JP2020019062A - アルミニウム構造体及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】アルミニウム構造材とアルミニウム合金鋳物とを、工程を煩雑化することなく軽量な構造体として一体に接合できるアルミニウム構造体及びその製造方法を提供する。【解決手段】アルミニウム構造体100は、第1アルミニウム展伸材からなる第1アルミニウム構造材11と、第1アルミニウム構造材11と重なり合って一体にされ、第2アルミニウム展伸材13とアルミニウム合金鋳物15とで構成される第2アルミニウム構造材17とを備える。第2アルミニウム構造材17は、第2アルミニウム展伸材13の少なくとも一面をアルミニウム合金鋳物15から露出させた状態で鋳ぐるまれている。第1アルミニウム構造材11は、第2アルミニウム展伸材13の露出した面に対向させて第2アルミニウム構造材17と重なり合って、第2アルミニウム展伸材13との間にスポット溶接によるナゲットが形成されている。【選択図】図1

Description

本発明は、アルミニウム構造体及びその製造方法に関する。
近年の自動車の構造部材には、軽量化を目的として、高強度、高精度のアルミニウム展伸材(パイプ、板プレス成形品など)が多く用いられている。しかし、一部の構造部材には、複雑な形状を要する部分があり、このような複雑な形状を展伸材のみで作製するには、複数の加工工程を経て所定の形状にしなければならず、複雑な加工工程を要して生産性に劣る。また、展伸材は塑性加工により成形できる形状に限界があるため、部材形状設計の自由度が制限される。複雑な形状の構造部材は、鋳物部材で形成することで所定の形状に形成可能である。しかし、アルミニウム鋳物部材を他の部材(アルミニウム展伸材)と接合するためには、取付面の取付精度を得るために切削加工が必要となる。また、アルミニウム鋳物部材とアルミニウム展伸材との接合は、アルミニウム鋳物内部に存在する気孔(巣)により溶接することが困難であり、接着剤やボルト等による機械的接合が一般的であった。
図12に示すように、特許文献1に開示されているアルミニウム構造部材10は、アルミニウム又はアルミニウム合金からなるアルミニウム展伸材1と、アルミニウム展伸材1を鋳ぐるんだ状態で接合するアルミニウム合金鋳物3と、を備える。アルミニウム展伸材1は、アルミニウム合金鋳物3から一部を外部に突出させた接合部5を有し、この鋳ぐるみ部から突出するアルミニウム展伸材1の接合部5に、被接合部材7を板厚方向に重ね合わせ、接合部5と被接合部材7との接合面に抵抗スポット溶接によりナゲット9を形成して接合している。
特開2017−94390号公報
しかしながら、特許文献1のアルミニウム構造部材10は、アルミニウム合金鋳物3から外部に突出する接合部5と、被接合部材7とを抵抗スポット溶接により接合しており、接合部5をアルミニウム合金鋳物3から外部に突出させて設ける必要がある。また、接合部5は、被接合部材7と接合するために強度が必要であり、接合部5を平板状にするだけでは強度不足となる場合があり、例えば、リブを形成して補強する必要がある。接合部5と被接合部材7とを溶接する際、リブが存在するため、平面同士の接合がしにくくなり、接合工程が煩雑になりやすい。また、溶接施工性も悪くなる。つまり、スポット溶接電極を当てる点がリブによって限られてしまい、溶接点の配置に制限が生じる。また、リブが余分に設けられることになり、重量も嵩んでしまう。このように、工程を煩雑化せずに、軽量な構造体を得ることが難しく、改善の余地があった。
本発明は、前述した課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、アルミニウム展伸材とアルミニウム合金鋳物とを、工程を煩雑化することなく軽量な構造体として一体に接合できるアルミニウム構造体及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明の上記目的は、下記の構成により達成される。
(1) 第1アルミニウム展伸材からなる第1アルミニウム構造材と、
第1アルミニウム構造材と重なり合って一体にされ、第2アルミニウム展伸材とアルミニウム合金鋳物とで構成される第2アルミニウム構造材と、
を備え、
前記第2アルミニウム構造材は、前記第2アルミニウム展伸材の少なくとも一面を前記アルミニウム合金鋳物から露出させた状態で鋳ぐるまれており、
前記第1アルミニウム構造材は、前記第2アルミニウム展伸材の露出した面に対向させて前記第2アルミニウム構造材と重なり合って、前記第2アルミニウム展伸材との間にスポット溶接によるナゲットが形成されているアルミニウム構造体。
(2) 第1アルミニウム展伸材からなる第1アルミニウム構造材と、第2アルミニウム展伸材とアルミニウム合金鋳物とで構成される第2アルミニウム構造材と、が重なり合って一体にされたアルミニウム構造体の製造方法であって、
前記第2アルミニウム展伸材の少なくとも一面を前記アルミニウム合金鋳物から露出させた状態で鋳ぐるまれた前記第2アルミニウム構造材を準備する工程と、
前記第1アルミニウム構造材は、前記第2アルミニウム展伸材の露出した面に対向させて前記第2アルミニウム構造材と重なり合わせる工程と、
前記第1アルミニウム構造材と前記第2アルミニウム展伸材との間にスポット溶接によるナゲットを形成する工程と、
をこの順で実施するアルミニウム構造体の製造方法。
本発明によれば、アルミニウム展伸材とアルミニウム合金鋳物とを、工程を煩雑化することなく軽量な構造体として一体に接合できる。
本発明の一実施形態に係るアルミニウム構造体の斜視図である。 図1に示すアルミニウム構造体の裏面斜視図である。 図1のIII−III断面図である。 アルミニウム構造体の製造手順を示す図である。 第2構成例のアルミニウム構造体の断面図である。 第3構成例のアルミニウム構造体における第2アルミニウム構造材の裏面図である。 第4構成例のアルミニウム構造体における第2アルミニウム構造材の一部断面図である。 第5構成例のアルミニウム構造体の断面図である。 第2アルミニウム構造材のインサート材とアルミニウム合金鋳物との接合界面を傾斜させた構成の断面図である。 (A)〜(C)はインサート材の端面とアルミニウム合金鋳物との界面の例を示す説明図である。 第6構成例のアルミニウム構造体の断面図である。 従来のアルミニウム構造部材の断面図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
<第1構成例>
図1は本実施形態のアルミニウム構造体の斜視図であり、図2はアルミニウム構造体の裏面斜視図であり、図3は図1のIII−III断面図である。
図1〜図3に示すように、本実施形態のアルミニウム構造体100は、アルミニウム展伸材(第1アルミニウム展伸材)からなる第1アルミニウム構造材11と、インサート材(第2アルミニウム展伸材)13とアルミニウム合金鋳物15とで構成される第2アルミニウム構造材17とを備える。第1アルミニウム構造材11と第2アルミニウム構造材17とは、互いに重なり合ってスポット溶接により一体にされている。
インサート材13は、例えば、厚さtが1mmのアルミニウム展伸材からなる板材である。インサート材13の少なくとも一面はアルミニウム合金鋳物15から露出させた状態で鋳ぐるまれている。図示例では、インサート材13に露出面13aが形成されている。
第1アルミニウム構造材11は、インサート材13の露出した面13aに対向させて第2アルミニウム構造材17と重なり合って、第1アルミニウム構造材11とインサート材13との間には、スポット溶接によるナゲット21が形成されている(図3参照)。
インサート材13の露出面13aは、アルミニウム合金鋳物15の表面と同じ平面内にある。つまり、インサート材13の露出面13aと同じ面内に、第2アルミニウム構造材17の第1アルミニウム構造材11との対向面が形成されている。なお、これに限らず、インサート材13は、アルミニウム合金鋳物15の表面から外側に突出していてもよい。
第1アルミニウム構造材11及びインサート材13に用いるアルミニウム展伸材は、板材の他に、押出材やパイプ(丸パイプ、角パイプ、異形パイプ)としても作製できる。アルミニウム展伸材は、鋳物材のように材料内に空孔(巣)等の鋳物欠陥が存在しないため、溶接性に優れると共に寸法精度に優れている。
第1アルミニウム構造材11は、厚さtが、5mm以下、好ましくは2mm以下のアルミニウム展伸材から形成された板材である。
アルミニウム展伸材の材質としては、AA6000系合金、5000系合金、7000系合金、3000系合金、2000系合金等の各種合金材が使用可能である。
アルミニウム合金鋳物15の材質としては、AC4C、AC4CH、AC2B(JIS H 5202)、又はADC12(JIS H 5302)等が挙げられる。
アルミニウム展伸材、アルミニウム合金鋳物の少なくとも一方が2000系、6000系、7000系の熱処理型合金の場合は、アルミニウム合金でアルミニウム展伸材を鋳ぐるんだ後に、固溶化処理(溶体化処理)と時効処理を施すとよい。
アルミニウム構造体100が様々な形状(例えば、丸形、角形、テーパ形状、リブ付形状等)で構成される場合は、展伸材を複数の工程で加工するよりも、溶湯を鋳型に流し込んで一体的に形成するアルミニウム合金鋳物15の方が製造しやすい。アルミニウム合金鋳物15は、複雑な形状であっても製造が容易であるため、アルミニウム合金鋳物15を用いた構造物は、剛性の高い一体構造物に比較的安価に作製できる。
第2アルミニウム構造材17のアルミニウム合金鋳物15は、スポット溶接部の鋳ぐるみ部分の肉厚tが5mm以下、好ましくは2mm以下となるように肉厚tが設定される。これは、後述する第1アルミニウム構造材11とインサート材13とのスポット溶接を容易にするためである。鋳ぐるみ部分の肉厚tが厚いと、溶接電流の経路が不安定となり、溶接品質が低下する虞がある。
アルミニウム展伸材は、図示した板材に限らず、押出形材(パイプ材や、中空、中実、異形断面の形材)、鍛造材(板材、リブ付材)であってもよい。アルミニウム展伸材は、その表面にブラスト処理、エッチング処理、ブラシ研磨処理等の各種表面処理を施してもよい。これにより、アルミニウム展伸材の表面の有機物が除去され、アルミニウム展伸材とアルミ溶湯との親和性(アルミニウム溶湯の濡れ性)が高められる。
次に、アルミニウム構造体100の製造方法について、図4を参照して説明する。
先ず、アルミニウム展伸材からなるインサート材13を、少なくともその一面(露出面13a)を露出させてアルミニウム合金鋳物15で鋳ぐるんだ第2アルミニウム構造材17を形成する。このとき、露出面13aの反対側に位置するアルミニウム合金鋳物15の肉厚tcが、5mm以下、好ましくは2mm以下となるようにする。
アルミニウム合金鋳物15の鋳込みは、ダイカスト、高圧鋳造等の金型鋳造、重力鋳造等の砂型鋳造の各種鋳造方法を適宜使用できる。この際、金型又は砂型内にアルミニウム展伸材からなるインサート材13を、その一部がアルミニウム合金鋳物15から露出するようにセットして鋳造する。
そして、図4の(A),(B)に示すように、インサート材13の露出面13aを第1アルミニウム構造材11の表面に当接させて、第1アルミニウム構造材11と第2アルミニウム構造材17とを重ね合わせる。
次いで、図4の(C)に示すように、インサート材13と第1アルミニウム構造材11とを、抵抗スポット溶接の電極23と電極25で挟んで押圧し、電極23,25間に溶接電流を流してインサート材13の露出面13aと第1アルミニウム構造材11との当接部にナゲット21を形成する。これにより、インサート材13の露出面13aと第1アルミニウム構造材11とがスポット溶接され、第1アルミニウム構造材11がインサート材13を介して第2アルミニウム構造材17に一体に接合される。
一般的に、アルミニウム合金鋳物15は、アルミニウム展伸材に比べると以下のような特性を有し、溶接性が低下する。特に、砂型鋳物やダイカスト鋳物になるとブローホールや巣が多くなる傾向があるので溶接が難しくなる。
(1)添加元素の数および量が多いので溶融温度が低い。
(2)鍛練されていないので組織,結晶粒及び金属間化合物が粗い。
(3)ブローホール、酸化膜の巻込み及び巣等の欠陥が比較的多い。
(4)肉厚が一定でない。
(5)割れが発生しやすい。
インサート材13とアルミニウム合金鋳物15の溶け込み深さは、アルミニウム展伸材であるインサート材13とアルミニウム合金鋳物15との融点に差がある材種を適宜組み合わせたり、インサート材13の厚みを適宜組み合わせたりして鋳造することで調整できる。
上記構成のアルミニウム構造体100によれば、寸法精度の高いアルミニウム展伸材と形状自由度の高いアルミニウム合金鋳物15との組み合わせにより、部材形状の設計自由度が高められる。また、従来のアルミニウム構造部材とは異なり、接着剤による接合やボルト等による機械的締結手段を用いることなく被接合部材との接合が行えるため、施工性が高められる。
<第2構成例>
図5は第2構成例のアルミニウム構造体200の断面図である。
本構成の第2アルミニウム構造材17Aは、インサート材13の一面13bのみアルミニウム合金鋳物15に鋳ぐるまれており、その他の構成は前述のアルミニウム構造体100と同様である。本構成では、インサート材13の上面が鋳ぐるまれており、ナゲット21は、上面を平面視したときの上面領域内に形成される。
このように、アルミニウム合金鋳物15により覆われるインサート材13の面は、少なくとも一面あればよい。本変形例のアルミニウム構造体200は、インサート材13の上面となる一面13bのみがアルミニウム合金鋳物15により鋳ぐるまれた例であるが、これに限らない。インサート材13の側面は、インサート材13が矩形状の板材である場合、少なくとも2面を鋳ぐるまれることが好ましい。2面以上の側面を含めて鋳ぐるまれることで、高い接合強度が得られる。
<第3構成例>
図6は第3構成例のアルミニウム構造体300における第2アルミニウム構造材17Bの裏面図である。
本構成の第2アルミニウム構造材17Bは、アルミニウム合金鋳物15に、離間して配置された複数(図示例では4個)のインサート材13が適宜の位置に鋳ぐるまれている。その他の構成は前述のアルミニウム構造体100と同様である。
各インサート材13は、第1アルミニウム構造材11に重ね合わされ、スポット溶接により第1アルミニウム構造材11との間にナゲット21が形成される。このように、第1アルミニウム構造材11との接合部が複数箇所に設けられる場合、各接合部に対応する位置にインサート材13を配置することで、インサート材13を必要最小限の配置に留めて、コストを低減できる。
<第4構成例>
図7は第4構成例のアルミニウム構造体400における第2アルミニウム構造材17Cの一部断面図である。
本構成の第2アルミニウム構造材17Cには、複数の異なる面上で第1アルミニウム構造材と溶接可能に複数のインサート材13が配置される。各インサート材13は、その露出面13aを互いに異なる面方向にして配置される。
この構成によれば、第2アルミニウム構造材17Cのインサート材13に、例えば屈曲した形状を有する第1アルミニウム構造材を当接させて、それぞれのインサート材13の位置でスポット溶接することで、相互に接合できる。これにより、複雑な形状を有する第1アルミニウム構造材であっても、これに対応する形状にアルミニウム合金鋳物15を形成することで、容易に接合できる。また、それぞれのインサート材13に、別体のアルミニウム構造材を溶接することも可能となり、設計自由度を向上できる。
<第5構成例>
図8は第5構成例のアルミニウム構造体500の断面図である。
本構成の第2アルミニウム構造材17Dは、インサート材13の表裏両面を露出面13a,13cとし、他の面をアルミニウム合金鋳物15に鋳ぐるんでいる。その他の構成は前述のアルミニウム構造体100と同様である。本構成では、インサート材13の少なくとも2面がアルミニウム合金鋳物15に鋳ぐるまれている。ナゲット21は、各平面を平面視したとき、いずれの平面領域内にも存在する位置に形成される。
本構成によれば、スポット溶接用の電極を、アルミニウム合金鋳物15を介さずに配置できる、このため、良好なナゲット形状を安定して得ることができる。
図9は第2アルミニウム構造材17Eのインサート材13とアルミニウム合金鋳物15との接合界面を傾斜させた構成の断面図である。
インサート材13は、第1アルミニウム構造材11側の露出面13aの幅W1を、露出面13aと反対側の露出面13cの幅W2より短くして(W1<W2)、端面13dを板厚方向から傾斜させている。これにより、インサート材13のアルミニウム合金鋳物15によるせん断抑止効果(アンカー効果)が高められ、接合強度をより向上できる。図示例では、インサート材13の上面が露出面13cとなっているが、上面はアルミニウム合金鋳物15により鋳ぐるまれていてもよい。その場合、より高い接合強度が得られる。
さらに、インサート材13の端面13dとアルミニウム合金鋳物15との界面は、図10の(A)〜(C)に示すように、種々の形態にできる。
図10の(A)に示す構成では、インサート材13の端面13dが、板厚方向の垂直方向から互いに異なる方向に傾斜した、一対の傾斜面31A,31Bを有する。
図10の(B)に示す構成では、インサート材13の端面13dの一部に、上記の傾斜面31Aと同じ傾斜の傾斜面31Cを有する。
図10の(C)に示す構成では、インサート材13の端面13dが、断面円弧状の曲面33を有する。
上記した(A)〜(C)の構成は、インサート材13の板厚方向の任意の位置における幅が、第1アルミニウム構造材11側の露出面13aの幅W1よりも広い構成である。これらの構成によっても、インサート材13のアンカー効果が高められる。なお、インサート材13は、これらの構成に限らず、他の断面形状であってもよい。
<第6構成例>
図11は第6構成例のアルミニウム構造体600の断面図である。
本構成のアルミニウム構造体600は、第2アルミニウム構造材17Fが、アルミニウム展伸材からなるアルミニウム構造材(第2アルミニウム展伸材)35と、アルミニウム構造材35を鋳ぐるむアルミニウム合金鋳物15とを有する。アルミニウム構造材35は、複数の開口孔37を有し、各開口孔37にアルミニウム合金鋳物15が充填されることで、アルミニウム合金鋳物15と高強度に接合されている。
このアルミニウム構造材35の一部には、第1アルミニウム構造材11が、図中点線で示す電極23,25によってスポット溶接される。
本構成のアルミニウム構造体600は、前述したインサート材に代えてアルミニウム構造材35がアルミニウム合金鋳物15によって鋳ぐるまれている。このように、第2アルミニウム構造材17Fは、アルミニウム合金鋳物15よりも大きなアルミニウム構造材35を備えた構成であってもよい。言い換えれば、第2アルミニウム構造材17Fは、部分的にアルミニウム合金鋳物15が鋳ぐるまれた構成であってもよい。本構成では、第2アルミニウム構造材17Fは、部分的にアルミニウム合金鋳物15が鋳ぐるまれており、ナゲットは、アルミニウム構造材35のうち、板厚方向でアルミニウム合金鋳物15とアルミニウム構造材35とが重なる領域に形成される。
本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、実施形態の各構成を相互に組み合わせることや、明細書の記載、並びに周知の技術に基づいて、当業者が変更、応用することも本発明の予定するところであり、保護を求める範囲に含まれる。
以上の通り、本明細書には次の事項が開示されている。
(1) 第1アルミニウム展伸材からなる第1アルミニウム構造材と、
第1アルミニウム構造材と重なり合って一体にされ、第2アルミニウム展伸材とアルミニウム合金鋳物とで構成される第2アルミニウム構造材と、
を備え、
前記第2アルミニウム構造材は、前記第2アルミニウム展伸材の少なくとも一面を前記アルミニウム合金鋳物から露出させた状態で鋳ぐるまれており、
前記第1アルミニウム構造材は、前記第2アルミニウム展伸材の露出した面に対向させて前記第2アルミニウム構造材と重なり合って、前記第2アルミニウム展伸材との間にスポット溶接によるナゲットが形成されているアルミニウム構造体。
このアルミニウム構造体によれば、第1アルミニウム展伸材からなる第1アルミニウム構造材と、アルミニウム合金鋳物を含む第2アルミニウム構造材とが、アルミニウム合金鋳物に鋳ぐるまれた第2アルミニウム展伸材を介してスポット溶接され、一体にされている。これにより、高い寸法精度が容易に得られるアルミニウム展伸材に、形状自由度が高いアルミニウム合金鋳物を、工程の煩雑化を招くことなく接合できる。また、アルミニウム合金鋳物から接合用の部位を突出させて形成する必要がなく、双方の構造材を無駄なく、コンパクトに接合でき、しかも軽量化に寄与できる。
(2) 前記アルミニウム合金鋳物は、前記スポット溶接された位置の肉厚が5mm以下になっている(1)に記載のアルミニウム構造体。
このアルミニウム構造体によれば、アルミニウム合金鋳物で鋳ぐるんだ第2アルミニウム展伸材を安定して第1アルミニウム構造材にスポット溶接できる。
(3) 前記アルミニウム合金鋳物の前記スポット溶接された位置の肉厚は、前記第2アルミニウム展伸材の厚さ以下である(2)に記載のアルミニウム構造体。
このアルミニウム構造体によれば、アルミニウム合金鋳物の肉厚を第2アルミニウム展伸材以下に薄くすることで、適正なナゲットを安定して形成できる。
(4) 前記第2アルミニウム構造材は、前記第2アルミニウム展伸材の前記露出した面の対向面を前記アルミニウム合金鋳物から露出させ、かつ、前記第2アルミニウム展伸材の側面のうち少なくとも2面が鋳ぐるまれている(1)に記載のアルミニウム構造体。
このアルミニウム構造体によれば、第2アルミニウム展伸材の表裏両面がアルミニウム合金鋳物から露出させることで、第1アルミニウム構造体以外の部材とも接合でき、接合自由度を向上できる。
(5) 前記第1アルミニウム構造材は、アルミニウム押出材又はアルミニウム原板である(1)〜(4)のいずれか一つに記載のアルミニウム構造体。
この構成によれば、寸法精度や品質が一定のアルミニウムの規格品をアルミニウム構造材に使用することができる。
(6) 前記アルミニウム合金鋳物の前記第1アルミニウム構造材との対向面は、前記第2アルミニウム展伸材の前記露出された面と同じ面内に形成されている(1)〜(5)のいずれか1つに記載のアルミニウム構造体。
この構成によれば、インサート材を強固にアルミニウム構造材に溶接できる。
(7) 第1アルミニウム展伸材からなる第1アルミニウム構造材と、第2アルミニウム展伸材とアルミニウム合金鋳物とで構成される第2アルミニウム構造材と、が重なり合って一体にされたアルミニウム構造体の製造方法であって、
前記第2アルミニウム展伸材の少なくとも一面を前記アルミニウム合金鋳物から露出させた状態で鋳ぐるまれた前記第2アルミニウム構造材を準備する工程と、
前記第1アルミニウム構造材は、前記第2アルミニウム展伸材の露出した面に対向させて前記第2アルミニウム構造材と重なり合わせる工程と、
前記第1アルミニウム構造材と前記第2アルミニウム展伸材との間にスポット溶接によるナゲットを形成する工程と、
をこの順で実施するアルミニウム構造体の製造方法。
この構成によれば、工程を煩雑化することなく、アルミニウム合金鋳物をアルミニウム構造材に接合して軽量化されたアルミニウム構造体を容易に製作できる。
11 第1アルミニウム構造材
13 インサート材(第2アルミニウム展伸材)
13a,13c 露出面
15 アルミニウム合金鋳物
17,17A,17B,17C,17D,17E,17F 第2アルミニウム構造材
21 ナゲット
35 アルミニウム構造材(第2アルミニウム展伸材)
100,200,300,400,500,600 アルミニウム構造体

Claims (7)

  1. 第1アルミニウム展伸材からなる第1アルミニウム構造材と、
    第1アルミニウム構造材と重なり合って一体にされ、第2アルミニウム展伸材とアルミニウム合金鋳物とで構成される第2アルミニウム構造材と、
    を備え、
    前記第2アルミニウム構造材は、前記第2アルミニウム展伸材の少なくとも一面を前記アルミニウム合金鋳物から露出させた状態で鋳ぐるまれており、
    前記第1アルミニウム構造材は、前記第2アルミニウム展伸材の露出した面に対向させて前記第2アルミニウム構造材と重なり合って、前記第2アルミニウム展伸材との間にスポット溶接によるナゲットが形成されているアルミニウム構造体。
  2. 前記アルミニウム合金鋳物は、前記スポット溶接された位置の肉厚が5mm以下になっている請求項1に記載のアルミニウム構造体。
  3. 前記アルミニウム合金鋳物の前記スポット溶接された位置の肉厚は、前記第2アルミニウム展伸材の厚さ以下である請求項2に記載のアルミニウム構造体。
  4. 前記第2アルミニウム構造材は、前記第2アルミニウム展伸材の前記露出した面の対向面を前記アルミニウム合金鋳物から露出させ、かつ、前記第2アルミニウム展伸材の側面のうち少なくとも2面が鋳ぐるまれている請求項1に記載のアルミニウム構造体。
  5. 前記第1アルミニウム構造材は、アルミニウム押出材又はアルミニウム原板である請求項1〜4のいずれか一項に記載のアルミニウム構造体。
  6. 前記アルミニウム合金鋳物の前記第1アルミニウム構造材との対向面は、前記第2アルミニウム展伸材の前記露出された面と同じ面内に形成されている請求項1〜5のいずれか一項に記載のアルミニウム構造体。
  7. 第1アルミニウム展伸材からなる第1アルミニウム構造材と、第2アルミニウム展伸材とアルミニウム合金鋳物とで構成される第2アルミニウム構造材と、が重なり合って一体にされたアルミニウム構造体の製造方法であって、
    前記第2アルミニウム展伸材の少なくとも一面を前記アルミニウム合金鋳物から露出させた状態で鋳ぐるまれた前記第2アルミニウム構造材を準備する工程と、
    前記第1アルミニウム構造材は、前記第2アルミニウム展伸材の露出した面に対向させて前記第2アルミニウム構造材と重なり合わせる工程と、
    前記第1アルミニウム構造材と前記第2アルミニウム展伸材との間にスポット溶接によるナゲットを形成する工程と、
    をこの順で実施するアルミニウム構造体の製造方法。
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