JP2017141399A - 樹脂組成物およびそれからなる押出成形品 - Google Patents

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Abstract

【課題】環境面の負荷が小さく、通常のポリプロピレンと同様に押出成形に対応可能で、リサイクル性にも優れた樹脂組成物の提供。【解決手段】ポリ乳酸樹脂(A)、ポリプロピレン樹脂(B)、スチレン・エチレンブチレン・スチレンブロックポリマー(C)、ポリメタクリル酸メチル系樹脂(D)及びカルボジイミド化合物(E)を含有し、次の条件を同時に満足する樹脂組成物。(1)ポリ乳酸樹脂(A)の190℃、2.16kgのメルトフローレート(MFR)が6g/10分以下で、ポリプロピレン樹脂(B)の230℃、2.16kgのMFRが6g/10分以下(2)ポリ乳酸樹脂(A)とポリプロピレン樹脂(B)の合計100質量部に対して、含有量は、スチレン・エチレンブチレン・スチレンブロックポリマー(C)が、0.5〜10質量部、ポリメタクリル酸メチル系樹脂(D)が、0.3〜3.0質量部、カルボジイミド化合物(E)が、0.05〜5質量部【選択図】なし

Description

本発明は、ポリ乳酸樹脂(A)とポリプロピレン樹脂(B)とを主成分とし、押出成形品を得るのに好適な樹脂組成物及びそれからなる押出成形品に関するものである。
一般に、成形用の原料としては、ポリプロピレン(PP)、ABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂)、ポリアミド(PA6、PA66)、ポリエステル(PET、PBT)、ポリカーボネート(PC)等の樹脂が使用されている。しかしながら、このような樹脂から製造された成形品は、成形性、機械的強度に優れているが、廃棄する際、ゴミの量を増すうえに、自然環境下で殆ど分解されないために、埋設処理しても半永久的に地中に残留する。
一方、近年、環境保全の見地から、ポリ乳酸樹脂をはじめとする生分解性ポリエステル樹脂が注目されている。生分解性樹脂の中でも、ポリ乳酸、ポリエチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネートなどの樹脂は、大量生産可能なためコストも安く、有用性が高い。そのうち、ポリ乳酸樹脂は、既にトウモロコシやサツマイモ等の植物を原料として製造可能となっており、使用後に焼却されても、これらの植物の生育時に吸収した二酸化炭素を考慮すると、炭素の収支として中立であることから、特に、地球環境への負荷の低い樹脂とされている。
しかしながら、ポリ乳酸樹脂そのものは、成形性や物性性能の点で、従来使用されている各種成形用樹脂に比べて劣っている。そこで、成形性や物性性能の改善のために、種々の添加剤を添加してポリ乳酸樹脂そのものを改質する方法や、あるいは、従来使用されている各種樹脂をポリ乳酸樹脂と混合(アロイ化)するなどの方法がとられている。
従来使用されている各種樹脂のうち、ポリプロピレン樹脂などのポリオレフィン樹脂は、その経済的なメリットや、通常のプラスチック用途に充分対応できる物性性能の点から、広範囲に用いられている。したがって、ポリオレフィン樹脂とポリ乳酸樹脂とのアロイ化によって、ポリオレフィン樹脂に低環境負荷性を付与すると、特に二酸化炭素の固定化の面で、大きな貢献となる。
しかしながら、ポリオレフィン樹脂は本来ポリ乳酸樹脂との相溶性に乏しく、そのままでは、外観や性能の点から、アロイ化は困難である。これに関して、従来、各種相溶化成分を配合することにより両者を充分に相溶させ、外観や性能の問題を解決する手法が各種提案されている。
例えば、特許文献1においては、特に射出成形においてウエルドラインの発生を抑えることができ、十分なウエルド強度を有する成形品を得ることができる樹脂組成物が提案されている。
つまり、相溶性に劣る樹脂組成物を用いて射出成形や押出成形により成形品を得ると、金型内で溶融樹脂の流れが合流して融着した部分に細い線(ウエルドライン)が発生する不良が生じやすい。ウエルドラインは、融着不良によって生じたものであるので、成形品の外観を損なうものであり、また、融着した部分(ウエルド部)は特に曲げ強度(ウエルド強度)に劣るものである。
中でもポリマーアロイは、本質的には非相溶系のポリマーを組み合わせたものであるため、成形時にはこのようなウエルドラインの発生が顕著となり、得られる成形品はウエルド強度が低下したものとなりやすい。
特許文献1記載の樹脂組成物においては、上記のような問題点をある程度解消できるものではあったが、充分な溶融粘度が必要な押出成形向けに対応したものではなかった。このため、異形押出成形等を行って得られた成形品は、十分なウエルド強度を有するものではなかった。
また、押出成形により成形品を得る際には、成形品とともに樹脂の端材が発生する。そして、この端材については、カッティングして再生材として原料樹脂チップにドライブレンドし、再び押出成形に使用するというリサイクルが行われている。
しかしながら、リサイクル性を考慮していない樹脂組成物を用いて成形を行うと、端材は成形時の熱処理によって熱分解が生じ、極限粘度が低下していることが多い。このような端材をドライブレンドしてリサイクルすると、成形時にドローダウンが生じやすくなり、成形性が悪化するという問題があった。
特開2012−184368号公報
本発明は、前記の問題点を解決しようとするものであり、環境面での負荷が小さく、かつ通常のポリプロピレンと同様に押出成形に対応可能であり、充分なウエルド強度を有する成形品を得ることができ、かつリサイクル性にも優れた樹脂組成物を提供することを技術的な課題とするものである。
本発明者は、前記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、ポリ乳酸樹脂(A)、ポリプロピレン樹脂(B)、スチレン・エチレンブチレン・スチレンブロックポリマー(C)、ポリメタクリル酸メチル系樹脂(D)及びカルボジイミド化合物(E)を含有する樹脂組成物であって、下記(1)〜(5)の条件を同時に満足することを特徴とする樹脂組成物を要旨とするものである。
(1)ポリ乳酸樹脂(A)の190℃、2.16kgにおけるメルトフローレートが6g/10分以下である。
(2)ポリプロピレン樹脂(B)の230℃、2.16kgにおけるメルトフローレートが6g/10分以下である。
(3)スチレン・エチレンブチレン・スチレンブロックポリマー(C)の含有量は、ポリ乳酸樹脂(A)とポリプロピレン樹脂(B)の合計100質量部に対して、0.5〜10質量部である。
(4)ポリメタクリル酸メチル系樹脂(D)の含有量は、ポリ乳酸樹脂(A)とポリプロピレン樹脂(B)の合計100質量部に対して、0.3〜3.0質量部である。
(5)カルボジイミド化合物(E)の含有量は、ポリ乳酸樹脂(A)とポリプロピレン樹脂(B)の合計100質量部に対して、0.05〜5質量部である。
本発明の樹脂組成物は、メルトフローレートが特定のポリ乳酸樹脂とポリプロピレン樹脂を用い、かつ相溶化剤としてスチレン・エチレンブチレン・スチレンブロックポリマー(以下、SEBSと称することがある)とポリメタクリル酸メチル系樹脂(以下、PMMAと称することがある)を用いているため、ウエルド融着性に優れた特性を有するものである。このため、通常のポリプロピレンと同様に押出成形に対応可能であり、ウエルド強度に優れた各種押出成形品を得ることができる。さらには、カルボジイミド化合物を含有するものであるため、成形時に出る端材を再利用(リサイクル)しても、粘度の低下が小さく、ウエルド強度に優れた成形品を生産性よく得ることができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明においてポリ乳酸樹脂(A)としては、耐熱性、成形性の面からポリ(L−乳酸)、ポリ(D−乳酸)、およびこれらの混合物または共重合体を用いることができるが、生分解性および成形加工性の観点からは、ポリ(L−乳酸)を主体とすることが好ましい。
また、ポリ(L−乳酸)を主体とするポリ乳酸樹脂(A)の融点は、光学純度によってその融点が異なるが、本発明においては、成形品の機械的特性や耐熱性を考慮すると、融点を160℃以上とすることが好ましい。ポリ(L−乳酸)を主体とするポリ乳酸樹脂(A)において、融点を160℃以上とするためには、D−乳酸成分の割合を3モル%未満とすることが好ましい。
ポリ乳酸樹脂(A)は、190℃、荷重2.16kgにおけるメルトフローレート(以下、MFRと称することがある)が6g/10分以下であることが必要であり、中でも1〜5g/10分であることが好ましい。メルトフローレートが6g/10分を超える場合は、後述する樹脂組成物のMFRを3.5g/10分以下にすることが困難となり、溶融粘度が低くなりすぎて、押出成形時の押出が困難となる。
なお、MFRは、JIS K−7210(試験条件4)により測定するものである。
ポリ乳酸樹脂(A)は公知の溶融重合法で、あるいは、さらに固相重合法を併用して製造される。また、ポリ乳酸樹脂(A)のメルトフローレートを所定の範囲に調節する方法として、メルトフローレートが大きすぎる場合は、少量の鎖長延長剤、例えば、ジイソシアネート化合物、ビスオキサゾリン化合物、エポキシ化合物、酸無水物等を用いて樹脂の分子量を増大させる方法が挙げられる。逆に、メルトフローレートが小さすぎる場合はメルトフローレートの大きなポリエステル樹脂や低分子量化合物と混合する方法が挙げられる。
本発明で用いられるポリプロピレン樹脂(B)としては、ホモポリマータイプ、ランダムコポリマータイプ、ブロックコポリマータイプなどを挙げることができるが、ウエルド融着性と耐熱性の点から、ブロックコポリマータイプが好ましい。ポリプロピレン樹脂(B)は有機過酸化物などで三次元架橋されたものでもよいし、一部が塩素化されていてもよいし、酢酸ビニル、アクリル酸、メタアクリル酸、無水マレイン酸などとの共重合体でもかまわない。
ポリプロピレン樹脂(B)は、230℃、荷重2.16kgにおけるMFR(JISK−7210(試験条件4)による値)が、6.0g/10分以下であることが必要であり、中でも0.2〜5.0g/10分であることが好ましく、特に好ましくは0.5〜4.0g/10分である。MFRが6.0g/10分を超える場合は、後述する樹脂組成物のMFRを3.5g/10分以下にすることが困難となり、溶融粘度が低くなりすぎて、押出成形時の押出が困難となる。
ポリプロピレン樹脂(B)としては例えば、日本ポリプロ社製『ノバテックPP-EC9』あるいはサンアロマー社製『PB170A』が挙げられる。
本発明の樹脂組成物において、ポリ乳酸樹脂(A)とポリプロピレン樹脂(B)との質量比率(A/B)は、20/80〜70/30であることが好ましく、中でも30/70〜60/40であることが好ましい。ポリ乳酸樹脂(A)が20質量%未満では、ポリ乳酸樹脂による低環境負荷性を充分に発揮することが困難となって、環境への貢献が小さくなる。一方、ポリ乳酸樹脂(A)が70質量%を超えると、すなわちポリプロピレン樹脂(B)が30質量%未満になると、耐熱性や耐衝撃性、成形性などのポリプロピレン樹脂(B)が本来持つ性能を充分に発揮することが困難となる。
また、本発明の樹脂組成物は、SEBS(C)を含有するものである。SEBS(C)は、ポリ乳酸樹脂(A)とポリプロピレン樹脂(B)の相溶性を改善し、特に成形品に生じるウエルド部の融着を良好にし、成形品のウエルド強度を向上させることができる。
ウエルド融着性を向上させるためには、SEBS(C)として、スチレン含有量が50質量%以上のものを用いることが好ましく、中でもスチレン含有量が60質量%以上のものを用いることが好ましい。
市販されているSEBS(C)としては、例えば、旭化成社製『タフテック』シリーズや、JSR社製『ダイナロン』シリーズに含まれるものが挙げられる。
SEBS(C)の含有量は、ポリ乳酸樹脂(A)とポリプロピレン樹脂(B)の合計100質量部に対して、0.5〜10質量部であることが必要であり、中でも0.8〜9質量部であることが好ましい。SEBS(C)の含有量が0.5質量部未満では、上記したような相溶性を改善する効果を得ることができず、得られる成形品のウエルド融着性を向上させることができない。一方、SEBS(C)の含有量が10質量部を超えた場合、得られる成形品の耐熱性が低下することがある。
さらに、本発明の樹脂組成物は、PMMA(D)を含有するものである。PMMA(D)を添加することにより、SEBS(C)による、ポリ乳酸樹脂(A)やポリプロピレン樹脂(B)の相溶性を改善する効果が向上し、SEBS(C)によるウエルド融着改善効果をさらに促進することが可能となる。このように、SEBS(C)とPMMA(D)とを含有することにより、相溶化剤の含有量が少なくても、ポリ乳酸樹脂とポリプロピレン樹脂が良好に相溶した樹脂組成物(ポリマーアロイ)を得ることが可能となるものである。
PMMA(D)としては種々のものを用いることができ、一般成形用のPMMA系樹脂などを好適に用いることができる。耐熱性の点から、PMMAとしては、JIS−K7191に従って、1.8MPaにて測定された荷重たわみ温度が、95℃以上のものを用いることが特に好ましい。市販のものとしては、例えば、三菱レイヨン社製『アクリペットVH』などが挙げられる。
PMMA(D)の含有量は、ポリ乳酸樹脂(A)とポリプロピレン樹脂(B)の合計100質量部に対して、0.3〜3.0質量部であることが必要であり、中でも0.4〜2.8質量部であることが好ましい。PMMA(D)の含有量が0.3質量部未満では、上記したようなSEBS(C)の効果をより向上させることが困難となる。一方、3.0質量部を超える場合、ウェルド融着性をかえって低下させる場合がある他、組成物の柔軟性をいたずらに損ない、好ましくない。
さらに、本発明の樹脂組成物には、樹脂組成物のリサイクル性の向上、溶融時の安定性の向上、および、樹脂組成物の成形品の耐久性向上のために、カルボジイミド化合物(E)が配合される。
カルボジイミド化合物(E)としては、種々のものを用いることができ、分子中に1個以上のカルボジイミド基を持つものであれば特に限定されない。カルボジイミド化合物(E)としては、例えば、脂肪族モノカルボジイミド、脂肪族ポリカルボジイミド、脂環族モノカルボジイミド、脂環族ポリカルボジイミド、芳香族モノカルボジイミド、芳香族ポリカルボジイミドなどが挙げられる。
カルボジイミド化合物(E)としては、成形品を食品接触用途に用いる場合の衛生性や成形時の溶融粘度低下(MFR上昇)防止への効果の点から、ポリカルボジイミド系化合物が好ましい。
カルボジイミド化合物(E)の配合量は、ポリ乳酸樹脂(A)とポリプロピレン樹脂(B)の合計100質量部に対して、0.05〜5質量部であることが必要であり、中でも0.1〜4.0質量部であることが好ましく、さらには、0.5〜3.0質量部であることが好ましい。カルボジイミド化合物(E)の含有量が0.05質量部未満では、上記したようなリサイクル性を向上させる効果に乏しいものとなる。一方、5.0質量部を超える場合、変色などの問題が生じる場合があり、生産コストも高くなる。
そして、本発明の樹脂組成物は、230℃、荷重2.16kgにおけるMFR(JISK−7210(試験条件4)による値)が、3.5g/10分以下であることが必要であり、中でも3.0g/10分以下であることが好ましく、特に好ましくは0.5〜2.8g/10分である。MFRが3.5/10分を超える場合は、溶融粘度が低くなりすぎて、押出成形時の押出が困難となり、特に薄肉の異形押出成形品を得ることができない。
本発明の樹脂組成物にはその特性を大きく損なわない限りにおいて、充填材(フィラー)、展着剤、柔軟材(エラストマー)、結晶核剤、顔料、熱安定剤、酸化防止剤、耐候剤、可塑剤、滑剤、離型剤、帯電防止剤等を添加することができる。充填材(フィラー)としては例えばタルクが挙げられ、また、タルクなどの充填材を添加する際は流動パラフィンなどの展着剤を併用することで押出機へのスムーズな供給が可能となる。その際、各種の柔軟材(エラストマー)を添加することで、充填材の添加により低下した柔軟性をある程度回復することが可能である。また、ポリプロピレンおよび/またはポリ乳酸に有効に作用する結晶核剤を添加することで、耐熱性の向上が期待出来る。難燃剤としては、特に限定されないが、例えば、リン系難燃剤や水酸化金属などが挙げられる。熱安定剤や酸化防止剤としては、例えば、ヒンダードフェノール類、ヒンダードアミン、イオウ化合物、銅化合物、アルカリ金属のハロゲン化物などが例示される。なお、本発明の樹脂組成物にこれらを混合する方法は特に限定されない。
ポリ乳酸樹脂(A)、ポリオレフィン樹脂(B)、SEBS(C)、PMMA(D)、カルボジイミド化合物(E)を含有する本発明の樹脂組成物を製造する方法は、特に限定されないが、一軸あるいは二軸の押出機を用いて溶融混練する方法を挙げることができる。混練状態をよくする意味で二軸の押出機を使用することが好ましい。混練温度は200〜240℃の範囲が、また、混練時間は20秒〜30分が好ましい。この範囲より低温や短時間であると、混練や反応が不充分となったり、逆に、高温や長時間であると樹脂の分解や着色が起きる場合があり、ともに好ましくない。
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明する。実施例および比較例の樹脂組成物におけるリサイクル性の評価方法は次のとおりである。
〔リサイクル性〕
射出成形の前後のMFRの上昇幅にて、リサイクル性を評価した。まず、成形前の樹脂のMFR(MFR1)を測定し、この樹脂を用いて、東芝社製射出成形機ISO80Gを用い、シリンダ温度210℃、成形サイクル40秒にてASTM型試験片を成形した。得られた試験片から樹脂のMFR(MFR2)を測定し、MFRの上昇幅を以下のように算出した。
MFRの上昇幅(g/10分)=MFR2−MFR1
リサイクル性が良好な樹脂組成物としては、MFR上昇幅が1.0g/10分未満であることが好ましい。
また、実施例、比較例に用いた各種原料は次の通りである。
(1)ポリ乳酸樹脂(A)
A−1:カーギルダウ社製『4032D』〔D体含有量1.4モル%、MFR(190℃、荷重2.16kg)=4g/10分〕
(2)ポリプロピレン樹脂(B)
B−1:日本ポリプロ社製ポリプロピレン樹脂『ノバテックPP-EC9』〔ブロックコポリマータイプ、MFR(230℃、荷重2.16kg)=0.5g/10分〕
B−2:日本ポリプロ社製ポリプロピレン樹脂『ノバテックPP-BC6C』〔ブロックコポリマータイプ、MFR(230℃、荷重2.16kg)=2.5g/10分〕
(3)SEBS(C)
C−1:旭化成社製『タフテックH1043』(スチレン含有量67質量%)
(4)PMMA(D)
D−1:三菱レイヨン社製PMMA系樹脂『アクリペットVH』
(5)カルボジイミド化合物(E)
E−1:日清紡ケミカル社製ポリカルボジイミド『カルボジライトHMV15CA』
E−2:日清紡ケミカル社製ポリカルボジイミド『カルボジライトLA−1』
(6)その他添加剤
F:タルク 日本タルク社製『MS』(粒子径D50=14μm)
G:展着剤 松村石油社製流動パラフィン『モレスコホワイトP−85』
H:結晶核剤 新日本理化社製アルカントリカルボキサミド系化合物『リカクリアPC1』
I:エラストマー クラレ社製アルカントリカルボキサミド系化合物『ハイブラー7311』
実施例1
二軸押出機(東芝機械社製TEM37BS型)を用い、ポリ乳酸樹脂(A)として、A−1を33.0質量部、ポリオレフィン樹脂(B)として、B−1を67.0質量部、SEBS(C)として、C−1を5.0質量部、PMMA(D)として、D−1を1.0質量部、カルボジイミド化合物(E)として、E−1を1.5質量部用い、これらをドライブレンドして押出機の根元供給口から供給し、バレル温度230℃、スクリュー回転数180rpm、吐出20kg/hの条件で、ベントを効かせながら押出しを実施した。押出機先端から吐出された樹脂をペレット状にカッティングして樹脂組成物のペレットを得た。
実施例2〜7、比較例1〜3
ポリ乳酸樹脂(A)、ポリオレフィン樹脂(B)、SEBS(C)、PMMA(D)、カルボジイミド化合物(E)の量や種類、その他添加剤の量や種類を表1に示すように変更した以外は実施例1と同様にして樹脂組成物のペレットを得た。
実施例1〜7、比較例1〜3で得られた樹脂組成物の組成及びリサイクル性の評価を表1に示す。
表1から明らかなように、実施例1〜7の樹脂組成物は、本発明で規定する組成を満足するものであったため、押出成形が可能であり、リサイクル性にも優れていた。
一方、比較例1〜3の樹脂組成物は、カルボジイミド化合物(E)を含有しないものであったため、成形前後でのMFRの上昇幅が大きいものとなり、リサイクル性に劣るものであった。

Claims (2)

  1. ポリ乳酸樹脂(A)、ポリプロピレン樹脂(B)、スチレン・エチレンブチレン・スチレンブロックポリマー(C)、ポリメタクリル酸メチル系樹脂(D)及びカルボジイミド化合物(E)を含有する樹脂組成物であって、下記(1)〜(5)の条件を同時に満足することを特徴とする樹脂組成物。
    (1)ポリ乳酸樹脂(A)の190℃、2.16kgにおけるメルトフローレートが6g/10分以下である。
    (2)ポリプロピレン樹脂(B)の230℃、2.16kgにおけるメルトフローレートが6g/10分以下である。
    (3)スチレン・エチレンブチレン・スチレンブロックポリマー(C)の含有量は、ポリ乳酸樹脂(A)とポリプロピレン樹脂(B)の合計100質量部に対して、0.5〜10質量部である。
    (4)ポリメタクリル酸メチル系樹脂(D)の含有量は、ポリ乳酸樹脂(A)とポリプロピレン樹脂(B)の合計100質量部に対して、0.3〜3.0質量部である。
    (5)カルボジイミド化合物(E)の含有量は、ポリ乳酸樹脂(A)とポリプロピレン樹脂(B)の合計100質量部に対して、0.05〜5質量部である。
  2. 請求項1記載の樹脂組成物からなる押出成形品。

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WO2024080123A1 (ja) * 2022-10-11 2024-04-18 住友化学株式会社 組成物

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