JP2016219886A - 色予測システムおよび色予測方法 - Google Patents

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勇一 瀬▲崎▼
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Abstract

【課題】重ね刷り特性を用いて特色インキを印刷媒体に重ね刷りした印刷結果の再現色を予測する色予測システムを提供する。
【解決手段】色予測システムは、色見本から測定した測色値を再現するための特色インキを選択し、これに含まれる原色インキの吸収係数、散乱係数、配合比に応じて、特色インキの吸収係数、散乱係数、分光反射率を算出し、分光反射率から測色値を算出し、下地インキ層と上地インキ層とから混合インキ層になる膜厚を表す膜厚係数及び、上地インキ層のトラッピング率からなる重ね刷り特性を算出し、算出された測色値と測定した測色値との差分が許容範囲内となる原色インキの配合比を算出し、原色インキの配合比と、重ね刷り特性に基づいて算出した下地インキ、混合インキ及び上地インキ各々の吸収係数、散乱係数及び膜厚係数と、上地インキのトラッピング率とから特色インキを重ね刷りした際のノイゲバウア原色の分光反射率を算出する。
【選択図】図1

Description

本発明は、印刷機が印刷する再現色のカラーマッチングにおいて、この再現色を予測する色予測システムおよび色予測方法に関する。
例えば、カラーマッチングにおいて面積変調(面積変調階調表現)により再現色を調整する場合、与えられた網点面積率で各色が印刷される部分の色を予測する方法として、例えば、ユール・ニールセン分光ノイゲバウアモデル(Yule−Nielsen Spectral Neugebauer Model)を利用する方法(例えば、特許文献1参照)や、分光拡張ノイゲバウアモデルを利用する方法(例えば、非特許文献1参照)などの技術が知られている。
ここでいう「分光拡張ノイゲバウアモデル」とは、ノイゲバウア原色と網点面積率とを波長の関数となるように分光に拡張したモデルである。
また、上述したモデルは、網点の大きさが異なっていても、網点が原色単体ベタの均一な厚さのインキにより印刷媒体表面に印刷されていることを前提としている。このため、網点におけるドットのエッジにおける光の散乱による構成分を正確に表現することができていない。
この対応として、この「分光拡張ノイゲバウアモデル」を拡張し、網点におけるドットのエッジにおける光の散乱構成分を、より正確に考慮するためモデルもある(例えば、特許文献2参照)。
特表2007−516663号公報 特開2006−329753号公報
飯野浩一、Fabrice CAPIEZ、「分光 Neugebauer モデルによる再現色予測の有効性と適合条件」、日本印刷学会誌、第42巻、第5号、2005年10月
上述した従来技術は原色インキを重ね刷りして行った印刷において、印刷媒体の表面に再現される色の予測を行うものである。
一方、特色インキは使用する都度、複数の原色インキを任意の配合比で配合して生成するものであり、原色インキのように実際に測定された分光反射率を得ることができない。このため、特色インキを重ね刷りして行った印刷によって、印刷媒体表面に再現される色の予測を行うことが困難である。また、重ね刷りして再現される色は、印刷の条件(例えば、印刷方式やインキの種類など)により、先に塗工される下地インキと後から塗工される上地インキとの境界面において、インキの混合が生じるため、一層再現色の予測を行うことが困難となる。
本発明は、このような状況に鑑みてなされたもので、特色インキを印刷媒体に重ね刷りした印刷結果における再現色を予測する色予測システム及び色予測方法を提供する。
上記課題を解決するための本発明の一局面は、原色インキ毎の吸収係数及び散乱係数が予め書き込まれて記憶されている吸収係数・散乱係数データベースと、色を再現したい色見本から測定した測色値を再現するのに好適な原色インキの組合せで構成される特色インキを選択し、選択された特色インキに含まれる原色インキの吸収係数及び散乱係数を吸収係数・散乱係数データベースから読み出し、指定の原色インキの配合比に応じて特色インキの吸収係数及び散乱係数を求め、求めた特色インキの吸収係数及び散乱係数から再現したい特色インキの分光反射率を算出する特色インキ分光反射率算出部と、特色インキ分光反射率算出部が算出した再現したい特色インキの分光反射率から測色値を算出する特色インキ再現色算出部と、下地インキ層と上地インキ層との重ね刷りによりインキが混合する境界面を混合インキ層とし、下地インキ層と上地インキ層とのそれぞれから混合インキ層になる膜厚を表す膜厚係数及び、上地インキ層のトラッピング率からなる重ね刷り特性を算出する重ね刷り特性決定部と、重ね刷り特性決定部において算出された重ね刷り特性を記録する重ね刷り特性データベースと、特色インキ再現色算出部において算出された測色値と色見本から測定した測色値との差分を求め、指定の原色インキの配合比を修正して差分が所定の許容範囲以内となる原色インキの配合比を算出する特色インキ配合比決定部と、特色インキ配合比決定部が決定した原色インキの配合比と、重ね刷り特性データベースに記憶されている重ね刷り特性に基づいて算出した下地インキ、混合インキ及び上地インキ各々の吸収係数、散乱係数及び膜厚係数と、上地インキのトラッピング率とから特色インキを重ね刷りした際のノイゲバウア原色の分光反射率を算出する分光データ算出部とを備える、色予測システムである。
また、原色インキ毎に指令網点面積率に応じた階調特性パラメータが記憶された階調特性テーブルデータベースと、原色インキの配合情報に基づいて特色インキの階調特性パラメータと、特色インキの階調領域の分光反射率とを求める特色インキ階調分光反射率算出部とを備え、分光データ算出部が、特色インキの階調領域及び当該階調領域の各々の階調特性パラメータと、分光反射率との対応関係を示す計算モデルにより、指令網点面積率により形成された網点による特色インキの再現色を示す分光反射率を算出してもよい。
また、複数の特色インキの網点から形成される再現色を推定する場合、分光データ算出部により求めた分光反射率や階調特性パラメータに基づいて、網点が他の網点の上部に印刷された分光反射率を、推定してもよい。
また、分光データ算出部に対し、重ね合わせて印刷する特色インキ毎の指令網点面積率の組合せ毎に分光反射率を算出させ、色空間における再現色のプロファイルを作成する色予測テーブル作成部をさらに有してもよい。
また、色空間における連続的な座標値毎に、当該座標値の再現色を再現する特色インキ各々の指令網点面積率を求める特色分解テーブル作成部をさらに有してもよい。
また、特色インキを印刷する印刷媒体、重ね刷りにおける特色インキの印刷順、及び特色インキのインキ膜厚を任意に設定してもよい。
また、本発明の他の局面は、色予測システムのコンピュータに実行させる色予測方法であって、コンピュータが、色を再現したい色見本から測定した測色値を再現するのに好適な原色インキの組合せで構成される特色インキを選択し、選択された特色インキに含まれる原色インキの吸収係数及び散乱係数を、原色インキ毎の吸収係数及び散乱係数が予め書き込まれて記憶されている吸収係数・散乱係数データベースから読み出し、指定の原色インキの配合比に応じて特色インキの吸収係数及び散乱係数を求め、求めた特色インキの吸収係数及び散乱係数から再現したい特色インキの分光反射率を算出する特色インキ分光反射率算出ステップと、コンピュータが、特色インキ分光反射率算出ステップにおいて算出した再現したい特色インキの分光反射率から測色値を算出する特色インキ再現色算出ステップと、コンピュータが、特色インキ再現色算出ステップにおいて算出した測色値と色見本から測定した測色値との差分を求め、指定の原色インキの配合比を修正して差分が所定の許容範囲以内となる原色インキの配合比を算出する特色インキ配合比決定ステップと、コンピュータが、特色インキ配合比決定ステップにおいて決定した原色インキの配合比と、重ね刷り特性データベースに予め書き込まれて記憶されている重ね刷り特性に基づいて算出した下地インキ、混合インキ及び上地インキ各々の吸収係数、散乱係数、膜厚係数と、上地インキのトラッピング率とから特色インキを重ね刷りした際のノイゲバウア原色の分光反射率を算出する分光データ算出ステップとを含む色予測方法である。
以上説明したように、本発明によれば、特色インキを配合する原色インキの配合比を求め、特色インキの吸収係数及び散乱係数を原色インキの吸収係数及び散乱係数から求め、色見本の色に近い特色インキの分光反射率を生成し、色見本の色に近い特色インキの単色ベタの再現色を求め、インキの重ね刷りによる下地インキと上地インキとの境界面で起こるインキの混合による再現色を推定する重ね刷り特性を求めるため、特色インキを印刷媒体に重ね刷りした印刷結果における再現色を予測することが可能となる。
本発明の一実施形態に係る色予測システム1の構成を示すブロック図 特色インキを構成する原色インキの配合比を決定する処理を示すフローチャート 下地インキ層と上地インキとの重ね合わせにより起こる境界面の混合を表した模式図 特色インキの重ね刷りによる分光反射率を算出する処理を示すフローチャート 重ね刷り特性である下地インキ層混合膜厚係数XmiXl、上地インキ層混合膜厚係数XmiXu及びトラッピング率tを決定する処理を示すフローチャート 特色インキの階調毎の分光反射率を算出する処理を示すフローチャート 色予測システム1における色予測テーブル作成部109の色予測テーブルの生成処理の動作例を説明するフローチャート
スクリーン印刷、オフセット印刷などにおいては、印刷媒体に対してインキを印刷する際、階調度を示す指令網点面積率に対応した網点が印刷媒体表面に形成される。この印刷における網点は、インキが印刷される印刷媒体表面の面積(面積変調階調表現)が、指令網点面積率に応じて変化する。
このため、本実施形態においては、網点の構造を、指令網点面積率に対応して、インキが印刷された網点の印刷媒体表面における面積で表す計算モデルを用いる。本実施形態においては、印刷媒体(例えば、用紙)に対して印刷された単色あるいは特色の各階調度の色予測を行う際、指令網点面積率で生成される各階調度の網点が、複数の階調領域から生成されている網点形状をモデル化した計算モデルを用いる。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る色予測システム1の構成例を示すブロック図である。各ブロック間の線で示す接続関係は例示であって、図示しない接続関係が存在してもよい。適宜色予測システム1は、入力部101、測定分光反射率データベース105、吸収係数・散乱係数データベース106、色予測テーブル作成部109、出力部110、一時記憶部125、近似色データベース128、重ね刷り特性データベース131、重ね刷り特性予測部132、重ね刷り分光反射率データベース133、ノイゲバウア原色分光反射率算出部150、特色インキ任意階調分光反射率算出部200、階調特性テーブルデータベース201、網点掛け合わせ分光反射率計算部204、印刷色予測部205を備えている。
入力部101は、例えば、外部のコンピュータと接続されており、ユーザが設定する原色インキや特色インキの各原色の指令網点面積率の指定値などのデータが入力される。
また、入力部101は、キーボードあるいはタッチパネルなどの入力手段を有し、この入力手段から入力されるユーザが設定するインキの各原色の指令網点面積率の指定値などのデータを、色予測システム1内部の各部に出力する構成としても良い。
吸収係数・散乱係数データベース106には、原色インキ毎に、指令網点面積率が100%、すなわちベタで印刷媒体(例えば、コート紙などの用紙)に印刷された印刷部分から求めたインキの着色層の散乱係数S(λ)及び吸収係数K(λ)が、上記外部のコンピュータなどにより予め書き込まれて記憶されている。ここで、散乱係数S(λ)及び吸収係数K(λ)を求める際、白地及び黒地の各々の印刷媒体に対して、それぞれ原色インキをベタで印刷して上記印刷部分を作成する。
そして、白地及び黒地の各々の印刷媒体表面にベタで印刷されたインキの着色層の分光反射率をそれぞれ測定する。ここで、白地の印刷媒体表面における印刷部分の分光反射率を白地測定分光反射率とし、黒地の印刷媒体表面における印刷部分の分光反射率を黒地測定分光反射率とする。
この求めた白地測定分光反射率及び黒地測定分光反射率から、原色インキをベタで印刷媒体に印刷した印刷部分における散乱係数S(λ)及び吸収係数K(λ)を求める。また、散乱係数S(λ)及び吸収係数K(λ)は、所定の波長の範囲で複数の波長λで求められている。
近似色データベース128には、配合された原色インキの組合せが異なる複数種類の特色インキ(参照特色インキ)について、この特色インキの測色値と、原色の配合比が予め書き込まれて記憶されている。
測定分光反射率データベース105には、原色インキ毎の複数の指令網点面積率で印刷媒体に印刷された印刷部分の測定分光反射率R(λ)が上記外部のコンピュータなどにより予め書き込まれて記憶されている。例えば、この印刷部分はm段階の指令網点面積率で印刷されたステップチャートとなっている。測定分光反射率R(λ)を求める際、原色インキを用いて、複数の指令網点面積率の網点を、実際の印刷に用いる印刷媒体に対してそれぞれ印刷する。ここで、sは指令網点面積率である。そして、印刷媒体に印刷された印刷部分の分光反射率を、指令網点面積率の網点を有する印刷部分毎に測定する。また、測定分光反射率データベース105には、実際の印刷に用いられる印刷媒体の下地分光反射率R(λ)が、上述した測定分光反射率R(λ)と同様に、上記外部のコンピュータなどにより予め書き込まれて記憶されている。
一時記憶部125は、本実施形態における各部の途中計算結果が記憶される記憶部であり、内部に散乱吸収係数テーブル、特色インキ配合比テーブル、特色インキ階調特性テーブル、ノイゲバウア原色テーブル、分光反射率テーブル、色予測テーブル、特色インキ階調分光反射率テーブルなどが書き込まれて記憶されている。
ノイゲバウア原色分光反射率算出部150は、吸収係数・散乱係数データベース106に記憶されている原色インキの散乱係数S(λ)及び吸収係数K(λ)から、特色インキの吸収・散乱特性を算出し、重ね刷り特性データベース131に記憶されている重ね刷り特性の下地インキ層混合膜厚係数XmiXl、上地インキ層混合膜厚係数XmiXu、トラッピング率tを踏まえ、重ね刷りを含むノイゲバウア原色の分光反射率を算出する。
特色インキ任意階調分光反射率算出部200は、原色インキの階調特性テーブルデータベース201から、特色インキの階調特性を算出し、これを基に特色インキの任意の階調の分光反射率を算出する。
以下、ノイゲバウア原色分光反射率算出部150及び特色インキ任意階調分光反射率算出部200における各部の動作を説明する。
ノイゲバウア原色分光反射率算出部150は、吸収係数・散乱係数算出部107、特色インキ配合決定部151、ノイゲバウア原色分光反射率予測部152を備えている。また、特色インキ任意階調分光反射率算出部200は、特色インキ階調特性パラメータ決定部202、特色インキ階調分光反射率予測部203を備えている。
特色インキ配合決定部151は、特色インキ分光反射率算出部121、特色インキ再現色算出部122、特色インキ配合比決定部123を備えている。後述する図2のフローチャートに従い、見本色の測色値が与えられた特色に対して、その特色を構成する原色の組み合わせとその配合比を決定する。
特色インキ分光反射率算出部121は、近似色データベース128における原色インキの組み合わせが異なる特色インキから、測色値が色見本の測色値と最も近い特色インキを読み出す。この近似色データベース128には特色インキの測色値と原色の配合比とが記憶されており、読み出した特色インキの原色の配合比を、色見本を再現する特色インキの原色の配合比として設定する。
また、特色インキ分光反射率算出部121は、測定分光反射率データベース105から、印刷媒体の下地分光反射率R(λ)を読み出す。
吸収係数・散乱係数算出部107は、吸収係数・散乱係数データベース106から、設定した配合比に含まれる原色インキを構成する原色インキ、例えば原色インキ#1及び原色インキ#2の各々の吸収係数K(λ)及びK(λ)と、散乱係数S(λ)及びS(λ)との各々を読み出す。
そして、吸収係数・散乱係数算出部107は、以下の(1)式により、原色インキを混色した特色インキの吸収係数K(λ)及び散乱係数S(λ)を算出する。この特色インキの場合、混ぜ合わせる原色インキの比率に応じて、以下の(1)式において、特色インキの散乱係数S(λ)及び吸収係数K(λ)を算出する。また、特色インキ分光反射率算出部121は、求めた特色インキの散乱係数S(λ)及び吸収係数K(λ)の各々を、一時記憶部125の散乱吸収係数テーブルに書き込んで記憶させる。
Figure 2016219886
上記(1)式において、係数α及び係数βの各々は、原色インキ#1及び原色インキ#2それぞれの混ぜ合わせる比率を示す係数である。原色インキ#1の吸収係数K(λ)に対して係数αを乗算し、原色インキ#2の吸収係数Kに対して係数βを乗算し、加算した数値を、特色インキの吸収係数K(λ)としている。同様に、原色インキ#1の散乱係数S(λ)に対して係数αを乗算し、原色インキ#2の散乱係数S(λ)に対して係数βを乗算し、加算した数値を、特色インキの散乱係数S(λ)としている。
これにより、特色インキ分光反射率算出部121は、以下の(2)式(クベルカ・ムンクの式)に対して、吸収係数K(λ)及び散乱係数S(λ)と、印刷媒体の下地分光反射率R(λ)と膜厚係数Xとの各々を代入し、特色インキの分光反射率RKM(λ)を求める。
特色インキ再現色算出部122は、特色インキ分光反射率算出部121が算出した特色インキの分光反射率RKM(λ)に対して観察環境の光源の分光分布と、標準観測者を設定し、測色値(例えばL*a*b*値)に変換し、特色インキ配合比決定部123に対して出力する。
以下の(2)式において、a(λ)は、散乱係数S(λ)と吸収係数K(λ)とを加算し、加算結果を散乱係数S(λ)により除算した数値である。b(λ)は、a(λ)を二乗した数値から1を減算し、減算結果の平方根を計算した数値である。
Figure 2016219886
特色インキ配合比決定部123は、特色インキ再現色算出部122が求めた測色値と、色見本の測色値との色差を確認する。そして、特色インキ配合比決定部123は、この色差が予め設定された許容範囲内である場合、特色インキ分光反射率算出部121が求めた色における原色インキ各々の配合比を、見本の特色インキを構成する原色インキの種類と、その配合比として、一時記憶部125の特色インキ配合比テーブルに対し、特色インキの識別情報である特色インキ識別情報とともに書き込んで記憶させる。
図2は、特色インキを構成する原色インキの配合比を決定し、特色インキの吸収係数K(λ)、散乱係数S(λ)を算出するフローチャートである。
ステップS101:
ユーザは再現に用いる色見本の測色値を測定し、色予測システム1に対して入力する。
ステップS102:
特色インキ分光反射率算出部121は、印刷媒体の分光反射率である下地分光反射率R(λ)を、測定分光反射率データベース105から読み出す。
ステップS103:
次に、特色インキ分光反射率算出部121は、特色インキを構成する原色インキの組み合わせを、近似色データベース128から読み出す。例えば、このとき、特色インキ分光反射率算出部121は、色見本から取得した測色値と最も近い測色値を持つ特色インキを、近似色データベース128から抽出して選択する。
ステップS104:
吸収係数・散乱係数算出部107は、ステップS103において選択された特色インキを構成する原色インキの散乱係数S(λ)及び吸収係数K(λ)を、吸収係数・散乱係数データベース106から読み出す。
ステップS105:
特色インキ配合比決定部123は、特色インキを構成する原色インキ各々の配合比に初期値を設定する。初期値には、ステップS103で近似色データベース128から抽出した特色インキにおける原色インキの配合比を設定する。
ステップS106:
次に、吸収係数・散乱係数算出部107は、(1)式に示すように、原色インキの各々の配合比を、それぞれ原色インキの散乱係数S(λ)及び吸収係数K(λ)に乗じる。
そして、吸収係数・散乱係数算出部107は、乗算結果を加算することにより、その配合比(例えば、(1)式におけるα、β)における特色インキの散乱係数St(λ)及び吸収係数K(λ)を算出する。
特色インキ分光反射率算出部121は、(2)式に対し、印刷媒体の下地分光反射率R(λ)と、散乱係数S(λ)及び吸収係数K(λ)とを代入して、特色インキの分光反射率を算出する。さらに、特色インキ再現色算出部122は、特色インキ分光反射率算出部121が算出した特色インキの分光反射率から、測色値を算出する。
特色インキ配合比決定部123は、色見本の測色値L*a*b*値と、特色インキ再現色算出部122の求めた測色値L*a*b*値との色差を求める。
ステップS107:
そして、特色インキ配合比決定部123は、上記色差が予め設定した許容範囲内であるか否かの判定を行う。
このとき、特色インキ配合比決定部123は、色差が予め設定した許容範囲内である場合、処理をステップS108へ進める。一方、特色インキ配合比決定部123は、色差が予め設定した許容範囲内にない場合、処理をステップS110へ進める。
ステップS108:
次に、特色インキ配合比決定部123は、色見本に対応する特色インキにおける原色インキの配合比を現在の配合比とする。
そして、特色インキ配合比決定部123は、特色インキにおける原色インキの種類と、原色インキ各々の配合比を、一時記憶部125の配合比テーブルに書き込んで記憶させる。
ステップS109:
次に、特色インキ配合比決定部123は、色見本に対応する特色インキの散乱係数S(λ)及び吸収係数K(λ)を、現在の散乱係数S(λ)及び吸収係数K(λ)とする。
そして、特色インキ配合比決定部123は、特色インキの散乱係数S(λ)及び吸収係数K(λ)を、一時記憶部125の散乱吸収係数テーブルに書き込んで記憶させる。
ステップS110:
特色インキ配合比決定部123は、配合比の変更回数が予め設定された規定回数以内か否かの判定を行う。
このとき、特色インキ配合比決定部123は、配合比の変更回数が予め設定された規定回数以内である場合、処理をステップS111へ進める。一方、特色インキ配合比決定部123は、配合比の変更回数が予め設定された規定回数を超えた場合、処理をステップS112へ進める。
ステップS111:
特色インキ配合比決定部123は、特色インキを構成する原色インキの各々の配合比を変更する。
そして、特色インキ配合比決定部123は、配合比の変更回数を計数するカウンタをインクリメント(1つカウント値を上げる)し、処理をステップS106へ進める。
ステップS112:
特色インキ配合比決定部123は、原色インキの組み合わせを変更するか否かの選択画面を、色予測システム1の図示しない表示部に表示する。
特色インキ配合比決定部123は、ユーザが原色インキの組み合わせの変更を選択した場合、処理をステップS113へ進める。一方、特色インキ配合比決定部123は、ユーザが原色インキの組み合わせを変更しない選択をした場合、処理をステップS108へ進める。
ステップS113:
特色インキ配合比決定部123は、配合比の変更回数を計数するカウンタをリセットし、計数値、すなわち変更回数を「0」とする。
ステップS114:
特色インキ配合比決定部123は、 特色インキ分光反射率算出部121に対し、原色インキの組み合わせを変更する制御信号を出力する。
特色インキ分光反射率算出部121は、特色インキを構成する原色インキの組み合わせを、近似色データベース128から新たに読み出す。
図3は、下地インキ層と上地インキとの重ね合わせにより起こる境界面の混合の様子を表した模式図である。
基材1000に印刷された下地インキ層1001があり、この上に上地インキ層1002を重ね合わせる時、下地インキ層1001が充分に乾燥していたとしても、インキに含まれる溶剤等の性質により、下地インキ層1001と上地インキ層1002との境界面において、インキの混合が起こる。混合したインキの層を混合インキ層とすると、下地インキ層1001は、混合していない純粋な下地インキ層1003と、下地インキ層から混合インキ層に性質が変わる下地インキ混合層1004とに別れる。同様に、上地インキ層1002は、混合していない純粋な上地インキ層1006と、上地インキ層から混合インキ層に性質が変わる上地インキ混合層1005とに別れる。そして、混合インキ層は、下地インキ混合層1004と上地インキ混合層1005とを合わせた層である。
純粋な下地インキ層1003の膜厚係数は、下地インキ層1001から、下地インキ層から混合インキ層に特性が変わる下地インキ層混合膜厚係数を減算して算出される。同様に、純粋な上地インキ層1006は、上地インキ層1002から、上地インキ層から混合インキ層に特性が変わる上地インキ層混合膜厚係数を減算して算出される。
なお、インキ層の膜厚係数は、印刷ベタ100%を「1」とするが、上地インキ層1002の膜厚係数は、重ね合わせによるトラッピングを考慮し、これにトラッピング率tを掛けて表される。
ノイゲバウア原色分光反射率予測部152は、特色インキの散乱係数S(λ)及び吸収係数K(λ)、印刷媒体の下地分光反射率R(λ)、膜厚係数Xを(2)式に代入することにより、特色ベタの分光反射率を算出する。また、ノイゲバウア原色分光反射率予測部152は、複数の使用する特色(原色を含んでも良い)の組み合わせと、その刷り順が指定された際、全ての使用する特色の組み合わせに対して、重ね刷り特性データベース131に記憶されている重ね刷り特性である下地インキ層混合膜厚係数XmiXl、上地インキ層混合膜厚係数XmiXu、トラッピング率tに基いて、その重ね合わせの分光反射率(すなわちノイゲバウア原色の分光反射率)を後述する図4のフローチャートに従って下地インキ層、混合インキ層、上地インキ層と、1層ずつ重ねていった分光反射率を算出する。
重ね合わせが複数層の分光反射率を算出する場合は、下地インキ層混合膜厚係数XmiXl、上地インキ層混合膜厚係数XmiXu及びトラッピング率tのパラメータを重ねるインキの数に合わせて増やし、同様に1層ずつ算出する。この時、上地インキ層混合膜厚係数XmiXuと下地インキ層混合膜厚係数XmiXlとは、複数の重ね合わせで、同じ値としても良い。更に、トラッピング率tも、複数の重ね合わせで同じ値としても良い。
算出したノイゲバウア原色の分光反射率は、一時記憶部125のノイゲバウア原色テーブルに書き出して記憶する。
各インキ層の分光反射率を(2)式で算出するのに必要な膜厚係数は、上記の説明と同様に、下記の(3)式で算出する。
Figure 2016219886
混合インキの分光反射率を(2)式で算出するのに必要な混合インキの吸収係数・散乱係数は、(1)式で特色インキを原色インキの比率と吸収係数及び散乱係数とで表したように、下記の(4)式で下地インキと上地インキ(すなわち、特色インキあるいは原色インキ)との混合する比率(すなわち、混合膜厚係数の比率)と吸収係数及び散乱係数とから算出する。
Figure 2016219886
図4は、特色インキの重ね刷り印刷による分光反射率を算出するフローチャートである。図4においては、簡単のため重ね合わせるインキを上地インキと下地インキとの2種類としている。しかしながら、上述した様に重ね合わせるインキが3種類以上でも、上地インキの分光反射率、膜厚係数、吸収係数及び散乱係数を、それぞれ下地インキの分光反射率、膜厚係数、吸収係数及び散乱係数として(すなわち、下地、下地インキ層、混合インキ層及び上地インキ層を、下地と下地インキ層を重ね合わせたものとして)再びステップS206から処理を繰り返すことで、複数の重ね合わせの分光反射率を算出することができる。
ステップS201:
ノイゲバウア原色分光反射率予測部152は、測定分光反射率データベース105から、重ね刷りに使用する下地の分光反射率R(λ)を読み込む。
ステップS202:
ノイゲバウア原色分光反射率予測部152は、一時記憶部125の散乱吸収係数テーブルから、特色インキ配合決定部151で決定された色見本に対する特色インキ(すなわち、重ね合わせる上地インキと下地インキ)の吸収係数及び散乱係数を読み込む。
ステップS203:
ノイゲバウア原色分光反射率予測部152は、重ね刷り特性データベース131から重ね刷り特性である下地インキ層混合膜厚係数XmiXl、上地インキ層混合膜厚係数XmiXu、及びトラッピング率tを読み込む。
ステップS204:
ノイゲバウア原色分光反射率予測部152は、下地インキ層の膜厚係数(トラッピングのない1次色インキ層であれば「1」、2次色以降は、混合層を差し引いた純粋なインキ層の膜厚係数)から下地インキ層混合膜厚係数XmiXlを減算し、純粋な下地インキ層の膜厚係数を算出する。
ステップS205:
ノイゲバウア原色分光反射率予測部152は、前記下地の分光反射率、前記下地インキ層の吸収係数・散乱係数及び前記純粋な下地インキ層の膜厚係数を(2)式に代入し、純粋な下地インキ層の分光反射率を算出する。
ステップS206:
吸収係数・散乱係数算出部107は、前記特色インキの吸収係数・散乱係数、前記下地インキ層混合膜厚係数、前記上地インキ層混合膜厚係数を(4)式に代入し、混合インキ層の吸収係数・散乱係数を算出する。
ステップS207:
ノイゲバウア原色分光反射率予測部152は、前記下地インキ層混合膜厚係数と前記上地インキ層混合膜厚係数とを加算し、混合インキ層膜厚係数を算出する。
ステップS208:
ノイゲバウア原色分光反射率予測部152は、前記純粋な下地インキ層の分光反射率を下地の分光反射率とし、前記混合インキ層の吸収係数・散乱係数と、前記混合インキ層膜厚係数を(2)式に代入し、下地インキ層と上地インキ層との混合層である混合インキ層までの分光反射率を算出する。
ステップS209:
ノイゲバウア原色分光反射率予測部152は、前記トラッピング率から上地インキ層混合膜厚係数を減算し下地インキ膜厚係数と前記上地インキ膜厚係数とを加算し、純粋な上地インキ層の膜厚係数を算出する。
ステップS210:
ノイゲバウア原色分光反射率予測部152は、前記混合インキ層までの分光反射率を下地の分光反射率とし、前記純粋な上地インキ層の吸収係数・散乱係数と、前記純粋な上地インキ層の膜厚係数を(2)式に代入することで、下地、下地インキ層、混合インキ層及び上地インキ層を重ねあわせた分光反射率を算出する。
重ね刷り分光反射率データベース133には、予測したい重ね刷りに近い任意の条件(例えば、色予測を行ないたい印刷物を刷る印刷機や印刷工程、使用インキの組み合わせ等)で、測定分光反射率データベース105に分光反射率が記録されている下地の上にベタで重ね刷りを行った印刷部分の分光反射率の測定値が予め書き込まれて記憶されている。
重ね刷り特性データベース131は、重ね刷り分光反射率データベース133に記憶されている分光反射率から、後述する重ね刷り特性予測部132によって算出される重ね刷り特性である下地インキ層混合膜厚係数XmiXl、上地インキ層混合膜厚係数XmiXu、トラッピング率tが予め書き込まれ記憶されている。
重ね刷り特性予測部132は、重ね刷り分光反射率データベース133に予め書き込まれ記憶されている重ね刷り見本の分光反射率と、吸収係数・散乱係数データベース106から読み込む重ね刷り見本に使用されているインキを構成する原色インキの吸収係数及び散乱係数と、測定分光反射率データベースから読み込む重ね刷り見本に使用されている下地の分光反射率とから、重ね刷り特性である下地インキ層混合膜厚係数XmiXl、上地インキ層混合膜厚係数XmiXu、トラッピング率tを算出し、重ね刷り特性データベース131に書き込み記憶させる。
図5は、重ね刷り特性である下地インキ層混合膜厚係数XmiXl、上地インキ層混合膜厚係数XmiXu及びトラッピング率tを決定する処理を示すフローチャートである。
ステップS301:
重ね刷り特性予測部132は、下地インキ層混合膜厚係数XmiXl、上地インキ層混合膜厚係数XmiXu、トラッピング率t、色差に任意の初期値を設定する。
ただし、色差の初期値は十分に大きな値に設定する。またこれらの初期値を一時記憶部125に書き込み記憶する。
ステップS302:
重ね刷り特性予測部132は、上述の図4のフローチャートに従い、前記で与えられた重ね刷り特性で、重ね刷りの分光反射率を算出する。
ステップS303:
重ね刷り特性予測部132は、重ね刷り分光反射率データベース133から、予測する印刷条件に近い任意の重ね刷り見本の分光反射率を読み込む。
ステップS304:
重ね刷り特性予測部132は、前記重ね刷りの分光反射率と、前記重ね刷り見本の分光反射率において、観察環境の光源の分光分布と、標準観測者とを設定し、測色値(例えばL*a*b*値)に変換し、色差を算出する。
ステップS305:
重ね刷り特性予測部132は、前記色差が一時記憶部125に記憶された色差より小さいかを判定する。小さい場合は、処理をステップS306へ進める。小さくない場合は、処理をステップS308へ進める。
ステップS306:
重ね刷り特性予測部132は、一時記憶部125に前記色差と、前記重ね刷りの測色値に対応した下地インキ層混合膜厚係数XmiXl、上地インキ層混合膜厚係数XmiXu及びトラッピング率tとを書き込んで記憶させる。
ステップS307:
重ね刷り特性予測部132は、一時記憶部125に記憶している色差が予め設定した許容する色差の範囲内か否か判定する。色差が許容する範囲内である場合は、処理をステップS310に進める。いっぽう、色差が許容する範囲を超える場合は、処理をステップ308に進める。
ステップS308:
重ね刷り特性予測部132は、変更数を計算するカウンタが予め設定した任意の変更回数より小さいか判定を行う。予め設定した任意の変更回数以内であれば、処理をステップS309へ進める。予め設定した任意の変更回数を超える場合は、処理をステップS310へ進める。
ステップS309:
重ね刷り特性予測部132は、下地インキ層混合膜厚係数XmiXl、上地インキ層混合膜厚係数XmiXu及びトラッピング率tの値を変更する。そして、変更数を計算するカウンタをインクリメント(1つカウント値を上げる)し、処理をステップS302へ進める。
ステップS310:
重ね刷り特性予測部132は、一時記憶部125に記憶させた下地インキ層混合膜厚係数XmiXl、上地インキ層混合膜厚係数XmiXu及びトラッピング率t、すなわち色差が小さかった重ね刷り特性として、重ね刷り特性データベース131に書き込んで記憶させる。
階調特性テーブルデータベース201には、原色インキの階調特性を表すパラメータ(後述する階調特性パラメータ)があらかじめ計算されて記憶されている。本実施形態では、単色の階調特性を(5)式で示すモデルで表すものとし、(5)式のa(s)、a(s)を階調特性パラメータとする。原色インキの階調特性パラメータは、測定分光反射率データベース105に記憶されている指令網点面積率毎の測定分光反射率R(λ)と、(5)式により算出される算出分光反射率の誤差が最小となるよう、事前に求めておくことができる。
Figure 2016219886
特色インキ階調特性パラメータ決定部202は、上記特色インキ配合決定部151が決定した特色における原色インキの配合比に基づいて、階調特性テーブルデータベース201から原色の階調特性を読み出し、特色の階調特性を決定する。読み出したいずれかの原色の階調特性を特色の階調特性としても良いし、配合比に基づいてそれぞれの原色の階調特性を組み合わせて用いても良い。また、特色インキ階調分光反射率予測部203は、ノイゲバウア原色分光反射率予測部152が算出した特色ベタの分光反射率を読み出し、求めた特色の階調特性とともに(5)式に代入することにより、特色インキ毎に、各指令網点面積率に対応する分光反射率R’(s,λ)を求め、一時記憶部125の特色インキ階調分光反射率テーブルに記録する。
図6は、特色インキの階調毎の分光反射率を算出する処理を示すフローチャートである。
ステップS401:
特色インキ階調分光反射率予測部203は、階調毎の分光反射率を算出する特色インキのベタの分光反射率を、一時記憶部125のノイゲバウア原色テーブルから読み込む。
ステップS402:
特色インキ階調分光反射率予測部203は、一時記憶部125の特色インキの配合比テーブルから、上記設定した特色インキにおける原色インキの配合比を読み出す。
ステップS403:
特色インキ階調特性パラメータ決定部202は、特色インキを構成する原色インキの階調特性パラメータa(s)、a(s)を階調特性テーブルデータベース201から読み出す。
ステップS404:
特色インキ階調特性パラメータ決定部202は、階調特性テーブルデータベース201から読み出した原色インキの階調特性パラメータa(s)、a(s)を基にし、すでに述べた処理によって特色インキの階調特性パラメータa(s)、a(s)を求める。
ステップS405:
特色インキ階調分光反射率予測部203は、原色インキを所定の比率で混ぜ合わせて生成した特色インキの指令網点面積率に対応する分光反射率R’(s,λ)を、特色インキ階調特性パラメータ決定部202が求めた階調特性パラメータa(s)、a(s)に基づき、上記(5)式により求める。
ステップS406:
そして、特色インキ階調分光反射率予測部203は、求めた分光反射率R’(s,λ)を一時記憶部125の特色階調分光反射率テーブルに対して書き込んで記憶させる。
網点掛け合わせ分光反射率計算部204は、特色インキの指令網点面積率に対応する分光反射率R’(s,λ)を、一時記憶部125の特色階調分光反射率テーブルから読み出す。
そして、網点掛け合わせ分光反射率計算部204は、分光反射率R’(s,λ)、特色インキベタの分光反射率RKM(λ)、印刷下地の紙の分光反射率R(λ)を、以下の(6)式に対して代入して、分光実効網点面積率aeff,i(λ)を求める。
Figure 2016219886
網点掛け合わせ分光反射率計算部204は、求めた実効網点面積率aeff,i(λ)から所定のノイゲバウア式により、ノイゲバウア原色lの分光実効網点面積率Fa,l(λ)を求める。ここで、lはノイゲバウア原色を示している。
また、網点掛け合わせ分光反射率計算部204は、ノイゲバウア原色lの分光実効網点面積率Fa,l(λ)及びノイゲバウア原色の分光反射率R(λ)を、以下の(7)式に代入して、再現色の分光反射率R(λ)を算出する。
Figure 2016219886
印刷色予測部205は、この再現色の分光反射率R(λ)に対して、観察光源の分光分布と標準観測者とを設定することにより、測色値を求める。
そして、印刷色予測部205は、ノイゲバウア原色分光反射率予測部152の算出した測色値を、一時記憶部125の色予測テーブルに対し、重ね合わせる特色インキの指令網点面積率の組み合わせに対応させて書き込み、記憶させる。
色予測テーブル作成部109は、一時記憶部125の予測テーブルにおける指令網点面積率の未計算の組み合わせの測色値を網点掛け合わせ分光反射率計算部204および印刷色予測部205に対して算出させる。そして、色予測テーブル作成部109は、所定の特色インキの組み合わせに対応した色予測テーブルにおける指令網点面積率の掛け合わせの全てに対して、三刺激値XYZやCIELAB値等を算出し、再現色の予測を行う色予測テーブルを作成する。
つまり、この色予測テーブル作成部109は、色予測処理の対象である入力データ(本実施例では使用インキと指令網点面積率)の情報と、予測される再現色を表現する上記測色値とを対応付ける色予測テーブルを作成する。なお、本実施形態においては、色予測テーブル作成部109がこの色予測テーブルを公知のICC(International Color Consortium)プロファイルフォーマットで作成し、出力部110を介して出力する。
<色予測テーブルの生成>
図7は、色予測システム1における色予測テーブル作成部109の色予測テーブルの生成処理の動作例を説明するフローチャートである。
ステップS501:
色予測テーブル作成部109は、一時記憶部125のノイゲバウア原色テーブルから、重なり合う領域の特色インキのノイゲバウア原色の分光反射率RKM(λ)を読み込む。
ステップS502:
次に、色予測テーブル作成部109は、一時記憶部125における色予測テーブルにおける重ね合わせるインキの指令網点面積率のマトリクスにおいて、未計算の指令網点面積率を抽出する。
そして、ノイゲバウア原色分光反射率予測部152は、抽出した指令網点面積率の組み合わせを、計算対象として設定する。
ステップS503:
また、色予測テーブル作成部109は、ノイゲバウア原色分光反射率予測部152が算出した分光反射率R(λ)に対して、観察光源の分光分布と標準観測者とを設定することにより、測色値を算出する。
ステップS504:
そして、色予測テーブル作成部109は、算出した測色値を、重ね合わせるインキ(特色インキあるいは原色インキ)の指令網点面積率の組み合わせに対応させ、一時記憶部125の色予測テーブルに書き込んで記憶させる。
ステップS505:
色予測テーブル作成部109は、一時記憶部125の色予測テーブルにおける全ての指令網点面積率の組み合わせの分光反射率R(λ)の算出が終了したか否かの判定を行う。
そして、色予測テーブル作成部109は、ノイゲバウア原色分光反射率予測部152において全ての指令網点面積率の組み合わせの分光反射率R(λ)の算出が終了した場合、処理をステップS506へ進める。一方、色予測テーブル作成部109は、全ての指令網点面積率の組み合わせの分光反射率R(λ)の算出が終了していない場合、処理をステップS502へ進める。
ステップS506:
色予測テーブル作成部109は、一時記憶部125の色予測テーブルのデータを読み出し、公知のICCプロファイルフォーマットに変換し、変換後の色予測プロファイルのデータを出力部110を介して出力する。
色予測システム1は、ノイゲバウア原色分光反射率予測部152に対し、重ね合わせて印刷する特色インキ毎の指令網点面積率の組合せ毎に分光反射率を算出させ、色空間における再現色のプロファイルを作成する色予測テーブル作成部をさらに有してもよい。
また、色予測システム1は、色空間における連続的な座標値毎に、当該座標値の再現色を再現する特色インキ各々の指令網点面積率を求める特色分解テーブル作成部をさらに有してもよい。
また、色予測システム1は、特色インキを印刷する印刷媒体、重ね刷りにおける特色インキの印刷順、及び特色インキのインキ膜厚を任意に設定してもよい。
上述したように、本実施形態によれば、オフセット印刷等のような面積変調階調表現の印刷において、原色インキから特色インキの吸収特性及び散乱特性を推定し、特色インキの分光反射率を算出し、更に重ね刷り見本から重ね刷り特性を算出し、特色インキの重ね刷りされた際の重なり領域の分光反射率を求めることができる。
また、本実施形態によれば、重ね刷り特性を利用して算出したノイゲバウア原色の分光反射率と特色インキの任意階調の分光反射率とから、網点の掛け合せによる重ね刷りで再現されるあらゆる色の測色値や分光反射率を算出可能である。
すなわち、本実施形態によれば、原色インキの特性から特色インキの特性を求め、予め重ね刷り見本から算出した重ね刷り特性に基づき、特色インキで再現されるあらゆる重ね刷り再現色の測色値や分光反射率を高精度に求めるという本発明に関わる基本的な機能はいずれの実施形態においても同様である。また、本実施形態は、上述したように、主にオフセット印刷など、網点の面積により階調を表現する面積変調階調表現の印刷方式に適用されると高い予測精度を得ることが可能である。
また、本実施形態に基づけば、伝統的なノイゲバウア方程式の発展により展開されるいずれの色予測方法においても容易に適用可能な特色インキによる重ね刷り色予測方法を提供することが可能となる。
なお、色予測システム1の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより色予測の制御を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータシステム」は、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)を備えたWWWシステムも含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
本発明は、オフセット印刷等の網点の面積により階調を表現する面積変調階調表現の印刷方式に有用である。
1 色予測システム
101 入力部
105 測定分光反射率データベース
106 吸収係数・散乱係数データベース
107 吸収係数・散乱係数算出部
109 色予測テーブル作成部
110 出力部
121 特色インキ分光反射率算出部
122 特色インキ再現色算出部
123 特色インキ配合比決定部
125 一時記憶部
128 近似色データベース
131 重ね刷り特性データベース
132 重ね刷り特性予測部
133 重ね刷り分光反射率データベース
150 ノイゲバウア原色分光反射率算出部
151 特色インキ配合決定部
152 ノイゲバウア原色分光反射率予測部
200 特色インキ任意階調分光反射率算出部
201 階調特性テーブルデータベース
202 特色インキ階調特性パラメータ決定部
203 特色インキ階調分光反射率予測部
204 網点掛け合わせ分光反射率計算部
205 印刷色予測部

Claims (6)

  1. 原色インキ毎の吸収係数及び散乱係数が予め書き込まれて記憶されている吸収係数・散乱係数データベースと、
    色を再現したい色見本から測定した測色値を再現するのに好適な原色インキの組合せで構成される特色インキを選択し、選択された特色インキに含まれる前記原色インキの吸収係数及び散乱係数を前記吸収係数・散乱係数データベースから読み出し、指定の原色インキの配合比に応じて前記特色インキの吸収係数及び散乱係数を求め、求めた前記特色インキの吸収係数及び散乱係数から再現したい特色インキの分光反射率を算出する特色インキ分光反射率算出部と、
    前記特色インキ分光反射率算出部が算出した前記再現したい特色インキの分光反射率から測色値を算出する特色インキ再現色算出部と、
    下地インキ層と上地インキ層との重ね刷りによりインキが混合する境界面を混合インキ層とし、下地インキ層と上地インキ層とのそれぞれから混合インキ層になる膜厚を表す膜厚係数及び、上地インキ層のトラッピング率からなる重ね刷り特性を算出する重ね刷り特性決定部と、
    前記重ね刷り特性決定部において算出された前記重ね刷り特性を記録する重ね刷り特性データベースと、
    前記特色インキ再現色算出部において算出された測色値と前記色見本から測定した測色値との差分を求め、前記指定の前記原色インキの配合比を修正して前記差分が所定の許容範囲以内となる前記原色インキの配合比を算出する特色インキ配合比決定部と、
    前記特色インキ配合比決定部が決定した前記原色インキの配合比と、前記重ね刷り特性データベースに記憶されている重ね刷り特性に基づいて算出した下地インキ、混合インキ及び上地インキ各々の吸収係数、散乱係数及び膜厚係数と、上地インキのトラッピング率とから前記特色インキを重ね刷りした際のノイゲバウア原色の分光反射率を算出する分光データ算出部と
    を備える、色予測システム。
  2. 前記原色インキ毎に指令網点面積率に応じた階調特性パラメータが記憶された階調特性テーブルデータベースと、
    前記原色インキの配合情報に基づいて、前記特色インキの階調特性パラメータと、特色インキの階調領域の分光反射率とを求める特色インキ階調分光反射率算出部と
    を備え、
    前記分光データ算出部が、前記特色インキの階調領域及び当該階調領域の各々の階調特性パラメータと、分光反射率との対応関係を示す計算モデルにより、前記指令網点面積率により形成された網点による前記特色インキの再現色を示す分光反射率を算出する
    、請求項1に記載の色予測システム。
  3. 複数の特色インキの網点から形成される再現色を推定する場合、前記分光データ算出部により求めた前記分光反射率および前記階調特性パラメータに基づいて、網点が他の網点の上部に印刷された分光反射率を、推定する、
    請求項1または請求項2に記載の色予測システム。
  4. 前記分光データ算出部に対し、重ね合わせて印刷する前記特色インキ毎の指令網点面積率の組合せ毎に分光反射率を算出させ、色空間における再現色のプロファイルを作成する色予測テーブル作成部をさらに有する、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の色予測システム。
  5. 前記特色インキを印刷する印刷媒体、重ね刷りにおける前記特色インキの印刷順、及び前記特色インキのインキ膜厚を任意に設定する、
    請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の色予測システム。
  6. 色予測システムのコンピュータに実行させる色予測方法であって、
    前記コンピュータが、色を再現したい色見本から測定した測色値を再現するのに好適な原色インキの組合せで構成される特色インキを選択し、選択された特色インキに含まれる前記原色インキの吸収係数及び散乱係数を、前記原色インキ毎の吸収係数及び散乱係数が予め書き込まれて記憶されている吸収係数・散乱係数データベースから読み出し、指定の原色インキの配合比に応じて前記特色インキの吸収係数及び散乱係数を求め、求めた前記特色インキの吸収係数及び散乱係数から再現したい特色インキの分光反射率を算出する特色インキ分光反射率算出ステップと、
    前記コンピュータが、前記特色インキ分光反射率算出ステップにおいて算出した前記再現したい特色インキの分光反射率から測色値を算出する特色インキ再現色算出ステップと、
    前記コンピュータが、前記特色インキ再現色算出ステップにおいて算出した測色値と前記色見本から測定した測色値との差分を求め、前記指定の前記原色インキの配合比を修正して前記差分が所定の許容範囲以内となる前記原色インキの配合比を算出する特色インキ配合比決定ステップと、
    前記コンピュータが、前記特色インキ配合比決定ステップにおいて決定した前記原色インキの配合比と、重ね刷り特性データベースに予め書き込まれて記憶されている重ね刷り特性に基づいて算出した下地インキ、混合インキ及び上地インキ各々の吸収係数、散乱係数及び膜厚係数と、上地インキのトラッピング率とから前記特色インキを重ね刷りした際のノイゲバウア原色の分光反射率を算出する分光データ算出ステップと
    を含む、色予測方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP7368644B2 (ja) 2022-01-25 2023-10-24 ハイデルベルガー ドルツクマシーネン アクチエンゲゼルシヤフト 多色の印刷製品のLab目標色値を適合させるための方法

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