JP2020011771A - 内容物の漏洩を防止した多層紙袋 - Google Patents

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Abstract

【課題】多層紙袋に微粉などの内容物を充填する際の作業条件、あるいは紙袋に内容物を充填した後の輸送条件等が過酷であっても、充填物が漏洩することのない多層紙袋を提供する。【解決手段】少なくとも最外層が紙層からなる多層筒状体の両端部を平坦に折り潰し、該筒状体の開口端部の両角に、中心部開口(一筋)を介して、上紙及び下紙を含む三角形状の折り込み部を有する展開面を形成し、最外層における該一筋当接部分の展開面内側端部から開口に平行なスリットを形成することにより上記課題の解決を図るものである。基本的には、上記要件が満たされれば目的は達成できるが、更に、前記上紙及び下紙のそれぞれの中間部には、それを互いに内側に折り込むことにより該中心部開口を覆う為の折れ筋(二筋)が形成されており、該二筋にも展開面内側端部から開口に平行なスリットを形成することによって、より確実に目的を達成することが出来る。【選択図】 図1

Description

本発明は、米、麦、コーンスターチ、デンプンなどの食品に由来する粉粒体、飼料、プラスチック樹脂、セメント、石灰、カーボンブラックなどの粉粒体を収納する多層紙袋に関するものであり、より詳しくは、特に多層紙袋に収納する内容物が微粒子状の粉粒体であっても、製造工程あるいは輸送時の激しい衝撃にあっても、紙袋から漏洩することのない密封構成を有する多層紙袋に関する。
包装袋において、紙袋に収納する内容物の外部への漏洩を防止する技術については、様々な提案がなされているが、内容物が微粒子状のものであり、輸送時の、予期せぬ激しい衝撃に遭遇しても、なおかつ、内容物の漏洩を完全に防止できることを目的にしたものは、宣伝サイトの表現としては市場に出回っているものの、あらゆる輸送条件、あるいは保存条件においても、完全に目的を達成し得ることは困難な状況にあるのが実情である。
本出願人も係る上記技術的課題の解決に向けて様々な提案をしており、特開2004−99091号公報(特許文献1)及び特開2004-99092号公報(特許文献2)にその一端が開示されている。
前記特許文献1には、多層の紙状物による紙状筒を平坦に折り潰し、この紙状筒の開口端部の両角に折り込み部を形成すると共に、上紙及び下紙の一方を開いて展開面とし、この展開面の中心部開口を塞げるように上紙及び下紙に折れ筋を付け、この折込み部に位置した折れ筋に交差する1以上のスリットを、該紙状筒の外層紙状物に設けて、その状態で上紙及び下紙を折れ筋に沿い折り畳んで貼り合わせ、更にその上に化粧紙を貼り合わせることでスリットの周辺の紙状物に自由度と柔軟性を持ち、その結果、隙間が狭くなり、さらに内容物充填後に使用する貼合剤が、この隙間に引掛かって内層にまで入り込み固まるため、微細な内容物でも漏れないというものである。
また、前記特許文献2にも、前記特許文献1と同様の目的で、紙袋に内容物が充填され、特に内容物が微粉状態の粉粒体の外部への漏洩を抑制する技術が開示されている。
特許文献2に開示された技術は、前記特許文献1に開示されたものとは、スリットの形成位置が異なり、折込み部に位置した折れ筋に接しない状態で開口端部に接する1以上のスリットを形成するものである。
前記特許文献1及び特許文献2に開示された技術は、高度の内容物漏洩防止効果を有しており、いずれも特許されており、当業界で高く評価されている。
ところが、近年技術開発や輸送における流通形態の多様化が進み、紙袋に充填された内容物が、製造工程における作業条件、あるいは温度条件や輸送時における道路事情などいかなる条件下での衝撃に遭っても漏洩を伴うことがなく対応できることが求められるようになってきている。
かかる観点から、従来から前記特許文献1及び特許文献2を利用した上で、微粒状の内容物を充填した状態のまま漏洩を伴わずに客先への製品提供を心掛けているが、輸送時の道路事情や温度条件が予想を超えて厳しい場合があり、そのような場合でも、内容物の漏洩を伴わずに最終目的地への輸送を成し遂げることが出来る粉粒体の充填を可能にする紙袋の提言が求められる現状がある。
そこで、本発明者らは、前記特許文献1及び特許文献2を利用し追試する過程において、さらに高度の内容物の漏洩防止機能を求め、いかなる過酷な条件下においても、内容物が微粉体であっても、確実に外部への漏洩を確実に防止し得る技術を探求し、本発明を完成するに至った。
特開2004−99091号公報 特開2004−99092号公報
前述したように、上記特許文献1及び特許文献2の開示された発明は、いずれも紙袋の内容物が微粉体であっても、高いレベルで漏洩を防止するものであるが、粉粒体等の内容物を紙袋に充填した後の製品を客先へ輸送する際に極端に道路事情が悪い場合などでは、内容物の漏洩防止という点で完全に目的を達成し得ない場合がありうるという問題点を直視し、いかなる悪条件下でも内容物の漏洩をもたらさない紙袋の封止構造を求めて本発明に到達したものである。
本発明は、上記目的を達成するために提案されたものであって、下記の構成からなることを特徴とするものである。
すなわち、本発明によれば、少なくとも最外層が紙層からなる多層筒状体の両端部を平坦に折り潰し、該筒状体の開口端部の両角に、中心部開口(一筋)を介して、上紙及び下紙を含む三角形状の折り込み部を有する展開面を形成し、最外層における該一筋当接部分の展開面内側端部から開口に平行なスリットを形成してなることを特徴とする多層紙袋が提供される。
また、本発明によれば、前記上紙及び下紙のそれぞれの中間部には、それを互いに内側に折り込むことにより該中心部開口を覆う為の折れ筋(二筋)が形成されており、該二筋にも展開面内側端部から開口に平行なスリットを形成してなる上記多層紙袋が提供される。
また、本発明によれば、前記中心部開口面と前記上紙及び下紙の重ね合わせ面の間には、内容物充填ノズルを挿入するため、前記中心部開口を覆う大きさのインナーパッチが装填されており、該インナーパッチの内容物充填ノズル挿入側内面には、内周全面に加熱溶融接着剤が塗布された一周弁がインナーパッチ内面に接着状態で配設されていることが好ましい。
また、本発明によれば、前記展開面の両折り込み部を渡り、且つ中心部開口を覆うインナーパッチの一端部に弁紙を筒状に貼り合わせ、これらインナーパッチ及び弁紙の周縁部を前記展開面に貼り合わせて、前記紙状筒の開口端部を塞ぐと共に前記インナーパッチの一端部と前記弁紙との間を充填口とする構成を採用することが出来る。
また、本発明によれば、前記一筋部のスリット形成後および/または二筋部のスリット形成後に、前記展開面のスリットを含む側端部を20mm以下の幅で外方に山折りしてなる上記多層紙袋が提供される。
また、本発明によれば、前記紙袋を構成する開封側の上紙及び下紙の外面に、開封方向にミシン目が刻設されたアウターパッチ(力紙)を有する上記多層紙袋が提供される。
また、本発明によれば、前記ミシン目が、アウターパッチ(力紙)の横方向一方の端部から他方の端部にかけて少なくとも二列に形成されてなる上記多層紙袋が提供される。
また、本発明によれば、前記ミシン目の列間同士の間隔が8mm以上に形成されてなる上記多層紙袋が提供される。
また、本発明によれば、前記アウターパッチ(力紙)が、抄紙時に漉き込まれる繊維成分がミシン目を引く方向に揃っている上記多層紙袋が提供される。
本発明による作用は次の通りである。
すなわち、本発明の目的は、少なくとも最外層が紙層からなる多層紙袋に微細な粒子を含む内容物を充填したものであっても、組み立て作業時の取り扱い状況、あるいは輸送状況において、予期せぬほどの過度の衝撃に遭っても、内容物の漏洩を防止できる密封構造を有する紙袋を提供するものであり、その構成上の最大の特徴は、紙袋を成形するにあたって、最外層を構成する紙層と積層される層との接合状況が、折り曲げ等の作業において多層紙袋の積層構造が部分的に分離する事態が生じても、当該部位に軟化状態の貼合剤が入り込み、層間分離箇所からの内容物の漏洩を防止できるように、当該漏洩が最も懸念される部位の紙層に予めスリットを形成しておくようにしたものである。
本発明者らは、前述した特許文献1においては、スリットの形成箇所を、上紙及び下紙の折れ筋に交差する部位に定めたものであり、特許文献2においては、折れ筋に接しない状態で開口端部に達するスリットを設けるものであるが、過度の衝撃に遭った場合に、わずかではあるが、当該部位に段差が生じ、そこから充填物の漏洩がもたらされることを知見し、その解決に向けて研究と実験を積み重ねた結果、紙層に入れるスリットの形成箇所を少なくとも最外層の該一筋の展開面内側端部から該中心部開口(以下、「一筋」ということがある)に平行に形成することで完全な密封性が得られることを見出したものである。
本発明の多層紙袋によれば、内容物が微細な粉粒体であっても、過度の衝撃に遭遇しても、紙層の折れ筋の剥離に伴う段差部位に軟化状態の貼合剤が入り込み密封状態を形成し、内容物の漏洩を確実に阻止することが出来る。
また、本発明の紙袋によれば、開封時に用いられていた開封テープに代えて、ミシン目を刻設したアウターパッチを用いることによって、開封時における微粉の発生を伴うことがなく、且つ、材料費を節減しつつ、、内容物の漏洩を伴わずに開封を容易且つ完全に行うことが出来る。
以下に、本発明の構成を図面を参照してさらに詳細に説明する。
本発明の多層紙袋(1)は、前述したように、少なくとも最外層が紙層からなる多層筒状体(2)の両端部を平坦に折り潰して、該筒状体(2)の開口端部の両角に、中心部開口(8)を介して、上紙(6)及び下紙(7)を含む三角形状の折込み部(10)を有する展開面(7)を形成してなるものにおいて、最外層の該一筋の展開面端部(8a)から前記中心部開口(8)に平行なスリット(5)を形成することを特徴とするものである。
図1は、上記多層紙袋(1)構成において最外層が紙層からなる多層紙袋の場合の構成を説明するためのものであり、最外層以外の内層などの構成については排除している。
本発明における最外層が紙の層からなる多層の紙袋においては、紙袋の製造工程または製造後の輸送工程において、過度の衝撃により、最外層を形成する紙の層と接合されている層(例えば、クラフト紙、樹脂シート、あるいはそれらの積層シート)が、部分的に層間剥離することがあり、その部位に段差ができてしまい、袋としての密封性が損なわれことになり、その部分から次第に内容物の漏洩がもたらされることが確認された。
本発明者らは、袋のどの部位に上記現象がもたらされるのかを実験を繰り返したところ、上記三角形状の展開面(7)における中心部開口(8)、つまり、一筋における積層構造の剥離による段差の発生が最も顕著であることが確認されたので、その対策について研究を継続してきたところである。その結果、最外層を構成する紙の層の中心部開口(8)に当接する展開面の端部(8a)にスリット(5)を形成することにより、このスリット(5)に紙袋の接合工程で使用される軟化状態の貼合剤が入り込み、前記段差を解消し袋全体の密封性が保たれることを見出した。
多層紙袋の接合に用いられる貼合剤としては、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセテート、アクリル系樹脂、ゴム系、でんぷんのり等の接着剤が用いられる。
前述したように、前記特許文献1においては、上紙及び下紙の折れ筋に接しない状態でスリットを形成し、前記特許文献2においては、上紙及び下紙の折れ筋に交差する部位にスリットを形成するものであるが、スリットの形成部位並びに形状として、前記特許文献に示唆されていない前記中心部開口に平行にスリットを形成することにより、前記従来技術を超える密封性を得ることが出来ることは顕著な効果というべきである。
本発明においては、前述したように最外層を構成する紙層の中心部開口(8)に平行なスリット(5)を形成することによって高度の密封性を得るものであるが、それに加えて上紙(6)および/または下紙(7)の折れ筋(9a)(以下、この部位を「二筋」ということがある)の展開面内側端部(9b)にも前記中心部開口に平行なスリット(5a)を形成してもよい。また、スリットの長さは特に限定されるものではないが、長さ10mm程度で、この部分に、軟化状態の貼付剤が入り込むことによって十分に密封性が保たれることが確認されている。
また、前記中心部開口(8)面と前記上紙(6)及び下紙(7)の重ね合わせ面の間には、内容物充填ノズルを挿入するため、前記中心部開口を覆う大きさのインナーパッチ(11)が装填されていてもよい(図3参照)。
その場合は、該インナーパッチと中心部開口の間に、内容物充填用のノズルが挿入される充填口(12)を確保しておくことが必要であり、該インナーパッチの内面には、円筒形の一周弁が装填されていることが好ましいが、一周弁の外端は、インナーパッチの外側端部よりも外側に位置していることにより、ノズル挿入時に、ノズルによってインナーパッチを損傷することがない。
一周弁は通常柔軟性の紙製のものが用いられ、その内周全面には熱溶融接着剤が全面に塗布されており、内容物充填後にノズルを引き抜いた後で、外部から加熱してやることによって当該部分が封鎖される。
また、一周弁に代えて事体公知の閉塞バルブを用いてもよい。
また、本発明においては、前記一筋部のスリット形成後および/または二筋部のスリット形成後に、前記展開面の側端部を20mm以下の幅で外方に山折りしてなる紙袋を提供することが出来る。図2においては、二筋形成後に展開面の側端部を外方に山折りした状態を示しており、この展開面折り返し部を符号(5b)で示した。
このようにすることで、内容物漏洩効果は勿論保たれるばかりでなく、折り返し部がポケット状になるため、外部からの異物があっても、展開面折り返し部(5b)がポケット状の隙間になっているためその部位に入り込み、袋内への混入する事態を防止することが出来る。
本発明の紙袋の開封側を構成する前記上紙及び下紙の外面には、開封用のアウターパッチ(13)を貼付しておくことが出来る(図4参照)。
開封用のアウターパッチとしては、以前より紙袋の開封手段として使用されてきた、開封テープをアウターパッチの表面に貼り付けたものが知られているが、好ましくは、それに代えて、袋の開口部を封鎖するアウターパッチ面に直接ミシン目(14)を刻設したものが推奨される。
この開封テープを用いずに、アウターパッチに直接ミシン目を刻設したものを用い、且つ、前記開口部内に形成される上紙の先端を折り畳む構成が相俟って、開封テープを用いたことによる弊害、すなわち、開封テープを引き裂く際にもたらされる微細な粉塵の発生を抑止できるため、製品への混入を未然に防ぐことができ、かつ、アウターパッチそのものにミシン目を刻設するだけであるため材料費の抑制という点でも経済的にすぐれていることがわかる。
本発明におけるミシン目とは、アウターパッチの任意の箇所に断続的に刻設されていればよく、ミシン目がアウターパッチの表裏に貫通していても、貫通していなくても、外力により開封されるものであればよい。またミシン目の配列は、少なくとも1列であり、2列であること最も好ましい。また、ミシン目の配列が2列以上の場合、列間同士の距離は8mm以上であることが好ましい。列間同士の距離が8mm以下の場合、不意の衝撃等によって、並行するミシン目が互いに干渉してしまい当該部分から破断する虞がある。本発明においてミシン目はアウターパッチの引き裂き方向の端部から端部まで全体にわたって形成されているものが一般的に用いられる。
それ以外にも、袋の内容物を小出しにしたい場合には、ミシン目はアウターパッチの中央部だけに形成されていてもよく、一例として、釣り針状に形成されるものが挙げられる。
また、ミシン目の形状は袋の内容物に応じて様々なものが適用し得るが、ミシン目を2列に形成した場合に開封作業がスムーズに行える。
図5の例からもわかるように、アウターパッチの端部まで2列のミシン目を施した場合は、ミシン目の端部に切り裂き開始用の切込みを形成しておくことが好ましい。
また図5のeに示した例では、アウターパッチの表面から裏面まで貫通しない半切のミシン目が刻設され、アウターパッチの裏面からは表面まで貫通しないミシン目が刻設されている。
本発明において用いられるアウターパッチの紙力強度は、一定の坪量を有する開封テープに用いられているものが、特に制限なく用いることが出来るが、本発明において、最も好ましいアウターパッチとして用いられるものは、アウターパッチを構成する繊維質が、ミシン目と同じ方向に抄紙されているものを使用することである。
つまり、アウターパッチは、楮やミツマタなどの繊維質を含む原材料を抄紙して得られるものであるが、その抄紙工程において、繊維質を一定方向に抄紙したものが、ミシン目の引き裂き時に微粉の発生が抑制され、且つ、操作がスムーズに行われるので、最も好ましいものとして挙げることが出来る。
アウターパッチにミシン目を刻設するには、ダイキャストの技術が応用されるのが一般的である。この場合、一方のカレンダーロールの表面に突設されたミシン目に対応して、他方のカレンダーロールの表面には、凹説されたミシン目が形成されており、ロール間に配設されたアウターパッチは、カレンダーロールの回転に伴って、ミシン目が刻設される。
本発明の実施の形態における多層紙袋の、最外層を構成する紙層の構成を示す平面図である。 本発明において、スリット部を中心部開口に対し直角に山折りした形態を示す平面図である。 本願明細書の請求項3に規定した多層紙袋における内容物充填部の一例を示す平面図である。 本発明の多層紙袋の開封用のアウターパッチを開封部外面にあらかじめ貼り付けた状態を示す平面図である。 本発明において、開封用のアウターパッチとして好ましく用いることが出来る、ミシン目の刻設状態の一例を示す平面図である。
以下に、具体的に行った本発明の実施形態について説明する。
実施例1においては、紙袋として、外層がクラフト紙で構成され、それに積層される内層がポリエチレンフィルム、最内層がクラフト紙からなる多層筒状体を用いた。
用いた多層筒状体の両端部を平坦に折り潰し、図1に示したように、該筒状体の開口端部の両角に、中心部開口(一筋)を介して、上紙及び下紙を含む三角形状の折り込み部を有する展開面を形成した。
この操作により、内層と外層が部分的に折り曲げられた状態で一体化される工程において、この一筋の折り曲げ部分が一部剥離して段差が生じてしまい、この段差部分より内容物が漏洩することが認められた。
そこで、この実施例においては、漏洩防止対策として、紙層における該一筋当接部分の展開面内側端部から開口に平行な長さ10mmのスリットを形成し、該多層筒状体を一体化した。得られた紙袋に微粉状態の小麦粉を充填し、紙袋を一体化する工程に進めたが、一体化の際に用いた貼合剤(この実施例においても、通常使用されている酢酸ビニル系接着剤を用いた)が段差部分に入り込み、剥離状態を解消して、密閉された多層紙袋を得ることが出来た。
こうして得られた内容物を充填した紙袋の落下試験(50袋×3回)に加えて、パレットに充填済50袋を乗せ、輸送テスト(千葉→東京間, 兵庫→岡山間, 兵庫→香川間:搖動状態)を実際に実施した。その結果、破袋および内容物の漏洩は認められなかった。
上記実施例1で得られた多層紙袋の展開状態の二筋にも、該二筋当接部分の展開面内側端部から開口に平行な長さ10mmのスリットを形成し、内容物の漏洩防止対策をさらに強化した。
実施例2においては、前記展開面の側端部をスリット部分を含み6mmの幅で外方に山折りしてなる紙袋を作成した(図2参照)。この状態で内層と外層を一体化することにより、内容物漏洩効果は勿論保たれるばかりでなく、折り返し部がポケット状になるため、外部からの微細な異物があっても、このポケット状の隙間に入り込み、袋内への混入する事態を防止することが出来ることが確認された。
以上、本発明の実施例1、2を説明したが、具体的な構成はこれに限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲での変更は適宜可能であることは理解されるべきである。
本発明の開封容易な袋は、簡易な構造のために費用の低減を図ることが出来、且つ、開封時に微粉の発生を伴わずに、内容物である粉粒体の漏れの完全な阻止や必要な強度に対し充分に満足した上で、開封を容易且つ完全に行いたいような場合に、利用可能性が極めて高くなる。
1 多層紙袋
2 多層筒状体
3,4 折り込み線
5 スリット(一筋)
5a スリット(二筋)
5b 展開面折り返し部
6 上紙
7 下紙
8 中心部開口
8a 展開面内側端部(一筋)
9 上紙の折れ筋
9a 下紙の折れ筋
9b 展開面内側端部(二筋)
10 折り込み部
11 インナーパッチ
12 充填口
13 開封用アウタアーパッチ
14 ミシン目


また、本発明の紙袋によれば、開封時に用いられていた開封テープに代えて、ミシン目を刻設したアウターパッチを用いることによって、開封時における微粉の発生を伴うことなく、且つ、材料費を節減しつつ内容物の漏洩を伴うことなく、開封を容易且つ完全に行うことが出来る。

Claims (9)

  1. 少なくとも最外層が紙層からなる多層筒状体の両端部を平坦に折り潰し、該筒状体の開口端部の両角に、中心部開口(一筋)を介して、上紙及び下紙を含む三角形状の折り込み部を有する展開面を形成し、最外層における該一筋当接部分の展開面内側端部から開口に平行なスリットを形成してなることを特徴とする多層紙袋。
  2. 前記上紙及び下紙のそれぞれの中間部には、それを互いに内側に折り込むことにより該中心部開口を覆う為の折れ筋(二筋)が形成されており、該二筋にも展開面内側端部から開口に平行なスリットを形成してなる請求項1記載の多層紙袋。
  3. 前記中心部開口面と前記上紙及び下紙の重ね合わせ面の間には、内容物充填ノズルを挿入するためであって、前記中心部開口を覆う大きさのインナーパッチが装填されており、該インナーパッチの内容物充填ノズル挿入側内面には、内周面に加熱溶融接着剤が塗布された一周弁がインナーパッチ内面に接着状態で配設されてなる請求項1または2記載の多層紙袋。
  4. 前記展開面の両折り込み部を渡り、且つ中心部開口を覆うインナーパッチの一端部に弁紙を筒状に貼り合わせ、これらインナーパッチ及び弁紙の周縁部を前記展開面に貼り合わせて、前記紙状筒の開口端部を塞ぐと共に前記インナーパッチの一端部と前記弁紙との間を充填口とした請求項1ないし請求項3のいずれか1項記載の多層紙袋。
  5. 前記一筋部のスリット形成後および/または二筋部のスリット形成後に、前記展開面のスリットを含む側端部を20mm以下の幅で外方に山折りしてなる請求項1ないし請求項4のいずれか1項記載の多層紙袋。
  6. 前記多層紙袋を構成する開封側の上紙及び下紙の外面に、開封方向にミシン目が刻設されたアウターパッチ(力紙)を有する請求項1ないし請求項5のいずれか1項記載の多層紙袋。
  7. 前記ミシン目が、アウターパッチ(力紙)の横方向一方の端部から他方の端部にかけて少なくとも二列に形成されてなる請求項1ないし請求項6のいずれか1項記載の多層紙袋。
  8. 前記ミシン目の列間同士の間隔が8mm以上に形成されてなる請求項1ないし請求項7のいずれか1項記載の多層紙袋。
  9. 前記アウターパッチ(力紙)が、抄紙時に漉き込まれる繊維成分がミシン目を引く方向に揃っている請求項1ないし請求項8のいずれか1項記載の多層紙袋。





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