JP2020022645A - 印刷された固体製剤の製造方法、固体製剤の保管方法、固体製剤の印刷物、固体製剤の製造装置及び固体製剤の製造システム - Google Patents

印刷された固体製剤の製造方法、固体製剤の保管方法、固体製剤の印刷物、固体製剤の製造装置及び固体製剤の製造システム Download PDF

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Abstract

【課題】医薬品や食品等の固体製剤表面に於ける印刷画像の転写を防止又は低減することが可能な印刷された固体製剤の製造方法、固体製剤の保管方法、固体製剤の印刷物及び印刷装置を提供する。【解決手段】本発明に係る印刷された固体製剤の製造方法は、少なくとも1種の染料を含む染料インクを用いて、固体製剤上に印刷する印刷工程と、印刷後の固体製剤表面に存在する未浸透の前記染料インクを、一定の高湿度環境下で固体製剤に浸透させるエージング工程と、を含むことを特徴とする。また、本発明に係る固体製剤の保管方法は、少なくとも1種の染料を含む染料インクで印刷された固体製剤に対し、当該固体製剤表面に存在する未浸透の前記染料インクを固体製剤に浸透させるために、高湿度環境下でエージング処理しながら保管を行うことを特徴とする。【選択図】 図1

Description

本発明は、印刷された固体製剤の製造方法、固体製剤の保管方法、固体製剤の印刷物、固体製剤の製造装置及び固体製剤の製造システムに関し、より詳細には、印刷画像の転写の発生を防止又は低減することが可能な印刷された固体製剤の製造方法、固体製剤の保管方法、固体製剤の印刷物、固体製剤の製造装置及び固体製剤の製造システムに関する。
医薬品や食品等の固体製剤(例えば、錠剤やカプセル剤等)への印刷に用いるインクジェット用インクは、薬事法等で定められた原材料で構成される必要がある。固体製剤印刷用のインクジェット用インクは、顔料を分散させた顔料インクと、染料を溶解させた染料インク(例えば、特許文献1)に大別される。そして、染料インクは一般に、錠剤等に対して浸透しやすく、内部で染料インクが定着する利点がある。
しかし、比較的浸透性の高い染料インクの場合でも、印刷後の固体製剤が他の固体製剤等に接触したときに、印刷画像が他の固体製剤等に転写し、印刷品質が低下するという問題がある。特に、他の固体製剤等との印刷面での接触時間が長い場合や、高温・高湿の環境下で保管する場合、あるいは固体製剤がカプセル錠や糖衣錠である場合には、印刷画像の転写の発生が著しい。従って、染料インクを用いる場合であっても、印刷画像の転写の発生を防止又は低減することが可能な、印刷された固体製剤の製造方法や保管方法等が求められている。
特開2011−236279号
本発明は前記問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、医薬品や食品等の固体製剤表面に於ける印刷画像の転写を防止又は低減することが可能な印刷された固体製剤の製造方法、固体製剤の保管方法、固体製剤の印刷物、固体製剤の製造装置及び固体製剤の製造システムを提供することにある。
本願発明者等は、前記問題点を解決すべく、印刷された固体製剤の製造方法、固体製剤の保管方法、固体製剤の印刷物、固体製剤の製造装置及び固体製剤の製造システムについて検討した。その結果、下記構成を採用することにより前記の問題点を解決できることを見出して、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明に係る印刷された固体製剤の製造方法は、前記の課題を解決するために、少なくとも1種の染料を含む染料インクを用いて、固体製剤上に印刷する印刷工程と、印刷後の固体製剤表面に存在する未浸透の前記染料インクを、一定の高湿度環境下で固体製剤に浸透させるエージング工程と、を含むことを特徴とする。
前記の構成によれば、印刷工程で染料インクにより印刷された固体製剤に対し、エージング工程に於いて高湿度環境下でエージングを行う。これにより、固体製剤表面に存在する未浸透の染料インクを固体製剤に浸透させることが可能になる。その結果、例えば、エージング工程後の固体製剤が、その印刷面に於いて他の固体製剤等と接触しても、染料インクの転写を防止又は低減することができ、印刷画像の画質の維持を図ることができる。
前記の構成に於いて、前記エージング工程は、相対湿度70%以上の環境下で1時間以上行う工程であることが好ましい。これにより、固体製剤表面に存在する未浸透の染料インクの固体製剤への浸透を促進することができ、染料インクの転写をさらに防止又は低減することができる。
前記の構成に於いて、前記エージング工程後の固体製剤を乾燥することにより、当該エージング工程中に固体製剤が吸湿した水分を除去する乾燥工程を含むことが好ましい。
前記の構成に於いて、前記固体製剤の複数に対してエージング工程を同時に行う場合に、当該エージング工程は、複数の固体製剤を任意の距離で相互に離間させた状態で行うことが好ましい。これにより、エージング工程中に固体製剤同士が接触することによる印刷画像の転写の発生を防止することができる。その結果、固体製剤に対する印刷の歩留まりを向上させることができる。
前記の構成に於いては、前記固体製剤が、素錠、フィルムコート錠、糖衣錠、口腔内崩壊錠、ハードカプセル剤又はソフトカプセル剤の形態とすることができる。本発明の製造方法は、剤形がこれらの形態のものであっても、染料インクの転写を防止又は低減することができる。その結果、例えば、印刷画像が、製品情報など、使用者に対し識別性を向上させるための各種情報である場合には、印刷画像の視認性の低下を防止し、調剤ミスや誤飲の防止が図れる。
本発明に係る固体製剤の保管方法は、前記の課題を解決するために、少なくとも1種の染料を含む染料インクで印刷された固体製剤に対し、当該固体製剤表面に存在する未浸透の前記染料インクを固体製剤に浸透させるために、一定の高湿度環境下でエージング処理しながら保管を行うことを特徴とする。
前記の構成によれば、印刷後の固体製剤に対し、これを保管する際に、高湿度環境下でのエージング処理を行う。これにより、固体製剤表面に存在する未浸透の染料インクを、固体製剤の保管中に浸透させることが可能になる。その結果、例えば、エージング処理を伴う保管後の固体製剤が、その印刷面に於いて他の固体製剤等と接触しても、染料インクの転写を防止又は低減することができ、印刷画像の画質の維持を図ることができる。
前記の構成に於いて、前記エージング処理は、相対湿度70%以上の環境下で1時間以上を行うことが好ましい。これにより、固体製剤の表面に存在する未浸透の染料インクの固体製剤への浸透を促進することができ、染料インクの転写をさらに防止又は低減することができる。
前記の構成に於いて、前記エージング処理後の固体製剤を乾燥することにより、当該エージング処理中に固体製剤が吸湿した水分を除去することが好ましい。
前記の構成に於いて、前記固体製剤の複数に対してエージング処理を同時に行う場合に、当該エージング処理は、複数の固体製剤を任意の距離で相互に離間させた状態で行うことが好ましい。これにより、エージング処理を伴う固体製剤の保管中に固体製剤同士が接触することで、染料インクの転写が発生するのを防止することができる。その結果、固体製剤に対する印刷の歩留まりを向上させることができる。
前記の構成に於いては、前記固体製剤が、素錠、フィルムコート錠、糖衣錠、口腔内崩壊錠、ハードカプセル剤又はソフトカプセル剤の形態とすることができる。本発明の保管方法は、剤形がこれらの形態のものであっても、染料インクの転写を防止又は低減することができる。その結果、例えば、印刷画像が、製品情報など、使用者に対し識別性を向上させるための各種情報である場合には、印刷画像の視認性の低下を防止し、調剤ミスや誤飲の防止が図れる。
本発明に係る固体製剤の印刷物は、前記の課題を解決するために、前記印刷された固体製剤の製造方法により得られる固体製剤、又は前記固体製剤の保管方法により保管された固体製剤の印刷物であって、前記印刷画像を形成する前記染料インクが、前記固体製剤の表層部分に浸透しており、かつ、前記固体製剤の表面には未浸透の前記染料インクが存在しないことを特徴とする。
前記の構成によれば、前記固体製剤の製造方法で印刷された画像は、印刷工程後の固体製剤に対しエージング工程を行うことで、固体製剤表面に存在する未浸透の染料インクを固体製剤に浸透させている。また、前記固体製剤の保管方法で保管された固体製剤については、印刷後の固体製剤に対し、エージング処理を伴う保管を行うことで、固体製剤表面に存在する未浸透の染料インクを固体製剤に浸透させている。即ち、前記の構成によれば、固体製剤の表面に未浸透の染料インクが存在しない固体製剤を得ることができる。そのため、例えば製品情報等使用者に対し識別性を向上させるための各種情報を固体製剤に印刷した場合にも、印刷画像の転写を防止又は低減し、印刷画像の視認性が良好で、調剤ミスや誤飲の防止を可能にした固体製剤を提供することができる。
本発明に係る固体製剤の製造装置は、前記の課題を解決するために、印刷された固体製剤を製造する固体製剤の製造装置であって、印刷前の固体製剤を搬送する搬送機構と、少なくとも1種の染料を含む染料インクを用いて、前記搬送機構によって搬送される前記印刷前の固体製剤上に印刷を行う印刷部と、前記印刷部によって印刷された前記固体製剤表面に存在する未浸透の前記染料インクを、一定の高湿度環境下で固体製剤に浸透させるエージング機構と、を備えることを特徴とする。
前記の構成によれば、搬送機構により搬送され、印刷部で染料インクにより印刷された固体製剤に対し、エージング機構に於いて高湿度環境下でエージングを行う。これにより、固体製剤表面に存在する未浸透の染料インクを固体製剤に浸透させることが可能になる。その結果、例えば、エージング後の固体製剤が、その印刷面に於いて他の固体製剤等と接触しても、染料インクの転写を防止又は低減することができ、印刷画像の画質の維持を図ることができる。また、前記の構成によれば、印刷とエージングを単一の装置内にて、インラインで行うことが可能になる。
また、本発明に係る固体製剤の製造システムは、前記の課題を解決するために、印刷された固体製剤を製造する固体製剤の製造システムであって、印刷前の固体製剤を搬送する搬送機構、及び、少なくとも1種の染料を含む染料インクを用いて、前記搬送機構によって搬送される前記印刷前の固体製剤上に印刷を行う印刷部を備える印刷装置と、前記印刷装置によって印刷された前記固体製剤表面に存在する未浸透の前記染料インクを、一定の高湿度環境下で固体製剤に浸透させるエージング装置と、を備えることを特徴とする。
前記の構成によれば、印刷装置では、搬送機構により搬送される固体製剤に対し、印刷部で染料インクを用いて印刷する。さらに、エージング装置では、印刷後の固体製剤に対し高湿度環境下でエージングを行う。これにより、固体製剤表面に存在する未浸透の染料インクを固体製剤に浸透させることが可能になる。その結果、例えば、エージング後の固体製剤が、その印刷面に於いて他の固体製剤等と接触しても、染料インクの転写を防止又は低減することができ、印刷画像の画質の維持を図ることができる。また、前記の構成によれば、印刷とエージングをそれぞれ異なる装置にて、アウトラインで行うことが可能になる。
本発明によれば、染料インクによる印刷後の固体製剤に対し高湿度環境下でエージングを行うことで、固体製剤表面に存在する未浸透の染料インクを固体製剤に浸透させることが可能になる。その結果、例えば、固体製剤が、その印刷面に於いて他の固体製剤等と接触しても、染料インクの転写を防止又は低減することができ、印刷画像の画質の維持を図ることができるという効果を奏する。
本発明の実施の一形態に係る固体製剤の印刷システムの概略を表す模式図である。 固体製剤の印刷装置に於ける搬送機構を表す部分斜視図である。 固体製剤の印刷装置に於けるヘッドの吐出面を表す説明図である。 本発明の実施の一形態に係る固体製剤の印刷装置の概略を表す模式図である。
(印刷された固体製剤の製造方法)
本実施の形態の印刷された固体製剤の製造方法は、固体製剤の表面に染料インクによる画像を印刷する印刷工程と、印刷工程後に固体製剤の表面に存在する未浸透の染料インクを固体製剤に浸透させるエージング工程とを少なくとも含む。
印刷工程は、固体製剤の表面に、染料インクを用いて画像を形成する工程である。印刷方法としては特に限定されないが、インクジェット方式による印刷が好ましい。インクジェット方式による印刷は、より具体的には、微細なノズルより、染料インクを液滴として吐出し、その液滴を固体製剤上に付着させることにより行う。染料インクの吐出方法としては特に限定されず、例えば、連続噴射型(荷電制御型、スプレー型等)、オンデマンド型(ピエゾ方式、サーマル方式、静電吸引方式等)等の公知の方法を採用することができる。インク滴の吐出量、印刷速度等の印刷条件は特に限定されず、適宜必要に応じて設定することができる。
染料インクは水性インク組成物からなり、当該水性インク組成物は、少なくとも1種の染料と、主溶媒としての水とを含む。また、水性インク組成物は、薬事法で定める医薬品添加物、日本薬局方又は食品添加物公定書の基準に適合した材料を用いることにより、可食性を有するものにすることができる。ここで、本明細書に於いて「可食性」とは、医薬品若しくは医薬品添加物として経口投与が認められている物質、及び/又は食品若しくは食品添加物として認められているものを意味する。
染料としては特に限定されず、従来公知の食用合成色素(合成タール色素)や食用天然色素等が挙げられる。
食用合成色素としては、アゾ系染料、トリフェニルメタン系染料、キサンテン系染料及びインジゴイド系染料からなる群より選ばれる少なくとも1種が挙げられる。さらに、アゾ系染料としては特に限定されず、例えば、赤色2号、赤色102号、赤色40号、黄色4号及び黄色5号からなる群より選ばれる少なくとも1種が挙げられる。トリフェニルメタン系染料としては特に限定されず、例えば、青色1号又は緑色3号の少なくとも何れかが挙げられる。キサンテン系染料としては特に限定されず、例えば、赤色3号、赤色104号、赤色105号及び赤色106号からなる群より選ばれる少なくとも1種が挙げられる。インジゴイド系染料としては、青色2号が挙げられる。
また、食用天然色素としては、コチニール色素、銅クロロフィリンナトリウム、カカオ色素及びカラメル色素からなる群より選ばれる少なくとも1種が挙げられる。
これらの染料は、適宜必要に応じて、単独で又は二種以上を混合して用いることができる。また、これらの染料は、薬事法で定める医薬品添加物、日本薬局方又は食品添加物公定書の基準に適合したものである。
染料の含有量は、水性インク組成物の全質量に対し、0.5質量%〜12質量%の範囲内であることが好ましく、1質量%〜5質量%の範囲内であることがより好ましい。染料の含有量が0.5質量%以上であると、多くの染料で印刷画像の濃度が不十分となるのを防止することができる。その一方、染料の含有量が12質量%以下であると、例えば、インクジェット方式での印刷の際に、インクジェットヘッドのノズルで、染料成分が析出するのを防止することができる。
本実施の形態の水性インク組成物に於いては、水(主溶媒としての水)を含有する。水としては、イオン交換水、限外ろ過水、逆浸透水、蒸留水等の純水、又は超純水等のイオン性不純物を除去したものを用いるのが好ましい。特に、紫外線照射又は過酸化水素添加等により滅菌処理した水は、長期間にわたってカビやバクテリアの発生を防止することができるので好適である。また、水の含有量としては特に限定されず、適宜必要に応じて設定することができる。
また、本実施の形態の水性インク組成物に於いては、薬事法で定める医薬品添加物、日本薬局方又は食品添加物公定書の基準に適合するものであれば、その他の添加剤が配合されていてもよい。添加剤としては、表面張力調整剤、湿潤剤、水溶性樹脂、有機アミン、界面活性剤、pH調整剤、キレート化剤、防腐剤、粘度調整剤、消泡剤、褪色抑制剤等が挙げられる。表面張力調整剤、湿潤剤及び褪色抑制剤を除き、これらの添加剤の含有量は特に限定されず、適宜必要に応じて設定することができる(表面張力調整剤、湿潤剤及び褪色抑制剤の含有量については、それぞれ後述する。)。
表面張力調整剤としては、薬事法等の基準に適合するものであれば特に限定されず、具体的には、例えば、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル等が挙げられる。グリセリン脂肪酸エステルとしては、例えば、カプリル酸デカグリセリル、ラウリン酸ヘキサグリセリンエステル、オレイン酸ヘキサグリセリンエステル、縮合リノレン酸テトラグリセリンエステル、脂肪酸エステルヤシパーム、HLBが15以下のラウリン酸デカグリセリル、HLBが13未満のオレイン酸デカグリセリル等が挙げられる。また、ポリグリセリン脂肪酸エステルとしては、モノステアリン酸ポリグリセリル、モノオレイン酸ポリグリセリル、モノイソステアリン酸ポリグリセリル、モノラウリン酸ポリグリセリル、縮合リシノレイン酸ポリグリセリル、モノミリスチン酸デカグリセリル、ペンタイソステアリン酸ポリグリセリル、ペンタオレイン酸ポリグリセリル、ヘプタステアリン酸ポリグリセリル、デカオレイン酸ポリグリセリル等が挙げられる。これらは一種単独で、又は二種以上を混合して用いてもよい。
表面張力調整剤の含有量は、水性インク組成物の全質量に対し、0.1質量%〜10質量%の範囲内であることが好ましく、0.5質量%〜5質量%の範囲内であることがより好ましい。表面張力調整剤の含有量が0.1質量%以上であると、インクジェット方式で印刷を行った場合に、インクジェットヘッドに於けるノズルでのメニスカス形成不良等による吐出不良を防止し、当該ノズルの目詰まりが発生するのを防止することができる。その結果、吐出安定性の向上が図れる。その一方、表面張力調整剤の含有量が10質量%以下であると、表面張力調整剤の不溶分や乳化不良による吐出への悪影響を防止することができる。
湿潤剤としては、薬事法等の基準に適合するものであれば特に限定されず、具体的には、例えば、プロピレングリコール、グリセリン等が挙げられる。
湿潤剤の添加量は、水性インク組成物の全質量に対し、3質量%〜50質量%が好ましく、10質量%〜40質量%がより好ましい。湿潤剤の含有量を3質量%以上にすることにより、インクジェットヘッドのノズル近傍での目詰まりを防止し、吐出性能の一層の向上が図れる。その一方、湿潤剤の含有量を50質量%以下にすることにより、染料インクの粘度を適性に制御することができる。
褪色抑制剤は、特定の染料(以下、「特定染料」という。)に対して、固体製剤に対する浸透性を抑制する機能を有する。即ち、赤色2号、赤色4号、赤色40号、赤色102号、黄色4号、黄色5号、緑3号、青色1号及び銅クロロフィリンナトリウムからなる群より選ばれる少なくとも1種の特定染料は、他の染料と比較して一定の湿度下に於ける固体製剤への浸透性が高い。そのため、例えば、特定染料と他の染料を混合した染料インクで固体製剤表面に印刷した場合には、特定染料は他の染料よりも固体製剤に対する浸透性が高い結果、両者が分離し、他の染料だけが固体製剤表面に残存する。これにより、印刷画像としては他の染料だけで表されることになり、印刷画像の変色が発生する。しかし、褪色抑制剤を水性インク組成物に含有させることにより、特定染料が他の染料と分離して固体製剤に浸透するのを抑制することができる。また褪色抑制剤は、自然光等の光照射により染料が光分解するのを抑制する機能も有する。染料のうち、例えば、赤色2号、赤色40号及び赤色102号のようなアゾ系染料は、光照射により光分解する結果、印刷画像が光褪色する場合がある。しかし、褪色抑制剤は、そのような染料の光分解も抑制するので、印刷画像に光褪色が発生するのを低減することができる。
尚、「褪色」とは、湿度に起因して染料が固体製剤に浸透する結果、印刷画像の彩度が不可逆的に低下することを意味する。また、「変色」とは、湿度に起因して染料が固体製剤に浸透し、当該染料と他の染料が分離する結果、他の染料の色相が当該染料と比べて優位となり、印刷画像全体としての色相が不可逆的に変化することを意味する。「光褪色」とは、自然光等の影響により印刷画像中に含まれる染料が光分解し、これにより印刷画像の色調が不可逆的に変化し、あるいは印刷画像が劣化することを意味する。
褪色抑制剤は、単糖類、二糖類、デキストリン類及び糖アルコール類からなる群より選ばれる少なくとも1種である。
単糖類としては特に限定されず、例えば、グルコース、ガラクトース、マンノース、フルクトース等が挙げられる。これらのうち、本発明に於いてはガラクトース及びフルクトースが好ましい。
二糖類としては特に限定されず、例えば、ショ糖(スクロース、砂糖)、ラクトース(乳糖)、マルトース、トレハロース、パラチノース(イソマルツロース)等が挙げられる。これらのうち、本発明に於いてはマルトース及びトレハロースが好ましい。
デキストリン類としては特に限定されず、例えば、シクロデキストリン等が挙げられる。前記シクロデキストリンとしては特に限定されず、例えば、α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、γ−シクロデキストリン、δ−シクロデキストリン等が挙げられる。
糖アルコール類としては特に限定されず、例えば、マンニトール、エリスリトール、還元イソマルツロース、キシリトール、ソルビトール等が挙げられる。さらに、前記還元イソマルツロースは、イソマルツロースを水素化等することにより還元して得られる化合物である。還元イソマルツロースは、α−D−グルコピラノシル−1,1−マンニトール(以下、「GPM」という。)と、α−D−グルコピラノシル−1,6−ソルビトール(以下、「GPS−6」という。)との混合物である。GPMとGPS−6の混合比は特に限定されないが、通常は略等モル量で両者は混合される。前記糖アルコール類のうち、本発明に於いては還元イソマルツロース、キシリトール及びソルビトールが好ましい。
例示した各褪色抑制剤は一種単独で、又は二種以上を混合して用いることができる。
褪色抑制剤の含有量は、染料インクの全質量に対し50質量%以下であり、好ましくは1質量%〜15質量%、より好ましくは5質量%〜10質量%である。特に、褪色抑制剤としてデキストリン類又は糖アルコール類を用いる場合、これらの含有量は、染料インクの全質量に対し20質量%以下であることが好ましく、好ましくは1質量%〜15質量%、より好ましくは3質量%〜8質量%である。褪色抑制剤の含有量を50質量%以下にすることにより、当該褪色抑制剤が染料インク中に析出するのを防止することができる。
エージング工程は、印刷工程後に、当該固体製剤表面に存在する未浸透の染料インクを、固体製剤に浸透させる工程である。ここで、本明細書に於いて「エージング」とは、固体製剤に印刷された印刷画像が、他の固体製剤等に転写しない状態とすることを目的として、一定の高湿度環境下で、固体製剤表面に存在する未浸透の染料インクを固体製剤に浸透させることを意味する。
エージング工程は一定の高湿度環境下で行われる。エージング工程に於ける相対湿度は、エージング温度やエージング時間にもよるが、好ましくは50%以上、より好ましくは70%以上、さらに好ましくは75%以上である。但し、相対湿度は、前記数値範囲内で、固体製剤の表面に存在する未浸透の染料インクが、当該固体製剤内部に浸透することを前提条件として設定される。相対湿度を50%以上にすることにより、固体製剤表面に未浸透の染料インクが残存するのを低減することができる。尚、相対湿度は固体製剤の吸湿による固体製剤の変質や変形の発生防止の観点からは、80%以下であることが好ましい。
エージング工程に於けるエージング温度は特に限定されず、染料インクの組成や種類、インク滴の吐出量等に応じて適宜設定することができる。エージング温度は、通常は25℃〜40℃の範囲内であり、好ましくは25℃〜35℃、より好ましくは30℃〜35℃である。エージング温度を25℃以上にすることにより、固体製剤表面に存在する未浸透の染料インクの固体製剤への浸透を促進することができる。また、エージング時間の短縮化が図れる。その一方、エージング温度を40℃以下にすることにより、固体製剤の表面変質や軟化(特にカプセル錠)を抑制することができる。尚、エージング温度は、エージング工程を行う間中、一定であることが好ましいが、前記温度範囲内で適時的に変更してもよい。
エージング工程に於けるエージング時間も特に限定されず、染料インクの組成や種類、インク滴の吐出量等に応じて適宜設定することができる。エージング時間は、通常は1時間〜120時間の範囲内であり、好ましくは24時間〜72時間、より好ましくは48時間〜72時間である。エージング時間を1時間以上にすることにより、固体製剤表面に未浸透の染料インクが残存するのを低減することができる。その一方、エージング時間を72時間以下にすることにより、文字の滲みを抑制することができる。
エージング工程を複数の固体製剤に対し同時に行う場合、複数の固体製剤は任意の距離で相互に離間させた状態で行うのが好ましい。これにより、エージング工程中に固体製剤同士が接触して、染料インクが転写するのを防止することができる。その結果、固体製剤に対する印刷の歩留まりを向上させることができる。
本実施の形態のエージング工程は、印刷後の固体製剤の保管方法にも適用可能である。より詳細には、印刷後の固体製剤に対し、当該固体製剤表面に存在する未浸透の前記染料インクを固体製剤に浸透させるために、一定の高湿度環境下でエージング処理をしながら、当該固体製剤の保管を行うことが可能である。
固体製剤の保管に於けるエージング処理の条件(即ち、相対湿度、エージング温度及びエージング時間)は、前述のエージング工程の場合と同様である。
(印刷された固体製剤の製造システム及び製造装置)
本実施の形態に係る印刷された固体製剤の製造方法は、例えば、以下に説明する固体製剤の製造システムを用いて行うことができる。図1は、本実施の形態の製造方法に適用可能な固体製剤の製造システムの概略を表す模式図である。
図1に示すように、製造システム100は、印刷装置1と、印刷装置1とは別途設置されるエージング装置50とを備える。印刷装置1はインクジェット方式での固体製剤2への印刷を可能にし、エージング装置50は印刷装置1により印刷された後の固体製剤2へのエージング処理を可能にするものである。印刷装置1は、より具体的には、搬送機構10、印刷部20、乾燥機構30及び制御部40を少なくとも備える。
搬送機構10は、複数の固体製剤2を保持しつつ搬送する搬送部である。搬送機構10は、一対のプーリ11と、一対のプーリ11の間に掛け渡された環状の搬送ベルト12とを有している。印刷装置1に投入された複数の固体製剤2は、振動フィーダ及び搬送ドラム等により構成される搬入機構10Aによって等間隔に、かつ相互に離間して整列されるとともに、搬送ベルト12の外周面に供給される。一対のプーリ11の一方は、搬送用モータ13から得られる動力により回転する。これにより、搬送ベルト12が、図1中の矢印の方向に回動する。このとき、一対のプーリ11の他方は、搬送ベルト12の回動に伴い従動回転する。
図2は、搬送機構10を表す部分斜視図である。図2に示すように、搬送ベルト12には、複数の吸着孔14が設けられている。複数の吸着孔14は、搬送方向及び幅方向のそれぞれで等間隔に配列されている。また、図1に示すように、搬送機構10は、搬送ベルト12の内側の空間から気体を吸い出す吸引機構15を有する。吸引機構15を動作させると、搬送ベルト12の内側の空間が、大気圧よりも低い負圧となる。この負圧によって、複数の固体製剤2は吸着孔14に吸着保持される。この様に、搬送機構10は、複数の固体製剤2を、複数の吸着孔14に一定の間隔で保持しつつ、搬送ベルト12の回動によって、複数の固体製剤2を搬送する。複数の固体製剤2は、印刷部20の下方に於いて水平方向に搬送される。
また、図1に示すように、搬送機構10は、搬送ベルト12の内側にブロー機構16を備える。ブロー機構16を動作させると、搬送ベルト12の複数の吸着孔14のうち、搬出機構10Bに対向する吸着孔14のみが、大気圧よりも高い陽圧となる。これにより、吸着孔14での固体製剤2の吸着が解除され、固体製剤2は、搬送ベルト12から搬出機構10Bへ受け渡される。搬出機構10Bは、搬送ベルト12から受け渡された固体製剤2を、例えば他の搬送ベルトによって、印刷装置1の外部へ搬出する。
印刷部20は、搬送ベルト12により搬送される固体製剤2の表面に、染料インクを吐出して画像を印刷する。印刷部20は、3つのヘッド21を有している。3つのヘッド21は、搬送ベルト12の上方に位置し、固体製剤2の搬送方向に沿って、一列に配置されている。3つのヘッド21はそれぞれ、インクジェット方式により、搬送機構10により搬送される固体製剤2の表面に向けてインク滴を吐出して印刷工程を行う。
3つのヘッド21は、互いに異なる色(例えば、シアン、マゼンタ及びブラックの各色)のインク滴を吐出する。これらの各色により形成される単色画像の重ね合わせによって、固体製剤2の表面に多色画像を印刷することが可能である。但し、複数のヘッド21が吐出する染料インクの色はこれに限られるものではない。また、各ヘッド21が吐出する染料インクの色が全て異なる色である必要はなく、一部のヘッドが吐出する染料インクの色が同じであってもよい。尚、ヘッド21の数は3つに限定されるものではなく、3つより少なくてもよいし、3つより多くてもよい。
図3は、ヘッド21の下面である吐出面210と、吐出面210の直下で搬送ベルト12により搬送される固体製剤2との配置関係を模式的に表す説明図である。図3では、搬送ベルト12と、搬送ベルト12に吸着保持された複数の固体製剤2とは、二点鎖線で表されている。図3中に拡大して示したように、ヘッド21の下面である吐出面210には、インク滴を吐出可能な複数のノズル211が設けられている。本実施形態では、ヘッド21の下面に、複数のノズル211が、搬送方向及び幅方向に二次元的に配列されている。各ノズル211を二次元的に配置することで、各ノズル211の幅方向の位置を、互いに近接させることができる。但し、複数のノズル211は、幅方向に沿って一列に配列されていてもよい。
印刷装置1に於けるノズル211からのインク滴の吐出方式には、圧電素子であるピエゾ素子に電圧を加えて変形させることにより、ノズル211内のインクを加圧して吐出する、いわゆるピエゾ方式が採用されている。
乾燥機構30は、固体製剤2の表面に付着した染料インクを乾燥させる機構である。乾燥機構30は、搬送ベルト12の周囲の、印刷部20よりも搬送方向下流側の位置に設けられている。乾燥機構30には、例えば、搬送ベルト12により搬送される固体製剤2へ向けて、加熱された気体(熱風)を吹き付ける、熱風供給機構が用いられる。印刷部20から吐出された染料インクは、熱風により乾燥して、固体製剤2表面に定着する。尚、乾燥機構30を設けず、固体製剤2の表面に付着した染料インクを自然乾燥させてもよい。
エージング装置50は、印刷装置1で印刷され、搬出機構10Bから印刷装置1の外部へ搬出された固体製剤2に対しエージング処理を行う。エージング装置50は、図示しない固体製剤保持機構と湿度調整機構を少なくとも備える。固体製剤保持機構は、各固体製剤2を相互に離間した状態で保持する。これにより、固体製剤2同士が接触することがないため、エージング工程中に印刷画像の転写が発生するのを防止し、固体製剤2に対する印刷の歩留まりを向上させることができる。湿度調整機構は、エージング装置50の内部が所定の湿度にて一定となる様に湿度制御する。
尚、エージング装置50は、温度制御機構を備えていてもよい。温度制御機構は、エージング装置50の内部を所定の温度となる様に温度制御する。また、エージング装置50は、乾燥機構を備えていてもよい。乾燥機構は、エージング処理に於いて固体製剤2が吸収した湿気(水分)を蒸発させ、固体製剤2を乾燥させる。乾燥機構は、必ずしもエージング装置50に備えられる必要はなく、エージング装置50とは別に設置されていてもよい。
図1に示す制御部40は、印刷装置1及びエージング装置50内の各部を動作制御するための手段である。制御部40は、CPU等のプロセッサ、RAM等のメモリ、及びハードディスクドライブ等の記憶部を有するコンピュータにより構成される。
制御部40は、上述した搬送用モータ13、吸引機構15、ブロー機構16、印刷部20の3つのヘッド21、搬入機構10A、搬出機構10B、湿度調整機構及びエージング装置50と、それぞれ通信可能に接続されている。制御部40は、記憶部に記憶されたコンピュータプログラムやデータをメモリに一時的に読み出し、コンピュータプログラムに基づいて、プロセッサが演算処理を行うことにより、前記の各部を動作制御する。この様に、ハードウェアとソフトウェアとが協働することにより、複数の固体製剤2に対する印刷処理及びエージング処理が進行する。
尚、本実施の形態に於いては、印刷工程とエージング工程を別の装置で行うアウトラインプロセスの場合を例にして説明した。しかし、本発明はこの態様に限定されるものではなく、印刷工程とエージング工程の両方を、印刷装置内で行うインラインプロセスにて行ってもよい。
図4は、印刷工程とエージング工程をインラインプロセスで行う場合の製造装置1Aの概略を表す模式図である。製造装置1Aは、印刷部20と乾燥機構30の間にエージング機構60を備える点以外は、印刷装置1と同じ構成である。
エージング機構60は、印刷部20により印刷が施された後の固体製剤2にエージング処理を行う機構である。エージング機構60は、図示しない湿度調整機構を備える。エージング機構60は、印刷部20よりも搬送方向の下流側に位置する様に設けられる。搬送ベルト12は、複数の固体製剤2を吸着保持した状態でエージング機構60の内部へ搬送する。各固体製剤2は、搬送ベルト12上に相互に離間した状態で吸着保持されているので、エージング機構60内で、固体製剤2同士が接触することがない。そのため、エージング工程中に印刷画像の転写が発生するのを防止し、固体製剤2に対する印刷の歩留まりを向上させることができる。
さらに、搬送ベルト12は、設定されたエージング時間の経過後にエージング機構60から各固体製剤2を搬出する。エージング機構60の内部は、湿度調整機構により、所定の湿度にて一定となる様に湿度制御されている。また、温度制御により、所定のエージング温度となる様に温度制御されていてもよい。
ここで、印刷装置1における乾燥機構30は、印刷部20による印刷処理によって固体製剤2の表面に付着した染料インクを乾燥させるために機能している。それに対して、製造装置1Aにおける乾燥機構30は、エージング機構60によるエージング処理において固体製剤2が吸収した湿気を蒸発させ、固体製剤2を乾燥させるために機能する。
尚、製造装置1Aは、印刷部20とエージング機構60の間に、印刷部20による印刷処理によって固体製剤2の表面に付着した染料インクを乾燥させる乾燥機構をさらに備えていてもよい。
(固体製剤の印刷物)
本実施の形態の固体製剤の印刷物は、固体製剤の表面に前述の染料インクにて印刷画像が形成されたものである。固体製剤の表面には、未浸透の前記染料インクが存在しておらず、当該表面から一定の深さまで、内部に染料インクが浸透している。
印刷画像の種類は特に限定されず、絵柄、文字、模様及びこれらの組み合わせ等が挙げられ、より具体的には、当該文字等により表された、固体製剤に関する製品情報等が表される。
ここで、本明細書に於いて「固体製剤」とは、食品製剤及び医薬製剤を含む意味であり、医薬品用途であってもよく、食品用途であってもよい。また、固体製剤の形態としては、錠剤及びカプセル剤が挙げられる。錠剤としては特に限定されず、例えば、素錠、フィルムコート錠、糖衣錠及び口腔内崩壊錠が挙げられる。また、カプセル剤としては、ハードカプセル剤及びソフトカプセル剤が挙げられる。
尚、カプセル剤に用いられるカプセル皮膜の材料としては、カプセル状に成形でき、かつ水溶性のものであれば特に限定されない。例えば、ゼラチン、ジェランガム、カラギーナン、水溶性エーテル化澱粉誘導体、可塑化ヒドロキシプロピルメチルセルロース等が挙げられる。また、食品用途の錠剤の例としては、錠菓やサプリメント等の健康食品が挙げられる。
本実施の形態の固体製剤の印刷物は、染料インクによる印刷後の固体製剤にエージング工程を行い、又は印刷後の固体製剤の保管中にエージング処理を行うので、固体製剤の表面に未浸透の染料インクが存在しない。そのため、他の固体製剤等との接触により印刷画像が転写し、これにより印刷画像の視認性が低下するのを防止又は低減することができる。その結果、例えば、製品情報など、使用者に対し識別性を向上させるための各種情報を固体製剤に印刷した場合にも、印刷画像の視認性が良好で、調剤ミスや誤飲の防止を可能にした固体製剤の印刷物を提供することができる。
以下に、この発明の好適な実施例を例示的に詳しく説明する。但し、下記の実施例に記載されている材料や含有量等は、特に限定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらに限定するものではない。また、染料インクの各材料は、何れも薬事法で定める医薬品添加物、日本薬局方又は食品添加物公定書の基準に適合するものである。
(染料インクの調製)
表1に示す通り、3質量%の赤色102号(ダイワ化成(株)製)、1質量%の緑色3号(ダイワ化成(株)製)、1質量%の黄色4号(ダイワ化成(株)製)、6質量%の還元イソマルツロース(褪色抑制剤、三井製糖(株)製)、2質量%のカプリル酸デカグリセリル(表面張力調整剤、商品名:SYグリスター MCA−750、阪本薬品工業(株)製)、30質量%のポリエチレングリコール(湿潤剤)、及び57質量%の精製水を混合して、黒色のインクジェット用水性インク組成物からなる染料インクを作製した。
(実施例1)
前述の作製した染料インクを用いて、インクジェット記録方法により、ソフトカプセル剤(主成分はゼラチン)の一方の面に印刷を行った(印刷工程)。印刷は、インクジェットプリンタ(KC 600dpiヘッド、中速印字治具)を用いてシングルパス(ワンパス)方式にて行った。また、印刷は25℃、相対湿度50%の環境下で行った。
続いて、印刷後のソフトカプセル剤に対し、温度40℃、相対湿度75%に保持した恒温恒湿器内で、1時間のエージングを行った(エージング工程)。これにより、本実施例1のサンプルを作製した。
エージング工程後、印刷済みのソフトカプセル剤の印刷面に対し、未印刷のソフトカプセル剤を接触させ、両者を圧着固定した。圧着固定は、室温下で18時間連続で行った。その後、未印刷のソフトカプセル剤に対し、印刷済みのソフトカプセル剤の印刷画像が転写しているか否か確認した。さらに、サンプルの印刷面に於ける断面の様子も観察した。それらの結果を表2及び表4に示す。
(実施例2)
本実施例に於いては、エージング時間を2時間とした。それ以外は、実施例1と同様にして、本実施例に係るサンプルを作製した。さらに、実施例1と同様にして、未印刷のソフトカプセル剤と圧着固定させ、印刷画像の転写の有無について評価を行った。結果を表2に示す。
(実施例3)
本実施例に於いては、エージング時間を3時間とした。それ以外は、実施例1と同様にして、本実施例に係るサンプルを作製した。さらに、実施例1と同様にして、未印刷のソフトカプセル剤と圧着固定させ、印刷画像の転写の有無について評価を行った。結果を表3に示す。
(比較例1)
本比較例に於いては、印刷後のソフトカプセル剤に対するエージング工程を行わなかった。それ以外は、実施例1と同様にして、本比較例に係るサンプルを作製した。さらに、実施例1と同様にして、未印刷のソフトカプセル剤と圧着固定させ、印刷画像の転写の有無について評価を行った。結果を表3に示す。
(比較例2)
本比較例に於いては、印刷後のソフトカプセル剤を、室温(25℃)下で相対湿度を制御することなく、1時間保管した。それ以外は、実施例1と同様にして、本比較例に係るサンプルを作製した。その後、サンプルの印刷面に於ける断面の様子を観察した。結果を表5に示す。
(結果1)
表2及び表3に示す様に、エージング工程を行った実施例1〜3に於いては、未印刷のソフトカプセル剤と18時間の圧着固定を行っても、印刷画像の転写は確認されなかった。その一方、比較例1に於いては、未印刷のソフトカプセル剤の表面の中央部分に、反転したアルファベットの文字が確認され、印刷画像が転写していることが分かった。
また、表4に、実施例1のサンプルの印刷面に於ける断面の様子を、表5に、比較例2のサンプルの印刷面に於ける断面の様子をそれぞれ示す。表4から分かる通り、実施例1では、エージング時間が0時間のとき、染料インクがソフトカプセル剤の表面で浸透せずに留まっていた。しかし、エージングを1時間行った後では、染料インクがソフトカプセル剤の表層部分に浸透しており、表面には未浸透の染料インクが残存していないことが確認された。一方、比較例2では、室温(25℃)下で相対湿度を制御することなく保管したため(すなわち、相対湿度50%±10%程度)、1時間経過後であっても、ソフトカプセル剤の表面に未浸透の染料インクが残存していることが確認された。以上より、一定の高温高湿環境下にてエージング工程を行うことで、ソフトカプセル剤の表面に付着していた染料インクをその内部に浸透させることができ、その結果、印刷画像の転写を防止できることが確認された。
(比較例3〜7)
比較例3〜7に於いては、エージング温度を室温(23℃)、相対湿度を50%、エージング時間をそれぞれ1、3、6、18、24時間とした。それ以外は、実施例1と同様にして、比較例3〜7に係るサンプルをそれぞれ作製した。さらに、実施例1と同様にして、未印刷のソフトカプセル剤と圧着固定させ、転写の有無について評価を行った。結果を表6に示す。
(実施例4)
本実施例に於いては、エージング温度を室温(23℃)、相対湿度を50%、エージング時間を48時間とした。それ以外は、実施例1と同様にして、本実施例に係るサンプルを作製した。さらに、実施例1と同様にして、未印刷のソフトカプセル剤と圧着固定させ、印刷画像の転写の有無について評価を行った。結果を表6に示す。
(比較例8〜12)
比較例8〜12に於いては、温度を室温(23℃)、相対湿度を60%、エージング時間をそれぞれ1、3、6、18、24時間とした。それ以外は、実施例1と同様にして、比較例8〜12に係るサンプルをそれぞれ作製した。さらに、実施例1と同様にして、未印刷のソフトカプセル剤と圧着固定させ、印刷画像の転写の有無について評価を行った。結果を表7に示す。
(実施例5)
本実施例に於いては、温度を室温(23℃)、相対湿度を60%、エージング時間を48時間とした。それ以外は、実施例1と同様にして、本実施例に係るサンプルを作製した。さらに、実施例1と同様にして、未印刷のソフトカプセル剤と圧着固定させ、印刷画像の転写の有無について評価を行った。結果を表7に示す。
(実施例6〜11)
実施例6〜11に於いては、温度を室温(23℃)、相対湿度を70%、エージング時間をそれぞれ1、3、6、18、24、48時間とした。それ以外は、実施例1と同様にして、実施例6〜11に係るサンプルをそれぞれ作製した。さらに、実施例1と同様にして、未印刷のソフトカプセル剤と圧着固定させ、印刷画像の転写の有無について評価を行った。結果を表8に示す。
(結果2)
表6〜表8から分かる通り、比較例3〜12、すなわちエージング温度が23℃、相対湿度が50%又は60%の場合では、エージング時間が48時間であるときを除き、何れも印刷画像の転写が発生した。その一方、実施例6〜11、すなわちエージング温度が23℃、相対湿度が70%の場合であると、エージング時間の長さに関係なく印刷画像の転写を防止することができた。これにより、エージング工程は、高温ではなく室温等の環境下でも、相対湿度を高く設定することで印刷画像の転写の防止が可能であることが確認された。
1、1A 印刷装置
2 固体製剤
10 搬送機構
10A 搬入機構
10B 搬出機構
11 プーリ
12 搬送ベルト
13 搬送用モータ
14 吸着孔
15 吸引機構
16 ブロー機構
20 印刷部
21 ヘッド
210 吐出面
211 ノズル
30 乾燥機構
40 制御部
50 エージング装置
60 エージング機構

Claims (13)

  1. 少なくとも1種の染料を含む染料インクを用いて、固体製剤上に印刷する印刷工程と、
    印刷後の固体製剤表面に存在する未浸透の前記染料インクを、一定の高湿度環境下で固体製剤に浸透させるエージング工程と、
    を含む印刷された固体製剤の製造方法。
  2. 前記エージング工程は、相対湿度70%以上の環境下で1時間以上行う工程である請求項1に記載の印刷された固体製剤の製造方法。
  3. 前記エージング工程後の固体製剤を乾燥することにより、当該エージング工程中に固体製剤が吸湿した水分を除去する乾燥工程を含む請求項1又は2に記載の印刷された固体製剤の製造方法。
  4. 前記固体製剤の複数に対してエージング工程を同時に行う場合に、当該エージング工程は、複数の固体製剤を任意の距離で相互に離間させた状態で行う請求項1〜3の何れか1項に記載の印刷された固体製剤の製造方法。
  5. 前記固体製剤が、素錠、フィルムコート錠、糖衣錠、口腔内崩壊錠、ハードカプセル剤又はソフトカプセル剤の形態である請求項1〜4の何れか1項に記載の印刷された固体製剤の製造方法。
  6. 少なくとも1種の染料を含む染料インクで印刷された固体製剤に対し、当該固体製剤表面に存在する未浸透の前記染料インクを固体製剤に浸透させるために、一定の高湿度環境下でエージング処理しながら保管を行う固体製剤の保管方法。
  7. 前記エージング処理は、相対湿度70%以上の環境下で1時間以上を行う請求項6に記載の固体製剤の保管方法。
  8. 前記エージング処理後の固体製剤を乾燥することにより、当該エージング処理中に固体製剤が吸湿した水分を除去する請求項6又は7に記載の固体製剤の保管方法。
  9. 前記固体製剤の複数に対してエージング処理を同時に行う場合に、当該エージング処理は、複数の固体製剤を任意の距離で相互に離間させた状態で行う請求項6〜8の何れか1項に記載の固体製剤の保管方法。
  10. 前記固体製剤が、素錠、フィルムコート錠、糖衣錠、口腔内崩壊錠、ハードカプセル剤又はソフトカプセル剤の形態である請求項6〜9の何れか1項に記載の固体製剤の保管方法。
  11. 請求項1〜5の何れか1項に記載の印刷された固体製剤の製造方法により得られる固体製剤、又は請求項6〜10の何れか1項に記載の固体製剤の保管方法により保管された固体製剤の印刷物であって、
    前記印刷画像を形成する前記染料インクが、前記固体製剤の表層部分に浸透しており、
    かつ、前記固体製剤の表面には未浸透の前記染料インクが存在しない固体製剤の印刷物。
  12. 印刷された固体製剤を製造する固体製剤の製造装置であって、
    印刷前の固体製剤を搬送する搬送機構と、
    少なくとも1種の染料を含む染料インクを用いて、前記搬送機構によって搬送される前記印刷前の固体製剤上に印刷を行う印刷部と、
    前記印刷部によって印刷された前記固体製剤表面に存在する未浸透の前記染料インクを、一定の高湿度環境下で固体製剤に浸透させるエージング機構と、
    を備える固体製剤の製造装置。
  13. 印刷された固体製剤を製造する固体製剤の製造システムであって、
    印刷前の固体製剤を搬送する搬送機構、及び、少なくとも1種の染料を含む染料インクを用いて、前記搬送機構によって搬送される前記印刷前の固体製剤上に印刷を行う印刷部を備える印刷装置と、
    前記印刷装置によって印刷された前記固体製剤表面に存在する未浸透の前記染料インクを、一定の高湿度環境下で固体製剤に浸透させるエージング装置と、
    を備える固体製剤の製造システム。
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