JP2020015424A - 乗員保護装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】シートの背もたれ部を後傾させて胸部を前上方向に向けた安楽姿勢の乗員を、車両衝突時に、的確に受止可能な乗員保護装置を提供すること。【解決手段】車両1における着座した乗員OPの上方のルーフ6側に収納されて、膨張用ガスGの流入時に下方に展開膨張し、シート4の背もたれ部4aを後傾させて胸部Bを前上方向に向けた安楽姿勢の乗員OPを、車両衝突時に保護可能に受け止めるエアバッグ16、を備える。エアバッグは、膨張完了時に、収納部位12から下方へ延びる基部17と、基部下端17b側に配設される乗員受止部18と、を備える。乗員受止部は、乗員受止部の後端下面側に配設されて、乗員胸部Bに対向する斜め後下向きとして、胸部を受止可能な胸部受止面19と、乗員受止部の後端上面側に配設されて、胸部受止面の上縁19a側から連なるように、斜め後上向きとして、乗員の頭部Hを受止可能な頭部受止面20と、を備える。【選択図】図4

Description

本発明は、車両における着座した乗員の上方のルーフ側に収納されたエアバッグを、車両衝突時に乗員を保護可能に、収納部位から下方に展開膨張させる構成の乗員保護装置に関する。
従来のルーフ側にエアバッグを収納した乗員保護装置としては、乗員の頭部を囲むように、コ字形のエアバッグをルーフ側から展開膨張させるものがあった(例えば、特許文献1参照)。また、展開膨張するエアバッグが、収納部位のルーフ側から前下方側に突出した後、反転し、インストルメントパネルの上面側に支持される状態として、下端側を乗員の腹部側に向けるものもあった(例えば、特許文献2,3参照)。あるいは、展開膨張するエアバッグが、収納部位のルーフ側から後下向き突出し、乗員の前側で、徐々に前方側に湾曲するように、膨張するものもあった(例えば、特許文献4参照)。
特開2013−82418号公報 特開2013−71704号公報 国際公開第2007/014581号パンフレット 特開2018−34772号公報
しかし、いずれの乗員保護装置でも、背もたれ部を後傾させたシートに着座している乗員、すなわち、シートの背もたれ部を後傾させて胸部を前上方向に向けた安楽姿勢の乗員、に対しては、エアバッグが、膨張を完了させても、乗員の胸部から離れて膨張を完了させることから、的確に、乗員を受け止め難く、改善の余地が有った。
本発明は、上述の課題を解決するものであり、シートの背もたれ部を後傾させて胸部を前上方向に向けた安楽姿勢の乗員を、車両衝突時に、的確に受止可能な乗員保護装置を提供することを目的とする。
本発明に係る乗員保護装置は、車両における着座した乗員の上方のルーフ側に収納されて、膨張用ガスの流入時に下方に展開膨張し、シートの背もたれ部を後傾させて胸部を前上方向に向けた安楽姿勢の乗員を、車両衝突時に保護可能に受け止めるエアバッグ、を備えた乗員保護装置であって、
前記エアバッグが、膨張完了時に、収納部位から下方へ延びる基部と、該基部の下端側に配設される乗員受止部と、を備える構成として、
前記乗員受止部が、
前記乗員受止部の後端下面側に配設されて、前記乗員の胸部に対向する斜め後下向きとして、前記胸部を受止可能な胸部受止面と、
前記乗員受止部の後端上面側に配設されて、前記胸部受止面の上縁側から連なるように、斜め後上向きとして、前記乗員の頭部を受止可能な頭部受止面と、
を備えて構成されていることを特徴とする。
本発明に係る乗員保護装置では、車両衝突時、エアバッグが膨張を完了させれば、下端側の乗員受止部が、斜め後下向きとした胸部受止面を安楽姿勢の乗員の胸部に対向させていることから、乗員が上半身を起こすように移動しても、まず、胸部受止面が、胸部を受け止めることができる。その後、胸部を胸部受止面で受け止められている乗員は、さらに、頭部が、首部を中心とした前方側へ回転移動しようとするが、乗員受止部における斜め後上向きとした頭部受止面が、その前方回転しようとする頭部を受け止めることができる。すなわち、安楽姿勢の乗員が上半身を起こそうとしても、エアバッグの胸部受止面が乗員の胸部を受け止め、頭部受止面が乗員の頭部を受け止めて、エアバッグが、乗員の上半身をクッション性良く受け止めることができて、乗員を的確に受け止めて保護することができる。
したがって、本発明に係る乗員保護装置では、シートの背もたれ部を後傾させて胸部を前上方向に向けた安楽姿勢の乗員を、車両衝突時に、的確に受け止めて保護することができる。
そして、本発明に係る乗員保護装置では、前記エアバッグが、車両の前席の上方に配設されるルーフエアバッグとして配設されるとともに、
前記前席の前方側の車体側部位に収納されて、作動時に、収納部位から着座した乗員の前方側に展開膨張する前エアバッグを備え、
膨張完了時の前記前エアバッグが、膨張完了時の前記ルーフエアバッグの前面側を支持可能に、配設されていることが望ましい。
このような構成では、下端側に乗員受止部を設けたルーフエアバッグが膨張を完了させた際、膨張を完了させた前エアバッグが、ルーフエアバッグの前面側を支持することから、ルーフエアバッグが乗員を受け止めて前方移動しようとしても、前エアバッグに支持されて、その移動を規制されることとなり、ルーフエアバッグが、安楽姿勢の乗員を的確に受け止めて保護できる。また、ルーフエアバッグ自体が乗員の前方側の車体側部位に支持されなくとも良いことから、ルーフエアバッグの容積を小さくできて、ルーフエアバッグの膨張を、膨張開始から膨張完了まで、迅速に行える。
この場合、前記前エアバッグが、車両衝突時において、
膨張完了時の後面側を、
前記ルーフエアバッグの非膨張時に、前方移動する乗員を、直接、受止可能な乗員拘束面として構成されるとともに、
前記ルーフエアバッグの膨張完了時に、前記ルーフエアバッグを支持可能な支持面として構成されていることが望ましい。
このような構成では、車両衝突時、膨張を完了させた前エアバッグが、安楽姿勢でない正規姿勢で着座している乗員を、その後面で、直接、受け止めて保護することができる。
また、本発明に係る第2の乗員保護装置は、車両における着座した乗員の上方のルーフ側に収納されて、膨張用ガスの流入時に下方に展開膨張し、シートの背もたれ部を後傾させて胸部を前上方向に向けた安楽姿勢の乗員を、車両衝突時に保護可能に受け止めるエアバッグ、を備えた乗員保護装置であって、
前記エアバッグが、膨張用ガスを流入させて膨張し、前記収納部位から下方に延びる前側部と、該前側部の下端側の反転部から反転して、前記前側部の後方側で上方側へ延びる後側部と、を備えて構成されるとともに、前記後側部に、前記収納部位側から延びるストラップを連結させて、配設され、
前記ストラップが、
前記後側部に連結させた先端部から離れた元部側を、前記後側部へ連結した前記先端部までの長さ寸法を調整可能な長さ調整手段に連結させるとともに、
前記長さ調整手段の調整により、膨張完了時の前記エアバッグにおける前記前側部の後面側と前記後側部の前面側との間の隙間状態として、前記後側部の後面側を前記乗員の胸部に対向可能な第1隙間状態と、該第1隙間状態より隙間を狭くする第2隙間状態との少なくとも2段階に調整されるように、配設されていることを特徴とする。
本発明に係る第2の乗員保護装置では、エアバッグが、前側部と後側部とを第1隙間状態で膨張を完了させれば、後側部が、安楽姿勢の乗員の胸部と対向するように後面側を配設させることから、安楽姿勢の乗員が車両衝突時に上半身を起こすように移動しようとしても、エアバッグの後側部が乗員の胸部をクッション性よく受け止めて、乗員を保護できる。また、前側部と後側部とを第1隙間状態より狭い隙間とした第2隙間状態で膨張を完了させれば、後側部が、安楽姿勢より起こした背もたれ部のシートに着座した乗員、換言すれば、略正規姿勢で着座している乗員の胸部を、エアバッグの後側部の後面側で受け止めることが可能となる。
したがって、本発明に係る第2の乗員保護装置では、ストラップの長さ寸法の調整によって第1隙間状態とした前側部と後側部とを有したエアバッグにより、シートの背もたれ部を後傾させて胸部を前上方向に向けた安楽姿勢の乗員を受け止めて保護することができる。そしてさらに、安楽姿勢より背もたれ部を起こしたシートに着座する略正規姿勢の乗員も、ストラップの調整によって、前側部と後側部とを第2隙間状態に調整したエアバッグの後側部の後面側で受け止めて保護できる。すなわち、本発明に係る第2の乗員保護装置では、安楽姿勢の乗員と、その安楽姿勢より上半身を起こして着座する略正規姿勢の乗員とを、一つのエアバッグにより、的確に保護することできる。
この場合、前記エアバッグの前記後側部が、前記胸部を受止可能な胸部受止部と、該胸部受止部より先端に配置されて、前記乗員の頭部を受止可能な頭部受止部と、を備えて構成されていることが望ましい。
このような構成では、膨張を完了させたエアバッグが、後側部の後面側により、乗員の胸部だけでなく、頭部も受け止めることができることから、より好適に乗員を保護することができる。
また、前記第1隙間状態に調整されている前記エアバッグの後側部が、先端に、前記ルーフに支持される支持部を配設させて、構成されていることが望ましい。
このような構成では、膨張を完了させたエアバッグは、乗員受止時に、エアバッグの後側部の上端側の支持部が、ルーフに支持され、後側部の下端側が、前側部に支持されることとなって、車両衝突時に安楽姿勢の乗員が上半身を起き上がらせようとしても、上下両端で反力を確保した状態で、後側部が、安定した状態で、乗員を受け止めて保護することができる。
また、本発明に係る第2の乗員保護装置では、前記エアバッグが、車両の前席の上方に配設されるルーフエアバッグとして配設されるとともに、
前記前席の前方側の車体側部位に収納されて、作動時に、収納部位から着座した乗員の前方側に展開膨張する前エアバッグを備え、
膨張完了時の前記前エアバッグが、膨張完了時の前記ルーフエアバッグにおける前記前側部の前面側を支持可能に、配設されていることが望ましい。
このような構成では、ルーフエアバッグの前側部自体が乗員の前方側の車体側部位に支持されなくとも良いことから、ルーフエアバッグの容積を小さくできて、ルーフエアバッグの膨張を、膨張開始から膨張完了まで、迅速に行うことができる。
さらに、本発明に係る第2の乗員保護装置では、前記ストラップが、前記長さ調整手段の調整により、膨張完了時の前記エアバッグにおける前記前側部の後面側と前記後側部の前面側との間の隙間状態として、前記第1隙間状態、前記第2隙間状態、及び、第1,2隙間状態以外の隙間状態、に調整できるように、配設されていることが望ましい。
このような構成では、長さ調整手段の調整により、ストラップが、膨張完了時におけるエアバッグの前側部の後面側と後側部の前面側との間の隙間状態を、第1隙間状態や第2隙間状態以外の第3の隙間状態に調整できることから、安楽姿勢や正規姿勢だけでなく、所定の姿勢で着座した乗員に応じて、乗員の上半身を受け止めるエアバッグの後側部の後面を、配置させることが可能となって、膨張を完了させたエアバッグが、安楽姿勢や正規姿勢以外の所定姿勢の乗員を、的確に受け止めて保護することができる。
本発明に係る第1実施形態の乗員保護装置の車両搭載状態を示す概略部分断面図である。 第1実施形態の乗員保護装置のルーフエアバッグと前エアバッグとの膨張状態を示す概略斜視図である。 第1実施形態の乗員保護装置の作動時における安楽姿勢の乗員を受け止める状態を説明する図である。 第1実施形態の乗員保護装置の作動時における乗員の頭部を受け止める状態を説明する図である。 第1実施形態の乗員保護装置の作動時における正規姿勢の乗員を受け止める状態を説明する図である。 第2実施形態の乗員保護装置の作動時を説明する図である。 第3実施形態の乗員保護装置の車両搭載状態を示す概略部分断面図である。 第3実施形態の乗員保護装置のルーフエアバッグと前エアバッグとの膨張状態を示す概略斜視図である。 第3実施形態の乗員保護装置における長さ調整手段を説明する側面図と平面図である。 第3実施形態の乗員保護装置のエアバッグが、前側部と後側部との間の隙間状態を安楽姿勢の乗員に対応させた状態で、膨張を完了させた状態を示す図である。 第3実施形態の乗員保護装置のエアバッグが、前側部と後側部との間の隙間状態を略正規姿勢の乗員に対応させた状態で、膨張を完了させた状態を示す図である。 第3実施形態の乗員保護装置のエアバッグが、前側部と後側部との間の隙間状態を、図10,11に示す状態と異なる状態で、膨張を完了させた状態を示す図である。 第4実施形態の乗員保護装置のエアバッグが、前側部と後側部との間の隙間状態を安楽姿勢の乗員に対応させた状態で、膨張を完了させた状態を示す図である。 第4実施形態の乗員保護装置のエアバッグが、前側部と後側部との間の隙間状態を略正規姿勢の乗員に対応させた状態で、膨張を完了させた状態を示す図である。 長さ調整手段の変形例を説明する平面図である。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明すると、第1実施形態の乗員保護装置10は、図1に示すように、車両1の前席FSの上方におけるルーフ6側に配設されるルーフエアバッグ装置11を備えて構成されている。さらに、第1実施形態の乗員保護装置10では、車両1の前席FS側における助手席前方の車体側部位に、すなわち、インストルメントパネル(インパネ)2の部位に、配設される前エアバッグ装置21、も備えて構成されている。
なお、図1における背もたれ部4aと座部4bとを備えた前席FSのシート4に着座した乗員OPは、背もたれ部4aが後傾しており、胸部Bを前上方向に向けた安楽姿勢の着座状態としている。一方、図5に示すシート4に着座した乗員OPは、背もたれ部4aが起きており、通常姿勢、すなわち、正規姿勢での着座状態としている。
ルーフエアバッグ装置11は、ルーフエアバッグ16と、ルーフエアバッグ16に膨張用ガスを供給するインフレーター14と、折り畳んだルーフエアバッグ16とインフレーター14とを収納して、取付基板8に取付固定されるケース12と、を備えて構成されている。折り畳まれたルーフエアバッグ16は、カバー材7を押し開いて、収納部位としてのケース12から下方へ展開膨張する。
ルーフエアバッグ16は、膨張完了形状を、図2,3に示すように、略直方体形状とした基部17を、ケース12と共に取付基板8に取付固定された上端17a側から下方へ延ばして、下端17b側の後面側に、側方から見て略三角柱状の乗員受止部18を配設させた形状としている。乗員受止部18は、基部17の下端17bの底面17cから、斜め上方向に延びる胸部受止面19と、胸部受止面19の上縁19aから斜め前上方向に延びる頭部受止面20と、を備えて構成されている。
すなわち、胸部受止面19は、乗員受止部18の後端下面側に配設されて、安楽姿勢の乗員OPの胸部Bに対向する斜め後下向きとして、車両1の衝突時に、前上方向に移動する乗員OPの胸部Bを受止可能としている。
頭部受止面20は、乗員受止部18の後端上面側に配設されて、胸部受止面19の上縁19a側から連なるように、斜め後上向きとして、図4に示すように、首部Nを回転中心として、前方回転しようとする乗員OPの頭部Hを受止可能としている。
前エアバッグ装置21は、図1,3に示すように、前席FSのシート4の前方におけるインパネ2の上面側に搭載されて、前エアバッグ26、前エアバッグ26に膨張用ガスを供給するインフレーター24、折り畳まれた前エアバッグ26とインフレーター24とを収納して、図示しないインパネリンホース側に取付固定されるケース22と、を備えて構成されている。
前エアバッグ26は、膨張完了形状を、図2に示すように、後面側から前方側に狭まるような略四角錘形状として、後面26aを、膨張完了時のルーフエアバッグ16の前面16a側を支持する支持面としている。さらに、この前エアバッグ26は、車両衝突時のルーフエアバッグ装置11の作動しない場合には、図5に示すように、後面26a側を、乗員OPを受け止めて保護する乗員拘束面としている。すなわち、この後面26aは、拘束兼用支持面27としている。
なお、乗員保護装置10におけるインフレーター14,24の作動は、制御装置ECUにより制御される。制御装置ECUは、車両1の衝突を検知するフロントバンパ等に配設された衝突検知センサCSからの信号を入力して、衝突したと判定すると、インフレーター24を作動させる。また、そのインフレーター24を作動させようとする時、制御装置ECUは、インパネ2等に搭載されたカメラ等の作動確認センサPSにより、乗員OPが、正規姿勢でなく、ルーフ6から離れて、シート4の背もたれ部4aを後傾させた状態で着座している安楽姿勢の状態としている、と判定していれば、インフレーター14も作動させる。
第1実施形態の乗員保護装置10では、乗員OPが安楽姿勢の着座状態としている時に、車両1が衝突すれば、制御装置ECUが、衝突検知センサCSと作動確認センサPSからの信号を入力して、インフレーター14,24を作動させる。すると、図3に示すように、前エアバッグ26が、インフレーター24からの膨張用ガスGを流入させて、収納部位としてのケース22から後方側に突出し、また、ルーフエアバッグ16が、インフレーター14からの膨張用ガスGを流入させて、収納部位としてのケース12から下方に展開膨張する。
エアバッグ16が膨張を完了させれば、下端17b側の乗員受止部18が、斜め後下向きとした胸部受止面19を安楽姿勢の乗員OPの胸部Bに対向させていることから、乗員OPが上半身UBを起こすように移動しても、まず、胸部受止面19が、胸部Bを受け止めることができる(図3の二点鎖線参照)。その後、胸部Bを胸部受止面19で受け止められている乗員OPは、さらに、頭部Hが、首部Nを中心とした前方側へ回転移動しようとするが、図4の二点鎖線に示すように、乗員受止部18における斜め後上向きとした頭部受止面20が、その前方回転しようとする頭部Hを受け止めることができる。すなわち、安楽姿勢の乗員OPが上半身UBを起こそうとしても、エアバッグ16の胸部受止面19が乗員OPの胸部Bを受け止め、頭部受止面20が乗員OPの頭部Hを受け止めて、エアバッグ16が、乗員OPの上半身UBをクッション性良く受け止めることができて、乗員OPを的確に受け止めて保護することができる。
したがって、第1実施形態の乗員保護装置10では、シート4の背もたれ部4aを後傾させて胸部Bを前上方向に向けた安楽姿勢の乗員OPを、車両1の衝突時に、的確に受け止めて保護することができる。
また、第1実施形態の乗員保護装置10では、エアバッグ16が、車両1の前席FSの上方に配設されるルーフエアバッグ16として配設されるとともに、前席FSの前方側の車体側部位としてのインパネ2に配設されたケース22に収納されて、作動時に、収納部位としてのケース22から着座した乗員OPの前方側に展開膨張する前エアバッグ26を備えて構成されている。そして、膨張完了時の前エアバッグ26が、膨張完了時のルーフエアバッグ16の前面16a側を支持可能に、配設されている。
そのため、第1実施形態では、下端17b側に乗員受止部18を設けたルーフエアバッグ16が膨張を完了させた際、膨張を完了させた前エアバッグ26が、ルーフエアバッグ16の前面16a側を支持することから、ルーフエアバッグ16が乗員OPを受け止めて前方移動しようとしても、前エアバッグ26に支持されて、その移動を規制されることとなり、ルーフエアバッグ16が、安楽姿勢の乗員OPを的確に受け止めて保護できる。また、ルーフエアバッグ16自体が乗員OPの前方側の車体側部位としてのインパネ2に支持されなくとも良いことから、ルーフエアバッグ16の容積を小さくできて、ルーフエアバッグ16の膨張を、膨張開始から膨張完了まで、迅速に行える。
さらに、第1実施形態では、前エアバッグ26が、車両1の衝突時において、図5に示すように、膨張完了時の後面26a側が、ルーフエアバッグ16の非膨張時に、前方移動する乗員OPを、直接、受止可能な乗員拘束面27として構成されるとともに、図3,4に示すように、ルーフエアバッグ16の膨張完了時に、ルーフエアバッグ16を支持可能な支持面27として構成されている。
そのため、第1実施形態では、車両1の衝突時、膨張を完了させた前エアバッグ26が、安楽姿勢でない正規姿勢で着座している乗員OPを、その後面26aで、直接、受け止めて保護することができる。
なお、この場合、制御装置ECUは、乗員OPが安楽姿勢としているとの作動確認センサPSからの信号を受信していないことから、ルーフエアバッグ装置11のインフレーター14を作動させず、車両1の衝突を検知した衝突検知センサCSからの信号に基づき、前エアバッグ装置21のインフレーター24を作動させて、前エアバッグ26だけを膨張させることとなる。
また、第1実施形態では、ルーフエアバッグ16を前エアバッグ26により支持させる構成としたが、図6に示す第2実施形態の乗員保護装置10Aにおけるルーフエアバッグ装置11Aのように、膨張完了時のルーフエアバッグ16Aが、前エアバッグ26に支持されずに、車体側部材に支持されて、乗員OPを受け止めるように構成してもよい。
このルーフエアバッグ16Aは、膨張完了時、基部17の上端17aの前部17af側が、前方側に大きく張り出して、収納部位としてのケース12の前方側の車体側部材としてのルーフ6やウインドシールド3に支持される構成としている。また、基部17の下端17bの後面側には、第1実施形態と同様に、胸部受止面19と頭部受止面20を有した乗員受止部18が配設されている。
この第2実施形態の乗員保護装置10Aでは、制御装置ECUが、車両1の衝突を検知した衝突検知センサCSからの信号を入力した際、乗員OPが安楽姿勢でシート4に着座しているとの作動確認センサPSからの信号を入力すれば、図6に示すように、ルーフエアバッグ装置11Aのインフレーター14を作動させて、ルーフエアバッグ16Aを膨張させる。また、制御装置ECUが、車両1の衝突を検知した衝突検知センサCSからの信号を入力した際、乗員OPが安楽姿勢でシート4に着座しているとの作動確認センサPSからの信号を入力せず、乗員OPが正規姿勢の着座状態としていれば、ルーフエアバッグ装置11Aのインフレーター14を作動させずに、図5に示すのと同様に、前エアバッグ装置21のインフレーター24だけを作動させて、前エアバッグ26を膨張させることとなる。
第3実施形態の乗員保護装置10Bは、図7,10,11に示すように、安楽姿勢の乗員OPを保護するルーフエアバッグ36を有したルーフエアバッグ装置31、を備えて構成されている。さらに、第3実施形態の乗員保護装置10Bでは、膨張完了時のルーフエアバッグ36の前面38a側を支持する前エアバッグ66を有した前エアバッグ装置61、も備えて構成されている。
前エアバッグ装置61は、第1実施形態の前エアバッグ装置21と同様に、前席FSのシート4の前方におけるインパネ2の上面側に搭載されて、前エアバッグ66、前エアバッグ66に膨張用ガスを供給するインフレーター64、折り畳まれた前エアバッグ66とインフレーター64とを収納して、図示しないインパネリンホース側に取付固定されるケース62と、を備えて構成されている。
前エアバッグ66は、膨張完了形状を、図8に示すように、後面側から前方側に狭まるような略四角錘形状として、後面66aを、膨張完了時のルーフエアバッグ36の前面38a側を支持する支持面67としている(図10,11参照)。
また、第3実施形態の乗員保護装置10Bも、第1実施形態と同様に、エアバッグ装置31,61の作動を制御する制御装置ECUを備え、制御装置ECUは、車両1の衝突を検知するフロントバンパ等に配設された衝突検知センサCSと、インパネ2等に搭載されたカメラ等から構成されて乗員OPの安楽姿勢等の着座状態を検知する作動確認センサPSと、からの信号を入力させるように、構成されている。但し、第3実施形態の制御装置ECUは、作動確認センサPSが、乗員OPの胸部Bまでの距離を所定時間(例えば、1秒)毎に、測定しており、その距離に応じた信号を入力させて、後述する長さ調整手段52のステップモータ53を作動させて、後述するストラップ50の長さ寸法Lを、段階的に、例えば、3段階の長い長さ寸法LL(図10参照)、短い長さ寸法LS(図11参照)、中間の長さ寸法LM(図12参照)に調整して、後述するルーフエアバッグ36の前側部38の後面38bと後側部42の前面42aとの間の隙間状態(前側部38の後面38b側に対する後側部42の前面42a側の接近状態、あるいは、前側部38の後面38b側に対する後側部42の前面42a側の反転部40からの折れ曲がり状態、とも言える)を、広い第1隙間状態H1、狭い第2隙間状態H2、中間の第3隙間状態H3、とするように、構成されている。
ルーフエアバッグ装置31は、シート4の上方のルーフ6側に搭載されており、ルーフエアバッグ36と、ルーフエアバッグ36に膨張用ガスを供給するインフレーター34と、折り畳んだルーフエアバッグ36とインフレーター34とを収納して、取付基板8に取付固定されるケース32と、エアバッグ36に連結されるストラップ50と、ストラップ50の長さを調整する長さ調整手段52と、を備えて構成されている。折り畳まれたルーフエアバッグ36は、カバー材7を押し開いて、収納部位としてのケース32から下方へ展開膨張する。
ルーフエアバッグ36は、膨張を完了させると、図8,10〜12に示すように、収納部位としてのケース32から下方に延びる略長方形板状の前側部38と、前側部38の下端39の反転部40から反転して、前側部38の後方側で上方側へ延びる略長方形板状の後側部42と、を備えて構成されている。後側部42の上端(先端)44には、収納部位としてのケース32側から延びるストラップ50の先端部50aが連結される連結部47が、配設されている。
また、後側部42は、後面42bを乗員OPの上半身UBを受け止める受止面43として、受止面43の下側付近を、乗員OPの胸部Bを受止可能な胸部受止部43aとし、その上方付近を乗員OPの頭部Hを受止可能な頭部受止部43bとしている。
さらに、後側部42は、上端(先端)44を、収納部位としてのケース32の後方のルーフ9に当接して支持可能な支持部45として、構成されている。
ストラップ50は、後側部42に連結させた先端部50aから離れた元部50b側を、長さ調整手段52に連結させている。長さ調整手段52は、元部50b側から、車室内側に突出した後側部42の連結部47へ連結した先端部50aまでの、ストラップ50の長さ寸法を調整できるものであり、既述したように、ストラップ50は、長さ調整手段52の長さ調整(長さ寸法LL,LS,LMとする調整)により、膨張完了時のエアバッグ36における前側部38の後面38b側と後側部42の前面42a側との間の隙間状態を、第1隙間状態H1、第2隙間状態H2、第3隙間状態H3に調整する。
第1の隙間状態H1は、ストラップ50を長さ寸法LLに調整したものであり、後側部42の後面42b側を安楽姿勢の乗員OPの胸部Bに対向可能な状態としている(図10参照)。第2の隙間状態H2は、ストラップ50を長さ寸法LSに調整したものであり、後側部42の後面42b側を、背もたれ部4aを起こしたシート4(図11参照)に着座した略正規姿勢の乗員OPの胸部Bに対向可能な状態としている。第3の隙間状態H3は、ストラップ50を長さ寸法LMに調整したものであり、後側部42の後面42b側を、背もたれ部4aを少し後傾させたシート4(図12参照)に着座した乗員OPの胸部Bに対向可能な状態としている。
第3実施形態の長さ調整手段52は、図9に示すように、制御装置ECUに作動を制御されるステップモータ53と、モータ53の駆動軸53aに設けられたウォームギヤ54と、ウォームギヤ54に噛合するピニオンギヤ55と、ピニオンギヤ55と巻き付けローラ57とを固着させて、回動可能に支持される従動軸56と、支持ローラ58と、を備えて構成されている。ストラップ50は、元部50b側が巻き付けローラ57に巻き付けられており、巻き付けローラ57から支持ローラ58を経て延び、延びた先端部50aを、後側部42の連結部47に連結させている。ステップモータ53は、駆動軸53aの回転角度を検出可能なセンサを内蔵させており、制御装置ECUからの信号により、駆動軸53aの回転角度が制御されて、巻き付けローラ57から支持ローラ58側に繰り出されるストラップ50の長さ寸法が制御される。そして、制御装置ECUの制御によって、ステップモータ53は、ストラップ50に張力が発生した際の元部50b側の支持ローラ58から先端部50a側までの長さ寸法が、長い長さ寸法LL(図10参照)、短い長さ寸法LS(図11参照)、中間の長さ寸法LM(図12参照)となるように、作動を制御される。なお、エアバッグ36の展開膨張する前に、既に、作動確認センサPSの信号を入力していた制御装置ECUにより、乗員OPの着座状態に応じて、ステップモータ53は作動制御されており、ストラップ50の元部50b側には、支持ローラ58付近に、長さ寸法LL,LS,LMに応じたストラップ50の一部が繰り出されている。
そして、この第3実施形態の乗員保護装置10Bでは、車両1の衝突時、制御装置ECUにより、インフレーター34,64が作動されて、インフレーター34,64からの膨張用ガスGを流入させたエアバッグ36,66が膨張する。そして、ルーフエアバッグ装置31の作動前に、乗員OPが、図7に示すように、安楽姿勢としていれば、作動確認センサPSの信号を入力していた制御装置ECUは、長さ調整手段52のステップモータ53を制御して、ストラップ50の繰り出す長さを長い長さ寸法LLとするように準備しており、そのため、ルーフエアバッグ36は、ストラップ50の元部50b側から先端部50aまでの長さを長さ寸法LLとして、展開膨張し、前側部38と後側部42とを第1隙間状態H1として、膨張を完了させることから、図10に示すように、後側部42が、安楽姿勢の乗員OPの胸部Bと対向するように後面42b側を配設させることとなって、安楽姿勢の乗員OPが車両1の衝突時に上半身UBを起こすように移動しようとしても、エアバッグ36の後側部42が乗員OPの胸部Bをクッション性よく受け止めて、乗員OPを保護できる。
また、ルーフエアバッグ装置31の作動前に、乗員OPが、図11に示すように、正規姿勢としていれば、作動確認センサPSの信号を入力していた制御装置ECUは、長さ調整手段52のステップモータ53を制御して、ストラップ50の繰り出す長さを短い長さ寸法LSとするように準備しており、そのため、ルーフエアバッグ36の膨張完了時には、ストラップ50の元部50b側から先端部50aまでの長さを短い長さ寸法LSとして、エアバッグ36が展開膨張することから、前側部38と後側部42とを第1隙間状態H1より狭い隙間とする第2隙間状態H2で膨張を完了させることとなって、後側部42が、安楽姿勢より起こした背もたれ部4aのシート4に着座した乗員OP、換言すれば、略正規姿勢で着座している乗員OPの胸部Bを、エアバッグ36の後側部42の後面42b側で受け止めることが可能となる。
したがって、第3実施形態の乗員保護装置10Bでは、ストラップ50の長さ寸法の調整によって第1隙間状態H1の前側部38と後側部42とを有したエアバッグ36により、シート4の背もたれ部4aを後傾させて胸部Bを前上方向に向けた安楽姿勢の乗員OPを受け止めて保護することができる。そしてさらに、安楽姿勢より背もたれ部4aを起こしたシート4に着座する略正規姿勢の乗員OPも、ストラップ50の調整によって、前側部38と後側部42とを第2隙間状態H2に調整したエアバッグ36の後側部42の後面42b側で受け止めて保護できる。すなわち、第3実施形態の乗員保護装置10Bでは、安楽姿勢の乗員OPと、その安楽姿勢より上半身を起こして着座する略正規姿勢の乗員OPとを、一つのエアバッグ36により、的確に保護することできる。
さらに、第3実施形態では、エアバッグ36の後側部42が、胸部Bを受止可能な胸部受止部43aと、胸部受止部43aより先端(上端)44側に配置されて、乗員OPの頭部Hを受止可能な頭部受止部43bと、を備えて構成されている。
そのため、第3実施形態では、膨張を完了させたエアバッグ36が、後側部42の後面42b側により、乗員OPの胸部Bだけでなく、頭部Hも受け止めることができることから、より好適に乗員OPを保護することができる。
また、第3実施形態では、第1隙間状態H1に調整されているエアバッグ36の後側部42が、先端(上端)44に、ルーフ6に支持される支持部45を配設させて、構成されている。
そのため、第3実施形態では、膨張を完了させたエアバッグ36は、乗員受止時に、エアバッグ36の後側部42の上端44側の支持部45が、ルーフ6に支持され、後側部42の下端46側が、前側部38に支持されることとなって、車両1の衝突時に安楽姿勢の乗員OPが上半身UBを起き上がらせようとしても、上下両端44,46で反力を確保した状態で、後側部42が、安定した状態で、乗員OPを受け止めて保護することができる。
また、第3実施形態の乗員保護装置10Bでは、エアバッグ36が、車両1の前席FSの上方に配設されるルーフエアバッグ36として配設されるとともに、前席FSの前方側の車体側部位としてのインパネ2に収納されて、作動時に、収納部位としてのケース62から着座した乗員OPの前方側に展開膨張する前エアバッグ66を備えている。そして、膨張完了時の前エアバッグ66が、膨張完了時のルーフエアバッグ36における前側部38の前面38a側を支持可能に、配設されている。
そのため、第3実施形態では、ルーフエアバッグ36の前側部38自体が乗員OPの前方側の車体側部位としてのインパネ2やウインドシールド3等に支持されなくとも良いことから、ルーフエアバッグ36の容積を小さくできて、ルーフエアバッグ36の膨張を、膨張開始から膨張完了まで、迅速に行うことができる。
さらに、第3実施形態の乗員保護装置10Bでは、ストラップ50が、長さ調整手段52の調整により、膨張完了時のエアバッグ36における前側部38の後面38b側と後側部42の前面42a側との間の隙間状態として、第1隙間状態H1、第2隙間状態H2、及び、第1,2隙間状態H1,H2の隙間状態H3、に調整できるように、配設されている。
そのため、第3実施形態では、長さ調整手段52の調整により、ストラップ50が、膨張完了時におけるエアバッグ36の前側部38の後面38b側と後側部42の前面42a側との間の隙間状態を、第1隙間状態H1や第2隙間状態H3以外の第3隙間状態H3に調整できることから、図12に示すように、安楽姿勢や正規姿勢だけでなく、所定の姿勢で着座した乗員OPに応じて、乗員OPの上半身UBを受け止めるエアバッグ36の後側部42の後面42bを、配置させることが可能となって、膨張を完了させたエアバッグ36が、安楽姿勢や正規姿勢以外の所定姿勢の乗員OPを、的確に受け止めて保護することができる。
なお、第3実施形態では、制御装置ECUが、作動確認センサPSからの信号を入力して、元部50b側から先端部50a側を繰り出すストラップ50の長さ寸法を、図10に示すような長い長さ寸法LL、図11に示す短い長さ寸法LS、図12に示す中間の長さ寸法LMの3段階に調整する場合を示したが、作動確認センサPSからの乗員OPの離隔距離に応じて、4段階や5段階等のさらに多段に、ストラップ50の長さ寸法を調整して、膨張完了時におけるエアバッグ36の前側部38の後面38b側と後側部42の前面42a側との間の隙間状態を、さらに細かく調整するようにしても良い。勿論、作動確認センサPSからの乗員OPの離隔距離に対応した正比例の直線的に、元部50b側から室内側に繰り出す先端部50a側までのストラップ50の長さ寸法を調整し、膨張完了時におけるエアバッグ36の前側部38の後面38b側と後側部42の前面42a側との相互の間の隙間状態、換言すれば、エアバッグ36の後側部42の前面42a側の水平方向からの起き上がり角度を調整してもよい。
また逆に、作動確認センサPSからの信号を入力して、元部50b側から先端部50a側を繰り出すストラップ50の長さ寸法を、図10に示すような長い長さ寸法LLと図11に示す短い長さ寸法LSとの2段階で調整するようにしても良い。
なお、第3実施形態では、ルーフエアバッグ36を前エアバッグ66により支持させる構成としたが、図13,14に示す第4実施形態の乗員保護装置10Cのルーフエアバッグ装置31Aのように、膨張完了時のルーフエアバッグ36Cが、前エアバッグ66に支持されずに、車体側部材としてのインパネ2、ルーフ6、あるいは、ウインドシールド3に支持されて、乗員OPを受け止めるように構成してもよい。
このルーフエアバッグ36Cは、膨張完了時、第3実施形態のエアバッグ36に比べて、前側部38Cが前後方向の厚さ寸法を厚くして、上面38c側や前面38a側を車体側部材としてのインパネ2、ルーフ6、あるいは、ウインドシールド3に支持させる構成としている。後側部42は、第3実施形態と同様な構成としている。
この第4実施形態の乗員保護装置10Cでは、制御装置ECUが、車両1の衝突を検知した衝突検知センサCSからの信号を入力した際、乗員OPが安楽姿勢でシート4に着座しているとの作動確認センサPSからの信号を入力すれば、長さ調整手段52のステップモータ53を作動させて、ストラップ50を長さ寸法LLとしつつ、インフレーター34を作動させることから、図13に示すように、ルーフエアバッグ36Cが膨張して、前側部38Cの上面38c側をルーフ6やウインドシールド3等に支持させた状態で、後側部42の後面43を安楽姿勢の乗員OPの胸部Bに対向させるように配設させることから、後側部42の後面43側が、前方に移動する乗員OPの胸部Bと頭部Hとを受け止めることができる。
また、制御装置ECUが、車両1の衝突を検知した衝突検知センサCSからの信号を入力した際、乗員OPが正規姿勢でシート4に着座しているとの作動確認センサPSからの信号を入力すれば、長さ調整手段52のステップモータ53を作動させて、ストラップ50を長さ寸法LSとしつつ、インフレーター34を作動させることから、図14に示すように、ルーフエアバッグ36Cが膨張して、前側部38Cの前面38a側をインパネ2に支持させた状態で、後側部42の後面43を正規姿勢の乗員OPの胸部Bに対向させるように配設させることから、後側部42の後面43側が、前方に移動する乗員OPの胸部Bと頭部Hとを受け止めて保護することができる。
なお、元部50b側から先端部50a側を繰り出すストラップ50の長さ寸法を、図10に示すような長い長さ寸法LLと図11に示す短い長さ寸法LSとの2段階で調整する場合、例えば、図15に示す長さ調整手段72のように、ストラップ50Dの元部50b側を係止状態、あるいは、係止解除状態として、調整することができる。
この長さ調整手段72は、マイクロガスジェネレータ(MGG)等から形成されるアクチュエータ73を使用するもので、制御装置ECUからの作動信号を入力すると、係止ピン74をストラップ50Dの元部50b側に設けられた係止孔50cから引き抜くように、作動する。係止孔50cから係止ピン74を引き抜かれたストラップ50Dは、図15のBに示すように、元部50b側を保持ピン75に係止されており、この係止部位50eから図示しない先端部50aまでの長さを、長い長さ寸法LLとなるように設定される。逆に、図15のAに示すように、ストラップ50Dは、係止孔50cから係止ピン74が引き抜かれなければ、係止ピン74に係止された係止部位50dから図示しない先端部50aまでの長さを、短い長さ寸法LSとなるように設定されている。
そのため、この長さ調整手段72では、アクチュエータ73が作動しない状態で、ルーフエアバッグ36を膨張させれば、ストラップ50Dが短い長さ寸法LSとしてルーフエアバッグ36が膨張することから、膨張を完了させたエアバッグ36は、図11に示すような正規姿勢の乗員OPを受け止めて保護できる。一方、この長さ調整手段72では、アクチュエータ73を作動させた状態で、ルーフエアバッグ36を膨張させれば、ストラップ50Dが長い長さ寸法LLとしてルーフエアバッグ36が膨張することから、膨張を完了させたエアバッグ36は、図10に示すような安楽姿勢の乗員OPを受け止めて保護できることとなる。
また、各実施形態では、前席FSのシート4に着座した乗員OPを受け止めるように、ルーフエアバッグ16,16A,36,36Cを配設させたが、後席のシートに着座した安楽姿勢の乗員を受止可能に、ルーフエアバッグを配設させてもよい。その場合、膨張完了時のルーフエアバッグが、単体で周囲のルーフや前席の背もたれ部等に支持される状態で、乗員を受け止めるように構成してもよいし、前席の背もたれ部等から前エアバッグを膨張させて、前エアバッグに支持される状態で、乗員を受け止めるように構成してもよい。
1…車両、2…(車体側部位・インストルメントパネル)インパネ、4…シート、4a…背もたれ部、6…ルーフ、10,10A,10B,10C…乗員保護装置、
16,16A…ルーフエアバッグ、17…基部、17b…下端、18…乗員受止部、19…胸部受止面、19a…上縁、20…頭部受止面、26…前エアバッグ、26a…後面、
36,36C…ルーフエアバッグ、38,38C…前側部、38a…前面、38b…後面、39…下端、40…反転部、42…後側部、42a…前面、42b…後面、43a…胸部受止部、43b…頭部受止部、44…(先端)上端、45…支持部、50,50D…ストラップ、50a…先端部、50b…元部、52,72…長さ調整手段、66…前エアバッグ、66a…後面、67…支持面、
FS…前席、H1…第1隙間状態、H2…第2隙間状態、H3…第3隙間状態、G…膨張用ガス、OP…乗員、H…頭部、B…胸部。

Claims (8)

  1. 車両における着座した乗員の上方のルーフ側に収納されて、膨張用ガスの流入時に下方に展開膨張し、シートの背もたれ部を後傾させて胸部を前上方向に向けた安楽姿勢の乗員を、車両衝突時に保護可能に受け止めるエアバッグ、を備えた乗員保護装置であって、
    前記エアバッグが、膨張完了時に、収納部位から下方へ延びる基部と、該基部の下端側に配設される乗員受止部と、を備える構成として、
    前記乗員受止部が、
    前記乗員受止部の後端下面側に配設されて、前記乗員の胸部に対向する斜め後下向きとして、前記胸部を受止可能な胸部受止面と、
    前記乗員受止部の後端上面側に配設されて、前記胸部受止面の上縁側から連なるように、斜め後上向きとして、前記乗員の頭部を受止可能な頭部受止面と、
    を備えて構成されていることを特徴とする乗員保護装置。
  2. 前記エアバッグが、車両の前席の上方に配設されるルーフエアバッグとして配設されるとともに、
    前記前席の前方側の車体側部位に収納されて、作動時に、収納部位から着座した乗員の前方側に展開膨張する前エアバッグを備え、
    膨張完了時の前記前エアバッグが、膨張完了時の前記ルーフエアバッグの前面側を支持可能に、配設されていることを特徴とする請求項1に記載の乗員保護装置。
  3. 前記前エアバッグが、車両衝突時において、
    膨張完了時の後面側を、
    前記ルーフエアバッグの非膨張時に、前方移動する乗員を、直接、受止可能な乗員拘束面として構成されるとともに、
    前記ルーフエアバッグの膨張完了時に、前記ルーフエアバッグを支持可能な支持面として構成されていることを特徴とする請求項2に記載の乗員保護装置。
  4. 車両における着座した乗員の上方のルーフ側に収納されて、膨張用ガスの流入時に下方に展開膨張し、シートの背もたれ部を後傾させて胸部を前上方向に向けた安楽姿勢の乗員を、車両衝突時に保護可能に受け止めるエアバッグ、を備えた乗員保護装置であって、
    前記エアバッグが、膨張用ガスを流入させて膨張し、前記収納部位から下方に延びる前側部と、該前側部の下端側の反転部から反転して、前記前側部の後方側で上方側へ延びる後側部と、を備えて構成されるとともに、前記後側部に、前記収納部位側から延びるストラップを連結させて、配設され、
    前記ストラップが、
    前記後側部に連結させた先端部から離れた元部側を、前記後側部へ連結した前記先端部までの長さ寸法を調整可能な長さ調整手段に連結させるとともに、
    前記長さ調整手段の調整により、膨張完了時の前記エアバッグにおける前記前側部の後面側と前記後側部の前面側との間の隙間状態として、前記後側部の後面側を前記乗員の胸部に対向可能な第1隙間状態と、該第1隙間状態より隙間を狭くする第2隙間状態との少なくとも2段階に調整されるように、配設されていることを特徴とする乗員保護装置。
  5. 前記エアバッグの前記後側部が、前記胸部を受止可能な胸部受止部と、該胸部受止部より先端に配置されて、前記乗員の頭部を受止可能な頭部受止部と、を備えて構成されていることを特徴とする請求項4に記載の乗員保護装置。
  6. 前記第1隙間状態に調整されている前記エアバッグの後側部が、先端に、前記ルーフに支持される支持部を配設させて、構成されていることを特徴とする請求項4若しくは請求項5に記載の乗員保護装置。
  7. 前記エアバッグが、車両の前席の上方に配設されるルーフエアバッグとして配設されるとともに、
    前記前席の前方側の車体側部位に収納されて、作動時に、収納部位から着座した乗員の前方側に展開膨張する前エアバッグを備え、
    膨張完了時の前記前エアバッグが、膨張完了時の前記ルーフエアバッグにおける前記前側部の前面側を支持可能に、配設されていることを特徴とする請求項4乃至請求項6のいずれか1項に記載の乗員保護装置。
  8. 前記ストラップが、
    前記長さ調整手段の調整により、
    膨張完了時の前記エアバッグにおける前記前側部の後面側と前記後側部の前面側との間の隙間状態として、前記第1隙間状態、前記第2隙間状態、及び、第1,2隙間状態以外の隙間状態、に調整できるように、配設されていることを特徴とする請求項4乃至請求項7のいずれか1項に記載の乗員保護装置。
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