JP2020013026A - 像加熱装置及び画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】複数の加熱領域を選択的に加熱するヒータの温度制御の安定化を図ることができる技術を提供する。【解決手段】第1温度検知部材T11−4Eが、長手方向において、(i)第1発熱体HB14の長手方向の端部のうち第2発熱体HB13と隣接する端部の近傍であって、かつ、(ii)第1発熱体HB14と第2発熱体HB13との境界付近を通過する記録材端部についての所定の基準通過位置P0から、搬送基準位置Xに近い側に少なくとも2.5mm空けた位置に配置され、第2温度検知部材T11−3Cが、長手方向において、(iii)第2発熱体HB13の長手方向の端部のうち第1発熱体HB14と隣接する端部の近傍であって、かつ、(iv)基準通過位置P0から、搬送基準位置Xから遠い側に少なくとも2.5mm空けた位置に配置される。【選択図】図4

Description

本発明は電子写真方式や静電記録方式を利用したプリンタ、複写機、ファクシミリ装置等の画像形成装置に関する。また、画像形成装置に搭載されている定着器や記録材に定着されたトナー画像を再度加熱することにより、トナー画像の光沢度を向上させる光沢付与装置等の像加熱装置に関する。また、この像加熱装置に用いられるヒータに関する。
像加熱装置として、筒状のフィルムと、フィルムの内面に接触するヒータと、フィルムを介してヒータと共にニップ部を形成するローラと、を有する装置がある。この像加熱装置を搭載する画像形成装置においては、いわゆる非通紙部昇温という課題が知られている。非通紙部昇温とは、記録材の搬送方向に直交する方向(記録材幅方向)における最大通紙幅に対して幅の狭い記録材(小サイズ記録材)を連続プリントすると、ニップ部において記録材が通過しない領域(非通紙部)の温度が徐々に上昇するという現象である。像加熱装置としては、非通紙部の温度が装置内の各部材の耐熱温度を超えないようにする必要があるため、連続プリントのスループット(1分当たりに通紙できる枚数)を低下させることにより非通紙部昇温を抑制するという方法がしばしば用いられる。この非通紙部昇温を抑制する手法の一つとして、ヒータ上の発熱抵抗体を記録材幅方向において複数のグループ(発熱ブロック)に分割し、記録材のサイズに応じてヒータの発熱分布(加熱領域)を切り替える装置が提案されている(特許文献1)。また、複数の定形サイズ記録材の搬送方向に直交する方向における端部(記録材端部)に合わせて発熱ブロックの分割位置を配置し、A4、B5、A5等の定形サイズ記録材に対してヒータの発熱分布を切り替える装置が提案されている(特許文献2)。
特開2015−194713号公報 特開2017−54071号公報
しかしながら、非定形サイズ記録材など発熱ブロックの分割位置と合わない位置に記録材の左右いずれかの端部が通過する状態で定着制御をしなければならない場合がある。そのような場合において、特許文献1に記載の像加熱装置を用いた場合、記録材端部付近の画像定着不良が発生したり、非通紙部にはみ出した発熱ブロックによる非通紙部昇温に対して過昇温から保護することが困難になったりする可能性があった。また、特許文献2に記載の像加熱装置を用いた場合、定形サイズ記録材の搬送中において標準的な走行位置から左右にずれることにより、記録材端部付近の発熱ブロックに対する発熱量の制御が不安定になる可能性があった。
本発明の目的は、複数の加熱領域を選択的に加熱するヒータの温度制御の安定化を図ることができる技術を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の像加熱装置は、
記録材の搬送方向と直交する長手方向に並ぶ複数の発熱体を有するヒータと、
前記複数の発熱体の夫々により個別に加熱される複数の加熱領域の温度を検知するための複数の温度検知部材と、
前記温度検知部材が検知する温度が所定の制御目標温度を維持するように前記複数の発熱体へ供給する電力を個々に制御する制御部と、
を備え、
前記複数の発熱体が、第1発熱体と、前記長手方向において前記第1発熱体よりも記録材の搬送基準位置から遠い側に前記第1発熱体に隣接して配置される第2発熱体と、を含み、
前記複数の温度検知部材が、前記第1発熱体に対応して設けられる第1温度検知部材と、前記第2発熱体に対応して設けられる第2温度検知部材と、を含み、
前記第1温度検知部材が、前記長手方向において、(i)前記第1発熱体の前記長手方向の端部のうち前記第2発熱体と隣接する端部の近傍であって、かつ、(ii)前記第1発熱体と前記第2発熱体との境界付近を通過する記録材端部についての所定の基準通過位置から、前記搬送基準位置に近い側に少なくとも2.5mm空けた位置に配置され、
前記第2温度検知部材が、前記長手方向において、(iii)前記第2発熱体の前記長手方向の端部のうち前記第1発熱体と隣接する端部の近傍であって、かつ、(iv)前記基準通過位置から、前記搬送基準位置から遠い側に少なくとも2.5mm空けた位置に配置されることを特徴とする。
上記目的を達成するため、本発明の像加熱装置は、
記録材の搬送方向と直交する長手方向に並ぶ複数の発熱体を有するヒータと、
前記複数の発熱体の夫々により個別に加熱される複数の加熱領域の温度を検知するための複数の温度検知部材と、
前記温度検知部材が検知する温度が所定の制御目標温度を維持するように前記複数の発熱体へ供給する電力を個々に制御する制御部と、
を備え、
前記複数の発熱体が、第1発熱体と、前記長手方向において前記第1発熱体よりも記録材の搬送基準位置から遠い側に前記第1発熱体に隣接して配置される第2発熱体と、を含み、
前記複数の温度検知部材が、前記第1発熱体に対応して設けられる第1温度検知部材と、前記第2発熱体に対応して設けられる第2温度検知部材と、を含み、
前記第1温度検知部材が、前記長手方向において、(i)前記第1発熱体の前記長手方向の端部のうち前記第2発熱体と隣接する端部の近傍であって、かつ、(ii)前記第1発熱体と前記第2発熱体との境界付近を通過する記録材端部についての所定の基準通過位置から前記搬送基準位置に近い側に少なくとも第1の距離を空けた位置に配置され、
前記第2温度検知部材が、前記長手方向において、(iii)前記第2発熱体の前記長手方向の端部のうち前記第1発熱体と隣接する端部の近傍であって、かつ、(iv)前記基準通過位置から前記搬送基準位置から遠い側に少なくとも第2の距離を空けた位置に配置されることを特徴とする。
上記目的を達成するため、本発明の画像形成装置は、
記録材に画像を形成する画像形成部と、
記録材に形成された画像を記録材に定着する定着部と、
を有する画像形成装置において、
前記定着部が本発明の像加熱装置であることを特徴とする。
本発明によれば、複数の加熱領域を選択的に加熱するヒータの温度制御の安定化を図ることができる。
本発明の実施例に係る画像形成装置の断面図 本発明の実施例に係る像加熱装置の断面図 実施例1のヒータ構成図 実施例1のサーミスタ配置図 実施例1のヒータ制御回路図 実施例1のフィルム温度分布図 比較例1のヒータ構成およびサーミスタ配置図 比較例1のフィルム温度分布図 比較例2のヒータ構成およびサーミスタ配置図 比較例2のフィルム温度分布図 実施例2のヒータ構成図 実施例2のフィルム温度分布図 実施例3のヒータ構成図 実施例4のヒータ構成図
以下に図面を参照して、この発明を実施するための形態を、実施例に基づいて例示的に詳しく説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状それらの相対配置などは、発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものである。すなわち、この発明の範囲を以下の実施の形態に限定する趣旨のものではない。
[実施例1]
図1は、電子写真記録技術を用いたレーザプリンタ(画像形成装置)100の断面図である。本発明が適用可能な画像形成装置としては、電子写真方式や静電記録方式を利用したプリンタ、複写機、ファクシミリ装置などが挙げられ、ここでは電子写真方式を利用して記録材P上に画像を形成するレーザプリンタに適用した場合について説明する。
なお、特に断りのない限り、以下の説明における「長手方向」は、ヒータ(基板)の長手方向及び記録材の搬送方向と直交する方向(斜行していない記録材の幅方向、縦搬送された斜行していない記録材の短辺方向)と同じ方向である。また、「短手方向」とは、上記「長手方向」と直交する方向であり、記録材の搬送方向に沿った方向(斜行していない記録材の長さ方向、縦搬送された斜行していない記録材の長辺方向)と同じ方向である。
プリント信号が発生すると、画像情報に応じて変調されたレーザ光をスキャナユニット21が出射し、帯電ローラ16によって所定の極性に帯電された感光体(感光ドラム)19を走査する。これにより感光体19には静電潜像が形成される。この静電潜像に対して現像器(現像ローラ)17からトナー(現像剤)が供給され、感光体19上に画像情報に応じたトナー画像(現像剤像)が形成される。一方、給紙カセット11に積載された記録材(記録紙)Pはピックアップローラ12によって一枚ずつ給紙され、ローラ13によってレジストローラ14に向けて搬送される。さらに記録材Pは、感光体19上のトナー画像が感光体19と転写ローラ20で形成される転写部に到達するタイミングに合わせて、レジストローラ14から転写部へ搬送される。記録材Pが転写部を通過する過程で感光体19上のトナー画像は記録材Pに転写される。その後、記録材Pは定着部(像加熱部)としての定着装置(像加熱装置)200で加熱されてトナー画像が記録材Pに加熱定着される。定着済みのトナー画像を担持する記録材Pは、ローラ26、27によってレーザプリンタ100上部のトレイに排出される。
なお、記録材Pへのトナー画像の転写後に感光ドラム19に残存するトナーは、クリーナ18によって清掃される。レーザスキャナは、光源22と、ポリゴンミラー23と、反射ミラー24と、を有する。レーザプリンタ100は、定着装置200等を駆動するモータ30を有する。商用の交流電源401に接続されたヒータ駆動手段、通電制御部としての制御回路400は、定着装置200へ電力供給を行う。上述した、感光体19、帯電ローラ16、スキャナユニット21、現像器17、転写ローラ20が、記録材Pに未定着画
像を形成する画像形成部を構成している。また、本実施例では、感光体19、帯電ローラ16、現像器17を含む現像ユニット、クリーナ18を含むクリーニングユニットが、プロセスカートリッジ15としてレーザプリンタ100の装置本体に対して着脱可能に構成されている。
本実施例のプリンタは、基本的に記録材Pを縦送りする(記録材Pの長辺が搬送方向と平行になるように搬送する)レーザプリンタである。また、本実施例のプリンタは、記録材Pの紙幅方向(記録材Pの搬送方向に直交する方向)の中央を搬送基準位置に合わせて搬送する中央基準のプリンタである。なお、紙を横送りするプリンタについても、本提案の構成を同様に適用できる。そして、装置が対応している定形サイズ記録材の幅(カタログ上の記録材の幅)のうち最も大きな(幅が広い)記録材は、Letter紙、及びLegal紙であり、これらの幅は215.9mmである。また、本実施例では、記録材Pの搬送速度及び画像形成速度が240mm/secのプリンタを用いた。
本実施例のプリンタは、複数の記録材サイズに対応しており、給紙カセット11には、Letter紙(215.9mm×279.4mm)、Legal紙(215.9mm×355.6mm)をセットできる。更に、A4紙(210mm×297mm)、B5紙(182mm×257mm)、A5紙(148mm×210mm)をセットできる。
また本実施例のプリンタは、記録材Pが給紙部から定着部にかけて搬送される際、記録材Pの幅方向に対する走行位置ずれについて、標準的な走行位置に対して±2.5mmまでを許容している。便宜上、+側は搬送基準位置から遠ざかる方向、−側は搬送基準位置に近づく方向とする。走行位置ずれの内訳としては、給紙部から転写部にかけての走行位置ずれ(記録材P上の画像書き出し位置ずれ)を±2mmまで許容している。また、転写部から定着部にかけての走行位置ずれ(転写後の記録材Pの斜行による記録材位置ずれ)については、転写部〜定着部間の搬送距離を約70mmとして±0.5mmまで許容している。
図2は、本実施例に係る定着装置200の模式的断面図である。定着装置200は、筒状のフィルム202と、フィルム202の内面に接触するヒータ1100と、フィルム202を介してヒータ1100と共に定着ニップ部Nを形成する加圧ローラ(ニップ部形成部材)208と、を有する。フィルム202のベース層の材質は、ポリイミド等の耐熱樹脂、またはステンレス等の金属である。また、フィルム202には耐熱ゴム等の弾性層を設けても良い。加圧ローラ208は、鉄やアルミニウム等の材質の芯金209と、シリコーンゴム等の材質の弾性層210を有する。ヒータ1100は液晶ポリマーのような耐熱樹脂製の保持部材201に保持されている。保持部材201はフィルム202の回転を案内するガイド機能も有している。加圧ローラ208はモータ30から動力を受けて図中の矢印方向に回転する。加圧ローラ208が回転することによって、フィルム202が従動して回転する。未定着トナー画像を担持する記録材Pは、定着ニップ部Nで挟持搬送されつつ加熱されて定着処理される。このように、装置200は、筒状のフィルム202と、フィルム202の内面に接触するヒータ1100と、を有し、フィルム202を介したヒータ1100の熱で記録材に形成された画像を加熱する。
ヒータ1100は、セラミック製の基板1105と、基板1105上に設けられ電力を供給することによって発熱する発熱抵抗体(発熱体)(図3参照)を有する。基板1105の定着ニップ部N側の面(ヒータ摺動面)には、フィルム202の摺動性を確保するため、ガラス製の表面保護層1108が設けられている。基板1105の定着ニップ部N側の面とは反対側の面(ヒータ裏面)には、発熱抵抗体を絶縁するため、ガラス製の表面保護層1107が設けられている。ヒータ裏面には電極(ここでは代表としてE14を示してある)が露出しており、給電用の電気接点(ここでは代表としてC14を示してある)
が電極に接触することにより発熱抵抗体が電気的に交流電源401と接続される。なお、ヒータ1100の詳細な説明は後述する。
サーモスイッチや温度ヒューズ等である保護素子212は、ヒータ1100の異常発熱により作動してヒータ1100に供給する電力を遮断する。保護素子212は、ヒータ1100に当接、若しくはヒータ1100に対して若干のギャップを設けて配置されている。金属製のステー204は、保持部材201に不図示のバネの圧力を加えるためのものであり、保持部材201、及びヒータ1100を補強する役目もある。
図3(A)、図3(B)、図3(c)は、実施例1のヒータ1100の構成を示す模式図である。図3(A)は、図3(B)に示す記録材Pの搬送基準位置X付近のヒータ1100の断面図を示している。図3(B)は、ヒータ1100の各層の平面図を示している。図3(C)は、ヒータ1100を保持する保持部材の平面図である。
ヒータ1100の構成を詳述する。フィルム202と接触するヒータ面とは反対側のヒータ面であるヒータ1100の裏面層1には、第1の導電体1101と第2の導電体1103と発熱抵抗体(発熱体)1102との組からなる発熱ブロックがヒータ1100の長手方向に複数設けられている。本実施例のヒータ1100は、合計7つの発熱ブロックHB11〜HB17を有する。発熱ブロックの制御に関しては後述する。
各発熱ブロックは、それぞれ、基板1105の長手方向に沿って設けられている第1の導電体1101と、第1の導電体1101とは基板の長手方向と直交する短手方向で異なる位置で基板の長手方向に沿って設けられている第2の導電体1103と、を有する。さらに、第1の導電体1101と第2の導電体1103の間には、発熱抵抗体1102が設けられており、第1の導電体1101と第2の導電体1103を介して供給される電力により発熱する。
各発熱ブロックの発熱抵抗体1102は、ヒータ1100の短手方向に関し、基板中央を基準に互いに対称な位置に形成された発熱抵抗体1102a、及び発熱抵抗体1102bに分かれている。また、第1の導電体1101は、発熱抵抗体1102aと接続された導電体1101aと、発熱抵抗体1102bと接続された導電体1101bに分かれている。発熱抵抗体1102a、及び発熱抵抗体1102bが基板中央を基準に互いに対称な位置に形成されている。
ヒータ1100は7つの発熱ブロックHB11〜HB17を有するので、発熱抵抗体1102aは、発熱抵抗体1102a−1〜1102a−7の7つに分かれている。同様に、発熱抵抗体1102bは、発熱抵抗体1102b−1〜1102b−7の7つに分かれている。更に、第2の導電体1103も、導電体1103−1〜1103−7の7つに分かれている。なお、発熱抵抗体1102a−1〜1102a−7が、基板1105内において記録材Pの搬送方向の上流側に配置されており、発熱抵抗体1102b−1〜1102b−7が基板1105内において記録材Pの搬送方向の下流側に配置されている。
各発熱ブロックの発熱領域(加熱領域)について説明する。
図3(B)に示すように、各発熱ブロックの発熱領域は、搬送基準位置Xに対して代表的な定形サイズの幅に合うように設定されている。ヒータ1100の長手中央に配置された発熱ブロックHB14の発熱領域は、A5サイズ縦搬送時の幅である148mmに設定されている。また、その外側に配置された発熱ブロックHB13と発熱ブロックHB15を含めた発熱領域は、B5サイズ縦搬送時の幅である182mmに設定されている。さらに外側に配置された発熱ブロックHB12と発熱ブロックHB16を含めた発熱領域は、A4サイズ縦搬送時の幅である210mmに設定されている。発熱ブロックHB11と発
熱ブロックHB17を含めた全発熱ブロックの幅については、端部の放熱による温度ダレの影響を考慮してLetterサイズ(約216mm)より広い220mmに設定されている。
ヒータ1100の裏面層2には、発熱抵抗体1102、第1の導電体1101、及び第2の導電体1103を覆う絶縁性(本実施例ではガラス)の表面保護層1107が設けられている。但し、表面保護層1107は、給電用の電気接点C11〜C17、C18−1、及びC18−2が接触する電極部E11〜E17、E18−1、及びE18−2は覆っていない。電極E11〜E17はそれぞれ、第2の導電体1103−1〜1103−7を介して、発熱ブロックHB11〜HB17に電力供給するための電極である。電極E18−1、E18−2は、第1の導電体1101a、1101bを介して発熱ブロックHB11〜HB17に電力給電するための電極である。
ところで、導電体の抵抗値はゼロではないため、ヒータ1100の長手方向における発熱分布に影響を与える。そこで、第1の導電体1101a、1101b、及び第2の導電体1103−1〜1103−7の電気抵抗の影響を受けても発熱分布が不均一にならないように、電極E18−1、及び電極E18−2はヒータ1100の長手方向の両端部に分けて設けてある。
図3(C)に示すように、保持部材201には、電極E11〜E17、E18−1、及びE18−2に接続される電気接点C11〜C17、C18−1、及びC18−2を通す孔HC11〜HC17、HC18−1、及びHC18−2が設けられている。また、保持部材201には保護素子212の感熱部を通す孔H212も設けられている。電気接点C11〜C17、C18−1、及びC18−2は、バネによる付勢や溶接等の手法によって、対応する電極と電気的に接続されている。保護素子212もバネによって付勢されて、その感熱部が表面保護層1107に接触している。各電気接点は、ステー204と保持部材201の間の空間に設けられたケーブルや薄い金属板等の導電部材を介して、ヒータ1100の制御回路400と接続している。
本例のヒータ1100は、複数の発熱ブロックを個々に独立して制御することにより、長手方向に複数形成される加熱領域を個別に加熱し、種々の発熱分布を形成可能になっている。例えば、記録材のサイズに応じた発熱分布を設定できる。更に、発熱抵抗体1102はPTC(Positive Temperature Coefficient)を有する材料で形成されている。PTCを有する材料を用いることで、記録材の端部と発熱ブロックの境界とが一致していないケースでも非通紙部の昇温を抑えることができる。
ヒータ1100の摺動面(フィルムと接触する側の面)側の摺動面層1には、複数のサーミスタT11−1C〜T11−4C、T11−2E〜T11−4E、T12−5C〜T12−7C、T12−4E〜T12−6Eが形成されている。サーミスタT11−1C〜T11−4C、T11−2E〜T11−4E、T12−5C〜T12−7C、T12−4E〜T12−6Eは、各発熱ブロックHB11〜HB17の温度を検知するための温度検知部材(温度検知素子)である。サーミスタの材料は、TCR(Temperature
Coefficient of Resistance)が正又は負に大きい材料であれば良い。本例ではNTC(Negative Temperature Coefficient)を有する材料を基板1105上に薄く印刷してサーミスタを構成した。
各発熱ブロックに対するサーミスタ配置について説明する。
図3(B)に示すように、サーミスタは発熱ブロックの場所に応じて1〜3箇所配置されている。ヒータ1100の長手中央に配置された発熱ブロックHB14の温度を検知するサーミスタは、3箇所で発熱体温度検知部を形成している。所定の加熱温度に制御する
ための制御サーミスタT11−4Cが、発熱ブロックHB14の略中央、すなわち搬送基準位置Xの近傍に対応する位置に配置されている。また、発熱ブロックHB14の過昇温を検知して保護するための監視サーミスタT11−4E、T12−4Eが、発熱ブロックHB14の端部、すなわち発熱ブロックHB14の形成範囲のうち搬送基準位置Xから遠い側に対応する位置に配置される。監視サーミスタT11−4E、T12−4Eの詳細な配置については後述する。
発熱ブロックHB14の外側、すなわち発熱ブロックHB14に対して搬送基準位置Xから遠い側に近接する発熱ブロックHB13の温度を検知するサーミスタは、2箇所で発熱体温度検知部を形成している。所定の加熱温度に制御するための制御サーミスタT11−3Cが、発熱ブロックHB13の形成範囲のうち搬送基準位置Xに近い側に対応する位置に配置されている。また、発熱ブロックHB13の過昇温を検知して保護するための監視サーミスタT11−3Eが、発熱ブロックHB13の形成範囲のうち搬送基準位置Xから遠い側に対応する位置に配置される。制御サーミスタT11−3C、監視サーミスタT11−3Eの詳細な配置については後述する。
搬送基準位置Xに対して発熱ブロックHB13の線対称位置に配置される発熱ブロックHB15の温度を検知するサーミスタT12−5C、T12−5Eは、それぞれ、搬送基準位置Xに対してサーミスタT11−3C、T11−3Eの線対称位置に配置される。
発熱ブロックHB13の外側、すなわち発熱ブロックHB13に対して搬送基準位置Xから遠い側に近接する発熱ブロックHB12の温度を検知するサーミスタは、2箇所で発熱体温度検知部を形成している。所定の加熱温度に制御するための制御サーミスタT11−2Cが、発熱ブロックHB12の形成範囲のうち搬送基準位置Xに近い側に対応する位置に配置されている。また、発熱ブロックHB12の過昇温を検知して保護するための監視サーミスタT11−2Eが、発熱ブロックHB12の形成範囲のうち搬送基準位置Xから遠い側に対応する位置に配置される。制御サーミスタT11−2C、監視サーミスタT11−2Eの詳細な配置については後述する。
搬送基準位置Xに対して発熱ブロックHB12の線対称位置に配置される発熱ブロックHB16の温度を検知するサーミスタT12−6C、T12−6Eは、それぞれ、搬送基準位置Xに対してサーミスタT11−2C、T11−2Eの線対称位置に配置される。
発熱ブロックHB12の外側、すなわち発熱ブロックHB12に対して搬送基準位置Xから遠い側に近接する発熱ブロックHB11の温度を検知するサーミスタは、1箇所で発熱体温度検知部を形成している。所定の加熱温度に制御するための制御サーミスタT11−1CがHB11の形成範囲内に配置される。制御サーミスタT11−1Cの詳細な配置については後述する。
搬送基準位置Xに対して発熱ブロックHB11の線対称位置に配置される発熱ブロックHB17の温度を検知するサーミスタT12−7Cは、搬送基準位置Xに対してサーミスタT11−1Cの線対称位置に配置される。
上記の各サーミスタは、抵抗値検出用の導電パターン(例えば発熱ブロックHB13の場合は導電パターンET11−3Cと、導電パターンET11−3Eと、共通導電パターンEG11)によって、それぞれ温度検出可能な構成となっている。
基板1105の定着ニップ部Nの側の面(摺動面層2)には、フィルム202の摺動性を確保するため、絶縁性(本例はガラス製)の表面保護層1108がコーティングにより形成されている。表面保護層1108は、メインサーミスタ、導電パターン、及び共通導
電パターンを覆っている。しかしながら、電気接点との接続を確保するため、図3(B)に示すように、ヒータ1100の両端部で、導電パターンの一部、及び共通導電パターンの一部は露出させている。
次に、ヒータ長手方向に近接する発熱ブロックの境界を挟んだサーミスタの詳細な配置について説明する。
図4は、定形サイズの標準的な走行位置に対するサーミスタの詳細な配置を示した図である。代表的な例として、定形サイズであるA5サイズ紙の縦搬送における標準的な走行位置に対する、発熱ブロックHB14と、監視サーミスタT11−4Eと、発熱ブロックHB13と、制御サーミスタT11−3Cと、の配置について説明する。
ここで、発熱ブロックHB14は、搬送基準位置Xに近い側の第1発熱体に対応する。また、監視サーミスタT11−4Eは、発熱ブロックHB14(が加熱する加熱領域)の温度を検知する第1発熱体温度検知部としてのサーミスタT11−4C、T11−4E、T12−4Eのうち、搬送基準位置Xから遠い側の温度検知部材に対応する。また、発熱ブロックHB13は、第1発熱体としての発熱ブロックHB14に対して搬送基準位置Xから遠い側に近接(隣接)する第2発熱体に対応する。また、制御サーミスタT11−3Cは、第2発熱体としての発熱ブロックHB13(が加熱する加熱領域)の温度を検知する第2発熱体温度検知部としてのサーミスタT11−3C、T11−3Eのうち、搬送基準位置Xに近い側の温度検知部材に対応する。
発熱ブロックHB14の監視サーミスタT11−4Eは、第1温度検知部材として、A5サイズ紙の縦搬送における紙幅方向端部のうち搬送基準位置Xに対して発熱ブロックHB13が配置される側の端部に配置される。より詳細には、上記紙幅方向端部の標準的な走行位置P0に対して搬送基準位置Xに近い側へ2.5mm移動した位置P1から更に搬送基準位置Xに近い側の近傍に配置されている。監視サーミスタT11−4Eは、P1からの距離3mm以内に配置されることが望ましく、本実施例の場合はP1に対して搬送基準位置Xに近い側へ1mm移動した位置に配置されている。
発熱ブロックHB13の制御サーミスタT11−3Cは、第2温度検知部材として、上記標準的な走行位置P0に対して搬送基準位置Xから遠い側へ2.5mm移動した位置P2から更に搬送基準位置Xから遠い側の近傍に配置されている。制御サーミスタT11−3Cは、P2からの距離3mm以内に配置されることが望ましく、本実施例の場合はP2に対して搬送基準位置Xから遠い側へ1mm移動した位置に配置されている。
ここで、上記P1〜P2の範囲は、A5サイズ紙幅方向端部の標準的な走行位置P0に対する走行位置のずれ許容範囲としての±2.5mmを示している。すなわち、A5サイズ紙を搬送する際、発熱ブロックHB14の監視サーミスタT11−4Eは、走行位置のずれを考慮したとしても紙幅方向について常にA5サイズ紙の通紙領域内に配置されている。また、発熱ブロックHB13の制御サーミスタT11−3Cは、A5サイズ紙の走行位置ズレを考慮したとしても紙幅方向について常にA5サイズ紙の非通紙領域内に配置されている。
搬送基準位置Xに対して監視サーミスタT11−4Eの線対称位置に配置される監視サーミスタT12−4Eと発熱ブロックHB15の制御サーミスタT12−5Cも上記と同様の位置関係に配置されている。
また、他の近接する発熱ブロックの境界を挟んだサーミスタについても、上記と同様の位置関係に配置されている。
発熱ブロックHB13、監視サーミスタT11−3E、発熱ブロックHB12、制御サーミスタT11−2Cの組合せでは、B5サイズ紙の紙幅方向端部の標準的な走行位置に
対して上記と同様の位置関係でサーミスタT11−3E、T11−2Cが配置される。すなわち、発熱ブロックHB13が第1発熱体に対応し、監視サーミスタT11−3Eが第1発熱体温度検知部の温度検知部材に対応する。また、発熱ブロックHB12が第1発熱体としての発熱ブロックHB13と近接する第2発熱体に対応し、制御サーミスタT11−2Cが第2発熱体温度検知部の温度検知部材に対応する。
搬送基準位置Xに対して監視サーミスタT11−3Eの線対称位置に配置される監視サーミスタT12−5Eと発熱ブロックHB16の制御サーミスタT12−6Cも上記と同様の位置関係に配置されている。
発熱ブロックHB12、監視サーミスタT11−2E、発熱ブロックHB11、制御サーミスタT11−1Cの組合せでは、A4サイズ紙の紙幅方向端部の標準的な走行位置に対して上記と同様の位置関係でサーミスタT11−2E、T11−1Cが配置される。
すなわち、発熱ブロックHB12が第1発熱体に対応し、監視サーミスタT11−2Eが第1発熱体温度検知部の温度検知部材に対応する。また、発熱ブロックHB11が第1発熱体としての発熱ブロックHB12と近接する第2発熱体に対応し、制御サーミスタT11−1Cが第2発熱体温度検知部の温度検知部材に対応する。
搬送基準位置Xに対して監視サーミスタT11−2Eの線対称位置に配置される監視サーミスタT12−6Eと発熱ブロックHB17の制御サーミスタT12−7Cも上記と同様の位置関係に配置されている。
図5は、ヒータ1100の制御手段である制御回路400の回路図である。レーザプリンタ100は、商用の交流電源401が接続され電力供給を受ける。ヒータ1100の電力制御は、トライアック1411〜1417の通電/遮断により行われる。トライアック1411〜1417は、それぞれ、CPU420からのFUSER11〜FUSER17信号に従って動作する。ヒータ1100の制御回路400は、7つのトライアック1411〜1417によって、7つの発熱ブロックHB11〜HB17を独立制御可能な回路構成となっている。なお、図5において、トライアック1411〜1417の駆動回路は省略してある。
ゼロクロス検知部1421は、交流電源401のゼロクロスを検知する回路であり、CPU420にZEROX信号を出力している。ZEROX信号は、トライアック1411〜1417を位相制御するための基準信号等に用いられる。
次にヒータ1100の温度検知方法について説明する。CPU420には、電圧Vccを、サーミスタT11−1C〜T11−4C、T11−2E〜T11−4E、T12−5C〜T12−7C、T12−4E〜T12−6Eの抵抗値と抵抗1452〜1464の抵抗値で分圧した信号が入力される。信号Th11−1C〜Th11−4C、Th11−2E〜Th11−4E、Th12−5C〜Th12−7C、Th12−4E〜Th12−6Eである。
例えば、信号Th11−4Cは、電圧Vccを、サーミスタT11−4Cの抵抗値と抵抗1458の抵抗値で分圧した信号である。サーミスタT11−4Cは温度に応じた抵抗値となるので、発熱ブロックHB14の温度が変化するとCPU420に入力する信号Th11−4Cのレベルも変化する。CPU420は、入力した各信号を、そのレベルに応じた温度に換算する。
CPU420は、各発熱ブロックの設定温度(制御目標温度)と、各サーミスタの検知温度に基づき、例えばPI制御により、供給電力を算出する。更に、算出した供給電力を、対応する位相角(位相制御)や波数(波数制御)等の制御タイミングに換算し、この制御タイミングでトライアック1411〜1417を制御している。
他のサーミスタに対応する信号の処理も同様なので説明は割愛する。
次に、ヒータ1100への電力制御(ヒータの温度制御)について説明する。定着処理中、発熱ブロックHB11〜HB17の各々は、各発熱ブロックの制御サーミスタT11−1C〜T11−4C、T12−5C〜T12−7Cの検知温度が所定温度(制御目標温度)を維持するようにCPU420によって制御される。例えば、発熱ブロックHB14へ供給される電力は、サーミスタT11−4Cの検知温度が所定温度を維持するように、トライアック1414の駆動を制御することによって制御される。上記所定温度は、記録材Pの幅情報から各制御サーミスタが通紙部に含まれる範囲にあると判断されたときには所定の通紙部温度に設定され、非通紙部に含まれる範囲にあると判断されたときには所定の非通紙部温度に設定される。本実施例では、通紙部温度としては、記録材の種類や雰囲気環境、印字モードに応じて200℃〜230℃に設定され、非通紙部温度としては、通紙部温度と同程度以下である180℃〜230℃に設定されている。
なお、記録材の幅情報は、従来既知の種々の手法により取得することができる。例えば、給紙カセットおよび給紙トレイに紙幅センサを設けて判定する方法、記録材搬送経路上に設けられた不図示のフラグ等のセンサを用いて判定する方法、ユーザが設定した記録材の幅情報に基づく方法等により記録材の幅を判断することができる。
また、各発熱ブロックの監視サーミスタT11−2E〜T11−4E、T12−4E〜T12−6Eのうち、いずれかの検知温度が所定の高温閾値を超えた場合、CPU420によって各発熱ブロックを過昇温から保護する動作が実行される。例えば、記録材Pの給紙間隔を延ばしたり、各発熱ブロックへの通電を抑制したりする制御が実行される。上記高温閾値は、前記定着温度より高い温度が設定されており、本実施例では所定の高温閾値を260℃に設定されている。
リレー1430とリレー1440は、装置の故障などの要因でヒータ1100が過昇温した場合、ヒータ1100への電力を遮断する手段として搭載されている。次に、リレー1430、及びリレー1440の回路動作を説明する。
CPU420から出力されるRLON信号がHigh状態になると、トランジスタ1433がON状態になり、直流電源(電圧Vcc)からリレー1430の2次側コイルに通電され、リレー1430の1次側接点はON状態になる。RLON信号がLow状態になると、トランジスタ1433がOFF状態になり、電源(電圧Vcc)からリレー1430の2次側コイルに流れる電流は遮断され、リレー1430の1次側接点はOFF状態になる。同様に、RLON信号がHigh状態になると、トランジスタ1443がON状態になり、電源(電圧Vcc)からリレー1440の2次側コイルに通電され、リレー1440の1次側接点はON状態になる。RLON信号がLow状態になると、トランジスタ1443がOFF状態になり、電源(電圧Vcc)からリレー1440の2次側コイルに流れる電流は遮断され、リレー1440の1次側接点はOFF状態になる。
次にリレー1430、及びリレー1440を用いた保護回路(CPU420を介さないハード回路)の動作について説明する。信号Th11−1C〜Th11−4C、Th11−2E〜Th11−4Eの何れか一つのレベルが、比較部1431内部に設定された所定値を超えた場合、比較部1431はラッチ部1432を動作させる。ラッチ部1432はRLOFF1信号をLow状態でラッチする。RLOFF1信号がLow状態になると、CPU420がRLON信号をHigh状態にしても、トランジスタ1433がOFF状態で保たれるため、リレー1430はOFF状態(安全な状態)を保つことができる。尚、ラッチ部1432は非ラッチ状態において、RLOFF1信号をオープン状態の出力にしている。
同様に、信号Th12−4C〜Th12−7C及びTh12−4E〜Th12−6Eの何れか一つのレベルが、比較部1441内部に設定された所定値を超えた場合、比較部1441はラッチ部1442を動作させる。ラッチ部1442はRLOFF2信号をLow状態でラッチする。RLOFF2信号がLow状態になると、CPU420がRLON信号をHigh状態にしても、トランジスタ1443がOFF状態で保たれるため、リレー1440はOFF状態(安全な状態)を保つことができる。ラッチ部1442は非ラッチ状態において、RLOFF信号をオープン状態の出力にしている。本実施例の比較部1431内部に設定された所定値、及び比較部1441内部に設定された所定値は、いずれも300℃に相当する値としてある。なお、抵抗1434、抵抗1444は電流制限抵抗である。
図6(A)に、A5サイズ紙を連続搬送したときの発熱ブロックHB13と発熱ブロックHB14付近におけるフィルム202表面の長手温度分布を示す。発熱ブロックHB14は、制御サーミスタT11−4Cが通紙部温度に維持されるように電力を制御され、発熱ブロックHB13は、制御サーミスタT11−3Cが非通紙部温度に維持されるように電力を制御される。このとき、A5サイズ紙は標準的な走行位置に対して許容範囲内である±2.5mmのずれ範囲内で走行するため、発熱ブロックHB14の監視サーミスタT11−4Eは常に通紙部に含まれる。一方、発熱ブロックHB13の制御サーミスタT11−3Cは常に非通紙部に含まれる。
図6(A)において、発熱ブロックHB13と発熱ブロックHB14の境界付近におけるA5サイズ紙の紙幅方向端部の走行位置が、標準的な走行位置P0に対して最も搬送基準位置Xに近づいた場合(P1位置)のフィルム温度分布を実線で示す。発熱ブロックHB14の一部が通紙部からはみ出して非通紙部となるため、その部分は通紙部より温度が高くなるものの、発熱ブロックHB14のはみ出し量が2.5mmとなるP1位置を紙幅方向端部が走行しても過昇温から保護する必要がない。
また、図6(A)において、発熱ブロックHB13と発熱ブロックHB14の境界付近におけるA5サイズ紙の紙幅方向端部の走行位置が、標準的な走行位置P0に対して最も搬送基準位置Xから遠ざかった場合(P2位置)のフィルム温度分布を破線で示す。発熱ブロックHB13の一部が通紙部へ侵入するため、その部分は発熱ブロックHB14がかかる通紙部より温度が低くなるものの、発熱ブロックHB13の侵入量が2.5mmとなるP2位置を紙幅方向端部が走行しても定着不良は発生しない。
図6(B)に非定形サイズとしての130mm幅の紙を連続搬送したときの発熱ブロックHB13と発熱ブロックHB14付近におけるフィルム202表面の長手温度分布(実線)を示す。発熱ブロックHB14は、制御サーミスタT11−4Cが通紙部温度に維持されるように電力を制御され、発熱ブロックHB13は、制御サーミスタT11−3Cが非通紙部温度に維持されるように電力を制御されることは上記と同様である。130mm幅の紙を連続搬送したとき、発熱ブロックHB14の一部が通紙部からはみ出して非通紙部となり、標準的な走行位置の場合におけるはみ出し量は9mmとなる。±2.5mmの範囲内で走行することを考慮するとはみ出し量は6.5mm〜11.5mmの範囲となる。この場合、過昇温から保護する必要があるが、本実施例の監視サーミスタT11−4Eは、この紙の連続搬送に対して非通紙部に配置されているため、非通紙部昇温を監視して前述の高温閾値を検知することにより過昇温から保護することができる。このように、紙幅方向端部がA5サイズの許容範囲であるP1位置を超えて搬送基準位置Xに近づいた場合においても監視サーミスタT11−4Eにより非通紙部昇温を監視して過昇温から保護することができる。
また、図6(B)において、非定形サイズとしての170mm幅の紙を連続搬送したときの発熱ブロックHB13と発熱ブロックHB14付近におけるフィルム202表面の長手温度分布(破線)を示す。170mm幅の紙を連続搬送したとき、HB13の一部が通紙部へ侵入し、標準的な走行位置の場合におけるはみ出し量は11mm(±2.5mmの範囲内で走行することを考慮すると侵入量は8.5mm〜13.5mm)となる。本実施例における発熱ブロックHB13の制御サーミスタT11−3Cは、170mm幅の紙の連続搬送に対して通紙部に配置されており、制御サーミスタT11−3Cが通紙部温度に維持されるように発熱ブロックHB13への電力が制御される。したがって、発熱ブロックHB13の侵入部分は発熱ブロックHB14がかかる通紙部より温度が低くなることがないため定着不良を防止できる。このように、紙幅方向端部がA5サイズの許容範囲であるP2位置を超えて搬送基準位置Xから遠ざかった場合においても制御サーミスタT11−3Cにより所定温度を維持するように発熱量を制御して定着不良を防止する。また、それと同時に発熱ブロックHB13の非通紙部昇温を監視サーミスタT11−3Eで監視して過昇温から保護することができる。
本実施例によれば、複数に分割された発熱ブロックを有するヒータにおいて、温度検知部を適切に配置することにより、定形サイズ記録材の走行位置ずれに対して発熱ブロックの温度制御を安定させることが可能となる。また、非定形サイズ記録材に対しては、定着不良や過昇温を防止する制御を施すことが可能になる。
なお図6(B)では、非定形サイズ紙として、連続搬送中に走行位置のばらつきによって監視サーミスタT11−4Eが通紙部にかかったり制御サーミスタT11−3Cが非通紙部にかかったりすることがないようなサイズ紙を例示したが、これに限定されない。走行位置のばらつきによって、監視サーミスタT11−4Eが通紙部にかかったり制御サーミスタT11−3Cが非通紙部にかかったりするようなサイズの非定型サイズ紙を連続搬送するような場合においても、本実施例は有効である。すなわち、本実施例におけるサーミスタの配置によれば、発熱ブロックHB14の過昇温からの保護が必要になる位置に監視サーミスタT11−4Eを配置しているため、検知温度状況に応じて発熱ブロックHB14を過昇温から保護できる。また、発熱ブロックHB13の定着不良への対応が必要になる位置に制御サーミスタT11−3Cを配置しているため、通紙部温度に維持されるように電力を制御することにより定着不良を防止できる。
また、図6では、発熱ブロックHB14と近接する発熱ブロックHB13の境界付近のサーミスタ配置に対して、定形サイズとしてのA5紙とそれに近い幅の非定形サイズ紙の搬送を例にとって説明したが、これに限定されない。発熱ブロックHB13に近接する発熱ブロックHB12の境界付近のサーミスタ配置に対するB5紙の搬送、発熱ブロックHB12に近接する発熱ブロックHB11の境界付近のサーミスタ配置に対するA4紙の搬送においても同様の説明が適用できる。また、搬送基準位置Xに対して上記近接する発熱ブロックの線対称位置に配置された近接する発熱ブロックについても同様である。
(比較例1)
次に、比較例1のヒータ1200を用いた場合について説明する。
図7(A)に比較例1のヒータ1200の構成図の一部を示す。ヒータ1200は、実施例1のヒータ1100の摺動面層1のサーミスタの配置が異なる以外は同じ構成であり、実施例1と同じ構成については同一の記号を用いて説明は省略する。
図7(A)に示すように、ヒータ1200の各発熱ブロックHB11〜HB17を所定の加熱温度に制御するための制御サーミスタT21−1C〜T21−4C、T22−5C〜T22−7Cは、各発熱ブロックの長手方向における略中央付近に配置される。また、各発熱ブロックHB11〜HB17を過昇温から保護するための監視サーミスタT21−
2E〜T21−4E、T22−4E〜T22−6Eは、各発熱ブロックにおいて、搬送基準位置Xから遠い側に近接する発熱ブロックとの境界付近に配置される。
図7(B)は、代表的な例としての発熱ブロックHB14の監視サーミスタT21−4Eと発熱ブロックHB13の制御サーミスタT21−3Cの詳細な配置を示す図である。監視サーミスタT21−4Eは、長手方向において、A5サイズ紙の標準的な走行位置における紙幅方向端部P0に対して搬送基準位置Xに1mm近づけた位置に配置され、A5サイズの走行位置ばらつきの範囲内に含まれる。制御サーミスタT21−3Cは、発熱ブロックHB13の長手方向における略中央に配置され、A5サイズ紙の標準的な走行位置における紙幅方向端部P0に対して12mm離れている。
図8に、ヒータ1200を用いた定着装置に対して、非定形サイズとしての130mm幅の紙を連続搬送したときの発熱ブロックHB13と発熱ブロックHB14付近におけるフィルム202表面の長手温度分布を、実線で示す。発熱ブロックHB14は、制御サーミスタT21−4Cが通紙部温度に維持されるように電力を制御され、発熱ブロックHB13は、制御サーミスタT21−3Cが非通紙部温度に維持されるように電力を制御される。発熱ブロックHB14は、その一部が通紙部からはみ出して非通紙部となり、標準的な走行位置の場合におけるはみ出し量は9mmとなる。この場合、過昇温から保護する必要があるが、比較例1の監視サーミスタT21−4Eは、発熱ブロックHB14の端部のうち発熱ブロックHB13に近い側の端部に配置されている。そのため、130mm幅の紙の連続搬送に対する発熱ブロックHB14のはみ出しによる非通紙部昇温の熱が発熱ブロックHB13側へ分散するため、非通紙部昇温のピーク温度を精度よく監視するのが困難となる。この場合、紙幅情報等により非通紙部昇温のピークを予測しなければならないため、適切に過昇温から保護することが困難になる。
図8に、非定形サイズとしての170mm幅の紙を連続搬送したときの発熱ブロックHB13と発熱ブロックHB14付近におけるフィルム202表面の長手温度分布を、破線で示す。170mm幅の紙を連続搬送したとき、発熱ブロックHB13の一部が通紙部へ侵入し、標準的な走行位置の場合におけるはみ出し量は11mmとなる。比較例1における発熱ブロックHB13の制御サーミスタT21−3Cは、170mm幅の紙の標準的な走行位置に対して非通紙部(走行位置のばらつきを考慮した場合は通紙部にかかったり非通紙部にかかったりする位置)に配置されている。そのため、発熱ブロックHB13を安定的に電力制御することが困難となり、発熱ブロックHB13の通紙部への侵入によって発熱ブロックHB14がかかる通紙部に対して大きく温度低下する可能性がある。この場合、紙幅情報等により温度低下を予測しなければならなくなるため、適切に定着不良を防止することが困難になる。
なお、図8では、発熱ブロックHB14と近接する発熱ブロックHB13の境界付近のサーミスタ配置に対して、定形サイズとしてのA5紙に近い幅の非定形サイズ紙の搬送を例にとって説明したが、他の近接する発熱ブロックについても同様である。監視サーミスタが発熱ブロックの境界に近すぎたり制御サーミスタが発熱ブロックの境界から遠すぎたりした場合において、過昇温や定着不良に対して適切に対応することが困難になる可能性がある。
(比較例2)
次に、比較例2のヒータ1300を用いた場合について説明する。
図9(A)に比較例2のヒータ1300の構成図を示す。ヒータ1300は、実施例1のヒータ1100の摺動面層1のサーミスタの配置が異なる以外は同じ構成であり、実施例1と同じ構成については同一の記号を用いて説明は省略する。
図9(A)に示すように、各発熱ブロックHB11〜HB17の温調制御用の制御サーミスタT31−1C〜T31−4C、T32−5C〜T32−7Cは、各発熱ブロックにおいて、搬送基準位置Xに近い側に近接する発熱ブロックとの境界付近に配置される。また、各発熱ブロックHB11〜HB17の過昇温保護用の監視サーミスタT31−2E〜T31−4E、T32−4E〜T32−6Eは、定形サイズの標準的な走行位置における紙幅方向端部から搬送基準位置Xに向けて大幅に近づけた位置に配置されている。
図9(B)は、代表的な例としての発熱ブロックHB14の監視サーミスタT31−4Eと発熱ブロックHB13の制御サーミスタT31−3Cの詳細な配置を示す図である。監視サーミスタT31−4Eは、A5サイズ紙の標準的な走行位置における紙幅方向端部P0から搬送基準位置Xに近い側へ10mm移動した位置に配置されている。制御サーミスタT31−3Cは、A5サイズ紙の標準的な走行位置における紙幅方向端部P0に対して搬送基準位置Xから遠い側へ1mm移動した位置に配置され、A5サイズ紙の走行位置ばらつきの範囲内に含まれる。
図10に、ヒータ1300を用いた定着装置に対して、非定形サイズとしての130mm幅の紙を連続搬送したときの発熱ブロックHB13と発熱ブロックHB14付近におけるフィルム202表面の長手温度分布(実線)を示す。発熱ブロックHB14は、制御サーミスタT31−4Cが通紙部温度に維持されるように電力を制御され、発熱ブロックHB13は、制御サーミスタT31−3Cが非通紙部温度に維持されるように電力を制御される。発熱ブロックHB14は、その一部が通紙部からはみ出して非通紙部となり、標準的な走行位置の場合におけるはみ出し量は9mmとなる。この場合、過昇温から保護する必要があるが、比較例1の監視サーミスタT31−4Eは、130mm幅の紙の標準的な走行位置に対して通紙部(走行位置のばらつきを考慮した場合は通紙部にかかったり非通紙部にかかったりする位置)に配置されている。そのため、発熱ブロックHB14のはみ出しによる非通紙部昇温のピーク温度を精度よく監視するのが困難となる。この場合、紙幅情報等により非通紙部昇温のピークを予測しなければならないため、適切に過昇温から保護することが困難になる。
図10に、発熱ブロックHB13と発熱ブロックHB14の境界付近におけるA5サイズ紙の紙幅方向端部の走行位置が、標準的な走行位置P0に対して最も搬送基準位置Xから遠ざかった場合(P2位置)のフィルム202表面の長手温度分布を、破線で示す。HB13の一部が通紙部へ侵入し、HB13の制御サーミスタT31−3Cは通紙部にかかる。そのため、通紙部温度に維持されるように電力を制御することにより定着不良を防止できるものの、HB13の非通紙部昇温により過昇温からの保護が必要になる可能性がある。定形サイズであるA5サイズ紙の走行位置の許容範囲内において過昇温からの保護が必要になることは、複数の発熱ブロックに分割されたヒータのそもそもの思想である非通紙部昇温を抑制する構成として好ましくない。
なお、図10では発熱ブロックHB14と近接する発熱ブロックHB13の境界付近のサーミスタ配置に対して、定形サイズとしてのA5紙とそれに近い幅の非定形サイズ紙の搬送を例にとって説明したが、他の近接する発熱ブロックについても同様である。監視サーミスタが発熱ブロックの境界から遠すぎたり制御サーミスタが発熱ブロックの境界に近すぎたりした場合において、非定形サイズ紙の過昇温に対して適切に対応することが困難になる可能性がある。また、定形サイズ紙の走行位置ばらつきによって非通紙部昇温が発生したりする可能性がある。
以上説明したように、本実施例では、長手方向において、定形サイズ紙の紙幅方向端部(記録材端部)の標準的な走行位置(基準通過位置)に対して、搬送基準位置Xに近い側の第1発熱体に対応して設けられるサーミスタを次のように配置する。すなわち、搬送基
準位置Xから遠い側の監視サーミスタを、(i)第1発熱体の第2発熱体と隣接する端部の近傍、かつ(ii)基準通過位置に対して搬送基準位置Xに近い側へ少なくとも2.5mm空けた位置より搬送基準位置Xに近い側の位置に配置する。2.5mmは、第1の距離として、第1発熱体と第2発熱体との境界付近を通過する記録材端部の位置についての基準通過位置からの所定のずれ許容範囲における搬送基準位置Xに近い側の限界位置である。また、搬送基準位置Xから遠い側の第2発熱体に対応して設けられるサーミスタを次のように配置する。すなわち、搬送基準位置Xに近い側の制御サーミスタを、(iii)第2発熱体の第1発熱体と隣接する端部近傍、かつ(iv)基準通過位置に対して搬送基準位置Xから遠い側へ少なくとも2.5mm空けた位置より搬送基準位置Xから遠い側の位置に配置する。2.5mmは、第2の距離として、第1発熱体と第2発熱体との境界付近を通過する記録材端部の位置についての基準通過位置からの所定のずれ許容範囲における搬送基準位置Xから遠い側の限界位置である。また、(i)第1発熱体の第2発熱体と隣接する端部の近傍として、第1発熱体の上記監視サーミスタは、2.5mm空けた位置から搬送基準位置Xに近い側に3mm以内の位置に配置される。また、(iii)第2発熱体の第1発熱体と隣接する端部近傍として、第2発熱体の上記制御サーミスタは、2.5mm空けた位置からさらに搬送基準位置Xから遠い側に3mm以内の位置に配置される。なお、2.5mmや3mmといった具体的な数値は、あくまで一例であり、装置構成によって適宜変更され得るものであるが、種々のタイプの一般的な画像形成装置の使用に対して、好適に適用可能な数値である。以上の構成により、定形サイズ紙を搬送した際には走行位置ばらつきを考慮しても過昇温からの保護や定着不良への対応を必要とせず、非定形サイズ紙を搬送した際には適切に過昇温から保護したり定着不良を防止したりすることができる。
[実施例2]
本発明の実施例2では、搬送基準位置に近い側の第1発熱体における、搬送基準位置から遠い側の端部が、定形サイズ記録材の記録材幅方向における標準的な走行位置に対して、搬送基準位置に近い側に配置される例について説明する。
図11は、実施例2におけるヒータ構成図の一部を示している。ヒータ2100は、実施例1のヒータ1100の裏面層1における近接する発熱ブロックの配置が異なる以外は同じ構成であり、実施例1と同じ構成については同一の記号を用いて説明は省略する。実施例2において、ここで特に説明しない事項は、実施例1と同様である。
図11において、発熱ブロックHB24の発熱領域は、定形サイズとしてのA5サイズ(148mm幅)より短い146mmに設定されている。また、その外側に配置された発熱ブロックHB23と発熱ブロックHB25を含めた発熱領域は、B5サイズ(182mm幅)より短い180mmに設定されている。さらに外側に配置された発熱ブロックHB22と発熱ブロックHB26を含めた発熱領域は、A4サイズ(210mm幅)より短い208mmに設定されている。ただし、発熱ブロックHB21と発熱ブロックHB27を含めた全発熱ブロックの幅については、実施例1と同じ220mmに設定されている。
裏面層1のサーミスタの配置は実施例1と同じである。すなわち各サーミスタは、定形サイズの標準的な走行位置を基準として紙幅方向に±2.5mm離れた位置(+側は搬送基準位置から遠ざかる方向、−側は搬送基準位置に近づく方向)の近傍に配置されている。
図12(A)に、実施例1で発熱ブロックHB13、HB14境界付近におけるA5サイズ紙の紙幅方向端部の走行位置が、走行位置P0に対して最も搬送基準位置Xに近づいた場合(P1位置)において、紙の搬送速度が異なるときのフィルム温度分布を示す。具体的な搬送速度は、実施例1の240mm/sec(破線)に対して300mm/sec
(実線)とした。
図12(A)に示すように、紙の搬送速度が異なっても紙を同程度に加熱するためには、搬送速度が速いほど通紙部のフィルム表面の温度を高くしなければならない。また、紙の搬送速度が速いほど発熱ブロックHB14の消費電力が大きくなるため、紙幅方向端部の走行位置が許容範囲内であるP1位置でも非通紙部昇温が大きくなる。したがって、紙に対する発熱ブロックHB14のはみ出し量について、240mm/secの場合よりも、300mm/secの場合のほうが小さいはみだし量で過昇温から保護する必要がでてくる。
図12(B)に、実施例2のヒータ2100の発熱ブロックHB23、HB24境界付近におけるA5サイズ紙の紙幅方向端部の走行位置が、走行位置P0に対して搬送基準位置Xに2.5mm近づいた場合(P1位置)におけるフィルム温度分布を実線で示す。実施例2における紙の搬送速度は、実施例1より速い300mm/secとなっている。ヒータ2100は、発熱ブロックHB24の発熱領域が定形サイズであるA5サイズの幅である148mmより狭い146mmとしており、A5サイズ紙の標準的な走行位置P0より搬送基準側に発熱ブロックの分割位置が配置されている。この場合、A5サイズ紙の紙幅方向端部の走行位置がP1位置のときの発熱ブロックHB24の非通紙部へのはみ出し量は、実施例1より1mm短い1.5mmとなる。非通紙部昇温は、図12(A)における300mm/secのときの非通紙部昇温より小さくなる。また、発熱ブロックHB24の監視サーミスタT11−4Eは、P1位置に対して搬送基準位置Xに近い側へ1mm移動した位置に配置されている。そのため、非定形サイズ等の搬送により発熱ブロックHB24の非通紙部へのはみ出し量が大きくなる場合は、監視サーミスタT11−4Eは非通紙部にかかるため、非通紙部昇温を監視することによって過昇温から保護できる。
また、図12(B)にはA5サイズ紙の紙幅方向端部の走行位置が、標準走行位置P0に対して搬送基準位置Xから2.5mm遠ざかった場合(P2位置)における、紙の搬送速度が実施例1より速い300mm/secのときのフィルム温度分布を破線で示す。紙の搬送速度が実施例1より速くなっているため、発熱ブロックHB23の一部が通紙部へ侵入する侵入量は、実施例1より大きい3.5mmとなり、その部分の温度は実施例1のときより低くなるものの許容範囲内であり定着不良は発生しない。また、発熱ブロックHB23の制御サーミスタT11−3Cは、P2位置に対して搬送基準位置Xから遠い側へ1mm移動した位置に配置されている。そのため、非定形サイズ等の搬送により発熱ブロックHB23の通紙部への侵入量が大きくなる場合は、制御サーミスタT11−3Cは通紙部にかかる。制御サーミスタT11−3Cが通紙部温度に維持されるように発熱ブロックHB23の電力が制御されることによって、発熱ブロックHB23の通紙部への侵入部分は発熱ブロックHB24がかかる通紙部に対して温度低下しなくなる。そのため定着不良の発生を防止することができる。
このように、近接する発熱ブロックHB23と発熱ブロックHB24の境界を、定形サイズとしてのA5紙の紙幅方向端部の標準走行位置P0に対して搬送基準位置Xに近い側に配置している。こうすることによって、紙の搬送速度の高速化に対して過昇温からの保護と定着不良の発生防止を両立することができる。
なお、図12では発熱ブロックHB24と近接する発熱ブロックHB23の境界付近に対して、定形サイズとしてのA5紙の搬送を例にとって説明したが、他の近接する発熱ブロックについても同様の説明が適用することができる。
以上説明したように、近接する各発熱ブロックの境界を、定形サイズの標準的な走行位置に対して搬送基準位置に近い側に配置することによって、紙の搬送速度の高速化に対して過昇温からの保護と定着不良の発生防止を両立することができる。
[実施例3]
本発明の実施例3では、隣接する発熱ブロックの境界周辺において、紙幅方向における各発熱ブロックの発熱領域が互いに重なっている例について説明する。
図13(A)は、実施例3におけるヒータ構成図の一部を示している。ヒータ3100は、実施例2のヒータ2100の裏面層1における発熱ブロックを形成する発熱抵抗体3102a−1〜3102a−7、および3102b−1〜3102b−7の形状が異なる以外は同様の構成である。したがって、実施例3の構成のうち実施例2と同様の構成については同一の記号を用いて説明は省略する。実施例3において、ここで特に説明しない事項は、実施例1、2と同様である。
図13(A)に示すように、実施例3における発熱抵抗体3102a−1〜3102a−7、および3102b−1〜3102b−7は、それぞれ、並列接続された複数の発熱体パターンに分割されている。本例では、発熱体パターンの形状を平行四辺形にすることによって、各発熱ブロックHB31〜HB37の近接する発熱ブロックの境界周辺において発熱領域が互いに重なるように形成されている。
図13(B)に、代表的な例として、搬送基準位置Xに近い側の第1発熱体としての発熱ブロックHB34と、発熱ブロックHB34に対して搬送基準から遠い側に近接する第2発熱体としての発熱ブロックHB33の境界付近の構成を示す。発熱ブロックHB34における搬送基準位置Xから遠い側の発熱領域端部は、複数の発熱体パターンの中で搬送基準位置Xから最も離れた発熱体パターン3102a−4a、3102b−4aにおける、搬送基準位置Xから最も離れた頂点の位置A0である。そして、発熱ブロックHB33における搬送基準位置Xに近い側の発熱領域端部は、複数の発熱体パターン3102a−3b、3102b−3bにおける、最も搬送基準位置Xに近い頂点の位置B0である。位置A0は位置B0より搬送基準位置Xから遠い側に配置されており、発熱ブロックHB34と発熱ブロックHB33はその境界周辺において発熱領域が互いに重なっている。このような発熱体パターンを形成することにより、発熱ブロック間の継ぎ目における発熱量の落ち込みを防ぐことができる。
他の近接する発熱ブロックの境界周辺における発熱領域についても同様である。本例ではこの領域を実施例2と同じ領域幅になるように形成した。すなわち、発熱ブロックHB34の発熱領域は、定形サイズとしてのA5サイズ(148mm幅)より短い146mmに設定されている。また、その外側に配置された発熱ブロックHB33と発熱ブロックHB35を含めた発熱領域は、B5サイズ(182mm)より短い180mmに設定されている。さらに外側に配置された発熱ブロックHB32と発熱ブロックHB36を含めた発熱領域は、A4サイズ(210mm幅)より短い208mmに設定されている。発熱ブロックHB31と発熱ブロックHB37を含めた全発熱ブロックの幅については、実施例2と同じ220mmに設定されている。
実施例3におけるサーミスタの配置は、実施例2と同じく、定形サイズ紙の標準的な走行位置に対して搬送基準位置Xに近い側に2.5mm移動した位置より搬送基準位置Xに近い側の近傍に監視サーミスタを配置している。また、定形サイズ紙の標準的な走行位置に対して搬送基準位置Xから遠い側に2.5mm移動した位置より搬送基準位置Xから遠い側の近傍に制御サーミスタを配置している。
本例のヒータ3100を用いることによっても本発明の効果を得ることができる。
[実施例4]
実施例1〜3では、ヒータ基板の裏面側に発熱体を形成した構成例を用いて説明したが
、図14に示したフィルム202との摺動面側に発熱体を形成したヒータ4100のような構成にも適用できる。実施例4において、ここで特に説明しない事項は、実施例1〜3と同様である。
図14に示すように、ヒータ4100は、第1発熱体として長手方向に伸びる発熱抵抗体(発熱抵抗体グループ)4102−4を有している(発熱抵抗体グループ)。また、第2発熱体として、発熱抵抗体4102−3aと発熱抵抗体4102−3bとが、発熱抵抗体4102−4と同じ長手長さの導電体4101−3を挟んで長手方向に並んで発熱抵抗体グループ4102−3を形成している。また、導電体4101−2を挟んで長手方向に並んだ発熱抵抗体4102−2aと発熱抵抗体4102−2bが、発熱抵抗体グループ4102−2を形成している。さらに、導電体4101−2を挟んで長手方向に並んだ発熱抵抗体4102−1aと発熱抵抗体4102−1bが、発熱抵抗体グループ4102−1を形成している。これら発熱抵抗体グループが、ヒータ短手方向の摺動面側に略平行に並んでおり、電極E41、E42、E43、E44からそれぞれの発熱抵抗体グループを経由して電極E48へ、ヒータ長手方向に通電することにより各発熱抵抗体が発熱する。各発熱抵抗体同士が一直線に隣接している構成ではないが、定着ニップ内において記録材Pを加熱するヒータ長手方向の発熱領域としてはそれぞれが近接しているといえる。
ヒータ裏面側には実施例1〜3と同様のサーミスタが印刷形成されている。ヒータ長手方向における位置は、実施例1〜3と同様の位置に配置されている。ヒータ短手方向における位置は各発熱抵抗体の形成箇所に相当する裏面側に配置されている。
発熱抵抗体グループ4102−1〜4102−3については、それぞれ搬送基準位置Xに対して略対称な位置に直列接続されており、不図示のヒータ制御回路によって記録材Pの搬送方向に対して左右対称にヒータを加熱制御する。本例では、左右の制御サーミスタ、例えば制御サーミスタT41−3Cと制御サーミスタT42−5Cの平均値が所定の制御温度を維持するように電力が制御される。ただし、これに限らず、左右いずれか一方の制御サーミスタの検知温度が所定の温度を維持するように電力を制御してもよい。本例のように左右の発熱抵抗体が同時通電される構成の場合は、制御サーミスタは左右いずれか一方だけ配置されていてもよく、制御サーミスタが所定の温度を維持するように電力が制御されることにより左右対称にヒータが加熱制御される。
本例のヒータ4100を用いた場合においても、上記実施例と同様の効果を得ることができる。すなわち、定形サイズ紙を搬送した際には走行位置のばらつきを考慮しても過昇温からの保護や定着不良への対応を必要とせず、非定形サイズ紙を搬送した際には適切に過昇温から保護したり定着不良を防止したりすることができる。
以上説明したように、定形サイズ紙における紙幅方向端部の標準的な走行位置を基準として、走行位置の許容範囲に基づいた位置に各サーミスタを配置することによって、上記課題を解決することが可能となる。
なお、実施例1〜4では、記録材Pの搬送基準位置Xが中央基準の像加熱装置に搭載されるヒータの構成例について説明したが、これに限らず、搬送基準位置Xがヒータの長手方向端部近傍である、いわゆる片側基準の像加熱装置にも適用できる。
また、実施例1〜4におけるサーミスタとして、ヒータ基板の一方の面側に薄く印刷形成したサーミスタ材料を用いたが、これに限られない。例えば、電気素子としてのサーミスタ素子をヒータ裏面側に当接して各発熱ブロックの温度を検知する構成を有する像加熱装置にも適用することができる。
上記各実施例は、それぞれの構成を可能な限り互いに組み合わせることができる。
200…定着装置(像加熱装置)、1100、2100、3100、4100…ヒータ、HB11〜HB17…発熱ブロック(発熱体)、T11−1C〜T11−4C、T12−5C〜T12−7C…制御サーミスタ、T11−2E〜T11−4E、T12−4E〜T12−6E…監視サーミスタ

Claims (11)

  1. 記録材の搬送方向と直交する長手方向に並ぶ複数の発熱体を有するヒータと、
    前記複数の発熱体の夫々により個別に加熱される複数の加熱領域の温度を検知するための複数の温度検知部材と、
    前記温度検知部材が検知する温度が所定の制御目標温度を維持するように前記複数の発熱体へ供給する電力を個々に制御する制御部と、
    を備え、
    前記複数の発熱体が、第1発熱体と、前記長手方向において前記第1発熱体よりも記録材の搬送基準位置から遠い側に前記第1発熱体に隣接して配置される第2発熱体と、を含み、
    前記複数の温度検知部材が、前記第1発熱体に対応して設けられる第1温度検知部材と、前記第2発熱体に対応して設けられる第2温度検知部材と、を含み、
    前記第1温度検知部材が、前記長手方向において、(i)前記第1発熱体の前記長手方向の端部のうち前記第2発熱体と隣接する端部の近傍であって、かつ、(ii)前記第1発熱体と前記第2発熱体との境界付近を通過する記録材端部についての所定の基準通過位置から、前記搬送基準位置に近い側に少なくとも2.5mm空けた位置に配置され、
    前記第2温度検知部材が、前記長手方向において、(iii)前記第2発熱体の前記長手方向の端部のうち前記第1発熱体と隣接する端部の近傍であって、かつ、(iv)前記基準通過位置から、前記搬送基準位置から遠い側に少なくとも2.5mm空けた位置に配置されることを特徴とする像加熱装置。
  2. 前記第1温度検知部材は、前記2.5mm空けた位置から前記搬送基準位置に近い側に3mm以内の位置に配置され、
    前記第2温度検知部材は、前記2.5mm空けた位置から前記搬送基準位置から遠い側に3mm以内の位置に配置されることを特徴とする請求項1に記載の像加熱装置。
  3. 記録材の搬送方向と直交する長手方向に並ぶ複数の発熱体を有するヒータと、
    前記複数の発熱体の夫々により個別に加熱される複数の加熱領域の温度を検知するための複数の温度検知部材と、
    前記温度検知部材が検知する温度が所定の制御目標温度を維持するように前記複数の発熱体へ供給する電力を個々に制御する制御部と、
    を備え、
    前記複数の発熱体が、第1発熱体と、前記長手方向において前記第1発熱体よりも記録材の搬送基準位置から遠い側に前記第1発熱体に隣接して配置される第2発熱体と、を含み、
    前記複数の温度検知部材が、前記第1発熱体に対応して設けられる第1温度検知部材と、前記第2発熱体に対応して設けられる第2温度検知部材と、を含み、
    前記第1温度検知部材が、前記長手方向において、(i)前記第1発熱体の前記長手方向の端部のうち前記第2発熱体と隣接する端部の近傍であって、かつ、(ii)前記第1発熱体と前記第2発熱体との境界付近を通過する記録材端部についての所定の基準通過位置から前記搬送基準位置に近い側に少なくとも第1の距離を空けた位置に配置され、
    前記第2温度検知部材が、前記長手方向において、(iii)前記第2発熱体の前記長手方向の端部のうち前記第1発熱体と隣接する端部の近傍であって、かつ、(iv)前記基準通過位置から前記搬送基準位置から遠い側に少なくとも第2の距離を空けた位置に配置されることを特徴とする像加熱装置。
  4. 前記第1の距離は、前記基準通過位置から、前記境界付近を通過する前記記録材端部の位置についての所定のずれ許容範囲における前記搬送基準位置に近い側の限界位置までの距離であり、
    前記第2の距離は、前記基準通過位置から、前記ずれ許容範囲における前記搬送基準位置から遠い側の限界位置までの距離であることを特徴とする請求項3に記載の像加熱装置。
  5. 前記第1の距離及び前記第2の距離は、それぞれ2.5mmであることを特徴とする請求項3又は4に記載の像加熱装置。
  6. 前記第1温度検知部材は、前記第1発熱体の前記端部の近傍として、前記第1の距離を空けた位置から前記搬送基準位置に近い側に3mm以内の位置に配置され、
    前記第2温度検知部材は、前記第2発熱体の前記端部の近傍として、前記第2の距離を空けた位置から前記搬送基準位置から遠い側に3mm以内の位置に配置されることを特徴とする請求項3〜5のいずれか1項に記載の像加熱装置。
  7. 前記第1温度検知部材は、前記第1発熱体の前記端部における過昇温を監視するために用いられ、
    前記第2温度検知部材は、前記複数の加熱領域のうち前記第2発熱体が加熱する加熱領域の温度を所定の制御目標温度に維持するために用いられることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の像加熱装置。
  8. 前記長手方向において、前記第1発熱体の前記第2発熱体と隣接する端部は、前記基準通過位置よりも前記搬送基準位置に近い側に位置することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の像加熱装置。
  9. 前記長手方向において、前記第1発熱体の前記第2発熱体と隣接する端部は、前記第2発熱体の前記搬送基準位置に近い側の端部より、前記搬送基準位置から遠い位置となる部分を有することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の像加熱装置。
  10. 前記ヒータが内面に接触する筒状のフィルムをさらに有することを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の像加熱装置。
  11. 記録材に画像を形成する画像形成部と、
    記録材に形成された画像を記録材に定着する定着部と、
    を有する画像形成装置において、
    前記定着部が請求項1〜10のいずれか1項に記載の像加熱装置であることを特徴とする画像形成装置。
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