JP2019032356A - 像加熱装置及び画像形成装置 - Google Patents

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英治 植川
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Abstract

【課題】複数の加熱領域を選択的に加熱制御可能なヒータを用いる像加熱装置において、温度検知素子が記録材端部よりも外側に位置する場合においても、非通紙部昇温による定着性への影響を低減することができる技術を提供する。
【解決手段】複数の加熱領域HB1〜HB7を選択的に加熱すべく、複数の発熱体の通電を選択的に制御する通電制御部400は、記録材が通過し、かつ記録材の端部は通過しない第1加熱領域HB4を加熱する発熱体に供給する第1電力に対する、第1加熱領域HB4と隣接し、かつ記録材の端部が通過する第2加熱領域HB3、HB5を加熱する発熱体に供給する第2電力の比率を、第1電力と第2電力を同じにする場合よりも小さくすることを特徴とする。
【選択図】図6

Description

本発明は、電子写真方式や静電記録方式を利用した複写機、プリンタ等の画像形成装置に搭載する定着器、あるいは記録材上の定着済みトナー画像を再度加熱することによりトナー画像の光沢度を向上させる光沢付与装置、等の像加熱装置に関する。また、この像加熱装置を備える画像形成装置に関する。
従来、複写機やプリンタ等の画像形成装置に搭載される像加熱装置(加熱定着装置)として、筒状のフィルムと、フィルムの内面に接触するヒータと、フィルムを介してヒータと共にニップ部を形成するローラとを有する装置がある。この像加熱装置を搭載する画像形成装置で小サイズ紙を連続プリントすると、ニップ部長手方向において紙が通過しない領域の温度が徐々に上昇するという現象(非通紙部昇温)が発生する。像加熱装置としては、非通紙部の温度が装置内の各部材の耐熱温度を超えないようにする必要があるため、連続プリントのスループット(1分当たりに通紙できる枚数)を低下させることにより非通紙部昇温を抑制するという方法がしばしば用いられる。この非通紙部昇温を抑制する手法の一つとして、ヒータ上の発熱抵抗体をヒータ長手方向において複数の発熱ブロックに分割し、記録材のサイズに応じてヒータの加熱領域を切換える装置が提案されている(特許文献1)。このようなヒータを以下、長手分割ヒータと称する。
このような像加熱装置では、記録材の通過しない部分に対応する加熱領域を加熱するための発熱ブロックには、加熱定着に要する熱量を供給する必要が無いため、消費電力を低減できるメリットがある。また、各発熱ブロックを独立に温調制御を行うために、温度検知部として、各加熱領域の温度を検知するサーミスタ等の温度検知素子がヒータ或いはフィルムの内面や外面に設けられている。これらの温度検知素子の検知結果に基づき、各加熱領域が目標温度で温調制御される。長手分割ヒータにおいて、発熱ブロックの分割位置が、記録材の幅と略一致するような定型サイズの場合は、上述の温度検知素子を用いた温調制御が可能である。しかしながら、記録材の幅が加熱領域の分割位置と一致しない場合、記録材の左右端部が通過する加熱領域において、温度検知素子の位置と紙端部の位置よっては、温度検知素子を用いて温調制御が出来ない場合がある。以下、記録材端部が通過する加熱領域を加熱する発熱ブロックを「紙端発熱ブロック」と称する。
例えば、温度検知素子の位置が記録材の端部よりも外側に位置し、記録材の通過しない所に配置されている場合、温度検知素子の位置は非通紙部昇温が発生する位置となる。このような条件で紙端発熱ブロックにおいて温度検知素子を用いた温調制御を行うと、記録材より外側(温度検知素子の位置)は目標温度に維持できるが、記録材の通過する部分は温度が低下し、定着不良が発生する場合がある。このような課題に対して、例えば特許文献2では、紙端発熱ブロックよりも内側の発熱ブロックに設けられた温度検知素子の検知結果に基づいて、紙端発熱ブロックの加熱制御を行うことにより、定着不良の発生を防止している。つまり、内側の発熱ブロックと同じタイミングで、同じ時間加熱を行うことによって、発熱量が略同等となるように制御している。
特開2014−59508号公報 特開2015−14645号公報
しかしながら、内側の発熱ブロックと発熱量が同じになるように制御を行った場合、図15に示すように、記録材端部より外側の非通紙部昇温の影響により、記録材端部から内側の部分(網掛部)も目標温度より高くなってしまう。この目標温度からのずれは、画像品質に対して問題の無い範囲で有ればよいが、画像形成装置のプロセススピードが高速となる場合や、ヒータの制御温度が高い場合は、記録材端部の過定着により、ホットオフセット等の画像品質の劣化が発生する場合がある。また、記録材のカールや定着フィルムへの巻き付きなどの搬送性の課題が生じる場合がある。
本発明の目的は、複数の加熱領域を選択的に加熱制御可能なヒータを用いる像加熱装置において、温度検知素子が記録材端部よりも外側に位置する場合においても、非通紙部昇温による定着性への影響を低減することができる技術を提供することである。
上記目的を達成するため、本発明の像加熱装置は、
基板と、前記基板上に設けられた前記基板の長手方向に並ぶ複数の発熱体と、を有するヒータを有し、前記ヒータの熱を利用して記録材に形成された画像を加熱する像加熱部であって、前記長手方向に分割された複数の加熱領域を有する像加熱部と、
前記複数の加熱領域を選択的に加熱すべく、前記複数の発熱体の通電を選択的に制御する通電制御部と、
を備える像加熱装置において、
前記通電制御部は、前記複数の加熱領域のうち、記録材が通過し、かつ記録材の端部は通過しない第1加熱領域を加熱する前記発熱体に供給する第1電力に対する、前記複数の加熱領域のうち、前記第1加熱領域と隣接し、かつ記録材の端部が通過する第2加熱領域を加熱する前記発熱体に供給する第2電力の比率を、前記第1電力と前記第2電力を同じにする場合よりも小さくすることを特徴とする。
上記目的を達成するため、本発明の画像形成装置は、
記録材に画像を形成する画像形成部と、
記録材に形成された画像を記録材に定着する定着部と、
を有する画像形成装置において、
前記定着部が上記像加熱装置であることを特徴とする。
本発明によれば、複数の加熱領域を選択的に加熱制御可能なヒータを用いる像加熱装置において、温度検知素子が記録材端部よりも外側に位置する場合においても、非通紙部昇温による定着性への影響を低減することが可能となる。
本発明の実施例に係る画像形成装置の断面図 本発明の実施例に係る像加熱装置の断面図 本発明の実施例におけるヒータ構成図 本発明の実施例における定着電力制御を示す模式図 ヒータ電力とヒータ駆動信号のタイミングを示す図 実施例1を説明するフィルム温度の長手分布図 実施例1を説明するプリント時のフィルム温度の分布図 実施例1の応用例を説明するプリント時のフィルム温度の分布図 実施例1の応用例を説明するプリント時のフィルム温度の分布図 実施例2を説明するフィルム温度の長手分布図 実施例3の画像エリアを説明する図 実施例3の画像エリアと発熱比率を説明する図 実施例3の画像印字率とフィルム温度を説明する図 実施例3の発熱比率を説明する図 本発明の課題を説明する図
以下に図面を参照して、この発明を実施するための形態を、実施例に基づいて例示的に詳しく説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状それらの相対配置などは、発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものである。すなわち、この発明の範囲を以下の実施の形態に限定する趣旨のものではない。
[実施例]
(1)画像形成装置例
図1は、本発明の実施例に係る電子写真記録技術を用いたレーザプリンタ(画像形成装置)100の模式的断面図である。プリント信号が発生すると、画像情報に応じて変調されたレーザ光をスキャナユニット21が出射し、帯電ローラ16によって所定の極性に帯電された感光体19を走査する。これにより感光体19には静電潜像が形成される。この静電潜像に対して現像器17からトナーが供給され、感光体19上に画像情報に応じたトナー画像が形成される。一方、給紙カセット11に積載された記録材(記録紙)Pはピックアップローラ12によって一枚ずつ給紙され、ローラ13によってレジストローラ14に向けて搬送される。さらに記録材Pは、感光体19上のトナー画像が感光体19と転写ローラ20で形成される転写位置に到達するタイミングに合わせて、レジストローラ14から転写位置へ搬送される。記録材Pが転写位置を通過する過程で感光体19上のトナー画像は記録材Pに転写される。以上の記録材Pに未定着画像を形成するまでの工程に関わる構成が、本発明における画像形成部に対応する。その後、記録材Pは定着部(像加熱部)としての定着装置(像加熱装置)200で、基板上に配置された発熱体の熱を利用して加熱されてトナー画像が記録材Pに加熱定着される。定着済みのトナー画像を担持する記録材Pは、ローラ26、27によってレーザプリンタ100上部のトレイに排出される。なお、18は感光体19を清掃するクリーナである。30は定着装置200等を駆動するモータである。商用の交流電源401に接続された制御手段(通電制御部)としての制御回路400から定着装置200へ電力供給している。15は交換ユニットとしてのカートリッジを示している。また、22は光源、23はポリゴンミラー、24は反射ミラーである。
本実施例のレーザプリンタ100は、複数の記録材サイズに対応している。給紙カセット11には、Letter紙(約216mm×279mm)、Legal紙(約216mm×356mm)をセットできる。更に、A4紙(210mm×297mm)、Executive紙(約184mm×267mm)、JIS B5紙(182mm×257mm)、A5紙(148mm×210mm)、A6紙(105mm×148mm)をセットできる。また、給紙トレイ28からローラ29を経由して、DL封筒(110mm×220mm)、COM10封筒(約105mm×241mm)を含む不定形紙をプリントできる。
本実施例のレーザプリンタ100は、基本的に紙を縦送りする(紙の長辺が搬送方向と平行になるように搬送する)レーザプリンタである。尚、紙を横送りするプリンタについても、本提案の構成を同様に適用できる。そして、装置が対応している定型の記録材の幅(カタログ上の記録材の幅)のうち最も大きな(幅が大きな)記録材は、Letter紙、及びLegal紙であり、これらの幅は約216mmである。また、上記の画像形成装置は、単色のモノクロトナーを使用したモノクロレーザプリンタを代表例に説明を行っているが、これに限られるものではない。例えば、2色以上のカラートナーを中間転写ベル
トを介して記録材上に転写し画像形成するタンデム方式等のカラーレーザプリンタに適用する事も可能である。
(2)定着装置例
図2は、本実施例に係る像加熱装置としての定着装置200の模式的断面図である。定着装置200は、加熱回転体としての筒状のフィルム202と、フィルム202の内面に接触するヒータ300と、フィルム202を介してヒータ300と共に定着ニップ部Nを形成する加圧回転体としての加圧ローラ208とを有する。フィルム202のベース層の材質は、ポリイミド等の耐熱樹脂、またはステンレス等の金属である。また、フィルム202には耐熱ゴム等の弾性層を設けてもよい。さらにその上からフッ素樹脂等の離型層を設けてもよい。加圧ローラ208は、鉄やアルミニウム等の材質の芯金209と、シリコーンゴム等の材質の弾性層210を有する。さらにその上からフッ素樹脂製のチューブやコートより形成される離型層を設けてもよい。ヒータ300は液晶ポリマーのような耐熱樹脂の保持部材201に保持されている。保持部材201はフィルム202の回転を案内するガイド機能も有している。加圧ローラ208はモータ30から駆動力を受けて矢印方向に回転する。加圧ローラ208が回転することによって、フィルム202が従動して回転する。未定着トナー画像を担持する記録材Pは、定着ニップ部Nで挟持搬送されつつ加熱されて定着処理される。
ヒータ300は、セラミック製の基板305と、基板305上に設けられ電力を供給することによって発熱する発熱抵抗体(発熱体)(図3参照)を有する。基板305の定着ニップ部N側の面(第1の面)には、フィルム202の摺動性を確保するため、ガラス製の表面保護層308が設けられている。定着ニップ部N側の面とは反対側の面(第2の面)には、発熱抵抗体を絶縁するため、ガラス製の表面保護層307が設けられている。第2の面には電極(ここでは代表としてE3を示してある)が露出しており、給電用の電気接点(ここでは代表としてC3を示してある)が電極に接触することにより発熱抵抗体が電気的に制御回路400と接続される。なお、ヒータ300の詳細な説明は後述する。
ヒータ300の温度検知手段(温度検出素子)としてのサーミスタ(ここでは代表としてT3を示してある)は、ヒータ300の裏面側に当接している。図中のサーミスタT3は給電用の電気接点C3より、紙搬送方向で下流位置に設置してある。ヒータ長手方向における他のサーミスタ配置については後述する。
212は、ヒータ300の異常発熱により作動してヒータ300に供給する電力を遮断するサーモスイッチや温度ヒューズ等の保護素子である。保護素子212は、ヒータ300に当接、若しくはヒータ300に対して若干のギャップを設けて配置されている。204は保持部材201に不図示のバネの圧力を加えるための金属製のステーであり、保持部材201、及びヒータ300を補強する役目もある。
(3)ヒータ例
図3(a)及び図3(b)は、実施例のヒータ300の構成図を示している。また、図3(c)は、保持部材201を金属ステー204からヒータ300の方向に真上から見た図であり、後述する各接点部材とヒータ300との配置関係を示している。本実施例の画像形成装置は記録材の長手方向(搬送方向に対して直交する方向)の中央を搬送基準位置Xに合わせて搬送する中央基準の装置である。図3(a)は、図3(b)に示す記録材Pの搬送基準位置X付近の断面図を示している。図3(b)は、ヒータ300の各層の平面図を示している。
ヒータ300のフィルム202と接触する摺動面とは反対側の裏面層1には、第1の導電体301a、301bと第2の導電体303と発熱抵抗体(発熱体)302a、302
bとの組からなる発熱ブロックがヒータ300の長手方向に複数設けられている。本実施例のヒータ300は、合計7つの発熱ブロックHB1〜HB7を有し、その長手方向に7つに分割された加熱領域を選択的に組み合わせることで、記録材のサイズに応じた種々の発熱範囲を形成する。それぞれの発熱ブロックの幅は次の通りである。発熱ブロックHB4は105mmの発熱範囲(加熱領域)を有し、例としてA6紙幅(105mm)までの紙幅を有する記録材に対応する。発熱ブロックHB3〜HB5を発熱させた場合は185mmの発熱範囲が形成され、例としてExecutive紙(約184mm)までの紙幅を有する記録材に対応する。次に発熱ブロックHB2〜HB6を発熱させた場合は210mmの発熱範囲が形成され、例としてA4紙(210mm)までの紙幅を有する記録材に対応する。そして発熱ブロックHB1〜HB7を発熱させた場合は220mmの発熱範囲が形成され、例としてLetter紙(約216mm)までの紙幅を有する記録材に対応する。なお、長手分割ヒータの発熱ブロックの分割数と分割位置はこれらに限られたものではなく、定着装置の特性やプリンタの仕様に合わせて任意に変更できることは言うまでもない。また、発熱ブロックの独立制御に関しては後述する。
各発熱ブロックは、夫々、基板の長手方向に沿って設けられている第1の導電体301a、301bと、基板短手方向の中央位置で基板の長手方向に沿って設けられている第2の導電体303とを有する。更に第1の導電体301a、301bと第2の導電体303の間に設けられており第1の導電体301a、301bと第2の導電体303を介して供給される電力により発熱する発熱抵抗体302a、302bを有する。発熱抵抗体302a、302bは基本的に同じ材料で、幅や厚みも長手方向に沿って均一に形成している為、各発熱ブロックの発熱分布は長手方向に等しくなっている。
各発熱ブロックの発熱抵抗体302a、302bは、ヒータの短手方向に、基板中央を基準に互いに対称な位置に形成された発熱抵抗体302a、と発熱抵抗体302bに分かれている。また、第1の導電体301a、301bも、ヒータの短手方向に、基板中央を基準に互いに対称な位置に形成されている(301a、301b)。
ヒータ300は7つの発熱ブロックHB1〜HB7を有するので、発熱抵抗体302a、302bは長手方向に7つに分かれている(発熱抵抗体302a−1〜302a−7、発熱抵抗体302b−1〜302b−7)。更に、第2の導電体303も長手方向に7つに分かれている(導電体303−1〜303−7)。なお、発熱抵抗体302aは記録材Pの搬送方向の上流側に配置されており、発熱抵抗体302bは搬送方向の下流側に配置されている。
ヒータ300の裏面層2には、発熱抵抗体302a、302b、第1の導電体301a、301b、及び第2の導電体303を覆う絶縁性(本実施例ではガラス)の表面保護層307が設けられている。但し、表面保護層307は、給電用の電気接点が接触する電極部E0〜E7、は覆っていない。電極E1〜E7は、夫々、第2の導電体303を介して、発熱ブロックHB1〜HB7に独立に電力供給するための電極である。電極E0は、第1の導電体301a、301bを介して発熱ブロックHB1〜HB7に電力給電するための共通電極である。また、第1の導電体301a、301b、及び第2の導電体303の電気抵抗の影響を受けても発熱分布が不均一にならないように、電極E0はヒータ300の長手方向の両端部に設けてある。
図2に示したように、ステー204と保持部材201の間の空間には、安全素子212、電気接点C0〜C7(図2ではC3)、サーミスタT1〜T7(図2ではT3)が設けられている。
図3(c)に示すように、保持部材201には、電極E0〜E7に接続される電気接点C0〜C7を通す穴HEと保護素子212の感熱部を通す穴H212が設けられている。また、各発熱ゾーンHB1〜HB7の温度を検知する為のサーミスタT1〜T7を通す穴HTも設けられている。本実施例に用いる各発熱ブロックの温度を検知するサーミスタT
1〜T7は、ヒータ300の裏面層2の表面保護層307に接触配置させ温度検知を行う。各発熱ブロックの長手方向の略中央付近に配置させているが、電気接点C0〜C7や保護素子212と干渉しない位置に配置する必要がある為、図3(c)に示すような長手配置となっている。また、短手方向の配置に関しても、保持部材201に設ける他の電気接点C0〜C7および保護素子201、更には互いのサーミスタ同士の干渉を避ける必要がある。T1、T7は上流側に配置させ、T4は短手中央付近に配置させ、T2、T3、T5、T6は下流側に配置させている。
また、保持部材201に保持された電気接点C0〜C7はバネによる付勢や溶接等の手法によって、対応する電極E0〜E7と電気的に接続されている。同様に保持部材201に保持された保護素子212、サーミスタT1〜T7はバネによる付勢によって、ヒータ300の裏面層2の表面保護層307に接触している。これらの各電気接点や素子は、ステー204と保持部材201の間の空間に設けられた不図示のケーブルや薄い金属板等の導電部材を介して、後述するヒータ300の制御回路400と接続している。
基板305の定着ニップ部Nの側の面(摺動面層1)には、フィルム202の摺動性を確保するため、絶縁性(本例はガラス製)の表面保護層308がコーティングにより形成されている。
(4)ヒータ制御例
ヒータ300の各発熱ブロックHB1〜HB7の独立制御について説明する。ヒータ300の電力制御は、7つの発熱ブロックに対して図3(c)の電気接点C1〜C7を経由して独立に接続した不図示のトライアックへの通電/遮断により行われる。独立した7つのトライアックは、それぞれ画像形成装置の制御を司る制御回路400に設けられたCPUからのヒータ駆動信号に従って動作し、7つの発熱ブロックHB1〜HB7を独立に制御することができる。ヒータ駆動信号と供給電力の関係については後述する。各発熱ブロックの温度検知は、サーミスタT1〜T7によって行われる。サーミスタT1〜T7が検知した温度検知信号はCPUに入力され温度に変換される。
CPUは、各発熱ブロックの設定温度(制御目標温度)と、各サーミスタの検知温度に基づき、例えばPI制御により、供給電力を算出する。更に、算出した供給電力を対応する位相角(位相制御)や波数(波数制御)等の制御タイミングに換算する。この制御タイミングをヒータ駆動信号として発信し、トライアックへの通電/遮断を制御している。なお、位相制御や波数制御のタイミングの検出には、不図示のゼロクロス検知回路が交流電源401のゼロクロスを検知し、CPUに対して信号を出力することでタイミングを合わせている。定着処理中、発熱ブロックHB1〜HB7の各々は、サーミスタの検知温度が設定温度(制御目標温度)を維持するように制御される。
図4を参照して、上述した、ヒータ駆動信号と供給電力の関係について以下に説明する。なお、本実施例では、ヒータ300への投入電力は、交流電源401の1半波内の位相角により調整する位相制御を採用している。図4において、(a)は交流電源401のAC電圧波形であり、(b)は不図示のゼロクロス検知部によりAC電圧波形を基に演算したゼロクロス信号の出力値である。(c)はヒータ駆動信号の出力値である。ヒータ駆動信号は、ゼロクロス信号のパルスのエッジを検知し、ゼロクロス信号の立ち下り及び立ち上がりのタイミングから、所定時間後(TON)にハイレベルの信号を出力する。これにより(d)のように定着電流波形(定着電力)を制御することができる。CPUは、各発熱ブロックに対してヒータ駆動信号を各々独立に制御することで、各発熱ブロックHB1〜HB7への定着電力の供給を独立に制御することが可能である。
図5は、ヒータ駆動信号のタイミングとヒータ300に投入する電力との関係を示した
テーブルである。交流電源401の周波数が50Hz又は60Hzの場合のテーブルである。投入電力Pの値は、ヒータ300を全位相で点灯した際に発生する電力を100%とした場合の電力をパーセンテージ表示している。PI制御により算出した供給電力から、このテーブルに従い、ヒータ駆動信号のタイミングTonが決定される。
(実施例1)
以下に本発明を代表する実施例1について説明する。実施例1では、図3で説明した長手分割ヒータを用いて、A5サイズの記録材を通紙する場合の制御について説明を行う。
図6(a)は、ヒータ300を長手正面から見た図であり、各発熱ブロックHB1〜HB7の幅と、各ブロックに配置させたサーミスタT1〜T7の位置と、記録材(A5紙)の端部位置の関係をわかりやすく模式的に示した図である。A5紙の幅は148mmであり、紙の端部は中央基準Xから74mmに位置し、発熱ブロックHB3およびHB5の中間位置を通過する。また、発熱ブロックHB3およびHB5の温度を検知するサーミスタT3、T5は、中央基準Xから85mmに位置する。従って、T3およびT5は紙左右端よりも外側に位置する関係にある。A5幅の紙を5枚連続通紙する際、発熱ブロックHB3およびHB5の制御方法を次に述べる制御A〜制御Cに従った場合の定着フィルム表面温度の挙動について図6(b)を用いて説明する。ここでは発熱ブロックHB3とHB5は左右対称であり、同じ挙動をすることから、代表して発熱ブロックHB3の制御についてのみ説明を行う。
制御Aは、比較例1として、発熱ブロックHB3の制御をサーミスタT3を用いて加熱制御を行う。
制御Bは、比較例2として、発熱ブロックHB4のサーミスタT4の検知結果に基づき、発熱ブロックHB4と発熱量が等しくなるように、加熱タイミング、加熱時間を揃えてHB3の加熱制御を行う。ここでの発熱量とは、単位長さあたりの発熱量の事を意味する。発熱ブロックHB4を温調制御行う際の供給電力をP(HB4)とすると、図5に従い、ヒータを全点灯する際の供給電力をP=100%として、PI制御から決定される供給電力P(HB4)が決定される。同じく発熱ブロックHB3の供給電力をP(HB3)とすると、制御Bにおいては、常にP(HB3)=P(HB4)として制御を行うことになる。ここで、発熱ブロックHB4に対するHB3の発熱比率をR(HB3/HB4)=P(HB3)/P(HB4)×100(%)と定義すると、制御Bの発熱比率R(HB3/HB4)=100%となる。
制御Cは、第1加熱領域に対応する発熱ブロックHB4の発熱量に対して、第1加熱領域に隣接する第2加熱領域に対応する発熱ブロックHB3の発熱量を下げて加熱制御を行う。すなわち、発熱比率R(HB3/HB4)<100%で制御を行う。つまり、第1加熱領域を加熱する発熱体に供給する第1電力に対する第2加熱領域を加熱する発熱体に供給する第2電力の比率(第2電力/第1電力)を、第1電力と第2電力を同じにする場合よりも小さくする。制御の詳細については後述する。
図6(b)にはそれぞれの制御方法に対して、5枚目の紙が定着装置を通過するタイミングのフィルム表面温度を示す。
図7には、制御方法A〜Cに対して、発熱ブロックHB3を通過する紙部分の中央位置(図6(b)中Qで示す)と、発熱ブロックHB4の中央位置(図6(b)中Gで示す)の、1〜5枚通紙時のフィルム表面温度の推移を示す。連続印字時、すなわち、複数の記録材にそれぞれ形成された画像に対して連続的に加熱を行う場合におけるフィルム表面温度の推移である。
図6(b)、図7より明らかなように、比較例である制御Aや制御Bでは、通紙枚数が進む(加熱処理の回数が増える)につれて、発熱ブロックHB3の通紙部Qの温度がHB4の目標温度よりも徐々に低くなったり高くなったりしていることがわかる。制御Aでは
4枚目以降において、定着可能な下限温度を下回り定着不良が発生する。制御Bでは3枚目以降に定着可能な上限温度を上回り、過定着によるホットオフセットや紙のカールの悪化が見られた。これに対して、制御Cにおいて発熱ブロックHB3の発熱比率R(HB3/HB4)を図7に示すように徐々に減らす(比率を小さくする度合いを大きくする)ことにより、発熱ブロックHB4と略同等のフィルム表面温度を維持できる。したがって、画像不良の発生も無かった。
ここで、制御Cにおける、発熱ブロックHB3の発熱比率の決定の方法について説明する。通紙枚数に対して、予め実験的に最適な発熱比率を求めておき、通紙枚数に対する発熱比率の値をテーブルや制御式の形態で画像形成装置内の記憶手段に保持し、それらを参照する事によって発熱比率を決定すればよい。また、発熱ブロックHB3のサーミスタT3を非通紙部昇温を検知する温度検知素子として用い、ある閾温度に到達すれば、発熱比率を下げるように制御する事も可能である。
[実施例1の他の応用例]
(環境温度に対する影響)
図8に、画像形成装置を設置する温度の影響について説明する。図8(a)は図7(a)と同じグラフであり、25℃の常温環境で動作させた場合の発熱比率R(HB3/HB4)である。図8(b)に示すように、10℃の低温環境の場合では、常温環境と同じ発熱比率R(HB3/HB4)で発熱ブロックHB3を制御すると、通紙枚数に連れて温度低下が大きくなる。これは、低温環境により非通紙部昇温が抑制されているためである。従って、図8(c)に示すように、プリント枚数に対して発熱比率Rの減らし方を少なくするように調整した方が良い。同じく32℃の高温環境下では図8(d)に示すように、非通紙部昇温が昇温し易いため、プリント枚数に対する発熱比率Rの減らし方を大きくなるように調整すればよい。なお、本実施例では、本実施例の制御の基準温度となる常温環境温度として、25℃としたが、これに限定されない。また、常温環境温度よりも低い低温環境温度の代表値として、本実施例では、10℃としたが、これに限定されない。同様に、常温環境温度よりも高い高温環境温度の代表値として、本実施例では、32℃としたが、これに限定されない。
(定着装置の暖まり具合の影響)
図9に、プリント開始時の定着装置の暖まり具合が異なる場合の制御方法の違いについて説明する。図9(a)はプリント開始時の定着装置が比較的室温に近い状態からプリントを開始した場合である。加圧ローラの表面温度が約30℃からのスタートである(コールド状態と呼ぶ)。図9(b)は、事前に幾つかのプリントジョブを行った後で、定着装置が暖まった状態からプリントを開始した場合である。例えば、加圧ローラの表面温度が80℃からスタートしている(ホット状態と呼ぶ)。ホット状態からのプリントスタートでは、非通紙部昇温が昇温しやすいため、発熱ブロックHB3の制御をコールド状態と同じ発熱比率R(HB3/HB4)で制御を行うと、通紙部Qの温度も高くなる。図9(b)のようにプリント枚数に対する発熱比率R(HB3/HB4)の減らし方を大きくした方が良い。
ここで、定着装置の暖まり具合、すなわち通紙履歴を推定する方法としては、上述のように加熱装置に加圧ローラ表面の温度を検知する温度検知素子を設け、プリントジョブ開始時の加圧ローラの温度から判断すればよい。或いは、より簡便な方法としては、一定時間経過後の待機(スタンバイ)状態の加圧ローラ温度は、ヒータ温度を検知するサーミスタの温度と略同等となることから、ヒータ温度検知用のサーミスタの検知結果から判断してもよい。その他の方法として、定着装置の動作履歴から、暖まり具合を推定するカウンタをCPU内に設け、プリント枚数履歴と、プリント後放置時間からカウンタを増減させることで、定着装置の暖まり具合を推定する方法から判断してもよい。
(定着モードに対する影響)
上記説明は、記録材の種類として、坪量が70〜80g/mの普通紙を加熱定着させる際の定着モードについて説明を行った。記録材の種類が異なれば、ユーザが設定する定着モードが異なる場合がある。記録材の表面性や厚み(坪量)、サイズによって最適な定着モードを選択し、定着目標温度を高く設定したり、低く設定したりする。その他、定着モード(加熱モード)によっては、記録材の搬送速度を遅くしたり、記録材間の給紙間隔を変えるような制御を行う場合もある。これら定着モードが異なれば、非通紙部昇温の昇温具合が変わるので、発熱ブロックHB3の発熱比率R(HB3/HB4)の増加減は、定着モードに応じて変更する(変化させる)ことができる。例えば、記録材の厚みが厚く、目標温度を高くする定着モード等では、非通紙部昇温が昇温し易くなるため、プリント枚数に対する発熱比率R(HB3/HB4)の減らし方を大きくすればよい。
また、画像形成装置が記録材の表面性や厚みなどのメディア固有の特性を検知するメディア検知手段を有し、その検知結果に応じて定着目標温度や定着モードを自動に切り替えるような制御を行う場合においても制御の対応は同様である。すなわちメディア検知手段により決定される定着目標温度や、定着モードに応じて、発熱比率R(HB3/HB4)の調整を可変にすればよい。
(実施例2)
実施例1では、A5サイズの紙端が発熱ブロックHB3およびHB5を通過する場合について説明したが、記録材の幅としてはユーザ固有のサイズも想定される為、本実施例では、記録材の幅が異なる場合についての対応方法について説明する。例えば、実施例1と同じく紙幅端部が通過する発熱ブロックはHB3およびHB5であるが、紙幅がA5よりも狭い場合の非通紙部昇温の違いについて、図10を用いて説明する。
図10(a)は、紙幅が任意の記録材がニップNを通過した時の紙端位置と各発熱ブロックの位置、およびサーミスタ位置の関係を示す。通紙中央基準Xから紙端の位置をDm
mm、サーミスタT3の距離をDt mmとすると、サーミスタT3と紙端の距離ΔDは、ΔD=Dt−Dmで表わされる。
図10(b)に、紙幅の異なる3種類の記録材を通紙させた際の、5枚目のフィルム表面温度を示す。紙幅は、それぞれ148mm、136mm、124mmである。図10(b)中で、点線で示したプロファイルは、発熱ブロックHB3とHB5のHB4に対する発熱比率R(HB3/HB4)を100%と固定した場合で連続プリントを行った場合の5枚目の昇温状態を表している。図より明らかなように、紙幅が狭くなるほど、発ブロックHB3、HB5においては、ヒータからの供給熱量が記録材により奪われなくなる為、非通紙昇温量が大きくなる事がわかる。
記録材の幅に応じて、発熱ブロックHB3の発熱比率R(HB3/HB4)を調整し最適化させた場合の温度プロファイルを図10(b)に実線で示した。記録材の幅が狭くなるにつれて、発熱比率R(HB3/HB4)を小さくなるように可変とすることで、非通紙部昇温が抑制され、記録材端部の通紙域も最適なフィルム表面温度に維持されることがわかる。
また、記録材の幅が広くなると、やがては記録材端部の位置がサーミスタよりも十分外側に位置する関係になる。この場合は、発熱ブロックHB3およびHB5の発熱制御は、サーミスタの検知する温度に従って温調すればよい。
上記をまとめると、サーミスタT3と紙端の距離ΔD=Dt−Dmの値に応じて発熱ブロックHB3の通電比率R(HB3/HB4)を可変とすることにより、最適なフィルム
表面温度に制御することができる。
ここでは、記録材端部が発熱ブロックHB3およびHB5を通過する場合について説明したが、例えば記録材端部が、ブロックHB2およびHB6、あるいはブロックHB1およびHB7を通過するような場合であっても制御方法は同様である。それぞれの発熱ブロックを通過する記録材端部の位置と、その発熱ブロックのサーミスタ位置から、予め実験的に求めた最適な発熱比率Rを求めておき、プリント時の記録材幅に応じて最適な発熱比率を選択すればよい。
また、上記記録材の幅情報は、ユーザがプリントを開始する前に、画像形成装置に入力する記録材幅情報に基づくものでる。あるいは画像形成装置が、給紙カセットや給紙トレイ部、または記録材搬送路上において記録材サイズを判定する手段を有する場合は、それらの判別結果を利用する事も可能である。
(実施例3)
実施例1、2では、記録材上の画像データの有無や画像パターンの種類に関係なく、記録材サイズに応じて発熱ブロックHB3およびHB5の通電比率RをブロックHB4に対して可変とする制御について説明を行った。実施例3では、発熱ブロックHB3およびHB5の通紙域に存在する画像有無や画像パターンの種類に応じて通電比率Rを更に可変とする制御である。
一般的に、記録材上の未定着トナーの量が多い場合は、トナー量が少ない場合よりもより多くの熱量を加熱定着に要する。これらの画像情報を利用して温調温度を基準より高くしたり低くしたりして、最適な温調で制御を行う例が従来から知られている。本発明による長手分割ヒータを用いる画像形成装置の場合、記録材端部位置がサーミスタよりも外側に位置し、サーミスタの検知温度に基づいてヒータを温調制御出来る場合は、従来例同様に目標温度を画像情報に応じて最適に変更すればよい。
一方で、記録材端部の位置がサーミスタより内側に位置し、非通紙部昇温の影響でサーミスタを用いた温調制御が不可能な場合は、新たに制御に工夫が必要である。
図11を用いて本実施例の制御例を説明する。ここでは実施例1と同様にA5サイズの紙を記録材として使用した場合の例である。A5サイズの紙に対して、発熱ブロックHB3に対応する画像エリアをエリア3、発熱ブロックHB4に対応する画像エリアをエリア4、発熱ブロックHB5に対応する画像エリアをエリア5と定義する。
図12にエリア3〜エリア5の画像パターン情報と、それに対応した各発熱ブロックの制御について示した。代表して、エリア3とエリア4の画像情報の違いに対して説明する。
図12(a)は、エリア4とエリア3の画像パターンの印字率(画像形成率)が略同等の文字パターンである。この場合、エリア4とエリア3のフィルム表面温度が同じになるように発熱ブロックHB3の発熱比率R(HB3/HB4)が決定される。この場合は、実施例1で説明した図7(c)と同じ発熱比率R=90%である。
図12(b)は、エリア4の印字率(第1画像形成率)よりもエリア3の印字率(第2画像形成率)が低い場合であり、エリア4が印字率100%のベタ黒に対し、エリア3は(a)と同様に印字率10%の文字パターンである。この場合、エリア4のベタ黒画像を加熱するには(a)よりも多くの熱量を要するので、発熱ブロックHB4の発熱量は(a)よりも多くなる。一方、エリア3の画像パターンは(a)と同じであるが、HB4の発熱量が高くなる分、発熱ブロックHB3の発熱比率R(HB3/HB4)=81%と、(a)より低く設定する必要がある。
図12(c)は、同じくエリア4の印字率よりもエリア3の印字率が低い場合であり、エリア4が印字率100%のベタ黒に対し、エリア3は印字率50%のハーフトーン画像である。この場合、エリア3の画像パターンが(b)の文字パターンの場合よりもフィルム表面温度を高くする必要があるので、発熱ブロックHB3の発熱比率R(HB3/HB4)をR=85%程度にするとよい。
図12(d)はエリア4の印字率(第1画像形成率)よりもエリア3の印字率(第2画像形成率)が高い場合であり、エリア4が印字率10%の文字画像に対し、エリア3は印字率50%のハーフトーン画像である。この場合、エリア3に対応するフィルム表面温度はエリア4よりも高くしたい。従って発熱ブロックHB3の発熱比率R(HB3/HB4)をR=95%に上げるとよい。
図13に、画像パターンの印字率に対して、定着に最適なフィルム表面温度の差を示す。この図に従えば、エリア3とエリア4の画像情報の比較で、定着に最適なフィルム表面温度の差ΔFが決まる。図14にフィルム表面温度ΔFを得る為に必要な、ヒータ発熱比率R(HB3/HB4)の値を示す。エリア間の画像の印字率差が大きいほど、最適なフィルム表面温度ΔFの差が広がる。このΔFの大小に応じて、発熱ブロックHB3あるいはHB5の発熱比率Rを増減させることによって、画像情報に応じた最適な加熱制御が可能となる。
なお、本実施例では画像形成装置がモノクロ単色のトナー画像を加熱定着させる場合について説明したが、本発明が適用可能な画像形成装置の構成はこれに限定されない。例えば、画像形成装置が2色以上のカラートナーを用いて画像形成を行う場合は、上記の印字率(%)に加えて、エリア内の最大トナー量も考慮して最適な発熱比率Rを決定してもよい。この場合は、印字率情報(%)と単位面積あたりに形成されるトナー量(トナー高さ)の情報に応じて、加熱定着に最適なフィルム表面温度を決定し、それらに応じた発熱比率で制御を行えばよい。
[実施例の応用例について]
(温度検知素子の数について)
上記に説明した各実施例では、各発熱ブロックに設置したサーミスタ等の温度検知素子は一つとして説明を行ったが、これに限られるものではなく、各発熱ブロックに複数の温度検知素子を設置してある場合においても、各実施例は適用可能である。すなわち、記録材端部が通過する発熱ブロックにおいて、記録材端部位置が、複数の温度検知素子のうち、最も内側に設置された温度検知素子との位置を比較すればよい。最も内側の温度検知素子よりも、記録材端部の位置がさらに内側に有る場合は、本実施例の制御が適用可能である。
(温度検知素子と紙端部の位置について)
本実施例では、記録材端部が通過する発熱ブロックにおいて、記録材端部が温度検知素子よりも内側に位置する際についての制御について説明した。加えて、記録材端部が温度検知素子と一致する場合、あるいは、温度検知素子の近傍に位置する場合においても、本実施例の制御を適用してもよい。例えば、ユーザが画像形成装置に記録材をセットする際、中心より左右にずれてセットされる場合や、記録材搬送中に記録材が斜行するような場合、本実施例で説明したような非通紙部昇温が発生し得る。このような場合でも、本実施例の制御を適用する事により、非通紙部昇温を抑制し最適な制御を行うことができる。
上記各実施例は、それぞれの構成を可能な限り互いに組み合わせることができる。
200…定着装置、202…定着フィルム、208…加圧ローラ、300…ヒータ、305…基板、302a、302b…発熱抵抗体、T1〜T7…サーミスタ、400…制御回路、HB1〜HB7…発熱ブロック

Claims (13)

  1. 基板と、前記基板上に設けられた前記基板の長手方向に並ぶ複数の発熱体と、を有するヒータを有し、前記ヒータの熱を利用して記録材に形成された画像を加熱する像加熱部であって、前記長手方向に分割された複数の加熱領域を有する像加熱部と、
    前記複数の加熱領域を選択的に加熱すべく、前記複数の発熱体の通電を選択的に制御する通電制御部と、
    を備える像加熱装置において、
    前記通電制御部は、前記複数の加熱領域のうち、記録材が通過し、かつ記録材の端部は通過しない第1加熱領域を加熱する前記発熱体に供給する第1電力に対する、前記複数の加熱領域のうち、前記第1加熱領域と隣接し、かつ記録材の端部が通過する第2加熱領域を加熱する前記発熱体に供給する第2電力の比率を、前記第1電力と前記第2電力を同じにする場合よりも小さくすることを特徴とする像加熱装置。
  2. 前記複数の加熱領域のそれぞれの温度を検知する複数の温度検知素子を備え、
    前記通電制御部は、前記複数の温度検知素子のうち前記第2加熱領域に配置される温度検知素子が記録材の端部が通過する位置よりも外側に位置していることを特徴とする請求項1に記載の像加熱装置。
  3. 前記通電制御部は、前記複数の温度検知素子のうち前記第1加熱領域に配置される温度検知素子の検知温度に基づいて前記複数の発熱体の通電を制御することを特徴とする請求項2に記載の像加熱装置。
  4. 前記通電制御部は、複数の記録材にそれぞれ形成された画像に対して連続的に加熱を行う場合において、加熱を行う回数が増えるほど、前記比率を小さくする度合いを大きくすることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の像加熱装置。
  5. 環境温度を検知する温度検知部を備え、
    前記通電制御部は、前記温度検知部が検知した環境温度が、所定の基準温度よりも低い場合、複数の記録材にそれぞれ形成された画像に対して連続的に加熱を行う場合において、加熱を行う回数が増えるほど、前記比率を小さくする度合いを、環境温度が前記基準温度の場合よりも小さくすることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の像加熱装置。
  6. 環境温度を検知する温度検知部を備え、
    前記通電制御部は、前記温度検知部が検知した環境温度が、所定の基準温度よりも高い場合、複数の記録材にそれぞれ形成された画像に対して連続的に加熱を行う場合において、加熱を行う回数が増えるほど、前記比率を小さくする度合いを、環境温度が前記基準温度の場合よりも大きくすることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の像加熱装置。
  7. 記録材の種類に応じて制御目標温度及び/又は記録材の搬送速度が異なる複数の加熱モードを有し、
    前記通電制御部は、選択された前記加熱モードに応じて前記比率を小さくする度合いを変化させることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の像加熱装置。
  8. 前記通電制御部は、前記記録材の幅が狭くなるほど、前記比率を小さくする度合いを大きくすることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の像加熱装置。
  9. 前記通電制御部は、記録材において前記第1加熱領域で加熱される範囲における第1画
    像形成率が、記録材において前記第2加熱領域で加熱される範囲における第2画像形成率よりも大きい場合、前記比率を小さくする度合いを、前記第1画像形成率と前記第2画像形成率とが同じ場合よりも小さくすることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の像加熱装置。
  10. 前記通電制御部は、記録材において前記第1加熱領域で加熱される範囲における第1画像形成率が、記録材において前記第2加熱領域で加熱される範囲における第2画像形成率よりも小さい場合、前記比率を小さくする度合いを、前記第1画像形成率と前記第2画像形成率とが同じ場合よりも大きくすることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の像加熱装置。
  11. 前記通電制御部は、記録材において前記第1加熱領域で加熱される範囲における第1画像形成率に対応して設定される第1制御目標温度と、記録材において前記第2加熱領域で加熱される範囲における第2画像形成率に対応して設定される第2制御目標温度と、の差に応じて、前記比率を小さくする度合いを変化させることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の像加熱装置。
  12. 内面が前記ヒータに接触しつつ回転する筒状のフィルムを有し、記録材上の画像は前記フィルムを介して加熱されることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の像加熱装置。
  13. 記録材に画像を形成する画像形成部と、
    記録材に形成された画像を記録材に定着する定着部と、
    を有する画像形成装置において、
    前記定着部が請求項1〜12のいずれか1項に記載の像加熱装置であることを特徴とする画像形成装置。
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