JP2020181053A - 像加熱装置及び画像形成装置 - Google Patents

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洋彦 相場
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Abstract

【課題】実際に記録材が通紙されている長手位置を推定し、推定結果を元に各発熱ブロックを最適な温度で制御することで、過度な非通紙部昇温や蓄熱を防止し、記録材の搬送を安定させ、像加熱装置の破損を防止する。【解決手段】ヒータの記録材の搬送方向と直交する方向に分割された複数の発熱ブロックに供給する電力を制御する制御部は、サイズが同じ複数の記録材に形成されている画像に対して連続的に加熱を行う場合において、所定の電力を各発熱ブロックに供給したときの温度検知素子の検知温度に基づいて、各発熱ブロックが、記録材が通過する発熱ブロックと記録材が通過しない発熱ブロックのいずれであるかを判断し、該判断に基づいて、加熱における制御条件を変更する。【選択図】図8

Description

本発明は、複写機やプリンタ等の電子写真記録方式の画像形成装置に搭載する定着装置、或いは記録材上の定着済みトナー画像を再度加熱することによりトナー画像の光沢度を向上させる光沢付与装置、等の像加熱装置に関する。また、この像加熱装置に用いられるヒータに関する。
像加熱装置として、筒状のフィルムと、フィルムの内面に接触するヒータと、フィルムを介してヒータと共にニップ部を形成するローラと、を有する装置がある。この像加熱装置を搭載する画像形成装置で小サイズ紙を連続プリントすると、ニップ部長手方向において紙が通過しない領域の温度が徐々に上昇するという現象(非通紙部昇温)が発生する。
像加熱装置としては、非通紙部の温度が装置内の各部材の耐熱温度を超えないようにする必要がある。非通紙部昇温を抑制する手法の一つとしては、ヒータ上の発熱抵抗体をヒータ長手方向において複数のグループ(発熱ブロック)に分割し、記録材のサイズに応じてヒータの発熱分布を切換える装置が提案されている(特許文献1)。複数に分割された発熱ブロックには、各発熱ブロックの温度を検知するためのサーミスタ等の検知部材が配置され、その検知結果に基づいて発熱量を制御する。
上記装置において、記録材が通過する部分の温度は、トナー画像を定着させるために必要な温度に制御する。記録材が通過しない非通紙部は、記録材によって熱が奪われず、部材が蓄熱しやすいため、記録材が通過する部分よりも発熱量を小さくしている。
特開2014−59508号公報
通常、発熱ブロックの幅と定型の記録材の幅を一致させ、非通紙部昇温が発生しないようにヒータ設計を行う。例えば、図1に示すように、B5サイズの幅と発熱ブロックHB3〜HB5の幅を一致させ、発熱ブロック3〜5をトナー画像が定着するために必要な温度、発熱ブロック1,2,6,7をフィルムが回転する下限温度に制御する。
しかしながら、図2(a)に示すように、ユーザが正規の位置からずれた場所に記録材をセットして通紙した場合、発熱ブロック6の記録材が通過しない部分で、非通紙部昇温が発生してしまう。その結果、非通紙部昇温した部分でローラが熱膨張し、記録材の搬送が不安定となることが懸念される。
また、図2(b)に示すように、ユーザが指定した記録材のサイズと実際に通紙したサイズが異なる場合、発熱ブロック2,6は、記録材が通過することを想定した高い温度で制御されるものの、実際には記録材が通過せず、部材に過剰な熱が蓄熱されてしまう。その結果、像加熱装置の破損につながる恐れがある。
本発明は、実際に記録材が通紙されている長手位置を推定し、推定結果を元に各発熱ブロックを最適な温度で制御することで、過度な非通紙部昇温や蓄熱を防止し、記録材の搬送を安定させ、像加熱装置の破損を防止することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の像加熱装置は、
記録材に形成された画像を加熱する像加熱装置であって、
記録材の搬送方向と直交する方向に分割された複数の発熱ブロックを有するヒータと、
各発熱ブロックの温度を検知する温度検知素子と、
各発熱ブロックに供給する電力を制御する制御部と、
を備える像加熱装置において、
サイズが同じ複数の記録材に形成されている画像に対して連続的に加熱を行う場合において、
前記制御部は、
所定の電力を各発熱ブロックに供給したときの前記温度検知素子の検知温度に基づいて、各発熱ブロックが、記録材が通過する発熱ブロックと記録材が通過しない発熱ブロックのいずれであるかを判断し、
前記判断に基づいて、前記加熱における制御条件を変更することを特徴とする。
上記目的を達成するため、本発明の画像形成装置は、
記録材に画像を形成する画像形成部と、
記録材に形成された画像を記録材に定着する定着部と、
を有する画像形成装置において、
前記定着部が本発明の像加熱装置であることを特徴とする。
本発明によれば、過度な非通紙部昇温や蓄熱を防止し、記録材の搬送を安定させ、像加熱装置の破損を防止することができる。
発熱ブロックと記録材の位置関係 発熱ブロックと記録材の位置関係が崩れた例 画像形成装置の断面図 像加熱装置の断面図 ヒータ構成図 ヒータの制御回路図 実施例1の比較例の温度分布 実施例1を表すフローチャート 実施例1で記録材の位置を判断する時点の温度分布 実施例1の温度分布 実施例2の比較例の温度分布 実施例2を表すフローチャート 実施例2で記録材の位置を判断する時点の温度分布 実施例2の温度分布 実施例3を表すフローチャート 実施例3で記録材の位置を判断する時点の温度分布 実施例4を表すフローチャート 実施例4で記録材の位置を判断する時点の温度分布
以下に図面を参照して、この発明を実施するための形態を、実施例に基づいて例示的に詳しく説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状それらの相対配置などは、発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものである。すなわち、この発明の範囲を以下の実施の形態に限定する趣旨のものではない。
[実施例1]
図3は、本発明の実施例に係る画像形成装置の概略断面図である。本発明が適用可能な
画像形成装置としては、電子写真方式や静電記録方式を利用した複写機、プリンタなどが挙げられ、ここでは電子写真方式を利用して記録材P上に画像を形成するレーザプリンタに適用した場合について説明する。
画像形成装置100は、ビデオコントローラ120と制御部113を備える。ビデオコントローラ120は、記録材に形成される画像の情報や画像を形成する記録材のサイズや種類等の情報を取得する取得部として、パーソナルコンピュータ等の外部装置から送信される画像情報及びプリント指示を受信して処理するものである。また、画像形成装置100は、操作パネル130を備えており、ユーザによる該操作パネル130からの入力によって各種情報やプリント指示が制御部113に送信される場合もある。制御部113は、ビデオコントローラ120と接続されており、ビデオコントローラ120からの指示に応じて画像形成装置100を構成する各部を制御するものである。ビデオコントローラ120が外部装置からプリント指示をうけると、以下の動作で画像形成が実行される。
プリント信号が発生すると、画像情報に応じて変調されたレーザ光をスキャナユニット21が出射し、帯電ローラ16によって所定の極性に帯電された感光体(感光ドラム)19を走査する。これにより感光体19には静電潜像が形成される。この静電潜像に対して現像器(現像ローラ)17からトナーが供給され、感光体19上に画像情報に応じたトナー画像(トナー像)が形成される。一方、給紙カセット11に積載された記録材(記録紙)Pはピックアップローラ12によって一枚ずつ給紙され、搬送ローラ対13によってレジストローラ対14に向けて搬送される。さらに、記録材Pは、感光体19上のトナー画像が感光体19と転写ローラ20で形成される転写位置に到達するタイミングに合わせて、レジストローラ対14から転写位置へ搬送される。記録材Pが転写位置を通過する過程で感光体19上のトナー画像は記録材Pに転写される。その後、記録材Pは定着部(像加熱部)としての定着装置(像加熱装置)200で加熱され、トナー画像が記録材Pに加熱定着される。定着済みのトナー画像を担持する記録材Pは、搬送ローラ対26、27によって画像形成装置100上部のトレイに排出される。
ドラムクリーナ18は、感光ドラム19に残存するトナーを清掃する。記録材Pのサイズに応じて幅調整可能な一対の記録材規制板を有する給紙トレイ(手差しトレイ)28は、定型サイズ以外の記録材Pにも対応するために設けられている。ピックアップローラ29は、給紙トレイ28から記録材Pを給紙する。画像形成装置100は、定着装置200等を駆動するモータ30を有する。商用の交流電源401に接続されたヒータ駆動手段としての制御回路400は、定着装置200への電力供給を制御する。
上述した、感光ドラム19、帯電ローラ16、スキャナユニット21、現像ローラ17、転写ローラ20が、記録材Pに未定着画像を形成する画像形成部を構成している。また、本実施例では、感光ドラム19、帯電ローラ16、現像ローラ17を含む現像ユニット、ドラムクリーナ18を含むクリーニングユニットが、プロセスカートリッジ15として画像形成装置100の装置本体に対して着脱可能に構成されている。
本実施例の画像形成装置100は、複数の記録材サイズに対応している。給紙カセット11には、Letter紙(約216mm×279mm)、A4紙(210mm×297mm)、B5紙(約182mm×257mm)、A5紙(148mm×210mm)等をセットできる。
本実施例の画像形成装置100は、基本的に紙を縦送りする(紙の長辺が搬送方向と平行になるように搬送する)レーザプリンタである。尚、紙を横送りするプリンタについても、本発明を適用可能である。そして、装置が対応している定型の記録材の幅(カタログ上の記録材の幅)のうち最も大きな(幅が大きな)記録材はLetter紙であり、幅は約216mmである。
図4は、本実施例の像加熱装置としての定着装置200の模式的断面図である。定着装置200は、加熱回転体である筒状のフィルム202と、フィルム202の内面に接触するヒータ1100と、フィルム202の外面に接触する加圧ローラ(加圧回転体)208と、を有する。加圧ローラ208は、フィルム202を介してヒータ1100と共に定着ニップ部Nを形成する。
フィルム202は、可撓性を有する筒状に形成された複層耐熱フィルムであり、そのベース層の材質は、ポリイミド等の耐熱樹脂、またはステンレス等の金属である。また、フィルム202には耐熱ゴム等の弾性層や、耐熱樹脂からなる離型層を設けても良い。
加圧ローラ208は、鉄やアルミニウム等の材質の芯金209と、シリコーンゴム等の材質の弾性層210を有する。ヒータ1100は液晶ポリマーのような耐熱樹脂製の保持部材201に保持されている。保持部材201はフィルム202の回転を案内するガイド機能も有している。
フィルム202とヒータ1100および保持部材201の摺動部には、不図示の粘性グリスが塗布されている。このグリスは、フッ素樹脂とフッ素オイルを混合したものであり、フィルム202とヒータ1100および保持部材201の間の摺動抵抗を下げる役割を持つ。グリスの粘度は温度と相関があり、高温になるほど粘度が下がり、摺動性も向上する。加圧ローラ208は、モータ30から動力を受けて矢印方向に回転する。加圧ローラ208が回転することによって、フィルム202が従動して回転する。未定着トナー画像を担持する記録材Pは、定着ニップ部Nで挟持搬送されつつ加熱されて定着処理される。このように、定着装置200は、筒状のフィルム202と、フィルム202の内面に接触するヒータ1100と、を有し、フィルム202を介したヒータ1100の熱で記録材に形成された画像を加熱する。
ヒータ1100は、セラミック製の基板1105と、基板1105上に設けられ電力を供給することによって発熱する発熱抵抗体(発熱体)(図5参照)を有する。基板1105の定着ニップ部Nの面(第1の面)には、フィルム202の摺動性を確保するため、ガラス製の表面保護層1108が設けられている。基板1105の定着ニップ部N側の面とは反対側の面(第2の面)には、発熱抵抗体を絶縁するため、ガラス製の表面保護層1107が設けられている。第2の面には電極(ここでは代表としてE14を示してある)が露出しており、給電用の電気接点(ここでは代表としてC14を示してある)が電極に接触することにより発熱抵抗体が電気的に交流電源401と接続される。なお、ヒータ1100の詳細な説明は後述する。
ヒータ1100の異常発熱により作動してヒータ1100に供給する電力を遮断するサーモスイッチや温度ヒューズ等の保護素子212が、ヒータ1100に当接、若しくはヒータ1100に対して若干のギャップを設けて配置されている。金属製のステー204は、保持部材201に不図示のバネの圧力を加えるためのものであり、保持部材201、及びヒータ1100を補強する役目もある。
図5(A)、及び図5(B)は実施例1のヒータ1100の構成図を示している。図5(A)は、図5(B)に示す記録材Pの搬送基準位置X付近のヒータ1100の断面図を示している。図5(B)は、ヒータ1100の各層の平面図を示している。図5(C)は、ヒータ1100を保持する保持部材の平面図である。
本実施例の画像形成装置100は、記録材の幅方向(搬送方向に対して直交する方向)の中央を搬送基準位置Xに合わせて搬送する中央基準のプリンタである。
ヒータ1100は、セラミックス製の基板1105と、基板1105上に設けられた裏面層1と、裏面層1を覆う裏面層2と、基板1105上の裏面層1とは反対側の面に設け
られた摺動面層1と、摺動面層1を覆う摺動面層2と、により構成される。
フィルム202と接触するヒータ面とは反対側のヒータ面であるヒータ1100の裏面層1には、第1の導電体1101と第2の導電体1103と発熱抵抗体(発熱体)1102との組からなる発熱ブロックがヒータ1100の長手方向に複数設けられている。本実施例のヒータ1100は、合計7つの発熱ブロックHB11〜HB17を有する。発熱ブロックの独立制御に関しては後述する。
各発熱ブロックは、夫々、基板の長手方向に沿って設けられている第1の導電体1101と、第1の導電体1101とは基板の短手方向(長手方向と直交する方向)で異なる位置で基板の長手方向に沿って設けられている第2の導電体1103と、を有する。更に、第1の導電体1101と第2の導電体1103の間に設けられており第1の導電体1101と第2の導電体1103を介して供給される電力により発熱する発熱抵抗体1102を有する。
各発熱ブロックの発熱抵抗体1102は、ヒータ1100の短手方向に関し、基板中央を基準に互いに対称な位置に形成された発熱抵抗体1102a、及び発熱抵抗体1102bに分かれている。また、第1の導電体1101は、発熱抵抗体1102aと接続された導電体1101aと、発熱抵抗体1102bと接続された導電体1101bに分かれている。発熱抵抗体1102a、及び発熱抵抗体1102bが基板中央を基準に互いに対称な位置に形成されている。
ヒータ1100は7つの発熱ブロックHB11〜HB17を有するので、発熱抵抗体1102aは1102a−1〜1102a−7の7つに分かれている。同様に、発熱抵抗体1102bは1102b−1〜1102b−7の7つに分かれている。更に、第2の導電体1103も1103−1〜1103−7の7つに分かれている。なお、発熱抵抗体1102a−1〜1102a−7が、基板1105内において記録材Pの搬送方向の上流側に配置されており、発熱抵抗体1102b−1〜1102b−7が基板1105内において記録材Pの搬送方向の下流側に配置されている。
ヒータ1100の裏面層2には、発熱抵抗体1102、第1の導電体1101、及び第2の導電体1103を覆う絶縁性(本実施例ではガラス)の表面保護層1107が設けられている。但し、表面保護層1107は、給電用の電気接点C11〜C17、C18−1、及びC18−2が接触する電極部E11〜E17、E18−1、及びE18−2は覆っていない。電極E11〜E17は、夫々、第2の導電体1103−1〜1103−7を介して、発熱ブロックHB11〜HB17に電力供給するための電極である。電極E18−1、及びE18−2は、第1の導電体1101a、及び1101bを介して発熱ブロックHB11〜HB17に電力給電するための電極である。
ところで、導電体の抵抗値はゼロではないため、ヒータ1100の長手方向における発熱分布に影響を与える。そこで、第1の導電体1101a、1101b、及び第2の導電体1103−1〜1103−7の電気抵抗の影響を受けても発熱分布が不均一にならないように、電極E18−1、及びE18−2はヒータ1100の長手方向の両端部に分けて設けてある。
図4に示したように、ステー204と保持部材201の間の空間には、安全素子212、電気接点C11〜C17、C18−1、及びC18−2が設けられている。図5(C)に示すように、保持部材201には、電極E11〜E17、E18−1、及び1E8−2に接続される電気接点C11〜C17、C18−1、及びC18−2を通す穴HC11〜HC17、HC18−1、及びHC18−2が設けられている。また、保持部材201に
は保護素子212の感熱部を通す穴H212も設けられている。電気接点C11〜C17、C18−1、及びC18−2は、バネによる付勢や溶接等の手法によって、対応する電極と電気的に接続されている。保護素子212もバネによって付勢されて、その感熱部が表面保護層1107に接触している。各電気接点は、ステー204と保持部材201の間の空間に設けられたケーブルや薄い金属板等の導電部材を介して、ヒータ1100の制御回路と接続している。
ヒータ1100の裏面に電極を設けることで、第2の導電体1103−1〜1103−7各々に電気的に接続する配線の為の領域を基板1105上に設ける必要がないため、基板1105の短手方向の幅を短くすることができる。そのため、ヒータのサイズアップを抑えることができる。なお、図5(B)に示すように、電極E12〜E16は、基板の長手方向において発熱抵抗体が設けられた領域内に設けられている。
後述するが、本例のヒータ1100は、複数の発熱ブロックを独立して制御することにより、種々の発熱分布を形成可能になっている。例えば、記録材のサイズに応じた発熱分布を設定できる。更に、発熱抵抗体1102はPTC(Positive Temperature Coefficient)を有する材料で形成されている。PTCを有する材料を用いることで、記録材の端部と発熱ブロックの境界とが一致していないケースでも非通紙部の昇温を抑えることができる。
ヒータ1100の摺動面(フィルムと接触する側の面)側の摺動面層1には、各発熱ブロックHB11〜HB17の温度を検知するためのサーミスタ(温度検知素子)T1〜T7、が形成されている。サーミスタの材料は、TCR(Temperature Coefficient of Resistance)が正又は負に大きい材料であれば良い。本例ではNTC(Negative Temperature Coefficient)を有する材料を基板上に薄く印刷して温度検知手段であるサーミスタを構成した。このサーミスタを使用して、フィルムが目標温度になるように制御を行う。
各発熱ブロックに対するサーミスタ配置について説明する。
図5(B)に示すように1つの発熱ブロックに対して1つのサーミスタが配置されている。例えば発熱ブロックHB15に対して、サーミスタT5が設置されており、抵抗値検出用の導電パターンET5と、共通導電パターンEG11によって、それぞれ温度検出可能な構成となっている。
本実施例の構成では、各発熱ブロックに配置するサーミスタは、記録材の幅が変わってもなるべく通紙域内になるように、通紙基準に近い側の端部に配置している。尚、サーミスタの長手位置に関しては、本実施例のものに限らない。例えば、各発熱ブロックの長手中央に配置するような構成でも構わない。
基板1105の定着ニップ部Nの側の面(摺動面層2)には、フィルム202の摺動性を確保するため、絶縁性(本例はガラス製)の表面保護層1108がコーティングにより形成されている。表面保護層1108は、サーミスタ、導電パターン、及び共通導電パターンを覆っている。しかしながら、電気接点との接続を確保するため、図5(B)に示すように、ヒータ1100の両端部で、導電パターンの一部、及び共通導電パターンの一部は露出させている。
図6は、ヒータ1100の制御手段である制御回路1400の回路図である。ヒータ1100の電力制御は、トライアック1411〜1417の通電/遮断により行われる。トライアック1411〜1417は、それぞれ、制御部としてのCPU420からのFUSER11〜FUSER17信号に従って動作する。
ヒータ1100の制御回路1400は、7つのトライアック1411〜1417によっ
て、7つの発熱ブロックHB11〜HB17を独立制御可能な回路構成となっている。なお図6において、トライアック1411〜1417の駆動回路は省略してある。
ゼロクロス検知部1421は、交流電源401のゼロクロスを検知する回路であり、CPU420にZEROX信号を出力している。ZEROX信号は、トライアック1411〜1417を位相制御するための基準信号等に用いられる。
次にヒータ1100の温度検知方法について説明する。ヒータ1100の温度検知は、サーミスタT1〜T7によって行われる。CPU420には、電圧Vccを、サーミスタT1〜T7の抵抗値と抵抗1451〜1457の抵抗値で分圧した信号(Th1〜Th7)が入力する。例えば、信号Th4は、電圧Vccを、サーミスタT4の抵抗値と抵抗1454の抵抗値で分圧した信号である。サーミスタT4は温度に応じた抵抗値となるので、発熱ブロックHB14の温度が変化するとCPUに入力する信号Th4のレベルも変化する。CPU420は、入力した各信号を、そのレベルに応じた温度に換算する。
CPU420は、各発熱ブロックの設定温度(制御目標温度)と、各サーミスタの検知温度に基づき、例えばPI制御により、供給電力を算出する。更に、算出した供給電力を、対応する位相角(位相制御)や波数(波数制御)等の制御タイミングに換算し、この制御タイミングでトライアック1411〜1417を制御している。他のサーミスタに対応する信号の処理も同様なので説明は割愛する。
リレー1430とリレー1440は、装置の故障などの要因でヒータ1100が過昇温した場合、ヒータ1100への電力を遮断する手段として搭載されている。
リレー1430、及びリレー1440の回路動作を説明する。CPU420から出力されるRLON信号がHigh状態になると、トランジスタ1433がON状態になり、直流電源(電圧Vcc)からリレー1430の2次側コイルに通電され、リレー1430の1次側接点はON状態になる。RLON信号がLow状態になると、トランジスタ1433がOFF状態になり、電源(電圧Vcc)からリレー1430の2次側コイルに流れる電流は遮断され、リレー1430の1次側接点はOFF状態になる。同様に、RLON信号がHigh状態になると、トランジスタ1443がON状態になり、電源(電圧Vcc)からリレー1440の2次側コイルに通電され、リレー1440の1次側接点はON状態になる。RLON信号がLow状態になると、トランジスタ1443がOFF状態になり、電源(電圧Vcc)からリレー1440の2次側コイルに流れる電流は遮断され、リレー1440の1次側接点はOFF状態になる。なお、抵抗1434、抵抗1444は、トランジスタ433、443のベース電流を制限する電流制限抵抗である。
次に、リレー1430、及びリレー1440を用いた保護回路(CPU420を介さないハード回路)の動作について説明する。信号Th1〜Th7の何れか一つのレベルが、比較部1431内部に設定された所定値を超えた場合、比較部1431はラッチ部1432を動作させ、ラッチ部1432はRLOFF1信号をLow状態でラッチする。RLOFF1信号がLow状態になると、CPU420がRLON信号をHigh状態にしても、トランジスタ1433がOFF状態で保たれるため、リレー1430はOFF状態(安全な状態)を保つことができる。尚、ラッチ部1432は非ラッチ状態において、RLOFF1信号をオープン状態の出力にしている。
同様に、信号Th1〜Th7の何れか一つのレベルが、比較部1441内部に設定された所定値を超えた場合、比較部1441はラッチ部1442を動作させ、ラッチ部1442はRLOFF2信号をLow状態でラッチする。RLOFF2信号がLow状態になると、CPU420がRLON信号をHigh状態にしても、トランジスタ1443がOFF状態で保たれるため、リレー1440はOFF状態(安全な状態)を保つことができる。ラッチ部1442は非ラッチ状態において、RLOFF信号をオープン状態の出力にし
ている。本例の比較部1431内部に設定された所定値、及び比較部1441内部に設定された所定値は、いずれも300℃に相当する値としてある。
次に、ヒータ1100の温度制御について説明する。定着処理中、発熱ブロックHB11〜HB17の各々は、サーミスタの検知温度が設定温度(制御目標温度)を維持するように制御される。具体的には、発熱ブロックHB14へ供給される電力は、サーミスタT4の検知温度が設定温度を維持するように、トライアック1414の駆動を制御することによって制御される。このように、各サーミスタは、各発熱ブロックを一定温度に保つための制御を実行する際に使用される。
本実施例の構成では、一般的な用紙にトナー像を定着させるために必要なフィルム表面温度は180℃であり、通紙部においてはヒータを240℃に制御することで、所望のフィルム温度を得ることができる。フィルムの長手方向で温度差が生じると、温度が高い方向にフィルムが寄り、記録材の搬送不良やフィルム破損につながるため、非通紙部も同様にフィルム表面温度が180℃になるように制御している。非通紙部においては、記録材に熱を奪われず、部材が蓄熱していくため、ヒータ温度を200℃に制御すればフィルム表面を180℃にすることができる。
CPU420は、記録材のサイズ情報を元に、各発熱ブロックの目標温度を変更する。例えば、Letter紙にプリントを行う場合、HB1〜HB7の全てが通紙部に該当するため、全ての発熱ブロックを目標温度240℃として制御する。一方、B5サイズ紙にプリントを行う場合は、HB1,2,6,7は非通紙部、HB3〜5は通紙部となるため、HB1,2,6,7は目標温度200℃、HB3〜5は目標温度240℃で制御する。CPU420は、各発熱ブロックの目標温度と、各サーミスタの検知温度に基づいてPI制御を行い、各発熱ブロックを目標温度にするために必要な電力を算出する。必要な電力は、ヒータを何℃に維持するのかと、その発熱ブロックを実際に記録材が通過しているかどうかで異なる。本実施例のヒータの最大出力を100%とした場合に、何%の電力を投入することで、ヒータを所定温度に維持できるのかを表1に示す。
(表1)
Figure 2020181053
240℃にヒータ温度を維持するために必要な電力は、実際にその発熱ブロックを記録材が通過している場合には60%である。しかし、記録材が通過していない場合は、記録材に熱を奪われないため、40%と低い電力で240℃を維持できる。
200℃にヒータ温度を維持するために必要な電力も同様の関係にあり、記録材が通過する発熱ブロックでは50%、記録材が通過しない発熱ブロックは30%の電力でヒータ温度を維持できる。
ここで、図2(a)に示すように、ユーザが正規の位置からずれた場所に記録材をセットして通紙した場合(以下、「片寄せ」と記載する)を例に説明する。B5サイズの用紙の通紙位置(搬送位置)が正規の通紙位置よりも搬送方向と直交する方向において図の右側に片寄せされている例である。
本実施例の比較例として、従来例のように、各発熱ブロックの温調制御を各発熱ブロックに配置されたサーミスタで行った場合のヒータ温度、フィルム温度、各発熱ブロックに投入される電力の長手分布を図7に示す。
画像形成装置から得られた記録材の幅情報を使用して、非通紙部であるはずの発熱ブロック1,2,6,7は、ヒータを非通紙部の目標温度である200℃に制御する。しかし、発熱ブロック6は、サーミスタT6の位置を記録材が通過することで熱が奪われるため、サーミスタT6を200℃に維持するために必要な電力が発熱ブロック1,2,7よりも大きくなる。その結果、発熱ブロック6の記録材が通過しない部分でヒータとフィルムが非通紙部昇温してしまう。このような状態で通紙を継続すると、高温になった部分で加圧部材が熱膨張することで発生する記録材の搬送不良や、フィルムの耐熱温度(220℃)を超えることによる破損が生じる恐れがある。
この課題を解決するために、本実施例では、サイズが同じ複数の記録材に形成されている画像に対して連続的に加熱を行う場合において、記録材の幅情報を使用して次のような制御を行う。すなわち、非通紙部であるはずの発熱ブロックは、最初のページのみ、発熱ブロックに配置されたサーミスタで温調制御するのではなく、通紙部であるはずの発熱ブロックと単位長さあたりで等しい電力を投入する。すなわち、各発熱ブロックにおける投入可能な最大の電力に対する実際に投入される電力の割合を各発熱ブロックそれぞれにおいて同一にして電力供給する。そして、その時の各サーミスタの温度推移から実際に記録材が通紙されている位置を推定する。2ページ目以降は、発熱ブロックに配置されたサーミスタで温調するように制御を戻し、その際の目標温度を推定した記録材の位置を用いて最適化する。図8に本実施例における制御のフローチャートを示す。
B5サイズを通紙する場合を例に説明する。発熱ブロック3,4,5は、画像形成装置から取得した情報から通紙部に該当するため、それぞれの発熱ブロックが持つサーミスタT3,T4,T5で通紙部の目標温度240℃に制御される。一方、発熱ブロック1,2,6,7は非通紙部に該当するため、最初のページのみ最も近い通紙部の発熱ブロックと単位長さあたりで等しい電力を投入する。具体的には、発熱ブロック1,2には発熱ブロック3と、発熱ブロック6,7には発熱ブロック5と単位長さあたりで等しい電力を投入する。サーミスタT1、T2、T6,T7は温度検知用のサーミスタとして使用する。
その後記録材が1枚通過した時点で、実際に記録材が通過している位置の推定を行う。推定は、1枚通紙する間に各サーミスタの温度がどう推移したかによって行う。記録材の先端が定着装置に突入した時点の各サーミスタの温度をTsx(x=1,2,6,7)、記録材の後端が定着装置を抜けた時点の各サーミスタの温度をTex(x=1,2,6,7)、1枚の間の温度変化量をΔTx(x=1,2,6,7)とする。ここで、ΔTx=Tex―Tsxである。
発熱ブロック1,2,6,7には、最初のページのみ通紙部である発熱ブロック3,5を240℃と維持するために必要な電力と同じ60%の電力が投入される。もし記録材が発熱ブロック1,2,6,7を通過していれば、その発熱ブロックのサーミスタ温度は通紙部である発熱ブロック3,5と同じく240℃で推移し、ΔTx≒0℃となる。一方、記録材が通過しなければ、記録材に熱を奪われないため、サーミスタは240℃から昇温し、ΔTx>0℃となる。本実施例では、サーミスタ温度のばらつきを考慮し、ΔTx>3℃の場合、そのサーミスタ位置は非通紙部であると判断する。
B5サイズの用紙が片寄せされた際に、本実施例の制御を行うと、1ページ目が定着装置を抜ける時点のヒータ温度の長手分布は図9のようになる。サーミスタT1,T2,T7は用紙先端が定着装置に突入した時点では240℃だったサーミスタ温度が245℃まで上がり、ΔTx=5℃となっている。一方、サーミスタT6は記録材によって熱を奪われ、サーミスタ温度は記録材が通過しても変化せず、ΔTx≒0℃となっている。この結果から、T1,T2,T7は非通紙部、T6は通紙部であり、T6に重なる位置までB5
サイズの用紙が片寄せされていることを推定できる。
実際に記録材が通過している位置を推定したら、各発熱ブロックを最適な温度で制御するために、各発熱ブロックを制御するサーミスタを各発熱ブロックに付属するサーミスタに戻す。その際に、本来は非通紙部であるものの、サーミスタ位置を記録材が通過している発熱ブロック6は、図10に示すようにヒータ目標温度を他のゾーンよりも低い160℃に設定する。その結果、通紙を継続して発熱ブロック6の記録材が通過しない部分で非通紙部昇温が発生しても、フィルム温度は図10に示した温度分布となり、記録材の搬送不良や破損が発生しうる温度以下に抑えることができる。
本実施例では、片寄せの対策における制御条件の変更として、片寄せが発生している発熱ブロックの目標温度を下げるという制御条件の変更を行ったものの、制御条件はこれに限らない。例えば、給紙間隔(複数の記録材を連続的に定着ニップ部を通過させる際の搬送間隔)を長くとることで非通紙部昇温の緩和を行うような対策でも構わない。
(実施例2)
実施例1では記録材が正規の位置からずれた状態で通紙された場合について説明した。実施例2では、記録材の幅情報が不明である場合について説明する。なお、本体構成など、実施例1と同じ項目については説明を省略する。
記録材の幅情報を入手できない画像形成装置では、長手全域に記録材が存在する場合を想定し、長手全域を通紙部の目標温度に制御する。
ここで、実際に通紙された用紙がB5サイズだった場合を例に説明する。本実施例の比較例として、従来例のように、各発熱ブロックの温調制御を各発熱ブロックに配置されたサーミスタで制御を行った場合のヒータ温度、フィルム表面温度の長手分布を図11に示す。ヒータ温度は長手全域を通紙部の目標温度240℃に制御するものの、発熱ブロック1,2,6,7は、記録材が通過せずに熱を奪われないため、フィルムの温度が昇温してしまう。その結果、フィルム温度が耐熱温度を超えて破損に至る可能性がある。
この対策として、本実施例では、サイズが同じ複数の記録材に形成されている画像に対して連続的に加熱を行う場合であって、記録材の幅情報を取得することができない場合において、次のような制御を行う。すなわち、発熱ブロック4は、基準発熱ブロックとして、サーミスタT4で温調制御するものの、発熱ブロック1〜3、5〜7は、基準発熱ブロック以外の発熱ブロックとして、最初のページのみ、各発熱ブロックに配置されたサーミスタで温調制御をしない。具体的には、発熱ブロック1〜3、5〜7では、発熱ブロック4と単位長さあたりで等しい電力を投入する。そして、その時の各サーミスタの温度推移から実際に記録材が通紙されている位置を推定する。2ページ目以降は、各発熱ブロックに配置されたサーミスタで温調するように制御を戻し、その際の目標温度を推定した記録材の位置を用いて最適化する。本実施例における発熱ブロック1〜3、5〜7の動作を図12のフローチャートに示す。
本実施例の画像形成装置は、通紙基準位置を長手中央に設定しているため、サーミスタT4は必ず記録材が通過する。一方、それ以外のサーミスタは記録材が通過するとは限らない。そこで、発熱ブロック1〜3、5〜7が実際に通紙部になっているかどうかをサーミスタT1〜T3、T5〜T7の温度推移を用いて推定する。
まず、全ての発熱ブロックに、単位長さあたりで等しい電力を投入する。サーミスタT1〜T3、T5〜T7は温度検知用のサーミスタとして使用する。
その後、記録材が1枚通過した時点で、実際に記録材が通過している位置の推定を行う。推定は、記録材を1枚通紙する間に各サーミスタの温度がどう推移したかによって行う。
用紙の先端が定着装置に突入した時点の各サーミスタの温度をTsx(x=1=3、5〜7)、用紙の後端が定着装置を抜けた時点の各サーミスタの温度をTex(x=1=3、5〜7)、1枚の間の温度変化量をΔTx(x=1=3、5〜7)とする。ここで、ΔTx=Tex―Tsxである。検知用サーミスタのうち、記録材が通過するサーミスタは通紙部の目標温度240℃で推移するため、ΔTx≒0℃となる。一方、記録材が通過しないサーミスタは、240℃から昇温し、ΔTx>0℃となる。本実施例では、サーミスタ温度のばらつきを考慮し、ΔTx>3℃の場合、そのサーミスタ位置は非通紙部であると判断する。
本実施例の制御を行うと、通紙された用紙がB5サイズだった場合、用紙が定着装置を抜ける時点のヒータ温度の長手分布は図13のようになる。サーミスタT1,T2,T6,T7は用紙先端が定着装置に突入した時点では240℃だったサーミスタ温度が245℃まで上がり、ΔTx=5℃となっている。一方、サーミスタT3,T5は、サーミスタ温度は記録材が通過しても変化せず、ΔTx≒0℃となっている。この結果から、実際に通紙されてる用紙は、発熱ブロック3〜5が通紙部となるサイズであることを推定できる。
記録材の幅を推定したら、各発熱ブロックを制御するサーミスタを、各発熱ブロックに付属するサーミスタへと切り替える。すなわち、ヒータの制御温度を通紙部と判断した発熱ブロックは通紙部の目標温度240℃、非通紙部と判断した発熱ブロックは非通紙部の目標温度200℃へと変更する。その結果、フィルム温度の長手分布は、図14に示すように180℃一定となり、記録材が通過していない発熱ブロックの非通紙部昇温を抑制することができる。
以上の制御を行うことで、記録材のサイズ情報が得られない場合でも、実際に通紙されているサイズを推定でき、フィルム温度の長手分布を一様にすることが可能となる。
(実施例3)
実施例3では、各発熱ブロックに投入される電力から実際に通紙されている記録材の幅を推定する方法について説明する。なお、本体構成など、実施例1と同じ項目については説明を省略する。
実施例3の定着装置では、ヒータが所定の温度になるように制御しているが、所定温度を維持するために必要な電力は、実施例1の表1に示したように、記録材が通過する発熱ブロックと通過しない発熱ブロックで異なる。この電力差を利用して、実際に記録材が通過している位置の推定を行う。
実施例1と同じく、B5サイズの用紙が片寄せされた場合を例に説明する。本実施例の制御のフローチャートを図15に示す。まず、画像形成装置から記録材の幅情報を入手し、当該ブロックが通紙部に該当するか、非通紙部に該当するかを判断する。非通紙部に該当するブロックについては、記録材が片寄せされているかどうかを推定するために、ヒータの長手中心に対して左右対称となる発熱ブロックと電力の比較を行う。B5サイズの紙を通紙する場合、非通紙部である発熱ブロック1は発熱ブロック7と、発熱ブロック2は発熱ブロック6と電力の比較を行う。表1に示したように、同じ目標温度で制御していても実際に記録材が発熱ブロックを通過しているかどうかで、温度を維持するために必要な電力に20%の差が生じる。本実施例では、長手方向に左右対称の発熱ブロックの電力を比較し、電力差が10%を超えた場合に、電力が高い発熱ブロックの方向に片寄せされていると判断する。片寄せされている発熱ブロックは、非通紙部昇温を抑えるために目標温度を160℃に下げる。電力の比較は常時行い、電力差が閾値を超えた時点で目標温度の変更を行う。
実際にB5サイズの用紙を片寄せした状態で5枚通紙した時点のヒータ温度、フィルム温度、各発熱ブロックに投入される電力の長手分布を図16に示す。発熱ブロック1,2,6,7は非通紙部であるため、ヒータ目標温度は200℃に設定され、当初は30%の電力が投入されている。しかし、発熱ブロック6はサーミスタT6の位置に片寄せされた紙があり、熱を奪っていくため、ヒータを200℃に維持するための電力が増加し、5枚通紙した時点では50%の電力が投入されている。発熱ブロック6と発熱ブロック2の電力差が閾値としている10%を超えているため、記録材が発熱ブロック6の方向へ片寄せされていること推定できる。この推定結果から、発熱ブロック6はヒータ目標温度を他のゾーンよりも低い160℃に設定する。その結果、通紙を継続して発熱ブロック6の記録材が通過しない部分で非通紙部昇温が発生しても、フィルム温度は図10に示した温度分布と同等になり、記録材の搬送不良やフィルム破損を防止できる。
本実施例では、ヒータの長手中心に対して左右対称の発熱ブロックの電力を比較することで片寄せの判断を行っているが、判断方法はこれに限らない。例えば発熱ブロック6と7のように、非通紙部同士で隣接したブロックの電力を比較することでも判断が可能である。
また、片寄せの対策における制御条件の変更として、片寄せが発生している発熱ブロックの目標温度を下げるという制御条件の変更を行ったものの、制御条件はこれに限らない。例えば、片寄せされている発熱ブロック6に投入する電力を、同じく非通紙部で片寄せの影響が無い発熱ブロック7と同じ電力で制御するといった方法でも同様の効果を得ることができる。
(実施例4)
実施例4では、記録材の幅情報が不明である場合に、各発熱ブロックに投入される電力から記録材の幅を推定する方法ついて説明する。なお、本体構成など、実施例1と同じ項目については説明を省略する。
記録材の幅情報を入手できない画像形成装置では、長手全域に記録材が存在する場合を想定し、長手全域を通紙部の目標温度240℃に制御する。
しかしながら、実施例1の表1に示したように、同じ240℃の目標温度で制御しても、電力は記録材が通過していれば60%、通過していなければ40%となり、実際に記録材が通過しているかどうかで20%の差が生じる。この差を利用して、発熱ブロックが通紙部かどうか推定を行う。
本実施例における各発熱ブロックの動作を図17のフローチャートに示す。本実施例の画像形成装置は、通紙基準位置を長手中央に設定しているため、発熱ブロック4は必ず記録材が通過する。一方、それ以外のサーミスタは記録材が通過するとは限らない。そこで、発熱ブロック1〜3、5〜7は、発各発熱ブロックの電力Wx(x=1〜3、5〜7)を発熱ブロック4に投入される電力W4と比較することで、通紙部か非通紙部か推定する。本実施例では、W4−Wx>10%となった場合に、発熱ブロックxは非通紙部であると判断し、目標温度を非通紙部の目標温度200℃へ変更する。
記録材の幅情報が無い状態で、B5サイズの用紙を通紙された場合を例に説明する。B5サイズの用紙を5枚通紙した時点のヒータ温度、フィルム温度、各発熱ブロックに投入される電力の長手分布を図18に示す。サイズ情報が無いため、ヒータは長手全域を通紙部の目標温度240℃に制御している。発熱ブロック3、5は通紙部となっているため、電力は60%に維持されている。一方、発熱ブロック1,2,6,7は非通紙部であるため、ヒータを240℃に維持するために必要な電力が40%と小さくなっている。これらの電力を基準となる発熱ブロック4の電力W4と比較することで、実際に通紙されてる用
紙は、発熱ブロック3〜5が通紙部となるサイズであることを推定できる。
記録材の幅を推定したら、通紙部と判断した発熱ブロックは通紙部の目標温度、非通紙部と判断した発熱ブロックは非通紙部の目標温度へと変更する。このような制御を行うことで、記録材のサイズ情報が得られない場合でも、実際に通紙されているサイズを推定でき、各発熱ブロックの温調温度を最適な値にすることが可能となる。
ここまで実施例1〜4について説明してきたが、実施例1〜4の手段を個別に採用するのではなく、各実施例の手法を組み合わせて使用することも可能である。
例えば、記録材のサイズ情報を得られず、実際に流れている用紙サイズを推定したい場合には、確実に通紙部となる発熱ブロックと同じ電力で全ての発熱ブロックを制御しながら紙サイズを推定する実施例2の手段を選択するようにしてもよい。あるいは、サイズ情報を入手できるものの、片寄せが発生しているかどうかを判断したい場合には、非通紙部と通紙部の温度を所定温度に温調しながら片寄せの有無を判断できる実施例3の手段を選択する、というような方法も可能である。
すなわち、上記各実施例は、それぞれの構成を可能な限り互いに組み合わせることができる。
200…像加熱装置、1100…ヒータ、1101、1103…導電体、1102…発熱抵抗体、1105…ヒータ基板、HB11〜HB17…発熱ブロック、T1〜T7…サーミスタ

Claims (12)

  1. 記録材に形成された画像を加熱する像加熱装置であって、
    記録材の搬送方向と直交する方向に分割された複数の発熱ブロックを有するヒータと、
    各発熱ブロックの温度を検知する温度検知素子と、
    各発熱ブロックに供給する電力を制御する制御部と、
    を備える像加熱装置において、
    サイズが同じ複数の記録材に形成されている画像に対して連続的に加熱を行う場合において、
    前記制御部は、
    所定の電力を各発熱ブロックに供給したときの前記温度検知素子の検知温度に基づいて、各発熱ブロックが、記録材が通過する発熱ブロックと記録材が通過しない発熱ブロックのいずれであるかを判断し、
    前記判断に基づいて、前記加熱における制御条件を変更することを特徴とする像加熱装置。
  2. 前記判断における前記所定の電力は、各発熱ブロックにおける投入可能な最大の電力に対する実際に投入される電力の割合を各発熱ブロックそれぞれにおいて同一にした電力であることを特徴とする請求項1に記載の像加熱装置。
  3. 記録材のサイズ情報を取得する取得部をさらに備え、
    前記制御部は、
    前記判断と、前記取得部が取得した記録材のサイズ情報と、に基づいて、記録材の搬送方向と直交する方向において搬送位置にずれが生じているか否かを判断し、
    前記ずれが生じている場合に、前記制御条件を変更することを特徴とする請求項1または2に記載の像加熱装置。
  4. 前記制御部は、
    前記判断において、前記複数の発熱ブロックのうち記録材の搬送基準位置に最も近い発熱ブロックである基準発熱ブロックにおける前記検知温度が所定の制御目標温度を維持するように、前記基準発熱ブロックに供給する電力を制御するとともに、前記基準発熱ブロックの供給電力における投入可能な最大の電力に対する実際に投入される電力の割合と同じ割合で、前記基準発熱ブロック以外の発熱ブロックに電力を供給し、
    前記基準発熱ブロック以外の発熱ブロックにおける前記検知温度に基づいて、前記判断を行うことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の像加熱装置。
  5. 記録材に形成された画像を加熱する像加熱装置であって、
    記録材の搬送方向と直交する方向に分割された複数の発熱ブロックを有するヒータと、
    各発熱ブロックの温度を検知する温度検知素子と、
    各発熱ブロックに供給する電力を制御する制御部と、
    を備える像加熱装置において、
    サイズが同じ複数の記録材に形成されている画像に対して連続的に加熱を行う場合において、
    前記制御部は、
    前記温度検知素子の検知温度が所定の制御目標温度を維持するように各発熱ブロックに供給する電力を制御したときの各発熱ブロックのそれぞれの供給電力の大きさに基づいて、各発熱ブロックが、記録材が通過する発熱ブロックと記録材が通過しない発熱ブロックのいずれであるかを判断し、
    前記判断に基づいて、前記加熱における制御条件を変更することを特徴とする像加熱装置。
  6. 記録材のサイズ情報を取得する取得部をさらに備え、
    前記制御部は、
    前記判断において、前記取得部が取得した記録材のサイズ情報に基づいて、記録材の搬送基準位置に対して対称の位置にある発熱ブロックの対における前記供給電力の大きさを比較することで、記録材の搬送方向と直交する方向において搬送位置にずれが生じているか否かを判断し、
    前記ずれが生じている場合に、前記制御条件を変更することを特徴とする請求項5に記載の像加熱装置。
  7. 前記制御条件は、各発熱ブロックの制御目標温度であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の像加熱装置。
  8. 前記制御部は、
    前記ずれの発生により、本来は記録材が通過しない発熱ブロックであるにもかかわらず、記録材が通過する発熱ブロックであると判断された発熱ブロックの制御目標温度を、記録材が通過しない発熱ブロックのための制御目標温度よりも低い温度に設定することを特徴とする請求項3または6に記載の像加熱装置。
  9. 前記制御部は、
    複数の記録材のうち1つ目の記録材に形成された画像の加熱において、前記判断を行い、
    複数の記録材のうち2つ目以降の記録材に形成された画像の加熱において、各発熱ブロックの検知温度が前記判断に基づいて設定される制御目標温度を維持するように各発熱ブロックに供給する電力を制御することを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の像加熱装置。
  10. 前記複数の発熱ブロックは、記録材の複数のサイズに対応して分割されており、
    前記温度検知素子は、各発熱ブロックにおいて、記録材の搬送基準位置に近い位置に配置されていることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の像加熱装置。
  11. 内面が前記ヒータと接触する筒状のフィルムと、
    前記フィルムの外面に接触して前記外面との間に記録材を搬送するニップ部を形成する加圧部材と、
    をさらに備え、
    前記ヒータは、基板と、前記基板に記録材の搬送方向と直交する方向に分割して設けられた発熱抵抗体と、を有することを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の像加熱装置。
  12. 記録材に画像を形成する画像形成部と、
    記録材に形成された画像を記録材に定着する定着部と、
    を有する画像形成装置において、
    前記定着部が請求項1〜11のいずれか1項に記載の像加熱装置であることを特徴とする画像形成装置。
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