JP2008249885A - 偏光板及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】製造工程が簡易で短時間に製造することができ、帯電防止性に優れた偏光板を提供する。
【解決手段】ポリビニルアルコール系偏光膜の少なくとも片面に、接着剤層を介して保護フィルムが積層されてなる偏光板であって、上記保護フィルムの少なくとも片面が、2層以上の樹脂層を有する帯電防止フィルムであって、前記樹脂層がいずれも環状オレフィン系樹脂を含み、少なくとも一方の表面層を形成する樹脂層が、帯電防止剤を含む帯電防止層であり、各層を形成する環状オレフィン系樹脂を、Tダイを用いて同時に溶融押出成形し、溶融状態で積層されたものであり、かつ、上記接着剤層が、(A)脂環式エポキシ化合物、(B)水酸基を少なくとも1個含有し、数平均分子量が500以上である化合物、及び(C)光酸発生剤、を含む放射線硬化性組成物の硬化物からなることを特徴とする偏光板。
【選択図】図1

Description

本発明は、偏光板及びその製造方法に関する。
近年、文字、画像等を表示する表示装置として液晶表示装置が広く利用されている。このような液晶表示装置は、通常、2枚の偏光板と、その間に配置された、ガラス基板、透明電極、カラーフィルタ、配光膜、液晶等からなる液晶セルを含む。
一般に、液晶表示装置に用いられる偏光板は、延伸配向したポリビニルアルコール(以下、PVAともいう。)系シートにヨウ素又は二色性染料を吸着させた偏光膜(偏光子)の片面又は両面に、トリアセチルセルロース(以下、TACともいう。)系フィルム等の保護フィルムを、接着剤層を介して貼合してなるものである。
このような偏光板としては、ポリビニルアルコール系偏光フィルムの少なくとも片面に保護フィルムがポリビニルアルコール系接着剤層を介して貼合された偏光板において、接着剤層が水溶性エポキシ化合物を含有したポリビニルアルコール系接着剤からなり、接着剤中の水溶性エポキシ化合物とポリビニルアルコール系樹脂の比が(5〜50)/100(固形分重量比)であることを特徴とする偏光板が提案されている(特許文献1)。なお、この文献には、上記保護フィルムが表面をケン化処理したトリアセチルセルロースであることも記載されている。
水系接着剤及びTAC系保護フィルムを用いる特許文献1に記載の技術によると、上記接着剤の水分を、透湿性の高いTAC系保護フィルムを介して蒸散させて、接着剤を硬化させることができる。そのため、比較的簡易な製造工程によって偏光板を得ることができる。また、水系接着剤とTAC系保護フィルムとは接着性が高いため、優れた接着強度を有する偏光板を得ることができる。
しかし、TAC系保護フィルムの高い透湿性ゆえに、耐湿熱性が低いという問題がある。すなわち、車載時等のような高温高湿の環境下においては、変形等を生じることがあり、高い偏光性能を維持し難いという問題がある。
そこで、TAC系保護フィルムに代えて、低い透湿性を有する環状オレフィン系樹脂フィルム(シクロオレフィン系樹脂フィルム;以下、COP系樹脂フィルムともいう。)を用いる方法が提案されている。
例えば、ポリビニルアルコール系樹脂からなる偏光フィルムの一方の面に、ポリエステル系アイオノマー型ウレタン樹脂とグリシジルオキシ基を有する化合物とを含有する水性の組成物から形成された第一の接着剤層を介してシクロオレフィン系樹脂フィルムが積層され、他方の面には、前記第一の接着剤層とは異なる水性の組成の第二の接着剤層を介して酢酸セルロース系フィルムが積層されていることを特徴とする偏光板が提案されている(特許文献2)。
また、偏光子と偏光子の保護フィルムとを接着積層する偏光板の製造方法において、少なくとも水性エマルジョンとポリビニルアルコールとポリイソシアネート化合物とを含有してなり、B型粘度計による粘度(20℃)が0.03〜1Pa・sとなるように調整された水性ウレタン系接着剤を用いて、上記偏光子と保護フィルムとをウェットラミネートすることを特徴とする偏光板の製造方法が提案されている(特許文献3)。なお、この文献には、上記保護フィルムが熱可塑性飽和ノルボルネン系樹脂からなることも記載されている。
特開平09−258023号公報 特開2005−208456号公報 特開2004−37841号公報
特許文献2に記載の技術によると、透湿性の高い酢酸セルロース系フィルムを介して水系接着剤の水分を蒸散させることができるため、特許文献1の技術と同様に、比較的簡易な工程で偏光板を得ることができる。
しかし、透湿性の高い酢酸セルロース系フィルムを片側に有するため、耐湿熱性が未だ不十分であるという問題や、水系接着剤である第1の接着剤層とシクロオレフィン系樹脂フィルムとの接着性が不十分であるという問題がある。
特許文献3に記載の技術によると、偏光子の両面の保護フィルムが熱可塑性飽和ノルボルネン系樹脂からなるため、耐湿熱性の良好な偏光板を得ることができる。
しかし、透湿性の低い保護フィルムを用いているため、水系接着剤である水性ウレタン系接着剤の水分を蒸散させて硬化させるのに長時間を要したり、TAC系フィルムを用いた場合と比べて製造工程が煩雑になるという問題がある。また、熱可塑性環状オレフィン系樹脂からなる保護フィルムは疎水性であるため、水系接着剤との接着性が不十分であるという問題がある。
また、環状オレフィン系樹脂フィルムは疎水性であるために、帯電しやすいという性質も持っている。
本発明は、上述の背景に鑑みてなされたものであって、製造工程が簡易で短時間に製造することができ、帯電防止性に優れた偏光板およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、特定の構造を有する帯電防止性の環状オレフィン系樹脂フィルムを保護フィルムとし、特定の成分を含む放射線硬化性組成物を用いて偏光膜と保護フィルムとを接着することにより、帯電防止性、耐久性等に優れた偏光板を、簡易な製造工程で短時間に製造することができることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、以下の[1]〜[6]を提供するものである。
[1] ポリビニルアルコール系偏光膜の少なくとも片面に、接着剤層を介して保護フィルムが積層されてなる偏光板であって、上記保護フィルムの少なくとも一方が、2層以上の樹脂層を有する帯電防止フィルムであって、前記樹脂層がいずれも環状オレフィン系樹脂を含み、少なくとも一方の表面層を形成する樹脂層が、帯電防止剤を含む帯電防止層であり、各層を形成する環状オレフィン系樹脂を、Tダイを用いて同時に溶融押出成形し、溶融状態で積層されたものであり、かつ、上記接着剤層が、(A)脂環式エポキシ化合物、(B)水酸基を少なくとも1個含有し、数平均分子量が500以上である化合物、及び(C)光酸発生剤、を含む放射線硬化性組成物の硬化物からなることを特徴とする偏光板。
[2] 上記(B)成分の数平均分子量が、1,000以上である前記[1]の偏光板。
[3] 上記(B)成分が、下記式(2)で表される化合物
HO−(R−O−CO−O)−(R−O−CO−O)−R−OH (2)
(式中、RおよびRはそれぞれ独立に炭素数2〜12の2価の炭化水素基を表し、Rは、RとRのいずれかと同じ構造を表す。mは2〜150、nは0〜150であり、かつ、m+nは2〜200である。)である、前記[1]又は[2]の放射線硬化性接着剤用組成物。
[4] 上記放射線硬化性組成物が、厚さ200μmの硬化物としたときに波長550nmの光の透過率が70%以上である、前記[1]〜[3]のいずれかの偏光板。
[5] 上記保護フィルムが、環状オレフィン系樹脂からなる前記[1]〜[4]のいずれかの偏光板。
[6] 前記[1]〜[5]のいずれかの偏光板の製造方法であって、偏光膜の少なくとも片面に、上記放射線硬化性組成物を介して保護フィルムを積層する工程と、該放射線硬化性組成物を光照射して硬化させ、偏光板を得る硬化工程を含む偏光板の製造方法。
本発明の偏光板は、接着剤層が特定の成分組成を有する放射線硬化性組成物の硬化物からなるため、高い接着性を有する。
本発明の偏光板は、接着剤層が特定の成分組成を有する非水系の放射線硬化性組成物の硬化物からなるため、保護フィルムとして非透湿性である環状オレフィン系樹脂フィルムを用いても、水分の蒸散を要せず、短時間で良好な接着性を得ることができる。また、偏光膜の両面に保護フィルムとして環状オレフィン系樹脂フィルムを適用するため、特に優れた耐湿熱性を得ることができ、高温高湿の環境下であっても高い偏光性能を維持することができる。さらに、環状オレフィン系樹脂フィルムが帯電防止性を有しているため、帯電防止性を有する偏光板を得ることができる。
本発明の偏光板の製造方法によると、偏光膜の片面又は両面に、接着剤層形成用の放射線硬化性組成物を介して保護フィルムを積層し、該放射線硬化性組成物を放射線照射して硬化させるという簡易な操作によって、偏光板を製造することができる。そのため、水系接着剤を用いる場合のように水分の除去を行なう必要がない。また、保護フィルムとして非透湿性である環状オレフィン系樹脂フィルムを用いる場合であっても、水性の接着剤を用いる場合のように製造工程が煩雑化及び長時間化することがなく、しかも、帯電防止性に優れた偏光板を得ることができる。
本発明の偏光板は、ポリビニルアルコール系偏光膜の片面又は両面に、接着剤層を介して保護フィルムが積層されてなる偏光板である。
まず、接着剤層を形成する放射線硬化性組成物の成分(A)〜(C)及びその他の任意成分について詳しく説明する。
[成分(A)]
放射線硬化性組成物を構成する成分(A)は、脂環式エポキシ化合物、好ましくは1分子中に2個以上の脂環式エポキシ基を有する脂環式エポキシ化合物である。1分子中に2個以上の脂環式エポキシ基を有する脂環式エポキシ化合物を成分(A)の全量中に50質量%以上含有すると、良好な硬化速度や機械的強度を保つことができる。
成分(A)として用いられる脂環式エポキシ化合物の具体例としては、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル−5,5−スピロ−3,4−エポキシ)シクロヘキサン−メタ−ジオキサン、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート、3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシル−3’,4’−エポキシ−6’−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、ε−カプロラクトン変性3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、トリメチルカプロラクトン変性3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、β−メチル−δ−バレロラクトン変性3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、メチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサン)、エチレングリコールのジ(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)エーテル、エチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート)、エポキシシクロへキサヒドロフタル酸ジオクチル、エポキシシクロヘキサヒドロフタル酸ジ−2−エチルヘキシル等が挙げられる。
これらの脂環式エポキシ化合物のうち、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ε−カプロラクトン変性3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、トリメチルカプロラクトン変性3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、β−メチル−δ−バレロラクトン変性3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレートがより好ましく、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペートがさらに好ましい。
これらの市販品としては、セロキサイド2021、セロキサイド2021P、セロキサイド2081、セロキサイド2083、セロキサイド2085、エポリードGT−300、エポリードGT−301、エポリードGT−302、エポリードGT−400、エポリード401、エポリード403(以上、ダイセル化学工業(株)製)等が挙げられる。
放射線硬化性組成物中の(A)脂環式エポキシ化合物の含有率は、好ましくは20〜80質量%、より好ましくは25〜75質量%、特に好ましくは30〜70質量%である。該含有率が20質量%未満では、接着剤層の機械的強度及び耐熱性が不十分になる傾向がある。該含有率が80質量%を超えると、放射線硬化性組成物を硬化させてなる接着剤層の反り等の変形が大きくなる傾向がある。
[成分(B)]
放射線硬化性接着剤用組成物を構成する成分(B)は、水酸基を1個以上含有し、数平均分子量が500以上である化合物である。
成分(B)は、1分子中に水酸基を1個以上、好ましくは1〜4個有する。
成分(B)の数平均分子量は、500以上、好ましくは1,000以上、より好ましくは1,500以上である。該平均分子量の上限値は、特に限定されないが、接着剤用組成物の粘度の過度の増大を防ぐ観点から、好ましくは20,000、より好ましくは10,000である。該平均分子量が500未満であると、接着性を十分に向上させることができないため、好ましくない。
なお、成分(B)の数平均分子量は、ASTM D2503に従い測定した値である。
成分(B)を用いることにより、接着性に優れた積層フィルムを得ることができる。
成分(B)として好適に用いられる化合物としては、ポリカプロラクトンジオール、ポリエーテルジオール、ポリエステルジオール、その他のポリオールなどが挙げられる。
ポリカプロラクトンジオールとしては、例えば、ε−カプロラクトンとジオールとを反応させて得られるポリカプロラクトンジオールなどが挙げられる。ここで用いられるジオールとしては、例えば、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、テトラメチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、1,2−ポリブチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,4−ブタンジオールなどが挙げられる。これらポリカプロラクトンジオールの市販品としては、プラクセル205、205H、205AL、212、212AL、220、220AL(以上、ダイセル化学工業(株)製)などが挙げられる。
ポリエーテルジオールとしては、脂肪族ポリエーテルジオールが好ましく、例えば、 ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリヘキサメチレングリコール、ポリヘプタメチレングリコール、ポリデカメチレングリコールなどが挙げられる。これらのポリエーテルジオールの市販品としては、PEG #600、#1000、#1500、#1540、#4000(以上、ライオン社製)、エクセノール720、1020、2020、3020、510、プレミノールPPG4000(以上、旭硝子社製)などを挙げることができる。
ポリエステルジオールとしては、脂肪族ジオール化合物と脂肪族ジカルボン酸化合物の共重合体が好ましい。脂肪族ジオール化合物としては、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール等が挙げられ、脂肪族ジカルボン酸としては、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸等が挙げられる。脂肪族ジオールは1種または2種以上を使用することができ、また、脂肪族ジカルボン酸も1種または2種以上を使用することができる。これらのポリエステルジオールの市販品としては、クラレポリオールN−2010、O−2010、P−510、P−1010、P−1050、P−2010、P−2050、P−3010、P−3050(以上、クラレ社製)などを挙げることができる。
上記その他のポリオールとしては、例えば、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、スクロース、クオドロール等の3価以上の多価アルコールを、エチレンオキシド(EO)、プロピレンオキシド(PO)、ブチレンオキシド、テトラヒドロフラン等の環状エーテル化合物で変性することにより得られるポリエーテルポリオールを挙げることができる。このような化合物の具体例としては、EO変性トリメチロールプロパン、PO変性トリメチロールプロパン、テトラヒドロフラン変性トリメチロールプロパン、EO変性グリセリン、PO変性グリセリン、テトラヒドロフラン変性グリセリン、EO変性ペンタエリスリトール、PO変性ペンタエリスリトール、テトラヒドロフラン変性ペンタエリスリトール、EO変性ソルビトール、PO変性ソルビトール、EO変性スクロース、PO変性スクロース、EO変性スクロース、EO変性クオドール等を例示することができ、これらのうち、EO変性トリメチロールプロパン、PO変性トリメチロールプロパン、PO変性グリセリン、PO変性ソルビトールが好ましい。
上記その他のポリオールの市販品としては、サンニックスTP−700、サンニックスGP−1000、サンニックスSP−750、サンニックスGP−600(以上、三洋化成(株)製)、等を挙げることができる。
また、成分(B)として好適に用いられるポリオールとしては、水酸基含有不飽和化合物の重合体を挙げることができる。上記水酸基含有不飽和化合物としては、水酸基含有(メタ)アクリレートが挙げられ、具体的には、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェニルオキシプロピル(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールモノ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシアルキル(メタ)アクリロイルホスフェート、4−ヒドロキシシクロヘキシル(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールモノ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールモノ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート等が挙げられる。さらにアルキルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、グリシジル(メタ)アクリレート等のグリシジル基含有化合物と(メタ)アクリル酸との付加反応により得られる化合物が挙げられる。
また、成分(B)は、下記式(2)で示されるポリカーボネートジオールであることも好ましい。
HO−(R−O−CO−O)−(R−O−CO−O)−R−OH (2)
(式中、RおよびRはそれぞれ独立に炭素数2〜12の2価の炭化水素基を表し、Rは、RとRのいずれかと同じ構造を表す。mは2〜150、nは0〜150であり、かつ、m+nは2〜200である。)
上記式(2)で表されるポリカーボネートジオールの製造方法としては特に限定されるものではなく、ジオール化合物とカーボネート化合物のエステル交換反応、ジオール化合物とホスゲンの重縮合反応等、既知の方法が挙げられる。成分(B)の製造に使用されるジオール化合物としては、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,9−ノナンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール等が挙げられる。また、適度な剥離強度を得るには、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール等の炭素数6の脂肪族炭化水素基を含有するポリカーボネートジオールがより好ましい。
ポリカーボネートジオールとして好適に用いられる化合物の市販品としては、DN−980、981、982、983(以上、日本ポリウレタン社製)、PC−8000(PPG社製)、PC−THF−CD(BASF社製)、クラレポリオールC−590、C−1090、C−2050、C−2090、C−3090、C−2065N、C−2015N(以上、(株)クラレ製)、プラクセルCD CD210PL、プラクセルCD CD220PL(以上、ダイセル化学工業(株)製)などが挙げられる。
放射線硬化性接着剤用組成物中、成分(B)の含有率は、好ましくは3〜50質量%、より好ましくは5〜45質量%、特に好ましくは7〜40質量%である。該含有率が3質量%未満であると、接着剤層の接着性が劣るため好ましくない。一方、上記含有率が50質量%を超えると、放射線硬化性接着剤用組成物の粘度が高くなりすぎて塗工性が悪くなったり、接着剤層と被着体との接着強度が劣ったりするため、好ましくない。
[成分(C)]
放射線硬化性組成物を構成する成分(C)は、光酸発生剤である。
光酸発生剤は、光を受けることによりルイス酸を放出する光カチオン重合開始剤である。
上記光酸発生剤の例として、例えば、下記一般式(3)で表される構造を有するオニウム塩が挙げられる。このオニウム塩は、400nm未満に実質的な光吸収波長を有する。
[R Z]p+[MXq+pp− (3)
(式中、カチオンはオニウムイオンであり、ZはS、Se、Te、P、As、Sb、Bi、O、I、Br、ClまたはN≡Nを示し、R、R、RおよびRは、互いに同一または異なる有機基を示す。a、b、cおよびdは、それぞれ0〜3の整数であって、(a+b+c+d−p)はZの価数に等しい。Mは、ハロゲン化物錯体[MXq+p]の中心原子を構成する金属またはメタロイドを示し、例えばB、P、As、Sb、Fe、Sn、Bi、Al、Ca、In、Ti、Zn、Sc、V、Cr、Mn、Co等である。Xは例えばF、Cl、Br等のハロゲン原子であり、pはハロゲン化物錯体イオンの正味の電荷であり、qはMの原子価である。)
前記一般式(3)において、オニウムイオンの具体例としては、ジフェニルヨードニウム、4−メトキシジフェニルヨードニウム、ビス(4−メチルフェニル)ヨードニウム、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウム、ビス(ドデシルフェニル)ヨードニウム等のジアリールヨードニウムや、トリフェニルスルホニウム、ジフェニル−4−チオフェノキシフェニルスルホニウム等のトリアリールスルホニウムや、ビス[4−(ジフェニルスルホニオ)−フェニル]スルフィド、ビス[4−(ジ(4−(2−ヒドロキシエチル)フェニル)スルホニオ)−フェニル]スルフィド、η−2,4−(シクロペンタジエニル)[1,2,3,4,5,6−η]−(メチルエチル)−ベンゼン]−鉄(1+)等が挙げられる。
前記一般式(3)において、アニオン[MXq+p]の具体例としては、テトラフルオロボレート(BF )、ヘキサフルオロホスフェート(PF )、ヘキサフルオロアンチモネート(SbF )、ヘキサフルオロアルセネート(AsF )、ヘキサクロロアンチモネート(SbCl )等が挙げられる。
また、一般式[MX(OH)]で表されるアニオンを有するオニウム塩を使用することができる。さらに、過塩素酸イオン(ClO )、トリフルオロメタンスルフォン酸イオン(CFSO )、フルオロスルフォン酸イオン(FSO )、トルエンスルフォン酸イオン、トリニトロベンゼンスルフォン酸アニオン、トリニトロトルエンスルフォン酸アニオン等の他のアニオンを有するオニウム塩を使用することもできる。
成分(C)として用いられるオニウム塩の例としては、例えば特開昭50−151996号公報、特開昭50−158680号公報等に記載の芳香族ハロニウム塩、特開昭50−151997号公報、特開昭52−30899号公報、特開昭56−55420号公報、特開昭55−125105号公報等に記載のVIA族芳香族オニウム塩、特開昭50−158698号公報等に記載のVA族芳香族オニウム塩、特開昭56−8428号公報、特開昭56−149402号公報、特開昭57−192429号公報等に記載のオキソスルホキソニウム塩、特開昭49−17040号公報等に記載の芳香族ジアゾニウム塩、米国特許第4, 139, 655号明細書に記載のチオビリリウム塩等が挙げられる。また、鉄/アレン錯体、アルミニウム錯体/光分解ケイ素化合物系開始剤等も挙げることができる。成分(C)として好ましく用いられる光酸発生剤は、ジアリールヨードニウム塩、トリアリールスルホニウム塩等の芳香族オニウム塩等であり、より好ましくはトリアリールスルホニウム塩である。
(C)光酸発生剤の市販品の例としては、UVI−6950、UVI−6970、UVI−6974、UVI−6990(以上、ユニオンカーバイド社製)、アデカオプトマーSP−150、SP−151、SP−170、SP−172(以上、旭電化工業(株)製)、Irgacure 261(以上、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)、CI−2481、CI−2624、CI−2639、CI−2064(以上、日本曹達(株)製)、CD−1010、CD−1011、CD−1012(以上、サートマー社製)、DTS−102、DTS−103、NAT−103、NDS−103、TPS−103、MDS−103、MPI−103、BBI−103(以上、みどり化学(株)製)、PCI−061T、PCI−062T、PCI−020T、PCI−022T(以上、日本化薬(株)製)、CPI−110A、CPI−101A(以上、サンアプロ(株))等を挙げることができる。これらのうち、UVI−6970、UVI−6974、アデカオプトマーSP−170、SP−172、CD−1012、MPI−103、CPI−110A、CPI−101Aは、これらを含有してなる組成物に高い光硬化感度を発現させることができることから特に好ましい。上記の光酸発生剤は、1種単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。
なお、光酸発生剤による酸の発生を促進させるために、増感剤を併用してもよい。増感剤の例としては、ジヒドロキシベンゼン、トリヒドロキシベンゼン、ヒドロキシアセトフェノン、ジヒドロキシジフェニルメタン等が挙げられる。
放射線硬化性組成物中、(C)光酸発生剤の含有率は、好ましくは0.1〜10質量%、より好ましくは0.2〜5質量%、特に好ましくは0.3〜3質量%である。該含有率が0.1質量%未満であると、放射線硬化性組成物の放射線硬化性が低下し、十分な機械的強度を有する接着剤層を形成することができないため好ましくない。該含有率が10質量%を超えると、光酸発生剤が接着剤層の長期特性に悪影響を及ぼす可能性があるため、好ましくない。
[成分(D)]
放射線硬化性接着剤用組成物を構成する成分(D)は、下記式(1)で表される重合性不飽和基を有するイソシアヌル酸誘導体である。
Figure 2008249885
(式(1)中、R13、R14及びR15は、それぞれ独立に、一価の有機基であって、R13〜R15のうち少なくとも2つが、−R16OCOCR17=CHであり、R16は、炭素数2〜8の2価の有機基であり、R17は、水素原子又はメチル基である。)
本発明に用いられる成分(D)は、放射線硬化性接着剤用組成物の硬化性(硬化速度)を向上させる機能を有する。
成分(D)は分子中に重合性不飽和基を2個以上有することが好ましい。重合性不飽和基は、特に限定されないが、(メタ)アクリレート基であることが好ましい。重合性不飽和基を2個以上有することで架橋密度が高まり、これを添加することによる硬度の低下を少なくすることができる。
本発明において用いることができる成分(D)の具体例としては、トリス[2−(メタ)アクリロイルオキシエチル]イソシアヌレート、ビス[2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、ビス[2−(メタ)アクリロイルオキシエチル]イソシアヌレート、及びこれらの出発アルコール類へのエチレンオキシド(EO)、プロピレンオキシド、又はカプロラクタム付加物の(メタ)アクリレート等を挙げることができる。これらのうち、トリス[2−(メタ)アクリロイルオキシエチル]イソシアヌレート、ビス[2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートが特に好ましい。
成分(D)として好適に使用できる市販品としては、アロニックス M−215、M−313、M−315、M−325、M−326、M−327(以上、東亜合成化学工業(株)製)、SR−368(サートマー社製)等を挙げることができる。上記の化合物は、1種単独で、又は2種以上組み合わせて使用することができる。
本発明に用いられる成分(D)の含有量は、有機溶剤を除く組成物全量を100質量%として、好ましくは、3〜40質量%、より好ましくは、5〜35質量%、特に好ましくは、7〜30質量%である。3質量%未満であると、光照射直後の硬化性が不十分なことがあり、40質量%を超えると、PVA系成形体との接着強度が劣ることがある。
[成分(E)]
放射線硬化性組成物は、さらに成分(E)として、脂肪族エポキシ化合物を含むことができる。成分(E)の脂肪族エポキシ化合物は、接着剤層の機械的強度等をコントロールするために添加される任意成分である。
上記脂肪族エポキシ化合物の具体例としては、例えば1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル類;エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン等の脂肪族多価アルコールに1種又は2種以上のアルキレンオキサイドを付加することにより得られるポリエーテルポリオールのポリグリシジルエーテル類;脂肪族長鎖二塩基酸のジグリシジルエステル類;脂肪族高級アルコールのモノグリシジルエーテル類;高級脂肪酸のグリシジルエステル類;エポキシ化大豆油;エポキシステアリン酸ブチル;エポキシステアリン酸オクチル;エポキシ化アマニ油;エポキシ化ポリブタジエン等が挙げられる。
放射線硬化性組成物中、(E)脂肪族エポキシ化合物の含有率は、好ましくは0〜50質量%、より好ましくは0〜45質量%、特に好ましくは0〜40質量%である。該含有率が50質量%を超えると、必須成分である(A)脂環式エポキシ化合物等の含有率が小さくなり、本発明の効果が得られ難くなるため好ましくない。
また、本発明で用いる放射線硬化性組成物には、本発明の目的、効果を損なわない範囲において、その他の任意成分として各種の添加剤を配合することができる。かかる添加剤としては、エポキシ樹脂、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリウレタン、ポリブタジエン、ポリクロロプレン、ポリエーテル、ポリエステル、スチレン−ブタジエンブロック共重合体、石油樹脂、キシレン樹脂、ケトン樹脂、セルロース樹脂、フッ素系オリゴマー、シリコーン系オリゴマー、ポリスルフィド系オリゴマー等のポリマーあるいはオリゴマー;フェノチアジン、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール等の重合禁止剤;重合開始助剤;レベリング剤;濡れ性改良剤;界面活性剤;可塑剤;紫外線吸収剤;シランカップリング剤;無機充填剤;顔料;染料等を挙げることができる。
放射線硬化性組成物は、上記成分(A)〜(C)、及び必要に応じて上記任意成分を均一に混合することによって調製することができる。このようにして得られる放射線硬化性組成物の粘度(25℃)は、通常2,000mPa・s以下、好ましくは500mPa・s以下、より好ましくは300mPa・s以下である。
なお、放射線硬化性組成物には、必要に応じて有機溶媒等の溶剤を添加することができる。しかし、本発明においては、無溶剤でも放射線硬化性組成物を調製することができる。本発明においては、作業環境の維持、環境負荷等の面から、溶剤を含まないことが好ましい。
また、放射線硬化性接着剤組成物は、厚さ200μmの硬化物である場合の波長550nmの光の透過率が、好ましくは70%以上、より好ましくは80%以上のものである。上記の透過率が70%未満になると、偏光板自体の透過率も低下してしまうため好ましくない。
また、放射線硬化性組成物はフィルター等で濾過したものを使用することも好ましい。
次に、図面を適宜参照しながら、本発明の偏光板及びその製造方法について説明する。
図1は、本発明の偏光板の一例を模式的に示す断面図である。図2は、本発明の偏光板の製造方法の一例を示すフロー図である。
図1中、偏光板1は、ポリビニルアルコール系偏光膜2と、この偏光膜2の両面(下面及び上面)に形成された接着剤層3,4と、これら接着剤層3,4の各々の片面(具体的には、接着剤層3の下面及び接着剤層4の上面)に積層して形成された保護フィルム5,6とからなる。
[偏光膜]
偏光膜としては、ポリビニルアルコール系偏光膜(以下、PVA系偏光膜ともいう。)が用いられる。PVA系偏光膜は、偏光膜として一般的に用いられるものであり、ポリビニルアルコール系フィルムにヨウ素または二色染料を吸着させて延伸配向したものである。
偏光膜の厚さは、特に限定されないが、例えば10〜40μmとなるように定められる。
[接着剤層]
接着剤層は、上述の放射線硬化性組成物を放射線硬化させてなる硬化物層である。
上述の放射線硬化性組成物を用いて接着剤層を形成することにより、優れた接着性を得ることができ、また、保護フィルムがCOP系、TAC系のいずれであっても、保護フィルムと接着剤層との接着強度を優れたものとすることができる。
接着剤層の厚さは、特に限定されないが、例えば0.01〜5.0μmとなるように定められる。
[保護フィルム]
本発明の保護フィルムは、偏光膜の少なくとも片面に環状オレフィン系樹脂フィルムである。環状オレフィン系樹脂フィルムに関しては後述する。他方の面は、例えば、トリアセチルセルロースのようなアセテート系樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂等のポリエステル系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、環状オレフィン系樹脂、アクリル系樹脂などの光学的に透明な樹脂からなるフィルムが用いられる。中でも、環状オレフィン系樹脂フィルム(COP系フィルム)、トリアセチルセルロース系樹脂フィルム(TAC系フィルム)が好ましい。
本発明の偏光板の構成としては、以下の(1)、(2)が挙げられる。
(1)COP系フィルム/接着剤層/PVA系偏光膜/接着剤層/COP系フィルム
(2)TAC系フィルム/接着剤層/PVA系偏光膜/接着剤層/COP系フィルム
上記(1)の構成によると、透湿性の低いCOP系フィルムを保護フィルムとして用いているため、耐湿熱性に優れた偏光板を得ることができる。
また、上下の保護フィルムのうち、少なくとも一方の保護フィルムは、紫外線防止性の保護フィルムであるか、紫外線吸収層を設けた保護フィルムである。他方の保護フィルムは紫外線が透過する程度の紫外線吸収剤を含有するか、紫外線吸収剤を含まない保護フィルムであることが必要である。
上記紫外線防止性の保護フィルムは、偏光板が液晶セルの両面に配置される場合に、外部の紫外線から液晶セルを守る役割を果たすものである。紫外線防止性の保護フィルムには、紫外線吸収剤が適宜配合される。紫外線防止性の保護フィルムの波長380nmにおける光の透過率は、例えば、10%以下である。
上記紫外線透過性の保護フィルムは、当該保護フィルムの側から放射線照射(光照射)を行うことにより、放射線硬化性組成物を硬化させるためのものである。紫外線透過性の保護フィルムは、紫外線吸収剤を含まないか、又は含むとしても当該保護フィルムを介して光を照射して放射線硬化性組成物を硬化させることができる程度に含む。紫外線透過性の保護フィルムの波長380nmにおける光の透過率は、例えば、60%以上である。
保護フィルムには、位相差を設けることもできる。
保護フィルムの厚さは、特に限定されないが、例えば10〜200μmとなるように定められる。
また、保護フィルムは放射線硬化性組成物の塗布前に各種表面処理を行うこともできる。
[環状オレフィン系樹脂フィルム]
なお、上述の環状オレフィン系樹脂フィルムとしては、環状オレフィン系化合物を少なくとも1種含む単量体組成物を重合し、また必要に応じてさらに水素添加して得られた樹脂からなるフィルムが好適である。
上記環状オレフィン系化合物としては、例えば、下記一般式(4)で表される環状オレフィン系化合物を挙げることができる。
Figure 2008249885
(式(4)中、R〜R11は、各々独立して水素原子;ハロゲン原子;酸素、窒素、イオウまたはケイ素を含む連結基を有していてもよい置換または非置換の炭素原子数1〜15の炭化水素基もしくはその他の1価の有機基を表す。あるいはRとRもしくはR10とR11が相互に結合してアルキリデン基を形成していてもよく、RとR、R10とR11またはRとR10とが相互に結合して炭素環または複素環(これらの炭素環または複素環は単環構造でもよいし、他の環が縮合して多環構造を形成してもよい。)を形成してもよい。形成される炭素環または複素環は芳香環でもよいし非芳香環でもよい。また、xは0または1〜3の整数、yは0または1を表すが、xが0のときはyも0である。)
一般式(4)で表される環状オレフィン系化合物の具体例としては、例えば、以下に示す化合物が例示できるが、これらの例示物に限定されるものではない。
・ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン(ノルボルネン)
・5−メチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
・5−エチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
・5−シクロヘキシル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
・5−フェニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
・5−(4−ビフェニル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
・5−メトキシカルボニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
・5−フェノキシカルボニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
・5−フェノキシエチルカルボニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
・5−フェニルカルボニルオキシ−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
・5−メチル−5−メトキシカルボニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
・5−メチル−5−フェノキシカルボニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
・5−メチル−5−フェノキシエチルカルボニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
・5−ビニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
・5−エチリデン−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
・5,5−ジメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
・5,6−ジメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
・5−フルオロ−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
・5−クロロ−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
・5−ブロモ−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
・5,6−ジフルオロ−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
・5,6−ジクロロ−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
・5,6−ジブロモ−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
・5−ヒドロキシ−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
・5−ヒドロキシエチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
・5−シアノ−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
・5−アミノ−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
・トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン
・トリシクロ[4.4.0.12,5]ウンデカ−3−エン
・7−メチル−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン
・7−エチル−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン
・7−シクロヘキシル−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン
・7−フェニル−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン
・7−(4−ビフェニル)−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン
・7,8−ジメチル−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン
・7,8,9−トリメチル−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン
・8−メチル−トリシクロ[4.4.0.12,5]ウンデカ−3−エン
・8−フェニル−トリシクロ[4.4.0.12,5]ウンデカ−3−エン
・7−フルオロ−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン
・7−クロロ−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン
・7−ブロモ−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン
・7,8−ジクロロ−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン
・7,8,9−トリクロロ−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン
・7−クロロメチル−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン
・7−ジクロロメチル−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン
・7−トリクロロメチル−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン
・7−ヒドロキシ−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン
・7−シアノ−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン
・7−アミノ−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン
・テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン
・ペンタシクロ[7.4.0.12,5.18,11.07,12]ペンタデカ−3−エン
・ヘキサシクロ[8.4.0.12,5.17,14.19,12.08,13]ヘプタデカ−3−エン
・8−メチル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン
・8−エチル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン
・8−シクロヘキシル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン
・8−フェニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン
・8−(4−ビフェニル)−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン
・8−メトキシカルボニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン
・8−フェノキシカルボニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン
・8−フェノキシエチルカルボニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン
・8−フェニルカルボニルオキシ−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン
・8−メチル−8−メトキシカルボニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン
・8−メチル−8−フェノキシカルボニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン
・8−メチル−8−フェノキシエチルカルボニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン
・8−ビニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン
・8−エチリデン−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン
・8,8−ジメチル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン
・8,9−ジメチル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン
・8−フルオロ−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン
・8−クロロ−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン
・8−ブロモ−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン
・8,8−ジクロロ−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン
・8,9−ジクロロ−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン
・8,8,9,9−テトラクロロ−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン
・8−ヒドロキシ−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン
・8−ヒドロキシエチル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン
・8−メチル−8−ヒドロキシエチル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン
・8−シアノ−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン
・8−アミノ−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン
なお、これら環状オレフィン系化合物は1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記環状オレフィン系化合物の種類および量は、得られる樹脂に求められる特性により適宜選択される。
環状オレフィン系化合物として、その分子内に酸素原子、窒素原子、イオウ原子もしくはケイ素原子から選ばれた少なくとも1種の原子を少なくとも1個含む構造(以下、「極性構造」という。)を有する化合物を用いると、他素材との接着性や密着性に優れるため好ましい。特に、前記式(4)中、RおよびR10が水素原子、または炭素数1〜3の炭化水素基、好ましくは水素原子、またはメチル基であり、RまたはR11のいずれか一つが極性構造を有する基であって、他が水素原子または炭素数1〜3の炭化水素基である化合物は、樹脂の吸水(湿)性が低く、好ましい。さらに、極性構造を有する基が下記一般式(5)で表わされる基である環状オレフィン系化合物は、得られる樹脂の耐熱性と吸水(湿)性とのバランスがとりやすく、好ましく用いることができる。
−(CH2zCOOR12 ・・・(5)
(式(5)中、R12は置換または非置換の炭素数1〜15の炭化水素基を表し、zは0〜10の整数を表す。)
一般式(5)において、zの値が小さいものほど、得られる水素添加物のガラス転移温度が高くなり耐熱性に優れるので、zが0〜3の整数であることが好ましい。更に、zが0である単量体は、その合成が容易である点で好ましい。また、前記一般式(5)におけるR12は、炭素数が多いほど、得られる重合体の水素添加物の吸水(湿)性が低下する傾向にあるが、ガラス転移温度が低下する傾向もあるので、耐熱性を保持する観点からは炭素数1〜10の炭化水素基が好ましく、炭素数1〜6の炭化水素基が特に好ましい。
なお、前記一般式(4)において、前記一般式(5)で表される基が結合した炭素原子に炭素数1〜3のアルキル基、特にメチル基が結合していると、耐熱性と吸水(湿)性のバランスの点で好ましい。さらに、前記一般式(4)において、xが0または1でありyが0である化合物は、反応性が高く、高収率で重合体が得られること、また、耐熱性が高い重合体水素添加物が得られること、さらに工業的に入手しやすいことから好適に用いられる。
上記環状オレフィン系樹脂においては、上記環状オレフィン系化合物と共重合可能な他の単量体を単量体組成物に含ませて重合することができる。
上記共重合可能な他の単量体として、例えば、シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘプテン、シクロオクテン、シクロドデセンなどの環状オレフィンや1,4−シクロオクタジエン、ジシクロペンタジエン、シクロドデカトリエンなどの非共役環状ポリエンを挙げることができる。
これらの共重合可能な他の単量体は、1種単独で用いてもよいし2種以上を併用してもよい。
上記環状オレフィン系化合物を含む単量体組成物の重合方法としては、例えば、特開2006−201736号公報、特開2005−164632号公報等に記載されたメタセシス開環重合や付加重合による公知の方法を用いることができる。
また、得られた(共)重合体の水素添加の方法についても、上記の文献に記載された公知の方法を用いることができる。
水素添加重合体の水素添加率は、500MHz、1H−NMRで測定した値として、好ましくは50%以上、より好ましくは70%以上、さらに好ましくは90%以上、特に好ましくは99%以上である。水素添加率が高いほど、熱や光に対する安定性が優れたものとなり、長期にわたって安定した特性を得ることができる。
環状オレフィン系樹脂の固有粘度〔η〕inhは、好ましくは0.2〜2.0dl/g、さらに好ましくは0.35〜1.0dl/g、特に好ましくは0.4〜0.85dl/gである。
環状オレフィン系樹脂の、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定したポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)は、好ましくは5,000〜100万、さらに好ましくは1万〜50万、特に好ましくは1.5万〜25万である。
環状オレフィン系樹脂の重量平均分子量(Mw)は、好ましくは1万〜200万、より好ましくは2万〜100万、特に好ましくは3万〜50万である。
環状オレフィン系樹脂のガラス転移温度(Tg)は、好ましくは120℃以上、より好ましくは130℃以上、特に好ましくは150℃以上である。
環状オレフィン系樹脂の飽和吸水率は、好ましくは1質量%以下、より好ましくは0.1〜0.8質量%である。飽和吸水率が1質量%を超える場合、該樹脂から得られる保護フィルムが、使用される環境によっては経時的に吸水(湿)して変形するなど、耐久性に問題が生じることがある。一方、0.1質量%未満の場合、接着性に問題が生じることがある。なお、前記飽和吸水率はASTM D570に従い、23℃の水中で1週間浸漬して増加質量を測定することにより得られる値である。
本発明では、帯電防止フィルムの少なくとも一方の表面層を形成する樹脂が、帯電防止剤を含有する環状オレフィン系樹脂である。帯電防止剤としては、帯電防止効果がある化合物であれば特に制限されないが、好ましくは低分子型帯電防止剤、高分子型帯電防止剤及び導電性フィラーが挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記低分子型帯電防止剤としては、例えば、グリセリンモノステアレート、グリセリンモノベヘネート、グリセリンモノパルミテート、グリセリンモノラウリレートなどのグリセリン酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)アルキルアミン、N−2−ヒドロキシエチル−N−2−ヒドロキシアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミンの脂肪酸エステルなどの非イオン界面活性剤、アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルホスフェートなどのアニオン界面活性剤、テトラアルキルアンモニウム塩、テトラアルキルベンジルアンモニウム塩などのカチオン界面活性剤、アルキルベタイン、アルキルイミダゾリウムベタインなどの両性界面活性剤等が挙げられる。
上記高分子型帯電防止剤としては、例えば、ポリエチレンオキシド、ポリエーテルエステルアミド、ポリエーテルアミドイミド、エチレンオキシド・エピクロルヒドリン共重合体、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート共重合体などのポリエーテル系ポリマー、第4級アンモニウム塩含有(メタ)アクリレート共重合体、第4級アンモニウム塩基含有マレイミド共重合体などの第4級アンモニウム塩基含有ポリマー、ポリスチレンスルホン酸塩などのスルホン酸塩含有ポリマー等が挙げられる。
上記導電性フィラーとしては、例えば、カーボンブラック、カーボンナノチューブなどのカーボン、ニッケル、銅、銀、金などの金属粒子、金属ワイヤー等が挙げられる。
上記帯電防止剤の使用量は特に限定されないが、帯電防止層を形成する樹脂中の樹脂成分の全量を100質量部とした場合、好ましくは0.05〜30質量部、より好ましくは0.1〜25質量部、更に好ましくは0.1〜20質量部、特に好ましくは0.1〜15質量部である。このような割合で帯電防止剤を含有する樹脂組成物を、少なくとも一方の表面層である帯電防止層を形成する樹脂として用いると、得られる帯電防止フィルムが優れた帯電防止性能を示すため好ましく、この帯電防止層の厚みを薄くした場合にも充分な帯電防止性能が得られる。
帯電防止層の表面抵抗値としては、通常、1014Ω/□以下、好ましくは1013Ω/□以下、さらに好ましくは1012Ω/□以下、特に好ましくは1011Ω/□以下である。特に1011Ω/□以下であると、積層体表面へのほこり、ゴミなどの付着が著しく低減されるため、フィルム加工時の欠陥の発生の防止に効果がある。なお、表面抵抗値が1014Ω/□を超える場合は、静電気の発生防止に効果が無いため好ましくない。
本発明では、2層以上の樹脂層からなる帯電防止フィルムを製造するが、好ましくは、少なくとも一方の表面層が帯電防止剤を含む帯電防止性能を有する層(帯電防止層)であり、帯電防止層に隣接する層が帯電防止性能を有さない層(基材層)であるのが望ましい。帯電防止性能を有さない層は、1層であってもよく、2層以上であってもよい。
本発明においては、本発明の効果を損なわない範囲において、さらに、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の添加剤を添加することができる。
酸化防止剤としては、例えば2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2,2’−ジオキシ−3,3’−ジ−t−ブチル−5,5’−ジメチルジフェニルメタン、テトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタンなどが挙げられる。
紫外線吸収剤としては、例えば2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノンなどが挙げられる。
[環状オレフィン系樹脂フィルムの製造方法]
本発明では、帯電防止フィルムの少なくとも一方の表面層である帯電防止層と、それに隣接する基材層とが、同種または類似の環状オレフィン系樹脂を主成分としているのが好ましい。帯電防止フィルムの各層を構成する各樹脂の主成分が同種あるいは類似の環状オレフィン系樹脂である場合には、各層の接着性がより強固になるとともに、溶融押出成形条件の制御が容易になる。
<溶融押出成形>
本発明の帯電防止フィルムの製造方法では、帯電防止フィルムの各層を形成する複数の樹脂を、Tダイを用いて同時に溶融押出し成形する。本発明において、溶融押出し成形に用いる装置は、積層体の各層を形成する樹脂が、それぞれTダイから吐出されてフィルム状に成形される構成であれば特に限定されるものではないが、たとえば、マルチマニホールド方式、フィードブロック方式、両者の併用方式などのものが挙げられる。製造する積層体が3層以上であって、隣接しない2層以上が同じ樹脂から形成される層である場合には、フィードブロック方式を含む装置を用いることが好ましい。
本発明の帯電防止フィルムの製造方法においては、各層を構成する溶融状態の原料をTダイ吐出口から同時に溶融押出成形し、溶融状態で積層を行ない、冷却して帯電防止フィルムとする。
このような押出し成形法としては、例えば、原料である2種以上の樹脂をそれぞれ別の押出し機により溶融し、当該溶融した樹脂をそれぞれ別のギアポンプにより定量供給し、これをそれぞれ別のポリマーフィルタによりろ過を行ない不純物を除去して、フィードブロックを用いて、2種以上の溶融状態の樹脂を膜状にしたものを重ね合わせて、溶融状態のフィルムをTダイから吐出し、引き取り機を用いて溶融状態のフィルムを冷却し、巻き取り機を用いて巻き取る方法が挙げられる。
また2種類の組成物からサンドイッチ構造の3層の積層体を得る場合を例にとると、片方の組成物について押出し機により溶融し、ギアポンプにより定量供給し、ポリマーフィルタでろ過を行った後、流路を2分割し、フィードブロックでもう片方の組成物を両側から挟み込むことにより成形することもできる。
本発明では、溶融状態で積層した後、得られた帯電防止フィルムをさらに加圧ローラを用いて加圧することも好ましい。加圧を行った場合には、得られる帯電防止フィルムの各層がより強固に接着される。
[偏光板の製造方法]
次に、偏光板の製造方法について説明する。
本発明の偏光板の製造方法は、偏光膜の少なくとも片面(具体的には片面又は両面)に、保護フィルムを、液状の放射線硬化性組成物を介して積層した後、この液状の放射線硬化性組成物を放射線(例えば、紫外線)照射して硬化させるものである。
図2中、偏光板1の製造方法は、ポリビニルアルコール系偏光膜2を準備する工程(a)と、保護フィルム5,6の各々の片面に接着剤層形成用の放射線硬化性組成物を塗布して、保護フィルム5,6と放射線硬化性組成物層3’,4’との積層体5’,6’を得る工程(b)と、ポリビニルアルコール系偏光膜2の上面及び下面の各々に、積層体5’,6’を、組成物層3’,4’が偏光膜2の面に対峙するように積層する工程(c)と、光照射により組成物層3’,4’を硬化させて、接着剤層3,4を形成する工程(d)を含む。
以下、工程ごとに説明する。
[工程(a)]
工程(a)は、ポリビニルアルコール系偏光板2を準備する工程である(図2中の(a)参照)。
[工程(b)]
工程(b)は、保護フィルム5(6)の片面に、接着剤層形成用の放射線硬化性組成物を塗布して、組成物層3’,4’を有する保護フィルム5’,6’を得る工程である(図2中の(b)参照)。
具体的には、保護フィルム5,6の各々の片面に、接着剤層形成用の放射線硬化性組成物を塗布し、必要に応じて乾燥等を行って、放射線硬化性組成物からなる層3’,4’を形成する。
放射線硬化性組成物の塗布方法としては、特に限定されないが、例えばダイコート法、ロールコート法、グラビアコート法、スピンコート法などが挙げられる。
[工程(c)]
工程(c)は、ポリビニルアルコール系偏光膜2の上面及び下面の各々に、保護フィルム5,6と放射線硬化性組成物層3’,4’との積層体5’,6’を積層する工程である(図2中の(c)参照)。積層体5’は、組成物層3’が偏光膜2の下面に対峙するように積層される。積層体6’は、組成物層4’が偏光膜2の上面に対峙するように積層される。
[工程(d)]
工程(d)は、放射線7を照射することにより組成物層3’,4’を硬化させ、接着剤層3,4を形成させる工程である(図2中の(d),(e)参照)。
具体的には、保護フィルム6の上面から、放射線7を照射する。これにより、放射線硬化性組成物層3’,4’を硬化させて接着剤層3,4とし、偏光膜2と保護フィルム5,6とが接着剤層3,4を介して接着されてなる偏光板1が完成する(図1、図2中の(e)参照)。
放射線の照射量は、特に限定されるものではないが、波長200〜450nm、照度1〜500mW/cm2の光を、照射量が10〜10,000mJ/cm2となるように照射して露光することが好ましい。
照射する放射線の種類としては、可視光、紫外線、赤外線、X線、α線、β線、γ線等を用いることができるが、特に紫外線が好ましい。光の照射装置としては、例えば、高圧水銀ランプ、低圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、エキシマランプ等を用いることが好ましい。
なお、放射線は、紫外線透過性の保護フィルムの側から照射される。図2には、保護フィルム6が紫外線透過性の保護フィルムである場合を示す。
得られた偏光板は、通常、裁断等の加工が施されて使用される。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、以下において、「部」、「%」は、特に断りのない限り「重量部」、「重量%」を意味する。
以下の実施例および比較例において、各種物性の測定は以下のようにして行った。
(曇価・全光線透過率)
曇価と全光線透過率は、ヘーズメーター(村上色彩研究所製:HM-150)を用いてASTM D1003により実施した。
(表面抵抗値)
Agilent Technology社製、抵抗率測定装置Agilent 4339Bを用いて、ASTM D0257により測定を実施した。
<樹脂(a−1)の合成>
窒素置換した反応容器に、特定単量体aとして8−メチル−8−カルボキシメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン 225部と、特定単量体bとしてビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン 25部と、分子量調節剤として1−ヘキセン 27部と、溶媒としてトルエン 750部とを仕込み、この溶液を60℃に加熱した。次いで、反応容器内の溶液に、重合触媒としてトリエチルアルミニウム 1.5モル/lを含有するトルエン溶液 0.62部と、t−ブタノールおよびメタノールで変性した六塩化タングステン(t−ブタノール:メタノール:タングステン=0.35モル:0.3モル:1モル)を含有する濃度 0.05モル/lのトルエン溶液 3.7部とを添加し、この系を80℃で3時間加熱攪拌することにより開環共重合反応させて開環共重合体溶液を得た。この開環基共重合体を、樹脂(a−1)とする。
この重合反応における重合転化率は97%であった。
また、樹脂(a−1)について、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC、溶媒:テトラヒドロフラン)により、ポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)および重量平均分子量(Mw)を測定したところ、数平均分子量(Mn)は20,800、重量平均分子量(Mw)は62,000、分子量分布(Mw/Mn)は3.00であった。
また、樹脂(a−1)のガラス転移温度(Tg)は130℃であり、23℃における飽和吸水率は0.3%であった。また、樹脂(a−1)のSP値を測定したところ、19(MPa1/2]であり、30℃のクロロホルム中で固有粘度(ηinh)を測定したところ0.51dl/gであった。
<合成例2>
特定単量体aとして、8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン 237部と、特定単量体bとして5−(4−ビフェニルカルボニルオキシメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン 13部とを用いたこと以外は、合成例1と同様にして水素添加重合体(以下、「樹脂(b−1)」ともいう。)を得た。
得られた樹脂(b−1)について、水素添加率を、400MHz 1H−NMRスペクトルにより測定したところ、99.9%であり、また、芳香環は実質的に水素添加されていないことが確認された。
また、樹脂(b−1)について、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC、溶媒:テトラヒドロフラン)により、ポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)および重量平均分子量(Mw)を測定したところ、数平均分子量(Mn)は19,000、重量平均分子量(Mw)は57,000、分子量分布(Mw/Mn)は3.98であった。
また、樹脂(b−1)のガラス転移温度(Tg)は150℃であり、23℃における飽和吸水率は0.3%であった。また、樹脂(b−1)について、30℃のクロロホルム中で固有粘度(ηinh)を測定したところ0.47dl/gであった。
<製造例1>
樹脂(a−1)をトルエンに濃度が30%となるように溶解した。得られた溶液の室温における溶液粘度は30,000mPa・sであった。この溶液に、酸化防止剤としてペンタエリスリチルテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]を、樹脂(a−1)100重量部に対して0.3重量部を添加し、得られた溶液を日本精線製の孔径5μmの金属繊維焼結フィルターを用い、差圧が0.4MPa以内に収まるように溶液の流速をコントロールしながら濾過した後、二軸押出機(東芝機械株式会社製;TEM-48)を用いて、3段ベントにより、トルエンを脱気しながら、ギアポンプを用いて下流に押出を行い、公称の目開きを10μmとした日本精線製の金属繊維焼結フィルターを用いて、270℃に加熱したダイからひも状に押し出して、0.2μmの目開きのPVDF製フィルタを通過させて清浄にしたイオン交換水中で冷却し、40℃以下まで冷却したストランドをストランドカッターにて切断し、ペレットを得た。(樹脂A−1)
このペレットを270℃で単軸押出機(ジーエムエンジニアリング社製;GM−90)を用いて、ギアポンプで80kg/hrの割合で計量しながら溶融し、溶融した樹脂を目開き10μmのフィルタに導入し、異物を除去した後、270℃のフィードブロックに導いた。
一方、樹脂(a−1)に改質剤として第二成分の界面活性剤ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(竹本油脂株式会社製S412-2)を3部とをブレンドして、これを二軸押出機(東芝機械製、TEM-37)を用いて溶融混練を実施し、ギアポンプで20kg/hrの割合で計量しながら、目開き10μmのフィルタを通した後、流路を二分割し、上記のフィードブロックの上下から、樹脂液を導入し、上記の樹脂A−1の膜を両側から挟みこむ形で、コートハンガー型のTダイ(1000mm幅)を用いて、Tダイ出口の間隙を0.5mmとして280℃で膜状に押出し、引き取り速度を8m/minとして、100μmの押出フィルムを得た。押し出したフィルムは、2種3層の多層シートになっており、この両側の膜厚はそれぞれ10μmであった。
押出したフィルムを、表面粗さが0.1S(Rmax≦0.1μm)の鏡面ロールの鏡面ロールを用いて130℃で冷却を行い、鏡面の形状を転写した。
得られたフィルムの帯電防止性能を測定するために、表面抵抗測定装置を使用し、フィルムの両面の表面抵抗を測定した。
フィルムの第一層側を表面として、第三層側を裏面とした。
表面の表面抵抗は、1.2×1010Ω/□であり、裏側の抵抗値は、1.1×1010Ω/□であった。また、フィルムの曇価を測定したところ、0.2%であり、全光線透過率は、91%であった。
<比較製造例1>
上記の実施例1と同様の方法により、樹脂A−1を溶融、ろ過した。フィルム化する際に、第二成分を添加せずに、同種の材料だけで100μmの膜厚の多層フィルムを作製した。
得られたフィルムの帯電防止性能を測定するために、実施例1と同様の方法で、フィルムの両面の表面抵抗を測定した。
表面の表面抵抗は、6.3×1016Ω/□であり、裏側の抵抗値は、8.7×1016Ω/□であった。
フィルムの曇価は、0.2%であり、全光線透過率は91%であった。
<比較製造例2>
上記の実施例1で使用した第二成分の添加剤を3部を樹脂A−1に添加した上で、実施例1と同様の押出機を用いて、単層で厚みが100μmのフィルムを得た。フィルムの表側の表面抵抗は、1.7×1010Ω/□であり、裏側の抵抗値は、2.3×1010Ω/□であった。
フィルムの曇価は、15%であり、全光線透過率は、45%であった。
Figure 2008249885
[接着剤層形成用の放射線硬化性組成物の調製]
攪拌装置付きの容器に、セロキサイド2021P(32.5部)、クラレポリオールC−2090(10部)、CPI−110A(2.5部)、アロニクスM−315(12部)、SR−NPG(33部)、サンニックスGP−400(8部)及びIRGACURE184(2部)を投入し、4時間攪拌し均一に混合した。攪拌を停止し、24時間静置して、実施例1〜5に用いる接着剤層形成用の放射線硬化性組成物(以下、「接着剤用組成物」と略すことがある。)を得た。
なお、各成分の化合物名は、次のとおりである。
(A)成分
セロキサイド2021P: 3,4−エポキシシクロヘキセニルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキセンカルボキシレート(ダイセル社製)
(B)成分
クラレポリオールC−2090: ポリ((3−メチル−1,5−ペンタンジオール;1,6−ヘキサンジオール)カーボネート)(クラレ社製;数平均分子量2,000)
(C)成分
CPI−110A: ジフェニル[4−(フェニルチオ)フェニル]スルホニウムヘキサフルオロアンチモナート(サンアプロ社製)
(D)成分
アロニクスM−315: トリス[2−(メタ)アクリロイルオキシシエチル]イソシアヌレート(東亞合成社製)
その他の成分
SR−NPG: ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル(阪本薬品工業社製)
サンニックスGP−400: ポリオキシプロピレングリセリルエーテル(三洋化成工業社製)
IRGACURE184: 1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)
<製造例2>
ホウ酸20質量部、ヨウ素0.2質量部、ヨウ化カリウム0.5質量部を水480質量部に溶解させて染色液を調製した。この染色液にPVAフィルム(ビニロンフィルム#40、アイセロ社製)を、30秒浸漬した後、フィルムを一方向に2倍に延伸し、乾燥させて、膜厚30μmのPVAフィルムを作製した。
なお、PVAフィルム以外のフィルムは、コロナ表面処理装置(春日電機社製の「AGF−012」)を用い、320W・分/mの放電量でフィルム表面にコロナ放電処理を行い、表面処理後1時間以内に接着を実施した。
[偏光板の製造]
[実施例1]
接着剤層形成用の放射線硬化性組成物を、ワイヤーバーコーター#3を用いてアートンR5300U(商品名、JSR社製、紫外線吸収剤入り)上に塗工し、その上に製造例2のPVAフィルムを気泡等の欠陥が入らないように貼合した。次に製造例1のフィルム(以下、帯電防止フィルム)上に、接着剤層形成用の放射線硬化性組成物を、ワイヤーバーコーター#3を用いて塗工し、上記貼合したフィルムのPVA上に、気泡等の欠陥が入らないように貼合した。ガラス板上に、帯電防止フィルムが上になるように四方をテープで固定し、メタルハライドランプ(照度220mW/cm、照射光量1,000mJ/cm)で帯電防止フィルムの側から光照射した。
[比較例1〜2]
帯電防止フィルムを比較製造例1、2のフィルムに変えた以外は実施例1と同様にして偏光板を製造した。
[偏光板の評価]
製造した偏光板の、全光線透過率と表面抵抗を上記と同様に測定した。
結果を表2に示す。
Figure 2008249885
表2から、実施例の偏光板は、フィルムと同等の帯電防止性能を有していることが分かる。一方、比較例1の偏光板は表面抵抗値が高く、帯電防止性能を有していない。また、比較例2の偏光板は、全光線透過率に劣ることがわかる。
本発明の偏光板の一例を模式的に示す断面図である。 本発明の偏光板の製造方法の一例を示すフロー図である。
符号の説明
1 偏光板
2 ポリビニルアルコール系偏光膜
3 接着剤層
3’ 放射線硬化性組成物からなる層
4 接着剤層
4’ 放射線硬化性組成物からなる層
5 保護フィルム
5’ 保護フィルム5と放射線硬化性組成物からなる層3’との積層体
6 保護フィルム
6’ 保護フィルム6と放射線硬化性組成物からなる層4’との積層体
7 放射線(紫外線)

Claims (6)

  1. ポリビニルアルコール系偏光膜の少なくとも片面に、接着剤層を介して保護フィルムが積層されてなる偏光板であって、
    上記保護フィルムの少なくとも片面が、2層以上の樹脂層を有する帯電防止フィルムであって、前記樹脂層がいずれも環状オレフィン系樹脂を含み、少なくとも一方の表面層を形成する樹脂層が、帯電防止剤を含む帯電防止層であり、各層を形成する環状オレフィン系樹脂を、Tダイを用いて同時に溶融押出成形し、溶融状態で積層されたものであり、かつ、
    上記接着剤層が、(A)脂環式エポキシ化合物、(B)水酸基を少なくとも1個含有し、数平均分子量が500以上である化合物、及び(C)光酸発生剤、を含む放射線硬化性組成物の硬化物からなることを特徴とする偏光板。
  2. 上記(B)成分の数平均分子量が、1,000以上である請求項1に記載の偏光板。
  3. 上記(B)成分が、下記式(2)で表される化合物
    HO−(R−O−CO−O)−(R−O−CO−O)−R−OH (2)
    (式中、RおよびRはそれぞれ独立に炭素数2〜12の2価の炭化水素基を表し、Rは、RとRのいずれかと同じ構造を表す。mは2〜150、nは0〜150であり、かつ、m+nは2〜200である。)である、請求項1又は2に記載の偏光板。
  4. 上記放射線硬化性組成物は、厚さ200μmの硬化物としたときに波長550nmの光の透過率が70%以上のものである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の偏光板。
  5. 上記保護フィルムが、環状オレフィン系樹脂からなる請求項1〜4のいずれか1項に記載の偏光板。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の偏光板の製造方法であって、偏光膜の少なくとも片面に、上記放射線硬化性組成物を介して保護フィルムを積層する工程と、該放射線硬化性組成物を光照射して硬化させ、偏光板を得る硬化工程を含む、
    前記保護フィルムの少なくとも一方の表面層を形成する樹脂層が、帯電防止剤を含む帯電防止層であり、各層を形成する環状オレフィン系樹脂を、Tダイを用いて同時に溶融押出成形し、溶融状態で積層されたものである偏光板の製造方法。
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