JP2020013338A - Rfidタグ埋設体およびその製造方法 - Google Patents

Rfidタグ埋設体およびその製造方法 Download PDF

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啓道 田中
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Abstract

【課題】低価格にて、リーダとの通信に際して金属の影響を受けにくく、かつ野外での長期使用にも対応可能なRFIDタグ埋設体を提供する。【解決手段】本発明は、金属Mに固定されるRFIDタグ埋設体1であって、シリコーン系エラストマーのシート10と、シート10の表面から内部に向けて金属Mの表面に達しない位置まで埋設される非金属対応のRFIDタグ15と、RFIDタグ15の上からシート10に固定され、RFIDタグ15を被覆して保護する非金属製の保護層20と、を備えるRFIDタグ埋設体1およびその製造方法に関する。【選択図】図1

Description

本発明は、RFIDタグ埋設体およびその製造方法に関する。
RFIDタグは、近距離無線通信によってタグ内に格納される情報を認識するための部品であって、近年では、例えば、物流における商品等のトレーサビリティ、農産物の生産者情報の記録あるいは図書館等における書籍の管理などにも利用されている。RFIDタグは、通常、アンテナとメモリとを備え、さらに電池を内蔵して自力で通信可能なアクティブタグ、電池を内蔵せずに外部リーダからの電波を受けて通信可能なパッシブタグ、およびそれら両方の機能を兼ね備えたセミアクティブタグに分けられる。これらのタグの内、パッシブタグは、電池を備えない簡易な構成を有することから、安価で、また小型化も容易なタグとして多用されてきている。
ところで、RFIDタグを金属の表面に固定すると、リーダからの電波が金属面で反射されるに加え、RFIDタグから放射される電波が金属面にうず電流を生じさせる結果、金属面から反射波が放出され、RFIDタグからの電波を検知することが極めて難しいという問題がある。このような問題を解決するため、従来から様々な金属対応RFIDタグが開発されている。
例えば、RFIDタグと金属面との間に磁性体を挟み、金属面から放出される磁束を磁性体に引き込み、その結果、金属の影響を低減させる技術が知られている(特許文献1を参照)。
特開2007−233824
しかし、上述した従来から公知の金属対応RFIDタグは、磁性体という構成要素を追加することを要し、RFIDタグの高価格化を招く虞がある。また、この種のRFIDタグは、野外の金属面に固定することを前提に考えられていない。このため、RFIDタグを風雨や外からの衝撃にさらされやすい野外の金属面に備えると、長期間の使用に耐えられないという問題がある。
本発明は、金属対応RFIDの使用による高価格化を招くことのないように金属非対応のRFIDタグの使用を前提とし、リーダとの通信に際して金属の影響を受けにくく、かつ野外での長期使用にも対応可能なRFIDタグ埋設体およびその製造方法を提供することを目的とする。
(1)上記目的を達成するため、本発明の一実施形態に係るRFIDタグ埋設体は、金属に固定されるRFIDタグ埋設体であって、シリコーン系エラストマーのシートと、前記シートの表面から内部に向けて前記金属の表面に達しない位置まで埋設される非金属対応のRFIDタグと、前記RFIDタグの上から前記シートに固定され、前記RFIDタグを被覆して保護する非金属製の保護層と、を備える。
(2)別の実施形態に係るRFIDタグ埋設体において、好ましくは、前記保護層は、ガラス繊維を含むシリコーンゴム層およびスポンジ状のシリコーンゴム層の少なくとも1つの層である。
(3)別の実施形態に係るRFIDタグ埋設体は、好ましくは、前記保護層における少なくとも前記シートとの接着面を凹凸面とする。
(4)別の実施形態に係るRFIDタグ埋設体において、好ましくは、前記RFIDタグが前記シート内に完全に埋設されていて、前記保護層は、前記シートとの接着面から内方に向けて突出する突出部を備え、前記突出部は、前記シート内の前記RFIDタグに接触している。
(5)別の実施形態に係るRFIDタグ埋設体において、好ましくは、前記シリコーン系エラストマーは、湿気硬化シリコーン系エラストマーである。
(6)本発明の一実施形態に係るRFIDタグ埋設体の製造方法は、上述のいずれか1つのRFIDタグ埋設体の製造方法であって、金属の表面に、硬化性シリコーン系接着層を貼り付ける接着層貼付工程と、前記硬化性シリコーン系接着層の表面から内部に向けて前記金属の表面に達しない位置まで非金属対応のRFIDタグを埋設するRFIDタグ埋設工程と、前記RFIDタグの上から前記硬化性シリコーン系接着層に、前記RFIDタグを被覆して保護する非金属製の保護層を接着する保護層接着工程と、前記硬化性シリコーン系接着層を硬化させてシリコーン系エラストマーのシートを形成する硬化工程と、を含む。
(7)別の実施形態に係るRFIDタグ埋設体は、好ましくは、前記RFIDタグが前記シート内に完全に埋設されていて、前記保護層は、前記シートとの接着面から内方に向けて突出する突出部を備え、前記突出部は、前記シート内の前記RFIDタグに接触しているRFIDタグ埋設体の製造方法であって、前記RFIDタグ埋設工程では、前記突出部にて前記RFIDタグを前記硬化性シリコーン系接着層中に押し込んで埋設し、前記保護層接着工程では、前記RFIDタグ埋設工程によって前記突出部の長さだけあるいは当該長さを超えて前記RFIDタグを前記硬化性シリコーン系接着層中に埋め込んだ位置で前記保護層を前記硬化性シリコーン系接着層に接着する。
本発明によれば、低価格にて、リーダとの通信に際して金属の影響を受けにくく、かつ野外での長期使用にも対応可能なRFIDタグ埋設体を提供できる。
図1は、本発明の第一実施形態に係るRFIDタグ埋設体を金属の表面に備える状況の一部分解斜視図を示す。 図2は、図1のRFIDタグ埋設体を備える金属を、その厚さ方向に切断した断面図(2A)および図1のRFIDタグ埋設体を構成するRFIDタグの概略透過平面図(2B)をそれぞれ示す。 図3は、本発明の第2実施形態に係るRFIDタグ埋設体の図2(2A)と同視の断面図を示す。 図4は、本発明の第3実施形態に係るRFIDタグ埋設体を金属の表面に備える状況の一部分解斜視図を示す。 図5は、図4のRFIDタグ埋設体を備える金属を、その厚さ方向に切断した断面図を示す。 図6は、本発明の第4実施形態に係るRFIDタグ埋設体の形成工程を、図2(2A)と同視の断面図にて順に示す。 図7は、本発明の好適な実施形態に係るRFIDタグ埋設体の製造方法のフローチャート(7A)、第1実施形態に係るRFIDタグ埋設体の製造過程の断面図(7B)および第3実施形態に係るRFIDタグ埋設体の製造過程の断面図(7C)をそれぞれ示す。
以下、本発明の各実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下に説明する各実施形態は、特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、各実施形態の中で説明されている諸要素およびその組み合わせの全てが本発明の解決手段に必須であるとは限らない。各実施形態においては、基本的な構成および特徴が同じ構成要素については、実施形態をまたぎ同じ符号を使用し、説明を省略する場合がある。
1.RFIDタグ埋設体
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係るRFIDタグ埋設体を金属の表面に備える状況の一部分解斜視図を示す。図2は、図1のRFIDタグ埋設体を備える金属を、その厚さ方向に切断した断面図(2A)および図1のRFIDタグ埋設体を構成するRFIDタグの概略透過平面図(2B)をそれぞれ示す。
第1実施形態に係るRFIDタグ埋設体1は、金属Mに固定される部材であって、シリコーン系エラストマーのシート10と、シート10の表面から内部に向けて金属Mの表面に達しない位置まで埋設される非金属対応のRFIDタグ15と、RFIDタグ15の上からシート10に固定され、RFIDタグ15を被覆して保護する非金属製の保護層20と、を備える。図1は、RFIDタグ埋設体1から保護層20が分離された状態を示している。以下、シート10、保護層20およびRFIDタグ15について詳述する。
1.1 シート
シート10は、シリコーン系エラストマーから成る。図1では、シート10は、平面視で矩形の形状を有するが、その形状に制約はない。シート10は、硬化性シリコーン系接着層(以後、適宜、単に「接着層」あるいは「接着剤」と称することもある。)を硬化した部材である。シート10は、自己接着シリコーンゴムの硬化体と称することもできる。接着層は、無溶剤のシリコーン系接着剤の一種であり、高い接着力を有するとともに、硬化後には熱安定性、耐候性、良好な耐水性、優れた可撓性を有するシート10となる。接着層は、自立した形状を保持でき、かつ、押圧力に従って変形可能な可塑性を有する固形物である。このため、接着層は、配置する場所の凹凸や曲面に応じて変形させ、配置する場所に密着させることが可能である。
シート10の硬化前の状態にある接着層は、25℃におけるウイリアムス可塑度が50〜500の範囲内にあることが好ましい。なお、ウイリアムス可塑度は、平行板可塑度計(ウイリアムスプラストメーター)を使用し、JIS K 6249「未硬化および硬化シリコーンゴムの試験方法」に規定の測定方法に準じて測定されるものである。接着層は、縮合反応型の硬化性シリコーンゴム組成物であり、好ましくは常温で放置することにより空気中の水分と反応させるという手軽な手段によって硬化可能である。接着層を硬化して成るシリコーン系エラストマーは、好ましくは、湿気硬化シリコーン系エラストマーである。なお、接着層は、付加反応型の硬化性シリコーンゴム組成物であって、加熱により硬化する層であっても良い。その場合には、シート10は、加熱硬化シリコーン系エラストマーから成る。以下、接着層となる縮合反応型の硬化性シリコーンゴム組成物および付加反応型の硬化性シリコーンゴム組成物について詳述する。
(1)縮合反応型の硬化性シリコーンゴム組成物
縮合反応型の硬化性シリコーンゴム組成物は、主に以下の成分から構成される。
(1−1)オルガノポリシロキサン
オルガノポリシロキサンは、縮合反応型の硬化性シリコーンゴム組成物の主剤成分であり、好ましくは、下記の化学式(1)または化学式(2)により表されるジオルガノポリシロキサンである。
上記の化学式(1),(2)において、Rは一価の炭化水素基である。Rとしては、アルキル基(メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、2−エチルブチル基、オクチル基等)、シクロアルキル基(シクロヘキシル基、シクロペンチル基等)、アルケニル基(ビニル基、プロペニル基、ブテニル基、ヘプテニル基、ヘキセニル基、アリル基等)、アリール基(フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、ジフェニル基等)、アラルキル基(ベンジル基、フェニルエチル基等)、および、上記炭化水素基の炭素原子に結合している水素原子の少なくとも一部をハロゲンやシアノ基等で置換したもの(クロロメチル基、トリフルオロプロピル基、2−シアノエチル基、3−シアノプロピル基等)から選択される一または複数の炭化水素基を挙げることができる。Rの炭素数としては、1〜12であることが好ましく、1〜10であることが一層好ましい。上記の化学式(1),(2)においては、Aは酸素原子または−(CH−(mは1〜8)で表されるポリメチレン基(メチレン基を含む)である。Aは、酸素原子またはエチレン基であることが好ましい。
上記の化学式(1),(2)において、nは(1−1)成分の25℃における動粘度を100〜1000000cm/sの範囲内とする任意の数である。当該動粘度は、500〜500000cm/sの範囲内とすることが一層好ましい。
上記の化学式(1),(2)において、Bは加水分解性基である。Bとしては、アルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等)、ケトオキシム基(ジメチルケトオキシム基、メチルエチルケトオキシム基等)、アシルオキシ基(アセトキシ基等)、アルケニルオキシ基(イソプロペニルオキシ基、イソブテニルオキシ基等)を挙げることができる。なお、上記の化学式(1),(2)におけるxは2または3である。
上記(1−1)成分は、公知の方法(例えば、環状シロキサンまたは線状オリゴマーと酸触媒または塩基触媒とを用いた平衡反応による方法)により製造することができる。
なお、(1−1)成分であるジオルガノポリシロキサンに分岐構造を導入する場合には、常法として、重合中にSiO3/2単位およびSiO4/2単位のうち少なくとも一方を含むシランまたはシロキサンをジオルガノポリシロキサンがゲル化しない程度に添加する方法を用いることができる。(1−1)成分については、汚れを低減するため、洗浄等により低分子シロキサンを除去してから用いることが好ましい。
(1−2)架橋剤
架橋剤としては、加水分解性基を1分子中に2個以上、好ましくは3個以上有するシラン、または、当該シランの部分加水分解縮合物を用いる。加水分解性基の例としては、アルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基等)、ケトオキシム基(ジメチルケトオキシム基、メチルエチルケトオキシム基等)、アシルオキシ基(アセトキシ基等)、アルケニルオキシ基(イソプロペニルオキシ基、イソブテニルオキシ基等)、アミノ基(N−ブチルアミノ基、N,N−ジエチルアミノ基等)、アミド基(N−メチルアセトアミド基等)を挙げることができる。これらの中では、アルコキシ基、ケトオキシム基、アシルオキシ基、アルケニルオキシ基を用いることが好ましい。架橋剤の配合量は、(1−1)成分100質量部に対して1〜50質量部の範囲内にあることが好ましく、2〜30質量部の範囲内にあることが一層好ましく、5〜20質量部の範囲内にあることがより一層好ましい。
(1−3)硬化触媒
硬化触媒は必須ではないが、硬化触媒を用いることにより、硬化性シリコーンゴム組成物の硬化を促進することができる。硬化触媒の例としては、アルキル錫エステル化合物(ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジオクトエート等)、チタン酸エステルまたはチタンキレート化合物(テトライソプロポキシチタン、テトラn−ブトキシチタン、テトラキス(2−エチルヘキソキシ)チタン、ジプロポキシビス(アセチルアセトナ)チタン、チタニウムイソプロポキシオクチレングリコール等)、その他の適切な有機金属化合物(ナフテン酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛、亜鉛−2−エチルオクトエート、鉄−2−エチルヘキソエート、コバルト−2−エチルヘキソエート、マンガン−2−エチルヘキソエート、ナフテン酸コバルト、アルコキシアルミニウム化合物等)、アミノアルキル基置換アルコキシシラン(3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等)、アミン化合物またはその塩(ヘキシルアミン、リン酸ドデシルアミン等)、第4級アンモニウム塩(ベンジルトリエチルアンモニウムアセテート等)、アルカリ金属の低級脂肪酸塩(酢酸カリウム、酢酸ナトリウム、シュウ酸リチウム等)、のアルカリ金属の低級脂肪酸塩、ジアルキルヒドロキシルアミン(ジメチルヒドロキシルアミン、ジエチルヒドロキシルアミン等)、グアニジル基を有するシランまたはシロキサン(テトラメチルグアニジルプロピルトリメトキシシラン、テトラメチルグアニジルプロピルメチルジメトキシシラン、テトラメチルグアニジルプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シラン等)を挙げることができる。これらは、1種のみで用いてもよいし、2種以上の混合物として用いてもよい。硬化触媒の配合量は、(1−1)成分100質量部に対して0〜20質量部の範囲内にあることが好ましく、0.001〜10質量部の範囲内にあることが一層好ましく、0.01〜5質量部の範囲内にあることがより一層好ましい。
(1−4)充填剤
充填剤は、必須ではないが、補強等の目的で好適に用いることができる。充填剤の例としては、補強剤(ヒュームドシリカ、沈降性シリカ、これらのシリカの表面を有機珪素化合物で疎水化処理したシリカ、石英粉末、タルク、ゼオライト、ベントナイト等)、繊維質充填剤(アスベスト、ガラス繊維、有機繊維等)、塩基性充填剤(炭酸カルシウム、炭酸亜鉛、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、セライト等)を挙げることができる。これらの中では、シリカ、炭酸カルシウムおよびゼオライトを用いることが好ましく、表面を疎水化処理したヒュームドシリカおよび炭酸カルシウムを用いることが一層好ましい。上記充填剤の配合量は、目的や充填剤の種類により選択することができるが、(1−1)成分に対して1〜90体積%の範囲内にあり、5〜60体積%の範囲内にあることが好ましい。
(1−5)接着性付与成分
接着性付与成分は必須ではないが好適に用いられる。接着性付与成分の例としては、アミノ基含有オルガノアルコキシシラン(γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン等)、エポキシ基含有オルガノアルコキシシラン(γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等)、メルカプト含有オルガノアルコキシシラン(γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等)、アミノ基含有オルガノアルコキシシランとエポキシ基含有オルガノアルコキシシランとの反応混合物を挙げることができる。接着性付与成分の配合量は、(1−1)成分100質量部に対して0.1〜5質量部の範囲内にあることが好ましい。
(2)付加硬化型の硬化性シリコーンゴム組成物
シート10を付加硬化型の硬化性シリコーンゴム組成物を硬化して得る場合、その付加硬化型の硬化性シリコーンゴム組成物は、主に以下の成分から構成される。
(2−1)オルガノポリシロキサン
オルガノポリシロキサンは、付加硬化型の硬化性シリコーンゴム組成物の主剤であり、一分子中に平均2個以上のアルケニル基を有する。アルケニル基の例としては、ビニル基、アリル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基およびヘプテニル基を挙げることができる。これらの中では、ビニル基を用いることが好ましい。また、本成分中、アルケニル基以外のケイ素原子に結合する有機基の例としては、アルキル基(メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等)、アリール基(フェニル基、トリル基、キシリル基等)、ハロゲン化アルキル基(3−クロロプロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基等)を挙げることができる。これらの中では、メチル基を用いることが好ましい。本成分の分子構造の例としては、直鎖状、一部分枝を有する直鎖状、分枝鎖状、網状、樹枝状を挙げることができる。本成分の25℃における粘度は100000mPa・s以上であることが好ましく、1000000mPa・s以上であることが一層好ましい。
本成分のオルガノポリシロキサンとしては、例えば、分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ポリジメチルシロキサン、分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合体、(CHSiO1/2で示されるシロキサン単位と(CH(CH=CH)SiO1/2で示されるシロキサン単位とSiO4/2で示されるシロキサン単位とからなるオルガノポリシロキサン、これらのオルガノポリシロキサンのメチル基の少なくとも一部をアルキル基(エチル基、プロピル基等)、アリール基(フェニル基、トリル基等)、ハロゲン化アルキル基(3,3,3−トリフルオロプロピル基等)から選ばれる置換基で置換したオルガノポリシロキサン、これらのオルガノポリシロキサンのビニル基の少なくとも一部をアルケニル基(アリル基、プロペニル基等)で置換したオルガノポリシロキサン、および、これらのオルガノポリシロキサンの2種以上の混合物を用いることができる。
(2−2)水素化オルガノポリシロキサン
水素化オルガノポリシロキサンは、付加硬化型の硬化性シリコーンゴム組成物の硬化剤として作用するものであり、1分子中に平均2個以上のケイ素原子結合水素を有する。本成分中のケイ素に結合する有機基の例としては、アルキル基(メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等)、アリール基(フェニル基、トリル基、キシリル基等)、ハロゲン化アルキル基(3−クロロプロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基等)を挙げることができる。上記の中では、メチル基を用いることが好ましい。本成分の分子構造の例としては、直鎖状、一部分枝を有する直鎖状、分枝鎖状、網状、樹枝状を挙げることができる。本成分の25℃における粘度は限定されないが、1〜1000000mPa・sの範囲内にあることが好ましく、1〜10000mPa・sの範囲内にあることが一層好ましい。
本成分の水素化オルガノポリシロキサンとしては、例えば、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ポリジメチルシロキサン、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ポリメチルハイドロジェンシロキサン、分子鎖両末端トリメチルシロキシ封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、環状ポリメチルハイドロジェンシロキサン、(CHHSiO1/2で示されるシロキサン単位とSiO4/2で示されるシロキサン単位とからなるオルガノポリシロキサン、これらのオルガノポリシロキサンのメチル基の少なくとも一部をアルキル基(エチル基、プロピル基等)、アリール基(フェニル基、トリル基等)、ハロゲン化アルキル基(3,3,3−トリフルオロプロピル基等)で置換したオルガノポリシロキサン、および、これらのオルガノポリシロキサンの2種以上の混合物を用いることができる。これらの中では、得られる硬化物の機械的特性(特に伸び)が向上することから、分子鎖両末端にのみケイ素原子結合水素原子を有するオルガノポリシロキサンと分子鎖側鎖にケイ素原子結合を有するオルガノポリシロキサンとの混合物を用いることが好ましい。
付加硬化型の硬化性シリコーンゴム組成物における本成分の含有量は、(2−1)成分中のアルケニル基に対する本成分中のケイ素原子結合水素原子のモル比が0.01〜20の範囲内となる量であり、0.1〜10の範囲内となる量であることが好ましく、0.1〜5の範囲内となる量であることが一層好ましい。上記のような範囲としたのは、本成分の含有量が上記範囲の下限以上であると、自己接着シリコーンゴムが十分に硬化しやすくなる傾向があるからであり、一方、上記範囲の上限以下では、硬化したシート10の機械的特性がより高くなる傾向があるからである。また、本成分として、分子鎖両末端にのみケイ素原子結合水素原子を有するオルガノポリシロキサンと分子鎖側鎖にケイ素原子結合を有するオルガノポリシロキサンとの混合物を用いる場合には、前者のオルガノポリシロキサンの含有量は、(2−1)成分中のアルケニル基に対する本成分中のケイ素原子結合水素原子のモル比が0.01〜10の範囲内となる量であることが好ましく、0.1〜10の範囲内となる量であることが一層好ましく、0.1〜5の範囲内となる量であることがより一層好ましい。また、後者のオルガノポリシロキサンの含有量は、(2−1)成分中のアルケニル基に対する本成分中のケイ素原子結合水素原子のモル比が0.5〜20の範囲内となる量であることが好ましく、0.5〜10の範囲内となる量であることが一層好ましく、0.5〜5の範囲内となる量であることが一層好ましい。
(2−3)硬化触媒
硬化触媒は必須ではないが、好ましい例としてヒドロシリル化反応用白金系触媒を挙げることができる。ヒドロシリル化反応用白金系触媒の例としては、白金微粉末、白金黒、塩化白金酸、アルコール変性塩化白金酸、白金とジケトンの錯体、塩化白金酸とオレフィン類の錯体、塩化白金酸とアルケニルシロキサンとの錯体、および、これらを担体(アルミナ、シリカ、カーボンブラック等)に担持させたものを挙げることができる。これらの中では、触媒活性の高さから、塩化白金酸とアルケニルシロキサンとの錯体を用いることが好ましい。また、塩化白金酸とジビニルテトラメチルジシロキサンとの錯体を用いることが一層好ましい。本成分の配合量は、(2−1)成分100万質量部に対して、白金金属原子として1〜1000質量部の範囲内にあることが好ましく、1〜100質量部の範囲内にあることが一層好ましい。
(2−4)充填剤
充填剤は、付加硬化型の硬化性シリコーンゴム組成物の機械的強度を向上させるために添加する方が好ましいものであり、通常、シリコーンゴムの配合に用いられる公知の化合物を用いることができる。本成分としては、例えば、ヒュームドシリカ、沈降性シリカ、焼成シリカ、粉砕石英、および、これらのシリカの粉末を有機ケイ素化合物(オルガノアルコキシシラン、オルガノハロシラン、オルガノシラザン等)で表面処理した粉末を挙げることができる。特に、硬化したシート10の機械的強度を十分に向上させるためには、本成分としてBET比表面積が50m/g以上であるシリカ粉末を用いることが好ましい。
付加硬化型の硬化性シリコーンゴム組成物において、本成分の添加は任意であるが、硬化した自己接着シリコーンゴムの機械的強度を向上させるためには、本成分の配合量が(2−1)成分100質量部に対して1〜1000質量部の範囲内にあることが好ましく、1〜400質量部の範囲内にあることが一層好ましい。また、付加硬化型の硬化性シリコーンゴム組成物は、その他任意の成分として、例えば、ヒュームド酸化チタン、ケイ藻土、酸化鉄、酸化アルミニウム、アルミノケイ酸塩、炭酸カルシウム、酸化亜鉛、水酸化アルミニウム等の無機質充填剤および有機充填剤を含有していてもよい。付加硬化型の硬化性シリコーンゴム組成物は、これらの充填剤の表面を前記の有機ケイ素化合物で処理した充填剤を含有していても良い。充填剤の配合量は、目的や充填剤の種類により選択することができるが、(2−1)成分に対して1〜90体積%の範囲内にあり、5〜60体積%の範囲内にあることが好ましい。
(2−5)接着性付与成分
本成分は、必須ではないが、付加硬化型の硬化性シリコーンゴム組成物を接着剤として機能させるためにその接着性を付与、向上させるために好適に用いることができるものである。本成分の例として、シランカップリング剤およびこれらの部分加水分解物(メチルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、ビス(トリメトキシシリル)プロパン、ビス(トリメトキシシリル)ヘキサン等)、「エポキシ基、酸無水物基、αシアノアクリル基」を有する有機化合物、「エポキシ基、酸無水物基、αシアノアクリル基」を有するシロキサン化合物、「エポキシ基、酸無水物基、αシアノアクリル基」とアルコキシシリル基とを併有する有機化合物またはシロキサン化合物、チタン化合物(テトラエチルチタネート、テトラプロピルチタネート、テトラブチルチタネート、テトラ(2−エチルヘキシル)チタネート、チタンエチルアセトネート、チタンアセチルアセトネート等)、アルミニウム化合物(エチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)、アルキルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムトリス(アセチルアセトネート)、アルミニウムモノアセチルアセトネートビス(エチルアセトアセテート)等)、ジルコニウム化合物(ジルコニウムアセチルアセトネート、ジルコニウムブトキシアセチルアセトネート、ジルコニウムビスアセチルアセトネート、ジルコニウムエチルアセトアセテート等)を挙げることができる。なお、上記のシロキサン化合物としては、アルケニル基、アクリロイル基、メタクリロイル基等の低級脂肪族不飽和基またはこれらとヒドロシリル基とを併有するものが接着性向上について効果的な寄与を期待できる。上記接着性付与成分の含有量は、特に限定されないが、(2−1)成分100質量部に対して0.01〜10質量部の範囲内にあることが好ましい。
さらに、付加硬化型の硬化性シリコーンゴム組成物には、その硬化性を調整するために、アセチレン系化合物(3−メチル−1−ブチン−3−オール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール、3−フェニル−1−ブチン−3−オール等)、エンイン化合物(3−メチル−3−ペンテン−1−イン、3,5−ジメチル−3−ヘキセン−1−イン等)、1分子中にビニル基を5質量%以上持つオルガノシロキサン化合物(1,3,5,7−テトラメチル−1,3,5,7−テトラビニルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7−テトラメチル−1,3,5,7−テトラヘキセニルシクロテトラシロキサン、分子鎖両末端シラノール基封鎖メチルビニルシロキサン、分子鎖両末端シラノール基封鎖メチルビニルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体等)、その他の硬化抑制剤(ベンゾトリアゾール等のトリアゾール類、フォスフィン類、メルカプタン類、ヒドラジン類等)を含有することが好ましい。これらの含有量は限定されないが、(2−1)成分100質量部に対して0.001〜5質量部の範囲内にあることが好ましい。
付加硬化型の硬化性シリコーンゴム組成物を調製する方法は限定されず、必要に応じてその他任意の成分を混合することにより調製することができるが、予め(2−1)成分と(2−3)成分とを加熱混合して調製したベースコンパウンドに、残余の成分を添加することが好ましい。なお、その他任意の成分を添加する場合、ベースコンパウンドを調製する際に添加してもよく、また、その他任意の成分が加熱混合により変質する場合には、(2−2)成分や(2−4)成分を添加する際に添加してもよい。また、ベースコンパウンドを調製する際、前記の有機ケイ素化合物を添加して、(2−3)成分の表面をin−situ処理してもよい。
1.2 保護層
保護層20は、シート10の上方に固定され、RFIDタグ15を外傷などから保護するためのカバーである。保護層20は、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、光硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂、合成ゴム、天然ゴム、木材、セラミックスなどの非金属材料から成る。RFIDタグ15と外部リーダとの間で行う電波による通信を妨げないようにする趣旨からである。
保護層20は、より好ましくは、シリコーンゴム、ウレタンゴム、イソプレンゴム、エチレンプロピレンゴム、天然ゴム、エチレンプロピレンジエンゴム、ニトリルゴム(NBR)あるいはスチレンブタジエンゴム(SBR)等の熱硬化性エラストマー; ウレタン系、エステル系、スチレン系、オレフィン系、ブタジエン系、フッ素系等の熱可塑性エラストマー、あるいはそれらの複合物等を含むように構成される。保護層20は、より好ましくは、ガラス繊維を含むシリコーンゴム層およびスポンジ状のシリコーンゴム層の少なくとも1つの層である。保護層20は、さらにより好ましくは、ガラス繊維を含むシリコーンゴム層とスポンジ状のシリコーンゴム層とを、いずれの層がシート10と接するかを問わず積層されている。
RFIDタグ15がシート10から外に向かって突出する場合には、保護層20は、好ましくは、RFIDタグ15の突出部を覆う窪み21を備える。窪み21の深さは、RFIDタグ15がシート10から突出させる設定高さに等しくなるようにしても良い。そのようにすれば、シート10上にRFIDタグ15を載せて、窪み21をRFIDタグ15の位置に合わせながら保護層20を、シート10の硬化前の状態の接着層に接するまで押し込むことによって、RFIDタグ15の突出高さを窪み21の深さと一致させることができる。保護層20は、窪み21の周囲がシート10に密着するように、シート10上に固定されている。接着層に保護層20を接触せしめ、その後に接着層を硬化させることにより、シート10と保護層20との一体化を実現できる。
1.3 RFIDタグ
RFIDタグ15は、金属非対応(「非金属対応」と称しても良い。)のRFIDタグである。RFIDタグ15は、図2(2A)に示すように、金属Mの表面、すなわちシート10の金属Mへの貼付面から厚さt1(0<t1<シート10の厚さ)だけ浮いた位置になるように、シート10の上面から内方に埋め込まれている。シート10の金属Mとの貼付面から上方に向かって厚さt1の領域は、RFIDタグ15を金属Mの表面から遠ざける役割を有する。これによって、RFIDタグ15からの電波が金属Mに渦電流を生じさせて、金属Mから電波が発せられる結果、RFIDタグ15からの電波が相対的に弱められる状況を低減できる。
RFIDタグ15は、それ自体に電池を内蔵して自力で通信可能なアクティブタグ、電池を内蔵せずに外部リーダからの電波を受けて通信可能なパッシブタグ、およびそれら両方の機能を兼ね備えたセミアクティブタグのいずれのタイプのタグであっても良い。RFIDタグ15は、好ましくは、図2(2B)に示す構造のパッシブタグである。RFIDタグ15の構成が単純であり、小型化と低コスト化を実現しやすいからである。
RFIDタグ15は、パッシブタグの形態を持つ場合、基板16と、基板16に形成されるコイル(アンテナ)17と、コイル17と電気的に接続されるメモリ(ICチップ)18と、を備える。RFIDタグ15は、この実施形態では、好ましくは、RFIDタグ15のコイル17と外部リーダのアンテナコイルとを磁束結合させて信号を伝達させる電磁誘導方式のタグであるが、RFIDタグ15のアンテナ17と外部リーダのアンテナとの間で電波を送受信する電波方式のタグであっても良い。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態に係るRFIDタグ埋設体について説明する。第2実施形態において、第1実施形態と共通する部分については、適宜、その説明を省略する。
図3は、本発明の第2実施形態に係るRFIDタグ埋設体の図2(2A)と同視の断面図を示す。
第2実施形態に係るRFIDタグ埋設体1aは、保護層20aにおける少なくともシート10との接着面を凹凸面22とし、その他の構成を第1実施形態に係るRFIDタグ埋設体1と共通する。シート10とRFIDタグ15は、第1実施形態におけるそれらと同一である。
凹凸面22の凹凸は、好ましくは、保護層20aにおけるRFIDタグ15の外周領域に形成されている。凹凸は、当該外周領域の面内にドット状に形成されていても良く、あるいはライン状の峰と谷とで構成されていても良い。凹凸を保護層20aのシート10との接触面に形成すると、シート10と保護層20aとの接触面積を増大させることができるので、シート10と保護層20aとの接着力をより高めることができる。
なお、凹凸は、RFIDタグ15の厚さに対して十分に小さい高さおよび深さであれば、RFIDタグ15と接触する部位に形成されていても良い。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態に係るRFIDタグ埋設体について説明する。第3実施形態において、前述の各実施形態と共通する部分については、適宜、その説明を省略する。
図4は、本発明の第3実施形態に係るRFIDタグ埋設体を金属の表面に備える状況の一部分解斜視図を示す。図5は、図4のRFIDタグ埋設体を備える金属を、その厚さ方向に切断した断面図を示す。
第3実施形態に係るRFIDタグ埋設体1bでは、RFIDタグ15がシート10内に完全に埋設されている。また、保護層20bは、保護層20と異なり、シート10側の面に窪み21を備えていない。すなわち、保護層20bのシート10側の面は、図5に示すように平面となっている。RFIDタグ埋設体1bの上記の点以外は、第1実施形態に係るRFIDタグ埋設体1と共通する。シート10は、RFIDタグ15を完全に埋設して、かつRFIDタグ15が金属Mの面(シート10における金属Mとの貼付面)から厚さt2(0<t2<シート10の厚さ)だけ離れるような十分な厚さを有する。
保護層20bは、その厚さ方向の平面の内の一方の面(図5では下面)を平面とし、当該平面をシート10に固定している。なお、保護層20bは、第2実施形態に係るRFIDタグ埋設体1aの保護層20aと同様に、保護層20bのシート10との接着面に凹凸面22を備えていても良い。
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態に係るRFIDタグ埋設体について説明する。第4実施形態において、前述の各実施形態と共通する部分については、適宜、その説明を省略する。
図6は、本発明の第4実施形態に係るRFIDタグ埋設体の形成工程を、図2(2A)と同視の断面図にて順に示す。
第4実施形態に係るRFIDタグ埋設体1cでは、第3実施形態に係るRFIDタグ埋設体1bと同様、RFIDタグ15がシート10内に完全に埋設されている(図6の6cを参照)。しかし、保護層20cは、保護層20bと異なり、シート10との接着面から内方に向けて突出する突出部24を備える。突出部24は、シート10内のRFIDタグ15に接触している。突出部24は、(接着層30の厚さ−RFIDタグ15の厚さ)より短い長さを有する。RFIDタグ埋設体1cの上記の点以外は、第3実施形態に係るRFIDタグ埋設体1bと共通する。
シート10は、RFIDタグ15を完全に埋設して、かつRFIDタグ15が金属Mの面(シート10における金属Mとの貼付面)から厚さt2(0<t2<シート10の厚さ)だけ離れ、かつ突出部24の長さt0だけ埋設されるのに十分な厚さを有する。接着層30上にRFIDタグ15を載せて(図6の6aから6b)、突出部24をRFIDタグ15に当接させながら保護層20cを接着層30に接するまで押し込んで接着層30を硬化することによって(図6の6bから6c)、RFIDタグ15のシート10内への埋設深さを一定にすることができる。
2.RFIDタグ埋設体の製造方法
図7は、本発明の好適な実施形態に係るRFIDタグ埋設体の製造方法のフローチャート(7A)、第1実施形態に係るRFIDタグ埋設体の製造過程の断面図(7B)および第3実施形態に係るRFIDタグ埋設体の製造過程の断面図(7C)をそれぞれ示す。
この実施形態に係るRFIDタグ埋設体の製造方法は、接着層貼付工程(S110)、RFIDタグ埋設工程(S120)、保護層接着工程(S130)および硬化工程(S140)を含む。以下、各工程について説明する。
2.1 接着層貼付工程(S110)
接着層貼付工程は、金属Mの表面に、接着層30を貼り付ける工程である(b1およびc1を参照)。
2.2 RFIDタグ埋設工程(S120)
RFIDタグ埋設工程は、接着層30の表面から内部に向けて金属Mの表面に達しない位置までRFIDタグ15の一部を埋設する工程(b2を参照)、あるいは接着層30の表面から内部に向けて金属Mの表面に達しない位置までRFIDタグ15の全部を埋設する工程(c2を参照)である。
2.3 保護層接着工程(S130)
保護層接着工程は、RFIDタグ15の上から、接着層30に対して、RFIDタグ15を被覆して保護する保護層20,20aを接着する工程である(b3およびc3を参照)。
2.4 硬化工程(S140)
硬化工程は、接着層30を硬化させてシリコーン系エラストマーのシート10を形成する工程である(b4およびc4を参照)。この結果、保護層20,20aは、シート10に固定される。
第2実施形態に係るRFIDタグ埋設体1aは、第1実施形態に係るRFIDタグ埋設体1と同様の製造工程(図7の7Bを参照)にて製造できる。
第4実施形態に係るRFIDタグ埋設体1cは、第3実施形態に係るRFIDタグ埋設体1bと類似の製造工程にて製造できるが、以下の各工程がRFIDタグ埋設体1bの工程と異なる。すなわち、RFIDタグ埋設工程(S120)は、保護層20cの突出部24にてRFIDタグ15を接着層30中に押し込んで埋設する工程である。保護層接着工程(S130)は、RFIDタグ埋設工程(S120)によって突出部24の長さt0だけあるいは当該長さt0を超えてRFIDタグ15を接着層30中に埋め込んだ位置で、保護層20cを接着層30に接着する工程である。
3.各実施形態の作用・効果
上述の各実施形態に係るRFIDタグ埋設体1,1a,1b,1cは、金属Mに固定されるRFIDタグ埋設体であって、シリコーン系エラストマーのシート10と、シート10の表面から内部に向けて金属Mの表面に達しない位置まで埋設される非金属対応のRFIDタグ15と、RFIDタグ15の上からシート10に固定され、RFIDタグ15を被覆して保護する非金属製の保護層20,20a,20b,20cと、を備える。このような構成のRFIDタグ埋設体1,1a,1b,1cは、金属対応RFIDタグを用いる場合と比べて低価格にて構成でき、さらにはリーダとの通信に際して金属Mの影響を受けにくく、かつ野外での長期使用にも対応可能である。
また、上述の各実施形態に係るRFIDタグ埋設体1,1a,1b,1cは、保護層20,20a,20b,20cとして、ガラス繊維を含むシリコーンゴム層およびスポンジ状のシリコーンゴム層の少なくとも1つの層を用いることができる。かかる層を用いることによって、RFIDタグ15と外部リーダとの通信に悪影響を与える可能性を低減できると共に、外傷等からRFIDタグ15を有効に保護することができる。
また、第2実施形態に係るRFIDタグ埋設体1aでは、保護層20aにおける少なくともシート10との接着面を凹凸面22としている。これによって、シート10と保護層20aとの接着面積を増大させることができ、もって両者10,20aの接着力をより高めることができる。
また、第4実施形態に係るRFIDタグ埋設体1cでは、RFIDタグ15がシート10内に完全に埋設されていて、保護層20cは、シート10との接着面から内方に向けて突出する突出部24を備え、突出部24は、シート10内のRFIDタグ15に接触している。これによって、シート10内におけるRFIDタグ15の埋設深さを一定にすることが容易になる。
また、上述の各実施形態に係るRFIDタグ埋設体1,1a,1b,1cは、シリコーン系エラストマーを湿気硬化シリコーン系エラストマーとすることができる。これによって、接着層30を空気中に放置するだけで容易に硬化できる。したがって、金属Mの表面に、RFIDタグ埋設体1,1a,1b,1cを容易に形成できる。
また、上述の実施形態に係るRFIDタグ埋設体の製造方法は、金属Mの表面に、硬化性シリコーン系接着層30を貼り付ける接着層貼付工程(S110)と、硬化性シリコーン系接着層30の表面から内部に向けて金属Mの表面に達しない位置まで非金属対応のRFIDタグ15を埋設するRFIDタグ埋設工程(S120)と、RFIDタグ15の上から硬化性シリコーン系接着層30に、RFIDタグ15を被覆して保護する非金属製の保護層20,20a,20b,20cを接着する保護層接着工程(S130)と、硬化性シリコーン系接着層30を硬化させてシリコーン系エラストマーのシート10を形成する硬化工程(S140)と、を含む。このような製造方法によれば、金属対応RFIDタグを用いなくとも、RFIDタグ15と金属Mとの距離を確保しつつ、RFID15を金属Mに容易に固定できる。しかも、保護層20,20a,20b,20cをシート10の上から被せて固定することにより、RFIDタグ15に傷を与えにくく、また風雨や外的衝撃によって故障するリスクを低減できる。
また、上述の実施形態に係るRFIDタグ埋設体の製造方法は、RFIDタグ15がシート10内に完全に埋設されていて、保護層20cは、シート10との接着面から内方に向けて突出する突出部24を備え、突出部24は、シート10内のRFIDタグ15に接触しているRFIDタグ埋設体の製造方法であって、RFIDタグ埋設工程(S120)では、突出部24にてRFIDタグ15を硬化性シリコーン系接着層30中に押し込んで埋設し、保護層接着工程(S130)では、RFIDタグ埋設工程(S120)によって突出部24の長さt0だけあるいは当該長さt0を超えてRFIDタグ15を硬化性シリコーン系接着層30中に埋め込んだ位置で保護層20cを硬化性シリコーン系接着層30に接着する。このような製造方法によって、RFIDタグ15をシート10内に常に一定の深さに埋設できる。
(その他実施形態)
以上、本発明の各実施形態に基づいて説明したが、本発明は上記の各実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば、次のような変形も可能である。
例えば、RFIDタグ15埋設体1,1a,1b,1cは、シート10を挟んで金属Mに固定される限り、金属Mの平らな面のみならず、金属Mの曲面、凹部あるいは凸部などでも良い。また、第2実施形態において、保護層20aの凹凸面22は、シート10の上面から下面に達する長さでも良い。また、第4実施形態において、突出部24は、保護層20cに1つのみならず、2以上を備えても良い。
上述の各実施形態の各構成要素は、互いに組み合わせられても良い。一例を挙げるなら、RFIDタグ埋設体の第2実施形態と第4実施形態とを組み合わせて、保護層の下面に、凹凸面22と突出部24とを備えるようにしても良い。
本発明は、金属に非金属対応のRFIDタグを設置する産業において利用可能である。
1,1a,1b,1c・・・RFIDタグ埋設体、10・・・シート(シリコーン系エラストマーのシート)、15・・・RFIDタグ(非金属対応のRFIDタグ)、20,20a,20b,20c・・・保護層(非金属製の保護層)、22・・・凹凸面、24・・・突出部、30・・・接着層(硬化性シリコーン系接着層)。

Claims (7)

  1. 金属に固定されるRFIDタグ埋設体であって、
    シリコーン系エラストマーのシートと、
    前記シートの表面から内部に向けて前記金属の表面に達しない位置まで埋設される非金属対応のRFIDタグと、
    前記RFIDタグの上から前記シートに固定され、前記RFIDタグを被覆して保護する非金属製の保護層と、
    を備えるRFIDタグ埋設体。
  2. 前記保護層は、ガラス繊維を含むシリコーンゴム層およびスポンジ状のシリコーンゴム層の少なくとも1つの層である請求項1に記載のRFIDタグ埋設体。
  3. 前記保護層における少なくとも前記シートとの接着面を凹凸面とする請求項1または2に記載のRFIDタグ埋設体。
  4. 前記RFIDタグが前記シート内に完全に埋設されていて、
    前記保護層は、前記シートとの接着面から内方に向けて突出する突出部を備え、
    前記突出部は、前記シート内の前記RFIDタグに接触している請求項1から3のいずれか1項に記載のRFIDタグ埋設体。
  5. 前記シリコーン系エラストマーは、湿気硬化シリコーン系エラストマーである請求項1から4のいずれか1項に記載のRFIDタグ埋設体。
  6. 請求項1から5のいずれか1項に記載のRFIDタグ埋設体の製造方法であって、
    金属の表面に、硬化性シリコーン系接着層を貼り付ける接着層貼付工程と、
    前記硬化性シリコーン系接着層の表面から内部に向けて前記金属の表面に達しない位置まで非金属対応のRFIDタグを埋設するRFIDタグ埋設工程と、
    前記RFIDタグの上から前記硬化性シリコーン系接着層に、前記RFIDタグを被覆して保護する非金属製の保護層を接着する保護層接着工程と、
    前記硬化性シリコーン系接着層を硬化させてシリコーン系エラストマーのシートを形成する硬化工程と、
    を含むRFIDタグ埋設体の製造方法。
  7. 前記RFIDタグが前記シート内に完全に埋設されていて、
    前記保護層は、前記シートとの接着面から内方に向けて突出する突出部を備え、
    前記突出部は、前記シート内の前記RFIDタグに接触しているRFIDタグ埋設体の製造方法であって、
    前記RFIDタグ埋設工程では、前記突出部にて前記RFIDタグを前記硬化性シリコーン系接着層中に押し込んで埋設し、
    前記保護層接着工程では、前記RFIDタグ埋設工程によって前記突出部の長さだけあるいは当該長さを超えて前記RFIDタグを前記硬化性シリコーン系接着層中に埋め込んだ位置で前記保護層を前記硬化性シリコーン系接着層に接着する請求項6に記載のRFIDタグ埋設体の製造方法。
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