JP2020014393A - 含水卵熱凝固物含有卵食品の冷凍品及びその製造方法 - Google Patents

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【課題】水分を多く含むために解凍時間が長くなりがちな卵食品の冷凍品の解凍時間を短縮する。【解決手段】卵食品の含水卵熱凝固物を含有する部分のBrixを16以上に調整することにより、該卵食品の冷凍品の電子レンジによる解凍時間を短縮する方法である。その方法を用いた含水卵熱凝固物を含有する冷凍卵食品の製造方法である。含水卵熱凝固物を含有する卵食品であって、卵、調味料、増粘剤を含有し、水分含量が60重量%以上であり、含水卵熱凝固物を含有する部分のBrixが16以上に調整されていることを特徴とする含水卵熱凝固物含有卵食品の冷凍品である。【選択図】 図1

Description

本発明は、卵だけではなく調味液を含有する、水分含量が多い卵食品の冷凍品の解凍時間を短縮する方法に関する。特に、ご飯と組み合わせて冷凍オムライス、親子丼等を製造する場合に、ご飯と卵食品の解凍時間の差を小さくする方法に関する。
オムレツ、オムライス等の卵加工食品は定番で人気がある商品である。焼きたてのオムレツは中が半熟でとろりと柔らかいのが魅力となる。しかしながら、これを冷凍食品として提供する場合、製造工程における加熱、冷凍流通、喫食時のレンジ加熱などを経るため、焼きたての食感を保持するのが難しい。特に近年、「ふわとろオムライス」、「とろとろオムライス」等と呼ばれる特に内容物が柔らかいオムレツを載せたオムライスが人気となっている。チキンライス等の上に載せられたそれらオムレツの表面に切り目を入れると中身がとろけ出すほどの柔らかさである。
オムレツの半熟感を持たせた冷凍食品等を提供するための、解決策の一つが薄く焼いた卵シートと半熟様に加工した卵加工品を組合せる方法である(特許文献1〜4等)。半熟様の卵加工品には冷凍耐性、電子レンジ加熱耐性を与えるための澱粉や油脂が添加され、柔らかさを保持する工夫がされている。また、半熟感のある卵加工品の製造方法としては、特許文献5、6などがある。
特開平6−327437号 特開2001−178419号 特開2008−167661号 特開2007−43927号 特開2001−157561号 特許第2946503号
本願発明は、卵だけのオムレツではなく、調味液を含有し、半熟感、液状感の強い内容物を含むオムレツのように、水分を多く含むために解凍時間が長くなりがちな卵食品の冷凍品の解凍時間を短縮することを課題とする。
本発明者らは、液状感の強い、流動性のある内容物を包んだオムレツを製造する方法を検討する中で、本願発明の方法を見出した。
本願発明は、下記(1)〜(7)の卵食品の冷凍品の電子レンジによる解凍時間を短縮する方法及びそれを用いた含水卵熱凝固物を含有する冷凍卵食品の製造方法、(8)〜(12)の含水卵熱凝固物含有卵食品の冷凍品を要旨とする。
(1)卵食品の含水卵熱凝固物を含有する部分のBrixを16以上に調整することにより、該卵食品の冷凍品の電子レンジによる解凍時間を短縮する方法。
(2)(1)の方法を用いた含水卵熱凝固物を含有する冷凍卵食品の製造方法。
(3)含水卵熱凝固物を含有する卵食品がオムレツ、スクランブルエッグ、丼物の具材、又は、卵を含有する餡である(1)又は(2)の方法。
(4)含水卵熱凝固物を含有する卵食品の水分含量が60重量%以上である(1)ないし(3)いずれかの方法。
(5)Brixを調整する方法が、糖類、糖アルコール、水溶性食物繊維から選択される1種又は2種以上を含有させることである(1)ないし(4)いずれかの方法。
(6)含水卵熱凝固物が、調味料及び/又は増粘剤を含有する熱水中で加熱されたものである(1)ないし(5)いずれかの方法。
(7)(3)ないし(6)いずれかの方法で製造したオムレツとご飯を組み合わせることを特徴とする冷凍オムライスの製造方法。
(8)含水卵熱凝固物を含有する卵食品であって、卵、調味料、増粘剤を含有し、水分含量が60重量%以上であり、含水卵熱凝固物を含有する部分のBrixが16以上に調整されていることを特徴とする含水卵熱凝固物含有卵食品の冷凍品。
(9)含水卵熱凝固物を含有する卵食品がオムレツ、スクランブルエッグ、丼物の具材、又は、卵を含有する餡である(8)の含水卵熱凝固物含有卵食品の冷凍品。
(10)オムレツが、含水卵熱凝固物を含有する素材を卵シートで包んだものである(9)の冷凍オムレツ。
(11)(9)又は(10)の冷凍オムレツとご飯を組合せた冷凍オムライス。
(12)冷凍オムレツとご飯の重量比が10:6〜10:30である(11)の冷凍オムライス。
本発明により、含水卵熱凝固物を含有する卵食品の解凍時間を短縮することができる。特に、ご飯と組み合わせた冷凍オムライス、親子丼を提供する場合に、ご飯と卵食品の解凍時間の差を小さくすることができる。
実施例6及び7のBrixの値と、オムレツ中心部の温度、チキンライス中心部の温度をプロットしたグラフである。
卵食品の代表であるオムレツは、溶き卵に調味料や具材を加え、加熱して一定の形状に成型したものである。本発明の対象とするオムレツは特に水分含有量の多いオムレツである。
冷凍食品としてオムレツを提供する場合、焼きたてを提供することはできず、製造工程における加熱、冷凍流通、喫食時のレンジ加熱などを経るため、溶き卵のみを原料としたのでは、中が半熟でとろりと柔らかいオムレツを提供するのが困難である。そのため、卵に水分を加えることが必要になる。溶き卵を湯中で加熱した含水卵熱凝固物を用いる、加熱変性しにくい添加物を加える、熱変性しにくい加工品を用いる、増粘剤含有調味液を加えるなどの工夫がなされる。これらの方法により、電子レンジ解凍後にも半熟感を維持した冷凍オムレツを提供することができる。
しかしながら、水分量が多くなるほど、その凍結品である冷凍オムレツの電子レンジ解凍に要する時間が長くなる。電子レンジ用の商品は利便性が強く求められる商品であるため、解凍時間が長いことは大きなデメリットとなる。特に、ご飯と組み合わせる冷凍オムライスの場合、ご飯の解凍時間とオムレツの解凍時間に差があると、一方が過加熱となり、他方が冷たいままというような不都合が生じることになる。
親子丼、かつ丼、玉子丼なども、卵食品の代表である。これらを冷凍食品として提供する場合にも、卵の部分が製造時の加熱、冷凍流通、喫食時のレンジ加熱などを経ても、半熟感を維持させることが望まれる。そのため、上述のオムレツと同様に水分を多く含ませた、含水卵熱凝固物を用いる方法がとられる。
本発明は、そのような水分量の多い卵食品の解凍時間を短縮する方法を提供するものである。具体的には、卵食品中の、含水卵熱凝固物が含まれる部分のBrixを16以上に調整することにより解凍時間を短縮する方法である。
含水卵熱凝固物とは、溶き卵に水分を添加して加熱されたもの、あるいは溶き卵を湯中で加熱することによって水分を含む状態に加熱されたものを意味する。含水卵熱凝固物を含有する卵食品の水分含量は60〜80重量%以上である。Brixを高めることにより水分量は低下する。
「含水卵熱凝固物が含まれる部分」とは、例えば、卵シートで含水卵熱凝固物が含まれたオムレツの場合、卵シートを除いた内容物の部分であり、親子丼の場合、鶏肉等を除いた卵の部分を意味する。
含水卵熱凝固物が含まれる部分に塩類、糖類、アミノ酸類等を添加することにより、Brixを16以上、好ましくは20以上、さらに好ましくは、25以上に調製することにより、卵食品の解凍時間を短縮することができる。添加するのは、上記の他、Brixを高めることができる成分であれば何でもよいが、味に影響が少ない成分、量を選択するのが好ましい。具体的には、オリゴ糖、水飴、粉末水飴、デキストリン等の多糖類、糖アルコール、多糖類、水溶性食物繊維が例示される。
含水卵熱凝固物を含有する卵食品には、オムレツ、オムライス、スクランブルエッグ、親子丼、かつ丼、天津丼などの丼物、卵を含む餡などが例示される。
以下に、含水卵熱凝固物と増粘剤含有調味液とを卵シートで包んだオムレツを具体例として、含水卵熱凝固物を含有する卵食品である冷凍オムレツの製造方法を説明する。
卵の成分は熱で凝固するため、加熱、冷凍、解凍等を経る加工食品として柔らかい卵料理を提供するのは容易ではない。卵成分を含む含水卵熱凝固物は65℃以上に加熱して凝固させたものを用い、流動感を与える部分には、増粘剤を含有し、バターや牛乳などのオムレツに風味を付ける成分を配合した調味液を主成分として存在させたものを用いる。液状部の主成分が卵でないことにより、加熱、冷凍、解凍、再加熱の工程を経ても、液状感に変化はなく、全体として風味の付与されたオムレツに仕上がる。
本発明において、卵シートとは、卵液に調味料等を添加して、薄い膜状に加熱したものであり、薄焼き卵に代表される。どのような配合、製造方法で製造されたものでもよく、形状も問わないが、一辺あるいは直径が15〜30cm程度の四角形、円形、楕円形等が好ましく、厚みが0.3〜2.0mm程度のものが適している。
大量生産するには、焼成ドラムに卵液を供給し、連続的に卵シートを焼成して用いるのが好ましい。卵シート用卵液には、通常、澱粉、油脂、乳化油脂、糖、糖アルコール、食塩、pH調製剤、卵粉末、乾燥卵白、色素、水などが副原料として添加される。これらにより、卵シートに好ましい外観、風味、保湿性、弾力などが付与される。その他の副原料も卵シートの焼成に影響を与えないものであれば、何を添加してもよい。
本発明において、含水卵熱凝固物とは、調味料、増粘剤などを添加した卵液を卵が凝固する温度である65℃以上の熱水中に投入し、加熱して、粒状に熱凝固させたものであり、水分を含有した状態で熱凝固させたものである。熱水にはとろみを出すために0.1〜5重量%程度の増粘剤を添加しておくのが好ましい。また、卵液には、キサンタンガムなどの増粘剤を0.2〜2.0重量%程度添加しておくと、卵が薄皮状にならず、粒状に凝固する。
含水卵熱凝固物の原料となる卵液には、製造後の凝固卵の外観、風味、食感をよくし、冷凍耐性、電子レンジ耐性などを付与するため、澱粉、油脂、乳化油脂、糖、糖アルコール、食塩、調味エキス、pH調製剤、乾燥卵白、色素、水などを添加するのが好ましい。
熱水中で凝固した含水卵熱凝固物は、水を切ってから、用いてもよいし、熱水ごと、増粘剤含有調味液と混合して用いてもよい。
本発明において、増粘剤含有調味液とは、オムレツに風味やうま味を付与する調味液に増粘剤を添加して、粘度を持たせた調味液である。調味成分は目的とするオムレツによって、バター、牛乳、エキス、コンソメ、ブイヨン、フレーバーなどの洋風の調味成分でも、出汁、エキス、醤油のような和風の調味成分でもよい。
オムレツの内容物として適度な粘度を付与するのが重要であり、増粘剤を添加して、加熱することにより、含水卵熱凝固物と増粘剤含有調味液の混合物の粘度を500〜50000mPa・sになるように調製する。好ましくは、800〜20000mPa・s、さらに好ましくは、1000〜10000mPa・sである。粘度は、回転式粘度計(リオン株式会社製ビスコテスタVT−04Fなど)を用いて、喫食時に想定される温度(本明細書では60℃)で測定する。用いる増粘剤は食用の一般的な増粘剤であればよく、澱粉、増粘多糖類、増粘タンパク質などを使用する。具体的には、馬鈴薯、とうもろこし、米、小麦、タピオカなどの各種澱粉・加工澱粉、キタンサンガム、ペクチン、アラビアガム、カラギーナン、タマリンドシードガム、ジェランガム、グアガム、タラガム、ローカストビーンガム、サイリュームシードガム、食物繊維、セルロース誘導体などが例示される。
Brixの調製はこの調味液に対して行うのが適当である。水飴、粉末水飴、デキストリン、ポリデキストロース等のBrixを調製することができる成分を調味液に添加して、オムレツの液状部のBrixを調製する。
上述した、卵シート、含水卵熱凝固物及び増粘剤含有調味液を組合せて、オムレツを製造する。含水卵熱凝固物と増粘剤含有調味液を混合したものを卵シートで包むだけでよい。大量生産する場合、製造したいオムレツの形の型に卵シートをかぶせ、中央部に含水卵熱凝固物と増粘剤含有調味液の混合物をのせ、卵シートを折りたたみ、包むのがよい。その型のまま、凍結すれば、卵シートが破れたり、混合物がもれたりすることもない。
卵シート、含水卵熱凝固物及び増粘剤含有調味液の量比は製造したいオムレツのタイプによるが、例えば、卵シート:含水卵熱凝固物及び増粘剤含有調味液の重量比を1:3〜6程度、含水卵熱凝固物:増粘剤含有調味液の重量比を1:2〜4程度で組み合わせることができる。
オムレツには、含水卵熱凝固物及び増粘剤含有調味液以外の調理済みの具材を一緒に配合してもよい。具体的にはオムレツの具材としてよく用いられる、チーズ、ハム、ベーコン、コーン、野菜、キノコなどが例示される。
上記の冷凍オムレツをチキンライスなどのご飯の上にのせると、とろける内容物を含んだオムレツを載せたオムライスを製造することができる。オムライスに用いるご飯は白飯でもよいが、味付けご飯が好ましく、白飯にバターを絡めたバターライス、スープで炊いたご飯、トマトケチャップ等で味付けしたチキンライスなど、オムレツに合う味付けがされたご飯である。
冷凍食品としては、トレイに盛り付けた味付けご飯の上に凍結したオムレツをのせ、適宜デミグラスソースなどを掛けて、トレイごと凍結することによって、オムライスの冷凍品を提供することができる。冷凍オムレツとご飯の重量比は自由であるが、一般的な商品としては、10:6〜10:30が適当である。
以下に本発明の実施例を記載するが、本発明はこれらに何ら限定されるものではない。
卵シートの製造
表1の配合の卵液を調製した。この卵液を春巻の皮の焼成装置(大英技研株式会社製HT-45)に供給し、卵シートを製造した。幅16cmのシートを連続的に焼成し、長さ17cmでカットして用いた。厚さは0.4〜0.8mm程度であった。
Figure 2020014393
含水卵熱凝固物の製造
加工澱粉を2重量%含む80℃以上の熱水中に、表2の配合の卵液を投入し、卵を加熱凝固させた。
Figure 2020014393
含水卵熱凝固物と増粘剤含有調味液の混合物の製造
実施例2の熱水中の含水卵熱凝固物に、表3の配合の調味液を加え、加熱混合し、とろみのある含水卵熱凝固物と増粘剤含有調味液の混合物を製造した。また、オムライスに用いるために、粉末水飴を配合した表4の配合でも、同様に含水卵熱凝固物と増粘剤含有調味液の混合物を製造した。表3の配合の調味液のBrixは6であり、表4の配合の調味液のBrixは20であった。
Figure 2020014393
Figure 2020014393
上記、表4の配合で製造した含水卵熱凝固物と増粘剤含有調味液の混合物の粘度の温度による変化をリオン株式会社製ビスコテスタVT−04F(ローターNo.1)を用いて測定した。
結果を表5に示す。喫食に適した温度50−65℃でも、また、弁当等室温で食する場合の温度20−30℃でも流動性を保持できる程度の粘度であることが確認された。
Figure 2020014393
オムレツの製造
実施例1で製造した卵シートをオムレツ用の型に敷き、実施例3の含水卵熱凝固物と増粘剤含有調味液の混合物を80g載せ、卵シートを折りたたみ、包み込んだ。型のまま凍結し、冷凍オムレツを製造した。この冷凍オムレツを電子レンジにより解凍・加熱したところ、内容物の流動性が維持されたオムレツを復元することができた。
実施例3の表4の配合で製造したオムレツは表3の配合に比べて、短時間で解凍することができた。
オムライスの製造
常法にしたがって、チキンライスを調製した。150gのチキンライスに実施例4で製造した冷凍オムレツをのせ、チキンライスと共に凍結し、冷凍オムライスを製造した。この冷凍オムライスを電子レンジにより解凍したところ、実施例3の表3の配合で製造したオムレツはチキンライスと比べて解凍に要する時間が長く、オムレツが解凍するまで加熱すると、チキンライスが過加熱になり、バランスよく解凍できなかった。
一方、表4の配合で製造したオムレツを用いたオムライスは、オムレツの解凍時間が短縮されているため、オムレツとチキンライスの加熱のバランスがよく、より好ましい出来上がりとなった。チキンライスとオムレツをセットにした製品を製造する場合には、必要に応じて、粉末水飴等でBrixを高め、解凍時間を調整したものを組合せるのが好ましい。
解凍の程度に及ぼすBrixの影響
常法にしたがって、チキンライス及びデミグラスソースを調製した。トレイに150gのチキンライスを入れ、60gのデミグラスソースをかけ、実施例3の表3の配合で製造した冷凍オムレツを載せ、袋にいれて凍結し、冷凍オムライスを製造した。表3の水分の一部を表6に示す量の粉末水飴を含有するように置換して製造した冷凍オムレツを用いて同様に、冷凍オムライスを製造した。
それぞれのオムレツのBrixと、冷凍オムライスを袋のまま、500Wの電子レンジで6分間加熱調理し、1分間袋のまま蒸らした後の品温を表6に示した。冷凍オムライスは−18℃で冷凍されていたものであり、加熱調理前の品温は−15.8℃であった。品温は、オムレツの左右の端と中心部、チキンライスの中心部及びデミグラスソースの上部について測定した。
結果を表6に示す。粉末水飴の添加量の増加に伴い、Brixが上昇し、6分間の加熱で昇温しにくかったオムレツ中心部の温度が昇温することがわかる。オムレツの中心部の昇温のしにくさは、オムレツの水分量、ご飯の有無、オムレツ:ご飯の量比、オムレツの形状(特に厚み)などによる大きく影響されるため、適するBrixの値は製品設計によって調節するのが好ましい。また、本実施例では、電子レンジ加熱時間を6分間に設定したが、この時間の設定によっても必要となるBrixは異なる。
Figure 2020014393
実施例6よりも、粉末水飴の添加量を少なくして、同様の試験を行った。表7に示すように、粉末水飴の添加量が少なくても、添加量に依存して、オムレツの中心温度が早く上昇した。
Figure 2020014393
図1に、実施例6と実施例7のBrixの値と、オムレツ中心部の温度、チキンライス中心部の温度をプロットした。同じ時間電子レンジで加熱しても、オムレツのBrixが上がるほど、オムレツの温度がチキンライスの温度に近くなることがわかる。
本発明の方法により、水分を多く含む含水卵熱凝固物含有卵食品の解凍時間を短縮することができる。この含水卵熱凝固物含有卵食品とご飯等と組み合わせて、電子レンジ解凍に適した冷凍オムライス等を提供することができる。

Claims (12)

  1. 卵食品の含水卵熱凝固物を含有する部分のBrixを16以上に調整することにより、該卵食品の冷凍品の電子レンジによる解凍時間を短縮する方法。
  2. 請求項1の方法を用いた含水卵熱凝固物を含有する冷凍卵食品の製造方法。
  3. 含水卵熱凝固物を含有する卵食品がオムレツ、スクランブルエッグ、丼物の具材、又は、卵を含有する餡である請求項1又は2の方法。
  4. 含水卵熱凝固物を含有する卵食品の水分含量が60重量%以上である請求項1ないし3いずれかの方法。
  5. Brixを調整する方法が、糖類、多糖類、糖アルコール、水溶性食物繊維から選択される1種又は2種以上を含有させることである請求項1ないし4いずれかの方法。
  6. 含水卵熱凝固物が、調味料及び/又は増粘剤を含有する熱水中で加熱されたものである請求項1ないし5いずれかの方法。
  7. 請求項3ないし6いずれかの方法で製造したオムレツとご飯を組み合わせることを特徴とする冷凍オムライスの製造方法。
  8. 含水卵熱凝固物を含有する卵食品であって、卵、調味料、増粘剤を含有し、水分含量が60重量%以上であり、含水卵熱凝固物を含有する部分のBrixが16以上に調整されていることを特徴とする含水卵熱凝固物含有卵食品の冷凍品。
  9. 含水卵熱凝固物を含有する卵食品がオムレツ、スクランブルエッグ、丼物の具材、又は、卵を含有する餡である請求項8の含水卵熱凝固物含有卵食品の冷凍品。
  10. オムレツが、含水卵熱凝固物を含有する素材を卵シートで包んだものである請求項9の冷凍オムレツ。
  11. 請求項9又は10の冷凍オムレツとご飯を組合せた冷凍オムライス。
  12. 冷凍オムレツとご飯の重量比が10:6〜10:30である請求項11の冷凍オムライス。
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