JP2003289818A - チルド流通タイプの麺類およびその製造方法 - Google Patents
チルド流通タイプの麺類およびその製造方法Info
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Abstract
理しなくとも喫食可能で、しかも従来のチルドタイプの
茹で麺等と違って、コシがあって茹で伸びしない、食
味、食感の良い麺類の製造方法を提供する。 【解決手段】 チルド流通タイプの麺類の製造方法であ
って、以下の工程 a:原料粉に、アルギン酸、アルギン酸塩、アルギン酸
エステルのいずれか一つ以上を添加する工程、b:後工
程eの加熱処理後の麺線pHが6.0〜8.0になるよ
うに、原料粉に必要に応じてアルカリ剤を添加する工
程、c:原料を加水混練し、製麺して生麺線を得る工
程、d:生麺線をα化せずに包装体に密封包装する工
程、e:密封包装した包装体ごと85℃〜100℃で1
0分〜60分間加熱処理する工程、のa〜eの各工程を
含むチルド流通タイプの麺類の製造方法。
Description
の麺類とその製造方法に関する。
法から、α化処理していない生麺と、α化処理した茹で
麺、蒸し麺があるが、いずれも喫食時において炊いて調
理するのが一般的である。しかし、炊いて調理するのは
簡便性に欠けるとともに、鍋等の調理器具も必要であ
る。特にコンビニエンスストア等で弁当等と一緒に売ら
れるようなチルド流通タイプの麺の場合には、簡便性は
きわめて重要なファクターであり、例えばカップ入り即
席麺やLL麺(生タイプ即席麺)のように、炊いて調理
せずに、熱湯を注加するだけで喫食できるような商品が
求められていた。
いるチルド流通タイプの麺においては、炊いて調理する
ことを必要としない、茹でたざるそばや冷麺等の商品も
一部に市販されている。しかし、これらの商品はそのま
ま喫食することが可能なように、茹で処理されて充分に
α化されており、しかも茹で後の時間が経過しているた
めに、麺線が茹で伸びして腰がない食感で、消費者の味
覚を満足させる品質のものではなかった。また、このよ
うな麺は、麺線を茹で処理しているために、水分含量が
高く保存性の悪いものであった。
術として、麺線を包装体に密封包装した後、加熱処理す
る技術が知られている。しかし、密封包装する麺線がα
化処理されていない生麺線の場合には、喫食時に麺線を
炊いて調理する必要があり、炊かずに調理、喫食するこ
とができるような技術は知られていなかった。
は、炊いて調理しなくても喫食できるチルドタイプの麺
類、例えば、麺線に熱湯を注加した後、しばらく放置
し、該注加した熱湯を捨てて、再び熱湯を注加するか、
あるいは再び熱湯を注加する代わりに冷水等にさらすだ
けで喫食することが可能な(本発明では、一旦注加した
熱湯を捨てた後に喫食し得るこのような調理方法を「2
タッチ調理」という)、簡便性が高く、しかも食感の良
いチルド流通タイプの麺を得ることを第一の目的とす
る。
解決すべく発明されたものであり、その要旨とするとこ
ろは、チルド流通タイプの麺類の製造方法であって、以
下の工程、 a:原料粉に、アルギン酸、アルギン酸塩、アルギン酸
エステルのいずれか一つ以上を添加する工程、b:後工
程eの加熱処理後の麺線pHが6.0〜8.0になるよ
うに、原料粉に必要に応じてアルカリ剤を添加する工
程、c:原料粉を加水混練し、製麺して生麺線を得る工
程、d:生麺線をα化せずに包装体に密封包装する工
程、e:密封包装した包装体ごと85℃〜100℃で1
0分〜60分間加熱処理する工程、のa〜eの各工程を
含むチルド流通タイプの麺類の製造方法である。
剤を添加する」とは、工程eの加熱処理後の麺線pHが
アルカリ剤を加えないと6.0〜8.0にならない場合
には当該pHになるように必須に、一方、アルカリ剤を
加えなくともpHが6.0〜8.0になる場合には当該
pHを外れない範囲で任意に添加する、という意味であ
る。
取り出した後、麺線に熱湯を注加して、注加した熱湯を
捨て、次いで再び熱湯を注加するだけで喫食することの
できる麺類、すなわち2タッチ調理可能なチルドタイプ
の麺を得ることができる。
麺線は生っぽくなり、加熱条件が85℃より低かった
り、10分より短くてもやはり麺線は生っぽく、調理感
が不足した麺となる。一方、加熱条件が100℃より高
かったり60分より長いと麺線表面が結着したり、ゴリ
ゴリした食感の悪い麺質になる。本発明において特に好
ましい加熱条件としては、90℃〜95℃で20分〜3
0分とするのが最もよく、これらの範囲とすることで、
2タッチ調理によっても麺線はしなやかで、調理感のあ
る麺とすることができる。
アルギン酸、アルギン酸塩、アルギン酸のエステルを総
称して「アルギン酸類」という)を添加しないと麺線が
結着し、グチャッとした麺となって商品価値が低い。ま
た、添加することによって、腰のあるしっかりとした麺
質になり、調理感の向上も見られる。一方、原料にアル
ギン酸類を添加すると、pHが下がって前記加熱処理後
の麺線pHが6.0〜8.0に入らなくなる場合が多
く、この場合アルカリ剤の添加が必須である。しかし、
アルギン酸プロピレングリコールエステル等の場合に
は、pHの低下は少なく、このような場合にはアルカリ
剤の添加は必ずしも必要でない。
粉+澱粉)が、エーテル化澱粉、アセチル化澱粉、α化
澱粉のいずれか一つ以上の加工澱粉を重量比で20〜5
0%含む原料粉である前記チルド流通タイプの麺類の製
造方法である。
澱粉を20%以上を用いることで、さらに麺線を生っぽ
くなく、調理感の高いものとすることができ、一方50
%を超えて添加すると、製麺性が悪くなり、麺質が澱粉
麺のようになるので、20〜50%の前記加工澱粉を添
加するのが良い。
好ましい加工澱粉としては、エーテル化処理した澱粉ま
たはアセチル化処理した澱粉が上げられるが、置換度の
高い、具体的にはDS=0.05以上のエーテル化澱粉
が最も好ましい。
る際の生麺線の水分含量が35%〜38%であること
で、より調理感があり、生っぽくない麺とすることがで
きる。これは、通常の生麺の水分含量よりやや高いもの
で、製造時の加水量で置き換えると、原料粉1kgあたり
390ml〜470ml程度であり、ごく一般的な機械製麺
の場合の加水量が320ml〜370mlであることに比べ
ると高い。
線に熱湯を注加した後、該熱湯を捨て、次いで再び熱湯
を注加して喫食する、包装体に密封包装された形態の麺
類であって、前記いずれかの方法で製造されたチルド流
通タイプの麺類を提供することができる。
詳細に説明する。
って製造することができる。すなわち、小麦粉に必要に
応じて澱粉(各種加工澱粉を含む)、そば粉等穀粉を加
えて原料粉(小麦粉等穀粉+澱粉)とし、これに必要に
応じて、かんすい、食塩、グルテン、卵白、増粘剤、色
素等の添加剤を添加し、練り水(練り水に前記添加剤等
を溶解あるいは懸濁させて加えてもよい)を加えて混練
した後、押し出して麺線とするか、圧延して麺帯とした
後これを切り出して麺線とする。
+澱粉)の内、重量比で20%〜50%をエーテル化、
アセチル化、α化のいずれか一つ以上の処理が施された
加工澱粉とするのがよい。これらの加工澱粉を添加する
ことによって、2タッチ調理で喫食しても生っぽくな
く、さらにしなやかで食べやすい食感となる。前記加工
澱粉の添加量が50%を超えると、製麺性が悪くなると
ともに澱粉麺的な食感になり、20%以下では添加効果
は弱い。前記のうち、特に適性のよい加工澱粉として
は、加工度の比較的高いエーテル化澱粉、アセチル化澱
粉が上げられ、特に、具体的にはDS=0.05以上の
エーテル化澱粉が最も好ましい。また、これらのエーテ
ル化、アセチル化、α化の各加工処理の施された澱粉で
あれば、重複して処理されたものや、他の処理が重複し
て行なわれた澱粉も使用可能で、例えば、前者の場合ア
セチル化α化澱粉や、後者の場合エーテル化リン酸架橋
澱粉等も適用可能である。
ち、アルギン酸、アルギン酸塩、アルギン酸エステルの
いずれか1つ以上を添加する。アルギン酸塩としてはア
ルギン酸ナトリウム、アルギン酸カリウム等、アルギン
酸のエステルとしてはアルギン酸プロピレングリコール
エステル等が使用できる。アルギン酸類を添加すること
で、後の加熱処理によっても麺線同士が結着せずに、ほ
ぐれのよい麺とすることができ、添加しない場合のよう
なグチャッとした食感を改良できる。また、アルギン酸
類を添加することで、麺線にしっかりとしたコシを付与
する効果もある。好ましい添加量としては、アルギン酸
量として主原料粉(穀粉+澱粉)に対して重量比で0.
5%〜3%、特に好ましくは1%〜3%程度である。
〜8.0にする必要があり、このpHの範囲に調整する
ために、アルカリ剤の量を調整して添加する。アルカリ
剤を添加せずに当該pHの範囲となる場合には必ずしも
アルカリ剤の添加は必須ではない。ここで、アルカリ剤
とは中華麺に使用するかんすいを含み、使用可能なアル
カリ剤とは、食品添加物に規定されるいわゆる「かんす
い」の他、代用かんすいとして使用される水酸化カルシ
ウムやこれを主成分とする焼成カルシウム等も使用でき
る。本発明では、麺原料にアルギン酸類を添加するが、
アルギン酸類を添加するとアルギン酸プロピレングリコ
ールエステル等一部を除き、麺線pHは酸性に振れる場
合が多いので、pHを6.0〜8.0に調整するにはア
ルカリ剤の添加を必要とする場合が多い。また、加熱処
理後の麺線pHの最も好ましい値は、7.0〜7.8、
およそ7.5前後であるので、当該最適なpHに調整す
る場合には、通常アルカリ剤の添加を必要とする。
する理由は、pHが8.0を超えると加熱処理時間を長
くしても、製品を2タッチ調理で喫食する場合に麺線が
生っぽく調理感のない状態になってしまい、またpHが
6.0より低くても多少生っぽさが出現し、酸味を感じ
る麺となってしまうためである。一般に市販されている
中華生麺の場合は、麺線pHは8を超えるアルカリ性で
ある。従ってこのような麺線を密封包装して加熱処理し
ても麺線は生っぽく、喫食に耐えないものとなる。そこ
で、本発明では、中華麺の場合であっても添加するかん
すいの量を減らすか、もしくは、酸性物質を添加する等
によって、加熱処理後の麺線pHが6.0〜8.0にな
るように調整する。
加えて、キサンタンガムを添加することも好ましい。キ
サンタンガムはアルギン酸ほどではないものの、麺線が
結着するのを防止する効果を有し、また、生っぽい食感
の改良、麺線のコシの付与等にも効果がある。キサンタ
ンガムの好ましい添加量は、アルギン酸類の添加量にも
よるが、原料粉(小麦粉等穀粉+澱粉)に対して重量比
で1〜3%程度とするのがよい。
サンタンガム等は、いずれも粉体で直接原料粉に添加し
ても、また練り水に溶解または懸濁させて原料粉に添加
しても、あるいはその両方の手段で原料粉に添加しても
良い。
をやや高めに設定するように加水することが望ましい。
通常一般的な製麺の場合においては、澱粉を20%程度
添加した場合、粉体原料1kgに対して練り水を320ml
程度加水するのが一般的である。この場合、製麺中に水
分のロスがあるので、α化前の麺線中の水分含量として
は、約31%程度となるが、本発明においてはこれらよ
りも加水量を上げることでさらに製品の調理感が向上す
る。
装体に密封包装する前の水分含量としては35%以上、
特に35%〜38%程度が好ましく、この場合原料への
加水量としては、主原料粉1kgに対して390ml〜47
0mlとする。なお、加水の方法としては、製麺した後に
麺線を水に浸漬して膨潤させて使用する方法や、加熱時
に麺線と一緒に水を添加する方法等も可能であるが、こ
のような方法で加水すると、製品の麺線が結着したり、
麺線表面が溶け出して食感が悪くなるため、混練時の加
水率を上げておく方法が望ましい。
線を、生のまま、すなわちα化せずに包装体に密封包装
する。密封包装に使用する包装体は、通気性がないか、
通気性が低く、以降の加熱条件によっても破袋しない包
装体を使用する。具体的には、チルド流通タイプの蒸し
焼きそば等に使用されるポリプロピレン製のピロー包装
体、LL麺等に使用されるLLパウチ、レトルト食品に
用いられるレトルトパウチ、缶詰容器等が好ましい。
包装状態のまま加熱する。加熱条件は、85℃〜100
℃で10分〜60分、好ましくは90℃〜95℃で20
分〜30分程度が望ましい。なお、105℃を超えるよ
うな加熱は、麺線同士が結着したり、麺線が硬くゴリゴ
リした食感になって好ましくない。一方、80℃以下の
加熱では麺線が生っぽく調理感がなく、食感の悪い麺と
なる。また、60分以上加熱すると麺線がべチャッとし
た柔らかいものになって食感が悪く、10分に満たない
ような短時間の加熱処理では、麺線は生っぽく喫食に耐
えない。加熱の方法としては、包装体ごと蒸気庫に入れ
て加熱処理するのが良いが、包装体ごと熱湯中に浸漬す
る等の方法も可能である。
理を行わずに、上述した特定の条件で包装体に密封包装
して加熱処理を施し、次いで冷却するが、加熱処理後の
麺線のpHは6.0〜8.0になるようにする。この範
囲にpHを調整する方法は、前述したように原料に添加
するアルカリ剤(かんすいを含む)の量を調整する方法
による。なお、本発明において麺線pHを加熱処理後の
pHで規定するのは、実験の結果、加熱処理後のpHが
本発明の効果に対して相関が高いと考えられるためであ
り、また、添加するアルカリ剤の種類によって加熱処理
の前後におけるpH変化に差があり、加熱処理前のpH
では規定しにくいためである。
のまま、あるいはさらに外包材、外容器等に包装されて
商品となる。商品はチルド流通する麺類であって、喫食
する際、麺線を包装体から取り出した後容器に入れて熱
湯を注加するか、もしくは包装体が容器を兼ねている場
合には、包装体の開口部を開封してこれに熱湯を注加
し、該注加した熱湯を湯切りして捨てた後、再び熱湯を
注加することで喫食可能である。
までの時間としては、数十秒〜数分程度放置するか、軽
く箸でほぐす程度でよく、また、2度目の熱湯注加時に
粉末スープ等を添加すれば、スープ入りの麺とすること
ができる。冷麺やつけ麺の場合には、湯切りした後の麺
線に、再度熱湯を注加せずに該湯切りした麺線を必要に
応じて水にさらす等した後、タレをかける、もしくはタ
レに該湯切りした麺線を付けて喫食することもできる。
ルド流通タイプの麺は、必ずしもこのような2タッチ調
理に限定されず、従来のように炊いて調理することも、
また電子レンジによって調理することも可能である。こ
のような従来方法による調理によっても、茹で処理した
麺を包装した従来のチルドタイプの麺に比較して、麺に
腰があって食感がよく、また保存性も向上している。
麺、スパゲティー等いずれの麺にも適用可能であるが、
喫食に際して炊いて調理しないために、太い麺の場合に
は生っぽさが残る場合があり、麺線の細い麺に適用する
ことが好ましい。具体的にはラーメン、そーめん、日本
そば等に最もふさわしく、16番以上の切刃で切り出し
た麺に適用することが好ましい。
説明するが、本発明は、これら実験例、実施例の開示に
基づいて限定的に解釈されるべきでない。
粉300gを原料粉とし、さらにこの原料粉に10gの
アルギン酸を加え、これに練り水として、重合リン酸塩
5gとクチナシ色素1g、炭酸ナトリウムを表1の通り
1〜10gの5段階として水430mlに溶解させたもの
を加え、ミキサーで15分間混練した。この麺生地をロ
ール圧延して厚さ1.5mmの麺帯とした後、切り刃2
2番で切り出して生麺線を得た。
し、LL麺用のパウチ(サイズ:140mm×160mm)
に充填して熱シールし、蒸気庫で加熱条件を表1の通
り、70℃、80℃、90℃、100℃、110℃と
し、それぞれ30分間加熱処理した。
ルド温下に放置し、パウチを開口して丼型容器に麺線を
移し、300mlの熱湯を加えて箸で軽くほぐした後、直
に熱湯を捨て、さらに熱湯300mlを加えて喫食し、官
能試験に処した。官能試験は熟練したパネラー5名によ
って行い、麺質、食感を比較して5段階で評価した。結
果を表1に示す。また、製品の水分含量を測定したとこ
ろ(密封包装しており加熱処理しており、製品の包装体
内面に水滴等の付着が認められなかったので、密封包装
直前の水分含量も同じと思われる)36.8〜37.3
%であった。
は100℃の場合で、加熱後の麺線pHが6.6又は
7.6のものが特に良好〜商品化可能なレベルにあっ
た。表1の試験結果から、80℃と90℃の間に効果を
生じる境界があると考えられ、本発明における良好な商
品を得る条件としては、加熱処理後の麺線pHが6.0
〜8.0、加熱温度は85℃〜100℃、特に好ましく
は90℃〜95℃程度と考えられた。
ムの量を5.0gとして製麺して、以降実験例1同様に
してLL麺用パウチに麺線100gを封入した後、実験
例1と同じく、70℃、80℃、90℃、100℃、1
10℃で、それぞれ加熱時間を変更して加熱処理し、加
熱処理時間が麺質、食感に与える影響を、実験例1同様
に2タッチ調理して、5人のパネラーで評価した。結果
を表2に示す。なお、加熱処理後の麺線pHは7.4〜
7.6であり、製品麺線の水分=加熱殺菌前の麺線水分
は、36.2%〜36.9%であった。
る条件としては、加熱処理温度が90℃又は100℃で
あれば、10分〜60分、特に好ましくは約90℃にお
いて20分〜30分程度が良いものと思われた。
小麦粉700gとタピオカ由来の各種澱粉300g、ま
たは澱粉を添加せずに小麦粉1kgを原料粉とし、さらに
この原料粉に10gのアルギン酸又はアルギン酸ナトリ
ウムもしくはキサンタンガムを加えるか又は加えずに
(複数種類を加える場合は各10g添加)、重合リン酸
塩5gとクチナシ色素1g、炭酸ナトリウム5gまたは
2g(pHを合せるためアルギン酸を加えたものは5
g、その他のものは2g)を水410ml〜440ml(各
配合において最善の添加量)に溶かしたものを練り水と
して加え、ミキサーで15分間混練した。この麺生地を
ロール圧延して厚さ1.5mmの麺帯とした後、切り刃
22番で切り出して生麺線を得た。
し、LL麺用のパウチ(サイズ:140mm×160mm)
に充填して熱シールし、蒸気庫で加熱条件を90℃30
分間として加熱処理した。
タッチ調理して官能試験に処し、麺質、食感を比較して
評価した。その結果を表3に示す。なお、pHは6.8〜
7.8であった。
いと、グチャッとした柔らかいほぐれの悪い麺となるこ
と、加工澱粉を添加することで調理感が格段に向上する
こと、また澱粉としては置換度の高いエーテル化澱粉が
好ましいこと、さらにアルギン酸だけでなくキサンタン
ガムを添加するとさらに良好な麺となることが理解され
た。
とし、原料粉中の該澱粉の配合量を0%から、10%ご
とに50%まで変更し、さらにこの原料粉1kgに10g
のアルギン酸を加え、重合リン酸塩5gと黄色色素1
g、炭酸ナトリウム5gを次記の練り水に溶かして添加
した。練り水は澱粉の添加量に応じて、澱粉0%に対し
て360ml、10%に380ml、20%に410ml、3
0%に440ml、40%に460ml、50%に480ml
とし(最適と思われる量)、原料粉に加水した後、ミキ
サーで15分間混練した。この麺生地をロール圧延して
厚さ1.5mmの麺帯とした後、切り刃22番で切り出
して生麺線を得た。
し、LL麺用のパウチ(サイズ:140mm×160mm)
に充填して熱シールし、蒸気庫で加熱条件90℃で30
分間加熱処理した。このようにして得た麺を実験例1同
様に2タッチ調理して官能試験に処し、麺質、食感を比
較して評価した。なお、pHは6.9〜7.8であっ
た。
ぽさは改善されて調理感のある食べやすい麺となった
が、澱粉含量が主原料粉中20%以上でしなやかで食べ
やすい食感となった。ただし、50%では澱粉麺的食感
となり、製麺性も悪くなる傾向が見られた。
gにDS=0.07のアセチル化タピオカ澱粉200gを原
料粉とし、さらにこの原料粉に10gのアルギン酸を加
え、重合リン酸塩5gとクチナシ色素1g、炭酸ナトリ
ウム5gを次の加水量の練り水にそれぞれ溶解して添加
した。加水量は350ml、400ml、450ml、500
mlとし、加水後ミキサーで15分間混練した。この麺生
地をロール圧延して厚さ1.5mmの麺帯とした後、切
り刃22番で切り出して生麺線を得た。
し、LL麺用のパウチ(サイズ:140mm×160mm)
に充填して熱シールし、蒸気庫で加熱条件90℃で30
分間加熱処理した。また、加水量を400mlとしたもの
において、LL麺用パウチに充填する前に水に浸漬し
て、麺線の水分含量をさらに上げたサンプルを1点作製
した。
て水分含量を測定し、実験例1同様に2タッチ調理して
官能試験に処し、麺質、食感を比較して評価した。その
結果を表4に示す。なお、pHは7.1〜7.3であっ
た。
やや加水量を多くしたほうが、麺質、食感の優れた麺と
なることが理解された。特に好ましい水分含量は、製品
中(本製品の場合包装体に水滴が付くことが無いため、
製品の水分含量は密封包装前の生麺線の水分含量に等し
い)の水分含量が35%〜38%程度と考えられる。
熱湯を注加して、該注加した熱湯を捨てるだけで喫食可
能とすることができる、2タッチ調理可能な極めて簡便
性の高いチルド流通タイプの麺類が製造できる。これに
よって、即席麺やLL麺に匹敵するような簡便性が得ら
れ、しかも食感は即席麺やLL麺よりも、生麺を茹で戻
した麺に近い食感を有する本格的な麺とすることができ
る。
2タッチ調理による場合はもちろん、従来のように炊い
て調理した場合や、電子レンジ調理した場合でも、従来
の茹で処理されたチルドタイプの麺に比較して、コシが
あり、茹で伸びしていない食感のよい麺とすることがで
きる。また、従来のチルドタイプの麺には、茹で処理さ
れたもの以外に生麺を包装したタイプの麺もあるが、生
麺を包装体に包装した場合、流通中に包装体内に水滴が
結露してこの水滴が麺線に付着し、付着した部分が白け
て膨潤してしまう「麺溶け」と呼ばれる外観変化が起こ
りやすかったが、本発明の麺の場合、このような問題が
起こらず、製麺時に麺溶け防止用の打ち粉が必要なく、
調理時にスープが白濁する問題もない。
を包装した後に加熱処理するため、α化(加熱処理)後
に包装する麺や生麺を包装した、従来の一般的なチルド
流通タイプの麺に比べて、衛生的であり、保存性も向上
する。
Claims (5)
- 【請求項1】 チルド流通タイプの麺類の製造方法であ
って、以下の工程 a:原料粉に、アルギン酸、アルギン酸塩、アルギン酸
エステルのいずれか一つ以上を添加する工程、 b:後工程eの加熱処理後の麺線pHが6.0〜8.0
になるように、原料粉に必要に応じてアルカリ剤を添加
する工程、 c:原料粉を加水混練し、製麺して生麺線を得る工程、 d:生麺線をα化せずに包装体に密封包装する工程、 e:密封包装した包装体ごと85℃〜100℃で10分
〜60分間加熱処理する工程、 のa〜eの各工程を含むチルド流通タイプの麺類の製造
方法 - 【請求項2】 前記原料粉が、エーテル化澱粉、アセチ
ル化澱粉、α化澱粉のいずれか一つ以上の加工澱粉を重
量比で20〜50%含む原料粉である請求項1に記載の
チルド流通タイプの麺類の製造方法 - 【請求項3】 前記加工澱粉が、DS=0.05以上の
エーテル化澱粉である請求項2に記載のチルド流通タイ
プの麺類の製造方法 - 【請求項4】 前記包装体に密封包装する時の生麺線の
水分含量が、35%〜38%である請求項1から3のい
ずれかに記載のチルド流通タイプの麺類の製造方法 - 【請求項5】 包装体から取り出した麺線に熱湯を注加
した後、該熱湯を捨て、次いで再び熱湯を注加して喫食
する包装体に密封包装された形態の麺類であって、請求
項1から4のいずれかに記載の製造方法で製造されたチ
ルド流通タイプの麺類
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