JP2020016531A - モーター駆動回路、半導体装置、ムーブメント、電子時計およびモーター駆動制御方法 - Google Patents
モーター駆動回路、半導体装置、ムーブメント、電子時計およびモーター駆動制御方法 Download PDFInfo
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Abstract
Description
以下、本発明の第1実施形態の電子時計1を図面に基づいて説明する。
電子時計1は、通常の時分秒の各指針による12時間表示に加えて、24時間表示、日付表示、秒クロノグラフ表示、分クロノグラフ表示の複数の表示機能を備えるクロノグラフ時計である。
電子時計1は、図1に示すように、時刻を12時間表示する時針2、分針3、秒針4と、時刻を24時間表示する24時針5と、秒クロノグラフ表示を行う秒CG針6と、分クロノグラフ表示を行う分CG針7と、日付を表示する日車8とを備えている。電子時計1は、操作部材として、りゅうず9と、Aボタン10、Bボタン11、Cボタン12とを備えている。
24時針5は、文字板13の中央よりも3時側で時針2、分針3および秒針4とは独立した軸上に回動可能に設けられている。
秒CG針6は、文字板13の中央よりも6時側で時針2、分針3および秒針4とは独立した軸上に回動可能に設けられている。
分CG針7は、文字板13の中央よりも9時側で時針2、分針3および秒針4と、秒CG針6とは独立した軸上に回動可能に設けられている。
時刻表示用のステッピングモーターは、1つでもよいし、複数設けてもよい。第1実施形態の電子時計1においては、時刻表示用のステッピングモーターのモーター駆動回路は、一般的な時計と同じであるため、説明を省略する。
秒CG針6、分CG針7は、クロノグラフ用のステッピングモーターで駆動され、このステッピングモーター用に、本発明のモーター駆動回路20が用いられている。
図2に示すように、モーター駆動回路20は、集積回路(Integrated Circuit)等の半導体装置で構成され、クロノグラフ運針制御回路21と、選択回路22と、電流制御駆動回路23と、第1固定パルス駆動回路24と、第2固定パルス駆動回路25と、ドライバー51と、電流検出回路61とを備える。モーター駆動回路20では、電流制御駆動回路23が第1の駆動手段であり、第1固定パルス駆動回路24および第2固定パルス駆動回路25が第2の駆動手段であり、クロノグラフ運針制御回路21および選択回路22が制御手段である。
モーター駆動回路20は、電子時計1の動作モードを設定するAボタン10によってクロノグラフモードが選択された場合に動作する。
クロノグラフ運針制御回路21には、スイッチS1およびスイッチS2の入力信号が入力される。スイッチS1は、Bボタン11を押すと入力されるスイッチであり、スイッチS2はCボタン12を押すと入力されるスイッチである。クロノグラフ運針制御回路21は、クロノグラフ表示に必要な動作を実現するための制御信号を選択回路22に送る。
選択回路22は、クロノグラフ運針制御回路21からの制御信号に基づいて、ドライバー51に信号を出力する。具体的には、時間計測のスタート、ストップ、リセットを行うための信号を出力する。また、選択回路22は、電流制御駆動回路23、第1固定パルス駆動回路24、第2固定パルス駆動回路25から選択した駆動回路からの信号を読み出して、ドライバー51に出力し、ステッピングモーターを、電流制御駆動回路23、第1固定パルス駆動回路24、第2固定パルス駆動回路25から選択した駆動回路に基づいて制御する。
第1固定パルス駆動回路24は、パルス幅が固定された第1固定パルス71を第2の駆動信号として出力する回路である。第2固定パルス駆動回路25は、パルス幅が固定された第2固定パルス72を第2の駆動信号として出力する回路である。ここで、第1固定パルス71は、図6に示すように、パルス幅がAとされた矩形パルスであり、第2固定パルス72は、図7に示すように、パルス幅がBとされた矩形パルスである。第1固定パルス71のパルス幅Aは、図7に示す第2固定パルス72のパルス幅Bよりも長く設定され、第1固定パルス71は第2固定パルス72に比べて、コイル130に供給する駆動電流の供給時間が長くなるパルスである。つまり、第1固定パルス71は、第2固定パルス72に比べてステッピングモーターのトルクを高くできる。
第1固定パルス71および第2固定パルス72の各パルス幅A,Bは、秒CG針6、分CG針7を動かすために必要なトルク値などに基づいて設定される。すなわち、第2固定パルス72のパルス幅Bは、常温で使用されている電子時計1の秒CG針6、分CG針7を駆動できるパルス幅に設定されている。第1固定パルス71のパルス幅Aは、氷点下(0度以下)で使用されている電子時計1や、5年以上など長期間放置されていた電子時計1のように、負荷が増大した状態の電子時計1の秒CG針6、分CG針7を駆動できるパルス幅に設定されている。例えば、第1固定パルス71のパルス幅Aは、第2固定パルス72のパルス幅Bの1.2〜1.5倍程度に設定される。
電流制御駆動回路23は、図3に示すように、第1タイマー31、第2タイマー32、第3タイマー33、ステップ数制御回路36、微分回路371、デコーダー38、SRラッチ回路39、フリップフロップ40、AND回路41、42、OR回路44、45とを備える。
電流制御駆動回路23は、選択回路22を介して、ドライバー及び検出回路50に第1の駆動信号を出力する。ドライバー及び検出回路50は、図4に示すように、モーターのコイル130に電流を供給するともに、コイル130に流れる電流値が所定範囲内であるか否かを判定する回路である。ドライバー及び検出回路50の詳細は、図4を参照して後述する。
第2タイマー32は、モーターのコイル130に流す電流の極性つまり電流が流れる方向を切り替えるための条件となる判定時間t2を計測するタイマーである。第2タイマー32の出力TM2は、第2タイマー32のリセット端子RがLレベルになってリセット状態が解除されてから、判定時間t2後にHレベルになる。
第3タイマー33は、モーターの電流制御を開始してから、極性切替条件に該当するまでの駆動時間Tcに基づいて、モーターの負荷を判定する閾値である判定時間t3を計測するタイマーである。第3タイマー33の出力TM3は、ステップ数制御回路36の出力DONがHレベルとなってモーターの1ステップの駆動制御が開始されてから、判定時間t3後にHレベルとなる。そして、モーターの1ステップの駆動が完了し、微分回路371の出力CLがHレベルとなると、第3タイマー33がリセットされる。したがって、図7に示すように、判定時間t3の経過前に出力CLが入力されると、第3タイマー33の出力TM3はLレベルのままに維持される。第3タイマー33の出力TM3は、図2、3に示すように、クロノグラフ運針制御回路21に入力される。クロノグラフ運針制御回路21は、第3タイマー33の出力TM3がLレベルのままであれば、駆動時間Tcが判定時間t3以下であったと判定し、出力TM3がHレベルに変化すれば、駆動時間Tcが判定時間t3よりも長いと判定できる。
なお、ステップ数制御回路36に入力する設定信号は、例えばクロノグラフ運針制御回路21から選択回路22を介して入力される。
微分回路371は、駆動極性信号PLの立ち上がり、及び立下り毎に微分パルスを出力する。
フリップフロップ40は、クロック端子CにAND回路42の出力が入力される。フリップフロップ40は、出力端子Qから駆動極性信号PLを出力する。
ドライバー及び検出回路50は、図4に示すように、ドライバー51と、電流検出回路61とを備える。
ドライバー51は、2つのPchトランジスター52、53と、4つのNchトランジスター54、55、56、57と、2つの検出抵抗58,59とを備える。各トランジスター52〜57は、デコーダー38から出力されるゲート信号P1、P2、N1、N2、N3、N4によって制御され、モーターのコイル130に正逆両方向の電流を供給する。
電流検出回路61は、検出結果として出力DT1、DT2を出力する。出力DT1は、コイル130を流れる電流値が第1電流値以上の場合に、Hレベルとなり、第1電流値未満の場合にLレベルとなる。出力DT2は、コイル130を流れる電流値が第2電流値以上の場合に、Hレベルとなり、第2電流値未満の場合にLレベルとなる。
次に、本実施形態のモーター駆動回路20によるモーター駆動制御方法について、図5のフローチャートと、図6、7のタイミングチャートを用いて説明する。
モーター駆動回路20のクロノグラフ運針制御回路21は、クロノグラフモードに設定された状態で、Bボタン11が押されてスイッチS1が入力されると、図5のステップS1を実行し、クロノグラフ用のモーター駆動制御をスタートする。
クロノグラフ運針制御回路21は、まず、選択回路22に対して、電流制御駆動回路23を用いた秒CG針6、分CG針7の運針開始を指示する。このため、選択回路22は、クロノグラフの運針制御の開始直後は、電流制御駆動回路23を用いたモーター駆動制御を実行し、電流制御駆動回路23から出力される駆動信号がドライバー51に入力されるように制御する。この際、電流制御駆動回路23を用いたモーター駆動制御は、モーターの1ステップ分のみ行うため、選択回路22は、ステップ数を設定するステップ数制御回路36に設定信号を出力して「1」を設定する。
なお、選択回路22が設定信号を出力してステップ数制御回路36の設定値nを設定した後は、電流制御駆動回路23内の各回路によって、以下のS2〜S8の制御が実行される。
本実施形態では、図6のタイミングチャートで出力DONがHレベルとなった直後は、デコーダー38は、例えば、P1をLレベル、P2をHレベルとし、Pchトランジスター52をオン、Pchトランジスター53をオフとする。また、N1〜N3をLレベル、N4をHレベルとし、Nchトランジスター54、55、56をオフ、Nchトランジスター57をオンする。このため、電流は、Pchトランジスター52、端子O1、コイル130、端子O2、検出抵抗59、Nchトランジスター57を流れる。本実施形態では、端子O1から端子O2に向かってコイル130を流れる電流を、正方向の電流としている。また、本実施形態では、コイル130に供給される駆動電流は、第1の極性および第2の極性に切り替えられ、第1の極性の場合に、コイル130に正方向の電流が流れ、第2の極性の場合に、コイル130に逆方向の電流が流れるものとしている。したがって、コイル130に正方向の電流が流れる状態は、第1の極性の駆動電流を供給するようにドライバー51がオン状態に制御された状態であり、コイル130に逆方向の電流が流れる状態は、第2の極性の駆動電流を供給するようにドライバー51がオン状態に制御された状態である。
電流制御駆動回路23は、ステップS3でYESと判定した場合、ステップS4を実行し、電流検出回路61によって、コイル130を流れる電流Iが、上限電流値Imaxを超えたか否かを判定する。電流制御駆動回路23は、電流Iが、上限電流値Imaxを超えるまでは、ステップS4でNOと判定し、ステップS4の判定処理を継続する。
一方、電流制御駆動回路23がステップS4でYESと判定した場合は、ステップS2でドライバー51をオンしてからの経過時間がt1以上であり、かつ、電流Iが上限電流値Imaxを超えたことになる。すなわち、SRラッチ回路39の出力TONがHレベルに変化すると、OR回路45の出力がHレベルからLレベルに変化し、第1タイマー31のリセット状態が解除される。
このため、第1タイマー31は、時間t1の経過計測を開始し、時間t1が経過する迄はLレベルの信号を出力し続け、時間t1の経過時、つまりステップS3でYESと判定した場合にHレベルの信号を出力する。AND回路41の出力は、出力TM1および電流検出回路61の出力DT2の両方がHレベルとなった時点でHレベルに変化する。
この際、信号TONがLレベルに変化すると、第2タイマー32のリセットを解除し、第2タイマー32のタイマー計測が開始する。また、ドライバー51がオンされて信号TONがHレベルに変化すると、第2タイマー32がリセットされて時間t2の計測が停止する。
すなわち、第2タイマー32は、出力TONがLレベルになると、リセットが解除されて時間t2の計測を開始し、時間t2が経過した時点で、第2タイマー32の出力TM2はHレベルになる。
電流Iが下限電流値Iminを下回ると、検出信号DT1がLレベルに変化する。この際、第2タイマー32で計測するオフ時間が時間t2未満であれば、第2タイマー32の出力TM2はLレベルに維持されているため、検出信号DT1のレベルが変化しても、AND回路42の出力はLレベルに維持され、フリップフロップ40から出力される駆動極性信号PLも同じレベルに維持される。したがって、極性の切り替えは実行されず、検出信号DT1がLレベルに変化してSRラッチ回路39の出力TONがHレベルに変化することによるドライバー51のオンが実行される。
第2タイマー32の出力TM2は、ドライバー51がオフされてから判定時間t2を超えるまではLレベルであり、判定時間t2を超えた時点でHレベルとなる。また、検出信号DT1はドライバー51がオフされた時点ではHレベルであり、電流Iが低下して下限電流値Imin未満に低下した時点でLレベルとなる。したがって、AND回路42の出力は、出力TM2がLレベルの間は、Lレベルに維持され、出力TM2がHレベルに変化した時点でHレベルに変化する。さらに、電流Iが下限電流値Iminを下回って検出信号DT1がLレベルに変化すると、AND回路42の出力はHレベルからLレベルに変化する。フリップフロップ40は、AND回路42のHレベルからLレベルの立ち下がりのクロック信号が入力されると、駆動極性信号PLの状態が反転し、デコーダー38は駆動信号の極性を切り替えるようにドライバー51を制御する。なお、ドライバー51のオフ時間とローターの回転角には相関があるため、時間t2はローターが約180°回転したときに発生する値に基づいて設定すればよい。
選択回路22は、電流制御駆動回路23によるモーターの駆動時間Tcが判定時間t3を超えてステップS9でYESと判定された場合つまりモーターの負荷が大きい場合は、ステップS10を実行する。ステップS10では、選択回路22は、第1固定パルス駆動回路24から出力される第1固定パルス71に基づいて、ドライバー51に入力されるP1、P2、N1〜N4の信号を制御する。すなわち、選択回路22は、図6に示すように、第2の極性では、第1固定パルス71のパルス幅Aの間、端子O2から端子O1に電流が流れるようにドライバー51を制御し、第1の極性では、端子O1から端子O2に電流が流れるようにドライバー51を制御する。例えば、秒CG針6を駆動する場合は、周期T=1秒毎に第1固定パルス71を入力し、秒CG針6を駆動する。
一方、選択回路22は、電流制御駆動回路23によるモーターの駆動時間Tcが判定時間t3未満であり、ステップS9でNOと判定された場合つまりモーターの負荷が小さい場合は、ステップS11を実行する。ステップS11では、選択回路22は、第2固定パルス駆動回路25から出力される第2固定パルス72に基づいて、ドライバー51に入力されるP1、P2、N1〜N4の信号を制御する。選択回路22は、図7に示すように、第2固定パルス72のパルス幅Bの間、第2の極性では端子O2から端子O1、第1の極性では端子O1から端子O2に、それぞれ電流が流れるようにドライバー51を制御する。
クロノグラフ運針制御回路21は、ステップS12、S13でNOと判定した場合、第1固定パルス71、第2固定パルス72での運針開始から10分経過したか否かを判定するステップS14、S15を実行する。クロノグラフ運針制御回路21は、第1固定パルス71、第2固定パルス72での運針開始から10分経過しておらず、ステップS14、S15でNOと判定した場合、ステップS10、S11の運針処理を継続する。
一方、クロノグラフ運針制御回路21は、ステップS14、S15でYESと判定した場合、ステップS2の処理に戻り、電流制御駆動処理SAを実行する。このため、クロノグラフ運針制御回路21は、時間計測の開始後は10分経過毎に電流制御駆動回路23によりモーターの駆動を1ステップ分だけ行い、その際の駆動時間Tcによって選択した第1固定パルス71および第2固定パルス72の一方のパルスでモーターの駆動を継続する。
クロノグラフ運針制御回路21は、時間計測中にストップ用のBボタン11が押されてスイッチS1が入力された場合、ステップS12、S13でYESと判定し、Cボタン12によるスイッチS2の入力があったか否か、つまり時間計測をリセットする入力があったかを判定するステップS16を実行する。
一方、クロノグラフ運針制御回路21は、ステップS17でNOと判定した場合は、スイッチS1で時間計測をストップしてから60分経過したか否かを判定するステップS18を実行する。クロノグラフ運針制御回路21は、ステップS18でNOと判定している間は、ステップS17でスイッチS1の入力があるか否かの判定を継続する。
クロノグラフ運針制御回路21は、スイッチS2によるリセット入力があってステップS16でYESと判定した場合と、スイッチS1で時間計測を停止した後に60分経過してステップS18でYESと判定した場合は、秒CG針6および分CG針7を0位置に帰零するための電流制御駆動S19を実行し、時間計測を終了する。
本実施形態のモーター駆動回路20によれば、クロノグラフ運針制御を行う際に、最初に電流制御駆動回路23で駆動し、この電流制御駆動処理時の駆動の結果、具体的には駆動時間Tcを判定時間t3と比較してステッピングモーターの負荷の大きさを判定しているので、その後のモーター駆動用の固定パルスを適切に選択できる。このため、電子時計1の秒CG針6、分CG針7として用いられる指針の長さや太さ、重さによってモーターの負荷が変化した場合や、電子時計1が使用される環境温度の変動や長期間放置したことによって負荷が変化した場合でも、確実にモーターを駆動できるパルスを選ぶことができる。
さらに、一定時間毎、本実施形態では10分毎に、電流制御駆動回路23で駆動し、それ以外の期間は第1固定パルス駆動回路24、第2固定パルス駆動回路25で駆動しているので、クロノグラフ運針制御中にモーターの負荷が変動しても、第1固定パルス71および第2固定パルス72を切り替えて制御でき、確実にモーターを駆動できる。
電流制御駆動回路23による駆動制御は、モーターを高速で早送り駆動できるが、1Hz等の固定の駆動周波数では駆動しにくい。一方、第1固定パルス駆動回路24や第2固定パルス駆動回路25による駆動制御は、固定の駆動周波数で駆動する場合に制御が容易となる。本実施形態では、10分間で1ステップのみを電流制御駆動回路23で駆動し、それ以外の時間は第1固定パルス駆動回路24や第2固定パルス駆動回路25で駆動するため、1秒間隔などの一定の周期でモーターを駆動する必要があるクロノグラフ運針制御を容易に実行できる。
秒CG針6、分CG針7を0位置に復帰させる場合は電流制御駆動回路23で運針するため、早送り周波数を高速にでき、短時間で帰零できる。
次に、本発明の第2実施形態について、図8〜13を参照して説明する。なお、第2実施形態において、第1実施形態と同一または同様の構成には同一符号を付し、説明を省略または簡略する。
[構成の説明]
第2実施形態の電子時計1Bは、時刻表示機能に加えて、各種情報の表示機能を有するスマートウォッチである。このため、電子時計1Bは、時針2、分針3、秒針4、りゅうず9、ボタン11Bを備え、さらに、活動量の表示、スマートフォンなどの外部機器との連携状態の表示、メールやSNS(Social Networking Service)等の通知の表示、時針2、分針3で表示する時刻のタイムゾーン切替などの各種機能を実行できる。図8に示す電子時計1Bでは、文字板13の8時位置には、外部機器との連携中に秒針4が指示するマーク15が表示され、文字板13の10時位置には、通知があった場合に秒針4が指示するマーク16が表示されている。
電子時計1Bは、時針2、分針3、秒針4をそれぞれ駆動する3つのモーターが設けられている。各モーターは、図9に示すモーター駆動回路20Bによって制御され、各々の機能に合わせて通常駆動と早送り駆動とを切り替えて制御する。
モーター駆動回路20Bは、駆動制御回路21Bと、選択回路22と、電流制御駆動回路23と、ドライバー51Bと、第1回転検出駆動回路26と、第2回転検出駆動回路27と、電流検出回路61と、回転検出回路65とを備える。第2実施形態のモーター駆動回路20Bでは、電流制御駆動回路23が第1の駆動手段であり、第1回転検出駆動回路26および第2回転検出駆動回路27が第2の駆動手段であり、駆動制御回路21Bおよび選択回路22が制御手段である。
第1回転検出駆動回路26は、第1の駆動手段である電流制御駆動回路23による駆動時間Tcが判定時間t3よりも長いという駆動の結果が得られ、第1条件に該当する場合つまりモーターの負荷が大きい場合、図12に示すように、第2の駆動信号として第1駆動パルス73を出力する。また、第1回転検出駆動回路26は、第1駆動パルス73の出力後、第1検出パルス74を出力する。ただし、第1駆動パルス73の出力直後の第1検出パルス74による検出では、ローターが回転していない場合でも回転していると誤検出する可能性がある。このため、第1駆動パルス73の出力後、第1検出マスク時間Tm1 を設定し、回転検出回路65は、第1検出マスク時間Tm1 の経過後に、第1検出パルス74による回転検出を判定する。
第2回転検出駆動回路27は、第1の駆動手段による駆動の結果として、駆動時間Tcが判定時間t3以下であり第2条件に該当する場合、つまりモーターの負荷が小さい場合、図13に示すように、第2の駆動信号として第2駆動パルス75を出力する。また、第2回転検出駆動回路27は、第2駆動パルス75の出力後、第2検出パルス76を出力し、回転検出回路65は、第2検出マスク時間Tm2 の経過後に、第2検出パルス76による回転検出を判定する。
なお、第1駆動パルス73および第2駆動パルス75は、それぞれくし歯形状のチョッピングパルスであり、第1駆動パルス73は第2駆動パルス75よりもチョッピングパルスの数が多い。例えば、図12、13の例では、第1駆動パルス73の歯数は8であり、第2駆動パルス75の歯数は6である。なお、第1駆動パルス73および第2駆動パルス75は、歯数を異ならせたものに限定されず、dutyを異ならせたものでもよい。要するに、第1駆動パルス73は、第2駆動パルス75に比べて、ステッピングモーターのトルクを大きくできる、つまりモーターの負荷が大きい場合でも駆動できるものであればよい。
また、本実施形態では、前述したように、回転検出回路65における回転検出条件として、第1の駆動手段の駆動の結果、つまり駆動時間Tcを判定時間t3と比較した結果に基づいて、第1検出マスク時間Tm1、第2検出マスク時間Tm2を選択して設定している。モーターの負荷が大きい場合に選択される第1検出マスク時間Tm1は、第2検出マスク時間Tm2よりも長い時間に設定されている。
回転検出回路65は、図10に示すように、抵抗値R3の検出抵抗63または抵抗値R4の検出抵抗64の検出電圧を基準電圧Vと対比することで、ローターの回転を検出するものである。
選択回路22、電流制御駆動回路23、電流検出回路61は、第1実施形態と同じであるため、説明を省略する。
モーター駆動回路20Bの駆動制御回路21Bは、ステップS20のシステムリセットが行われると、最初に電流制御駆動回路23による電流制御駆動処理S21を実行する。電流制御駆動処理S21は、第1実施形態の図5に示すステップS2〜S8の電流制御駆動処理SAと同じであるため、説明を略す。次に、電流制御駆動回路23は、第1実施形態のステップS9と同じく、駆動時間Tcが判定時間t3より長いか否かを判定する判定処理S22を実行する。
したがって、電流制御駆動処理S21および判定処理S22によってモーターの状態、具体的には負荷の大きさを判定する状態判定処理が実行される。
駆動制御回路21Bは、ステップS22の判定結果に基づいて選択回路22に信号を出力し、選択回路22は、ドライバー51Bに入力する駆動信号を、第1回転検出駆動回路26から出力される第1駆動パルス73、および、第2回転検出駆動回路27から出力される第2駆動パルス75から選択する。
駆動制御回路21Bは、ステップS25、S26でNOと判定した場合、電流制御駆動処理S21の開始から60分経過したか否かを判定するステップS27、S28を実行する。駆動制御回路21Bは、ステップS27、S28でNOと判定した場合、ステップS23、S24の運針処理を継続する。
一方、駆動制御回路21Bは、ステップS27、S28でYESと判定した場合、電流制御駆動処理S21を再度実行する。このため、駆動制御回路21Bは、システムリセット後は60分経過毎に電流制御駆動回路23によりモーターの駆動を1ステップ分だけ行い、その際の駆動時間Tcによって選択した第1駆動パルス73または第2駆動パルス75でモーターの駆動を継続する。
次に、駆動制御回路21Bは、電流制御駆動回路23のステップ数制御回路36にステップS29で計算したパルス数nを設定し、nステップの電流制御駆動処理S30を実行する。電流制御駆動回路23は、ステッピングモーターを連続して早送りする場合の周波数を早くでき、秒針4も高速で移動できる。秒針4は、外部機器との連携中の場合はマーク15を指示する位置まで早送りで移動し、メールの通知があった場合はマーク16を指示する位置まで早送りで移動する。
次に、駆動制御回路21Bは、モード表示終了であるか否かを判定するステップS31を実行する。例えば、秒針4で一定時間モード表示を行った後、モード表示終了としてもよいし、再度ボタン11Bを押した場合に、モード表示終了としてもよい。駆動制御回路21Bは、ステップS31でNOと判定した場合は、モード表示を継続する。
駆動制御回路21Bは、ステップS31でYESと判定した場合、電流制御駆動回路23によって、モード表示を行っていた秒針4を現時刻表示に復帰する電流制御駆動処理S32を実行する。
第2実施形態によれば、駆動制御回路21Bは、時針2、分針3、秒針4の通常の運針制御を行う際に、最初に電流制御駆動回路23で駆動し、この電流制御時の駆動時間Tcが判定時間t3より大きいか否かの駆動の結果でモーターの負荷の大きさを判定しているので、その後のモーター駆動用の駆動パルスを適切に選択できる。このため、モーターの負荷が大きいと判断した場合は、チョッピング駆動パルスのパルス数が多い第1駆動パルス73でモーターを駆動制御でき、逆に負荷が小さいと判断した場合は、チョッピング駆動パルスのパルス数が少ない第2駆動パルス75でモーターを駆動制御できる。
したがって、通常の運針駆動時は、モーターを確実に駆動できて消費電力も低減できる。すなわち、電流制御駆動回路23によるモーター駆動制御は、モーターを単発で駆動する場合は消費電流が多く、各指針2〜3の運針間隔毎にモーターを駆動する通常運針時の駆動制御に用いると低消費電流化が難しい。一方、本実施形態では、電流制御駆動回路23によるモーター駆動制御は、モーターの負荷を検出するために60分間毎に1回行い、その他の時間は、モーターの負荷に応じて、第1回転検出駆動回路26または第2回転検出駆動回路27によるモーター駆動制御を行うため、モーターを確実に駆動できて消費電力も低減できる。特に、回転検出駆動では、ローターの非回転時には補正駆動パルスで確実に駆動できるため、突発的な負荷上昇を前提に第1駆動パルス73、第2駆動パルス75を設定する必要が無く、通常の運針時にローターを回転できる最小限の第1駆動パルス73、第2駆動パルス75を設定すれば良く、通常運針時の低消費電力化を容易に実現できる。
さらに、第1の駆動手段の駆動結果つまりモーターの負荷に応じて、第1検出マスク時間Tm1、第2検出マスク時間Tm2を選択している。このため、回転検出回路65は、負荷や温度の変動があっても、ローターの回転を確実に検出できる。
モード表示等の切替等で秒針4等を移動させる場合に、電流制御駆動回路23によるモーター駆動制御を用いているので、秒針4等の早送りを高速で行え、短時間で表示を切り替えることができる。
第2実施形態では、電流制御駆動回路23によるモーター駆動制御時の駆動時間Tcの判定結果により、検出マスク時間を、第1検出マスク時間Tm1、または、第2検出マスク時間Tm2から選択して設定していたが、前記判定結果によって第1検出パルス74、第2検出パルス76のパルス幅を設定してもよい。例えば、ステッピングモーターの負荷が大きいと判定した場合は、負荷が小さいと判定した場合に比べて検出パルス幅を細くすることが好ましい。この場合、ブレーキはかかりにくいが、検出精度を向上できる。一方、モーターの負荷が小さいと判定した場合は、負荷が大きいと判定した場合に比べて検出パルス幅を太くすることが好ましい。この場合、ブレーキがかかりやすく、ローターの動きが安定する。
また、前記判定結果によって、第1検出パルス74、第2検出パルス76の入力時に検出される誘起電圧が所定電圧Vを超えたパルス数を、所定の閾値と比較してローターの回転・非回転を判断する場合に、回転判定用の閾値つまりパルス数を、前記判定結果によって設定してもよい。例えば、ステッピングモーターの負荷が大きいと判定した場合、負荷が小さいと判定した場合に比べて前記閾値を小さくすれば、検出性を向上できる。一方、モーターの負荷が小さいと判定した場合、負荷が大きいと判定した場合に比べて前記閾値を大きくすれば、誤判定を少なくできて制御が安定する。
また、前記判定結果によって、駆動パルスのパルス数を、第1駆動パルス73、第2駆動パルス75から選択して設定していたが、駆動パルスのパルス幅や、dutyを設定してもよい。例えば、ステッピングモーターの負荷が大きいと判定した場合に、駆動パルスのパルス幅を大きくしたり、dutyを大きくすれば、コイル130に流れる電流が増加し、ローターの回転起動性を向上できる。一方、モーターの負荷が小さいと判定した場合に、駆動パルスのパルス幅を小さくしたり、dutyを小さくすれば、低消費電力化を実現できる。
次に、本発明の第3実施形態について、図14〜18を参照して説明する。第3実施形態は、図示略の電子時計の時針、分針、秒針の各指針を駆動するモーターを制御するモーター駆動回路20Cである。
モーター駆動回路20Cは、第2実施形態のモーター駆動回路20Bと同様の構成を備えるものであり、モーター駆動回路20Bと同じ構成には同一符号を付して説明を簡略する。モーター駆動回路20Cは、駆動制御回路21Cと、選択回路22、電流制御駆動回路23、第1回転検出駆動回路26、第2回転検出駆動回路27と、固定パルス駆動回路28と、ドライバー51Bと、電流検出回路61と、回転検出回路65とを備える。第3実施形態のモーター駆動回路20Cでは、電流制御駆動回路23が第1の駆動手段であり、固定パルス駆動回路28が第2の駆動手段であり、第1回転検出駆動回路26および第2回転検出駆動回路27が第3の駆動手段であり、駆動制御回路21Cおよび選択回路22が制御手段である。
モーター駆動回路20Cの駆動制御回路21Cは、定期的に、例えば60分毎に、図15の運針パルス選択処理S40を実行する。そして、次の運針パルス選択処理S40が実行されるまでは、運針パルス選択処理S40で選択されたパルスで運針を継続する。
駆動制御回路21Cは、運針パルス選択処理S40を開始すると、電流制御駆動回路23による電流制御駆動処理S41を実行する。この電流制御駆動処理S41は、第1実施形態の電流制御駆動処理SAや、第2実施形態の電流制御駆動処理S21と同じ処理であるため、説明を省略する。
駆動制御回路21Cは、電流制御駆動処理S41の処理によって検出されるモーターの1ステップ目の駆動時間Tcが、判定時間t3よりも長いか否かを判定する処理S42を実行する。この判定処理S42も、第1実施形態の判定処理S9や第2実施形態の判定処理S22と同じであるため、説明を省略する。
一方、駆動制御回路21Cは、S42でNOと判定された場合は、駆動時間Tcが判定時間t4より長いか否かを判定する処理S44を実行する。判定時間t4は、図17,18に示すように、判定時間t3よりも短い時間であり、予め設定された時間である。すなわち、本実施形態では、モーターの負荷を、駆動時間Tcによって3段階に判定しており、その閾値として、判定時間t3と判定時間t4を、t3>t4となるように設定したものである。
駆動制御回路21Cは、S44でYESと判定した場合、すなわち、駆動時間Tcが、t3>tc>t4の場合には、モーターの負荷が中レベルと判断し、選択回路22に対して第1駆動パルス73での運針を指示する。選択回路22は、図17に示すように、第1回転検出駆動回路26から第1駆動パルス73と第1検出パルス74とをドライバー51Bに出力し、第3の駆動信号である第1駆動パルス73での運針処理S45を実行する。
駆動制御回路21Cは、S44でNOと判定した場合、すなわち、駆動時間Tcがt4未満の場合には、モーターの負荷が低レベルと判断し、選択回路22に対して第2駆動パルス75での運針を指示する。選択回路22は、図18に示すように、第2回転検出駆動回路27から第2駆動パルス75と第2検出パルス76とをドライバー51Bに出力し、第3の駆動信号である第2駆動パルス75での運針処理S46を実行する。
選択回路22は、図15の運針パルス選択処理S40が再度実行されるまでは、選択された運針制御を継続する。駆動制御回路21Cは、所定時間、例えば60分が経過した場合は、運針パルス選択処理S40を再度実行し、ステップS43、S45、S46のいずれかの運針制御を選択して実行する。
第3実施形態によれば、前記第2実施形態と同様の効果が得られる。
特に、モーター駆動回路20Cは、モーターの負荷を電流制御駆動回路23による駆動制御によって検出される駆動時間Tcで3段階のレベルに判定し、各レベルに応じて、第1固定パルス71、第1駆動パルス73、第2駆動パルス75を選択しているので、消費電力を抑制しつつ、モーターを確実に駆動できる。このため、モーター駆動回路20Cは、太い針から細い針まで様々な指針を駆動できる。したがって、外販するムーブメントにモーター駆動回路20Cを組み込むことで、外販先で様々な指針を組み込むことができ、各種の針用に別々の制御回路を設計する必要が無いため、コストを低減できる。
針が細い場合は、モーターの負荷も小さいため、第1回転検出駆動回路26、第2回転検出駆動回路27による回転検出制御によってモーターを制御できる。このため、低消費電力化が図れ、電池寿命を延ばすことができる。
針が太い場合は、モーターの負荷も大きくなる。このため、第1回転検出駆動回路26、第2回転検出駆動回路27で駆動すると、第1駆動パルス73や第2駆動パルス75でローターを回転させることができない場合があり、ローターを確実に回転できるパルス幅の大きな補正駆動パルスを出力する必要があり、消費電流が増大する。したがって、モーターの負荷が大きい場合は、固定パルス駆動の方が消費電流が減少し、ある程度、電池寿命を長くできる。
また、電子時計1を使用する環境の温度変化があった場合や、電子時計1を長期に使用して負荷が増加した場合も、負荷に応じてモーター駆動パルスを選択するため、モーターを確実に動かすことができる。
次に、本発明の第4実施形態について、図19、図20を参照して説明する。
第4実施形態は、図19に示すように、電流制御駆動回路23による駆動時間Tcに基づいてモーターの負荷レベルを判定し、負荷レベルが高い状態が継続した場合に異常と判定してユーザーに告知するものである。
モーター駆動回路20Dは、モーター駆動回路20B、20Cと同様の構成を備えるものであり、モーター駆動回路20B、20Cと同じ構成には同一符号を付して説明を省略する。モーター駆動回路20Dは、駆動制御回路21Dと、選択回路22、電流制御駆動回路23、回転検出駆動回路29と、ドライバー51Bと、電流検出回路61と、回転検出回路65とを備える。第4実施形態のモーター駆動回路20Dでは、電流制御駆動回路23が第1の駆動手段であり、回転検出駆動回路29が第2の駆動手段であり、駆動制御回路21Dおよび選択回路22が制御手段である。
回転検出駆動回路29は、第1回転検出駆動回路26、第2回転検出駆動回路27と同様に、駆動パルスを出力後、検出パルスを出力し、所定の検出マスク時間の経過後に、ローターの回転・非回転を検出し、ローターの非回転を検出した時には、補正駆動パルスを出力してローターを確実に回転させる。また、回転検出駆動回路29は、次回以降に出力する、くし歯である駆動パルスのパルス数を増やしたり、dutyを大きくして、ローターを回転させるためにモーターのコイル130に流す電流を増加させるように制御する。
一方、ローターの回転を検出した時は、回転検出駆動回路29は、駆動パルスのパルス数を減らしたり、dutyを小さくし、ローターを回転させるためにコイル130に流す電流を減少させ、モーター駆動時の消費電流を低減する。
モーター駆動回路20Dの駆動制御回路21Dは、まず、ステップS51において、異常判定回数を示すカウント値Tnを初期値0に設定する。次に、駆動制御回路21Dは、ステップS52において、電流駆動制御を実行する。電流駆動制御では、前記各実施形態と同じく、駆動制御回路21Dは、選択回路22に制御信号を出力し、選択回路22は電流制御駆動回路23から出力される電流制御用の信号をドライバー51Bに送る。
駆動制御回路21Dは、ステップS53でNOと判定した場合、ステップS54で、カウント値Tnを0に初期化する。そして、駆動制御回路21Dは、ステップS55において、モーターの通常運針を実行する。ステップS55では、駆動制御回路21Dは、選択回路22に回転検出駆動回路29による運針制御を指示する。選択回路22は、回転検出駆動回路29から出力される駆動パルスおよび検出パルスをドライバー51Bに出力し、モーターの回転検出駆動制御を実行する。駆動制御回路21Dは、ステップS55で1ステップ分の制御を行う毎に、ステップS56において、ステップS55の通常運針が開始されてから24時間経過したかを判定する。駆動制御回路21Dは、ステップS56でNOと判定した場合、ステップS55の通常運針制御を継続し、ステップS56でYESと判定した場合、ステップS52の電流制御駆動を実行する。このため、駆動制御回路21Dは、モーターの負荷が小さく、ステップS53でNOと判定した場合は、24時間毎にステップS52の電流制御駆動でモーターの負荷のレベルを判定し、負荷のレベルが小さい場合は、ステップS55により回転検出駆動回路29による通常運針を継続する。
駆動制御回路21Dは、ステップS58でNOと判定した場合、ステップS59、S60を実行する。ステップS59の通常運針制御は、ステップS55と同じであるため、説明を省略する。駆動制御回路21Dは、ステップS59で1ステップ分の制御を行う毎に、ステップS60において、ステップS59の通常運針が開始されてから4時間経過したかを判定する。駆動制御回路21Dは、ステップS60でNOと判定した場合、ステップS59の通常運針制御を継続し、ステップS60でYESと判定した場合、ステップS52の電流制御駆動を実行する。このため、駆動制御回路21Dは、モーターの負荷が中レベルで、ステップS53でYESと判定し、カウント値Tnが判定回数N未満の場合は、4時間毎にステップS52の電流制御駆動を実行し、ステップS53で駆動時間Tcが判定時間t3よりも長い時間と判定した場合、カウント値Tnが判定回数N以上となるまで、ステップS59により回転検出駆動回路29による通常運針を継続する。
ここで、判定回数Nは、異常を告知するタイミングなどに応じて適宜設定でき、例えば、N=4に設定される。この場合、最初にステップS57でTn=1となってから、4時間毎にステップS57で1を加算するため、12時間経過した時点でTn=4となり、駆動制御回路21Dは、ステップS58でYESと判定する。
駆動制御回路21Dは、ステップS61で5秒運針の制御を行う毎に、ステップS62の1時間経過判定を行う。ステップS62では、ステップS61の5秒運針制御が開始されてから1時間経過したかを判定する。駆動制御回路21Dは、ステップS62でNOと判定した場合、ステップS61の5秒運針制御を継続し、ステップS62でYESと判定した場合、ステップS52の電流制御駆動を実行する。
第4実施形態によれば、前記第2、3実施形態と同様の効果が得られる。
また、駆動制御回路21Dは、モーターの高負荷状態が所定時間、例えば12時間以上継続した場合は、5秒運針制御を行ってユーザーに異常状態であることを告知する。このため、ユーザーは、異常発生を確認でき、電子時計のメンテナンスが必要であることを理解できる。
第4実施形態では、ステップS56、S60、S62における経過時間を、それぞれ24時間、4時間、1時間に設定し、電流制御駆動処理S52を実行する間隔を設定していたが、ステップS52の実行間隔は前記の例に限定されない。例えば、ステップS56、S60、S62において同じ時間に設定しても良く、ステップS53、S58の判定条件などを考慮して適宜設定すれば良い。
また、異常判定を行う条件も前記実施形態の例に限定されず、例えば、ステップS53でYESと判定した場合に、直ちにステップS61の5秒運針を行って異常を告知してもよい。
さらに、異常を告知する方法は、秒針4の5秒運針に限定されず、異常を示す指針を設けたり、特別な運針を行っても良く、ユーザーに対して通常と異なる状態であることを告知できるものであればよい。
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、各実施形態では、ステッピングモーターの負荷を検出する電流制御駆動回路23による電流制御駆動処理SA、S21、S41、S52は、1ステップ分のみ、すなわち第1の極性および第2の極性の一方のみ行っていたが、第1の極性および第2の極性の2ステップ分を行って負荷を判定してもよい。さらに、第1の極性および第2の極性において、負荷の判定が異なる場合、その後に第1の極性に入力するパルスと、第2の極性に入力するパルスとをそれぞれの判定結果に基づいて設定してもよい。例えば、第1実施形態において、第1の極性での電流制御駆動処理SAでは駆動時間Tcが判定時間t3より大きく、第2の極性での電流制御駆動処理SAでは駆動時間Tcが判定時間t3以下の場合、第1の極性では第1固定パルス71で運針し、第2の極性では第2固定パルス72で運針してもよい。すなわち、第1固定パルス71および第2固定パルス72を交互に入力して運針制御を行ってもよい。
例えば、コイル130を流れる電流値が、第1の電流値(下限電流値)より小さいことを検出する第1の検出手段と、第1の電流値よりも大きな第2の電流値(上限電流値)よりも大きいことを検出する第2の検出手段とを備え、コイル130を流れる電流値が第1の電流値よりも小さくなった場合にドライバー51、51Bをオンし、コイル130を流れる電流値が第2の電流値よりも大きくなった場合にドライバー51、51Bをオフして制御してもよい。
また、第2の検出手段の検出によってコイル130を流れる電流値が第2の電流値よりも大きくなった場合にドライバー51、51Bをオフし、ドライバー51、51Bをオフした後、所定時間経過後に、第1の検出手段によってコイル130を流れる電流値が、第1の電流値よりも小さいことを検出した場合にドライバー51、51Bをオンしてもよい。
さらに、第1の駆動手段である電流制御駆動回路23による駆動の結果は、駆動時間Tcに限らず、電流制御駆動回路23によるドライバー51、51Bのオン時間やオフ時間、さらに、駆動時間Tc、オン時間、オフ時間の組み合わせで判定してもよい。
Claims (16)
- ステッピングモーターを駆動するモーター駆動回路であって、
入力された駆動信号に対応する駆動電流を前記ステッピングモーターのコイルに供給するドライバーと、
前記コイルに流れる電流値を検出する電流検出回路と、
前記ドライバーに第1の駆動信号を出力する第1の駆動手段と、
前記ドライバーに第2の駆動信号を出力する第2の駆動手段と、
前記第1の駆動手段および前記第2の駆動手段を制御する制御手段と、を有し、
前記第1の駆動手段は、前記電流検出回路で検出した前記電流値に基づいて前記第1の駆動信号を出力可能に構成され
前記第2の駆動手段は、前記第2の駆動信号として、前記コイルに供給する前記駆動電流の供給時間が異なる複数種類の駆動信号を出力可能に構成され、
前記制御手段は、前記第1の駆動手段による駆動の結果に基づいて、前記第2の駆動手段が出力する前記第2の駆動信号の種類を選択する
ことを特徴とするモーター駆動回路。 - 請求項1に記載のモーター駆動回路において、
前記第2の駆動信号は、第1固定パルスと、前記第1固定パルスに比べてパルス幅が小さい第2固定パルスとを含み、
前記制御手段は、
前記第1の駆動手段による駆動の結果が予め設定した第1条件に該当する場合は、前記第2の駆動信号として前記第1固定パルスを選択し、
前記第1の駆動手段による駆動の結果が予め設定した第2条件に該当する場合は、前記第2の駆動信号として前記第2固定パルスを選択する
ことを特徴とするモーター駆動回路。 - 請求項1に記載のモーター駆動回路において、
前記第2の駆動信号は、第1駆動パルスと、前記第1駆動パルスに比べて前記駆動電流の供給時間が短い第2駆動パルスとを含み、
前記第2の駆動手段は、前記ステッピングモーターのローターの回転を検出する回転検出回路を有し、
前記制御手段は、
前記第1の駆動手段による駆動の結果が予め設定した第1条件に該当する場合は、前記第2の駆動信号として前記第1駆動パルスを選択し、
前記第1の駆動手段による駆動の結果が予め設定した第2条件に該当する場合は、前記第2の駆動信号として前記第2駆動パルスを選択し、
前記第2の駆動手段は、前記第2の駆動信号の出力後、前記回転検出回路によって前記ローターが回転していないことが検出された場合は、予め設定された補正駆動パルスを出力する
ことを特徴とするモーター駆動回路。 - 請求項3に記載のモーター駆動回路において、
前記制御手段は、
前記回転検出回路における回転検出条件を、前記第1の駆動手段による駆動の結果に基づいて設定する
ことを特徴とするモーター駆動回路。 - 請求項4に記載のモーター駆動回路において、
前記制御手段が前記第1の駆動手段による駆動の結果に基づいて設定する回転検出条件は、検出マスク時間、検出パルス幅、検出パルス数のいずれかである
ことを特徴とするモーター駆動回路。 - 請求項3から請求項5のいずれか一項に記載のモーター駆動回路において、
前記制御手段は、
前記回転検出回路で前記ローターが回転していないことが検出された場合は、前記補正駆動パルスを出力して前記ローターを回転した後、前記第1の駆動手段で前記ステッピングモーターを駆動する
ことを特徴とするモーター駆動回路。 - 請求項1から請求項6のいずれか一項に記載のモーター駆動回路において、
前記制御手段は、
定期的に前記第1の駆動手段で前記ステッピングモーターを駆動し、
前記第1の駆動手段で駆動した後、次に前記第1の駆動手段で駆動するまでは、前記第2の駆動手段で前記ステッピングモーターを駆動する
ことを特徴とするモーター駆動回路。 - ステッピングモーターを駆動するモーター駆動回路であって、
入力された駆動信号に対応する駆動電流を前記ステッピングモーターのコイルに供給するドライバーと、
前記コイルに流れる電流値を検出する電流検出回路と、
前記ドライバーに第1の駆動信号を出力する第1の駆動手段と、
前記ドライバーに第2の駆動信号を出力する第2の駆動手段と、
前記ドライバーに第3の駆動信号を出力する第3の駆動手段と、
前記第1の駆動手段、前記第2の駆動手段および前記第3の駆動手段を制御する制御手段と、を有し、
前記第1の駆動手段は、前記電流検出回路で検出した前記電流値に基づいて前記第1の駆動信号を出力可能に構成され
前記第2の駆動手段は、予め定められた波形の前記第2の駆動信号を出力可能に構成され、
前記第3の駆動手段は、前記ステッピングモーターのローターの回転を検出する回転検出回路を有し、前記第3の駆動信号の出力後、前記回転検出回路によって前記ローターが回転していないことが検出された場合は、予め設定された補正駆動パルスを出力し、
前記制御手段は、
前記第1の駆動手段による駆動の結果に基づいて、前記第2の駆動手段による駆動または前記第3の駆動手段による駆動を選択する
ことを特徴とするモーター駆動回路。 - 請求項1から請求項8のいずれか一項に記載のモーター駆動回路において、
前記制御手段は、
前記第1の駆動手段による駆動の結果に基づいて、異常状態であることを出力する
ことを特徴とするモーター駆動回路。 - 請求項1から請求項9のいずれか一項に記載のモーター駆動回路において、
前記第1の駆動手段による駆動の結果は、前記第1の駆動手段によって前記ステッピングモーターの駆動を開始してから極性切替条件に該当するまでの駆動時間である
ことを特徴とするモーター駆動回路。 - 請求項2から請求項6のいずれか一項に記載のモーター駆動回路において、
前記制御手段は、前記第1の駆動手段によって前記ステッピングモーターの駆動を開始してから極性切替条件に該当するまでの駆動時間が、予め設定された判定時間よりも長い場合に、前記第1条件に該当すると判定する
ことを特徴とするモーター駆動回路。 - 請求項2から請求項6のいずれか一項に記載のモーター駆動回路において、
前記制御手段は、前記第1の駆動手段によって前記ステッピングモーターの駆動を開始してから極性切替条件に該当するまでの駆動時間が、予め設定された判定時間以下の場合に、前記第2条件に該当すると判定する
ことを特徴とするモーター駆動回路。 - ステッピングモーターを駆動するモーター駆動回路を有する半導体装置であって、
入力された駆動信号に対応する駆動電流を前記ステッピングモーターのコイルに供給するドライバーと、
前記コイルに流れる電流値を検出する電流検出回路と、
前記ドライバーに第1の駆動信号を出力する第1の駆動手段と、
前記ドライバーに第2の駆動信号を出力する第2の駆動手段と、
前記第1の駆動手段および前記第2の駆動手段を制御する制御手段と、を有し、
前記第1の駆動手段は、前記電流検出回路で検出した前記電流値に基づいて前記第1の駆動信号を出力可能に構成され
前記第2の駆動手段は、前記第2の駆動信号として、前記コイルに供給する前記駆動電流の供給時間が異なる複数種類の駆動信号を出力可能に構成され、
前記制御手段は、前記第1の駆動手段による駆動の結果に基づいて、前記第2の駆動手段が出力する前記第2の駆動信号の種類を選択する
ことを特徴とする半導体装置。 - ステッピングモーターを駆動するモーター駆動回路を有するムーブメントであって、
入力された駆動信号に対応する駆動電流を前記ステッピングモーターのコイルに供給するドライバーと、
前記コイルに流れる電流値を検出する電流検出回路と、
前記ドライバーに第1の駆動信号を出力する第1の駆動手段と、
前記ドライバーに第2の駆動信号を出力する第2の駆動手段と、
前記第1の駆動手段および前記第2の駆動手段を制御する制御手段と、を有し、
前記第1の駆動手段は、前記電流検出回路で検出した前記電流値に基づいて前記第1の駆動信号を出力可能に構成され
前記第2の駆動手段は、前記第2の駆動信号として、前記コイルに供給する前記駆動電流の供給時間が異なる複数種類の駆動信号を出力可能に構成され、
前記制御手段は、前記第1の駆動手段による駆動の結果に基づいて、前記第2の駆動手段が出力する前記第2の駆動信号の種類を選択する
ことを特徴とするムーブメント。 - ステッピングモーターを駆動するモーター駆動回路を有する電子時計であって、
入力された駆動信号に対応する駆動電流を前記ステッピングモーターのコイルに供給するドライバーと、
前記コイルに流れる電流値を検出する電流検出回路と、
前記ドライバーに第1の駆動信号を出力する第1の駆動手段と、
前記ドライバーに第2の駆動信号を出力する第2の駆動手段と、
前記第1の駆動手段および前記第2の駆動手段を制御する制御手段と、を有し、
前記第1の駆動手段は、前記電流検出回路で検出した前記電流値に基づいて前記第1の駆動信号を出力可能に構成され
前記第2の駆動手段は、前記第2の駆動信号として、前記コイルに供給する前記駆動電流の供給時間が異なる複数種類の駆動信号を出力可能に構成され、
前記制御手段は、前記第1の駆動手段による駆動の結果に基づいて、前記第2の駆動手段が出力する前記第2の駆動信号の種類を選択する
ことを特徴とする電子時計。 - ステッピングモーターを駆動するモーター駆動制御方法であって、
前記ステッピングモーターのコイルに流れる電流値を検出し、その電流値に基づいて前記ステッピングモーターを駆動するドライバーに第1の駆動信号を出力し、前記ステッピングモーターを駆動する第1の駆動ステップと、
前記第1の駆動ステップによる駆動の結果に基づいて、第2の駆動信号の種類を選択し、前記ステッピングモーターを駆動するドライバーに選択した前記第2の駆動信号を出力し、前記ステッピングモーターを駆動する第2の駆動ステップと、を有し、
前記第1の駆動ステップを定期的に実行する
ことを特徴とするモーター駆動制御方法。
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