JP2020017902A - 色予測方法、印刷データ生成方法、印刷データ生成装置、および色予測プログラム - Google Patents
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Abstract
Description
X=jx×(Xb×Xf)+kx ・・・(1)
Y=jy×(Yb×Yf)+ky ・・・(2)
Z=jz×(Zb×Zf)+kz ・・・(3)
ここで、Xb,Yb,およびZbは背景色の三刺激値であり、Xf,Yf,およびZfは前景色の三刺激値であり、jx,jy,およびjzはスケーリング係数であり、kx,ky,およびkzは定数である。以下、jx,jy,jz,kx,ky,およびkzをまとめて「オーバープリント係数」という。
前記基材上に前記第1印字色のインクが塗られた状態の単位領域の反射率を第1反射率として取得する第1反射率取得ステップと、
N−1回実行され、K回目(Kは1以上N−1以下の整数)の実行の際には前記基材上に前記第1印字色から第K+1印字色のインクが順に塗り重ねられた状態の前記単位領域の反射率を求める計算ステップと
を含み、
前記計算ステップは、
前記Kの値が1のときには前記基材上に前記第1印字色のインクが塗られた状態の印字領域の反射率を第2反射率として求め、前記Kの値が2以上のときには第K−1印字色のインク上に第K印字色のインクが塗り重ねられた状態の印字領域の反射率を第2反射率として求める、第2反射率算出ステップと、
前記基材上に透明インクが塗られていると仮定した場合の前記透明インク上に第K+1印字色のインクが塗り重ねられた状態の前記単位領域の反射率を第3反射率として求める第3反射率算出ステップと、
横軸を背景の反射率と前景の反射率との積とし縦軸を背景と前景とが重なった状態の反射率とする色予測用座標系に関し、前記基材の反射率である第4反射率と前記基材上に前記第K+1印字色のインクが塗られた状態の反射率である第5反射率との積と前記第3反射率との組み合わせに対応する第1座標と、前記基材上に黒色インクが塗られた状態の反射率である第6反射率と前記第5反射率との積と前記黒色インク上に前記第K+1印字色のインクが塗られた状態の反射率である第7反射率との組み合わせに対応する第2座標とを結ぶ線を表す第1変換式を求める第1変換式算出ステップと、
前記第K印字色のインク上に前記第K+1印字色のインクが塗り重ねられた状態の印字領域の反射率を前記第1変換式を用いて前記第2反射率と前記第5反射率とに基づいて第8反射率として算出する第8反射率算出ステップと、
前記色予測用座標系に関し、前記第2反射率と前記第5反射率との積と前記第8反射率との組み合わせに対応する第3座標と、前記第4反射率と前記第5反射率との積と前記第5反射率との組み合わせに対応する第4座標とを結ぶ線を表す第2変換式を求める第2変換式算出ステップと、
前記基材上に前記第1印字色から前記第K+1印字色のインクが順に塗り重ねられた状態の前記単位領域の反射率を前記第2変換式を用いて前記第1反射率と前記第5反射率とに基づいて算出し、その算出した反射率で前記第1反射率を更新する第1反射率更新ステップと
を含むことを特徴とする。
前記第3反射率算出ステップでは、前記第K+1印字色のインクについての光学的ドットゲインを考慮して前記第3反射率が求められることを特徴とする。
前記第3反射率算出ステップでは、
前記第K+1印字色のインクについて、トラッピング前のインクの膜厚に対するトラッピング後のインクの膜厚の比を表す膜厚比の設定が行われ、
前記第3反射率が下記の式で算出されることを特徴とする。
前記計算ステップよりも先に実行される、前記単位領域のうちの印字領域の割合である印字率を算出する印字率算出ステップを更に含み、
前記計算ステップは、前記印字率を更新する印字率更新ステップを更に含み、
前記第2反射率算出ステップでは、前記第2反射率が下記の式で算出されることを特徴とする。
前記印字率更新ステップでは、前記印字率が下記の式に基づいて更新されることを特徴とする。
cover=1−(1−cover)×(1−c_rate)
ここで、左辺のcoverは更新後の印字率であり、右辺のcoverは更新前の印字率であり、c_rateは前記第K+1印字色のインクの網点パーセントである。
前記第1変換式および前記第2変換式は、1次式であって、
前記第1変換式算出ステップでは、前記第1座標に関する方程式と前記第2座標に関する方程式とからなる連立方程式を解くことによって、1次式の1次の項の係数の値および1次式の定数項の値とが算出され、
前記第2変換式算出ステップでは、前記第3座標に関する方程式と前記第4座標に関する方程式とからなる連立方程式を解くことによって、1次式の1次の項の係数の値および1次式の定数項の値とが算出されることを特徴とする。
前記各ステップが所定幅の波長範囲毎に行われることを特徴とする。
前記入稿データから1画素分ずつ画素データを読み取り、その読み取った画素データの色を予測する色予測ステップと、
前記色予測ステップで得られた結果に基づいて、色の三刺激値X、Y、Zを表すXYZデータを生成するXYZデータ生成ステップと、
前記XYZデータをCIELAB色空間のデータであるLabデータに変換する第1のデータ変換ステップと、
前記Labデータを前記デジタル印刷装置で印刷可能な形式の印刷データに変換する第2のデータ変換ステップと
を含み、
前記色予測ステップでは、少なくとも一部の画素データについては、第1から第7までのいずれかの発明に係る色予測方法によって色の予測が行われることを特徴とする。
前記入稿データから1画素分ずつ画素データを読み取り、その読み取った画素データの色を予測する色予測処理を行う色予測手段と、
前記色予測処理で得られた結果に基づいて、色の三刺激値X、Y、Zを表すXYZデータを生成するXYZデータ生成手段と、
前記XYZデータをCIELAB色空間のデータであるLabデータに変換する第1のデータ変換手段と、
前記Labデータを前記デジタル印刷装置で印刷可能な形式の印刷データに変換する第2のデータ変換手段と
を備え、
前記色予測処理は、基材上に第1印字色から第N印字色(Nは2以上の整数)のインクを順に塗り重ねることによって得られる色を予測する処理を含み、
前記色予測手段は、
前記基材上に前記第1印字色のインクが塗られた状態の単位領域の反射率を第1反射率として取得する第1反射率取得手段と、
1画素分の画素データに対してN−1回実行される計算処理であって、K回目(Kは1以上N−1以下の整数)の実行の際には前記基材上に前記第1印字色から第K+1印字色のインクが順に塗り重ねられた状態の前記単位領域の反射率を求める計算処理を行う計算手段と
を含み、
前記計算手段は、
前記Kの値が1のときには前記基材上に前記第1印字色のインクが塗られた状態の印字領域の反射率を第2反射率として求め、前記Kの値が2以上のときには第K−1印字色のインク上に第K印字色のインクが塗り重ねられた状態の印字領域の反射率を第2反射率として求める、第2反射率算出手段と、
前記基材上に透明インクが塗られていると仮定した場合の前記透明インク上に第K+1印字色のインクが塗り重ねられた状態の前記単位領域の反射率を第3反射率として求める第3反射率算出手段と、
横軸を背景の反射率と前景の反射率との積とし縦軸を背景と前景とが重なった状態の反射率とする色予測用座標系に関し、前記基材の反射率である第4反射率と前記基材上に前記第K+1印字色のインクが塗られた状態の反射率である第5反射率との積と前記第3反射率との組み合わせに対応する第1座標と、前記基材上に黒色インクが塗られた状態の反射率である第6反射率と前記第5反射率との積と前記黒色インク上に前記第K+1印字色のインクが塗られた状態の反射率である第7反射率との組み合わせに対応する第2座標とを結ぶ線を表す第1変換式を求める第1変換式算出手段と、
前記第K印字色のインク上に前記第K+1印字色のインクが塗り重ねられた状態の印字領域の反射率を前記第1変換式を用いて前記第2反射率と前記第5反射率とに基づいて第8反射率として算出する第8反射率算出手段と、
前記色予測用座標系に関し、前記第2反射率と前記第5反射率との積と前記第8反射率との組み合わせに対応する第3座標と、前記第4反射率と前記第5反射率との積と前記第5反射率との組み合わせに対応する第4座標とを結ぶ線を表す第2変換式を求める第2変換式算出手段と、
前記基材上に前記第1印字色から前記第K+1印字色のインクが順に塗り重ねられた状態の前記単位領域の反射率を前記第2変換式を用いて前記第1反射率と前記第5反射率とに基づいて算出し、その算出した反射率で前記第1反射率を更新する第1反射率更新手段と
を含むことを特徴とする。
前記基材上に前記第1印字色のインクが塗られた状態の単位領域の反射率を第1反射率として取得する第1反射率取得ステップと、
N−1回実行され、K回目(Kは1以上N−1以下の整数)の実行の際には前記基材上に前記第1印字色から第K+1印字色のインクが順に塗り重ねられた状態の前記単位領域の反射率を求める計算ステップと
をコンピュータのCPUがメモリを利用して実行し、
前記計算ステップは、
前記Kの値が1のときには前記基材上に前記第1印字色のインクが塗られた状態の印字領域の反射率を第2反射率として求め、前記Kの値が2以上のときには第K−1印字色のインク上に第K印字色のインクが塗り重ねられた状態の印字領域の反射率を第2反射率として求める、第2反射率算出ステップと、
前記基材上に透明インクが塗られていると仮定した場合の前記透明インク上に第K+1印字色のインクが塗り重ねられた状態の前記単位領域の反射率を第3反射率として求める第3反射率算出ステップと、
横軸を背景の反射率と前景の反射率との積とし縦軸を背景と前景とが重なった状態の反射率とする色予測用座標系に関し、前記基材の反射率である第4反射率と前記基材上に前記第K+1印字色のインクが塗られた状態の反射率である第5反射率との積と前記第3反射率との組み合わせに対応する第1座標と、前記基材上に黒色インクが塗られた状態の反射率である第6反射率と前記第5反射率との積と前記黒色インク上に前記第K+1印字色のインクが塗られた状態の反射率である第7反射率との組み合わせに対応する第2座標とを結ぶ線を表す第1変換式を求める第1変換式算出ステップと、
前記第K印字色のインク上に前記第K+1印字色のインクが塗り重ねられた状態の印字領域の反射率を前記第1変換式を用いて前記第2反射率と前記第5反射率とに基づいて第8反射率として算出する第8反射率算出ステップと、
前記色予測用座標系に関し、前記第2反射率と前記第5反射率との積と前記第8反射率との組み合わせに対応する第3座標と、前記第4反射率と前記第5反射率との積と前記第5反射率との組み合わせに対応する第4座標とを結ぶ線を表す第2変換式を求める第2変換式算出ステップと、
前記基材上に前記第1印字色から前記第K+1印字色のインクが順に塗り重ねられた状態の前記単位領域の反射率を前記第2変換式を用いて前記第1反射率と前記第5反射率とに基づいて算出し、その算出した反射率で前記第1反射率を更新する第1反射率更新ステップと
を含むことを特徴とする。
前記基材上に前記第1印字色のインクが塗られた状態の単位領域の刺激値を第1の刺激値として取得する第1の刺激値取得ステップと、
N−1回実行され、K回目(Kは1以上N−1以下の整数)の実行の際には前記基材上に前記第1印字色から第K+1印字色のインクが順に塗り重ねられた状態の前記単位領域の刺激値を求める計算ステップと
を含み、
前記刺激値は、色の三刺激値X、Y、Zのいずれかであり、
前記計算ステップは、
前記Kの値が1のときには前記基材上に前記第1印字色のインクが塗られた状態の印字領域の刺激値を第2の刺激値として求め、前記Kの値が2以上のときには第K−1印字色のインク上に第K印字色のインクが塗り重ねられた状態の印字領域の刺激値を第2の刺激値として求める、第2の刺激値算出ステップと、
前記基材上に透明インクが塗られていると仮定した場合の前記透明インク上に第K+1印字色のインクが塗り重ねられた状態の前記単位領域の刺激値を第3の刺激値として求める第3の刺激値算出ステップと、
横軸を背景の刺激値と前景の刺激値との積とし縦軸を背景と前景とが重なった状態の刺激値とする色予測用座標系に関し、前記基材の刺激値である第4の刺激値と前記基材上に前記第K+1印字色のインクが塗られた状態の刺激値である第5の刺激値との積と前記第3の刺激値との組み合わせに対応する第1座標と、前記基材上に黒色インクが塗られた状態の刺激値である第6の刺激値と前記第5の刺激値との積と前記黒色インク上に前記第K+1印字色のインクが塗られた状態の刺激値である第7の刺激値との組み合わせに対応する第2座標とを結ぶ線を表す第1変換式を求める第1変換式算出ステップと、
前記第K印字色のインク上に前記第K+1印字色のインクが塗り重ねられた状態の印字領域の刺激値を前記第1変換式を用いて前記第2の刺激値と前記第5の刺激値とに基づいて第8の刺激値として算出する第8の刺激値算出ステップと、
前記色予測用座標系に関し、前記第2の刺激値と前記第5の刺激値との積と前記第8の刺激値との組み合わせに対応する第3座標と、前記第4の刺激値と前記第5の刺激値との積と前記第5の刺激値との組み合わせに対応する第4座標とを結ぶ線を表す第2変換式を求める第2変換式算出ステップと、
前記基材上に前記第1印字色から前記第K+1印字色のインクが順に塗り重ねられた状態の前記単位領域の刺激値を前記第2変換式を用いて前記第1の刺激値と前記第5の刺激値とに基づいて算出し、その算出した刺激値で前記第1の刺激値を更新する第1の刺激値更新ステップと
を含むことを特徴とする。
前記基材上に前記第1印字色のインクが塗られた状態の単位領域の反射率を第1反射率として取得する第1反射率取得ステップと、
前記基材上に前記第1印字色のインクが塗られた状態の印字領域の反射率を第2反射率として求める第2反射率算出ステップと、
前記基材上に透明インクが塗られていると仮定した場合の前記透明インク上に前記第2印字色のインクが塗り重ねられた状態の前記単位領域の反射率を第3反射率として求める第3反射率算出ステップと、
横軸を背景の反射率と前景の反射率との積とし縦軸を背景と前景とが重なった状態の反射率とする色予測用座標系に関し、前記基材の反射率である第4反射率と前記基材上に前記第2印字色のインクが塗られた状態の反射率である第5反射率との積と前記第3反射率との組み合わせに対応する第1座標と、前記基材上に黒色インクが塗られた状態の反射率である第6反射率と前記第5反射率との積と前記黒色インク上に前記第2印字色のインクが塗られた状態の反射率である第7反射率との組み合わせに対応する第2座標とを結ぶ線を表す第1変換式を求める第1変換式算出ステップと、
前記第1印字色のインク上に前記第2印字色のインクが塗り重ねられた状態の前記印字領域の反射率を前記第1変換式を用いて前記第2反射率と前記第5反射率とに基づいて第8反射率として算出する第8反射率算出ステップと、
前記色予測用座標系に関し、前記第2反射率と前記第5反射率との積と前記第8反射率との組み合わせに対応する第3座標と、前記第4反射率と前記第5反射率との積と前記第5反射率との組み合わせに対応する第4座標とを結ぶ線を表す第2変換式を求める第2変換式算出ステップと、
前記基材上に前記第1印字色のインクと前記第2印字色のインクとが順に塗り重ねられた状態の前記単位領域の反射率を前記第2変換式を用いて前記第1反射率と前記第5反射率とに基づいて算出する予測値算出ステップと
を含むことを特徴とする。
前記基材上に前記第1印字色のインクが塗られた状態の単位領域の反射率を第1反射率として取得する第1反射率取得ステップと、
前記基材上に前記第2印字色のインクが塗られた状態の前記単位領域の反射率を第5反射率として取得する第5反射率取得ステップと、
前記第2印字色のインクが前記基材上でなく透明インクの上に塗られたと仮定した状態の前記単位領域の反射率を、前記第2印字色のインクの膜厚およびドットゲインの少なくとも一方の変動を考慮して前記第5反射率を補正することによって第3反射率として算出する第3反射率算出ステップと、
横軸を背景の反射率と前景の反射率との積とし縦軸を背景と前景とが重なった状態の反射率とする色予測用座標系に関し、前記基材の反射率である第4反射率と前記第5反射率との積と前記第3反射率との組み合わせに対応する第1座標と、前記基材上に黒色インクが塗られた状態の反射率である第6反射率と前記第5反射率との積と前記黒色インク上に前記第2印字色のインクが塗られた状態の反射率である第7反射率との組み合わせに対応する第2座標とを結ぶ線を表す第1変換式を求める第1変換式算出ステップと、
基材上に前記第1印字色のインクを印字率100%で塗り、その上に前記第2印字色のインクを所定の印字率で順に塗り重ねた状態の前記単位領域の反射率を前記第1変換式を用いて前記第1反射率と前記第5反射率とに基づいて算出する予測値算出ステップと
を含むことを特徴とする。
前記基材上に前記第1印字色のインクが前記第1網点パーセントで塗られた状態の単位領域の反射率を第1反射率として取得する第1反射率取得ステップと、
前記基材上に前記第2印字色のインクが前記第2網点パーセントで塗られた状態の前記単位領域の反射率を第5反射率として取得する第5反射率取得ステップと、
前記第2印字色のインクが前記基材上でなく透明インクの上に塗られたと仮定した状態の前記単位領域の反射率を、前記第2印字色のインクの膜厚およびドットゲインの少なくとも一方の変動を考慮して前記第5反射率を補正することによって第3反射率として算出する第3反射率算出ステップと、
前記基材上に黒色インクが網点パーセント100%で塗られた上にさらに前記第2印字色のインクが前記第2網点パーセントで塗られた状態の前記単位領域の反射率を第7反射率として取得する第7反射率取得ステップと、
横軸を背景の反射率と前景の反射率との積とし縦軸を背景と前景とが重なった状態の反射率とする色予測用座標系に関し、前記基材の反射率である第4反射率と前記第5反射率との積と前記第3反射率との組み合わせに対応する第1座標と、前記基材上に黒色インクが網点パーセント100%で塗られた状態の反射率である第6反射率と前記第5反射率との積と前記第7反射率との組み合わせに対応する第2座標とを結ぶ第1線を前記色予測用座標系において定める第1線設定ステップと、
前記色予測用座標系において前記第4反射率と前記第5反射率との積と前記第5反射率との組み合わせに対応する座標を第4座標として定める第4座標設定ステップと、
前記基材上に前記第1印字色のインクが網点パーセント100%で塗られた上にさらに前記第2印字色のインクが前記第2網点パーセントで塗られた状態の反射率を示す仮想座標を前記第1線上に定める仮想座標設定ステップと、
前記第1反射率と前記第5反射率との積を示す第3線を前記色予測用座標系において定める第3線設定ステップと、
前記仮想座標と前記第4座標とを結ぶ第2線を前記色予測用座標系において定める第2線設定ステップと、
前記第2線および前記第3線の両方の上に位置するオーバープリント座標を想定し、前記オーバープリント座標が前記第3線を前記第1網点パーセントに基づいた比率で案分するように前記第2線を前記第4座標を中心に回転させる回転ステップと、
前記回転ステップにより確定した前記オーバープリント座標の縦軸値を、前記基材上に前記第1印字色のインクを前記第1網点パーセントで塗り、その上に前記第2印字色のインクを前記第2網点パーセントで塗り重ねることによって得られる色であると予測する色予測ステップと
を含むことを特徴とする。
上述したように、Deshpandeらの手法によれば、重ね刷りが行われる複数の色の組み合わせによっては色の予測が精度良く行われない。その理由としては、複数色のインクの重ね刷りが行われた場合のトラッピングの状態が考慮されていないことが考えられる。なお、トラッピングとは、先に刷ったインキの上に後から刷ったインキが転移することである。
図2は、本発明の一実施形態に係る色予測方法を実現する印刷システムの全体構成図である。この印刷システムは、PDFファイルなどの入稿データに対して各種処理を施して印刷データを生成する印刷データ生成装置100と、印刷データに基づいて印刷版を作製する製版装置200と、その製版装置200で作製された印刷版を使用して印刷を行う印刷装置300と、印刷版を用いることなくデジタルデータである印刷データに基づいて印刷を行うインクジェット印刷機・コピー機等のデジタル印刷装置400と、色の測定を行う測色機500とによって構成されている。印刷データ生成装置100と製版装置200とデジタル印刷装置400と測色機500とは、通信回線600によって互いに通信可能に接続されている。なお、本実施形態で使用される測色機500は分光測色機であると仮定する。
図3は、本実施形態における印刷データ生成装置100のハードウェア構成図である。この印刷データ生成装置100は、パソコンによって実現されており、CPU11と、ROM12と、RAM13と、補助記憶装置14と、キーボード等の入力操作部15と、表示部16と、光学ディスクドライブ17と、ネットワークインタフェース部18とを有している。通信回線600経由で送られてくる入稿データは、ネットワークインタフェース部18を介して印刷データ生成装置100の内部へと入力される。印刷データ生成装置100で色予測処理などが行われることによって生成された印刷データは、ネットワークインタフェース部18を介して通信回線600経由でデジタル印刷装置400に送られる。
色予測処理に先だってこの印刷システムで実行しておく必要のある事前処理について説明する。図4は、事前処理の流れを説明するためのブロック図である。色予測処理では、入稿データに含まれ得る各特色に関し、基材上に塗られた部分の反射率のデータと黒色(墨ベタ)上に塗られた部分の反射率のデータとが必要とされる。これらの反射率のデータは、従来技術と同様、各特色について図20に示したようなCxFチャート(基材上に印刷されたCxFチャート)の測色を行うことによって得ることができる。
次に、基材上の或る単位領域(典型的には1画素)に複数の色のインクを順に塗り重ねることによって得られる色を予測する色予測処理について説明する。
本実施形態においては、インクが重なっている部分とインクが重なっていない部分とで反射率の計算が別々に行われる。これに関し、インクが重なっている部分の反射率をできるだけ正確に求めるために、横軸を背景の反射率Rbと前景の反射率Rfとの積とし縦軸を背景と前景とが重なった状態の反射率Rとする図5に示すような色予測用座標系において、透明インク上に特色のインクなどが塗られた状態の反射率を表す座標(図5では符号P1を付した座標)が校正点の1つとして使用される。そして、インクが重なっている部分の計算結果とインクが重なっていない部分の計算結果とを印字率に応じて案分することによって予測精度の向上が図られている。なお、図5で符号P2を付した座標は図22(従来技術)で符号P91を付した座標に相当し、図5で符号P4を付した座標は図22で符号P92を付した座標に相当し、図5で符号L3を付した直線は図22で符号L91を付した直線に相当する。
以下、色予測処理の具体的な手順について説明する。なお、以下においては、上述の線L1を表す式のことを「第1変換式」といい、上述の線L2を表す式のことを「第2変換式」という。また、図5に示したような色予測用座標系において任意の2点を結ぶ直線の一般式を次式(4)で表す。
R=j×(Rb×Rf)+k ・・・(4)
上式(4)において、Rは背景と前景とが重なった状態の反射率を表し、Rbは背景の反射率を表し、Rfは背景の反射率を表す。jおよびkは係数である。
また、第1変換式についての上式(4)のj,kをそれぞれj1,k1で表し、第2変換式についての上式(4)のj,kをそれぞれj2,k2で表す。
cover=1−(1−cover)×(1−c_rate) ・・・(5)
上式(5)において、左辺のcoverは更新後の印字率であり、右辺のcoverは更新前の印字率である。変数coverの初期値は0に設定されているので、仮に変数c_rateの値が0.3であれば、更新後の変数coverの値は0.3となる。また、例えば、更新前の変数coverの値が0.4であって、変数c_rateの値が0.5であれば、更新後の変数coverの値は0.7となる。
r=cover×r1+(1−cover)×paper ・・・(7)
上式(7)においてr1について解くことによって上式(6)が得られる。なお、図8では、印字率の説明を行う便宜上、基材上においてインクが偏って塗られているように図示している。
c_trans=c_paper×rate ・・・(9)
なお、上式(9)は次式(10)に示すように変形することができる。
c_trans=j1×(paper×c_paper)+k1 ・・・(11)
c_black=j1×(black×c_paper)+k1 ・・・(12)
ステップS340では、第1校正点P1に関する方程式(11)と第2校正点P2に関する方程式(12)とからなる連立方程式を解くことによって、係数j1,k1の値(すなわち、1次式の1次の項の係数j1の値および1次式の定数項k1の値)が算出される。
r2=j2×(r1×c_paper)+k2 ・・・(13)
c_paper=j2×(paper×c_paper)+k2 ・・・(14)
ステップS360では、第3校正点P3に関する方程式(13)と第4校正点P4に関する方程式(14)とからなる連立方程式を解くことによって、係数j2,k2の値(すなわち、1次式の1次の項の係数j2の値および1次式の定数項k2の値)が算出される。
次に、図13に示すブロック図および図14に示すフローチャートを参照しつつ、印刷データ生成装置100に1つのPDFファイルが与えられてからデジタル印刷装置400で印刷が行われるまでの処理の流れについて説明する。
本実施形態によれば、主計算処理では、基材上に透明インクが塗られていると仮定した場合の当該透明インク上に第K+1印字色のインクが塗り重ねられた状態の単位領域の反射率c_transが求められ、当該反射率c_transを考慮して、第K印字色のインクの上に第K+1印字色のインクが塗り重ねられた状態の反射率(インクが重なっている部分の反射率)r2が求められる。そして、基材上に第K+1印字色のインクが塗られた状態の反射率(インクが重なっていない部分の反射率)c_paperおよび印字率を考慮して、基材上に第1印字色から第K+1印字色のインクが順に塗り重ねられた状態の単位領域の反射率rが求められる。このように、インクのトラッピングを考慮して、反射率が求められる。また、上記反射率c_transの算出の際には、インクの光学的ドットゲインが考慮される。以上のように、インクのトラッピングおよびインクの光学的ドットゲインを考慮して色の予測が行われる。従って、本実施形態によれば、複数の色のインクの重ね刷りによって得られる色を従来よりも精度良く予測することができる。その結果、デジタル印刷装置によって、従来方式の印刷装置から出力された印刷物との誤差の小さい印刷物を得ることが可能となる。
<7.1 色予測処理に用いるデータに関する変形例(第1の変形例)>
上記実施形態においては、色予測処理の際に反射率のデータを用いた各種の計算が行われているが、本発明はこれに限定されない。例えば、測色機500による測色で三刺激値X,Y,およびZのデータしか得られない場合には、色の予測精度は低下するが、色予測処理の際の各種の計算に三刺激値のデータを用いるようにしても良い。本変形例における色予測処理については、上記実施形態における色予測処理と同様の手順で実行することができる。そこで、本変形例における色予測処理の具体的な手順を以下に簡単に説明する。なお、ここでは、色の三刺激値X,Y,およびZのうちの任意の1つのことを単に「刺激値」という。また、ここでは、色予測用座標系において任意の2点を結ぶ直線の一般式を次式(15)で表す。
S=j×(Sb×Sf)+k ・・・(15)
上式(15)において、Sは背景と前景とが重なった状態の刺激値を表し、Sbは背景の刺激値を表し、Sfは前景の刺激値を表す。jおよびkは係数である。
また、上記実施形態においては、背景の反射率と前景の反射率との積から背景と前景とが重なった状態の反射率を求めるための式である変換式(第1変換式および第2変換式)が1次式であったが、本発明はこれに限定されない。上記変換式として、1次式以外の変換モデルを採用することもできる。例えば、次式(16)に示すような式を上記変換式として採用しても良い。
さらに、上記実施形態においては、印字色の網点パーセントに基づいて印字率が算出されていたが、本発明はこれに限定されない。例えば、基材の波長別の反射率が図18において符号76で示すようなものであって、該当の印字色のインクが基材上に網点パーセント100%で塗られた状態の波長別の反射率が図18において符号77で示すようなものであって、該当の印字色のインクが基材上に対象の網点パーセントで塗られた状態の波長別の反射率が図18において符号78で示すようなものである場合に、或る波長範囲79についての印字率coverが次式(17)によって算出されるようにしても良い。
cover=1−(1−cover)×(1−DR2/DR1) ・・・(17)
ここで、DR2は該当の波長範囲79における符号76で示す反射率と符号78で示す反射率との差分であり、DR1は該当の波長範囲79における符号76で示す反射率と符号77で示す反射率との差分である。
上記実施形態においては、線L1上に第3校正点P3を設定し、当該第3校正点P3と第4校正点P4とを結ぶ線L2を作成し、そして、線L2を表す式(第2変換式)を用いてオーバープリント予測値を算出した(図5参照)。しかしながら、線L2を作成することなく(第2変換式を用いることなく)オーバープリント予測値を算出することも可能である。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、上述した変形例のように、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
141…色予測プログラム
200…製版装置
300…印刷装置
400…デジタル印刷装置
500…測色機
P1〜P4…第1〜第4校正点
Claims (14)
- 基材上に第1印字色から第N印字色(Nは2以上の整数)のインクを順に塗り重ねることによって得られる色を予測する色予測方法であって、
前記基材上に前記第1印字色のインクが塗られた状態の単位領域の反射率を第1反射率として取得する第1反射率取得ステップと、
N−1回実行され、K回目(Kは1以上N−1以下の整数)の実行の際には前記基材上に前記第1印字色から第K+1印字色のインクが順に塗り重ねられた状態の前記単位領域の反射率を求める計算ステップと
を含み、
前記計算ステップは、
前記Kの値が1のときには前記基材上に前記第1印字色のインクが塗られた状態の印字領域の反射率を第2反射率として求め、前記Kの値が2以上のときには第K−1印字色のインク上に第K印字色のインクが塗り重ねられた状態の印字領域の反射率を第2反射率として求める、第2反射率算出ステップと、
前記基材上に透明インクが塗られていると仮定した場合の前記透明インク上に第K+1印字色のインクが塗り重ねられた状態の前記単位領域の反射率を第3反射率として求める第3反射率算出ステップと、
横軸を背景の反射率と前景の反射率との積とし縦軸を背景と前景とが重なった状態の反射率とする色予測用座標系に関し、前記基材の反射率である第4反射率と前記基材上に前記第K+1印字色のインクが塗られた状態の反射率である第5反射率との積と前記第3反射率との組み合わせに対応する第1座標と、前記基材上に黒色インクが塗られた状態の反射率である第6反射率と前記第5反射率との積と前記黒色インク上に前記第K+1印字色のインクが塗られた状態の反射率である第7反射率との組み合わせに対応する第2座標とを結ぶ線を表す第1変換式を求める第1変換式算出ステップと、
前記第K印字色のインク上に前記第K+1印字色のインクが塗り重ねられた状態の印字領域の反射率を前記第1変換式を用いて前記第2反射率と前記第5反射率とに基づいて第8反射率として算出する第8反射率算出ステップと、
前記色予測用座標系に関し、前記第2反射率と前記第5反射率との積と前記第8反射率との組み合わせに対応する第3座標と、前記第4反射率と前記第5反射率との積と前記第5反射率との組み合わせに対応する第4座標とを結ぶ線を表す第2変換式を求める第2変換式算出ステップと、
前記基材上に前記第1印字色から前記第K+1印字色のインクが順に塗り重ねられた状態の前記単位領域の反射率を前記第2変換式を用いて前記第1反射率と前記第5反射率とに基づいて算出し、その算出した反射率で前記第1反射率を更新する第1反射率更新ステップと
を含むことを特徴とする、色予測方法。 - 前記第3反射率算出ステップでは、前記第K+1印字色のインクについての光学的ドットゲインを考慮して前記第3反射率が求められることを特徴とする、請求項1に記載の色予測方法。
- 前記第3反射率算出ステップでは、
前記第K+1印字色のインクについて、トラッピング前のインクの膜厚に対するトラッピング後のインクの膜厚の比を表す膜厚比の設定が行われ、
前記第3反射率が下記の式で算出されることを特徴とする、請求項2に記載の色予測方法:
- 前記印字率更新ステップでは、前記印字率が下記の式に基づいて更新されることを特徴とする、請求項4に記載の色予測方法:
cover=1−(1−cover)×(1−c_rate)
ここで、左辺のcoverは更新後の印字率であり、右辺のcoverは更新前の印字率であり、c_rateは前記第K+1印字色のインクの網点パーセントである。 - 前記第1変換式および前記第2変換式は、1次式であって、
前記第1変換式算出ステップでは、前記第1座標に関する方程式と前記第2座標に関する方程式とからなる連立方程式を解くことによって、1次式の1次の項の係数の値および1次式の定数項の値とが算出され、
前記第2変換式算出ステップでは、前記第3座標に関する方程式と前記第4座標に関する方程式とからなる連立方程式を解くことによって、1次式の1次の項の係数の値および1次式の定数項の値とが算出されることを特徴とする、請求項1から5までのいずれか1項に記載の色予測方法。 - 前記各ステップが所定幅の波長範囲毎に行われることを特徴とする、請求項1から6までのいずれか1項に記載の色予測方法。
- 入稿データに基づいてデジタル印刷装置で印刷可能な形式の印刷データを生成する印刷データ生成方法であって、
前記入稿データから1画素分ずつ画素データを読み取り、その読み取った画素データの色を予測する色予測ステップと、
前記色予測ステップで得られた結果に基づいて、色の三刺激値X、Y、Zを表すXYZデータを生成するXYZデータ生成ステップと、
前記XYZデータをCIELAB色空間のデータであるLabデータに変換する第1のデータ変換ステップと、
前記Labデータを前記デジタル印刷装置で印刷可能な形式の印刷データに変換する第2のデータ変換ステップと
を含み、
前記色予測ステップでは、少なくとも一部の画素データについては、請求項1から7までのいずれか1項に記載の色予測方法によって色の予測が行われることを特徴とする、印刷データ生成方法。 - 入稿データに基づいてデジタル印刷装置で印刷可能な形式の印刷データを生成する印刷データ生成装置であって、
前記入稿データから1画素分ずつ画素データを読み取り、その読み取った画素データの色を予測する色予測処理を行う色予測手段と、
前記色予測処理で得られた結果に基づいて、色の三刺激値X、Y、Zを表すXYZデータを生成するXYZデータ生成手段と、
前記XYZデータをCIELAB色空間のデータであるLabデータに変換する第1のデータ変換手段と、
前記Labデータを前記デジタル印刷装置で印刷可能な形式の印刷データに変換する第2のデータ変換手段と
を備え、
前記色予測処理は、基材上に第1印字色から第N印字色(Nは2以上の整数)のインクを順に塗り重ねることによって得られる色を予測する処理を含み、
前記色予測手段は、
前記基材上に前記第1印字色のインクが塗られた状態の単位領域の反射率を第1反射率として取得する第1反射率取得手段と、
1画素分の画素データに対してN−1回実行される計算処理であって、K回目(Kは1以上N−1以下の整数)の実行の際には前記基材上に前記第1印字色から第K+1印字色のインクが順に塗り重ねられた状態の前記単位領域の反射率を求める計算処理を行う計算手段と
を含み、
前記計算手段は、
前記Kの値が1のときには前記基材上に前記第1印字色のインクが塗られた状態の印字領域の反射率を第2反射率として求め、前記Kの値が2以上のときには第K−1印字色のインク上に第K印字色のインクが塗り重ねられた状態の印字領域の反射率を第2反射率として求める、第2反射率算出手段と、
前記基材上に透明インクが塗られていると仮定した場合の前記透明インク上に第K+1印字色のインクが塗り重ねられた状態の前記単位領域の反射率を第3反射率として求める第3反射率算出手段と、
横軸を背景の反射率と前景の反射率との積とし縦軸を背景と前景とが重なった状態の反射率とする色予測用座標系に関し、前記基材の反射率である第4反射率と前記基材上に前記第K+1印字色のインクが塗られた状態の反射率である第5反射率との積と前記第3反射率との組み合わせに対応する第1座標と、前記基材上に黒色インクが塗られた状態の反射率である第6反射率と前記第5反射率との積と前記黒色インク上に前記第K+1印字色のインクが塗られた状態の反射率である第7反射率との組み合わせに対応する第2座標とを結ぶ線を表す第1変換式を求める第1変換式算出手段と、
前記第K印字色のインク上に前記第K+1印字色のインクが塗り重ねられた状態の印字領域の反射率を前記第1変換式を用いて前記第2反射率と前記第5反射率とに基づいて第8反射率として算出する第8反射率算出手段と、
前記色予測用座標系に関し、前記第2反射率と前記第5反射率との積と前記第8反射率との組み合わせに対応する第3座標と、前記第4反射率と前記第5反射率との積と前記第5反射率との組み合わせに対応する第4座標とを結ぶ線を表す第2変換式を求める第2変換式算出手段と、
前記基材上に前記第1印字色から前記第K+1印字色のインクが順に塗り重ねられた状態の前記単位領域の反射率を前記第2変換式を用いて前記第1反射率と前記第5反射率とに基づいて算出し、その算出した反射率で前記第1反射率を更新する第1反射率更新手段と
を含むことを特徴とする、印刷データ生成装置。 - 基材上に第1印字色から第N印字色(Nは2以上の整数)のインクを順に塗り重ねることによって得られる色を予測する色予測プログラムであって、
前記基材上に前記第1印字色のインクが塗られた状態の単位領域の反射率を第1反射率として取得する第1反射率取得ステップと、
N−1回実行され、K回目(Kは1以上N−1以下の整数)の実行の際には前記基材上に前記第1印字色から第K+1印字色のインクが順に塗り重ねられた状態の前記単位領域の反射率を求める計算ステップと
をコンピュータのCPUがメモリを利用して実行し、
前記計算ステップは、
前記Kの値が1のときには前記基材上に前記第1印字色のインクが塗られた状態の印字領域の反射率を第2反射率として求め、前記Kの値が2以上のときには第K−1印字色のインク上に第K印字色のインクが塗り重ねられた状態の印字領域の反射率を第2反射率として求める、第2反射率算出ステップと、
前記基材上に透明インクが塗られていると仮定した場合の前記透明インク上に第K+1印字色のインクが塗り重ねられた状態の前記単位領域の反射率を第3反射率として求める第3反射率算出ステップと、
横軸を背景の反射率と前景の反射率との積とし縦軸を背景と前景とが重なった状態の反射率とする色予測用座標系に関し、前記基材の反射率である第4反射率と前記基材上に前記第K+1印字色のインクが塗られた状態の反射率である第5反射率との積と前記第3反射率との組み合わせに対応する第1座標と、前記基材上に黒色インクが塗られた状態の反射率である第6反射率と前記第5反射率との積と前記黒色インク上に前記第K+1印字色のインクが塗られた状態の反射率である第7反射率との組み合わせに対応する第2座標とを結ぶ線を表す第1変換式を求める第1変換式算出ステップと、
前記第K印字色のインク上に前記第K+1印字色のインクが塗り重ねられた状態の印字領域の反射率を前記第1変換式を用いて前記第2反射率と前記第5反射率とに基づいて第8反射率として算出する第8反射率算出ステップと、
前記色予測用座標系に関し、前記第2反射率と前記第5反射率との積と前記第8反射率との組み合わせに対応する第3座標と、前記第4反射率と前記第5反射率との積と前記第5反射率との組み合わせに対応する第4座標とを結ぶ線を表す第2変換式を求める第2変換式算出ステップと、
前記基材上に前記第1印字色から前記第K+1印字色のインクが順に塗り重ねられた状態の前記単位領域の反射率を前記第2変換式を用いて前記第1反射率と前記第5反射率とに基づいて算出し、その算出した反射率で前記第1反射率を更新する第1反射率更新ステップと
を含むことを特徴とする、色予測プログラム。 - 基材上に第1印字色から第N印字色(Nは2以上の整数)のインクを順に塗り重ねることによって得られる色を予測する色予測方法であって、
前記基材上に前記第1印字色のインクが塗られた状態の単位領域の刺激値を第1の刺激値として取得する第1の刺激値取得ステップと、
N−1回実行され、K回目(Kは1以上N−1以下の整数)の実行の際には前記基材上に前記第1印字色から第K+1印字色のインクが順に塗り重ねられた状態の前記単位領域の刺激値を求める計算ステップと
を含み、
前記刺激値は、色の三刺激値X、Y、Zのいずれかであり、
前記計算ステップは、
前記Kの値が1のときには前記基材上に前記第1印字色のインクが塗られた状態の印字領域の刺激値を第2の刺激値として求め、前記Kの値が2以上のときには第K−1印字色のインク上に第K印字色のインクが塗り重ねられた状態の印字領域の刺激値を第2の刺激値として求める、第2の刺激値算出ステップと、
前記基材上に透明インクが塗られていると仮定した場合の前記透明インク上に第K+1印字色のインクが塗り重ねられた状態の前記単位領域の刺激値を第3の刺激値として求める第3の刺激値算出ステップと、
横軸を背景の刺激値と前景の刺激値との積とし縦軸を背景と前景とが重なった状態の刺激値とする色予測用座標系に関し、前記基材の刺激値である第4の刺激値と前記基材上に前記第K+1印字色のインクが塗られた状態の刺激値である第5の刺激値との積と前記第3の刺激値との組み合わせに対応する第1座標と、前記基材上に黒色インクが塗られた状態の刺激値である第6の刺激値と前記第5の刺激値との積と前記黒色インク上に前記第K+1印字色のインクが塗られた状態の刺激値である第7の刺激値との組み合わせに対応する第2座標とを結ぶ線を表す第1変換式を求める第1変換式算出ステップと、
前記第K印字色のインク上に前記第K+1印字色のインクが塗り重ねられた状態の印字領域の刺激値を前記第1変換式を用いて前記第2の刺激値と前記第5の刺激値とに基づいて第8の刺激値として算出する第8の刺激値算出ステップと、
前記色予測用座標系に関し、前記第2の刺激値と前記第5の刺激値との積と前記第8の刺激値との組み合わせに対応する第3座標と、前記第4の刺激値と前記第5の刺激値との積と前記第5の刺激値との組み合わせに対応する第4座標とを結ぶ線を表す第2変換式を求める第2変換式算出ステップと、
前記基材上に前記第1印字色から前記第K+1印字色のインクが順に塗り重ねられた状態の前記単位領域の刺激値を前記第2変換式を用いて前記第1の刺激値と前記第5の刺激値とに基づいて算出し、その算出した刺激値で前記第1の刺激値を更新する第1の刺激値更新ステップと
を含むことを特徴とする、色予測方法。 - 基材上に第1印字色のインクと第2印字色のインクとを順に塗り重ねることによって得られる色を予測する色予測方法であって、
前記基材上に前記第1印字色のインクが塗られた状態の単位領域の反射率を第1反射率として取得する第1反射率取得ステップと、
前記基材上に前記第1印字色のインクが塗られた状態の印字領域の反射率を第2反射率として求める第2反射率算出ステップと、
前記基材上に透明インクが塗られていると仮定した場合の前記透明インク上に前記第2印字色のインクが塗り重ねられた状態の前記単位領域の反射率を第3反射率として求める第3反射率算出ステップと、
横軸を背景の反射率と前景の反射率との積とし縦軸を背景と前景とが重なった状態の反射率とする色予測用座標系に関し、前記基材の反射率である第4反射率と前記基材上に前記第2印字色のインクが塗られた状態の反射率である第5反射率との積と前記第3反射率との組み合わせに対応する第1座標と、前記基材上に黒色インクが塗られた状態の反射率である第6反射率と前記第5反射率との積と前記黒色インク上に前記第2印字色のインクが塗られた状態の反射率である第7反射率との組み合わせに対応する第2座標とを結ぶ線を表す第1変換式を求める第1変換式算出ステップと、
前記第1印字色のインク上に前記第2印字色のインクが塗り重ねられた状態の前記印字領域の反射率を前記第1変換式を用いて前記第2反射率と前記第5反射率とに基づいて第8反射率として算出する第8反射率算出ステップと、
前記色予測用座標系に関し、前記第2反射率と前記第5反射率との積と前記第8反射率との組み合わせに対応する第3座標と、前記第4反射率と前記第5反射率との積と前記第5反射率との組み合わせに対応する第4座標とを結ぶ線を表す第2変換式を求める第2変換式算出ステップと、
前記基材上に前記第1印字色のインクと前記第2印字色のインクとが順に塗り重ねられた状態の前記単位領域の反射率を前記第2変換式を用いて前記第1反射率と前記第5反射率とに基づいて算出する予測値算出ステップと
を含むことを特徴とする、色予測方法。 - 基材上に第1印字色のインクを印字率100%で塗り、その上に第2印字色のインクを所定の印字率で順に塗り重ねることによって得られる色を予測する色予測方法であって、
前記基材上に前記第1印字色のインクが塗られた状態の単位領域の反射率を第1反射率として取得する第1反射率取得ステップと、
前記基材上に前記第2印字色のインクが塗られた状態の前記単位領域の反射率を第5反射率として取得する第5反射率取得ステップと、
前記第2印字色のインクが前記基材上でなく透明インクの上に塗られたと仮定した状態の前記単位領域の反射率を、前記第2印字色のインクの膜厚およびドットゲインの少なくとも一方の変動を考慮して前記第5反射率を補正することによって第3反射率として算出する第3反射率算出ステップと、
横軸を背景の反射率と前景の反射率との積とし縦軸を背景と前景とが重なった状態の反射率とする色予測用座標系に関し、前記基材の反射率である第4反射率と前記第5反射率との積と前記第3反射率との組み合わせに対応する第1座標と、前記基材上に黒色インクが塗られた状態の反射率である第6反射率と前記第5反射率との積と前記黒色インク上に前記第2印字色のインクが塗られた状態の反射率である第7反射率との組み合わせに対応する第2座標とを結ぶ線を表す第1変換式を求める第1変換式算出ステップと、
基材上に前記第1印字色のインクを印字率100%で塗り、その上に前記第2印字色のインクを所定の印字率で順に塗り重ねた状態の前記単位領域の反射率を前記第1変換式を用いて前記第1反射率と前記第5反射率とに基づいて算出する予測値算出ステップと
を含むことを特徴とする、色予測方法。 - 基材上に第1印字色のインクを第1網点パーセントで塗り、その上に第2印字色のインクを第2網点パーセントで塗り重ねることによって得られる色を予測する色予測方法であって、
前記基材上に前記第1印字色のインクが前記第1網点パーセントで塗られた状態の単位領域の反射率を第1反射率として取得する第1反射率取得ステップと、
前記基材上に前記第2印字色のインクが前記第2網点パーセントで塗られた状態の前記単位領域の反射率を第5反射率として取得する第5反射率取得ステップと、
前記第2印字色のインクが前記基材上でなく透明インクの上に塗られたと仮定した状態の前記単位領域の反射率を、前記第2印字色のインクの膜厚およびドットゲインの少なくとも一方の変動を考慮して前記第5反射率を補正することによって第3反射率として算出する第3反射率算出ステップと、
前記基材上に黒色インクが網点パーセント100%で塗られた上にさらに前記第2印字色のインクが前記第2網点パーセントで塗られた状態の前記単位領域の反射率を第7反射率として取得する第7反射率取得ステップと、
横軸を背景の反射率と前景の反射率との積とし縦軸を背景と前景とが重なった状態の反射率とする色予測用座標系に関し、前記基材の反射率である第4反射率と前記第5反射率との積と前記第3反射率との組み合わせに対応する第1座標と、前記基材上に黒色インクが網点パーセント100%で塗られた状態の反射率である第6反射率と前記第5反射率との積と前記第7反射率との組み合わせに対応する第2座標とを結ぶ第1線を前記色予測用座標系において定める第1線設定ステップと、
前記第1反射率と前記第5反射率との積を示す第3線を前記色予測用座標系において定める第3線設定ステップと、
前記色予測用座標系において前記第4反射率と前記第5反射率との積と前記第5反射率との組み合わせに対応する座標を第4座標として定める第4座標設定ステップと、
前記基材上に前記第1印字色のインクが網点パーセント100%で塗られた上にさらに前記第2印字色のインクが前記第2網点パーセントで塗られた状態の反射率を示す仮想座標を前記第1線上に定める仮想座標設定ステップと、
前記仮想座標と前記第4座標とを結ぶ第2線を前記色予測用座標系において定める第2線設定ステップと、
前記第2線および前記第3線の両方の上に位置するオーバープリント座標を想定し、前記オーバープリント座標が前記第3線を前記第1網点パーセントに基づいた比率で案分するように前記第2線を前記第4座標を中心に回転させる回転ステップと、
前記回転ステップにより確定した前記オーバープリント座標の縦軸値を、前記基材上に前記第1印字色のインクを前記第1網点パーセントで塗り、その上に前記第2印字色のインクを前記第2網点パーセントで塗り重ねることによって得られる色であると予測する色予測ステップと
を含むことを特徴とする、色予測方法。
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