JP2005030486A - 制振装置及びステージ装置並びに露光装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】コストアップを招くことなく容易に制振時の減衰量を調整する。
【解決手段】質量体62と弾性体61とが連結された振動系60を有する。振動系60に負荷を与えて振動系60の減衰量を調整する調整装置69を備える。
【選択図】 図3
【解決手段】質量体62と弾性体61とが連結された振動系60を有する。振動系60に負荷を与えて振動系60の減衰量を調整する調整装置69を備える。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、制振装置及びステージ装置並びに露光装置に関し、特に半導体集積回路や液晶ディスプレイ等のデバイスを製造する際に、リソグラフィ工程で用いて好適な制振装置及びステージ装置並びに露光装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、半導体デバイスの製造工程の1つであるリソグラフィ工程においては、マスク又はレチクル(以下、レチクルと称する)に形成された回路パターンをレジスト(感光剤)が塗布されたウエハ又はガラスプレート等の感光基板上に転写する種々の露光装置が用いられている。
例えば、半導体デバイス用の露光装置としては、近年における集積回路の高集積化に伴うパターンの最小線幅(デバイスルール)の微細化に応じて、レチクルのパターンを投影光学系を用いてウエハ上に縮小転写する縮小投影露光装置が主として用いられている。
【0003】
この縮小投影露光装置としては、レチクルのパターンをウエハ上の複数のショット領域(露光領域)に順次転写するステップ・アンド・リピート方式の静止露光型の縮小投影露光装置(いわゆるステッパ)や、このステッパを改良したもので、レチクルとウエハとを一次元方向に同期移動してレチクルパターンをウエハ上の各ショット領域に転写するステップ・アンド・スキャン方式の走査露光型の露光装置(いわゆるスキャニング・ステッパ)が知られている。
【0004】
ところで、上記の露光装置は、ウエハ上のあるショット領域に対する露光の後、他のショット領域に対して順次露光を繰り返すものであるから、ウエハステージ(ステッパの場合)、あるいはレチクルステージおよびウエハステージ(スキャニング・ステッパの場合)の移動によって生じる振動が原因となり、投影光学系とウエハ等との相対位置誤差を生じさせ、ウエハ上で設計値と異なる位置にパターンが転写されたり、その位置誤差に振動成分を含む場合には像ボケ(パターン線幅の増大)を招く可能性がある。そのため、従来では、振動が生じる部材の強度を高めたり、振動の入力源となる箇所を少なくする等の対策が採られていたが、この対策では装置の重量化、大型化を招く等の問題が生じる。
【0005】
そのため、特許文献1には、質量体と弾性体(バネ要素)とが振動系を構成し、この振動系が制振対象物の振動によって連成振動するマスダンパーを制振対象物に設ける技術が開示されている。この技術では、制振対象物の振動によりマスダンパーの振動系が励振されて制振対象物の振動エネルギーを減少させることができるため、装置の重量化、大型化を招くことなく、振動に起因する露光精度の低下を防ぐことが可能である。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−151379号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したような従来技術には、以下のような問題が存在する。
マスダンパーは、質量体とバネ要素とを調整することで、制振対象物の周波数(固有振動数)に調整することが可能であるが、マスダンパーが生じる制振量の減衰は、バネ要素を構成する材料減衰がほとんどを占める。従って、制振対象物の周波数に合わせるためにバネ要素を調整すると、この系の減衰は一意的にその材料減衰から決まることになる。つまり、制振対象物の周波数に合わせるためにバネ要素を一旦調整してしまうと、その後に減衰量の調整を行うことが困難であり、別途減衰量に応じたバネ要素を用意して交換する必要が生じコストアップの一因となってしまう。
【0008】
本発明は、以上のような点を考慮してなされたもので、コストアップを招くことなく容易に制振時の減衰量を調整できる制振装置及びステージ装置並びに露光装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために本発明は、実施の形態を示す図1ないし図5に対応付けした以下の構成を採用している。
本発明の制振装置は、質量体(62、72)と弾性体(61)とが連結された振動系(60)を有する制振装置(MD)であって、振動系(60)に負荷を与えて振動系(60)の減衰量を調整する調整装置(69、73)を備えることを特徴とするものである。
【0010】
従って、本発明の制振装置では、調整装置(69、73)により振動系(60)に負荷を与えることにより、振動系(60)の減衰量を容易に調整することができるため、減衰量に応じて弾性体を用意する必要がなくなり、コストアップを招くことを防止できる。調整装置による負荷としては、振動系(60)と調整装置(69)との間で生じる摩擦力や、振動系(60)と調整装置(73)との間で生じる電磁気力とすることができる。
【0011】
また、本発明のステージ装置は、移動体(32)を有するステージ装置(2)であって、移動体(32)の移動に伴う振動を制振する装置として、請求項1から7のいずれか一項に記載の制振装置(MD)が用いられることを特徴とするものである。
【0012】
従って、本発明のステージ装置では、移動体(32)の移動に伴って生じる振動の減衰量を、振動系(60)に負荷を与えることによりコストアップを招くことなく容易に調整することが可能になる。
【0013】
そして、本発明の露光装置は、マスク(M)のパターンを基板(P)に露光する露光装置(EX)であって、マスク(M)を照明する照明光の照明領域を設定する設定装置と、マスク(M)を保持して移動するマスクステージ(MST)と、基板(P)を保持して移動する基板ステージ(PST)との少なくとも一つに、請求項8または9記載のステージ装置(2)が用いられることを特徴とするものである。
【0014】
従って、本発明の露光装置では、設定装置とマスクステージ(MST)と基板ステージ(PST)との少なくとも一つの移動に伴って生じる振動の減衰量を、振動系(60)に負荷を与えることによりコストアップを招くことなく容易に調整することが可能になる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の制振装置及びステージ装置並びに露光装置の実施の形態を、図1ないし図6を参照して説明する。
図1は本発明の制振装置をマスダンパーとしてウエハステージに備えた露光装置の一実施形態を示す概略構成図である。ここで、本実施形態における露光装置EXは、マスクMと感光基板Pとを同期移動しつつマスクMに設けられているパターンを投影光学系PLを介して感光基板P上に転写する所謂スキャニングステッパである。以下の説明において、投影光学系PLの光軸AXと一致する方向をZ軸方向、Z軸方向に垂直な平面内における前記同期移動方向(走査方向)をY軸方向、Z軸方向及びY軸方向と垂直な方向(非走査方向)をX軸方向として説明する。また、ここでいう「感光基板」は半導体ウエハ上にレジストが塗布されたものを含み、「マスク」は感光基板上に縮小投影されるデバイスパターンが形成されたレチクルを含む。
【0016】
(第1実施形態)
図1において、露光装置EXは、マスク(レチクル)Mを保持して移動するマスクステージ(レチクルステージ)MST及びこのマスクステージMSTを支持するマスク定盤3を有するステージ装置1と、光源を有し、マスクステージMSTに支持されているマスクMを露光光で照明する照明光学系ILと、感光基板Pを保持して移動する基板ステージPST及びこの基板ステージPSTを支持する基板定盤4を有するステージ装置2と、露光光ELで照明されたマスクMのパターン像を基板ステージPSTに支持されている感光基板Pに投影する投影光学系PLと、ステージ装置1及び投影光学系PLを支持するリアクションフレーム5と、露光装置EXの動作を統括制御する制御装置CONTとを備えている。リアクションフレーム5は床面に水平に載置されたベースプレート6上に設置されており、このリアクションフレーム5の上部側及び下部側には内側に向けて突出する段部5a及び5bがそれぞれ形成されている。
【0017】
ステージ装置2は、基板ステージPSTと、基板ステージPSTをXY平面に沿った2次元方向に移動可能に支持する基板定盤4と、基板ステージPSTをX軸方向に案内しつつ移動自在に支持するXガイドステージ35と、Xガイドステージ35に設けられ、基板ステージPSTをX軸方向に移動可能なXリニアモータ40と、Xガイドステージ35をY軸方向に移動可能な一対のYリニアモータ30、30とを有している。基板ステージPSTはウエハ等の感光基板Pを真空吸着保持する基板ホルダPHを有しており、感光基板Pは基板ホルダPHを介して基板ステージPSTに支持される。また、基板ステージPSTの底面には非接触ベアリングである複数のエアベアリング37が設けられており、これらエアベアリング37により基板ステージPSTは基板定盤4に対して非接触で支持されている。また、基板定盤4はベースプレート6の上方に防振ユニット13を介してほぼ水平に支持されている。
【0018】
Xガイドステージ35の+X側には、Xトリムモータ34の可動子34aが取り付けられている(図2参照)。また、Xトリムモータ34の固定子(不図示)はリアクションフレーム5に設けられている。このため、基板ステージPSTをX軸方向に駆動する際の反力は、Xトリムモータ34及びリアクションフレーム5を介してベースプレート6に伝達される。
【0019】
図2は基板ステージPSTを有するステージ装置2の概略斜視図である。
図2に示すように、ステージ装置2は、X軸方向に沿った長尺形状を有するXガイドステージ35と、Xガイドステージ35で案内しつつ基板ステージPSTをX軸方向に所定ストロークで移動可能なXリニアモータ40と、Xガイドステージ35の長手方向両端に設けられ、このXガイドステージ35を基板ステージPSTとともにY軸方向に移動可能な一対のYリニアモータ30、30とを備えている。
【0020】
Xリニアモータ40は、Xガイドステージ35にX軸方向に延びるように設けられたコイルユニットからなる固定子41と、この固定子41に対応して設けられ、基板ステージPSTに固定された磁石ユニットからなる可動子42とを備えている。これら固定子41及び可動子42によりムービングマグネット型のリニアモータ40が構成されており、可動子42が固定子41との間の電磁気的相互作用により駆動することで基板ステージPSTがX軸方向に移動する。ここで、基板ステージPSTはXガイドステージ35に対してZ軸方向に所定量のギャップを維持する磁石及びアクチュエータからなる磁気ガイドにより非接触で支持されている。基板ステージPSTはXガイドステージ35に非接触支持された状態でXリニアモータ40によりX軸方向に移動する。
【0021】
Yリニアモータ30のそれぞれは、Xガイドステージ35の長手方向両端に設けられた磁石ユニットからなる移動体としての可動子32と、この可動子32に対応して設けられコイルユニットからなる固定子31とを備えている。ここで、固定子31、31はベースプレート6に突設された支持部36、36(図1参照)に設けられている。なお、図1では固定子31及び可動子32は簡略化して図示されている。これら固定子31及び可動子32によりムービングマグネット型のリニアモータ30が構成されており、可動子32が固定子31との間の電磁気的相互作用により駆動することでXガイドステージ35がY軸方向に移動する。また、Yリニアモータ30、30のそれぞれの駆動を調整することでXガイドステージ35はθZ方向にも回転移動可能となっている。したがって、このYリニアモータ30、30により基板ステージPSTがXガイドステージ35とほぼ一体的にY軸方向及びθZ方向に移動可能となっている。
【0022】
可動子32、32のそれぞれには、当該可動子32の移動に伴う振動を制振するためのマスダンパー(制振装置)MDが設けられている。マスダンパーMDは、図3に示すように、可動子32上に載置されたソルボ繊維等の粘性減衰係数が比較的大きいゴム材で形成された弾性体61と、例えばタングステンや鉛等の比較的比重の大きい金属で形成された質量体62とがZ方向に連結されて可動子32の振動によってZ方向に連成振動する振動系(連成振動系)60を有している。このマスダンパーMDは、可動子32が振動したときに、振動の腹となる箇所に配置されている。
【0023】
質量体62の質量は、可動子32の振動モードに対応するモード質量に基づいて設定されている。具体的には、可動子32のモード質量の5%〜10%を選択することで効果的な減衰が得られることが振動工学的に知られているが、ここではモード質量の10%に設定されている。そして、例えばタングステンや鉛などのような比重の大きな材質を用いることで、質量体62の小型化を実現している。また、弾性体61および質量体62を合わせたマスダンパーMDの振動系60としての固有振動数は、可動子32の固有振動数とほぼ一致するように設定されている。
【0024】
また、マスダンパーMDの質量体62は、その上部においてステンレス製のシート材(シート状部材)63の略中央部に締結部材64により一体的に固定されている。シート材63は、面と沿う方向(X方向、Y方向)には剛性を有し、面と直交する方向(Z方向)には可撓性を有しており、両端部において支持部材65、65にXY平面に沿って固定・支持されている。これらシート材63及び支持部材65は、締結部材66によってベース板67に固定されており、ベース板67は締結部材68により可動子32に取付・固定される。ベース板67の略中央部には、貫通孔67aが形成されており、マスダンパーMDの弾性体61は、貫通孔67aを介して可動子32に当接している。また、ベース板67には質量体62のY方向両側に位置して、マスダンパーMDの振動系の減衰量を調整するための板バネ状の摩擦板(付勢部材、調整装置)69が設けられている。摩擦板69は、質量体62の側面にY方向に沿う付勢力(押付力)をもって当接しており、締結部材70によりベース板67に締結固定される。例えば締結部材70が貫通する摩擦板69の貫通孔をY方向に延在する長穴とすることで、摩擦板69を質量体62に対して離間・接近させ、質量体62への付勢力を調整することができる。質量体62への付勢力は、マスダンパーMDの振動系60の減衰量に応じて設定される。このように、マスダンパーMD、シート材63、及び摩擦板69は、ベース板67を介して一体的にユニット化されて可動子32に取り付けられる構成となっている。
【0025】
図1に戻って、基板ステージPSTの−X側の側縁にはY軸方向に沿って延設されたX移動鏡51が設けられ、X移動鏡51に対向する位置にはレーザ干渉計50が設けられている。レーザ干渉計50はX移動鏡51の反射面と投影光学系PLの鏡筒下端に設けられた参照鏡52とのそれぞれに向けてレーザ光(検出光)を照射するとともに、その反射光と入射光との干渉に基づいてX移動鏡51と参照鏡52との相対変位を計測することにより、基板ステージPST、ひいては感光基板PのX軸方向における位置を所定の分解能でリアルタイムに検出する。同様に、基板ステージPST上の+Y側の側縁にはX軸方向に沿って延設されたY移動鏡53(図1には不図示、図2参照)が設けられ、Y移動鏡53に対向する位置にはYレーザ干渉計(不図示)が設けられており、Yレーザ干渉計はY移動鏡53の反射面と投影光学系PLの鏡筒下端に設けられた参照鏡(不図示)とのそれぞれに向けてレーザ光を照射するとともに、その反射光と入射光との干渉に基づいてY移動鏡と参照鏡との相対変位を計測することにより、基板ステージPST、ひいては感光基板PのY軸方向における位置を所定の分解能でリアルタイムに検出する。レーザ干渉計の検出結果は制御装置CONTに出力され、制御装置CONTはレーザ干渉計の検出結果に基づいてリニアモータ30、40を介して基板ステージPSTの位置制御を行う。
【0026】
照明光学系ILは、所定の位置関係で配置されたミラー、可変減光器、ビーム成形光学系、オプティカルインテグレータ、集光光学系、振動ミラー、照明系開口絞り板、ビームスプリッタ、リレーレンズ系、及びブラインド機構(設定装置)等を備えており、リアクションフレーム5の上面に固定された支持コラム7により支持される。ブラインド機構は、レチクルR上の照明領域を規定する所定形状の開口部が形成された固定ブラインドと、不要な部分の露光を防止するため、走査露光の開始時及び終了時に可動ブレードにより固定レチクルブラインドによって規定されるマスクM上の照明領域を更に制限する可動ブラインドとから構成される。
照明光学系ILより射出される露光光ELとしては、例えば水銀ランプから射出される紫外域の輝線(g線、h線、i線)及びKrFエキシマレーザ光(波長248nm)等の遠紫外光(DUV光)や、ArFエキシマレーザ光(波長193nm)及びF2レーザ光(波長157nm)等の真空紫外光(VUV光)などが用いられる。
【0027】
ステージ装置1のうちマスク定盤3は各コーナーにおいてリアクションフレーム5の段部5aに防振ユニット8を介してほぼ水平に支持されており、その中央部にマスクMのパターン像が通過する開口3aを備えている。マスクステージMSTはマスク定盤3上に設けられており、その中央部にマスク定盤3の開口3aと連通しマスクMのパターン像が通過する開口Kを備えている。マスクステージMSTの底面には非接触ベアリングである複数のエアベアリング9が設けられており、マスクステージMSTはエアベアリング9によりマスク定盤3に対して所定のクリアランスを介して浮上支持されている。
【0028】
図4はマスクステージMSTを有するステージ装置1の概略斜視図である。
図4に示すように、ステージ装置1(マスクステージMST)は、マスク定盤3上に設けられたマスク粗動ステージ16と、マスク粗動ステージ16上に設けられたマスク微動ステージ18と、マスク定盤3上において粗動ステージ16をY軸方向に所定ストロークで移動可能な一対のYリニアモータ20、20と、マスク定盤3の中央部の上部突出部3bの上面に設けられ、Y軸方向に移動する粗動ステージ16を案内する一対のYガイド部24、24と、粗動ステージ16上において微動ステージ18をX軸、Y軸、及びθZ方向に微小移動可能な一対のXボイスコイルモータ17X及び一対のYボイスコイルモータ17Yとを備えている。なお、図1では、粗動ステージ16及び微動ステージ18を簡略化して1つのステージとして図示している。
【0029】
Yリニアモータ20のそれぞれは、マスク定盤3上においてY軸方向に延びるように設けられたコイルユニット(電機子ユニット)からなる一対の固定子21と、この固定子21に対応して設けられ、連結部材23を介して粗動ステージ16に固定された磁石ユニットからなる可動子22とを備えている。そして、これら固定子21及び可動子22によりムービングマグネット型のリニアモータ20が構成されており、可動子22が固定子21との間の電磁気的相互作用により駆動することで粗動ステージ16(マスクステージMST)がY軸方向に移動する。固定子21のそれぞれは非接触ベアリングである複数のエアベアリング19によりマスク定盤3に対して浮上支持されている。このため、運動量保存の法則により粗動ステージ16の+Y方向の移動に応じて固定子21が−Y方向に移動する。この固定子21の移動により粗動ステージ16の移動に伴う反力が相殺されるとともに重心位置の変化を防ぐことができる。なお、固定子21は、マスク定盤3に変えてリアクションフレーム5に設けられてもよい。固定子21をリアクションフレーム5に設ける場合にはエアベアリング19を省略し、固定子21をリアクションフレーム5に固定して粗動ステージ16の移動により固定子21に作用する反力をリアクションフレーム5を介して床に逃がしてもよい。
【0030】
Yガイド部24のそれぞれは、Y軸方向に移動する粗動ステージ16を案内するものであって、マスク定盤3の中央部に形成された上部突出部3bの上面においてY軸方向に延びるように固定されている。また、粗動ステージ16とYガイド部24、24との間には非接触ベアリングである不図示のエアベアリングが設けられており、粗動ステージ16はYガイド部24に対して非接触で支持されている。
【0031】
微動ステージ18は不図示のバキュームチャックを介してマスクMを吸着保持する。微動ステージ18の+Y方向の端部にはコーナーキューブからなる一対のY移動鏡25a、25bが固定され、微動ステージ18の−X方向の端部にはY軸方向に延びる平面ミラーからなるX移動鏡26が固定されている。そして、これら移動鏡25a、25b、26に対して測長ビームを照射する3つのレーザ干渉計(いずれも不図示)が各移動鏡との距離を計測することにより、マスクステージMSTのX軸、Y軸、及びθZ方向の位置が高精度で検出される。制御装置CONTはこれらレーザ干渉計の検出結果に基づいて、Yリニアモータ20、Xボイスコイルモータ17X、及びYボイスコイルモータ17Yを含む各モータを駆動し、微動ステージ18に支持されているマスクM(マスクステージMST)の位置制御を行う。
【0032】
図1に戻って、開口K及び開口3aを通過したマスクMのパターン像は投影光学系PLに入射する。投影光学系PLは複数の光学素子により構成され、これら光学素子は鏡筒で支持されている。投影光学系PLは、例えば1/4又は1/5の投影倍率を有する縮小系である。なお、投影光学系PLとしては等倍系あるいは拡大系のいずれでもよい。投影光学系PLの鏡筒の外周にはこの鏡筒に一体化されたフランジ部10が設けられている。そして、投影光学系PLはリアクションフレーム5の段部5bに防振ユニット11を介してほぼ水平に支持された鏡筒定盤12にフランジ部10を係合している。
【0033】
続いて上記の構成の露光装置EXの中、ステージ装置2の動作について以下に説明する。
基板ステージPSTをY方向に移動させる際には、Yリニアモータ30の可動子32が固定子31に沿って移動する。可動子32の移動に伴いZ方向の振動が発生すると、マスダンパーMDの振動系60が励振されてZ方向に連成振動する。この連成振動のうち、弾性体61の大きな粘性により可動子32の振動が減衰されてその振幅が小さくなる。また、質量体62の質量が可動子32のモード質量の10%程度であるとともに、マスダンパーMD(振動系60)の固有振動数が可動子32の固有振動数とほぼ一致しているので、マスダンパーMDの連成振動により、可動子32の固有振動数における共振のピークが小さくなり残留振動も小さくなる。
【0034】
また、振動系60が連成振動する際には摩擦板69の付勢力が負荷となり、質量体62と摩擦板69との間の摩擦係数と、摩擦板69の付勢力による質量体62の垂直抗力とに応じて、振動系60の振動方向とは逆方向に摩擦力が作用する。つまり、摩擦板69は振動系60の連成振動について減衰要素として機能し、振動系60の連成振動は、この摩擦力に応じた減衰量で減衰することになる。
なお、可動子32がY方向に移動した際には、シート材63がY方向を含むXY平面に沿う方向で剛性を有しているので、振動系60がY方向に撓むことがなく、また、シート材63がZ方向に可撓性を有しているので、振動系60のZ方向への連成振動に悪影響を及ぼすこともない。
【0035】
なお、連成振動の減衰量を調整する場合には、締結部材70による摩擦部材69の締結を緩めた後、所望の付勢力を発揮する位置へ摩擦部材69を質量体62に対して接近または離間させることにより、摩擦部材69による質量体62への付勢力を増加または低下させ摩擦力を調整すればよい。そして、摩擦部材69の位置が決まったところで、再度締結部材70により摩擦部材69を締結固定して位置決めする。これにより、連成振動に対する減衰量が任意に調整される。
【0036】
続いて、上記の構成の露光装置EXにおける露光動作について説明する。
レチクル顕微鏡およびオフアクシス・アライメントセンサ等を用いたレチクルアライメント、ベースライン計測等の準備作業が行われ、その後アライメントセンサを用いた感光基板Pのファインアライメント(EGA;エンハンスト・グローバル・アライメント等)が終了し、感光基板P上の複数のショット領域の配列座標が求められる。そして、アライメント結果に基づいてレーザ干渉計50の計測値をモニタしつつ、リニアモータ30、40を制御して感光基板Pの第1ショットの露光のための走査開始位置に基板ステージPSTを移動する。そして、リニアモータ20、30を介してマスクステージMSTと基板ステージPSTとのY方向の走査を開始し、両ステージMST、PSTがそれぞれの目標走査速度に達すると、ブラインド機構の駆動により設定された露光用照明光によってマスクMのパターン領域が照明され、走査露光が開始される。
【0037】
この走査露光時には、マスクステージMSTのY方向の移動速度と、基板ステージPSTのY方向の移動速度とが投影光学系PLの投影倍率(1/5倍あるいは1/4倍)に応じた速度比に維持されるように、リニアモータ20、30を介してマスクステージMSTおよび基板ステージPSTを同期制御する。そして、マスクMのパターン領域の異なる領域が照明光で逐次照明され、パターン領域全面に対する照明が完了することにより、感光基板P上の第1ショットの走査露光が完了する。これにより、マスクMのパターンが投影光学系PLを介して感光基板P上の第1ショット領域に縮小転写される。
【0038】
このように本実施の形態では、摩擦板69による振動系60への負荷(摩擦力)によって連成振動の減衰量を調整できるので、制振対象物である可動子32に合わせてバネ要素である弾性体61の形状・大きさ等を調整した後でも、容易、且つ安価な方法で減衰量の再調整を実施できる。そのため、減衰量に応じて弾性体を複数用意しておく必要がなくなりコストアップを防止することが可能となる。特に、本実施の形態では、締結部材70を緩めて摩擦板69を質量体62に離間・接近させるという簡単な操作で容易に減衰量を調整することが可能である。
【0039】
また、本実施の形態では、シート材63により振動系60を可動子32にZ方向に振動可能に取り付けているので、重量化を招くことなく安価な構成で振動系60を固定することができる。さらに、本実施の形態では、マスダンパーMD(振動系60)、シート材63及び摩擦板69をベース板67に一体化して固定したユニット化構造となっているので、可動子32へのマスダンパーMDの取り付け・取り外しが容易であり、作業効率を向上させることができる。
【0040】
なお、摩擦板69により振動系60に負荷を与えることにより、減衰可能な周波数が変動(低下)する可能性がある。そのため、低下量を見越して振動系60の固有振動数を予め大きめに設定しておいてもよい。
【0041】
(第2実施形態)
次に、図5を参照して本発明に係る露光装置の第2実施形態について説明する。また、本第2実施形態において、上記第1実施形態と同一の機能を有するものは同一の符号を付し、その説明を省略または簡略化する。
上記第1実施形態では、摩擦板69と質量体62との間の摩擦力を振動系60に対する負荷とする構成としたが、第2実施形態では電磁気力を負荷として付与している。
【0042】
図5に示すように、本実施の形態の振動系60は、可動子32上に載置された弾性体61と、Z方向に延在して設けられたアルミ等の非磁性金属で形成された質量体72とがZ方向に連結された構成となっている。質量体72は、頂部において連結部材64によりシート材63に締結固定されている。また、質量体72の周囲には、調整装置としてのリング状の磁石(発磁体)73が貫通孔73aに質量体72を挿通させてZ方向に沿って複数列設されている。これら磁石73は、同一の極性方向(隣り合う磁石とは異なる極性の面が対向する)で積層され、不図示の固定手段によりベース板67に解除自在に固定されている。
【0043】
本実施の形態では、可動子32の移動に伴いZ方向の振動が発生すると、マスダンパーMDの振動系60が励振されてZ方向に連成振動することで可動子32の振動を減衰させる。この連成振動により、質量体72と磁石73とは相対移動することになり、質量体72に対する磁束密度が変化すると、質量体72には当該質量体72の電気抵抗値と略反比例した値で渦電流が発生する。質量体72の材質は導電性材料(導体)であり電気抵抗値が低いため、質量体72には大きな渦電流が生じることになり、結果として渦電流の値に応じて、質量体72(振動系60)の振動方向と逆方向に大きな推力(電磁気力)、いわゆる粘性抵抗が生じる。そして、この粘性抵抗が振動系60に対する負荷となり、振動系60の連成振動は粘性抵抗に応じた減衰量で減衰することになり、上記第1実施形態と同様の効果が得られる。
なお、連成振動の減衰量を調整する場合には、所望の減衰量に応じて、例えば内径の異なる磁石を用いて質量体72との間の距離を変更して磁束密度の大きさを調整したり、磁石の個数を変えてもよい。
【0044】
以上、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0045】
例えば、上記第2の実施形態では、質量体72を導体とし、調整装置を磁石73とする構成としたが、これとは逆に質量体を磁石とし、調整装置を導体とする構成としてもよい。また、振動系に与える負荷としては、上述した摩擦力、電磁気力以外にも、オイルダンパー等により機械的な負荷を与える構成とすることも可能である。
【0046】
また、上記実施の形態では、マスダンパーMDにより可動子32のZ方向の振動を制振する構成としたが、この方向以外にもX方向やY方向の振動についても制振可能であり、この場合は制振すべき振動方向に連成振動する振動系を有するマスダンパーを設置すればよい。制振対象に関しても、可動子32に限られず、基板ホルダPHや基板ステージPST等の移動体、さらには移動体の移動に伴って振動する可能性がある基板定盤4等の非移動体にもマスダンパーを設置して振動を制振することも可能である。いずれの場合も振動の腹となる箇所近傍にマスダンパーを設置することで効果的な制振を実現することができる。
【0047】
さらに、マスダンパーの設置対象としては、基板ステージPSTを含むステージ装置2に限定されるものではなく、振動が生じる可能性があれば、マスクステージMSTを含むステージ装置1(可動子22、マスク粗動ステージ16、マスク微動ステージ18、マスク定盤3等)や、可動ブラインドが駆動するステージ装置としてのブラインド機構に設置してもよい。この場合、マスクや可動ブラインドの移動に伴って生じる振動を制振することが可能になる。
【0048】
なお、上記実施形態の感光基板Pとしては、半導体デバイス用の半導体ウエハのみならず、液晶ディスプレイデバイス用のガラス基板や、薄膜磁気ヘッド用のセラミックウエハ、あるいは露光装置で用いられるマスクまたはレチクルの原版(合成石英、シリコンウエハ)等が適用される。
【0049】
露光装置EXとしては、マスクMと感光基板Pとを同期移動してマスクMのパターンを走査露光するステップ・アンド・スキャン方式の走査型露光装置の他に、マスクMと基板Pとを静止した状態でマスクMのパターンを露光し、感光基板Pを順次ステップ移動させるステップ・アンド・リピート方式の投影露光装置にも適用することができる。
【0050】
露光装置EXの種類としては、ウエハに半導体デバイスパターンを露光する半導体デバイス製造用の露光装置に限られず、角型のガラスプレートに液晶表示素子パターンを露光する液晶表示素子製造用の露光装置や、薄膜磁気ヘッド、撮像素子(CCD)あるいはマスクなどを製造するための露光装置などにも広く適用できる。
【0051】
また、露光用照明光の光源として、超高圧水銀ランプから発生する輝線(g線(436nm)、h線(404.7nm)、i線(365nm))、KrFエキシマレーザ(248nm)、ArFエキシマレーザ(193nm)、F2レーザ(157nm)のみならず、X線や電子線などの荷電粒子線を用いることができる。例えば、電子線を用いる場合には電子銃として、熱電子放射型のランタンヘキサボライト(LaB6)、タンタル(Ta)を用いることができる。さらに、電子線を用いる場合は、マスクMを用いる構成としてもよいし、マスクMを用いずに直接ウエハ上にパターンを形成する構成としてもよい。また、YAGレーザや半導体レーザ等の高周波などを用いてもよい。
【0052】
投影光学系PLとしては、エキシマレーザなどの遠紫外線を用いる場合は硝材として石英や蛍石などの遠紫外線を透過する材料を用い、F2レーザやX線を用いる場合は反射屈折系または屈折系の光学系にし(マスクMも反射型タイプのものを用いる)、また電子線を用いる場合には光学系として電子レンズ及び偏向器からなる電子光学系を用いればよい。なお、電子線が通過する光路は、真空状態にすることはいうまでもない。また、投影光学系PLを用いることなく、マスクMと基板Pとを密接させてマスクMのパターンを露光するプロキシミティ露光装置にも適用可能である。
【0053】
上記実施形態のように基板ステージPSTやマスクステージMSTにリニアモータを用いる場合においてエアベアリングを用いたエア浮上型に限られず、ローレンツ力を用いた磁気浮上型を用いてもよい。また、各ステージPST、MSTは、ガイドに沿って移動するタイプでもよく、ガイドを設けないガイドレスタイプであってもよい。
【0054】
基板ステージPSTの移動により発生する反力は、特開平8−166475号公報に記載されているように、フレーム部材を用いて機械的に床(大地)に逃がしてもよい。また、マスクステージMSTの移動により発生する反力は、特開平8−330224号公報に記載されているように、フレーム部材を用いて機械的に床(大地)に逃がしてもよい。
【0055】
以上のように、本願実施形態の露光装置EXは、本願特許請求の範囲に挙げられた各構成要素を含む各種サブシステムを、所定の機械的精度、電気的精度、光学的精度を保つように、組み立てることで製造される。これら各種精度を確保するために、この組み立ての前後には、各種光学系については光学的精度を達成するための調整、各種機械系については機械的精度を達成するための調整、各種電気系については電気的精度を達成するための調整が行われる。各種サブシステムから露光装置への組み立て工程は、各種サブシステム相互の、機械的接続、電気回路の配線接続、気圧回路の配管接続等が含まれる。この各種サブシステムから露光装置への組み立て工程の前に、各サブシステム個々の組み立て工程があることはいうまでもない。各種サブシステムの露光装置への組み立て工程が終了したら、総合調整が行われ、露光装置全体としての各種精度が確保される。なお、露光装置の製造は温度及びクリーン度等が管理されたクリーンルームで行うことが望ましい。
【0056】
半導体デバイスは、図6に示すように、デバイスの機能・性能設計を行うステップ201、この設計ステップに基づいたマスク(レチクル)を製作するステップ202、デバイスの基材である基板を製造するステップ203、前述した実施形態の露光装置EXによりマスクのパターンを基板に露光する基板処理ステップ204、デバイス組み立てステップ(ダイシング工程、ボンディング工程、パッケージ工程を含む)205、検査ステップ206等を経て製造される。
【0057】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明では材料固有の減衰値に依存することなく容易、且つ安価な方法で制振時の減衰量の調整を実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のステージ装置を備えた露光装置の一実施形態を示す概略構成図である。
【図2】本発明の制振装置を備えたステージ装置の一実施形態を示す概略斜視図である。
【図3】第1実施形態のマスダンパーの概略構成を示す図である。
【図4】マスクステージを有するステージ装置の一実施形態を示す概略斜視図である。
【図5】第2実施形態のマスダンパーの概略構成を示す図である。
【図6】半導体デバイスの製造工程の一例を示すフローチャート図である。
【符号の説明】
M マスク(レチクル)
MD マスダンパー(制振装置)
P 基板(感光基板)
EX 露光装置
2 ステージ装置
32 可動子(移動体)
60 振動系(連成振動系)
61 弾性体
62、72 質量体
63 シート材(シート状部材)
69 摩擦板(付勢部材、調整装置)
73 磁石(発磁体、調整装置)
【発明の属する技術分野】
本発明は、制振装置及びステージ装置並びに露光装置に関し、特に半導体集積回路や液晶ディスプレイ等のデバイスを製造する際に、リソグラフィ工程で用いて好適な制振装置及びステージ装置並びに露光装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、半導体デバイスの製造工程の1つであるリソグラフィ工程においては、マスク又はレチクル(以下、レチクルと称する)に形成された回路パターンをレジスト(感光剤)が塗布されたウエハ又はガラスプレート等の感光基板上に転写する種々の露光装置が用いられている。
例えば、半導体デバイス用の露光装置としては、近年における集積回路の高集積化に伴うパターンの最小線幅(デバイスルール)の微細化に応じて、レチクルのパターンを投影光学系を用いてウエハ上に縮小転写する縮小投影露光装置が主として用いられている。
【0003】
この縮小投影露光装置としては、レチクルのパターンをウエハ上の複数のショット領域(露光領域)に順次転写するステップ・アンド・リピート方式の静止露光型の縮小投影露光装置(いわゆるステッパ)や、このステッパを改良したもので、レチクルとウエハとを一次元方向に同期移動してレチクルパターンをウエハ上の各ショット領域に転写するステップ・アンド・スキャン方式の走査露光型の露光装置(いわゆるスキャニング・ステッパ)が知られている。
【0004】
ところで、上記の露光装置は、ウエハ上のあるショット領域に対する露光の後、他のショット領域に対して順次露光を繰り返すものであるから、ウエハステージ(ステッパの場合)、あるいはレチクルステージおよびウエハステージ(スキャニング・ステッパの場合)の移動によって生じる振動が原因となり、投影光学系とウエハ等との相対位置誤差を生じさせ、ウエハ上で設計値と異なる位置にパターンが転写されたり、その位置誤差に振動成分を含む場合には像ボケ(パターン線幅の増大)を招く可能性がある。そのため、従来では、振動が生じる部材の強度を高めたり、振動の入力源となる箇所を少なくする等の対策が採られていたが、この対策では装置の重量化、大型化を招く等の問題が生じる。
【0005】
そのため、特許文献1には、質量体と弾性体(バネ要素)とが振動系を構成し、この振動系が制振対象物の振動によって連成振動するマスダンパーを制振対象物に設ける技術が開示されている。この技術では、制振対象物の振動によりマスダンパーの振動系が励振されて制振対象物の振動エネルギーを減少させることができるため、装置の重量化、大型化を招くことなく、振動に起因する露光精度の低下を防ぐことが可能である。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−151379号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したような従来技術には、以下のような問題が存在する。
マスダンパーは、質量体とバネ要素とを調整することで、制振対象物の周波数(固有振動数)に調整することが可能であるが、マスダンパーが生じる制振量の減衰は、バネ要素を構成する材料減衰がほとんどを占める。従って、制振対象物の周波数に合わせるためにバネ要素を調整すると、この系の減衰は一意的にその材料減衰から決まることになる。つまり、制振対象物の周波数に合わせるためにバネ要素を一旦調整してしまうと、その後に減衰量の調整を行うことが困難であり、別途減衰量に応じたバネ要素を用意して交換する必要が生じコストアップの一因となってしまう。
【0008】
本発明は、以上のような点を考慮してなされたもので、コストアップを招くことなく容易に制振時の減衰量を調整できる制振装置及びステージ装置並びに露光装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために本発明は、実施の形態を示す図1ないし図5に対応付けした以下の構成を採用している。
本発明の制振装置は、質量体(62、72)と弾性体(61)とが連結された振動系(60)を有する制振装置(MD)であって、振動系(60)に負荷を与えて振動系(60)の減衰量を調整する調整装置(69、73)を備えることを特徴とするものである。
【0010】
従って、本発明の制振装置では、調整装置(69、73)により振動系(60)に負荷を与えることにより、振動系(60)の減衰量を容易に調整することができるため、減衰量に応じて弾性体を用意する必要がなくなり、コストアップを招くことを防止できる。調整装置による負荷としては、振動系(60)と調整装置(69)との間で生じる摩擦力や、振動系(60)と調整装置(73)との間で生じる電磁気力とすることができる。
【0011】
また、本発明のステージ装置は、移動体(32)を有するステージ装置(2)であって、移動体(32)の移動に伴う振動を制振する装置として、請求項1から7のいずれか一項に記載の制振装置(MD)が用いられることを特徴とするものである。
【0012】
従って、本発明のステージ装置では、移動体(32)の移動に伴って生じる振動の減衰量を、振動系(60)に負荷を与えることによりコストアップを招くことなく容易に調整することが可能になる。
【0013】
そして、本発明の露光装置は、マスク(M)のパターンを基板(P)に露光する露光装置(EX)であって、マスク(M)を照明する照明光の照明領域を設定する設定装置と、マスク(M)を保持して移動するマスクステージ(MST)と、基板(P)を保持して移動する基板ステージ(PST)との少なくとも一つに、請求項8または9記載のステージ装置(2)が用いられることを特徴とするものである。
【0014】
従って、本発明の露光装置では、設定装置とマスクステージ(MST)と基板ステージ(PST)との少なくとも一つの移動に伴って生じる振動の減衰量を、振動系(60)に負荷を与えることによりコストアップを招くことなく容易に調整することが可能になる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の制振装置及びステージ装置並びに露光装置の実施の形態を、図1ないし図6を参照して説明する。
図1は本発明の制振装置をマスダンパーとしてウエハステージに備えた露光装置の一実施形態を示す概略構成図である。ここで、本実施形態における露光装置EXは、マスクMと感光基板Pとを同期移動しつつマスクMに設けられているパターンを投影光学系PLを介して感光基板P上に転写する所謂スキャニングステッパである。以下の説明において、投影光学系PLの光軸AXと一致する方向をZ軸方向、Z軸方向に垂直な平面内における前記同期移動方向(走査方向)をY軸方向、Z軸方向及びY軸方向と垂直な方向(非走査方向)をX軸方向として説明する。また、ここでいう「感光基板」は半導体ウエハ上にレジストが塗布されたものを含み、「マスク」は感光基板上に縮小投影されるデバイスパターンが形成されたレチクルを含む。
【0016】
(第1実施形態)
図1において、露光装置EXは、マスク(レチクル)Mを保持して移動するマスクステージ(レチクルステージ)MST及びこのマスクステージMSTを支持するマスク定盤3を有するステージ装置1と、光源を有し、マスクステージMSTに支持されているマスクMを露光光で照明する照明光学系ILと、感光基板Pを保持して移動する基板ステージPST及びこの基板ステージPSTを支持する基板定盤4を有するステージ装置2と、露光光ELで照明されたマスクMのパターン像を基板ステージPSTに支持されている感光基板Pに投影する投影光学系PLと、ステージ装置1及び投影光学系PLを支持するリアクションフレーム5と、露光装置EXの動作を統括制御する制御装置CONTとを備えている。リアクションフレーム5は床面に水平に載置されたベースプレート6上に設置されており、このリアクションフレーム5の上部側及び下部側には内側に向けて突出する段部5a及び5bがそれぞれ形成されている。
【0017】
ステージ装置2は、基板ステージPSTと、基板ステージPSTをXY平面に沿った2次元方向に移動可能に支持する基板定盤4と、基板ステージPSTをX軸方向に案内しつつ移動自在に支持するXガイドステージ35と、Xガイドステージ35に設けられ、基板ステージPSTをX軸方向に移動可能なXリニアモータ40と、Xガイドステージ35をY軸方向に移動可能な一対のYリニアモータ30、30とを有している。基板ステージPSTはウエハ等の感光基板Pを真空吸着保持する基板ホルダPHを有しており、感光基板Pは基板ホルダPHを介して基板ステージPSTに支持される。また、基板ステージPSTの底面には非接触ベアリングである複数のエアベアリング37が設けられており、これらエアベアリング37により基板ステージPSTは基板定盤4に対して非接触で支持されている。また、基板定盤4はベースプレート6の上方に防振ユニット13を介してほぼ水平に支持されている。
【0018】
Xガイドステージ35の+X側には、Xトリムモータ34の可動子34aが取り付けられている(図2参照)。また、Xトリムモータ34の固定子(不図示)はリアクションフレーム5に設けられている。このため、基板ステージPSTをX軸方向に駆動する際の反力は、Xトリムモータ34及びリアクションフレーム5を介してベースプレート6に伝達される。
【0019】
図2は基板ステージPSTを有するステージ装置2の概略斜視図である。
図2に示すように、ステージ装置2は、X軸方向に沿った長尺形状を有するXガイドステージ35と、Xガイドステージ35で案内しつつ基板ステージPSTをX軸方向に所定ストロークで移動可能なXリニアモータ40と、Xガイドステージ35の長手方向両端に設けられ、このXガイドステージ35を基板ステージPSTとともにY軸方向に移動可能な一対のYリニアモータ30、30とを備えている。
【0020】
Xリニアモータ40は、Xガイドステージ35にX軸方向に延びるように設けられたコイルユニットからなる固定子41と、この固定子41に対応して設けられ、基板ステージPSTに固定された磁石ユニットからなる可動子42とを備えている。これら固定子41及び可動子42によりムービングマグネット型のリニアモータ40が構成されており、可動子42が固定子41との間の電磁気的相互作用により駆動することで基板ステージPSTがX軸方向に移動する。ここで、基板ステージPSTはXガイドステージ35に対してZ軸方向に所定量のギャップを維持する磁石及びアクチュエータからなる磁気ガイドにより非接触で支持されている。基板ステージPSTはXガイドステージ35に非接触支持された状態でXリニアモータ40によりX軸方向に移動する。
【0021】
Yリニアモータ30のそれぞれは、Xガイドステージ35の長手方向両端に設けられた磁石ユニットからなる移動体としての可動子32と、この可動子32に対応して設けられコイルユニットからなる固定子31とを備えている。ここで、固定子31、31はベースプレート6に突設された支持部36、36(図1参照)に設けられている。なお、図1では固定子31及び可動子32は簡略化して図示されている。これら固定子31及び可動子32によりムービングマグネット型のリニアモータ30が構成されており、可動子32が固定子31との間の電磁気的相互作用により駆動することでXガイドステージ35がY軸方向に移動する。また、Yリニアモータ30、30のそれぞれの駆動を調整することでXガイドステージ35はθZ方向にも回転移動可能となっている。したがって、このYリニアモータ30、30により基板ステージPSTがXガイドステージ35とほぼ一体的にY軸方向及びθZ方向に移動可能となっている。
【0022】
可動子32、32のそれぞれには、当該可動子32の移動に伴う振動を制振するためのマスダンパー(制振装置)MDが設けられている。マスダンパーMDは、図3に示すように、可動子32上に載置されたソルボ繊維等の粘性減衰係数が比較的大きいゴム材で形成された弾性体61と、例えばタングステンや鉛等の比較的比重の大きい金属で形成された質量体62とがZ方向に連結されて可動子32の振動によってZ方向に連成振動する振動系(連成振動系)60を有している。このマスダンパーMDは、可動子32が振動したときに、振動の腹となる箇所に配置されている。
【0023】
質量体62の質量は、可動子32の振動モードに対応するモード質量に基づいて設定されている。具体的には、可動子32のモード質量の5%〜10%を選択することで効果的な減衰が得られることが振動工学的に知られているが、ここではモード質量の10%に設定されている。そして、例えばタングステンや鉛などのような比重の大きな材質を用いることで、質量体62の小型化を実現している。また、弾性体61および質量体62を合わせたマスダンパーMDの振動系60としての固有振動数は、可動子32の固有振動数とほぼ一致するように設定されている。
【0024】
また、マスダンパーMDの質量体62は、その上部においてステンレス製のシート材(シート状部材)63の略中央部に締結部材64により一体的に固定されている。シート材63は、面と沿う方向(X方向、Y方向)には剛性を有し、面と直交する方向(Z方向)には可撓性を有しており、両端部において支持部材65、65にXY平面に沿って固定・支持されている。これらシート材63及び支持部材65は、締結部材66によってベース板67に固定されており、ベース板67は締結部材68により可動子32に取付・固定される。ベース板67の略中央部には、貫通孔67aが形成されており、マスダンパーMDの弾性体61は、貫通孔67aを介して可動子32に当接している。また、ベース板67には質量体62のY方向両側に位置して、マスダンパーMDの振動系の減衰量を調整するための板バネ状の摩擦板(付勢部材、調整装置)69が設けられている。摩擦板69は、質量体62の側面にY方向に沿う付勢力(押付力)をもって当接しており、締結部材70によりベース板67に締結固定される。例えば締結部材70が貫通する摩擦板69の貫通孔をY方向に延在する長穴とすることで、摩擦板69を質量体62に対して離間・接近させ、質量体62への付勢力を調整することができる。質量体62への付勢力は、マスダンパーMDの振動系60の減衰量に応じて設定される。このように、マスダンパーMD、シート材63、及び摩擦板69は、ベース板67を介して一体的にユニット化されて可動子32に取り付けられる構成となっている。
【0025】
図1に戻って、基板ステージPSTの−X側の側縁にはY軸方向に沿って延設されたX移動鏡51が設けられ、X移動鏡51に対向する位置にはレーザ干渉計50が設けられている。レーザ干渉計50はX移動鏡51の反射面と投影光学系PLの鏡筒下端に設けられた参照鏡52とのそれぞれに向けてレーザ光(検出光)を照射するとともに、その反射光と入射光との干渉に基づいてX移動鏡51と参照鏡52との相対変位を計測することにより、基板ステージPST、ひいては感光基板PのX軸方向における位置を所定の分解能でリアルタイムに検出する。同様に、基板ステージPST上の+Y側の側縁にはX軸方向に沿って延設されたY移動鏡53(図1には不図示、図2参照)が設けられ、Y移動鏡53に対向する位置にはYレーザ干渉計(不図示)が設けられており、Yレーザ干渉計はY移動鏡53の反射面と投影光学系PLの鏡筒下端に設けられた参照鏡(不図示)とのそれぞれに向けてレーザ光を照射するとともに、その反射光と入射光との干渉に基づいてY移動鏡と参照鏡との相対変位を計測することにより、基板ステージPST、ひいては感光基板PのY軸方向における位置を所定の分解能でリアルタイムに検出する。レーザ干渉計の検出結果は制御装置CONTに出力され、制御装置CONTはレーザ干渉計の検出結果に基づいてリニアモータ30、40を介して基板ステージPSTの位置制御を行う。
【0026】
照明光学系ILは、所定の位置関係で配置されたミラー、可変減光器、ビーム成形光学系、オプティカルインテグレータ、集光光学系、振動ミラー、照明系開口絞り板、ビームスプリッタ、リレーレンズ系、及びブラインド機構(設定装置)等を備えており、リアクションフレーム5の上面に固定された支持コラム7により支持される。ブラインド機構は、レチクルR上の照明領域を規定する所定形状の開口部が形成された固定ブラインドと、不要な部分の露光を防止するため、走査露光の開始時及び終了時に可動ブレードにより固定レチクルブラインドによって規定されるマスクM上の照明領域を更に制限する可動ブラインドとから構成される。
照明光学系ILより射出される露光光ELとしては、例えば水銀ランプから射出される紫外域の輝線(g線、h線、i線)及びKrFエキシマレーザ光(波長248nm)等の遠紫外光(DUV光)や、ArFエキシマレーザ光(波長193nm)及びF2レーザ光(波長157nm)等の真空紫外光(VUV光)などが用いられる。
【0027】
ステージ装置1のうちマスク定盤3は各コーナーにおいてリアクションフレーム5の段部5aに防振ユニット8を介してほぼ水平に支持されており、その中央部にマスクMのパターン像が通過する開口3aを備えている。マスクステージMSTはマスク定盤3上に設けられており、その中央部にマスク定盤3の開口3aと連通しマスクMのパターン像が通過する開口Kを備えている。マスクステージMSTの底面には非接触ベアリングである複数のエアベアリング9が設けられており、マスクステージMSTはエアベアリング9によりマスク定盤3に対して所定のクリアランスを介して浮上支持されている。
【0028】
図4はマスクステージMSTを有するステージ装置1の概略斜視図である。
図4に示すように、ステージ装置1(マスクステージMST)は、マスク定盤3上に設けられたマスク粗動ステージ16と、マスク粗動ステージ16上に設けられたマスク微動ステージ18と、マスク定盤3上において粗動ステージ16をY軸方向に所定ストロークで移動可能な一対のYリニアモータ20、20と、マスク定盤3の中央部の上部突出部3bの上面に設けられ、Y軸方向に移動する粗動ステージ16を案内する一対のYガイド部24、24と、粗動ステージ16上において微動ステージ18をX軸、Y軸、及びθZ方向に微小移動可能な一対のXボイスコイルモータ17X及び一対のYボイスコイルモータ17Yとを備えている。なお、図1では、粗動ステージ16及び微動ステージ18を簡略化して1つのステージとして図示している。
【0029】
Yリニアモータ20のそれぞれは、マスク定盤3上においてY軸方向に延びるように設けられたコイルユニット(電機子ユニット)からなる一対の固定子21と、この固定子21に対応して設けられ、連結部材23を介して粗動ステージ16に固定された磁石ユニットからなる可動子22とを備えている。そして、これら固定子21及び可動子22によりムービングマグネット型のリニアモータ20が構成されており、可動子22が固定子21との間の電磁気的相互作用により駆動することで粗動ステージ16(マスクステージMST)がY軸方向に移動する。固定子21のそれぞれは非接触ベアリングである複数のエアベアリング19によりマスク定盤3に対して浮上支持されている。このため、運動量保存の法則により粗動ステージ16の+Y方向の移動に応じて固定子21が−Y方向に移動する。この固定子21の移動により粗動ステージ16の移動に伴う反力が相殺されるとともに重心位置の変化を防ぐことができる。なお、固定子21は、マスク定盤3に変えてリアクションフレーム5に設けられてもよい。固定子21をリアクションフレーム5に設ける場合にはエアベアリング19を省略し、固定子21をリアクションフレーム5に固定して粗動ステージ16の移動により固定子21に作用する反力をリアクションフレーム5を介して床に逃がしてもよい。
【0030】
Yガイド部24のそれぞれは、Y軸方向に移動する粗動ステージ16を案内するものであって、マスク定盤3の中央部に形成された上部突出部3bの上面においてY軸方向に延びるように固定されている。また、粗動ステージ16とYガイド部24、24との間には非接触ベアリングである不図示のエアベアリングが設けられており、粗動ステージ16はYガイド部24に対して非接触で支持されている。
【0031】
微動ステージ18は不図示のバキュームチャックを介してマスクMを吸着保持する。微動ステージ18の+Y方向の端部にはコーナーキューブからなる一対のY移動鏡25a、25bが固定され、微動ステージ18の−X方向の端部にはY軸方向に延びる平面ミラーからなるX移動鏡26が固定されている。そして、これら移動鏡25a、25b、26に対して測長ビームを照射する3つのレーザ干渉計(いずれも不図示)が各移動鏡との距離を計測することにより、マスクステージMSTのX軸、Y軸、及びθZ方向の位置が高精度で検出される。制御装置CONTはこれらレーザ干渉計の検出結果に基づいて、Yリニアモータ20、Xボイスコイルモータ17X、及びYボイスコイルモータ17Yを含む各モータを駆動し、微動ステージ18に支持されているマスクM(マスクステージMST)の位置制御を行う。
【0032】
図1に戻って、開口K及び開口3aを通過したマスクMのパターン像は投影光学系PLに入射する。投影光学系PLは複数の光学素子により構成され、これら光学素子は鏡筒で支持されている。投影光学系PLは、例えば1/4又は1/5の投影倍率を有する縮小系である。なお、投影光学系PLとしては等倍系あるいは拡大系のいずれでもよい。投影光学系PLの鏡筒の外周にはこの鏡筒に一体化されたフランジ部10が設けられている。そして、投影光学系PLはリアクションフレーム5の段部5bに防振ユニット11を介してほぼ水平に支持された鏡筒定盤12にフランジ部10を係合している。
【0033】
続いて上記の構成の露光装置EXの中、ステージ装置2の動作について以下に説明する。
基板ステージPSTをY方向に移動させる際には、Yリニアモータ30の可動子32が固定子31に沿って移動する。可動子32の移動に伴いZ方向の振動が発生すると、マスダンパーMDの振動系60が励振されてZ方向に連成振動する。この連成振動のうち、弾性体61の大きな粘性により可動子32の振動が減衰されてその振幅が小さくなる。また、質量体62の質量が可動子32のモード質量の10%程度であるとともに、マスダンパーMD(振動系60)の固有振動数が可動子32の固有振動数とほぼ一致しているので、マスダンパーMDの連成振動により、可動子32の固有振動数における共振のピークが小さくなり残留振動も小さくなる。
【0034】
また、振動系60が連成振動する際には摩擦板69の付勢力が負荷となり、質量体62と摩擦板69との間の摩擦係数と、摩擦板69の付勢力による質量体62の垂直抗力とに応じて、振動系60の振動方向とは逆方向に摩擦力が作用する。つまり、摩擦板69は振動系60の連成振動について減衰要素として機能し、振動系60の連成振動は、この摩擦力に応じた減衰量で減衰することになる。
なお、可動子32がY方向に移動した際には、シート材63がY方向を含むXY平面に沿う方向で剛性を有しているので、振動系60がY方向に撓むことがなく、また、シート材63がZ方向に可撓性を有しているので、振動系60のZ方向への連成振動に悪影響を及ぼすこともない。
【0035】
なお、連成振動の減衰量を調整する場合には、締結部材70による摩擦部材69の締結を緩めた後、所望の付勢力を発揮する位置へ摩擦部材69を質量体62に対して接近または離間させることにより、摩擦部材69による質量体62への付勢力を増加または低下させ摩擦力を調整すればよい。そして、摩擦部材69の位置が決まったところで、再度締結部材70により摩擦部材69を締結固定して位置決めする。これにより、連成振動に対する減衰量が任意に調整される。
【0036】
続いて、上記の構成の露光装置EXにおける露光動作について説明する。
レチクル顕微鏡およびオフアクシス・アライメントセンサ等を用いたレチクルアライメント、ベースライン計測等の準備作業が行われ、その後アライメントセンサを用いた感光基板Pのファインアライメント(EGA;エンハンスト・グローバル・アライメント等)が終了し、感光基板P上の複数のショット領域の配列座標が求められる。そして、アライメント結果に基づいてレーザ干渉計50の計測値をモニタしつつ、リニアモータ30、40を制御して感光基板Pの第1ショットの露光のための走査開始位置に基板ステージPSTを移動する。そして、リニアモータ20、30を介してマスクステージMSTと基板ステージPSTとのY方向の走査を開始し、両ステージMST、PSTがそれぞれの目標走査速度に達すると、ブラインド機構の駆動により設定された露光用照明光によってマスクMのパターン領域が照明され、走査露光が開始される。
【0037】
この走査露光時には、マスクステージMSTのY方向の移動速度と、基板ステージPSTのY方向の移動速度とが投影光学系PLの投影倍率(1/5倍あるいは1/4倍)に応じた速度比に維持されるように、リニアモータ20、30を介してマスクステージMSTおよび基板ステージPSTを同期制御する。そして、マスクMのパターン領域の異なる領域が照明光で逐次照明され、パターン領域全面に対する照明が完了することにより、感光基板P上の第1ショットの走査露光が完了する。これにより、マスクMのパターンが投影光学系PLを介して感光基板P上の第1ショット領域に縮小転写される。
【0038】
このように本実施の形態では、摩擦板69による振動系60への負荷(摩擦力)によって連成振動の減衰量を調整できるので、制振対象物である可動子32に合わせてバネ要素である弾性体61の形状・大きさ等を調整した後でも、容易、且つ安価な方法で減衰量の再調整を実施できる。そのため、減衰量に応じて弾性体を複数用意しておく必要がなくなりコストアップを防止することが可能となる。特に、本実施の形態では、締結部材70を緩めて摩擦板69を質量体62に離間・接近させるという簡単な操作で容易に減衰量を調整することが可能である。
【0039】
また、本実施の形態では、シート材63により振動系60を可動子32にZ方向に振動可能に取り付けているので、重量化を招くことなく安価な構成で振動系60を固定することができる。さらに、本実施の形態では、マスダンパーMD(振動系60)、シート材63及び摩擦板69をベース板67に一体化して固定したユニット化構造となっているので、可動子32へのマスダンパーMDの取り付け・取り外しが容易であり、作業効率を向上させることができる。
【0040】
なお、摩擦板69により振動系60に負荷を与えることにより、減衰可能な周波数が変動(低下)する可能性がある。そのため、低下量を見越して振動系60の固有振動数を予め大きめに設定しておいてもよい。
【0041】
(第2実施形態)
次に、図5を参照して本発明に係る露光装置の第2実施形態について説明する。また、本第2実施形態において、上記第1実施形態と同一の機能を有するものは同一の符号を付し、その説明を省略または簡略化する。
上記第1実施形態では、摩擦板69と質量体62との間の摩擦力を振動系60に対する負荷とする構成としたが、第2実施形態では電磁気力を負荷として付与している。
【0042】
図5に示すように、本実施の形態の振動系60は、可動子32上に載置された弾性体61と、Z方向に延在して設けられたアルミ等の非磁性金属で形成された質量体72とがZ方向に連結された構成となっている。質量体72は、頂部において連結部材64によりシート材63に締結固定されている。また、質量体72の周囲には、調整装置としてのリング状の磁石(発磁体)73が貫通孔73aに質量体72を挿通させてZ方向に沿って複数列設されている。これら磁石73は、同一の極性方向(隣り合う磁石とは異なる極性の面が対向する)で積層され、不図示の固定手段によりベース板67に解除自在に固定されている。
【0043】
本実施の形態では、可動子32の移動に伴いZ方向の振動が発生すると、マスダンパーMDの振動系60が励振されてZ方向に連成振動することで可動子32の振動を減衰させる。この連成振動により、質量体72と磁石73とは相対移動することになり、質量体72に対する磁束密度が変化すると、質量体72には当該質量体72の電気抵抗値と略反比例した値で渦電流が発生する。質量体72の材質は導電性材料(導体)であり電気抵抗値が低いため、質量体72には大きな渦電流が生じることになり、結果として渦電流の値に応じて、質量体72(振動系60)の振動方向と逆方向に大きな推力(電磁気力)、いわゆる粘性抵抗が生じる。そして、この粘性抵抗が振動系60に対する負荷となり、振動系60の連成振動は粘性抵抗に応じた減衰量で減衰することになり、上記第1実施形態と同様の効果が得られる。
なお、連成振動の減衰量を調整する場合には、所望の減衰量に応じて、例えば内径の異なる磁石を用いて質量体72との間の距離を変更して磁束密度の大きさを調整したり、磁石の個数を変えてもよい。
【0044】
以上、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0045】
例えば、上記第2の実施形態では、質量体72を導体とし、調整装置を磁石73とする構成としたが、これとは逆に質量体を磁石とし、調整装置を導体とする構成としてもよい。また、振動系に与える負荷としては、上述した摩擦力、電磁気力以外にも、オイルダンパー等により機械的な負荷を与える構成とすることも可能である。
【0046】
また、上記実施の形態では、マスダンパーMDにより可動子32のZ方向の振動を制振する構成としたが、この方向以外にもX方向やY方向の振動についても制振可能であり、この場合は制振すべき振動方向に連成振動する振動系を有するマスダンパーを設置すればよい。制振対象に関しても、可動子32に限られず、基板ホルダPHや基板ステージPST等の移動体、さらには移動体の移動に伴って振動する可能性がある基板定盤4等の非移動体にもマスダンパーを設置して振動を制振することも可能である。いずれの場合も振動の腹となる箇所近傍にマスダンパーを設置することで効果的な制振を実現することができる。
【0047】
さらに、マスダンパーの設置対象としては、基板ステージPSTを含むステージ装置2に限定されるものではなく、振動が生じる可能性があれば、マスクステージMSTを含むステージ装置1(可動子22、マスク粗動ステージ16、マスク微動ステージ18、マスク定盤3等)や、可動ブラインドが駆動するステージ装置としてのブラインド機構に設置してもよい。この場合、マスクや可動ブラインドの移動に伴って生じる振動を制振することが可能になる。
【0048】
なお、上記実施形態の感光基板Pとしては、半導体デバイス用の半導体ウエハのみならず、液晶ディスプレイデバイス用のガラス基板や、薄膜磁気ヘッド用のセラミックウエハ、あるいは露光装置で用いられるマスクまたはレチクルの原版(合成石英、シリコンウエハ)等が適用される。
【0049】
露光装置EXとしては、マスクMと感光基板Pとを同期移動してマスクMのパターンを走査露光するステップ・アンド・スキャン方式の走査型露光装置の他に、マスクMと基板Pとを静止した状態でマスクMのパターンを露光し、感光基板Pを順次ステップ移動させるステップ・アンド・リピート方式の投影露光装置にも適用することができる。
【0050】
露光装置EXの種類としては、ウエハに半導体デバイスパターンを露光する半導体デバイス製造用の露光装置に限られず、角型のガラスプレートに液晶表示素子パターンを露光する液晶表示素子製造用の露光装置や、薄膜磁気ヘッド、撮像素子(CCD)あるいはマスクなどを製造するための露光装置などにも広く適用できる。
【0051】
また、露光用照明光の光源として、超高圧水銀ランプから発生する輝線(g線(436nm)、h線(404.7nm)、i線(365nm))、KrFエキシマレーザ(248nm)、ArFエキシマレーザ(193nm)、F2レーザ(157nm)のみならず、X線や電子線などの荷電粒子線を用いることができる。例えば、電子線を用いる場合には電子銃として、熱電子放射型のランタンヘキサボライト(LaB6)、タンタル(Ta)を用いることができる。さらに、電子線を用いる場合は、マスクMを用いる構成としてもよいし、マスクMを用いずに直接ウエハ上にパターンを形成する構成としてもよい。また、YAGレーザや半導体レーザ等の高周波などを用いてもよい。
【0052】
投影光学系PLとしては、エキシマレーザなどの遠紫外線を用いる場合は硝材として石英や蛍石などの遠紫外線を透過する材料を用い、F2レーザやX線を用いる場合は反射屈折系または屈折系の光学系にし(マスクMも反射型タイプのものを用いる)、また電子線を用いる場合には光学系として電子レンズ及び偏向器からなる電子光学系を用いればよい。なお、電子線が通過する光路は、真空状態にすることはいうまでもない。また、投影光学系PLを用いることなく、マスクMと基板Pとを密接させてマスクMのパターンを露光するプロキシミティ露光装置にも適用可能である。
【0053】
上記実施形態のように基板ステージPSTやマスクステージMSTにリニアモータを用いる場合においてエアベアリングを用いたエア浮上型に限られず、ローレンツ力を用いた磁気浮上型を用いてもよい。また、各ステージPST、MSTは、ガイドに沿って移動するタイプでもよく、ガイドを設けないガイドレスタイプであってもよい。
【0054】
基板ステージPSTの移動により発生する反力は、特開平8−166475号公報に記載されているように、フレーム部材を用いて機械的に床(大地)に逃がしてもよい。また、マスクステージMSTの移動により発生する反力は、特開平8−330224号公報に記載されているように、フレーム部材を用いて機械的に床(大地)に逃がしてもよい。
【0055】
以上のように、本願実施形態の露光装置EXは、本願特許請求の範囲に挙げられた各構成要素を含む各種サブシステムを、所定の機械的精度、電気的精度、光学的精度を保つように、組み立てることで製造される。これら各種精度を確保するために、この組み立ての前後には、各種光学系については光学的精度を達成するための調整、各種機械系については機械的精度を達成するための調整、各種電気系については電気的精度を達成するための調整が行われる。各種サブシステムから露光装置への組み立て工程は、各種サブシステム相互の、機械的接続、電気回路の配線接続、気圧回路の配管接続等が含まれる。この各種サブシステムから露光装置への組み立て工程の前に、各サブシステム個々の組み立て工程があることはいうまでもない。各種サブシステムの露光装置への組み立て工程が終了したら、総合調整が行われ、露光装置全体としての各種精度が確保される。なお、露光装置の製造は温度及びクリーン度等が管理されたクリーンルームで行うことが望ましい。
【0056】
半導体デバイスは、図6に示すように、デバイスの機能・性能設計を行うステップ201、この設計ステップに基づいたマスク(レチクル)を製作するステップ202、デバイスの基材である基板を製造するステップ203、前述した実施形態の露光装置EXによりマスクのパターンを基板に露光する基板処理ステップ204、デバイス組み立てステップ(ダイシング工程、ボンディング工程、パッケージ工程を含む)205、検査ステップ206等を経て製造される。
【0057】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明では材料固有の減衰値に依存することなく容易、且つ安価な方法で制振時の減衰量の調整を実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のステージ装置を備えた露光装置の一実施形態を示す概略構成図である。
【図2】本発明の制振装置を備えたステージ装置の一実施形態を示す概略斜視図である。
【図3】第1実施形態のマスダンパーの概略構成を示す図である。
【図4】マスクステージを有するステージ装置の一実施形態を示す概略斜視図である。
【図5】第2実施形態のマスダンパーの概略構成を示す図である。
【図6】半導体デバイスの製造工程の一例を示すフローチャート図である。
【符号の説明】
M マスク(レチクル)
MD マスダンパー(制振装置)
P 基板(感光基板)
EX 露光装置
2 ステージ装置
32 可動子(移動体)
60 振動系(連成振動系)
61 弾性体
62、72 質量体
63 シート材(シート状部材)
69 摩擦板(付勢部材、調整装置)
73 磁石(発磁体、調整装置)
Claims (10)
- 質量体と弾性体とが連結された振動系を有する制振装置であって、
前記振動系に負荷を与えて前記振動系の減衰量を調整する調整装置を備えることを特徴とする制振装置。 - 請求項1記載の制振装置において、
前記負荷は、前記振動系と前記調整装置との間で生じる摩擦力であることを特徴とする制振装置。 - 請求項2記載の制振装置において、
前記調整装置は、前記質量体に前記振動系の振動方向と略直交する方向の付勢力をもって接する付勢部材であることを特徴とする制振装置。 - 請求項1記載の制振装置において、
前記負荷は、前記振動系と前記調整装置との間で生じる電磁気力であることを特徴とする制振装置。 - 請求項4記載の制振装置において、
前記調整装置は、所定方向に沿って列設された複数の発磁体と、前記所定方向に延在し前記複数の発磁体に対する相対移動で生じる電磁気的相互作用により粘性抵抗を生じさせる導体とを有し、
前記振動系には、前記複数の発磁体と前記導体とのいずれか一方が設けられることを特徴とする制振装置。 - 請求項1から5のいずれかに記載の制振装置において、
前記振動系と前記調整装置とは、一体的にユニット化されることを特徴とする制振装置。 - 請求項6記載の制振装置において、
前記質量体は、前記振動系の振動方向については可撓性を有し、前記振動方向と交叉する方向については剛性を有するシート状部材を介して前記ユニットに固定されることを特徴とする制振装置。 - 移動体を有するステージ装置であって、
前記移動体の移動に伴う振動を制振する装置として、請求項1から7のいずれか一項に記載の制振装置が用いられることを特徴とするステージ装置。 - 請求項8記載のステージ装置において、
固定子と協働して前記移動体を移動させる可動子を有し、
前記制振装置は、前記可動子に設けられることを特徴とするステージ装置。 - マスクのパターンを基板に露光する露光装置であって、
前記マスクを照明する照明光の照明領域を設定する設定装置と、前記マスクを保持して移動するマスクステージと、前記基板を保持して移動する基板ステージとの少なくとも一つに、請求項8または9記載のステージ装置が用いられることを特徴とする露光装置。
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20061003 |