以下、図面を参照して、本発明の好適な実施例を例示的に詳しく説明する。ただし、以下の実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、それらの相対配置などは、本発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものである。従って、特に特定的な記載がない限りは、本発明の範囲を限定する趣旨のものではない。
(実施例1)
[画像形成装置の構成]
図1は、本実施例に係る画像形成装置100の概略構成を示す模式的な断面図である。本実施例の画像形成装置100は、電子写真方式を用いてフルカラー画像の形成が可能な中間転写方式を採用した、タンデム型のレーザービームプリンターである。
画像形成装置100は、一列に配置された4つの画像形成部a、b、c、dを有し、各画像形成部a〜dは、それぞれイエロー(Y)マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(Bk)の各色の画像を形成する。
画像形成部aは、像担持体としてドラム型(円筒形)の感光体(以下、感光ドラム1aと称する)、帯電手段としての帯電ローラ2a、感光ドラム1aに残留したトナーを回収するドラムクリーニング手段3a、及び現像手段4a、を有する。本実施例の画像形成装置100において、これらの1a〜4aの各手段は一体型のプロセスカートリッジ9a(以下、カートリッジ9aと称する)を構成し、画像形成装置100の本体に対して着脱可能である。
現像手段4aは、現像剤担持体としての現像ローラ41aと、現像剤としての非磁性一成分トナーを収容する現像容器42aと、現像ローラ41aにトナーを供給する供給ローラ43aと、現像剤規制手段としての現像ブレード44aと、を有する。図1に示す露光手段12aは、レーザー光を多面鏡によって走査させるスキャナユニットで構成され、画像信号に基づいて変調された走査ビームを感光ドラム1aに照射することで、感光ドラム1aに静電潜像を形成する。
なお、以下の説明において、各画像形成部a〜dの構成及び動作は、使用するトナーの色が異なることを除けば、実質的に同じである。したがって、以下、特に区別を要しない場合は、いずれかの色用の要素であることを示す符号の末尾a、b、c、dは省略して、当該要素について統括的に説明する。
各画像形成部a〜dと対向する位置には、各感光ドラム1a、1b、1c、1dの全てと当接可能であって、移動可能な中間転写体としての無端状ベルトで構成された中間転写ベルト13が配置されている。中間転写ベルト13は、二次転写対向ローラ24(以下、単に対向ローラ24と称する)、駆動ローラ14、張架ローラ15の3本のローラにより張架されている。そして、駆動ローラ14が回転駆動されることによって、中間転写ベルト13は、図中矢印R2方向で示されるベルト搬送方向に移動(回転)する。なお、中間転写ベルト13の幅方向とは、図示矢印R2方向で示される中間転写ベルト13の移動方向と直交する方向であり、図1における奥行き方向のことである。
中間転写ベルト13を介して、感光ドラム1と対向する位置には、一次転写部材としての一次転写ローラ10が配置されている。一次転写ローラ10は、中間転写ベルト13を介して感光ドラム1に対して所定の圧力で付勢されており、中間転写ベルト13と感光ドラム1とが接触する一次転写部(一次転写ニップ)N1を形成している。感光ドラム1に対する一次転写ローラ10の付勢状態を解除することにより、中間転写ベルト13と感光ドラム1とを離間させて一次転写部N1を解消することが可能である。本実施例の画像形成装置100においては、画像形成を行わない非画像形成時に一次転写ローラ10の付勢状態を解除することによって、中間転写ベルト13と感光ドラム1とを離間させている。
また、本実施例の画像形成装置100は、画像形成部a〜dの全てを用いて画像形成を行うフルカラーモードと、黒色(Bk)のトナー像を形成することが可能な画像形成部のみを用いて画像形成を行うモノカラーモードと、を選択して実行することが可能である。フルカラーモードを実行する場合、全ての一次転写ローラ10を感光ドラム1に向けて付勢することによって、感光ドラム1a、1b、1c、1dの全てを中間転写ベルト13に当接させる。一方で、モノカラーモードを実行する場合は、一次転写ローラ10a、10b、10cの付勢力を解除し、一次転写ローラ10dのみを感光ドラム1dに向けて付勢する。即ち、モノカラーモードを実行する場合においては、黒色のトナー像を担持する感光ドラム1dのみを中間転写ベルト13に当接させて画像形成を行う。
中間転写ベルト13の外周面側において、対向ローラ24と対向する位置には、二次転写部材としての二次転写ローラ25が配置されている。二次転写ローラ25は、中間転写ベルト13を介して対向ローラ24に対して所定の圧力で付勢されており、中間転写ベルト13と二次転写ローラ25とが接触する二次転写部(二次転写ニップ)N2を形成している。
なお、本実施例では、一次転写ローラ10a〜10dは、外径5mmのニッケルメッキ鋼棒の芯金に、外径14mmとなるよう発泡性弾性体を被覆して構成されており、106Ωの抵抗を有するものを用いた。本実施例の画像形成装置100の構成において良好な画像形成を行うためには、一次転写ローラ10の抵抗は、103〜107Ωの範囲に設定されていることが望ましい。
また、本実施例では、二次転写ローラ25は、外径8mmのニッケルメッキ鋼棒の芯金に、外径16mmとなるよう発泡性弾性体を被覆して構成されており、108Ωの抵抗を有するものを用いた。本実施例の画像形成装置100の構成において良好な画像形成を行うためには、二次転写ローラ25の抵抗は、107〜109Ωの範囲に設定されていることが好ましい。
駆動ローラ14は、アルミニウム芯金にカーボンを導電剤として分散した抵抗105Ω、肉厚0.085mmのシリコーンゴムを被覆した外径26.3mmのものを用いた。張架ローラ15は、外径24mmのアルミニウムの金属棒を用いており、片側の端部を49Nずつ付勢されることで、総圧98Nのテンションを中間転写ベルト13に付与している。二次転写ローラ25の対向に位置する対向ローラ24は、アルミニウム芯金にカーボンを導電剤として分散した抵抗105Ω、肉厚1.0mmのEPDMゴムを被覆した外径18mmのものを用いた。
中間転写ベルト13は、厚さ73μm、体積抵抗率1010Ω・cmのポリイミドを基材として構成されたものを用いた。本実施例における中間転写ベルト13の体積抵抗率は、Hiresta・UP MCP−HT450(三菱化学社製)を用いて、室温25℃、湿度50%の環境下において、印加電圧50Vで測定した場合に、1010Ω・cmであった。なお、本実施例の画像形成装置100の構成において良好な画像形成を行うためには、中間転写ベルト13の体積抵抗率は、109〜1012Ω・cmの範囲に設定されていることが好ましい。
[画像形成動作]
図1に示される制御基板101は、画像形成装置100の制御を行うための電気回路が搭載された制御基板であり、制御手段としてのCPU102が搭載されている。制御基板101は、ホスト機器(不図示)などから送信された信号を受信することで、予めプログラムされた動作を行うことが可能であり、CPU102が各種手段を制御することで画像形成動作が実行される。本実施例におけるCPU102は、転写材Pの搬送に関する駆動源や中間転写ベルト13、及びカートリッジ9a〜9dの駆動源等の制御、画像形成に関する制御、更には故障検知に関する制御など、画像形成装置の動作を一括して制御している。
画像形成動作が開始されると、各感光ドラム1、中間転写ベルト13は、所定のプロセススピードで、それぞれ図中矢印R1、R2方向に回転を始める。回転する感光ドラム1の表面は、帯電ローラ2により所定の極性(本実施例では負極性)に略一様に帯電させられる。このとき帯電ローラ2には、不図示の帯電電源から所定の帯電電圧が印加される。その後、感光ドラム1は、各画像形成部に対応した画像情報に応じて露光手段12によって露光されることにより、感光ドラム1の表面に、画像情報に従った静電潜像が形成される。
現像ローラ41は、供給ローラ43によって供給されたトナーであって現像剤塗布ブレード42によってトナーの正規の帯電極性(本実施例においては負極性)に帯電されたトナーを担持し、不図示の現像電源から所定の現像電圧を印加される。これにより、感光ドラム1に形成された潜像が、感光ドラム1と現像ローラ41との対向部(現像部)において負極性のトナーによって可視化され、感光ドラム1にトナー像が形成される。
次に、感光ドラム1に形成されたトナー像は、一次転写部N1において、一次転写ローラ10の作用により、回転駆動されている中間転写ベルト13に転写(一次転写)される。このとき、一次転写ローラ10には、一次転写電源22から、トナーの正規の帯電極性とは逆極性(本実施例では正極性)の一次転写電圧が印加される。例えば、フルカラー画像の形成時には、各画像形成部Sにおいて各感光ドラム1に静電潜像が形成され、これが現像されて各色のトナー像となる。そして、各画像形成部Sの各感光ドラム1に形成された各色のトナー像が、各一次転写部N1a、N1b、N1c、N1dにおいて中間転写ベルト13に順次に重ね合わせるように転写され、中間転写ベルト13に4色のトナー像が形成される。
また、収容部としての給紙カセット50に積載されている記録用紙などの転写材Pは、不図示の供給ローラ、及び、不図示の搬送ローラによりレジストローラ51まで搬送される。転写材Pは、レジストローラ51によって、中間転写ベルト13上のトナー像に同期し、中間転写ベルト13と二次転写ローラ25とで形成される二次転写部N2へ搬送される。そして、中間転写ベルト13上に担持された4色の多重トナー像が、二次転写部N2において、二次転写ローラ25の作用により、転写材Pに一括して転写される。このとき、二次転写ローラ25には、二次転写電源26からトナーの正規の帯電極性とは逆極性(本実施例では正極性)の二次転写電圧が印加される。
その後、トナー像が転写された転写材Pは、定着手段19に搬送される。転写材Pに二次転写されたトナー像は、定着手段19の定着ローラと加圧ローラとで挟持されて搬送される過程で加圧及び加熱されることで転写材Pに定着され、その後、排紙ローラ対52によって画像形成装置100の装置本体の外部に排出される。
なお、一次転写後に感光ドラム1に残留したトナーは、ドラムクリーニング手段3に設けられ、感光ドラム1に当接するクリーニングブレード31によって感光ドラム1の表面から除去される。また、二次転写部N2を通過した後に中間転写ベルト13に残った転写残トナーは、中間転写ベルト13を介して張架ローラ15に対向して設けられたベルトクリーニング手段20によって、中間転写ベルト13の表面から除去される。後に詳細に説明するが、中間転写ベルト13の移動方向に関して二次転写部N2よりも下流側に配置されるベルトクリーニング手段20は、張架ローラ15に対向する位置で中間転写ベルト13の外周面に当接するクリーニングブレード29(当接部材)を有する。
[ベルトクリーニング手段20]
図2(a)は、後述するクリーニングブレード29が弾性変形していない場合のクリーニングブレード29の取り付け位置を説明した仮想断面図であり、図2(b)は、ベルトクリーニング手段20の構成を説明する概略断面図である。
ベルトクリーニング手段20は、クリーニング容器27と、クリーニング容器27内に設けられたクリーニング作用部28と、を有する。クリーニング容器27は、中間転写ベルト13等を有する中間転写ユニット(不図示)の枠体の一部として構成されている。クリーニング作用部28は、クリーニング部材(当接部材)としてのクリーニングブレード29と、クリーニングブレード29を支持する支持部材30と、を有する。クリーニングブレード29は、弾性材料であるウレタンゴム(ポリウレタン)から構成される弾性ブレードであり、亜鉛メッキ鋼板を材料とする板金で形成された支持部材30に接着された状態で支持されている。
クリーニングブレード29は、中間転写ベルト13の移動方向(以下、ベルト搬送方向と称する)と交差する中間転写ベルト13の幅方向(クリーニングブレード29の長手方向)に関して長い板状部材である。また、クリーニングブレード29は、短手方向に関して、自由端側の端部29aを中間転写ベルト13に対して当接されており、固定端側の端部29bを支持部材30に対して接着された状態で固定されている。このクリーニングブレード29の長手方向の長さは240mmであり、厚さは2.0mmであり、クリーニングブレード29の硬度はJIS K 6253規格で77°である。
クリーニング作用部28は、中間転写ベルト13の表面に対して揺動可能に構成されている。すなわち、支持部材30は、クリーニング容器27に固定された揺動軸32を介して、中間転写ベルト13の表面に対して揺動可能に支持されている。クリーニング容器27内に設けられた付勢手段として加圧バネ34によって支持部材30が加圧されることで、揺動軸32を中心としてクリーニング作用部28が可動し、クリーニングブレード29が中間転写ベルト13に付勢(押圧)される。
クリーニングブレード29に対向して、中間転写ベルト13の内周側には、張架ローラ15が配置されている。クリーニングブレード29は、張架ローラ15に対向する位置で、ベルト搬送方向に対してカウンター方向で中間転写ベルト13の表面に当接されている。すなわち、クリーニングブレード29は、その短手方向における自由端側の端部29aがベルト搬送方向に関する上流側を向くようにして、中間転写ベルト13の表面に当接されている。これにより、図2(b)に示すように、クリーニングブレード29と中間転写ベルト13との間にブレードニップ部33(当接部)が形成されている。クリーニングブレード29は、ブレードニップ部33において、移動する中間転写ベルト13の表面から転写残トナーを掻き取り、クリーニング容器27に回収する。
本実施例では、クリーニングブレード29の取り付け位置は、次のように設定されている。図2(a)に示すように、設定角θが22°、侵入量δが1.45mm、当接圧が5.5N/mmである。ここで、設定角θは、中間転写ベルト13とクリーニングブレード29(より詳細にはその自由端側の端面)との交点における張架ローラ15の接線と、クリーニングブレード29(より詳細にはその厚さ方向に略直交する一方の表面)とがなす角度である。また、侵入量δは、クリーニングブレード29が張架ローラ15に対して重なる厚さ方向の長さである。また、当接圧は、ブレードニップ部33におけるクリーニングブレード29からの押圧力(長手方向における線圧)で定義され、フィルム式加圧力測定システム(商品名:PINCH,ニッタ社製)を用いて測定される。このように設定することで、高温高湿環境(室温30℃、湿度80%)でのクリーニングブレード29の捲れやスリップ音を抑制でき、良好なクリーニング性能を得ることができる。また、このように設定することで、低温低湿環境(室温15℃、湿度10%)でのクリーニング不良を抑制して、良好なクリーニング性能を得ることができる。
また、中間転写ベルト13及びクリーニングブレード29が新品時の場合、ブレードニップ部33にはトナーが存在しておらず摩擦抵抗が大きくなる傾向にある。この摩擦抵抗が大きくなると、カウンター方向で中間転写ベルト13に対して当接しているクリーニングブレード29が、ベルト搬送方向に沿って当接した状態になってしまう現象(捲れ)や、スリップ音などの異音が発生するおそれがある。捲れが発生した場合、クリーニングブレード29によって中間転写ベルト13に残留したトナーをせき止めることが困難になることで、クリーニング不良が発生してしまうおそれがある。
そこで、本実施例の画像形成装置100は、画像形成を行う前の新品のクリーニングブレード29の端部29aに初期潤滑剤としてフッ化黒鉛(セフボンCMA:セントラル硝子社製)を塗布する構成としている。即ち、中間転写ベルト13及びクリーニングブレード29が新品の時は、フッ化黒鉛が潤滑剤としての機能を果たし、画像形成が開始された後においては、各現像手段4から供給されたトナーが潤滑剤としての機能を果たす。これにより、ブレードニップ部33において摩擦抵抗が大きくなることを抑制し、クリーニングブレード29の捲れや異音の発生を抑制できる。
なお、中間転写ベルト13の材料などに応じて適宜選定されるものであるが、クリーニングブレード29のゴム硬度は、JIS K 6253規格で70°以上、且つ80°以下の範囲が好ましい。ゴム硬度が上記範囲よりも低いと、使用によるクリーニングブレード29の端部29aの摩耗量が増加して、耐久性が低下することがあり、上記範囲よりも高いと弾性力が減少して、中間転写ベルト13との摩擦により欠けなどが発生することがある。
また、中間転写ベルト13の材料などに応じて適宜選定されるものであるが、クリーニングブレード29の当接圧は、4.0N/mm以上、7.0N/mm以下の範囲が好ましい。当接圧が上記範囲よりも小さいと、良好なクリーニング性能が得られないことがあり、上記範囲よりも大きいと中間転写ベルト13を回転駆動するための負荷が大きくなりすぎることがある。
[画像形成装置の駆動構成]
図3は、本実施例における、各感光ドラム1及び中間転写ベルト13の駆動構成を説明する模式図である。図3に示すように、本実施例においては、第1駆動源としてのモータM1によって、カートリッジ9dに駆動力を伝達して感光ドラム1dを回転駆動させ、且つ、中間転写ベルト13を回転駆動させている。また、第2駆動源としてのモータM2によって、各カートリッジ9a〜9cに駆動力を伝達して感光ドラム1a〜1cを回転駆動させている。この構成により、感光ドラム1a〜1dと中間転写ベルト13とをそれぞれ別々のモータで駆動する構成に比べて、モータの個数を5個から2個に削減することが可能となる。
また、本実施例においては、感光ドラム1dの回転軸に固定された不図示のギアと、現像ローラ41dの回転軸に固定された不図示のギアと、を連結することにより、モータM1からの駆動力を現像手段4dに伝達する構成としている。即ち、感光ドラム1dが回転駆動されることで、現像手段4dにおいて、現像ローラ41d、供給ローラ43d、そして後に説明する撹拌部材11dがそれぞれ回転する。
[カートリッジ9]
次に、本実施例におけるカートリッジ9a〜9dの構成について、カートリッジ9aを用いて説明する。図4(a)は、カートリッジ9dを長手方向(回転軸線方向)から見た概略断面図である。図4(b)は、カートリッジ9aの新品時における、長手方向(回転軸線方向)から見た概略断面図である。
図4(a)に示すように、現像手段4aは、現像ローラ41a、供給ローラ43a、現像ブレード44a、開口45a、トナーを収容する収容室46a、トナー収容室の上部に設けられ、現像ローラ41aと供給ローラ43aを格納する現像室47a、を有する。本実施例においては、トナーは、正規の極性として負極性に帯電し、粒径が7μmである非磁性球形トナーを用いた。またトナーの表面には、トナー外添剤として粒径20nmのシリカ粒子(外添粒子)が添加されている。
現像ブレード44aは現像ローラ41aの回転方向(図示矢印R4方向)に対してカウンター方向に当接しており、供給ローラ43aによって供給されたトナーのコート量規制及び電荷付与を行っている。現像ブレード44aは薄い板状部材からなり、薄板のバネ弾性を利用して当接圧力を形成し、その表面がトナー及び現像ローラ41aに接触当接される。本実施例では、現像ブレード44aとして、厚さ0.1mmの板バネ状のSUS製の薄板に半導電性樹脂をコーティングしたものを用いた。また、現像ブレード44aは、薄板のバネ弾性を利用して当接圧力を形成することで、現像ブレード44aの表面を現像ローラ41aに担持されたトナーに接触させる構成とした。
現像ブレード44aには、現像ブレード電源81から所定の電圧が印加される。これにより、トナーは現像ブレード44aと現像ローラ41a間の放電、及び現像ブレード44aと現像ローラ41aとの摺擦による摩擦帯電によって、マイナス電荷を付与されると同時に層厚を規制される。なお、本実施例においては、画像形成中では現像ローラ41aの電位に対する現像ブレード44aの電位差がΔV=−100Vとなるように、現像ブレード電源81から出力する電圧を制御している。
なお、現像ローラ41aは新品時に初期潤滑剤として、粒径が2μmのシリコーン粒子(トスパール120:モメンティブ・パフォーマンス・マテリアル社製)が塗布されている。これにより、新品時に現像ローラ41aと現像ブレード44aとの間に発生する摩擦力を低減させて、現像ブレード44aの変形(捲れ)の発生を抑制することができる。画像形成が実行された以降においては、現像ローラ41aと現像ブレード44aとの間にトナーが介在することで摩擦力を一定以下に保つことができる。したがって、新品時に現像ローラ41aに塗布されたシリコーン粒子は、新品のカートリッジ9aが画像形成装置100の装置本体に装着されたあとに実行される、画像形成の準備動作時に現像ローラ41aから除去される。なお、本実施例においては、初期塗布剤としてシリコーン粒子を用いたが、これに限らず、潤滑性、耐環境性を有するものであれば、新品時に現像ローラ41aにトナーを塗布する構成としてもよい。
供給ローラ43aは、現像ローラ41aの周面上に所定のニップ部を形成して配設されており、図示矢印R5方向に回転する。供給ローラ43aは導電性芯金の外周に発泡体を形成した弾性スポンジローラである。供給ローラ43aと現像ローラ41aは所定の侵入量を持って接触し、接触部Ndを形成している。本実施例においては、現像ローラ41a、供給ローラ43aは、共に外径φ20であり、供給ローラ43aの現像ローラ41aへの侵入量を1.5mmに設定した。
また、供給ローラ43aと現像ローラ41aは接触部Ndにおいて互いに逆方向に移動するよう回転している。この動作により、供給ローラ43aによる現像ローラ41aへのトナー供給及び現像残として残った現像ローラ41a上のトナーの剥ぎ取りを行っている。この時、供給ローラ43aに対して現像ローラ41aとの電位差を調整することにより、現像ローラ41aへのトナー供給量を調整することが出来る。本実施例では、供給ローラ43aの電位に対して現像ローラ41aの電位がΔV=+50Vとなるように、供給ローラ電源82から供給ローラ43aに対して印加する電圧(直流電圧)の値を設定している。
収容室46a内には撹拌部材11a(除去部材)が設けられている。撹拌部材11aは、収容室46a内に収納されたトナーを攪拌すると共に、供給ローラ43aの上部に向けて、開口45aから図中矢印G方向にトナーを搬送する。
現像ローラ41aと感光ドラム1aとが当接する位置(以下、現像部Ngと称する)において、現像ローラ41aと感光ドラム1aは、互いの表面が同一方向に移動するように、それぞれ回転駆動される。画像形成時においては、現像ローラ電源80から現像ローラ41aに感光ドラム1aの帯電極性(本実施例では負極性)と同極性の直流電圧が印加される。これにより、現像部Ngにおいて、現像ローラ41aに担持された負極性に帯電したトナーが感光ドラム1aの静電潜像部に移動し、静電潜像を現像してトナー像を形成する。
<封止部材の開封動作>
図4(b)に示すように、カートリッジ9aが新品の時においては、現像ローラ41aと供給ローラ43aが設けられた現像室47aと、トナーを収容する収容室46aと、が封止部材48aにより区分されている。これは、ユーザーがカートリッジの使用を開始するまでの間に、収容室46aからトナーが漏れることを抑制するためである。
図4(b)に示すように、封止部材48aの一端部は開口45aを封止するように、開口45aの周縁部に剥離可能に固定される。他端部は、撹拌部材11aの一端に固定される。ユーザーが新品のカートリッジ9aの使用を開始すると、モータM2からの駆動力を受けることで、収容室46aに設けられる撹拌部材11aが図4中における時計方向に回転する。この撹拌部材11aの回転により、封止部材48aは開口45aの周縁部から剥離され、開口45aが開封される。そして、時計方向に回転する撹拌部材11aにより収容室46aから現像室47aへトナーを搬送することが可能となる。なお、封止部材48aの固定方法は、本実施例ではヒートシール方式を用いたが、これに限らず、他に、超音波溶着や両面テープ等の固定方法を用いても良い。
[カートリッジの準備動作]
本実施例では、画像形成装置100の装置本体に装着されたカートリッジが新品か否かを、各カートリッジ9に具備された不揮発性の記憶手段(以下、メモリと称す)の検知結果から判断する。図1に示すように、各カートリッジ9には、メモリと、メモリへの情報の読み書きを制御するための伝達部とが一体化された基板91が設けられている。また、画像形成装置100の本体には、各カートリッジ9の伝達部からの情報をCPU102に設けられる記憶部に伝達する伝達部(不図示)が設けられている。
本実施例においては、カートリッジが画像形成装置100に装着されると、各カートリッジ9側の基板91と画像形成装置100側の伝達部とが対面して接触した状態になる。これにより、制御基板101に設けられるCPU102と、各カートリッジ9のメモリが電気的に接続された状態となり、CPU102によって、メモリに記録された情報の読み込みやメモリに対する情報の書込みを実行することが可能となる。
なお、メモリとしては、通常の半導体による電子的なメモリが特に制限なく使用することができる。また、本実施例においては、カートリッジが画像形成装置100に装着された場合に、各カートリッジ9側の基板91と画像形成装置100側の伝達部とが対面して接触した状態になる構成について説明した。しかし、これに限らず、カートリッジが画像形成装置100に装着された場合に、各カートリッジ9側の基板91と画像形成装置100側の伝達部とを接触させず、近距離通信などを用いてCPU102によるメモリへの情報の読み書きを実行してもよい。
本実施例の画像形成装置100においては、装置本体に新品のカートリッジが装着された場合に、新品のカートリッジの現像手段4における封止部材48の除去動作を含む画像形成動作を行うための準備動作が実行される。図5は、画像形成装置100の装置本体に新品のカートリッジが装着された場合に実行される制御を説明するフローチャートである。
図5に示すように、まず、制御手段としてのCPU102は、各カートリッジ9のメモリの情報を読み込み、中間転写ベルト13と共通の駆動源であるモータM1によって駆動されるカートリッジ9dが新品か否かを検知する(ステップS1)。カートリッジ9dが新品であると検知された場合は、次にモータM2によって駆動されるカートリッジ9a〜9cのうちいずれかのカートリッジが新品か否かを検知する(ステップS2)。なお、ステップS1でカートリッジ9dが新品でないと検知された場合であっても、ステップS2と同様の検知をステップS3で行う。
ステップS2でカートリッジ9a〜9cのうちいずれかのカートリッジが新品であると検知された場合は、第1の準備動作を実行する(ステップS4)。一方、ステップS2でカートリッジ9a〜9cのいずれのカートリッジも新品ではないと検知された場合は、第2の準備動作を実行する(ステップS5)。また、ステップS3でカートリッジ9a〜9cのうちいずれかのカートリッジが新品であると検知された場合は、第3の準備動作を実行する(ステップS6)。そして、各ステップS4〜S6における準備動作が実行された後に、CPU102は、画像形成装置100が画像形成可能な状態であると判断する(ステップS8)。
なお、ステップS3でカートリッジ9a〜9cのいずれのカートリッジも新品ではないと検知された場合は、CPU102は、全てのカートリッジ9a〜9dが新品でないと判断する。そして、画像形成を行うための前述の第1〜第3のいずれの準備動作も実行せず、ステップ8へと進む。図5に示すように、本実施例においては、いずれのカートリッジ9が装着されたかで、CPU102によって実行される準備動作が異なる。以下、図6(a)〜(c)を用いて、第1〜第3の準備動作について詳細に述べる。
<第1の準備動作>
図6(a)は、第1の準備動作のフローを説明するフローチャートである。第1の準備動作は、カートリッジ9dが新品で、かつ、カートリッジ9a〜9cのうち少なくとも1つ以上のカートリッジが新品であることをCPU102が検知した場合に実行される準備動作である。
図6(a)に示すように、まず、CPU102は、ステップS101において、カートリッジ9a〜9cの各種部材に駆動を伝達するモータM2の駆動を開始する。この時、各感光ドラム1a〜1dは中間転写ベルト13に対して離間させている。そして、ステップS102において、カートリッジ9a〜9cの各種部材(帯電ローラ2a〜2c、現像ローラ41a〜41c、供給ローラ43a〜43c、現像ブレード44a〜44c)への電圧印加を開始する。本実施例では、帯電ローラ2a〜2cに−1000V、現像ローラ41a〜41cに−300V、供給ローラ43a〜43cに−350V、現像ブレード44a〜44cに−450Vの所定の電圧をそれぞれ印加した。
その後、ステップS103において、新品のカートリッジにおける画像形成を行う準備動作が完了するまでの間、前述の所定の電圧を印加した状態で、カートリッジ9a〜9cの各種部材を回転駆動させる。ここで、新品のカートリッジにおける画像形成を行う準備動作とは、封止部材48の剥離と、現像室47へのトナーの供給と、供給ローラ43から現像ローラ41へのトナーの供給の動作を指す。
ステップ104においては、現像ローラ41a〜41cから感光ドラム1a〜1cに設けられたクリーニングブレード31a〜31cに対して、潤滑剤としてのトナーを供給する。トナーの供給を行う場合、CPU102は、まず、露光手段12a〜12bからの走査ビームにより、帯電ローラ2a〜2cによって帯電された感光ドラム1a〜1cの表面に静電潜像を形成する。この時、感光ドラム1の回転方向(図1における矢印R1方向)に関して現像ローラ41の1周分の長さであって、感光ドラム1の長手方向に関して画像を形成可能な最大幅の静電潜像を形成する。その後、この静電潜像を現像ローラ41a〜41cに担持されたトナーによって現像し、感光ドラム1a〜1cにドラム供給用トナー像を形成する。なお、本実施例におけるクリーニングブレード31a〜31cへのトナーの供給動作では、前述のドラム供給用トナー像を一定間隔ごとに計40回形成する。これらのドラム供給用トナー像は、感光ドラム1の回転に伴ってクリーニングブレード31に到達し、クリーニングブレード31と感光ドラム1とが当接する位置において潤滑剤として機能する。
続いて、ステップS105において、感光ドラム1a〜1dと中間転写ベルト13とを当接させ、ステップS106において、カートリッジ9dの各種部材及び中間転写ベルト13に駆動を伝達するモータM1の駆動を開始する。
そして、ステップS107において、カートリッジ9dの各種部材(帯電ローラ2d、現像ローラ41d、供給ローラ43d、現像ブレード44d)への電圧印加を開始する。本実施例では、帯電ローラ2dに−1000V、現像ローラ41dに−300V、供給ローラ43dに−350V、現像ブレード44dに−450Vの所定の電圧をそれぞれ印加した。
その後、ステップS108において、新品のカートリッジ9dにおける画像形成を行う準備動作が完了するまでの間、前述の所定の電圧を印加した状態で、カートリッジ9dの各種部材を回転駆動させる。ここで、新品のカートリッジ9dにおける画像形成を行う準備動作とは、封止部材48dの剥離と、現像室47dへのトナーの供給と、供給ローラ43dから現像ローラ41dへのトナーの供給の動作を指す。なお、ステップS108においては、カートリッジ9dにおける前述の準備動作の実行とともに、カートリッジ9a〜9cから中間転写ベルト13にトナーを供給する。
カートリッジ9a〜9cから中間転写ベルト13にトナーを供給する動作は、以下のようにして行われる。まず、各感光ドラム1a〜1cに、感光ドラム1の回転方向(図1における矢印R1方向)に関して現像ローラ41の2周分の長さであって、感光ドラム1の長手方向に関して画像を形成可能な最大幅のハーフトーン画像の静電潜像を形成する。その後、この静電潜像を、現像手段4a〜4cの現像ローラ41a〜41cに担持されたトナーによって現像し、感光ドラム1a〜1cにベルト供給用トナー像を形成する。そして、各感光ドラム1a〜1cに形成されたベルト供給用トナー像を各一次転写部N1a〜N1cにおいて中間転写ベルト13に転写する。これらのベルト供給用トナー像は、中間転写ベルト13の移動に伴ってベルトクリーニング手段20に到達し、中間転写ベルト13とクリーニングブレード29とが当接するブレードニップ部33に供給され、潤滑剤として機能する。
その後、ステップS109において、感光ドラム1a〜1dと中間転写ベルト13とを離間させた後に、ステップS110において、感光ドラム1dのクリーニングブレード31dにトナーを供給する。クリーニングブレード31dへのトナーの供給動作は、ステップS104でカートリッジ9a〜9cにおいて実施したのと同様に、感光ドラム1dにドラム供給用トナー像を形成することによって実行される。これらのドラム供給用トナー像は、感光ドラム1dの回転に伴ってクリーニングブレード31dに到達し、クリーニングブレード31dと感光ドラム1dとが当接する位置において潤滑剤として機能する。
そして、ステップS110において、カートリッジ9a〜9dの各種部材(帯電ローラ2a〜2d、現像ローラ41a〜41d、供給ローラ43a〜43d、現像ブレード44a〜44d)への電圧印加を停止する。その後、ステップS112において、モータM1とモータM2の駆動を停止し、第1の準備動作が完了する。
なお、本実施例においては、ステップS103とステップS104でカートリッジ9a〜9cすべてに関して各種動作を実行する構成について説明したが、これらの動作は、新品のカートリッジのみで実行されても良い。例えば、CPU102によって、カートリッジ9aのみが新品であると判断された場合、ステップS103及びステップS104の動作をカートリッジ9aのみにおいて実行する構成としても良く、カートリッジ9a〜9cを連動させて実行する構成としても良い。
また、本実施例においては、ステップS108において、カートリッジ9a〜9cすべてに関してベルト供給用トナー像を形成する構成について説明したが、これに限らない。ブレードニップ部33に所定のトナーを供給することが可能であれば、カートリッジ9a〜9cのいずれか1つ若しくは2つにおいて、ベルト供給用トナー像を形成する構成としても良い。
<第2の準備動作>
図6(b)は、第2の準備動作のフローを説明するフローチャートである。第2の準備動作は、カートリッジ9dは新品だが、カートリッジ9a〜9cは新品ではないことをCPU102が検知した場合に実行される準備動作である。
図6(b)に示すように、まず、CPU102は、ステップS201において感光ドラム1a〜1dと中間転写ベルト13とを当接させる。そして、ステップS202において、カートリッジ9dの各種部材及び中間転写ベルト13に駆動を伝達するモータM1と、カートリッジ9a〜9cの各種部材に駆動を伝達するモータM2の駆動を開始する。
続いて、ステップS203において、カートリッジ9a〜9dの各種部材(帯電ローラ2a〜2d、現像ローラ41a〜41d、供給ローラ43a〜43d、現像ブレード44a〜44d)への電圧印加を開始する。本実施例では、帯電ローラ2a〜2dに−1000V、現像ローラ41a〜41dに−300V、供給ローラ43a〜43dに−350V、現像ブレード44a〜44dに−450Vの所定の電圧をそれぞれ印加した。
その後、ステップS204において、新品のカートリッジ9dにおける画像形成を行う準備動作が完了するまでの間、前述の所定の電圧を印加した状態で、カートリッジ9dの各種部材を回転駆動させる。ここで、新品のカートリッジ9dにおける画像形成を行う準備動作とは、封止部材48dの剥離と、現像室47dへのトナーの供給と、供給ローラ43dから現像ローラ41dへのトナーの供給の動作を指す。なお、ステップS204においては、カートリッジ9dにおける前述の準備動作の実行とともに、カートリッジ9a〜9cから中間転写ベルト13にトナーを供給する。
カートリッジ9a〜9cから中間転写ベルト13にトナーを供給する動作は、以下のようにして行われる。まず、各感光ドラム1a〜1cに、感光ドラム1の回転方向(図1における矢印R1方向)に関して現像ローラ41の2周分の長さであって、感光ドラム1の長手方向に関して画像を形成可能な最大幅のハーフトーン画像の静電潜像を形成する。その後、この静電潜像を、現像手段4a〜4cの現像ローラ41a〜41cに担持されたトナーによって現像し、感光ドラム1a〜1cにベルト供給用トナー像を形成する。そして、各感光ドラム1a〜1cに形成されたベルト供給用トナー像を各一次転写部N1a〜N1cにおいて中間転写ベルト13に転写する。これらのベルト供給用トナー像は、中間転写ベルト13の移動に伴ってベルトクリーニング手段20に到達し、中間転写ベルト13とクリーニングブレード29とが当接するブレードニップ部33に供給され、潤滑剤として機能する。
その後、ステップS205において、感光ドラム1a〜1dと中間転写ベルト13とを離間させた後に、ステップS206において、感光ドラム1dのクリーニングブレード31dにトナーを供給する。クリーニングブレード31dへのトナーの供給動作を実行する場合、CPU102は、まず、露光手段12dからの走査ビームにより、帯電ローラ2dによって帯電された感光ドラム1dの表面に静電潜像を形成する。この時、感光ドラム1dの回転方向(図1における矢印R1方向)に関して現像ローラ41dの1周分の長さであって、感光ドラム1dの長手方向に関して画像を形成可能な最大幅の静電潜像を形成する。その後、この静電潜像を現像ローラ41dに担持されたトナーによって現像し、感光ドラム1dにドラム供給用トナー像を形成する。なお、本実施例におけるクリーニングブレード31dへのトナーの供給動作では、前述のドラム供給用トナー像を一定間隔ごとに計40回形成する。これらのドラム供給用トナー像は、感光ドラム1の回転に伴ってクリーニングブレード31dに到達し、クリーニングブレード31dと感光ドラム1とが当接する位置において潤滑剤として機能する。
そして、ステップS207において、カートリッジ9a〜9dの各種部材(帯電ローラ2a〜2d、現像ローラ41a〜41d、供給ローラ43a〜43d、現像ブレード44a〜44d)への電圧印加を停止する。その後、ステップS208において、モータM1とモータM2の駆動を停止し、第2の準備動作を終了する。
なお、本実施例においては、ステップS204において、カートリッジ9a〜9cすべてに関してベルト供給用トナー像を形成する構成について説明したが、これに限らない。ブレードニップ部33に所定のトナーを供給することが可能であれば、カートリッジ9a〜9cのいずれか1つ若しくは2つにおいて、ベルト供給用トナー像を形成する構成としても良い。
<第3の準備動作>
図6(c)は、第3の準備動作のフローを説明するフローチャートである。第3の準備動作は、カートリッジ9dは新品ではないが、カートリッジ9a〜9cのうち少なくとも1つ以上のカートリッジが新品であることをCPU102が検知した場合に実行される準備動作である。
図6(c)に示すように、まず、CPU102は、ステップS301において、カートリッジ9a〜9cの各種部材に駆動を伝達するモータM2の駆動を開始する。この時、各感光ドラム1a〜1dは中間転写ベルト13に対して離間させている。そして、ステップS302において、カートリッジ9a〜9cの各種部材(帯電ローラ2a〜2c、現像ローラ41a〜41c、供給ローラ43a〜43c、現像ブレード44a〜44c)への電圧印加を開始する。本実施例では、帯電ローラ2a〜2cに−1000V、現像ローラ41a〜41cに−300V、供給ローラ43a〜43cに−350V、現像ブレード44a〜44cに−450Vの所定の電圧をそれぞれ印加した。
その後、ステップS303において、新品のカートリッジにおける画像形成を行う準備動作が完了するまでの間、前述の所定の電圧を印加した状態で、カートリッジ9a〜9cの各種部材を回転駆動させる。ここで、新品のカートリッジにおける画像形成を行う準備動作とは、封止部材48の剥離と、現像室47へのトナーの供給と、供給ローラ43から現像ローラ41へのトナーの供給の動作を指す。
ステップ304においては、現像ローラ41a〜41cから感光ドラム1a〜1cに設けられたクリーニングブレード31a〜31cに対して、潤滑剤としてのトナーを供給する。トナーの供給を行う場合、CPU102は、まず、露光手段12a〜12bからの走査ビームにより、帯電ローラ2a〜2cによって帯電された感光ドラム1a〜1cの表面に静電潜像を形成する。この時、感光ドラム1の回転方向(図1における矢印R1方向)に関して現像ローラ41の1周分の長さであって、感光ドラム1の長手方向に関して画像を形成可能な最大幅の静電潜像を形成する。その後、この静電潜像を現像ローラ41a〜41cに担持されたトナーによって現像し、感光ドラム1a〜1cにドラム供給用トナー像を形成する。なお、本実施例におけるクリーニングブレード31a〜31cへのトナーの供給動作では、前述のドラム供給用トナー像を一定間隔ごとに計40回形成する。これらのドラム供給用トナー像は、感光ドラム1の回転に伴ってクリーニングブレード31に到達し、クリーニングブレード31と感光ドラム1とが当接する位置において潤滑剤として機能する。
そして、ステップS305において、カートリッジ9a〜9cの各種部材(帯電ローラ2a〜2c、現像ローラ41a〜41c、供給ローラ43a〜43c、現像ブレード44a〜44c)への電圧印加を停止する。その後、ステップS306において、モータM2の駆動を停止し、第3の準備動作を終了する。
なお、本実施例においては、ステップS303とステップS304でカートリッジ9a〜9cすべてに関して各種動作を実行する構成について説明したが、これらの動作は、新品のカートリッジのみで実行されても良い。例えば、CPU102によって、カートリッジ9aのみが新品であると判断された場合、ステップS303及びステップS304の動作をカートリッジ9aのみにおいて実行する構成としても良く、カートリッジ9a〜9cを連動させて実行する構成としても良い。
[クリーニングブレード29の変形の抑制]
図7は、本実施例の第1の準備動作における、各ステップに要する時間を説明するタイミングチャートである。
図7に示すように、最も時間が長いステップはステップS104、およびステップS110の感光ドラム1に当接されたクリーニングブレード31にトナーを供給する動作である。これは、本実施例においては、先に説明したドラム供給用トナー像を一定間隔ごとに計40回形成し、現像手段4からドラムクリーニング手段3にトナーを供給しているためである。以下、ステップS104、およびステップS110において、このような動作を実行する理由について説明する。
本実施例においては、現像ローラ41は新品時に初期潤滑剤として、粒径が2μmのシリコーン粒子(トスパール120:モメンティブ・パフォーマンス・マテリアル社製)が塗布されている。初期塗布剤が現像ローラ41に残存し続けると、現像ローラ41のトナーの保持量や帯電量が不安定になるおそれがある。このため、本実施例においては、感光ドラム1のクリーニングブレード31にトナーを供給する動作を実行する際に、ドラム供給用トナー像の形成とともに現像ローラ41に塗布された初期塗布剤の吐出しを実行している。
また、本実施例の第1の準備動作のステップS104及びステップS110においては、更に、現像ローラ41に担持されるトナーの保持量と帯電量を安定化させるために、一定量のトナー吐出しを行っている。新品のカートリッジ9において、初期に収容室46から現像ローラ41に供給されるトナーは、小粒径で高帯電量の静電的に移動しやすいトナーであることが多い。これらのトナーが現像ローラ41上に存在すると、現像ローラ41に担持されたトナーは、粒径や帯電量のばらつきが大きくなることで一次転写性、二次転写性が不安的になるおそれがある。そのため、本実施例においては、現像ローラ41に供給される初期のトナーを、一定量感光ドラム1へ吐き出す動作を実行している。
ステップS104およびS110に次いで時間が長いステップはステップS103である。これは封止部材48を剥離した後に、トナーを収容室46から現像室47へ所定量搬送する必要があり、撹拌部材11を一定回数以上、回転させる必要があるためである。本実施例では、ステップS104およびステップS110の所要時間は60秒(s)、ステップS103の所要時間は9秒(s)である。
画像形成装置100に新品のカートリッジ9dが装着され、カートリッジ9dにおいて画像形成を行うための準備動作を実行する必要がある場合、中間転写ベルト13にトナーが存在しない状態で中間転写ベルト13を回転駆動させる状態が生じる可能性がある。これは、モータM1によってカートリッジ9dにおいて各種部材を回転駆動させた場合、中間転写ベルト13も回転駆動されるためである。この時、中間転写ベルト13にトナーが存在しない状態で中間転写ベルト13が長時間回転駆動されると、ブレードニップ部33にトナーなどの潤滑剤が供給されない状態で中間転写ベルト13が長時間回転し続けることになる。その結果、ブレードニップ部33において大きな摩擦力が生じ、クリーニングブレード29の先端の変形(捲れ)が発生してしまうおそれがある。
図7に示す時間t1は、本実施例の第1の準備動作時における、中間転写ベルト13にトナーが供給されていない状態で、中間転写ベルト13が回転駆動される時間である。ここで、図7に示すように、時間t1は、ステップS106の所要時間と、ステップS107の所要時間と、ステップS108における感光ドラム1a〜1cから中間転写ベルト13にベルト供給用トナー像が供給されるまでの所要時間と、の和である。本実施例における時間t1は、約4.4秒(s)である。
図8は、本実施例の比較例における、カートリッジ9dが新品で、かつ、カートリッジ9a〜9cのうち少なくとも1つ以上のカートリッジが新品であることをCPU102が検知した場合に実行される準備動作のフローを説明するフローチャートである。本実施例の比較例は、準備動作のフローが異なる点を除いて、画像形成装置の構成などは本実施例と実質同一である。したがって、以下の説明においては、本実施例と共通する部分に関しては同一の符号を付して比較例の説明を行う。
図8に示すように、比較例の構成において、まず、CPU102は、ステップS401でモータM1とモータM2の駆動を開始する。この時、各感光ドラム1a〜1dは中間転写ベルト13に対して離間させている。そして、ステップS202において、カートリッジ9a〜9dの各種部材(帯電ローラ2a〜2d、現像ローラ41a〜41d、供給ローラ43a〜43d、現像ブレード44a〜44d)への電圧印加を開始する。ここで、各種部材に印加する電圧の値は本実施例と同一である。
その後、ステップS403において、新品のカートリッジにおける画像形成を行う準備動作が完了するまでの間、前述の所定の電圧を印加した状態で、カートリッジ9a〜9dの各種部材を回転駆動させる。ステップ404においては、現像ローラ41a〜41dから感光ドラム1a〜1dに設けられたクリーニングブレード31a〜31dに対して、潤滑剤としてのトナーを供給する。新品のカートリッジにおける画像形成を行う準備動作、およびトナーの供給動作に関しては、本実施例と同一であるため説明を省略する。
続いて、ステップS405において、感光ドラム1a〜1dと中間転写ベルト13とを当接させ、ステップS406において、カートリッジ9a〜9dから中間転写ベルト13にトナーを供給する。カートリッジ9a〜9dから中間転写ベルト13にトナーを供給する動作は、実質本実施例と同一であり、まずは、各感光ドラム1a〜1dにおいてベルト供給用トナー像を形成する。そして、これらのベルト供給用トナー像を中間転写ベルト13に転写することで中間転写ベルト13とクリーニングブレード29とが当接するブレードニップ部33にトナーを供給する。中間転写ベルト13にトナーを供給した後に、ステップS407において、感光ドラム1a〜1dと中間転写ベルト13とを離間させる。
そして、ステップS408において、カートリッジ9a〜9dの各種部材(帯電ローラ2a〜2d、現像ローラ41a〜41d、供給ローラ43a〜43d、現像ブレード44a〜44d)への電圧印加を停止する。その後、ステップS112において、モータM1とモータM2の駆動を停止し、比較例における準備動作が完了する。
このように、比較例においては、全てのカートリッジ9a〜9dにおいて、同時に回転駆動を開始して各種準備動作を実行する。したがって、比較例の構成においては、中間転写ベルト13にトナーが存在しない状態で中間転写ベルト13を回転駆動する時間が、本実施例よりも長くなる。図7に対応させると、ステップS106mS107を除くステップS101からステップS108の間(実質、時間t2に対応)、比較例の構成においては、ブレードニップ部33にトナーが供給されない状態で中間転写ベルト13が駆動される。この時間は、約73.4秒となる。
<評価結果>
次に、図6(a)のフローチャートで示した本実施例の第1の準備動作と、図8のフローチャートで示した比較例の準備動作に関して、ブレードニップ部33における、クリーニングブレード29の捲れ、及び異音の発生の有無の評価を行った。この評価は、新品の中間転写ベルト13を用い、中間転写ベルト13にトナーが無い状態で画像形成装置100に新品のカートリッジ9a〜9dを装着し、本実施例及び比較例の準備動作を実行する際の捲れ及び異音の発生を確認することで行った。なお、クリーニングブレード29の先端部に、潤滑剤としてのフッ化黒鉛(セフボンCMA:セントラル硝子社製)があらかじめ塗布された状態で評価を実施した。また、この評価は、室温30℃、湿度80%の高温高湿環境、室温23℃、湿度50%の標準環境、室温15℃湿度10%の低温低湿環境において、それぞれ実施した。表1に評価結果を示した。
表1に示すように、本実施例の構成においては、ブレードニップ部33において、クリーニングブレード29の捲れや、異音は発生しなかった。一方、比較例1においては、標準環境では捲れや異音の発生はなかったが、高温高湿環境下で、準備動作中にクリーニングブレード29の捲れが発生し、低温低湿環境下では異音が発生した。これは、トナーが無い状態での中間転写ベルト13の回転駆動時間が長いことで、ブレードニップ部33における摩擦力が高くなったためである。より詳細には、高温高湿環境下においては、クリーニングブレード29が柔らかくなるため、比較例の構成においてブレードニップ部33における摩擦力が高くなることで、クリーニングブレード29の先端の捲れが発生した。また、低温低湿環境下においては、クリーニングブレード29が固くなるため、比較例の構成においてブレードニップ部33における摩擦力が高くなることで、クリーニングブレード29と中間転写ベルト13との間における振動によって異音が発生した。
次に、中間転写ベルト13にトナーを供給しない状態で中間転写ベルト13を回転駆動(以下、空回転と称する)させたときの、回転時間に対する中間転写ベルト13の駆動トルクを測定した。図9は、画像形成装置100から全てのカートリッジを取り外し、クリーニングブレード29を新品の中間転写ベルト13に当接させた状態で、中間転写ベルト13を回転駆動させた際の、モータM1のトルクの測定結果である。なお、クリーニングブレードには初期潤滑剤としてセフボンを塗布している。図9の測定は、室温30℃、湿度80%の高温高湿環境下で行った。
図9に示すように、中間転写ベルト13を回転駆動させるモータM1は、中間転写ベルト13を回転させる時間が長くなるほど、トルクが上昇する傾向を示した。これは、回転駆動開始直後からクリーニングブレード29に塗布されたセフボンが脱離し、ブレードニップ部33にトナーなどの潤滑剤が存在しなくなることで、ブレードニップ部33において摩擦力が上昇するためである。図9に示す測定結果より、中間転写ベルト13を48秒間回転駆動させると、モータM1の駆動トルクが3.5kgf・cmに達した。そして、本実施例の画像形成装置100の構成においては、この時点で、クリーニングブレード29の捲れが生じた。即ち、図9に示される測定結果から、本実施例の画像形成装置100においてクリーニングブレード29の捲れの発生を防止するためには、モータM1によって中間転写ベルト13を回転駆動させるときの駆動トルクが3.5kgf・cm以下である必要がある。
本実施例において第1の準備動作を実行する場合、中間転写ベルト13にトナーが存在しない状態で中間転写ベルト13を回転駆動する時間t1は4.4秒であった。この時間は、クリーニングブレード29において捲れが発生する時間(48秒)に対して十分小さい。一方、比較例の構成において準備動作を実行する場合、中間転写ベルト13にトナーが存在しない状態で中間転写ベルト13を回転駆動する時間t2は約73.4秒であり、この時間は、クリーニングブレード29において捲れが発生する時間より長い。
以上説明したように、本実施例によれば、中間転写ベルト13と、カートリッジ9の少なくとも1つ以上が同一駆動源である構成において、新品のカートリッジ9を装着した場合に、クリーニングブレード29の先端の変形を抑制することが可能である。より詳細には、新品のカートリッジ9dを装着したときに実行される準備動作において、中間転写ベルト13と共通の駆動源ではないカートリッジ9a〜9cから中間転写ベルト13にトナーを供給しつつ、カートリッジ9dにおいて準備動作を行っている。これにより、ブレードニップ部33にトナーなどの潤滑剤がない状態で中間転写ベルト13を回転駆動させる時間が短くなることで、クリーニングブレード29の先端の変形を抑制することが可能である。
なお、本実施例では、中間転写ベルト13とカートリッジ9d(Bk)とを第1駆動源であるモータM1によって駆動する構成としたが、これに限定されるものではない。中間転写ベルト13と駆動源が共通のカートリッジ9は、カートリッジ9a〜9dの何れでも良く、また、駆動源が共通のカートリッジは1〜3個のいずれでも良い。なお、中間転写ベルト13にトナーが供給されるまでの時間を最短化するには、中間転写ベルト13の移動方向に関して、ベルトクリーニング手段20に最も近い位置に配置されるカートリッジからトナー供給を行うことが好ましい。本実施例では、中間転写ベルト13とは異なる駆動源から駆動され、且つ、ベルトクリーニング手段20に最も近い位置に配置されているのは、カートリッジ9cである。
また、本実施例の第1および第2準備動作は、中間転写ベルト13やベルトクリーニング手段20を有する中間転写ユニットの使用状況に応じて、実行可否を判断してもよい。例えば、中間転写ユニットが新品の時はブレードニップ部33にトナーが存在しない。一方で、中間転写ユニットがある程度使用された以降は、ベルトクリーニング手段20によって二次転写後に中間転写ベルト13に残留したトナーを回収する動作を実行済みであることから、ブレードニップ部33にトナーが存在する可能性がある。したがって、中間転写ユニットが新品の場合であって、新品のカートリッジが画像形成装置本体に挿入された場合に、クリーニングブレード29の捲れの発生を抑制するために、CPU102によって前述の第1および第2の準備動作を実行する構成としても良い。このように、中間転写ユニットが新品時、あるいは新品時から所定期間(所定枚数)使用された場合等、中間転写ユニットの使用状況に応じて、第1および第2準備動作の実行可否を判断してもよい。
図10は本実施例の変形例の画像形成装置の構成を示す概略断面図である。本実施例では、感光ドラム1、帯電ローラ2、ドラムクリーニング手段3、および現像手段4を有する一体型のカートリッジ9に関して説明したが、これに限定されるものではない。例えば、図10に示すように、感光ドラム1、帯電ローラ2、およびドラムクリーニング手段3を有する感光ドラムユニットと、現像ローラ41、トナー、供給ローラ43、現像ブレード44、を有する現像手段4と、が別体の二体型カートリッジであっても良い。図10に示す二体型カートリッジにおいては、感光ドラムユニットと現像手段4は、画像形成装置の装置本体に対してそれぞれ着脱が可能である。
また、本実施例においては、現像方式として1成分接触現像方式を採用しているが、現像方式としては非接触(ジャンピング)現像方式を用いたり、2成分現像方式を用いたりしても、同様の効果を得ることができる。2成分現像方式を用いた構成では、例えばトナー初期化シーケンス時に、前記第1および第2準備動作を行えばよい。
(実施例2)
実施例1においては、第2駆動源としてのモータM2によって、各カートリッジ9a〜9cに駆動力を伝達して感光ドラム1a〜1cを回転駆動させる構成について説明した。これに対し、実施例2においては、図11に示すように、現像手段4a〜4cを、第2駆動源としてのモータM2ではなく、第3駆動源としてのモータM3によって駆動し、カートリッジ9dの現像手段4dは第1駆動源としてのモータM1によって駆動する。なお、実施例2は、現像手段4a〜4cを駆動する駆動源がモータM3であることを除いて、実施例1と実質同一の構成を有する。したがって、以下の説明においては、実施例1と共通する部分に関しては、同一の符号を付して説明を省略する。
図11は、本実施例における、各感光ドラム1及び中間転写ベルト13の駆動構成を説明する模式図である。本実施例の画像形成装置は、カートリッジ9dの各種部材と中間転写ベルト13とを駆動するモータM1(第1駆動源)と、感光ドラム1a〜1cを駆動するモータM2(第2駆動源)と、現像手段4a〜4cを駆動するモータM3(第3駆動源)と、を有する。また、本実施例の画像形成装置は、各現像ローラ41a〜41dを、対応する各感光ドラム1a〜1dに対して当接又は離間させることが可能である。具体的には、CPU102によって画像形成装置に設けられた現像当接離間モータ(不図示)を制御することによって、現像ローラ41を感光ドラム1に対して、当接、又は離間させることが可能である。
本実施例におけるカートリッジ9a〜9cの駆動構成について述べる。供給ローラ43a〜43cの回転軸に固定された不図示のギアと、撹拌部材11a〜11cに固定された不図示のギアと、が連結されている。また、現像ローラ41a〜41cの回転軸に固定された不図示のギアと、供給ローラ43a〜43cの回転軸に固定された不図示のギアと、が連結されている。そして、供給ローラの回転軸にはモータM3からの回転駆動力が伝達される。
本実施例のように、現像手段4a〜4cに駆動を伝達する駆動源を別途設け、且つ、現像ローラ41を感光ドラム1に対して当接又は離間可能な構成とすることにより、実施例1の効果だけでなく、以下のような効果が得られる。即ち、現像手段4a〜4cと、感光ドラム1a〜1cと、を個別に回転駆動させることが可能であるため、各部材の回転駆動の必要可否に応じて個別に駆動の制御を行うことが可能となるので、各部材同士の摺擦などによる耐久劣化を低減することができる。
例えば、図6(a)のフローチャートにおけるステップS103に示されるような封止部材48の除去時には、感光ドラム1a〜1cを回転駆動させる必要がない。より具体的には、現像ローラ41a〜41cを感光ドラム1a〜1cから離間させた状態で、モータM3によって現像手段4a〜4cを駆動することで封止部材48の除去を行うことができる。そして、封止部材48の除去後に、モータM2を駆動開始し、現像ローラ41a〜41cを感光ドラム1a〜1cに当接させて次のステップS104を実行すれば良い。即ち、撹拌部材11a〜11cの除去時に感光ドラム1a〜1cを回転させないことにより、感光ドラム1a〜1cと、クリーニングブレード31a〜31cや帯電ローラ2a〜2cとの間で発生する摩耗や摺擦を抑制することが可能である。この結果、感光ドラム1a〜1cの耐久劣化を低下させることが可能である。
なお、本実施例では、モータM3から供給ローラ43a〜43cに駆動を伝達し、供給ローラ43a〜43cの回転軸に固定されたギアなどを介して現像手段4a〜4cにおけるその他の部材に駆動を伝達する構成としたが、これに限らない。例えば、モータM3から現像ローラ41a〜41cに駆動を伝達した後に、ギアなどを介して現像手段4a〜4cにおけるその他の部材に駆動を伝達する構成としても良い。