JP2020002420A - スパッタ成膜方法 - Google Patents

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【課題】シリコン絶縁膜の表面における段差を減らしつつ成長速度の低下を抑制可能にしたスパッタ成膜方法を提供する。【解決手段】シリコン絶縁膜の堆積速度に対するシリコン絶縁膜のエッチング速度の比はE/D比であり、E/D比が0.28以上0.77以下である条件を用いて、凹部LGの深さLH以上の厚さを有したシリコン絶縁膜を、凹部LGを有した対象面に成膜する第1工程と、E/D比が1.0よりも大きい条件を用いて、対象面を覆っているシリコン絶縁膜の厚さが凹部LGの深さLH以上である範囲内で、対象面を覆っているシリコン絶縁膜を物理的にエッチングする第2工程と、を含む。【選択図】図1

Description

本発明は、シリコン絶縁膜によって対象面を覆うスパッタ成膜方法に関する。
タンタル金属膜などの金属膜を形成するスパッタ成膜方法は、半導体装置の製造に用いられて、コンタクトホールやスルーホールなどの凹部の内部にバリア層を形成する。ターゲットと基板電極とにバイアス電圧を印加するスパッタ成膜方法は、凹部の開口部でオーバーハングが成長することを抑えて段差の被覆性を高める(例えば、特許文献1を参照)。
特開2005−285820号公報
シリコン酸化物膜などのシリコン絶縁膜を形成するスパッタ成膜方法は、弾性表面波(SAW:Surface Acoustic Wave)装置の製造に用いられて、励振電極を覆う絶縁層を形成する。励振電極は、例えば、相互に噛み合う一対の櫛歯電極を有する。励振電極を覆うシリコン絶縁膜は、櫛歯電極間の凹部を埋める形状を有し、かつ、シリコン絶縁膜の表面での段差が櫛歯電極の厚さよりも十分に小さいことを求められる。
ここで、シリコン絶縁膜が励振電極を覆うとき、シリコン絶縁膜は、櫛歯電極上と櫛歯電極間とで別々に堆積しはじめる。バイアス電圧を印加しないスパッタ成膜方法は、櫛歯電極間での堆積速度をオーバーハングによって大幅に低下させる。結果として、櫛歯電極間にボイドが形成されたり、シリコン絶縁膜の表面に大きな段差が形成されたりしてしまう。これに対して、バイアス電圧を印加するスパッタ成膜方法は、ボイドの形成や段差の形成を抑える一方で、シリコン絶縁膜の成長速度を大幅に下げてしまう。結局のところ、上述したスパッタ成膜方法は、依然として改善の余地を残している。
なお、上述した課題は、SAW装置の製造に限られず、凹部を有した対象面をシリコン絶縁膜によって覆うスパッタ成膜方法に共通する。
本発明は、シリコン絶縁膜の表面における段差を減らしつつ成長速度の低下を抑制可能にしたスパッタ成膜方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するためのスパッタ成膜方法は、シリコンターゲットを用いた反応性スパッタによるシリコン絶縁膜の堆積、および、当該シリコン絶縁膜に対するスパッタガスを用いた物理的なエッチングを同時に行い、凹部を有した対象面にシリコン絶縁膜を成膜するスパッタ成膜方法である。前記シリコン絶縁膜の堆積速度に対する前記シリコン絶縁膜のエッチング速度の比はE/D比である。そして、前記E/D比が0.28以上0.77以下である条件を用いて、前記凹部の深さ以上の厚さを有した前記シリコン絶縁膜を前記対象面に成膜する第1工程と、前記E/D比が1.0よりも大きい条件を用いて、前記対象面を覆っている前記シリコン絶縁膜の厚さが前記凹部の深さ以上である範囲内で、前記対象面を覆っている前記シリコン絶縁膜を物理的にエッチングする第2工程と、を含む。
上記スパッタ成膜方法によれば、第1工程は、堆積とエッチングとを同時に進めてボイドの形成を抑える。この際、第1工程でのE/D比が1.0よりも大幅に小さいため、凹部内のシリコン絶縁膜が過度にエッチングされず、シリコン絶縁膜の成長速度が大幅に低下することを抑えられる。そして、E/D比が1.0よりも大きい第2工程は、凹部周囲上のシリコン絶縁膜を優先的にエッチングして、第1工程で形成された段差を減らす。それゆえに、シリコン絶縁膜の表面における段差を減らしつつ成長速度の低下が抑制可能である。
上記スパッタ成膜方法において、前記物理的なエッチングは、前記対象面を有した基板を支持するステージに高周波電力を供給することによって行われ、前記第2工程は、前記第1工程において前記シリコンターゲットに供給する電力よりも小さい電力を前記シリコンターゲットに供給して前記E/D比を1.0よりも大きくしてもよい。このスパッタ成膜方法によれば、シリコンターゲットに供給する電力を小さくすることによって第1工程から第2工程に移ることが可能であるから、第1工程から第2工程に移ることを円滑に進めることが可能となる。
上記スパッタ成膜方法において、前記ステージに供給する単位面積当たりの電力が1W/cm以下であってもよい。このスパッタ成膜方法によれば、ステージに供給される高周波電力によって対象面の温度が過度に高まることが抑制可能である。
上記スパッタ成膜方法において、前記対象面を有した基板を静電チャックに保持して冷却しながら前記シリコン絶縁膜の堆積と前記シリコン絶縁膜の物理的なエッチングとを行ってもよい。このスパッタ成膜方法によれば、対象面の温度が過度に高まることがさらに抑制可能である。
上記スパッタ成膜方法において、前記凹部は、ニオブ酸リチウム層に積層された櫛歯状電極の櫛歯間であってもよい。このスパッタ成膜方法によれば、対象面での過度な温度上昇が抑えられるため、ニオブ酸リチウム層を含む対象面にシリコン絶縁膜を形成することが可能ともなる。
スパッタ成膜方法の一実施形態を行うスパッタ装置の構成を示す構成図。 一実施形態における電力の供給タイミングを示すタイミングチャート。 (a)第1工程の途中に形成されるシリコン絶縁膜の形状を示す断面図、(b)第1工程の終了時におけるシリコン絶縁膜の形状を示す断面図、(c)第2工程の終了時におけるシリコン絶縁膜の形状を示す断面図。
以下、図1から図3を参照して、スパッタ成膜方法の一実施形態を説明する。まず、スパッタ成膜方法を行うスパッタ装置の構成を説明し、次いで、スパッタ装置が行うスパッタ成膜方法を説明する。
図1が示すように、スパッタ装置は、真空チャンバー11とコントローラー21とを備える。真空チャンバー11は、ステージ12とシリコンターゲット14とを収容する。ステージ12は、真空チャンバー11に搬入された基板Sを載置する。ステージ12は、基板Sを静電力で吸着する静電チャックである。ステージ12は、基板Sの吸着を通して基板Sを冷却する。コントローラー21は、プロセッサとメモリとを備えて各種の処理を行う。
基板Sの表面は、圧電体層L1を含む。圧電体層L1を構成する材料は、例えば、ニオブ酸リチウムである。基板Sは、圧電体層L1の上に、櫛歯状電極である励振電極L2を備える。励振電極L2を構成する材料は、例えば、アルミニウムである。
励振電極L2は、圧電体層L1の上面で隙間を空けて並ぶ。励振電極L2のなかで相互に隣り合う櫛歯間は、凹部LGである。凹部LGの深さLHは、励振電極L2の厚さである。励振電極L2は、基板Sの表面で凹凸面を構成する。基板Sの凹凸面は、スパッタ成膜が行われる対象面である。
ステージ12は、ステージ電源13に接続されている。ステージ電源13は、コントローラー21から指令を受けて、高周波電力をステージ12に供給する。高周波電力の周波数は、例えば、13.56MHzである。
コントローラー21は、ステージ電源13を駆動して、ステージ電源13が出力する電力を変更する。ステージ12に供給された高周波電力は、スパッタガスのイオンを基板Sに向けて引き込む。基板Sに引き込まれたイオンは、基板Sの表面に堆積したシリコン絶縁膜を物理的にエッチングする。
シリコンターゲット14は、ステージ12と対向する。ターゲットを構成する主成分は、ケイ素である。シリコンターゲット14は、バッキングプレートなどを介して、カソード電源15に接続されている。カソード電源15は、コントローラー21から指令を受けて、シリコンターゲット14に高周波電力を供給する。
コントローラー21は、カソード電源15を駆動して、カソード電源15が出力する電圧を変更する。シリコンターゲット14に供給された高周波電力は、スパッタガスのイオンをシリコンターゲット14に向けて引き込む。シリコンターゲット14に引き込まれたイオンは、シリコンターゲット14の表面からスパッタ粒子を放出させる。シリコンターゲット14から放出されたスパッタ粒子は、反応ガスと反応して、シリコン絶縁膜として基板Sの表面に堆積する。
ガス供給部16は、コントローラー21から指令を受けて、真空チャンバー11にプロセスガスを供給する。プロセスガスは、例えば、アルゴンなどのスパッタガスと、ケイ素と反応する反応ガスとを含む。コントローラー21は、ガス供給部16を駆動して、ガス供給部16が供給するガスの流量を変更する。
シリコン絶縁膜がシリコン酸化物膜である場合、反応ガスは、例えば、酸素、あるいは、一酸化二窒素である。シリコン絶縁膜がシリコン酸窒化物膜である場合、反応ガスは、例えば、一酸化二窒素、あるいは、二酸化窒素である。シリコン絶縁膜がシリコン窒化物膜である場合、反応ガスは、例えば、窒素、あるいは、アンモニアである。
次に、上記スパッタ装置が行うスパッタ成膜方法を説明する。
スパッタ成膜方法において、シリコン絶縁膜の堆積速度に対するシリコン絶縁膜のエッチング速度の比は、E/D比である。
シリコン絶縁膜の堆積速度は、物理的なエッチングが行われない状態でのシリコン絶縁膜の成膜速度である。物理的なエッチングが行われない状態は、ステージ12に供給される高周波電力が0Wである状態である。シリコン絶縁膜の堆積速度は、基板Sでの成膜に先駆けて測定される。シリコン絶縁膜の堆積速度の測定は、平坦面を対象面とした測定用基板を用いて行われる。
シリコン絶縁膜のエッチング速度は、シリコンターゲット14からスパッタ粒子が放出されない状態でのシリコン絶縁膜の膜厚の変化速度である。シリコンターゲット14からスパッタ粒子が放出されない状態は、シリコンターゲット14に供給される高周波電力が0Wである状態である。シリコン絶縁膜のエッチング速度は、基板Sでの成膜に先駆けて測定される。シリコン絶縁膜のエッチング速度の測定は、シリコン絶縁膜を対象面とした測定用基板を用いて行われる。
スパッタ成膜方法は、第1工程と第2工程とを含む。
第1工程のE/D比は、0.28以上0.77以下である。第1工程で成膜するシリコン絶縁膜の厚さは、凹部LGの深さLH以上であって、凹部LGの深さLHよりも補完厚さLS(図3(b)参照)だけ厚い。
補完厚さLSは、例えば、500nm以上1000nm以下である。補完厚さLSが500nm以上であれば、第2工程による物理的なエッチングによって励振電極L2が露出することが十分に抑えられる。また、補完厚さLSが1000nm以下であれば、第1工程の処理時間を短くする、すなわち、第1工程と第2工程とを通じた成膜速度の低下を十分に抑えられる。
なお、基板Sの温度が過度に高まることが抑えられる観点から、第1工程でステージ12に供給される高周波電力は、単位面積当たりに1W/cm以下であることが好ましい。凹部LGの深さLHは、例えば、200nm以上1000nm以下である。凹部LGの間隙は、例えば、1000nm以上である。
第2工程のE/D比は、1.0よりも大きい。第2工程は、第1工程で成膜されたシリコン絶縁膜をエッチングする。第2工程でエッチングするシリコン絶縁膜の厚さは、エッチング厚さである。
エッチング厚さは、第2工程後のシリコン絶縁膜が凹部LGの深さLH以上の厚さを有する範囲であって、補完厚さLSよりも薄い。シリコン絶縁膜の表面における段差を減らす観点では、エッチング厚さが720nm以上であることが好ましい。エッチング厚さが720nm以上であれば、シリコン絶縁膜の表面における突起31T(図3(c)を参照)の高さLTを十分に小さくすることが可能である。
なお、基板Sの温度が過度に高まることが抑えられる観点から、第2工程でステージ12に供給される高周波電力は、単位面積当たりに1W/cm以下であることが好ましい。
図2が示すように、コントローラー21は、タイミングT0からタイミングT1まで第1工程を行い、次いで、タイミングT1からタイミングT2まで第2工程を行う。
コントローラー21は、カソード電源15の駆動をタイミングT0に開始して、シリコンターゲット14に対して高周波電力Ptarの供給を開始する。タイミングT0から供給される高周波電力Ptarは、高レベルPHである。
コントローラー21は、ステージ電源13の駆動をタイミングT0に開始して、ステージ12に対して高周波電力Psubの供給を開始する。タイミングT0から供給される高周波電力Psubは、引き込みレベルPBである。
コントローラー21は、カソード電源15の駆動をタイミングT1に変更して、シリコンターゲット14に供給する高周波電力Ptarを変更する。タイミングT1から供給される高周波電力Ptarは、低レベルPLである。すなわち、コントローラー21は、タイミングT1で高周波電力Ptarのみを高レベルPHから低レベルPLに変更する。
コントローラー21は、ステージ電源13の駆動、および、カソード電源15の駆動をタイミングT2に停止して、高周波電力Psubの供給、および、高周波電力Ptarの供給を停止する。
第1工程は、高周波電力Ptarを高レベルPHで供給して、スパッタ粒子がシリコンターゲット14から放出されることを促す。高周波電力Ptarの供給は、低レベルPLの供給よりも、シリコン絶縁膜の堆積速度を高める。第1工程は、高周波電力Psubを引き込みレベルPBで供給して、一旦堆積したシリコン絶縁膜が物理的にエッチングされることを促す。これらによって、第1工程は、E/D比を、0.28以上0.77以下の範囲内とする。
ここで、第1工程は、シリコン絶縁膜の堆積とエッチングとを同時に行う。この際、図3(a)が示すように、励振電極L2の上方と、励振電極L2の間である凹部LGの内部とでは、別々にシリコン絶縁膜31が堆積しはじめる。一方、引き込みレベルPBによる物理なエッチングは、励振電極L2の上方に堆積したシリコン絶縁膜31、特に、励振電極L2の角部上に位置するシリコン絶縁膜31で、優先的に進む。結果として、凹部LGの開口部でオーバーハングが形成されること、ひいては、凹部LGの内部にボイドが形成されることが抑制される。
第1工程は、E/D比を1.0よりも大幅に小さくして、凹部LGの内部でシリコン絶縁膜31が過度にエッチングされることを抑える。そして、第1工程は、シリコン絶縁膜31の成長速度が過度に低下することを抑える。一方、成長速度の低下が抑えられた条件下では、励振電極L2の上方と、凹部LGの内部との間で、シリコン絶縁膜31の成長速度に少なからずの差が生じる。結果として、第1工程の終了時には、図3(b)が示すように、シリコン絶縁膜31は、凹部LGにボイドを有さず、かつ、表面に段差31Gを有した形状を有する。
第2工程は、高周波電力Ptarを低レベルPLに変更して、スパッタ粒子がシリコンターゲット14から放出されることを抑える。第2工程は、高周波電力Psubを引き込みレベルPBに保ち、第1工程で成膜されたシリコン絶縁膜が物理的にエッチングされることを促す。これらによって、第2工程は、E/D比を、1.0以下の範囲内とする。
ここで、第2工程は、シリコン絶縁膜31の表面のかなで見込み角が広い部位を優先的にエッチングする。シリコン絶縁膜31の表面のなかで見込み角が広い部位は、例えば、図3(b)において、励振電極L2の角部の上方に位置する。結果として、第2工程の終了時には、図3(c)が示すように、第1工程で形成された段差31Gが減らされて、シリコン絶縁膜31の表面が均される。均されたシリコン絶縁膜31の表面は、励振電極L2の上方に小さな突起31Tを有する。突起31Tの高さLTは、凹部LGの深さLHよりも十分に小さい。
[実施例]
次に、上記スパッタ成膜方法の実施例を説明する。
圧電体層L1としてニオブ酸リチウム層を有する基板Sを用い、以下の成膜条件によるシリコン酸化膜をシリコン絶縁膜として成膜した。シリコン酸化膜の断面像を走査電子顕微鏡で観察した結果、励振電極L2の間隙にボイドは認められなかった。また、突起31Tの高さLTは、100nmであって、凹部LGの深さLHよりも十分に小さいことが認められた。
なお、第2工程の処理時間を変更してエッチング厚さを520nmとした結果、突起31Tの高さLTは、200nmであって、凹部LGの深さLHよりも小さいことが認められた。また、第2工程の処理時間を変更してエッチング厚さを280nmとした結果、突起31Tの高さLTは、320nmであって、凹部LGの深さLHよりも小さいことが認められた。
・基板温度 : 室温
・凹部LGの深さLH : 400nm
・凹部LGの間隙 :1400nm
・ターゲット直径 : 300mm
・成膜圧力 : 1.0Pa
・スパッタガス : アルゴン
・反応ガス : 酸素
・高周波電力Ptar :3000W(第1工程)、 50W(第2工程)
・高周波電力Psub : 250W
・処理時間 :4000秒(第1工程)、 4000秒(第2工程)
・第1工程 E/D比 : 0.304
・第1工程 堆積速度 :13nm/min
・第2工程 エッチング速度: 4nm/min
・第2工程 E/D比 : 1.136
・第2工程 エッチング厚さ: 720nm
上記実施の形態によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)第1工程は、シリコン絶縁膜の堆積と、シリコン絶縁膜のエッチングとを同時に進めてボイドの形成を抑える。
(2)第1工程でのE/D比が0.28以上0.77以下であるから、凹部LGの内部においてシリコン絶縁膜が過度にエッチングされず、シリコン絶縁膜の成長速度が大幅に低下することも抑えられる。
(3)E/D比が1.0よりも大きい第2工程は、励振電極L2上のシリコン絶縁膜を優先的にエッチングして、第1工程で形成された段差31Gを減らす。
すなわち、ボイドの形成を抑え、さらに、突起31Tの高さLTを凹部LGの深さLHよりも小さくするためには、E/D比を第1工程よりもさらに大きくすることを要する。その結果、シリコン絶縁膜の成膜速度が大幅に低くなってしまう。この点、上記第1工程であれば、ボイドの形成を抑えることのみに特化したE/D比が採用されるため、上記(2)に準じた効果が得られる。そして、上記第2工程であれば、第1工程で形成された段差31Gを減らすことのみに特化した処理が可能ともなる。それゆえに、シリコン絶縁膜の表面における段差を減らしつつ成長速度の低下が抑制可能である。
(4)シリコンターゲット14に供給する電力を小さくすることによって第1工程から第2工程に移ることが可能であるから、第1工程から第2工程に移ることを円滑に進めることが可能となる。
(5)ステージ12に供給する単位面積当たりの電力が1W/cm以下である方法によれば、ステージ12に供給される高周波電力によって基板Sの温度が過度に高まることが抑制可能である。
(6)基板Sを静電チャックに保持して冷却しながらシリコン絶縁膜の堆積とエッチングとが行われるため、基板Sの温度が過度に高まることがさらに抑制可能である。
(7)圧電体層L1がニオブ酸リチウム層である場合、圧電体層L1の特性を保つうえで、基板Sの温度を室温程度に保つことが求められる。この点、上記(5)、(6)に準じた効果が得られる上記構成であれば、ニオブ酸リチウム層を含む基板Sにシリコン絶縁膜を形成することが可能ともなる。
上記実施の形態は、以下のように変更して実施することもできる。
・成膜する対象である基板Sは、基板Sの表面に凹凸面を有していればよい。すなわち、凹凸面は、櫛歯状電極以外によって構成されてもよく、例えば、基板表面に形成された溝や穴などから構成されてもよい。
・ステージ12は、基板Sを冷却するための冷媒を流通させてもよい。この構成によれば、上記(6)に準じた効果をさらに高めることが可能ともなる。
・コントローラー21は、ステージ12に供給する高周波電力を第1工程から高めることによって第2工程に移行することも可能である。また、コントローラー21は、ステージ12に供給する高周波電力を高め、かつ、シリコンターゲット14に供給する高周波電力を低くすることによって第2工程に移行することも可能である。
LG…凹部、LH…深さ、Psub,Ptar…高周波電力、S…基板、T0,T1,T2…タイミング、11…真空チャンバー、12…ステージ、13…ステージ電源、14…シリコンターゲット、15…カソード電源、16…ガス供給部、21…コントローラー、31…シリコン絶縁膜、31G…段差、31T…突起。

Claims (5)

  1. シリコンターゲットを用いた反応性スパッタによるシリコン絶縁膜の堆積、および、当該シリコン絶縁膜に対するスパッタガスを用いた物理的なエッチングを同時に行い、凹部を有した対象面にシリコン絶縁膜を成膜するスパッタ成膜方法であって、
    前記シリコン絶縁膜の堆積速度に対する前記シリコン絶縁膜のエッチング速度の比はE/D比であり、
    前記E/D比が0.28以上0.77以下である条件を用いて、前記凹部の深さ以上の厚さを有した前記シリコン絶縁膜を前記対象面に成膜する第1工程と、
    前記E/D比が1.0よりも大きい条件を用いて、前記対象面を覆っている前記シリコン絶縁膜の厚さが前記凹部の深さ以上である範囲内で、前記対象面を覆っている前記シリコン絶縁膜を物理的にエッチングする第2工程と、を含む
    スパッタ成膜方法。
  2. 前記物理的なエッチングは、前記対象面を有した基板を支持するステージに高周波電力を供給することによって行われ、
    前記第2工程は、前記第1工程において前記シリコンターゲットに供給する電力よりも小さい電力を前記シリコンターゲットに供給して前記E/D比を1.0よりも大きくする
    請求項1に記載のスパッタ成膜方法。
  3. 前記ステージに供給する単位面積当たりの電力が1W/cm以下である
    請求項2に記載のスパッタ成膜方法。
  4. 前記対象面を有した基板を静電チャックに保持して冷却しながら前記シリコン絶縁膜の堆積と前記シリコン絶縁膜の物理的なエッチングとを行う
    請求項3に記載のスパッタ成膜方法。
  5. 前記凹部は、ニオブ酸リチウム層に積層された櫛歯状電極の櫛歯間である
    請求項4に記載のスパッタ成膜方法。
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