JP2020022247A - 固定子および電動機 - Google Patents

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Abstract

【課題】固定子巻線の占積率を高めることができる技術を提供する。【解決手段】固定子100は、ティースを有する固定子コア200と、外側鍔部、内側鍔部320および胴部を有する樹脂ボビン300と、固定子巻線と、内壁部410、外壁部420および仕切り部430を有するカバー400と、を有している。固定子巻線部分10は、径方向外側から巻き始められ、径方向内側で巻き終わるようにティースに巻き付けられる。カバー400は、軸方向一方側の樹脂ボビン300の、固定子コア200と反対側に配置される。固定子巻線部分10の巻き終わり側端部10bは、カバー400の内壁部410に形成されている溝411を介して内壁部410の内周側から外周側に渡され、係止部412に係止され、内壁部外周面410Bに沿って引き回された後共通接続されている。共通接続部は、チューブ20で覆われる。【選択図】図1

Description

本発明は、固定子巻線が集中巻き方式で巻き付けられている固定子および電動機に関し、特に、固定子巻線の占積率を高めることができる技術に関する。
エアコン(空調装置)や冷蔵庫等に用いられている圧縮機を駆動する圧縮機駆動電動機や、車両に搭載されている車載機器を駆動する車載機器駆動電動機等として集中巻き電動機が用いられている。集中巻き電動機は、例えば、特許文献1(特開2010−45951号公報)に開示されているように、固定子コア、絶縁部材および固定子巻線を有する固定子と、固定子に対して相対的に回転可能に支持されている回転子を備え、固定子巻線は、固定子コアの軸方向両側に絶縁部材が配置された状態で固定子コアの複数のティースに巻き付けられている複数の固定子巻線部分を有している。
ティースに固定子巻線部分を集中巻き方式で巻き付ける方法としては、固定子巻線部分を形成する導線を供給するニードルをティースの周りに移動させる方法が用いられる。例えば、ティースに対して周方向一方側に形成されている第1のスロットのスロット開口部に沿って軸方向一方側から軸方向他方側にニードルを移動させる操作、軸方向他方側において、第1のスロットのスロット開口部に対応する位置から、当該ティースに対して周方向他方側に形成されている第2のスロットのスロット開口部に対応する位置まで周方向一方側から周方向他方側にニードルを移動させる操作、第2のスロットのスロット開口部に沿って軸方向他方側から軸方向一方側にニードルを移動させる操作、軸方向一方側において、第2のスロットのスロット開口部に対応する位置から第1のスロットのスロット開口部に対応する位置まで周方向他方側から周方向一方側にニードルを移動させる操作、ニードルの径方向に沿った位置を調整する操作を組み合わせる方法が用いられる。
特開2010−45951号公報
従来の集中巻き電動機では、固定子巻線部分は、ティースの径方向外側から巻き始められ(巻き始め側端部がティースの径方向外側から延びている)、ティースの径方向外側で巻き終わる(巻き終わり側端部がティースの径方向外側から延びている)ようにティースに巻き付けられている。
ここで、ティースの径方向外側で固定子巻線部分を巻き終わらせる場合、スロット内に挿入される異なる相の固定子巻線部分の間(スロットを形成する、周方向に隣接する2つのティースそれぞれに巻き付けられている固定子巻線部分の間)に、導線を供給するニードルを移動可能な隙間を設ける必要がある。このため、従来の集中巻き電動機では、ティースに巻き付け可能な固定子巻線部分の巻数、すなわち、スロット内における固定子巻線部分(固定子巻線)の占積率を高めるには限界があった。
本発明は、このような点に鑑みて創案されたものであり、固定子巻線(固定子巻線部分)の占積率を高めることができる技術を提供することを目的とする。
第1発明は、固定子に関する。
本発明の固定子は、固定子コアと、絶縁部材と、固定子巻線とを備えている。
固定子コアは、周方向に沿って延在するヨークと、周方向に沿って離間する位置に配置され、径方向に沿って延在する複数のティースを有している。各ティースは、ヨークから径方向に沿って径方向内側に延在するティース基部と、ティース基部の径方向内側に設けられ、周方向に沿って延在するティース先端部を有している。固定子コアは、好適には、複数の電磁鋼板を積層した積層体により構成される。
絶縁部材は、軸方向および周方向に沿って延在する外側鍔部と、外側鍔部より径方向内側に配置され、軸方向および周方向に沿って延在する複数の内側鍔部と、径方向に沿って延在し、外側鍔部と複数の内側鍔部を連結する複数の胴部とを有している。絶縁部材は、外側鍔部、胴部および内側鍔部が固定子コアのヨーク、ティース基部およびティース先端部に対向するように、固定子コアの軸方向両側に配置される。絶縁部材は、好適には、絶縁特性を有する樹脂により形成される。
固定子巻線は、固定子コアの軸方向両側に絶縁部材が配置された状態で固定子コアの複数のティースに巻き付けられている複数の固定子巻線部分を有している。すなわち、固定子巻線は、集中巻き方式でティースに巻き付けられている。
本発明では、固定子巻線部分は、径方向外側から巻き始められ、径方向内側で巻き終わるようにティースに巻き付けられている。すなわち、固定子巻線部分の巻き始め側端部がティースの径方向外側から延びているとともに、固定子巻線部分の巻き終わり側端部がティースの径方向内側から延びている。固定子巻線部分の巻き始め側端部は、固定子巻線部分のうち、ティースに巻き付けられている部分の巻き始め端と固定子巻線部分の一方端との間の部分を示す。また、固定子巻線部分の巻き終わり側端部は、固定子巻線部分のうち、ティースに巻き付けられている部分の巻き終わり端と固定子巻線部分の他方端との間の部分を示す。典型的には、巻き始め側端部が、ティースの径方向内側で軸方向一方側から延び、巻き終わり側端部が、ティースの径方向外側で軸方向一方側から延びるように固定子巻線部分がティースに巻き付けられる。
固定子巻線部分を、ティースの径方向内側で巻き終わらせることにより、スロット内に挿入される異なる相の固定子巻線部分の間の隙間の幅を、ノズルが移動可能な幅より狭く設定することができる。これにより、スロット内における固定子巻線部分(固定子巻線)の占積率を高めることができる。
また、本発明では、固定子コアの軸方向一方側に配置されている絶縁部材の、固定子コアと反対側に、カバーが配置されている。
カバーは、内壁部を有している。カバーの内壁部は、絶縁部材の内側鍔部と外側鍔部の間に、軸方向および周方向に沿って延在するように配置される。好適には、内壁部は、絶縁部材の内側鍔部と外側鍔部の間の、内側鍔部側に配置される。そして、各固定子巻線部分の巻き終わり側端部は、カバーの内壁部の内周側から外周側に渡されているとともに、カバーに設けられている係止部に係止されている。係止部は、好適には、固定子巻線の巻き終わり側端部を巻き付けることができる形状に形成されるが、これに限定されない。カバーは、好適には、絶縁特性を有する樹脂により形成される。
絶縁部材の、固定子コアと反対側に、内壁部および係止部を有するカバーを設けることにより、ティースの径方向内側から延びている、固定子巻線部分の巻き終わり側端部が他の部材と接触するのを防止することができる。
本発明では、固定子巻線(固定子巻線部分)の占積率を高めることができる。
第1発明の他の形態では、係止部は、カバーの内壁部に設けられている。係止部は、内壁部の適宜の箇所、例えば、内壁部外周面や内壁部端面に設けることができる。
本形態では、カバーの内壁部の内周面から外周面に渡された、固定子巻線部分の巻き終わり側端部を係止部に容易に係止させることができる。
第1発明の他の形態では、カバーの内壁部は、各固定子巻線部分の巻き終わり側端部の周方向に沿った位置を規制する位置規制部を有している。位置規制部としては、種々の構成の位置規制部を用いることができる。例えば、内壁部の、絶縁部材と反対側の内壁部端面、内壁部内周面および内壁部外周面に開口し、固定子巻線部分の巻き終わり側端部が挿入可能な溝により構成される位置規制部が用いられる。好適には、位置規制部と係止部は、固定子コアのティースの数と等しい数設けられ、また、好適には、係止部は、位置規制部の近傍に設けられる。なお、係止部の形状や配置位置を選択することにより、巻き終わり側端部の周方向に沿った位置を規制する機能を有する係止部を設けることができる。
本形態では、固定子巻線部分の巻き終わり側端部の、周方向に沿った位置を規制することができるため、巻き終わり側端部の処理、例えば、巻き終わり側端部を内壁部の外周側において引き回す処理を容易に行うことができる。
第1発明の他の形態では、各固定子巻線部分の巻き終わり側端部は、共通に接続されて共通接続端部を形成し、各固定子巻線部分の巻き始め側端部は、電源に接続される。好適には、共通接続部は、絶縁特性を有する樹脂により形成されたチューブにより覆われる。
本形態では、スター結線される固定子巻線を有する固定子における固定子巻線の占積率を高めることができる。
第1発明の他の形態では、各固定子巻線部分の巻き終わり側端部は、カバーの内壁部の外周側において周方向に沿って引き回された状態で共通に接続されて共通接続部を形成している。
本形態では、固定子巻線部分の巻き終わり側端部が他の部材に接触するのを確実に防止することができる。
第1発明の他の形態では、カバーは、共通接続部を保持する保持部を有している。保持部としては、好適には、共通接続部の径方向に沿って移動、軸方向に沿った移動および周方向に沿った移動のうちの少なくとも一つを規制する保持部が用いられる。例えば、径方向に沿って離間する位置に配置され、軸方向および周方向に沿って延在する壁面と、軸方向に沿って離間する位置に配置され、径方向および周方向に沿って延在する壁面により形成され、共通接続部を収容可能な凹部を有する保持部が設けられる。
本形態では、固定子巻線部分の巻き終わり側端部が他の部材に接触するのをより確実に防止することができる。
第1発明の他の形態では、カバーは、内壁部より径方向外側に、径方向および周方向に沿って延在するように配置される仕切り部を有している。そして、各固定子巻線部分の巻き終わり側端部は、仕切り部より絶縁部材と反対側の領域に配置されている。好適には、各固定子巻線部分の巻き始め側端部は、仕切り部より絶縁部材側の領域に配置される。
本形態では、固定子巻線部分の巻き終わり側端部が他の部材に接触するのをより確実に防止することができる。
第1発明の他の形態では、カバーを絶縁部材に固定する固定機構を有している。カバーを絶縁部材に固定する固定機構は、例えば、カバーと絶縁部材の一方に設けられた第1固定部と、他方に設けられ、第1固定部と係合可能な第2固定部により構成される。第1固定部および第2固定部としては、例えば、固定用突部と、固定用突部が係合可能な固定用凹部が用いられる。
本形態では、カバーが移動するのを防止することができる。
第2発明は、電動機に関する。
本発明の電動機は、固定子と、固定子に対して相対的に回転可能な回転子を備え、固定子として前述した固定子のいずれかが用いられている。
本発明では、前述した固定子のいずれかと同様の効果を有する。
本発明の固定子および電動機を用いることにより、固定子巻線の占積率を高めることができる。
本発明の固定子の第1の実施形態の斜視図である。 第1の実施形態の固定子を構成する固定子コアの斜視図である。 第1の実施形態の固定子を構成する絶縁部材の斜視図である、 第1の実施形態の固定子を構成するカバーの斜視図である。 図4を矢印V方向から見た図である。 図4を矢印VI方向から見た図である。 第2の実施形態の固定子を構成するカバーの斜視図である。 第3の実施形態の固定子を構成するカバーの斜視図である。
以下に、本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。
本明細書では、「軸方向」という記載は、回転子が固定子に対して相対的に回転可能に配置されている状態において、回転子の回転中心を通る回転中心線P(図1参照)の方向を示す。「周方向」という記載は、回転子が固定子に対して相対的に回転可能に配置されている状態において、軸方向に直角な断面で見て、回転中心線Pを中心とする円周方向を示す。「径方向」という記載は、回転子が固定子に対して相対的に回転可能に配置されている状態において、軸方向に直角な断面で見て、回転中心線Pを通る方向を示す。「径方向内側」という記載は、径方向に沿って回転中心線P側を示し、「径方向外側」という記載は、径方向に沿って回転中心線Pと反対側を示す。
なお、樹脂ボビンやカバーに対しては、「軸方向」、「周方向」および「径方向」という記載は、樹脂ボビンやカバーが固定子コアに取り付けられている状態における「軸方向」、「周方向」および「径方向」を示す。
本発明の固定子の第1の実施形態100が図1に示されている。なお、図1は、第1の実施形態の固定子100の斜視図である。
本実施形態の固定子100は、固定子コア200、樹脂ボビン300、固定子巻線およびカバー400により構成されている。
なお、図示は省略されているが、固定子コア200の内側に形成されている固定子コア内側空間200a内には、固定子コア200に対して相対的に回転可能な回転子が配置される。固定子100と回転子により、本発明の電動機の第1の実施形態が構成される。
固定子コア200は、図2に示されている。なお、図2は、固定子コア200の斜視図である。
本実施形態では、固定子コア200は、複数の電磁鋼板を積層した積層体により構成されている。固定子コア200は、軸方向一方側(図1において下側)に固定子コア端面200Aを有し、軸方向他方側(図1において上側)に固定子コア端面200Bを有している。
固定子コア200は、軸方向に直角な断面で見て、周方向に沿って延在するヨーク210と、周方向に沿って離間する位置に配置され、径方向に沿って延在する複数のティース220を有している。ティース220は、ヨーク210から径方向に沿って径方向内側に延在するティース基部221と、ティース基部221の径方向内側に設けられ、周方向に沿って延在するティース先端部222を有している。ティース先端部222の径方向内側には、ティース先端面222aが形成されている。ティース先端面222aによって、回転子(図示省略)が挿入される固定子コア内側空間200aが形成される。
周方向に隣接するティース220によって、固定子巻線(詳しくは、固定子巻線部分10)が挿入されるスロット230が形成される。また、周方向に隣接するティース220のティース先端部222の間に、スロット230と固定子コア内側空間200aを連通するスロット開口部230aが形成される。
また、固定子コア200には、樹脂ボビン300を固定子コア200に位置決めする位置決め機構を構成する第1位置決め部が設けられている。本実施形態では、第1位置決め部として、固定子コア端面200Aおよび200Bに位置決め用凹部240が形成されている。
樹脂ボビン300は、図3に示されている。なお、図3は、樹脂ボビン300の斜視図である。
本実施形態では、樹脂ボビン300は、絶縁特性を有する樹脂により形成され、樹脂ボビン端面300Aを有している。樹脂ボビン端面300Aは、樹脂ボビン300が固定子コア200の軸方向一方側に配置される場合には固定子コア端面200Aと対向し、樹脂ボビン300が固定子コア200の軸方向他方側に配置される場合には固定子コア端面200Bと対向する。
樹脂ボビン300は、外側鍔部310、複数の内側鍔部320および複数の胴部330を有している。
外側鍔部310は、軸方向および周方向に沿って延在している。外側鍔部310は、内周側に外側鍔部内周面310aを有し、外周側に外側鍔部外周面310bを有している。
内側鍔部320は、外側鍔部310より径方向内側に配置され、軸方向および周方向に沿って延在している。内側鍔部320は、内周側に内側鍔部内周面320aを有し、外周側に内側鍔部外周面320bを有している。内側鍔部内周面320aによって、樹脂ボビン内側空間300aが形成される。
胴部330は、外側鍔部310と内側鍔部320の間に設けられ、径方向に沿って延在している。胴部330は、樹脂ボビン端面300Aと反対側に胴部端面330aを有している。周方向に隣接する胴部330の間に、樹脂ボビン外側空間300bが形成される。
外側鍔部内周面310a、内側鍔部外周面320bおよび胴部端面330aによって、周方向に沿って延在する樹脂ボビン凹部が形成される。後述する、固定子巻線部分10の巻き始め側端部10aは、樹脂ボビン凹部内で周方向に沿って引き回される。
また、樹脂ボビン300は、樹脂ボビン300を固定子コア200に位置決めする位置決め機構を構成する第2位置決め部が設けられている。本実施形態では、第2位置決め部として、樹脂ボビン端面300Aに形成され、固定子コア200の位置決め用凹部240に嵌合可能な位置決め用突部340が用いられている。
位置決め用凹部240および位置決め用突部340の形状や配置位置等は、適宜設定される。なお、固定子コア200に位置決め用突部を設け、樹脂ボビン300に位置決め用凹部を設けてもよい。また、位置決め機構は、位置決め用凹部と位置決め用突部に限定されず、互いに係合可能な第1位置決め部と第2位置決め部により構成することができる。すなわち、位置決め機構は、固定子コアと樹脂ボビンの一方に設けられた第1位置決め部と、他方に設けられ、第1位置決め部と係合可能な第2位置決め部により構成される。
また、樹脂ボビン300は、カバー400を樹脂ボビン300に固定する固定機構を構成する第1固定部を有している。本実施形態では、第1固定部として、外側鍔部外周面310bに固定用突部350が形成されている。固定用突部350は、後述する、カバー400の固定用凹部450に係合可能に形成されている。なお、本実施形態では、固定用突部350の周方向両側に設けられた切り込みによって、外側鍔部310に、固定用突部350を有する弾性片が形成されている。そして、弾性片の弾性変形によって、固定用突部350が固定用凹部450に係合する。
樹脂ボビン300が、本発明の「絶縁部材」に対応する実施構成例である。
固定子コア200の位置決め用凹部240と樹脂ボビン300の位置決め用突部340によって、本発明の「絶縁部材を固定子コアに位置決めする位置決め機構」が構成される。
樹脂ボビン300は、固定子コア200の軸方向両側に配置される。この時、位置決め機構(位置決め用凹部240、位置決め用突部340)によって、樹脂ボビン300の外側鍔部310、胴部330および内側鍔部320が、それぞれ固定子コア200のヨーク210、ティース基部221およびティース先端部222に対向するとともに、樹脂ボビン300の樹脂ボビン内側空間300aおよび樹脂ボビン外側空間300bが、それぞれ固定子コア200の固定子コア内側空間200aおよびスロット230に対向するように配置される。
固定子巻線は、固定子コア200の軸方向両側に樹脂ボビン300が配置された状態で各ティース220に巻き付けられる。すなわち、固定子巻線は、集中巻き方式で各ティース220に巻き付けられる。
固定子巻線は、複数のティース220に巻き付けられる複数の固定子巻線部分10を有している。
本実施形態では、固定子巻線部分10は、径方向外側(ヨーク210側)から巻き始められ、径方向内側(回転中心線P側)で巻き終わるようにティース220に巻き付けられている。すなわち、固定子巻線部分10の巻き始め側端部10aは、ティース220の径方向外側から延びており、固定子巻線部分10の巻き終わり側端部10bは、ティース220の径方向内側から延びている。固定子巻線部分10の巻始め側端部は、固定子巻線部分10のうち、ティースに巻き付けられている部分の巻き始め端から固定子巻線部分の一方端までの間の部分を示す。また、固定子巻線部分10の巻き終わり側端部10bは、固定子巻線部分10のうち、ティースに巻き付けられている部分の巻き終わり端から固定子巻線部分の他方端までの間の部分を示す。
なお、本実施形態では、後述するように、カバー400は、固定子コア200の軸方向一方側(図1において上側)に配置されている樹脂ボビン300の軸方向一方側(固定子コア200と反対側)に配置される。このため、本実施形態では、固定子巻線部分10は、径方向外側で固定子コア200の軸方向一方側から巻き始められ、径方向内側で固定子コア200の軸方向一方側で巻き終わるようにティース220に巻き付けられている。すなわち、固定子巻線部分10の巻き始め側端部10aは、ティース220の径方向外側で固定子コア200の軸方向一方側から延びており、固定子巻線部分10の巻き終わり側端部10bは、ティース220の径方向内側で固定子コア200の軸方向一方側から延びている。
固定子巻線部分10を集中巻き方式でティース220に巻き付ける場合には、固定子巻線部分10を形成する導線を供給するニードルをティース220の周りに軸方向および周方向に沿って移動させる操作とニードルの径方向に沿った位置を変更する操作が組み合わせられる。ニードルをティース220の周りに軸方向に沿って移動させる操作は、ニードルを回転中心線P側(固定子コア内側空間200a側)からスロット開口部230aを介してスロット230内に挿入した状態で行われる。
ここで、従来技術のように、固定子巻線部分10を径方向外側から巻き始め、径方向外側で巻き終わるようにティース220に巻き付ける場合には、ニードルが径方向外側に配置された状態で巻き終わる。このため、スロット230内に、ニードルの移動に必要な空間を確保する必要があり、スロット230内における固定子巻線部分10の占積率を高めることができない。
これに対し、本実施形態のように、固定子巻線部分10を径方向外側から巻き始め、径方向内側で巻き終わるようにティース220に巻き付ける場合には、ニードルが径方向内側に配置された状態で巻き終わる。このため、スロット230内に、ニードルの移動に必要な空間を確保する必要がない。すなわち、スロット230内に挿入される異なる相の固定子巻線部分10の間(周方向に隣接するティース220に巻き付けられる固定子巻線部分10の間)の隙間の幅を狭くすることができる。これにより、スロット230内における固定子巻線部分10の占積率を高めることができる。
カバー400は、図4〜図6に示されている。なお、図4は、カバー400の斜視図である。図5は、図4を矢印V方向から見た図であり、図6は、図4を矢印VI方向から見た図である。
カバー400は、絶縁特性を有する樹脂により形成される。
カバー400は、内壁部410、外壁部420および仕切り部430を有している。本実施形態では、カバー400は、固定子コア200の軸方向一方側(図1において上側)に配置されている樹脂ボビン300の軸方向一方側(固定子コア200と反対側)に配置される。
内壁部410は、軸方向および周方向に沿って延在している。内壁部410は、内周側に内壁部内周面410aを有し、外周側に内壁部外周面410bを有し、樹脂ボビン300側(軸方向一方側)に内壁部端面410Aを有し、樹脂ボビン300と反対側(軸方向他方側)に内壁部端面410Bを有している。本実施形態では、カバー400は、内壁部端面410Aが樹脂ボビン300と対向するように配置される。
内壁部410は、内壁部端面410B側(樹脂ボビン300と反対側)に複数の溝411を有している。溝411は、内壁部端面410B、内壁部内周面410aおよび内壁部外周面410bに開口し、固定子巻線部分10の巻き終わり側端部10bが挿入可能に形成されている。
溝411は、固定子コア200のティース220(樹脂ボビン300の胴部330)の数と等しい数設けられている。後述するように、ティース220に巻き付けられた固定子巻線部分10の巻き終わり側端部10bは、溝411を介して内壁部410の内周側から外周側に渡される。溝411は、巻き終わり側端部10bを内壁部410の内周側から外周側に渡す案内部として作用するとともに、巻き終わり側端部10bの周方向に沿った位置を規制する位置規制部(周方向位置規制部)として作用する。
また、内壁部410は、内壁部410の内周側から外周側に渡された巻き終わり側端部10bが係止可能な複数の係止部412を有している。係止部412は、ティース220に巻き付けられている固定子巻線部分10の緩みを防止することができるように巻き終わり側端部10bが係止可能に構成されている。係止部412は、溝411の数(固定子コア200のティース220の数)と等しい数設けられている。本実施形態では、係止部412は、溝411の近傍に設けられている。
本実施形態では、係止部412は、内壁部外周面410bから径方向に沿って径方向外側に延在する第1部分412aと、第1部分412aの先端側から軸方向に沿って内壁部端面410A側(樹脂ボビン300側)に延在する第2部分412bによりL字状に形成されている。そして、巻き終わり側端部10bは、係止部412の第1部分412aに巻き付けられる。巻き終わり側端部10bの巻き付け回数や巻き付け方法は、巻き終わり側端部10bが、ティース220に巻き付けられている固定子巻線部分10が緩む方向に移動するのを防止することができるように設定される。本実施形態では、巻き終わり側端部10bは、第1部分412aに、交差するように1回巻き付けられている。第2部分412bは、第1部分412aに巻き付けた巻き終わり側端部10bが第1部分412aから抜けるのを防止する。
外壁部420は、内壁部410より径方向外側に配置され、軸方向および周方向に沿って延在している。外壁部420は、内周側に外壁部内周面420aを有し、外周側に外壁部外周面420bを有し、樹脂ボビン300側(軸方向一方側)に外壁部端面420Aを有している。
また、カバー400は、カバー400を樹脂ボビン300に固定する固定機構を構成する第2固定部を有している。本実施形態では、第2固定部として、樹脂ボビン300の固定用突部350が係合可能な固定用凹部450が設けられている。固定用凹部450は、外壁部420に形成されている。
樹脂ボビン300の固定用突部350とカバー400の固定用凹部450によって、本発明の「カバーを絶縁部材に固定する固定機構」が構成される。
仕切り部430は、内壁部410と外壁部420の間に設けられ、径方向および周方向に沿って延在している。仕切り部430は、内壁部外周面410bの軸方向中間部と、外壁部420の、樹脂ボビン300と反対側の端部に接続されている。仕切り部430は、樹脂ボビン300側に仕切り部端面430Aを有し、樹脂ボビン300と反対側に仕切り部端面430Bを有している。
仕切り部430によって、内壁部410より外周側の空間は、仕切り部430より樹脂ボビン300側の第1領域と、仕切り部430より樹脂ボビン300と反対側の第2領域に区分けされる。第1領域は、内壁部外周面410b、外壁部内周面420aおよび仕切り部端面430Aにより形成され、第2領域は、内壁部外周面410bおよび仕切り部端面430Bにより形成される。本実施形態では、固定子巻線部分10の巻き始め側端部10aは、第1領域内で周方向に沿って引き回され、固定子巻線部分10の巻き終わり側端部は、内壁部410の内周側から外周側に渡された後、第2領域内で周方向に沿って引き回される。これにより、電位が異なる、巻き始め側端部10aと巻き終わり側端部10bとの接触を防止することができる。
仕切り部430は、仕切り部端面430Aおよび430Bに開口する穴435と436を有している。穴435と436は、巻き終わり側端部10bを係止部412に係止する作業を行う作業空間を確保するために設けられている。なお、穴435は、第1領域内で引き回されている巻き始め側端部10aを外部に引き出すために用いられるため、穴436より大きく形成されている。
また、カバー400は、巻き終わり端部10bを保持する保持部を有している。本実施形態では、保持部は、仕切り部端面430Bから樹脂ボビン300と反対側に飛び出ている突部431および432、内壁部外周面410b、仕切り部端面430Bにより構成されている。突部431と432は、周方向に沿って離間して設けられている。
突部431は、外周側に、外壁部内周面420aと面一に、軸方向および周方向に沿って延在するように形成された溝形成面431Aを有し、仕切り部端面430Bより樹脂ボビン300と反対側に離れた位置に、径方向および周方向に沿って延在するように形成された溝形成面431Bを有している。内壁部外周面510bと突部431の溝形成面431Aおよび431Bによって、周方向に沿って延在し、両側が開口している溝431aが形成される。
本実施形態では、突部432は、外周側に、外壁部内周面420aと面一に、軸方向および周方向に沿って延在するように形成された溝形成面432Aを有し、仕切り部端面430Bより樹脂ボビン300と反対側に離れた位置に、径方向および周方向に沿って延在するように形成された溝形成面432Bを有し、周方向に沿って突部431と反対側の位置に、径方向および軸方向に沿って延在するように形成された溝形成面432Cを有している。内壁部外周面410bと突部432の溝形成面432A〜432Cによって、周方向に沿って延在し、突部431側が開口しているとともに、突部431と反対側が閉じている溝432aが形成される。
後述するように、各固定子巻線部分10の巻き終わり側端部10bは、共通接続されて共通接続部を形成する。共通接続部は、チューブ20で覆われる。そして、チューブ20は、溝431aを介して溝432aに挿入される。この時、チューブ20(共通接続部)は、内壁部外周面410bと突部431の溝形成面431Aおよび突部432の溝形成面432Aによって径方向に沿った移動が規制され、仕切り部端面430Bと突部431の溝形成面431Bおよび突部432の溝形成面432Bによって軸方向に沿った移動が規制され、突部432の溝形成面432Cによって、周方向に沿った移動が規制される。
内壁部外周面410bと突部431の溝形成面431Aおよび突部432の溝形成面432Aによって、本発明の「共通接続部(巻き終わり側端部)の径方向に沿った位置を規制する径方向位置規制部」に対応する実施構成例が構成され、仕切り部端面430Bと突部431の溝形成面431Bおよび突部432の溝形成面432Bによって、本発明の「共通接続部(巻き終わり側端部)の軸方向に沿った位置を規制する軸方向位置規制部」に対応する実施構成例が構成され、突部432の溝形成面432Cによって、本発明の「共通接続部(巻終わり側端部)の周方向に沿った位置を規制する周方向位置規制部」に対応する実施構成例が構成される。また、内壁部外周面410b、仕切り部端面430B、突部431の溝形成面431Aと431Bおよび突部432の溝形成面432A〜432Cによって、本発明の「共通接続部(巻終わり側端部)を保持する保持部」に対応する実施構成例が構成される。
次に、本実施形態の固定子100の概略構成を、図1を参照して説明する。
固定子コア200の軸方向両側に樹脂ボビン300が配置される。この時、樹脂ボビン300の位置決め用突部340を固定子コア200の位置決め用凹部240に嵌合させることによって、樹脂ボビン300が固定子コア200に位置決めされる。すなわち、樹脂ボビン300の外側鍔部310、胴部330、内側鍔部320、樹脂ボビン内側空間300aおよび樹脂ボビン外側空間300bは、それぞれ固定子コア200のヨーク210、ティース基部221、ティース先端部222、固定子コア内側空間200aおよびスロット230に対向する位置に配置される。
固定子コア200の軸方向両側に樹脂ボビン300が配置された状態で、固定子コア200の各ティース220に、固定子巻線を構成する各固定子巻線部分10が巻き付けられる。
本実施形態では、固定子巻線部分10は、径方向外側から巻き始められ、径方向内側で巻き終わるようにティース220に巻き付けられる。また、カバー400は、固定子コア200の軸方向一方側(図1において上側)に配置されている樹脂ボビン300の軸方向一方側(固定子コア200と反対側)に配置される。このため、固定子巻線部分10の巻き始め側端部10aは、ティース220の径方向外側で軸方向一方側から延び、固定子巻線部分10の巻き終わり側端部10bは、ティース220の径方向内側で軸方向一方側から延びるようにティース220に巻き付けられる。
ティース220に巻き付けられた固定子巻線部分10の巻き始め側端部10aは、樹脂ボビン300の外側鍔部310、内側鍔部320および胴部330により形成される樹脂ボビン凹部内で周方向に沿って引き回される。
この状態で、固定子コア200の軸方向一方側に配置されている樹脂ボビン300の軸方向一方側(固定子コア200と反対側)にカバー400が配置される。
この時、樹脂ボビン300の固定用突部350をカバー400の固定用凹部450に係合させることによって、カバー400は樹脂ボビン300に固定される。
なお、カバー400の内壁部410は、樹脂ボビン300の内側鍔部320より径方向外側に配置される。好適には、内側鍔部320より径方向外側で、内側鍔部320の近傍に配置される。この時、樹脂ボビン凹部内で周方向に沿って引き回されている巻き始め側端部10aは、カバー400の仕切り部430より樹脂ボビン側、すなわち第1領域に配置される。そして、巻き始め側端部10aは、カバー400の穴435を介して外部に引き出される。
樹脂ボビン300にカバー400を固定した状態で、巻き終わり側端部10bを、カバー400の内壁部410に形成されている溝411内に挿入する。これにより、巻き終わり側端部10bは、周方向に沿った位置が規制された状態で、内壁部410の内周側から外周側に渡される。
ここで、固定子巻線部分10は、強い張力でティース220に巻き付けられる。このため、巻き終わり側端部10bが固定されていないと、ティース220に巻き付けられている固定子巻線部分10が緩むおそれがある。
本実施形態では、内壁部410の内周側から外周側に渡された巻き終わり側端部10bを係止部412に係止させることによって、固定子巻線部分10の緩みを防止している。具体的には、巻き終わり側端部10bを、係止部412の第1部分412aに、交差するように1回巻き付けている。固定子巻線部分10を構成する導線は剛性が高いため、巻き終わり側端部10bを、係止部412の第1部分412aに、交差するように1回巻き付けることによって、巻き終わり側端部10bが固定され、固定子巻線部分10の緩みが防止される。なお、巻き終わり側端部10bを交差させる必要がない場合には、巻き終わり側端部10bを第1部分412aに巻き付けるだけでもよい。
なお、本実施形態では、係止部412は、第1部分412aの先端部から軸方向に沿って延在する第2部分412bを有している。これにより、第1部分412aに巻き付けた巻き終わり側端部10bが、第1部分412aから抜けるのが防止される。
巻き終わり側端部10bは、係止部412に係止された後、カバー400の仕切り部430より樹脂ボビン300と反対側の第2領域において、周方向に沿って引き回される。本実施形態では、巻終わり側端部10bは、内壁部外周面410bに沿って引き回される。巻き始め側端部10aと巻き終わり側端部10bを、仕切り部430により仕切られている第1領域と第2領域内で引き回すことによって、絶縁不良の原因となる、巻き始め側端部10aと巻き終わり側端部10bの接触を防止することができる。
巻き終わり側端部10bは、第2領域内で周方向に沿って引き回された後、共通に接続されて共通接続部を形成する。本実施形態では、共通接続部は、スター結線の中性点として用いられる。共通接続部は、絶縁特性を有するチューブ20で覆われる。
さらに、チューブ20で覆われた共通接続部は、保持部によって、位置を規制された状態で保持される。本実施形態では、チューブ20で覆われた共通接続部は、溝431aを介して溝432aに挿入されている。これにより、チューブ20で覆われた共通接続部は、内壁部外周面410bと突部431の溝形成面431Aおよび突部432の溝形成面432Aによって径方向に沿った移動が規制され、仕切り部端面430Bと突部431の溝形成面431Bおよび突部432の溝形成面432Bによって軸方向に沿った移動が規制され、突部432の溝形成面432Cによって、周方向に沿った移動が規制される。
第1の実施形態の固定子100では、内壁部外周面410bに係止部412が形成されたカバー400を用いたが、係止部の配設位置や形状はこれに限定されない。
以下に、第2の実施形態の固定子を説明する。なお、第2の実施形態の固定子は、カバーの構成が第1の実施形態の固定子と相違している。したがって、以下では、カバーの構成のみを説明する。
第2の実施形態の固定子を構成するカバー500が図7に示されている。
カバー500は、カバー400と同様に、内壁部510、外壁部520および仕切り部530を有している。
第1の実施形態のカバー400は、溝411と係止部412が形成された内壁部410を有しているが、第2の実施形態のカバー500は、係止部512のみが形成され、溝が形成されていない内壁部510を有している。
本実施形態では、係止部512は、内壁部510の、樹脂ボビン300と反対側の内壁部端面510Bから径方向外側に延在する(内壁部端面510Bと面一に延在する)第1部分512aと、第1部分512aの先端部から軸方向に沿って樹脂ボビン300側に延在する第2部分512bを有している。
本実施形態では、固定子巻線部分10の巻き終わり側端部10bは、カバー500の内壁部510の内周側から外周側に渡された後、係止部512に係止される。巻き終わり側端部10bを係止部512に係止する態様は、第1の実施形態の固定子100と同様に、巻終わり側端部10bを、係止部512の第1部分512aに、交差するように1回巻き付ける態様が用いられる。なお、第1の実施形態のカバー400と同様に、係止部512の第2部分512bによって、第1部分512aに巻き付けられた巻き終わり側端部10bが第1部分512aから抜けるのが防止される。
本形態では、固定子巻線部分10の巻き終わり側端部10bを係止部512に係止させることによって、巻き終わり側端部10bを固定するとともに、巻き終わり側端部10bの周方向に沿った位置を規制している。
次に、第3の実施形態の固定子を説明する。なお、第3の実施形態の固定子は、カバーの構成が第1の実施形態の固定子と相違している。したがって、以下では、カバーの構成のみを説明する。
第3の実施形態の固定子を構成するカバー600が図8に示されている。
カバー600は、カバー400と同様に、内壁部610、外壁部620および仕切り部630を有している。
第1の実施形態のカバー400は、溝411と係止部412が形成された内壁部410を有しているが、第3の実施形態のカバー600は、係止部612のみが形成され、溝が形成されていない内壁部610を有している。
本実施形態では、係止部612は、内壁部610の、樹脂ボビン300と反対側の内壁部端面610Bから軸方向に沿って(内壁部内周面610aと面一に)樹脂ボビン300と反対側に延在する第1部分612aと、第1部分612aの先端部から径方向に沿って径方向外側に延在する第2部分612bを有している。
本実施形態では、固定子巻線部分10の巻き終わり側端部10bは、カバー600の係止部612に係止される。巻き終わり側端部10bを係止部612に係止する態様は、第1の実施形態の固定子100と同様に、巻き終わり側端部10bを、係止部612の第1部分612aに、交差するように1回巻き付ける態様が用いられる。なお、第1の実施形態のカバー400と同様に、係止部612の第2部分612bによって、第1部分612aに巻き付けられた巻き終わり側端部10bが第1部分612aから抜けるのが防止される。
本形態では、固定子巻線部分10の巻き終わり側端部10bを係止部612に係止させることによって、巻き終わり側端部10bを固定するとともに、巻き終わり側端部10bの周方向に沿った位置を規制している。
以上のように、第1〜第3の実施形態の固定子では、固定子巻線部分は、径方向外側から巻き始め、径方向内側で巻き終わるようにティースに巻き付けられている。これにより、スロット内における固定子巻線部分(固定子巻線)の占積率を高めることができる。
また、固定子巻線部分の巻き終わり側端部を、カバーの内壁部の内周側から外周側に渡すとともに、係止部に係止させている。これにより、固定子巻線部分の巻き終わり側端部が他の部材に接触するのを防止することができるとともに、ティースに巻き付けられている固定子巻線部分が緩むのを防止することができる。
また、固定子巻線部分の巻き始め側端部と巻き終わり側端部を、カバーの仕切り部によって区分されている第1領域と第2領域内で周方向に沿って引き回していることによって、巻き始め側端部と巻き終わり側端部が接触するのを防止することができる。
また。固定子巻線部分の巻き終わり側端部を、保持部によって、位置を規制した状態で保持しているため、巻き終わり側端部が他の部材と接触するのをより確実に防止することができる。
なお、本発明の電動機も、第1〜第3の実施形態の固定子と同様の効果を有する。
本発明は、以下のように構成することもできる。
「固定子コアと、絶縁部材と、固定子巻線とを備え、
前記固定子コアは、周方向に沿って延在するヨークと、前記ヨークから径方向に沿って径方向内側に延在するティース基部および前記ティース基部の径方向内側に設けられ、周方向に沿って延在するティース先端部を有する複数のティースとを有し、
前記絶縁部材は、軸方向および周方向に沿って延在する外側鍔部と、前記外側鍔部より径方向内側に配置され、軸方向および周方向に沿って延在する複数の内側鍔部と、径方向に沿って延在し、前記外側鍔部と前記複数の内側鍔部を連結する複数の胴部とを有しているとともに、前記外側鍔部、前記胴部および前記内側鍔部が、前記固定子コアの前記ヨーク、前記ティース基部および前記ティース先端部に対向するように前記固定子コアの軸方向両側に配置され、
前記固定子巻線は、前記固定子コアの軸方向両側に前記絶縁部材が配置された状態で前記固定子コアの前記複数のティースに巻き付けられている複数の固定子巻線部分を有する固定子であって、
前記複数の固定子巻線部分は、径方向外側から巻き始められ、径方向内側で巻き終わるように前記複数のティースに巻き付けられていることを特徴とする固定子。」
本発明は、実施形態で説明した構成に限定されず、種々の変更、追加、削除が可能である。
固定子巻線部分の巻き終わり側端部を、カバーの内壁部の内周側から外周側に渡す構成は、実施形態で説明した構成に限定されない。
カバーの内壁部の内周側から外周側に渡した、固定子巻線部分の巻き終わり側端部を係止する構成は、実施形態で説明した構成に限定されない。
固定子巻線部分の巻き終わり側端部を保持する保持部としては、巻終わり側端部の径方向への移動、軸方向への移動、周方向への移動の少なくとも一つを規制可能な種々の構成の保持部を用いることができる。また、固定子巻線部分の巻き終わり側端部を保持する保持部は、省略することもできる。
固定子巻線部分の巻き終わり側端部の位置を規制する位置規制部(径方向に沿った位置を規制する径方向位置規制部、軸方向に沿った位置を規制する軸方向位置規制部、周方向に沿った位置を規制する周方向位置規制部)としては、種々の構成の位置規制部を用いることができる。また、径方向位置規制部、軸方向位置規制部、周方向位置規制部のうちの少なくとも一つを設けることもできる。また、位置規制部を省略することもできる。
実施形態では内壁部、外壁部および仕切り部を有するカバーを用いたが、カバーは、少なくとも内壁部と係止部を有していればよく、外壁部や仕切り部は省略することもできる。
カバーを樹脂ボビン(絶縁部材)に固定する固定機構としては、種々の構成の固定機構を用いることができる。また、カバーを樹脂ボビン(絶縁部材)に固定する固定機構は、省略することもできる。
樹脂ボビン(絶縁部材)を固定子コアに位置決めする位置決め機構としては、種々の構成の位置決め機構を用いることができる。また、樹脂ボビン(絶縁部材)を固定子コアに位置決めする位置決め機構は、省略することもできる。
実施形態で説明した各構成は、単独で用いることもできるし、適宜選択した複数の構成を組み合わせて用いることもできる。
10 固定子巻線部分
10a 巻き始め側端部
10b 巻き終わり側端部
20 チューブ
100 固定子
200 固定子コア
200A 固定子コア端面
200a 固定子コア内側空間
210 ヨーク
220 ティース
221 ティース基部
222 ティース先端部
222a ティース先端面
230 スロット
230a スロット開口部
240 位置決め用凹部(第1位置決め部)
300 樹脂ボビン(絶縁部材)
300A 樹脂ボビン端面(絶縁部材端面)
300a 樹脂ボビン内側空間(絶縁部材内側空間)
300b 樹脂ボビン外側空間(絶縁部材外側空間)
310 外側鍔部
310a 外壁鍔部内周面
310b 外側鍔部外周面
320 内側鍔部
320a 内側鍔部内周面
320b 内側鍔部外周面
330 胴部
330a 胴部端面
340 位置決め用突部(第2位置決め部)
350 固定用突部(第1固定部)
400、500、600 カバー
400a、500a、600a カバー内側空間
410、510、610 内壁部
410A、410B、510B、610B 内壁部端面
410a、510a、610a 内壁部内周面
410b、510b、610b 内壁部外周面
411 溝
412、512、612 係止部
412a、512a、612a 第1部分
412b、512b、612b 第2部分
420、520、620 外壁部
420A 外壁部端面
420a、520a、620a 外壁部内周面
420b、520b、620b 外壁部外周面
430、530、630 仕切り部
430A、430B、530B、630B 仕切り部端面
431、432、531、532、631、632 突部
431A、431B、432A〜432C 溝形成面
431a、432a、531a、532a、631a、632a 溝
435、436、535、536、635、636 穴
450、550、650 固定用凹部(第2固定部)

Claims (9)

  1. 固定子コアと、絶縁部材と、固定子巻線とを備え、
    前記固定子コアは、周方向に沿って延在するヨークと、前記ヨークから径方向に沿って径方向内側に延在するティース基部および前記ティース基部の径方向内側に設けられ、周方向に沿って延在するティース先端部を有する複数のティースとを有し、
    前記絶縁部材は、軸方向および周方向に沿って延在する外側鍔部と、前記外側鍔部より径方向内側に配置され、軸方向および周方向に沿って延在する複数の内側鍔部と、径方向に沿って延在し、前記外側鍔部と前記複数の内側鍔部を連結する複数の胴部とを有しているとともに、前記外側鍔部、前記胴部および前記内側鍔部が、前記固定子コアの前記ヨーク、前記ティース基部および前記ティース先端部に対向するように前記固定子コアの軸方向両側に配置され、
    前記固定子巻線は、前記固定子コアの軸方向両側に前記絶縁部材が配置された状態で前記固定子コアの前記複数のティースに巻き付けられている複数の固定子巻線部分を有する固定子であって、
    前記複数の固定子巻線部分は、径方向外側から巻き始められ、径方向内側で巻き終わるように前記複数のティースに巻き付けられており、
    さらに、前記固定子コアの軸方向一方側に配置されている前記絶縁部材の、前記固定子コアと反対側に配置されるカバーを備え、
    前記カバーは、前記軸方向一方側に配置されている前記絶縁部材の前記内側鍔部と前記外側鍔部の間に、軸方向および周方向に沿って延在するように配置される内壁部を有し、
    前記複数の固定子巻線部分の巻き終わり側端部は、前記カバーの前記内壁部の内周側から外周側に渡されているとともに、前記カバーに設けられている係止部に係止されていることを特徴とする固定子。
  2. 請求項1に記載の固定子であって、
    前記係止部は、前記カバーの前記内壁部に設けられていることを特徴とする固定子。
  3. 請求項1または2に記載の固定子であって、
    前記カバーの前記内壁部は、前記複数の固定子巻線部分の前記巻き終わり側端部の周方向に沿った位置を規制する位置規制部を有していることを特徴とする固定子。
  4. 請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載の固定子であって、
    前記複数の固定子巻線部分の前記巻き終わり側端部は、共通に接続されて共通接続端部を形成し、前記複数の固定子巻線部分の前記巻き始め側端部は、電源に接続されることを特徴とする固定子。
  5. 請求項4に記載の固定子であって、
    前記複数の固定子巻線部分の前記巻き終わり側端部は、前記カバーの前記内壁部の外周側において周方向に沿って引き回された状態で共通に接続されて前記共通接続部を形成していることを特徴とする固定子。
  6. 請求項5に記載の固定子であって、
    前記カバーは、前記共通接続部を保持する保持部を有することを特徴とする固定子。
  7. 請求項1〜6のうちのいずれか一項に記載の固定子であって、
    前記カバーは、前記内壁部より径方向外側に、径方向および周方向に沿って延在するように配置される仕切り部を有し、
    前記複数の固定子巻線部分の前記巻き終わり側端部は、前記仕切り部より前記軸方向一方側に配置されている前記絶縁部材と反対側の領域に配置されていることを特徴とする固定子。
  8. 請求項1〜7のうちのいずれか一項に記載の固定子であって、
    前記カバーを前記絶縁部材に固定する固定機構を有することを特徴とする固定子。
  9. 固定子と、前記固定子に対して相対的に回転可能な回転子を備える電動機であって、
    前記固定子として請求項1〜8のうちのいずれか一項に記載の固定子が用いられていることを特徴とする電動機。
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