JP2020019830A - スチレン系熱可塑性エラストマー組成物とインクカートリッジのインク供給口用シール材 - Google Patents

スチレン系熱可塑性エラストマー組成物とインクカートリッジのインク供給口用シール材 Download PDF

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増山 圭司
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Abstract

【課題】柔軟化剤が表面にブリードアウトし難く、低硬度で、かつ加工性が良好な成形体が得られるスチレン系熱可塑性エラストマー組成物の提供を目的とする。【解決手段】スチレン系熱可塑性エラストマーとポリプロピレン樹脂と柔軟化剤とを含む主剤と、加工助剤とよりなるスチレン系熱可塑性エラストマー組成物において、柔軟化剤の含有量は、スチレン系熱可塑性エラストマーとポリプロピレン樹脂とよりなる樹脂成分の含有重量部に対して1.2〜2倍の重量部であり、加工助剤として、超高分子量ポリエチレンと脂肪酸エステルを含み、インクカートリッジ10のインク供給口用シール材20などに好適なものとした。【選択図】図1

Description

本発明は、スチレン系熱可塑性エラストマー組成物とその成形体からなるインクカートリッジのインク供給口用シール材に関する。
スチレン系熱可塑性エラストマーにオイル等の柔軟化剤が配合されたスチレン系熱可塑性エラストマー組成物は、射出成形などによって成形体とされ、低硬度で柔軟性が求められる用途に幅広く使用されている(特許文献1)。
例えば、インクジェットプリンターのインクカートリッジには、インクジェットプリンターに装着されるまでの期間、インクカートリッジのインク供給口をシール材で塞ぐ構造のものがあり、前記シール材としてスチレン系熱可塑性エラストマー組成物の成形体が使用されている。
図1に示すインクカートリッジ10は、熱可塑性樹脂製のカートリッジ本体13と熱可塑性樹脂製のキャップ15とからなり、カートリッジ本体13内にインクが収納されている。キャップ15は、カートリッジ本体13のインク供給口に螺合等で取り付けられており、インクカートリッジ10をインクジェットプリンターに装着する際に取り外される。キャップ15は、取り外し時のレバー部16と、インク供給口に被さるシール部18とからなる。シール部18の中央は、スチレン系熱可塑性エラストマー組成物の成形体からなるインク供給口用シール材20で構成されている。
図2にインク供給口用シール材20の一例を示す。インク供給口用シール材20は、略円形の膜状からなり、予め射出成形で成形された後、キャップ15の射出成形時にインサート射出成形でキャップ15のシール部18に一体にされる。なお、インク供給口用シール材20は、成形後のキャップ15に後工程で嵌合等により組み付けてもよい。
インク供給口用シール材20は、カートリッジ本体13のインク供給口と密着してインク供給口をシールできるように低硬度(柔軟性)であることが求められる。インク供給口用シール材20の低硬度を実現するためには、スチレン系熱可塑性エラストマー組成物に含まれる柔軟化剤の量を多くする必要がある。
しかし、スチレン系熱可塑性エラストマー組成物に含まれる柔軟化剤の量を多くすると、柔軟化剤がインク供給口用シール材20の表面にブリードアウトし易くなり、ブリードアウトした柔軟化剤がカートリッジ本体13内のインクと接触してインクに悪影響を与えるおそれがある。また、スチレン系熱可塑性エラストマー組成物に含まれる柔軟化剤の含有量を増加させすぎると、射出成形などの際に原料の流れが悪くなって、成形加工性に劣るようになる。
なお、スチレン系熱可塑性エラストマー組成物に加工助剤として脂肪酸アマイドを添加すると、成形時の原料の流れを改善することができるが、その場合には、柔軟化剤のブリードアウトを生じるようになる。
特開2008−63365号公報
本発明は前記の点に鑑みなされたものであって、柔軟化剤が表面にブリードアウトし難く、低硬度で、かつ加工性が良好な成形体が得られるスチレン系熱可塑性エラストマー組成物と、そのスチレン系熱可塑性エラストマー組成物から成形されたインクカートリッジのインク供給口用シール材の提供を目的とする。
請求項1の発明は、スチレン系熱可塑性エラストマーとポリプロピレン樹脂と柔軟化剤とを含む主剤と、加工助剤とよりなるスチレン系熱可塑性エラストマー組成物において、前記柔軟化剤の含有量は、前記スチレン系熱可塑性エラストマーと前記ポリプロピレン樹脂とよりなる樹脂成分の含有重量部に対して1.2〜2倍の重量部であり、前記加工助剤として、超高分子量ポリエチレンと脂肪酸エステルを含むことを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1において、前記主剤100重量部に対し、前記超高分子量ポリエチレンの含有量が1〜5重量部、前記脂肪酸エステルの含有量が0.1〜0.5重量部であることを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1または2において、前記超高分子量ポリエチレンは、平均分子量が100万〜800万、平均粒径20μm〜120μmであることを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項1〜3の何れか一項に記載のスチレン系熱可塑性エラストマー組成物の成形体からなるインクカートリッジのインク供給口用シール材に係る。
本発明によれば、スチレン系熱可塑性エラストマー組成物は、スチレン系熱可塑性エラストマーとポリプロピレン樹脂とよりなる樹脂成分の含有重量部に対し、柔軟化剤の含有量が1.2〜2倍の重量部であり、加工助剤として、超高分子量ポリエチレンと脂肪酸エステルを含むことにより、低硬度で、柔軟化剤が表面にブリードアウトし難く、かつ成形加工性が良好となる。
また、本発明のスチレン系熱可塑性エラストマー組成物の成形体からなるインクカートリッジのインク供給口用シール材は、柔軟化剤が表面にブリードアウトし難いため、インクカートリッジが使用開始されるまでの期間、インクと接していても、柔軟化剤による悪影響をインクに与えることがない。
インクカートリッジの一例の斜視図である。 インク供給口用シール材の一例の斜視図である。 各比較例及び各実施例の配合と物性を示す表である。
本発明について詳細に説明する。本発明のスチレン系熱可塑性エラストマー組成物は、スチレン系熱可塑性エラストマーとポリプロピレン樹脂と柔軟化剤とを含む主剤と、加工助剤とよりなり、加工助剤として、超高分子量ポリエチレンと脂肪酸エステルを含む。
スチレン系熱可塑性エラストマーとしては、例えば、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)、スチレンーエチレンーブチレンースチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロック共重合体(SEPS)、スチレン−エチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロック共重合体(SEEPS)等が挙げられる。特にスチレンーエチレンーブチレンースチレンブロック共重合体(SEBS)は、材料強度に優れるため、好ましいものである。スチレン系熱可塑性エラストマーは、重量平均分子量が1万〜100万が好ましい。また、スチレン系熱可塑性エラストマーは一種類に限られず、二種類以上を併用してもよい。
ポリプロピレン樹脂は、スチレン系熱可塑性エラストマーの重量部に対して1/4〜1/2の重量部となる配合量が好ましい。ポリプロピレン樹脂の配合量が少ない場合、得られる熱可塑性エラストマー組成物は表面硬さが不足し(柔らかくなり過ぎ)、それに対してポリプロピレン樹脂の配合量が多い場合、得られる熱可塑性エラストマー組成物は表面硬さが大(硬度が大)になって柔軟性が低下するようになる。
柔軟化剤は、パラフィン系オイル、オレフィン系オイル、ナフテン系オイル、芳香族系オイル等を、単独使用または2種以上併用することができる。柔軟化剤の含有量は、スチレン系熱可塑性エラストマーとポリプロピレン樹脂とよりなる樹脂成分の含有重量部に対して1.2〜2倍の重量部が好ましく、より好ましくは1.5倍〜2倍の重量部である。柔軟化剤の含有によって、スチレン系熱可塑性エラストマー組成物の成形体の硬度を下げることができるが、多くし過ぎるとブリードアウトし易くなる。一方、柔軟化剤の含有量を少なくし過ぎると、スチレン系熱可塑性エラストマー組成物の成形体の硬度が高くなって、シール材のような低硬度(柔軟性)が求められる用途には適さなくなる。
超高分子量ポリエチレンの平均分子量(重量平均分子量)は、100万〜800万が好ましく、より好ましくは100万〜400万である。超高分子量ポリエチレンの平均粒径は、20〜120μmの粉末が好ましく、より好ましくは20μm〜50μmの粉末である。超高分子量ポリエチレンの平均分子量が小の場合は添加効果が薄いため、より多くの材料が必要となり、一方平均分子量が大の場合は溶融混練が困難となる。また、超高分子量ポリエチレンの平均粒径が小の場合は成形性が悪くなり、一方平均粒径が大の場合は外観が悪くなる。超高分子量ポリエチレンの含有量は、スチレン系熱可塑性エラストマーとポリプロピレン樹脂と柔軟化剤とよりなる主剤100重量部に対し、1〜5重量部が好ましく、より好ましくは2〜4重量部である。超高分子量ポリエチレンの含有量が少なくなるとフィード性が悪くなり、多くなると成形性が悪くなる。
脂肪酸エステルは、脂肪酸のカルボキシル基がアルコールとエステル結合した化合物である。脂肪酸エステルとしては、ベヘニルベヘネート、オクチルドデシルベヘネート、ステアリルステアレート、グリセリンモノパルミテート、グリセリンモノステアレート、グリセリンモノオレート、ポリグリセリンステアレート、グリセリンジステアレート、グリセリントリステアレート、ペンタエリスリトールモノパルミテート、ペンタエリスリトールモノステアレート、ペンタエリスリトールジステアレート、ペンタエリスリトールトリステアレート、ペンタエリスリトールテトラステアレート等を挙げることができる。それらの中でも、ポリグリセリンステアレートが好ましい。脂肪酸エステルの含有量は、スチレン系熱可塑性エラストマーとポリプロピレン樹脂と柔軟化剤とよりなる主剤100重量部に対し、0.1〜0.5重量部が好ましく、より好ましくは0.2〜0.5重量部である。脂肪酸エステルの含有量が少なくなるとフィード性が悪くなり、多くなると溶出性が悪くなる。
本発明では、超高分子量ポリエチレンと脂肪酸エステルの両方を含むことにより、柔軟化剤が表面にブリードアウトし難くなり、かつ成形加工性が良好となる。
スチレン系熱可塑性エラストマー組成物には、その他の適宜の成分を配合してもよい。適宜配合される成分として、カーボンブラック、無機充填材、難燃剤、粘着付与樹脂、金属不活性化剤、光安定剤、顔料、熱安定剤、防曇剤、帯電防止剤、分散剤、防菌剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、着色剤、架橋剤、架橋助剤等を挙げることができる。
スチレン系熱可塑性エラストマー組成物は、ヘンシェルミキサーやバンバリーミキサー等の混合装置で混合された後に押出機に投入され、押出機内で溶融混練されてストランド状に押出され、水中冷却槽に通されて冷却硬化され、ペレタイザーで切断されてペレットとされる。ペレットは射出成形機等に供給されて成形される。本発明の熱可塑性エラストマー組成物から得られる成形体は、硬度(JIS−A硬度)が45度以下、好ましくは38〜42度であり、柔軟化剤のブリードアウト(溶出)がないものである。
本発明の熱可塑性エラストマー組成物から得られる成形体の一例として、図1及び図2に示したインク供給口用シール材20を挙げる。
本発明の熱可塑性エラストマー組成物から得られるインク供給口用シール材20は、硬度が低く、柔軟性があるため、インクカートリッジ本体13のインク供給口に密着し、インクカートリッジ10が使用されるまでインク供給口をシールすることができる。また、本発明の熱可塑性エラストマー組成物から得られるインク供給口用シール材20は、柔軟化剤のブリードアウト(溶出)がないため、インクカートリッジ10が使用されるまで、インクカートリッジ本体13内のインクと接触してもインクに悪影響を与えることがない。なお、本発明の熱可塑性エラストマー組成物から得られるインクカートリッジのインク供給口用シール材は、図1及び図2に示した構造のものに限られず、インクカートリッジに応じた形状等とされる。
以下に示す成分を用い、図3に示す各比較例及び各実施例の配合からなる熱可塑性エラストマー組成物を作製した。図3の配合における各成分の量は重量部である。
・スチレン系熱可塑性エラストマー:SEBS、スチレン含有量33%、重量平均分子量24.7万、品名;G1651、クレイトンポリマージャパン社製
・ポリプロピレン樹脂:品名;RMG02、三菱ケミカル社製
・柔軟化剤:プロセスオイル、品名;ダイアナプロセスオイルPW−380、出光興産社製
・脂肪酸アマイド:品名;脂肪酸アマイドE、花王社製
・炭酸カルシウム:品名;R重炭、丸尾カルシウム社製
・脂肪酸エステル:ポリグリセリンステアレート、品名;リケマールS−74、理研ビタミン社製
・超高分子PE−1:超高分子量ポリエチレン、重量平均分子量200万、平均粒子径30μm、品名;XM220、三井化学社製
・超高分子PE−2:超高分子量ポリエチレン、重量平均分子量200万、平均粒子径120μm、品名;240s、三井化学社製
・超高分子PE−3:超高分子量ポリエチレン、重量平均分子量730万、平均粒子径50μm、品名;4050−3、セラニーズ社製
・超高分子PE−4:超高分子量ポリエチレン、重量平均分子量420万、平均粒子径30μm、品名;2126、セラニーズ社製
各比較例及び各実施例の配合からなる各成分を押出成形機(品名:HYPERKTX−30、神戸製鋼所社製)で溶融混練し、直径3.0mmのストランド状で水中冷却層に押し出し、超軟質用ペレタイザー(品名:TSZ−100S、タナカ製)で長さ3mmに切断して各実施例及び各比較例のペレットを製造した。溶融混練条件はバレルおよびダイ温度170℃、スクリュー回転数400rpm、吐出量20kg/hである。
各比較例及び各実施例のペレットを射出成形機(品名:NEX4000−36E、日精樹脂工業社製)に投入し、金型に射出して厚み2mm、幅100mm、長さ250mmの板状体を形成した。射出成形の条件は、射出温度:200℃、金型温度:40℃、射出時間:1.5secである。
各比較例及び各実施例について、ペレタイズ性、フィード性、外観、可塑化時間、溶出性、硬度の各評価項目について、次の方法により測定及び評価し、それらの結果を考慮して総合評価を行った。
ペレタイズ性は、超軟質ペレタイザーによる切断に際し、冷却が充分で問題無くペレットを作製できる場合「〇」、多少の切断不良が見られる場合「△」、柔らかすぎて切断不良を起こし、ストランド状態で残る場合「×」とした。
フィード性は、傾斜角度約60度の金属(SUS304)製のホッパーを用いて射出成形機にペレットを投入する際に、ペレットがホッパーを問題なく滑って供給できる場合「〇」、ペレットがホッパー内で多少のブロッキング(凝集)を生じる場合「△」、ペレットがホッパー内でブロッキング(凝集)を生じ、ペレットを成形機に供給できない場合「×」とした。
外観は、ペレットの表面を目視で確認し、配合した加工助剤の粒子が見えず、ザラツキ感が無い場合「〇」、配合した加工助剤の粒子が見えるが表面に現れていない場合「△」、配合した加工助剤の粒子が表面に析出し、ザラツキ感がある場合「×」とした。
可塑化時間は、射出成形機における可塑化時間が7秒以内の場合「〇」、7秒〜10秒以内の場合「△」、10秒を超える場合「×」とした。
溶出性は、成形品からφ20×2mmのサンプルを作製し、40℃の温水に1週間浸浸した後、80℃にしてサンプル表面の水分を蒸発させた後、柔軟化剤が表面に溶出(ブリードアウト)しているか否かを目視により判断し、表面に溶出していない場合「〇」、溶出している場合「×」とした。
硬度は、JIS−Aに基づいて測定し、測定結果が45度以下の場合「〇」、45度を超える場合「×」とした。
総合評価は、各評価項目の全てが「〇」の場合に総合評価を「◎」とし、各評価項目が「△」のみ、または「△」と「〇」の場合に総合評価を「〇」とし、各評価項目の一つにでも「×」がある場合に総合評価を「×」とした。
比較例1は、スチレン系熱可塑性エラストマー(SEBS)30重量部、ポリプロピレン樹脂10重量部、柔軟化剤40重量部からなり、加工助剤が添加されていない例である。比較例1は、ペレタイズ性「〇」、フィード性「〇」、外観「〇」、可塑化時間6秒で「〇」、溶出性「〇」、硬度60度で「×」である。比較例1は、柔軟化剤の含有量が少ないため、加工助剤が添加されてなくても、ペレタイズ性、フィード性、溶出性などについては「〇」となったが、硬度が高くなって「×」であり、総合評価が「×」である。
比較例2は、柔軟化剤の量を60重量とした以外は比較例1と同様の例である。比較例2は、柔軟化剤の量を増加させたため、硬度が40度で「〇」になったが、フィード性が「×」となり、総合評価が「×」である。
比較例3は、加工助剤として脂肪酸アマイドを0.3重量部添加した以外は比較例2と同様の例である。比較例3は、ペレタイズ性、フィード性、硬度などについては「〇」となったが、溶出性が「×」となり、総合評価が「×」である。
比較例4は、加工助剤として炭酸カルシウムを1重量部添加した以外は比較例2と同様の例である。比較例4は、ペレタイズ性、フィード性、硬度などについては「〇」となったが、外観及び溶出性が「×」となり、総合評価が「×」である。
比較例5は、柔軟化剤の量を80重量とした以外は比較例1と同様の例である。比較例5は、柔軟化剤の量を増加させたため、硬度は「〇」となったが、ペレタイズ性、及びフィード性が「×」となり、総合評価が「×」である。
実施例1は、スチレン系熱可塑性エラストマー(SEBS)30重量部、ポリプロピレン樹脂10重量部、柔軟化剤60重量部、加工助剤として脂肪酸エステル0.1重量部、超高分子PE−1を1重量部添加した例である。実施例1は、ペレタイズ性「〇」、フィード性「△」、外観「〇」、可塑化時間6秒で「〇」、溶出性「〇」、硬度40度で「〇」である。実施例1は全ての評価項目が「△」以上であって、総合評価が「〇」であり、成形加工性が良好で、溶出(ブリードアウト)がなく、かつ低硬度である。
実施例2は、脂肪酸エステルを0.3重量部とし、超高分子PE−1に代えて超高分子PE−2を3重量部添加した以外、実施例1と同様にした例である。実施例2は、ペレタイズ性「〇」、フィード性「〇」、外観「△」、可塑化時間6秒で「〇」、溶出性「〇」、硬度40度で「〇」である。実施例2は全ての評価項目が「△」以上であって、総合評価が「〇」であり、成形加工性が良好で、溶出(ブリードアウト)がなく、かつ低硬度である。
実施例3は、超高分子PE−2に代えて超高分子PE−3を3重量部添加した以外、実施例2と同様にした例である。実施例3は、ペレタイズ性「〇」、フィード性「△」、外観「△」、可塑化時間6秒で「〇」、溶出性「〇」、硬度40度で「〇」である。実施例3は全ての評価項目が「△」以上であって、総合評価が「〇」であり、成形加工性が良好で、溶出(ブリードアウト)がなく、かつ低硬度である。
実施例4は、超高分子PE−3に代えて超高分子PE−4を3重量部添加した以外、実施例3と同様にした例である。実施例4は、ペレタイズ性「〇」、フィード性「△」、外観「〇」、可塑化時間6秒で「〇」、溶出性「〇」、硬度40度で「〇」である。実施例4は全ての評価項目が「△」以上であって、総合評価が「〇」であり、成形加工性が良好で、溶出(ブリードアウト)がなく、かつ低硬度である。
実施例5は、超高分子PE−4に代えて超高分子PE−1を5重量部添加した以外、実施例4と同様にした例である。実施例5は、ペレタイズ性「〇」、フィード性「〇」、外観「〇」、可塑化時間10秒で「△」、溶出性「〇」、硬度42度で「〇」である。実施例5は全ての評価項目が「△」以上であって、総合評価が「〇」であり、成形加工性が良好で、溶出(ブリードアウト)がなく、かつ低硬度である。
実施例6は、脂肪酸エステルを0.2重量部、超高分子PE−1を2重量部添加した以外、実施例5と同様にした例である。実施例6は、ペレタイズ性「〇」、フィード性「〇」、外観「〇」、可塑化時間6秒で「〇」、溶出性「〇」、硬度40度で「〇」である。実施例6は全ての評価項目が「〇」であって、総合評価が「◎」であり、成形加工性が良好で、溶出(ブリードアウト)がなく、かつ低硬度である。
実施例7は、脂肪酸エステルを0.3重量部、超高分子PE−1を3重量部添加した以外、実施例6と同様にした例である。実施例7は、ペレタイズ性「〇」、フィード性「〇」、外観「〇」、可塑化時間7秒で「〇」、溶出性「〇」、硬度40度で「〇」である。実施例7は全ての評価項目が「〇」であって、総合評価が「◎」であり、成形加工性が良好で、溶出(ブリードアウト)がなく、かつ低硬度である。
実施例8は、脂肪酸エステルを0.5重量部添加した以外、実施例7と同様にした例である。実施例8は、ペレタイズ性「〇」、フィード性「〇」、外観「〇」、可塑化時間7秒で「〇」、溶出性「〇」、硬度40度で「〇」である。実施例8は全ての評価項目が「〇」であって、総合評価が「◎」であり、成形加工性が良好で、溶出(ブリードアウト)がなく、かつ低硬度である。
実施例9は、脂肪酸エステルを0.4重量部、超高分子PE−1を4重量部添加した以外、実施例8と同様にした例である。実施例9は、ペレタイズ性「〇」、フィード性「〇」、外観「〇」、可塑化時間7秒で「〇」、溶出性「〇」、硬度41度で「〇」である。実施例9は全ての評価項目が「〇」であって、総合評価が「◎」であり、成形加工性が良好で、溶出(ブリードアウト)がなく、かつ低硬度である。
このように、本発明によれば、柔軟化剤が成形体の表面にブリードアウトし難く、低硬度で、かつ加工性が良好なスチレン系熱可塑性エラストマー組成物が得られ、インクカートリッジのインク供給口用シール材に好適である。
10 インクカートリッジ
20 インク供給口用シール材

Claims (4)

  1. スチレン系熱可塑性エラストマーとポリプロピレン樹脂と柔軟化剤とを含む主剤と、加工助剤とよりなるスチレン系熱可塑性エラストマー組成物において、
    前記柔軟化剤の含有量は、前記スチレン系熱可塑性エラストマーと前記ポリプロピレン樹脂とよりなる樹脂成分の含有重量部に対して1.2〜2倍の重量部であり、
    前記加工助剤として、超高分子量ポリエチレンと脂肪酸エステルを含むことを特徴とするスチレン系熱可塑性エラストマー組成物。
  2. 前記主剤100重量部に対し、前記超高分子量ポリエチレンの含有量が1〜5重量部、前記脂肪酸エステルの含有量が0.1〜0.5重量部であることを特徴とする請求項1に記載のスチレン系熱可塑性エラストマー組成物。
  3. 前記超高分子量ポリエチレンは、平均分子量が100万〜800万、平均粒径20μm〜120μmであることを特徴とする請求項1または2に記載のスチレン系熱可塑性エラストマー組成物。
  4. 請求項1〜3の何れか一項に記載のスチレン系熱可塑性エラストマー組成物の成形体からなるインクカートリッジのインク供給口用シール材。
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