JPWO2004022049A1 - 痩身剤およびその飲食物 - Google Patents
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Abstract
痩身剤およびその飲食物であり、優れた痩身亢進効果を得ることのできる体脂肪低減効果等を有する製剤や飲食物等を提供することを課題とする。本発明は、中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルを有効成分とする体脂肪低減剤、痩身剤、および肥満由来の疾患の予防および/または改善剤、およびそれらの飲食物、原料、油脂組成物に関し、これらの医薬ならびに食品分野におけるその使用に関するものである。
Description
本発明は、中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルを有効成分とする体脂肪低減剤、痩身剤、皮下脂肪が低減しやすい体質等への改質剤、肥満由来の疾患の予防および/または改善剤に関し、およびそれらの飲食物、原料、油脂組成物での形態に関し、これらの医薬ならびに食品分野におけるその使用に関する。
近年、日本人の食事は著しく欧米化し、高カロリー化が進んでいる。その結果、他の先進国同様、我が国においても肥満患者が増大し、大きな社会問題になりつつある。肥満とは、消費エネルギーよりも摂取エネルギーの方が過剰となり、脂肪組織が通常以上に蓄積した身体状況のことを言う。肥満になると、体脂肪が多く蓄積することによって糖尿病、高血圧症、心血管障害、高脂血症、動脈硬化等の種々の疾病を引き起こし、血管障害、神経障害、抵抗力低下等の合併症を併発することがある。これらいわゆる生活習慣病の予防等の観点から、肥満を解消する手段について多方面から研究が行われており、食事療法、運動療法、薬物療法などさまざまな治療法が開発され実施されている。
これら肥満予防および治療法は、最終的にはエネルギー摂取を抑制および/またはエネルギー消費を促進させるように仕向ける方法であるといっても過言ではない。肥満予防および治療のためにエネルギー消費を促進させるためには、体の脂肪組織に過剰に蓄積された脂肪を消費させることが必須であるが、そのためには生体に本来備わっている、蓄積脂肪をエネルギー源に変換する仕組みを利用すればよい。脂肪組織の脂肪細胞中には、蓄積された脂肪(トリグリセリド)をエネルギー源としての遊離脂肪酸に分解する酵素、ホルモン感受性リパーゼ(以下HSLという)が存在しており、この酵素が活性化されると蓄積脂肪が分解され遊離脂肪酸となり、血液を介して肝臓に運ばれエネルギー源として燃焼されることが知られている。従って、本酵素の活性化は、肥大した脂肪組織中の蓄積トリグリセリド(以下TGという)を分解させることによる脂肪組織の退縮を生じさせるため、肥満解消の一手段として非常に効果的である。さらに、この酵素は本来体に備わっている酵素なので人体に悪影響を及ぽすことなく肥満を解消できるため、本酵素の活性化あるいは誘導剤の開発が非常に有望視されている。
さらに、該酵素は細胞外からの刺激により活性化されることが知られており、その受容体としてβ3−アドレナリン受容体がある。従って、該受容体の量を増やすことで刺激を受けやすくなり、ホルモン感受性リパーゼの活性化が促進されるため、該受容体量の増加は非常に好ましく、実際、抗肥満薬として該受容体を標的とした医薬品開発が行われている。
一方、エネルギー摂取の抑制という点で、主にヤシ油に含まれている中鎖脂肪酸は、通常の食用油の主成分である長鎖脂肪酸に比べ、体内に摂取されると速やかに吸収されかつ肝臓ですぐに燃やされてしまいエネルギー化されやすいことから、長鎖脂肪酸摂取時に比べ体脂肪の蓄積が少ないことが既に報告されている(J.Lipid Res.頁37、708−726(1996))。また、ジグリセリドおよびトリグリセリドからなる油脂組成物成分中、分子内に中鎖脂肪酸残基を2つ含有するトリグリセリドを31質量%以上含む油脂組成物も、体脂肪蓄積が少ないことが報告されている(特開平4−300826号公報、特開平8−60180号公報、特開平10−176181号公報)。さらに、ジアシルグリセロール(特開2001−64171号公報)や共役リノール酸(特開2001−81026号公報)が脱共役蛋白質の発現を特異的に亢進させる作用があることが報告されている。しかしながら、中鎖脂肪酸トリグリセリドがホルモン感受性リパーゼやβ3−アドレナリン受容体を特異的に亢進させ、この結果として抗肥満作用を有する旨の報告は未だなされていない。
ましてや、蓄積している体脂肪を分解することや、分解した体脂肪が血中に移行することは知られていない。また、脂肪組織内で分解した体脂肪をβ酸化により分解することも知られておらず、この結果、体脂肪が低減し、痩身効果を有する等のことは見出されていない。
これら肥満予防および治療法は、最終的にはエネルギー摂取を抑制および/またはエネルギー消費を促進させるように仕向ける方法であるといっても過言ではない。肥満予防および治療のためにエネルギー消費を促進させるためには、体の脂肪組織に過剰に蓄積された脂肪を消費させることが必須であるが、そのためには生体に本来備わっている、蓄積脂肪をエネルギー源に変換する仕組みを利用すればよい。脂肪組織の脂肪細胞中には、蓄積された脂肪(トリグリセリド)をエネルギー源としての遊離脂肪酸に分解する酵素、ホルモン感受性リパーゼ(以下HSLという)が存在しており、この酵素が活性化されると蓄積脂肪が分解され遊離脂肪酸となり、血液を介して肝臓に運ばれエネルギー源として燃焼されることが知られている。従って、本酵素の活性化は、肥大した脂肪組織中の蓄積トリグリセリド(以下TGという)を分解させることによる脂肪組織の退縮を生じさせるため、肥満解消の一手段として非常に効果的である。さらに、この酵素は本来体に備わっている酵素なので人体に悪影響を及ぽすことなく肥満を解消できるため、本酵素の活性化あるいは誘導剤の開発が非常に有望視されている。
さらに、該酵素は細胞外からの刺激により活性化されることが知られており、その受容体としてβ3−アドレナリン受容体がある。従って、該受容体の量を増やすことで刺激を受けやすくなり、ホルモン感受性リパーゼの活性化が促進されるため、該受容体量の増加は非常に好ましく、実際、抗肥満薬として該受容体を標的とした医薬品開発が行われている。
一方、エネルギー摂取の抑制という点で、主にヤシ油に含まれている中鎖脂肪酸は、通常の食用油の主成分である長鎖脂肪酸に比べ、体内に摂取されると速やかに吸収されかつ肝臓ですぐに燃やされてしまいエネルギー化されやすいことから、長鎖脂肪酸摂取時に比べ体脂肪の蓄積が少ないことが既に報告されている(J.Lipid Res.頁37、708−726(1996))。また、ジグリセリドおよびトリグリセリドからなる油脂組成物成分中、分子内に中鎖脂肪酸残基を2つ含有するトリグリセリドを31質量%以上含む油脂組成物も、体脂肪蓄積が少ないことが報告されている(特開平4−300826号公報、特開平8−60180号公報、特開平10−176181号公報)。さらに、ジアシルグリセロール(特開2001−64171号公報)や共役リノール酸(特開2001−81026号公報)が脱共役蛋白質の発現を特異的に亢進させる作用があることが報告されている。しかしながら、中鎖脂肪酸トリグリセリドがホルモン感受性リパーゼやβ3−アドレナリン受容体を特異的に亢進させ、この結果として抗肥満作用を有する旨の報告は未だなされていない。
ましてや、蓄積している体脂肪を分解することや、分解した体脂肪が血中に移行することは知られていない。また、脂肪組織内で分解した体脂肪をβ酸化により分解することも知られておらず、この結果、体脂肪が低減し、痩身効果を有する等のことは見出されていない。
本発明は、中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルを有効成分とする、体に蓄積されている脂肪を分解し、該分解された脂肪を好適に燃焼させることにより体脂肪を低減・痩身効果を得ることができる体脂肪低減剤、痩身剤を提供し、痩せやすい体質や太りにくい体質等に改質する体質改質剤、肥満由来の疾患の予防剤および/または改善剤を提供し、また、これらの剤、経口剤、油脂組成物、飲食物での形態で提供することにある。
本発明者らは、前記課題を達成する為に鋭意検討した結果、中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルが、体に蓄積された脂肪を分解することを見出し、この結果、体脂肪低減効果、痩身効果、皮下脂肪低減効果、皮下脂肪が低減しやすい体質、皮下脂肪蓄積しにくい体質への改質効果等を有することを見出し、本発明を完成させた。
本発明は、中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルを有効成分とする体脂肪低減剤を提供する。
また、少なくとも中鎖脂肪酸および長鎖脂肪酸を構成脂肪酸とするグリセリン脂肪酸エステル(以下「MLCT」という)を有効成分とする体脂肪低減剤を提供する。
更にまた、中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルを有効成分とする皮下脂肪低減剤を提供する。
更にまた、中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルを有効成分とする皮下脂肪が低減しやすい体質への体質改質剤を提供する。
更にまた、中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルを有効成分とする皮下脂肪が蓄積しにくい体質への体質改質剤を提供する。
更にまた、中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルを有効成分とする痩身剤を提供する。
更にまた、少なくとも中鎖脂肪酸および長鎖脂肪酸を構成脂肪酸とするグリセリン脂肪酸エステルを有効成分とする痩身剤を提供する。
更にまた、中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルを有効成分とする外観痩身剤を提供する。
更にまた、中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルを有効成分とする美容痩身剤を提供する。
更にまた、中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルを有効成分とする、痩せやすい体質への体質改質剤を提供する。
更にまた、中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルを有効成分とする、太りにくい体質への体質改質剤を提供する。
更にまた、中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルを有効成分とする、肥満由来疾患の予防および/または改善剤を提供する。
更にまた、前記疾患が、糖尿病、高血圧、高脂血症、脂肪肝、痛風のいずれか1以上である肥満由来疾患の予防および/または改善剤を提供する。
更にまた、中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルを有効成分とする体脂肪低減用油脂組成物を提供する。
更にまた、少なくとも中鎖脂肪酸および長鎖脂肪酸を構成脂肪酸とするグリセリン脂肪酸エステルを有効成分とする体脂肪低減用油脂組成物を提供する。
更にまた、中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルを有効成分とする皮下脂肪低減用油脂組成物を提供する。
更にまた、中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルを有効成分とする皮下脂肪が低減しやすい体質への体質改質用油脂組成物を提供する。
更にまた、中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルを有効成分とする皮下脂肪が蓄積しにくい体質への体質改質用油脂組成物を提供する。
更にまた、中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルを有効成分とする痩身用油脂組成物を提供する。
更にまた、少なくとも中鎖脂肪酸および長鎖脂肪酸を構成脂肪酸とするグリセリン脂肪酸エステルを有効成分とする痩身用油脂組成物を提供する。
更にまた、中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルを有効成分とする外観痩身用油脂組成物を提供する。
更にまた、中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルを有効成分とする美容痩身用油脂組成物を提供する。
更にまた、中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルを有効成分とする、痩せやすい体質への体質改質用油脂組成物を提供する。
更にまた、中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルを有効成分とする、太りにくい体質への体質改質用油脂組成物を提供する。
更にまた、中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルを有効成分とする、肥満由来疾患の予防および/または改善用油脂組成物を提供する。
更にまた、前記疾患が、糖尿病、高血圧、高脂血症、脂肪肝、痛風のいずれか1以上である肥満由来疾患の予防および/または改善用油脂組成物を提供する。
更にまた、中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルを有効成分とする体脂肪低減用飲食物を提供する。
更にまた、少なくとも中鎖脂肪酸および長鎖脂肪酸を構成脂肪酸とするグリセリン脂肪酸エステルを有効成分とする体脂肪低減用飲食物を提供する。
更にまた、中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルを有効成分とする皮下脂肪低減用飲食物を提供する。
更にまた、中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルを有効成分とする皮下脂肪が低減しやすい体質への体質改質用飲食物を提供する。
更にまた、中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルを有効成分とする皮下脂肪が蓄積しにくい体質への体質改質用飲食物を提供する。
更にまた、中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルを有効成分とする痩身用飲食物を提供する。
更にまた、少なくとも中鎖脂肪酸および長鎖脂肪酸を構成脂肪酸とするグリセリン脂肪酸エステルを有効成分とする痩身用飲食物を提供する。
更にまた、中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルを有効成分とする外観痩身用飲食物を提供する。
更にまた、中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルを有効成分とする美容痩身用飲食物を提供する。
更にまた、中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルを有効成分とする、痩せやすい体質への体質改質用飲食物を提供する。
更にまた、中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルを有効成分とする、太りにくい体質への体質改質用飲食物を提供する。
更にまた、中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルを有効成分とする、肥満由来疾患の予防および/または改善用飲食物を提供する。
更にまた、前記疾患が、糖尿病、高血圧、高脂血症、脂肪肝、痛風のいずれか1以上である肥満由来疾患の予防および/または改善用飲食物を提供する。
更にまた、中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルを体脂肪低減として使用する方法を提供する。
更にまた、中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルを皮下脂肪が低減しやすい体質への体質改質剤として使用する方法を提供する。
更にまた、中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルを皮下脂肪が蓄積しにくい体質への体質改質剤として使用する方法を提供する。
更にまた、中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルを痩身剤として使用する方法を提供する。
更にまた、中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルを外観痩身剤として使用する方法を提供する。
更にまた、中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルを美容痩身剤として使用する方法を提供する。
更にまた、中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルを痩せやすい体質への体質改質剤として使用する方法を提供する。
更にまた、中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルを太りにくい体質への体質改質剤として使用する方法を提供する。
更にまた、中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルを肥満由来疾患の予防および/または改善剤として使用する方法を提供する。
更にまた、中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルを有効成分とする体脂肪低減剤原料を提供する。
更にまた、中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルを有効成分とする痩身剤原料を提供する。
発明を実施するための形態
本発明は、中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステル、好ましくは中鎖脂肪酸トリグリセリドや、少なくとも中鎖脂肪酸および長鎖脂肪酸を構成脂肪酸とするグリセリン脂肪酸エステル(以下「MLCT」という)や構造体(構造油脂)がホルモン感受性リパーゼやβ3−アドレナリン受容体発現亢進機能を有することを見出し、これから体脂肪分解促進機能を有することを見出している。また、前記体脂肪分解促進機能により分解された脂肪(主にトリグリセリドが遊離脂肪酸へ分解する)の全部又は一部が血中に放出されていることを見出し、体脂肪血中放出促進機能を有することを見出した。
さらに、脂質代謝関連酵素や体熱産生に関する酵素の発現を亢進する機能を有し、摂取した脂質や上記分解・放出された脂肪酸が好適にβ酸化や熱産生されていることが見出されている。また、ペルオキシソーム増殖薬活性化受容体(以下「PPAR」という。)の発現を調整する機能を有することからも同様に酸化や熱産生をさらに亢進させていることを見出している。
これらのことから、中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルを摂取することにより、蓄積している体脂肪を積極的に分解すること、分解された脂肪が血中に遊離脂肪酸として放出されること、また、該分解・放出された遊離脂肪酸が好適にβ酸化、熱産生されること等のことから、単に低蓄積性というだけではなく、積極的に体脂肪を低減する機能を有することを、本発明において初めて見出した。特に皮下において好適に体脂肪を低減する機能を有することを見出した。また、長期摂取した結果、体脂肪が低下しやすい体質になることや体脂肪が蓄積し難い体質になること、特に皮下脂肪が低減しやすい体質になること、皮下脂肪が蓄積し難い体質になることを見出した。
さらに、上記体脂肪低減機能等は人体レベルとして見ると痩身機能である。また、中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルは体脂肪低蓄積性であることが知られていることから、本発明の積極的な体脂肪低減機能と併せて、好適な痩身機能を有する。また、皮下脂肪に蓄積している体脂肪を好適に低減させることができるため、特に外観痩身機能を有し、美容的な痩身機能を有する。また、特に長期摂取により、痩せやすい体質への体質改質、太りにくい体質への体質改質機能を有することを見出している。ここで、痩身効果により、肥満由来疾患の予防または治療が期待できる。
これらのことから、本発明において、中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステル、好ましくは中鎖脂肪酸トリグリセリドや、少なくとも中鎖脂肪酸および長鎖脂肪酸を構成脂肪酸とするグリセリン脂肪酸エステル(以下「MLCT」という)や構造体(構造油脂)を含有する上記機能を有する剤、飲食物、油脂組成物等を完成させた。また、中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステル、好ましくは中鎖脂肪酸トリグリセリドを前記機能剤等の原料とすることを見出した。前記機能剤、飲食物、原料の好適な態様として油脂組成物での態様があげられる。
また、特に、痩身効果について、これまでは中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルを、単に、カロリー・エネルギー的な視点で考えており、摂取により、該中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルが体脂肪として蓄積するか、蓄積し難いか、という視点で考えられていた。
しかし、本発明において、中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステル、特に、中鎖脂肪酸トリグリセリド、MLCT、構造体等は、積極的な体脂肪低減機能剤、痩身機能剤として働いていることが見出された。これは、各種酵素の発現等によっても見出されており、簡易には上述した通りであり、詳細は下記に示されている。また、現象面での比較においても、これを説明できる。
例えば、構成脂肪酸中の中鎖脂肪酸構成率が100%の場合と10%の場合では、カロリー・エネルギーという視点で比較した場合、総量が同じであればカロリー・エネルギーの総量は同等である。単に中鎖脂肪酸がカロリー・エネルギー消費効率が良いということであれば、中鎖脂肪酸が多いほど体脂肪が低い蓄積性を有することから、中鎖脂肪酸構成率が100%の場合と10%の場合では、その効果において約10倍の差が生じなければならない。本発明において、その効果(長期摂取後の体脂肪量の測定)は、ほぼ同等であることが見出されている。これは、中鎖脂肪酸をカロリー・エネルギー的(消費)な視点のみで考えていた従来の研究においては考え得ないものである。
つまり、中鎖脂肪酸は痩身機能等の積極的な機能を有する機能成分であることが本発明において、初めて見出されている。
このことから、痩身効果等を得るための中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルの含量は、機能を奏するのに必要であり、かつ、十分な量が好適であることが見出された。すなわち、これまでの中鎖脂肪酸をカロリー・エネルギー的に考えていた場合の様に、単純に、中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルが、多いほど良い(もちろん多ければ機能を奏する場合が多いが)というものではないことが見出された。また、中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルがMLCTである場合や構造体である場合は、その吸収特性や効果の時間的要素を設計すること等が可能であるため、好ましい態様であることがわかった。
中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルを投与することにより、以下のように脂肪酸の分解が行われる。
すなわち、MCTを投与すると、MCTは速やかに遊離脂肪酸とグリセリンの形で上皮細胞から吸収され遊離脂肪酸のまま門脈(血管)に放出、血中アルブミンと複合体を形成し、直接肝臓へ流入、細胞上の脂肪酸結合蛋白を介して、遊離脂肪酸として肝細胞内(細胞質)へ移行する。そして、ミトコンドリアへ流入してミトコンドリア内でアシル化された後、中鎖アシルCoA脱水素酵素(以下MCADという)、短鎖アシルCoA脱水素酵素(以下SCADという)等の脱水素酵素によりβ酸化を受け、遊離脂肪酸はアセチルCoAとなる。
また、MCT摂取により刺激を受け動員されてきた、内因性脂肪由来の長鎖脂肪酸が細胞質内でアシル化され、ミトコンドリア内かペルオキシソーム内に入る。また、転写調節因子であるペルオキシゾーム増殖剤応答性受容体α(以下PPARαという)が、脂肪酸刺激により活性化、脱共役蛋白質2(以下UCP−2という)、アシルCoA酸化酵素(以下ACOという)、リンゴ酸酵素(以下MEという)等のmRNA発現量を増加させる。
アシル化された内因性脂肪由来の長鎖脂肪酸は、ミトコンドリア内では長鎖アシルCoA脱水素酵素(以下LCADという)からの酵素分解を受け、ペルオキシソーム内ではACOによる酵素分解を受ける。ACOにより鎖長が短くなったアシル化脂肪酸は、CPT2を介してミトコンドリア内に入り更なるβ酸化を受ける。尚、MCTの場合、一時期に大量にミトコンドリア内に流入するので、最終産物であるアセチルCoAが大量産生され、出来た大量のアセチルCoAは、ケトン体として産生される。また、アセチルCoAの一部はATPを産生するためのクレブス回路に入りクエン酸ができ、できたクエン酸は細胞質へ出て行き、そこでまたアセチルCoAとなり、さらにアセチルCoAカルボキシラーゼ(以下ACCという)、脂肪酸合成酵素(以下FASという)、リンゴ酸酵素(ME)等の脂肪酸系酵素によって脂肪酸合成や糖新生に回される。
このように、MCTを摂取することにより、PPARαのmRNA発現量増加、UCP−2のmRNA発現量、ACO酵素活性増加等により、余剰なエネルギーが熱に変換されエネルギー消費の一翼を担っている。
一方、MCTを長期的に投与することにより、以下のような機能が得られる。
すなわち、脂肪組織においては、MCTを長期的に摂取することにより、交感神経が活性化し、カテコールアミンやアドレナリン等の交感神経活性化物質が血液中に放出される。これによって、脂肪組織中の脂肪細胞上にある受容体であるβ3−アドレナリン受容体のmRNA発現量を増加され感受性が上げられる。このβ3−アドレナリン受容体が活性化されると、細胞内に溜め込まれたTGを分解する酵素、ホルモン感受性リパーゼ(HSL)が活性化される。この活性化は内臓細胞よりも皮下脂肪細胞においてより顕著である。
活性化されたHSLは既に蓄積した内因性脂肪のTGを遊離脂肪酸とグリセリンとに分解し、血中へ放出する。そして、血中へ放出された遊離脂肪酸は、肝臓へ行きエネルギー源として燃やされる。また、血中へ放出された遊離脂肪酸の一部は、再び脂肪細胞内に取り込まれて、細胞維持のためのエネルギー源となる。或いは、HSLにより分解された遊離脂肪酸が、そのまま細胞質内に留まり、アシル化された後、CPT2を介してミトコンドリア内に入るか、同様にアシル化された後、ペルオキシソーム内に入る。尚、この際ミトコンドリア内に入るためにはCPT2が必要であるが、内臓・皮下ともこの発現量は増加しているが、皮下の方がより順著である。
このミトコンドリアやペルオキシソーム内に入ったアシル化脂肪酸はβ酸化される。尚、CPT2を介してミトコンドリア内に入った内因性の脂肪由来のアシル化脂肪酸は、LCAD、MCAD、SCAD等の脱水素酵素による酵素分解を受けるよりも、UCP−2のmRNA発現量を増加させ、熱としてエネルギー代謝する。また、ペルオキシソーム内に入ったアシル化脂肪酸はACOによるβ酸化を受けるが、皮下の方が顕著にmRNA発現量は増加する。
また、HSLのmRNA発現亢進以降に、エネルギーを蓄積の方向へ導く遺伝子である倹約遺伝子PPARγのmRNA発現量が低下している。特に内臓脂肪細胞に比べ皮下脂肪細胞の方が低下している。(このことから、脂肪組織全体ではエネルギー蓄積よりも消費の方向へ傾いているものと思われる。)
このように、MCTを摂取することにより、内臓組織および皮下組織において、β3−アドレナリン受容体のmRNA発現量の増加、HSLのmRNA発現量の増加、UCP−2のmRNA発現量の増加(皮下組織の方がより顕著である)、PPARγのmRNA発現量抑制(皮下組織の方がより顕著である)、ACOのmRNA発現量の増加(但し、皮下組織のみ)が起こり、これによって体脂肪の低減や肥満予防・改善の効果が得られる。
また、肝臓においては、MCTを長期的に摂取することにより、皮下脂肪等で分解・遊離された長鎖脂肪酸−アルブミン複合体が肝臓へ流入、長鎖脂肪酸として細胞内に移行し、細胞質内でアシル化された後、主にペルオキシソームへ入りACOによるβ酸化を受ける(ACOのmRNA発現量亢進により)。
アシル化脂肪酸はミトコンドリアやペルオキシソームでLCAD、MCAD、SCADによるβ酸化を受けた後、出来たアセチルCoAは主にTG合成や糖新生にまわる(エネルギー供給過剰状態になっているものと思われるので消費と蓄積の両方向へまわることになる)。
一方、PPARαは既に活性化され、脂質代謝亢進が起こっている(LCAD、MCAD、SCADによるβ酸化亢進済み)ので、PPARαのmRNA発現量自体はむしろ低下している。
このように、MCTを摂取することにより、肝臓において、ACOのmRNA発現量やLCADのmRNA発現量が増加し、内因性の脂肪酸処理機能が増進するので、体脂肪の低減と、肥満改善の効果が得られる。
以上のことより、本発明の各種機能剤等における機能の概要としては、中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステル、特に中鎖脂肪酸トリグリセリドを摂取することにより、体脂肪組織中のホルモン感受性リパーゼが活性化され、体脂肪組織に蓄積されているグリセリン脂肪酸エステル(LCT等)を分解し遊離脂肪酸に分解するとともに、該遊離脂肪酸を血中へ放出させる。これにより、蓄積されている体脂肪が低減することになる。また、脂質代謝に関連するβ酸化系酵素の評価から体脂肪分解促進活性が向上しており、前記一度血中に放出された遊離脂肪酸が再び脂肪組織に取り込まれ好適に消費されることで、体脂肪を低減させることができる。また、この効果だけでも人体に対しては痩身効果を有することになるが、中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステル、好ましくは中鎖脂肪酸トリグリセリドは、脱共役蛋白質発現亢進効果による体脂肪低蓄機能を有するため、これらの相乗効果により好適な痩身効果を有することになる。
また、中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルはペルオキシゾーム増殖剤応答性受容体(PPARと略す)の発現を調製する作用を有するので、PPARと併合することによって、脱共役蛋白質の発現が更に上昇し、脂質分解とそれに伴うエネルギー産生とを脱共役させることで熱としてのエネルギー放出を高める。これにより脂肪組織における過剰な脂肪の蓄積が解消され、好適な痩身効果を高めることになる。さらに、体脂肪低減促進効果が亢進される。
このPPARは、α、β/δ、γの3つのサブタイプが存在するが、αは主に肝臓で、γは脂肪組織の他に免疫系臓器や副腎、小腸に発現する。PPARαの機能は脂肪酸の合成・輸送・分泌、脂肪消費臓器におけるATP産生、細胞周期の調節等幅広く生体のエネルギー代謝や恒常性の維持に関わるものと考えられている。特に、脂肪酸代謝に重要なβ酸化関連酵素の遺伝子発現はPPARαの活性化に強く依存していることが明らかになってきている。言い換えれば、PPARα活性化剤は生体の脂質代謝を活性化する作用を有することが明らかになってきており、高脂血症の改善/治療にもつながる有用な作用である。
また、PPARγは脂肪細胞に比較的強い特異性を持って発現しており、脂肪細胞分化の中心的役割を果たしていることが明らかになっている。PPARγは脂肪細胞の分化中期以降にその発現量が急速に増加し、他の脂肪細胞特有の遺伝子を誘導することで脂肪細胞としての分化を決定付けている。特に、脂肪蓄積に関与するステロール応答エレメント結合蛋白(SREBP)−1cを活性化することで、細胞内脂肪酸合成系酵素活性を上昇させ、脂肪細胞の従来の機能である余剰エネルギーの蓄積を起こさせる役割を担っている。すなわち、PPARγは脂肪細胞に対し脂肪蓄積という形でエネルギーを蓄積させるよう働くので、このPPARγの活性化を抑制できれば少なくとも脂肪細胞の肥大化は防ぐことが出来る。即ち、PPARγが低減しやすくなることから体脂肪低減促進剤として働き、また、PPARγ活性化低減機能により成熟した細胞に対しては脂肪を蓄積し難くするため、痩せやすい体質への改質剤として働き、同様に未成熟な脂肪細胞に対しては分化・成熟した後に脂肪を溜めにくくするため、太りにくい体質への改質剤として働く。
また、その他に中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルは、シンドロームX、高コレステロール血症、高リポ蛋白血症等の代謝異常疾患、高脂血症、動脈硬化症、高血圧、循環器系疾患、虚血性心疾患等の予防および/または治療剤、HDLコレステロール上昇剤、LDLコレステロールおよび/またはVLDLコレステロールの減少剤、シンドロームXのリスクファクター軽減剤として働く。
本発明において中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルとは、下記一般式(I)に示す構成脂肪酸R1、R2、R3中のいずれか1つ以上が上述した中鎖脂肪酸を含む、炭素数6〜24から選ばれる脂肪酸を構成脂肪酸とするグリセリン脂肪酸エステルを示す。詳しくは、下記一般式(I)に示す構成脂肪酸R1、R2、R3全てを有するグリセリン脂肪酸トリエステル、構成脂肪酸R1、R2、R3中のいずれか1つが水素であるグリセリン脂肪酸ジエステル、いずれか1つのみが構成脂肪酸であるグリセリン脂肪酸モノエステルからなる。さらに、結合する部位によりR1およびR3に構成脂肪酸を有するグリセリン脂肪酸ジエステル、R1およびR2に構成脂肪酸を有するグリセリン脂肪酸ジエステル、R1またはR3のみに構成脂肪酸を有するグリセリン脂肪酸モノエステル、R2のみに構成脂肪酸を有するグリセリン脂肪酸モノエステルも含まれる。
ここで、グリセリン脂肪酸トリエステルにおいて、中鎖脂肪酸を含む形態としては、下記一般式(I)に示す構成脂肪酸R1、R2、R3全てが上述した中鎖脂肪酸からなるもの、R1、R2、R3のいずれか1つのみが炭素数6〜24から選ばれる脂肪酸からなるもの、R2のみ炭素数6〜24から選ばれる脂肪酸からなるもの、R1およびR2ないしR3およびR2が炭素数6〜24から選ばれる脂肪酸からなるもの、R1およびR3が炭素数6〜24から選ばれる脂肪酸からなるものがある。
構成脂肪酸R1、R2、R3全てが上述した中鎖脂肪酸の形態を有するものについては、後に詳述する。
<一般式I>
中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルは、つまり中鎖脂肪酸の存在により、各機能が発生する。ここで、その含量やグリセリン脂肪酸エステルの構造により、その効果の特徴も異なる。
含量については、機能を得られる範囲であることが必要であり、特に制限されないが、例えば、0.5質量%以上、好ましくは1質量%以上、より好ましくは5質量%以上、さらに好ましくは5〜99.9質量%、特に好ましくは10〜99.9質量%、最も特に好ましくは13〜99.9質量%である。また、好ましくは前記範囲であって、かつ、人体への悪影響の可能性が低いほど好ましく、さらには商業上または工業上、出来るだけ低含量であることが好ましい。例えば、下記の長期摂取時における含量を参考にすることができる。
さらには、構造によって吸収経路の違い等により、その効果の強さ、時間的な特徴(即効性、持続性等)、他の要因の発生等が異なる。この構造の違いを利用して、機能の強さ、時間的特徴等の設計や、安全性の設計を行うことができる。例えば、グリセリンに少なくとも1以上の中鎖脂肪酸が結合している脂肪酸エステル(以下「MLCT」という)や、特に中鎖脂肪酸の結合する位置や他の脂肪酸の種類を特定して設計されたグリセリン脂肪酸エステル(以下「構造体」または「構造油脂」という)を例示することができる。MLCTや構造体(構造油脂)を含有する製剤等における中鎖脂肪酸、該MLCTや構造油脂の含量は上記を参考とすることができる。
ここで、上述したが、中鎖脂肪酸の含量は機能を得られる範囲であることが必要であり、好ましくは前記範囲であって、かつ、人体への悪影響の可能性が低いほど好ましく、さらには商業上または工業上、出来るだけ低含量であることが好ましい。
上記視点から検討すると、例えば、長期摂取や体質改善を目的とする場合には、全脂肪酸に占める中鎖脂肪酸の割合が3〜23質量%、好ましくは4〜20質量%、さらに好ましくは5〜17質量%、特に好ましくは6〜15質量%、最も好ましくは7〜14質量%、最も特に好ましくは8〜13質量%である。
ここで、前記中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルの総量に対し、1,3位の中鎖脂肪酸残基が40質量%以上、好ましくは50質量%以上、さらに好ましくは60質量%以上、特に好ましくは70質量%以上、最も好ましくは80質量%以上である場合、例えば経口摂取した場合の腸管等での分解・吸収が良いため好ましい。
これらの場合、特に中鎖脂肪酸トリグリセリド自体、もしくは該中鎖脂肪酸トリグリセリドを高含有させた油脂を原料としたエステル交換処理をすることで得ることができる。
本発明の機能剤、飲食物、油脂組成物は、中鎖脂肪酸トリグリセリドを含むことが好ましく、また、中鎖脂肪酸が同量であればMLCTであることが好ましく、さらには脂肪酸の種類や位置を設計した構造体であることが好ましい。
含量は中鎖脂肪酸の含量を参考に、必要な機能の強さ等に応じて規定することができる。例えば、中鎖脂肪酸トリグリセリドが3〜30質量%、好ましくは3〜23質量%、好ましくは4〜20質量%、さらに好ましくは5〜17質量%、特に好ましくは6〜15質量%、最も好ましくは7〜14質量%、最も特に好ましくは8〜13質量%であり、さらには、MLCTの場合は、1〜80質量%、好ましくは2〜70質量%、さらに好ましくは3〜60質量%、特に好ましくは5〜50質量%、最も好ましくは7〜20質量%、最も特に好ましくは8〜14質量%である。さらには、吸収性、リパーゼに対する易/難分解性、分散性等の消化吸収機能性やその他の生物化学的機能を付すことを予定して脂肪酸の種類、グリセリンに結合する位置を設計した構造体(構造油脂)である場合が好ましく、この場合、構造体としては1〜80質量%、好ましくは2〜70質量%、さらに好ましくは3〜60質量%、特に好ましくは5〜50質量%、最も好ましくは7〜20質量%、最も特に好ましくは8〜14質量%である。
本発明で使用する中鎖脂肪酸トリグリセリドは、一般にMCT(Medium Chain Triglycerides)と称されるもので、ヤシ油分解脂肪酸等の炭素数が6〜12、好ましくは8〜10の飽和脂肪酸から構成される単酸基または混酸基トリグリセリドである。例えばカプリル酸(C8)/カプリン酸(C10)=60〜75/25〜40(重量比)のトリグリセリドが使用できる。該トリグリセリドは前記中鎖脂肪酸とグリセリンとを常法によりエステル化反応せしめて製造できるが、市販品の利用が至便である。
また、中鎖脂肪酸トリグリセリドを含有する油脂組成物としては、通常の食用油脂、例えば大豆油、菜種油、高オレイン酸菜種油、コーン油、ゴマ油、ゴマサラダ油、シソ油、亜麻仁油、落花生油、紅花油、高オレイン酸紅花油、ひまわり油、高オレイン酸ひまわり油、綿実油、ブドウ種油、マカデミアナッツ油、ヘーゼルナッツ油、カボチャ種子油、クルミ油、椿油、茶実油、エゴマ油、ボラージ油、オリーブ油、米糠油、小麦胚芽油、パーム油、パーム核油、ヤシ油、カカオ脂、牛脂、ラード、鶏脂、乳脂、魚油、アザラシ油、藻類油、品質改良によって低飽和化されたこれらの油脂およびこれらの水素添加油脂、分別油脂等が挙げられる。
ここで、本発明の中鎖脂肪酸とは、炭素数が6〜12の脂肪酸が好ましく、例としては、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸が挙げられる。また、炭素数が8〜10の飽和脂肪酸、特にカプリル酸およびカプリン酸が好ましい。
中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルは天然、合成でも得られるが、例えば、炭素数6〜12の中鎖脂肪酸を構成脂肪酸として有するパーム油、パーム核油やヤシ油等の油脂を原料として、エステル交換処理により製造することができるが、その限りではない。エステル結合反応の条件も特に限定しないが、例えば無触媒かつ無溶剤にて、加圧下で反応して得ることができる。もちろん、触媒や溶剤を用いた反応によっても、本発明の中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルを得ることが可能である。また、遺伝子組み換え植物の油糧種子から中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステル自体を得る、または、遺伝子組み換え植物の油糧種子から得られた中鎖脂肪酸を原料にして、中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルを製造することも可能である。また、酵素を用いた酵素反応によっても得ることが可能である。油脂の風味・色・安全面や経口摂取を考えた場合、酵素によるエステル交換処理により製造することが好ましいが、これに限定するものではない。また、得られたエステル交換油脂の1,3位の脂肪酸と2位の脂肪酸の組成に偏りがあってもなくてもよいが、特に1,3位の脂肪酸が多いほど分解等が好適である傾向があるため好ましい。
ここで、MLCTとは、中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルであり、一つのグリセリンに結合している中鎖脂肪酸の数が1または2であり、その他が長鎖脂肪酸であるものをいう。本発明においては、中鎖脂肪酸の数や結合している位置によって、吸収性や体内での機能等が異なるため、これを目的に応じて、適宜調整することが好ましい。吸収性を向上させる場合、1,3位の一方以上、特に双方に中鎖脂肪酸が結合したMLCTが好ましい。
上述の通り、炭素数6〜12の中鎖脂肪酸を構成脂肪酸として有するパーム核油やヤシ油等の油脂を原料とし、脂質分解酵素(リパーゼ)を用いたエステル交換処理をする方法が挙げられる。酵素としては、アルカリゲネス属、キャンディダ属、リゾプス属、ムコール属またはシュードモナス属由来のリパーゼや、肝臓由来のホスホリパーゼA等が挙げられるが、特にキャンディダ属またはリゾプス属由来のリパーゼが好ましい。さらに、酵素は条件によって適宜その種類を選択することができる。
脂質分解酵素を用いてエステル交換反応を行う方法は特に限定されないが、具体的方法例を次に挙げる。脂質分解酵素の活性が十分に発揮される反応温度である40〜100℃の範囲に調温する。これに脂質分解酵素を原料混合物に対して0.005〜10質量%の割合で添加し、2〜48時間の範囲でエステル交換反応を行う。この反応は常圧下で窒素気流中で行うことが望ましい。反応の完了はガスクロマトグラフィーにより反応生成物のトリグリセリド組成を測定することにより確認する。反応生成物は水洗、乾燥の後、常法にて脱色、脱臭する。なお、中鎖脂肪酸を使用した場合は、反応の停止後に遊離脂肪酸を薄膜式エバポレーターによって除去しておくことが好適である。
本発明の中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルを配合することでも、また、これらを含有する油脂等を配合・混合することでも製造することができる。
構造体(構造油脂)は、グリセリンに結合する中鎖脂肪酸以外の脂肪酸の種類や、これらが結合する位置等について設計することができる。好ましい構造油脂として、例えば、1,3位の一方または双方に中鎖脂肪酸が結合し、2位に特定の脂肪酸が結合したものが挙げられる。
特定の脂肪酸としては、特に自然界での存在量等の面からは直鎖脂肪酸が好ましく、さらには直鎖不飽和脂肪酸が好ましく、その中でも特に、パルミトオレイン酸、オレイン酸、バクセン酸、エルカ酸等の一価不飽和脂肪酸、リノール酸、γ−リノレン酸、ビスホモγ−リノレン酸、アラキドン酸等のn−6系不飽和脂肪酸、α−リノレン酸、ステアリドン酸、エイコサテトラエン酸、エイコサペンタエン酸、ドコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸等のn−3系不飽和脂肪酸、共役リノール酸、α−エレオステアリン酸等の共役脂肪酸等が好ましい。
これらの構造油脂の例示としては、M−オレイン酸−M、M−αリノレン酸−M、M−γリノレン酸−M、M−エイコサペンタエン酸−M、M−ドコサペンタエン酸−M、M−ドコサヘキサエン酸−M、M−共役リノール酸−M等を例示することができる。
これらのMLCTや構造油脂はエステル交換反応により製造することができ、好ましくは位置特異性を有する酵素を用いて製造することができる。
本発明の体脂肪低減剤、痩身剤は、上述の通り中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルを含有することを特徴とし、その用途は任意であるが、例えば、医薬品、医薬部外品、健康食品等の広い分野で体脂肪低減剤、痩身剤として用いることができる。この時、中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルの体脂肪低減剤、痩身剤への配合量は、用途、投与形態、投与対象の種類、年齢、性別、体重、症状の程度、健康状態などの条件により異なるので、一概に規定されないが、脂肪組織等に対して各機能を発揮する程度に含有する。
<ホルモン感受性リパーゼ発現亢進作用>
中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルの含量はホルモン感受性リパーゼ発現亢進作用を有する程度含有すれば特に制限されない。ここで、有効成分として含有するとは、そのホルモン感受性リパーゼのmRNA発現亢進を発揮する程度に含有するということであるが、その含量は特に制限されず、摂取の頻度、摂取量、使用の目的によって適宜調整すれば良い。該効果を得るための所要量は、摂取の形態、対象者の性別、体重、体調等により異なり、特に制限されないが、例えば、0.5g/日以上、好ましくは1g/日以上、より好ましくは2g/日以上、さらに好ましくは5g/日以上、特に好ましくは8g/日以上、最も特に好ましくは10g/日以上を例示することができる。本発明品を長期間かけて該効果を得るための含量としては、摂取の形態、対象者の性別、体重、体調等により異なり、特に限定されないが、例えば、0.5質量%以上、好ましくは1質量%以上、より好ましくは5質量%以上、さらに好ましくは5〜99.9質量%、特に好ましくは10〜99.9質量%、最も特に好ましくは13〜99.9質量%である。
また、短期間かつ少量で該ホルモン感受性リパーゼ発現亢進剤の効果を期待する場合の中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステル含量は、上述の通り特に制限されないが、例えば、50〜99.9質量%、好ましくは70〜99.9質量%、さらに好ましくは90〜99.9質量%を例示することができる。
中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルは、つまり中鎖脂肪酸の存在により、各機能が発生する。ここで、その含量やグリセリン脂肪酸エステルの構造により、その効果の特徴も異なる。
含量については、機能を得られる範囲であることが必要であり、好ましくは前記範囲であって、かつ、人体への悪影響の可能性が低いほど好ましく、さらには商業上または工業上、できるだけ低含量であることが好ましい。
さらには、構造によって吸収経路の違い等により、その効果の強さ、時間的な特徴(即効性、持続性)、他の要因の発生等が異なる。この構造の違いを利用して、機能の強さ、時間的特徴等の設計や、安全性の設計を行うことができる。例えば、グリセリンに少なくとも1以上の中鎖脂肪酸が結合している脂肪酸エステル(MLCT)や、特に中鎖脂肪酸の結合する位置や他の脂肪酸の種類を特定して設計されたグリセリン脂肪酸エステル(構造体または構造油脂)を例示することができる。MLCTや構造体(構造油脂)を含有する製剤等における中鎖脂肪酸、該MLCTや構造油脂の含量は上記を参考とすることができる。
ここで、上述したが、中鎖脂肪酸の含量は機能を得られる範囲であることが必要であり、好ましくは前記範囲であって、かつ、人体への悪影響の可能性が低いほど好ましく、さらには商業上または工業上、できるだけ低含量であることが好ましい。
上記視点から検討すると、例えば、長期摂取や体質改善を目的とする場合には、全脂肪酸に占める中鎖脂肪酸の割合が3〜23質量%、好ましくは4〜20質量%、さらに好ましくは5〜17質量%、特に好ましくは6〜15質量%、最も好ましくは7〜14質量%、最も特に好ましくは8〜13質量%である。
さらに、該ホルモン感受性リパーゼ発現亢進効果を得るための、中鎖脂肪酸としての所要量は、上述の通り特に限定されないが、例えば、0.4g/日以上、好ましくは1g/日以上、より好ましくは2g/日以上、さらに好ましくは5g/日以上、特に好ましくは8g/日以上、最も特に好ましくは10g/日以上を例示することができる。
本発明の好ましい形態として、中鎖脂肪酸トリグリセリドを有効成分とするホルモン感受性リパーゼ発現亢進剤に関する。中鎖脂肪酸トリグリセリドについては上述の通りである。この場合の含量も上述の通り特に限定されないが、例えば、0.5質量%以上、好ましくは1質量%以上、より好ましくは5質量%以上、さらに好ましくは5〜99.9質量%、特に好ましくは10〜99.9質量%、最も特に好ましくは13〜99.9質量%である。また、上記と同様に、中鎖脂肪酸トリグリセリドを主要成分とする場合が好ましく、含量も上記を例示できる。
<β3−アドレナリン受容体発現亢進作用>
中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルの含量はβ3−アドレナリン受容体発現亢進作用を有する程度含有すれば特に制限されない。ここで、有効成分として含有するとは、そのβ3−アドレナリン受容体のmRNA発現亢進を発揮する程度に含有するということであるが、その含量は特に制限されず、摂取の頻度、摂取量、使用の目的によって適宜調整すれば良い。該効果を得るための所要量は、摂取の形態、対象者の性別、体重、体調等により異なり、特に制限されないが、例えば、0.5g/日以上、好ましくは1g/日以上、より好ましくは2g/日以上、さらに好ましくは5g/日以上、特に好ましくは8g/日以上、最も特に好ましくは10g/日以上を例示することができる。含量としては、特に限定されないが、例えば、0.5質量%以上、好ましくは1質量%以上、より好ましくは5質量%以上、さらに好ましくは5〜99.9質量%、特に好ましくは10〜99.9質量%、最も特に好ましくは13〜99.9質量%である。また、短期間かつ少量で該β3−アドレナリン受容体発現亢進の効果を期待する場合の中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステル含量は、上述の通り特に制限されないが、例えば、50〜99.9質量%、好ましくは70〜99.9質量%、さらに好ましくは90〜99.9質量%を例示することができる。
中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルは、つまり中鎖脂肪酸の存在により、各機能が発生する。ここで、その含量やグリセリン脂肪酸エステルの構造により、その効果の特徴も異なる。
含量については、機能を得られる範囲であることが必要であり、好ましくは前記範囲であって、かつ、人体への悪影響の可能性が低いほど好ましく、さらには商業上または工業上、できるだけ低含量であることが好ましい。
さらには、構造によって吸収経路の違い等により、その効果の強さ、時間的な特徴(即効性、持続性)、他の要因の発生等が異なる。この構造の違いを利用して、機能の強さ、時間的特徴等の設計や、安全性の設計を行うことができる。例えば、グリセリンに少なくとも1以上の中鎖脂肪酸が結合している脂肪酸エステル(MLCT)や、特に中鎖脂肪酸の結合する位置や他の脂肪酸の種類を特定して設計されたグリセリン脂肪酸エステル(構造体または構造油脂)を例示することができる。MLCTや構造体(構造油脂)を含有する製剤等における中鎖脂肪酸、該MLCTや構造油脂の含量は上記を参考とすることができる。
ここで、上述したが、中鎖脂肪酸の含量は機能を得られる範囲であることが必要であり、好ましくは前記範囲であって、かつ、人体への悪影響の可能性が低いほど好ましく、さらには商業上または工業上、できるだけ低含量であることが好ましい。
上記視点から検討すると、例えば、長期摂取や体質改善を目的とする場合には、全脂肪酸に占める中鎖脂肪酸の割合が3〜23質量%、好ましくは4〜20質量%、さらに好ましくは5〜17質量%、特に好ましくは6〜15質量%、最も好ましくは7〜14質量%、最も特に好ましくは8〜13質量%である。
さらに、該β3−アドレナリン受容体発現亢進効果を得るための、中鎖脂肪酸としての所要量は、上述の通り特に限定されないが、例えば、0.4g/日以上、好ましくは1g/日以上、より好ましくは2g/日以上、さらに好ましくは5g/日以上、特に好ましくは8g/日以上、最も特に好ましくは10g/日以上を例示することができる。
本発明の好ましい形態として、中鎖脂肪酸トリグリセリドを有効成分とするβ3−アドレナリン受容体発現亢進剤に関する。中鎖脂肪酸トリグリセリドについては上述の通りである。この場合の含量も上述の通り特に限定されないが、例えば、0.5質量%以上、好ましくは1質量%以上、より好ましくは5質量%以上、さらに好ましくは5〜99.9質量%、特に好ましくは10〜99.9質量%、最も特に好ましくは13〜99.9質量%である。また、上記と同様に、中鎖脂肪酸トリグリセリドを主要成分とする場合が好ましく、含量も上記を例示できる。
<体脂肪分解促進作用>
中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルの含量は体脂肪分解促進作用を有する程度含有すれば特に制限されない。ここで、有効成分として含有するとは、その体脂肪分解促進剤を発揮する程度に含有するということであるが、その含量は特に制限されず、摂取の頻度、摂取量、使用の目的によって適宜調整すれば良い。該効果を得るための所要量は、摂取の形態、対象者の性別、体重、体調等により異なり、特に制限されないが、例えば、0.5g/日以上、好ましくは1g/日以上、より好ましくは2g/日以上、さらに好ましくは5g/日以上、特に好ましくは8g/日以上、最も特に好ましくは10g/日以上を例示することができる。含量としては、特に限定されないが、例えば、0.5質量%以上、好ましくは1質量%以上、より好ましくは5質量%以上、さらに好ましくは5〜99.9質量%、特に好ましくは10〜99.9質量%、最も特に好ましくは13〜99.9質量%である。また、短期間かつ少量で該体脂肪分解促進剤の効果を期待する場合の中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステル含量は、上述の通り特に制限されないが、例えば、50〜99.9質量%、好ましくは70〜99.9質量%、さらに好ましくは90〜99.9質量%を例示することができる。
中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルは、つまり中鎖脂肪酸の存在により、各機能が発生する。ここで、その含量やグリセリン脂肪酸エステルの構造により、その効果の特徴も異なる。
含量については、機能を得られる範囲であることが必要であり、好ましくは前記範囲であって、かつ、人体への悪影響の可能性が低いほど好ましく、さらには商業上または工業上、できるだけ低含量であることが好ましい。
さらには、構造によって吸収経路の違い等により、その効果の強さ、時間的な特徴(即効性、持続性)、他の要因の発生等が異なる。この構造の違いを利用して、機能の強さ、時間的特徴等の設計や、安全性の設計を行うことができる。例えば、グリセリンに少なくとも1以上の中鎖脂肪酸が結合している脂肪酸エステル(MLCT)や、特に中鎖脂肪酸の結合する位置や他の脂肪酸の種類を特定して設計されたグリセリン脂肪酸エステル(構造体または構造油脂)を例示することができる。MLCTや構造体(構造油脂)を含有する製剤等における中鎖脂肪酸、該MLCTや構造油脂の含量は上記を参考とすることができる。
ここで、上述したが、中鎖脂肪酸の含量は機能を得られる範囲であることが必要であり、好ましくは前記範囲であって、かつ、人体への悪影響の可能性が低いほど好ましく、さらには商業上または工業上、できるだけ低含量であることが好ましい。
上記視点から検討すると、例えば、長期摂取や体質改善を目的とする場合には、全脂肪酸に占める中鎖脂肪酸の割合が3〜23質量%、好ましくは4〜20質量%、さらに好ましくは5〜17質量%、特に好ましくは6〜15質量%、最も好ましくは7〜14質量%、最も特に好ましくは8〜13質量%である。
さらに、該体脂肪分解促進効果を得るための、中鎖脂肪酸としての所要量は、上述の通り特に限定されないが、例えば、0.4g/日以上、好ましくは1g/日以上、より好ましくは2g/日以上、さらに好ましくは5g/日以上、特に好ましくは8g/日以上、最も特に好ましくは10g/日以上を例示することができる。
本発明の好ましい形態として、中鎖脂肪酸トリグリセリドを有効成分とする体脂肪分解促進剤に関する。中鎖脂肪酸トリグリセリドについては上述の通りである。この場合の含量も上述の通り特に限定されないが、例えば、0.5質量%以上、好ましくは1質量%以上、より好ましくは5質量%以上、さらに好ましくは5〜99.9質量%、特に好ましくは10〜99.9質量%、最も特に好ましくは13〜99.9質量%である。
また、上記と同様に、中鎖脂肪酸トリグリセリドを主要成分とする場合が好ましく、含量も上記を例示できる。
<体脂肪血中放出促進作用>
中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルの含量は体脂肪血中放出促進作用を有する程度含有すれば特に制限されない。ここで、有効成分として含有するとは、その体脂肪血中放出促進剤を発揮する程度に含有するということであるが、その含量は特に制限されず、摂取の頻度、摂取量、使用の目的によって適宜調整すれば良い。該効果を得るための所要量は、摂取の形態、対象者の性別、体重、体調等により異なり、特に制限されないが、例えば、0.5g/日以上、好ましくは1g/日以上、より好ましくは2g/日以上、さらに好ましくは5g/日以上、特に好ましくは8g/日以上、最も特に好ましくは10g/日以上を例示することができる。含量としては、特に限定されないが、例えば、0.5質量%以上、好ましくは1質量%以上、より好ましくは5質量%以上、さらに好ましくは5〜99.9質量%、特に好ましくは10〜99.9質量%、最も特に好ましくは13〜99.9質量%である。また、短期間かつ少量で該体脂肪血中放出促進の効果を期待する場合の中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステル含量は、上述の通り特に制限されないが、例えば、50〜99.9質量%、好ましくは70〜99.9質量%、さらに好ましくは90〜99.9質量%を例示することができる。
中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルは、つまり中鎖脂肪酸の存在により、各機能が発生する。ここで、その含量やグリセリン脂肪酸エステルの構造により、その効果の特徴も異なる。
含量については、機能を得られる範囲であることが必要であり、好ましくは前記範囲であって、かつ、人体への悪影響の可能性が低いほど好ましく、さらには商業上または工業上、できるだけ低含量であることが好ましい。
さらには、構造によって吸収経路の違い等により、その効果の強さ、時間的な特徴(即効性、持続性)、他の要因の発生等が異なる。この構造の違いを利用して、機能の強さ、時間的特徴等の設計や、安全性の設計を行うことができる。例えば、グリセリンに少なくとも1以上の中鎖脂肪酸が結合している脂肪酸エステル(MLCT)や、特に中鎖脂肪酸の結合する位置や他の脂肪酸の種類を特定して設計されたグリセリン脂肪酸エステル(構造体または構造油脂)を例示することができる。MLCTや構造体(構造油脂)を含有する製剤等における中鎖脂肪酸、該MLCTや構造油脂の含量は上記を参考とすることができる。
ここで、上述したが、中鎖脂肪酸の含量は機能を得られる範囲であることが必要であり、好ましくは前記範囲であって、かつ、人体への悪影響の可能性が低いほど好ましく、さらには商業上または工業上、できるだけ低含量であることが好ましい。
上記視点から検討すると、例えば、長期摂取や体質改善を目的とする場合には、全脂肪酸に占める中鎖脂肪酸の割合が3〜23質量%、好ましくは4〜20質量%、さらに好ましくは5〜17質量%、特に好ましくは6〜15質量%、最も好ましくは7〜14質量%、最も特に好ましくは8〜13質量%である。
さらに、該体脂肪血中放出促進効果を得るための、中鎖脂肪酸としての所要量は、上述の通り特に限定されないが、例えば、0.4g/日以上、好ましくは1g/日以上、より好ましくは2g/日以上、さらに好ましくは5g/日以上、特に好ましくは8g/日以上、最も特に好ましくは10g/日以上を例示することができる。
本発明の好ましい形態として、中鎖脂肪酸トリグリセリドを有効成分とする体脂肪血中放出促進剤に関する。中鎖脂肪酸トリグリセリドについては上述の通りである。この場合の含量も上述の通り特に限定されないが、例えば、0.5質量%以上、好ましくは1質量%以上、より好ましくは5質量%以上、さらに好ましくは5〜99.9質量%、特に好ましくは10〜99.9質量%、最も特に好ましくは13〜99.9質量%である。
また、上記と同様に、中鎖脂肪酸トリグリセリドを主要成分とする場合が好ましく、含量も上記を例示できる。
<β酸化関連酵素発現亢進作用>
中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルの含量はβ酸化関連酵素発現亢進作用を有する程度含有すれば特に制限されない。ここで、有効成分として含有するとは、そのβ酸化関連酵素、詳しくは、長鎖アシルCoA脱水素酵素および/またはアシルCoA酸化酵素および/またはカルニチンパルミトイル転移酵素2および/またはリンゴ酸酵素のmRNA発現亢進を発揮する程度に含有するということであるが、その含量は特に制限されず、摂取の頻度、摂取量、使用の目的によって適宜調整すれば良い。該効果を得るための所用量は、摂取の形態、対象者の性別、体重、体調等により異なり、特に制限されないが、例えば、1g/日以上、好ましくは5g/日以上、特に好ましくは10g/日以上を例示することができる。含量としては、特に限定されないが、例えば、1質量%以上、好ましくは5質量%以上、より好ましくは5〜99.9質量%、さらに好ましくは10〜99.9質量%、特に好ましくは13〜99.9質量%である。
また、該β酸化関連酵素発現亢進剤は中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルを主要成分とする場合が好ましい。主要成分として含有する場合、50〜99.9質量%、好ましくは70〜99.9質量%、さらに好ましくは90〜99.9質量%を例示することができる。この場合、MLCTや構造体とすることで、より少ない中鎖脂肪酸としての所要量で同様の効果を得ることができる。
<脂質代謝関連酵素発現亢進作用>
体脂肪を低減しやすい体質や皮下脂肪を低減しやすい体質への改質剤全体に対する中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルの含量は脂質代謝関連酵素発現亢進作用を有する程度含有すれば特に制限されない。ここで、有効成分として含有するとは、その体脂肪を低減しやすい体質や皮下脂肪を低減しやすい体質への改質をさせる程度に含有するということであるが、その含量は特に制限されず、摂取の頻度、摂取量、使用の目的によって適宜調整すれば良い。該効果を得るための所要量は、摂取の形態、対象者の性別、体重、体調等により異なり、特に制限されないが、例えば、1g/日以上、好ましくは5g/日以上、特に好ましくは10g/日以上を例示することができる。含量としては、特に限定されないが、例えば、1質量%以上、好ましくは5質量%以上、より好ましくは5〜99.9質量%、さらに好ましくは10〜99.9質量%、特に好ましくは13〜99.9質量%である。本発明品を長期間かけて該効果を得るための含量としては、摂取の形態、対象者の性別、体重、体調等により異なり、特に限定されないが、上述した含量を参考にすることができる。長期的な摂取には、機能を発揮し、かつ、過剰摂取にならない程度が好ましく、これは上述した含量を参考にすることができる。
ここで、該体脂肪を低減しやすい体質や皮下脂肪を低減しやすい体質への改質剤は、比較的長期的な摂取により体質改質効果を得ることができるものである。体質を改質することにより、例えば、中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルを含まない食事をとった場合にも、体脂肪を低減しやすいという効果を得ることができる。
さらに、該体脂肪を低減しやすい体質や皮下脂肪を低減しやすい体質への改質剤効果を得るための、中鎖脂肪酸としての所要量は、上述の通り特に限定されないが、例えば、0.4g/日以上、好ましくは1g/日以上、より好ましくは2g/日以上、さらに好ましくは5g/日以上、特に好ましくは8g/日以上、最も特に好ましくは10g/日以上を例示することができる。この場合、MLCTや構造体とすることで、より少ない中鎖脂肪酸としての所要量で同様の効果を得ることができる。
<脱共役蛋白質発現亢進作用>
中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルの含量は脱共役蛋白質発現亢進作用を有する程度含有すれば特に制限されない。ここで、有効成分として含有するとは、その効果を発揮する程度に含有するということであるが、その含量は特に制限されず、摂取の頻度、摂取量、使用の目的によって適宜調整すれば良い。該効果を得るための所用量は、摂取の形態、対象者の性別、体重、体調等により異なり、特に制限されないが、例えば、1g/日以上、好ましくは5g/日以上、特に好ましくは10g/日以上を例示することができる。含量としては、特に限定されないが、例えば、1質量%以上、好ましくは5質量%以上、より好ましくは5〜99.9質量%、さらに好ましくは10〜99.9質量%、特に好ましくは13〜99.9質量%である。
中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルは、つまり中鎖脂肪酸の存在により、各機能が発生する。ここで、その含量やグリセリン脂肪酸エステルの構造により、その効果の特徴も異なる。
含量については、機能を得られる範囲であることが必要であり、好ましくは前記範囲であって、かつ、人体への悪影響の可能性が低いほど好ましく、さらには商業上または工業上、できるだけ低含量であることが好ましい。
さらには、構造によって吸収経路の違い等により、その効果の強さ、時間的な特徴(即効性、持続性)、他の要因の発生等が異なる。この構造の違いを利用して、機能の強さ、時間的特徴等の設計や、安全性の設計を行うことができる。例えば、グリセリンに少なくとも1以上の中鎖脂肪酸が結合している脂肪酸エステル(MLCT)や、特に中鎖脂肪酸の結合する位置や他の脂肪酸の種類を特定して設計されたグリセリン脂肪酸エステル(構造体または構造油脂)を例示することができる。MLCTや構造体(構造油脂)を含有する製剤等における中鎖脂肪酸、該MLCTや構造油脂の含量は上記を参考とすることができる。
ここで、上述したが、中鎖脂肪酸の含量は機能を得られる範囲であることが必要であり、好ましくは前記範囲であって、かつ、人体への悪影響の可能性が低いほど好ましく、さらには商業上または工業上、できるだけ低含量であることが好ましい。
上記視点から検討すると、例えば、長期摂取や体質改善を目的とする場合には、全脂肪酸に占める中鎖脂肪酸の割合が3〜23質量%、好ましくは4〜20質量%、さらに好ましくは5〜17質量%、特に好ましくは6〜15質量%、最も好ましくは7〜14質量%、最も特に好ましくは8〜13質量%である。
また、該脱共役蛋白質発現亢進剤は中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルを主要成分とする場合が好ましい。ここで、当然にその他の成分として後述する製剤を構成する成分を配合することもできる。
<体温上昇作用>
中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルの含量は体温上昇作用を有する程度含有すれば特に制限されない。ここで、有効成分として含有するとは、その効果を発揮する程度に含有するということであるが、その含量は特に制限されず、摂取の頻度、摂取量、使用の目的によって適宜調整すれば良い。該効果を得るための所用量は、摂取の形態、対象者の性別、体重、体調等により異なり、特に制限されないが、例えば、1g/日以上、好ましくは5g/日以上、特に好ましくは10g/日以上を例示することができる。含量としては、特に限定されないが、例えば、1質量%以上、好ましくは5質量%以上、より好ましくは5〜99.9質量%、さらに好ましくは10〜99.9質量%、特に好ましくは13〜99.9質量%である。
中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルは、つまり中鎖脂肪酸の存在により、各機能が発生する。ここで、その含量やグリセリン脂肪酸エステルの構造により、その効果の特徴も異なる。
含量については、機能を得られる範囲であることが必要であり、好ましくは前記範囲であって、かつ、人体への悪影響の可能性が低いほど好ましく、さらには商業上または工業上、できるだけ低含量であることが好ましい。
さらには、構造によって吸収経路の違い等により、その効果の強さ、時間的な特徴(即効性、持続性)、他の要因の発生等が異なる。この構造の違いを利用して、機能の強さ、時間的特徴等の設計や、安全性の設計を行うことができる。例えば、グリセリンに少なくとも1以上の中鎖脂肪酸が結合している脂肪酸エステル(MLCT)や、特に中鎖脂肪酸の結合する位置や他の脂肪酸の種類を特定して設計されたグリセリン脂肪酸エステル(構造体または構造油脂)を例示することができる。MLCTや構造体(構造油脂)を含有する製剤等における中鎖脂肪酸、該MLCTや構造油脂の含量は上記を参考とすることができる。
ここで、上述したが、中鎖脂肪酸の含量は機能を得られる範囲であることが必要であり、好ましくは前記範囲であって、かつ、人体への悪影響の可能性が低いほど好ましく、さらには商業上または工業上、できるだけ低含量であることが好ましい。
上記視点から検討すると、例えば、長期摂取や体質改善を目的とする場合には、全脂肪酸に占める中鎖脂肪酸の割合が3〜23質量%、好ましくは4〜20質量%、さらに好ましくは5〜17質量%、特に好ましくは6〜15質量%、最も好ましくは7〜14質量%、最も特に好ましくは8〜13質量%である。
尚、本発明である中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルの効果と前記発明を剤として使用する場合の含量との関係について動物実験を行ったところ以下のようであった。すなわち、長鎖脂肪酸100質量%、中鎖脂肪酸100質量%および中鎖脂肪酸25質量%の実験食を与えたもののUCP−2の発現量を比較した。その結果、長鎖脂肪酸100質量%に比較し他の2種類の実験食を与えたものはUCP−2の発現量が顕著であった。しかし、中鎖脂肪酸100質量%と、中鎖脂肪酸25質量%の実験食を与えたものの間ではUCP−2の発現量に有意差はなかった。すなわち、本発明の主たる成分である中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルの含量は、その効果を発揮できる程度に含有すれば良い。
また、該体温上昇剤は中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルを主要成分とする場合が好ましい。ここで、当然にその他の成分として後述する製剤を構成する成分を配合することもできる。
<体脂肪低減剤>
中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルを体脂肪低減剤として使用する場合、体脂肪低減剤全体に対する中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルの含量は体脂肪低減作用を有する程度含有すれば特に制限されない。ここで、有効成分として含有するとは、その体脂肪低減剤を発揮する程度に含有するということであるが、その含量は特に制限されず、摂取の頻度、摂取量、使用の目的によって適宜調整すれば良い。該効果を得るための所用量は、摂取の形態、対象者の性別、体重、体調等により異なり、特に制限されないが、例えば、例えば、0.5g/日以上、好ましくは1g/日以上、より好ましくは2g/日以上、さらに好ましくは5g/日以上、特に好ましくは8g/日以上、最も特に好ましくは10g/日以上を例示することができる。含量としては、特に限定されないが、例えば、0.5質量%以上、好ましくは1質量%以上、より好ましくは5質量%以上、さらに好ましくは5〜99.9質量%、特に好ましくは10〜99.9質量%、最も特に好ましくは13〜99.9質量%である。
含量については、機能を得られる範囲であることが必要であり、好ましくは前記範囲であって、かつ、人体への悪影響の可能性が低いほど好ましく、さらには商業上または工業上、できるだけ低含量であることが好ましい。
さらには、構造によって吸収経路の違い等により、その効果の強さ、時間的な特徴(即効性、持続性)、他の要因の発生等が異なる。この構造の違いを利用して、機能の強さ、時間的特徴等の設計や、安全性の設計を行うことができる。例えば、グリセリンに少なくとも1以上の中鎖脂肪酸が結合している脂肪酸エステル(MLCT)や、特に中鎖脂肪酸の結合する位置や他の脂肪酸の種類を特定して設計されたグリセリン脂肪酸エステル(構造体または構造油脂)を例示することができる。MLCTや構造体(構造油脂)を含有する製剤等における中鎖脂肪酸、該MLCTや構造油脂の含量は上記を参考とすることができる。
ここで、上述したが、中鎖脂肪酸の含量は機能を得られる範囲であることが必要であり、好ましくは前記範囲であって、かつ、人体への悪影響の可能性が低いほど好ましく、さらには商業上または工業上、できるだけ低含量であることが好ましい。
上記視点から検討すると、例えば、長期摂取や体質改善を目的とする場合には、全脂肪酸に占める中鎖脂肪酸の割合が3〜23質量%、好ましくは4〜20質量%、さらに好ましくは5〜17質量%、特に好ましくは6〜15質量%、最も好ましくは7〜14質量%、最も特に好ましくは8〜13質量%である。
<皮下脂肪低減剤>
中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルを皮下脂肪低減剤として使用する場合、皮下脂肪低減剤全体に対する中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルの含量は皮下脂肪低減作用を有する程度含有すれば特に制限されない。含量等は上記体脂肪低減剤の条件を参考にすることができる。
皮下脂肪が低減しやすい体質への体質改善剤への改質剤全体に対する中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルの含量は体質改質効果を得られる程度含有すれば特に制限されない。ここで、有効成分として含有するとは、その体質への改質をさせる程度に含有するということであるが、その含量は特に制限されず、摂取の頻度、摂取量、使用の目的によって適宜調整すれば良い。該効果を得るための所要量は、摂取の形態、対象者の性別、体重、体調等により異なり、特に制限されないが、例えば、1g/日以上、好ましくは5g/日以上、特に好ましくは10g/日以上を例示することができる。含量としては、特に限定されないが、例えば、1質量%以上、好ましくは5質量%以上、より好ましくは5〜99.9質量%、さらに好ましくは10〜99.9質量%、特に好ましくは13〜99.9質量%である。本発明品を長期間かけて該効果を得るための含量としては、摂取の形態、対象者の性別、体重、体調等により異なり、特に限定されないが、上述した含量を参考にすることができる。長期的な摂取には、機能を発揮し、かつ、過剰摂取にならない程度が好ましく、これは上述した含量を参考にすることができる。
ここで、該体皮下脂肪が低減しやすい体質への体質改善剤は、比較的長期的な摂取により体質改質効果を得ることができるものである。体質を改質することにより、例えば、中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルを含まない食事をとった場合にも、体脂肪を低減しやすいという効果を得ることができる。
さらに、該体脂肪を皮下脂肪が低減しやすい体質への体質改善効果を得るための、中鎖脂肪酸としての所要量は、上述の通り特に限定されないが、例えば、0.4g/日以上、好ましくは1g/日以上、より好ましくは2g/日以上、さらに好ましくは5g/日以上、特に好ましくは8g/日以上、最も特に好ましくは10g/日以上を例示することができる。この場合、MLCTや構造体とすることで、より少ない中鎖脂肪酸としての所要量で同様の効果を得ることができる。
皮下脂肪が蓄積し難い体質への体質改質剤への改質剤全体に対する中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルの含量は体質改質効果を得られる程度含有すれば特に制限されない。ここで、有効成分として含有するとは、その皮下脂肪が蓄積し難い体質への体質改質をさせる程度に含有するということであるが、その含量は特に制限されず、摂取の頻度、摂取量、使用の目的によって適宜調整すれば良い。該効果を得るための所要量は、摂取の形態、対象者の性別、体重、体調等により異なり、特に制限されないが、例えば、1g/日以上、好ましくは5g/日以上、特に好ましくは10g/日以上を例示することができる。含量としては、特に限定されないが、例えば、1質量%以上、好ましくは5質量%以上、より好ましくは5〜99.9質量%、さらに好ましくは10〜99.9質量%、特に好ましくは13〜99.9質量%である。本発明品を長期間かけて該効果を得るための含量としては、摂取の形態、対象者の性別、体重、体調等により異なり、特に限定されないが、上述した含量を参考にすることができる。長期的な摂取には、機能を発揮し、かつ、過剰摂取にならない程度が好ましく、これは上述した含量を参考にすることができる。
ここで、皮下脂肪が蓄積し難い体質への体質改質剤は、比較的長期的な摂取により体質改質効果を得ることができるものである。体質を改質することにより、例えば、中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルを含まない食事をとった場合にも、体脂肪を低減しやすいという効果を得ることができる。
さらに、皮下脂肪が蓄積し難い体質への体質改質効果を得るための、中鎖脂肪酸としての所要量は、上述の通り特に限定されないが、例えば、0.4g/日以上、好ましくは1g/日以上、より好ましくは2g/日以上、さらに好ましくは5g/日以上、特に好ましくは8g/日以上、最も特に好ましくは10g/日以上を例示することができる。この場合、MLCTや構造体とすることで、より少ない中鎖脂肪酸としての所要量で同様の効果を得ることができる。
<痩身剤>
中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルを痩身剤として使用する場合、痩身剤全体に対する中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルの含量は痩身作用を有する程度含有すれば特に制限されない。ここで、有効成分として含有するとは、その痩身剤を発揮する程度に含有するということであるが、その含量は特に制限されず、摂取の頻度、摂取量、使用の目的によって適宜調整すれば良い。該効果を得るための所用量は、摂取の形態、対象者の性別、体重、体調等により異なり、特に制限されないが、例えば、1g/日以上、好ましくは5g/日以上、特に好ましくは10g/日以上を例示することができる。含量としては、特に限定されないが、例えば、1質量%以上、好ましくは5質量%以上、より好ましくは5〜99.9質量%、さらに好ましくは10〜99.9質量%、特に好ましくは13〜99.9質量%である。
また、該痩身剤は中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルを主要成分とする場合が好ましい。主要成分として含有する場合、50〜99.9質量%、好ましくは70〜99.9質量%、さらに好ましくは90〜99.9質量%を例示することができる。
本発明の好ましい形態として、中鎖脂肪酸トリグリセリドを有効成分とする痩身剤に関する。中鎖脂肪酸トリグリセリドについては上述の通りである。この場合の含量も上述の通り特に限定されないが、例えば、0.5質量%以上、好ましくは2質量%以上、より好ましくは2〜99.9質量%、さらに好ましくは5〜99.9質量%、特に好ましくは8〜99.9質量%、最も特に好ましくは10〜99.9質量%である。
また、上記と同様に、少なくとも中鎖脂肪酸および長鎖脂肪酸を構成脂肪酸とするグリセリン脂肪酸エステルを主要成分とする場合が好ましく、含量も上記を例示できる。
さらには、構造によって吸収経路の違い等により、その効果の強さ、時間的な特徴(即効性、持続性)、他の要因の発生等が異なる。この構造の違いを利用して、機能の強さ、時間的特徴等の設計や、安全性の設計を行うことができる。例えば、グリセリンに少なくとも1以上の中鎖脂肪酸が結合している脂肪酸エステル(MLCT)や、特に中鎖脂肪酸の結合する位置や他の脂肪酸の種類を特定して設計されたグリセリン脂肪酸エステル(構造体または構造油脂)を例示することができる。MLCTや構造体(構造油脂)を含有する製剤等における中鎖脂肪酸、該MLCTや構造油脂の含量は上記を参考とすることができる。
ここで、上述したが、中鎖脂肪酸の含量は機能を得られる範囲であることが必要であり、好ましくは前記範囲であって、かつ、人体への悪影響の可能性が低いほど好ましく、さらには商業上または工業上、できるだけ低含量であることが好ましい。
上記視点から検討すると、例えば、長期摂取や体質改善を目的とする場合には、全脂肪酸に占める中鎖脂肪酸の割合が3〜23質量%、好ましくは4〜20質量%、さらに好ましくは5〜17質量%、特に好ましくは6〜15質量%、最も好ましくは7〜14質量%、最も特に好ましくは8〜13質量%である。
中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルを痩身剤として使用する場合、外観痩身剤全体に対する中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルの含量は痩身剤作用を有する程度含有すれば特に制限されない。含量等の条件は、上記痩身剤の条件を参考にすることができる。
中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルを痩身剤として使用する場合、美容痩身剤全体に対する中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルの含量は痩身剤作用を有する程度含有すれば特に制限されない。含量等の条件は、上記痩身剤の条件を参考にすることができる。
痩せやすい体質への体質改質剤への改質剤全体に対する中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルの含量は痩せやすい体質への体質改質効果を得られる程度含有すれば特に制限されない。ここで、有効成分として含有するとは、その痩せやすい体質への体質改質をさせる程度に含有するということであるが、その含量は特に制限されず、摂取の頻度、摂取量、使用の目的によって適宜調整すれば良い。該効果を得るための所要量は、摂取の形態、対象者の性別、体重、体調等により異なり、特に制限されないが、例えば、1g/日以上、好ましくは5g/日以上、特に好ましくは10g/日以上を例示することができる。含量としては、特に限定されないが、例えば、1質量%以上、好ましくは5質量%以上、より好ましくは5〜99.9質量%、さらに好ましくは10〜99.9質量%、特に好ましくは13〜99.9質量%である。本発明品を長期間かけて該効果を得るための含量としては、摂取の形態、対象者の性別、体重、体調等により異なり、特に限定されないが、上述した含量を参考にすることができる。長期的な摂取には、機能を発揮し、かつ、過剰摂取にならない程度が好ましく、これは上述した含量を参考にすることができる。
ここで、痩せやすい体質への体質改質剤は、比較的長期的な摂取により体質改質効果を得ることができるものである。体質を改質することにより、例えば、中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルを含まない食事をとった場合にも、痩せやすい体質への体質改質効果を得ることができる。
さらに、痩せやすい体質への体質改質効果を得るための、中鎖脂肪酸としての所要量は、上述の通り特に限定されないが、例えば、0.4g/日以上、好ましくは1g/日以上、より好ましくは2g/日以上、さらに好ましくは5g/日以上、特に好ましくは8g/日以上、最も特に好ましくは10g/日以上を例示することができる。この場合、MLCTや構造体とすることで、より少ない中鎖脂肪酸としての所要量で同様の効果を得ることができる。
太りにくい体質への体質改質剤への改質剤全体に対する中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルの含量は太りにくい体質への体質改質効果を得られる程度含有すれば特に制限されない。含量等の条件は、上記痩せやすい体質への体質改質剤の条件を参考にすることができる。
ここで、本発明の体脂肪低減剤、痩身剤等は、ヒト及び動物に対し、主に経口的もしくは飲料物として投与できる。非経口的投与としては、例えば静脈注射、動脈注射、筋肉注射、皮下注射、皮内注射、腹腔内注射、脊髄内注射、硬膜外注射、経皮投与、経肺投与、経鼻投与、経腸投与、口腔内投与、経粘膜投与等が挙げられ、その剤形としては、例えば注射剤、坐剤(肛門座剤、尿道座剤、膣座剤など)、外用液剤(注入剤、含漱剤、洗口剤、湿布剤、吸入剤、噴霧剤、エアゾール剤、浣腸剤、塗布剤、清拭剤、消毒剤、点鼻剤、点耳剤など)、貼付剤、経皮吸収テープ、皮膚外用剤、軟膏剤(パスタ剤、リニメント剤、ローション剤など)などが挙げられる。また、経口投与製剤としては、例えば、内服用錠剤(素錠、糖衣錠、コーティング錠、腸溶錠、チュアブル錠など)、口腔内錠剤(バッカル錠、舌下錠、トローチ錠、付着錠など)、散剤、カプセル剤(硬カプセル剤、軟カプセル剤など)、顆粒剤(コーティングした物、丸剤、トローチ剤、液剤、またはこれらの製剤学的に許容され得る徐放化製剤など)などが挙げられる。経口投与用液剤としては、例えば、内用水剤、振とう合剤、懸濁剤、乳剤、シロップ剤、ドライシロップ剤、エリキシル剤、浸剤、煎剤、リモナーデ剤などが挙げられるが、これらの形態に特に限定されない。
これらの製剤は公知の製剤学的製法に準じ、製剤として薬理学的に許容され得る基剤、担体、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、着色剤等と共に製剤化され投与される。
これらの製剤に用いる担体や賦形剤としては、例えば糖類(乳糖、白糖、ブドウ糖等)、デンプン(トウモロコシ、馬鈴薯、コムギ)、マンニトール、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、硫酸カルシウム、結晶セルロース、微結晶セルロース、カンゾウ粉末、ゲンチアナ粉末などが挙げられる。
これらの製剤に用いる結合剤としては、例えばデンプン、トラガントゴム、ゼラチン、シロップ、ポリビニルアルコール、ポリビニルエーテル、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロースなどが挙げられる。
これらの製剤に用いる崩壊剤としては例えばデンプン、寒天、ゼラチン粉末、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、結晶セルロース、炭酸カルシウム、炭酸水素ナトリウム、アルギン酸ナトリウムなどが挙げられる。
これらの製剤に用いる滑沢剤としては例えばステアリン酸マグネシウム、タルク、水素添加植物油、マクロゴールなどが挙げられる。
これらの製剤に用いる着色剤としては医薬品に添加することが許容されているものを、それぞれ用いることができる。
また、注射剤を調製する場合は、必要に応じて、pH調節剤、緩衝剤、安定化剤、可溶化剤などを添加して、常法により各注射剤とする。
錠剤、顆粒剤を調製する場合は、必要に応じて、白糖、ゼラチン、ヒドロキシプロピルセルロース、精製セラック、ゼラチン、グリセリン、ソルビトール、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、フタル酸セルロースアセテート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、メチルメタクリレート、メタアクリル酸重合体などで被膜しても良いし、2つ以上の層で被膜しても良い。さらにエチルセルロースやゼラチンのような物質のカプセルでも良い。
また、本発明の各機能剤に含まれる中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルは油性成分であることから、これらへの溶解性が良好である栄養生理機能成分のビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、アスコルビン酸脂肪酸エステル、リグナン、コエンザイムQ、リン脂質、トリテルペン類、オリザノール等を配合することができる。
具体的態様例として、外用剤の形態としては、経皮投与用または口腔内あるいは経鼻などの経粘膜投与用の固体、半固体、半固体状、または液状の製剤が挙げられる。
液状製剤としては、例えば製剤学的に許容される乳剤あるいはローション剤などの乳濁剤、外用チンキ剤、経粘膜投与用液剤などが挙げられる。この製剤は通常用いられる希釈剤としては、例えばエタノール、油分、乳化剤などを含む。
半固体製剤としては、例えば油性軟膏、親水性軟膏などの軟膏剤が挙げられる。この製剤は通常用いられる基剤あるいは担体として、例えば、水、ワセリン、ポリエチレングリコール、油分、界面活性剤などを含む。
半固体あるいは固体製剤としては、例えば硬膏(ゴム膏、プラスターなど)、フィルム剤、テープ剤、あるいはパップ剤などの経皮投与用または経粘膜(口腔内、経鼻)投与用の貼付剤などが挙げられる。この製剤は通常用いられる基剤あるいは担体として、例えば天然ゴム、ブタジエンゴム、SBR、SISなどの合成ゴムなどのゴム系高分子、ゼラチン、カオリン、酸化亜鉛などの泥状化剤、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリアクリル酸ナトリウムなどの親水性高分子、アクリル樹脂、流動パラフィンなどの粘着付与剤、水、その他の油分、界面活性剤を含む。
これらの製剤は、さらに安定化剤、溶解補助剤、経皮吸収促進剤のような補助剤、あるいは芳香剤、防腐剤などの添加剤などを用いても良い。
<ホルモン感受性リパーゼ発現亢進>
ここで、ホルモン感受性リパーゼとは、脂肪組織に存在するリパーゼ(アシルグリセロールのエステル結合を水解する酵素の総称)で、脂肪組織中に溜め込まれたグリセリン脂肪酸トリエステルをグリセロールと遊離脂肪酸にまで分解する酵素のことをいい、ホルモン感受性リパーゼ発現亢進剤とは、該酵素のmRNA発現量を亢進させるものをいう。
一般に、酵素のmRNA発現量の亢進は、該酵素活性の上昇を表しているため酵素活性の強弱の判断基準となる。本発明では、該酵素のmRNA発現量を、特異的プライマーを用いたリアルタイム定量PCRにて測定することで、該酵素のmRNA発現量を定量的に算出しその増減を確認している。ここで、mRNA発現量の定量法は、通常の固形飼料を摂取させた同週齢のラット脂肪組織由来の全RNAを逆転写酵素でDNAに変換したものを標準品として検量線を作成し、ハウスキーピング遺伝子であるβ−アクチンのmRNA発現量に対する該酵素のmRNA発現量の相対値を%で算出し、長鎖脂肪酸トリグリセリドを摂取させたラットのそれと比較することで評価している。本発明品を長期的に摂取することで、この値が100%を超えているため、本発明により、好適なホルモン感受性リパーゼ発現亢進剤を供与できる。
<β3−アドレナリン受容体発現亢進>
上記ホルモン感受性リパーゼは、中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステル、好ましくは中鎖脂肪酸トリグリセリドを摂取することにより交感神経等の刺激が生じ、その刺激が脂肪細胞上の受容体を介して細胞内に伝達され、該酵素のmRNA遺伝子発現量が亢進した結果活性化しているものと考えられる。事実、本発明品の摂取により、交感神経活性物質であるアドレナリンに対する受容体の一つ、β3−アドレナリン受容体のmRNA発現量の亢進が脂肪細胞上に認められていることから、本発明は、中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステル、好ましくは中鎖脂肪酸トリグリセリドを含有することを特徴とするβ3−アドレナリン受容体発現亢進剤として使用することができ、非常に好ましい。
また、逆に、該β3−アドレナリン受容体のmRNA発現亢進は、前記ホルモン感受性リパーゼのmRNA発現亢進の指標とすることができる。つまり、該β3−アドレナリン受容体の発現が亢進されている場合、前記ホルモン感受性リパーゼの発現が亢進されていると理解できる。
本発明品を長期的に摂取することで、mRNA発現量が大豆油摂取群に比べ100%を超えているため、本発明により、好適なホルモン感受性リパーゼ発現亢進剤が得られる。
<体脂肪分解促進>
上記の作用により脂肪細胞中に蓄積された体脂肪が遊離脂肪酸に分解される。その結果、体脂肪蓄積量の減少が起こる。さらに、後述する作用により、分解された遊離脂肪酸が再びエネルギー源として脂肪細胞に利用される場合、本発明品の摂取により脂質代謝関連酵素、詳しくはβ酸化系酵素のmRNA発現量が亢進しているため、好適に脂肪酸が燃やされその結果体脂肪が分解される。すなわち、本発明品は、ホルモン感受性リパーゼのmRNA発現量の増加のみならず、脂肪酸の分解系であるβ酸化系酵素のmRNA発現量も増加させているため、本発明により、好適な体脂肪分解促進剤が得られることがわかる。
体脂肪分解促進作用は、上述したホルモン感受性リパーゼのmRNA発現量亢進と、後に詳述する血中遊離脂肪酸量、肝細胞内および脂肪細胞内β酸化系酵素のmRNA発現量亢進により容易に認められる。すなわち、脂肪細胞中に蓄積された体脂肪がホルモン感受性リパーゼにより分解され、血中へ遊離脂肪酸として放出され肝細胞でβ酸化を受けたり、再び脂肪細胞内でβ酸化を受けエネルギー源となる結果、体脂肪が分解されていることがわかる。これらの指標を元に検討したところ、中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステル、好ましくは中鎖脂肪酸トリグリセリドを摂取することにより、ホルモン感受性リパーゼのmRNA発現量が大豆油摂取に比べ約3.9倍亢進した。さらに、血中遊離脂肪酸濃度も有意に上昇し、脂肪細胞内β酸化系酵素のmRNA発現量も有意に亢進したことにより、本発明により体脂肪分解促進剤が得られることがわかる。
<体脂肪血中放出促進>
体脂肪として脂肪細胞内に蓄積されているグリセリン脂肪酸トリエステルが、中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステル、好ましくは中鎖脂肪酸トリグリセリドを摂取することで遊離脂肪酸に分解された結果、該遊離脂肪酸が血中に放出される。
具体的には、血中中性脂肪の変化を観察した場合において説明すると、長鎖脂肪酸トリグリセリドと中鎖脂肪酸トリグリセリドを経口摂取し、その血中中性脂肪の変化を観察すると、LCT摂取の場合は摂取後比較的早期に血中中性脂肪が増加する一方、MCT摂取の場合は摂取後に血中中性脂肪が増加することなく摂取前の値を維持する。そして、徐々に血中中性脂肪が増加し始め、一定時間後LCT摂取時と同レベルになる。ここで、MCTは肝臓において速やかに燃焼されてしまうため、肝臓内で中性脂肪として再合成されることが少ないにも関わらず、一定時間経過後に血中中性脂肪が増加していることから、MCT摂取により脂肪組織に蓄積されているグリセリン脂肪酸エステルが、活性化されたホルモン感受性リパーゼによって遊離脂肪酸に分解され、血中へ放出された後肝臓に取り込まれ中性脂肪として再合成され、リポ蛋白という形のエネルギー源として血中に放出されているためと考えられる。
この原因として、MCT摂取により交感神経等から何らかのシグナルが発生されていること、MCT自体の存在が刺激剤として働いていること、また、MCTが肝臓で燃焼されてできたケトン体類が刺激となっていること等が考えられ、また、これらの組合せにより生じているとも考えられる。さらに、MCT摂取数時間後には、MCTは完全に燃焼され摂取由来のエネルギー源が枯渇してしまっているため、末梢のエネルギー蓄積臓器である脂肪組織から前述と同様の作用機序で遊離脂肪酸が放出され、リポ蛋白がエネルギー源として各組織に供給されているものと考えられる。何らかのシグナルが発生していることに関しては、MCT摂取により脂肪細胞内のホルモン感受性リパーゼや、交感神経活性化物質の受容体のひとつであるβ3−アドレナリン受容体のmRNA発現量がLCT摂取よりも増加していることから、説明される。また、体脂肪分解促進亢進の指標となる血中の遊離脂肪酸量もLCT摂取群に比べ有意に増加しており、このことが前述の体脂肪分解促進や、後述する体脂肪低減および痩身効果につながるものと考えられる。
ここで、上記摂取を長期的に行った場合、肝臓でMCTか好適に燃焼していることは、脱共役蛋白質のmRNA発現亢進により確認されている。以上のことから本発明により、好適な体脂肪血中放出促進剤が得られる。
ここで、脂質代謝関連酵素の発現亢進とは、本発明を完成するにあたり検討した、脂質β酸化系酵素群の一つである、長鎖アシルCoA脱水素酵素、アシルCoA酸化酵素、カルニチンパルミトイル転移酵素2のmRNA発現量の亢進を示す。
<脂質代謝関連酵素発現亢進>
該脂質代謝関連酵素発現亢進により、ホルモン感受性リパーゼにより分解された体脂肪が好適に消費され、特に、前記一度血中に放出された遊離脂肪酸が再び脂肪組織に取り込まれ好適に消費されることが期待され、後述する体脂肪低減効果等を奏する。
また、これら長鎖アシルCoA脱水素酵素発現、アシルCoA酸化酵素発現、カルニチンパルミトイル転移酵素2の発現亢進は、前記脂質代謝の指標とすることもできる。つまり、長鎖アシルCoA脱水素酵素発現、アシルCoA酸化酵素発現、カルニチンパルミトイル転移酵素2のmRNA発現亢進が認められる場合、前記脂質代謝関連酵素発現を亢進していると見なされる。
該酵素のmRNA発現量は、前記ホルモン感受性リパーゼおよびβ3−アドレナリン受容体のmRNA発現量の測定法に準ずる。ここで、中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステル、好ましくは中鎖脂肪酸トリグリセリドを摂取することで、いずれの該酵素もLCT摂取に比べ100%以上のmRNA発現亢進作用が認められており、本発明により好適な脂質代謝関連酵素発現亢進剤が得られる。
<体脂肪低減>
本発明の体脂肪低減効果は、動物の総体重に占める体脂肪の量で測定することができる。試験動物に本発明品あるいは長鎖脂肪酸トリグリセリドを長期連続摂取させた後、腎周囲脂肪組織および副睾丸周囲脂肪組織および腸間膜脂肪組織等の内臓脂肪と皮下脂肪とを合わせた体脂肪量を、体重あたりの割合で比較することで求められる。本発明品は、内臓脂肪のみでも皮下脂肪のみでも、また、これらを組み合わせた体脂肪でも、LCT摂取に比べ有意な減少が見られる。本発明品の摂取により、内臓脂肪重量のみでも皮下脂肪重量のみでも、また、これらを組み合わせた体脂肪重量でも、LCT摂取に比べそれぞれ9.1%、14.6%、12.0%の有意な減少が認められたので、本発明により、好適な体脂肪低減効果が得られる。
また、絶食6時間後のホルモン感受性リパーゼ、β3−アドレナリン受容体、脱共役蛋白質2(UCP−2)のmRNA発現量を同様にして測定の処、ホルモン感受性リパーゼ、β3−アドレナリン受容体、UCP−2のmRNA発現量が、皮下脂肪の方が副睾丸周囲脂肪よりも高いことが認められた。これにより、皮下脂肪の方が内臓脂肪よりも低減が速いことを示す。
本発明の体脂肪低減効果は、従来知られている体脂肪低蓄積性とはその効果の内容において異なる。体脂肪低蓄積性とは、単に、中鎖脂肪酸トリグリセリド等がエネルギーになりやすいことを理由として脂肪が蓄積しにくいという効果であり、本発明において見出されている体脂肪低減効果とは、摂取により、また、継続性な摂取により、これまで蓄積していた体脂肪が分解等することにより低減することを示す。
中鎖脂肪酸トリグリセリド等は、上記体脂肪分解促進機能および体脂肪血中放出促進機能を有し、この結果、蓄積された体脂肪の低減効果を有する。つまり、体脂肪として蓄積されているグリセリン脂肪酸トリエステルが遊離脂肪酸に分解され、血中に移行することで低減する。さらに、前記の通り、β酸化系酵素であるアシルCoA脱水素酵素やアシルCoA酸化酵素のmRNA発現量が、LCT摂取時に比べ増加していることにより体脂肪分解促進活性が向上していることがわかり、分解され、血中に放出された体脂肪(遊離脂肪酸)が、さらに脂肪細胞において好適に消費されており、より好適な体脂肪低減効果を得ることができる。体脂肪が分解・放出された遊離脂肪酸が再び脂肪組織に取り込まれた場合においても、該遊離脂肪酸が好適に消費されることで好適な体脂肪低減効果を奏する。
ここで、いわゆる油脂類である中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステル、好ましくは中鎖脂肪酸トリグリセリドを用いて上記作用機序により体脂肪を低減させることはこれまで考え得なかったことである。
<体脂肪低減剤→MLCT、構造体の奨励>
中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルの摂取は、交感神経の活性化を引き起こすことで、分泌されたカテコールアミン類が脂肪細胞上の受容体(β3−アドレナリン受容体)に結合して刺激が入り、細胞内のホルモン感受性リパーゼが活性化される。本酵素が活性化されると、溜め込まれた脂肪が分解され、遊離脂肪酸とグリセリンができることで脂肪細胞が小さくなり、脂肪組織の減少、体脂肪の低減が起こる。このことは、PPARγが低減していることからもわかる。この作用は、摂取したものがすぐに燃焼されることで余分なエネルギーが体脂肪とはならない。所謂体脂肪低蓄積性とは異なり、積極的に内因性体脂肪の分解を誘導する点で好ましい。さらには、構造によって吸収経路の違い等により、その効果の強さ、時間的な特徴(即効性、持続性)、他の要因の発生等が異なることで、機能の強さ、時間的特徴等の設計や、安全性の設計を行うことができ、好ましい。例えば、グリセリンに少なくとも1以上の中鎖脂肪酸が結合している脂肪酸エステル(MLCT)や、特に中鎖脂肪酸の結合する位置や他の脂肪酸の種類を特定して設計されたグリセリン脂肪酸エステル(構造体または構造油脂)等は、中鎖脂肪酸のみならず長鎖脂肪酸も含有しているため、これら両者の特性を導き出せるため、非常に好ましい。
<皮下脂肪低減剤>
ホルモン感受性リパーゼやβ3−アドレナリン受容体のmRNA発現亢進活性が、内臓脂肪よりも皮下脂肪の方に顕著に誘導されることより、上記体脂肪低減効果は本発明品の摂取により皮下脂肪において強く認められる。このことは、ラットおよびヒトの長期摂取試験時の内臓および皮下脂肪重量の減少度からも認められることから、種を超えた効果であることがわかる。さらには、MCTのみならずMLCTや構造体、構造油脂においても同様の効果が認められることから、機能の強さ、時間的特徴等の設計や、安全性の設計を行うことができ、好ましい。
<皮下脂肪が低減しやすい体質への体質改質剤>
ホルモン感受性リパーゼやβ3−アドレナリン受容体、β酸化系関連酵素、PPARαのmRNA発現亢進効果により、体脂肪、特に皮下脂肪の低減効果や、肝臓や皮下脂肪での脂質代謝亢進効果が見込まれるため、皮下脂肪が低減しやすい体質への体質改質剤として使用することができ、好ましい。
<皮下脂肪が蓄積し難い体質への体質改質剤>
ホルモン感受性リパーゼやβ3−アドレナリン受容体、PPARγのmRNA発現亢進効果により、余剰なエネルギーが溜め込まれにくい状態となるため、皮下脂肪が蓄積し難い体質への体質改質剤として使用することができ、好ましい。
前記体脂肪低減効果を有することから、全身への効果として痩身効果を有する。
上述の通り、肝細胞や脂肪細胞のβ酸化系酵素のmRNA発現量が増加していることにより体脂肪分解促進がなされていることがわかり、また、該分解され、血中に放出された体脂肪(遊離脂肪酸)は、脂質代謝関連酵素の発現が亢進していることから肝細胞や脂肪細胞において好適に消費されていると考えられる。人体全体として見ると、体脂肪として蓄積された体脂肪が分解、血中へ移行し、肝細胞で好適に消費され、あるいは再度脂肪細胞にもどってきた時には好適に消費するという好適な循環であると言え、本発明の痩身剤は好適なものといえる。また、人体のエネルギーの好適な活用の循環でもあり好ましい。
また、体脂肪低減効果に加え、体脂肪低蓄積効果を有することを併せて考えると、本発明の非常に好適な痩身作用と言える。
具体的な効果としては、本発明を長期連続摂取した場合、LCT摂取時に比べ摂餌量は殆ど変わらないにもかかわらず、体重の減少が認められ、体蛋白や水分含量にも差異が認められないことから、明らかに体脂肪重量が減少していることがわかる。すなわち、LCT摂取時に比べ体重変化量は9.2%減少したが、摂餌量は0.8%、体蛋白量は1.0%減少しているに留まっているため、この体重変化は体脂肪の減少によるものであることがわかる。事実、内臓脂肪量で9.1%、皮下脂肪量で14.6%、これらを組み合わせた体脂肪量で12.0%の有意な減少が認められていることから、本発明により好適な痩身効果が得られることがわかる。
<痩身剤→MLCT奨励>
上記各種効果により、痩身剤として使用することができ、好ましい。特に、構造によって吸収経路の違い等により、その効果の強さ、時間的な特徴(即効性、持続性)、他の要因の発生等が異なることで、機能の強さ、時間的特徴等の設計や、安全性の設計を行うことができる。グリセリンに少なくとも1以上の中鎖脂肪酸が結合している脂肪酸エステル(MLCT)や、特に中鎖脂肪酸の結合する位置や他の脂肪酸の種類を特定して設計されたグリセリン脂肪酸エステル(構造体または構造油脂)等は、中鎖脂肪酸のみならず長鎖脂肪酸も含有しているため、これら両者の特性を導き出せるため、非常に好ましい。
<外観痩身剤>
上記痩身剤は、脂肪組織、特に皮下脂肪に対しこれら効果を示すことより、体の外観を形成する皮下脂肪が内臓脂肪よりも明らかに減少することから、外観痩身剤として使用することができ、好ましい。
<美容痩身剤>
本発明品は、経口摂取することで無理なく痩身効果が期待できるため、好ましい。特に、通常行われているような、断食やエネルギー摂取制限法と異なり、上記効果等により十分なエネルギーを摂取しつつ、体のバランスや体調、各種体機能を損ねることなく痩せることができるので、さらに好ましい。また、外用的な使用も可能であるため、非常に好ましい。
<痩せやすい体質への体質改質剤>
ホルモン感受性リパーゼやβ3−アドレナリン受容体、β酸化系関連酵素、脱共役蛋白、PPARαのmRNA発現亢進効果により、内因性の脂肪分解亢進効果や効率よくエネルギーや熱に変換され、さらにPPARγが低減していることから、脂肪が蓄積され難くなるため、痩せやすい体質への体質改質剤として使用することができ、好ましい。
<太りにくい体質への体質改質剤>
β酸化系関連酵素、脱共役蛋白、PPARαのmRNA発現亢進効果により、効率よくエネルギーや熱に変換されるため、余剰なエネルギーが生じにくい体質へと変化することができる。さらに、ホルモン感受性リパーゼやβ3−アドレナリン受容体、PPARγのmRNA発現亢進効果により、余剰なエネルギーが溜め込まれにくい状態となるため、太りにくい体質への体質改質剤として使用することができ、好ましい。
<PPAR活性化亢進>
中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステル、特に中鎖脂肪酸トリグリセリドを摂取することにより、PPARの亢進が調整させる。すなわち、中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステル、特に中鎖脂肪酸トリグリセリドを摂取することにより、PPARαが活性化され、脂肪酸代謝に重要なβ酸化関連酵素の遺伝子発現を亢進され、脱共役蛋白質2(UCP−2)やアシルCoA合成酵素(ACO)等の脂肪酸分解系酵素が誘導され、UCP−2の発現亢進により、脂質代謝の中心的臓器である肝臓において、余剰なエネルギーを熱に変換させることで消費し、さらに、体のエネルギー貯蔵臓器である脂肪組織においてもエネルギー代謝調節系をコントロールし、体の恒常性を保ち、肥満等の生活習慣病の予防に寄与できる。また、ACO等の脂肪酸分解系酵素の発現亢進により、体脂肪の分解が亢進され血中へ遊離脂肪酸として放出されたり、再び脂肪細胞内でβ酸化を受けエネルギー源となり、体脂肪が分解され低減する。
また、特に長期摂取によりPPARγが低減しやすくなることから体脂肪低減促進剤として働き、また、PPARγ活性化低減機能により成熟した細胞に対しては脂肪を蓄積し離くするため、痩せやすい体質への改質剤として働き、同様に未成熟な脂肪細胞に対しては分化・成熟した後に脂肪を溜めにくくするため、太りにくい体質への改質剤として働く。
<皮下脂肪低減、体質改善、疾患予防>
前述したように、本発明の摂取により、体脂肪分解が促進される。しかし、さらに、体内での脂肪の燃焼態様が変化し、より理想的な脂肪燃焼態様を示すようになる。実験データを実施例に示した。すなわち、実験対象であるラットの体内エネルギーの消費に伴い、UCP−2、ホルモン感受性リパーゼ、β3−アドレナリン受容体は皮下脂肪から優先的に発現する。このことは、すなわち、本発明の摂取により体内の脂肪が皮下脂肪から優先的に燃焼し、次いで内蔵脂肪、最後に骨格筋の順に燃焼することを示す。また、本発明を摂取した場合、本発明を摂取しない場合よりも前記脂肪の燃焼態様が顕著になることがわかる。
一般に、皮下脂肪低減、体質改善、疾患予防等の対応として、一定の運動を行うことが実施される。しかし、前記効果を得ることができる程度の運動量を長期にわたり確保することは、現代社会人にとって、時間上、計画上、大きな負担となる。これに対し、本発明では、前記発明を摂取するだけで、上記効果が得られるものである。
すなわち、本発明は、皮下脂肪低減、皮下脂肪が低減しやすい体質改質、皮下脂肪が蓄積しにくい体質改質、外観痩身、美容痩身、痩せやすい体質への体質改質、太りにくい体質への体質改質、肥満由来疾患の予防および/または改善に効果を示すものである。
<油脂組成物>
本発明は中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルを有効成分とするホルモン感受性リパーゼ発現亢進、β3−アドレナリン受容体発現亢進、体脂肪分解促進、体脂肪血中放出促進、脂質代謝関連酵素発現亢進、体脂肪低減、痩身用の油脂組成物に関する。
中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルは油脂類から得ることができ、また、油脂類への溶解性が良好であることから、本発明の体脂肪低減剤、痩身剤の一形態でもあり、また、下記に示す体脂肪低減、痩身用の飲食物の好適な一形態として、中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルを含有する油脂組成物が挙げられる。また、中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルを製造する場合において、該油脂組成物が製造されているため好適である。
該油脂組成物における中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステル、中鎖脂肪酸トリグリセリドの含量は剤としての利用である場合は剤の含量であり、飲食物としての使用である場合は飲食物の含量である。ここで、調理用油脂として使用する場合においては、飲食物への使用量によってその含量は異なるが、例えば10〜90質量%、好ましくは20〜80質量%以上、さらに好ましくは30〜70質量%以上を例示することができる。調理用としての場合、油はね、油煙等の調理適性の面から、あまり高濃度にすることは好ましくないため、使用量等との調整が必要である。
該油脂組成物の形態としては、液状、固体状、半固体状のいずれでも良く、特に制限されない。
本発明の油脂組成物は、上記体脂肪低減剤、痩身剤の一形態でもあり、また、下記体脂肪低減、痩身用の飲食物の一形態でもあり、また、これらに配合する原料としての形態でもある。また、調理用としても使用でき、このように使用した結果、飲食物に含有されるため、間接的に飲食物へも影響を与える。
本発明の油脂組成物は、上述の通り中鎖脂肪酸トリグリセリドを含有する油脂を原料として、これをエステル交換処理することで得ることができ、また、遺伝子組換の技術を用いて、本発明の油脂組成物を生産するように品種改良した植物、例えば大豆、菜種、コーン、ヤシ、パーム、オリーブ、亜麻仁、ひまわり、紅花、つばき、綿実、クヘア等から抽出によって得ることも可能である。
上記のようにして得られる本発明の油脂組成物は、そのままでもしくは調理用油脂組成物に通常用いられる添加剤を配合して、調理用油脂組成物として使用することができる。
かかる添加剤としては、保存安定性向上、酸化安定性向上、熱安定性向上、低温化での結晶抑制等を目的としたポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル等が挙げられる。また、当然に、上記ホルモン感受性リパーゼ発現亢進剤、β3−アドレナリン受容体発現亢進剤、体脂肪分解促進剤、体脂肪血中放出促進剤、脂質代謝関連酵素発現亢進剤、体脂肪低減剤、痩身剤において添加することができる添加剤等も配合することができる。
本発明の油脂組成物は、菜種油、コーン油、紅花油、大豆油といった一般に市販されている通常の食用油と同等あるいはそれ以上の風味を持ち、炒め物、揚げ物、マリネなどの調理に使用できることはもちろんのこと、油脂を含有する食品であるドレッシング、マヨネーズ、マーガリン、菓子類、ケーキ、飲料等にも使用可能である。調理品の種類によって風味の特性は異なるが、素材の味を生かしたさっぱりとした料理を作ることが可能である。また、フライ調理時における油のハネ度合いは、通常の食用油と同等あるいはそれ以下である。
<飲食物>
本発明は、中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルを含有する体脂肪低減、痩身、皮下脂肪低減、皮下脂肪が低減しやすい体質や皮下脂肪が蓄積しにくい体質への改質、その他、肥満から由来する疾患の予防・改善用の飲食物等に関し、好ましくは中鎖脂肪酸トリグリセリドを含有する体脂肪低減、痩身用飲食物等に関する。
中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルを含有する飲食物は、飲食によって好適に経口摂取され、体脂肪低減、痩身、皮下脂肪低減、皮下脂肪が低減しやすい体質や皮下脂肪が蓄積しにくい体質への改質、その他、肥満から由来する疾患の予防・改善作用を奏するため好ましい形態である。
中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステル、好ましくは中鎖脂肪酸トリグリセリドにホルモン感受性リパーゼ発現亢進、β3−アドレナリン受容体発現亢進、体脂肪分解促進、体脂肪血中放出促進、脂質代謝関連酵素発現亢進、体脂肪低減、痩身促進効果を発現させる好ましい形態として経口摂取が挙げられ、特に日常継続的に摂取するためには飲食物の形態が好ましい。摂取量は特に制限されないが、前述の各種剤における摂取量を参考にすることができる。また、過剰な摂取は当然に本発明における効果を得ることができない。該飲食物として、含量は摂取の回数、量等によって調整することができ特に制限されないが、中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルの場合、例えば、0.2〜50質量%、好ましくは0.5〜40質量%、さらに好ましくは1〜20質量%、特に好ましくは2〜10質量%、また、中鎖脂肪酸トリグリセリドの場合、例えば0.1〜30質量%、好ましくは0.2〜20質量%、さらに好ましくは0.5〜10質量%、特に好ましくは1〜5質量%を例示することができる。
ここで、前記体脂肪低減剤、痩身剤、皮下脂肪低減剤、皮下脂肪が低減しやすい体質、皮下脂肪が蓄積しにくい体質への改質剤、肥満から由来する疾患の予防・改善剤や、体脂肪低減、皮下脂肪低減、皮下脂肪が低減しやすい体質や皮下脂肪が蓄積しにくい体質への改質、その他、肥満から由来する疾患の予防・改善用飲食物において、中鎖脂肪酸、または、中鎖脂肪酸と中鎖脂肪酸残基の総量によっても規定することがき、その好適な含量としては、前記中鎖脂肪酸トリグリセリドの含量から換算することができる。
ここで、本発明の体脂肪低減、痩身用飲食物の形態としては、特に制限はないが、例えば、飲食物が、飲料、栄養ドリンク、菓子、加工食品、油脂類、乳製品、レトルト食品、レンジ食品、冷凍食品、調味料、健康補助食品等の形態が挙げられ、形状・性状も特に制限されず、固体状、半固体状、ゲル状、液体状、粉末状等いずれでもよく、また、錠剤、カプセル剤、液剤、顆粒剤等いずれでも良い。
本発明のホルモン感受性リパーゼ発現亢進、β3−アドレナリン受容体発現亢進、体脂肪分解促進、体脂肪血中放出促進、脂質代謝関連酵素発現亢進、体脂肪低減、痩身用飲食物について、下記に具体例を列記するが、本発明はこれらに制限されるものではない。本発明のホルモン感受性リパーゼ発現亢進、β3−アドレナリン受容体発現亢進、体脂肪分解促進、体脂肪血中放出促進、脂質代謝関連酵素発現亢進、体脂肪低減、痩身用飲食物としては、その形態等について特に制限はないが、例えば、おかき、煎餅、おこし、饅頭、飴等の和菓子、クッキー、ビスケット、クラッカー、パイ、カステラ、ドーナッツ、プリン、スポンジケーキ、ワッフル、バタークリーム、カスタードクリーム、シュークリーム、チョコレート、チョコレート菓子、キャラメル、キャンデー、チューインガム、ゼリー、ホットケーキ、パン、菓子パン等の各種洋菓子、ポテトチップ等のスナック菓子、アイスクリーム、アイスキャンデー、シャーベット等の氷菓、乳酸飲料、乳酸菌飲料、濃厚乳性飲料、果汁飲料、果肉飲料、機能性飲料、炭酸飲料等の清涼飲料水、緑茶、紅茶、コーヒー、ココア等の嗜好品およびこれらの飲料、発酵乳、加工乳、チーズ等の乳製品、豆乳、豆腐等の大豆加工食品、ジャム、果実のシロップ漬、フラワーペースト、ピーナツペースト、フルーツペースト等のペースト類、漬物類、うどんの麺、パスタ等の穀物製品類、ハム、ソーセージ、ベーコン、ドライソーセージ、ビーフジャーキー、ハンバーグ等の畜肉製品類、魚肉ハム、魚肉ソーセージ、かまぼこ、ちくわ、はんぺん等の魚貝類製品、魚、貝等の干物、鰹、鯖、鰺等の各種節、ウニ、イカ等の塩辛、スルメ、魚等のみりん干、鮭等の燻製品、のり、小魚、貝、山菜、椎茸、昆布等の佃煮、カレー、シチュー等のレトルト食品、みそ、醤油、ソース、ケチャップ、ブイヨン、焼肉のタレ、カレールー、シチューの素、スープの素、だしの素等の各種調味料、米飯類、油脂やマーガリン、ショートニング、マヨネーズ、ドレッシング等の油脂加工品や、油脂を含有する各種レンジおよび冷凍食品等が挙げられる。特に、継続的な摂取という面からは、米飯や各種調味料や、油脂やマーガリン、ショートニング、マヨネーズ、ドレッシング等の油脂加工品が好ましいといえる。また、形状・性状も特に制限されず、固体状、半固体状、ゲル状、液体状、粉末状等いずれでもよく、また、健康補助飲食料等として使用される場合等の錠剤、ソフトカプセルやハードカプセルに充填・加工したカプセル剤、液剤、顆粒剤等いずれでも良い。
特に好ましい形態としては油脂組成物の形態の飲食物であり、また、該油脂組成物を用いて調理された飲食物であり、配合された飲食物である。上述の通り、中鎖脂肪酸トリグリセリド等が油脂類であることや、中鎖脂肪酸トリグリセリドの製造の過程において得ることができるため、使用性、安定性、製造性等に優れている。
また、上述の通り、前記脱共役蛋白質発現亢進剤や油脂組成物を配合することもできる。また、該油脂組成物を用いて調理することで得ることもできる。
該ホルモン感受性リパーゼ発現亢進、β3−アドレナリン受容体発現亢進、体脂肪分解促進、体脂肪血中放出促進、脂質代謝関連酵素発現亢進剤、体脂肪低減、痩身用飲食物は、これらの効果を介した糖尿病・動脈硬化・高脂血症・高血圧等の生活習慣病に対する予防および/または改善効果も期待されるため、好ましい。
<使用法>
また、本発明おいて、中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルを体脂肪低減剤、皮下脂肪低減剤として使用することができる。
また、本発明おいて、中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルを痩身剤として使用することができる。また、肥満予防剤および/または治療剤として使用することができる。また、皮下脂肪が低減しやすい体質、皮下脂肪が蓄積しにくい体質への改質剤、肥満から由来する疾患の予防・改善剤として使用することができる。
<原料>
本発明は中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルを含有することを特徴とする体脂肪低減剤、皮下脂肪低減剤、痩身剤の原料に関し、また、皮下脂肪が低減しやすい体質、皮下脂肪が蓄積しにくい体質への改質剤、肥満から由来する疾患の予防・改善剤の原料に関する。
本発明の体脂肪低減剤、皮下脂肪低減剤、痩身剤等は中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルを含有することを特徴とし、これにより体脂肪低減、痩身、皮下脂肪低減作用を有し、更に、皮下脂肪が低減しやすい体質、皮下脂肪が蓄積しにくい体質への改質剤、肥満から由来する疾患の予防・改善作用を有する。よって、中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルを含有するものは体脂肪低減剤、皮下脂肪低減剤、痩身剤、皮下脂肪が低減しやすい体質、皮下脂肪が蓄積しにくい体質への改質剤の原料として好適であり、特に高濃度に含有するものは原料として好適である。含量は特に制限されないが、例えば、50〜99.9質量%、好ましくは70〜99.9質量%、さらに好ましくは90〜99.9質量%を例示することができる。
以上説明したように、中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルを含有するものは、体脂肪低減、痩身、皮下脂肪低減作用を有し、更に、皮下脂肪が低減しやすい体質、皮下脂肪が蓄積しにくい体質への改質剤としての作用も有するので、本発明の中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルを含有する油脂を使用することにより痩身させる方法としても好ましい。
本発明者らは、前記課題を達成する為に鋭意検討した結果、中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルが、体に蓄積された脂肪を分解することを見出し、この結果、体脂肪低減効果、痩身効果、皮下脂肪低減効果、皮下脂肪が低減しやすい体質、皮下脂肪蓄積しにくい体質への改質効果等を有することを見出し、本発明を完成させた。
本発明は、中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルを有効成分とする体脂肪低減剤を提供する。
また、少なくとも中鎖脂肪酸および長鎖脂肪酸を構成脂肪酸とするグリセリン脂肪酸エステル(以下「MLCT」という)を有効成分とする体脂肪低減剤を提供する。
更にまた、中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルを有効成分とする皮下脂肪低減剤を提供する。
更にまた、中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルを有効成分とする皮下脂肪が低減しやすい体質への体質改質剤を提供する。
更にまた、中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルを有効成分とする皮下脂肪が蓄積しにくい体質への体質改質剤を提供する。
更にまた、中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルを有効成分とする痩身剤を提供する。
更にまた、少なくとも中鎖脂肪酸および長鎖脂肪酸を構成脂肪酸とするグリセリン脂肪酸エステルを有効成分とする痩身剤を提供する。
更にまた、中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルを有効成分とする外観痩身剤を提供する。
更にまた、中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルを有効成分とする美容痩身剤を提供する。
更にまた、中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルを有効成分とする、痩せやすい体質への体質改質剤を提供する。
更にまた、中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルを有効成分とする、太りにくい体質への体質改質剤を提供する。
更にまた、中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルを有効成分とする、肥満由来疾患の予防および/または改善剤を提供する。
更にまた、前記疾患が、糖尿病、高血圧、高脂血症、脂肪肝、痛風のいずれか1以上である肥満由来疾患の予防および/または改善剤を提供する。
更にまた、中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルを有効成分とする体脂肪低減用油脂組成物を提供する。
更にまた、少なくとも中鎖脂肪酸および長鎖脂肪酸を構成脂肪酸とするグリセリン脂肪酸エステルを有効成分とする体脂肪低減用油脂組成物を提供する。
更にまた、中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルを有効成分とする皮下脂肪低減用油脂組成物を提供する。
更にまた、中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルを有効成分とする皮下脂肪が低減しやすい体質への体質改質用油脂組成物を提供する。
更にまた、中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルを有効成分とする皮下脂肪が蓄積しにくい体質への体質改質用油脂組成物を提供する。
更にまた、中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルを有効成分とする痩身用油脂組成物を提供する。
更にまた、少なくとも中鎖脂肪酸および長鎖脂肪酸を構成脂肪酸とするグリセリン脂肪酸エステルを有効成分とする痩身用油脂組成物を提供する。
更にまた、中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルを有効成分とする外観痩身用油脂組成物を提供する。
更にまた、中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルを有効成分とする美容痩身用油脂組成物を提供する。
更にまた、中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルを有効成分とする、痩せやすい体質への体質改質用油脂組成物を提供する。
更にまた、中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルを有効成分とする、太りにくい体質への体質改質用油脂組成物を提供する。
更にまた、中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルを有効成分とする、肥満由来疾患の予防および/または改善用油脂組成物を提供する。
更にまた、前記疾患が、糖尿病、高血圧、高脂血症、脂肪肝、痛風のいずれか1以上である肥満由来疾患の予防および/または改善用油脂組成物を提供する。
更にまた、中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルを有効成分とする体脂肪低減用飲食物を提供する。
更にまた、少なくとも中鎖脂肪酸および長鎖脂肪酸を構成脂肪酸とするグリセリン脂肪酸エステルを有効成分とする体脂肪低減用飲食物を提供する。
更にまた、中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルを有効成分とする皮下脂肪低減用飲食物を提供する。
更にまた、中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルを有効成分とする皮下脂肪が低減しやすい体質への体質改質用飲食物を提供する。
更にまた、中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルを有効成分とする皮下脂肪が蓄積しにくい体質への体質改質用飲食物を提供する。
更にまた、中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルを有効成分とする痩身用飲食物を提供する。
更にまた、少なくとも中鎖脂肪酸および長鎖脂肪酸を構成脂肪酸とするグリセリン脂肪酸エステルを有効成分とする痩身用飲食物を提供する。
更にまた、中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルを有効成分とする外観痩身用飲食物を提供する。
更にまた、中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルを有効成分とする美容痩身用飲食物を提供する。
更にまた、中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルを有効成分とする、痩せやすい体質への体質改質用飲食物を提供する。
更にまた、中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルを有効成分とする、太りにくい体質への体質改質用飲食物を提供する。
更にまた、中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルを有効成分とする、肥満由来疾患の予防および/または改善用飲食物を提供する。
更にまた、前記疾患が、糖尿病、高血圧、高脂血症、脂肪肝、痛風のいずれか1以上である肥満由来疾患の予防および/または改善用飲食物を提供する。
更にまた、中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルを体脂肪低減として使用する方法を提供する。
更にまた、中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルを皮下脂肪が低減しやすい体質への体質改質剤として使用する方法を提供する。
更にまた、中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルを皮下脂肪が蓄積しにくい体質への体質改質剤として使用する方法を提供する。
更にまた、中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルを痩身剤として使用する方法を提供する。
更にまた、中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルを外観痩身剤として使用する方法を提供する。
更にまた、中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルを美容痩身剤として使用する方法を提供する。
更にまた、中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルを痩せやすい体質への体質改質剤として使用する方法を提供する。
更にまた、中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルを太りにくい体質への体質改質剤として使用する方法を提供する。
更にまた、中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルを肥満由来疾患の予防および/または改善剤として使用する方法を提供する。
更にまた、中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルを有効成分とする体脂肪低減剤原料を提供する。
更にまた、中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルを有効成分とする痩身剤原料を提供する。
発明を実施するための形態
本発明は、中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステル、好ましくは中鎖脂肪酸トリグリセリドや、少なくとも中鎖脂肪酸および長鎖脂肪酸を構成脂肪酸とするグリセリン脂肪酸エステル(以下「MLCT」という)や構造体(構造油脂)がホルモン感受性リパーゼやβ3−アドレナリン受容体発現亢進機能を有することを見出し、これから体脂肪分解促進機能を有することを見出している。また、前記体脂肪分解促進機能により分解された脂肪(主にトリグリセリドが遊離脂肪酸へ分解する)の全部又は一部が血中に放出されていることを見出し、体脂肪血中放出促進機能を有することを見出した。
さらに、脂質代謝関連酵素や体熱産生に関する酵素の発現を亢進する機能を有し、摂取した脂質や上記分解・放出された脂肪酸が好適にβ酸化や熱産生されていることが見出されている。また、ペルオキシソーム増殖薬活性化受容体(以下「PPAR」という。)の発現を調整する機能を有することからも同様に酸化や熱産生をさらに亢進させていることを見出している。
これらのことから、中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルを摂取することにより、蓄積している体脂肪を積極的に分解すること、分解された脂肪が血中に遊離脂肪酸として放出されること、また、該分解・放出された遊離脂肪酸が好適にβ酸化、熱産生されること等のことから、単に低蓄積性というだけではなく、積極的に体脂肪を低減する機能を有することを、本発明において初めて見出した。特に皮下において好適に体脂肪を低減する機能を有することを見出した。また、長期摂取した結果、体脂肪が低下しやすい体質になることや体脂肪が蓄積し難い体質になること、特に皮下脂肪が低減しやすい体質になること、皮下脂肪が蓄積し難い体質になることを見出した。
さらに、上記体脂肪低減機能等は人体レベルとして見ると痩身機能である。また、中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルは体脂肪低蓄積性であることが知られていることから、本発明の積極的な体脂肪低減機能と併せて、好適な痩身機能を有する。また、皮下脂肪に蓄積している体脂肪を好適に低減させることができるため、特に外観痩身機能を有し、美容的な痩身機能を有する。また、特に長期摂取により、痩せやすい体質への体質改質、太りにくい体質への体質改質機能を有することを見出している。ここで、痩身効果により、肥満由来疾患の予防または治療が期待できる。
これらのことから、本発明において、中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステル、好ましくは中鎖脂肪酸トリグリセリドや、少なくとも中鎖脂肪酸および長鎖脂肪酸を構成脂肪酸とするグリセリン脂肪酸エステル(以下「MLCT」という)や構造体(構造油脂)を含有する上記機能を有する剤、飲食物、油脂組成物等を完成させた。また、中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステル、好ましくは中鎖脂肪酸トリグリセリドを前記機能剤等の原料とすることを見出した。前記機能剤、飲食物、原料の好適な態様として油脂組成物での態様があげられる。
また、特に、痩身効果について、これまでは中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルを、単に、カロリー・エネルギー的な視点で考えており、摂取により、該中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルが体脂肪として蓄積するか、蓄積し難いか、という視点で考えられていた。
しかし、本発明において、中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステル、特に、中鎖脂肪酸トリグリセリド、MLCT、構造体等は、積極的な体脂肪低減機能剤、痩身機能剤として働いていることが見出された。これは、各種酵素の発現等によっても見出されており、簡易には上述した通りであり、詳細は下記に示されている。また、現象面での比較においても、これを説明できる。
例えば、構成脂肪酸中の中鎖脂肪酸構成率が100%の場合と10%の場合では、カロリー・エネルギーという視点で比較した場合、総量が同じであればカロリー・エネルギーの総量は同等である。単に中鎖脂肪酸がカロリー・エネルギー消費効率が良いということであれば、中鎖脂肪酸が多いほど体脂肪が低い蓄積性を有することから、中鎖脂肪酸構成率が100%の場合と10%の場合では、その効果において約10倍の差が生じなければならない。本発明において、その効果(長期摂取後の体脂肪量の測定)は、ほぼ同等であることが見出されている。これは、中鎖脂肪酸をカロリー・エネルギー的(消費)な視点のみで考えていた従来の研究においては考え得ないものである。
つまり、中鎖脂肪酸は痩身機能等の積極的な機能を有する機能成分であることが本発明において、初めて見出されている。
このことから、痩身効果等を得るための中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルの含量は、機能を奏するのに必要であり、かつ、十分な量が好適であることが見出された。すなわち、これまでの中鎖脂肪酸をカロリー・エネルギー的に考えていた場合の様に、単純に、中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルが、多いほど良い(もちろん多ければ機能を奏する場合が多いが)というものではないことが見出された。また、中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルがMLCTである場合や構造体である場合は、その吸収特性や効果の時間的要素を設計すること等が可能であるため、好ましい態様であることがわかった。
中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルを投与することにより、以下のように脂肪酸の分解が行われる。
すなわち、MCTを投与すると、MCTは速やかに遊離脂肪酸とグリセリンの形で上皮細胞から吸収され遊離脂肪酸のまま門脈(血管)に放出、血中アルブミンと複合体を形成し、直接肝臓へ流入、細胞上の脂肪酸結合蛋白を介して、遊離脂肪酸として肝細胞内(細胞質)へ移行する。そして、ミトコンドリアへ流入してミトコンドリア内でアシル化された後、中鎖アシルCoA脱水素酵素(以下MCADという)、短鎖アシルCoA脱水素酵素(以下SCADという)等の脱水素酵素によりβ酸化を受け、遊離脂肪酸はアセチルCoAとなる。
また、MCT摂取により刺激を受け動員されてきた、内因性脂肪由来の長鎖脂肪酸が細胞質内でアシル化され、ミトコンドリア内かペルオキシソーム内に入る。また、転写調節因子であるペルオキシゾーム増殖剤応答性受容体α(以下PPARαという)が、脂肪酸刺激により活性化、脱共役蛋白質2(以下UCP−2という)、アシルCoA酸化酵素(以下ACOという)、リンゴ酸酵素(以下MEという)等のmRNA発現量を増加させる。
アシル化された内因性脂肪由来の長鎖脂肪酸は、ミトコンドリア内では長鎖アシルCoA脱水素酵素(以下LCADという)からの酵素分解を受け、ペルオキシソーム内ではACOによる酵素分解を受ける。ACOにより鎖長が短くなったアシル化脂肪酸は、CPT2を介してミトコンドリア内に入り更なるβ酸化を受ける。尚、MCTの場合、一時期に大量にミトコンドリア内に流入するので、最終産物であるアセチルCoAが大量産生され、出来た大量のアセチルCoAは、ケトン体として産生される。また、アセチルCoAの一部はATPを産生するためのクレブス回路に入りクエン酸ができ、できたクエン酸は細胞質へ出て行き、そこでまたアセチルCoAとなり、さらにアセチルCoAカルボキシラーゼ(以下ACCという)、脂肪酸合成酵素(以下FASという)、リンゴ酸酵素(ME)等の脂肪酸系酵素によって脂肪酸合成や糖新生に回される。
このように、MCTを摂取することにより、PPARαのmRNA発現量増加、UCP−2のmRNA発現量、ACO酵素活性増加等により、余剰なエネルギーが熱に変換されエネルギー消費の一翼を担っている。
一方、MCTを長期的に投与することにより、以下のような機能が得られる。
すなわち、脂肪組織においては、MCTを長期的に摂取することにより、交感神経が活性化し、カテコールアミンやアドレナリン等の交感神経活性化物質が血液中に放出される。これによって、脂肪組織中の脂肪細胞上にある受容体であるβ3−アドレナリン受容体のmRNA発現量を増加され感受性が上げられる。このβ3−アドレナリン受容体が活性化されると、細胞内に溜め込まれたTGを分解する酵素、ホルモン感受性リパーゼ(HSL)が活性化される。この活性化は内臓細胞よりも皮下脂肪細胞においてより顕著である。
活性化されたHSLは既に蓄積した内因性脂肪のTGを遊離脂肪酸とグリセリンとに分解し、血中へ放出する。そして、血中へ放出された遊離脂肪酸は、肝臓へ行きエネルギー源として燃やされる。また、血中へ放出された遊離脂肪酸の一部は、再び脂肪細胞内に取り込まれて、細胞維持のためのエネルギー源となる。或いは、HSLにより分解された遊離脂肪酸が、そのまま細胞質内に留まり、アシル化された後、CPT2を介してミトコンドリア内に入るか、同様にアシル化された後、ペルオキシソーム内に入る。尚、この際ミトコンドリア内に入るためにはCPT2が必要であるが、内臓・皮下ともこの発現量は増加しているが、皮下の方がより順著である。
このミトコンドリアやペルオキシソーム内に入ったアシル化脂肪酸はβ酸化される。尚、CPT2を介してミトコンドリア内に入った内因性の脂肪由来のアシル化脂肪酸は、LCAD、MCAD、SCAD等の脱水素酵素による酵素分解を受けるよりも、UCP−2のmRNA発現量を増加させ、熱としてエネルギー代謝する。また、ペルオキシソーム内に入ったアシル化脂肪酸はACOによるβ酸化を受けるが、皮下の方が顕著にmRNA発現量は増加する。
また、HSLのmRNA発現亢進以降に、エネルギーを蓄積の方向へ導く遺伝子である倹約遺伝子PPARγのmRNA発現量が低下している。特に内臓脂肪細胞に比べ皮下脂肪細胞の方が低下している。(このことから、脂肪組織全体ではエネルギー蓄積よりも消費の方向へ傾いているものと思われる。)
このように、MCTを摂取することにより、内臓組織および皮下組織において、β3−アドレナリン受容体のmRNA発現量の増加、HSLのmRNA発現量の増加、UCP−2のmRNA発現量の増加(皮下組織の方がより顕著である)、PPARγのmRNA発現量抑制(皮下組織の方がより顕著である)、ACOのmRNA発現量の増加(但し、皮下組織のみ)が起こり、これによって体脂肪の低減や肥満予防・改善の効果が得られる。
また、肝臓においては、MCTを長期的に摂取することにより、皮下脂肪等で分解・遊離された長鎖脂肪酸−アルブミン複合体が肝臓へ流入、長鎖脂肪酸として細胞内に移行し、細胞質内でアシル化された後、主にペルオキシソームへ入りACOによるβ酸化を受ける(ACOのmRNA発現量亢進により)。
アシル化脂肪酸はミトコンドリアやペルオキシソームでLCAD、MCAD、SCADによるβ酸化を受けた後、出来たアセチルCoAは主にTG合成や糖新生にまわる(エネルギー供給過剰状態になっているものと思われるので消費と蓄積の両方向へまわることになる)。
一方、PPARαは既に活性化され、脂質代謝亢進が起こっている(LCAD、MCAD、SCADによるβ酸化亢進済み)ので、PPARαのmRNA発現量自体はむしろ低下している。
このように、MCTを摂取することにより、肝臓において、ACOのmRNA発現量やLCADのmRNA発現量が増加し、内因性の脂肪酸処理機能が増進するので、体脂肪の低減と、肥満改善の効果が得られる。
以上のことより、本発明の各種機能剤等における機能の概要としては、中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステル、特に中鎖脂肪酸トリグリセリドを摂取することにより、体脂肪組織中のホルモン感受性リパーゼが活性化され、体脂肪組織に蓄積されているグリセリン脂肪酸エステル(LCT等)を分解し遊離脂肪酸に分解するとともに、該遊離脂肪酸を血中へ放出させる。これにより、蓄積されている体脂肪が低減することになる。また、脂質代謝に関連するβ酸化系酵素の評価から体脂肪分解促進活性が向上しており、前記一度血中に放出された遊離脂肪酸が再び脂肪組織に取り込まれ好適に消費されることで、体脂肪を低減させることができる。また、この効果だけでも人体に対しては痩身効果を有することになるが、中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステル、好ましくは中鎖脂肪酸トリグリセリドは、脱共役蛋白質発現亢進効果による体脂肪低蓄機能を有するため、これらの相乗効果により好適な痩身効果を有することになる。
また、中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルはペルオキシゾーム増殖剤応答性受容体(PPARと略す)の発現を調製する作用を有するので、PPARと併合することによって、脱共役蛋白質の発現が更に上昇し、脂質分解とそれに伴うエネルギー産生とを脱共役させることで熱としてのエネルギー放出を高める。これにより脂肪組織における過剰な脂肪の蓄積が解消され、好適な痩身効果を高めることになる。さらに、体脂肪低減促進効果が亢進される。
このPPARは、α、β/δ、γの3つのサブタイプが存在するが、αは主に肝臓で、γは脂肪組織の他に免疫系臓器や副腎、小腸に発現する。PPARαの機能は脂肪酸の合成・輸送・分泌、脂肪消費臓器におけるATP産生、細胞周期の調節等幅広く生体のエネルギー代謝や恒常性の維持に関わるものと考えられている。特に、脂肪酸代謝に重要なβ酸化関連酵素の遺伝子発現はPPARαの活性化に強く依存していることが明らかになってきている。言い換えれば、PPARα活性化剤は生体の脂質代謝を活性化する作用を有することが明らかになってきており、高脂血症の改善/治療にもつながる有用な作用である。
また、PPARγは脂肪細胞に比較的強い特異性を持って発現しており、脂肪細胞分化の中心的役割を果たしていることが明らかになっている。PPARγは脂肪細胞の分化中期以降にその発現量が急速に増加し、他の脂肪細胞特有の遺伝子を誘導することで脂肪細胞としての分化を決定付けている。特に、脂肪蓄積に関与するステロール応答エレメント結合蛋白(SREBP)−1cを活性化することで、細胞内脂肪酸合成系酵素活性を上昇させ、脂肪細胞の従来の機能である余剰エネルギーの蓄積を起こさせる役割を担っている。すなわち、PPARγは脂肪細胞に対し脂肪蓄積という形でエネルギーを蓄積させるよう働くので、このPPARγの活性化を抑制できれば少なくとも脂肪細胞の肥大化は防ぐことが出来る。即ち、PPARγが低減しやすくなることから体脂肪低減促進剤として働き、また、PPARγ活性化低減機能により成熟した細胞に対しては脂肪を蓄積し難くするため、痩せやすい体質への改質剤として働き、同様に未成熟な脂肪細胞に対しては分化・成熟した後に脂肪を溜めにくくするため、太りにくい体質への改質剤として働く。
また、その他に中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルは、シンドロームX、高コレステロール血症、高リポ蛋白血症等の代謝異常疾患、高脂血症、動脈硬化症、高血圧、循環器系疾患、虚血性心疾患等の予防および/または治療剤、HDLコレステロール上昇剤、LDLコレステロールおよび/またはVLDLコレステロールの減少剤、シンドロームXのリスクファクター軽減剤として働く。
本発明において中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルとは、下記一般式(I)に示す構成脂肪酸R1、R2、R3中のいずれか1つ以上が上述した中鎖脂肪酸を含む、炭素数6〜24から選ばれる脂肪酸を構成脂肪酸とするグリセリン脂肪酸エステルを示す。詳しくは、下記一般式(I)に示す構成脂肪酸R1、R2、R3全てを有するグリセリン脂肪酸トリエステル、構成脂肪酸R1、R2、R3中のいずれか1つが水素であるグリセリン脂肪酸ジエステル、いずれか1つのみが構成脂肪酸であるグリセリン脂肪酸モノエステルからなる。さらに、結合する部位によりR1およびR3に構成脂肪酸を有するグリセリン脂肪酸ジエステル、R1およびR2に構成脂肪酸を有するグリセリン脂肪酸ジエステル、R1またはR3のみに構成脂肪酸を有するグリセリン脂肪酸モノエステル、R2のみに構成脂肪酸を有するグリセリン脂肪酸モノエステルも含まれる。
ここで、グリセリン脂肪酸トリエステルにおいて、中鎖脂肪酸を含む形態としては、下記一般式(I)に示す構成脂肪酸R1、R2、R3全てが上述した中鎖脂肪酸からなるもの、R1、R2、R3のいずれか1つのみが炭素数6〜24から選ばれる脂肪酸からなるもの、R2のみ炭素数6〜24から選ばれる脂肪酸からなるもの、R1およびR2ないしR3およびR2が炭素数6〜24から選ばれる脂肪酸からなるもの、R1およびR3が炭素数6〜24から選ばれる脂肪酸からなるものがある。
構成脂肪酸R1、R2、R3全てが上述した中鎖脂肪酸の形態を有するものについては、後に詳述する。
<一般式I>
中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルは、つまり中鎖脂肪酸の存在により、各機能が発生する。ここで、その含量やグリセリン脂肪酸エステルの構造により、その効果の特徴も異なる。
含量については、機能を得られる範囲であることが必要であり、特に制限されないが、例えば、0.5質量%以上、好ましくは1質量%以上、より好ましくは5質量%以上、さらに好ましくは5〜99.9質量%、特に好ましくは10〜99.9質量%、最も特に好ましくは13〜99.9質量%である。また、好ましくは前記範囲であって、かつ、人体への悪影響の可能性が低いほど好ましく、さらには商業上または工業上、出来るだけ低含量であることが好ましい。例えば、下記の長期摂取時における含量を参考にすることができる。
さらには、構造によって吸収経路の違い等により、その効果の強さ、時間的な特徴(即効性、持続性等)、他の要因の発生等が異なる。この構造の違いを利用して、機能の強さ、時間的特徴等の設計や、安全性の設計を行うことができる。例えば、グリセリンに少なくとも1以上の中鎖脂肪酸が結合している脂肪酸エステル(以下「MLCT」という)や、特に中鎖脂肪酸の結合する位置や他の脂肪酸の種類を特定して設計されたグリセリン脂肪酸エステル(以下「構造体」または「構造油脂」という)を例示することができる。MLCTや構造体(構造油脂)を含有する製剤等における中鎖脂肪酸、該MLCTや構造油脂の含量は上記を参考とすることができる。
ここで、上述したが、中鎖脂肪酸の含量は機能を得られる範囲であることが必要であり、好ましくは前記範囲であって、かつ、人体への悪影響の可能性が低いほど好ましく、さらには商業上または工業上、出来るだけ低含量であることが好ましい。
上記視点から検討すると、例えば、長期摂取や体質改善を目的とする場合には、全脂肪酸に占める中鎖脂肪酸の割合が3〜23質量%、好ましくは4〜20質量%、さらに好ましくは5〜17質量%、特に好ましくは6〜15質量%、最も好ましくは7〜14質量%、最も特に好ましくは8〜13質量%である。
ここで、前記中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルの総量に対し、1,3位の中鎖脂肪酸残基が40質量%以上、好ましくは50質量%以上、さらに好ましくは60質量%以上、特に好ましくは70質量%以上、最も好ましくは80質量%以上である場合、例えば経口摂取した場合の腸管等での分解・吸収が良いため好ましい。
これらの場合、特に中鎖脂肪酸トリグリセリド自体、もしくは該中鎖脂肪酸トリグリセリドを高含有させた油脂を原料としたエステル交換処理をすることで得ることができる。
本発明の機能剤、飲食物、油脂組成物は、中鎖脂肪酸トリグリセリドを含むことが好ましく、また、中鎖脂肪酸が同量であればMLCTであることが好ましく、さらには脂肪酸の種類や位置を設計した構造体であることが好ましい。
含量は中鎖脂肪酸の含量を参考に、必要な機能の強さ等に応じて規定することができる。例えば、中鎖脂肪酸トリグリセリドが3〜30質量%、好ましくは3〜23質量%、好ましくは4〜20質量%、さらに好ましくは5〜17質量%、特に好ましくは6〜15質量%、最も好ましくは7〜14質量%、最も特に好ましくは8〜13質量%であり、さらには、MLCTの場合は、1〜80質量%、好ましくは2〜70質量%、さらに好ましくは3〜60質量%、特に好ましくは5〜50質量%、最も好ましくは7〜20質量%、最も特に好ましくは8〜14質量%である。さらには、吸収性、リパーゼに対する易/難分解性、分散性等の消化吸収機能性やその他の生物化学的機能を付すことを予定して脂肪酸の種類、グリセリンに結合する位置を設計した構造体(構造油脂)である場合が好ましく、この場合、構造体としては1〜80質量%、好ましくは2〜70質量%、さらに好ましくは3〜60質量%、特に好ましくは5〜50質量%、最も好ましくは7〜20質量%、最も特に好ましくは8〜14質量%である。
本発明で使用する中鎖脂肪酸トリグリセリドは、一般にMCT(Medium Chain Triglycerides)と称されるもので、ヤシ油分解脂肪酸等の炭素数が6〜12、好ましくは8〜10の飽和脂肪酸から構成される単酸基または混酸基トリグリセリドである。例えばカプリル酸(C8)/カプリン酸(C10)=60〜75/25〜40(重量比)のトリグリセリドが使用できる。該トリグリセリドは前記中鎖脂肪酸とグリセリンとを常法によりエステル化反応せしめて製造できるが、市販品の利用が至便である。
また、中鎖脂肪酸トリグリセリドを含有する油脂組成物としては、通常の食用油脂、例えば大豆油、菜種油、高オレイン酸菜種油、コーン油、ゴマ油、ゴマサラダ油、シソ油、亜麻仁油、落花生油、紅花油、高オレイン酸紅花油、ひまわり油、高オレイン酸ひまわり油、綿実油、ブドウ種油、マカデミアナッツ油、ヘーゼルナッツ油、カボチャ種子油、クルミ油、椿油、茶実油、エゴマ油、ボラージ油、オリーブ油、米糠油、小麦胚芽油、パーム油、パーム核油、ヤシ油、カカオ脂、牛脂、ラード、鶏脂、乳脂、魚油、アザラシ油、藻類油、品質改良によって低飽和化されたこれらの油脂およびこれらの水素添加油脂、分別油脂等が挙げられる。
ここで、本発明の中鎖脂肪酸とは、炭素数が6〜12の脂肪酸が好ましく、例としては、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸が挙げられる。また、炭素数が8〜10の飽和脂肪酸、特にカプリル酸およびカプリン酸が好ましい。
中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルは天然、合成でも得られるが、例えば、炭素数6〜12の中鎖脂肪酸を構成脂肪酸として有するパーム油、パーム核油やヤシ油等の油脂を原料として、エステル交換処理により製造することができるが、その限りではない。エステル結合反応の条件も特に限定しないが、例えば無触媒かつ無溶剤にて、加圧下で反応して得ることができる。もちろん、触媒や溶剤を用いた反応によっても、本発明の中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルを得ることが可能である。また、遺伝子組み換え植物の油糧種子から中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステル自体を得る、または、遺伝子組み換え植物の油糧種子から得られた中鎖脂肪酸を原料にして、中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルを製造することも可能である。また、酵素を用いた酵素反応によっても得ることが可能である。油脂の風味・色・安全面や経口摂取を考えた場合、酵素によるエステル交換処理により製造することが好ましいが、これに限定するものではない。また、得られたエステル交換油脂の1,3位の脂肪酸と2位の脂肪酸の組成に偏りがあってもなくてもよいが、特に1,3位の脂肪酸が多いほど分解等が好適である傾向があるため好ましい。
ここで、MLCTとは、中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルであり、一つのグリセリンに結合している中鎖脂肪酸の数が1または2であり、その他が長鎖脂肪酸であるものをいう。本発明においては、中鎖脂肪酸の数や結合している位置によって、吸収性や体内での機能等が異なるため、これを目的に応じて、適宜調整することが好ましい。吸収性を向上させる場合、1,3位の一方以上、特に双方に中鎖脂肪酸が結合したMLCTが好ましい。
上述の通り、炭素数6〜12の中鎖脂肪酸を構成脂肪酸として有するパーム核油やヤシ油等の油脂を原料とし、脂質分解酵素(リパーゼ)を用いたエステル交換処理をする方法が挙げられる。酵素としては、アルカリゲネス属、キャンディダ属、リゾプス属、ムコール属またはシュードモナス属由来のリパーゼや、肝臓由来のホスホリパーゼA等が挙げられるが、特にキャンディダ属またはリゾプス属由来のリパーゼが好ましい。さらに、酵素は条件によって適宜その種類を選択することができる。
脂質分解酵素を用いてエステル交換反応を行う方法は特に限定されないが、具体的方法例を次に挙げる。脂質分解酵素の活性が十分に発揮される反応温度である40〜100℃の範囲に調温する。これに脂質分解酵素を原料混合物に対して0.005〜10質量%の割合で添加し、2〜48時間の範囲でエステル交換反応を行う。この反応は常圧下で窒素気流中で行うことが望ましい。反応の完了はガスクロマトグラフィーにより反応生成物のトリグリセリド組成を測定することにより確認する。反応生成物は水洗、乾燥の後、常法にて脱色、脱臭する。なお、中鎖脂肪酸を使用した場合は、反応の停止後に遊離脂肪酸を薄膜式エバポレーターによって除去しておくことが好適である。
本発明の中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルを配合することでも、また、これらを含有する油脂等を配合・混合することでも製造することができる。
構造体(構造油脂)は、グリセリンに結合する中鎖脂肪酸以外の脂肪酸の種類や、これらが結合する位置等について設計することができる。好ましい構造油脂として、例えば、1,3位の一方または双方に中鎖脂肪酸が結合し、2位に特定の脂肪酸が結合したものが挙げられる。
特定の脂肪酸としては、特に自然界での存在量等の面からは直鎖脂肪酸が好ましく、さらには直鎖不飽和脂肪酸が好ましく、その中でも特に、パルミトオレイン酸、オレイン酸、バクセン酸、エルカ酸等の一価不飽和脂肪酸、リノール酸、γ−リノレン酸、ビスホモγ−リノレン酸、アラキドン酸等のn−6系不飽和脂肪酸、α−リノレン酸、ステアリドン酸、エイコサテトラエン酸、エイコサペンタエン酸、ドコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸等のn−3系不飽和脂肪酸、共役リノール酸、α−エレオステアリン酸等の共役脂肪酸等が好ましい。
これらの構造油脂の例示としては、M−オレイン酸−M、M−αリノレン酸−M、M−γリノレン酸−M、M−エイコサペンタエン酸−M、M−ドコサペンタエン酸−M、M−ドコサヘキサエン酸−M、M−共役リノール酸−M等を例示することができる。
これらのMLCTや構造油脂はエステル交換反応により製造することができ、好ましくは位置特異性を有する酵素を用いて製造することができる。
本発明の体脂肪低減剤、痩身剤は、上述の通り中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルを含有することを特徴とし、その用途は任意であるが、例えば、医薬品、医薬部外品、健康食品等の広い分野で体脂肪低減剤、痩身剤として用いることができる。この時、中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルの体脂肪低減剤、痩身剤への配合量は、用途、投与形態、投与対象の種類、年齢、性別、体重、症状の程度、健康状態などの条件により異なるので、一概に規定されないが、脂肪組織等に対して各機能を発揮する程度に含有する。
<ホルモン感受性リパーゼ発現亢進作用>
中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルの含量はホルモン感受性リパーゼ発現亢進作用を有する程度含有すれば特に制限されない。ここで、有効成分として含有するとは、そのホルモン感受性リパーゼのmRNA発現亢進を発揮する程度に含有するということであるが、その含量は特に制限されず、摂取の頻度、摂取量、使用の目的によって適宜調整すれば良い。該効果を得るための所要量は、摂取の形態、対象者の性別、体重、体調等により異なり、特に制限されないが、例えば、0.5g/日以上、好ましくは1g/日以上、より好ましくは2g/日以上、さらに好ましくは5g/日以上、特に好ましくは8g/日以上、最も特に好ましくは10g/日以上を例示することができる。本発明品を長期間かけて該効果を得るための含量としては、摂取の形態、対象者の性別、体重、体調等により異なり、特に限定されないが、例えば、0.5質量%以上、好ましくは1質量%以上、より好ましくは5質量%以上、さらに好ましくは5〜99.9質量%、特に好ましくは10〜99.9質量%、最も特に好ましくは13〜99.9質量%である。
また、短期間かつ少量で該ホルモン感受性リパーゼ発現亢進剤の効果を期待する場合の中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステル含量は、上述の通り特に制限されないが、例えば、50〜99.9質量%、好ましくは70〜99.9質量%、さらに好ましくは90〜99.9質量%を例示することができる。
中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルは、つまり中鎖脂肪酸の存在により、各機能が発生する。ここで、その含量やグリセリン脂肪酸エステルの構造により、その効果の特徴も異なる。
含量については、機能を得られる範囲であることが必要であり、好ましくは前記範囲であって、かつ、人体への悪影響の可能性が低いほど好ましく、さらには商業上または工業上、できるだけ低含量であることが好ましい。
さらには、構造によって吸収経路の違い等により、その効果の強さ、時間的な特徴(即効性、持続性)、他の要因の発生等が異なる。この構造の違いを利用して、機能の強さ、時間的特徴等の設計や、安全性の設計を行うことができる。例えば、グリセリンに少なくとも1以上の中鎖脂肪酸が結合している脂肪酸エステル(MLCT)や、特に中鎖脂肪酸の結合する位置や他の脂肪酸の種類を特定して設計されたグリセリン脂肪酸エステル(構造体または構造油脂)を例示することができる。MLCTや構造体(構造油脂)を含有する製剤等における中鎖脂肪酸、該MLCTや構造油脂の含量は上記を参考とすることができる。
ここで、上述したが、中鎖脂肪酸の含量は機能を得られる範囲であることが必要であり、好ましくは前記範囲であって、かつ、人体への悪影響の可能性が低いほど好ましく、さらには商業上または工業上、できるだけ低含量であることが好ましい。
上記視点から検討すると、例えば、長期摂取や体質改善を目的とする場合には、全脂肪酸に占める中鎖脂肪酸の割合が3〜23質量%、好ましくは4〜20質量%、さらに好ましくは5〜17質量%、特に好ましくは6〜15質量%、最も好ましくは7〜14質量%、最も特に好ましくは8〜13質量%である。
さらに、該ホルモン感受性リパーゼ発現亢進効果を得るための、中鎖脂肪酸としての所要量は、上述の通り特に限定されないが、例えば、0.4g/日以上、好ましくは1g/日以上、より好ましくは2g/日以上、さらに好ましくは5g/日以上、特に好ましくは8g/日以上、最も特に好ましくは10g/日以上を例示することができる。
本発明の好ましい形態として、中鎖脂肪酸トリグリセリドを有効成分とするホルモン感受性リパーゼ発現亢進剤に関する。中鎖脂肪酸トリグリセリドについては上述の通りである。この場合の含量も上述の通り特に限定されないが、例えば、0.5質量%以上、好ましくは1質量%以上、より好ましくは5質量%以上、さらに好ましくは5〜99.9質量%、特に好ましくは10〜99.9質量%、最も特に好ましくは13〜99.9質量%である。また、上記と同様に、中鎖脂肪酸トリグリセリドを主要成分とする場合が好ましく、含量も上記を例示できる。
<β3−アドレナリン受容体発現亢進作用>
中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルの含量はβ3−アドレナリン受容体発現亢進作用を有する程度含有すれば特に制限されない。ここで、有効成分として含有するとは、そのβ3−アドレナリン受容体のmRNA発現亢進を発揮する程度に含有するということであるが、その含量は特に制限されず、摂取の頻度、摂取量、使用の目的によって適宜調整すれば良い。該効果を得るための所要量は、摂取の形態、対象者の性別、体重、体調等により異なり、特に制限されないが、例えば、0.5g/日以上、好ましくは1g/日以上、より好ましくは2g/日以上、さらに好ましくは5g/日以上、特に好ましくは8g/日以上、最も特に好ましくは10g/日以上を例示することができる。含量としては、特に限定されないが、例えば、0.5質量%以上、好ましくは1質量%以上、より好ましくは5質量%以上、さらに好ましくは5〜99.9質量%、特に好ましくは10〜99.9質量%、最も特に好ましくは13〜99.9質量%である。また、短期間かつ少量で該β3−アドレナリン受容体発現亢進の効果を期待する場合の中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステル含量は、上述の通り特に制限されないが、例えば、50〜99.9質量%、好ましくは70〜99.9質量%、さらに好ましくは90〜99.9質量%を例示することができる。
中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルは、つまり中鎖脂肪酸の存在により、各機能が発生する。ここで、その含量やグリセリン脂肪酸エステルの構造により、その効果の特徴も異なる。
含量については、機能を得られる範囲であることが必要であり、好ましくは前記範囲であって、かつ、人体への悪影響の可能性が低いほど好ましく、さらには商業上または工業上、できるだけ低含量であることが好ましい。
さらには、構造によって吸収経路の違い等により、その効果の強さ、時間的な特徴(即効性、持続性)、他の要因の発生等が異なる。この構造の違いを利用して、機能の強さ、時間的特徴等の設計や、安全性の設計を行うことができる。例えば、グリセリンに少なくとも1以上の中鎖脂肪酸が結合している脂肪酸エステル(MLCT)や、特に中鎖脂肪酸の結合する位置や他の脂肪酸の種類を特定して設計されたグリセリン脂肪酸エステル(構造体または構造油脂)を例示することができる。MLCTや構造体(構造油脂)を含有する製剤等における中鎖脂肪酸、該MLCTや構造油脂の含量は上記を参考とすることができる。
ここで、上述したが、中鎖脂肪酸の含量は機能を得られる範囲であることが必要であり、好ましくは前記範囲であって、かつ、人体への悪影響の可能性が低いほど好ましく、さらには商業上または工業上、できるだけ低含量であることが好ましい。
上記視点から検討すると、例えば、長期摂取や体質改善を目的とする場合には、全脂肪酸に占める中鎖脂肪酸の割合が3〜23質量%、好ましくは4〜20質量%、さらに好ましくは5〜17質量%、特に好ましくは6〜15質量%、最も好ましくは7〜14質量%、最も特に好ましくは8〜13質量%である。
さらに、該β3−アドレナリン受容体発現亢進効果を得るための、中鎖脂肪酸としての所要量は、上述の通り特に限定されないが、例えば、0.4g/日以上、好ましくは1g/日以上、より好ましくは2g/日以上、さらに好ましくは5g/日以上、特に好ましくは8g/日以上、最も特に好ましくは10g/日以上を例示することができる。
本発明の好ましい形態として、中鎖脂肪酸トリグリセリドを有効成分とするβ3−アドレナリン受容体発現亢進剤に関する。中鎖脂肪酸トリグリセリドについては上述の通りである。この場合の含量も上述の通り特に限定されないが、例えば、0.5質量%以上、好ましくは1質量%以上、より好ましくは5質量%以上、さらに好ましくは5〜99.9質量%、特に好ましくは10〜99.9質量%、最も特に好ましくは13〜99.9質量%である。また、上記と同様に、中鎖脂肪酸トリグリセリドを主要成分とする場合が好ましく、含量も上記を例示できる。
<体脂肪分解促進作用>
中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルの含量は体脂肪分解促進作用を有する程度含有すれば特に制限されない。ここで、有効成分として含有するとは、その体脂肪分解促進剤を発揮する程度に含有するということであるが、その含量は特に制限されず、摂取の頻度、摂取量、使用の目的によって適宜調整すれば良い。該効果を得るための所要量は、摂取の形態、対象者の性別、体重、体調等により異なり、特に制限されないが、例えば、0.5g/日以上、好ましくは1g/日以上、より好ましくは2g/日以上、さらに好ましくは5g/日以上、特に好ましくは8g/日以上、最も特に好ましくは10g/日以上を例示することができる。含量としては、特に限定されないが、例えば、0.5質量%以上、好ましくは1質量%以上、より好ましくは5質量%以上、さらに好ましくは5〜99.9質量%、特に好ましくは10〜99.9質量%、最も特に好ましくは13〜99.9質量%である。また、短期間かつ少量で該体脂肪分解促進剤の効果を期待する場合の中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステル含量は、上述の通り特に制限されないが、例えば、50〜99.9質量%、好ましくは70〜99.9質量%、さらに好ましくは90〜99.9質量%を例示することができる。
中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルは、つまり中鎖脂肪酸の存在により、各機能が発生する。ここで、その含量やグリセリン脂肪酸エステルの構造により、その効果の特徴も異なる。
含量については、機能を得られる範囲であることが必要であり、好ましくは前記範囲であって、かつ、人体への悪影響の可能性が低いほど好ましく、さらには商業上または工業上、できるだけ低含量であることが好ましい。
さらには、構造によって吸収経路の違い等により、その効果の強さ、時間的な特徴(即効性、持続性)、他の要因の発生等が異なる。この構造の違いを利用して、機能の強さ、時間的特徴等の設計や、安全性の設計を行うことができる。例えば、グリセリンに少なくとも1以上の中鎖脂肪酸が結合している脂肪酸エステル(MLCT)や、特に中鎖脂肪酸の結合する位置や他の脂肪酸の種類を特定して設計されたグリセリン脂肪酸エステル(構造体または構造油脂)を例示することができる。MLCTや構造体(構造油脂)を含有する製剤等における中鎖脂肪酸、該MLCTや構造油脂の含量は上記を参考とすることができる。
ここで、上述したが、中鎖脂肪酸の含量は機能を得られる範囲であることが必要であり、好ましくは前記範囲であって、かつ、人体への悪影響の可能性が低いほど好ましく、さらには商業上または工業上、できるだけ低含量であることが好ましい。
上記視点から検討すると、例えば、長期摂取や体質改善を目的とする場合には、全脂肪酸に占める中鎖脂肪酸の割合が3〜23質量%、好ましくは4〜20質量%、さらに好ましくは5〜17質量%、特に好ましくは6〜15質量%、最も好ましくは7〜14質量%、最も特に好ましくは8〜13質量%である。
さらに、該体脂肪分解促進効果を得るための、中鎖脂肪酸としての所要量は、上述の通り特に限定されないが、例えば、0.4g/日以上、好ましくは1g/日以上、より好ましくは2g/日以上、さらに好ましくは5g/日以上、特に好ましくは8g/日以上、最も特に好ましくは10g/日以上を例示することができる。
本発明の好ましい形態として、中鎖脂肪酸トリグリセリドを有効成分とする体脂肪分解促進剤に関する。中鎖脂肪酸トリグリセリドについては上述の通りである。この場合の含量も上述の通り特に限定されないが、例えば、0.5質量%以上、好ましくは1質量%以上、より好ましくは5質量%以上、さらに好ましくは5〜99.9質量%、特に好ましくは10〜99.9質量%、最も特に好ましくは13〜99.9質量%である。
また、上記と同様に、中鎖脂肪酸トリグリセリドを主要成分とする場合が好ましく、含量も上記を例示できる。
<体脂肪血中放出促進作用>
中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルの含量は体脂肪血中放出促進作用を有する程度含有すれば特に制限されない。ここで、有効成分として含有するとは、その体脂肪血中放出促進剤を発揮する程度に含有するということであるが、その含量は特に制限されず、摂取の頻度、摂取量、使用の目的によって適宜調整すれば良い。該効果を得るための所要量は、摂取の形態、対象者の性別、体重、体調等により異なり、特に制限されないが、例えば、0.5g/日以上、好ましくは1g/日以上、より好ましくは2g/日以上、さらに好ましくは5g/日以上、特に好ましくは8g/日以上、最も特に好ましくは10g/日以上を例示することができる。含量としては、特に限定されないが、例えば、0.5質量%以上、好ましくは1質量%以上、より好ましくは5質量%以上、さらに好ましくは5〜99.9質量%、特に好ましくは10〜99.9質量%、最も特に好ましくは13〜99.9質量%である。また、短期間かつ少量で該体脂肪血中放出促進の効果を期待する場合の中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステル含量は、上述の通り特に制限されないが、例えば、50〜99.9質量%、好ましくは70〜99.9質量%、さらに好ましくは90〜99.9質量%を例示することができる。
中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルは、つまり中鎖脂肪酸の存在により、各機能が発生する。ここで、その含量やグリセリン脂肪酸エステルの構造により、その効果の特徴も異なる。
含量については、機能を得られる範囲であることが必要であり、好ましくは前記範囲であって、かつ、人体への悪影響の可能性が低いほど好ましく、さらには商業上または工業上、できるだけ低含量であることが好ましい。
さらには、構造によって吸収経路の違い等により、その効果の強さ、時間的な特徴(即効性、持続性)、他の要因の発生等が異なる。この構造の違いを利用して、機能の強さ、時間的特徴等の設計や、安全性の設計を行うことができる。例えば、グリセリンに少なくとも1以上の中鎖脂肪酸が結合している脂肪酸エステル(MLCT)や、特に中鎖脂肪酸の結合する位置や他の脂肪酸の種類を特定して設計されたグリセリン脂肪酸エステル(構造体または構造油脂)を例示することができる。MLCTや構造体(構造油脂)を含有する製剤等における中鎖脂肪酸、該MLCTや構造油脂の含量は上記を参考とすることができる。
ここで、上述したが、中鎖脂肪酸の含量は機能を得られる範囲であることが必要であり、好ましくは前記範囲であって、かつ、人体への悪影響の可能性が低いほど好ましく、さらには商業上または工業上、できるだけ低含量であることが好ましい。
上記視点から検討すると、例えば、長期摂取や体質改善を目的とする場合には、全脂肪酸に占める中鎖脂肪酸の割合が3〜23質量%、好ましくは4〜20質量%、さらに好ましくは5〜17質量%、特に好ましくは6〜15質量%、最も好ましくは7〜14質量%、最も特に好ましくは8〜13質量%である。
さらに、該体脂肪血中放出促進効果を得るための、中鎖脂肪酸としての所要量は、上述の通り特に限定されないが、例えば、0.4g/日以上、好ましくは1g/日以上、より好ましくは2g/日以上、さらに好ましくは5g/日以上、特に好ましくは8g/日以上、最も特に好ましくは10g/日以上を例示することができる。
本発明の好ましい形態として、中鎖脂肪酸トリグリセリドを有効成分とする体脂肪血中放出促進剤に関する。中鎖脂肪酸トリグリセリドについては上述の通りである。この場合の含量も上述の通り特に限定されないが、例えば、0.5質量%以上、好ましくは1質量%以上、より好ましくは5質量%以上、さらに好ましくは5〜99.9質量%、特に好ましくは10〜99.9質量%、最も特に好ましくは13〜99.9質量%である。
また、上記と同様に、中鎖脂肪酸トリグリセリドを主要成分とする場合が好ましく、含量も上記を例示できる。
<β酸化関連酵素発現亢進作用>
中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルの含量はβ酸化関連酵素発現亢進作用を有する程度含有すれば特に制限されない。ここで、有効成分として含有するとは、そのβ酸化関連酵素、詳しくは、長鎖アシルCoA脱水素酵素および/またはアシルCoA酸化酵素および/またはカルニチンパルミトイル転移酵素2および/またはリンゴ酸酵素のmRNA発現亢進を発揮する程度に含有するということであるが、その含量は特に制限されず、摂取の頻度、摂取量、使用の目的によって適宜調整すれば良い。該効果を得るための所用量は、摂取の形態、対象者の性別、体重、体調等により異なり、特に制限されないが、例えば、1g/日以上、好ましくは5g/日以上、特に好ましくは10g/日以上を例示することができる。含量としては、特に限定されないが、例えば、1質量%以上、好ましくは5質量%以上、より好ましくは5〜99.9質量%、さらに好ましくは10〜99.9質量%、特に好ましくは13〜99.9質量%である。
また、該β酸化関連酵素発現亢進剤は中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルを主要成分とする場合が好ましい。主要成分として含有する場合、50〜99.9質量%、好ましくは70〜99.9質量%、さらに好ましくは90〜99.9質量%を例示することができる。この場合、MLCTや構造体とすることで、より少ない中鎖脂肪酸としての所要量で同様の効果を得ることができる。
<脂質代謝関連酵素発現亢進作用>
体脂肪を低減しやすい体質や皮下脂肪を低減しやすい体質への改質剤全体に対する中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルの含量は脂質代謝関連酵素発現亢進作用を有する程度含有すれば特に制限されない。ここで、有効成分として含有するとは、その体脂肪を低減しやすい体質や皮下脂肪を低減しやすい体質への改質をさせる程度に含有するということであるが、その含量は特に制限されず、摂取の頻度、摂取量、使用の目的によって適宜調整すれば良い。該効果を得るための所要量は、摂取の形態、対象者の性別、体重、体調等により異なり、特に制限されないが、例えば、1g/日以上、好ましくは5g/日以上、特に好ましくは10g/日以上を例示することができる。含量としては、特に限定されないが、例えば、1質量%以上、好ましくは5質量%以上、より好ましくは5〜99.9質量%、さらに好ましくは10〜99.9質量%、特に好ましくは13〜99.9質量%である。本発明品を長期間かけて該効果を得るための含量としては、摂取の形態、対象者の性別、体重、体調等により異なり、特に限定されないが、上述した含量を参考にすることができる。長期的な摂取には、機能を発揮し、かつ、過剰摂取にならない程度が好ましく、これは上述した含量を参考にすることができる。
ここで、該体脂肪を低減しやすい体質や皮下脂肪を低減しやすい体質への改質剤は、比較的長期的な摂取により体質改質効果を得ることができるものである。体質を改質することにより、例えば、中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルを含まない食事をとった場合にも、体脂肪を低減しやすいという効果を得ることができる。
さらに、該体脂肪を低減しやすい体質や皮下脂肪を低減しやすい体質への改質剤効果を得るための、中鎖脂肪酸としての所要量は、上述の通り特に限定されないが、例えば、0.4g/日以上、好ましくは1g/日以上、より好ましくは2g/日以上、さらに好ましくは5g/日以上、特に好ましくは8g/日以上、最も特に好ましくは10g/日以上を例示することができる。この場合、MLCTや構造体とすることで、より少ない中鎖脂肪酸としての所要量で同様の効果を得ることができる。
<脱共役蛋白質発現亢進作用>
中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルの含量は脱共役蛋白質発現亢進作用を有する程度含有すれば特に制限されない。ここで、有効成分として含有するとは、その効果を発揮する程度に含有するということであるが、その含量は特に制限されず、摂取の頻度、摂取量、使用の目的によって適宜調整すれば良い。該効果を得るための所用量は、摂取の形態、対象者の性別、体重、体調等により異なり、特に制限されないが、例えば、1g/日以上、好ましくは5g/日以上、特に好ましくは10g/日以上を例示することができる。含量としては、特に限定されないが、例えば、1質量%以上、好ましくは5質量%以上、より好ましくは5〜99.9質量%、さらに好ましくは10〜99.9質量%、特に好ましくは13〜99.9質量%である。
中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルは、つまり中鎖脂肪酸の存在により、各機能が発生する。ここで、その含量やグリセリン脂肪酸エステルの構造により、その効果の特徴も異なる。
含量については、機能を得られる範囲であることが必要であり、好ましくは前記範囲であって、かつ、人体への悪影響の可能性が低いほど好ましく、さらには商業上または工業上、できるだけ低含量であることが好ましい。
さらには、構造によって吸収経路の違い等により、その効果の強さ、時間的な特徴(即効性、持続性)、他の要因の発生等が異なる。この構造の違いを利用して、機能の強さ、時間的特徴等の設計や、安全性の設計を行うことができる。例えば、グリセリンに少なくとも1以上の中鎖脂肪酸が結合している脂肪酸エステル(MLCT)や、特に中鎖脂肪酸の結合する位置や他の脂肪酸の種類を特定して設計されたグリセリン脂肪酸エステル(構造体または構造油脂)を例示することができる。MLCTや構造体(構造油脂)を含有する製剤等における中鎖脂肪酸、該MLCTや構造油脂の含量は上記を参考とすることができる。
ここで、上述したが、中鎖脂肪酸の含量は機能を得られる範囲であることが必要であり、好ましくは前記範囲であって、かつ、人体への悪影響の可能性が低いほど好ましく、さらには商業上または工業上、できるだけ低含量であることが好ましい。
上記視点から検討すると、例えば、長期摂取や体質改善を目的とする場合には、全脂肪酸に占める中鎖脂肪酸の割合が3〜23質量%、好ましくは4〜20質量%、さらに好ましくは5〜17質量%、特に好ましくは6〜15質量%、最も好ましくは7〜14質量%、最も特に好ましくは8〜13質量%である。
また、該脱共役蛋白質発現亢進剤は中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルを主要成分とする場合が好ましい。ここで、当然にその他の成分として後述する製剤を構成する成分を配合することもできる。
<体温上昇作用>
中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルの含量は体温上昇作用を有する程度含有すれば特に制限されない。ここで、有効成分として含有するとは、その効果を発揮する程度に含有するということであるが、その含量は特に制限されず、摂取の頻度、摂取量、使用の目的によって適宜調整すれば良い。該効果を得るための所用量は、摂取の形態、対象者の性別、体重、体調等により異なり、特に制限されないが、例えば、1g/日以上、好ましくは5g/日以上、特に好ましくは10g/日以上を例示することができる。含量としては、特に限定されないが、例えば、1質量%以上、好ましくは5質量%以上、より好ましくは5〜99.9質量%、さらに好ましくは10〜99.9質量%、特に好ましくは13〜99.9質量%である。
中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルは、つまり中鎖脂肪酸の存在により、各機能が発生する。ここで、その含量やグリセリン脂肪酸エステルの構造により、その効果の特徴も異なる。
含量については、機能を得られる範囲であることが必要であり、好ましくは前記範囲であって、かつ、人体への悪影響の可能性が低いほど好ましく、さらには商業上または工業上、できるだけ低含量であることが好ましい。
さらには、構造によって吸収経路の違い等により、その効果の強さ、時間的な特徴(即効性、持続性)、他の要因の発生等が異なる。この構造の違いを利用して、機能の強さ、時間的特徴等の設計や、安全性の設計を行うことができる。例えば、グリセリンに少なくとも1以上の中鎖脂肪酸が結合している脂肪酸エステル(MLCT)や、特に中鎖脂肪酸の結合する位置や他の脂肪酸の種類を特定して設計されたグリセリン脂肪酸エステル(構造体または構造油脂)を例示することができる。MLCTや構造体(構造油脂)を含有する製剤等における中鎖脂肪酸、該MLCTや構造油脂の含量は上記を参考とすることができる。
ここで、上述したが、中鎖脂肪酸の含量は機能を得られる範囲であることが必要であり、好ましくは前記範囲であって、かつ、人体への悪影響の可能性が低いほど好ましく、さらには商業上または工業上、できるだけ低含量であることが好ましい。
上記視点から検討すると、例えば、長期摂取や体質改善を目的とする場合には、全脂肪酸に占める中鎖脂肪酸の割合が3〜23質量%、好ましくは4〜20質量%、さらに好ましくは5〜17質量%、特に好ましくは6〜15質量%、最も好ましくは7〜14質量%、最も特に好ましくは8〜13質量%である。
尚、本発明である中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルの効果と前記発明を剤として使用する場合の含量との関係について動物実験を行ったところ以下のようであった。すなわち、長鎖脂肪酸100質量%、中鎖脂肪酸100質量%および中鎖脂肪酸25質量%の実験食を与えたもののUCP−2の発現量を比較した。その結果、長鎖脂肪酸100質量%に比較し他の2種類の実験食を与えたものはUCP−2の発現量が顕著であった。しかし、中鎖脂肪酸100質量%と、中鎖脂肪酸25質量%の実験食を与えたものの間ではUCP−2の発現量に有意差はなかった。すなわち、本発明の主たる成分である中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルの含量は、その効果を発揮できる程度に含有すれば良い。
また、該体温上昇剤は中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルを主要成分とする場合が好ましい。ここで、当然にその他の成分として後述する製剤を構成する成分を配合することもできる。
<体脂肪低減剤>
中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルを体脂肪低減剤として使用する場合、体脂肪低減剤全体に対する中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルの含量は体脂肪低減作用を有する程度含有すれば特に制限されない。ここで、有効成分として含有するとは、その体脂肪低減剤を発揮する程度に含有するということであるが、その含量は特に制限されず、摂取の頻度、摂取量、使用の目的によって適宜調整すれば良い。該効果を得るための所用量は、摂取の形態、対象者の性別、体重、体調等により異なり、特に制限されないが、例えば、例えば、0.5g/日以上、好ましくは1g/日以上、より好ましくは2g/日以上、さらに好ましくは5g/日以上、特に好ましくは8g/日以上、最も特に好ましくは10g/日以上を例示することができる。含量としては、特に限定されないが、例えば、0.5質量%以上、好ましくは1質量%以上、より好ましくは5質量%以上、さらに好ましくは5〜99.9質量%、特に好ましくは10〜99.9質量%、最も特に好ましくは13〜99.9質量%である。
含量については、機能を得られる範囲であることが必要であり、好ましくは前記範囲であって、かつ、人体への悪影響の可能性が低いほど好ましく、さらには商業上または工業上、できるだけ低含量であることが好ましい。
さらには、構造によって吸収経路の違い等により、その効果の強さ、時間的な特徴(即効性、持続性)、他の要因の発生等が異なる。この構造の違いを利用して、機能の強さ、時間的特徴等の設計や、安全性の設計を行うことができる。例えば、グリセリンに少なくとも1以上の中鎖脂肪酸が結合している脂肪酸エステル(MLCT)や、特に中鎖脂肪酸の結合する位置や他の脂肪酸の種類を特定して設計されたグリセリン脂肪酸エステル(構造体または構造油脂)を例示することができる。MLCTや構造体(構造油脂)を含有する製剤等における中鎖脂肪酸、該MLCTや構造油脂の含量は上記を参考とすることができる。
ここで、上述したが、中鎖脂肪酸の含量は機能を得られる範囲であることが必要であり、好ましくは前記範囲であって、かつ、人体への悪影響の可能性が低いほど好ましく、さらには商業上または工業上、できるだけ低含量であることが好ましい。
上記視点から検討すると、例えば、長期摂取や体質改善を目的とする場合には、全脂肪酸に占める中鎖脂肪酸の割合が3〜23質量%、好ましくは4〜20質量%、さらに好ましくは5〜17質量%、特に好ましくは6〜15質量%、最も好ましくは7〜14質量%、最も特に好ましくは8〜13質量%である。
<皮下脂肪低減剤>
中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルを皮下脂肪低減剤として使用する場合、皮下脂肪低減剤全体に対する中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルの含量は皮下脂肪低減作用を有する程度含有すれば特に制限されない。含量等は上記体脂肪低減剤の条件を参考にすることができる。
皮下脂肪が低減しやすい体質への体質改善剤への改質剤全体に対する中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルの含量は体質改質効果を得られる程度含有すれば特に制限されない。ここで、有効成分として含有するとは、その体質への改質をさせる程度に含有するということであるが、その含量は特に制限されず、摂取の頻度、摂取量、使用の目的によって適宜調整すれば良い。該効果を得るための所要量は、摂取の形態、対象者の性別、体重、体調等により異なり、特に制限されないが、例えば、1g/日以上、好ましくは5g/日以上、特に好ましくは10g/日以上を例示することができる。含量としては、特に限定されないが、例えば、1質量%以上、好ましくは5質量%以上、より好ましくは5〜99.9質量%、さらに好ましくは10〜99.9質量%、特に好ましくは13〜99.9質量%である。本発明品を長期間かけて該効果を得るための含量としては、摂取の形態、対象者の性別、体重、体調等により異なり、特に限定されないが、上述した含量を参考にすることができる。長期的な摂取には、機能を発揮し、かつ、過剰摂取にならない程度が好ましく、これは上述した含量を参考にすることができる。
ここで、該体皮下脂肪が低減しやすい体質への体質改善剤は、比較的長期的な摂取により体質改質効果を得ることができるものである。体質を改質することにより、例えば、中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルを含まない食事をとった場合にも、体脂肪を低減しやすいという効果を得ることができる。
さらに、該体脂肪を皮下脂肪が低減しやすい体質への体質改善効果を得るための、中鎖脂肪酸としての所要量は、上述の通り特に限定されないが、例えば、0.4g/日以上、好ましくは1g/日以上、より好ましくは2g/日以上、さらに好ましくは5g/日以上、特に好ましくは8g/日以上、最も特に好ましくは10g/日以上を例示することができる。この場合、MLCTや構造体とすることで、より少ない中鎖脂肪酸としての所要量で同様の効果を得ることができる。
皮下脂肪が蓄積し難い体質への体質改質剤への改質剤全体に対する中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルの含量は体質改質効果を得られる程度含有すれば特に制限されない。ここで、有効成分として含有するとは、その皮下脂肪が蓄積し難い体質への体質改質をさせる程度に含有するということであるが、その含量は特に制限されず、摂取の頻度、摂取量、使用の目的によって適宜調整すれば良い。該効果を得るための所要量は、摂取の形態、対象者の性別、体重、体調等により異なり、特に制限されないが、例えば、1g/日以上、好ましくは5g/日以上、特に好ましくは10g/日以上を例示することができる。含量としては、特に限定されないが、例えば、1質量%以上、好ましくは5質量%以上、より好ましくは5〜99.9質量%、さらに好ましくは10〜99.9質量%、特に好ましくは13〜99.9質量%である。本発明品を長期間かけて該効果を得るための含量としては、摂取の形態、対象者の性別、体重、体調等により異なり、特に限定されないが、上述した含量を参考にすることができる。長期的な摂取には、機能を発揮し、かつ、過剰摂取にならない程度が好ましく、これは上述した含量を参考にすることができる。
ここで、皮下脂肪が蓄積し難い体質への体質改質剤は、比較的長期的な摂取により体質改質効果を得ることができるものである。体質を改質することにより、例えば、中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルを含まない食事をとった場合にも、体脂肪を低減しやすいという効果を得ることができる。
さらに、皮下脂肪が蓄積し難い体質への体質改質効果を得るための、中鎖脂肪酸としての所要量は、上述の通り特に限定されないが、例えば、0.4g/日以上、好ましくは1g/日以上、より好ましくは2g/日以上、さらに好ましくは5g/日以上、特に好ましくは8g/日以上、最も特に好ましくは10g/日以上を例示することができる。この場合、MLCTや構造体とすることで、より少ない中鎖脂肪酸としての所要量で同様の効果を得ることができる。
<痩身剤>
中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルを痩身剤として使用する場合、痩身剤全体に対する中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルの含量は痩身作用を有する程度含有すれば特に制限されない。ここで、有効成分として含有するとは、その痩身剤を発揮する程度に含有するということであるが、その含量は特に制限されず、摂取の頻度、摂取量、使用の目的によって適宜調整すれば良い。該効果を得るための所用量は、摂取の形態、対象者の性別、体重、体調等により異なり、特に制限されないが、例えば、1g/日以上、好ましくは5g/日以上、特に好ましくは10g/日以上を例示することができる。含量としては、特に限定されないが、例えば、1質量%以上、好ましくは5質量%以上、より好ましくは5〜99.9質量%、さらに好ましくは10〜99.9質量%、特に好ましくは13〜99.9質量%である。
また、該痩身剤は中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルを主要成分とする場合が好ましい。主要成分として含有する場合、50〜99.9質量%、好ましくは70〜99.9質量%、さらに好ましくは90〜99.9質量%を例示することができる。
本発明の好ましい形態として、中鎖脂肪酸トリグリセリドを有効成分とする痩身剤に関する。中鎖脂肪酸トリグリセリドについては上述の通りである。この場合の含量も上述の通り特に限定されないが、例えば、0.5質量%以上、好ましくは2質量%以上、より好ましくは2〜99.9質量%、さらに好ましくは5〜99.9質量%、特に好ましくは8〜99.9質量%、最も特に好ましくは10〜99.9質量%である。
また、上記と同様に、少なくとも中鎖脂肪酸および長鎖脂肪酸を構成脂肪酸とするグリセリン脂肪酸エステルを主要成分とする場合が好ましく、含量も上記を例示できる。
さらには、構造によって吸収経路の違い等により、その効果の強さ、時間的な特徴(即効性、持続性)、他の要因の発生等が異なる。この構造の違いを利用して、機能の強さ、時間的特徴等の設計や、安全性の設計を行うことができる。例えば、グリセリンに少なくとも1以上の中鎖脂肪酸が結合している脂肪酸エステル(MLCT)や、特に中鎖脂肪酸の結合する位置や他の脂肪酸の種類を特定して設計されたグリセリン脂肪酸エステル(構造体または構造油脂)を例示することができる。MLCTや構造体(構造油脂)を含有する製剤等における中鎖脂肪酸、該MLCTや構造油脂の含量は上記を参考とすることができる。
ここで、上述したが、中鎖脂肪酸の含量は機能を得られる範囲であることが必要であり、好ましくは前記範囲であって、かつ、人体への悪影響の可能性が低いほど好ましく、さらには商業上または工業上、できるだけ低含量であることが好ましい。
上記視点から検討すると、例えば、長期摂取や体質改善を目的とする場合には、全脂肪酸に占める中鎖脂肪酸の割合が3〜23質量%、好ましくは4〜20質量%、さらに好ましくは5〜17質量%、特に好ましくは6〜15質量%、最も好ましくは7〜14質量%、最も特に好ましくは8〜13質量%である。
中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルを痩身剤として使用する場合、外観痩身剤全体に対する中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルの含量は痩身剤作用を有する程度含有すれば特に制限されない。含量等の条件は、上記痩身剤の条件を参考にすることができる。
中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルを痩身剤として使用する場合、美容痩身剤全体に対する中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルの含量は痩身剤作用を有する程度含有すれば特に制限されない。含量等の条件は、上記痩身剤の条件を参考にすることができる。
痩せやすい体質への体質改質剤への改質剤全体に対する中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルの含量は痩せやすい体質への体質改質効果を得られる程度含有すれば特に制限されない。ここで、有効成分として含有するとは、その痩せやすい体質への体質改質をさせる程度に含有するということであるが、その含量は特に制限されず、摂取の頻度、摂取量、使用の目的によって適宜調整すれば良い。該効果を得るための所要量は、摂取の形態、対象者の性別、体重、体調等により異なり、特に制限されないが、例えば、1g/日以上、好ましくは5g/日以上、特に好ましくは10g/日以上を例示することができる。含量としては、特に限定されないが、例えば、1質量%以上、好ましくは5質量%以上、より好ましくは5〜99.9質量%、さらに好ましくは10〜99.9質量%、特に好ましくは13〜99.9質量%である。本発明品を長期間かけて該効果を得るための含量としては、摂取の形態、対象者の性別、体重、体調等により異なり、特に限定されないが、上述した含量を参考にすることができる。長期的な摂取には、機能を発揮し、かつ、過剰摂取にならない程度が好ましく、これは上述した含量を参考にすることができる。
ここで、痩せやすい体質への体質改質剤は、比較的長期的な摂取により体質改質効果を得ることができるものである。体質を改質することにより、例えば、中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルを含まない食事をとった場合にも、痩せやすい体質への体質改質効果を得ることができる。
さらに、痩せやすい体質への体質改質効果を得るための、中鎖脂肪酸としての所要量は、上述の通り特に限定されないが、例えば、0.4g/日以上、好ましくは1g/日以上、より好ましくは2g/日以上、さらに好ましくは5g/日以上、特に好ましくは8g/日以上、最も特に好ましくは10g/日以上を例示することができる。この場合、MLCTや構造体とすることで、より少ない中鎖脂肪酸としての所要量で同様の効果を得ることができる。
太りにくい体質への体質改質剤への改質剤全体に対する中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルの含量は太りにくい体質への体質改質効果を得られる程度含有すれば特に制限されない。含量等の条件は、上記痩せやすい体質への体質改質剤の条件を参考にすることができる。
ここで、本発明の体脂肪低減剤、痩身剤等は、ヒト及び動物に対し、主に経口的もしくは飲料物として投与できる。非経口的投与としては、例えば静脈注射、動脈注射、筋肉注射、皮下注射、皮内注射、腹腔内注射、脊髄内注射、硬膜外注射、経皮投与、経肺投与、経鼻投与、経腸投与、口腔内投与、経粘膜投与等が挙げられ、その剤形としては、例えば注射剤、坐剤(肛門座剤、尿道座剤、膣座剤など)、外用液剤(注入剤、含漱剤、洗口剤、湿布剤、吸入剤、噴霧剤、エアゾール剤、浣腸剤、塗布剤、清拭剤、消毒剤、点鼻剤、点耳剤など)、貼付剤、経皮吸収テープ、皮膚外用剤、軟膏剤(パスタ剤、リニメント剤、ローション剤など)などが挙げられる。また、経口投与製剤としては、例えば、内服用錠剤(素錠、糖衣錠、コーティング錠、腸溶錠、チュアブル錠など)、口腔内錠剤(バッカル錠、舌下錠、トローチ錠、付着錠など)、散剤、カプセル剤(硬カプセル剤、軟カプセル剤など)、顆粒剤(コーティングした物、丸剤、トローチ剤、液剤、またはこれらの製剤学的に許容され得る徐放化製剤など)などが挙げられる。経口投与用液剤としては、例えば、内用水剤、振とう合剤、懸濁剤、乳剤、シロップ剤、ドライシロップ剤、エリキシル剤、浸剤、煎剤、リモナーデ剤などが挙げられるが、これらの形態に特に限定されない。
これらの製剤は公知の製剤学的製法に準じ、製剤として薬理学的に許容され得る基剤、担体、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、着色剤等と共に製剤化され投与される。
これらの製剤に用いる担体や賦形剤としては、例えば糖類(乳糖、白糖、ブドウ糖等)、デンプン(トウモロコシ、馬鈴薯、コムギ)、マンニトール、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、硫酸カルシウム、結晶セルロース、微結晶セルロース、カンゾウ粉末、ゲンチアナ粉末などが挙げられる。
これらの製剤に用いる結合剤としては、例えばデンプン、トラガントゴム、ゼラチン、シロップ、ポリビニルアルコール、ポリビニルエーテル、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロースなどが挙げられる。
これらの製剤に用いる崩壊剤としては例えばデンプン、寒天、ゼラチン粉末、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、結晶セルロース、炭酸カルシウム、炭酸水素ナトリウム、アルギン酸ナトリウムなどが挙げられる。
これらの製剤に用いる滑沢剤としては例えばステアリン酸マグネシウム、タルク、水素添加植物油、マクロゴールなどが挙げられる。
これらの製剤に用いる着色剤としては医薬品に添加することが許容されているものを、それぞれ用いることができる。
また、注射剤を調製する場合は、必要に応じて、pH調節剤、緩衝剤、安定化剤、可溶化剤などを添加して、常法により各注射剤とする。
錠剤、顆粒剤を調製する場合は、必要に応じて、白糖、ゼラチン、ヒドロキシプロピルセルロース、精製セラック、ゼラチン、グリセリン、ソルビトール、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、フタル酸セルロースアセテート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、メチルメタクリレート、メタアクリル酸重合体などで被膜しても良いし、2つ以上の層で被膜しても良い。さらにエチルセルロースやゼラチンのような物質のカプセルでも良い。
また、本発明の各機能剤に含まれる中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルは油性成分であることから、これらへの溶解性が良好である栄養生理機能成分のビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、アスコルビン酸脂肪酸エステル、リグナン、コエンザイムQ、リン脂質、トリテルペン類、オリザノール等を配合することができる。
具体的態様例として、外用剤の形態としては、経皮投与用または口腔内あるいは経鼻などの経粘膜投与用の固体、半固体、半固体状、または液状の製剤が挙げられる。
液状製剤としては、例えば製剤学的に許容される乳剤あるいはローション剤などの乳濁剤、外用チンキ剤、経粘膜投与用液剤などが挙げられる。この製剤は通常用いられる希釈剤としては、例えばエタノール、油分、乳化剤などを含む。
半固体製剤としては、例えば油性軟膏、親水性軟膏などの軟膏剤が挙げられる。この製剤は通常用いられる基剤あるいは担体として、例えば、水、ワセリン、ポリエチレングリコール、油分、界面活性剤などを含む。
半固体あるいは固体製剤としては、例えば硬膏(ゴム膏、プラスターなど)、フィルム剤、テープ剤、あるいはパップ剤などの経皮投与用または経粘膜(口腔内、経鼻)投与用の貼付剤などが挙げられる。この製剤は通常用いられる基剤あるいは担体として、例えば天然ゴム、ブタジエンゴム、SBR、SISなどの合成ゴムなどのゴム系高分子、ゼラチン、カオリン、酸化亜鉛などの泥状化剤、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリアクリル酸ナトリウムなどの親水性高分子、アクリル樹脂、流動パラフィンなどの粘着付与剤、水、その他の油分、界面活性剤を含む。
これらの製剤は、さらに安定化剤、溶解補助剤、経皮吸収促進剤のような補助剤、あるいは芳香剤、防腐剤などの添加剤などを用いても良い。
<ホルモン感受性リパーゼ発現亢進>
ここで、ホルモン感受性リパーゼとは、脂肪組織に存在するリパーゼ(アシルグリセロールのエステル結合を水解する酵素の総称)で、脂肪組織中に溜め込まれたグリセリン脂肪酸トリエステルをグリセロールと遊離脂肪酸にまで分解する酵素のことをいい、ホルモン感受性リパーゼ発現亢進剤とは、該酵素のmRNA発現量を亢進させるものをいう。
一般に、酵素のmRNA発現量の亢進は、該酵素活性の上昇を表しているため酵素活性の強弱の判断基準となる。本発明では、該酵素のmRNA発現量を、特異的プライマーを用いたリアルタイム定量PCRにて測定することで、該酵素のmRNA発現量を定量的に算出しその増減を確認している。ここで、mRNA発現量の定量法は、通常の固形飼料を摂取させた同週齢のラット脂肪組織由来の全RNAを逆転写酵素でDNAに変換したものを標準品として検量線を作成し、ハウスキーピング遺伝子であるβ−アクチンのmRNA発現量に対する該酵素のmRNA発現量の相対値を%で算出し、長鎖脂肪酸トリグリセリドを摂取させたラットのそれと比較することで評価している。本発明品を長期的に摂取することで、この値が100%を超えているため、本発明により、好適なホルモン感受性リパーゼ発現亢進剤を供与できる。
<β3−アドレナリン受容体発現亢進>
上記ホルモン感受性リパーゼは、中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステル、好ましくは中鎖脂肪酸トリグリセリドを摂取することにより交感神経等の刺激が生じ、その刺激が脂肪細胞上の受容体を介して細胞内に伝達され、該酵素のmRNA遺伝子発現量が亢進した結果活性化しているものと考えられる。事実、本発明品の摂取により、交感神経活性物質であるアドレナリンに対する受容体の一つ、β3−アドレナリン受容体のmRNA発現量の亢進が脂肪細胞上に認められていることから、本発明は、中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステル、好ましくは中鎖脂肪酸トリグリセリドを含有することを特徴とするβ3−アドレナリン受容体発現亢進剤として使用することができ、非常に好ましい。
また、逆に、該β3−アドレナリン受容体のmRNA発現亢進は、前記ホルモン感受性リパーゼのmRNA発現亢進の指標とすることができる。つまり、該β3−アドレナリン受容体の発現が亢進されている場合、前記ホルモン感受性リパーゼの発現が亢進されていると理解できる。
本発明品を長期的に摂取することで、mRNA発現量が大豆油摂取群に比べ100%を超えているため、本発明により、好適なホルモン感受性リパーゼ発現亢進剤が得られる。
<体脂肪分解促進>
上記の作用により脂肪細胞中に蓄積された体脂肪が遊離脂肪酸に分解される。その結果、体脂肪蓄積量の減少が起こる。さらに、後述する作用により、分解された遊離脂肪酸が再びエネルギー源として脂肪細胞に利用される場合、本発明品の摂取により脂質代謝関連酵素、詳しくはβ酸化系酵素のmRNA発現量が亢進しているため、好適に脂肪酸が燃やされその結果体脂肪が分解される。すなわち、本発明品は、ホルモン感受性リパーゼのmRNA発現量の増加のみならず、脂肪酸の分解系であるβ酸化系酵素のmRNA発現量も増加させているため、本発明により、好適な体脂肪分解促進剤が得られることがわかる。
体脂肪分解促進作用は、上述したホルモン感受性リパーゼのmRNA発現量亢進と、後に詳述する血中遊離脂肪酸量、肝細胞内および脂肪細胞内β酸化系酵素のmRNA発現量亢進により容易に認められる。すなわち、脂肪細胞中に蓄積された体脂肪がホルモン感受性リパーゼにより分解され、血中へ遊離脂肪酸として放出され肝細胞でβ酸化を受けたり、再び脂肪細胞内でβ酸化を受けエネルギー源となる結果、体脂肪が分解されていることがわかる。これらの指標を元に検討したところ、中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステル、好ましくは中鎖脂肪酸トリグリセリドを摂取することにより、ホルモン感受性リパーゼのmRNA発現量が大豆油摂取に比べ約3.9倍亢進した。さらに、血中遊離脂肪酸濃度も有意に上昇し、脂肪細胞内β酸化系酵素のmRNA発現量も有意に亢進したことにより、本発明により体脂肪分解促進剤が得られることがわかる。
<体脂肪血中放出促進>
体脂肪として脂肪細胞内に蓄積されているグリセリン脂肪酸トリエステルが、中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステル、好ましくは中鎖脂肪酸トリグリセリドを摂取することで遊離脂肪酸に分解された結果、該遊離脂肪酸が血中に放出される。
具体的には、血中中性脂肪の変化を観察した場合において説明すると、長鎖脂肪酸トリグリセリドと中鎖脂肪酸トリグリセリドを経口摂取し、その血中中性脂肪の変化を観察すると、LCT摂取の場合は摂取後比較的早期に血中中性脂肪が増加する一方、MCT摂取の場合は摂取後に血中中性脂肪が増加することなく摂取前の値を維持する。そして、徐々に血中中性脂肪が増加し始め、一定時間後LCT摂取時と同レベルになる。ここで、MCTは肝臓において速やかに燃焼されてしまうため、肝臓内で中性脂肪として再合成されることが少ないにも関わらず、一定時間経過後に血中中性脂肪が増加していることから、MCT摂取により脂肪組織に蓄積されているグリセリン脂肪酸エステルが、活性化されたホルモン感受性リパーゼによって遊離脂肪酸に分解され、血中へ放出された後肝臓に取り込まれ中性脂肪として再合成され、リポ蛋白という形のエネルギー源として血中に放出されているためと考えられる。
この原因として、MCT摂取により交感神経等から何らかのシグナルが発生されていること、MCT自体の存在が刺激剤として働いていること、また、MCTが肝臓で燃焼されてできたケトン体類が刺激となっていること等が考えられ、また、これらの組合せにより生じているとも考えられる。さらに、MCT摂取数時間後には、MCTは完全に燃焼され摂取由来のエネルギー源が枯渇してしまっているため、末梢のエネルギー蓄積臓器である脂肪組織から前述と同様の作用機序で遊離脂肪酸が放出され、リポ蛋白がエネルギー源として各組織に供給されているものと考えられる。何らかのシグナルが発生していることに関しては、MCT摂取により脂肪細胞内のホルモン感受性リパーゼや、交感神経活性化物質の受容体のひとつであるβ3−アドレナリン受容体のmRNA発現量がLCT摂取よりも増加していることから、説明される。また、体脂肪分解促進亢進の指標となる血中の遊離脂肪酸量もLCT摂取群に比べ有意に増加しており、このことが前述の体脂肪分解促進や、後述する体脂肪低減および痩身効果につながるものと考えられる。
ここで、上記摂取を長期的に行った場合、肝臓でMCTか好適に燃焼していることは、脱共役蛋白質のmRNA発現亢進により確認されている。以上のことから本発明により、好適な体脂肪血中放出促進剤が得られる。
ここで、脂質代謝関連酵素の発現亢進とは、本発明を完成するにあたり検討した、脂質β酸化系酵素群の一つである、長鎖アシルCoA脱水素酵素、アシルCoA酸化酵素、カルニチンパルミトイル転移酵素2のmRNA発現量の亢進を示す。
<脂質代謝関連酵素発現亢進>
該脂質代謝関連酵素発現亢進により、ホルモン感受性リパーゼにより分解された体脂肪が好適に消費され、特に、前記一度血中に放出された遊離脂肪酸が再び脂肪組織に取り込まれ好適に消費されることが期待され、後述する体脂肪低減効果等を奏する。
また、これら長鎖アシルCoA脱水素酵素発現、アシルCoA酸化酵素発現、カルニチンパルミトイル転移酵素2の発現亢進は、前記脂質代謝の指標とすることもできる。つまり、長鎖アシルCoA脱水素酵素発現、アシルCoA酸化酵素発現、カルニチンパルミトイル転移酵素2のmRNA発現亢進が認められる場合、前記脂質代謝関連酵素発現を亢進していると見なされる。
該酵素のmRNA発現量は、前記ホルモン感受性リパーゼおよびβ3−アドレナリン受容体のmRNA発現量の測定法に準ずる。ここで、中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステル、好ましくは中鎖脂肪酸トリグリセリドを摂取することで、いずれの該酵素もLCT摂取に比べ100%以上のmRNA発現亢進作用が認められており、本発明により好適な脂質代謝関連酵素発現亢進剤が得られる。
<体脂肪低減>
本発明の体脂肪低減効果は、動物の総体重に占める体脂肪の量で測定することができる。試験動物に本発明品あるいは長鎖脂肪酸トリグリセリドを長期連続摂取させた後、腎周囲脂肪組織および副睾丸周囲脂肪組織および腸間膜脂肪組織等の内臓脂肪と皮下脂肪とを合わせた体脂肪量を、体重あたりの割合で比較することで求められる。本発明品は、内臓脂肪のみでも皮下脂肪のみでも、また、これらを組み合わせた体脂肪でも、LCT摂取に比べ有意な減少が見られる。本発明品の摂取により、内臓脂肪重量のみでも皮下脂肪重量のみでも、また、これらを組み合わせた体脂肪重量でも、LCT摂取に比べそれぞれ9.1%、14.6%、12.0%の有意な減少が認められたので、本発明により、好適な体脂肪低減効果が得られる。
また、絶食6時間後のホルモン感受性リパーゼ、β3−アドレナリン受容体、脱共役蛋白質2(UCP−2)のmRNA発現量を同様にして測定の処、ホルモン感受性リパーゼ、β3−アドレナリン受容体、UCP−2のmRNA発現量が、皮下脂肪の方が副睾丸周囲脂肪よりも高いことが認められた。これにより、皮下脂肪の方が内臓脂肪よりも低減が速いことを示す。
本発明の体脂肪低減効果は、従来知られている体脂肪低蓄積性とはその効果の内容において異なる。体脂肪低蓄積性とは、単に、中鎖脂肪酸トリグリセリド等がエネルギーになりやすいことを理由として脂肪が蓄積しにくいという効果であり、本発明において見出されている体脂肪低減効果とは、摂取により、また、継続性な摂取により、これまで蓄積していた体脂肪が分解等することにより低減することを示す。
中鎖脂肪酸トリグリセリド等は、上記体脂肪分解促進機能および体脂肪血中放出促進機能を有し、この結果、蓄積された体脂肪の低減効果を有する。つまり、体脂肪として蓄積されているグリセリン脂肪酸トリエステルが遊離脂肪酸に分解され、血中に移行することで低減する。さらに、前記の通り、β酸化系酵素であるアシルCoA脱水素酵素やアシルCoA酸化酵素のmRNA発現量が、LCT摂取時に比べ増加していることにより体脂肪分解促進活性が向上していることがわかり、分解され、血中に放出された体脂肪(遊離脂肪酸)が、さらに脂肪細胞において好適に消費されており、より好適な体脂肪低減効果を得ることができる。体脂肪が分解・放出された遊離脂肪酸が再び脂肪組織に取り込まれた場合においても、該遊離脂肪酸が好適に消費されることで好適な体脂肪低減効果を奏する。
ここで、いわゆる油脂類である中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステル、好ましくは中鎖脂肪酸トリグリセリドを用いて上記作用機序により体脂肪を低減させることはこれまで考え得なかったことである。
<体脂肪低減剤→MLCT、構造体の奨励>
中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルの摂取は、交感神経の活性化を引き起こすことで、分泌されたカテコールアミン類が脂肪細胞上の受容体(β3−アドレナリン受容体)に結合して刺激が入り、細胞内のホルモン感受性リパーゼが活性化される。本酵素が活性化されると、溜め込まれた脂肪が分解され、遊離脂肪酸とグリセリンができることで脂肪細胞が小さくなり、脂肪組織の減少、体脂肪の低減が起こる。このことは、PPARγが低減していることからもわかる。この作用は、摂取したものがすぐに燃焼されることで余分なエネルギーが体脂肪とはならない。所謂体脂肪低蓄積性とは異なり、積極的に内因性体脂肪の分解を誘導する点で好ましい。さらには、構造によって吸収経路の違い等により、その効果の強さ、時間的な特徴(即効性、持続性)、他の要因の発生等が異なることで、機能の強さ、時間的特徴等の設計や、安全性の設計を行うことができ、好ましい。例えば、グリセリンに少なくとも1以上の中鎖脂肪酸が結合している脂肪酸エステル(MLCT)や、特に中鎖脂肪酸の結合する位置や他の脂肪酸の種類を特定して設計されたグリセリン脂肪酸エステル(構造体または構造油脂)等は、中鎖脂肪酸のみならず長鎖脂肪酸も含有しているため、これら両者の特性を導き出せるため、非常に好ましい。
<皮下脂肪低減剤>
ホルモン感受性リパーゼやβ3−アドレナリン受容体のmRNA発現亢進活性が、内臓脂肪よりも皮下脂肪の方に顕著に誘導されることより、上記体脂肪低減効果は本発明品の摂取により皮下脂肪において強く認められる。このことは、ラットおよびヒトの長期摂取試験時の内臓および皮下脂肪重量の減少度からも認められることから、種を超えた効果であることがわかる。さらには、MCTのみならずMLCTや構造体、構造油脂においても同様の効果が認められることから、機能の強さ、時間的特徴等の設計や、安全性の設計を行うことができ、好ましい。
<皮下脂肪が低減しやすい体質への体質改質剤>
ホルモン感受性リパーゼやβ3−アドレナリン受容体、β酸化系関連酵素、PPARαのmRNA発現亢進効果により、体脂肪、特に皮下脂肪の低減効果や、肝臓や皮下脂肪での脂質代謝亢進効果が見込まれるため、皮下脂肪が低減しやすい体質への体質改質剤として使用することができ、好ましい。
<皮下脂肪が蓄積し難い体質への体質改質剤>
ホルモン感受性リパーゼやβ3−アドレナリン受容体、PPARγのmRNA発現亢進効果により、余剰なエネルギーが溜め込まれにくい状態となるため、皮下脂肪が蓄積し難い体質への体質改質剤として使用することができ、好ましい。
前記体脂肪低減効果を有することから、全身への効果として痩身効果を有する。
上述の通り、肝細胞や脂肪細胞のβ酸化系酵素のmRNA発現量が増加していることにより体脂肪分解促進がなされていることがわかり、また、該分解され、血中に放出された体脂肪(遊離脂肪酸)は、脂質代謝関連酵素の発現が亢進していることから肝細胞や脂肪細胞において好適に消費されていると考えられる。人体全体として見ると、体脂肪として蓄積された体脂肪が分解、血中へ移行し、肝細胞で好適に消費され、あるいは再度脂肪細胞にもどってきた時には好適に消費するという好適な循環であると言え、本発明の痩身剤は好適なものといえる。また、人体のエネルギーの好適な活用の循環でもあり好ましい。
また、体脂肪低減効果に加え、体脂肪低蓄積効果を有することを併せて考えると、本発明の非常に好適な痩身作用と言える。
具体的な効果としては、本発明を長期連続摂取した場合、LCT摂取時に比べ摂餌量は殆ど変わらないにもかかわらず、体重の減少が認められ、体蛋白や水分含量にも差異が認められないことから、明らかに体脂肪重量が減少していることがわかる。すなわち、LCT摂取時に比べ体重変化量は9.2%減少したが、摂餌量は0.8%、体蛋白量は1.0%減少しているに留まっているため、この体重変化は体脂肪の減少によるものであることがわかる。事実、内臓脂肪量で9.1%、皮下脂肪量で14.6%、これらを組み合わせた体脂肪量で12.0%の有意な減少が認められていることから、本発明により好適な痩身効果が得られることがわかる。
<痩身剤→MLCT奨励>
上記各種効果により、痩身剤として使用することができ、好ましい。特に、構造によって吸収経路の違い等により、その効果の強さ、時間的な特徴(即効性、持続性)、他の要因の発生等が異なることで、機能の強さ、時間的特徴等の設計や、安全性の設計を行うことができる。グリセリンに少なくとも1以上の中鎖脂肪酸が結合している脂肪酸エステル(MLCT)や、特に中鎖脂肪酸の結合する位置や他の脂肪酸の種類を特定して設計されたグリセリン脂肪酸エステル(構造体または構造油脂)等は、中鎖脂肪酸のみならず長鎖脂肪酸も含有しているため、これら両者の特性を導き出せるため、非常に好ましい。
<外観痩身剤>
上記痩身剤は、脂肪組織、特に皮下脂肪に対しこれら効果を示すことより、体の外観を形成する皮下脂肪が内臓脂肪よりも明らかに減少することから、外観痩身剤として使用することができ、好ましい。
<美容痩身剤>
本発明品は、経口摂取することで無理なく痩身効果が期待できるため、好ましい。特に、通常行われているような、断食やエネルギー摂取制限法と異なり、上記効果等により十分なエネルギーを摂取しつつ、体のバランスや体調、各種体機能を損ねることなく痩せることができるので、さらに好ましい。また、外用的な使用も可能であるため、非常に好ましい。
<痩せやすい体質への体質改質剤>
ホルモン感受性リパーゼやβ3−アドレナリン受容体、β酸化系関連酵素、脱共役蛋白、PPARαのmRNA発現亢進効果により、内因性の脂肪分解亢進効果や効率よくエネルギーや熱に変換され、さらにPPARγが低減していることから、脂肪が蓄積され難くなるため、痩せやすい体質への体質改質剤として使用することができ、好ましい。
<太りにくい体質への体質改質剤>
β酸化系関連酵素、脱共役蛋白、PPARαのmRNA発現亢進効果により、効率よくエネルギーや熱に変換されるため、余剰なエネルギーが生じにくい体質へと変化することができる。さらに、ホルモン感受性リパーゼやβ3−アドレナリン受容体、PPARγのmRNA発現亢進効果により、余剰なエネルギーが溜め込まれにくい状態となるため、太りにくい体質への体質改質剤として使用することができ、好ましい。
<PPAR活性化亢進>
中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステル、特に中鎖脂肪酸トリグリセリドを摂取することにより、PPARの亢進が調整させる。すなわち、中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステル、特に中鎖脂肪酸トリグリセリドを摂取することにより、PPARαが活性化され、脂肪酸代謝に重要なβ酸化関連酵素の遺伝子発現を亢進され、脱共役蛋白質2(UCP−2)やアシルCoA合成酵素(ACO)等の脂肪酸分解系酵素が誘導され、UCP−2の発現亢進により、脂質代謝の中心的臓器である肝臓において、余剰なエネルギーを熱に変換させることで消費し、さらに、体のエネルギー貯蔵臓器である脂肪組織においてもエネルギー代謝調節系をコントロールし、体の恒常性を保ち、肥満等の生活習慣病の予防に寄与できる。また、ACO等の脂肪酸分解系酵素の発現亢進により、体脂肪の分解が亢進され血中へ遊離脂肪酸として放出されたり、再び脂肪細胞内でβ酸化を受けエネルギー源となり、体脂肪が分解され低減する。
また、特に長期摂取によりPPARγが低減しやすくなることから体脂肪低減促進剤として働き、また、PPARγ活性化低減機能により成熟した細胞に対しては脂肪を蓄積し離くするため、痩せやすい体質への改質剤として働き、同様に未成熟な脂肪細胞に対しては分化・成熟した後に脂肪を溜めにくくするため、太りにくい体質への改質剤として働く。
<皮下脂肪低減、体質改善、疾患予防>
前述したように、本発明の摂取により、体脂肪分解が促進される。しかし、さらに、体内での脂肪の燃焼態様が変化し、より理想的な脂肪燃焼態様を示すようになる。実験データを実施例に示した。すなわち、実験対象であるラットの体内エネルギーの消費に伴い、UCP−2、ホルモン感受性リパーゼ、β3−アドレナリン受容体は皮下脂肪から優先的に発現する。このことは、すなわち、本発明の摂取により体内の脂肪が皮下脂肪から優先的に燃焼し、次いで内蔵脂肪、最後に骨格筋の順に燃焼することを示す。また、本発明を摂取した場合、本発明を摂取しない場合よりも前記脂肪の燃焼態様が顕著になることがわかる。
一般に、皮下脂肪低減、体質改善、疾患予防等の対応として、一定の運動を行うことが実施される。しかし、前記効果を得ることができる程度の運動量を長期にわたり確保することは、現代社会人にとって、時間上、計画上、大きな負担となる。これに対し、本発明では、前記発明を摂取するだけで、上記効果が得られるものである。
すなわち、本発明は、皮下脂肪低減、皮下脂肪が低減しやすい体質改質、皮下脂肪が蓄積しにくい体質改質、外観痩身、美容痩身、痩せやすい体質への体質改質、太りにくい体質への体質改質、肥満由来疾患の予防および/または改善に効果を示すものである。
<油脂組成物>
本発明は中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルを有効成分とするホルモン感受性リパーゼ発現亢進、β3−アドレナリン受容体発現亢進、体脂肪分解促進、体脂肪血中放出促進、脂質代謝関連酵素発現亢進、体脂肪低減、痩身用の油脂組成物に関する。
中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルは油脂類から得ることができ、また、油脂類への溶解性が良好であることから、本発明の体脂肪低減剤、痩身剤の一形態でもあり、また、下記に示す体脂肪低減、痩身用の飲食物の好適な一形態として、中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルを含有する油脂組成物が挙げられる。また、中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルを製造する場合において、該油脂組成物が製造されているため好適である。
該油脂組成物における中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステル、中鎖脂肪酸トリグリセリドの含量は剤としての利用である場合は剤の含量であり、飲食物としての使用である場合は飲食物の含量である。ここで、調理用油脂として使用する場合においては、飲食物への使用量によってその含量は異なるが、例えば10〜90質量%、好ましくは20〜80質量%以上、さらに好ましくは30〜70質量%以上を例示することができる。調理用としての場合、油はね、油煙等の調理適性の面から、あまり高濃度にすることは好ましくないため、使用量等との調整が必要である。
該油脂組成物の形態としては、液状、固体状、半固体状のいずれでも良く、特に制限されない。
本発明の油脂組成物は、上記体脂肪低減剤、痩身剤の一形態でもあり、また、下記体脂肪低減、痩身用の飲食物の一形態でもあり、また、これらに配合する原料としての形態でもある。また、調理用としても使用でき、このように使用した結果、飲食物に含有されるため、間接的に飲食物へも影響を与える。
本発明の油脂組成物は、上述の通り中鎖脂肪酸トリグリセリドを含有する油脂を原料として、これをエステル交換処理することで得ることができ、また、遺伝子組換の技術を用いて、本発明の油脂組成物を生産するように品種改良した植物、例えば大豆、菜種、コーン、ヤシ、パーム、オリーブ、亜麻仁、ひまわり、紅花、つばき、綿実、クヘア等から抽出によって得ることも可能である。
上記のようにして得られる本発明の油脂組成物は、そのままでもしくは調理用油脂組成物に通常用いられる添加剤を配合して、調理用油脂組成物として使用することができる。
かかる添加剤としては、保存安定性向上、酸化安定性向上、熱安定性向上、低温化での結晶抑制等を目的としたポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル等が挙げられる。また、当然に、上記ホルモン感受性リパーゼ発現亢進剤、β3−アドレナリン受容体発現亢進剤、体脂肪分解促進剤、体脂肪血中放出促進剤、脂質代謝関連酵素発現亢進剤、体脂肪低減剤、痩身剤において添加することができる添加剤等も配合することができる。
本発明の油脂組成物は、菜種油、コーン油、紅花油、大豆油といった一般に市販されている通常の食用油と同等あるいはそれ以上の風味を持ち、炒め物、揚げ物、マリネなどの調理に使用できることはもちろんのこと、油脂を含有する食品であるドレッシング、マヨネーズ、マーガリン、菓子類、ケーキ、飲料等にも使用可能である。調理品の種類によって風味の特性は異なるが、素材の味を生かしたさっぱりとした料理を作ることが可能である。また、フライ調理時における油のハネ度合いは、通常の食用油と同等あるいはそれ以下である。
<飲食物>
本発明は、中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルを含有する体脂肪低減、痩身、皮下脂肪低減、皮下脂肪が低減しやすい体質や皮下脂肪が蓄積しにくい体質への改質、その他、肥満から由来する疾患の予防・改善用の飲食物等に関し、好ましくは中鎖脂肪酸トリグリセリドを含有する体脂肪低減、痩身用飲食物等に関する。
中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルを含有する飲食物は、飲食によって好適に経口摂取され、体脂肪低減、痩身、皮下脂肪低減、皮下脂肪が低減しやすい体質や皮下脂肪が蓄積しにくい体質への改質、その他、肥満から由来する疾患の予防・改善作用を奏するため好ましい形態である。
中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステル、好ましくは中鎖脂肪酸トリグリセリドにホルモン感受性リパーゼ発現亢進、β3−アドレナリン受容体発現亢進、体脂肪分解促進、体脂肪血中放出促進、脂質代謝関連酵素発現亢進、体脂肪低減、痩身促進効果を発現させる好ましい形態として経口摂取が挙げられ、特に日常継続的に摂取するためには飲食物の形態が好ましい。摂取量は特に制限されないが、前述の各種剤における摂取量を参考にすることができる。また、過剰な摂取は当然に本発明における効果を得ることができない。該飲食物として、含量は摂取の回数、量等によって調整することができ特に制限されないが、中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルの場合、例えば、0.2〜50質量%、好ましくは0.5〜40質量%、さらに好ましくは1〜20質量%、特に好ましくは2〜10質量%、また、中鎖脂肪酸トリグリセリドの場合、例えば0.1〜30質量%、好ましくは0.2〜20質量%、さらに好ましくは0.5〜10質量%、特に好ましくは1〜5質量%を例示することができる。
ここで、前記体脂肪低減剤、痩身剤、皮下脂肪低減剤、皮下脂肪が低減しやすい体質、皮下脂肪が蓄積しにくい体質への改質剤、肥満から由来する疾患の予防・改善剤や、体脂肪低減、皮下脂肪低減、皮下脂肪が低減しやすい体質や皮下脂肪が蓄積しにくい体質への改質、その他、肥満から由来する疾患の予防・改善用飲食物において、中鎖脂肪酸、または、中鎖脂肪酸と中鎖脂肪酸残基の総量によっても規定することがき、その好適な含量としては、前記中鎖脂肪酸トリグリセリドの含量から換算することができる。
ここで、本発明の体脂肪低減、痩身用飲食物の形態としては、特に制限はないが、例えば、飲食物が、飲料、栄養ドリンク、菓子、加工食品、油脂類、乳製品、レトルト食品、レンジ食品、冷凍食品、調味料、健康補助食品等の形態が挙げられ、形状・性状も特に制限されず、固体状、半固体状、ゲル状、液体状、粉末状等いずれでもよく、また、錠剤、カプセル剤、液剤、顆粒剤等いずれでも良い。
本発明のホルモン感受性リパーゼ発現亢進、β3−アドレナリン受容体発現亢進、体脂肪分解促進、体脂肪血中放出促進、脂質代謝関連酵素発現亢進、体脂肪低減、痩身用飲食物について、下記に具体例を列記するが、本発明はこれらに制限されるものではない。本発明のホルモン感受性リパーゼ発現亢進、β3−アドレナリン受容体発現亢進、体脂肪分解促進、体脂肪血中放出促進、脂質代謝関連酵素発現亢進、体脂肪低減、痩身用飲食物としては、その形態等について特に制限はないが、例えば、おかき、煎餅、おこし、饅頭、飴等の和菓子、クッキー、ビスケット、クラッカー、パイ、カステラ、ドーナッツ、プリン、スポンジケーキ、ワッフル、バタークリーム、カスタードクリーム、シュークリーム、チョコレート、チョコレート菓子、キャラメル、キャンデー、チューインガム、ゼリー、ホットケーキ、パン、菓子パン等の各種洋菓子、ポテトチップ等のスナック菓子、アイスクリーム、アイスキャンデー、シャーベット等の氷菓、乳酸飲料、乳酸菌飲料、濃厚乳性飲料、果汁飲料、果肉飲料、機能性飲料、炭酸飲料等の清涼飲料水、緑茶、紅茶、コーヒー、ココア等の嗜好品およびこれらの飲料、発酵乳、加工乳、チーズ等の乳製品、豆乳、豆腐等の大豆加工食品、ジャム、果実のシロップ漬、フラワーペースト、ピーナツペースト、フルーツペースト等のペースト類、漬物類、うどんの麺、パスタ等の穀物製品類、ハム、ソーセージ、ベーコン、ドライソーセージ、ビーフジャーキー、ハンバーグ等の畜肉製品類、魚肉ハム、魚肉ソーセージ、かまぼこ、ちくわ、はんぺん等の魚貝類製品、魚、貝等の干物、鰹、鯖、鰺等の各種節、ウニ、イカ等の塩辛、スルメ、魚等のみりん干、鮭等の燻製品、のり、小魚、貝、山菜、椎茸、昆布等の佃煮、カレー、シチュー等のレトルト食品、みそ、醤油、ソース、ケチャップ、ブイヨン、焼肉のタレ、カレールー、シチューの素、スープの素、だしの素等の各種調味料、米飯類、油脂やマーガリン、ショートニング、マヨネーズ、ドレッシング等の油脂加工品や、油脂を含有する各種レンジおよび冷凍食品等が挙げられる。特に、継続的な摂取という面からは、米飯や各種調味料や、油脂やマーガリン、ショートニング、マヨネーズ、ドレッシング等の油脂加工品が好ましいといえる。また、形状・性状も特に制限されず、固体状、半固体状、ゲル状、液体状、粉末状等いずれでもよく、また、健康補助飲食料等として使用される場合等の錠剤、ソフトカプセルやハードカプセルに充填・加工したカプセル剤、液剤、顆粒剤等いずれでも良い。
特に好ましい形態としては油脂組成物の形態の飲食物であり、また、該油脂組成物を用いて調理された飲食物であり、配合された飲食物である。上述の通り、中鎖脂肪酸トリグリセリド等が油脂類であることや、中鎖脂肪酸トリグリセリドの製造の過程において得ることができるため、使用性、安定性、製造性等に優れている。
また、上述の通り、前記脱共役蛋白質発現亢進剤や油脂組成物を配合することもできる。また、該油脂組成物を用いて調理することで得ることもできる。
該ホルモン感受性リパーゼ発現亢進、β3−アドレナリン受容体発現亢進、体脂肪分解促進、体脂肪血中放出促進、脂質代謝関連酵素発現亢進剤、体脂肪低減、痩身用飲食物は、これらの効果を介した糖尿病・動脈硬化・高脂血症・高血圧等の生活習慣病に対する予防および/または改善効果も期待されるため、好ましい。
<使用法>
また、本発明おいて、中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルを体脂肪低減剤、皮下脂肪低減剤として使用することができる。
また、本発明おいて、中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルを痩身剤として使用することができる。また、肥満予防剤および/または治療剤として使用することができる。また、皮下脂肪が低減しやすい体質、皮下脂肪が蓄積しにくい体質への改質剤、肥満から由来する疾患の予防・改善剤として使用することができる。
<原料>
本発明は中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルを含有することを特徴とする体脂肪低減剤、皮下脂肪低減剤、痩身剤の原料に関し、また、皮下脂肪が低減しやすい体質、皮下脂肪が蓄積しにくい体質への改質剤、肥満から由来する疾患の予防・改善剤の原料に関する。
本発明の体脂肪低減剤、皮下脂肪低減剤、痩身剤等は中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルを含有することを特徴とし、これにより体脂肪低減、痩身、皮下脂肪低減作用を有し、更に、皮下脂肪が低減しやすい体質、皮下脂肪が蓄積しにくい体質への改質剤、肥満から由来する疾患の予防・改善作用を有する。よって、中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルを含有するものは体脂肪低減剤、皮下脂肪低減剤、痩身剤、皮下脂肪が低減しやすい体質、皮下脂肪が蓄積しにくい体質への改質剤の原料として好適であり、特に高濃度に含有するものは原料として好適である。含量は特に制限されないが、例えば、50〜99.9質量%、好ましくは70〜99.9質量%、さらに好ましくは90〜99.9質量%を例示することができる。
以上説明したように、中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルを含有するものは、体脂肪低減、痩身、皮下脂肪低減作用を有し、更に、皮下脂肪が低減しやすい体質、皮下脂肪が蓄積しにくい体質への改質剤としての作用も有するので、本発明の中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルを含有する油脂を使用することにより痩身させる方法としても好ましい。
<長期>
本実施例は中鎖脂肪酸トリグリセリドを投与した場合の内臓および皮下脂肪組織における体脂肪分解の態様を、投与しない場合のそれと比較検討したものである。調査は、内臓および皮下脂肪のホルモン感受性リパーゼ、β3−アドレナリン受容体の発現量の経時変化を比較することにより行った。
6週齢のWistar雄性ラットを1週間予備飼育した後、大豆油添加群、中鎖脂肪酸トリグリセリドを100%含有する油脂組成物添加群の計2群(各5匹)に分け、AIN93標準食のシュークロースを全てコーンスターチに置換した実験食と水を自由に与えた。経時的に体重、摂餌量を測定し、6週間飼育した。その後、試験に供したラットを6時間絶食させた後、各群のラットを屠殺し、内臓および皮下脂肪のホルモン感受性リパーゼ、β3−アドレナリン受容体mRNAの発現量測定に供した。
ホルモン感受性リパーゼ、β3−アドレナリン受容体のmRNA発現量測定は以下のように実施した。すなわち、摘出した副睾丸周囲脂肪および皮下脂肪中の全RNAをIsogen(ニッポンジーン製)にてホモジナイズ後、クロロホルムおよびイソプロピルアルコールにて抽出し、全RNAを得た。分光光度計(Gene Quant:ファルマシア製)にて濃度を測定後、M−MLV(プロメガ製)の逆転写酵素を添加し、付属の反応緩衝液、0.5mM dNTP(インビトロジェン製)および25μg/mlオリゴ(dT)15プライマー(プロメガ製)存在下で37℃、1時間反応させ、対応するcDNAを調製した。調製したcDNAを鋳型として、ラットホルモン感受性リパーゼ、β3−アドレナリン受容体に対するプライマーを設定し、固形飼料(ラボMR−ストック:日本農産製)を食べさせたラット副睾丸周囲脂肪または皮下脂肪由来cDNA鋳型を基準品として、各群の各臓器由来cDNA鋳型中のホルモン感受性リパーゼ、β3−アドレナリン受容体のmRNA発現量を定量PCR装置(Light Cycler:ロシュ・ダイアグノスティック製)にて測定した。発現量(%)は、数式1に示したように、β−アクチンのmRNA発現量に対する相対値で比較した。
上記方法によってホルモン感受性リパーゼ、β3−アドレナリン受容体mRNA発現亢進効果を評価した。その結果をホルモン感受性リパーゼ、β3−アドレナリン受容体のmRNA発現量(%)として表1に示す。
尚、以下の表中で「LCT」は大豆油添加群を、「MCT」は油脂組成物添加群を意味する。
上記表より以下のことがいえる。すなわち、油脂組成物添加群のラットは大豆油添加群のラットと比較して、長期摂取することで内臓脂肪よりも皮下脂肪の方が体脂肪分解促進効果があることがわかる。
6週齢のWistar雄性ラットを1週間予備飼育した後、大豆油添加群、中鎖脂肪酸トリグリセリドを100%含有する油脂組成物添加群の計2群(各5匹)に分け、AIN93標準食のシュークロースを全てコーンスターチに置換した実験食と水を自由に与えた。経時的に体重、摂餌量を測定し、6週間飼育した。その後、試験に供したラットを6時間絶食させた後、各群のラットを屠殺し、内臓および皮下脂肪のホルモン感受性リパーゼ、β3−アドレナリン受容体mRNAの発現量測定に供した。
ホルモン感受性リパーゼ、β3−アドレナリン受容体のmRNA発現量測定は以下のように実施した。すなわち、摘出した副睾丸周囲脂肪および皮下脂肪中の全RNAをIsogen(ニッポンジーン製)にてホモジナイズ後、クロロホルムおよびイソプロピルアルコールにて抽出し、全RNAを得た。分光光度計(Gene Quant:ファルマシア製)にて濃度を測定後、M−MLV(プロメガ製)の逆転写酵素を添加し、付属の反応緩衝液、0.5mM dNTP(インビトロジェン製)および25μg/mlオリゴ(dT)15プライマー(プロメガ製)存在下で37℃、1時間反応させ、対応するcDNAを調製した。調製したcDNAを鋳型として、ラットホルモン感受性リパーゼ、β3−アドレナリン受容体に対するプライマーを設定し、固形飼料(ラボMR−ストック:日本農産製)を食べさせたラット副睾丸周囲脂肪または皮下脂肪由来cDNA鋳型を基準品として、各群の各臓器由来cDNA鋳型中のホルモン感受性リパーゼ、β3−アドレナリン受容体のmRNA発現量を定量PCR装置(Light Cycler:ロシュ・ダイアグノスティック製)にて測定した。発現量(%)は、数式1に示したように、β−アクチンのmRNA発現量に対する相対値で比較した。
上記方法によってホルモン感受性リパーゼ、β3−アドレナリン受容体mRNA発現亢進効果を評価した。その結果をホルモン感受性リパーゼ、β3−アドレナリン受容体のmRNA発現量(%)として表1に示す。
尚、以下の表中で「LCT」は大豆油添加群を、「MCT」は油脂組成物添加群を意味する。
上記表より以下のことがいえる。すなわち、油脂組成物添加群のラットは大豆油添加群のラットと比較して、長期摂取することで内臓脂肪よりも皮下脂肪の方が体脂肪分解促進効果があることがわかる。
実施例1と同様の方法で、6週齢のWistar雄性ラットを飼育した後、各群のラットを屠殺し、肝臓では長鎖アシルCoA脱水素酵素、アシルCoA酸化酵素、副睾丸周囲脂肪および皮下脂肪ではアシルCoA酸化酵素、カルニチンパルミトイル転移酵素2のmRNA発現量の測定に供した。発現量(%)は、実施例1と同様の方法で実施し、算出した。
上記方法によって、肝臓における長鎖アシルCoA脱水素酵素およびアシルCoA酸化酵素のmRNA発現亢進効果や、副睾丸周囲脂肪および皮下脂肪におけるアシルCoA酸化酵素、カルニチンパルミトイル転移酵素2のmRNA発現亢進効果を評価した。その結果をmRNA発現量(%)として表2に示す。
上記方法によって、肝臓における長鎖アシルCoA脱水素酵素およびアシルCoA酸化酵素のmRNA発現亢進効果や、副睾丸周囲脂肪および皮下脂肪におけるアシルCoA酸化酵素、カルニチンパルミトイル転移酵素2のmRNA発現亢進効果を比較した結果、表2に示されるように、肝臓における長鎖アシルCoA脱水素酵素で約112%、アシルCoA酸化酵素で約115%のmRNA発現亢進効果が認められた。また、副睾丸周囲脂肪および皮下脂肪におけるアシルCoA酸化酵素、カルニチンパルミトイル転移酵素2のmRNA発現亢進効果を比較検討した結果、皮下脂肪において顕著に両酵素mRNA発現量の亢進効果が認められた。
上記方法によって、肝臓における長鎖アシルCoA脱水素酵素およびアシルCoA酸化酵素のmRNA発現亢進効果や、副睾丸周囲脂肪および皮下脂肪におけるアシルCoA酸化酵素、カルニチンパルミトイル転移酵素2のmRNA発現亢進効果を評価した。その結果をmRNA発現量(%)として表2に示す。
上記方法によって、肝臓における長鎖アシルCoA脱水素酵素およびアシルCoA酸化酵素のmRNA発現亢進効果や、副睾丸周囲脂肪および皮下脂肪におけるアシルCoA酸化酵素、カルニチンパルミトイル転移酵素2のmRNA発現亢進効果を比較した結果、表2に示されるように、肝臓における長鎖アシルCoA脱水素酵素で約112%、アシルCoA酸化酵素で約115%のmRNA発現亢進効果が認められた。また、副睾丸周囲脂肪および皮下脂肪におけるアシルCoA酸化酵素、カルニチンパルミトイル転移酵素2のmRNA発現亢進効果を比較検討した結果、皮下脂肪において顕著に両酵素mRNA発現量の亢進効果が認められた。
6週齢のWistar雄性ラットを1週間予備飼育した後、大豆油(LCT)添加群、中鎖脂肪酸トリグリセリドを100%含有する油脂組成物添加群の計2群(各群20匹)に分け、AIN93標準食のシュークロースを全てコーンスターチに置換した実験食と水を自由に与えた。経時的に体重変化、摂餌量を測定し、6週間飼育後、18時間絶食させた各群のラットを屠殺し血液を採取、血清として分取した後、得られた血清中の遊離脂肪酸濃度を測定キット(NEFA E−test Wako)にて測定した。
上記方法によって血中遊離脂肪酸濃度を評価した。その結果を表5に示す。
上記方法によって試験油脂長期摂取後の血中遊離脂肪酸濃度を測定した。その結果、大豆油投与群に比べ油脂組成物投与群で明らかな遊離脂肪酸濃度の上昇が認められた。
前記血中中性脂肪の評価結果、前記実施例1のホルモン感受性リパーゼのmRNA発現量の評価結果および下記実施例10において本発明の油脂組成物は大豆油に比べて血中脂質が上昇しないことと考え合わせると、中鎖脂肪酸トリグリセリドの摂取により脂肪組織に蓄積されていた体脂肪が分解され、血中に放出されていること、特に長期的な摂取により優れた効果が得られることがわかる。
上記方法によって血中遊離脂肪酸濃度を評価した。その結果を表5に示す。
上記方法によって試験油脂長期摂取後の血中遊離脂肪酸濃度を測定した。その結果、大豆油投与群に比べ油脂組成物投与群で明らかな遊離脂肪酸濃度の上昇が認められた。
前記血中中性脂肪の評価結果、前記実施例1のホルモン感受性リパーゼのmRNA発現量の評価結果および下記実施例10において本発明の油脂組成物は大豆油に比べて血中脂質が上昇しないことと考え合わせると、中鎖脂肪酸トリグリセリドの摂取により脂肪組織に蓄積されていた体脂肪が分解され、血中に放出されていること、特に長期的な摂取により優れた効果が得られることがわかる。
7週齢のWistar雄性ラットを1週間予備飼育し、LCT(大豆油)添加群(対照群)、MCTを100%含有する油脂組成物群の計2群(各群5匹)に分け、表6に示す実験食と水を自由に与えた。6週間飼育後、6時間絶食させた各群5匹のラットについて屠殺し、副睾丸周囲脂肪組織および皮下脂肪組織を摘出後、PPARγのmRNA発現量の測定に供した。
PPARγのmRNA発現量測定は、上記の実施例に記載した方法により、PPARγに対するプライマーを設定して、同様の方法にて行った。発現量(%)は、数式2に示したように、β−アクチンのmRNA発現量に対する相対値で比較した。
上記方法によって内臓脂肪および皮下脂肪中のPPARγのmRNA発現亢進効果を評価した。その結果をmRNA発現量(%)として表7および表8に示す。
上記方法によってPPARγのmRNA発現量をLCT摂取群と比較した結果、表7及び表8に示されるように、内臓脂肪ではMCT摂取群で約99.6%と殆どLCT摂取群と変わらなかったものの、皮下脂肪ではMCT摂取群で約19.4%のmRNA発現低減効果が認められた。
このことより、中鎖脂肪酸トリグリセリドを有効成分とする油脂組成物がPPARγ活性低減効果や脂肪細胞脂質代謝調整作用、体脂肪低減促進作用を有していることが明らかとなった。
〔単回〕
PPARγのmRNA発現量測定は、上記の実施例に記載した方法により、PPARγに対するプライマーを設定して、同様の方法にて行った。発現量(%)は、数式2に示したように、β−アクチンのmRNA発現量に対する相対値で比較した。
上記方法によって内臓脂肪および皮下脂肪中のPPARγのmRNA発現亢進効果を評価した。その結果をmRNA発現量(%)として表7および表8に示す。
上記方法によってPPARγのmRNA発現量をLCT摂取群と比較した結果、表7及び表8に示されるように、内臓脂肪ではMCT摂取群で約99.6%と殆どLCT摂取群と変わらなかったものの、皮下脂肪ではMCT摂取群で約19.4%のmRNA発現低減効果が認められた。
このことより、中鎖脂肪酸トリグリセリドを有効成分とする油脂組成物がPPARγ活性低減効果や脂肪細胞脂質代謝調整作用、体脂肪低減促進作用を有していることが明らかとなった。
〔単回〕
中鎖脂肪酸トリグリセリド(MCT)の摂取時の含有量の影響を調査するため、以下の実験を行った。6週齢のWistar雄性ラットを1週間予備飼育した後、大豆油添加群、中鎖脂肪酸トリグリセリドを100%含有する油脂組成物添加群および中鎖脂肪酸トリグリセリドを25%含有する油脂組成物添加群、の計3群に分け、6時間絶食後、体重あたり乳化油脂7,500mg/kgをゾンデを用いて強制的に経口投与した。投与60分後に各群のラットを屠殺し、肝臓の長鎖、中鎖、短鎖アシルCoA脱水素酵素(それぞれ以下、「LCAD」、「MCAD」、「SCAD」という)の酵素活性の測定に供した。
<酵素活性測定法>
長鎖、中鎖、短鎖アシルCoA脱水素酵素(LCAD、MCAD、SCAD)酵素活性測定は以下のように実施した。まず、酵素活性測定用画分の調製は、摘出した肝臓にその7倍重量のホモジネート用緩衝液(スクロース、EDTA入りトリス塩酸緩衝液、pH7.2)を加え、ホモジナイザーにて撹拌を行い、得られたホモジネート液を数回遠心分離して得た上清画分を酵素活性測定用に供した。酵素活性測定法は、比色法にて行った。すなわち、分取した酵素液に、2,6−ジクロロインドフェノール(Sigma製)、N−メチルマレイミド(Sigma製)、100mMリン酸緩衝液pH7.5を加えた後、それぞれの酵素に対する基質(長鎖:パルミトイルCoA; 中鎖:オクタノイルCoA; 短鎖:ブチルCoA)を添加し、用量をあわせるため蒸留水を添加した後、経時的変化が測定できるマイクロプレート分光光度計(Power Wave X 340:BIO−TEK製)で30℃にて40分加温し、吸光度が安定していることを確認する。確認後、フェナジンメソスルフェイド(Sigma製)を添加し、600nmにおける吸光度を20分間測定し、活性量を算出する。酵素活性は、あらかじめ該画分中の蛋白質含量を測定しておき、数式3で示したように単位蛋白あたりの比活性で表した。
結果を表9に示す。
上記表から、MCT摂取、MCT25%摂取群のMCAD,SCADの酵素活性がLCT摂取群に比べ高いことは、中鎖脂肪酸の摂取の影響であり、予定していた結果が確認できたといえる。ここで、MCT摂取、MCT25%摂取群のLCADの酵素活性が、LCT摂取群に比べ高いという結果が得られた。LCT摂取の場合において、肝臓にその摂取の影響が及ぶ十分な時間において上記測定を行っており、MCT摂取群等よりもLCADの酵素活性が高くなると予想されたが、結果、MCT摂取、MCT25%摂取群の酵素活性の方が高いものとなった。長鎖脂肪酸を含まないMCT摂取群のLCAD酵素活性亢進効果を有することが見出され、興味深い点であるといえる。
<酵素活性測定法>
長鎖、中鎖、短鎖アシルCoA脱水素酵素(LCAD、MCAD、SCAD)酵素活性測定は以下のように実施した。まず、酵素活性測定用画分の調製は、摘出した肝臓にその7倍重量のホモジネート用緩衝液(スクロース、EDTA入りトリス塩酸緩衝液、pH7.2)を加え、ホモジナイザーにて撹拌を行い、得られたホモジネート液を数回遠心分離して得た上清画分を酵素活性測定用に供した。酵素活性測定法は、比色法にて行った。すなわち、分取した酵素液に、2,6−ジクロロインドフェノール(Sigma製)、N−メチルマレイミド(Sigma製)、100mMリン酸緩衝液pH7.5を加えた後、それぞれの酵素に対する基質(長鎖:パルミトイルCoA; 中鎖:オクタノイルCoA; 短鎖:ブチルCoA)を添加し、用量をあわせるため蒸留水を添加した後、経時的変化が測定できるマイクロプレート分光光度計(Power Wave X 340:BIO−TEK製)で30℃にて40分加温し、吸光度が安定していることを確認する。確認後、フェナジンメソスルフェイド(Sigma製)を添加し、600nmにおける吸光度を20分間測定し、活性量を算出する。酵素活性は、あらかじめ該画分中の蛋白質含量を測定しておき、数式3で示したように単位蛋白あたりの比活性で表した。
結果を表9に示す。
上記表から、MCT摂取、MCT25%摂取群のMCAD,SCADの酵素活性がLCT摂取群に比べ高いことは、中鎖脂肪酸の摂取の影響であり、予定していた結果が確認できたといえる。ここで、MCT摂取、MCT25%摂取群のLCADの酵素活性が、LCT摂取群に比べ高いという結果が得られた。LCT摂取の場合において、肝臓にその摂取の影響が及ぶ十分な時間において上記測定を行っており、MCT摂取群等よりもLCADの酵素活性が高くなると予想されたが、結果、MCT摂取、MCT25%摂取群の酵素活性の方が高いものとなった。長鎖脂肪酸を含まないMCT摂取群のLCAD酵素活性亢進効果を有することが見出され、興味深い点であるといえる。
7週齢のWistar雄性ラットを1週間予備飼育し、18時間絶食させた後、LCT(大豆油)添加群(対照群)、MCTを100%含有する油脂組成物、および下記製法例1に基づいて作製したMLCTを100%含有する油脂組成物を液状に乳化させたものを、各群4匹、計12匹に対し7,300mg/kgステンレス製ゾンデを用いて強制的に経口投与した。30分後、各群のラットについて屠殺して肝臓を摘出後、PPARαのmRNA発現量の測定に供した。
PPARαのmRNA発現量測定は以下のように実施した。すなわち、摘出した肝臓中の全RNAをIsogen(ニッポンジーン製)にてホモジナイズ後、クロロホルムおよびイソプロピルアルコールにて抽出し、全RNAを得た。分光光度計(Gene Quant:ファルマシア製)にて濃度を測定後、M−MLV(プロメガ製)の逆転写酵素を添加し、付属の反応緩衝液、0.5mM dNTP(インビトロジェン製)および25μg/mlオリゴ(dT)15プライマー(プロメガ製)存在下で37℃、1時間反応させ、対応するcDNAを調製した。調製したcDNAを鋳型として、ラットPPARαに対するプライマーを設定し、固形飼料(ラボMR−ストック:日本農産製)を食べさせたラット肝臓由来cDNA鋳型を基準品として、各群の同臓器由来cDNA鋳型中のPPARαのmRNA発現量を定量PCR装置(Light Cycler:ロシュ・ダイアグノスティック製)にて測定した。発現量(%)は、数式4に示したように、β−アクチンのmRNA発現量に対する相対値で比較した。
上記方法によってPPARαのmRNA発現亢進効果を評価した。その結果をmRNA発現量(%)として表10に示す
上記方法によってPPARαのmRNA発現量をLCT投与群と比較した結果、表10に示されるように、MCT投与群で約121%、MLCT投与群で約113%のmRNA発現亢進効果が認められた。
このことより、中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステル、特に中鎖脂肪酸トリグリセリドを有効成分とする油脂組成物がPPARα活性化効果や肝細胞脂質代謝調整作用、体脂肪低減促進作用を有していることが明らかとなった。
PPARαのmRNA発現量測定は以下のように実施した。すなわち、摘出した肝臓中の全RNAをIsogen(ニッポンジーン製)にてホモジナイズ後、クロロホルムおよびイソプロピルアルコールにて抽出し、全RNAを得た。分光光度計(Gene Quant:ファルマシア製)にて濃度を測定後、M−MLV(プロメガ製)の逆転写酵素を添加し、付属の反応緩衝液、0.5mM dNTP(インビトロジェン製)および25μg/mlオリゴ(dT)15プライマー(プロメガ製)存在下で37℃、1時間反応させ、対応するcDNAを調製した。調製したcDNAを鋳型として、ラットPPARαに対するプライマーを設定し、固形飼料(ラボMR−ストック:日本農産製)を食べさせたラット肝臓由来cDNA鋳型を基準品として、各群の同臓器由来cDNA鋳型中のPPARαのmRNA発現量を定量PCR装置(Light Cycler:ロシュ・ダイアグノスティック製)にて測定した。発現量(%)は、数式4に示したように、β−アクチンのmRNA発現量に対する相対値で比較した。
上記方法によってPPARαのmRNA発現亢進効果を評価した。その結果をmRNA発現量(%)として表10に示す
上記方法によってPPARαのmRNA発現量をLCT投与群と比較した結果、表10に示されるように、MCT投与群で約121%、MLCT投与群で約113%のmRNA発現亢進効果が認められた。
このことより、中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステル、特に中鎖脂肪酸トリグリセリドを有効成分とする油脂組成物がPPARα活性化効果や肝細胞脂質代謝調整作用、体脂肪低減促進作用を有していることが明らかとなった。
中鎖脂肪酸トリグリセリド(MCT)の摂取時の含有量の影響を調査するため、以下の実験を行った。6週齢のWistar雄性ラットを1週間予備飼育した後、大豆油添加群、中鎖脂肪酸トリグリセリドを100%含有する油脂組成物添加群および中鎖脂肪酸トリグリセリドを25%含有する油脂組成物添加群、の計3群に分け、6時間絶食後、体重あたり乳化油脂7,500mg/kgをゾンデを用いて強制的に経口投与した。投与60分後に各群のラットを屠殺し、肝臓のUCP−2のmRNA発現を測定した。発現量(%)は、実施例1と同様の方法で実施し、算出した。
結果を表11に示す。
表11よりUCP−2のmRNA発現量は、MIX25のラットがむしろ多くなっている。すなわち、摂取直後の肝臓のUCP−2のmRNA発現量はMIX25のラットが最も多く、ついでMCT群であることがわかる。尚、UCP−2のmRNA発現量の数値は実施例1と同様の手法により求めた。
結果を表11に示す。
表11よりUCP−2のmRNA発現量は、MIX25のラットがむしろ多くなっている。すなわち、摂取直後の肝臓のUCP−2のmRNA発現量はMIX25のラットが最も多く、ついでMCT群であることがわかる。尚、UCP−2のmRNA発現量の数値は実施例1と同様の手法により求めた。
9週齢のSD系雄ラットを固形飼料(ラボMR−ストック:日本農産製)にて1週間予備飼育した後、大豆油投与群、中鎖脂肪酸トリグリセリドを100%含有する油脂組成物投与群の計2群に分け、18時間絶食後、体重あたり乳化油脂7,500mg/kgをゾンデを用いて強制的に経口投与した。投与後30分、1時間、2時間、3時間目に、各群4匹ずつ腹大動脈より採血を行い、得られた血清中の中性脂肪濃度を酵素法にて測定した。
その結果を経時的血中中性脂肪濃度として表12に示す。
上記方法によって乳化油脂強制投与後、血中中性脂肪値を経時的に測定した結果、大豆油投与群に比べ油脂組成物投与群の血中中性脂肪は明らかに増加しなかった。
本結果および前記実施例のUCP−2の発現亢進効果の評価結果から、中鎖脂肪酸トリグリセリドを単回摂取した場合、肝臓等での好適な燃焼等の理由から、単回摂取による血中中性脂肪の上昇は認められないことがわかった。
<in vivo長期>
[実施例11]ラット1
6週齢のWistar雄性ラットを1週間予備飼育した後、大豆油添加群、中鎖脂肪酸トリグリセリドを100%含有する油脂組成物添加群の計2群(各群20匹)に分け、AIN93標準食のシュークロースを全てコーンスターチに置換した実験食と水を自由に与えた。経時的に体重変化、摂餌量を測定し、6週間飼育後、各群のラットを屠殺し、肝臓および内臓脂肪(副睾丸周囲脂肪、腸間膜脂肪、腎周囲脂肪)を摘出、重量を測定した。さらに屠体の内臓を摘出後、凍結乾燥にかけ、ソックスレー法により求めた総脂肪量と屠体重とから皮下脂肪量を算出し、内臓脂肪量とあわせて体脂肪量を求め、体脂肪重量を算出した。
上記方法によって体脂肪蓄積抑制効果を評価した。その結果を生育評価とあわせて表13に示す。
その結果、表13に示されるように、摂餌量は群間に有意な差はなかったが、油脂組成物添加群において大豆油添加群よりも体脂肪重量は減少した。さらに、内臓脂肪量および皮下脂肪量共に大豆油添加群よりも有意に減少した。なお、飼育期間中には両群とも軟便、下痢などの症状は見られず、便の量にも差は見られなかった。
<製法例1>
大豆サラダ油(日清製油(株)製)86質量部と構成脂肪酸が重量比でカプリル酸/カプリン酸=3/1であるMCT14質量部との混合物にリパーゼQL(名糖産業(株)製)0.1重量部を添加し、攪拌下60℃で15時間、エステル交換反応を行った。反応生成物から酵素を濾別し、濾液を水洗、乾燥後、脱色、脱臭してMLCTを得た。該MLCTの構成脂肪酸中の中鎖脂肪酸は13質量%であった。
[実施例12]ラット2
6週齢のWistar雄性ラットを1週間予備飼育した後、長鎖脂肪酸トリグリセリドを100%含有する油脂組成物添加群(LCT)、上記製法例1に基づいて作製したMLCTを100%含有する油脂組成物添加群(MLCT)、中鎖脂肪酸トリグリセリドを13%および長鎖脂肪酸トリグリセリドを87%含有する油脂組成物添加群(MIX)、の計3群(各群20匹)に分け、AIN93標準食の実験食と水を自由に与えた。経時的に体重変化、摂餌量を測定し、6週間飼育し18時間絶食後、各群のラットを屠殺し、肝臓および内臓脂肪(副睾丸周囲脂肪、腸間膜脂肪、腎周囲脂肪)を摘出、重量を測定した。さらに屠体の内臓を摘出後、凍結乾燥にかけ、ソックスレー法により求めた総脂肪量と屠体重とから皮下脂肪量を算出し、内臓脂肪量とあわせて体脂肪量を求め、体脂肪重量を算出した。
上記方法によって体脂肪蓄積抑制効果を評価した。その結果を生育評価とあわせて表14に示す。
その結果、表14に示されるように、MLCTおよびMIXにおいてLCTよりも体脂肪重量は有意に減少した。さらに、内臓脂肪量および皮下脂肪量共にLCTよりも有意に減少した。また、MLCTとMIXとの差異は認められなかったことから、両者に長期摂取による体脂肪低減効果、痩身効果に違いはないことがわかった。なお、飼育期間中に各群とも軟便、下痢などの症状は見られず、便の量にも差は見られなかった。
[実施例13]ヒト1
健康で病歴の無いボランティア82名(21〜59歳、BMI24.6±0.3kg/m2)に対し、調合油(LCT)摂取群と上記製法例1に基づいて作製したMLCTを100%含有する油脂組成物(MLCT)摂取群の、計2群にランダムに分け、試験油脂の摂取量を14g/日に設定し、パンに含有させて朝食で摂取させた。試験期間は12週間とし、試験開始4週毎に健康診断(身体および血液測定)を実施した。内臓脂肪および皮下脂肪量は、CT画像によりその面積を算出した。尚、研究は、対照比較、二重盲検法で行われ、1995年ヘルシンキ宣言に従い倫理委員会の承認を得て実施された。
上記方法によって体重、BMI、ウエスト、ヒップ、体脂肪量、内臓脂肪および皮下脂肪量を測定し、体脂肪低減効果、痩身効果を検討した。その結果を初期値(0週目の値)に対する変化率として表15に示す。
表15より、体重、BMI、ウエスト、ヒップ、体脂肪量、内臓および皮下脂肪面積がいずれもLCT摂取群に比べ、MLCT摂取群で有意に低下していた。このことから、本発明品の長期摂取により体脂肪低減効果や痩身効果が得られることがわかった。
<処方例1 錠組成物>
次に示す処方及び下記の製法で錠組成物を調製した。
上記配合比率にて、各物質をよく混合し、この混合物を打錠して一錠300mgの錠組成物を得た。
<処方例2 カプセル組成物>
次に示す処方及び下記の製法でカプセル組成物を調製した。
上記配合比率にて、各物質をよく混合したものを、カプセルに充填してカプセル組成物を得た。
<処方例3 散剤>
次に示す処方及び下記の製法で散剤を調製した。
上記配合比率にて、まず、中鎖脂肪酸トリグリセリドと乳糖をよく混合した後、ヒドロキシプロピルセルロースを加えて造粒する。これを乾燥後に製粒し、軟質無水ケイ酸を加えてさらによく混合して、散剤を得た。
<処方例4 注射剤>
次に示す処方及び下記の製法で注射剤を調製した。
上記配合比率にて、まず(1)を(2)によく混合した後、(3)を適量加えて全量1mlとし、注射剤を得た。なお、この溶液は、適当量の生理食塩水で希釈することにより投与することができる。
<処方例5 清涼飲料>
次に示す処方及び下記の製法で清涼飲料を調製した。
上記原料を均一に混合し、清涼飲料を得た。
<処方例6 シリアル食品>
次に示す処方及び下記の製法でシリアル食品を調製した。
上記配合比率にて混合したものを、加水、成型し、オーブンで加熱乾燥して、球形状のシリアル食品を得た。
<処方例7 食用調合油脂>
次に示す処方及び下記の製法で食用調合油脂を調製した。
上記配合比率にて、攪拌機を用いて溶解を行い、食用調合油脂を製造した。
<処方例8 マーガリン>
次に示す処方及び下記の製法でマーガリンを調製した。
上記原料を常法により混合し、コンビネーターを用い急冷混捏処理してマーガリンを得た。
<処方例9 ドレッシング>
次に示す処方及び下記の製法でドレッシングを調製した。
上記配合比率にて、まず大豆サラダ油、中鎖脂肪酸トリグリセリドを除く原材料を、攪拌機付きの加温可能な容器に投入し、プロペラ攪拌機を用いて100rpmで攪拌しながら品温が90℃になるまで加熱し、品温を90℃に保持しながら25分間攪拌を行った。その後、品温が20℃になるまで冷却して大豆サラダ油、中鎖脂肪酸トリグリセリドと合わせてドレッシングを得た。
<処方例10 マヨネーズ>
次に示す処方及び下記の製法でマヨネーズを調製した。
上記配合比率にて、まず大豆サラダ油、中鎖脂肪酸トリグリセリド、加塩卵黄を除く原材料を、混合攪拌しながら90℃まで加熱し、90℃に保持しながら25分間攪拌を行った。20℃まで冷却した後、大豆サラダ油、中鎖脂肪酸トリグリセリド、加塩卵黄を合わせて減圧下で撹拌し、マヨネーズを得た。
〔処方例11 マーガリン〕
次に示す処方及び下記の製法でマーガリンを調製した。
上記表26の原料を常法により混合し、コンビネーターを用い急冷混捏処理してマーガリンを得た。
[処方例12 ドレッシング]
次に示す処方及び下記の製法でドレッシングを調製した。
上記表27の配合比率にて、まず油脂組成物Aを除く原材料を、攪拌機付きの加温可能な容器に投入し、プロペラ攪拌機を用いて100rpmで攪拌しながら品温が90℃になるまで加熱し、品温を90℃に保持しながら25分間攪拌を行った。その後、品温が20℃になるまで冷却して油脂組成物Aと合わせてドレッシングを得た。
〔処方例13 マヨネーズ〕
次に示す処方及び下記の製法でマヨネーズを調製した。
上記表28の配合比率にて、まず油脂組成物A、加塩卵黄を除く原材料を、混合攪拌しながら90℃まで加熱し、90℃に保持しながら25分間攪拌を行った。20℃まで冷却した後、油脂組成物A、加塩卵黄を合わせて減圧下で撹拌し、マヨネーズを得た。
〔製造例1〕
菜種白絞油(日清製油(株)製)80質量部と構成脂肪酸が質量比でカプリル酸/カプリン酸=3/1であるMCT20質量部とを混合後、減圧下120℃で攪拌し、脱気および脱水処理を行った。これに触媒としてナトリウムメチラート0.1質量部を加え、120℃で30分間、ランダムエステル交換反応を行った。反応生成物を常法により水洗、乾燥後、脱色、脱臭して油脂組成物Aを得た。
本発明の体脂肪低減剤、皮下脂肪低減剤、痩身剤、皮下脂肪を低減しやすい体質または蓄積しにくい体質への改質剤等を摂取することで優れた痩身効果や、肥満から由来する各種疾患を予防・治療等することができる。
また、中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルは人体に安全であり、食事等において自然に摂取することで本発明の効果を得ることができる。
さらに、体質改質剤により、例えば、痩せやすい体質や皮下脂肪が蓄積しにくい体質となることで、本発明の機能剤を摂取しない場合でも、その効果を得ることができるため好ましい。
その結果を経時的血中中性脂肪濃度として表12に示す。
上記方法によって乳化油脂強制投与後、血中中性脂肪値を経時的に測定した結果、大豆油投与群に比べ油脂組成物投与群の血中中性脂肪は明らかに増加しなかった。
本結果および前記実施例のUCP−2の発現亢進効果の評価結果から、中鎖脂肪酸トリグリセリドを単回摂取した場合、肝臓等での好適な燃焼等の理由から、単回摂取による血中中性脂肪の上昇は認められないことがわかった。
<in vivo長期>
[実施例11]ラット1
6週齢のWistar雄性ラットを1週間予備飼育した後、大豆油添加群、中鎖脂肪酸トリグリセリドを100%含有する油脂組成物添加群の計2群(各群20匹)に分け、AIN93標準食のシュークロースを全てコーンスターチに置換した実験食と水を自由に与えた。経時的に体重変化、摂餌量を測定し、6週間飼育後、各群のラットを屠殺し、肝臓および内臓脂肪(副睾丸周囲脂肪、腸間膜脂肪、腎周囲脂肪)を摘出、重量を測定した。さらに屠体の内臓を摘出後、凍結乾燥にかけ、ソックスレー法により求めた総脂肪量と屠体重とから皮下脂肪量を算出し、内臓脂肪量とあわせて体脂肪量を求め、体脂肪重量を算出した。
上記方法によって体脂肪蓄積抑制効果を評価した。その結果を生育評価とあわせて表13に示す。
その結果、表13に示されるように、摂餌量は群間に有意な差はなかったが、油脂組成物添加群において大豆油添加群よりも体脂肪重量は減少した。さらに、内臓脂肪量および皮下脂肪量共に大豆油添加群よりも有意に減少した。なお、飼育期間中には両群とも軟便、下痢などの症状は見られず、便の量にも差は見られなかった。
<製法例1>
大豆サラダ油(日清製油(株)製)86質量部と構成脂肪酸が重量比でカプリル酸/カプリン酸=3/1であるMCT14質量部との混合物にリパーゼQL(名糖産業(株)製)0.1重量部を添加し、攪拌下60℃で15時間、エステル交換反応を行った。反応生成物から酵素を濾別し、濾液を水洗、乾燥後、脱色、脱臭してMLCTを得た。該MLCTの構成脂肪酸中の中鎖脂肪酸は13質量%であった。
[実施例12]ラット2
6週齢のWistar雄性ラットを1週間予備飼育した後、長鎖脂肪酸トリグリセリドを100%含有する油脂組成物添加群(LCT)、上記製法例1に基づいて作製したMLCTを100%含有する油脂組成物添加群(MLCT)、中鎖脂肪酸トリグリセリドを13%および長鎖脂肪酸トリグリセリドを87%含有する油脂組成物添加群(MIX)、の計3群(各群20匹)に分け、AIN93標準食の実験食と水を自由に与えた。経時的に体重変化、摂餌量を測定し、6週間飼育し18時間絶食後、各群のラットを屠殺し、肝臓および内臓脂肪(副睾丸周囲脂肪、腸間膜脂肪、腎周囲脂肪)を摘出、重量を測定した。さらに屠体の内臓を摘出後、凍結乾燥にかけ、ソックスレー法により求めた総脂肪量と屠体重とから皮下脂肪量を算出し、内臓脂肪量とあわせて体脂肪量を求め、体脂肪重量を算出した。
上記方法によって体脂肪蓄積抑制効果を評価した。その結果を生育評価とあわせて表14に示す。
その結果、表14に示されるように、MLCTおよびMIXにおいてLCTよりも体脂肪重量は有意に減少した。さらに、内臓脂肪量および皮下脂肪量共にLCTよりも有意に減少した。また、MLCTとMIXとの差異は認められなかったことから、両者に長期摂取による体脂肪低減効果、痩身効果に違いはないことがわかった。なお、飼育期間中に各群とも軟便、下痢などの症状は見られず、便の量にも差は見られなかった。
[実施例13]ヒト1
健康で病歴の無いボランティア82名(21〜59歳、BMI24.6±0.3kg/m2)に対し、調合油(LCT)摂取群と上記製法例1に基づいて作製したMLCTを100%含有する油脂組成物(MLCT)摂取群の、計2群にランダムに分け、試験油脂の摂取量を14g/日に設定し、パンに含有させて朝食で摂取させた。試験期間は12週間とし、試験開始4週毎に健康診断(身体および血液測定)を実施した。内臓脂肪および皮下脂肪量は、CT画像によりその面積を算出した。尚、研究は、対照比較、二重盲検法で行われ、1995年ヘルシンキ宣言に従い倫理委員会の承認を得て実施された。
上記方法によって体重、BMI、ウエスト、ヒップ、体脂肪量、内臓脂肪および皮下脂肪量を測定し、体脂肪低減効果、痩身効果を検討した。その結果を初期値(0週目の値)に対する変化率として表15に示す。
表15より、体重、BMI、ウエスト、ヒップ、体脂肪量、内臓および皮下脂肪面積がいずれもLCT摂取群に比べ、MLCT摂取群で有意に低下していた。このことから、本発明品の長期摂取により体脂肪低減効果や痩身効果が得られることがわかった。
<処方例1 錠組成物>
次に示す処方及び下記の製法で錠組成物を調製した。
上記配合比率にて、各物質をよく混合し、この混合物を打錠して一錠300mgの錠組成物を得た。
<処方例2 カプセル組成物>
次に示す処方及び下記の製法でカプセル組成物を調製した。
上記配合比率にて、各物質をよく混合したものを、カプセルに充填してカプセル組成物を得た。
<処方例3 散剤>
次に示す処方及び下記の製法で散剤を調製した。
上記配合比率にて、まず、中鎖脂肪酸トリグリセリドと乳糖をよく混合した後、ヒドロキシプロピルセルロースを加えて造粒する。これを乾燥後に製粒し、軟質無水ケイ酸を加えてさらによく混合して、散剤を得た。
<処方例4 注射剤>
次に示す処方及び下記の製法で注射剤を調製した。
上記配合比率にて、まず(1)を(2)によく混合した後、(3)を適量加えて全量1mlとし、注射剤を得た。なお、この溶液は、適当量の生理食塩水で希釈することにより投与することができる。
<処方例5 清涼飲料>
次に示す処方及び下記の製法で清涼飲料を調製した。
上記原料を均一に混合し、清涼飲料を得た。
<処方例6 シリアル食品>
次に示す処方及び下記の製法でシリアル食品を調製した。
上記配合比率にて混合したものを、加水、成型し、オーブンで加熱乾燥して、球形状のシリアル食品を得た。
<処方例7 食用調合油脂>
次に示す処方及び下記の製法で食用調合油脂を調製した。
上記配合比率にて、攪拌機を用いて溶解を行い、食用調合油脂を製造した。
<処方例8 マーガリン>
次に示す処方及び下記の製法でマーガリンを調製した。
上記原料を常法により混合し、コンビネーターを用い急冷混捏処理してマーガリンを得た。
<処方例9 ドレッシング>
次に示す処方及び下記の製法でドレッシングを調製した。
上記配合比率にて、まず大豆サラダ油、中鎖脂肪酸トリグリセリドを除く原材料を、攪拌機付きの加温可能な容器に投入し、プロペラ攪拌機を用いて100rpmで攪拌しながら品温が90℃になるまで加熱し、品温を90℃に保持しながら25分間攪拌を行った。その後、品温が20℃になるまで冷却して大豆サラダ油、中鎖脂肪酸トリグリセリドと合わせてドレッシングを得た。
<処方例10 マヨネーズ>
次に示す処方及び下記の製法でマヨネーズを調製した。
上記配合比率にて、まず大豆サラダ油、中鎖脂肪酸トリグリセリド、加塩卵黄を除く原材料を、混合攪拌しながら90℃まで加熱し、90℃に保持しながら25分間攪拌を行った。20℃まで冷却した後、大豆サラダ油、中鎖脂肪酸トリグリセリド、加塩卵黄を合わせて減圧下で撹拌し、マヨネーズを得た。
〔処方例11 マーガリン〕
次に示す処方及び下記の製法でマーガリンを調製した。
上記表26の原料を常法により混合し、コンビネーターを用い急冷混捏処理してマーガリンを得た。
[処方例12 ドレッシング]
次に示す処方及び下記の製法でドレッシングを調製した。
上記表27の配合比率にて、まず油脂組成物Aを除く原材料を、攪拌機付きの加温可能な容器に投入し、プロペラ攪拌機を用いて100rpmで攪拌しながら品温が90℃になるまで加熱し、品温を90℃に保持しながら25分間攪拌を行った。その後、品温が20℃になるまで冷却して油脂組成物Aと合わせてドレッシングを得た。
〔処方例13 マヨネーズ〕
次に示す処方及び下記の製法でマヨネーズを調製した。
上記表28の配合比率にて、まず油脂組成物A、加塩卵黄を除く原材料を、混合攪拌しながら90℃まで加熱し、90℃に保持しながら25分間攪拌を行った。20℃まで冷却した後、油脂組成物A、加塩卵黄を合わせて減圧下で撹拌し、マヨネーズを得た。
〔製造例1〕
菜種白絞油(日清製油(株)製)80質量部と構成脂肪酸が質量比でカプリル酸/カプリン酸=3/1であるMCT20質量部とを混合後、減圧下120℃で攪拌し、脱気および脱水処理を行った。これに触媒としてナトリウムメチラート0.1質量部を加え、120℃で30分間、ランダムエステル交換反応を行った。反応生成物を常法により水洗、乾燥後、脱色、脱臭して油脂組成物Aを得た。
本発明の体脂肪低減剤、皮下脂肪低減剤、痩身剤、皮下脂肪を低減しやすい体質または蓄積しにくい体質への改質剤等を摂取することで優れた痩身効果や、肥満から由来する各種疾患を予防・治療等することができる。
また、中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルは人体に安全であり、食事等において自然に摂取することで本発明の効果を得ることができる。
さらに、体質改質剤により、例えば、痩せやすい体質や皮下脂肪が蓄積しにくい体質となることで、本発明の機能剤を摂取しない場合でも、その効果を得ることができるため好ましい。
Claims (50)
- 中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルを有効成分とする体脂肪低減剤。
- 少なくとも中鎖脂肪酸および長鎖脂肪酸を構成脂肪酸とするグリセリン脂肪酸エステルを有効成分とする体脂肪低減剤。
- 中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルを有効成分とする皮下脂肪低減剤。
- 中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルを有効成分とする皮下脂肪が低減しやすい体質への体質改質剤。
- 中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルを有効成分とする皮下脂肪が蓄積しにくい体質への体質改質剤。
- 中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルを有効成分とする痩身剤。
- 少なくとも中鎖脂肪酸および長鎖脂肪酸を構成脂肪酸とするグリセリン脂肪酸エステルを有効成分とする痩身剤。
- 中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルを有効成分とする外観痩身剤。
- 中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルを有効成分とする美容痩身剤。
- 中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルを有効成分とする、痩せやすい体質への体質改質剤。
- 中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルを有効成分とする、太りにくい体質への体質改質剤。
- 中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルを有効成分とする、肥満由来疾患の予防および/または改善剤。
- 前記疾患が、糖尿病、高血圧、高脂血症、脂肪肝、痛風のいずれか1以上である請求項12に記載の予防および/または改善剤。
- 中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルを有効成分とする体脂肪低減用油脂組成物。
- 少なくとも中鎖脂肪酸および長鎖脂肪酸を構成脂肪酸とするグリセリン脂肪酸エステルを有効成分とする体脂肪低減用油脂組成物。
- 中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルを有効成分とする皮下脂肪低減用油脂組成物。
- 中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルを有効成分とする皮下脂肪が低減しやすい体質への体質改質用油脂組成物。
- 中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルを有効成分とする皮下脂肪が蓄積しにくい体質への体質改質用油脂組成物。
- 中鎮脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルを有効成分とする痩身用油脂組成物。
- 少なくとも中鎖脂肪酸および長鎖脂肪酸を構成脂肪酸とするグリセリン脂肪酸エステルを有効成分とする痩身用油脂組成物。
- 中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルを有効成分とする外観痩身用油脂組成物。
- 中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルを有効成分とする美容痩身用油脂組成物。
- 中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルを有効成分とする、痩せやすい体質への体質改質用油脂組成物。
- 中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルを有効成分とする、太りにくい体質への体質改質用油脂組成物。
- 中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルを有効成分とする、肥満由来疾患の予防および/または改善用油脂組成物。
- 前記疾患が、糖尿病、高血圧、高脂血症、脂肪肝、痛風のいずれか1以上である請求項25に記載の予防および/または改善用油脂組成物。
- 中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルを有効成分とする体脂肪低減用飲食物。
- 少なくとも中鎖脂肪酸および長鎖脂肪酸を構成脂肪酸とするグリセリン脂肪酸エステルを有効成分とする体脂肪低減用飲食物。
- 中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルを有効成分とする皮下脂肪低減用飲食物。
- 中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルを有効成分とする皮下脂肪が低減しやすい体質への体質改質用飲食物。
- 中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルを有効成分とする皮下脂肪が蓄積しにくい体質への体質改質用飲食物。
- 中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルを有効成分とする痩身用飲食物。
- 少なくとも中鎖脂肪酸および長鎖脂肪酸を構成脂肪酸とするグリセリン脂肪酸エステルを有効成分とする痩身用飲食物。
- 中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルを有効成分とする外観痩身用飲食物。
- 中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルを有効成分とする美容痩身用飲食物。
- 中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルを有効成分とする、痩せやすい体質への体質改質用飲食物。
- 中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルを有効成分とする、太りにくい体質への体質改質用飲食物。
- 中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルを有効成分とする、肥満由来疾患の予防および/または改善用飲食物。
- 前記疾患が、糖尿病、高血圧、高脂血症、脂肪肝、痛風のいずれか1以上である請求項38に記載の予防および/または改善用飲食物。
- 中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルを体脂肪低減として使用する方法。
- 中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルを皮下脂肪が低減しやすい体質への体質改質剤として使用する方法。
- 中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルを皮下脂肪が蓄積しにくい体質への体質改質剤として使用する方法。
- 中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルを痩身剤として使用する方法。
- 中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルを外観痩身剤として使用する方法。
- 中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルを美容痩身剤として使用する方法。
- 中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルを痩せやすい体質への体質改質剤として使用する方法。
- 中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルを太りにくい体質への体質改質剤として使用する方法。
- 中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルを肥満由来疾患の予防および/または改善剤として使用する方法。
- 中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルを有効成分とする体脂肪低減剤原料。
- 中鎖脂肪酸および/または中鎖脂肪酸を含むグリセリン脂肪酸エステルを有効成分とする痩身剤原料。
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Cited By (1)
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