JP2020007133A - 乗客コンベア及び乗客コンベアの制御方法 - Google Patents

乗客コンベア及び乗客コンベアの制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】危険な状況に対する注意喚起によって事故の発生を防止する。【解決手段】乗客コンベア100は、乗客コンベア100に乗り込んだ対象を検知するセンサ部(監視カメラ14)による検知データから乗客及び付帯物を識別し、識別した乗客と付帯物の位置及び接触の有無を検出する解析部(画像解析装置15)と、解析部によって検出された乗客に対する付帯物の位置関係に基づいて、付帯物が危険な状況であるか否かを判定する判定部(付帯物位置判定部21)と、判定部によって付帯物が危険な状況であると判定された場合に、判定結果に応じた注意喚起を報知する報知部(放送装置17,照明装置18等)と、を備える。【選択図】図2

Description

本発明は、エスカレーターや動く歩道等の乗客コンベア及び乗客コンベアの制御方法に関し、特に、乗客の荷物の置き方を判別して注意喚起を行う制御装置を備えた乗客コンベア及び乗客コンベアの制御方法に適用して好適なものである。
エスカレーターや動く歩道等に代表される乗客コンベアは、乗降口間を移動する無端状に連結されたステップと、ステップの両側に設けられた欄干と、欄干上をステップと同期して移動する移動手すり(ハンドレールとも呼ばれる)とを備えて構成され、乗り口から降り口までの間の移動部で乗客を搬送する。
このような乗客コンベアにおいては、乗客が荷物を持って乗り込んだり、乗客が子供であったりすることがあるため、従来、荷物の落下や子供の転倒・転落等の事故を防止するために注意喚起を行う技術が提案されている。
例えば特許文献1には、乗客コンベアに乗り込もうとする乗客の荷物を監視する自動監視装置を備え、荷物の大きさが上限値を超えている場合に、乗客に注意を促すための音声出力あるいは表示出力を行う乗客コンベアが開示されている。また、特許文献2には、乗客が大人か子供かをカメラの画像データから判別し、判別結果に応じて、大人向けあるいは子供向けのメッセージ等を出力する乗客コンベアが開示されている。
特開2014−080268号公報 特開2008−201509号公報
しかし、上述した特許文献1,2に開示された乗客コンベアでは、特定の状況で乗客コンベアに乗客が乗り込んだ場合に、荷物の落下や子供の転倒・転落等の事故に対して注意喚起等による十分な防止対策をとることが難しいと想定される。
具体的には例えば、特許文献1に開示された乗客コンベアによれば、乗客が持ち込もうとする荷物の大きさに応じて乗客に注意喚起を行うことは可能であるが、荷物の大きさが正常範囲内であれば、乗客の荷物の持ち方に異常があって荷物がステップから落下するおそれがあっても乗客に注意喚起を行わない。
また例えば、特許文献2に開示された乗客コンベアによれば、大人向けあるいは子供向けにそれぞれメッセージを発生させることは可能であるが、子供連れで乗り込んだ大人が子供を十分に保持していない場合に、子供に転倒・転落等の危険があっても注意喚起を行わない。
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、危険な状況に対する注意喚起によって事故の発生を防止することが可能な乗客コンベア及び乗客コンベアの制御方法を提案しようとするものである。
かかる課題を解決するため本発明においては、乗客コンベアに乗り込んだ対象を検知するセンサを有する乗客コンベアであって、前記センサによる前記対象の検知データから乗客及び付帯物を識別し、前記乗客に対する前記付帯物の位置関係の検出として、前記乗客と前記付帯物の位置及び接触の有無を検出する解析部と、前記解析部による前記位置関係の検出結果に基づいて、前記付帯物が危険な状況であるか否かを判定する判定部と、前記判定部によって前記付帯物が危険な状況であると判定された場合に、判定結果に応じた注意喚起を報知する報知部と、を備えることを特徴とする乗客コンベアが提供される。
また、かかる課題を解決するため本発明においては、乗客コンベアに乗り込んだ対象を検知するセンサを有する乗客コンベアの制御方法であって、前記センサによる前記対象の検知データから乗客及び付帯物を識別し、前記乗客に対する前記付帯物の位置関係の検出として、前記乗客と前記付帯物の位置及び接触の有無を検出する解析ステップと、前記解析ステップで検出された前記位置関係の検出結果に基づいて、前記付帯物が危険な状況であるか否かを判定する判定ステップと、前記判定ステップで前記付帯物が危険な状況であると判定された場合に、判定結果に応じた注意喚起を報知する報知ステップと、を備えることを特徴とする乗客コンベアの制御方法が提供される。
本発明によれば、危険な状況に対する注意喚起によって事故の発生を防止することができる。
本発明の第1の実施の形態に係る乗客コンベアの概略構成を示す側面図である。 乗客コンベアの事故防止機能に関する機能構成を示すブロック図である。 荷物位置異常監視処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。 荷物持ち方判定について詳しく説明するための図である。 対象乗客位置判定について詳しく説明するための図である。 第2の実施の形態における子供位置異常監視処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。 子供連れ方判定について詳しく説明するための図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態について説明する。なお、以下の説明は本発明の実施の形態を示すものであり、本発明がこれらの実施の形態に限定されるものではなく、本明細書に開示される技術的思想の範囲内において当業者による様々な変更及び修正が可能である。また、実施の形態を説明するための全図において、同一の機能を有するものは、同一の符号を付け、その繰り返しの説明は省略することがある。
(1)第1の実施の形態
(1−1)乗客コンベアの基本構成
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る乗客コンベアの概略構成を示す側面図である。図1には、乗客コンベア100として、乗降口間(上部乗降口と下部乗降口との間)に高度差を有するエスカレーターが示されているが、本発明の乗客コンベアは動く歩道等であってもよい。
まず、図1を参照しながら、本実施の形態に係る乗客コンベア100における、一般的な乗客コンベアと共通する構成について説明する。乗客コンベア100には、乗降口間を移動する、無端状に連結されたステップ1が設けられている。ステップ1の左右両側には、ステップ1と同期して移動する移動手すり2を支持する欄干3が立設される。そして、欄干3の下部には、スカート部13が設けられている。
乗客コンベア100では、駆動装置11から得られる駆動力によってステップ1及びチェーン6が駆動し、ステップ1と移動手すり2とが同期して移動することにより、下降運転時は、上部乗降口床板4から下部乗降口床板5に向けて乗客を搬送する。一方、上昇運転時は、下部乗降口床板5から上部乗降口床板4に向けて乗客を搬送する。
また、ステップ1を無端状に連結するチェーン6は、スプロケット7及びスプロケット8に巻き掛けられている。さらに、上部乗降口床板4の下部には、モータ9及び減速機10を備えた駆動装置11が設けられている。この駆動装置11は、駆動チェーン12を介してスプロケット8を駆動することにより、チェーン6及びステップ1を駆動する。
なお、この他に、図1に示す乗客コンベア100は、上方に、上部乗降口床板4から下部乗降口床板5の間を撮影範囲とする監視カメラ14を備えている。また、上部乗降口床板4の下方には、制御装置16が備えられている。さらに、欄干3あるいはスカート部13に、乗客コンベア100の運転方向に間隔を空けて、複数のスピーカ19(個別にはスピーカ19A〜19D)とランプ20(個別にはランプ20A〜20D)とを備えている。これらの構成については、次章で説明する。
(1−2)事故防止機能に関する構成
本実施の形態に係る乗客コンベア100は、危険な状況にある対象に注意喚起を行う事故防止機能を有している。図2は、乗客コンベアの事故防止機能に関する機能構成を示すブロック図である。
乗客コンベア100は、上記事故防止機能のための構成として、図2に示すように、監視カメラ14、画像解析装置15、制御装置16、放送装置17、照明装置18、複数のスピーカ19(個別にはスピーカ19A〜19D)、及び複数のランプ20(個別にはランプ20A〜20D)を備えている。
監視カメラ14は、上部乗降口床板4から下部乗降口床板5の間を撮影範囲として、連続的に撮影可能なカメラであって、一般的な監視カメラを利用できる。なお、監視カメラ14は、乗客コンベア100の近傍(例えば、乗り口付近)に乗客が近付いたときにのみ撮影を行ってもよい。監視カメラ14は、荷物を持って乗り込んだ乗客の画像データを取得し、取得した画像データを画像解析装置15に送信する。
画像解析装置15は、2次元(あるいは3次元でもよい)の画像データに映った物体を識別する画像解析を実行可能な処理装置である。画像解析装置15は、監視カメラ14から受信した画像データに対して画像解析を行い、その解析結果を示す信号(付帯物関連信号、乗客位置信号)を制御装置16(付帯物位置判定部21,乗客位置判定部22)に送信する。
制御装置16は、所定の判定処理や制御処理を行う処理装置であって、内部の機能構成として、付帯物位置判定部21、乗客位置判定部22、放送制御部23、及び照明制御部24を備える。
付帯物位置判定部21は、乗客の付帯物(第1の実施の形態では乗客の荷物に相当する)の位置について正常/異常を判定し(荷物持ち方判定)、異常と判定した場合には、異常に応じた所定の処理を放送制御部23及び照明制御部24に指示する(異常出力指令)。
乗客位置判定部22は、付帯物位置判定部21による判定で異常と判定された場合に、対象乗客の現在位置のエリアを判別し(対象乗客位置判定)、判別結果のエリアに設けられたスピーカ19及びランプ20(対象乗客の現在位置から最も近いスピーカ19及びランプ20)を出力先に指定する指示を送る(位置指定指令)。
放送制御部23は、放送装置17に対して放送のON/OFFや放送内容を指示する機能を有する。例えば、放送制御部23は、付帯物位置判定部21による判定で異常と判定された場合には、乗客位置判定部22によって指定されたスピーカ19から注意喚起の文章を放送するよう、放送装置17に指示する(放送制御指令)。
照明制御部24は、照明装置18に対して照明のON/OFF(点灯/点滅)等を指示する機能を有する。例えば、照明制御部24は、付帯物位置判定部21による判定で異常と判定された場合には、乗客位置判定部22によって指定されたランプ20を点灯させるよう、照明装置18に指示する(照明制御指令)。
放送装置17は、放送制御部23の指示に応じて、スピーカ19(スピーカ19A〜19D)から所定の音源を出力する(音源出力)。
照明装置18は、照明制御部24の指示に応じて、ランプ20(ランプ20A〜20D)を点灯または消灯する(照明出力)。
第1の実施の形態において、上記構成を備える乗客コンベア100は、以下に説明する荷物位置異常監視処理を行うことによって、乗客が持ち込む荷物が落下する危険に対して注意喚起を行い、事故の発生を防止することができる(事故防止機能)。
(1−3)荷物位置異常監視処理
図3は、荷物位置異常監視処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。図3を参照しながら、図2に示した乗客コンベア100の機能構成によって実行される荷物位置異常監視処理について説明する。
まず、監視カメラ14が、乗客コンベア100に乗り込んだ乗客の画像データを取得し、取得した画像データを画像解析装置15に送信する。そして、画像解析装置15は、監視カメラ14から受信した画像データに対して画像解析を行って、荷物を持っている乗客を検出する(ステップS101)。画像データから荷物持ちの乗客が検出されなかった場合は(ステップS101のNO)、ステップS101に戻る。
ステップS101において画像データから荷物持ちの乗客が検出されると(ステップS101のYES)、画像解析装置15は、当該乗客に対する荷物の位置、及び乗客と荷物との接触の有無を検出し、これらの検出結果を示す信号(付帯物関連信号)を付帯物位置判定部21に送信する。そして、ステップS102において、付帯物位置判定部21は、画像解析装置15から受信した付帯物関連信号に基づいて、乗客に対する荷物位置が正常か異常かを判定する(荷物持ち方判定)。荷物持ち方判定の詳細は、図4を参照しながら後述する。
ステップS103では荷物持ち方判定の判定結果を確認する。荷物持ち方判定で「正常」と判定された場合は(ステップS103のNO)、乗客が持ち込む荷物が落下する危険がない(または低い)状況を意味するため、後述するスピーカ19からの注意喚起放送やランプ20の点灯を行う必要はなく、ステップS108に進む。
一方、荷物持ち方判定で「異常」と判定された場合は(ステップS103のYES)、付帯物位置判定部21は、荷物位置に関する異常の出力を指示する信号(異常出力指令)を放送制御部23及び照明制御部24に送信する。さらにこの場合、画像解析装置15は、画像データの分析によって、「異常」と判定された対象乗客の現在位置を検出し、その検出結果を示す信号(乗客位置信号)を乗客位置判定部22に送信する。そして、乗客位置判定部22は、受信した乗客位置信号に基づいて対象乗客の現在位置のエリアを判別し(対象乗客位置判定)、判別結果のエリアに設けられたスピーカ19及びランプ20(対象乗客の現在位置から最も近いスピーカ19及びランプ20)を出力先に指定する信号(位置指定指令)を放送制御部23及び照明制御部24に送信する(ステップS104)。対象乗客位置判定の詳細は、図5を参照しながら後述する。
次いで、ステップS105では、放送制御部23が、付帯物位置判定部21からの異常出力指令と乗客位置判定部22からの位置指定指令とに基づいて、「推奨される方法で荷物を携行すること」を促す旨の所定の注意喚起文章をステップS104で指定されたスピーカ19から放送するよう、放送装置17に対して放送制御指令を送信し、放送装置17が、当該指令に従って音源出力を行うことにより、上記スピーカ19から注意喚起放送を行う。具体的には例えば、「お荷物は横または上側のステップに置き、手を離さないでください」等の放送が行われる。注意喚起文章は、異常を判定したときの状況に応じて複数種類が用意されてよい。
そして、ステップS106では、照明制御部24が、付帯物位置判定部21からの異常出力指令と乗客位置判定部22からの位置指定指令とに基づいて、ステップS104で指定されたランプ20を点灯するよう、照明装置18に対して照明制御指令を送信し、照明装置18が、当該指令に従って照明出力を行うことにより、上記ランプ20を点灯する。
なお、ステップS105及びステップS106の処理は、処理順が逆になってもよいし、並行処理されてもよい。
次いで、ステップS107では、対象乗客が乗り口に到達したか否かを判定する。具体的には例えば、乗客位置判定部22が、最新の画像データに基づいて、対象乗客の現在位置を確認すればよい。このとき、ステップS104で説明した対象乗客位置判定によるエリア判別を利用してもよい。
ステップS107において対象乗客が乗り口に到達していない、すなわち乗客コンベア100に乗っている場合は(ステップS107のNO)、ステップS102に戻り、荷物持ち方判定以降の処理を繰り返す。
ここで例えば、ステップS102に戻った際の荷物持ち方判定において、再び荷物の持ち方が「異常」と判定された場合には(ステップS103のYES)、その時点における対象乗客の位置を特定し(ステップS104)、対象乗客がいるエリアのスピーカ19から注意喚起放送を行う(ステップS105)とともに、当該エリアのランプ20を点灯する(ステップS106)ことになる。すなわち、乗客位置判定部22によって対象乗客の移動が検出された場合は、対象乗客の現在位置に応じて注意喚起を出力するスピーカ19及びランプ20を切り替えて、放送及び点灯を行うことができる。
また例えば、ステップS102に戻った際の荷物持ち方判定において、荷物の持ち方が「正常」と判定された場合には(ステップS103のNO)、ステップS105やステップS106による注意喚起を継続する必要がなくなるため、ステップS108に進む。
また、ステップS107において対象乗客が乗り口に到達したと判定した場合、すなわち乗客が乗客コンベア100から降りる場合は(ステップS107のYES)、注意喚起を継続する必要がない状況となるため、ステップS108に進む。
そしてステップS108では、放送制御部23が、スピーカ19からの注意喚起放送を停止するよう、放送装置17に対して放送制御指令を送信し、放送装置17が当該指令に従って音源出力を停止することにより、上記スピーカ19から注意喚起放送が停止する。また、照明制御部24が、ランプ20の点灯を停止する(消灯する)よう、照明装置18に対して照明制御指令を送信し、照明装置18が当該指令に従って照明出力を停止することにより、上記ランプ20は消灯する。ステップS108の処理終了後は、ステップS101に戻り、引き続き、画像データから荷物持ちの乗客の検出が行われる。
以上が、図3に示した荷物位置異常監視処理の流れであるが、本実施の形態における荷物位置異常監視処理の処理手順は、図3の例示に限定されるものではなく、以下のような派生手順を採用してもよい。
例えば、ステップS104やステップS107では、乗客位置判定部22が対象乗客の現在位置を判定する際、画像解析装置15を使用せずに、ステップS102の荷物持ち方判定における異常の検出時からの時間経過によって、乗客コンベア100の運転速度から現在の対象乗客の位置を推定して検出するようにしてもよい。
より具体的には、ステップS102の荷物持ち方判定において異常と判定されたタイミングを始点として、検出位置と乗客コンベア100の運転速度とに基づいて、対象乗客が乗客コンベア100の降り口に移動するまでに要する時間を算出し、当該時間が経過した場合には、付帯物位置判定部21が、荷物持ち方判定を終了する旨の信号を放送制御部23及び照明制御部24に送信すればよい。このとき、放送制御部23及び照明制御部24は当該信号に基づいて、ステップS108と同様に、スピーカ19からの注意喚起放送を停止し、ランプ20を消灯する。
このような処理を行うことによって、対象乗客の現在位置を判定する際に、画像解析装置15による画像解析処理を繰り返し実行する必要がなくなるため、乗客コンベア100における全体的な処理負荷を軽減することができる。
また例えば、荷物持ち方判定における異常が複数件検出された場合には、先に異常が検出された乗客を優先して注意喚起放送及びランプ点灯を行い、その後、当該乗客について荷物持ち方判定で正常と判定されるか、当該乗客が乗客コンベア100の降り口を通過した場合に、次に異常が検出された乗客に注意喚起放送及びランプ点灯を行うとよい。
このような処理を行うことによって、複数箇所で危険な状況が検出された場合であっても、乗客コンベア100は、荷物が落下し得る危険な状況を検出した順に、対象の乗客を明確にしながら注意喚起を行うことができる。
(1−3−1)荷物持ち方判定
図3のステップS102に示した荷物持ち方判定について詳しく説明する。
図4は、荷物持ち方判定について詳しく説明するための図である。図4(A)には、乗客コンベアにおける乗客31と荷物32(乗客31との位置関係が異なる各例として荷物32A〜32D)との関係例が示され、図4(B)には、荷物持ち方判定の判定基準の一例が示されている。なお、図4(A)に示した乗客コンベア100は、下部乗降口から上部乗降口に向けて乗客31を搬送する上昇運転をしている。
前述したように、荷物持ち方判定では、監視カメラ14が撮影した画像データに対して画像解析装置15が画像解析を行い、乗客31に対する荷物32の位置、及び乗客31と荷物32との接触の有無を検出した結果(付帯物関連信号)に基づいて、付帯物位置判定部21が、乗客31に対する荷物32の位置が正常か異常かを判定する。
ここで、画像解析装置15による画像データの解析では、画像データから物体の輪郭線等を検出することによって、乗客31及び荷物32を識別する。また、画像データにおいて乗客31の輪郭線と荷物32の輪郭線とが重複しているか等の基準に基づいて、乗客31と荷物32との接触の有無を識別する。
そして、付帯物位置判定部21は、荷物32(図4(A)の荷物32A〜32Dの何れか)を持ち込んだ乗客31について、図4(B)に示した判定基準に従って、乗客31に対する荷物32の荷物位置の「正常」または「異常」を判定する。
具体的には、乗客31と荷物32とが接触しているときは、乗客31が荷物32を把持していると判断し、このとき荷物32が乗客31よりも上方または同位のステップ1にある場合(すなわち、荷物32Cまたは荷物32Bの場合)に、荷物位置を「正常」と判定する。これは、同位のステップ1で把持された荷物32Bは安定した状態にあると推測されるため、転落の危険性が少ないと考えられ、上方のステップ1で把持された荷物32Cの場合、仮に乗客31の手が離れてしまったとしても、乗客31自身によって転落を防止できると想定されるためである。
一方、乗客31と荷物32とが接触している(乗客31が荷物32を把持している)ときであっても、荷物32が乗客31よりも下方のステップ1にある場合(すなわち、荷物32Aの場合)には、荷物位置を「異常」と判定する。これは、下方のステップ1で把持された荷物32Aは、乗客31が安定して把持し難しいことがあり、仮に乗客31の手が離れてしまうと転落するおそれがあって危険だからである。
また、乗客31と荷物32とが接触していないときは(荷物32Dに相当)、乗客31が荷物32を把持していないと判断し、乗客31に対する荷物32の位置に拘わらず荷物位置を「異常」と判定する。これは、乗客31によって把持されていない荷物32Dは、いつ転落してもおかしくなく、危険だからである。
なお、ここまで上昇運転時について説明したが、本実施の形態に係る乗客コンベア100は、下降運転時でも同様に荷物持ち方判定を行うことができ、判定基準には図4(B)を利用することができる。すなわち、乗客31が荷物32を把持していない場合、または、把持しているが荷物32が乗客31の下方のステップ1に置いている場合には、乗客31に対する荷物位置を「異常」と判定する。
(1−3−2)対象乗客位置判定
図3のステップS104に示した対象乗客位置判定について詳しく説明する。
図5は、対象乗客位置判定について詳しく説明するための図である。図5に示した乗客コンベア100は、下部乗降口から上部乗降口に向けて乗客を搬送する上昇運転をしている。
前述したように、対象乗客位置判定では、荷物持ち方判定(図3のステップS102)で異常と判定された場合に、乗客位置判定部22は、対象乗客の現在位置から最も近いスピーカ19及びランプ20を、注意喚起放送や点灯の出力先に指定する。
詳しく説明すると、まず、乗客位置判定部22は、画像データ上で、複数設けられたスピーカ19(及びランプ20)のそれぞれの中間に境界線を設け、当該境界線によって、乗客コンベア100の下部乗降口から上部乗降口までの領域を、水平方向の複数のエリアに区分する。
図5の場合、下部乗降口から上部乗降口に向けて順に、スピーカ19A及びランプ20Aが含まれる「エリアA」、スピーカ19B及びランプ20Bが含まれる「エリアB」、スピーカ19C及びランプ20Cが含まれる「エリアC」、スピーカ19D及びランプ20Dが含まれる「エリアD」、に区分されている。
そして、乗客位置判定部22は、監視カメラ14が撮影した画像データに対して画像解析装置15が対象乗客の現在位置を検出した結果(乗客位置信号)に基づいて、対象乗客の現在位置が上記エリアA〜エリアDのどこに当たるかを判別する。さらに、乗客位置判定部22は、この判別結果のエリアに設けられたスピーカ19及びランプ20を選択することによって、対象乗客の現在位置から最も近いスピーカ19及びランプ20を指定することができる。
具体的には、図5の場合、荷物32を把持した乗客31の現在位置は「エリアB」である。この状態で対象乗客位置判定が行われると、乗客位置判定部22は、「エリアB」に設けられたスピーカ19B及びランプ20Bを選択し、これらを注意喚起放送や点灯の出力先に指定する位置指定指令を放送制御部23及び照明制御部24に送信する。
(1−4)まとめ
以上に説明したように、第1の実施の形態に係る乗客コンベア100によれば、単独での利用が許容される乗客が単独での利用が推奨されない付帯物(荷物)を伴って乗客コンベア100に乗り込んだときに、乗客と付帯物との位置関係に基づいて付帯物が危険な状況であるか否かを判定し、危険な状況であると判定した場合には判定結果に応じた注意喚起を報知することにより、事故の発生を防止することができる。
特に、上記の危険な状況であるか否かの判定基準として、乗客と荷物とが接触しているか(乗客が荷物を把持しているか)、及び荷物が乗客よりも上位または同位のステップ1にあるかという位置関係を用いることによって、荷物の大きさに拘わらず、荷物がステップ1から落下するおそれがある危険な状況を確実に検出することができる。
また、第1の実施の形態に係る乗客コンベア100によれば、乗客コンベア100の全体で注意喚起を行うと、注意喚起の対象が伝わりにくいという課題を考慮し、上記の危険な状況であると判定した場合に、注意喚起の報知を乗客の現在位置の近傍に設けられたスピーカ19及びランプ20から行うことによって、危険な状況の対象を明確にすることができる。その結果、対象に確実に報知する効果に期待でき、さらに対象の乗客が移動した場合は、その移動に合わせて報知箇所も変更されることから、危険な状況が解消されるまで対象の乗客に注意喚起を届け続けることができ、事故の発生に対する防止効果をより高めることができる。
また、第1の実施の形態に係る乗客コンベア100によれば、上記の危険な状況を複数箇所で検出した場合には、先に検出した対象を優先して注意喚起を報知するため、報知の漏れを防ぐことができ、事故の発生を防止する効果を高めることができる。
(2)第2の実施の形態
上述した第1の実施の形態では、荷物を持ち込んだ乗客に対して、荷物が危険な状況である場合に注意喚起を行う乗客コンベア100を説明した。これは、乗客コンベアにおいて、荷物を単独で載せることが推奨されておらず、乗客が安全に把持することが推奨されることを背景としている。同様に、乗客コンベアにおいては、子供が単独で乗ることは推奨されておらず、大人が安全に手を繋ぐことが推奨されている。
そこで第2の実施の形態では、第1の実施の形態では「荷物」に相当するとした「付帯物」を「子供」に置き換えることにより、子供連れの乗客に対して、子供が危険な状況である場合に注意喚起を行うことができる乗客コンベア100を説明する。
なお、第2の実施の形態に係る乗客コンベア100は、概略構成(図1)において第1の実施の形態と共通する。また、事故防止機能に関する機能構成(図2)についても、「乗客の付帯物」に相当するものが置き換えられる以外は、第1の実施の形態と共通している。さらに、第1の実施の形態で説明した「荷物位置異常監視処理」は、第2の実施の形態では「子供位置異常監視処理」に置き換えられるが、その処理の大部分は共通する。したがって、以下では、第2の実施の形態について、これら第1の実施の形態と共通する部分については説明を省略し、第1の実施の形態とは異なる点を中心に説明する。
まず、全体として、第1の実施の形態では、乗客コンベア100に乗り込む乗客の「荷物」を乗客の付帯物としていたところを、第2の実施の形態では、乗客コンベア100に乗り込む乗客(大人)が連れる「子供」を乗客の付帯物として扱う。
この結果、事故防止機能に関する機能構成(図2)において、制御装置16の付帯物位置判定部21は、子供連れで乗り込む大人の乗客に関して、子供(乗客の付帯物)の位置について正常/異常を判定し(子供連れ方判定)、異常と判定した場合には、異常に応じた所定の処理を放送制御部23及び照明制御部24に指示する(異常出力指令)。子供連れ方判定の詳細は、図7を参照しながら後述する。
そして、第2の実施の形態に係る乗客コンベア100は、以下に説明する子供位置異常監視処理を行うことによって、乗客が連れた子供が転倒・転落する等の危険に対して注意喚起を行い、事故の発生を防止することができる(事故防止機能)。
(2−1)子供位置異常監視処理
図6は、第2の実施の形態における子供位置異常監視処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。図6を参照しながら、図2に示した乗客コンベア100の機能構成によって実行される子供位置異常監視処理について説明する。
まず、監視カメラ14が、乗客コンベア100に乗り込んだ乗客の画像データを取得し、取得した画像データを画像解析装置15に送信する。そして、画像解析装置15は、監視カメラ14から受信した画像データに対して画像解析を行って、子供連れの大人の乗客(以後、基本的に「大人の乗客」は単に「乗客」と記載し、「子供の乗客」は「子供」と記載する)を検出する(ステップS201)。画像データから子供連れの乗客が検出されなかった場合は(ステップS201のNO)、ステップS201に戻る。
ステップS201において画像データから子供連れの乗客が検出されると(ステップS201のYES)、画像解析装置15は、当該乗客に対する子供の位置、及び乗客と子供との接触の有無を検出し、これらの検出結果を示す信号(付帯物関連信号)を付帯物位置判定部21に送信する。そして、ステップS202において、付帯物位置判定部21は、画像解析装置15から受信した付帯物関連信号に基づいて、乗客に対する子供の位置が正常か異常かを判定する(子供連れ方判定)。子供連れ方判定の詳細は、図7を参照しながら後述する。
ステップS203では子供連れ方判定の判定結果を確認する。子供連れ方判定で「正常」と判定された場合は(ステップS203のNO)、乗客が連れた子供が転倒・転落等する危険がない(または低い)状況を意味するため、後述するスピーカ19からの注意喚起放送やランプ20の点灯を行う必要はなく、ステップS208に進む。
一方、子供連れ方判定で「異常」と判定された場合は(ステップS203のYES)、付帯物位置判定部21は、子供の位置に関する異常の出力を指示する信号(異常出力指令)を放送制御部23及び照明制御部24に送信する。さらにこの場合、画像解析装置15は、画像データの分析によって、「異常」と判定された対象乗客(大人の乗客)の現在位置を検出し、その検出結果を示す信号(乗客位置信号)を乗客位置判定部22に送信する。そして、乗客位置判定部22は、受信した乗客位置信号に基づいて対象乗客の現在位置のエリアを判別し(対象乗客位置判定)、判別結果のエリアに設けられたスピーカ19及びランプ20(対象乗客の現在位置から最も近いスピーカ19及びランプ20)を出力先に指定する信号(位置指定指令)を放送制御部23及び照明制御部24に送信する(ステップS204)。対象乗客位置判定の詳細は、第1の実施の形態で図5を参照しながら説明したのと同様であり、説明を省略する。
次いで、ステップS205では、放送制御部23が、付帯物位置判定部21からの異常出力指令と乗客位置判定部22からの位置指定指令とに基づいて、「推奨される方法で子供を連れること」を促す旨の所定の注意喚起文章をステップS204で指定されたスピーカ19から放送するよう、放送装置17に対して放送制御指令を送信し、放送装置17が、当該指令に従って音源出力を行うことにより、上記スピーカ19から注意喚起放送を行う。具体的には例えば、「お子様と並んで手をお繋ぎください」等の放送が行われる。注意喚起文章は、異常を判定したときの状況に応じて複数種類が用意されてよい。
そして、ステップS206では、照明制御部24が、付帯物位置判定部21からの異常出力指令と乗客位置判定部22からの位置指定指令とに基づいて、ステップS204で指定されたランプ20を点灯するよう、照明装置18に対して照明制御指令を送信し、照明装置18が、当該指令に従って照明出力を行うことにより、上記ランプ20を点灯する。
なお、ステップS205及びステップS206の処理は、処理順が逆になってもよいし、並行処理されてもよい。
次いで、ステップS207では、対象乗客(大人の乗客)が乗り口に到達したか否かを判定する。具体的には例えば、乗客位置判定部22が、最新の画像データに基づいて、対象乗客の現在位置を確認すればよい。このとき、ステップS204で説明した対象乗客位置判定によるエリア判別を利用してもよい。
ステップS207において対象乗客が乗り口に到達していない、すなわち乗客コンベア100に乗っている場合は(ステップS207のNO)、ステップS202に戻り、子供連れ方判定以降の処理を繰り返す。
ここで例えば、ステップS202に戻った際の子供連れ方判定において、再び子供の連れ方が「異常」と判定された場合には(ステップS203のYES)、その時点における対象乗客(大人の乗客)の位置を特定し(ステップS204)、対象乗客がいるエリアのスピーカ19から注意喚起放送を行う(ステップS205)とともに、当該エリアのランプ20を点灯する(ステップS206)ことになる。すなわち、乗客位置判定部22によって対象乗客の移動が検出された場合は、対象乗客の現在位置に応じて注意喚起を出力するスピーカ19及びランプ20を切り替えて、放送及び点灯を行うことができる。
また例えば、ステップS202に戻った際の子供の連れ方判定において、子供の連れ方が「正常」と判定された場合には(ステップS203のNO)、ステップS205やステップS206による注意喚起を継続する必要がなくなるため、ステップS208に進む。
また、ステップS207において対象乗客が乗り口に到達したと判定した場合、すなわち乗客が乗客コンベア100から降りる場合は(ステップS207のYES)、注意喚起を継続する必要がない状況となるため、ステップS208に進む。
そしてステップS208では、放送制御部23が、スピーカ19からの注意喚起放送を停止するよう、放送装置17に対して放送制御指令を送信し、放送装置17が当該指令に従って音源出力を停止することにより、上記スピーカ19から注意喚起放送が停止する。また、照明制御部24が、ランプ20の点灯を停止する(消灯する)よう、照明装置18に対して照明制御指令を送信し、照明装置18が当該指令に従って照明出力を停止することにより、上記ランプ20は消灯する。ステップS208の処理終了後は、ステップS201に戻り、引き続き、画像データから子供連れの乗客の検出が行われる。
以上が、図6に示した荷物位置異常監視処理の流れであるが、本実施の形態における子供連れ方異常監視処理の処理手順は、図6の例示に限定されるものではなく、以下のような派生手順を採用してもよい。
例えば、ステップS204やステップS207では、乗客位置判定部22が対象乗客の現在位置を判定する際、画像解析装置15を使用せずに、ステップS202の子供連れ方判定における異常の検出時からの時間経過によって、乗客コンベア100の運転速度から現在の対象乗客の位置を推定して検出するようにしてもよい。
より具体的には、ステップS202の子供連れ方判定において異常と判定されたタイミングを始点として、検出位置と乗客コンベア100の運転速度とに基づいて、対象乗客が乗客コンベア100の降り口に移動するまでに要する時間を算出し、当該時間が経過した場合には、付帯物位置判定部21が、子供連れ方判定を終了する旨の信号を放送制御部23及び照明制御部24に送信すればよい。このとき、放送制御部23及び照明制御部24は当該信号に基づいて、ステップS208と同様に、スピーカ19からの注意喚起放送を停止し、ランプ20を消灯する。
このような処理を行うことによって、対象乗客の現在位置を判定する際に、画像解析装置15による画像解析処理を繰り返し実行する必要がなくなるため、乗客コンベア100における全体的な処理負荷を軽減することができる。
また例えば、子供連れ方判定における異常が複数件検出された場合には、先に異常が検出された乗客を優先して注意喚起放送及びランプ点灯を行い、その後、当該乗客について子供連れ方判定で正常と判定されるか、当該乗客が乗客コンベア100の降り口を通過した場合に、次に異常が検出された乗客に注意喚起放送及びランプ点灯を行うとよい。
このような処理を行うことによって、複数箇所で危険な状況が検出された場合であっても、乗客コンベア100は、子供が転倒・転落し得る危険な状況を検出した順に、対象の乗客を明確にしながら注意喚起を行うことができる。
(2−1−1)子供連れ方判定
図7は、子供連れ方判定について詳しく説明するための図である。図7(A)には、乗客コンベアにおける大人の乗客31と子供33(乗客31との位置関係が異なる各例として、子供33A〜33D)との関係例が示され、図7(B)には、子供連れ方判定の判定基準の一例が示されている。なお、図7(A)に示した乗客コンベア100は、下部乗降口から上部乗降口に向けて乗客を搬送する上昇運転をしている。
前述したように、子供連れ方判定では、監視カメラ14が撮影した画像データに対して画像解析装置15が画像解析を行い、乗客31に対する子供33の位置、及び乗客31と子供33との接触の有無を検出した結果(付帯物関連信号)に基づいて、付帯物位置判定部21が、乗客31に対する子供33の位置が正常か異常かを判定する。
ここで、画像解析装置15による画像データの解析では、画像データから物体の輪郭線等を検出することによって、乗客31及び子供33を識別する。また、画像データにおいて乗客31の輪郭線と子供33の輪郭線とが重複しているか等の基準に基づいて、乗客31と子供33との接触の有無を識別する。
そして、付帯物位置判定部21は、子供33(図7(A)の子供33A〜33Dの何れか)を連れた乗客31について、図4(B)に示した判定基準に従って、乗客31に対する子供33の子供位置の「正常」または「異常」を判定する。
具体的には、乗客31と子供33とが接触しているときは、乗客31が子供33を把持している(手を繋いでいる)と判断し、このとき子供33が乗客31と同位のステップ1にある場合(すなわち、子供33Bの場合)に、子供位置を「正常」と判定する。これは、同位のステップ1で把持された子供33は安定した状態にあると推測されるため、転倒・転落等の危険性が少ないと考えられるためである。
一方、乗客31と子供33とが接触している(乗客31が子供33を把持している)ときであっても、子供33が乗客31とは異なる高さのステップ1にある場合(すなわち、子供33Aまたは子供33Cの場合)には、子供位置を「異常」と判定する。これは、下方のステップ1で把持された子供33Aまたは上方のステップ1で把持された子供33Cは、乗客31が安定して把持できず不安定な状態となりやすく、転倒・転落するおそれがあって危険だからである。なお、図4(B)に例示した荷物持ち方判定の判定基準と異なる点として、図7(B)に例示した子供連れ方判定の判定基準では、乗客31に手を繋がれた子供33が上位のステップ1にある場合(すなわち、子供33Cの場合)は、子供位置を「異常」と判定する。この理由を詳しく説明すると、乗客31と手を繋いでいたとしても異なる高さのステップ1にいる子供33Cの場合は不安定な状態となりやすく、転倒すると怪我をするおそれがあるからであり、また、転落したときには下方にいる乗客31が必ずしもその子供33Cを支えることができるとは限らず、最悪のケースでは乗客31ともども転落してしまうおそれがあるからである。
また、乗客31と子供33とが接触していないときは(子供33Dに相当)、乗客31が子供33を把持していない(手を繋いでいない)と判断し、乗客31に対する子供33の位置に拘わらず子供位置を「異常」と判定する。これは、乗客31によって把持されていない子供33Dは、いつ転倒・転落してもおかしくなく、危険だからである。
なお、ここまで上昇運転時について説明したが、本実施の形態に係る乗客コンベア100は、下降運転時でも同様に荷物持ち方判定を行うことができ、判定基準には図4(B)を利用することができる。すなわち、乗客31が子供33を把持していない場合、または、把持しているが子供33が乗客31とは異なる高さのステップ1にいる場合には、乗客31に対する子供位置を「異常」と判定する。
(2−2)まとめ
以上に説明したように、第2の実施の形態に係る乗客コンベア100によれば、単独での利用が許容される乗客(大人の乗客)が単独での利用が推奨されない付帯物(子供の乗客)を伴って乗客コンベア100に乗り込んだときに、乗客と付帯物との位置関係に基づいて付帯物が危険な状況であるか否かを判定し、危険な状況であると判定した場合には判定結果に応じた注意喚起を報知することにより、事故の発生を防止することができる。
特に、上記の危険な状況であるか否かの判定基準として、乗客と子供とが接触しているか(乗客が子供と手を繋いでいるか)、及び子供が乗客と同位のステップ1にあるかという位置関係を用いることによって、子供連れで乗客コンベア100に乗り込んだ大人の乗客が子供を十分に保持できていない場合に子供が転倒・転落し得る危険な状況を、確実に検出することができる。
また、第2の実施の形態に係る乗客コンベア100によれば、第1の実施の形態と同様に、乗客コンベア100の全体で注意喚起を行うと、注意喚起の対象が伝わりにくいという課題を考慮し、上記の危険な状況であると判定した場合に、注意喚起の報知を乗客の現在位置の近傍に設けられたスピーカ19及びランプ20から行うことによって、危険な状況の対象を明確にすることができる。その結果、対象の保護者(大人の乗客)に確実に注意喚起を報知する効果に期待でき、さらに保護者が移動した場合には、その移動に合わせて報知箇所も変更されることから、危険な状況が解消されるまで対象の保護者に注意喚起を届け続けることができ、事故の発生に対する防止効果をより高めることができる。
また、第2の実施の形態に係る乗客コンベア100によれば、上記の危険な状況を複数箇所で検出した場合には、先に検出した対象を優先して注意喚起を報知するため、報知の漏れを防ぐことができ、事故の発生を防止する効果を高めることができる。
(3)補足
本発明において、上述した第1の実施形態と第2の実施形態は同時に適用されてもよい。その場合、荷物の持ち方異常と子供の連れ方異常とが同時に検出された際は、子供の連れ方異常の方を優先して注意喚起動作を行うことが好ましい。このようにすることで、荷物の転落よりも事故発生時の危険が高いと考えられる子供の転倒・転落等に対して、速やかに注意喚起を報知することができ、重大事故の発生を防止する効果に期待できる。
また、上述した各実施の形態では、乗り口と降り口との間に高度差がある乗客コンベア100を説明したが、本発明は、乗降口間を移動する無端状に連結されたステップによって乗り口から降り口まで乗客や荷物を搬送する乗客コンベア全般に適用可能であり、具体的には、エスカレーターだけでなく、動く歩道等にも適用することができる。
また、本発明は上述した各実施の形態に限定されるものではなく、様々な変形が含まれる。例えば、上述した各実施の形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、各実施の形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
また、図面に示した各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現してもよい。また、上記の各構成、機能等は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウェアで実現してもよい。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリや、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)等の記録装置、または、ICカード、SDカード、DVD等の記録媒体に置くことができる。図面上の制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
1 ステップ
2 移動手すり
3 欄干
4 上部乗降口床板
5 下部乗降口床板
6 チェーン
7,8 スプロケット
9 モータ
10 減速機
11 駆動装置
12 駆動チェーン
13 スカート部
14 監視カメラ
15 画像解析装置
16 制御装置
17 放送装置
18 照明装置
19(19A〜19D) スピーカ
20(20A〜20D) ランプ
21 付帯物位置判定部
22 乗客位置判定部
23 放送制御部
24 照明制御部
31 乗客(大人の乗客)
32(32A〜32D) 荷物
33 子供(子供の乗客)
100 乗客コンベア

Claims (14)

  1. 乗客コンベアに乗り込んだ対象を検知するセンサを有する乗客コンベアであって、
    前記センサによる前記対象の検知データから乗客及び付帯物を識別し、前記乗客に対する前記付帯物の位置関係の検出として、前記乗客と前記付帯物の位置及び接触の有無を検出する解析部と、
    前記解析部による前記位置関係の検出結果に基づいて、前記付帯物が危険な状況であるか否かを判定する判定部と、
    前記判定部によって前記付帯物が危険な状況であると判定された場合に、判定結果に応じた注意喚起を報知する報知部と、
    を備えることを特徴とする乗客コンベア。
  2. 前記付帯物は荷物である
    ことを特徴とする請求項1に記載の乗客コンベア。
  3. 前記判定部は、前記乗客に対して前記付帯物が接触していない、または、前記乗客に前記付帯物が接触しているものの前記付帯物が前記乗客よりも下方のステップにある場合に、当該付帯物が危険な状況であると判定する
    ことを特徴とする請求項2に記載の乗客コンベア。
  4. 前記乗客は大人の乗客であり、前記付帯物は子供の乗客である
    ことを特徴とする請求項1に記載の乗客コンベア。
  5. 前記判定部は、前記乗客に対して前記付帯物が接触していない、または、前記乗客に前記付帯物が接触しているものの前記付帯物が前記乗客と同位ではないステップにある場合に、当該付帯物が危険な状況であると判定する
    ことを特徴とする請求項4に記載の乗客コンベア。
  6. 前記判定部によって、複数の前記付帯物についてそれぞれ、前記危険な状況であると判定された場合、前記報知部は、前記危険な状況であると先に判定された対象を優先して前記注意喚起を報知する
    ことを特徴とする請求項1に記載の乗客コンベア。
  7. 前記乗客コンベアの乗り口から降り口までの複数地点にスピーカが設置され、
    前記判定部によって前記付帯物が危険な状況であると判定された場合に、前記報知部は、前記複数地点に設置された前記スピーカのうち、当該付帯物に対応する前記乗客の現在位置の近傍に設置されたスピーカから所定の注意喚起放送を行う
    ことを特徴とする請求項1に記載の乗客コンベア。
  8. 乗客コンベアに乗り込んだ対象を検知するセンサを有する乗客コンベアの制御方法であって、
    前記センサによる前記対象の検知データから乗客及び付帯物を識別し、前記乗客に対する前記付帯物の位置関係の検出として、前記乗客と前記付帯物の位置及び接触の有無を検出する解析ステップと、
    前記解析ステップで検出された前記位置関係の検出結果に基づいて、前記付帯物が危険な状況であるか否かを判定する判定ステップと、
    前記判定ステップで前記付帯物が危険な状況であると判定された場合に、判定結果に応じた注意喚起を報知する報知ステップと、
    を備えることを特徴とする乗客コンベアの制御方法。
  9. 前記付帯物は荷物である
    ことを特徴とする請求項8に記載の乗客コンベアの制御方法。
  10. 前記判定ステップでは、前記乗客に対して前記付帯物が接触していない、または、前記乗客に前記付帯物が接触しているものの前記付帯物が前記乗客よりも下方のステップにある場合に、当該付帯物が危険な状況であると判定する
    ことを特徴とする請求項9に記載の乗客コンベアの制御方法。
  11. 前記乗客は大人の乗客であり、前記付帯物は子供の乗客である
    ことを特徴とする請求項8に記載の乗客コンベアの制御方法。
  12. 前記判定ステップでは、前記乗客に対して前記付帯物が接触していない、または、前記乗客に前記付帯物が接触しているものの前記付帯物が前記乗客と同位ではないステップにある場合に、当該付帯物が危険な状況であると判定する
    ことを特徴とする請求項11に記載の乗客コンベアの制御方法。
  13. 前記判定ステップで複数の前記付帯物についてそれぞれ、前記危険な状況であると判定された場合、前記報知ステップでは、前記危険な状況であると先に判定された対象を優先して前記注意喚起を報知する
    ことを特徴とする請求項8に記載の乗客コンベアの制御方法。
  14. 前記乗客コンベアの乗り口から降り口までの複数地点にスピーカが設置され、
    前記判定ステップで前記付帯物が危険な状況であると判定された場合に、前記報知ステップでは、前記複数地点に設置された前記スピーカのうち、当該付帯物に対応する前記乗客の現在位置の近傍に設置されたスピーカから所定の注意喚起放送を行う
    ことを特徴とする請求項8に記載の乗客コンベアの制御方法。
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