JP2020011372A - 工作機械の制振装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】主軸ユニットを支えるコラムの固有振動を簡単且つ確実に抑制して加工面品位を更に向上することができる工作機械の制振装置を提供する。【解決手段】主軸ユニット10を支えるコラム13を備えた工作機械1において、コラム13の側面に所定の間隔で対に配置された支持部材22と、該支持部材22を介してコラム13の側面に装着された板バネ21と、該板バネ21の中央部に設けた質量部材23と、該質量部材23の振動を弾性的又は/及び磁気的に減衰させる減衰機構30と、からなる振動吸収機構2を有する工作機械の制振装置。【選択図】図1

Description

本発明は、主軸ユニットを支えるコラムの固有振動を抑制して加工面品位を向上することができる工作機械の制振装置に関する。
近年、切削加工品の手仕上げ作業削減のために、加工面品位を向上させた様々な工作機械が提案されている。
例えば、特許文献1には、工具を装着した工具ホルダを主軸に自動着脱する着脱機構を備えた工作機械において、主軸の回転軸に対する工具の振れを自動的に修正して工具の高精度な取り付けを可能にする工作機械及び工具の振れ修正方法が開示されている。特許文献1に記載の工作機械は、主軸の回転時に、主軸の回転軸に対する主軸、工具ホルダ及び工具で構成される回転系の振れを測定する振れセンサと、工具ホルダを主軸に対して異なる位相で装着する位相制御機構と、を有し、位相制御機構が、二以上の異なる位相において測定した回転系の振れを比較し、該振れが最小となる位相で工具ホルダを主軸に装着する振れ修正機構を備えている。
また、特許文献2には、工作機械において、コラムなどの構造物に固定されて片持ち梁の固定端となる第1の位置及び自由端側の第2の位置を有する撓み部材と、この第2の位置において撓み部材に取り付けられた錘と、を備え、第1の位置及び第2の位置の間の距離を変更する調整機構を有する振動抑制装置が開示されている。この振動抑制装置は、撓み部材に取り付けられた錘によって構造物の振動を抑制すると共に、第1の位置及び第2の位置の間の距離を調整することによって特性の異なる振動に対応している。
特開2017−7030号公報 特開2018−103298号公報
しかし、工作機械の加工精度が向上すると、機体に生じる僅かな振動も加工面品位に影響を及ぼすという課題が残った。この加工面品位を低下させる振動問題として、発明者は、主軸ユニットを支えるコラムの固有振動に着目した。
コラムの固有振動は、特定の周波数で特定の方向(例えばX軸方向)に振動するモードであり、低い振動数である故に、床からの外乱や自励振動の影響を受けやすい。このコラムの固有振動は、加工面品位を低下させる要因の一つになっている。
特許文献2記載の振動抑制装置は、撓み部材に取り付けられた錘によってコラムなどの構造物の振動を抑制しているが、片持ち梁の自由端側に錘が取り付けられているために、錘が円周上に沿って振動し、振動方向が常に変化する。このため、特許文献2記載の振動抑制装置には、振動を抑制したい方向以外の揺れを生じ、特に振幅の小さい微振動を制振対象とする場合には錘の振動が他軸に影響を及ぼす恐れがあった。
また、特許文献2記載の振動抑制装置は、個々の工作機械の特性や取り付けられる工具の違いによって特性の異なる振動に対応するために、調整機構で片持ち梁の固定端と自由端の間の距離を変更する必要があり、調整が煩雑であると共に、狭い周波数帯の固有振動しか抑制できないという課題があった。
そこで、本発明は、主軸ユニットを支えるコラムの固有振動を簡単且つ確実に抑制して加工面品位を更に向上することができる工作機械の制振装置を提供するものである。
本発明は、上記課題を解決するために、主軸ユニットを支えるコラムを備えた工作機械において、前記コラムの側面に所定の間隔で対に配置された支持部材と、該支持部材を介して前記コラムの側面に装着された板バネと、該板バネの中央部に設けた質量部材と、該質量部材の振動を弾性的又は/及び磁気的に減衰させる減衰機構と、からなる振動吸収機構を有する工作機械の制振装置を提供するものである。
また、本発明の工作機械の制振装置は、前記振動吸収機構が、水平方向に所定の間隔で対に配置された前記支持部材の間に前記板バネが架け渡され、上下左右対称の形状を成すものである。
また、本発明の工作機械の制振装置は、前記減衰機構が、前記質量部材の振動を弾性的に減衰させる粘弾性体を備えたものである。
また、本発明の工作機械の制振装置は、前記減衰機構が、前記質量部材に形成された空洞部に収容された前記粘弾性体と、該粘弾性体が前記コラムに対して前記質量部材の振動方向に変位するのを規制するストッパー部材と、を備え、前記空洞部を覆うカバー体を有するものである。
また、本発明の工作機械の制振装置は、前記粘弾性体が反発弾性15%以下の低反発弾性素材である。
また、本発明の工作機械の制振装置は、前記板バネと前記コラムとの間に前記粘弾性体を設けたものである。
また、本発明の工作機械の制振装置は、前記減衰機構が、前記板バネ又は前記コラムの何れか一方に設けられた磁石と、他方に設けられた導体と、からなり、前記質量部材の振動を磁気的に減衰させる磁気減衰手段を備えたものである。
また、本発明の工作機械の制振装置は、前記板バネと前記質量部材との間に配置されて該板バネの中央部に当接するスペーサ部材を有するものである。
また、本発明の工作機械の制振装置は、前記質量部材が前記板バネの中央部に当接する突起部を有するものである。
本発明の工作機械の制振装置は、主軸ユニットを支えるコラムを備えた工作機械において、前記コラムの側面に所定の間隔で対に配置された支持部材と、該支持部材を介して前記コラムの側面に装着された板バネと、該板バネの中央部に設けた質量部材と、該質量部材の振動を弾性的又は/及び磁気的に減衰させる減衰機構と、からなる振動吸収機構を有することにより、対に配置された支持部材を介して板バネが装着された両持ち梁構造によって制振したい方向にのみ質量部材を振動させることができ、他軸方向へ影響を及ぼすことなくX軸方向に生じるコラムの固有振動を確実に抑制することができる効果がある。
また、本発明の工作機械の制振装置は、減衰機構が質量部材の振動を減衰させることにより、制振される固有振動の周波数帯域を広げることができ、個々の工作機械の特性や取り付けられる工具の違いによって特性の異なる振動も制振することができる効果がある。
また、本発明の工作機械の制振装置は、前記振動吸収機構が、水平方向に所定の間隔で対に配置された前記支持部材の間に前記板バネが架け渡され、上下左右対称の形状を成すことにより、制振対象であるX軸方向に生じるコラムの固有振動を確実に抑制することができ、質量部材の振動による他軸方向への影響を低減することができる効果がある。
また、本発明の工作機械の制振装置は、前記減衰機構が、前記質量部材の振動を弾性的に減衰させる粘弾性体を備えたことにより、質量部材の振動を弾性的に減衰させて制振される固有振動の周波数帯域を広げることができる効果がある。
また、本発明の工作機械の制振装置は、前記減衰機構が、前記質量部材に形成された空洞部に収容された前記粘弾性体と、該粘弾性体が前記コラムに対して前記質量部材の振動方向に変位するのを規制するストッパー部材と、を備え、前記空洞部を覆うカバー体を有することにより、冷却用のオイルミストが拡散するような作業環境下であっても、カバー体で覆われた空洞部へのオイルの侵入を防ぐことができ、粘弾性体にオイルが付着して劣化するのを防止することができる効果がある。
また、本発明の工作機械の制振装置は、前記粘弾性体が反発弾性15%以下の低反発弾性素材であることにより、微振動に対しても安定的な減衰力を得ることができ、確実に制振することができる効果がある。
また、本発明の工作機械の制振装置は、前記板バネと前記コラムとの間に前記粘弾性体を設けたことにより、板バネを介して質量部材の振動を弾性的に減衰させることができ、制振される固有振動の周波数帯域を広げることができる効果がある。
また、本発明の工作機械の制振装置は、前記減衰機構が、前記板バネ又は前記コラムの何れか一方に設けられた磁石と、他方に設けられた導体と、からなり、前記質量部材の振動を磁気的に減衰させる磁気減衰手段を備えたことにより、振動で磁界の中を導体が動くことによって発生するローレンツ力を利用して磁気的に質量部材の振動を減衰させることができ、制振される固有振動の周波数帯域を広げることができる効果がある。
また、本発明の工作機械の制振装置は、前記板バネと前記質量部材との間に配置されて該板バネの中央部に当接するスペーサ部材を有することにより、質量部材がスペーサ部材を介して板バネの中央部にのみ当接するから、質量部材の形状や大きさに関わらず板バネの可動域を広く保つことができ、設置スペースが狭い場合でも制振対象であるコラムの固有振動に合った制振帯域を維持しつつ、質量部材の重量を確保することができる効果がある。
また、本発明の工作機械の制振装置は、前記質量部材が前記板バネの中央部に当接する突起部を有することにより、板バネの可動域を広く保つことができ、設置スペースが狭い場合でも制振対象であるコラムの固有振動に合った制振帯域を維持しつつ、質量部材の重量を確保することができる効果がある。
本発明に係る工作機械の制振装置の一実施例を示す断面図。 その一実施例の他の形態を示す断面図。 本発明に係る制振装置を備えた工作機械の構成を示す構成図。 本発明に係る工作機械の制振装置の他の実施例を示す断面図。 本発明に係る工作機械の制振装置の他の実施例を示す断面図。 図5の実施例に係る制振装置の機能を示す図。 本発明の振動吸収機構による対策前後の比較を示す比較図。 本発明の振動吸収機構の制振帯域を示す図。
本発明の実施の形態を図示する実施例に基づいて説明する。
本発明の制振装置は、主軸ユニット10を支えるコラム13を備えた工作機械1において、コラム13の側面に所定の間隔で対に配置された支持部材22と、該支持部材22を介してコラム13の側面に装着された板バネ21と、該板バネ21の中央部に設けた質量部材23と、該質量部材23の振動を弾性的又は/及び磁気的に減衰させる減衰機構30と、からなる振動吸収機構2を有する。
振動吸収機構2は、支持部材22から伝わってくるコラム13の振動によって質量部材23が振動し、板バネ21はその質量部材23を保持している。振動吸収機構2は、質量部材23が振動することによってコラム13の振動を打ち消すように作用し、工作機械1の機体の振動を低減させる。また、振動吸収機構2は、質量部材23の振動を弾性的又は/及び磁気的に減衰させる減衰機構30を備え、制振させる周波数帯域を広げている。
振動吸収機構2は、水平方向に所定の間隔で対に配置された支持部材22の間に板バネ21が架け渡され、上下左右対称の形状を成している。本発明の振動吸収機構2は、対に配置された支持部材22の間に板バネ21が架け渡された両持ち梁構造にしたことによって、質量部材23が制振したい方向(X軸方向)にのみ振れる構造となり、Y軸やZ軸など他の軸方向への影響を最小限に抑えている。また、振動吸収機構2は、上下左右対称の形状を成していることにより、板バネ21の厚さが薄い場合でも、質量部材23の振れが他の軸方向へ与える影響を抑えることができる。
図1は、本発明に係る工作機械の制振装置の一実施例を示す断面図である。図3は、本発明に係る制振装置を備えた工作機械の構成を示す構成図である。
図示の実施例において、工作機械1は、主軸ユニット10を支えるコラム13を有する3軸又は5軸駆動の立形マシニングセンタである。主軸ユニット10は、駆動装置によってX軸方向に駆動されると共に、主軸11をZ軸方向に駆動する。
図1に示す実施例において、工作機械1の制振装置は、コラム13の側面に所定の間隔で配置された一対の支持部材22と、一対の支持部材22の間に架け渡された板バネ21と、該板バネ21の中央部に当接するスペーサ部材24を介して設けられた質量部材23と、該質量部材23の振動を弾性的に減衰させる減衰機構30と、からなる振動吸収機構2を有する。
図3に示すように、振動吸収機構2は、コラム13のX軸方向の両側面上部に設置されている。振動吸収機構2は、工作機械1において、機体の振動を抑制したい場所に取り付けることにより、その機体の振動を抑制させることができる。本実施例において、振動吸収機構2は、質量部材23が共振によって機体の代わりに揺れることで、機体に生じるX軸方向の固有振動を低減するものである。本実施例において、振動吸収機構2は、特定の周波数でX軸方向に振動するコラム13の側面に設置されている。振動吸収機構2は、コラム13の固有振動と共振させて制振するために、コラム13に固有の振動周波数と同じ所定の固有振動数をもつように構成してある。
振動吸収機構2は、一対の支持部材22がY軸方向に所定間隔離れてコラム13の側面に配置され、板バネ21が支持部材22の間に架け渡され、質量部材23がスペーサ部材24を介して板バネ21に設けられ、上下左右対称の形状を成している。板バネ21は、例えばSS400の鉄板からなり、振動吸収機構2のバネの役割を果たしている。質量部材23は、重量を調整することができるように、複数の金属プレートを積層したものであることが好ましい。
スペーサ部材24は、板バネ21と質量部材23との間に配置され、質量部材23と共にネジなどの固定具で板バネ21に固定されている。また、スペーサ部材24は、Y軸方向(図1の横方向)の幅が質量部材23の幅より狭く形成され、板バネ21の中央部にのみ当接して、板バネ21の可動域aを広く保つように構成されている。
板バネ21の可動域aは、スペーサ部材24が無い場合、支持部材22の内側端と質量部材23の外側端との間になるから、可動域aを確保しながら質量部材23の重量を大きくすると、振動吸収機構2がコラム13から大きく出っ張った形状になる。一方、工作機械1には、設置場所のスペース上の制約があるから、振動吸収機構2がコラム13から大きく出っ張らないように、質量部材23はY軸方向に拡大して重量を確保することが好ましい。本実施例において、振動吸収機構2は、板バネ21と質量部材23との間にスペーサ部材24を配置したことにより、コラム13の固有振動に合った比較的低い制振帯域を維持できるように板バネ21の可動域aを確保しつつ、質量部材23をY軸方向に広げて重量を確保することが可能になった。
図1に示す実施例において、減衰機構30は、質量部材23に形成された空洞部26に収容された粘弾性体31と、該粘弾性体31がコラム13に対して質量部材23の振動方向に変位するのを規制するストッパー部材32と、を備えている。空洞部26は、質量部材23及びスペーサ部材24の中心部がくり貫かれた円筒形状に形成され、該空洞部26を覆うカバー体27を有している。
本実施例の振動吸収機構2は、粘弾性体31として、JIS K 6400−3に基づいて測定した反発弾性が15%以下のポリノルブルネンゴムなどの低反発弾性素材を用いている。低反発弾性素材としては、例えば、内外ゴム株式会社製の「ハネナイト」(登録商標)がある。粘弾性体31は、制振される固有振動の周波数帯域を広げると共に、微振動に対しても安定的な減衰力を得ることができるように、上記反発弾性が1〜5%の低反発弾性素材であることが好ましい。
ストッパー部材32は、コラム13に立設され、板バネ21の中心部に空けられた挿通孔28を通って空洞部26まで伸びた支持棒33と、板バネ21と共に粘弾性体31を挟持し、該粘弾性体31がコラム13に対して質量部材23の振動方向に変位するのを規制するストッパー板34と、該ストッパー板34の位置を調整する調整ナット35と、から構成されている。粘弾性体31は、中心部に支持棒33を挿通する孔を空けてあり、所定の位置で板バネ21とストッパー板34で挟持されている。減衰機構30は、板バネ21が振動して粘弾性体31を押しつぶすことによって、減衰を発生させている。
本実施例の減衰機構30は、板バネ21とカバー体27で開口部が覆われた空洞部26内に粘弾性体31が収容されているから、冷却用のオイルミストが拡散するような作業環境下であっても、粘弾性体31にオイルが付着するのを防止することができる。減衰機構30は、質量部材23の振動を減衰することができればよいから、粘弾性体31は板バネ21の他、スペーサ部材24又は質量部材23とストッパー板34に接していればよい。
本発明の振動吸収機構2は、図2に示すように、質量部材23が板バネの中央部にのみ当接する突起部25を有し、板バネ21の可動域aを広く保つように構成してもよい。また、質量部材23は、突起部25の反対側を円筒形状の穴にくり抜いて空洞部26を形成し、該空洞部26に粘弾性体31を収容している。図2に示す振動吸収機構2は、突起部25のY軸方向(図2の横方向)の幅を粘弾性体31の幅より狭く形成することができるから、板バネ21の可動域aを広くすることができる。なお、図2に示す振動吸収機構2において、突起部25に代えて、板バネ21と質量部材23との間にスペーサ部材を配置した構成にしてもよい。
図2に示す減衰機構30は、質量部材23に形成された空洞部26に収容された粘弾性体31と、該粘弾性体31がコラム13に対して質量部材23の振動方向に変位するのを規制するストッパー部材32から構成されている。ストッパー部材32は、コラム13に立設され、板バネ21及び質量部材23の中心部に空けられた挿通孔28,29を通って空洞部26まで伸びた支持棒33と、空洞部26の底面と共に粘弾性体31を挟持し、該粘弾性体31がコラム13に対して質量部材23の振動方向に変位するのを規制するストッパー板34と、該ストッパー板34の位置を調整する調整ナット35から構成されている。粘弾性体31は、中心部に支持棒33を挿通する孔を空けてあり、所定の位置で空洞部26の底面とストッパー板34で挟持されている。減衰機構30は、質量部材23が振動して粘弾性体31を押しつぶすことによって、減衰を発生させている。
また、工作機械1は、サーボモータに対するNCの位置指令と、リニアスケールで実測される実際に動いた位置と、を比較し、サーボの位置偏差を求める機能を備えている。工作機械1は、本発明の制振装置と共に、サーボ系の制振フィルタを適用することにより、更に加工面品位を向上させることができる。
図7は、軸停止時の主軸11端のX軸方向の振動変位を測定したものであり、横軸が周波数を示し、縦軸が変位量を示している。図7の上段は、制振対策前の振動変位を示しており、特定の周波数(1F)に振動変位のピークが存在している。図7の中段は、本実施例の振動吸収機構2による対策後の振動変位を示しており、周波数1F付近の振動変位は小さくなっている。図7の下段は、振動吸収機構2と制振フィルタ機能を併用したときの振動変位を示しており、さらに振動変位が小さくなっている。
図8は、本実施例の振動吸収機構2の周波数帯域と、工作機械1の異なる機体において2平面変位計で測定したコラム13の固有振動数を示している。振動吸収機構2は、減衰機構30を設けない状態では、振動低減率が50%以上となる制振帯域の幅が周波数1F±1%程度であるが、減衰機構30を設けた状態では、この制振帯域が周波数1F±7〜8%へと大幅に拡大した。(1)〜(5)の異なる機体の固有振動数は、全て振動吸収機構2の制振帯域内に納まっているから、本発明の制振装置は、個々の工作機械1の特性や取り付けられる工具に応じた調整が不要になる。
図4は、本発明に係る工作機械の制振装置の他の実施例を示す断面図である。
振動吸収機構2は、Y軸方向(図4の横方向)に所定間隔離れてコラム13の側面に設けられた一対の支持部材22と、該支持部材22を介してコラム13の側面に装着された板バネ21と、板バネ21の中央部に設けた質量部材23とからなる。板バネ21は、例えばSS400の鉄板からなり、振動吸収機構2のバネの役割を果たしている。
振動吸収機構2は、支持部材22から伝わってくるコラム13の振動によって質量部材23が振動し、板バネ21はその質量部材23を保持している。振動吸収機構2は、質量部材23が振動することによってコラム13の振動を打ち消すように作用し、工作機械1の機体の振動を低減させる。
図4に示す実施例において、振動吸収機構2は、質量部材23が所定の固有振動数でコラム13の代わりにX軸方向に振動することにより、コラム13の振動を抑制している。また、振動吸収機構2は、板バネ21の表面に制振ゴム等の制振シートを貼り付けてあり、制振することができる周波数を上記固有振動数の周辺まで広げている。
振動吸収機構2は、板バネ21の振動を減衰する機構として、板バネ21とコラム13との間に粘弾性体31を設け、上述の制振シートと併せて制振させる周波数帯域を広げている。粘弾性体24には、低反発弾性素材やシリコンゴムスポンジを用いることができる。振動吸収機構2は、板バネ21が粘弾性体31を押しつぶすことによって、減衰を発生させている。
図5は、本発明に係る工作機械の制振装置の他の実施例を示す断面図である。図6は、図5の実施例に係る制振装置の機能を示す図である。
本実施例の振動吸収機構2は、板バネ21の振動を減衰する機構として、実施例1及び実施例2に示す粘弾性体31に代えて、磁界が動くことによって発生するローレンツ力を利用する方式を採用してもよい。
図5に示すように、振動吸収機構2は、平板状の導体37がコラム13に向かって板バネ21に締結されており、導体37が板バネ21と一緒に振動するようになっている。振動吸収機構2は、導体37を挟むように上下に一対の磁石36を配置してあり、導体37が板バネ21と共に振動することでコラム13に支持部材38で固定された磁石36との間にローレンツ力が発生し、減衰力が発生するように構成している。
図6に示すように、減衰機構30は、一対の磁石36の間に生じる磁束が導体の振動方向と直交する方向になるように構成されており、導体37が磁石36に対して相対的に移動すると、その場に留まろうとする方向(相対移動と反対の方向)にローレンツ力が発生し、このローレンツ力が板バネ21の振動を減衰させる減衰力となる。
減衰機構30は、質量部材23及び板バネ21の振動を磁気的に減衰させることができればよいから、板バネ21又はコラム13の何れか一方に磁石36が設けられ、他方に導体37が設けられていればよい。また、減衰機構30は、質量部材23及び板バネ21の振動を磁気的に減衰させる磁気減衰手段に加えて、実施例1に記載された質量部材23及び板バネ21の振動を弾性的に減衰する手段を組み合わせてもよい。
1 工作機械
2 振動吸収機構
10 主軸ユニット
13 コラム
21 板バネ
22 支持部材
23 質量部材
24 スペーサ部材
25 突起部
26 空洞部
27 カバー体
30 減衰機構
31 粘弾性体
32 ストッパー部材
33 支持棒
34 ストッパー板
35 調整ナット
36 磁石
37 導体
38 支持部材

Claims (9)

  1. 主軸ユニットを支えるコラムを備えた工作機械において、
    前記コラムの側面に所定の間隔で対に配置された支持部材と、該支持部材を介して前記コラムの側面に装着された板バネと、該板バネの中央部に設けた質量部材と、該質量部材の振動を弾性的又は/及び磁気的に減衰させる減衰機構と、からなる振動吸収機構を有する工作機械の制振装置。
  2. 前記振動吸収機構は、水平方向に所定の間隔で対に配置された前記支持部材の間に前記板バネが架け渡され、上下左右対称の形状を成す請求項1に記載の工作機械の制振装置。
  3. 前記減衰機構が、前記質量部材の振動を弾性的に減衰させる粘弾性体を備えた請求項1又は2に記載の工作機械の制振装置。
  4. 前記減衰機構が、前記質量部材に形成された空洞部に収容された前記粘弾性体と、該粘弾性体が前記コラムに対して前記質量部材の振動方向に変位するのを規制するストッパー部材と、を備え、前記空洞部を覆うカバー体を有する請求項3に記載の工作機械の制振装置。
  5. 前記粘弾性体が反発弾性15%以下の低反発弾性素材である請求項3又は4に記載の工作機械の制振装置。
  6. 前記板バネと前記コラムとの間に前記粘弾性体を設けた請求項3に記載の工作機械の制振装置。
  7. 前記減衰機構が、前記板バネ又は前記コラムの何れか一方に設けられた磁石と、他方に設けられた導体と、からなり、前記質量部材の振動を磁気的に減衰させる磁気減衰手段を備えた請求項1乃至5の何れか一項に記載の工作機械の制振装置。
  8. 前記板バネと前記質量部材との間に配置されて該板バネの中央部に当接するスペーサ部材を有する請求項1乃至7の何れか一項に記載の工作機械の制振装置。
  9. 前記質量部材が前記板バネの中央部に当接する突起部を有する請求項1乃至7の何れか一項に記載の工作機械の制振装置。
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