JP7238559B2 - 印刷再現色シミュレーションシステム、印刷再現色シミュレーション方法及びプログラム - Google Patents
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Description
そして、印刷会社などの印刷を行なう施設に対し、デザイン画の印刷を依頼する際、デザイン画像のデジタルデータとともに、上記色見本を提供している。印刷会社では、このカラーカンプを目標色として、印刷する基材(用紙など)の色に合わせてインキを配合するなどして色を合わせ、その色を再現させた印刷を行う。
その結果、デザイナーに提供される印刷物における色が、デザイナーが想定している色(カラーカンプの色)と大きく異なったものとなる。
このため、デザイナーが納得するまで、印刷物の色の調整のための、デザイナーと印刷会社との間のやり取りが何度も必要となる。
この印刷色確認システムを用いることにより、印刷の版を作成した上で、印刷機で実際に印刷を行なわずとも、印刷された結果の色を確認することができる。
しかしながら、印刷で用いられるインキ色は、いわゆるプロセスカラー(CMYK)に限定されるものではなく、複数の色のインキを混色した特色インキを用いることも想定すれば、その数は無数に存在する。
しかし、特色印刷のように、印刷する毎に使用するインキの色が異なる場合には、インクジェットプリンタで対応する全ての色を用意することが現実的に困難であるために利用することができない。
図1は、本実施形態による印刷再現色シミュレーションシステムを用いた印刷再現画像の提供の概念を示す概念図である。図1において、印刷再現色シミュレーションシステム1は、印刷再現色シミュレーションサーバ10、画像記憶部11、印刷特性情報データベース12、印刷再現色予測プロファイル記憶部13、分解テーブル記憶部14及び分版画像記憶部15の各々を備えている。また、印刷再現色シミュレーションシステム1は、ネットワーク2を介して、デザイナーなどのユーザが使用するユーザ端末3に接続されている。ここで、ネットワーク2は、インターネットを含む情報通信網である。
図2は、画像記憶部11に書き込まれて記憶されている画像テーブルの構成例を示す図である。
画像テーブルは、レコード毎に、印刷対象画像識別情報、印刷対象画像インデックス及び印刷再現画像インデックスの各々の欄が設けられている。ここで、印刷対象画像識別情報は、印刷対象画像の各々を識別する情報である。印刷対象画像インデックスは、印刷対象画像のデータが書き込まれて記憶されているアドレスなどを示している。印刷再現画像インデックスは、印刷再現画像のデータが書き込まれて記憶されているアドレスなどを示している。
基材情報は印刷する下地(基材)の素材や分光反射率を示す情報である。階調情報は、印刷の網点による階調表現を、一つの網点が複数の濃度階調領域からなるものとしたモデルで表した際の、指令網点面積率と、濃度階調領域の出現率の関係を記述した情報である。印刷色実測情報は、インキを印刷した印刷媒体(基材)から実測した分光反射率などの測定値を示す情報である。
また、印刷再現色シミュレーションサーバ10は、印刷特性情報及び指定色情報を用いて、印刷可能色を推定し、印刷使用色候補としてユーザ端末3に出力する。印刷再現色シミュレーションサーバー10は、ユーザの選択により印刷使用色候補から印刷使用色を決定する。
印刷再現色シミュレーションサーバー10は、上記印刷使用色と上記印刷特性情報から、上記印刷再現色予測プロファイル及び分解テーブルの各々を生成する。印刷再現色シミュレーションサーバ10は、分解テーブルを用いて、印刷対象画像から分版画像を生成する。そして、印刷再現色シミュレーションサーバ10は、印刷再現色予測プロファイルを用いて、分版画像から印刷再現画像を生成して、ユーザ端末3に対して供給する。
ユーザ端末3は、例えば、カラーピッカーなどの機能を用いて指定色の色情報(指定色情報)を取得する。ユーザ端末3は、取得した指定色情報を印刷再現色シミュレーショシステム1に出力する。
印刷再現色シミュレーションサーバ10は、印刷特性情報取得部101、指定色情報取得部102、画像情報取得部103、印刷可能色推定部104、印刷使用色決定部105、印刷再現色予測プロファイル生成部106、分解テーブル生成部107、分版画像生成部108、印刷再現画像推定部109及び印刷再現画像出力部110の各々を備えている。また、本実施形態における印刷可能色推定部104が行なう印刷可能色推定の処理、印刷再現色予測プロファイル生成部106が行なう印刷再現色予測プロファイル作成の処理、分解テーブル生成部107が行なう分解テーブル生成の処理などは、特許第6209947号(色予測装置、色予測方法およびプログラム)、ならびに特許第6326955号(色予測システム及び色予測方法)に記載されたアルゴリズムを用いている。
本実施形態では、印刷特性情報取得部101は、印刷特性情報として、少なくともインキ情報、及び基材情報を取得する。インキ情報には、印刷に用いる原色インキの吸収係数K(λ)及び散乱係数S(λ)が含まれる。基材情報には、基材の分光反射率(下地分光反射率)が含まれる。
また、上述したように、指定色情報を印刷対象画像において指定するのではなく、カラーチップなどの色票を測色して指定しても良く、また、色の情報として測色値L*a*b*、XYZ値などの数値を所定の入力手段から入力して指定色として指定しても良い。
ユーザ端末3には、例えば、事前において、印刷再現画像を提供する印刷再現色シミュレーションシステム1との間で、色のデータや画像データなどのやり取りを行なうためのアプリケーションプログラムがインストールされている。このアプリケーションプログラムが提供するカラーピッカーの機能によって、ユーザ端末3の表示画面における所定の箇所の指定色情報を取得して、取得した指定色情報を印刷再現色シミュレーションシステム1に送信する機能も有している。
例えば、ユーザは、すでに説明したように、印刷対象画像において、印刷した場合にどうしても忠実に再現したい色を選択して、その色の領域をマウスによりクリックする。
ここで、印刷可能色推定部104が印刷可能色を推定する方法について説明する。
本実施形態では、インキがベタで印刷されることを前提とする。つまり、印刷可能色推定部104は、ベタで印刷されたインキの色を基に印刷可能色を推定する。
印刷可能色推定部104は、指定色情報からの指定色の測色値L*a*b*(以下、指定色L*a*b*値という)を取得する。印刷可能色推定部104は、印刷特性情報取得部101から取得した印刷特性情報を基に、配合インキとして配合する原色インキを選択する。
印刷可能色推定部104は、以下の(1)式により、複数の原色インキを所定の配合比で配合した配合インキの吸収係数Kt(λ)及び散乱係数St(λ)を算出する。
また、(2)式において、Xmはインキの膜厚を示す係数である。本実施例ではこの係数を1とする。
そして、印刷可能色推定部104は、算出した分光反射率RKM(λ)に基づき、観測光源と標準観測者を定めて、配合インキがベタで印刷された場合における測色値L*a*b*(以下、算出色L*a*b*値という)を算出する。
印刷可能色推定部104は、算出色L*a*b*値と、指定色L*a*b*値との色差に基づいて配合比を変更しながら、当該色差が最小となる配合比を最適化により探索する。印刷可能色推定部104は、最適化により得られた算出色L*a*b*値と、指定色L*a*b*値との色差が所定の範囲内となった配合インキの色を、指定色情報に応じた印刷可能色であると推定する。あるいは、印刷使用色候補として用いる印刷可能色の数が設定されている場合、算出色L*a*b*値と指定色L*a*b*値との色差の小さい順に、この設定された数の印刷可能色を印刷使用色候補として用いる。
また、印刷可能色推定部104は、上記最適化により得られた算出色L*a*b*値と、指定色L*a*b*値との色差が所定の範囲内とならなかった場合には、色差が最小となった配合インキの色を印刷可能色として推定する。また、印刷可能色候補として複数の印刷可能色を推定する場合には、最適化の条件を変更し、算出色L*a*b*値と、指定色L*a*b*値との明度差が最小、彩度差が最小などの条件で得られた配合インキの色を印刷可能色として推定する。すなわち、印刷可能色推定部により、指定色L*a*b*値が、印刷では再現できない色であった場合にも、印刷で再現可能な色が、印刷可能色として求められる。なお、求めた印刷可能色の配合インキの情報(吸収係数、散乱係数)は、後述する印刷再現色予測プロファイル作成部で使用するため、印刷可能色推定部104が出力する印刷可能色には、測色値のみではなく、配合インキの情報も含まれるものとする。
そして、ユーザは、ユーザ端末3の表示画面に表示されている印刷使用色候補の印刷可能色のなかから、印刷使用色として使用する印刷可能色を選択する。
ユーザ端末3は、印刷再現色シミュレーションシステム1から供給される印刷使用色候補の印刷可能色を、表示画面3Aにおける表示領域312に対して表示する。また、このとき、ユーザ端末3は、印刷再現色シミュレーションシステム1から供給されるユーザが指定した指定色を、表示画面3Aにおける表示領域312近傍の表示領域311に対して表示する。
これにより、ユーザ端末3は、ユーザが選択した印刷可能色を、指定色に対する印刷使用色として印刷再現色シミュレーションシステム1に対して送信する。
ここで、図5において、指定色#1から指定色#5までの5色を指定色として選択したので、上述した図6における処理を指定色#1から指定色#5の各々に対して行う。この結果、指定色#1から指定色#5の各々に対応する印刷使用色が決定される。
このとき、上記(2)式における膜厚係数Xmは、網点を構成する各濃度階調領域のそれぞれの膜厚を示す値である。膜厚係数Xmは、例えば、網点面積率に対応する濃度階調領域の膜厚の段階が5段階であれば、m=1、2、3、4、5であり、膜厚係数Xmは、それぞれの濃度階調領域の膜厚の段階に対応して、X1=1.0、X2=0.8、X3=0.6、X4=0.4、X5=0.2とする。
さらに、印刷再現色予測プロファイル作成部は、これら濃度階調領域のすべての組み合わせの重ね色、すなわち拡張ノイゲバウア原色の分光反射率R’KM(λ)を求める。
そして、印刷再現色予測プロファイル生成部106は、印刷使用色の各々の指令網点面積率の網点面積率組合せと、この網点面積率組合せにより再現されると推定される再現色L*a*b*値との対応関係を、例えば、公知のICC(International Color Consortium)プロファイルフォーマットに対応させ、印刷再現色予測プロファイルを生成する。印刷再現色予測プロファイル生成部106は、印刷使用色の各々の網点面積率組合せと再現色L*a*b*値との対応関係を示す色再現色予測プロファイルを、印刷再現色予測プロファイル記憶部13に対し、印刷対象画像識別情報とともに書き込んで記憶させる。
ここで、分解テーブル生成部107は、離散的な上記周期の格子点における測色値L*a*b*を目標L*a*b*値とし、この目標L*a*b*値との差分が所定の範囲内(あるいは最小)の再現色L*a*b*値を再現するために必要な印刷使用色のインキ毎の網点面積率組み合わせを、上記印刷再現色予測プロファイルを用いて求める。
このとき、分版画像生成部108は、印刷対象画像の各画素の画素値(色成分RGB値)に対して、所定の色(sRGBやAdobeRGB、あるいはカラーカンプの出力に使用するプリンタのプロファイル)を割り当て、印刷対象画像の画素の色の測色値L*a*b*(以下、画素L*a*b*値)を求める。
これにより、分版画像生成部108は、各画素が印刷使用色の各々の指令網点面積率からなる分版画像#1から分版画像#nそれぞれを生成する。ここで、例えば印刷使用色が5色である場合、分版画像#1から分版画像#5までの5枚が生成される。
分版画像生成部108は、生成した分版画像の各々を、分版画像記憶部15に対して印刷対象画像識別情報とともに書き込んで記憶させる。
分版画像#1から分版画像#5の各々は、それぞれ印刷使用色の印刷に用いる際の版に対応している。印刷対象画像における各画素の色は、色分解によりそれぞれ印刷使用色の指令網点面積率に分解される。
したがって、分版画像#1から分版画像#5の各々の対応する画素における指令網点面積率の組合せが、すでに説明した網点面積率組合せである。
印刷再現画像推定部109は、印刷再現画像の各画素の色成分RGBを、上述の処理で求めたsRGB値として、印刷再現画像を生成する。
印刷再現画像推定部109は、生成した印刷再現画像を、画像記憶部11に対して、元の印刷対象画像に対応させて書き込んで記憶させる。
そして、印刷再現画像出力部110は、ユーザ端末3に対して、ユーザ端末3の表示画面に表示させる。
このとき、印刷再現画像出力部110は、ユーザ端末3の表示装置がsRGBがそのまま表示されるのであれば、読み出した印刷再現画像をそのままユーザ端末3に対して出力する。また、印刷再現画像出力部110は、ユーザ端末3の表示装置がsRGBがそのまま表示されないのであれば、その表示装置のカラープロファイルを用いて読み出した印刷再現画像の各画素の画素値を変換してユーザ端末3に対して出力する。ユーザがユーザ端末3を介して印刷するプリンタの場合も上述した表示装置と同様に、印刷再現画像を変換して出力する。
そして、印刷再現画像推定部109が再現色L*a*b*値の各々を、本実施例ではsRGBに変換し、その色成分RGB値をそれぞれの画素の画素値とする印刷再現画像400を生成する。
また、ユーザがユーザ端末3を介してプリンタ3_1から、印刷再現画像400を印刷物400Aとして出力し、印刷物430の画像として観察することもできる。
一方、図8(b)においては、ユーザ端末3の表示画面3Aに対して、印刷対象画像300と印刷再現画像400とを並列に配置して表示している。これにより、ユーザは、印刷対象の印刷対象画像300と、印刷された際の色合いを推定した印刷再現画像400とを見比べることができ、表現したい色合いが実現可能か否かの予測を行なうことができる。
この場合には、印刷対象画像300と印刷再現画像400との各々の画像の対応する画素が、ユーザ端末3の表示画面3A上の同一の位置に表示されるようにする。
これにより、各画素を重ならせて視認して比較することになり、印刷対象画像300と印刷再現画像400との色合いの画素の位置毎の違いが、図8(a)のように並列に配置した場合に比較してより明確に視認できる。
一方、図8(c)においては、印刷物440において、印刷対象画像300と印刷再現画像400とを並列に配置して印刷している。これにより、ユーザは、印刷対象の印刷対象画像300と、印刷された際の色合いを推定した印刷再現画像400とを、一枚の印刷物440で見比べて視認することができ、表現したい色合いが実現可能か否かの予測を行なうことができる。
ステップS101:
印刷特性情報取得部101は、ユーザがユーザ端末3を介して入力したインキ情報や印刷する基材に対応して、所定の印刷特性情報を、印刷特性情報データベース12から読み出して取得する。
そして、印刷特性情報取得部101は、読み出した印刷特性情報を、印刷可能色推定部104に対して出力する。
指定色情報取得部102は、ユーザ端末3から、ユーザが指定する指定色の情報を取得する。
本実施形態においては、図5に示すように、ユーザが、ユーザ端末3の表示画面3Aにおける、特徴として必ず再現したい色の表示箇所を、例えばマウスによりクリックして選択する。
これにより、ユーザ端末3のアプリケーションが、クリックした位置を中心とする所定の領域の色を、指定色情報として印刷再現色シミュレーションシステム1へ送信する。
そして、指定色情報取得部102は、ユーザ端末3から、ユーザがユーザ端末3の表示画面3Aをクリックして選択した色を、指定色の指定色情報として取得する。
指定色情報取得部102は、ユーザ端末3から、ユーザが指定色の選択を終了したことを示す終了情報が供給されたか否か、すなわち指定色の入力を終了するか否かの検出を行なう。ここで、例えば、ユーザがユーザ端末3の表示画面3Aにおいて、アプリケーションの制御による指定色の終了を示すボタンをマウスでクリックした場合、ユーザ端末3が上記終了情報を印刷再現色シミュレーションシステム1へ送信する。
このとき、指定色情報取得部102は、ユーザによる指定色の入力が終了した場合、処理をステップS104へ進め、一方、ユーザによる指定色の入力が終了していない場合、処理をステップS102へ進める。
印刷可能色推定部104は、指定色情報取得部102が取得した指定色情報と、印刷特性情報取得部101が取得した印刷特性情報とから、印刷可能となる印刷可能色を指定色毎に推定する。印刷可能色推定部104は、指定色情報に対応して推定した印刷可能色各々の色情報(算出色L*a*b*値)を例えばsRGB値に変換する。
そして、印刷使用色決定部105は、印刷可能色各々のsRGBを色情報としてユーザ端末3に対して出力する。
ユーザ端末3は、アプリケーションによって、表示画面3Aに対して図6に示したように、ユーザが指定した指定色とともに、この指定色に対応して求められた印刷可能色を印刷使用色候補として表示する。
そして、ユーザは、例えば、自身の指定した指定色と見比べながら、ユーザ端末3の表示画面3Aに表示されている印刷使用色候補のなかから、いずれかの印刷可能色を印刷使用色として、マウスでクリックするなどして選択する。
これにより、ユーザ端末3は、アプリケーションの制御により、ユーザが印刷使用色として選択した印刷可能色の情報を、印刷再現色シミュレーションシステムシステム1へ送信する。
印刷使用色決定部105は、ユーザに選択された印刷可能色を取得し、印刷指定色として決定する。
そして、印刷使用色決定部105は、ユーザが指定した指定色全てに対して、印刷使用色の選択が終了したか否かの判定を行なう。
このとき、印刷使用色決定部105は、ユーザが指定した指定色の全てに対して印刷使用色が選択された場合、処理をステップS107へ進める。一方、印刷使用色決定部105は、ユーザが指定した指定色の全てに対して印刷使用色が選択されていない場合、処理をステップS104へ進める。例えば、図5に示すように指定色#1から指定色#5がユーザにより指定されている場合、ユーザの指定した順番に指定色に対応する印刷使用色の決定処理が行なわれる。
印刷再現色予測プロファイル生成部106は、印刷特性情報取得部101が取得した印刷特性情報を用いて、印刷使用色の各々の指令網点面積率組合せと、当該指令網点組合せにより再現される再現色L*a*b*値との対応関係を示す印刷再現色予測プロファイルの生成を行なう。
そして、印刷再現色予測プロファイル生成部106は、生成した印刷再現色予測プロファイルを、印刷再現色予測プロファイル記憶部13に対して書き込んで記憶させる。
分解テーブル生成部107は、印刷再現色予測プロファイル記憶部13から、印刷再現色予測プロファイルを読み出す。
そして、分解テーブル生成部107は、印刷再現色予測プロファイルを用いて、色空間における所定の周期の離散的な測色値L*a*b*を目標L*a*b*値として、印刷使用色の色毎の司令網点面積率の組み合わせを変化させ、司令網点面積率組み合わせで再現される印刷再現色L*a*b*と目標L*a*b*との色差が最小となるように、最適化を用いて司令網点面積率組み合わせを決定する。
分解テーブル生成部107は、生成した分解テーブルを分解テーブル記憶部14に対して書き込んで記憶させる。
分版画像生成部108は、印刷対象画像の各画素の色成分RGB値を所定の色(例えば、sRGBの値)を割り当てた後に、測色値L*a*b*に変換して画素L*a*b*値とする。
そして、分版画像生成部108は、分解テーブル記憶部14に記憶されている分解テーブルを参照し、画素L*a*b*値で分解テーブルを参照し、網点面積率組合せを求めることにより、印刷対象画像の各々の画素の色の色分解を行なう。
これにより、分版画像生成部108は、印刷対象画像から印刷使用色毎の分版画像を生成し、生成した分版画像の各々を分版画像記憶部15に対して書き込んで記憶させる。
印刷再現画像推定部109は、分版画像記憶部15から印刷対象画像に対応する分版画像の各々を読み出し、分版画像の各々の画素の指令網点面積率を組み合わせた網点面積率組合せを生成する。
また、印刷再現画像推定部109は、印刷再現色予測プロファイル記憶部13から印刷再現色予測プロファイルを読み出す。
そして、印刷再現画像推定部109は、読み出した印刷再現色予測プロファイルを参照し、生成した網点面積率組合せに基づき、分版画像から印刷対象画像に対応する印刷再現画像を生成する。すなわち、印刷再現画像の各画素は、印刷対象画像を印刷使用色を用いて色分解し、印刷した結果再現される色の測色値を示すこととなる。本実施例では、さらにこの測色値をsRGBに変換したRGB画像を印刷再現画像とする。
印刷再現画像推定部109は、生成した印刷再現画像を画像記憶部11に対して、印刷対象画像に対応させて書き込んで記憶させる。
印刷再現画像出力部110は、画像記憶部11から印刷対象画像及び印刷再現画像の各々を読み出し、ユーザ端末3に対して出力する。
これにより、ユーザ端末3は、印刷再現色シミュレーションシステム1から供給される印刷対象画像及び印刷再現画像の各々を、図8(b)に示すように表示画面に対して表示する。
そして、ユーザは、ユーザ端末3の表示画面の印刷対象画像及び印刷再現画像の各々を観察し、印刷再現画像のデザインにおける色合いが印刷対象画像と比較して許容される状態か否かの判定を行なう。
このとき、ユーザは、ユーザ端末3の表示画面における印刷再現画像が許容できる場合に終了と判定し、一方、許容できない場合に印刷再現画像の再シミュレーションを行なうため、終了とは判定しない。
一方、ユーザが印刷再現画像がデザイン的に許容できない場合、ユーザは、ユーザ端末3の所定の再処理ボタンをクリックする。これにより、印刷再現色シミュレーションシステム1は、処理をステップS102に進めて、印刷対象画像のシミュレーションを継続する。
しかしながら、印刷可能色推定部104が求めた印刷可能色の色味を、指定色に対応させユーザ自身が調整する構成としても良い。
図10は、ユーザ自身が印刷可能色の色味を調整する処理を説明する概念図である。
例えば、印刷使用色決定部105は、ユーザ端末3の表示画面3Aに対して、印刷可能色調整画像450を表示する。この印刷可能色の調整は、印刷使用色候補の印刷可能色各々に対して行なう。
例えば、上記色調整画像450には、xy色度座標において、印刷可能色の調整可能な色域472が示される。
ユーザは、印刷可能色の明度を調整する調整バー461及び彩度を調整する調整バー462の各々を用いて、色域472の範囲で印刷可能色の色味を調整する。
また、印刷可能色の色味の位置を示す点画像473をマウスでドラッグして、色域472内で点画像473の位置を調整することにより、印刷可能色の色味を調整しても良い。
このとき、印刷可能色推定部104は、印刷使用色決定部105から供給される、上述した調整バー461及び調整バー462などで取得した指定調整情報を用いて、調整対象色としての印刷可能色を調整する。印刷可能色推定部104は、例えば、調整対象色のL*a*b*値を調整値に応じて変化させる。この調整値は、調整後の調整対象色(以下、調整色という)のL*a*b*値であってもよいし、調整対象色と調整前の印刷可能色との各々のL*a*b*値の差分であってもよい。
また、ユーザは、表示領域451の調整前の色が、調整した表示領域453の調整後の色より、表示領域452の指定色と近い色であると視認した場合、表示領域453の印刷可能色の調整を継続するか、あるいは調整前の印刷可能色をそのまま、指定色として用いる。
これにより、本実施形態の印刷再現色シミュレーションシステム1は、上述した印刷使用色決定部105を用いることにより、印刷可能色から選択した調整対象色を、使用できるインキの配合色域の範囲で調整することが可能となり、例えば、提示された印刷可能色をユーザ自身が所望する色に調整することができる。また、調整後の色も、配合色域内にあるため印刷可能であり、ユーザが印刷可能な色の範囲で色を調整しながら、カンプと校正刷の間で色のギャップを生じさせることなく、印刷対象画像をユーザの許容範囲内の色で印刷物とすることができる。
ステップS111において行う場合、ユーザが選択した印刷使用色に対して、印刷可能色推定部104が色調整を行ない、色調整後の印刷使用色と、その他の印刷使用色とにおいて、印刷再現色予測プロファイル、色分解テーブル及び分版画像の各々を、それぞれ印刷再現色予測プロファイル生成部106、分解テーブル生成部107、分版画像生成部108の各々が再生成し、印刷再現画像推定部109が再度、印刷再現画像の生成を行なう。
しかしながら、上記印刷可能色推定部104が、ユーザ端末3の表示画面に表示する印刷使用色候補の各々の印刷可能色を、ユーザが指定する指令網点面積率(網%などともいう)に応じて算出する機能を備えても良い。
ここで、印刷可能色のインキをある面積率で印刷した際の色を予測するモデルとして、すでに説明した印刷再現色予測プロファイル生成部106の行なう印刷使用色のインキの指令網点面積率における再現色L*a*b*値の算出と同様に、印刷可能色の指定された指令網点面積率に対応する印刷可能色の算出色L*a*b*値を求める。そして、印刷可能色推定部104は、すでに説明したように、指定色L*a*b*値とこの算出色L*a*b*値との色差を求めて、測色値L*a*b*が指定色と所定の色差範囲にある色を印刷可能色として選択して出力する。
この制御画面490において、ユーザが印刷対象画像において指定した指定色が表示領域491に表示される。
表示領域493には、印刷使用色候補の印刷可能色として、上記指令網点面積率による印刷可能色が表示される。
これにより、指定色と印刷使用色候補の印刷可能色と指令網点面積率の入力欄とを同一の画面に表示させることで、ユーザが指定した指定色と、任意に変更される指令網点面積率で求められた印刷可能色とを並べて観察することができ、ユーザ自身で、より詳細な指定色の調整と選択を容易に行なうことができる。
図12においては、印刷使用色決定部105は、ユーザ端末3の表示画面において、印刷可能色推定部104が推定した、指令網点面積率に対応した印刷可能色の推定結果として、例えば、並列に、表示領域475に指定色を表示し、指令網点面積率に対応した各段階の指令網点面積率で印刷した際の印刷可能色を表示領域476に表示する。
また、この例では、指令網点面積率が80%の印刷可能色と、指定色の表示領域475を並列に表示している場合を示しており、ユーザが指定色と指令網点面積率で表現された網点印刷可能色とを容易に比較しつつ、指定色に対する網点面積率の設定を容易に行なうことができる。
このような場合に、印刷可能色推定部104は、ユーザ端末3の表示画面に、「指定された指令網点面積率では、印刷することができません」などのメッセージを出力するようにしてもよい。
これにより、ユーザが指定色を指令網点面積率を設定した印刷可能色として表現させようとする場合に、表現可能な色域の範囲をユーザが容易に把握することができる。
ここで、上述した指令網点面積率に対応した印刷可能色の色域の範囲は、例えば、印刷可能色推定部104により算出される。色域(後述する図13における色域484)は、指令網点面積率で印刷することが可能なインキの色の範囲であり、印刷特性情報に応じて決定される色域である。印刷可能色推定部104は、例えば、指定色の色情報に応じて選択した複数のインキについて、配合比を所定の比率で変化させた配合インキを指令網点面積率で印刷した場合における色の範囲を色域とする。
ここで、印刷使用色決定部105は、ユーザが印刷使用色候補の印刷可能色のなかから選択した印刷可能色に対して、印刷可能色推定部104に対して色味の調整を指示する。
例えば、上記色調整画像480には、xy色度座標において、指令網点面積率に対応した印刷可能色の調整可能な色域484が示される。
ユーザは、印刷可能色の色味の位置を示す点画像485をマウスでドラッグして、色域484内で点画像485の位置を調整することにより、入力した指令網点面積率に対応した印刷可能色の色味を調整する。
色味の調整された調整後の印刷可能色は、調整前の印刷可能色が表示される表示領域481と並列の表示領域486に表示される。
また、ユーザは、表示領域481の調整前の色が、調整した表示領域486の調整後の色より、表示領域487の指定色と近い色であると視認した場合、調整前の印刷可能色をそのまま、指定色として用いる。
また、ユーザは、指令網点面積率を入力することにより、印刷可能色の指令網点面積率に対応して、色域484(実線)から色域484A(点線)に変化する様子をビジュアルに視認できるため、表現できる色域を確認しつつ、指定色に対応させて印刷可能色を調整することができる。
しかしながら、ユーザが印刷使用色を決定するのではなく、印刷使用色決定部105が印刷使用色候補のなかから、指定色L*a*b*値と差分の最も小さい算出色L*a*b*値の印刷可能色を印刷使用色と決定する構成としてもよい。
印刷使用色決定部105が印刷使用色を決定した以降の動作については、すでに説明した図9のフローチャートにおけるステップS107からの動作と同様である。
また、「コンピュータシステム」は、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)を備えたWWWシステムも含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
2…ネットワーク
3…ユーザ端末
10…印刷再現色シミュレーションサーバ
11…画像記憶部
12…印刷特性情報データベース
13…印刷再現色予測プロファイル記憶部
14…分解テーブル記憶部
15…分版画像記憶部
101…印刷特性情報取得部
102…指定色情報取得部
103…画像情報取得部
104…印刷可能色推定部
105…印刷使用色決定部
106…印刷再現色予測プロファイル生成部
107…分解テーブル生成部
108…分版画像生成部
109…印刷再現画像推定部
110…印刷再現画像出力部
Claims (12)
- 印刷する対象としての印刷対象画像の印刷に使用する指定色の情報としての指定色情報を取得する指定色情報取得部と、
印刷に用いる印刷特性に関する印刷特性情報により、前記指定色情報に対応した印刷使用色を推定する印刷可能色推定部と、
前記印刷使用色の各々の網点面積率の組合せと、当該組合せにより推定される再現色との対応関係を示す印刷再現色予測プロファイルを生成する印刷再現色予測プロファイル生成部と、
測色値の色空間における所定の間隔の離散的な測色値と、前記網点面積率の組合せとの対応を示す分解テーブルを前記印刷再現色予測プロファイルを用いて生成する分解テーブル生成部と、
前記印刷対象画像の画素の各々の色を、前記分解テーブルにおける測色値に対応させ、当該画素の色毎の前記網点面積率の組合せを求め、前記印刷対象画像を前記印刷使用色毎の分版画像に変換する分版画像生成部と、
前記分版画像の各々の画素の前記網点面積率の組合せにより、前記印刷再現色予測プロファイルから前記再現色を求めて、印刷により再現される印刷再現画像を生成する印刷再現画像推定部と
を備えることを特徴とする印刷再現色シミュレーションシステム。 - 前記指定色が前記印刷対象画像においてユーザにより任意に指定される
ことを特徴とする請求項1に記載の印刷再現色シミュレーションシステム。 - 前記指定色毎に求められる複数の印刷可能色から、選択された当該印刷可能色を前記印刷使用色として取得する印刷色選択部をさらに備え、
前記印刷可能色推定部が、前記印刷特性情報及び前記指定色情報の各々を用いて、前記印刷使用色の候補として前記指定色毎に複数の前記印刷可能色を求める
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の印刷再現色シミュレーションシステム。 - 前記印刷再現画像の各々の画素の画素値を、当該印刷再現画像を出力する出力装置の出力特性に合わせた変換を行ない、当該変換を行なった印刷再現画像を出力する印刷再現画像出力部をさらに備える
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の印刷再現色シミュレーションシステム。 - 前記印刷再現画像出力部が、前記印刷対象画像と前記印刷再現画像とを同一の表示画面に表示させる
ことを特徴とする請求項4に記載の印刷再現色シミュレーションシステム。 - 前記印刷再現画像出力部が、同一の表示画面において、前記印刷対象画像と前記印刷再現画像とを、対応する画素同士が重なる位置で切替えて表示させる
ことを特徴とする請求項5に記載の印刷再現色シミュレーションシステム。 - 前記印刷再現画像出力部が、同一の表示画面において、前記印刷対象画像と前記印刷再現画像とを、並列に隣接させて並べて表示させる
ことを特徴とする請求項5に記載の印刷再現色シミュレーションシステム。 - 前記印刷特性情報が、少なくとも前記印刷に用いられるインキのインキ情報、印刷される基材の基材情報が含まれており、
前記印刷可能色推定部が、前記指定色情報、前記インキ情報及び前記基材情報とに対応して選択した複数の前記インキを配合した配合インキを用いて印刷可能色を推定する
ことを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の印刷再現色シミュレーションシステム。 - 前記印刷可能色推定部が、複数のインキを配合した配合インキによる前記印刷可能色の色域を、前記印刷特性情報に基づいて求め、前記色域の範囲で指定された調整値を用いて、前記印刷可能色を調整する
ことを特徴とする請求項8に記載の印刷再現色シミュレーションシステム。 - 前記印刷可能色推定部が、複数のインキを配合した配合インキによるベタの色から、所定の指令網点面積率に対応した色として前記印刷可能色を推定する
ことを特徴とする請求項8に記載の印刷再現色シミュレーションシステム。 - 指定色情報取得部が、印刷する対象としての印刷対象画像の印刷に使用する指定色の情報としての指定色情報を取得する指定色情報取得過程と、
印刷可能色推定部が、印刷に用いる印刷特性に関する印刷特性情報により、前記指定色情報に対応した印刷使用色を推定する印刷可能色推定過程と、
印刷再現色予測プロファイル生成部が、前記印刷使用色の各々の網点面積率の組合せと、当該組合せにより推定される再現色との対応関係を示す印刷再現色予測プロファイルを生成する印刷再現色予測プロファイル生成過程と、
分解テーブル生成部が、測色値の色空間における所定の間隔の離散的な測色値と、前記網点面積率の組合せとの対応を示す分解テーブルを前記印刷再現色予測プロファイルを用いて生成する分解テーブル生成過程と、
分版画像生成部が、前記印刷対象画像の画素の各々の色を、前記分解テーブルにおける測色値に対応させ、当該画素の色毎の前記網点面積率の組合せを求め、前記印刷対象画像を前記印刷使用色毎の分版画像に変換する分版画像生成過程と、
印刷再現画像推定部が、前記分版画像の各々の画素の前記網点面積率の組合せにより、前記印刷再現色予測プロファイルから前記再現色を求めて、印刷により再現される印刷再現画像を生成する印刷再現画像推定過程と
を含むことを特徴とする印刷再現色シミュレーション方法。 - コンピュータを、
印刷する対象としての印刷対象画像の印刷に使用する指定色の情報としての指定色情報を取得する指定色情報取得手段、
印刷に用いる印刷特性に関する印刷特性情報により、前記指定色情報に対応した印刷使用色を推定する印刷可能色推定手段、
前記印刷使用色の各々の網点面積率の組合せと、当該組合せにより推定される再現色との対応関係を示す印刷再現色予測プロファイルを生成する印刷再現色予測プロファイル生成手段、
測色値の色空間における所定の間隔の離散的な測色値と、前記網点面積率の組合せとの対応を示す分解テーブルを前記印刷再現色予測プロファイルを用いて生成する分解テーブル生成手段、
前記印刷対象画像の画素の各々の色を、前記分解テーブルにおける測色値に対応させ、当該画素の色毎の前記網点面積率の組合せを求め、前記印刷対象画像を前記印刷使用色毎の分版画像に変換する分版画像生成手段、
前記分版画像の各々の画素の前記網点面積率の組合せにより、前記印刷再現色予測プロファイルから前記再現色を求めて、印刷により再現される印刷再現画像を生成する印刷再現画像推定手段
として機能させるためのプログラム。
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