企図し、当該機能を必要に応じて表示した飲食品、機能性飲食品、保健食品、病者用飲食品、特定保健用飲食品、飼料、ペットフード等であり得る。なお、当該機能を必要に応じて表示した飲食品、機能性飲食品、保健食品、病者用飲食品、特定保健用飲食品とは、機能表示が許可された飲食品であって、一般の飲食品とは区別されるものである。
上記飲食品は、あらゆる形態及び種類の食品及び飲料を含む。例えば、食品の形態は、固形、半固形、液状等の任意の形態を含む。上記飼料は、上述した非ヒト動物のための飼料又はペットフードであり、あらゆる形態及び種類を含む。
上記飲食品及び飼料は、本発明のアシルグリセロール又は油脂組成物を有効成分として含有する。当該飲食品、飼料、又はそれらの原料は、本発明のアシルグリセロール又は油脂組成物を単独で含有していてもよく、又は他の食材や、食品や飼料に使用できる添加剤を組み合わせて含有していてもよい。
上記医薬及び医薬部外品における本発明のアシルグリセロール又は油脂組成物の含有量は、その全質量中0.01〜100質量%であればよいが、好ましくは0.1〜100質量%、より好ましくは1〜100質量%、さらに好ましくは5〜100質量%である。
上記飲食品及び飼料における本発明のアシルグリセロール又は油脂組成物の含有量は、その使用形態により異なり得る。飲料や液体飼料等の液状形態の場合、本発明のアシルグリセロール又は油脂組成物の含有量は、本発明のアシルグリセロールの量に換算して、0.01〜50質量%であればよく、好ましくは0.01〜20質量%、より好ましくは0.01〜10質量%、さらに好ましくは1〜50質量%、なお好ましくは5〜50質量%である。また、錠剤や固形食品、固形飼料等の固形形態の場合、本発明のアシルグリセロール又は油脂組成物の含有量は、本発明のアシルグリセロールの量に換算して、0.001〜100質量%であればよく、好ましくは0.01〜80質量%、より好ましくは0.01〜50質量%、さらに好ましくは1〜80質量%、なお好ましくは5〜50質量%である。
なお別の態様において、本発明は、対象のGIP上昇を抑制する方法を提供する。また本発明は、対象の食後の消化を促進する方法、胃もたれを改善する方法、又は胃酸分泌能を改善する方法を提供する。また本発明は、対象の体重増加、体脂肪増加、又は肥満を抑制する方法を提供する。該本発明の方法は、該対象に、本発明のアシルグリセロール又は油脂組成物を有効量で投与するか又は摂取させることを含む。
上記本発明の方法は、治療的方法であってもよいが、健康増進若しくは美容目的での体重増加や体脂肪増加の抑制のため、又は健康増進目的での食後の消化促進、胃もたれ改善、若しくは胃酸分泌能の改善のための非治療的方法であってもよい。
上記本発明の方法における「対象」としては、GIP上昇抑制を必要とする動物、食後の消化促進を必要とする動物、胃もたれ又は胃酸分泌能の改善を必要とする動物、体重増加又は体脂肪増加の抑制を必要とする動物、肥満抑制を必要とする動物など、好ましくは、油脂や脂肪酸の摂取に起因するGIP上昇の抑制を必要とする動物、油脂や脂肪酸の摂取に起因する消化不良、胃酸分泌不良若しくは胃もたれの改善を必要とする動物、及び油脂や脂肪酸の摂取に起因する体重増加、体脂肪増加若しくは肥満の抑制を必要とする動物が挙げられる。該対象のより詳細な例としては、空腹時血中GIP値が30pg/mL以上のヒト、及び胃液分泌機能検査において、基礎分泌量が30mL/時間以下のヒトが挙げられる。あるいは、該対象の別の詳細な例としては、健常であるが、食後の消化促進、胃もたれ又は胃酸分泌能の改善、好ましくは、油脂や脂肪酸の摂取に起因する消化不良、胃酸分泌不良若しくは胃もたれの改善が所望される動物、及び美容目的で、体重や体脂肪の増加、好ましくは、油脂や脂肪酸の摂取に起因する体重や体脂肪の増加の抑制を所望する動物が挙げられる。該対象となる動物としては、ヒト、及び上述した非ヒト哺乳動物が挙げられ、好ましくはヒトである。
上記本発明の方法における本発明のアシルグリセロール又は油脂組成物の投与又は摂取の「有効量」は、上記対象の種、状態、体重、性別、年齢又はその他の要因に従って変動し得る。経口投与又は摂取の場合の一例としては、通常、成人(60kg)に対して、本発明のアシルグリセロールの量に換算して0.1〜20g/日が好ましい。
本発明のアシルグリセロール又は油脂組成物は、任意の投与計画に従って投与又は摂取され得るが、好ましくは経口投与又は経口摂取される。また本発明のアシルグリセロール又は油脂組成物は、好ましくは1日1回〜数回、より好ましくは摂食若しくは摂餌の前又は間に、さらに好ましくは摂食若しくは摂餌の30分前から5分前までに、投与又は摂取される。該摂食若しくは摂餌の際の食事若しくは餌としては、特に限定されないが、糖質、脂質、蛋白質、ビタミン、ミネラル等を含む通常の栄養組成の食事若しくは餌であればよく、好ましくは、糖質と脂質のエネルギー構成比が100:0〜10:90の食事若しくは餌である。
あるいは、上記本発明のGIP上昇を抑制する方法は、哺乳動物由来の組織、器官、細胞、それらの培養物、又はそれらの分画物を対象とした、インビトロ又はエキソビボ方法であり得る。当該組織、器官、細胞、それらの培養物、又はそれらの分画物としては、哺乳動物由来の小腸K細胞、K細胞を含む小腸組織、それらの培養物、GIPを分泌する能力を有するように生物学的若しくは生物工学的に改変された細胞やその培養物、及びそれらの分画物が挙げられる。
本発明の例示的実施形態として、さらに以下の組成物、製造方法、用途あるいは方法を本明細書に開示する。ただし、本発明はこれらの実施形態に限定されない。
<1>グリセロール骨格の2位にC14〜C18飽和脂肪酸が結合したアシルグリセロールの、GIP上昇抑制剤の製造のための使用。
<2>グリセロール骨格の2位にC14〜C18飽和脂肪酸が結合したアシルグリセロールの、食後の消化促進剤の製造のための使用。
<3>グリセロール骨格の2位にC14〜C18飽和脂肪酸が結合したアシルグリセロールの、胃もたれ改善剤の製造のための使用。
<4>グリセロール骨格の2位にC14〜C18飽和脂肪酸が結合したアシルグリセロールの、肥満抑制剤の製造のための使用。
<5>グリセロール骨格の2位にC14〜C18飽和脂肪酸が結合したアシルグリセロールの、体重増加抑制剤の製造のための使用。
<6>グリセロール骨格の2位にC14〜C18飽和脂肪酸が結合したアシルグリセロールの、体脂肪増加抑制剤の製造のための使用。
<7>グリセロール骨格の2位にC14〜C18飽和脂肪酸が結合したアシルグリセロールを含有する油脂組成物の、GIP上昇抑制剤の製造のための使用。
<8>グリセロール骨格の2位にC14〜C18飽和脂肪酸が結合したアシルグリセロールを含有する油脂組成物の、食後の消化促進剤の製造のための使用。
<9>グリセロール骨格の2位にC14〜C18飽和脂肪酸が結合したアシルグリセロールを含有する油脂組成物の、胃もたれ改善剤の製造のための使用。
<10>グリセロール骨格の2位にC14〜C18飽和脂肪酸が結合したアシルグリセロールを含有する油脂組成物の、肥満抑制剤の製造のための使用。
<11>グリセロール骨格の2位にC14〜C18飽和脂肪酸が結合したアシルグリセロールを含有する油脂組成物の、体重増加抑制剤の製造のための使用。
<12>グリセロール骨格の2位にC14〜C18飽和脂肪酸が結合したアシルグリセロールを含有する油脂組成物の、体脂肪増加抑制剤の製造のための使用。
<13>グリセロール骨格の2位にC14〜C18飽和脂肪酸が結合したアシルグリセロールの、GIP上昇抑制のための使用。
<14>グリセロール骨格の2位にC14〜C18飽和脂肪酸が結合したアシルグリセロールの、食後の消化促進のための使用。
<15>グリセロール骨格の2位にC14〜C18飽和脂肪酸が結合したアシルグリセロールの、胃もたれ改善のための使用。
<16>グリセロール骨格の2位にC14〜C18飽和脂肪酸が結合したアシルグリセロールの、肥満抑制のための使用。
<17>グリセロール骨格の2位にC14〜C18飽和脂肪酸が結合したアシルグリセロールの、体重増加抑制のための使用。
<18>グリセロール骨格の2位にC14〜C18飽和脂肪酸が結合したアシルグリセロールの、体脂肪増加抑制のための使用。
<19>グリセロール骨格の2位にC14〜C18飽和脂肪酸が結合したアシルグリセロールを含有する油脂組成物の、GIP上昇抑制のための使用。
<20>グリセロール骨格の2位にC14〜C18飽和脂肪酸が結合したアシルグリセロールを含有する油脂組成物の、食後の消化促進のための使用。
<21>グリセロール骨格の2位にC14〜C18飽和脂肪酸が結合したアシルグリセロールを含有する油脂組成物の、胃もたれ改善のための使用。
<22>グリセロール骨格の2位にC14〜C18飽和脂肪酸が結合したアシルグリセロールを含有する油脂組成物の、肥満抑制のための使用。
<23>グリセロール骨格の2位にC14〜C18飽和脂肪酸が結合したアシルグリセロールを含有する油脂組成物の、体重増加抑制のための使用。
<24>グリセロール骨格の2位にC14〜C18飽和脂肪酸が結合したアシルグリセロールを含有する油脂組成物の、体脂肪増加抑制のための使用。
<25>好ましくは非治療的使用である、<13>〜<24>のいずれか1に記載の使用。
<26>GIP上昇抑制に使用するための、グリセロール骨格の2位にC14〜C18飽和脂肪酸が結合したアシルグリセロール。
<27>食後の消化促進に使用するための、グリセロール骨格の2位にC14〜C18飽和脂肪酸が結合したアシルグリセロール。
<28>胃もたれ改善に使用するための、グリセロール骨格の2位にC14〜C18飽和脂肪酸が結合したアシルグリセロール。
<29>肥満抑制に使用するための、グリセロール骨格の2位にC14〜C18飽和脂肪酸が結合したアシルグリセロール。
<30>体重増加抑制に使用するための、グリセロール骨格の2位にC14〜C18飽和脂肪酸が結合したアシルグリセロール。
<31>体脂肪増加抑制に使用するための、グリセロール骨格の2位にC14〜C18飽和脂肪酸が結合したアシルグリセロール。
<32>GIP上昇抑制に使用するための、グリセロール骨格の2位にC14〜C18飽和脂肪酸が結合したアシルグリセロールを含有する油脂組成物。
<33>食後の消化促進に使用するための、グリセロール骨格の2位にC14〜C18飽和脂肪酸が結合したアシルグリセロールを含有する油脂組成物。
<34>胃もたれ改善に使用するための、グリセロール骨格の2位にC14〜C18飽和脂肪酸が結合したアシルグリセロールを含有する油脂組成物。
<35>肥満抑制に使用するための、グリセロール骨格の2位にC14〜C18飽和脂肪酸が結合したアシルグリセロールを含有する油脂組成物。
<36>体重増加抑制に使用するための、グリセロール骨格の2位にC14〜C18飽和脂肪酸が結合したアシルグリセロールを含有する油脂組成物。
<37>体脂肪増加抑制に使用するための、グリセロール骨格の2位にC14〜C18飽和脂肪酸が結合したアシルグリセロールを含有する油脂組成物。
<38>グリセロール骨格の2位にC14〜C18飽和脂肪酸が結合したアシルグリセロールを対象に投与するか又は摂取させることを含む、GIP上昇抑制方法。
<39>グリセロール骨格の2位にC14〜C18飽和脂肪酸が結合したアシルグリセロールを対象に投与するか又は摂取させることを含む、食後の消化促進方法。
<40>グリセロール骨格の2位にC14〜C18飽和脂肪酸が結合したアシルグリセロールを対象に投与するか又は摂取させることを含む、胃もたれ改善方法。
<41>グリセロール骨格の2位にC14〜C18飽和脂肪酸が結合したアシルグリセロールを対象に投与するか又は摂取させることを含む、肥満抑制方法。
<42>グリセロール骨格の2位にC14〜C18飽和脂肪酸が結合したアシルグリセロールを対象に投与するか又は摂取させることを含む、体重増加抑制方法。
<43>グリセロール骨格の2位にC14〜C18飽和脂肪酸が結合したアシルグリセロールを対象に投与するか又は摂取させることを含む、体脂肪増加抑制方法。
<44>グリセロール骨格の2位にC14〜C18飽和脂肪酸が結合したアシルグリセロールを含有する油脂組成物を対象に投与するか又は摂取させることを含む、GIP上昇抑制方法。
<45>グリセロール骨格の2位にC14〜C18飽和脂肪酸が結合したアシルグリセロールを含有する油脂組成物を対象に投与するか又は摂取させることを含む、食後の消化促進方法。
<46>グリセロール骨格の2位にC14〜C18飽和脂肪酸が結合したアシルグリセロールを含有する油脂組成物を対象に投与するか又は摂取させることを含む、胃もたれ改善方法。
<47>グリセロール骨格の2位にC14〜C18飽和脂肪酸が結合したアシルグリセロールを含有する油脂組成物を対象に投与するか又は摂取させることを含む、肥満抑制方法。
<48>グリセロール骨格の2位にC14〜C18飽和脂肪酸が結合したアシルグリセロールを含有する油脂組成物を対象に投与するか又は摂取させることを含む、体重増加抑制方法。
<49>グリセロール骨格の2位にC14〜C18飽和脂肪酸が結合したアシルグリセロールを含有する油脂組成物を対象に投与するか又は摂取させることを含む、体脂肪増加抑制方法。
<50>好ましくは非治療的方法である、<38>〜<49>のいずれか1に記載の方法。
<51>好ましくは、C14〜C18飽和脂肪酸がミリスチン酸、パルミチン酸又はステアリン酸である、<1>〜<25>のいずれか1に記載の使用。
<52>好ましくは、C14〜C18飽和脂肪酸がミリスチン酸、パルミチン酸又はステアリン酸である、<26>〜<31>のいずれか1に記載のアシルグリセロール。
<53>好ましくは、C14〜C18飽和脂肪酸がミリスチン酸、パルミチン酸又はステアリン酸である、<32>〜<37>のいずれか1に記載の油脂組成物。
<54>好ましくは、C14〜C18飽和脂肪酸がミリスチン酸、パルミチン酸又はステアリン酸である、<38>〜<50>のいずれか1に記載の方法。
<55>好ましくは、アシルグリセロールがモノアシルグリセロール、ジアシルグリセロール、又はトリアシルグリセロールである、<1>〜<25>のいずれか1に記載の使用。
<56>好ましくは、アシルグリセロールがモノアシルグリセロール、ジアシルグリセロール、又はトリアシルグリセロールである、<26>〜<31>のいずれか1に記載のアシルグリセロール。
<56>好ましくは、アシルグリセロールがモノアシルグリセロール、ジアシルグリセロール、又はトリアシルグリセロールである、<32>〜<37>のいずれか1に記載の油脂組成物。
<56>好ましくは、アシルグリセロールがモノアシルグリセロール、ジアシルグリセロール、又はトリアシルグリセロールである、<38>〜<50>のいずれか1に記載の方法。
<57>好ましくは、GIP上昇抑制剤が油脂や脂肪酸の摂取に起因するGIP上昇の抑制に使用される、<1>又は<7>記載の使用。
<58>好ましくは、油脂や脂肪酸の摂取に起因するGIP上昇の抑制に使用される、<13>又は<19>記載の使用。
<59>好ましくは、油脂や脂肪酸の摂取に起因するGIP上昇の抑制に使用される、<26>記載のアシルグリセロール。
<60>好ましくは、油脂や脂肪酸の摂取に起因するGIP上昇の抑制に使用される、<32>記載の油脂組成物。
<61>好ましくは、上記GIP上昇抑制方法が、油脂や脂肪酸の摂取に起因するGIP上昇を抑制する方法であり、かつ上記アシルグリセロールの投与又は摂取が、食餌に含まれる油脂や脂肪酸の一部又は全部を該アシルグリセロールと置き換えるか、又は油脂や脂肪酸を含む食餌に該アシルグリセロールを加えることである、<38>又は<44>記載の方法。
以下、実施例を用いて本発明をさらに具体的に説明する。
<参考例1 小腸初代培養細胞の取得>
13〜17週齢のC57BL/6Jマウスを麻酔下で頸椎脱臼により安楽死させた後、上部小腸(胃幽門直下から10cm)を摘出して、氷冷したL−15培地(Sigma)に浸透した。これを氷冷PBS中に移し、腸管に付着した脂肪及び血管等を丁寧に除去し、管腔内を氷冷PBSで洗浄した後、メスを用いて組織をみじん切り(2mm以下の小片)にした。小片をPBSで3〜4回洗浄した後、Collagenase XI(Sigma;0.4mg/mL)を溶解したDMEM(Sigma)を10mL添加し、10秒間激しく振とうしてから37℃で5分間インキュベートした。上清を除去した後、再びCollagenase溶液を10mL添加して10秒間激しく振とうし、37℃で5分間インキュベートした。その後、上清を除去し、再びCollagenase溶液を10mL添加して10秒間激しく振とうし、37℃で15分間インキュベートした。その間、5分ごとに10秒間の振とうを行った。インキュベート後に上清を回収し(上清1)、同様にCollagenase溶液を添加して15分間インキュベートし、上清を回収した(上清2)。上清1と上清2を100rcf(約800rpm)にて室温で3分間遠心した。遠心上清を除去し、それぞれ10mLのDMEMに懸濁した後、これらを合わせて100rcfにて室温で3分間遠心した。遠心上清を除去し、7mLのDMEM(10%FBS(Invitrogen)、1%Glutamax(Invitrogen)、1%penicilin/streptomycin(Invitrogen)含有)に懸濁した。これをmatrigelTM(BD Biosciences)でコートした48ウェルプレートに播種し(1匹辺り24ウェル)、37℃、5%CO下でインキュベートした。24時間培養した小腸初代培養細胞を、刺激培地(4.5mM KCl,138mM NaCl,4.2mM NaHCO,1.2mM NaHPO,2.6mM CaCl,1.2mM MgCl,10mM HEPES,NaOH(pH7.4に調整))で2回穏やかに洗浄し、下記のGIP分泌評価に用いた。
<参考例2 GIP分泌測定>
GIP分泌刺激後の培地を回収し、8,000rpm、4℃で5分間遠心して上清を得た(Secretion sample)。残った細胞を含むプレートにCell Lysis Buffer(0.5%(w/v)Sodium Deoxycholate monohydrate,1%(v/v)Igepal CA−630,50mmoL/L Tris−HCl(pH7.4),150mmoL/L NaCl,1tablet EDTA−free protease inhibitor cocktail tablet(Roche))を添加し、凍結融解した後に細胞を回収した。これを12,000rpm、4℃で5分間遠心し、上清を得た(Lysis sample)。これらのサンプルについてGIP ELISAキットを用いてGIPの定量を行い、GIP分泌率を求めた。GIP分泌率の算出方法を下式に示す。
Figure 0006422705
<実施例1 2−モノアシルグリセロール(2−MAG)によるGIP分泌評価試験>
参考例1の小腸初代培養細胞培養物に、刺激培地(コントロール群)、又は各種2−MAG添加培地(刺激培地+タウロコール酸Na(500μM)+2−MAG(50μM))を添加し、10分後に培地を回収し、参考例2記載の方法でGIP分泌率を測定した。2−MAGは、ラウリン酸(12:0)、ミリスチン酸(14:0)、パルミチン酸(16:0)、リノール酸(18:2)、オレイン酸(18:1)、ステアリン酸(18:0)、又はアラキドン酸(20:4)が2位に結合した2−MAGを用いた。
各種2−MAG添加培地を添加した小腸初代培養細胞のGIP分泌率を図1に示す。オレイン酸が結合した2−MAGと比較して、アラキドン酸が結合した2−MAGはGIP分泌率を統計学的に有意に上昇させた一方、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸又はステアリン酸が結合した2−MAGによるGIP分泌率は、統計学的に有意に低値であった。
<実施例2 脂肪酸存在下での各種2−モノアシルグリセロール(2−MAG)によるGIP分泌評価試験>
食後消化管内を想定した実験として、脂肪酸存在下での2−MAG添加によるGIP分泌率の変化を測定した。参考例1の小腸初代培養細胞培養物に、刺激培地(コントロール群)、又は各種2−MAG+オレイン酸添加培地(刺激培地+タウロコール酸Na(500μM)+2−MAG(50μM)+遊離オレイン酸(100μM))を添加し、10分後に培地を回収し、参考例2記載の方法でGIP分泌率を測定した。2−MAGは、実施例1と同じものを用いた。
結果を図2に示す。オレイン酸が結合した2−MAGと比較して、ラウリン酸、リノール酸又はアラキドン酸が結合した2−MAGによりGIP分泌率が統計学的に有意に上昇した一方、パルミチン酸又はステアリン酸が結合した2−MAGによるGIP分泌率は、統計学的に有意に低値であった。

Claims (12)

  1. グリセロール骨格の2位にC14〜C18飽和脂肪酸が結合したモノアシルグリセロール又はジアシルグリセロールを有効成分とする、GIP上昇抑制剤(肥満抑制に使用する場合を含まない)
  2. グリセロール骨格の2位にC14〜C18飽和脂肪酸が結合したアシルグリセロールを有効成分とする、食後の消化促進剤。
  3. グリセロール骨格の2位にC14〜C18飽和脂肪酸が結合したアシルグリセロールを有効成分とする、胃もたれ改善剤。
  4. グリセロール骨格の2位にC14〜C18飽和脂肪酸が結合したモノアシルグリセロール又はジアシルグリセロールを含有する油脂組成物を有効成分とする、GIP上昇抑制剤(肥満抑制に使用する場合を含まない)
  5. グリセロール骨格の2位にC14〜C18飽和脂肪酸が結合したアシルグリセロールを含有する油脂組成物を有効成分とする、食後の消化促進剤。
  6. グリセロール骨格の2位にC14〜C18飽和脂肪酸が結合したアシルグリセロールを含有する油脂組成物を有効成分とする、胃もたれ改善剤。
  7. 前記グリセロール骨格の2位にC14〜C18飽和脂肪酸が結合したモノアシルグリセロールを有効成分とする、請求項1記載のGIP上昇抑制剤。
  8. 前記アシルグリセロールがモノアシルグリセロールである、請求項2記載の食後の消化促進剤。
  9. 前記アシルグリセロールがモノアシルグリセロールである、請求項3記載の胃もたれ改善剤。
  10. 前記グリセロール骨格の2位にC14〜C18飽和脂肪酸が結合したモノアシルグリセロールを含有する油脂組成物を有効成分とする、請求項4記載のGIP上昇抑制剤。
  11. 前記アシルグリセロールがモノアシルグリセロールである、請求項5記載の食後の消化促進剤。
  12. 前記アシルグリセロールがモノアシルグリセロールである、請求項6記載の胃もたれ改善剤。
JP2014173580A 2014-08-28 2014-08-28 Gip上昇抑制剤 Active JP6422705B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014173580A JP6422705B2 (ja) 2014-08-28 2014-08-28 Gip上昇抑制剤

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014173580A JP6422705B2 (ja) 2014-08-28 2014-08-28 Gip上昇抑制剤

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016047805A JP2016047805A (ja) 2016-04-07
JP6422705B2 true JP6422705B2 (ja) 2018-11-14

Family

ID=55648939

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014173580A Active JP6422705B2 (ja) 2014-08-28 2014-08-28 Gip上昇抑制剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6422705B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7158142B2 (ja) 2016-12-26 2022-10-21 花王株式会社 低体温改善剤
JP7165495B2 (ja) 2016-12-26 2022-11-04 花王株式会社 運動調節機能向上剤
CN110087686A (zh) 2016-12-26 2019-08-02 花王株式会社 认知功能改善剂

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20120128770A1 (en) * 2009-06-24 2012-05-24 Kobenhavns Universitet Treatment of insulin resistance and obesity by stimulating glp-1 release

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016047805A (ja) 2016-04-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4972336B2 (ja) Gip分泌抑制剤
CN103763941A (zh) 专门设计的脂质组分的代谢印记效应
JP4824347B2 (ja) Gip分泌抑制剤
CN106535915B (zh) 生长素释放肽分泌促进剂
JP2017200910A (ja) 血糖値上昇抑制剤
JP6422705B2 (ja) Gip上昇抑制剤
JP2019521684A (ja) オメガ−3多価不飽和脂肪酸組成物を含む動物飼料
JP5718293B2 (ja) Gip上昇抑制剤
US20210260015A1 (en) Composition for inhibiting fat accumulation
JPWO2009142320A1 (ja) アトピー性皮膚炎予防剤及び/または治療剤
JP6026723B2 (ja) Gip上昇抑制剤
JPWO2011070767A1 (ja) アトピー性皮膚炎予防剤
JP5739180B2 (ja) インスリン分泌促進用油脂組成物
JP5576699B2 (ja) Gip上昇抑制剤
JP2022081599A (ja) ヒトの血漿中におけるオメガ-3多価不飽和脂肪酸レベルを増加させる方法
JP2007290990A (ja) 食後血中インスリン上昇抑制剤
JP2012031135A (ja) フルクトース誘導性疾患の予防又は改善剤
JP6067558B2 (ja) 恐怖記憶の軽減方法
JP2013063937A (ja) Gip上昇抑制剤
JP5759663B2 (ja) 皮膚バリア機能改善剤等
WO2015178492A1 (ja) 抗アレルギー剤、アレルギー性下痢の改善剤及び医薬組成物
JP5870181B1 (ja) 血清コレステロール値及び/又は血中脂質値の改善剤
CA3148686A1 (en) Monounsaturated fatty acid composition and use for treating fatty liver disease
JP2016029024A (ja) 肥満抑制剤
JP2005225863A (ja) リパーゼ阻害剤

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170614

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180306

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180424

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20181002

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20181017

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6422705

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250