JP2020012081A - 光硬化性接着剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】疎水性フィルムに浸透しやすく、疎水性フィルムを強固に接着できる光硬化性接着剤を提供する。【解決手段】芳香族エポキシ化合物および感光性カチオン開始剤を含む熱可塑樹脂フィルム用光硬化性接着剤であって、無溶剤系であり、芳香族エポキシ化合物の含有量が全体の50重量%以上である、熱可塑樹脂フィルム用光硬化性接着剤。【選択図】なし

Description

本発明は光硬化性接着剤に関する。詳しくは、疎水性フィルムに浸透しやすく、疎水性フィルムを強固に接着できる光硬化性接着剤に関する。
光硬化性接着剤は、光の照射により重合が開始され、硬化する接着剤である。具体的には、光重合開始剤に光を照射することにより発生させたラジカルやカチオンを、光硬化性樹脂に作用させて重合反応を進行させる。透湿度の低い基材を接着する場合、水系接着剤では溶媒の水が乾燥しにくく硬化しにくいが、光硬化性接着剤を用いれば光の照射により硬化を進行させることができる(特許文献1)。
しかし、光硬化性接着剤で接着した場合、温度変化によって基材にクラックや剥離が生じることがあった。特に、シクロオレフィンポリマー等の収縮応力が大きい被着体と、ポリビニルアルコール等の収縮応力が小さい被着体とを光硬化性接着剤で接着した場合には、シクロオレフィンポリマーの膨張・収縮に接着層やポリビニルアルコールが追従できず、ポリビニルアルコールと接着層との間でクラックや剥離が発生することがあった。
クラックや剥離の防止のためには、硬化時の光照射を増大させ、重合反応を十分進行させて接着強度を向上することが考えられる。しかし、例えば基材としてポリビニルアルコールフィルムを用いた場合には、熱や光による劣化が起きやすく、重合時の光照射量を増大すると変色やシワが生じる傾向がある。過大な光照射を行わなくても、基材の膨張や収縮に追従できる接着層が必要とされている。
シクロオレフィンポリマー等の疎水性フィルムと、ポリビニルアルコールとの接着性を高めるために、疎水性フィルムの表面を溶剤で溶解させてから接着剤により張り合わせる方法が提案されている(特許文献2)。しかし、溶剤を使用すると、溶剤除去のために熱乾燥工程が別途必要になる。また、接着剤がフィルム内部に浸透しすぎ、疎水性フィルムの表面が白化する傾向があった。溶剤を使わずにフィルム内部まで接着剤を浸透させる方法が求められていた。
また、熱硬化性樹脂であるエポキシ化合物は耐湿性に優れるが硬化速度が遅く生産性に劣り、ロット間の接着強度のバラつきが大きいことも課題であった。
特表2016−535118号公報 特開2012−177890号公報
本発明は、疎水性フィルムに浸透しやすく、疎水性フィルムを強固に接着できる光硬化性接着剤を提供することを目的とする。
本発明者らは、主要な硬化成分として芳香族エポキシ化合物を含む光硬化性接着剤が、疎水性フィルムに浸透しやすく、疎水性フィルムを強固に接着できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、芳香族エポキシ化合物および感光性カチオン開始剤を含む熱可塑樹脂フィルム用光硬化性接着剤であって、無溶剤系であり、芳香族エポキシ化合物の含有量が全体の50重量%以上である、熱可塑樹脂フィルム用光硬化性接着剤に関する。
光硬化性接着剤は、さらに、水酸基、カルボキシル基、およびスルホ基からなる群から選択される1種以上の親水性基を有し、分子量が1000以下である化合物を含むことが好ましい。
光硬化性接着剤は、粘度が200mPa・s以下であり、熱可塑樹脂フィルムへの接触角が25°以下であることが好ましい。
光硬化性接着剤は、温度60℃、相対湿度90%における水蒸気透過率が2000g/m/日以上である熱可塑樹脂フィルムAと、
温度60℃、相対湿度90%における水蒸気透過率が1000g/m/日以下である熱可塑樹脂フィルムBとを接着するためのものであることが好ましい。
光硬化性接着剤は、熱可塑樹脂フィルムB上に塗布した30分後に200mJ/cmの光照射で硬化させた際の接着強度1が、
熱可塑樹脂フィルムB上に塗布した30秒後に200mJ/cmの光照射で硬化させた際の接着強度2の10倍未満であることが好ましい。
また、本発明は、温度60℃、相対湿度90%における水蒸気透過率が2000g/m/日以上の熱可塑樹脂フィルムA、
温度60℃、相対湿度90%における水蒸気透過率が1000g/m/日以下の熱可塑樹脂フィルムB、および
熱可塑樹脂フィルムAと熱可塑樹脂フィルムBとの間に形成され、前記光硬化性接着剤を硬化させてなる接着層
を含む光学積層フィルムに関する。
また、本発明は、温度60℃、相対湿度90%における水蒸気透過率が1000g/m/日以下である熱可塑樹脂フィルムB上に前記光硬化性接着剤を塗布する工程1、
工程1で塗布された光硬化性接着剤と、温度60℃、相対湿度90%における水蒸気透過率が2000g/m/日以上である熱可塑樹脂フィルムAとを張り合わせる工程2、および
光硬化性接着剤を硬化させる工程3を含む、
光学積層フィルムの製造方法に関する。
前記工程1の後、5分以内に工程2および工程3を行うことが好ましい。
また、本発明は、前記製造方法により製造された光学積層フィルムに関する。
光学積層フィルムは、温度85℃、相対湿度85%の環境下に100時間保存した後の接着強度が1.5N/20mm以上であることが好ましい。
本発明の光硬化性樹脂組成物は疎水性フィルムに浸透しやすく、疎水性フィルムを強固に接着できる。
<<光硬化性接着剤>>
本発明は、芳香族エポキシ化合物および感光性カチオン開始剤を含む熱可塑樹脂フィルム用光硬化性接着剤であって、無溶剤系であり、芳香族エポキシ化合物の含有量が全体の50重量%以上である、熱可塑樹脂フィルム用光硬化性接着剤に関する。
本発明の熱可塑樹脂フィルム用光硬化性接着剤中、芳香族エポキシ化合物の含有量は熱可塑樹脂フィルム用光硬化性接着剤全体に対して50重量%以上であるが、60重量%以上が好ましく、70重量%以上がより好ましい。芳香族エポキシ化合物を硬化に寄与する主要成分(硬化成分)とすることにより、疎水性フィルムへの濡れ性および浸透性を高めることができる。芳香族エポキシ化合物の含有量が熱可塑樹脂フィルム用光硬化性接着剤の50重量%未満では基材密着性が悪くなる傾向がある。
芳香族エポキシ化合物としては、例えば、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタンジグリシジルエーテル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンジグリシジルエーテル、クレゾールノボラック型エポキシ化合物、レゾルシンジグリシジルエーテル、カテコールジグリシジルエーテル、ヒドロキノンジグリシジルエーテル、t−ブチルフェニルグリシジルエーテル、t−ブチルヒドロキノンジグリシジルエーテル、2,5−ジ−t−ブチルヒドロキノンジグリシジルエーテル、フタル酸ジグリシジルエステル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタンジグリシジルエーテル、テトラメチルビス(4−ヒドロキシフェニル)メタンジグリシジルエーテル、テトラメチルビス(4−ヒドロキシフェニル)エタンジグリシジルエーテル、テトラメチルビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンジグリシジルエーテル、テトラメチルビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテルジグリシジルエーテル、ジメチルジ−t−ブチルビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィドジグリシジルエーテル、ビスフェノールフルオレン型エポキシ樹脂、ビスクレゾールフルオレン型エポキシ樹脂、ビフェニル型又はテトラメチルビフェニル型エポキシ樹脂類、ジヒドロキシナフタレンのジグリシジルエーテル等が挙げられる。これらの中でもビス(4−ヒドロキシフェニル)エタンジグリシジルエーテル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンジグリシジルエーテルが好ましい。これらは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
硬化成分には、芳香族エポキシ化合物以外の成分が含まれていてもよい。このような成分として、脂環式エポキシ化合物、脂肪族エポキシ化合物、エポキシ基を有する重量平均分子量1000〜1000000の高分子量体といった芳香環を有しないエポキシ化合物、非エポキシ化合物が挙げられる。
脂環式エポキシ化合物としては、例えば3’,4’−エポキシシクロヘキシルメチル、3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシシクロヘキセニルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキセンカルボキシレート、リモネンジオキシド、ジシクロペンタジエンジオキシド等が挙げられる。
脂肪族エポキシ化合物としては、例えばネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、ジメチロールシクロヘキサンジグリシジルエーテル、1,4−シクロヘキサンジグリシジルエーテル、1,3−シクロヘキサンジグリシジルエーテル、1,2−シクロヘキサンジグリシジルエーテル、ジメチロールジシクロペンタジエンジグリシジルエーテル、ヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、ヘキサヒドロテレフタル酸ジグリシジルエステル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル等が挙げられる。
非エポキシ化合物としては、オキセタン化合物、ビニルエーテル化合物が挙げられる。オキセタン化合物は、分子内に4員環エーテルを有する化合物であり、例えば、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、1,4−ビス〔(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシメチル〕ベンゼン、3−エチル−3−(フェノキシメチル)オキセタン、ジ〔(3−エチル−3−オキセタニル)メチル〕エーテル、3−エチル−3−(2−エチルヘキシロキシメチル)オキセタン、フェノールノボラックオキセタンなどが挙げられる。これらのオキセタン化合物は市販品を容易に入手でき、例えばアロンオキセタンOXT−121、OXT−221、EXOH、POX、OXA、OXT−101、OXT−211、OXT−212(東亞合成(株)社製)、エタナコールOXBP、OXTP(宇部興産(株)社製)等が挙げられる。
ビニルエーテル化合物としては、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル(丸善石油化学(株)社製)等が挙げられる。
本発明の光硬化性接着剤に含まれる硬化成分のうち、芳香族エポキシ化合物以外の成分は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。また、その含有量は、当該光硬化性接着剤中50重量%未満であるが、45重量%以下が好ましく、40重量%以下がより好ましい。
感光性カチオン開始剤は、光の照射を受けて酸を発生する作用を有する化合物をいう。このような化合物としては、例えばオニウム塩、ハロゲン含有化合物、ジアゾメタン化合物、スルホン化合物、スルホン酸化合物などの、放射線により酸を発生する光酸発生剤を用いることができる。オニウム塩としては、例えばトリフレートあるいはヘキサフレートとのヨードニウム塩、スルホニウム塩、ジアゾニウム塩、アンモニウム塩、ピリジニウム塩等が挙げられ、ハロゲン含有化合物としては、ハロアルキル基含有炭化水素化合物あるいはハロアルキル基含有複素環式化合物、例えば、フェニル−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、メトキシフェニル−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジンなどの(トリクロロメチル)−s−トリアジン誘導体や、トリブロモネオペンチルアルコール、ヘキサブロモヘキサンなどの臭素化合物、ヘキサヨードヘキサンなどのヨウ素化合物などが挙げられる。また、ジアゾメタン化合物としては、例えばビス(トリフルオロメチルスルホニウム)ジアゾメタン、ビス(シクロヘキシルスルホニウム)ジアゾメタンなどが挙げられる。スルホン化合物としては、例えばβ−ケトスルホン、β−スルホニルスルホン等が挙げられ、スルホン酸化合物としては、アルキル(C1−12)スルホン酸エステル、ハロアルキル(C1−12)スルホン酸エステル、アリールスルホン酸エステル、イミノスルホナート等が挙げられる。この中でも、トリアリールスルホニウム塩が好ましい。これらは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
感光性カチオン開始剤の配合量は、硬化成分100重量部に対して0.001〜20重量部が好ましく、0.01〜10重量部がより好ましく、0.1〜7重量部がさらに好ましい。
光硬化性接着剤は、無溶剤系である。本明細書において、無溶剤系とは沸点200℃以下の化合物を実質的に含まないことを意味する。沸点200℃以下の化合物としては、シクロヘキサン、トルエン、キシレン等の炭化水素溶剤、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール等のアルコール系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン及びシクロヘキサノン等のケトン系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤、エチレングリコールモノメチルアセテート、エチレングリコールモノエチルアセテート、プロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセテート(PGMEA)、3−メトキシブチルアセテート、エトキシエチルプロピオネート等のエーテルエステル系溶剤、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。これらの物質を含有した場合には、被着体と接着する際に加熱乾燥工程が必要となるが、本発明では無溶剤系であるため、加熱乾燥工程を行う必要がない。本発明の光硬化性接着剤において、沸点200℃以下の化合物の含有量は、5重量%以下が好ましく、3重量%以下がより好ましく、1重量%以下がさらに好ましく、0.5重量%以下が特に好ましい。
光硬化性接着剤は、塗工の容易性、およびフィルムへの濡れ性の向上のために、硬化前の粘度が200mPa・s以下が好ましく、100mPa・s以下がより好ましい。粘度は、25℃でE型粘度計を用いて回転速度100rpmで測定した値をいう。
光硬化性接着剤は、フィルムへの濡れ性の向上のために、硬化前の熱可塑樹脂フィルムへの接触角が25°以下であることが好ましく、20°以下であることがより好ましく、15°以下であることがさらに好ましい。接触角は、熱可塑樹脂フィルムとしてポリエステルフィルムを用いて、実施例に記載の方法で測定した値をいう。
光硬化性接着剤は、エポキシ樹脂と感光性カチオン開始剤の他に、水酸基、カルボキシル基、およびスルホ基からなる群から選択される1種以上の親水性基を有し、分子量が1000以下である化合物を添加剤として含んでいてもよい。光硬化性接着剤が親水性基を有する化合物を含むと、フィルム中の親水性基の近傍にすみやかに集合し、光硬化性接着剤がフィルムへ浸透しやすくなる。特に、分子量が1000以下の比較的小さな分子は、立体障害が小さくフィルム樹脂構造内部に浸透しやすい。このような添加剤としては、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、グリセリン等のポリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、アダマンタントリオール、ポリカプロラクトントリオール等のトリオール、ポリカーボネートジオール、ポリセステルジオール、ポリエーテルジオール等のジオールが挙げられる。この中でも、ポリカプロラクトンポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートジオールが好ましい。添加剤の分子量は1000以下が好ましく、900以下がより好ましく、850以下がさらに好ましい。前記添加剤の配合量は、硬化成分100重量部に対して1〜100重量部が好ましく、5〜50重量部がより好ましい。
光硬化性接着剤が水酸基、カルボキシル基、およびスルホ基からなる群から選択される1種以上の親水性基を有し、分子量が1000以下である化合物を含むときには、光硬化性接着剤は疎水性フィルムに塗布後、迅速に浸透する。したがって、光硬化性接着剤の塗布後、短時間で硬化させても十分な接着強度を得ることができ、塗布から硬化までの時間が接着強度に及ぼす影響を低減できる。よって、光硬化性接着剤を、熱可塑樹脂フィルムB上に塗布した30分後に200mJ/cmの光照射で硬化させた際の接着強度1が、熱可塑樹脂フィルムB上に塗布した30秒後に200mJ/cmの光照射で硬化させた際の接着強度2の10倍未満であることが好ましい。熱可塑樹脂フィルムBについては後述する。接着強度1は接着強度2の5倍未満がより好ましく、4倍未満がさらに好ましく、3倍未満がさらにより好ましい。
上記接着強度1、接着強度2はいずれも、実施例に記載の方法で測定した値が1.5N/20mm以上であることが好ましく、2.0N/20mm以上であることがより好ましい。
光硬化性接着剤は、芳香族エポキシ化合物を主成分とする硬化成分と感光性カチオン開始剤の他に、反応性希釈剤、上述した以外の添加剤、硬化剤、硬化促進剤等を含んでいてもよい。
反応性希釈剤は、粘度調整を行うために添加する低粘度なエポキシ化合物であり、特に二官能以上の低粘度エポキシ化合物が好ましい。反応性希釈剤としては、例えば、ジグリシジルエーテル、ブタンジオールジグリシジルエーテル、ジグリシジルアニリン、ネオペンチルグリコールグリシジルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル、アルキレンジグリシジルエーテル、ポリグリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、4−ビニルシクロヘキセンモノオキサイド、ビニルシクロヘキセンジオキサイド、メチル化ビニルシクロヘキセンジオキサイド等が挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。反応性希釈剤を含む場合、その配合量は、光硬化性接着剤全体の1〜50重量%が好ましい。
添加剤としては、補強材または充填材、着色剤、難燃剤、硬化性の化合物(硬化性モノマー、オリゴマー、または樹脂)、固体微粒子などが挙げられる。これらの添加剤を含む場合、その配合量は、光硬化性接着剤全体の1〜50重量%が好ましい。
本発明の光硬化性接着剤は、熱可塑樹脂フィルムの接着のために用いられる。熱可塑樹脂フィルムとしては、例えば、シクロオレフィンポリマー(COP)、ポリメタクリル酸メチル樹脂(PMMA)、ポリビニルアルコール(PVA)樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート、変性ポリエステル等のポリエステル系樹脂、ポリエチレン(PE)樹脂、ポリプロピレン(PP)樹脂、ポリスチレン樹脂、環状オレフィン系樹脂等のポリオレフィン類樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等のビニル系樹脂、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂、ポリサルホン(PSF)樹脂、ポリエーテルサルホン(PES)樹脂、ポリカーボネート(PC)樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂、トリアセチルセルロース(TAC)樹脂等が挙げられる。これらは単独で用いても良いし、2種以上を混合しても良い。
光硬化性接着剤は、上述した熱可塑樹脂フィルム同士の接着のために用いることもでき、上述した熱可塑樹脂フィルムと、熱可塑樹脂フィルム以外の基材との接着のために用いることもできる。熱可塑樹脂フィルム以外の基材としては、ガラスが挙げられる。
光硬化性接着剤は疎水性フィルムに浸透しやすいので、疎水性フィルムの接着に好適に使用できる。光硬化性接着剤は、温度60℃、相対湿度90%における水蒸気透過率が2000g/m/日以上の熱可塑樹脂フィルムAと、60℃、相対湿度90%における水蒸気透過率が1000g/m/日以下の熱可塑樹脂フィルムBとを接着するために使用できる。
熱可塑樹脂フィルムAの厚みは1〜50μmが好ましく、2〜30μmがより好ましく、3〜20μmがさらに好ましい。熱可塑樹脂フィルムAの水蒸気透過率は2000g/m/日以上が好ましく、2100g/m/日以上がより好ましく、2200g/m/日以上がさらに好ましい。なお、本発明において、水蒸気透過率は、JISZ0208の透湿度試験(カップ法)に準拠して60℃、相対湿度90%において測定される値をいう。
熱可塑樹脂フィルムAの材質は、熱可塑樹脂であれば特に限定されず、例えば、ポリビニルアルコール樹脂や、トリアセチルセルロース樹脂等が挙げられる。
熱可塑樹脂フィルムBの厚みは5〜100μmが好ましく、10〜80μmがより好ましく、15〜70μmがさらに好ましい。熱可塑樹脂フィルムBの水蒸気透過率は1000g/m/日以下が好ましく、500g/m/日以下がより好ましく、250g/m/日以下がさら好ましく、100g/m/日以下がさらにより好ましい。
熱可塑樹脂フィルムBの材質としては、例えば、シクロオレフィンポリマー(COP)、ポリメタクリル酸メチル樹脂(PMMA)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート、変性ポリエステル等のポリエステル系樹脂、ポリエチレン(PE)樹脂、ポリプロピレン(PP)樹脂、ポリスチレン樹脂、環状オレフィン系樹脂等のポリオレフィン類樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等のビニル系樹脂、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂、ポリサルホン(PSF)樹脂、ポリエーテルサルホン(PES)樹脂、ポリカーボネート(PC)樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂、トリアセチルセルロース(TAC)樹脂等が挙げられる。これらは単独で用いても良いし、2種以上を混合しても良い。これらの中でもシクロオレフィンポリマー(COP)、ポリメタクリル酸メチル樹脂(PMMA)、ポリエチレンテレフタレート(PET)が好ましい。
光硬化性接着剤は一液型であってもよいし、二液型であってもよい。二液型である場合には、芳香族エポキシ化合物を主成分とする硬化成分と、感光性カチオン開始剤とを、使用する直前に混合して用いる。これらを混合する順序は特に限定されない。
<<光学積層フィルムの製造方法>>
本発明の光学積層フィルムの製造方法は、温度60℃、相対湿度90%における水蒸気透過率が1000g/m/日以下である熱可塑樹脂フィルムB上に、前記光硬化性接着剤を塗布する工程1、工程1で塗布された光硬化性接着剤と、温度60℃、相対湿度90%における水蒸気透過率が2000g/m/日以上である熱可塑樹脂フィルムAとを張り合わせる工程2、および光硬化性接着剤を硬化させる工程3を含むことを特徴とする。
工程1では、光硬化性接着剤を熱可塑樹脂フィルムB上に塗布する。熱可塑樹脂フィルムBについては上述した。塗布方法としては、例えば、グラビアコーティング法、リバースコーティング法、ダイコート法、カンマコート法、リップコート法、ファウンテンコーティング法等のロールコーティング法、スプレーコーティング法、ディッピング法、スクリーンコーティング法等が挙げられる。光硬化性接着剤の塗布の前に、コロナ処理、フレーム処理、プラズマ処理、プライマー処理等により、熱可塑樹脂フィルムBの表面処理を行っておいてもよい。プライマー処理に用いるプライマー樹脂としては、例えば、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂等が挙げられる。
工程2では、工程1で塗布された光硬化性接着剤と熱可塑樹脂フィルムAとを張り合わせる。熱可塑樹脂フィルムAについては上述した。ここで、熱可塑樹脂フィルムAは、非晶性ポリエチレンテレフタレート(PET)等の基材上に、コーティングにより熱可塑樹脂を塗布し、延伸することにより得たものであってもよい。この場合、熱可塑樹脂の塗布方法としては、例えば、グラビアコーティング法、リバースコーティング法、ダイコート法、カンマコート法、リップコート法、ファウンテンコーティング法等のロールコーティング法、スプレーコーティング法、ディッピング法、スクリーンコーティング法等が挙げられる。塗布の形成の前に、コロナ処理、フレーム処理、プラズマ処理、プライマー処理等により、基材の表面処理を行っておいてもよい。プライマー処理に用いるプライマー樹脂としては、例えば、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂等が挙げられる。
熱可塑樹脂の延伸方法としては、例えば、ロール延伸法、テンター延伸法等が挙げられる。延伸倍率は、特に限定されないが、通常4〜8倍程度である。延伸温度は特に限定されず、基材の材質に応じて設定することができる。
上記方法により基材上に熱可塑樹脂層を形成して延伸した後、ヨウ素や二色性有機染料等の二色性色素を吸着配向させれば、熱可塑樹脂フィルムAを偏光子とすることができる。熱可塑樹脂層に二色性色素を吸着配向させる方法としては、二色性色素を含有する水溶液に、熱可塑樹脂層を有する基材を浸漬する方法が挙げられる。二色性色素としてヨウ素を用いる場合、ヨウ素及びヨウ化カリウムを含有する水溶液を染色浴として用いる。
工程3では、工程2で得られた熱可塑樹脂フィルムA、光硬化性接着剤の塗膜、および熱可塑樹脂フィルムBからなる積層体に対し、熱可塑樹脂フィルムA面、または熱可塑樹脂フィルムB面から光照射処理を行うことにより、光硬化性接着剤を硬化させる。光照射処理には、例えば紫外線、可視光、電子線、電離放射線等を使用する。紫外線硬化の場合には、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク、キセノンアーク、メタルハライドランプ等の光源から発する紫外線等を使用することができる。エネルギー線源の照射量は、紫外線により30〜500mJ/cmの照射量であることが好ましく、30〜200mJ/cmであることがより好ましい。照射量が500mJ/cmを超えると熱可塑樹脂フィルムAまたはBが変質することがある。硬化後の光硬化性接着剤層の厚みは1〜3μmが好ましく、1.1〜2.9μmがより好ましく、1.2〜2.8μmがさらに好ましい。
本発明の光硬化性接着剤は無溶剤系であるため、工程1で熱可塑樹脂フィルムB上に光硬化性接着剤を塗布した後、加熱乾燥工程を行う必要はなく、迅速に工程2および工程3を行うことができる。また、光硬化性接着剤が、水酸基、カルボキシル基、およびスルホ基からなる群から選択される1種以上の親水性基を有し、分子量が1000以下である化合物を含む場合には、疎水性フィルムに塗布後、迅速に浸透するため、塗布後短時間で硬化させても十分な接着力を得ることができる。よって、光学積層フィルムの製造の迅速化のために、工程2および工程3は工程1の後、5分以内に行うことが好ましく、3分以内に行うことがより好ましく、1分以内に行うことがさらに好ましい。
さらに、工程2の後、熱可塑樹脂フィルムA上に第2の光硬化性接着剤を塗布し、さらに第2の熱可塑樹脂フィルムBを積層させることにより、熱可塑樹脂フィルムB、光硬化性接着剤からなる接着層、熱可塑樹脂フィルムA、第2の光硬化性接着剤からなる接着層、および第2の熱可塑樹脂フィルムBがこの順に積層された積層体を得ることもできる。その後、工程3を行い、2つの光硬化性接着剤層を硬化させる。この方法により、例えば、熱可塑樹脂フィルムAからなる偏光子が、熱可塑樹脂フィルムBからなる2つの保護フィルムにより挟まれた偏光板を得ることができる。第2の光硬化性接着剤および第2の熱可塑樹脂フィルムBの組成としては、前述した光硬化性接着剤および熱可塑樹脂フィルムBの組成を用いることができる。2つの光硬化性接着剤、および2つの熱可塑樹脂フィルムBの組成は同一でもよく、異なってもよい。
<<光学積層フィルム>>
上記方法により、温度60℃、相対湿度90%における水蒸気透過率が2000g/m/日以上の熱可塑樹脂フィルムA、温度60℃、相対湿度90%における水蒸気透過率が1000g/m/日以下の熱可塑樹脂フィルムB、および熱可塑樹脂フィルムAと熱可塑樹脂フィルムBとの間に形成され、上記光硬化性接着剤を硬化させてなる接着層を含む光学積層フィルムが得られる。
積層体は、温度85℃、相対湿度85%の環境下に100時間放置した後の接着強度が1.5N/20mm以上であることが好ましく、2.0N/20mm以上がより好ましい。なお、この湿熱処理を行う積層体は、熱可塑性樹脂フィルムBに光硬化性接着剤を塗布し、熱可塑性樹脂フィルムAを接着剤層の上に設置した後、30秒後に熱可塑樹脂フィルムBの上面から紫外線を照射して得られる積層体をいう。
<<偏光フィルム>>
本発明の光学積層フィルムは、偏光板、表示素子の基板、有機EL素子用の封止材や円偏光板、全面保護板、半導体用・太陽電池用等のパッシベーション膜等の用途に用いることができる。偏光板として用いる場合には、前述のように、1つの熱可塑樹脂フィルムAが、接着層を介して2つの熱可塑樹脂フィルムBにより挟まれた形態であってもよい。偏光板として用いる場合には、位相差フィルム、視野角拡大フィルム、輝度向上フィルム、保護フィルム、離型フィルム等と組み合わせてもよい。
以下、実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明は以下の実施例に限定されない。以下、「%」は特記ない限り「重量%」を意味する。
1.使用材料
1−1.硬化成分
・芳香族エポキシ化合物(DIC株式会社製、EPICLON 850−LC、)
・芳香族エポキシ化合物(DIC株式会社製、EPICLON EXA−830LVP)
・芳香族エポキシ化合物(DIC株式会社製、EPICLON 835)
・芳香族エポキシ化合物(ナガセケムテックス株式会社製、デナコールEX146)
・脂環式エポキシ化合物(株式会社ダイセル製、セロキサイド2021P)
・オキセタン化合物(東亞合成株式会社製、アロンオキセタンOXT−221)
1−2.開始剤
・オニウム塩系感光性カチオン開始剤(サンアプロ株式会社製、CPI−100P)
1−3.添加剤
・ポリカプロラクトンポリオール(DIC株式会社製、ポリライト OD−X−2155)
・ポリエステルポリオール(DIC株式会社製、ポリライト OD−X−2586)
・ポリカーボネートジオール(DIC株式会社製、プラクセルCD205PL)
1−4.溶剤
・シクロヘキサン(富士フィルム和光純薬株式会社製)
1−5.熱可塑樹脂フィルムA
・トリアセチルセルロースフィルム(富士フィルム株式会社製、TJ25UL、25μm)
・ポリビニルアルコールフィルム(株式会社クラレ製、VF−PE#3000、平均重合度2400、ケン化度99.9モル%、厚さ30μm)
1−6.熱可塑樹脂フィルムB
・COPフィルム(日本ゼオン社製、ZeonorFilm ZF14、膜厚40μm)
・ポリエステル(PET)フィルム(東レ株式会社製、ルミラーT60、25μm)
・アクリル樹脂(PMMA)フィルム(住友化学株式会社製、テクノロイS001G,75μm)
2.評価方法
2−1.粘度
光硬化性接着剤の硬化前の粘度は、25℃でE型粘度計を用いて回転速度100rpmで測定した。
2−2.接触角
光硬化性接着剤の基材に対する接触角は、2mgの光硬化性接着剤をポリエステルフィルム(東レ株式会社製、ルミラーT60、25μm)上に滴下し、接触角計としてCA−D(協和界面科学(株)製)を用いて測定した。
2−3.接着強度
実施例および比較例で作製した積層体を20mm×150mmに裁断したものを試験片として用いた。試験片には、光硬化性接着剤が塗工されていない範囲(20mm×10mm)をあらかじめ用意した。試験片の熱可塑樹脂フィルムAからなる層を引っ張り試験機(装置名:東洋精機株式会社製ストログラフ試験器)に粘着テープで固定した。熱可塑樹脂フィルムBからなる層のうち光硬化性接着剤が塗工されていない部分を、上部つかみ具で固定し、剥離速度300mm/minにて90°剥離強度(N/20mm)を測定した。なお、湿熱処理後の接着強度は、試験片を恒温恒湿器(ESPEC社製、FR−1J)を用いて温度85℃、相対湿度85%の環境下に100時間保存した後、前記方法で接着強度を測定した。
(実施例1〜7、比較例1〜2)
表1に記載の各成分を配合し、光硬化性接着剤を作製した。比較例2のみ、表1に記載の各成分を溶剤(シクロヘキサン)中で配合し、濃度が80重量%となるように調製した。
Figure 2020012081
各実施例および比較例の光硬化性接着剤について、粘度、および熱可塑樹脂フィルムへの接触角を測定した。結果を表2に示す。
熱可塑性樹脂フィルムBに各接着剤を厚さ2.5μmになるように塗布した後、熱可塑性樹脂フィルムAを接着剤層の上に設置し、30分後に熱可塑樹脂フィルムBの上面から紫外線を照射(装置:ヘレウス株式会社製、Dバルブ(330〜380nm)、積算光量:200mJ/cm)することにより、熱可塑性樹脂フィルムAと熱可塑性樹脂フィルムBとの間に、光硬化性接着剤を硬化させてなる接着層を有する積層体を作製した。この積層体の接着強度(1)を測定した。結果を表2に示す。
さらに、熱可塑性樹脂フィルムAを接着剤層の上に設置した30秒後に紫外線を照射した以外は上記と同じ操作により、熱可塑性樹脂フィルムA、接着層、熱可塑性樹脂フィルムBからなる積層体を作製した。この積層体の接着強度(2)、および湿熱処理後の接着強度を測定し、接着強度比(1)/(2)を求めた。結果を表2に示す。
Figure 2020012081
表2に示すように、比較例1の光硬化性接着剤は硬化成分中の芳香族エポキシ化合物が50重量%に満たないため、熱可塑樹脂フィルムへの接触角が大きかった。また、熱可塑フィルムに浸透しにくいため塗布30秒後に硬化したときの接着強度が低く、湿熱処理後の接着強度は測定不可能であった。比較例2の光硬化性接着剤は溶剤(シクロヘキサン)を含むため、熱可塑樹脂フィルムへの接触角が大きい上、溶剤を含むため硬化せず、熱可塑樹脂フィルム上への製膜が不可能であった。
実施例1〜7の光硬化性接着剤は熱可塑樹脂フィルムへの親和性が高く、短時間で硬化させても十分な接着強度を得ることができた。これは、光硬化性接着剤が熱可塑樹脂フィルムに迅速に浸透したからと推測される。また、実施例1〜7の光硬化性接着剤により得られた積層体は湿熱処理後の接着強度も高かった。

Claims (10)

  1. 芳香族エポキシ化合物および感光性カチオン開始剤を含む熱可塑樹脂フィルム用光硬化性接着剤であって、
    無溶剤系であり、芳香族エポキシ化合物の含有量が全体の50重量%以上である、熱可塑樹脂フィルム用光硬化性接着剤。
  2. さらに、水酸基、カルボキシル基、およびスルホ基からなる群から選択される1種以上の親水性基を有し、分子量が1000以下である化合物を含む、
    請求項1に記載の光硬化性接着剤。
  3. 粘度が200mPa・s以下であり、熱可塑樹脂フィルムへの接触角が25°以下である、
    請求項1または2に記載の光硬化性接着剤。
  4. 温度60℃、相対湿度90%における水蒸気透過率が2000g/m/日以上である熱可塑樹脂フィルムAと、
    温度60℃、相対湿度90%における水蒸気透過率が1000g/m/日以下である熱可塑樹脂フィルムBとを接着するための、
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の光硬化性接着剤。
  5. 熱可塑樹脂フィルムB上に塗布した30分後に200mJ/cmの光照射で硬化させた際の接着強度1が、
    熱可塑樹脂フィルムB上に塗布した30秒後に200mJ/cmの光照射で硬化させた際の接着強度2の10倍未満である、
    請求項4に記載の光硬化性接着剤。
  6. 温度60℃、相対湿度90%における水蒸気透過率が2000g/m/日以上の熱可塑樹脂フィルムA、
    温度60℃、相対湿度90%における水蒸気透過率が1000g/m/日以下の熱可塑樹脂フィルムB、および
    熱可塑樹脂フィルムAと熱可塑樹脂フィルムBとの間に形成され、請求項1〜5のいずれか1項に記載の光硬化性接着剤を硬化させてなる接着層
    を含む光学積層フィルム。
  7. 温度60℃、相対湿度90%における水蒸気透過率が1000g/m/日以下である熱可塑樹脂フィルムB上に請求項1〜5のいずれか1項に記載の光硬化性接着剤を塗布する工程1、
    工程1で塗布された光硬化性接着剤と、温度60℃、相対湿度90%における水蒸気透過率が2000g/m/日以上である熱可塑樹脂フィルムAとを張り合わせる工程2、および
    光硬化性接着剤を硬化させる工程3を含む、
    光学積層フィルムの製造方法。
  8. 工程1の後、5分以内に工程2および工程3を行う、
    請求項7に記載の光学積層フィルムの製造方法。
  9. 請求項7または8に記載の製造方法により製造された光学積層フィルム。
  10. 温度85℃、相対湿度85%の環境下に100時間保存した後の接着強度が1.5N/20mm以上である、
    請求項6または9に記載の光学積層フィルム。
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