JP4695062B2 - 生タイプ即席中華麺の麺質改良製剤の製造方法。 - Google Patents

生タイプ即席中華麺の麺質改良製剤の製造方法。 Download PDF

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Description

本発明は生タイプ即席中華麺の麺質改良製剤に関するものである。
生タイプ即席中華麺は、手軽かつ簡便に調理・喫食することができる即席食品として広く普及している。
生タイプ即席中華麺を生中華麺と調理後において比較すると、生中華麺においては茹で後において、麺線に必要以上の固さを有さない食感である「しなやかさ」と麺線の表面になめらさかさを付与した「ぬめり感」という独特の食感を有している。
この生中華麺の「しなやかさ」と「ぬめり感」は、生中華麺を茹でた場合に特徴的な食感であり、茹で時において生中華麺表面における糊化澱粉の溶出等に起因している(例えば、非特許文献1)。
一方、生タイプ即席中華麺では、一般にその保存性を向上させるために麺線を有機酸等の水溶液に浸漬し麺線のpHを下げてから、加熱殺菌を施すこととしている。一方、生中華麺では麺線が酸性になると、麺独特の弾性である「こし」がなくなるとともに、麺線表面の「しなやかさ」と「ぬめり感」が失われるという問題が生じていた。
これを改善するために、生タイプ即席中華麺に「こし」や「粘弾性」を付与すべくアルギン酸を添加する方法が開示されている(例えば、特許文献1)。さらに、これらの麺線に「しなやかさ」や「ぬめり感」を付与する観点から、加熱殺菌において100℃を超える温度の加熱をかける方法や三層麺にする方法が開示されている(特許文献2及び特許文献3)。
これらのいずれの方法も酸性状態にある麺に生じてしまう「しなやかさ」や「ぬめり感」の不十分さを改善するのに優れた効果を有するものである。
しかし、これらの「しなやかさ」と「ぬめり感」を付与する方法は、生タイプ即席中華麺のいずれにおいても、配合や製造工程を改良することにより、「しなやかさ」や「ぬめり感」を実現するものであり、喫食時においてスープ側より麺線に作用し、「しなやかさ」と「ぬめり感」を付与する手法は従来まで知られていなかった。
小田聞多著、「新訂 めんの本」、食品産業新聞社、2003年12月25日、 79〜81ページ 特開平5−15331号 特開平6−209730号 特開平7−8194号
そこで、本発明者らは鋭意研究を重ね、生タイプ即席中華麺について、粉末スープ等に混合して使用できるものであり、その喫食時にスープ側より麺線に作用し、生中華麺を茹で上げた場合と同様な「しなやかさ」と「ぬめり感」を付与することができるような麺質改良製剤を提供することを目的として、本発明を完成した。
本発明者らは、研究の結果、澱粉、アルカリ剤を水とともに加熱処理し、これを乾燥することによって製造した製剤を小袋又は粉末スープ側に添加しておき、喫食時に当該製剤を熱湯等に溶かして、麺線をその中に浸漬した場合に、当該溶解した製剤が生タイプ即席中華麺の麺線に作用し、麺線の表面に生中華麺を茹でた場合に感じられるのと同様の「しなやかさ」と「ぬめり感」を付与することを見出した。
この効果は生タイプ即席中華麺のように酸性状態にある麺線に有効に作用し、その表面をしなやかにし、生中華麺を茹でた場合の喫食時に感じられる「しなやかさ」と「ぬめり感」を呈する。
すなわち、本願第一の発明は、
熱湯を注加して喫食する生タイプ即席中華麺に使用され、注加する熱湯100ml当たり0.4〜1.4gの割合で添加する麺質改良製剤の製造方法であって、
澱粉1000部に対して、アルカリ剤を50〜200部及び水を加えたものを混合攪拌し、該混合物を加熱処理し、乾燥することを特徴とする生タイプ即席中華麺用の麺質改良剤の製造方法、
である。
以上

本発明により製造される麺質改良製剤を用いることで、生タイプ即席中華麺であっても喫食時において、生中華麺を茹でた場合と同様の「しなやかさ」と「ぬめり感」を付与することができる。
また、本願第二の発明は、
本願第一の発明の製造方法により製造された麺質改良製剤を含有する生タイプ即席中華麺用の粉末スープ、である。
本発明の麺質改良製剤は、乾燥され低水分であるため、生タイプ即席中華麺用の粉末スープと同様に扱うことができる。そこで、本願第一発明方法における麺質改良製剤を生タイプ即席中華麺用の粉末スープに含有させて、使用することができる。
尚、本発明による麺質改良製剤の麺線に対する作用機構は以下のように推定される。即ち、本発明により製造される麺質改良製剤は、熱湯等に溶解した状態で、pH9〜13程度の高pHを有しており、溶けた麺質改良製剤の高アルカリ性が対象麺線の表面pH(酸性)と親和性が良く、その表面に吸着しやすい、また、その際に引きつられて製剤の糊化デンプンが麺線表面に吸着し、糊化デンプンの被膜を形成すると考えられる。そしてこの糊化デンプンの物性が麺線に「しなやかさ」と「ぬめり感」を付与することになるものと考えられる。
本発明により製造された製剤を生タイプ即席中華麺用の粉末スープ等として利用することにより、これらに熱湯を注加し、その喫食時において、当該生タイプ即席中華麺の麺線に対して、生中華麺を茹でた場合に感じられる「しなやかさ」と「ぬめり感」を付与することができる。また、本発明では特に高度な生タイプ即席中華麺の製造設備等新たに必要とせず、また当該従来製造設備の改造等も不要である。
以下、本発明の内容について詳細に説明する。
─本発明品の使用の対象となる生タイプ即席中華麺について─
本発明における麺質改良製剤は、前述のように、生タイプ即席中華麺において、スープ側に溶けた本麺質改良製剤を麺に作用させるものであるため、喫食時に麺線と熱湯で溶かしたスープが接触することが必要となる。従って、スープを熱湯に溶かしてその中に麺線を浸漬して喫食する通常のタイプであれば適用できる。
すなわち、生タイプ即席中華麺とは、製麺後に蒸し又はゆでた後、有機酸溶液中で処理したものを加熱殺菌したもののうち、スープ等の添付調味料を添付したものであって、簡便な調理操作により食用に供するものをいうが、生タイプ即席中華麺の麺線は一般にpH3.8〜4.8の酸性状態の範囲に設定され、他方、本発明による麺質改良製剤は高pHを有しており、したがって本発明の麺質改良製剤が効果的に麺線表面に吸着し、糊化デンプンの被膜を形成する。
─澱粉の種類─
本願第一の発明の製造方法においては澱粉を主原料とする。本発明方法に用いられる澱粉は特にその原料の種類を問わない。従って、例えば、小麦澱粉、馬鈴薯澱粉、甘藷澱粉、とうもろこし澱粉、タピオカ澱粉、米澱粉等の一般の全ての澱粉を使用することができる。
尚、小麦澱粉を使用すると本発明における麺質改良効果が優れていた。生タイプ即席中華麺が小麦粉製品であり、同種の澱粉であることに由来するものであると考えられる。また、通常の澱粉のみならず、エステル化澱粉、エーテル化澱粉、架橋化澱粉等の各種加工澱粉も使用することができる。
尚、本発明はアルカリ剤と混合して加熱するという製造工程を有するが、スープ等の風味に影響を与えないという観点からは、アルカリ剤によるタンパク変性を回避し、味覚的変化を予防する上でタンパク質を含まない澱粉が好ましい。
逆に、喫食時の物性的麺質改良に限定せず、風味を改変する効果をも付加して得るためには、小麦粉や米粉等のタンパク質を含有する穀粉類を用いてもよい。
─アルカリ剤─
本発明の製造方法の原料においてはアルカリ剤を必須とする。使用するアルカリ剤は、一般的に食品に使用されるアルカリ剤であれば良く、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム等の炭酸塩類、リン酸カリウム、リン酸ナトリウム等のリン酸塩類、ポリリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、ピロリン酸ナトリウム等の重合リン酸塩類、縮合リン酸塩類等が挙げられる。また、アルカリ剤は単独でも、数種を混合したものでもよい。
─澱粉とアルカリ剤及び水等の混合比─
澱粉とアルカリ剤の混合比については、麺線に作用させる効果を発揮させるには概ね澱粉重量100部に対し、アルカリ剤5〜20部程度の重量比率で配合することが好ましい。
水の添加量としては、この水添加量は加熱時に澱粉を糊化することができる量であれば、特に制限はないが、好ましくは澱粉とアルカリ剤の混合物重量1部に対して水1〜4部程度の割合で加えることが適当である。混合時の水温は、特に制限はないが、澱粉の溶解を容易にするためには、混合澱粉の糊化温度未満であることが望ましい。好ましくは10℃〜30℃である。
─その他の添加物─
澱粉とアルカリ剤には必要に応じて塩、抗酸化剤等の添加物を加えることができる。この場合においては、これらの添加は必須でないものの、その添加によって次のような効果を得る。
添加物が抗酸化剤の場合、原料澱粉中に微量に含まれる油脂の劣化による異臭の発生の防止等をすることができる。具体的には、澱粉中に含まれている油脂の量は、澱粉の種類によって大きく異なるが、例えば、馬鈴薯澱粉では、0.04%、タピオカ澱粉では、0.12%程度である。抗酸化剤としてトコフェロールを添加する場合、原料澱粉量の約200ppm程度以上が含有するようにすればよい。
また、重合リン酸塩は、アルカリ剤としての使用目的の他、抗酸化作用も有しており、当該作用も併せて発現させることができる。抗酸化作用のみを目的とした場合の重合リン酸塩は、その添加量については澱粉100部に対して0.02〜0.2部程度使用することができる。
その他の添加物としては、アミノ酸、ペプチド又はタンパク系の素材も有効である。これらの素材を加えることで、加熱等の処理の過程で独特の風味を付与することができるので、アミノ酸系としてはL-プロリンやL-システイン等がある。また、タンパク系の素材としては、小麦グルテン粉末等が挙げられる。これらを添加することで、麺質のみならず、風味も改変することができる。
─澱粉、アルカリ剤及び水等の加熱方法─
澱粉、アルカリ剤及び水等の加熱方法しては、澱粉とアルカリ剤を混合して、そこに、水を加えて加熱して澱粉を糊化した後、乾燥し、これを粉砕して粉末化する方法が好適である。
その他、アルカリ剤に水等を混合し、澱粉を加えてさらに加熱する方法等種々の加熱方法を選択することができるが、澱粉と水が加熱されて糊化する過程においてアルカリ剤が共存していることが好ましい。
加熱方法としては、直接加熱、加圧加熱、蒸煮等が種々の方法を可能である。加熱温度は、前述の反応を促進させるために高温の方が好ましいが、製品に顕著に焦げを生じない温度で行う。例えば、ドラムドライ法を用いれば、乾燥の工程も同時に進行させることができ合理的である。ドラムドライヤーを使用する場合には、100℃以下でも可能であるが、乾燥効率、作業性を考慮すると、120℃以上で焦げのない程度の加熱が好ましい。
但し、加熱温度は澱粉が糊化する程度の温度であれば低温でもよい。例えば澱粉が糊化するのに最低限の50℃〜60℃程度の低温で長時間反応させることも可能である。
乾燥条件については、最終製剤が粉末状の場合には、水分含量が多いと、その保存中にブロッキングなどを起こし易くなるので、最終水分が10重量%以下、好ましくは5重量%以下に設定するべきである。この場合、その操作性等を考慮し、なるべく、高温で加熱し、乾燥させるのが望ましい。
その他の乾燥方法としては、上記したドラムドライの他、熱風乾燥、あるいは凍結乾燥、スプレードライ等、適宜の乾燥方法を採用することができる。
また、粉末状とした場合の粒度は溶解又は分散し易いものであれば、粒度はあまり問題ではないが、粉末状として粉末スープ等に用いる観点から、約40〜60メッシュ程度をパスする粒度にすることが好ましい。
また、粉末化の方法としては、ドラムドライ、熱風乾燥や凍結乾燥の場合には、ハンマーミル等を用いて粉末化すればよい。また、スプレードライの場合には、バインダーを併用して乾燥と同時に粉末化させることができる。
なお、本発明製品は粉末状とする方が、保存や流通の点からまた、喫食時の取り扱い性などの点からも好ましいので、通常は乾燥してから粉末化するが、粉末化せずに固形状やフレーク状としたものなども適宜選択することができる。
─本発明品の包装状態─
本発明による麺質改良製剤は、最終水分が10重量%以下になるため、粉末スープと混合して包装することができる。また、本発明による麺質改良製剤のみを包装してもよい。この麺質改良製剤包装体を他の粉末スープと共に生タイプ即席中華麺に添付して利用することができる。
尚、生タイプ即席中華麺は通常カップタイプであるが、このようなカップタイプであれば、本発明による麺質改良製剤を包装することなく、乾燥された麺塊やかやくと共にカップ内に充填することもできる。
─本発明品の喫食時の利用方法─
本発明の利用形態は種々を選択できるが、例えば、生タイプ即席中華麺に使用する粉末スープに添加しておくことができる。これによって、喫食時に熱湯等で粉末スープを溶解させるのと同時に、本発明にかかる麺質改良製剤を溶解させることができ、これらが麺と混じりあう際に、スープ中に含まれる溶解した前記麺質改良製剤が作用し、「しなやかさ」や、「ぬめり感」を麺線に持たせることができる。
本発明を利用することで、生タイプ即席中華麺において、「しなやかさ」と「ぬめり感」を付与することができる。これによって、生タイプ即席中華麺の食感を生中華麺により近づけた製品を市場に提供することができる。
以下、本発明を実施例に基づいて説明する。なお、本発明は、これらの実施例の開示に基づいて限定的に解釈されるべきでない。
<実験例1>(本願発明にかかる澱粉とアルカリ剤の配合比率による影響)
本発明の麺質改良製剤は澱粉・アルカリ剤・水を混合し、この分散液を加熱した後、乾燥・粉砕して製造するが、まず、澱粉・アルカリ剤の配合比率について検討した。
使用澱粉としては、馬鈴薯澱粉を用い、アルカリ剤としては炭酸ナトリウムを用いた。澱粉とアルカリ剤と水との混合比率は、表1に記載の比率で行った。
Figure 0004695062
混合懸濁液の加熱方法としては、次のような方法で行った。馬鈴薯澱粉1kgに、表1に記載の炭酸ナトリウム量及び水2kgを混合攪拌した後、ゲージ圧4kg/cmとなるように設定した蒸気加熱型ドラムドライヤーの間を通過させ(間隔0.5mm)加熱・乾燥を行い、次いで粉砕し、48メッシュのふるいを通じて各試験区分の麺質改良製剤を得た。
得られた各試験区の麺質改良製剤を生タイプ即席中華麺である中華風包装麺180g(麺線pH4.2に調整した後パウチに封入して97℃で殺菌をおこなったもの)と粉末醤油スープ10g及び乾燥具材とともに丼に入れた後、熱湯を400ml注加し、2分間放置した後、その効果を見た。尚、各試験区の麺質改良製剤の添加量は、喫食直前のスープのpHが6.5付近になるように調整した。
評価は熟練のパネラー5人により行った。各項目の評価基準としては、評価記号として、◎:最良、○:良好、△:普通、×:やや劣る、××:劣る、とする。
Figure 0004695062
表2記載の試験結果に関しては、試験区7(澱粉(馬鈴薯澱粉)とアルカリ剤(炭酸ナトリウム)の配合比が1:1から製造される麺質改良製剤)では、0.5gという少量でスープのpHが6.5付近になり、添加する麺質改良製剤の量が少なくなった。このため麺質(しなやかさ、ぬめり感)は多少改善されるにとどまった。一方、アルカリ剤(炭酸ナトリウム)の配合比が少ない試験区1、2、3では、添加する麺質改良製剤の量が多量になってしまい、十分に麺質改良製剤を溶解させることができず、測定・評価ができなかった。また、アルカリ剤(炭酸ナトリウム)の配合比が比較的少ない試験区4では、添加する麺質改良製剤の量が多くなり始め、食味的には問題のない範囲であるが、スープに多少とろみを与えてしまうという影響がみられた。
<実験例2>(麺質改良製剤の効果の確認)
次に、本発明品、アルカリ剤を加えずに澱粉のみを本発明の製造方法により製造したもの、喫食時にアルカリ剤を別途添加したものの効果を比較検討した。
麺質改良製剤の製造方法は、以下のように行った。馬鈴薯澱粉1kgに、炭酸ソーダ100g、水2.0kgを混合攪拌した後(実験例1での試験区5に相当)、ゲージ圧4kg/cm2となるように設定した蒸気加熱型ドラムドライヤーの間を通過させ(間隔0.5mm)約1分間加熱し、その後乾燥を行い、次いで粉砕し、48メッシュパスのふるいを通して本発明品を得た。また、澱粉のみで製造する比較対照品(馬鈴薯澱粉のみ)は上記製造工程において炭酸ソーダを添加せずに、同様に製造したものを用いた。
得られた各製剤3gを(アルカリ剤を喫食時に添加するものは、炭酸ソーダ0.3gをさらに喫食時に添加)、中華風包装麺180g(麺線pH4.2に調製した後、パウチに封入して97℃で殺菌を行ったもの)と粉末醤油スープ10g、及び、乾燥具材とともに丼に入れた後、熱湯400mlを注加し、2分間放置し、その効果を調べた。
評価は熟練のパネラー5人により行った。各項目の評価基準としては、評価記号として、◎:最良、○:良好、△:普通、×:やや劣る、××:劣る、とする。
以下にその結果を示す。
Figure 0004695062
表3の結果から、澱粉(馬鈴薯澱粉)とアルカリ剤(炭酸ナトリウム)を本発明の製造方法により処理することにより、これらを単独で添加した場合に比べて、麺質改良の効果が優れていることが明確になった。
具体的には、本発明品を使用した場合には、麺質において、ぬめり感、しなやかさともに生中華麺らしさを再現することができた。一方、アルカリ剤を添加せずに、澱粉のみでの製造品を用いて、喫食時にアルカリ剤(炭酸ナトリウム)を添加したものは、本発明品に比べて、ぬめり感、しなやかさの点で本発明品より劣っていた。また、アルカリ剤を添加しないものでは、スープの酸性の影響から、さらに麺質は劣っていた。
<実験例3>(麺質改良製剤の添加量とその効果)
次に、澱粉とアルカリ剤の配合比は規定した上で、麺質改良製剤の添加量を変動させ、麺質改良の効果その他を検討した。麺質改良製剤の製造方法は、以下のように行った。馬鈴薯澱粉1kgに、炭酸ソーダ100g、水2.0kgを混合攪拌した後(実験例1での試験区5に相当)、ゲージ圧4kg/cm2となるように設定した蒸気加熱型ドラムドライヤーの間を通過させ(間隔0.5mm)約1分間加熱し、その後乾燥を行い、次いで粉砕し、48メッシュパスのふるいを通して本発明品を得た。
得られた麺質改良製剤を、生タイプ即席中華麺である中華風包装麺180g(麺線pH4.2に調製した後、パウチに封入して97℃で殺菌を行ったもの)と粉末醤油スープ10g、及び、乾燥具材とともに丼に入れた後、熱湯400mlを注加し、2分間放置し、その効果を調べた。 評価は熟練のパネラー5人により行った。各項目の評価基準としては、評価記号として、◎:最良、○:良好、△:普通、×:やや劣る、××:劣る、とする。以下にその結果を示す。



Figure 0004695062
表4に示したように、本発明の1〜4gの添加量で、麺質の改良(しなやかさ、ぬめり感)ができ、かつ、スープのpHも中性付近に調製され、生中華麺本来の食感を味わうことができることが判明した。尚、5.0g以上添加すると、スープへの影響がみられはじめ、ややえぐみが生じ始めた。また、本発明品である麺質改良製剤の麺類への添加量は、本実験例に限定されず、その製造時における澱粉とアルカリ剤の配合比率に応じて、適宜調整すればよいことはもちろんである。
<実験例4>(澱粉の種類の違いによる効果の違い)
次に、澱粉の種類を変動させた場合の麺質改良の効果を調べた。澱粉としては、馬鈴薯澱粉、タピオカ澱粉、小麦澱粉、甘藷澱粉を用いた。麺質改良製剤の製造方法及びその中華風包装麺に対する効果の評価方法は実験例2に示した通りである。麺質改良製剤の添加量は3.0gとした。尚、評価記号としては、◎:最良、○:良好、△:普通、×:やや劣る、××:劣る、とする。最良の中でも最もよいものを◎+αとした。
Figure 0004695062
表5の結果については、澱粉の種類について、実験した範囲内では、ほぼ差はなかったが、小麦澱粉の場合のみ、他の澱粉よりも麺質改良の効果が若干優れていた。その他の澱粉については効果の差は見られなかった。生タイプ即席中華麺が小麦粉より製造されるものであることに由来するものであると考えられる。
<実験例5>(アルカリ剤の種類による効果の違い)
次に、アルカリ剤の種類による麺質改良等の効果の違いについて調べた。アルカリ剤としては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、リン酸三ナトリウムを用いた。麺質改良製剤の製造方法及びその中華風包装麺に対する効果の評価方法は実験例2に示した通りである。また、麺質改良製剤の添加量は3.0gとした。
Figure 0004695062
表6に記載したように、アルカリ剤の種類については、実験した範囲内においては、アルカリ剤の種類によって、特に麺質改良その他の効果の差は見られなかった。

Claims (2)

  1. 熱湯を注加して喫食する生タイプ即席中華麺に使用され、注加する熱湯100ml当たり0.4〜1.4gの割合で添加する麺質改良製剤の製造方法であって、
    澱粉1000部に対して、アルカリ剤を50〜200部及び水を加えたものを混合攪拌し、該混合物を加熱処理し、乾燥することを特徴とする生タイプ即席中華麺用の麺質改良剤の製造方法。
  2. 請求項1記載の製造方法により製造された麺質改良剤を含有する生タイプ即席中華麺用の粉末スープ。
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