JP2009033925A - シンクロナスリラクタンスモータ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】シンクロナスリラクタンスモータ10は、ステータ12のティース23に巻線18が巻装されてスロット25に収容され、ステータ12内のロータ収容部21にロータ14が収容されている。このシンクロナスリラクタンスモータ10は、スロット25のうち、基端部25a側が内周壁22で閉塞され、先端部25b側が開口部26で開口され、開口部26を利用して巻線18がティース23に分布巻きされている。
【選択図】図2
Description
ステータは、巻線を巻装する複数のティースと、巻装した巻線を収容するスロットとを有する。このスロットは、ステータの内周側が開口され、開口を利用して巻線がティースに巻装されている(例えば、特許文献1参照。)。
リラクタンスの変動で高調波が発生することで、発生トルクに高調波成分が重畳する。このため、ロータの回転中にトルクリップル(ロータ回転時の振動)が発生する虞がある。
複数のティースに巻線を分布巻きで巻装する方法として、通常使用されている汎用の巻線装置を用いて(流用して)ティースに巻線を巻装することが考えられる。
このため、スロットはステータの内周側が開口され、この内周側の開口から直接ティースに巻線が突極巻きでコイル状に巻装されているものや、円周方向に分割したり展開したりして、突極巻きをおこなう。
このため、シンクロナスリラクタンスモータの抵抗値が上がって、出力が低下するという課題が発生する。
このインサータを用いて巻線をティースに取り付ける方法は次の通りである。
事前にコイル状に巻き付けた巻線を挿入ブレードに掛け、この状態で、巻線ごとステータに通してスロット内に巻線を挿入する。
このように、巻線の長さが長くなることで巻線抵抗が増し、モータの出力を確保することが難しいとされていた。
このように、複数のティースを分割させることで、巻線の長さを適正に確保して巻線抵抗を抑えることが可能である。
よって、大きな開口を利用して巻線をティースに分布巻きすることが可能になり、通常使用されている汎用の巻線装置を巻線装置として流用して占積率を高くすることができる。
したがって、シンクロナスリラクタンスモータを製造するための設備費を抑えてコスト低減を図ることができるという利点がある。
例えば、3相(U相、V相、W相)の分布巻きの場合、各相の巻線がいくつかのスロットに分散して巻装される。
これにより、巻線抵抗の増加を抑えることが可能になり、モータの出力を良好に確保することができるという利点がある。
複数のティースを分割させずに、1部材で形成することができるので、ロータを収容するロータ収容部の真円度を比較的容易に確保することができる。
このように、真円度を容易に確保することで、トルクリップルを良好に抑えることができる。
図1は本発明に係るシンクロナスリラクタンスモータを示す断面図、図2は図1の2部拡大図、図3は本発明に係るシンクロナスリラクタンスモータを示す分解図である。
なお、図1、図3において、構成の理解を容易にするために巻線を省略して図示する。
シンクロナスリラクタンスモータ10は、ステータ(すなわち、固定子)12と、ステータ12の内部に回転自在に収容されたロータ(すなわち、回転子)14とを備える。
内周壁22は、厚さ寸法(以下、「内周壁厚さ」という)がTに形成されている。
内周壁厚さTについては、図4、図5で詳しく説明する。
これにより、インナーステータ16を分割させずに、1部材で形成することができるので、ロータ収容部21の真円度を比較的容易に確保することができる。
また、図3に示すように、スロット25の先端部25b側に開口部26を設けることで、スロット25の開口部26を大きな幅寸法Sに形成することができる。
インナーステータ16をアウターステータ17に収容することで、スロット25の開口部26がアウターステータ17で閉じられている。
ティース23には、一例として、3相(U相、V相、W相)の分布巻きになるように、巻線18が巻装されている。
巻装した巻線18は、図2に示すように、スロット25に収容されている。
開口部26を利用することで、通常使用されている汎用の巻線装置を用いてティース23に巻線18を分布巻きすることが可能になる。
ロータ14は、磁性物質からなる回転子鉄心33に、複数のフラックスバリア帯34が形成されている。
このスリット35は、磁束を通過し難くするためのバリアである。
ここで、フラックスバリア帯34間の磁路37中央が磁極(N、Sの位置)中心d軸となり、スリット35の中央が磁極間中心q軸となる。
一方、q軸インダクタンスは、q軸磁束がスリット35を通過しにくいので小さくなる。
よって、d軸インダクタンスとq軸インダクタンスとの差によりリラクタンストルクが発生し、ロータ14を回転させることができる。
比較例は、スロット25のうち、スロット25の基端部25a側が内周壁22で塞がれ、ティース23に巻線18が突極巻き(集中巻き)で巻装されたモータ100である。
ここで、突極巻き(集中巻き)とは、各ティース23に1極ごとに巻線18が巻装されたものである。
例えば、3相(U相、V相、W相)の突極巻きの場合、各相の巻線が1つのティース23に巻装される。
巻線18の分布巻きは、スロット25の開口部26を利用して、通常使用されている汎用の巻線装置で実施された。
磁極が逆になることで、隣接するティース23の磁束の流れが矢印Aで示すように逆の向きになる。
このため、磁束を有効に使うことができなくなり出力(トルク)が低下する。さらに、磁束が内周壁22で磁気ショートするために、トルクリップルが悪化することが考えられる。
磁極が同じになることで、隣接するティース23の磁束の流れが矢印Cで示すように同じ向きになるため、磁気ショートの影響が少ない。
しかし、磁極が逆になる箇所は、(a)の比較例と比べて少ない。すなわち、(b)の実施例は、殆どの箇所において磁極を同じにできる。
よって、磁気ショートによる影響が少ないため、磁束を有効に使うことができる。
これにより、出力(トルク)が低下することを抑えることができ、さらに制御電流の乱れを抑えることでトルクリップルの悪化を防ぐことができる。
よって、従来技術で説明したインサータを用いてティース23に巻線18を取り付ける場合と比較して、コイル状巻線18の端部をモータ10に対応させて最短な長さに調整することができる。
これにより、巻線抵抗の増加を抑えることが可能になり、シンクロナスリラクタンスモータ10の出力を一層良好に確保することができる。
これにより、ロータ収容部21の真円度を比較的容易に確保することができるので、トルクリップルの悪化を一層良好に防ぐことができる。
そこで、図5のグラフで、出力低下やトルクリップルの悪化と内周壁厚さTとの関係について説明する。
左側の縦軸にトルク(出力)[Nm]、右側の縦軸にトルクリップル[Nm]、横軸に内周壁厚さTを示す。
グラフG1は、内周壁厚さTとトルクリップルとの関係を示すグラフである。
グラフG2は、内周壁厚さTとトルクとの関係を示すグラフである。
また、内周壁厚さTが0.1〜0.3mmの範囲において、トルクが高い状態に保たれることがわかる。
さらに、内周壁厚さTを0.3mm以下に比較的薄くすることで、磁気ショート(制御電流乱れ)によるトルクリップルの悪化を抑えることができる。
加えて、内周壁厚さTを0.1mm未満より薄くすると、磁気抵抗(リラクタンス)の変動を内周壁22で好適に吸収することが難しくなり、トルクリップルの影響が大きくなることが考えられる。
これにより、グラフG1およびグラフG2に示すように、トルクリップルの影響が大きくなり、トルク(モータの出力)が下がる。
スロット25の基端部25a側を閉塞することで、スロット25の先端部25bを開口部26で開口することができる。
これにより、シンクロナスリラクタンスモータ10用のインサータを備える必要がない。
これにより、巻線抵抗の増加を抑えることが可能になり、シンクロナスリラクタンスモータ10の出力を良好に確保することができる。
これにより、ロータ収容部21の真円度を比較的容易に確保して、トルクリップルの悪化を一層良好に防ぐことができる。
Claims (1)
- 前記ステータのティースに巻線が巻装されるとともに巻装した巻線がスロットに収容され、前記ステータ内のロータ収容部にロータが収容されたシンクロナスリラクタンスモータにおいて、
前記スロットのうち、前記ステータの内周側が閉塞されるとともに、前記ステータの外周側が開口され、
前記開口を利用して前記巻線が前記ティースに分布巻きされたことを特徴とするシンクロナスリラクタンスモータ。
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JP2007197639A JP2009033925A (ja) | 2007-07-30 | 2007-07-30 | シンクロナスリラクタンスモータ |
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2007
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