JP2020017902A - 色予測方法、印刷データ生成方法、印刷データ生成装置、および色予測プログラム - Google Patents

色予測方法、印刷データ生成方法、印刷データ生成装置、および色予測プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、複数の色(特に、特色を含む複数の色)のインクの重ね刷りによって得られる色を従来よりも精度良く予測する色予測方法を提供することを目的とする。【解決手段】透明インク上に対象のインクなどが塗られた状態の反射率に対応する第1校正点P1と基材上に黒色を塗った上に対象のインクが塗られた状態の反射率に対応する第2校正点P2とに基づいて、平均反射率の背景上に対象のインクがベタ塗りされた状態の反射率に対応する第3校正点P3が求められる。第3校正点P3と基材上に対象のインクが塗られた状態の反射率に対応する第4校正点P4とに基づいて、背景全体の反射率に応じた色の予測値としての反射率が求められる。【選択図】図5

Description

本発明は、複数の色(特に、特色を含む複数の色)のインクの重ね刷りによって得られる色を予測する色予測方法に関する。
近年、印刷業界では、デジタル印刷装置の普及が進んでいる。しかしながら、ラベル・パッケージの分野では、近年でも印刷版を使用した印刷装置(以下、「従来方式の印刷装置」あるいは単に「印刷装置」という。)による印刷(オフセット印刷、グラビア印刷、フレキソ印刷など)が行われることが多い。ところが、デザインやコンテンツの制作の短納期化の要求が高まっており、従来方式の印刷装置を使用している場合にはデザイン等の変更があったときに印刷版の再作製や工程の後戻りによって生じるコストが大きいことが問題となっている。この点、デジタル印刷装置によれば、印刷版を使用しないため、印刷版の交換・再作製という作業が発生することがない。すなわち、デジタル印刷装置を採用することにより、特に小ロットの印刷を低コストで行うことが可能となり、デザインやコンテンツの制作の短納期化の要求へも低コストで対応することが可能となる。
ところで、ラベル・パッケージの分野では、色の表現力を高めるために特色が多用される傾向にある。このため、従来方式の印刷装置での印刷用に生成された印刷データを用いてデジタル印刷装置で印刷を行うためには、特色のインクの重ね刷りによって得られる色の予測を行って、その予測した色をデジタル印刷装置で再現する必要がある。なお、以下においては、複数の色のインクの重ね刷りによって得られる色を特定する値(具体的には、反射率、あるいは、CIE1931XYZ色空間における三刺激値X,Y,およびZ)の予測値のことを「オーバープリント予測値」という。
後述する非特許文献1には、特色を含む複数の色のインクの重ね刷りによって得られる色(オーバープリント予測値)を比較的簡単に予測する手法(以下、「Deshpandeらの手法」という。)が開示されている。Deshpandeらの手法では、オーバープリント予測値は、三刺激値X,Y,およびZを用いて次式(1)〜(3)のように表される(図19参照)。
X=jx×(Xb×Xf)+kx ・・・(1)
Y=jy×(Yb×Yf)+ky ・・・(2)
Z=jz×(Zb×Zf)+kz ・・・(3)
ここで、Xb,Yb,およびZbは背景色の三刺激値であり、Xf,Yf,およびZfは前景色の三刺激値であり、jx,jy,およびjzはスケーリング係数であり、kx,ky,およびkzは定数である。以下、jx,jy,jz,kx,ky,およびkzをまとめて「オーバープリント係数」という。
ところで、色の再現方法には加法混色と減法混色とがあるが、印刷の場合には減法混色によって色の再現が行われる。これに関し、仮に理想的な減法混色が行われると、例えば、重ね刷りによって得られる色の刺激値Xは「Xb×Xf」で表される(刺激値Y,Zについても同様である)。しかしながら、より正確な値を得るためには、不透明インクの使用や表面での光の反射などに起因する誤差を考慮した補正が必要となる。そこで、Deshpandeらの手法では、上式(1)〜(3)に示したように、一次式を用いた補正が行われている。
Deshpandeらの手法では、例えば、模式的には図20に示すようなカラーチャートが使用される。このカラーチャートは「CxFチャート」と呼ばれている。図20に示す例では、CxFチャートは22個のパッチによって構成されている。上段の11個のパッチは、網点パーセントを10%刻みにして対象の特色のインクを紙などの基材上に印刷することによって得られるパッチである。下段の11個のパッチは、網点パーセントを10%刻みにして対象の特色のインクを黒色(墨ベタ)上に印刷することによって得られるパッチである。このようなCxFチャートのパッチの測色で得られる値(測色値)を用いて、オーバープリント予測値が算出される。
以下、図21に示すフローチャートを参照しつつ、背景色が網点パーセントを40%とする特色(便宜上「特色1」という。)であって前景色が網点パーセントを60%とする別の特色(便宜上「特色2」という。)である場合のオーバープリント予測値の算出を例に挙げて、Deshpandeらの手法について詳しく説明する。
まず、特色1のインクを用いてCxFチャートの印刷が行われ、さらに、特色2のインクを用いてCxFチャートの印刷が行われる(ステップS900)。
次に、特色2のインクを用いて印刷されたCxFチャート(便宜上「特色2チャート」という。)を使用して、特色2に関する上式(1)〜(3)のオーバープリント係数jx,jy,jz,kx,ky,およびkzが算出される(ステップS910)。これに関し、例えば、上式(1)に着目すると、Xb×Xfについての実用上の最大値および最小値は、それぞれ、基材上および黒色(墨ベタ)上に特色2のインクが塗られたことによって得られる値である。Yb×YfおよびZb×Zfについても同様である。そこで、オーバープリント係数を算出するために、上式(1)〜(3)を表す座標系(図22参照:但し、図22には上式(1)を表す座標系のみを示している。)において、黒色上に網点パーセントを60%とする特色2のインクが塗られた状態の刺激値を表す座標が第1校正点P91とされ、基材上に網点パーセントを60%とする特色2のインクが塗られた状態の刺激値を表す座標が第2校正点P92とされる。
三刺激値のうちの例えばXに着目すると、第1校正点P91については、上式(1)に対して次のように値の代入が行われる。特色2チャートのパッチPA93の測色によって得られる値(黒色の刺激値)がXbに代入され、特色2チャートのパッチPA92の測色によって得られる値(基材上に網点パーセントを60%とする特色2のインクが塗られた状態の刺激値)がXfに代入され、特色2チャートのパッチPA91の測色によって得られる値(黒色上に網点パーセントを60%とする特色2のインクが塗られた状態の刺激値)がXに代入される(図20参照)。また、第2校正点P92については、上式(1)に対して次のように値の代入が行われる。特色2チャートのパッチPA94の測色によって得られる値(基材の刺激値)がXbに代入され、特色2チャートのパッチPA92の測色によって得られる値(基材上に網点パーセントを60%とする特色2のインクが塗られた状態の刺激値)がXfおよびXに代入される(図20参照)。
第1校正点P91に関する方程式と第2校正点P92に関する方程式との連立方程式を解くことによってオーバープリント係数jx,kxが算出される。すなわち、図22で符号L91を付した直線を表す式が得られる。オーバープリント係数jy,jz,ky,およびkzについても、同様にして算出される。
なお、図20に示すCxFチャートでは10%刻みでパッチが設けられているが、線形補間によって得られる測色値に基づいて、左右方向に隣接する2つのパッチ間の網点パーセントに対応するオーバープリント係数を求めることができる。
次に、特色1のインクを用いて印刷されたCxFチャート(便宜上「特色1チャート」という。)を使用して、最終的なオーバープリント予測値を算出するための上式(1)〜(3)中のXb,Yb,およびZbの値(背景色の三刺激値)が取得される(ステップS920)。具体的には、特色1チャートのパッチPA95(図20参照)の測色によって、Xb,Yb,およびZbの値が取得される。
次に、特色2チャートを使用して、最終的なオーバープリント予測値を算出するための上式(1)〜(3)中のXf,Yf,およびZfの値(前景色の三刺激値)が取得される(ステップS930)。具体的には、特色2チャートのパッチPA92(図20参照)の測色によって、Xf,Yf,およびZfの値が取得される。
最後に、ステップS910〜S930で得られた値を上式(1)〜(3)に代入することによって、オーバープリント予測値としての三刺激値X,Y,およびZが算出される(ステップS940)。これは、例えば、図22で符号L91を付した直線において横軸が「ステップS920で算出されたXb」と「ステップS930で算出されたXf」との積であるときの縦軸の値をXの値として算出することに相当する。
K. Deshpande, P. Green、"Recommendations for predicting spot colour overprints"、[online]、[平成30年6月7日検索]、インターネット<URL: http://www.color.org/ICC#white#paper#43#Draft2kd.doc>
ところが、Deshpandeらの手法によれば、重ね刷りが行われる複数の色の組み合わせによっては色の予測が精度良く行われない。これに関し、予測対象が比較的似ている複数の色の組み合わせであって、かつ、当該複数の色の網点パーセントの合計が100%程度までのケースでは、色の予測は精度良く行われる。例えば、或るサンプルにおいて、PANTONE(登録商標)166c(オレンジ色)とPANTONE7406c(黄色)との組み合わせについては、色の予測は概して精度良く行われている。これに対して、予測対象が大きく異なる複数の色の組み合わせであるケース、予測対象が3色以上の組み合わせであるケース、および複数の色の網点パーセントの合計が100%を大きく超えるケースについては、予測精度が低いものもある。例えば、或るサンプルにおいて、網点パーセントが100%のPANTONE7740c(緑色)と網点パーセントが70%のPANTONE166c(オレンジ色)と網点パーセントが30%のPANTONE7406c(黄色)との重ね刷りによって得られる色の予測精度は低い。以上のように、Deshpandeらの手法による色の予測精度は不充分である。
そこで、本発明は、複数の色(特に、特色を含む複数の色)のインクの重ね刷りによって得られる色を従来よりも精度良く予測する色予測方法を提供することを目的とする。
第1の発明は、基材上に第1印字色から第N印字色(Nは2以上の整数)のインクを順に塗り重ねることによって得られる色を予測する色予測方法であって、
前記基材上に前記第1印字色のインクが塗られた状態の単位領域の反射率を第1反射率として取得する第1反射率取得ステップと、
N−1回実行され、K回目(Kは1以上N−1以下の整数)の実行の際には前記基材上に前記第1印字色から第K+1印字色のインクが順に塗り重ねられた状態の前記単位領域の反射率を求める計算ステップと
を含み、
前記計算ステップは、
前記Kの値が1のときには前記基材上に前記第1印字色のインクが塗られた状態の印字領域の反射率を第2反射率として求め、前記Kの値が2以上のときには第K−1印字色のインク上に第K印字色のインクが塗り重ねられた状態の印字領域の反射率を第2反射率として求める、第2反射率算出ステップと、
前記基材上に透明インクが塗られていると仮定した場合の前記透明インク上に第K+1印字色のインクが塗り重ねられた状態の前記単位領域の反射率を第3反射率として求める第3反射率算出ステップと、
横軸を背景の反射率と前景の反射率との積とし縦軸を背景と前景とが重なった状態の反射率とする色予測用座標系に関し、前記基材の反射率である第4反射率と前記基材上に前記第K+1印字色のインクが塗られた状態の反射率である第5反射率との積と前記第3反射率との組み合わせに対応する第1座標と、前記基材上に黒色インクが塗られた状態の反射率である第6反射率と前記第5反射率との積と前記黒色インク上に前記第K+1印字色のインクが塗られた状態の反射率である第7反射率との組み合わせに対応する第2座標とを結ぶ線を表す第1変換式を求める第1変換式算出ステップと、
前記第K印字色のインク上に前記第K+1印字色のインクが塗り重ねられた状態の印字領域の反射率を前記第1変換式を用いて前記第2反射率と前記第5反射率とに基づいて第8反射率として算出する第8反射率算出ステップと、
前記色予測用座標系に関し、前記第2反射率と前記第5反射率との積と前記第8反射率との組み合わせに対応する第3座標と、前記第4反射率と前記第5反射率との積と前記第5反射率との組み合わせに対応する第4座標とを結ぶ線を表す第2変換式を求める第2変換式算出ステップと、
前記基材上に前記第1印字色から前記第K+1印字色のインクが順に塗り重ねられた状態の前記単位領域の反射率を前記第2変換式を用いて前記第1反射率と前記第5反射率とに基づいて算出し、その算出した反射率で前記第1反射率を更新する第1反射率更新ステップと
を含むことを特徴とする。
第2の発明は、第1の発明において、
前記第3反射率算出ステップでは、前記第K+1印字色のインクについての光学的ドットゲインを考慮して前記第3反射率が求められることを特徴とする。
第3の発明は、第2の発明において、
前記第3反射率算出ステップでは、
前記第K+1印字色のインクについて、トラッピング前のインクの膜厚に対するトラッピング後のインクの膜厚の比を表す膜厚比の設定が行われ、
前記第3反射率が下記の式で算出されることを特徴とする。
Figure 2020017902
ここで、c_transは前記第3反射率であり、c_paperは前記第5反射率であり、solid_paperは前記基材上に前記第K+1印字色のインクが網点パーセントを100%にして塗られた状態の反射率であり、paperは前記第4反射率であり、trapは前記膜厚比であり、c_rate_gainは前記第K+1印字色のインクについての光学的ドットゲインを考慮した網点パーセントであり。c_rateは前記第K+1印字色のインクについての光学的ドットゲインを考慮していない網点パーセントである。
第4の発明は、第1から第3までのいずれかの発明において、
前記計算ステップよりも先に実行される、前記単位領域のうちの印字領域の割合である印字率を算出する印字率算出ステップを更に含み、
前記計算ステップは、前記印字率を更新する印字率更新ステップを更に含み、
前記第2反射率算出ステップでは、前記第2反射率が下記の式で算出されることを特徴とする。
Figure 2020017902
ここで、r1は前記第2反射率であり、rは前記第1反射率であり、coverは前記印字率であり、paperは前記第4反射率である。
第5の発明は、第4の発明において、
前記印字率更新ステップでは、前記印字率が下記の式に基づいて更新されることを特徴とする。
cover=1−(1−cover)×(1−c_rate)
ここで、左辺のcoverは更新後の印字率であり、右辺のcoverは更新前の印字率であり、c_rateは前記第K+1印字色のインクの網点パーセントである。
第6の発明は、第1から第5までのいずれかの発明において、
前記第1変換式および前記第2変換式は、1次式であって、
前記第1変換式算出ステップでは、前記第1座標に関する方程式と前記第2座標に関する方程式とからなる連立方程式を解くことによって、1次式の1次の項の係数の値および1次式の定数項の値とが算出され、
前記第2変換式算出ステップでは、前記第3座標に関する方程式と前記第4座標に関する方程式とからなる連立方程式を解くことによって、1次式の1次の項の係数の値および1次式の定数項の値とが算出されることを特徴とする。
第7の発明は、第1から第6までのいずれかの発明において、
前記各ステップが所定幅の波長範囲毎に行われることを特徴とする。
第8の発明は、入稿データに基づいてデジタル印刷装置で印刷可能な形式の印刷データを生成する印刷データ生成方法であって、
前記入稿データから1画素分ずつ画素データを読み取り、その読み取った画素データの色を予測する色予測ステップと、
前記色予測ステップで得られた結果に基づいて、色の三刺激値X、Y、Zを表すXYZデータを生成するXYZデータ生成ステップと、
前記XYZデータをCIELAB色空間のデータであるLabデータに変換する第1のデータ変換ステップと、
前記Labデータを前記デジタル印刷装置で印刷可能な形式の印刷データに変換する第2のデータ変換ステップと
を含み、
前記色予測ステップでは、少なくとも一部の画素データについては、第1から第7までのいずれかの発明に係る色予測方法によって色の予測が行われることを特徴とする。
第9の発明は、入稿データに基づいてデジタル印刷装置で印刷可能な形式の印刷データを生成する印刷データ生成装置であって、
前記入稿データから1画素分ずつ画素データを読み取り、その読み取った画素データの色を予測する色予測処理を行う色予測手段と、
前記色予測処理で得られた結果に基づいて、色の三刺激値X、Y、Zを表すXYZデータを生成するXYZデータ生成手段と、
前記XYZデータをCIELAB色空間のデータであるLabデータに変換する第1のデータ変換手段と、
前記Labデータを前記デジタル印刷装置で印刷可能な形式の印刷データに変換する第2のデータ変換手段と
を備え、
前記色予測処理は、基材上に第1印字色から第N印字色(Nは2以上の整数)のインクを順に塗り重ねることによって得られる色を予測する処理を含み、
前記色予測手段は、
前記基材上に前記第1印字色のインクが塗られた状態の単位領域の反射率を第1反射率として取得する第1反射率取得手段と、
1画素分の画素データに対してN−1回実行される計算処理であって、K回目(Kは1以上N−1以下の整数)の実行の際には前記基材上に前記第1印字色から第K+1印字色のインクが順に塗り重ねられた状態の前記単位領域の反射率を求める計算処理を行う計算手段と
を含み、
前記計算手段は、
前記Kの値が1のときには前記基材上に前記第1印字色のインクが塗られた状態の印字領域の反射率を第2反射率として求め、前記Kの値が2以上のときには第K−1印字色のインク上に第K印字色のインクが塗り重ねられた状態の印字領域の反射率を第2反射率として求める、第2反射率算出手段と、
前記基材上に透明インクが塗られていると仮定した場合の前記透明インク上に第K+1印字色のインクが塗り重ねられた状態の前記単位領域の反射率を第3反射率として求める第3反射率算出手段と、
横軸を背景の反射率と前景の反射率との積とし縦軸を背景と前景とが重なった状態の反射率とする色予測用座標系に関し、前記基材の反射率である第4反射率と前記基材上に前記第K+1印字色のインクが塗られた状態の反射率である第5反射率との積と前記第3反射率との組み合わせに対応する第1座標と、前記基材上に黒色インクが塗られた状態の反射率である第6反射率と前記第5反射率との積と前記黒色インク上に前記第K+1印字色のインクが塗られた状態の反射率である第7反射率との組み合わせに対応する第2座標とを結ぶ線を表す第1変換式を求める第1変換式算出手段と、
前記第K印字色のインク上に前記第K+1印字色のインクが塗り重ねられた状態の印字領域の反射率を前記第1変換式を用いて前記第2反射率と前記第5反射率とに基づいて第8反射率として算出する第8反射率算出手段と、
前記色予測用座標系に関し、前記第2反射率と前記第5反射率との積と前記第8反射率との組み合わせに対応する第3座標と、前記第4反射率と前記第5反射率との積と前記第5反射率との組み合わせに対応する第4座標とを結ぶ線を表す第2変換式を求める第2変換式算出手段と、
前記基材上に前記第1印字色から前記第K+1印字色のインクが順に塗り重ねられた状態の前記単位領域の反射率を前記第2変換式を用いて前記第1反射率と前記第5反射率とに基づいて算出し、その算出した反射率で前記第1反射率を更新する第1反射率更新手段と
を含むことを特徴とする。
第10の発明は、基材上に第1印字色から第N印字色(Nは2以上の整数)のインクを順に塗り重ねることによって得られる色を予測する色予測プログラムであって、
前記基材上に前記第1印字色のインクが塗られた状態の単位領域の反射率を第1反射率として取得する第1反射率取得ステップと、
N−1回実行され、K回目(Kは1以上N−1以下の整数)の実行の際には前記基材上に前記第1印字色から第K+1印字色のインクが順に塗り重ねられた状態の前記単位領域の反射率を求める計算ステップと
をコンピュータのCPUがメモリを利用して実行し、
前記計算ステップは、
前記Kの値が1のときには前記基材上に前記第1印字色のインクが塗られた状態の印字領域の反射率を第2反射率として求め、前記Kの値が2以上のときには第K−1印字色のインク上に第K印字色のインクが塗り重ねられた状態の印字領域の反射率を第2反射率として求める、第2反射率算出ステップと、
前記基材上に透明インクが塗られていると仮定した場合の前記透明インク上に第K+1印字色のインクが塗り重ねられた状態の前記単位領域の反射率を第3反射率として求める第3反射率算出ステップと、
横軸を背景の反射率と前景の反射率との積とし縦軸を背景と前景とが重なった状態の反射率とする色予測用座標系に関し、前記基材の反射率である第4反射率と前記基材上に前記第K+1印字色のインクが塗られた状態の反射率である第5反射率との積と前記第3反射率との組み合わせに対応する第1座標と、前記基材上に黒色インクが塗られた状態の反射率である第6反射率と前記第5反射率との積と前記黒色インク上に前記第K+1印字色のインクが塗られた状態の反射率である第7反射率との組み合わせに対応する第2座標とを結ぶ線を表す第1変換式を求める第1変換式算出ステップと、
前記第K印字色のインク上に前記第K+1印字色のインクが塗り重ねられた状態の印字領域の反射率を前記第1変換式を用いて前記第2反射率と前記第5反射率とに基づいて第8反射率として算出する第8反射率算出ステップと、
前記色予測用座標系に関し、前記第2反射率と前記第5反射率との積と前記第8反射率との組み合わせに対応する第3座標と、前記第4反射率と前記第5反射率との積と前記第5反射率との組み合わせに対応する第4座標とを結ぶ線を表す第2変換式を求める第2変換式算出ステップと、
前記基材上に前記第1印字色から前記第K+1印字色のインクが順に塗り重ねられた状態の前記単位領域の反射率を前記第2変換式を用いて前記第1反射率と前記第5反射率とに基づいて算出し、その算出した反射率で前記第1反射率を更新する第1反射率更新ステップと
を含むことを特徴とする。
第11の発明は、基材上に第1印字色から第N印字色(Nは2以上の整数)のインクを順に塗り重ねることによって得られる色を予測する色予測方法であって、
前記基材上に前記第1印字色のインクが塗られた状態の単位領域の刺激値を第1の刺激値として取得する第1の刺激値取得ステップと、
N−1回実行され、K回目(Kは1以上N−1以下の整数)の実行の際には前記基材上に前記第1印字色から第K+1印字色のインクが順に塗り重ねられた状態の前記単位領域の刺激値を求める計算ステップと
を含み、
前記刺激値は、色の三刺激値X、Y、Zのいずれかであり、
前記計算ステップは、
前記Kの値が1のときには前記基材上に前記第1印字色のインクが塗られた状態の印字領域の刺激値を第2の刺激値として求め、前記Kの値が2以上のときには第K−1印字色のインク上に第K印字色のインクが塗り重ねられた状態の印字領域の刺激値を第2の刺激値として求める、第2の刺激値算出ステップと、
前記基材上に透明インクが塗られていると仮定した場合の前記透明インク上に第K+1印字色のインクが塗り重ねられた状態の前記単位領域の刺激値を第3の刺激値として求める第3の刺激値算出ステップと、
横軸を背景の刺激値と前景の刺激値との積とし縦軸を背景と前景とが重なった状態の刺激値とする色予測用座標系に関し、前記基材の刺激値である第4の刺激値と前記基材上に前記第K+1印字色のインクが塗られた状態の刺激値である第5の刺激値との積と前記第3の刺激値との組み合わせに対応する第1座標と、前記基材上に黒色インクが塗られた状態の刺激値である第6の刺激値と前記第5の刺激値との積と前記黒色インク上に前記第K+1印字色のインクが塗られた状態の刺激値である第7の刺激値との組み合わせに対応する第2座標とを結ぶ線を表す第1変換式を求める第1変換式算出ステップと、
前記第K印字色のインク上に前記第K+1印字色のインクが塗り重ねられた状態の印字領域の刺激値を前記第1変換式を用いて前記第2の刺激値と前記第5の刺激値とに基づいて第8の刺激値として算出する第8の刺激値算出ステップと、
前記色予測用座標系に関し、前記第2の刺激値と前記第5の刺激値との積と前記第8の刺激値との組み合わせに対応する第3座標と、前記第4の刺激値と前記第5の刺激値との積と前記第5の刺激値との組み合わせに対応する第4座標とを結ぶ線を表す第2変換式を求める第2変換式算出ステップと、
前記基材上に前記第1印字色から前記第K+1印字色のインクが順に塗り重ねられた状態の前記単位領域の刺激値を前記第2変換式を用いて前記第1の刺激値と前記第5の刺激値とに基づいて算出し、その算出した刺激値で前記第1の刺激値を更新する第1の刺激値更新ステップと
を含むことを特徴とする。
第12の発明は、基材上に第1印字色のインクと第2印字色のインクとを順に塗り重ねることによって得られる色を予測する色予測方法であって、
前記基材上に前記第1印字色のインクが塗られた状態の単位領域の反射率を第1反射率として取得する第1反射率取得ステップと、
前記基材上に前記第1印字色のインクが塗られた状態の印字領域の反射率を第2反射率として求める第2反射率算出ステップと、
前記基材上に透明インクが塗られていると仮定した場合の前記透明インク上に前記第2印字色のインクが塗り重ねられた状態の前記単位領域の反射率を第3反射率として求める第3反射率算出ステップと、
横軸を背景の反射率と前景の反射率との積とし縦軸を背景と前景とが重なった状態の反射率とする色予測用座標系に関し、前記基材の反射率である第4反射率と前記基材上に前記第2印字色のインクが塗られた状態の反射率である第5反射率との積と前記第3反射率との組み合わせに対応する第1座標と、前記基材上に黒色インクが塗られた状態の反射率である第6反射率と前記第5反射率との積と前記黒色インク上に前記第2印字色のインクが塗られた状態の反射率である第7反射率との組み合わせに対応する第2座標とを結ぶ線を表す第1変換式を求める第1変換式算出ステップと、
前記第1印字色のインク上に前記第2印字色のインクが塗り重ねられた状態の前記印字領域の反射率を前記第1変換式を用いて前記第2反射率と前記第5反射率とに基づいて第8反射率として算出する第8反射率算出ステップと、
前記色予測用座標系に関し、前記第2反射率と前記第5反射率との積と前記第8反射率との組み合わせに対応する第3座標と、前記第4反射率と前記第5反射率との積と前記第5反射率との組み合わせに対応する第4座標とを結ぶ線を表す第2変換式を求める第2変換式算出ステップと、
前記基材上に前記第1印字色のインクと前記第2印字色のインクとが順に塗り重ねられた状態の前記単位領域の反射率を前記第2変換式を用いて前記第1反射率と前記第5反射率とに基づいて算出する予測値算出ステップと
を含むことを特徴とする。
第13の発明は、基材上に第1印字色のインクを印字率100%で塗り、その上に第2印字色のインクを所定の印字率で順に塗り重ねることによって得られる色を予測する色予測方法であって、
前記基材上に前記第1印字色のインクが塗られた状態の単位領域の反射率を第1反射率として取得する第1反射率取得ステップと、
前記基材上に前記第2印字色のインクが塗られた状態の前記単位領域の反射率を第5反射率として取得する第5反射率取得ステップと、
前記第2印字色のインクが前記基材上でなく透明インクの上に塗られたと仮定した状態の前記単位領域の反射率を、前記第2印字色のインクの膜厚およびドットゲインの少なくとも一方の変動を考慮して前記第5反射率を補正することによって第3反射率として算出する第3反射率算出ステップと、
横軸を背景の反射率と前景の反射率との積とし縦軸を背景と前景とが重なった状態の反射率とする色予測用座標系に関し、前記基材の反射率である第4反射率と前記第5反射率との積と前記第3反射率との組み合わせに対応する第1座標と、前記基材上に黒色インクが塗られた状態の反射率である第6反射率と前記第5反射率との積と前記黒色インク上に前記第2印字色のインクが塗られた状態の反射率である第7反射率との組み合わせに対応する第2座標とを結ぶ線を表す第1変換式を求める第1変換式算出ステップと、
基材上に前記第1印字色のインクを印字率100%で塗り、その上に前記第2印字色のインクを所定の印字率で順に塗り重ねた状態の前記単位領域の反射率を前記第1変換式を用いて前記第1反射率と前記第5反射率とに基づいて算出する予測値算出ステップと
を含むことを特徴とする。
第14の発明は、基材上に第1印字色のインクを第1網点パーセントで塗り、その上に第2印字色のインクを第2網点パーセントで塗り重ねることによって得られる色を予測する色予測方法であって、
前記基材上に前記第1印字色のインクが前記第1網点パーセントで塗られた状態の単位領域の反射率を第1反射率として取得する第1反射率取得ステップと、
前記基材上に前記第2印字色のインクが前記第2網点パーセントで塗られた状態の前記単位領域の反射率を第5反射率として取得する第5反射率取得ステップと、
前記第2印字色のインクが前記基材上でなく透明インクの上に塗られたと仮定した状態の前記単位領域の反射率を、前記第2印字色のインクの膜厚およびドットゲインの少なくとも一方の変動を考慮して前記第5反射率を補正することによって第3反射率として算出する第3反射率算出ステップと、
前記基材上に黒色インクが網点パーセント100%で塗られた上にさらに前記第2印字色のインクが前記第2網点パーセントで塗られた状態の前記単位領域の反射率を第7反射率として取得する第7反射率取得ステップと、
横軸を背景の反射率と前景の反射率との積とし縦軸を背景と前景とが重なった状態の反射率とする色予測用座標系に関し、前記基材の反射率である第4反射率と前記第5反射率との積と前記第3反射率との組み合わせに対応する第1座標と、前記基材上に黒色インクが網点パーセント100%で塗られた状態の反射率である第6反射率と前記第5反射率との積と前記第7反射率との組み合わせに対応する第2座標とを結ぶ第1線を前記色予測用座標系において定める第1線設定ステップと、
前記色予測用座標系において前記第4反射率と前記第5反射率との積と前記第5反射率との組み合わせに対応する座標を第4座標として定める第4座標設定ステップと、
前記基材上に前記第1印字色のインクが網点パーセント100%で塗られた上にさらに前記第2印字色のインクが前記第2網点パーセントで塗られた状態の反射率を示す仮想座標を前記第1線上に定める仮想座標設定ステップと、
前記第1反射率と前記第5反射率との積を示す第3線を前記色予測用座標系において定める第3線設定ステップと、
前記仮想座標と前記第4座標とを結ぶ第2線を前記色予測用座標系において定める第2線設定ステップと、
前記第2線および前記第3線の両方の上に位置するオーバープリント座標を想定し、前記オーバープリント座標が前記第3線を前記第1網点パーセントに基づいた比率で案分するように前記第2線を前記第4座標を中心に回転させる回転ステップと、
前記回転ステップにより確定した前記オーバープリント座標の縦軸値を、前記基材上に前記第1印字色のインクを前記第1網点パーセントで塗り、その上に前記第2印字色のインクを前記第2網点パーセントで塗り重ねることによって得られる色であると予測する色予測ステップと
を含むことを特徴とする。
上記第1の発明によれば、K回目の計算ステップでは、基材上に透明インクが塗られていると仮定した場合の当該透明インク上に第K+1印字色のインクが塗り重ねられた状態の単位領域の反射率である第3反射率が求められ、当該第3反射率を考慮して、第K印字色のインクの上に第K+1印字色のインクが塗り重ねられた状態の反射率(インクが重なっている部分の反射率)である第8反射率が求められる。このようにインクのトラッピングを考慮して求められた第8反射率に基づいて、色の予測値としての反射率が求められる。従って、複数の色のインクの重ね刷りによって得られる色を従来よりも精度良く予測することができる。
上記第2の発明によれば、光学的ドットゲインを考慮して上記第3反射率が求められる。このため、複数の色のインクの重ね刷りによって得られる色を更に精度良く予測することができる。
上記第3の発明によれば、膜厚比を適宜に設定することによって、より精度良く色の予測を行うことが可能となる。
上記第4または第5の発明によれば、単位領域のうちの印字領域の割合を考慮して反射率が算出されるので、より精度良く色の予測が行われる。
上記第6の発明によれば、色の予測値に関して不透明インクの使用や表面での光の反射などに起因する誤差を考慮した補正が行われるので、より精度良く色の予測が行われる。
上記第7の発明によれば、細かい波長範囲毎に反射率を算出することによって、より精度良く色の予測を行うことが可能となる。
上記第8の発明によれば、デジタル印刷装置によって、従来方式の印刷装置から出力された印刷物との誤差の小さい印刷物を得ることが可能となる。
上記第9の発明によれば、上記第8の発明と同様の効果が得られる。
上記第10から上記第12の発明によれば、上記第1の発明と同様の効果が得られる。
上記第13の発明によれば、印字率が100%の第1印字色のインクの上に第2印字色を所定の印字率で塗り重ねた色を高い精度で予測することができる。
上記第14の発明によれば、上記第1の発明と同様の効果が得られる。
トラッピングについて説明するための図である。 本発明の一実施形態に係る色予測方法を実現する印刷システムの全体構成図である。 上記実施形態における印刷データ生成装置のハードウェア構成図である。 上記実施形態において、事前処理の流れを説明するためのブロック図である。 上記実施形態において、色予測用座標系および校正点について説明するための図である。 上記実施形態において、色予測処理の手順を示すフローチャートである。 上記実施形態において、色予測処理内の主計算処理の手順を示すフローチャートである。 上記実施形態において、印字率について説明するための図である。 上記実施形態において、第1校正点と第2校正点とを用いた計算処理について説明するための図である。 上記実施形態において、第1変換式を用いた計算処理について説明するための図である。 上記実施形態において、第2変換式を用いた計算処理について説明するための図である。 上記実施形態において、第3校正点と第4校正点とを用いた計算処理について説明するための図である。 上記実施形態において、1つのPDFファイルに対する処理の流れについて説明するためのブロック図である。 上記実施形態において、1つのPDFファイルに対する処理の手順を示すフローチャートである。 上記実施形態の第1の変形例において、色予測処理の手順を示すフローチャートである。 上記実施形態の第1の変形例において、色予測処理内の主計算処理の手順を示すフローチャートである。 上記実施形態の第2の変形例に関し、背景の反射率と前景の反射率との積から背景と前景とが重なった状態の反射率を求める変換式に1次式以外の変換モデルを採用する場合について説明するための図である。 上記実施形態の第3の変形例に関し、印字率の求め方について説明するための図である。 従来例に関し、Deshpandeらの手法について説明するための図である。 従来例に関し、CxFチャートの一例を模式的に示す図である。 従来例に関し、Deshpandeらの手法について説明するためのフローチャートである。 従来例に関し、Deshpandeらの手法について説明するための図である。 上記実施形態の第4の変形例において、色予測処理の手順について説明するための図(色予測用座標系を示す図)である。
<0.事前検討>
上述したように、Deshpandeらの手法によれば、重ね刷りが行われる複数の色の組み合わせによっては色の予測が精度良く行われない。その理由としては、複数色のインクの重ね刷りが行われた場合のトラッピングの状態が考慮されていないことが考えられる。なお、トラッピングとは、先に刷ったインキの上に後から刷ったインキが転移することである。
従来方式の印刷装置では、例えばブランケット胴に転写されたインクを更に基材としての印刷用紙などに転写することによって印刷が行われる。その際、図1に示すように、インク3が印刷用紙2上に塗られた別のインク4の上に転写されるケースでは、インク3が印刷用紙2上に直接に転写されるケース(すなわち、印刷用紙上に他のインクが塗られていないケース)に比べて、インクの膜厚が不充分となる現象(いわゆるトラッピング現象)が発生することがある。すなわち、転写後のインク3の膜厚に関して、図1のT2は図1のT1よりも小さくなる。具体的にはT2はT1の60〜80%程度の大きさであることが当業者によって報告されている。逆に、インクの膜厚が拡大する現象(いわゆる逆トラッピング現象)が発生することがある。このような膜厚の違いがDeshpandeらの手法では考慮されていない。
また、Deshpandeらの手法では、光学的ドットゲインについても考慮されていない。なお、光学的ドットゲインとは、光の散乱、反射、吸収などに起因して網点が本来よりも大きく見える現象である。光学的ドットゲインを考慮することにより、色の予測精度が向上することが考えられる。
そこで、以下の実施形態では、重ね刷りが行われた場合のインク膜厚の違いおよび光学的ドットゲインを考慮して色の予測が行われている。以下、添付図面を参照しつつ、本発明の一実施形態について説明する。
<1.印刷システムの全体構成>
図2は、本発明の一実施形態に係る色予測方法を実現する印刷システムの全体構成図である。この印刷システムは、PDFファイルなどの入稿データに対して各種処理を施して印刷データを生成する印刷データ生成装置100と、印刷データに基づいて印刷版を作製する製版装置200と、その製版装置200で作製された印刷版を使用して印刷を行う印刷装置300と、印刷版を用いることなくデジタルデータである印刷データに基づいて印刷を行うインクジェット印刷機・コピー機等のデジタル印刷装置400と、色の測定を行う測色機500とによって構成されている。印刷データ生成装置100と製版装置200とデジタル印刷装置400と測色機500とは、通信回線600によって互いに通信可能に接続されている。なお、本実施形態で使用される測色機500は分光測色機であると仮定する。
本実施形態では、印刷データ生成装置100において、入稿データに基づいて印刷データを生成する際に、当該入稿データに含まれている各画素データの色を予測する色予測処理が行われる。この色予測処理は、典型的には、複数の特色のインクの重ね刷りが行われた部分あるいは特色のインクとプロセスカラーのインクとの重ね刷りが行われた部分の色を予測する処理である。また、印刷データ生成装置100では、色予測処理の事前処理に必要とされるCxFチャート(図20参照)を作成するための印刷データの生成も行われる。さらに、印刷データ生成装置100では、色予測処理で得られたデータをデジタル印刷装置400での印刷出力が可能な形式の印刷データに変換する処理も行われる。なお、色予測処理およびその事前処理についての詳しい説明は後述する。
<2.印刷データ生成装置の構成>
図3は、本実施形態における印刷データ生成装置100のハードウェア構成図である。この印刷データ生成装置100は、パソコンによって実現されており、CPU11と、ROM12と、RAM13と、補助記憶装置14と、キーボード等の入力操作部15と、表示部16と、光学ディスクドライブ17と、ネットワークインタフェース部18とを有している。通信回線600経由で送られてくる入稿データは、ネットワークインタフェース部18を介して印刷データ生成装置100の内部へと入力される。印刷データ生成装置100で色予測処理などが行われることによって生成された印刷データは、ネットワークインタフェース部18を介して通信回線600経由でデジタル印刷装置400に送られる。
色予測処理を行うプログラム(以下、「色予測プログラム」という。)141は補助記憶装置14に格納されている。この色予測プログラム141は、例えば、入稿データからデジタル印刷装置400用の印刷データを生成する一連の処理を行うためのプログラムの中に埋め込まれている。色予測プログラム141は、CD−ROMやDVD−ROM等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納されて提供される。すなわちユーザは、例えば、色予測プログラム141の記録媒体としての光学ディスク(CD−ROM、DVD−ROM等)170を購入して光学ディスクドライブ17に装着し、その光学ディスク170から色予測プログラム141を読み出して補助記憶装置14にインストールする。また、これに代えて、通信回線600を介して送られる色予測プログラム141をネットワークインタフェース部18で受信して、それを補助記憶装置14にインストールするようにしてもよい。
<3.事前処理>
色予測処理に先だってこの印刷システムで実行しておく必要のある事前処理について説明する。図4は、事前処理の流れを説明するためのブロック図である。色予測処理では、入稿データに含まれ得る各特色に関し、基材上に塗られた部分の反射率のデータと黒色(墨ベタ)上に塗られた部分の反射率のデータとが必要とされる。これらの反射率のデータは、従来技術と同様、各特色について図20に示したようなCxFチャート(基材上に印刷されたCxFチャート)の測色を行うことによって得ることができる。
そこで、事前処理の際には、まず、印刷データ生成装置100でCxFチャート出力用の印刷データDchが作成され、当該印刷データDchが製版装置200に送られる。製版装置200では、印刷データDchに基づいて印刷版PLが作製される。そして、その印刷版PLを用いて、印刷装置300で印刷が実行される。これにより、印刷装置300からCxFチャートCHが出力される。その後、測色機500によってCxFチャートCHの測色が行われる。測色機500による測色で得られた反射率のデータである測色データDcmは、印刷データ生成装置100に送られる。以上のような処理が、入稿データに含まれ得るインク色毎(好ましくは特色毎)に行われる。
上述したように、本実施形態で使用される測色機500は分光測色機である。従って、測色で得られる反射率のデータは、分光反射率のデータである。分光反射率のデータは、例えば、380〜730nmの波長範囲で10nm刻みの範囲毎に得られる。この場合、CxFチャートCHの任意の1つのパッチの測色を行うことによって、上記測色データDcmとして36個の分光反射率のデータが得られる。
<4.色予測処理>
次に、基材上の或る単位領域(典型的には1画素)に複数の色のインクを順に塗り重ねることによって得られる色を予測する色予測処理について説明する。
<4.1 概略>
本実施形態においては、インクが重なっている部分とインクが重なっていない部分とで反射率の計算が別々に行われる。これに関し、インクが重なっている部分の反射率をできるだけ正確に求めるために、横軸を背景の反射率Rbと前景の反射率Rfとの積とし縦軸を背景と前景とが重なった状態の反射率Rとする図5に示すような色予測用座標系において、透明インク上に特色のインクなどが塗られた状態の反射率を表す座標(図5では符号P1を付した座標)が校正点の1つとして使用される。そして、インクが重なっている部分の計算結果とインクが重なっていない部分の計算結果とを印字率に応じて案分することによって予測精度の向上が図られている。なお、図5で符号P2を付した座標は図22(従来技術)で符号P91を付した座標に相当し、図5で符号P4を付した座標は図22で符号P92を付した座標に相当し、図5で符号L3を付した直線は図22で符号L91を付した直線に相当する。
ところで、背景インクの反射率が基材の反射率にほぼ等しい場合であっても、基材上に既にインクが塗られているケースがある。また、インクの反射率は波長によって異なる。例えば、黄色のインクに関しては、波長450nmについての反射率は極めて低いが、波長600nmについての反射率は極めて高い。本実施形態においては、これらのことを考慮するために、上述したように透明インク上に特色のインクなどが塗られた状態の反射率を表す座標が校正点(以下、「第1校正点」という。)として使用され、かつ、所定幅の波長範囲毎に反射率が求められる。また、対象のインクが黒色(墨ベタ)上に塗られた状態の反射率を表す座標が第2校正点P2とされ、第1校正点P1と第2校正点P2とを結ぶ線(本実施形態では直線)L1を表す式の係数が求められる(図5参照)。線L1を表す式は、或るインク上に別のインクが塗られた状態の反射率を当該別のインクの付着状況を考慮して求めるための式となる。換言すれば、線L1を表す式は、前景のインクの反射率を固定したときの、背景の反射率に応じた実際の反射率(トラッピングを考慮した反射率)を求めるための式となる。
なお、トラッピングを考慮するために膜厚比(トラッピング前のインクの膜厚に対するトラッピング後のインクの膜厚の比)の設定が行われる。膜厚比は、典型的には、0.6〜0.8の範囲の値に設定される。基材上にインクが塗られたケースの当該インクの膜厚比は1であるので、そのケースにおける反射率から、設定された膜厚比における反射率を指数関数などを用いて求めることができる。反射率を求める際には、光学的ドットゲインも考慮される。
また、背景について、印字率と背景全体での反射率とに基づいて印字領域の反射率(平均反射率)が算出される。その印字領域の反射率と前景の反射率との積に対応する反射率が線L1を表す式によって求められる。そして、その求められた反射率を表す座標が第3校正点P3とされる。この第3校正点P3は、上記で算出された平均反射率の背景上に前景のインクがいわゆるベタ塗りされた状態の反射率の予測値を表す点に相当する。
本実施形態においては、前景のインクが基材上に塗られた状態の反射率を表す座標が第4校正点P4とされる。そして、第3校正点P3と第4校正点P4とを結ぶ線(本実施形態では直線)L2を表す式の係数が求められる。第3校正点P3は印字領域の反射率に対応付けられており、第4校正点P4は基材の反射率(すなわち、非印字領域の反射率)に対応付けられているので、第3校正点P3と第4校正点P4とを結ぶ線L2を表す式は、前景のインクの反射率を固定したときの、背景全体の反射率に応じた実際の反射率を求めるための式となる。線L2を表す式を用いて、オーバープリント予測値が算出される。
<4.2 具体的な処理手順>
以下、色予測処理の具体的な手順について説明する。なお、以下においては、上述の線L1を表す式のことを「第1変換式」といい、上述の線L2を表す式のことを「第2変換式」という。また、図5に示したような色予測用座標系において任意の2点を結ぶ直線の一般式を次式(4)で表す。
R=j×(Rb×Rf)+k ・・・(4)
上式(4)において、Rは背景と前景とが重なった状態の反射率を表し、Rbは背景の反射率を表し、Rfは背景の反射率を表す。jおよびkは係数である。
また、第1変換式についての上式(4)のj,kをそれぞれj1,k1で表し、第2変換式についての上式(4)のj,kをそれぞれj2,k2で表す。
本説明では、単位領域において基材上に「第1印字色のインク、第2印字色のインク、第3印字色のインク、...、第N印字色のインク」という順序で複数のインクが塗り重ねられることによって得られる色が予測対象であると仮定する。
本実施形態においては、図6および図7に示すフローの処理が波長範囲毎に行われる。事前処理における分光反射率のデータの取得と同様、例えば、380〜730nmの波長範囲で10nm刻みの範囲毎に図6および図7に示すフローの処理が行われる。
色予測処理の開始後、まず、変数paper、変数black、変数r、変数c_rate、および変数coverへの値の設定が行われる(ステップS10)(図6参照)。具体的には、変数paperの値は基材の反射率に設定され、変数blackの値は黒色(墨ベタ)の反射率に設定され、変数rの値は基材上に第1印字色のインクが塗られた状態の反射率に設定され、変数c_rateの値は第1印字色のインクの網点パーセントに設定され、変数coverの値は0に設定される。なお、変数coverは、単位領域のうちの印字領域の割合を表す印字率を保持するための変数である。変数paperの値、変数blackの値、および変数rの値は、事前処理においてCxFチャートの測色によって得られる。これに関し、図20を用いて説明すると、変数paperの値はCxFチャートのパッチPA94の測色によって得られ、変数blackの値はCxFチャートのパッチPA93の測色によって得られる(任意の色のインクを用いて印刷されたCxFチャートを用いることができる)。変数rの値は、第1印字色のインクを用いて印刷されたCxFチャートの該当のパッチの測色を行うことによって得られる。変数c_rateについては、例えば、仮に画素データが8ビットのデータであれば、画素データの値を255で割ることによって得られる値に設定される。
次に、次式(5)に示すように、変数coverの値(印字率)が更新される(ステップS20)。
cover=1−(1−cover)×(1−c_rate) ・・・(5)
上式(5)において、左辺のcoverは更新後の印字率であり、右辺のcoverは更新前の印字率である。変数coverの初期値は0に設定されているので、仮に変数c_rateの値が0.3であれば、更新後の変数coverの値は0.3となる。また、例えば、更新前の変数coverの値が0.4であって、変数c_rateの値が0.5であれば、更新後の変数coverの値は0.7となる。
次に、この色予測処理の主要処理である主計算処理が行われる(ステップS30)。主計算処理は版ごと(すなわち、インクの色ごと)に行われる。このため、1回の主計算処理が終了する都度、全ての版の処理が終了したか否かの判定が行われる(ステップS40)。判定の結果、未処理の版が存在すれば、フローはステップS30に戻る。一方、全ての版の処理が終了していれば、フローはステップS50に進む。ステップS50では、変数rの現在の値(直前の主計算処理で変数rに代入された値)がオーバープリント予測値として出力される。上述したように380〜730nmの波長範囲で10nm刻みの範囲毎に色予測処理が行われた場合には、36個のオーバープリント予測値によって1つの色が特定されることになる。
なお、本実施形態においては、ステップS10によって第1反射率取得ステップおよび第1反射率取得手段が実現され、ステップS20によって印字率算出ステップが実現され、ステップS30によって計算ステップおよび計算手段が実現されている。
図7は、主計算処理の手順を示すフローチャートである。この主計算処理は、処理対象の単位領域の印刷に使用される印字色の数をN(Nは2以上の整数)とすると、N−1回実行される。例えば、処理対象の単位領域の印刷に第1印字色のインク、第2印字色のインク、および第3印字色のインクが使用される場合(使用される印字色の数が3の場合、すなわち、“N=3”の場合)、主計算処理は2回実行される。以下、K回目(Kは1以上N−1以下の整数)の主計算処理について詳しく説明する。
主計算処理の開始後、まず、変数c_paper、変数c_black、変数c_rate、および変数solid_paperへの値の設定が行われる(ステップS300)。具体的には、変数c_paperの値は基材上に第K+1印字色のインクが塗られた状態の反射率に設定され、変数c_blackの値は黒色(墨ベタ)上に第K+1印字色のインクが塗られた状態の反射率に設定され、変数c_rateの値は第K+1印字色のインクの網点パーセントに設定され、変数solid_paperの値は基材上に第K+1印字色のインクが網点パーセント100%で塗られた状態の反射率に設定される。例えば、変数c_paperの値については、1回目の主計算処理の際には、基材上に第2印字色のインクが塗られた状態の反射率に設定され、4回目の主計算処理の際には、基材上に第5印字色のインクが塗られた状態の反射率に設定される。変数c_paperの値、変数c_blackの値、および変数solid_paperの値は、事前処理において第K+1印字色のインクを用いて印刷されたCxFチャートの該当のパッチの測色を行うことによって得られる。
次に、次式(6)に示すように、印字領域の反射率(第K印字色のインクの上に第K+1印字色のインクが塗られる前の印字領域の反射率)を表す変数r1の値が算出される(ステップS310)。
Figure 2020017902
これに関し、印字率は単位領域71全体の面積に対する印字領域72の面積の割合を表す ので(図8参照)、単位領域71全体での反射率rは、次式(7)で表される。
r=cover×r1+(1−cover)×paper ・・・(7)
上式(7)においてr1について解くことによって上式(6)が得られる。なお、図8では、印字率の説明を行う便宜上、基材上においてインクが偏って塗られているように図示している。
変数Kの値が1のときには、変数r1の値は、基材上に第1印字色のインクが塗られた状態の印字領域の反射率に設定される。変数Kの値が2以上のときには、変数r1の値は、第K−1印字色のインク上に第K印字色のインクが塗り重ねられた状態の印字領域の反射率に設定される。
次に、変数trapおよび変数c_rate_gainへの値の設定が行われる(ステップS320)。具体的には、第K+1印字色のインクについて、変数trapの値は、トラッピング前のインクの膜厚に対するトラッピング後のインクの膜厚の比を表す膜厚比の値に設定される。より具体的には、変数trapの値は典型的には0.6〜0.8の範囲の値に設定される。変数c_rate_gainの値は、第K+1印字色のインクについての光学的ドットゲインを考慮した仮想的な網点パーセントに設定される。
次に、トラッピングおよび光学的ドットゲインを考慮した計算を行うことによる反射率の増加率(トラッピングよりも光学的ドットゲインの方が反射率に与える影響が優勢である場合には反射率の減少率)を表す変数rateの値が算出され、当該変数rateの値に基づいて変数c_transの値が算出される(ステップS330)。
ステップS340では、まず、次式(8)に示すように、変数rateの値が算出される。
Figure 2020017902
上式(8)において、powの第1引数,第2引数をそれぞれa,bで表すと、pow(a,b)はaのb乗を返す関数である。変数c_rateの値は光学的ドットゲインを考慮していない網点パーセントを表し、変数c_rate_gainの値は光学的ドットゲインを考慮した網点パーセントを表すので、上式(8)の右辺の分母はトラッピングおよび光学的ドットゲインを考慮しない場合の単位領域全体の反射率(予測値)を表し、上式(8)の右辺の分子はトラッピングで膜厚が薄くなる(あるいは逆トラッピングで膜厚が厚くなる)ことおよび光学的ドットゲインの影響で網点の大きさが変化する(一般的には大きくなる)ことを考慮した単位領域全体の反射率(予測値)を表す。すなわち、上述したように、変数rateの値は、トラッピングおよび光学的ドットゲインを考慮した計算を行うことによる反射率の増加率を表す。
変数rateの値の算出後、次式(9)に示すように、変数c_transの値が算出される。この変数c_transの値は、基材上に透明インクが塗られていると仮定した場合の透明インク上に第K+1印字色のインクが塗り重ねられた状態の単位領域の反射率を表す。この反射率は、2色のインクの重ね合わせの場合であれば、第2印字色のインクが基材上でなく別のインクの上に塗り重ねられたと仮定した状態の単位領域の反射率を、第2印字色のインクのトラッピングおよびドットゲインの少なくとも一方の変動を考慮して変数c_paperの値を修正(補正)することによって算出した値である。
c_trans=c_paper×rate ・・・(9)
なお、上式(9)は次式(10)に示すように変形することができる。
Figure 2020017902
本実施形態では、上述したように、図5に示したような色予測用座標系において、透明インク上に特色のインクなど(ここでは、第K+1印字色のインク)が塗られた状態の反射率を表す座標が第1校正点P1とされる。また、基材に黒色インクがベタで塗られた(墨ベタ)上にさらに特色のインクなど(ここでは、第K+1印字色のインク)が塗られた状態の反射率を表す座標が第2校正点P2とされる。そして、ステップS340で、第1校正点P1と第2校正点P2とを結ぶ線L1を表す第1変換式に含まれる係数j1,k1が求められる。
第1校正点P1では下記の式(11)が成立し、第2校正点P2では下記の式(12)が成立する(図9参照)。
c_trans=j1×(paper×c_paper)+k1 ・・・(11)
c_black=j1×(black×c_paper)+k1 ・・・(12)
ステップS340では、第1校正点P1に関する方程式(11)と第2校正点P2に関する方程式(12)とからなる連立方程式を解くことによって、係数j1,k1の値(すなわち、1次式の1次の項の係数j1の値および1次式の定数項k1の値)が算出される。
以上のようにして第1変換式が特定された後、当該第1変換式のRbに変数r1の値を代入し、かつ、当該第1変換式のRfに変数c_paperの値を代入することによって、変数r2の値が算出される(ステップS350)(上式(4)を参照)。これに関し、第1校正点P1は透明インク上に第K+1印字色のインクが塗られた状態の反射率(すなわち、トラッピング等を考慮した反射率)を表す座標に相当し、第2校正点P2は黒色インク上に第K+1印字色のインクが塗られた状態の反射率を表す座標に相当する(図10参照)。ここで、第K+1印字色のインクが塗られる前の反射率の値は、ステップ310で算出された変数r1の値である。従って、第1変換式のRbに変数r1の値を代入することによって、第K印字色のインクの上に第K+1印字色のインクが塗り重ねられた状態の反射率が求められる。そして、その求められた反射率を表す座標が第3校正点P3とされる。
ところで、変数r1の値は、印字領域の反射率(第K印字色のインクの上に第K+1印字色のインクが塗られる前の印字領域の反射率)を表している。従って、第3校正点P3は、単位領域の背景の印字率が100%であると仮定したときの反射率を表す座標に相当する。しかしながら、単位領域の背景の実際の印字率の値は変数coverの値である。そこで、基材上に第K+1印字色のインクが塗られた状態の反射率を表す座標が第4校正点P4とされる。この第4校正点P4は、単位領域の背景の印字率が0%であると仮定したときの反射率を表す座標に相当する。
ステップ360では、単位領域の背景の印字率が100%であると仮定したときの反射率と単位領域の背景の印字率が0%であると仮定したときの反射率とに基づいて単位領域の背景の印字率の値が変数coverの値であるときの反射率を算出する(図11参照)ために、第3校正点P3と第4校正点P4とを結ぶ線L2を表す第2変換式に含まれる係数j2,k2が求められる。
第3校正点P3では下記の式(13)が成立し、第4校正点P4では下記の式(14)が成立する(図12参照)。
r2=j2×(r1×c_paper)+k2 ・・・(13)
c_paper=j2×(paper×c_paper)+k2 ・・・(14)
ステップS360では、第3校正点P3に関する方程式(13)と第4校正点P4に関する方程式(14)とからなる連立方程式を解くことによって、係数j2,k2の値(すなわち、1次式の1次の項の係数j2の値および1次式の定数項k2の値)が算出される。
以上のようにして第2変換式が特定された後、当該第2変換式のRbに変数rの値を代入し、かつ、当該第2変換式のRfに変数c_paperの値を代入することによって、変数rの値が更新される(ステップS370)。これに関し、図11に示したように、第3校正点P3についての背景の反射率はr1(すなわち、印字領域の反射率)であり、第4校正点P4についての背景の反射率はpaper(すなわち、基材の反射率)である。第K+1印字色のインクが塗られる前の単位領域全体の反射率の値は、ステップS370が実行される直前の変数rの値である。従って、第2変換式のRbに変数rの値を代入することによって、第K印字色のインクの上に第K+1印字色のインクが塗り重ねられた状態の単位領域全体の反射率が求められる(図12で符号Qを付した部分を参照)。
次に、上式(5)に示したように、変数coverの値(印字率)が更新される(ステップS380)。このステップS380の処理が終了することによって主計算処理は終了し、フローは図6のステップS40に進む。
以上のような主計算処理がN−1回繰り返されることによって(Nは、処理対象の単位領域の印刷に使用される印字色の数である)、基材上に第1印字色から第N印字色のインクが順に塗り重ねられた状態の反射率が求められる。
なお、変数rの値が第1反射率に相当し、変数r1の値が第2反射率に相当し、変数c_transの値が第3反射率に相当し、変数c_paperの値が第4反射率に相当し、変数paperの値が第5反射率に相当し、変数blackの値が第6反射率に相当し、変数c_blackの値が第7反射率に相当し、変数r2の値が第8反射率に相当する。また、第1校正点P1の座標が第1座標に相当し、第2校正点P2の座標が第2座標に相当し、第3校正点P3の座標が第3座標に相当し、第4校正点P4の座標が第4座標に相当する。
本実施形態においては、ステップS310によって第2反射率算出ステップおよび第2反射率算出手段が実現され、ステップS320およびステップS330によって第3反射率算出ステップおよび第3反射率算出手段が実現され、ステップS340によって第1変換式算出ステップおよび第1変換式算出手段が実現され、ステップS350によって第8反射率算出ステップおよび第8反射率算出手段が実現され、ステップS360によって第2変換式算出ステップおよび第2変換式算出手段が実現され、ステップS370によって第1反射率更新ステップおよび第1反射率更新手段が実現され、ステップS380によって印字率更新ステップが実現されている。
なお、基材上に第1印字色のインクと第2印字色のインクとが順に塗り重ねられることによって得られる色が予測対象である場合には、上述の主計算処理は1回だけ実行される。この場合、ステップS370によって予測値算出ステップが実現される。
<5.1つのPDFファイルに対する処理の流れ>
次に、図13に示すブロック図および図14に示すフローチャートを参照しつつ、印刷データ生成装置100に1つのPDFファイルが与えられてからデジタル印刷装置400で印刷が行われるまでの処理の流れについて説明する。
まず、印刷データ生成装置100に入稿データとしてPDFファイルPD1が入力される(ステップS600)。その後、印刷データ生成装置100では、1画素分の画素データの読み取りが行われる(ステップS610)。そして、ステップS610で読み取った画素データの色を予測する色予測処理が印刷データ生成装置100で行われる(ステップS620)。なお、必ずしも全ての画素データについての色の予測を上述した手法で行う必要はなく、一部の画素データ(例えば、特色を含む複数の色を使用している画素データ)についての色の予測が上述した手法で行われれば良い。
色予測処理の終了後、全ての画素データについて色予測処理が終了したか否かが判定される(ステップS630)。判定の結果、全ての画素データについて色予測処理が終了していればフローはステップS640に進み、そうでなければフローはステップS610に戻る。このようにして、全ての画素データの色が予測されるまで、ステップS610とステップS620とが繰り返される。
ステップS640では、印刷データ生成装置100において、ステップS620での色予測処理の結果に基づいて、三刺激値X,Y,およびZのデータであるXYZデータ(CIEXYZ色空間のデータ)が生成される。これに関し、本実施形態においては、色予測処理によって、例えば10nm刻みの波長範囲毎の分光反射率のデータが得られる。三刺激値X,Y,およびZは、光源の分光分布と、分光反射率と、三刺激値X,Y,およびZにそれぞれ対応付けられる等色関数とから公知の手法により求められる。
XYZデータの生成後、印刷データ生成装置100では、当該XYZデータをLabデータ(CIELAB色空間のデータ)に変換する処理が行われる(ステップS650)。CIEXYZ色空間およびCIELAB色空間はいずれもデバイスに依存しない色空間であるプロファイル接続空間(PCS)であるため、XYZデータからLabデータへの変換は公知の手法により容易に行われる。
次に、印刷データ生成装置100において、デジタル印刷装置400への出力用のICCプロファイルを用いてLabデータからCMYKデータへの変換が行われる(ステップS660)。その後、ステップS660で生成されたCMYKデータは、印刷データPD2として、印刷データ生成装置100からデジタル印刷装置400へと送信される(ステップS670)。そして、デジタル印刷装置400では、CMYKデータである印刷データPD2に基づいて印刷(デジタル印刷)が実行される(ステップS680)。これにより、デジタル印刷装置400から印刷物PRが出力される。以上のようにして、一連の処理が終了する。
なお、上記ステップS660ではLabデータからCMYKデータへの変換が行われているが、例えば表示部16への出力用のICCプロファイルを用いてLabデータからRGBデータへの変換が行われても良い。これにより、色予測処理で得られた結果を表示部16の画面上で確認することが可能となる。また、例えば、表示部16の画面上で確認した結果が良好な場合のみLabデータからCMYKデータへの変換を行ってデジタル印刷装置400での印刷を行うようにしても良い。
本実施形態においては、ステップS610〜S630によって色予測ステップおよび色予測手段が実現され、ステップS640によってXYZデータ生成ステップおよびXYZデータ生成手段が実現され、ステップS650によって第1のデータ変換ステップおよび第1のデータ変換手段が実現され、ステップS660によって第2のデータ変換ステップおよび第2のデータ変換手段が実現されている。
<6.効果>
本実施形態によれば、主計算処理では、基材上に透明インクが塗られていると仮定した場合の当該透明インク上に第K+1印字色のインクが塗り重ねられた状態の単位領域の反射率c_transが求められ、当該反射率c_transを考慮して、第K印字色のインクの上に第K+1印字色のインクが塗り重ねられた状態の反射率(インクが重なっている部分の反射率)r2が求められる。そして、基材上に第K+1印字色のインクが塗られた状態の反射率(インクが重なっていない部分の反射率)c_paperおよび印字率を考慮して、基材上に第1印字色から第K+1印字色のインクが順に塗り重ねられた状態の単位領域の反射率rが求められる。このように、インクのトラッピングを考慮して、反射率が求められる。また、上記反射率c_transの算出の際には、インクの光学的ドットゲインが考慮される。以上のように、インクのトラッピングおよびインクの光学的ドットゲインを考慮して色の予測が行われる。従って、本実施形態によれば、複数の色のインクの重ね刷りによって得られる色を従来よりも精度良く予測することができる。その結果、デジタル印刷装置によって、従来方式の印刷装置から出力された印刷物との誤差の小さい印刷物を得ることが可能となる。
<7.変形例など>
<7.1 色予測処理に用いるデータに関する変形例(第1の変形例)>
上記実施形態においては、色予測処理の際に反射率のデータを用いた各種の計算が行われているが、本発明はこれに限定されない。例えば、測色機500による測色で三刺激値X,Y,およびZのデータしか得られない場合には、色の予測精度は低下するが、色予測処理の際の各種の計算に三刺激値のデータを用いるようにしても良い。本変形例における色予測処理については、上記実施形態における色予測処理と同様の手順で実行することができる。そこで、本変形例における色予測処理の具体的な手順を以下に簡単に説明する。なお、ここでは、色の三刺激値X,Y,およびZのうちの任意の1つのことを単に「刺激値」という。また、ここでは、色予測用座標系において任意の2点を結ぶ直線の一般式を次式(15)で表す。
S=j×(Sb×Sf)+k ・・・(15)
上式(15)において、Sは背景と前景とが重なった状態の刺激値を表し、Sbは背景の刺激値を表し、Sfは前景の刺激値を表す。jおよびkは係数である。
本変形例においては、図15および図16に示すフローの処理が各刺激値について行われる。
色予測処理の開始後、まず、変数paper、変数black、変数S、変数c_rate、および変数coverへの値の設定が行われる(ステップS71)(図15参照)。変数paperの値は基材の刺激値に設定され、変数blackの値は黒色(墨ベタ)の刺激値に設定され、変数Sの値は基材上に第1印字色のインクが塗られた状態の刺激値に設定される。それ以外の変数については、上記実施形態と同様である。次に、上式(5)に示したように、変数coverの値(印字率)が更新される(ステップS72)。次に、主計算処理が行われる(ステップS73)。主計算処理は版ごと(すなわち、インクの色ごと)に行われ、1回の主計算処理が終了する都度、全ての版の処理が終了したか否かの判定が行われる(ステップS74)。判定の結果、未処理の版が存在すれば、フローはステップS73に戻る。一方、全ての版の処理が終了していれば、フローはステップS75に進む。ステップS75では、変数Sの現在の値がオーバープリント予測値として出力される。刺激値Xについてのオーバープリント予測値、刺激値Yについてのオーバープリント予測値、および刺激値Zについてのオーバープリント予測値によって1つの色が特定されることになる。
なお、本変形例においては、ステップS71によって第1の刺激値取得ステップが実現され、ステップS73によって計算ステップが実現されている。
図16は、本変形例における主計算処理の手順を示すフローチャートである。主計算処理の開始後、まず、変数S_paper、変数S_black、変数c_rate、および変数solid_paperへの値の設定が行われる(ステップS730)。具体的には、変数S_paperの値は基材上に第K+1印字色のインクが塗られた状態の刺激値に設定され、変数S_blackの値は黒色(墨ベタ)上に第K+1印字色のインクが塗られた状態の刺激値に設定され、変数c_rateの値は第K+1印字色のインクの網点パーセントに設定され、変数solid_paperの値は基材上に第K+1印字色のインクが網点パーセント100%で塗られた状態の刺激値に設定される。
次に、上式(6)と同様にして、印字領域の刺激値(第K印字色のインクの上に第K+1印字色のインクが塗られる前の印字領域の刺激値)を表す変数S1の値が算出される(ステップS731)。次に、上記実施形態と同様にして、変数trapおよび変数c_rate_gainへの値の設定が行われる(ステップS732)。次に、トラッピングおよび光学的ドットゲインを考慮した計算を行うことによる刺激値の増加率を表す変数rateの値が算出され、当該変数rateの値に基づいて変数S_transの値が算出される(ステップS733)。ステップS733では、まず、上記実施形態と同様にして、変数rateの値が算出される。その後、上式(9)と同様にして、変数S_transの値が算出される。
次に、上記実施形態と同様にして、第1変換式に含まれる係数j1,k1が求められる(ステップS734)。次に、第1変換式のSbに変数S1の値を代入し、かつ、当該第1変換式のSfに変数S_paperの値を代入することによって、変数S2の値が算出される(ステップS735)(上式(15)を参照)。次に、上記実施形態と同様にして、第2変換式に含まれる係数j2,k2が求められる(ステップS736)。次に、第2変換式のSbに変数Sの値を代入し、かつ、当該第2変換式のSfに変数S_paperの値を代入することによって、変数Sの値が更新される(ステップS737)。
次に、上記実施形態と同様にして、変数coverの値(印字率)が更新される(ステップS738)。このステップS738の処理が終了することによって主計算処理は終了し、フローは図15のステップS74に進む。
以上のような主計算処理がN−1回繰り返されることによって(Nは、処理対象の単位領域の印刷に使用される印字色の数である)、基材上に第1印字色から第N印字色のインクが順に塗り重ねられた状態の刺激値が求められる。
なお、変数Sの値が第1の刺激値に相当し、変数S1の値が第2の刺激値に相当し、変数S_transの値が第3の刺激値に相当し、変数S_paperの値が第4の刺激値に相当し、変数paperの値が第5の刺激値に相当し、変数blackの値が第6の刺激値に相当し、変数S_blackの値が第7の刺激値に相当し、変数S2の値が第8の刺激値に相当する。
本変形例においては、ステップS731によって第2の刺激値算出ステップが実現され、ステップS732およびステップS733によって第3の刺激値算出ステップが実現され、ステップS734によって第1変換式算出ステップが実現され、ステップS735によって第8の刺激値算出ステップが実現され、ステップS736によって第2変換式算出ステップが実現され、ステップS737によって第1の刺激値更新ステップが実現されている。
以上のようにして上記実施形態における反射率のデータに代えて三刺激値のデータを用いて色予測処理が行われても、上記実施形態と同様、複数の色のインクの重ね刷りによって得られる色を従来よりも精度良く予測することができる。
<7.2 変換式に関する変形例(第2の変形例)>
また、上記実施形態においては、背景の反射率と前景の反射率との積から背景と前景とが重なった状態の反射率を求めるための式である変換式(第1変換式および第2変換式)が1次式であったが、本発明はこれに限定されない。上記変換式として、1次式以外の変換モデルを採用することもできる。例えば、次式(16)に示すような式を上記変換式として採用しても良い。
Figure 2020017902
この場合にも、2つの校正点に関する2つの方程式からなる連立方程式を解くことによって係数j,kの値を算出することができる(図17参照)。
<7.3 印字率に関する変形例(第3の変形例)>
さらに、上記実施形態においては、印字色の網点パーセントに基づいて印字率が算出されていたが、本発明はこれに限定されない。例えば、基材の波長別の反射率が図18において符号76で示すようなものであって、該当の印字色のインクが基材上に網点パーセント100%で塗られた状態の波長別の反射率が図18において符号77で示すようなものであって、該当の印字色のインクが基材上に対象の網点パーセントで塗られた状態の波長別の反射率が図18において符号78で示すようなものである場合に、或る波長範囲79についての印字率coverが次式(17)によって算出されるようにしても良い。
cover=1−(1−cover)×(1−DR2/DR1) ・・・(17)
ここで、DR2は該当の波長範囲79における符号76で示す反射率と符号78で示す反射率との差分であり、DR1は該当の波長範囲79における符号76で示す反射率と符号77で示す反射率との差分である。
<7.4 変換式に関する変形例(第4の変形例)>
上記実施形態においては、線L1上に第3校正点P3を設定し、当該第3校正点P3と第4校正点P4とを結ぶ線L2を作成し、そして、線L2を表す式(第2変換式)を用いてオーバープリント予測値を算出した(図5参照)。しかしながら、線L2を作成することなく(第2変換式を用いることなく)オーバープリント予測値を算出することも可能である。
すなわち、オーバープリント予測値を示す点を図23に示す色予測用座標系上にマッピングした上で当該オーバープリント予測値を示す点の縦軸値を算出することによってオーバープリント予測値を求めるという手法を採用することもできる。
図23は、横軸を背景の反射率と前景の反射率との積とし縦軸を背景と前景とが重なった状態の反射率とする色予測用座標系を示す図である。以下、図23を参照しつつ、本変形例における色予測処理の手順について説明する。なお、以下において、線L1が第1線に相当し、線L20が第2線に相当し、線L30が第3線に相当する。
ここでは、基材Sの上に第1印字色インクIbを網点パーセント40%で塗った上に、第2印字色インクIfを網点パーセント60%で塗り重ねた印字物のオーバープリント値を予測するケースを例に挙げて説明する。
まず、オーバープリント予測値を表す点(「オーバープリント点」といい、オーバープリント点には符号P10を付す)を図23の座標上にマッピングするための要件を検討する。
第1要件:オーバープリント点P10の横軸値は基材S上に第1印字色インクIbを網点パーセント40%で塗ったときの反射率と基材S上に第2印字色インクIfを網点パーセント60%で塗ったときの反射率との積で示される。したがって、色予測用座標系において、オーバープリント点P10は、基材S上に第1印字色インクIbを網点パーセント40%で塗った印字物の反射率と基材S上に第2印字色インクIfを網点パーセント60%で塗った印字物の反射率との積を表す線L30上に存在する。
第2要件:オーバープリント点P10の縦軸値は、第1印字色インクIbと同一濃度を有するインクを基材S上に所定の網点パーセントで塗り、その上に第2印字色インクIfを網点パーセント60%で塗り重ねた印字物を想定することにより得ることができる。まず、第1印字色インクIbと同一濃度を有するインクを使用したときに得られる色に対応する座標を図23においてどのように図示できるかについて考える。このインクを基材Sの上にベタで塗り、その上に第2印字色インクIfを網点パーセント60%で塗り重ねた印字物に対応する座標は、第1校正点P1と第2校正点P2とを結んだ線である線L1上に存在する。なぜならば、第2校正点P2の背景色は想定内で最も高濃度の色(=黒色)のベタであり、第1校正点P1の背景色は想定内で最も低濃度の色(=透明色)のベタであるため、線L1上の各座標については任意濃度の色のベタを背景にとることができるからである。従って、第1印字色インクIbと同一濃度を有するインクをベタで塗った背景の上に第2印字色インクIfを網点パーセント60%で塗った印字物に対応する座標も線L1上に存在する。このような仮想印字物に対応する座標を仮想点P30とする。オーバープリント点P10は仮想点P30の背景インクの網点パーセントを100%から適宜減じることにより得ることができる。仮想点P30の背景インクの網点パーセントを100%から0%まで減じると、色予測用座標系上の座標は第4校正点P4に達する。なぜならば、第4校正点P4は基材Sの上に第2印字色インクIfを網点パーセント60%で塗った印字物に対応する座標であるから、換言すれば、第4校正点P4は第1印字色インクIbと同一濃度を有するインクを基材Sの上に網点パーセント0%で塗った上に第2印字色インクIfを網点パーセント60%で塗った印字物に対応する座標であるとみなすことができるからである。以上をまとめると、オーバープリント点P10の座標は仮想点P30と第4校正点P4とを結んだ線である線L20上に存在する。
第3要件:線L20上でのオーバープリント点P10の位置は、オーバープリント点P10の第1印字色インクIfの網点パーセントにより特定する。すなわち、第1印字色インクIfの網点パーセントは、第4校正点P4では0%で、オーバープリント点P10では40%で、仮想点P30では100%であるので、オーバープリント点P10の線L20上での位置は、第4校正点P4と仮想点P30との間の距離を、第4校正点P4とオーバープリント点P10との網点パーセントの差分値(この例では40)と、オーバープリント点P10と仮想点P30との網点パーセントの差分値(この例では60)とで案分することで特定できる。
上記した第1乃至第3要件を満たすオーバープリント点P10を図23の座標上で特定する。これは、具体的には以下のように行う。まず、基材Sの上に第1印字色インクIbが網点パーセント40%で塗られた状態の単位領域の反射率を求める(第1反射率取得ステップ)。次に、基材Sの上に第2印字色インクIfが網点パーセント60%で塗られた状態の単位領域の反射率を求める(第5反射率取得ステップ)。次に、第2印字色インクIfが透明インクの上に塗られたと仮定した状態の単位領域の反射率を求める(第3反射率算出ステップ)。次に、基材Sの上に黒色インクが網点パーセント100%で塗られた上にさらに第2印字色インクIfが網点パーセント60%で塗られた状態の単位領域の反射率を求める(第7反射率取得ステップ)。次に、図23に示す色予測用座標系上に線L1を引く(第1線設定ステップ)。次に、色予測用座標系上に線L30を引く(第1要件)(第3線設定ステップ)。次に、色予測用座標系において上述の第4校正点P4を定める(第4座標設定ステップ)。次に、線L30上に浮動点としてオーバープリント点P10を設定し、線L1上に浮動点として仮想点P30を設定する(仮想座標設定ステップ)。次に、色予測用座標系上に仮想点P30と第4校正点P4とを結ぶ線L20を引く(第2線設定ステップ)。次に、線L20を第4校正点P4を中心に回転させる(回転ステップ)。これにより、オーバープリント点P10の座標は、線L20と線L30の両方に沿って変化する。このようにして、第2要件と第3要件の両方を満たすオーバープリント点P10の座標を探索する。第2要件と第3要件の両方を満たすオーバープリント点P10を特定した後、当該オーバープリント点P10の縦軸座標を、基材S上に第1印字色インクIbを網点パーセント40%で塗り、その上に第2印字色インクIfを網点パーセント60%で塗り重ねた印字物のオーバープリント色の予測値として出力する(色予測ステップ)。
なお、第1印字色インクIbが網点パーセント100%である場合には、線L1と線L30との交点を求め、当該交点の縦軸値を算出するだけで、第1印字色インクIbと第2印字色インクIfとのオーバープリント色の反射率を求めることができる。
なお、上記の例では、第2印字色インクを透明インクの上に塗り重ねた場合を想定したが、第1構成点P1の反射率が第4校正点P4の反射率を補正することによって求められるのであれば、塗り重ねられる背景インクの色は透明でなくてもよい。
<7.5 その他>
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、上述した変形例のように、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
100…印刷データ生成装置
141…色予測プログラム
200…製版装置
300…印刷装置
400…デジタル印刷装置
500…測色機
P1〜P4…第1〜第4校正点

Claims (14)

  1. 基材上に第1印字色から第N印字色(Nは2以上の整数)のインクを順に塗り重ねることによって得られる色を予測する色予測方法であって、
    前記基材上に前記第1印字色のインクが塗られた状態の単位領域の反射率を第1反射率として取得する第1反射率取得ステップと、
    N−1回実行され、K回目(Kは1以上N−1以下の整数)の実行の際には前記基材上に前記第1印字色から第K+1印字色のインクが順に塗り重ねられた状態の前記単位領域の反射率を求める計算ステップと
    を含み、
    前記計算ステップは、
    前記Kの値が1のときには前記基材上に前記第1印字色のインクが塗られた状態の印字領域の反射率を第2反射率として求め、前記Kの値が2以上のときには第K−1印字色のインク上に第K印字色のインクが塗り重ねられた状態の印字領域の反射率を第2反射率として求める、第2反射率算出ステップと、
    前記基材上に透明インクが塗られていると仮定した場合の前記透明インク上に第K+1印字色のインクが塗り重ねられた状態の前記単位領域の反射率を第3反射率として求める第3反射率算出ステップと、
    横軸を背景の反射率と前景の反射率との積とし縦軸を背景と前景とが重なった状態の反射率とする色予測用座標系に関し、前記基材の反射率である第4反射率と前記基材上に前記第K+1印字色のインクが塗られた状態の反射率である第5反射率との積と前記第3反射率との組み合わせに対応する第1座標と、前記基材上に黒色インクが塗られた状態の反射率である第6反射率と前記第5反射率との積と前記黒色インク上に前記第K+1印字色のインクが塗られた状態の反射率である第7反射率との組み合わせに対応する第2座標とを結ぶ線を表す第1変換式を求める第1変換式算出ステップと、
    前記第K印字色のインク上に前記第K+1印字色のインクが塗り重ねられた状態の印字領域の反射率を前記第1変換式を用いて前記第2反射率と前記第5反射率とに基づいて第8反射率として算出する第8反射率算出ステップと、
    前記色予測用座標系に関し、前記第2反射率と前記第5反射率との積と前記第8反射率との組み合わせに対応する第3座標と、前記第4反射率と前記第5反射率との積と前記第5反射率との組み合わせに対応する第4座標とを結ぶ線を表す第2変換式を求める第2変換式算出ステップと、
    前記基材上に前記第1印字色から前記第K+1印字色のインクが順に塗り重ねられた状態の前記単位領域の反射率を前記第2変換式を用いて前記第1反射率と前記第5反射率とに基づいて算出し、その算出した反射率で前記第1反射率を更新する第1反射率更新ステップと
    を含むことを特徴とする、色予測方法。
  2. 前記第3反射率算出ステップでは、前記第K+1印字色のインクについての光学的ドットゲインを考慮して前記第3反射率が求められることを特徴とする、請求項1に記載の色予測方法。
  3. 前記第3反射率算出ステップでは、
    前記第K+1印字色のインクについて、トラッピング前のインクの膜厚に対するトラッピング後のインクの膜厚の比を表す膜厚比の設定が行われ、
    前記第3反射率が下記の式で算出されることを特徴とする、請求項2に記載の色予測方法:
    Figure 2020017902
    ここで、c_transは前記第3反射率であり、c_paperは前記第5反射率であり、solid_paperは前記基材上に前記第K+1印字色のインクが網点パーセントを100%にして塗られた状態の反射率であり、paperは前記第4反射率であり、trapは前記膜厚比であり、c_rate_gainは前記第K+1印字色のインクについての光学的ドットゲインを考慮した網点パーセントであり。c_rateは前記第K+1印字色のインクについての光学的ドットゲインを考慮していない網点パーセントである。
  4. 前記計算ステップよりも先に実行される、前記単位領域のうちの印字領域の割合である印字率を算出する印字率算出ステップを更に含み、
    前記計算ステップは、前記印字率を更新する印字率更新ステップを更に含み、
    前記第2反射率算出ステップでは、前記第2反射率が下記の式で算出されることを特徴とする、請求項1から3までのいずれか1項に記載の色予測方法:
    Figure 2020017902
    ここで、r1は前記第2反射率であり、rは前記第1反射率であり、coverは前記印字率であり、paperは前記第4反射率である。
  5. 前記印字率更新ステップでは、前記印字率が下記の式に基づいて更新されることを特徴とする、請求項4に記載の色予測方法:
    cover=1−(1−cover)×(1−c_rate)
    ここで、左辺のcoverは更新後の印字率であり、右辺のcoverは更新前の印字率であり、c_rateは前記第K+1印字色のインクの網点パーセントである。
  6. 前記第1変換式および前記第2変換式は、1次式であって、
    前記第1変換式算出ステップでは、前記第1座標に関する方程式と前記第2座標に関する方程式とからなる連立方程式を解くことによって、1次式の1次の項の係数の値および1次式の定数項の値とが算出され、
    前記第2変換式算出ステップでは、前記第3座標に関する方程式と前記第4座標に関する方程式とからなる連立方程式を解くことによって、1次式の1次の項の係数の値および1次式の定数項の値とが算出されることを特徴とする、請求項1から5までのいずれか1項に記載の色予測方法。
  7. 前記各ステップが所定幅の波長範囲毎に行われることを特徴とする、請求項1から6までのいずれか1項に記載の色予測方法。
  8. 入稿データに基づいてデジタル印刷装置で印刷可能な形式の印刷データを生成する印刷データ生成方法であって、
    前記入稿データから1画素分ずつ画素データを読み取り、その読み取った画素データの色を予測する色予測ステップと、
    前記色予測ステップで得られた結果に基づいて、色の三刺激値X、Y、Zを表すXYZデータを生成するXYZデータ生成ステップと、
    前記XYZデータをCIELAB色空間のデータであるLabデータに変換する第1のデータ変換ステップと、
    前記Labデータを前記デジタル印刷装置で印刷可能な形式の印刷データに変換する第2のデータ変換ステップと
    を含み、
    前記色予測ステップでは、少なくとも一部の画素データについては、請求項1から7までのいずれか1項に記載の色予測方法によって色の予測が行われることを特徴とする、印刷データ生成方法。
  9. 入稿データに基づいてデジタル印刷装置で印刷可能な形式の印刷データを生成する印刷データ生成装置であって、
    前記入稿データから1画素分ずつ画素データを読み取り、その読み取った画素データの色を予測する色予測処理を行う色予測手段と、
    前記色予測処理で得られた結果に基づいて、色の三刺激値X、Y、Zを表すXYZデータを生成するXYZデータ生成手段と、
    前記XYZデータをCIELAB色空間のデータであるLabデータに変換する第1のデータ変換手段と、
    前記Labデータを前記デジタル印刷装置で印刷可能な形式の印刷データに変換する第2のデータ変換手段と
    を備え、
    前記色予測処理は、基材上に第1印字色から第N印字色(Nは2以上の整数)のインクを順に塗り重ねることによって得られる色を予測する処理を含み、
    前記色予測手段は、
    前記基材上に前記第1印字色のインクが塗られた状態の単位領域の反射率を第1反射率として取得する第1反射率取得手段と、
    1画素分の画素データに対してN−1回実行される計算処理であって、K回目(Kは1以上N−1以下の整数)の実行の際には前記基材上に前記第1印字色から第K+1印字色のインクが順に塗り重ねられた状態の前記単位領域の反射率を求める計算処理を行う計算手段と
    を含み、
    前記計算手段は、
    前記Kの値が1のときには前記基材上に前記第1印字色のインクが塗られた状態の印字領域の反射率を第2反射率として求め、前記Kの値が2以上のときには第K−1印字色のインク上に第K印字色のインクが塗り重ねられた状態の印字領域の反射率を第2反射率として求める、第2反射率算出手段と、
    前記基材上に透明インクが塗られていると仮定した場合の前記透明インク上に第K+1印字色のインクが塗り重ねられた状態の前記単位領域の反射率を第3反射率として求める第3反射率算出手段と、
    横軸を背景の反射率と前景の反射率との積とし縦軸を背景と前景とが重なった状態の反射率とする色予測用座標系に関し、前記基材の反射率である第4反射率と前記基材上に前記第K+1印字色のインクが塗られた状態の反射率である第5反射率との積と前記第3反射率との組み合わせに対応する第1座標と、前記基材上に黒色インクが塗られた状態の反射率である第6反射率と前記第5反射率との積と前記黒色インク上に前記第K+1印字色のインクが塗られた状態の反射率である第7反射率との組み合わせに対応する第2座標とを結ぶ線を表す第1変換式を求める第1変換式算出手段と、
    前記第K印字色のインク上に前記第K+1印字色のインクが塗り重ねられた状態の印字領域の反射率を前記第1変換式を用いて前記第2反射率と前記第5反射率とに基づいて第8反射率として算出する第8反射率算出手段と、
    前記色予測用座標系に関し、前記第2反射率と前記第5反射率との積と前記第8反射率との組み合わせに対応する第3座標と、前記第4反射率と前記第5反射率との積と前記第5反射率との組み合わせに対応する第4座標とを結ぶ線を表す第2変換式を求める第2変換式算出手段と、
    前記基材上に前記第1印字色から前記第K+1印字色のインクが順に塗り重ねられた状態の前記単位領域の反射率を前記第2変換式を用いて前記第1反射率と前記第5反射率とに基づいて算出し、その算出した反射率で前記第1反射率を更新する第1反射率更新手段と
    を含むことを特徴とする、印刷データ生成装置。
  10. 基材上に第1印字色から第N印字色(Nは2以上の整数)のインクを順に塗り重ねることによって得られる色を予測する色予測プログラムであって、
    前記基材上に前記第1印字色のインクが塗られた状態の単位領域の反射率を第1反射率として取得する第1反射率取得ステップと、
    N−1回実行され、K回目(Kは1以上N−1以下の整数)の実行の際には前記基材上に前記第1印字色から第K+1印字色のインクが順に塗り重ねられた状態の前記単位領域の反射率を求める計算ステップと
    をコンピュータのCPUがメモリを利用して実行し、
    前記計算ステップは、
    前記Kの値が1のときには前記基材上に前記第1印字色のインクが塗られた状態の印字領域の反射率を第2反射率として求め、前記Kの値が2以上のときには第K−1印字色のインク上に第K印字色のインクが塗り重ねられた状態の印字領域の反射率を第2反射率として求める、第2反射率算出ステップと、
    前記基材上に透明インクが塗られていると仮定した場合の前記透明インク上に第K+1印字色のインクが塗り重ねられた状態の前記単位領域の反射率を第3反射率として求める第3反射率算出ステップと、
    横軸を背景の反射率と前景の反射率との積とし縦軸を背景と前景とが重なった状態の反射率とする色予測用座標系に関し、前記基材の反射率である第4反射率と前記基材上に前記第K+1印字色のインクが塗られた状態の反射率である第5反射率との積と前記第3反射率との組み合わせに対応する第1座標と、前記基材上に黒色インクが塗られた状態の反射率である第6反射率と前記第5反射率との積と前記黒色インク上に前記第K+1印字色のインクが塗られた状態の反射率である第7反射率との組み合わせに対応する第2座標とを結ぶ線を表す第1変換式を求める第1変換式算出ステップと、
    前記第K印字色のインク上に前記第K+1印字色のインクが塗り重ねられた状態の印字領域の反射率を前記第1変換式を用いて前記第2反射率と前記第5反射率とに基づいて第8反射率として算出する第8反射率算出ステップと、
    前記色予測用座標系に関し、前記第2反射率と前記第5反射率との積と前記第8反射率との組み合わせに対応する第3座標と、前記第4反射率と前記第5反射率との積と前記第5反射率との組み合わせに対応する第4座標とを結ぶ線を表す第2変換式を求める第2変換式算出ステップと、
    前記基材上に前記第1印字色から前記第K+1印字色のインクが順に塗り重ねられた状態の前記単位領域の反射率を前記第2変換式を用いて前記第1反射率と前記第5反射率とに基づいて算出し、その算出した反射率で前記第1反射率を更新する第1反射率更新ステップと
    を含むことを特徴とする、色予測プログラム。
  11. 基材上に第1印字色から第N印字色(Nは2以上の整数)のインクを順に塗り重ねることによって得られる色を予測する色予測方法であって、
    前記基材上に前記第1印字色のインクが塗られた状態の単位領域の刺激値を第1の刺激値として取得する第1の刺激値取得ステップと、
    N−1回実行され、K回目(Kは1以上N−1以下の整数)の実行の際には前記基材上に前記第1印字色から第K+1印字色のインクが順に塗り重ねられた状態の前記単位領域の刺激値を求める計算ステップと
    を含み、
    前記刺激値は、色の三刺激値X、Y、Zのいずれかであり、
    前記計算ステップは、
    前記Kの値が1のときには前記基材上に前記第1印字色のインクが塗られた状態の印字領域の刺激値を第2の刺激値として求め、前記Kの値が2以上のときには第K−1印字色のインク上に第K印字色のインクが塗り重ねられた状態の印字領域の刺激値を第2の刺激値として求める、第2の刺激値算出ステップと、
    前記基材上に透明インクが塗られていると仮定した場合の前記透明インク上に第K+1印字色のインクが塗り重ねられた状態の前記単位領域の刺激値を第3の刺激値として求める第3の刺激値算出ステップと、
    横軸を背景の刺激値と前景の刺激値との積とし縦軸を背景と前景とが重なった状態の刺激値とする色予測用座標系に関し、前記基材の刺激値である第4の刺激値と前記基材上に前記第K+1印字色のインクが塗られた状態の刺激値である第5の刺激値との積と前記第3の刺激値との組み合わせに対応する第1座標と、前記基材上に黒色インクが塗られた状態の刺激値である第6の刺激値と前記第5の刺激値との積と前記黒色インク上に前記第K+1印字色のインクが塗られた状態の刺激値である第7の刺激値との組み合わせに対応する第2座標とを結ぶ線を表す第1変換式を求める第1変換式算出ステップと、
    前記第K印字色のインク上に前記第K+1印字色のインクが塗り重ねられた状態の印字領域の刺激値を前記第1変換式を用いて前記第2の刺激値と前記第5の刺激値とに基づいて第8の刺激値として算出する第8の刺激値算出ステップと、
    前記色予測用座標系に関し、前記第2の刺激値と前記第5の刺激値との積と前記第8の刺激値との組み合わせに対応する第3座標と、前記第4の刺激値と前記第5の刺激値との積と前記第5の刺激値との組み合わせに対応する第4座標とを結ぶ線を表す第2変換式を求める第2変換式算出ステップと、
    前記基材上に前記第1印字色から前記第K+1印字色のインクが順に塗り重ねられた状態の前記単位領域の刺激値を前記第2変換式を用いて前記第1の刺激値と前記第5の刺激値とに基づいて算出し、その算出した刺激値で前記第1の刺激値を更新する第1の刺激値更新ステップと
    を含むことを特徴とする、色予測方法。
  12. 基材上に第1印字色のインクと第2印字色のインクとを順に塗り重ねることによって得られる色を予測する色予測方法であって、
    前記基材上に前記第1印字色のインクが塗られた状態の単位領域の反射率を第1反射率として取得する第1反射率取得ステップと、
    前記基材上に前記第1印字色のインクが塗られた状態の印字領域の反射率を第2反射率として求める第2反射率算出ステップと、
    前記基材上に透明インクが塗られていると仮定した場合の前記透明インク上に前記第2印字色のインクが塗り重ねられた状態の前記単位領域の反射率を第3反射率として求める第3反射率算出ステップと、
    横軸を背景の反射率と前景の反射率との積とし縦軸を背景と前景とが重なった状態の反射率とする色予測用座標系に関し、前記基材の反射率である第4反射率と前記基材上に前記第2印字色のインクが塗られた状態の反射率である第5反射率との積と前記第3反射率との組み合わせに対応する第1座標と、前記基材上に黒色インクが塗られた状態の反射率である第6反射率と前記第5反射率との積と前記黒色インク上に前記第2印字色のインクが塗られた状態の反射率である第7反射率との組み合わせに対応する第2座標とを結ぶ線を表す第1変換式を求める第1変換式算出ステップと、
    前記第1印字色のインク上に前記第2印字色のインクが塗り重ねられた状態の前記印字領域の反射率を前記第1変換式を用いて前記第2反射率と前記第5反射率とに基づいて第8反射率として算出する第8反射率算出ステップと、
    前記色予測用座標系に関し、前記第2反射率と前記第5反射率との積と前記第8反射率との組み合わせに対応する第3座標と、前記第4反射率と前記第5反射率との積と前記第5反射率との組み合わせに対応する第4座標とを結ぶ線を表す第2変換式を求める第2変換式算出ステップと、
    前記基材上に前記第1印字色のインクと前記第2印字色のインクとが順に塗り重ねられた状態の前記単位領域の反射率を前記第2変換式を用いて前記第1反射率と前記第5反射率とに基づいて算出する予測値算出ステップと
    を含むことを特徴とする、色予測方法。
  13. 基材上に第1印字色のインクを印字率100%で塗り、その上に第2印字色のインクを所定の印字率で順に塗り重ねることによって得られる色を予測する色予測方法であって、
    前記基材上に前記第1印字色のインクが塗られた状態の単位領域の反射率を第1反射率として取得する第1反射率取得ステップと、
    前記基材上に前記第2印字色のインクが塗られた状態の前記単位領域の反射率を第5反射率として取得する第5反射率取得ステップと、
    前記第2印字色のインクが前記基材上でなく透明インクの上に塗られたと仮定した状態の前記単位領域の反射率を、前記第2印字色のインクの膜厚およびドットゲインの少なくとも一方の変動を考慮して前記第5反射率を補正することによって第3反射率として算出する第3反射率算出ステップと、
    横軸を背景の反射率と前景の反射率との積とし縦軸を背景と前景とが重なった状態の反射率とする色予測用座標系に関し、前記基材の反射率である第4反射率と前記第5反射率との積と前記第3反射率との組み合わせに対応する第1座標と、前記基材上に黒色インクが塗られた状態の反射率である第6反射率と前記第5反射率との積と前記黒色インク上に前記第2印字色のインクが塗られた状態の反射率である第7反射率との組み合わせに対応する第2座標とを結ぶ線を表す第1変換式を求める第1変換式算出ステップと、
    基材上に前記第1印字色のインクを印字率100%で塗り、その上に前記第2印字色のインクを所定の印字率で順に塗り重ねた状態の前記単位領域の反射率を前記第1変換式を用いて前記第1反射率と前記第5反射率とに基づいて算出する予測値算出ステップと
    を含むことを特徴とする、色予測方法。
  14. 基材上に第1印字色のインクを第1網点パーセントで塗り、その上に第2印字色のインクを第2網点パーセントで塗り重ねることによって得られる色を予測する色予測方法であって、
    前記基材上に前記第1印字色のインクが前記第1網点パーセントで塗られた状態の単位領域の反射率を第1反射率として取得する第1反射率取得ステップと、
    前記基材上に前記第2印字色のインクが前記第2網点パーセントで塗られた状態の前記単位領域の反射率を第5反射率として取得する第5反射率取得ステップと、
    前記第2印字色のインクが前記基材上でなく透明インクの上に塗られたと仮定した状態の前記単位領域の反射率を、前記第2印字色のインクの膜厚およびドットゲインの少なくとも一方の変動を考慮して前記第5反射率を補正することによって第3反射率として算出する第3反射率算出ステップと、
    前記基材上に黒色インクが網点パーセント100%で塗られた上にさらに前記第2印字色のインクが前記第2網点パーセントで塗られた状態の前記単位領域の反射率を第7反射率として取得する第7反射率取得ステップと、
    横軸を背景の反射率と前景の反射率との積とし縦軸を背景と前景とが重なった状態の反射率とする色予測用座標系に関し、前記基材の反射率である第4反射率と前記第5反射率との積と前記第3反射率との組み合わせに対応する第1座標と、前記基材上に黒色インクが網点パーセント100%で塗られた状態の反射率である第6反射率と前記第5反射率との積と前記第7反射率との組み合わせに対応する第2座標とを結ぶ第1線を前記色予測用座標系において定める第1線設定ステップと、
    前記第1反射率と前記第5反射率との積を示す第3線を前記色予測用座標系において定める第3線設定ステップと、
    前記色予測用座標系において前記第4反射率と前記第5反射率との積と前記第5反射率との組み合わせに対応する座標を第4座標として定める第4座標設定ステップと、
    前記基材上に前記第1印字色のインクが網点パーセント100%で塗られた上にさらに前記第2印字色のインクが前記第2網点パーセントで塗られた状態の反射率を示す仮想座標を前記第1線上に定める仮想座標設定ステップと、
    前記仮想座標と前記第4座標とを結ぶ第2線を前記色予測用座標系において定める第2線設定ステップと、
    前記第2線および前記第3線の両方の上に位置するオーバープリント座標を想定し、前記オーバープリント座標が前記第3線を前記第1網点パーセントに基づいた比率で案分するように前記第2線を前記第4座標を中心に回転させる回転ステップと、
    前記回転ステップにより確定した前記オーバープリント座標の縦軸値を、前記基材上に前記第1印字色のインクを前記第1網点パーセントで塗り、その上に前記第2印字色のインクを前記第2網点パーセントで塗り重ねることによって得られる色であると予測する色予測ステップと
    を含むことを特徴とする、色予測方法。
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