JP2020006776A - 助手席用エアバッグ装置 - Google Patents

Abstract

【課題】斜め前方に向かって移動する乗員の頭部を、左右方向側でずれた位置で受け止めることとなっても、乗員の頭部を安定して保護可能な助手席用エアバッグ装置の提供。【解決手段】エアバッグ１５が、膨張完了時の後面側を、乗員保護部３２とされる。乗員保護部が、前突用拘束面３３と斜突用拘束面３８Ｌとを備えるとともに、前突用拘束面と斜突用拘束面との間に拘束用凹部４０Ｌを配設させる。エアバッグの内部に、拘束用凹部の凹みの先端側とエアバッグの前端側とを連結する凹部用テザー６５Ｌと、エアバッグの前端側と前突用拘束面における左右方向の中央よりも拘束用凹部側の凹部側領域とを連結する前後テザー５５Ｌと、が配設される。前突用拘束面が、前後テザーにより、膨張完了時に後方に向かって突出するように形成される２個の突状面３５Ｌ，３６を、左右方向側で並設させる。【選択図】図８

Description

本発明は、助手席に着座した乗員の前方に配置されたインストルメントパネルに設けられる収納部位に折り畳まれて収納され、内部に膨張用ガスを流入させて車両後方側に向かって突出するように膨張し、乗員を保護可能に構成されるエアバッグを、備える助手席用エアバッグ装置に関する。

従来、助手席用エアバッグ装置としては、内部に配設されるテザーによって、膨張完了形状を規制されて、膨張完了時に、上下方向に略沿って配置される４つの突出部を、左右方向側で並設させている構成のエアバッグを、備えるものがあった（例えば、特許文献１参照）。この従来の助手席用エアバッグ装置では、エアバッグは、膨張完了時に左右方向の外側に配置される外側突出部と、外側突出部に隣接されるとともに膨張完了時に乗員の前方に配置される内側突出部と、の間で凹んだ領域によって、車両の斜め衝突時若しくはオフセット衝突時等において斜め前方に向かって移動する乗員の頭部を保護する構成であった。

米国特許第９，８４０，２２３号明細書

しかし、この従来の助手席用エアバッグ装置では、外側突出部に隣接して形成されている内側突出部は、エアバッグの左右の中央にかけて配設されている構成であることから、突出形状の曲率が小さく、例えば、斜め前方に向かって移動する乗員の頭部が、左右方向の中央側にずれて内側突出部と接触する場合、乗員の頭部と広い面積で接触することとなる。そして、このような接触により、乗員の頭部に、水平方向に略沿ってエアバッグの左右方向の中央側、すなわち、頭部の移動方向と逆方向側に向かって回転させるような力が作用することとなり、乗員の頭部を的確に保護できない虞れが生じていた。

本発明は、上述の課題を解決するものであり、斜め前方に向かって移動する乗員の頭部を、左右方向側でずれた位置で受け止めることとなっても、乗員の頭部を安定して保護可能な助手席用エアバッグ装置を提供することを目的とする。

本発明に係る助手席用エアバッグ装置は、助手席前方の収納部位に折り畳まれて収納されるエアバッグを備える助手席用エアバッグ装置であって、
エアバッグが、膨張完了時の前端側を収納部位に取り付けられるとともに、膨張完了時の後面側を、乗員保護部として構成され、
乗員保護部が、
車両の前突時に前進移動する乗員の頭部を保護可能な前突用拘束面と、
車両の斜め衝突時若しくはオフセット衝突時に斜め前方に向かって移動する乗員の頭部を保護可能に、前突用拘束面の左右の少なくとも一方側に形成される斜突用拘束面と、
を備える構成とされるとともに、
前突用拘束面と斜突用拘束面との間に、乗員の頭部を進入させて拘束させるための拘束用凹部を、前方に凹ませるようにして、構成され、
エアバッグが、内部に、
拘束用凹部の凹みの先端側とエアバッグの前端側とを連結する凹部用テザーと、
エアバッグの前端側と、前突用拘束面における左右方向の中央よりも拘束用凹部側の凹部側領域と、を連結する少なくとも１つの前後テザーと、を配設させる構成とされ、
前突用拘束面が、前後テザーにより、膨張完了時に後方に向かって突出するように形成される少なくとも２個の突状面を、左右方向側で並設させる構成とされていることを特徴とする。

本発明の助手席用エアバッグ装置では、前突用拘束面が、少なくとも２個の突状面を左右方向側で並設させる構成とされており、この２個の突状面を形成する前後テザーは、前突用拘束面における左右方向の中央よりも拘束用凹部側の凹部側領域に、連結される構成であることから、従来のごとく、左右方向の中央と拘束用凹部（外側突出部）との間の領域に、１つの突出部を配設させる場合と比較して、拘束用凹部に隣接して形成される突状面の曲率を大きくすることができる。そのため、車両の斜め衝突時若しくはオフセット衝突時において、乗員の頭部が、拘束用凹部側となる斜め前方に向かって移動する際に、多少、左右方向の中央側にずれて前突用拘束面の凹部側領域に接触することとなっても、乗員の頭部は、拘束用凹部に隣接して形成される突状面のみと接触するような態様となる。そして、この拘束用凹部に隣接して形成される突状面は、前突用拘束面において左右方向の中央よりも拘束用凹部側にずれた位置に連結される前後テザーと、拘束用凹部と、の間の左右の幅寸法の小さなエリアに形成されることから、広い面積で頭部と接触することを抑制できて、頭部を、移動方向と逆方向側に向かうように回転させがたく、突状面への接触後、そのまま、円滑に拘束用凹部内に進入させることができる。その結果、乗員の頭部を、拘束用凹部内に進入させることにより、的確に保護することができる。

したがって、本発明の助手席用エアバッグ装置では、斜め前方に向かって移動する乗員の頭部を、左右方向側でずれた位置で受け止めることとなっても、乗員の頭部を安定して保護することができる。

また、本発明の助手席用エアバッグ装置において、斜突用拘束面を、前突用拘束面から後方に向かって突出するように、形成すれば、乗員の頭部が斜め前方に向かって移動する際に、斜突用拘束面側（左右方向の外方）にずれることとなっても、乗員の頭部を、前突用拘束面から後方に延びるように配置される斜突用拘束面によって受け止め、その後、この斜突用拘束面によって、拘束用凹部側に案内することができることから、斜め衝突時若しくはオフセット衝突時に、斜め前方に向かって移動する乗員の頭部を、拘束用凹部によって、一層安定して受け止めることが可能となって、好ましい。

さらに、上記構成の助手席用エアバッグ装置において、拘束用凹部から連なるように形成される凹部側突状面を、凹部側突状面の左右方向の中央側において隣接される隣接突状面よりも、膨張完了時に、後方に突出して配置させる構成とすれば、斜め前方に向かって移動する乗員の頭部を、隣接突状面との接触を抑制して、拘束用凹部側に配置される凹部側突状面のみに確実に接触させることができ、突状面が、乗員の頭部を回転させることを、一層的確に抑制可能となって、好ましい。

さらに、助手席用エアバッグ装置は、下記に示す構成としてもよい。

助手席用エアバッグ装置は、助手席前方の収納部位に折り畳まれて収納されるエアバッグを備える助手席用エアバッグ装置であって、
エアバッグが、膨張完了時の前端側を収納部位に取り付けられるとともに、膨張完了時の後面側を、乗員保護部として構成され、
乗員保護部が、
車両の前突時に前進移動する乗員の頭部を保護可能な前突用拘束面と、
車両の斜め衝突時若しくはオフセット衝突時に斜め前方に向かって移動する乗員の頭部を保護可能に、前突用拘束面の左右の少なくとも一方側において、前突用拘束面から後方に向かって突出するように形成される斜突用拘束面と、
を備える構成とされて、
エアバッグが、内部に、エアバッグの前端側と前突用拘束面とを連結する少なくとも２つの前後テザーを、配設させる構成とされ、
前突用拘束面が、左右方向の中央から斜突用拘束面側となる斜突側領域にかけて、各前後テザーを左右方向側でずらして配設させることにより、膨張完了時の斜突用拘束面までの間に、後方に向かって突出するように形成される少なくとも２個の突状面を左右方向側で並設させる構成とされ、
突状面において、斜突用拘束面側に配置される端側突状面が、膨張完了時に、端側突状面の左右方向の中央側において隣接される隣接突状面よりも前方に位置するように、構成されていることを特徴とする。

上記構成の助手席用エアバッグ装置では、前突用拘束面が、左右方向の中央から斜突用拘束面側となる斜突側領域にかけて、少なくとも２個の突状面を左右方向側で並設させる構成とされており、斜突用拘束面側に配置される端側突状面が、膨張完了時に、端側突状面の左右方向の中央側において隣接される隣接突状面よりも前方に位置するように、構成されている。すなわち、上記構成の助手席用エアバッグ装置では、左右方向の中央側に配置される隣接突状面が、膨張完了時に、斜突用拘束面側に配置される端側突状面よりも後方に突出して配置される構成であり、隣接突状面と斜突用拘束面との間には、端側突状面分の隙間が生じていることから、斜め前方に向かって移動する乗員の頭部が、多少、左右方向側でずれることとなっても、乗員の頭部を、円滑に、隣接突状面と斜突用拘束面との間の隙間に進入させることができる。そして、乗員の頭部を、隣接突状面と斜突用拘束面とで挟み込むようにして、斜突用拘束面と、隣接突状面と、端側突状面と、の三点で保持しつつ、水平方向側への回転を抑制して、乗員の頭部を、的確に保護することができる。

したがって、上記構成の助手席用エアバッグ装置においても、斜め前方に向かって移動する乗員の頭部を、左右方向側でずれた位置で受け止めることとなっても、乗員の頭部を安定して保護することができる。

また、上記構成の助手席用エアバッグ装置において、前突用拘束面と斜突用拘束面との間に、乗員の頭部を進入させて拘束させるための拘束用凹部を、前方に凹ませるようにして、形成し、エアバッグの内部に、拘束用凹部の凹みの先端側とエアバッグの前端側とを連結する凹部用テザーを、配設させ、この凹部用テザーを、前後テザーのひとつと共用とさせる構成とすれば、斜め前方に向かって移動する乗員の頭部を、隣接突状面と斜突用拘束面との間に進入させた後、さらに、拘束用凹部内に進入させて保護することが可能となり、乗員の頭部を、一層的確に保護することができて、好ましい。

本発明の一実施形態である助手席用エアバッグ装置で使用されるエアバッグを単体で膨張させた状態を示す右斜め後方から見た状態の斜視図である。 図１のエアバッグの概略縦断面図であり、突状面間の境界部位での断面図である。 図１のエアバッグの概略縦断面図であり、拘束用凹部の部位での断面図である。 図１のエアバッグの概略横断面図である。 図１のエアバッグにおいて、乗員保護部の領域を示す部分拡大概略横断面図である。 図１のエアバッグを構成する基布を示す平面図である。 図１のエアバッグを構成する基布の残りを示す平面図である。 実施形態の助手席用エアバッグ装置において、エアバッグが膨張を完了させた状態を示す概略横断面図である。 図１のエアバッグの膨張完了時において、乗員の頭部を受け止める状態を示す概略部分拡大横断面図である。 本発明の他の実施形態であるエアバッグを単体で膨張させた状態を示す概略横断面図である。 図１０のエアバッグの膨張完了時において、乗員の頭部を受け止める状態を示す概略部分拡大横断面図である。 本発明のさらに他の実施形態であるエアバッグを単体で膨張させた状態を示す概略横断面図である。 図１２のエアバッグの膨張完了時において、乗員の頭部を受け止める状態を示す概略部分拡大横断面図である。 本発明のさらに他の実施形態であるエアバッグを単体で膨張させた状態を示す概略横断面図である。 本発明のさらに他の実施形態であるエアバッグを単体で膨張させた状態を示す概略横断面図である。 本発明のさらに他の実施形態であるエアバッグを単体で膨張させた状態を示す概略横断面図である。

以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。実施形態の助手席用エアバッグ装置Ｍ（以下、単に「エアバッグ装置」と省略する）は、図８に示すように、右側に助手席ＰＳを配置させた左ハンドル車である車両Ｖにおける助手席ＰＳの前方において、インストルメントパネル１の内部に配置されている。なお、実施形態において、前後・上下・左右の方向は、特に断らない限り、車両Ｖの前後・上下・左右の方向と一致するものである。

実施形態のエアバッグ装置Ｍは、図８に示すように、エアバッグ１５と、エアバッグ１５に膨張用ガスを供給するインフレーター８と、エアバッグ１５及びインフレーター８を収納保持する収納部位としてのケース１２と、エアバッグ１５及びインフレーター８をケース１２に取り付けるためのリテーナ９と、を備えている。また、エアバッグ装置Ｍは、詳細な図示を省略するが、折り畳まれたエアバッグ１５の上方を覆うとともに、エアバッグ１５の展開膨張時に開き可能な扉部を有するエアバッグカバーも、備える構成とされている。実施形態では、インフレーター８は、車両Ｖの前面衝突と、斜め衝突と、オフセット衝突と、の際に、作動するように構成されている。

エアバッグ１５は、図１〜５に示すように、内部に膨張用ガスを流入させて膨張するバッグ本体１６と、バッグ本体１６の内部に配置されてバッグ本体１６の膨張完了形状を規制するテザー５０，５２，５５Ｌ，５５Ｒ，６５Ｌ，６５Ｒと、を備える構成とされている。

バッグ本体１６は、可撓性を有したシート体から形成される袋状とされるもので、実施形態の場合、図１〜５に示すように、本体膨張部１７と、膨張完了時の本体膨張部１７から後方に突出するように配置される２つの左側突出膨張部２９Ｌ，右側突出膨張部２９Ｒと、を備えている。なお、実施形態のエアバッグ１５では、左側突出膨張部２９Ｌと右側突出膨張部２９Ｒとの膨張完了時の厚さ（左右方向側の幅寸法）を若干異ならせる以外は、エアバッグ１５は、略左右対称形とされていることから、膨張完了時に左側に配置される部位を主として詳細に説明し、右側の部位については、同一の図符号を付して詳細な説明を省略する。

本体膨張部１７は、膨張完了時に、インパネ１と図示しないウィンドシールドとの間に配置されるもので、膨張完了時の形状を、図１〜３に示すように、軸方向を左右方向に略沿わせた略三角柱状として、膨張完了時の前端側に、ケース１２に取り付けられる取付部２０を、備える構成とされている（図１，４，８参照）。すなわち、実施形態のエアバッグ１５では、本体膨張部１７は、前端１７ａ側をケース１２に取り付けられている。また、実施形態のエアバッグ１５では、本体膨張部１７は、膨張完了時に、図８に示すように、運転席ＤＳ側となる左側（車内側）の領域を、若干、運転席ＤＳ側に張り出させるように、配置される構成である。本体膨張部１７は、膨張完了時に乗員ＭＰ側である後面側に配置される後側壁部２６と、後側壁部２６の周縁から前方に延びるとともに前端側にかけて上下の幅寸法を小さくするように収束される先細り形状の周壁部１８と、を備えている。

周壁部１８は、エアバッグ１５の膨張完了時に、主にインパネ１と図示しないウィンドシールドとの間に配置される部位であり、上下方向側で対向して配置される上壁部１８ａ，下壁部１８ｂと、左右方向側で対向して配置される左壁部１８ｃ，右壁部１８ｄと、を備えている。実施形態のエアバッグ１５では、周壁部１８における膨張完了時の前端側の部位が、エアバッグ１５をケース１２に取り付けるための取付部２０とされている。実施形態の場合、取付部２０は、膨張完了時の左右方向側の幅寸法を、ケース１２の左右方向側の幅寸法より大きく設定されている（図８参照）。この取付部２０における膨張完了時の下面側（下壁部１８ｂ側）には、内部に膨張用ガスを流入可能に略円形に開口して形成されるガス流入口２１と、ガス流入口２１の周縁においてリテーナ９の図示しないボルトを挿通させるための複数（実施形態の場合、４個）の取付孔２２と、が、形成されて、ガス流入口２１の周縁をケース１２に取り付けられる構成である。ガス流入口２１は、実施形態の場合、取付部２０の左右の中央から若干右方にずれた位置に、配置されるもので、エアバッグ１５は、このガス流入口２１の中心を取付中心Ｃ（図４参照）とし、この取付中心Ｃを、助手席ＰＳの左右方向の中心と略一致させるようにして、ケース１２に取り付けられ、車両Ｖに搭載されている（図８参照）。また、周壁部１８における左壁部１８ｃと右壁部１８ｄとには、内部に流入した余剰の膨張用ガスを排気させるためのベントホール２４が、形成されている。

実施形態の場合、本体膨張部１７は、ガス流入口２１の取付中心Ｃを、取付部２０の左右の中央から若干右方にずれた位置に配置させるように構成されて、車両搭載時における膨張完了時に、取付中心Ｃを通る前後方向に沿った取付中心線ＣＬ（図４，８参照）よりも左側（運転席ＤＳ側、車内側）に配置される領域を、右側（運転席ＤＳから離隔した車外側）に配置される領域よりも、左右方向側の幅寸法を大きくしている「。実施形態では、図４，８に示すように、後側壁部２６（後述する前突用拘束面３３）は、左右方向の中央を、取付中心線ＣＬと略一致させるように構成されており、本体膨張部１７は、左側突出膨張部２９Ｌの左右方向側の幅寸法（厚さ）を、右側突出膨張部２９Ｒ（厚さ）の左右方向側の幅寸法よりもわずかに大きく設定することにより、上記のような構成とされている。

左側突出膨張部２９Ｌは、後側壁部２６において、運転席ＤＳ側となる左端側の部位に形成されるもので、エアバッグ１５の膨張完了時に、助手席ＰＳに着座した乗員ＭＰの左斜め前方となる位置に、配置されることとなる（図８参照）。この左側突出膨張部２９Ｌは、膨張完了時の前端側において、本体膨張部１７と連通されることにより、本体膨張部１７を経て、内部に膨張用ガスを流入させる構成であり（図４，５，８参照）、膨張完了時の外形形状を、厚さ方向を左右方向側に沿わせるように配置される略板状として、左右方向側から見て略台形状とされている。具体的には、左側突出膨張部２９Ｌは、左右方向側から見た膨張完了形状を、本体膨張部１７側となる前端２９ｃ側を幅広として、後端２９ｄ側にかけて狭幅とするような台形状とされている（図１，３参照）。この左側突出膨張部２９Ｌは、膨張完了時に、左右方向側で対向するように配置される左壁部２９ａと右壁部２９ｂとを備えており、左壁部２９ａは、図４に示すように、本体膨張部１７における周壁部１８の左壁部１８ｃから連なるように、構成されている。左側突出膨張部２９Ｌの外形寸法（上下方向側の幅寸法及び前後方向側の幅寸法（後側壁部２６からの突出量））は、エアバッグ１５の膨張完了時において、右壁部２９ｂ（後述する左側斜突用拘束面３８Ｌ）に、斜め前方に向かって移動する乗員ＭＰの頭部ＭＨを接触させた際に、この乗員ＭＰの頭部を、左側拘束用凹部４０Ｌに向かって、円滑に案内可能な寸法に、設定されている。

実施形態のエアバッグ１５では、左側突出膨張部２９Ｌと、右側突出膨張部２９Ｒと、本体膨張部１７における後側壁部２６と、が、エアバッグ１５の膨張完了時に乗員ＭＰを保護可能な乗員保護部３２を、構成している。実施形態の場合、乗員保護部３２は、車両Ｖの前突時に前進移動する乗員ＭＰの頭部ＭＨを保護可能な前突用拘束面３３と、車両Ｖの斜め衝突時若しくはオフセット衝突時に斜め前方に向かって移動する乗員ＭＰの頭部ＭＨを保護可能な２つの左側斜突用拘束面３８Ｌ，右側斜突用拘束面３８Ｒと、前突用拘束面３３と左側斜突用拘束面３８Ｌ，右側斜突用拘束面３８Ｒとの間にそれぞれ形成される左側拘束用凹部４０Ｌ，右側拘束用凹部４０Ｒと、を備える構成とされている。

前突用拘束面３３は、後側壁部２６の上側の領域から構成されるもので、膨張完了時のエアバッグ１５において、左側突出膨張部２９Ｌと右側突出膨張部２９Ｒとの間に配置される領域から、構成されている。この前突用拘束面３３は、左右方向側の幅寸法を、前突時に前進移動する乗員ＭＰの頭部ＭＨを支障なく保護可能に、構成されている。また、実施形態では、前突用拘束面３３には、膨張完了時に、それぞれ、後方に向かって突出するように形成される３個の突状面３５Ｌ，３５Ｒ，３６が、左右方向側で並設されている。詳細には、突状面３５Ｌ，３５Ｒ，３６は、前突用拘束面３３の領域を、左右方向側で３分割するようにして、形成されるもので、実施形態の場合、後方への突出量を略同一として、構成されている。そして、この突状面３５Ｌ，３５Ｒ，３６は、バッグ本体１６の内部において、エアバッグ１５（本体膨張部１７）の前端１７ａ側と前突用拘束面３３とを連結するように配置される前後テザー５５Ｌ，５５Ｒによって、凹凸を形成されるもので、上下方向側の幅寸法を、左側拘束用凹部４０Ｌ，右側拘束用凹部４０Ｒの上下方向側の幅寸法と略同一とされている（図２，３参照）。エアバッグ１５の膨張完了時における突状面３５Ｌ（３５Ｒ）の左右方向側の幅寸法Ｌ１（図５参照）は、５０〜１００ｍｍ程度に設定することが好ましく、実施形態では、７０ｍｍに設定されている。また、実施形態では、突状面３６の左右方向側の幅寸法Ｌ２は、突状面３５Ｌ（３５Ｒ）の左右方向側の幅寸法Ｌ１と略同一として、設定されている。

そして、実施形態のエアバッグ１５では、前突用拘束面３３において、左右方向の中央より左側拘束用凹部４０Ｌ側（取付中心線ＣＬの左側）となる左側領域３４Ｌ（凹部側領域）には、図４，５に示すように、左側突状面３５Ｌと、中央側突状面３６の左半分の領域と、の２個が、配置される構成である。詳細に説明すれば、実施形態では、左側突状面３５Ｌは、前突用拘束面３３（後側壁部２６）の左側領域３４Ｌにおいて、左側拘束用凹部４０Ｌとの境界部位から左側前後テザーの後端を結合させている結合部位７５Ｌ（境界部位３７Ｌ）にかけての領域から、構成され、中央側突状面３６は、結合部位７５Ｌの右側の領域（前突用拘束面３３全体で見れば、結合部位７５Ｌ，７５Ｒ間（境界部位３７Ｌ，３７Ｒ間）の領域）から、構成されている。また、実施形態のエアバッグ１５において、後側壁部２６における下側の領域は、前突時や斜突時、オフセット衝突時に、前方に向かって移動する乗員ＭＰが頭部ＭＨを乗員保護部に拘束された際に、主に乗員ＭＰの胸部を受け止めることとなる。

運転席ＤＳ側となる左側（車内側）に配置される左側斜突用拘束面３８Ｌは、左側突出膨張部２９Ｌにおいて、前突用拘束面３３（後側壁部２６）側で前後方向に略沿って配置される右壁部２９ｂから、構成されている。運転席ＤＳから離れた側となる右側（車外側）に配置される右側斜突用拘束面３８Ｒは、右側突出膨張部２９Ｒにおいて、前突用拘束面３３（後側壁部２６）側で前後方向に略沿って配置される左壁部２９ａから、構成されている。すなわち、左側斜突用拘束面３８Ｌ，右側斜突用拘束面３８Ｒは、それぞれ、エアバッグ１５の膨張完了時に、前突用拘束面３３から後方に向かって突出するように、形成されている（図４，５参照）。

前突用拘束面３３と左側斜突用拘束面３８Ｌとの間に形成される左側拘束用凹部４０Ｌは、左斜め前方に向かって移動する乗員ＭＰの頭部ＭＨを進入させて拘束するためのものであり、実施形態の場合、左側突出膨張部２９Ｌの右側の領域と、本体膨張部１７における後側壁部２６と、の境界部位に、上下方向に略沿うようにして、形成されている（図３〜５参照）。実施形態の場合、左側拘束用凹部４０Ｌは、バッグ本体１６における乗員保護部３２を形成する領域（凹部構成部８７Ｌ）から、後述する左側凹部用テザー６５Ｌによって、形成されるもので、バッグ本体１６の膨張完了時に、後端４０ｂ側を開口させた略ポケット状に凹むように形成されるとともに、相互に対向して配置される左側壁４２Ｌ，右側壁４３Ｌ相互を圧接されて、後端４０ｂ側の開口４１Ｌの口開きを抑制された状態で、配置される構成である。また、左側拘束用凹部４０Ｌは、バッグ本体１６の膨張完了時に、凹みの先端（前端４０ａ）を左側（車内側）に向けるように、前後方向に対して傾斜して、配置される（図４，５参照）。この左側拘束用凹部４０Ｌは、上下方向側の長さ寸法（後端４０ｂ付近の開口４１Ｌの開口幅寸法）を、乗員ＭＰの頭部ＭＨを円滑に進入させることが可能な寸法に、設定されている。また、左側拘束用凹部４０Ｌは、前後方向側の幅寸法（深さ）を、乗員ＭＰの頭部ＭＨの前側の領域を進入可能な寸法に、設定されている。

バッグ本体１６内には、図１〜５に示すように、テザー５０，５２，５５Ｌ，５５Ｒ，６５Ｌ，６５Ｒが、配置されている。具体的には、本体膨張部１７の領域内には、左右テザー５０，５２と、前後テザー５５Ｌ，５５Ｒと、凹部用テザー６５Ｌ，６５Ｒと、が、配置されている。

左右テザー５０，５２は、バッグ本体１６の膨張完了時において、本体膨張部１７の左壁部１８ｃと右壁部１８ｄとを連結するように、左右方向に略沿って配置されるもので、実施形態の場合、図２に示すように、前後テザー５５Ｌ，５５Ｒの上方となる領域と下方となる領域との２箇所に、配設されている。実施形態の場合、各左右テザー５０，５２は、それぞれ、左右方向に略沿った帯状として、バッグ本体１６の膨張完了時に、幅方向を水平方向に対して傾斜させるように、配置されている（図２，３参照）。各左右テザー５０，５２は、ともに、図７に示すように、左右方向側で並設される２枚のテザー用基布５１Ｌ，５１Ｒ，５３Ｌ，５３Ｒの縁部相互を、それぞれ、結合させて構成されている。これらの左右テザー５０，５２は、膨張完了時の本体膨張部１７における左壁部１８ｃと右壁部１８ｄとの離隔距離を規制するために、配置されている。

前後テザー５５は、膨張完了時のエアバッグ１５（本体膨張部１７）の前端１７ａ側と前突用拘束面３３の左側領域３４Ｌとを連結する左側前後テザー５５Ｌと、膨張完了時のエアバッグ１５の前端１７ａ側と前突用拘束面３３の右側領域３４Ｒとを連結する右側前後テザー５５Ｒと、を備えている。左側前後テザー５５Ｌ，右側前後テザー５５Ｒは、図４，５に示すように、エアバッグ１５の膨張完了時に、後側壁部２６（前突用拘束面３３）の左右の中央付近と、ガス流入口２１の周縁部位（エアバッグ１５（本体膨張部１７）の前端１７ａ側）と、を連結するとともに、膨張完了時の前突用拘束面に、３個の突状面３５Ｌ，３５Ｒ，３６を形成するために、配置されている。また、この左側前後テザー５５Ｌ，右側前後テザー５５Ｒは、エアバッグ１５の膨張初期における前突用拘束面３３の過度の後方への突出や、膨張完了時の前突用拘束面３３の後方移動を、抑制するために、配置されている。左側前後テザー５５Ｌと右側前後テザー５５Ｒとは、エアバッグ１５の膨張完了時における外形形状を略左右対称形として構成されており、実施形態では、左側前後テザー５５Ｌを例に採り詳細に説明する。

左側前後テザー５５Ｌは、エアバッグ１５（本体膨張部１７）の前端１７ａ側と、前突用拘束面３３における左側領域３４Ｌ（左右方向の中央よりも左側拘束用凹部４０Ｌ側となる凹部側領域）と、を連結するもので、図４，５に示すように、ガス流入口２１の周縁から延びる前側部位５６Ｌと、後側壁部２６側（前突用拘束面３３側）から延びる後側部位５７Ｌと、を連結させるようにして、構成されている。前側部位５６Ｌは、外形形状を帯状として、前端５６ａを、バッグ本体１６におけるガス流入口２１の周縁（詳細には左縁側）に結合され、後端５６ｂを、後側部位５７Ｌの前端５７ａと結合されている。実施形態では、前側部位５６Ｌは、右側前後テザー５５Ｒにける前側部位５６Ｒとともに、図６に示すテザー用基布５９から、構成されている。テザー用基布５９は、共用としてガス流入口２１の周縁に連結される連結部６０と、連結部６０から前後方向に対して傾斜するように伸びる２つの帯状部６１Ｌ，６１Ｒと、を備える構成とされて、平らに展開した状態の外形形状を略左右対称形とされている。連結部６０には、ガス流入口２１と取付孔２２とに対応した開口（図符号省略）が、形成されている。そして、これらの帯状部６１Ｌ，６１Ｒが、左側前後テザー５５Ｌ，右側前後テザー５５Ｒにおける前側部位５６Ｌ，５６Ｒを構成している。

後側部位５７Ｌは、上下に幅広の略帯状として、後端５７ｂを、上下の略全域にわたって、前突用拘束面３３（後側壁部２６）における左側領域３４Ｌに結合させる構成とされている。具体的には、後側部位５７Ｌは、前突用拘束面３３（後側壁部２６）を後方側から見て、前突用拘束面３３（後側壁部２６）の左端側から略１／３となる領域に、結合される。この後側部位５７Ｌの外形形状は、詳細には、後端５７ｂ側を上下に幅広とし、前側の部位を前端５７ａ側にかけて狭幅とした略台形状とされている。この後側部位５７Ｌの外形形状は、左側凹部用テザー６５Ｌの後述する後側部位６６Ｌと、略同一とされている（図６参照）。そして、この後側部位６６Ｌの後端６６ｂを後述する中央パネル８０に結合させる結合部位７５Ｌが、バッグ本体１６の膨張完了時に、左側突状面３５Ｌと中央側突状面３６との境界部位３７Ｌ（凹みの先端）を、構成することとなる（図２，４，５参照）。すなわち、実施形態では、後側部位６６Ｌの後端６６ｂの上下の幅寸法が、エアバッグ１５の膨張完了時において、前突用拘束面３３に形成される突状面３５Ｌ，３６の上下方向側の長さ寸法を規定することとなる。また、この後側部位６６Ｌは、膨張完了時のエアバッグ１５を左右方向側から見た状態で、上下の位置を、左側凹部用テザー６５Ｌを構成する後側部位６６Ｒと略一致させている（図２参照）。

凹部用テザー６５は、左側拘束用凹部４０Ｌの凹みの形状を形成する左側凹部用テザー６５Ｌと、右側拘束用凹部４０Ｒの凹みの形状を形成する右側凹部用テザー６５Ｒと、を備えている。左側凹部用テザー６５Ｌ，右側凹部用テザー６５Ｒは、エアバッグ１５の膨張完了時に、左側拘束用凹部４０Ｌ，右側拘束用凹部４０Ｒを形成するとともに、左側拘束用凹部４０Ｌ，右側拘束用凹部４０Ｒを、凹みの先端（前端４０ａ）を左右方向の外方となる斜め前方に向けるように、前後方向に対して傾斜させて配置可能とするために、配置されている。左側凹部用テザー６５Ｌと右側凹部用テザー６５Ｒとは、前外側部位６８Ｌ，６８Ｒの長さ寸法、及び、前外側部位６８Ｌ，６８Ｒの左壁部１８ｃ，右壁部１８ｄへの結合位置以外は、エアバッグ１５の膨張完了時における外形形状を略左右対称形として構成されており、実施形態では、左側凹部用テザー６５Ｌを例に採り詳細に説明する。

左側凹部用テザー６５Ｌは、膨張完了時のエアバッグ１５において、左側拘束用凹部４０Ｌの凹みの先端（前端４０ａ）側から延びる後側部位６６Ｌと、後側部位６６Ｌの前端６６ａ側から左右に分岐して配置される前内側部位６７Ｌ，前外側部位６８Ｌと、を備える構成とされている。

後側部位６６Ｌは、図３に示すように、上下に幅広の略帯状として、後端６６ｂ側を、上下の略全域にわたって、バッグ本体１６における左側突出膨張部２９Ｌの右壁部２９ｂと本体膨張部１７の後側壁部２６との境界部位付近に、結合させる構成とされている。この後側部位６６Ｌは、外形形状を、左側前後テザー５５Ｌにおける後側部位５７Ｌの外形形状と同一として、後端６６ｂ側を上下に幅広とし、前側の部位を前端６６ａ側にかけて狭幅とした略台形状とされている。そして、この後側部位６６Ｌの後端６６ｂを後述する中央パネル８０に結合させる結合部位７６Ｌが、バッグ本体１６の膨張完了時に、左側拘束用凹部４０Ｌの凹みの先端（前端４０ａ）を構成することとなる（図３〜５参照）。すなわち、後側部位６６Ｌの後端６６ｂの上下の幅寸法が、エアバッグ１５の膨張完了時における左側拘束用凹部４０Ｌの上下方向側の長さ寸法を規定することとなる。

前内側部位６７Ｌは、外形形状を帯状として、前端６７ａを、バッグ本体１６におけるガス流入口２１の周縁（詳細には左縁側）に結合され、後端６７ｂを、後側部位６６Ｌの前端６６ａと結合されている。実施形態では、前内側部位６７Ｌは、右側凹部用テザー６５Ｒにおける前内側部位６７Ｒとともに、図６に示すテザー用基布７０から、構成されている。テザー用基布７０は、共用としてガス流入口２１の周縁に連結される連結部７１と、連結部７１から前後方向に対して傾斜するように伸びる２つの帯状部７２Ｌ，７２Ｒと、を備える構成とされて、平らに展開した状態の外形形状を略左右対称形とされている。連結部７１には、ガス流入口２１と取付孔２２とに対応した開口（図符号省略）が、形成されている。そして、これらの帯状部７２Ｌ，７２Ｒが、左側凹部用テザー６５Ｌ，右側凹部用テザー６５Ｒにおける前内側部位６７Ｌ，６７Ｒを構成している。前外側部位６８Ｌは、外形形状を帯状として、元部６８ａを、後側部位６６の前端６６ａと結合され、先端６８ｂを、バッグ本体１６における左壁部１８ｃに、結合されている。

実施形態では、左側凹部用テザー６５Ｌにおける後側部位６６Ｌは、エアバッグ１５の膨張完了時に、先端（前端４０ａ）を左斜め前方に向けるように前後方向に対して傾斜して配置される左側拘束用凹部４０Ｌから連なるようにして、前後方向に対して傾斜して配置される構成である（図４，５参照）。そして、前内側部位６７Ｌと前外側部位６８Ｌとは、この傾斜して配置される後側部位６６Ｌの前端６６ａから左右に分岐するようにして、延びることとなる。この左側凹部用テザー６５Ｌは、後側部位６６Ｌ，前内側部位６７Ｌ，前外側部位６８Ｌを協働させることにより、左側拘束用凹部４０Ｌを、図４，５に示すように、相互に対向して配置される左側壁４２Ｌ，右側壁４３Ｌ相互を圧接された状態を維持しつつ、凹みの先端（前端４０ａ）を左方（左右方向の外方）に向けるように、前後方向に対して傾斜させて配置させることとなる。具体的には、エアバッグ１５の膨張完了時に、左側拘束用凹部４０Ｌは、左側凹部用テザー６５Ｌに牽引されて、左斜め前方に向かって移動する乗員ＭＰの頭部ＭＨの進行方向に略沿って凹むように、配置されることとなる（図４，５，８参照）。

バッグ本体１６は、所定形状の基布の周縁相互を結合させて袋状に構成されるもので、実施形態の場合、図６，７に示すように、中央側の領域を構成する中央パネル８０と、膨張完了時に左側に配置される左パネル９０Ｌと、膨張完了時に右側に配置される右パネル９０Ｒと、の３枚の基布から構成されている。

中央パネル８０は、図６に示すように、周壁部１８における上壁部１８ａから下壁部１８ｂにかけてを構成する周壁構成部８１と、乗員保護部３２（後側壁部２６から左側突出膨張部２９Ｌの右壁部２９ｂと右側突出膨張部２９Ｒの左壁部２９ａとにかけて）を構成する乗員保護部構成部８３と、を直列的に連結させるようにして、長手方向を前後方向に略沿わせた略帯状としている。実施形態の場合、中央パネル８０は、乗員保護部構成部８３の上端と周壁構成部８１の後端とを連結させるようにして帯状とされている。実施形態の場合、周壁構成部８１は、左縁８１ｂ側を左方に張り出させるように、左右非対称形として、構成されている。

乗員保護部構成部８３は、後側壁部２６（前突用拘束面３３）を構成する中央側部８４と、中央側部８４から左側に突出するように形成されて左側突出膨張部２９Ｌの右壁部２９ｂ（左側斜突用拘束面３８Ｌ）を構成する左側部８５Ｌと、中央側部８４から右側に突出するように形成されて右側突出膨張部２９Ｒの左壁部２９ａ（右側斜突用拘束面３８Ｒ）を構成する右側部８５Ｒと、を備える構成とされている。左側部８５Ｌと右側部８５Ｒとは、ともに、外形形状を略台形状として構成されている。実施形態では、左側部８５Ｌと中央側部８４との境界部位付近と、右側部８５Ｒと中央側部８４との境界部位付近と、に、それぞれ、上下方向に沿った結合部位７６Ｌ，７６Ｒを設けるようにして、左側凹部用テザー６５Ｌ，右側凹部用テザー６５Ｒの後側部位６６Ｌ，６６Ｒの後端６６ｂが、結合される構成である（図６参照）。そして、左側部８５Ｌと中央側部８４との境界部位付近と、右側部８５Ｒと中央側部８４との境界部位付近と、が、それぞれ、凹部構成部８７Ｌ，８７Ｒとされて、バッグ本体１６の膨張完了時に、左側凹部用テザー６５Ｌ，右側凹部用テザー６５Ｒに牽引されて、左側拘束用凹部４０Ｌ，右側拘束用凹部４０Ｒを構成することとなる。また、実施形態では、図６に示すように、中央側部８４において、結合部位７６Ｌ，７６Ｒよりも左右の内側となる領域に、それぞれ、上下方向に沿った結合部位７５Ｌ，７５Ｒを設けるようにして、左側前後テザー５５Ｌ，右側前後テザー５５Ｒの後側部位５７Ｌ，５７Ｒの後端５７ｂが結合される構成である。

左パネル９０Ｌと右パネル９０Ｒとは、外形形状を略左右対称形とされており、実施形態では、左パネル９０Ｌを例に採り、詳細に説明する。左パネル９０Ｌは、膨張完了時の本体膨張部１７における左壁部１８ｃから、左側突出膨張部２９Ｌの左壁部２９ａにかけての部位を構成するもので、図７に示すように、本体膨張部１７の左壁部１８ｃの領域を構成する略三角形状の本体部９１Ｌの後端側に、左側突出膨張部２９Ｌの左壁部２９ａを構成する略台形状の突出部９２Ｌを、連結させて構成されている。この突出部９２Ｌは、外形形状を、中央パネル８０における乗員保護部構成部８３の左側部８５Ｌと略一致させて構成されている。

実施形態では、バッグ本体１６を構成する中央パネル８０，左パネル９０Ｌ，右パネル９０Ｒ、左右テザー５０，５２を構成するテザー用基布５１Ｌ，５１Ｒ，５３Ｌ，５３Ｒ、左側前後テザー５５Ｌ，右側前後テザー５５Ｒを構成する後側部位５７Ｌ，５７Ｒ，テザー用基布５９、及び、左側凹部用テザー６５Ｌ，右側凹部用テザー６５Ｒを構成する後側部位６６Ｌ，６６Ｒ，前外側部位６８Ｌ，６８Ｒ，テザー用基布７０は、それぞれ、ポリエステル糸やポリアミド糸等からなる可撓性を有した織布から形成されている。

そして、実施形態のバッグ本体１６は、図６，７に示すように、中央パネル８０，左パネル９０Ｌ，右パネル９０Ｒの対応する縁部相互を、縫合糸を用いて縫着（結合）させることにより、袋状とされている。具体的には、中央パネル８０における周壁構成部８１の左縁８１ｂは、左パネル９０Ｌにおける本体部９１Ｌの上縁９１ａから下縁９１ｂにかけてと結合される。周壁構成部８１の右縁８１ｃは、右パネル９０Ｒにおける本体部９１Ｒの上縁９１ａから下縁９１ｂにかけてと結合される。周壁構成部８１の後縁８１ａは、中央パネル８０における乗員保護部構成部８３の下縁８３ａと結合される。乗員保護部構成部８３における左縁８３ｂは、左パネル９０Ｌにおける本体部９１Ｌの後縁９１ｃと、突出部９２Ｌの上縁９２ａ，９２ｂ，９２ｃと結合される。乗員保護部構成部８３における右縁８３ｃは、右パネル９０Ｒにおける本体部９１Ｒの後縁９１ｃと、突出部９２Ｒの上縁９２ａ，９２ｂ，９２ｃと結合される。

この実施形態の助手席用エアバッグ装置Ｍは、内部にリテーナ９を収納させた状態のエアバッグ１５を、ケース１２内に収納可能に折り畳み、周囲を、破断可能な図示しないラッピングシートによりくるんだ状態で、ケース１２内に収納させ、インフレーター８を、リテーナ９を利用してエアバッグ１５のガス流入口２１の周縁とともに、ケース１２に連結させ、その後、折り畳まれたエアバッグ１５とインフレーター８とを収納保持させたケース１２を、車両Ｖに搭載されたインパネに形成される図示しないエアバッグカバーに連結させれば、車両Ｖに搭載させることができる。

実施形態の助手席用エアバッグ装置Ｍでは、車両Ｖに搭載した状態で、車両Ｖの前面衝突時、斜め衝突時、若しくは、オフセット衝突時に、インフレーター８が作動することとなり、エアバッグ１５が、内部に膨張用ガスを流入させて膨張し、ケース１２から突出しつつ、図８に示すように膨張を完了させることとなる。

そして、実施形態の助手席用エアバッグ装置Ｍでは、運転席ＤＳ側となる左側の領域を例に採り説明すれば、前突用拘束面３３が、２個の左側突状面３５Ｌ，中央側突状面３６を左右方向側で並設させる構成とされており、この２個の左側突状面３５Ｌ，中央側突状面３６を形成する左側前後テザー５５Ｌは、前突用拘束面３３における左右方向の中央（取付中心線ＣＬ）よりも左側拘束用凹部４０Ｌ側となる凹部側領域としての左側領域３４Ｌに、連結される構成であることから、従来のごとく、左右方向の中央と拘束用凹部（外側突出部）との間の領域に、１つの突出部を配設させる場合と比較して、左側拘束用凹部４０Ｌに隣接して形成される左側突状面３５Ｌの曲率を大きくすることができる。そのため、車両Ｖの斜め衝突時若しくはオフセット衝突時において、乗員ＭＰの頭部ＭＨが左斜め前方に向かって移動する際に、多少、左右方向の中央側にずれて、前突用拘束面３３の凹部側領域３４Ｌに接触することとなっても、乗員ＭＰの頭部ＭＨは、図９に示すように、左側拘束用凹部４０Ｌに隣接して形成される左側突状面３５Ｌのみと接触するような態様となる。そして、この左側突状面３５Ｌは、前突用拘束面３３において左右方向の中央よりも左側拘束用凹部４０Ｌ側にずれた位置に連結される左側前後テザー５５Ｌと、左側拘束用凹部４０Ｌと、の間の左右の幅寸法の小さなエリアに形成されることから、広い面積で頭部ＭＨと接触することを抑制できて、頭部ＭＨを、移動方向と逆方向側に向かうように回転させがたく、左側突状面３５Ｌへの接触後、そのまま、円滑に左側拘束用凹部４０Ｌ内に進入させることができる。その結果、乗員ＭＰの頭部ＭＨを、左側拘束用凹部４０Ｌ内に進入させることにより、的確に保護することができる。

したがって、実施形態の助手席用エアバッグ装置Ｍでは、斜め前方に向かって移動する乗員ＭＰの頭部ＭＨを、左右方向側でずれた位置で受け止めることとなっても、乗員ＭＰの頭部ＭＨを安定して保護することができる。

また、実施形態の助手席用エアバッグ装置Ｍでは、左側斜突用拘束面３８Ｌが、前突用拘束面３３から後方に向かって突出するように、形成されていることから、乗員ＭＰの頭部ＭＨが左斜め前方に向かって移動する際に、左側斜突用拘束面３８Ｌ側（左右方向の外方）にずれることとなっても、乗員ＭＰの頭部ＭＨを、前突用拘束面３３から後方に延びるように配置される左側斜突用拘束面３８Ｌによって受け止め、その後、この左側斜突用拘束面３８Ｌによって、左側拘束用凹部４０Ｌ側に案内することができることから、斜め衝突時若しくはオフセット衝突時に、左斜め前方に向かって移動する乗員ＭＰの頭部ＭＨを、左側拘束用凹部４０Ｌによって、一層安定して受け止めることができる。なお、このような点を考慮しなければ、エアバッグとして、突出膨張部を配置させず、斜突用拘束面を、拘束用凹部を間に挟むようにして、前突用拘束面の左右の外方に、前突用拘束面と略面一に配置させるようにして、乗員保護部を構成しているものを使用してもよい。

実施形態のエアバッグ１５では、左側突状面３５Ｌ（右側突状面３５Ｒ）と中央側突状面３６とは、後方への突出量を同一としているが、図１０に示すエアバッグ１５Ａのように、左側拘束用凹部４０ＡＬから連なるように形成される左側突状面３５ＡＬを、凹部側突状面として、左側突状面３５ＡＬの左右方向の中央側において隣接される隣接突状面としての中央側突状面３６Ａよりも、膨張完了時に、後方に突出して配置させる構成としてもよい。エアバッグ１５Ａをこのような構成とすれば、左斜め前方に向かって移動する乗員ＭＰの頭部ＭＨを、隣接突状面としての中央側突状面３６Ａとの接触を抑制して、左側拘束用凹部４０ＡＬ側に配置される凹部側突状面として左側突状面３５ＡＬのみに確実に接触させることができ（図１１参照）、左側突状面３５ＡＬが、乗員ＭＰの頭部ＭＨを回転させることを、一層的確に抑制することができる。このエアバッグ１５Ａも、膨張完了形状を略左右対称形とされている。

さらにまた、図１２に示すエアバッグ１５Ｂのように、前突用拘束面３３Ｂにおいて、左右方向の略中央から左側斜突用拘束面３８ＢＬ側となる斜突側領域（実施形態の場合、左側領域３４ＢＬ）に配設される２つの突状面において、左側斜突用拘束面３８ＢＬ側に配設される左側突状面３５ＢＬ（端側突状面）を、膨張完了時に、左側突状面３５ＢＬの左右の中央側において隣接される隣接突状面としての中央側突状面３６Ｂよりも、前方に位置させるように、構成してもよい。すなわち、図１２に示すエアバッグ１５Ｂでは、前突用拘束面３３Ｂが、左右方向の中央から左側斜突用拘束面３８ＢＬ側となる斜突側領域（左側領域３４ＢＬ）にかけて、左側斜突用拘束面３８ＢＬまでの間に、２個の突状面（左側突状面３５ＢＬ，中央側突状面３６Ｂ）を左右方向側で並設させ、左側斜突用拘束面３８ＢＬ側に配設される左側突状面３５ＢＬ（端側突状面）が、膨張完了時に、左側突状面３５ＢＬの左右の中央側において隣接される隣接突状面としての中央側突状面３６Ｂよりも、前方に位置するように、構成されている。このエアバッグ１５Ｂでは、左側突状面３５ＢＬは、左側斜突用拘束面３８ＢＬと中央側突状面３６Ｂとの間に乗員ＭＰの頭部ＭＨを円滑に進入可能とするように、左右方向側の幅寸法Ｌ３（図１３参照）を、５０〜１００ｍｍ程度に設定することが好ましく、実施形態では、７０ｍｍに設定されている。このエアバッグ１５Ｂも、膨張完了形状を略左右対称形とされている。

このような構成のエアバッグ１５Ｂを使用すれば、左右方向の中央側に配置される中央側突状面３６Ｂ（隣接突状面）が、エアバッグ１５Ｂの膨張完了時に、左側斜突用拘束面３８ＢＬ側に配置される端側突状面としての左側突状面３５ＢＬよりも後方に突出して配置される構成であり、左側突状面３５ＢＬと中央側突状面３６Ｂとの間には、左側突状面３５ＢＬ分の隙間が生じていることから、左斜め前方に向かって移動する乗員ＭＰの頭部ＭＨが、多少、左右方向側でずれることとなっても、乗員ＭＰの頭部ＭＨを、円滑に、中央側突状面３６Ｂと左側斜突用拘束面３８ＢＬとの間の隙間に進入させることができる（図１３参照）。そして、乗員ＭＰの頭部ＭＨを、中央側突状面３６Ｂと左側斜突用拘束面３８ＢＬとで挟み込むようにして、左側斜突用拘束面３８ＢＬと、中央側突状面３６Ｂと、左側突状面３５Ｂと、の三点で保持しつつ、水平方向側への回転を抑制して、乗員ＭＰの頭部ＭＨを、的確に保護することができる。

エアバッグ１５Ｂをこのような構成とする場合、左側斜突用拘束面３８ＢＬと左側突状面３５ＢＬ（前突用拘束面３３Ｂ）との間に、左側拘束用凹部を設けない構成としても、乗員の頭部を、支障なく保護することができる。しかしながら、実施形態のごとく、前突用拘束面３３Ｂと左側斜突用拘束面３８ＢＬとの間に、乗員ＭＰの頭部ＭＨを進入させて拘束させるための左側拘束用凹部４０ＢＬを、前方に凹ませるようにして、形成する構成とすれば、斜め前方に向かって移動する乗員ＭＰの頭部ＭＨを、隣接突状面としての中央側突状面３６Ｂと左側斜突用拘束面３８ＢＬとの間に進入させた後、さらに、左側拘束用凹部４０ＢＬ内に進入させて保護することが可能となり、乗員ＭＰの頭部ＭＨを、一層的確に保護することができる。実施形態のごとく、左側拘束用凹部４０ＢＬを備える構成とする場合には、左側拘束用凹部４０ＢＬの凹みの先端（前端４０ａ）とエアバッグ１５Ｂの前端（本体膨張部１７Ｂの前端１７ａ）側とを連結する左側凹部用テザー６５ＢＬが、前突用拘束面３３Ｂの左端側（左側斜突用拘束面３８ＢＬの前端側）をエアバッグ１５Ｂの前端側に連結させる前後テザーを、共用することとなる。勿論、上記のような点を考慮しなければ、端側突状面を隣接突状面よりも前方に位置させる構成のエアバッグに限り、拘束用凹部を配置させない構成とすることもできるが、拘束用凹部を配置させない構成とする場合には、斜突用拘束面と前突用拘束面との境界部位に、別途、この境界部位をエアバッグの前端側に連結させる前後テザーを配置させることが必要である。

実施形態のエアバッグ１５，１５Ａ，１５Ｂでは、左側斜突用拘束面３８Ｌ，３８ＡＬ，３８ＢＬ，右側斜突用拘束面３８Ｒ，３８ＡＲ，３８ＢＲと、左側拘束用凹部４０Ｌ，４０ＡＬ，４０ＢＬ，右側拘束用凹部４０Ｒ，４０ＡＲ，４０ＢＲと、が、前突用拘束面３３，３３Ａ，３３Ｂの左右両側に配設され、前突用拘束面３３，３３Ａ，３３Ｂにおける左側領域３４Ｌ，３４ＡＬ，３４ＢＬ，右側領域３４Ｒ，３４ＡＲ，３４ＢＲに、それぞれ、２個ずつの突状面３５Ｌ，３５Ｒ，３５ＡＬ，３５ＡＲ，３５ＢＬ，３５ＢＲ，３６，３６Ａ，３６Ｂが、形成されている構成である。そのため、車外側前方（実施形態の場合、右斜め前方）と車内側前方（左斜め前方）とに向かって移動する乗員ＭＰの頭部ＭＨを、それぞれ、的確に保護することができる。なお、このような点を考慮しなければ、エアバッグとして、斜突用拘束面と拘束用凹部とを、前突用拘束面の左右のどちらか一方のみに配設させ、突状面も、前突用拘束面におけるどちらか一方の領域のみに、配設させる構成としてもよい。

なお、エアバッグ１５，１５Ａ，１５Ｂにおける突状面３５Ｌ，３５Ｒ，３５ＡＬ，３５ＡＲ，３５ＢＬ，３５ＢＲ，３６，３６Ａ，３６Ｂの外形形状（突出状態）の違いは、内部に配置される左側前後テザー５５Ｌ，５５ＡＬ，５５ＢＬ，右側前後テザー５５Ｒ，５５ＡＲ，５５ＢＲの長さ寸法を変更したり、後側部位５７Ｌ，５７Ｒ，５７ＡＬ，５７ＡＲ，５７ＢＬ，５７ＢＲの後側壁部２６，２６Ａ，２６Ｂへの結合位置を変更することにより、適宜変更することができる。具体的には、エアバッグ１５における左側前後テザー５５Ｌ，右側前後テザー５５Ｒと比較して、左側前後テザー５５ＡＬ，右側前後テザー５５ＡＲの長さ寸法を小さくしたり、後側部位５７ＡＬ，５７ＡＲの後側壁部２６Ａへの結合位置を相対的に左右方向の中央側にずらしたりすれば、エアバッグ１５Ａのごとく、左側突状面３５ＡＬ，右側突状面３５ＡＲ（凹部側突状面）を、中央側突状面３６Ａ（隣接突状面）よりも後方に突出させるように構成することができる。逆に、エアバッグ１５と比較して、左側前後テザー５５ＢＬ，右側前後テザー５５ＢＲの長さ寸法を大きくしたり、後側部位５７ＢＬ，５７ＢＲの後側壁部２６Ｂへの結合位置を相対的に左右方向の外方側にずらしたりすれば、エアバッグ１５Ｂのごとく、左側突状面３５ＢＬ，右側突状面３５ＢＲ（端側突状面）を、中央側突状面３６Ｂ（隣接突状面）よりも前方に位置させるように構成することができる。

また、実施形態のエアバッグ１５，１５Ａ，１５Ｂでは、突状面３５Ｌ，３５Ｒ，３５ＡＬ，３５ＡＲ，３５ＢＬ，３５ＢＲ，３６，３６Ａ，３６Ｂを、前突用拘束面３３，３３Ａ，３３Ｂの左右の全域にわたる領域で、３個並設させた構成としているが、突状面の数は実施形態に限られるものではなく、図１４〜１６に示すエアバッグ１５Ｃ，１５Ｄ，１５Ｅのごとく、中央側突状面３６Ｃ，３６Ｃ，３６Ｄ，３６Ｄ，３６Ｅ，３６Ｅ（隣接突状面）を２個並設させることにより、突状面３５ＣＬ，３５ＣＲ，３５ＤＬ，３５ＤＲ，３５ＥＬ，３５ＥＲ，３６Ｃ，３６Ｃ，３６Ｄ，３６Ｄ，３６Ｅ，３６Ｅを、前突用拘束面３３Ｃ，３３Ｄ，３３Ｅの左右の全域にわたる領域で、４個並設させる構成としてもよい。このエアバッグ１５Ｃ，１５Ｄ，１５Ｅでは、左側前後テザー５５ＣＬ，５５ＤＬ，５５ＥＬと右側前後テザー５５ＣＲ，５５ＤＲ，５５ＥＲとの間に、エアバッグ１５Ｃ，１５Ｄ，１５Ｅの前端側と前突用拘束面３３Ｃ，３３Ｄ，３３Ｅとを連結する中央側前後テザー９５Ｃ，９５Ｄ，９５Ｅを配置させることにより、膨張完了時に、４個の突状面３５ＣＬ，３５ＣＲ，３５ＤＬ，３５ＤＲ，３５ＥＬ，３５ＥＲ，３６Ｃ，３６Ｃ，３６Ｄ，３６Ｄ，３６Ｅ，３６Ｅを、前突用拘束面３３Ｃ，３３Ｄ，３３Ｅを並設させる構成である。中央側前後テザー９５Ｃ，９５Ｄ，９５Ｅは、ガス流入口２１の周縁から延びる前側部位９６Ｃ，９６Ｄ，９６Ｅと、後側壁部２６Ｃ，２６Ｄ，２６Ｅ側（前突用拘束面３３Ｃ，３３Ｄ，３３Ｅ側）から延びる後側部位９７Ｃ，９７Ｄ，９７Ｅと、を連結させるようにして、構成されるもので、後側部位９７Ｃ，９７Ｄ，９７Ｅは、詳細な図示を省略するが、上述の左側前後テザー５５Ｌにおける後側部位５７Ｌと、外形形状を略同一とされている。

また、このエアバッグ１５Ｃ，１５Ｄ，１５Ｅにおいても、３４ＣＬ，３４ＣＲ，３４ＤＬ，３４ＤＲ，３４ＥＬ，３４ＥＲ，３５Ｃ，３５Ｃ，３５Ｄ，３５Ｄ，３５Ｅ，３５Ｅの外形形状（突出状態）の違いは、内部に配置される左側前後テザー５５Ｌ，５５ＡＬ，５５ＢＬ，右側前後テザー５５Ｒ，５５ＡＲ，５５ＢＲの長さ寸法を変更したり、後側部位５７ＣＬ，５７ＣＲ，５７ＤＬ，５７ＤＲ，５７ＥＬ，５７ＥＲの後側壁部２６Ｃ，２６ＡＤ，２６Ｅへの結合位置を変更することにより、適宜変更することができる。具体的には、すべての突状面３５ＣＬ，３５ＣＲ，３６Ｃ，３６Ｃの後方への突出量を同一としているエアバッグ１５における左側前後テザー５５ＣＬ，右側前後テザー５５ＣＲと比較して、左側前後テザー５５ＤＬ，右側前後テザー５５ＤＲの長さ寸法を小さくしたり、後側部位５７ＤＬ，５７ＤＲの後側壁部２６Ｄへの結合位置を相対的に左右方向の中央側にずらしたりすれば、エアバッグ１５Ｄのごとく、左側突状面３５ＤＬ，右側突状面３５ＤＲ（凹部側突状面）を、中央側突状面３６Ｄ，３６Ｄ（隣接突状面）よりも後方に突出させるように構成ができる。逆に、エアバッグ１５Ｃと比較して、左側前後テザー５５ＥＬ，右側前後テザー５５ＥＲの長さ寸法を大きくしたり、後側部位５７ＥＬ，５７ＥＲの後側壁部２６Ｅへの結合位置を相対的に左右方向の外方側にずらしたりすれば、エアバッグ１５Ｅのごとく、左側突状面３５ＥＬ，右側突状面３５ＥＲ（端側突状面）を、中央側突状面３６Ｅ，３６Ｅ（隣接突状面）よりも前方に位置させるように構成することができる。

１…インパネ、８…インフレーター、１２…ケース（収納部位）、１５，１５Ａ，１５Ｂ，１５Ｃ，１５Ｄ，１５Ｅ…エアバッグ、３２，３２Ａ，３２Ｂ，３２Ｃ，３２Ｄ，３２Ｅ…乗員保護部、３３，３３Ａ，３３Ｂ，３３Ｃ，３３Ｄ，３３Ｅ…前突用拘束面、３４Ｌ，３４ＡＬ，３４ＢＬ，３４ＣＬ，３４ＤＬ，３４ＥＬ…左側領域（凹部側領域、斜突側領域）、３４Ｒ，３４ＡＲ，３４ＢＲ，３４ＣＲ，３４ＤＲ，３４ＥＲ…右側領域（凹部側領域、斜突側領域）、３５Ｌ，３５ＡＬ，３５ＢＬ，３５ＣＬ，３５ＤＬ，３５ＥＬ…左側突状面（凹部側突状面，端側突状面）、３５Ｒ，３５ＡＲ，３５ＢＲ，３５ＣＲ，３５ＤＲ，３５ＥＲ…右側突状面（凹部側突状面，端側突状面）、３６，３６Ａ，３６Ｂ，３６Ｃ，３６Ｄ，３６Ｅ…中央側突状面（隣接側突状面）、３８Ｌ，３８ＡＬ，３８ＢＬ，３８Ｃｌ，３８ＤＬ，３８ＥＬ…左側斜突用拘束面、３８Ｒ，３８ＡＲ，３８ＢＲ，３８ＣＲ，３８ＤＲ，３８ＥＲ…右側斜突用拘束面、４０Ｌ，４０ＡＬ，４０ＢＬ，４０ＣＬ，４０ＤＬ，４０ＥＬ…左側拘束用凹部、４０Ｒ，４０ＡＲ，４０ＢＲ，４０ＣＲ，４０ＤＲ，４０ＥＲ…右側拘束用凹部、５５Ｌ，５５ＡＬ，５５ＢＬ，５５ＣＬ，５５ＤＬ，５５ＥＬ…左側前後テザー、５５Ｒ，５５ＡＲ，５５ＢＲ，５５ＣＲ，５５ＤＲ，５５ＥＲ…右側前後テザー、６５Ｌ，６５ＡＬ，６５ＢＬ，６５ＣＬ，６５ＤＬ，６５ＥＬ…左側凹部用テザー、６５Ｒ，６５ＡＲ，６５ＢＲ，６５ＣＲ，６５ＤＲ，６５ＥＲ…右側凹部用テザー、９５Ｃ，９５Ｄ，９５Ｅ…中央側前後テザー、９６Ｃ，９６Ｄ，９６Ｅ…前側部位、９７Ｃ，９７Ｄ，９７Ｅ…後側部位、ＭＰ…乗員、ＭＨ…頭部、ＰＳ…助手席、Ｖ…車両、Ｍ…助手席用エアバッグ装置。

Claims (5)

1. 助手席前方の収納部位に折り畳まれて収納されるエアバッグを備える助手席用エアバッグ装置であって、
   前記エアバッグが、膨張完了時の前端側を前記収納部位に取り付けられるとともに、膨張完了時の後面側を、乗員保護部として構成され、
   該乗員保護部が、
   車両の前突時に前進移動する前記乗員の頭部を保護可能な前突用拘束面と、
   前記車両の斜め衝突時若しくはオフセット衝突時に斜め前方に向かって移動する前記乗員の頭部を保護可能に、前記前突用拘束面の左右の少なくとも一方側に形成される斜突用拘束面と、
   を備える構成とされるとともに、
   前記前突用拘束面と前記斜突用拘束面との間に、前記乗員の頭部を進入させて拘束させるための拘束用凹部を、前方に凹ませるようにして、構成され、
   前記エアバッグが、内部に、
   前記拘束用凹部の凹みの先端側と前記エアバッグの前端側とを連結する凹部用テザーと、
   前記エアバッグの前端側と、前記前突用拘束面における左右方向の中央よりも前記拘束用凹部側の凹部側領域と、を連結する少なくとも１つの前後テザーと、を配設させる構成とされ、
   前記前突用拘束面が、前記前後テザーにより、膨張完了時に後方に向かって突出するように形成される少なくとも２個の突状面を、左右方向側で並設させる構成とされていることを特徴とする助手席用エアバッグ装置。
2. 前記斜突用拘束面が、前記前突用拘束面から後方に向かって突出するように、形成されていることを特徴とする請求項１に記載の助手席用エアバッグ装置。
3. 前記突状面において、前記拘束用凹部から連なるように形成される凹部側突状面が、該凹部側突状面の左右方向の中央側において隣接される隣接突状面よりも、膨張完了時に、後方に突出して配置される構成とされていることを特徴とする請求項２に記載の助手席用エアバッグ装置。
4. 助手席前方の収納部位に折り畳まれて収納されるエアバッグを備える助手席用エアバッグ装置であって、
   前記エアバッグが、膨張完了時の前端側を前記収納部位に取り付けられるとともに、膨張完了時の後面側を、乗員保護部として構成され、
   該乗員保護部が、
   車両の前突時に前進移動する前記乗員の頭部を保護可能な前突用拘束面と、
   前記車両の斜め衝突時若しくはオフセット衝突時に斜め前方に向かって移動する前記乗員の頭部を保護可能に、前記前突用拘束面の左右の少なくとも一方側において、前記前突用拘束面から後方に向かって突出するように形成される斜突用拘束面と、
   を備える構成とされて、
   前記エアバッグが、内部に、前記エアバッグの前端側と前記前突用拘束面とを連結する少なくとも２つの前後テザーを、配設させる構成とされ、
   前記前突用拘束面が、左右方向の中央から前記斜突用拘束面側となる斜突側領域にかけて、前記各前後テザーを左右方向側でずらして配設させることにより、膨張完了時の前記斜突用拘束面までの間に、後方に向かって突出するように形成される少なくとも２個の突状面を左右方向側で並設させる構成とされ、
   前記突状面において、前記斜突用拘束面側に配置される端側突状面が、膨張完了時に、該端側突状面の左右方向の中央側において隣接される隣接突状面よりも前方に位置するように、構成されていることを特徴とする助手席用エアバッグ装置。
5. 前記前突用拘束面と前記斜突用拘束面との間に、前記乗員の頭部を進入させて拘束させるための拘束用凹部が、前方に凹ませるようにして、形成され、
   前記エアバッグの内部に、前記拘束用凹部の凹みの先端側と前記エアバッグの前端側とを連結する凹部用テザーが、配設され、
   該凹部用テザーが、前記前後テザーのひとつと共用とされていることを特徴とする請求項４に記載の助手席用エアバッグ装置。

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