JP2008225014A - 偏光板及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】製造工程が簡易で短時間に製造することができ、耐チップカット性、耐湿熱性、保護フィルム−偏光子間の接着性等に優れた偏光板を提供する。
【解決手段】偏光板1は、ポリビニルアルコール系偏光膜2の両面に、接着剤層3,4を介して、環状オレフィン系樹脂フィルムからなる保護フィルム5,6が積層されてなる。接着剤層3,4は、(A)脂環式エポキシ化合物、(B)数平均分子量が500以上である、式:HO−(R−O−CO−O)−(R−O−CO−O)−R−OH(式中、RおよびRはそれぞれ独立に炭素数2〜12の2価の炭化水素基を表し、Rは、RとRのいずれかと同じ構造を表す。mは2〜150、nは0〜150であり、かつ、m+nは2〜200である。)で表される化合物、及び、(C)光酸発生剤、を含む放射線硬化性組成物の硬化物からなる。
【選択図】図1

Description

本発明は、偏光板及びその製造方法に関する。
近年、文字、画像等を表示する表示装置として液晶表示装置が広く利用されている。このような液晶表示装置は、通常、2枚の偏光板と、その間に配置された、ガラス基板、透明電極、カラーフィルタ、配光膜、液晶等からなる液晶セルを含む。
一般に、液晶表示装置に用いられる偏光板は、延伸配向したポリビニルアルコール(以下、PVAともいう。)系シートにヨウ素又は二色性染料を吸着させた偏光膜(偏光子)の片面又は両面に、トリアセチルセルロース(以下、TACともいう。)系フィルム等の保護フィルムを、接着剤層を介して貼合してなるものである。
このような偏光板としては、ポリビニルアルコール系偏光フィルムの少なくとも片面に保護フィルムがポリビニルアルコール系接着剤層を介して貼合された偏光板において、接着剤層が水溶性エポキシ化合物を含有したポリビニルアルコール系接着剤からなり、接着剤中の水溶性エポキシ化合物とポリビニルアルコール系樹脂の比が(5〜50)/100(固形分重量比)であることを特徴とする偏光板が提案されている(特許文献1)。なお、この文献には、上記保護フィルムが表面をケン化処理したトリアセチルセルロースであることも記載されている。
水系接着剤及びTAC系保護フィルムを用いる特許文献1に記載の技術によると、上記接着剤の水分を、透湿性の高いTAC系保護フィルムを介して蒸散させて、接着剤を硬化させることができる。そのため、比較的簡易な製造工程によって偏光板を得ることができる。また、水系接着剤とTAC系保護フィルムとは接着性が高いため、優れた接着強度を有する偏光板を得ることができる。
しかし、TAC系保護フィルムの高い透湿性ゆえに、耐湿熱性が低いという問題がある。すなわち、車載時等のような高温高湿の環境下においては、変形等を生じることがあり、高い偏光性能を維持し難いという問題がある。
そこで、TAC系保護フィルムに代えて、低い透湿性を有する環状オレフィン系樹脂フィルム(シクロオレフィン系樹脂フィルム;以下、COP系樹脂フィルムともいう。)を用いる方法が提案されている。
例えば、ポリビニルアルコール系樹脂からなる偏光フィルムの一方の面に、ポリエステル系アイオノマー型ウレタン樹脂とグリシジルオキシ基を有する化合物とを含有する水性の組成物から形成された第一の接着剤層を介してシクロオレフィン系樹脂フィルムが積層され、他方の面には、前記第一の接着剤層とは異なる水性の組成の第二の接着剤層を介して酢酸セルロース系フィルムが積層されていることを特徴とする偏光板が提案されている(特許文献2)。
また、偏光子と偏光子の保護フィルムとを接着積層する偏光板の製造方法において、少なくとも水性エマルジョンとポリビニルアルコールとポリイソシアネート化合物とを含有してなり、B型粘度計による粘度(20℃)が0.03〜1Pa・sとなるように調整された水性ウレタン系接着剤を用いて、上記偏光子と保護フィルムとをウェットラミネートすることを特徴とする偏光板の製造方法が提案されている(特許文献3)。なお、この文献には、上記保護フィルムが熱可塑性飽和ノルボルネン系樹脂からなることも記載されている。
特開平09−258023号公報 特開2005−208456号公報 特開2004−37841号公報
特許文献2に記載の技術によると、透湿性の高い酢酸セルロース系フィルムを介して水系接着剤の水分を蒸散させることができるため、特許文献1の技術と同様に、比較的簡易な工程で偏光板を得ることができる。
しかし、透湿性の高い酢酸セルロース系フィルムを片側に有するため、耐湿熱性が未だ不十分であるという問題や、水系接着剤である第1の接着剤層とシクロオレフィン系樹脂フィルムとの接着性が不十分であるという問題がある。
特許文献3に記載の技術によると、偏光子の両面の保護フィルムが熱可塑性飽和ノルボルネン系樹脂からなるため、耐湿熱性の良好な偏光板を得ることができる。
しかし、透湿性の低い保護フィルムを用いているため、水系接着剤である水性ウレタン系接着剤の水分を蒸散させて硬化させるのに長時間を要したり、TAC系フィルムを用いた場合と比べて製造工程が煩雑になるという問題がある。また、熱可塑性飽和ノルボルネン系樹脂からなる保護フィルムは疎水性であるため、水系接着剤との接着性が不十分であるという問題がある。
一方、偏光板の製造に際して、優れた耐チップカット性が求められている。すなわち、偏光板は、通常、偏光板用の積層シートを所望の大きさに裁断して得られるが、この裁断時に、裁断部分(裁断後の端部)で剥離(接着剤層の欠け)が生じることがあるという問題がある。この剥離は、剥離部分の偏光性能を低下させるだけでなく、偏光板の吸湿を促進し、高温高湿下等での変形を引き起こす恐れがある。
次に、偏光板は、液晶表示パネルに粘着剤を介して貼り付けられる。その際、偏光板と液晶表示パネルの間に気泡が入ったり、偏光板にゆがみが出る場合がある。この場合、液晶表示パネルを再利用するため、偏光板を液晶表示パネルから引きはがし、新たな偏光板を貼り合わせる工程が採られる(リワーク工程)。しかしながら、偏光板を形成する保護フィルムと偏光子の接着力が弱い場合には、この偏光板を引き剥がす際に、保護フィルムと偏光子とが剥離してしまうことがある。その場合、液晶表示パネルに保護フィルムが残り、保護フィルムを剥がす工程が付加されるため、製造効率が低下してしまう。
したがって、偏光板の製造時に用いる、保護フィルムと偏光子を接着するための接着剤の特性として、リワークの際にも、偏光子と保護フィルムの間の強固な接着強度(剥離強度)を発揮することが求められる。
本発明は、上述の背景に鑑みてなされたものであって、製造工程が簡易で短時間に製造することができ、耐チップカット性(裁断時に剥離を生じないこと)、耐湿熱性、保護フィルム−偏光子間の接着性(剥離強度)等に優れた偏光板およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、特定の成分を含む放射線硬化性組成物を用いて偏光膜と保護フィルムとを接着することにより、耐チップカット性、接着性(剥離強度)等に優れた偏光板を、簡易な製造工程で短時間に製造することができることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、以下の[1]〜[5]を提供するものである。
[1] ポリビニルアルコール系偏光膜の少なくとも片面に、接着剤層を介して保護フィルムが積層されてなる偏光板であって、上記接着剤層が、(A)脂環式エポキシ化合物、(B)数平均分子量が500以上である、下記式(1)で表される化合物
HO−(R−O−CO−O)−(R−O−CO−O)−R−OH (1)
(式中、RおよびRはそれぞれ独立に炭素数2〜12の2価の炭化水素基を表し、Rは、RまたはRのいずれかの構造を表す。mは2〜150、nは0〜150であり、かつ、m+nは2〜200である。)、及び(C)光酸発生剤、を含む放射線硬化性組成物の硬化物からなることを特徴とする偏光板。
[2] 上記(B)成分の数平均分子量が、1,000以上の分子量を有する化合物である前記[1]の偏光板。
[3] 上記放射線硬化性組成物が、厚さ200μmの硬化物としたときに波長550nmの光の透過率が70%以上である前記[1]又は[2]の偏光板。
[4] 上記保護フィルムが、環状オレフィン系樹脂フィルムからなる前記[1]〜[3]の偏光板。
[5] 前記[1]〜[4]のいずれかの偏光板の製造方法であって、偏光膜の少なくとも片面に、上記放射線硬化性組成物を介して保護フィルムを積層する工程と、該放射線硬化性組成物を光照射して硬化させ、偏光板を得る硬化工程を含む偏光板の製造方法。
本発明の偏光板は、接着剤層が特定の成分組成を有する放射線硬化性組成物の硬化物からなるため、優れた耐チップカット性(裁断時に、接着剤層の剥離を生じないこと)を有する。
本発明の偏光板は、接着剤層が特定の成分組成を有する非水系の放射線硬化性組成物の硬化物からなるため、保護フィルムとして非透湿性である環状オレフィン系樹脂フィルムを用いても、水分の蒸散を要せず、短時間で良好な接着性を得ることができる。また、偏光膜の両面に保護フィルムとして環状オレフィン系樹脂フィルムを適用することもできる。この場合、特に優れた耐湿熱性を得ることができ、高温高湿の環境下であっても高い偏光性能を維持することができる。
本発明の偏光板の製造方法によると、偏光膜の片面又は両面に、接着剤層形成用の放射線硬化性組成物を介して保護フィルムを積層し、該放射線硬化性組成物を放射線照射して硬化させるという簡易な操作によって、偏光板を製造することができる。そのため、水系接着剤を用いる場合のように水分の除去を行なう必要がない。また、保護フィルムとして非透湿性である環状オレフィン系樹脂フィルムを用いる場合であっても、水性の接着剤を用いる場合のように製造工程が煩雑化及び長時間化することがなく、しかも、各層間の接着性に優れた積層フィルムである偏光板を得ることができる。
本発明の偏光板は、ポリビニルアルコール系偏光膜の片面又は両面に、接着剤層を介して保護フィルムが積層されてなる偏光板である。
まず、接着剤層を形成する放射線硬化性組成物の成分(A)〜(C)及びその他の任意成分について詳しく説明する。
[成分(A)]
放射線硬化性組成物を構成する成分(A)は、脂環式エポキシ化合物、好ましくは1分子中に2個以上の脂環式エポキシ基を有する脂環式エポキシ化合物である。1分子中に2個以上の脂環式エポキシ基を有する脂環式エポキシ化合物を成分(A)の全量中に50質量%以上含有すると、良好な硬化速度や機械的強度を保つことができる。
成分(A)として用いられる脂環式エポキシ化合物の具体例としては、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル−5,5−スピロ−3,4−エポキシ)シクロヘキサン−メタ−ジオキサン、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート、3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシル−3’,4’−エポキシ−6’−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、ε−カプロラクトン変性3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、トリメチルカプロラクトン変性3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、β−メチル−δ−バレロラクトン変性3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、メチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサン)、エチレングリコールのジ(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)エーテル、エチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート)、エポキシシクロへキサヒドロフタル酸ジオクチル、エポキシシクロヘキサヒドロフタル酸ジ−2−エチルヘキシル等が挙げられる。
これらの脂環式エポキシ化合物のうち、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ε−カプロラクトン変性3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、トリメチルカプロラクトン変性3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、β−メチル−δ−バレロラクトン変性3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレートがより好ましく、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペートがさらに好ましい。
これらの市販品としては、セロキサイド2021、セロキサイド2021P、セロキサイド2081、セロキサイド2083、セロキサイド2085、エポリードGT−300、エポリードGT−301、エポリードGT−302、エポリードGT−400、エポリード401、エポリード403(以上、ダイセル化学工業(株)製)等が挙げられる。
放射線硬化性組成物中の(A)脂環式エポキシ化合物の含有率は、好ましくは20〜80質量%、より好ましくは25〜70質量%、特に好ましくは30〜60質量%である。該含有率が20質量%未満の場合は、接着剤層の機械的強度及び耐熱性が不十分になる傾向がある。該含有率が80質量%を超えると、放射線硬化性組成物を硬化させてなる接着剤層の反り等の変形が大きくなる傾向がある。
[成分(B)]
放射線硬化性接着剤用組成物を構成する成分(B)は、下記式(1)で示されるポリカーボネートジオールである。
HO−(R−O−CO−O)−(R−O−CO−O)−R−OH (1)
(式中、RおよびRはそれぞれ独立に炭素数2〜12の2価の炭化水素基を表し、Rは、RとRのいずれかと同じ構造を表す。mは5〜150、nは0〜150であり、かつ、m+nは5〜200である。)
成分(B)を含有することで、接着剤硬化物に柔軟性と膜強度を与え、裁断性と剥離強度の両立が可能となる。
成分(B)の製造方法としては特に限定されるものではなく、ジオール化合物とカーボネート化合物のエステル交換反応、ジオール化合物とホスゲンの重縮合反応等、既知の方法が挙げられる。成分(B)の製造に使用されるジオール化合物としては、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,9−ノナンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール等が挙げられる。また、適度な耐裁断性および剥離強度を得るには、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール等の炭素数6の脂肪族炭化水素基を含有するポリカーボネートジオールがより好ましい。
成分(B)の数平均分子量は、500以上、好ましくは1,000以上である。該数平均分子量の上限値は、特に限定されないが、接着剤用組成物の粘度の過度の増大を防ぐ観点から、好ましくは20,000、より好ましくは10,000である。該分子量が500未満であると、耐裁断性を十分に向上させることができないため、好ましくない。なお、本発明において数平均分子量は、特に断わらない限り、ASTM D2503に従い測定した値である。
成分(B)として好適に用いられる化合物の市販品としては、DN−980、981、982、983(以上、日本ポリウレタン社製)、PC−8000(PPG社製)、PC−THF−CD(BASF社製)、クラレポリオールC−590、C−1090、C−2050、C−2090、C−3090、C−2065N、C−2015N(以上、(株)クラレ製)、プラクセルCD CD210PL、プラクセルCD CD220PL(以上、ダイセル化学工業(株)製)などが挙げられる。
放射線硬化性接着剤用組成物中、成分(B)の含有率は、好ましくは3〜30質量%、より好ましくは5〜20質量%、特に好ましくは7〜15質量%である。該含有率が3質量%未満であると、接着剤層の耐裁断性が劣るため好ましくない。一方、上記含有率が30質量%を超えると、放射線硬化性接着剤用組成物の粘度が高くなりすぎて塗工性が悪くなったり、接着剤層と被着体との接着強度が劣ったりするため、好ましくない。
[成分(C)]
放射線硬化性組成物を構成する成分(C)は、光酸発生剤である。
光酸発生剤は、光を受けることによりルイス酸を放出する光カチオン重合開始剤である。
上記光酸発生剤の例として、例えば、下記一般式(2)で表される構造を有するオニウム塩が挙げられる。このオニウム塩は、400nm未満に実質的な光吸収波長を有する。
[R Z]p+[MXq+pp− (2)
(式中、カチオンはオニウムイオンであり、ZはS、Se、Te、P、As、Sb、Bi、O、I、Br、ClまたはN≡Nを示し、R、R、RおよびRは、互いに同一または異なる有機基を示す。a、b、cおよびdは、それぞれ0〜3の整数であって、(a+b+c+d)はZの価数に等しい。Mは、ハロゲン化物錯体[MXq+p]の中心原子を構成する金属またはメタロイドを示し、例えばB、P、As、Sb、Fe、Sn、Bi、Al、Ca、In、Ti、Zn、Sc、V、Cr、Mn、Co等である。Xは例えばF、Cl、Br等のハロゲン原子であり、pはハロゲン化物錯体イオンの正味の電荷であり、qはMの原子価である。)
前記一般式(2)において、オニウムイオンの具体例としては、ジフェニルヨードニウム、4−メトキシジフェニルヨードニウム、ビス(4−メチルフェニル)ヨードニウム、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウム、ビス(ドデシルフェニル)ヨードニウム等のジアリールヨードニウムや、トリフェニルスルホニウム、ジフェニル−4−チオフェノキシフェニルスルホニウム等のトリアリールスルホニウムや、ビス[4−(ジフェニルスルホニオ)−フェニル]スルフィド、ビス[4−(ジ(4−(2−ヒドロキシエチル)フェニル)スルホニオ)−フェニル]スルフィド、η−2,4−(シクロペンタジエニル)[1,2,3,4,5,6−η]−(メチルエチル)−ベンゼン]−鉄(1+)等が挙げられる。
前記一般式(2)において、アニオン[MXq+p]の具体例としては、テトラフルオロボレート(BF )、ヘキサフルオロホスフェート(PF )、ヘキサフルオロアンチモネート(SbF )、ヘキサフルオロアルセネート(AsF )、ヘキサクロロアンチモネート(SbCl )等が挙げられる。
また、一般式[MX(OH)]で表されるアニオンを有するオニウム塩を使用することができる。さらに、過塩素酸イオン(ClO )、トリフルオロメタンスルフォン酸イオン(CFSO )、フルオロスルフォン酸イオン(FSO )、トルエンスルフォン酸イオン、トリニトロベンゼンスルフォン酸アニオン、トリニトロトルエンスルフォン酸アニオン等の他のアニオンを有するオニウム塩を使用することもできる。
成分(C)として用いられるオニウム塩の例としては、例えば特開昭50−151996号公報、特開昭50−158680号公報等に記載の芳香族ハロニウム塩、特開昭50−151997号公報、特開昭52−30899号公報、特開昭56−55420号公報、特開昭55−125105号公報等に記載のVIA族芳香族オニウム塩、特開昭50−158698号公報等に記載のVA族芳香族オニウム塩、特開昭56−8428号公報、特開昭56−149402号公報、特開昭57−192429号公報等に記載のオキソスルホキソニウム塩、特開昭49−17040号公報等に記載の芳香族ジアゾニウム塩、米国特許第4, 139, 655号明細書に記載のチオビリリウム塩等が挙げられる。また、鉄/アレン錯体、アルミニウム錯体/光分解ケイ素化合物系開始剤等も挙げることができる。成分(C)として好ましく用いられる光酸発生剤は、ジアリールヨードニウム塩、トリアリールスルホニウム塩等の芳香族オニウム塩等であり、より好ましくはトリアリールスルホニウム塩である。
(C)光酸発生剤の市販品の例としては、UVI−6950、UVI−6970、UVI−6974、UVI−6990(以上、ユニオンカーバイド社製)、アデカオプトマーSP−150、SP−151、SP−170、SP−172(以上、旭電化工業(株)製)、Irgacure
261(以上、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)、CI−2481、CI−2624、CI−2639、CI−2064(以上、日本曹達(株)製)、CD−1010、CD−1011、CD−1012(以上、サートマー社製)、DTS−102、DTS−103、NAT−103、NDS−103、TPS−103、MDS−103、MPI−103、BBI−103(以上、みどり化学(株)製)、PCI−061T、PCI−062T、PCI−020T、PCI−022T(以上、日本化薬(株)製)、CPI−110A、CPI−101A(以上、サンアプロ(株))等を挙げることができる。これらのうち、UVI−6970、UVI−6974、アデカオプトマーSP−170、SP−172、CD−1012、MPI−103、CPI−110A、CPI−101Aは、これらを含有してなる組成物に高い光硬化感度を発現させることができることから特に好ましい。上記の光酸発生剤は、1種単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。
なお、光酸発生剤による酸の発生を促進させるために、増感剤を併用してもよい。増感剤の例としては、ジヒドロキシベンゼン、トリヒドロキシベンゼン、ヒドロキシアセトフェノン、ジヒドロキシジフェニルメタン等が挙げられる。
放射線硬化性組成物中、(C)光酸発生剤の含有率は、好ましくは0.1〜10重量%、より好ましくは0.2〜5重量%、特に好ましくは0.3〜3重量%である。該含有率が0.1質量%未満であると、放射線硬化性組成物の放射線硬化性が低下し、十分な機械的強度を有する接着剤層を形成することができないため、好ましくない。該含有率が10質量%を超えると、光酸発生剤が接着剤層の長期特性に悪影響を及ぼす可能性があるため、好ましくない。
[成分(D)]
放射線硬化性組成物は、さらに成分(D)として、脂肪族エポキシ化合物を含むことができる。成分(D)(脂肪族エポキシ化合物)は、接着剤層の機械的強度等をコントロールするために添加される任意成分である。
脂肪族エポキシ化合物の具体例としては、例えば1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル類;エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン等の脂肪族多価アルコールに1種又は2種以上のアルキレンオキサイドを付加することにより得られるポリエーテルポリオールのポリグリシジルエーテル類;脂肪族長鎖二塩基酸のジグリシジルエステル類;脂肪族高級アルコールのモノグリシジルエーテル類;高級脂肪酸のグリシジルエステル類;エポキシ化大豆油;エポキシステアリン酸ブチル;エポキシステアリン酸オクチル;エポキシ化アマニ油;エポキシ化ポリブタジエン等が挙げられる。
放射線硬化性組成物中、(D)脂肪族エポキシ化合物の含有率は、好ましくは0〜50質量%、より好ましくは0〜45質量%、特に好ましくは0〜40質量%である。該含有率が50質量%を超えると、必須成分である(A)脂環式エポキシ化合物等の含有率が小さくなり、本発明の効果が得られ難くなるため好ましくない。
また、本発明で用いる放射線硬化性組成物には、本発明の目的、効果を損なわない範囲において、その他の任意成分として各種の添加剤を配合することができる。かかる添加剤としては、エポキシ樹脂、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリウレタン、ポリブタジエン、ポリクロロプレン、ポリエーテル、ポリエステル、スチレン−ブタジエンブロック共重合体、石油樹脂、キシレン樹脂、ケトン樹脂、セルロース樹脂、フッ素系オリゴマー、シリコーン系オリゴマー、ポリスルフィド系オリゴマー等のポリマーあるいはオリゴマー;フェノチアジン、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール等の重合禁止剤;重合開始助剤;レベリング剤;濡れ性改良剤;界面活性剤;可塑剤;紫外線吸収剤;シランカップリング剤;無機充填剤;顔料;染料等を挙げることができる。
放射線硬化性組成物は、上記成分(A)〜(C)、及び必要に応じて上記任意成分を均一に混合することによって調製することができる。このようにして得られる放射線硬化性組成物の粘度(25℃)は、通常2,000mPa・s以下、好ましくは500mPa・s以下、より好ましくは300mPa・s以下である。
なお、放射線硬化性組成物には、必要に応じて有機溶媒等の溶剤を添加することができる。しかし、本発明においては、無溶剤でも放射線硬化性組成物を調製することができる。本発明においては、作業環境の維持、環境負荷等の面から、溶剤を含まないことが好ましい。
また、放射線硬化性接着剤組成物は、厚さ200μmの硬化物である場合の波長550nmの光の透過率が、好ましくは70%以上、より好ましくは80%以上のものである。上記の透過率が70%未満になると、偏光板自体の透過率も低下してしまうため好ましくない。
また、放射線硬化性組成物はフィルター等で濾過したものを使用することも好ましい。
次に、図面を適宜参照しながら、本発明の偏光板及びその製造方法について説明する。
図1は、本発明の偏光板の一例を模式的に示す断面図である。図2は、本発明の偏光板の製造方法の一例を示すフロー図である。
図1中、偏光板1は、ポリビニルアルコール系偏光膜2と、この偏光膜2の両面(下面及び上面)に形成された接着剤層3,4と、これら接着剤層3,4の各々の片面(具体的には、接着剤層3の下面及び接着剤層4の上面)に積層して形成された保護フィルム5,6とからなる。
[偏光膜]
偏光膜としては、ポリビニルアルコール系偏光膜(以下、PVA系偏光膜ともいう。)が用いられる。PVA系偏光膜は、偏光膜として一般的に用いられるものであり、ポリビニルアルコール系フィルムにヨウ素または二色染料を吸着させて延伸配向したものである。
偏光膜の厚さは、特に限定されないが、例えば10〜40μmとなるように定められる。
[接着剤層]
接着剤層は、上述の放射線硬化性組成物を放射線硬化させてなる硬化物層である。
上述の放射線硬化性組成物を用いて接着剤層を形成することにより、優れた耐チップカット性を得ることができ、また、保護フィルムがCOP系、TAC系のいずれであっても、保護フィルムと接着剤層との接着強度を優れたものとすることができる。
接着剤層の厚さは、特に限定されないが、例えば0.01〜5.0μmとなるように定められる。
[保護フィルム]
保護フィルムとしては、例えば、トリアセチルセルロースのようなアセテート系樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂等のポリエステル系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、環状オレフィン系樹脂、アクリル系樹脂などの光学的に透明な樹脂からなるフィルムが用いられる。中でも、環状オレフィン系樹脂フィルム(COP系フィルム)、トリアセチルセルロース系樹脂フィルム(TAC系フィルム)が好ましい。
偏光板の構成としては、以下の(1)〜(3)が挙げられる。
(1)TAC系フィルム/接着剤層/PVA系偏光膜/接着剤層/TAC系フィルム
(2)TAC系フィルム/接着剤層/PVA系偏光膜/接着剤層/COP系フィルム
(3)COP系フィルム/接着剤層/PVA系偏光膜/接着剤層/COP系フィルム
本発明においては、少なくとも1つの保護フィルムがCOP系フィルムであることが好ましい。すなわち、偏光板の構成として、上記(2)、(3)が好ましく、上記(3)がより好ましい。上記(2)、(3)の構成によると、透湿性の低いCOP系フィルムを保護フィルムとして用いているため、耐湿熱性に優れた偏光板を得ることができる。
本発明においては、上下の保護フィルムのうち、一方の保護フィルムは、紫外線吸収剤防止性の保護フィルムであり、他方の保護フィルムは紫外線透過性の保護フィルムであることが必要である。
上記紫外線防止性の保護フィルムは、偏光板が液晶セルの両面に配置される場合に、外部の紫外線から液晶セルを守る役割を果たすものである。紫外線防止性の保護フィルムには、紫外線吸収剤が適宜配合される。紫外線防止性の保護フィルムの波長380nmにおける光の透過率は、例えば、10%以下である。
上記紫外線透過性の保護フィルムは、当該保護フィルムの側から放射線照射(光照射)を行うことにより、放射線硬化性組成物を硬化させるためのものである。紫外線透過性の保護フィルムは、紫外線吸収剤を含まないか、又は含むとしても当該保護フィルムを介して光を照射して放射線硬化性組成物を硬化させることができる程度に含む。紫外線透過性の保護フィルムの波長380nmにおける光の透過率は、例えば、60%以上である。
保護フィルムには、位相差を設けることもできる。
保護フィルムの厚さは、特に限定されないが、例えば10〜200μmとなるように定められる。
また、保護フィルムは放射線硬化性組成物の塗布前に各種表面処理を行うこともできる。
(環状オレフィン系樹脂フィルム)
なお、上述の環状オレフィン系樹脂フィルムとしては、環状オレフィン系化合物を少なくとも1種含む単量体組成物を重合し、また必要に応じてさらに水素添加して得られた樹脂からなるフィルムが好適である。
上記環状オレフィン系化合物としては、例えば、下記一般式(3)で表される環状オレフィン系化合物を挙げることができる。
Figure 2008225014
(式(3)中、R〜R11は、各々独立して水素原子;ハロゲン原子;酸素、窒素、イオウまたはケイ素を含む連結基を有していてもよい置換または非置換の炭素数1〜15の炭化水素基もしくはその他の1価の有機基を表す。あるいはRとRもしくはR10とR11が相互に結合してアルキリデン基を形成していてもよく、RとR、R10とR11またはRとR10とが相互に結合して炭素環または複素環(これらの炭素環または複素環は単環構造でもよいし、他の環が縮合して多環構造を形成してもよい。)を形成してもよい。形成される炭素環または複素環は芳香環でもよいし非芳香環でもよい。また、xは0または1〜3の整数、yは0または1を表すが、xが0のときはyも0である。)
一般式(3)で表される環状オレフィン系化合物の具体例としては、例えば、以下に示す化合物が例示できるが、これらの例示物に限定されるものではない。
・ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン(ノルボルネン)
・5−メチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
・5−エチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
・5−シクロヘキシル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
・5−フェニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
・5−(4−ビフェニル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
・5−メトキシカルボニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
・5−フェノキシカルボニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
・5−フェノキシエチルカルボニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
・5−フェニルカルボニルオキシ−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
・5−メチル−5−メトキシカルボニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
・5−メチル−5−フェノキシカルボニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
・5−メチル−5−フェノキシエチルカルボニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
・5−ビニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
・5−エチリデン−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
・5,5−ジメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
・5,6−ジメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
・5−フルオロ−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
・5−クロロ−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
・5−ブロモ−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
・5,6−ジフルオロ−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
・5,6−ジクロロ−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
・5,6−ジブロモ−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
・5−ヒドロキシ−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
・5−ヒドロキシエチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
・5−シアノ−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
・5−アミノ−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
・トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン
・トリシクロ[4.4.0.12,5]ウンデカ−3−エン
・7−メチル−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン
・7−エチル−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン
・7−シクロヘキシル−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン
・7−フェニル−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン
・7−(4−ビフェニル)−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン
・7,8−ジメチル−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン
・7,8,9−トリメチル−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン
・8−メチル−トリシクロ[4.4.0.12,5]ウンデカ−3−エン
・8−フェニル−トリシクロ[4.4.0.12,5]ウンデカ−3−エン
・7−フルオロ−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン
・7−クロロ−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン
・7−ブロモ−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン
・7,8−ジクロロ−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン
・7,8,9−トリクロロ−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン
・7−クロロメチル−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン
・7−ジクロロメチル−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン
・7−トリクロロメチル−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン
・7−ヒドロキシ−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン
・7−シアノ−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン
・7−アミノ−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン
・テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン
・ペンタシクロ[7.4.0.12,5.18,11.07,12]ペンタデカ−3−エン
・ヘキサシクロ[8.4.0.12,5.17,14.19,12.08,13]ヘプタデカ−3−エン
・8−メチル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン
・8−エチル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン
・8−シクロヘキシル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン
・8−フェニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン
・8−(4−ビフェニル)−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン
・8−メトキシカルボニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン
・8−フェノキシカルボニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン
・8−フェノキシエチルカルボニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン
・8−フェニルカルボニルオキシ−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン
・8−メチル−8−メトキシカルボニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン
・8−メチル−8−フェノキシカルボニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン
・8−メチル−8−フェノキシエチルカルボニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン
・8−ビニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン
・8−エチリデン−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン
・8,8−ジメチル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン
・8,9−ジメチル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン
・8−フルオロ−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン
・8−クロロ−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン
・8−ブロモ−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン
・8,8−ジクロロ−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン
・8,9−ジクロロ−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン
・8,8,9,9−テトラクロロ−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン
・8−ヒドロキシ−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン
・8−ヒドロキシエチル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン
・8−メチル−8−ヒドロキシエチル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン
・8−シアノ−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン
・8−アミノ−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン
なお、これら環状オレフィン系化合物は1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記環状オレフィン系化合物の種類および量は、得られる樹脂に求められる特性により適宜選択される。
環状オレフィン系化合物として、その分子内に酸素原子、窒素原子、イオウ原子もしくはケイ素原子から選ばれた少なくとも1種の原子を少なくとも1個含む構造(以下、「極性構造」という。)を有する化合物を用いると、他素材との接着性や密着性に優れるため好ましい。特に、前記式(3)中、RおよびR10が水素原子、または炭素数1〜3の炭化水素基、好ましくは水素原子、またはメチル基であり、RまたはR11のいずれか一つが極性構造を有する基であって、他が水素原子または炭素数1〜3の炭化水素基である化合物は、樹脂の吸水(湿)性が低く、好ましい。さらに、極性構造を有する基が下記一般式(4)で表わされる基である環状オレフィン系化合物は、得られる樹脂の耐熱性と吸水(湿)性とのバランスがとりやすく、好ましく用いることができる。
−(CH2zCOOR12 ・・・(4)
(式(4)中、R12は置換または非置換の炭素数1〜15の炭化水素基を表し、zは0〜10の整数を表す。)
一般式(4)において、zの値が小さいものほど、得られる水素添加物のガラス転移温度が高くなり耐熱性に優れるので、zが0〜3の整数であることが好ましい。更に、zが0である単量体は、その合成が容易である点で好ましい。また、前記一般式(4)におけるRは、炭素数が多いほど、得られる重合体の水素添加物の吸水(湿)性が低下する傾向にあるが、ガラス転移温度が低下する傾向もあるので、耐熱性を保持する観点からは炭素数1〜10の炭化水素基が好ましく、炭素数1〜6の炭化水素基が特に好ましい。
なお、前記一般式(3)において、前記一般式(4)で表される基が結合した炭素原子に炭素数1〜3のアルキル基、特にメチル基が結合していると、耐熱性と吸水(湿)性のバランスの点で好ましい。さらに、前記一般式(3)において、xが0または1でありyが0である化合物は、反応性が高く、高収率で重合体が得られること、また、耐熱性が高い重合体水素添加物が得られること、さらに工業的に入手しやすいことから好適に用いられる。
上記環状オレフィン系樹脂においては、上記環状オレフィン系化合物と共重合可能な他の単量体を単量体組成物に含ませて重合することができる。
上記共重合可能な他の単量体として、例えば、シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘプテン、シクロオクテン、シクロドデセンなどの環状オレフィンや1,4−シクロオクタジエン、ジシクロペンタジエン、シクロドデカトリエンなどの非共役環状ポリエンを挙げることができる。
これらの共重合可能な他の単量体は、1種単独で用いてもよいし2種以上を併用してもよい。
上記環状オレフィン系化合物を含む単量体組成物の重合方法としては、例えば、特開2006−201736号公報、特開2005−164632号公報等に記載されたメタセシス開環重合や付加重合による公知の方法を用いることができる。
また、得られた(共)重合体の水素添加の方法についても、上記の文献に記載された公知の方法を用いることができる。
水素添加重合体の水素添加率は、500MHz、1H−NMRで測定した値として、好ましくは50%以上、より好ましくは70%以上、さらに好ましくは90%以上、特に好ましくは99%以上である。水素添加率が高いほど、熱や光に対する安定性が優れたものとなり、長期にわたって安定した特性を得ることができる。
環状オレフィン系樹脂の固有粘度〔η〕inhは、好ましくは0.2〜2.0dl/g、さらに好ましくは0.35〜1.0dl/g、特に好ましくは0.4〜0.85dl/gである。
環状オレフィン系樹脂の、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定したポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)は、好ましくは5,000〜100万、さらに好ましくは1万〜50万、特に好ましくは1.5万〜25万である。
環状オレフィン系樹脂の重量平均分子量(Mw)は、好ましくは1万〜200万、より好ましくは2万〜100万、特に好ましくは3万〜50万である。
環状オレフィン系樹脂のガラス転移温度(Tg)は、好ましくは120℃以上、より好ましくは130℃以上、特に好ましくは150℃以上である。
環状オレフィン系樹脂の飽和吸水率は、好ましくは1質量%以下、より好ましくは0.1〜0.8質量%である。飽和吸水率が1質量%を超える場合、該樹脂から得られる保護フィルムが、使用される環境によっては経時的に吸水(湿)して変形するなど、耐久性に問題が生じることがある。一方、0.1重量%未満の場合、接着性に問題が生じることがある。なお、前記飽和吸水率はASTM D570に従い、23℃の水中で1週間浸漬して増加質量を測定することにより得られる値である。
本発明においては、本発明の効果を損なわない範囲において、さらに、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の添加剤を添加することができる。
酸化防止剤としては、例えば2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2,2’−ジオキシ−3,3’−ジ−t−ブチル−5,5’−ジメチルジフェニルメタン、テトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタンなどが挙げられる。
紫外線吸収剤としては、例えば2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノンなどが挙げられる。
(環状オレフィン系樹脂フィルムの製造方法)
環状オレフィン系樹脂フィルムの製造方法については、特開2006−201736号公報、特開2005−164632号公報等に記載された公知の方法を用いることができる。すなわち、環状オレフィン系樹脂フィルムは、前記環状オレフィン系樹脂を直接溶融成形することにより、あるいは溶媒に溶解しキャスティング(キャスト成形)する方法により好適に成形することができる。
次に、偏光板の製造方法について説明する。
本発明の偏光板の製造方法は、偏光膜の少なくとも片面(具体的には片面又は両面)に、保護フィルムを、液状の放射線硬化性組成物を介して積層した後、この液状の放射線硬化性組成物を放射線(例えば、紫外線)照射して硬化させるものである。
図2中、偏光板1の製造方法は、ポリビニルアルコール系偏光膜2を準備する工程(a)と、保護フィルム5,6の各々の片面に接着剤層形成用の放射線硬化性組成物を塗布して、保護フィルム5,6と放射線硬化性組成物層3’,4’との積層体5’,6’を得る工程(b)と、ポリビニルアルコール系偏光膜2の上面及び下面の各々に、積層体5’,6’を、組成物層3’,4’が偏光膜2の面に対峙するように積層する工程(c)と、光照射により組成物層3’,4’を硬化させて、接着剤層3,4を形成する工程(d)を含む。
以下、工程ごとに説明する。
[工程(a)]
工程(a)は、ポリビニルアルコール系偏光板2を準備する工程である(図2中の(a)参照)。
[工程(b)]
工程(b)は、保護フィルム5(6)の片面に、接着剤層形成用の放射線硬化性組成物を塗布して、組成物層3’,4’を有する保護フィルム5’,6’を得る工程である(図2中の(b)参照)。
具体的には、保護フィルム5,6の各々の片面に、接着剤層形成用の放射線硬化性組成物を塗布し、必要に応じて乾燥等を行って、放射線硬化性組成物からなる層3’,4’を形成する。
放射線硬化性組成物の塗布方法としては、特に限定されないが、例えばダイコート法、ロールコート法、グラビアコート法、スピンコート法などが挙げられる。
[工程(c)]
工程(c)は、ポリビニルアルコール系偏光膜2の上面及び下面の各々に、保護フィルム5,6と放射線硬化性組成物層3’,4’との積層体5’,6’を積層する工程である(図2中の(c)参照)。積層体5’は、組成物層3’が偏光膜2の下面に対峙するように積層される。積層体6’は、組成物層4’が偏光膜2の上面に対峙するように積層される。
[工程(d)]
工程(d)は、放射線7を照射することにより組成物層3’,4’を硬化させ、接着剤層3,4を形成させる工程である(図2中の(d),(e)参照)。
具体的には、保護フィルム6の上面から、放射線7を照射する。これにより、放射線硬化性組成物層3’,4’を硬化させて接着剤層3,4とし、偏光膜2と保護フィルム5,6とが接着剤層3,4を介して接着されてなる偏光板1が完成する(図1、図2中の(e)参照)。
放射線の照射量は、特に限定されるものではないが、波長200〜450nm、照度1〜500mW/cm2の光を、照射量が10〜10,000mJ/cm2となるように照射して露光することが好ましい。
照射する放射線の種類としては、可視光、紫外線、赤外線、X線、α線、β線、γ線等を用いることができるが、特に紫外線が好ましい。光の照射装置としては、例えば、高圧水銀ランプ、低圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、エキシマランプ等を用いることが好ましい。
なお、本発明において、放射線は、紫外線透過性の保護フィルムの側から照射される。図2には、保護フィルム6が紫外線透過性の保護フィルムである場合を示す。
得られた偏光板は、通常、裁断等の加工が施されて使用される。
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。
[1.接着剤層形成用の放射線硬化性組成物の調製]
攪拌装置付きの容器に、表1に示す配合割合で、成分(A)〜(C)及び任意成分を投入し、4時間攪拌し均一に混合した。攪拌を停止し、24時間静置して、実施例1〜8に用いる放射線硬化性組成物を得た。同様に、比較例1〜5に用いる放射線硬化性組成物を得た。
なお、表1中の各成分の化合物名は、次のとおりである。
(A)成分:
(A−1) セロキサイド2021P: 3,4−エポキシシクロヘキセニルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキセンカルボキシレート(ダイセル社製)
(A−2) KRM2199:ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート(アデカ社製)
(B)成分:
(B−1) クラレポリオールC−590: ポリ((3−メチル−1,5−ペンタンジオール;1,6−ヘキサンジオール)カーボネート)(クラレ社製;数平均分子量500)
(B−2) クラレポリオールC−1090: ポリ((3−メチル−1,5−ペンタンジオール;1,6−ヘキサンジオール)カーボネート)(クラレ社製;数平均分子量1,000)
(B−3) クラレポリオールC−2050: ポリ((3−メチル−1,5−ペンタンジオール;1,6−ヘキサンジオール)カーボネート)(クラレ社製;数平均分子量2,000)
(B−4) クラレポリオールC−2090: ポリ((3−メチル−1,5−ペンタンジオール;1,6−ヘキサンジオール)カーボネート)(クラレ社製;数平均分子量2,000)
(B−5) クラレポリオールC−3090: ポリ((3−メチル−1,5−ペンタンジオール;1,6−ヘキサンジオール)カーボネート)(クラレ社製;数平均分子量3,000)
(B−6) クラレポリオールC−2065N: ポリ((1,9−ノナンジオール;2−メチル−1,8−オクタンジオール)カーボネート)(クラレ社製;数平均分子量2,000)
(B−7) クラレポリオールC−2015N: ポリ((1,9−ノナンジオール;2−メチル−1,8−オクタンジオール)カーボネート)(クラレ社製;数平均分子量2,000)
(C)成分:
CPI−110A: ジフェニル[4−(フェニルチオ)フェニル]スルホニウムヘキサフルオロアンチモナート(サンアプロ社製)
他成分:
SR−NPG: ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル(阪本薬品工業社製)
サンニックスGP−400: ポリオキシプロピレングリセリルエーテル(三洋化成工業社製)
クラレポリオールP−510: ポリ[(3−メチル−1,5−ペンタンジオール)−alt−(アジピン酸)](クラレ社製)
クラレポリオールP−1010: ポリ[(3−メチル−1,5−ペンタンジオール)−alt−(アジピン酸)](クラレ社製)
プレミノールPPG4000: ポリプロピレングリコール(旭硝子社製)
Figure 2008225014
Figure 2008225014
[2.接着用基材の製造または準備]
[製造例1]
三井化学社製の「アペルAPL6013T」(商品名)をシクロペンタンに溶解させ、樹脂濃度30重量%の樹脂溶液とした。この樹脂溶液をポリエチレンテレフタレートフィルム上にバーコーターで塗布し、1時間静置した後、80℃で12時間乾燥させて膜厚72μmのアペルフィルムを得た。
[製造例2]
ポリプラスチックス社製の「TOPAS5013」(商品名)を塩化メチレンに溶解させた以外は製造例と同様の操作を行い、75μmのトパスフィルムを得た。
[製造例3]
セルロースアセテート(酸化度60.8%)100重量部、トリフェニルホスフェート12重量部、塩化メチレン300重量部、メタノール50重量部を密閉容器に投入し、加圧下で80℃に保温し撹伴しながら完全に溶解した。次にこの溶液を濾過し、冷却して30℃に保ち、カラス基板に貼り付けたPETフィルム上に15ミルのアプリケーターで塗布した。この状態で5分間静置した後、更に100℃のオーブンで1時間乾燥を終了させ、膜厚80μmのTACフィルム1(紫外線吸収剤無し)を得た。
[製造例4]
ホウ酸20重量部、ヨウ素0.2重量部、ヨウ化カリウム0.5重量部を水480重量部に溶解させて染色液を調製した。この染色液にPVAフィルム(ビニロンフィルム#40、アイセロ社製)を、30秒浸漬した後、フィルムを一方向に2倍に延伸し、乾燥させて、膜厚30μmのPVAフィルムを作製した。
表1中に記載した他のフィルムとして、以下のものを使用した。
TACフィルム2:富士写真フイルム社製 「フジタック80D」(商品名)
アートンR5300:JSR社製 (商品名)
アートンR5300U:JSR社製 紫外線吸収剤入りフィルム (商品名)
ゼオノアフィルム:日本ゼオン社製 「ゼオノアZF14−100」(商品名)
なお、PVAフィルム以外のフィルムは、コロナ表面処理装置(春日電機社製の「AGF−012」)を用い、320W・分/mの放電量でフィルム表面にコロナ放電処理を行い、表面処理後1時間以内に接着を実施した。
[3.偏光板の製造]
[実施例1]
実施例1の接着剤組成物を、ワイヤーバーコーター#3を用いてTACフィルム2(保護フィルム1)上に塗工し、その上に製造例4のPVAフィルムを気泡等の欠陥が入らないように貼合した。次に製造例3のTACフィルム1(保護フィルム2)上に、実施例1の接着剤組成物を、ワイヤーバーコーター#3を用いて塗工し、上記貼合したフィルムのPVA上に、気泡等の欠陥が入らないように貼合した。ガラス板上に、保護フィルム2が上になるように保護フィルム2の四方をテープで固定し、メタルハライドランプ(照度220mW/cm、照射光量1,000mJ/cm)で保護フィルム2の側から光照射した。光照射の後、23℃、50%RHで24時間静置し、評価用の偏光板とした。
[実施例2〜8、比較例1〜5]
放射線硬化性組成物を表1のように変えた以外は実施例1と同様にして偏光板を製造した。
[接着剤組成物の550nmでの透過率]
ガラス板上に、PETフィルム(膜厚188μm、表面未処理品)を粘着剤で固定し、PETフィルム上にギャップ15ミルのアプリケーターを用い、実施例および比較例の接着剤組成物を塗布した。この塗膜に、メタルハライドランプ(照度220mW/cm、照射光量1,000mJ/cm)で光照射し、組成物を硬化させ、23℃、50%RHで24時間静置した。PETフィルムから硬化物を剥離し、膜厚が200±5μmであることを確認した後、U−3410型自記分光光度計(日立製作所製)で、空気をリファレンスとして550nmの透過率を測定した。
[4.偏光板の評価]
[耐チップカット性]
スーパーダンベルカッター(SSK−12862−06、ダンベル社製)および、SD型レバー式試料裁断機(SDL−200、ダンベル社製)を用い、作製した偏光板を、50mm×80mmの大きさに打ち抜いた。打ち抜いた偏光板の周辺を目視で観察し、初期特性とした。剥がれ無しを「◎」、端部に筋状の模様が見られたが剥がれていない場合を「○」、端部に剥がれが観察されたものを「×」とした。
[剥離強度]
作製した偏光板の剥離強度は、JIS K 6854−4 接着剤―剥離接着強さ試験法 第4部:浮動ローラ法に準じて測定した。作製した偏光板を金属板(ステンレス製、寸法:長さ200mm、幅25mm、厚み1.5mm)上に両面粘着テープ(ST−416P、住友スリーエム社製)で固定した。カッターナイフを用い、偏光板の長手方向の端を剥離した。JIS法に従い、浮動ローラにサンプルを取り付け、剥離したフィルムサンプルの端を引っ張り試験機のつかみ具に固定し、引っ張り試験機にて浮動ローラを300mm/分の速度で上昇させ、フィルムが剥離するときの平均はく離力(単位 N)を測定した。
剥離強度の評価は、平均剥離力が1.5N以上、もしくは偏光板が破壊あるいは偏光板の端を剥離できない場合を剥離強度◎、平均剥離力が0.8N以上1.5N未満の場合を、剥離強度「○」、平均剥離力が0.8N未満の場合を剥離強度「×」とした。
結果を表2に示す。
表2から、実施例1〜8の偏光板は、耐チップカット性、及び、保護フィルムと偏光子の間の接着性(剥離強度)に優れていることがわかる。一方、比較例1〜5の偏光板は、耐チップカット性と、保護フィルムと偏光子の間の接着性(剥離強度)のいずれか一方または両方が劣る。
本発明の偏光板の一例を模式的に示す断面図である。 本発明の偏光板の製造方法の一例を示すフロー図である。
符号の説明
1 偏光板
2 ポリビニルアルコール系偏光膜
3 接着剤層
3’ 放射線硬化性組成物からなる層
4 接着剤層
4’ 放射線硬化性組成物からなる層
5 保護フィルム
5’ 保護フィルム5と放射線硬化性組成物からなる層3’との積層体
6 保護フィルム
6’ 保護フィルム6と放射線硬化性組成物からなる層4’との積層体
7 放射線(紫外線)

Claims (5)

  1. ポリビニルアルコール系偏光膜の少なくとも片面に、接着剤層を介して保護フィルムが積層されてなる偏光板であって、上記接着剤層が、(A)脂環式エポキシ化合物、(B)数平均分子量が500以上である、下記式(1)で表される化合物
    HO−(R−O−CO−O)−(R−O−CO−O)−R−OH (1)
    (式中、RおよびRはそれぞれ独立に炭素数2〜12の2価の炭化水素基を表し、Rは、RとRのいずれかと同じ構造を表す。mは2〜150、nは0〜150であり、かつ、m+nは2〜200である。)、及び
    (C)光酸発生剤、を含む放射線硬化性組成物の硬化物からなることを特徴とする偏光板。
  2. 上記(B)成分の数平均分子量が、1,000以上である請求項1に記載の偏光板。
  3. 上記放射線硬化性組成物が、厚さ200μmの硬化物としたときに波長550nmの光の透過率が70%以上である請求項1〜3のいずれか1項に記載の偏光板。
  4. 上記保護フィルムが、環状オレフィン系樹脂フィルムからなる請求項1〜3のいずれか1項に記載の偏光板。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の偏光板の製造方法であって、偏光膜の少なくとも片面に、上記放射線硬化性組成物を介して保護フィルムを積層する工程と、該放射線硬化性組成物を光照射して硬化させ、偏光板を得る硬化工程を含む偏光板の製造方法。
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