JP2020002193A - ポリアミド樹脂組成物の製造方法及び熱安定剤マスターバッチ - Google Patents

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Abstract

【課題】耐熱エージング性に優れるポリアミド樹脂組成物を得ることが可能なポリアミド樹脂組成物の製造方法及び熱安定剤マスターバッチを提供する。【解決手段】ポリアミド樹脂組成物の製造方法を、原料100質量部に対し、(1)ポリアミド66を30〜60質量部、(2)以下の(A)〜(C)を含む熱安定剤マスターバッチ5〜30質量部、(A)ポリアミド6、ポリアミド610、ポリアミド612から選ばれる1種以上のポリアミド樹脂70〜98質量%、(B)アルミン酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウムから選ばれる1種以上のアルカリ金属塩1〜15質量%、(C)トリメリット酸、シクロヘキサンジカルボン酸から選ばれる1種以上の多価カルボン酸1〜15質量%、(3)ガラス繊維15〜50質量部、を含む原料を混合する工程を含むものとする。【選択図】なし

Description

本発明は、ポリアミド樹脂組成物の製造方法及び熱安定剤マスターバッチに関する。
ポリアミド樹脂は、強度、耐熱性、耐薬品性に優れ、さらに金属よりも比重が小さいことから比重にも優れているため、従来から金属代替材料として、自動車の機構部品等に使用されている。
特に、エンジン周辺の部材には、高温環境下での耐久性が要求されることから、種々の耐熱エージング性に優れるポリアミド樹脂組成物が提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。
近年、燃費向上のための手段の一つとして、自動車のダウンサイジングが行われている。これにより自動車エンジンルーム内の部品は高密度化し、エンジンルーム内の環境温度が高くなる傾向にある。
従って、従来よりも高温度条件下での、長期に亘る耐熱エージング性がポリアミド樹脂に求められている。具体的には、150℃〜230℃の高温条件下で長時間使用した際にも、実用上充分な機械的特性を保持できる耐久材の要求が高まっている。
ポリアミド樹脂の耐熱エージング性を向上させる技術として、ポリアミド樹脂に銅化合物(銅の酸化物又は塩)を添加する技術が知られている。
また、同様に、耐熱エージング性を向上させる技術として、融点の異なる2種類のポリアミド樹脂に銅化合物及び酸化鉄を配合する技術(例えば、特許文献3参照)、ポリアミド樹脂に微粒元素鉄を配合する技術(例えば、特許文献4参照)、及びポリアミド樹脂に微細分散化金属粉末を配合する技術(例えば、特許文献5参照)が開示されている。
一方で、アルカリ金属を添加したポリアミド樹脂組成物及びその製造方法に関する技術が開示されている(例えば、特許文献6〜14参照)。
このアルカリ金属を添加したポリアミド樹脂組成物が熱滞留安定性に優れることは従来から知られている。
なお、「熱滞留安定性」とは、ポリアミド樹脂組成物を融点以上の温度に保持し、溶融状態とした際に、樹脂の分解及び変質の程度が低く、その結果、融点以上の温度に保持する行為によるポリアミド樹脂組成物の機械物性の低下や色調の変化が抑制される特性をいう。
アルミン酸金属塩は、従来から、主に黄色度の増加の抑制、熱分解の抑制などを目的に、ポリアミド樹脂に添加されるものであることが知られている。
また、ポリアミド樹脂に、より低融点の樹脂及び熱安定剤を添加する技術が開示されている(例えば、特許文献3参照)。
さらにアルカリ金属塩と酸と低融点ポリアミドと銅系熱安定剤の組み合わせにより、耐熱エージング性を改善する提案がなされている(特許文献15参照)。
特表2013−501095号公報 特表2013−521393号公報 特表2008−527129号公報 特表2006−528260号公報 特表2008−527127号公報 特開2005−206662号公報 特開2004−91778号公報 特開昭49−116151号公報 特開2008−7563号公報 特開2006−316244号公報 特開2005−281616号公報 特開2007−246581号公報 特開2007−246583号公報 特開2006−225593号公報 国際公開第2016/132829号
例えば自動車エンジンルーム内の部品においては、熱に加え、さらに空気中の水蒸気や、LLC(ロングライフクーラント)などの水分を含む液体の飛散にさらされる可能性がある。このため、かかる部品の材料は、高水準の耐熱エージング性を有し、その機械物性の低下を抑制できる特性を有していることが求められる。
しかしながら、特許文献1〜15に記載の技術においては、未だ、高水準の耐熱エージング性を充分に満足するポリアミド樹脂組成物が得られておらず、上述したような技術課題を満足するポリアミド樹脂組成物が求められている。
そこで本発明においては、上述した従来技術の問題点に鑑み、耐熱エージング性に優れるポリアミド樹脂組成物を得ることが可能なポリアミド樹脂組成物の製造方法及び熱安定剤マスターバッチを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、特定の熱安定剤マスターバッチを特定比率で用いたポリアミド樹脂組成物が、高水準の耐熱エージング性を有していることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明のポリアミド樹脂組成物の製造方法は、
原料100質量部に対し、
(1)ポリアミド66を30〜60質量部、
(2)以下の(A)〜(C)を含む熱安定剤マスターバッチ5〜30質量部、
(A)ポリアミド6、ポリアミド610、ポリアミド612から選ばれる1種以上のポリアミド樹脂70〜98質量%、
(B)アルミン酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウムから選ばれる1種以上のアルカリ金属塩1〜15質量%、
(C)トリメリット酸、シクロヘキサンジカルボン酸から選ばれる1種以上の多価カルボン酸1〜15質量%、
(3)ガラス繊維15〜50質量部、
を含む原料を混合する工程を含むものである。
熱安定剤マスターバッチの製造工程において、(A)ポリアミド樹脂を溶融させた状態で(B)アルカリ金属塩および/または(C)多価カルボン酸を溶融混練させることが好ましい。
さらに、前記原料に(4)銅化合物を(1)ポリアミド66 100質量%に対して、銅元素として65ppm以上含むことが好ましい。
本発明の熱安定剤マスターバッチは、(A)ポリアミド6、ポリアミド610、ポリアミド612から選ばれる1種以上のポリアミド樹脂70〜98質量%、
(B)アルミン酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウムから選ばれる1種以上のアルカリ金属塩1〜15質量%、
(C)トリメリット酸、シクロヘキサンジカルボン酸から選ばれる1種以上の多価カルボン酸1〜15質量%、
を含むものである、
本発明によれば、耐熱エージング性に優れるポリアミド樹脂組成物を提供することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
なお、以下の説明は、本発明を説明するための例示であり、本発明を以下の内容に限定する趣旨ではない。本発明は、その要旨の範囲内で適宜変形して実施することができる。
〔ポリアミド樹脂組成物の製造方法〕
本発明のポリアミド樹脂組成物の製造方法は、(1)ポリアミド66、(2)熱安定剤マスターバッチ、(3)ガラス繊維を含む原料を混合する工程を含むものである。混合する工程は特に限定されないが、例えば、単軸又は多軸の押出機によって、(1)ポリアミド66、(2)熱安定剤マスターバッチ、(3)ガラス繊維、及びその他の成分を溶融混練する方法が挙げられる。
中でも、単軸又は多軸の押出機によって(1)ポリアミド66、(2)熱安定剤マスターバッチ、を溶融させた状態で、(3)ガラス繊維を混練する方法を好ましく用いることができる。ポリアミド樹脂組成物がその他の成分を含む場合(例えば後述する(4)銅化合物を含む場合)には、(1)ポリアミド66及び(2)熱安定剤マスターバッチの溶融時に溶融させることが好ましい。
(1)ポリアミド66及び(2)熱安定剤マスターバッチ等を溶融させた状態で(3)ガラス繊維を混練することで、熱安定剤マスターバッチ及びガラス繊維が良好にポリアミド樹脂中に分散し、ガラス繊維長を長い状態で組成物中に残すことができる。
本発明のポリアミド樹脂組成物の製造方法において、本発明の熱安定剤マスターバッチを用いることにより、優れた耐熱エージング性を発揮するポリアミド樹脂組成物を提供できる。なお、本明細書中において、「耐熱エージング性」とは、成形品の形状を維持したまま融点以下での高温条件下で、大気雰囲気下中に長時間放置した際、実用上充分な機械的特性を保持でき、また色調の変化の少ない、いわゆる熱酸化に対する耐性のことをいう。
以下、本発明のポリアミド樹脂組成物の製造方法に用いる各構成要素について詳細に説明する。
ポリアミド樹脂組成物は、(1)ポリアミド66、(2)熱安定剤マスターバッチ、(3)ガラス繊維を含むものである。
(1)ポリアミド66
ポリアミド66は、ジアミンとしてヘキサメチレンジアミン、ジカルボン酸としてアジピン酸を縮重合して得られるポリアミドである。
ポリアミド66は原料100質量部に対し30〜60質量部含有し、32〜58質量部含有することが好ましく、35〜55質量部含有することがより好ましい。
(2)熱安定剤マスターバッチ
熱安定剤マスターバッチ(以下、「マスターバッチ」と記載する場合もある)は、以下の(A)〜(C)を含むマスターバッチを原料100質量部に対し5〜30質量部含有し、10〜25質量部含有することがより好ましい。
((A)ポリアミド樹脂)
マスターバッチは、ポリアミド6、ポリアミド610、ポリアミド612から選ばれるポリアミド樹脂(以下、「(A)成分」と記載する場合もある。)を含有する。
「ポリアミド樹脂」とは、主鎖中にアミド結合(−NHCO−)を有する重合体である。
(A)成分は、ポリアミド6、ポリアミド610、ポリアミド612から選ばれるポリアミド樹脂の1種以上をマスターバッチ全量に対し、70質量%以上98質量%以下含み、75質量%以上97質量%以下含むことが好ましく、80質量%以上95質量%以下含むことがより好ましい。また、(A)成分は、他のポリアミド樹脂の1種又は2種以上をさらに含んでもよい。また別の単量体を組み合わせて、本発明の範囲を損なわない範囲で共重合してもよい。
上記範囲の含有量で(A)成分を含有することにより、製造されるポリアミド樹脂組成物は、強度、耐熱性、耐薬品性、比重などに優れる傾向にある。
ポリアミド6はε−カプロラクタムの開環縮合重合で得られるポリアミド樹脂である。
また、ポリアミド610、ポリアミド612は、ジアミン及びジカルボン酸の縮合重合で得られるポリアミドであり、ポリアミド610は、ジアミンとしてヘキサメチレンジアミン、ジカルボン酸としてセバシン酸を縮重合して得られるポリアミドであり、ポリアミド612は、ジアミンとしてヘキサメチレンジアミン、ジカルボン酸としてドデカン二酸を縮重合して得られるポリアミド樹脂である。
ポリアミド6、ポリアミド610もしくはポリアミド612と併用して、機械的特性を向上させる目的で他の種類のポリアミド樹脂を含有することもでき、他のポリアミド樹脂としては、たとえば、ポリアミド66、ポリアミド6T、ポリアミド9T、ポリアミド6Iが好ましい。
マスターバッチに用いる(A)成分の融点は230℃以下であることが好ましい。
(A)成分の融点が230℃以下であることにより、より熱安定性に優れた熱安定剤マスターバッチが得られる傾向にある。
なお、融点は、熱走査型熱量計を用い、昇温速度20℃/分の条件で測定されるものを意味する。
(A)成分の硫酸相対粘度は、1.8以上3.0以下であることが好ましく、2.2以上2.8以下であることがより好ましい。
(A)成分の硫酸相対粘度が1.8以上であることにより、より機械物性に優れたポリアミド樹脂組成物が得られる傾向にある。また、(A)成分の硫酸相対粘度が3.0以下であることにより、より流動性及び外観に優れたポリアミド樹脂組成物が得られる傾向にある。
なお、硫酸相対粘度は、JIS K 6920に従う方法により測定されるものである。
((B)アルカリ金属塩)
熱安定剤マスターバッチは、アルミン酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム(炭酸水素ナトリウム)から選ばれる一種以上のアルカリ金属塩(以下、「(B)成分」と記載する場合がある。)を含有する。
良好な耐熱エージング性、初期強度を得る観点から、マスターバッチ全量に対し(B)成分を1〜15質量%含み、2〜10質量%含むことが好ましく、2.5〜5質量%含むことがさらに好ましい。
アルカリ金属塩は、1種のみを単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
アルミン酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウムのいずれかを含むことにより耐熱エージング性に優れた性能が得られる。
アルカリ金属塩は、粒子径が1μm以上であるアルカリ金属塩の粒子の含有量が20質量%以下であることが好ましく、15質量%以下であることがより好ましく、10質量%以下であることがさらに好ましい。
粒子径が1μm以上のアルカリ金属塩の粒子の含有量が20質量%以下であることにより、ポリアミド樹脂組成物において優れた耐熱エージング性が得られる。
マスターバッチ中のアルカリ金属塩の粒子径は、マスターバッチをヘキサフルオロイソプロパノール(HFIP)に溶解させ、レーザー回折式粒度分布装置を用いることにより測定することができる。
上記のように、アルカリ金属塩の粒子径が1μm以上であるアルカリ金属塩の粒子の含有量を20質量%以下に抑制するためには、水分の少ない状態で(B)アルカリ金属塩と(A)ポリアミド樹脂とを混合することが有効である。
例えば、押出機を用いて(B)アルカリ金属塩を(A)ポリアミド樹脂に溶融混練する方法が挙げられる。
一方、(A)ポリアミド樹脂の縮重合工程で(B)アルカリ金属塩を含有させると、(B)アルカリ金属塩が大径化するおそれがある。このため(A)ポリアミド樹脂の重合工程が完了し、(A)ポリアミド樹脂を取り出し、マスターバッチの製造工程である溶融混練の段階で(A)成分と(B)成分とを混合することが好ましい。
(B)アルカリ金属塩の分散性の観点及び上記のように、粒子径が1μm以上であるアルミン酸金属塩の粒子の含有量を20質量%以下に抑制する観点からも、溶融混練時の添加が好ましい。
((C)多価カルボン酸)
熱安定剤マスターバッチは、(C)トリメリット酸(1,2,4−ベンゼントリカルボン酸)、シクロヘキサンジカルボン酸から選ばれる1種以上の多価カルボン酸(以下、「(C)成分」と記載する場合がある。)を含有する。
上記カルボキシル基を有する化合物を用いることにより、より吸水時の物性に優れる熱安定剤マスターバッチが得られる。
吸水時の引張強度低下の観点から、(C)成分はマスターバッチ全量に対し1〜15質量%含み、2〜10質量%含むことが好ましく、2.5〜5質量%含むことがさらに好ましい。
吸水時の物性と生産性の観点から、熱安定剤マスターバッチ中の(C)多価カルボン酸の酸価に対する熱安定剤マスターバッチ中の(B)アルカリ金属塩のアルカリ価:(X)が、下記(式1)を満たすことが好ましい。
0<X≦5 ・・・(式1)
(X=熱安定剤マスターバッチ中の(B)アルカリ金属塩のアルカリ価/熱安定剤マスターバッチ中の(C)多価カルボン酸の酸価)
熱安定剤マスターバッチは、上記(式1)において、0<X≦3であることがより好ましく、0<X≦2であることがさらに好ましく、0<X≦1であることがよりさらに好ましい。
(C)多価カルボン酸の酸価は、JISK0070に基づき定義される。
すなわち、酸価:試料1g中に含有する遊離脂肪酸、樹脂酸などを中和するのに必要とする水酸化カリウムのmg数である。
(B)アルカリ金属塩のアルカリ価は、JISK0070に基づき定義される。
すなわち、アルカリ価:試料1gをアセチル化させたとき、水酸基と結合した酢酸を中和するのに必要とする水酸化カリウムのmg数である。
さらに、熱安定剤マスターバッチにおいては、吸水時の物性と生産性の観点から、(C)多価カルボン酸の酸価と(A)ポリアミド樹脂のカルボキシル基末端の酸価との和に対する(B)アルカリ金属塩のアルカリ価:(Y)が、下記(式2)を満たすことが好ましい。
0<Y≦3 ・・・(式2)
(Y=熱安定剤マスターバッチ中の(B)アルカリ金属塩のアルカリ価/(熱安定剤マスターバッチ中の(C)多価カルボン酸の酸価+(A)ポリアミド樹脂のカルボキシル基末端の酸価))
熱安定剤マスターバッチは、上記(式2)において、0<Y≦2であることがより好ましく、0<Y≦1.5であることがさらに好ましく、0<Y≦1.2であることがよりさらに好ましい。
ここで、(C)多価カルボン酸と、(A)ポリアミド樹脂中のカルボン酸もしくは末端封止剤との関連について補足する。
(A)ポリアミド樹脂の原料モノマーもしくは末端封止剤として用いられるカルボン酸は、その目的からポリマー中に取り込まれている。具体的には、ポリマー鎖中で共有結合している。
一方、本明細書中では、その目的からポリマーと共有結合していないカルボン酸官能基を有する多価カルボン酸成分を、(C)多価カルボン酸とする。
(A)ポリアミド樹脂の原料モノマーもしくは末端封止剤として用いられるカルボン酸と、(C)多価カルボン酸として用いられるカルボン酸とが同一成分である場合、(A)ポリアミド樹脂の原料モノマーもしくは末端封止剤として用いられるカルボン酸は、ポリマー鎖中で共有結合しているカルボン酸を指し、(C)多価カルボン酸として用いられたカルボン酸はポリマーと共有結合していないカルボン酸を指す。
(A)ポリアミド樹脂の原料モノマーもしくは末端封止剤としてカルボン酸を用いた場合、そのカルボン酸はポリマー鎖中で共有結合している。
従って、カルボン酸をポリマー鎖中で共有結合していない状態で、不純物としての微量含有量以上にポリアミド樹脂中に含有させることは意図的な操作であり、その目的をもって組成、製法を工夫する必要がある。
すなわち、通常の熱安定剤マスターバッチにおいて、原料モノマーとしてカルボン酸を使用していても、本発明が意図している(C)多価カルボン酸としてのカルボン酸が意図せず含有されている、ということはないと言える。
(C)多価カルボン酸は、(A)ポリアミド樹脂に対して、重合時添加、溶融混練時の添加のいずれのタイミングで添加してもよい。
生産性と吸水時物性の向上の観点からすれば、溶融混練時の添加がより好ましい。
熱安定剤マスターバッチを用いることにより、きわめて耐熱エージング性に優れるポリアミド樹脂組成物が得られる。
〔熱安定剤マスターバッチの製造方法〕
熱安定剤マスターバッチは、(A)ポリアミド樹脂、(B)アルカリ金属塩、(C)多価カルボン酸、その他の成分を混合することにより製造することができる。
熱安定剤マスターバッチの製造においては、単軸又は多軸の押出機によって(A)ポリアミド樹脂を溶融させた状態で、(B)アルカリ金属塩、(C)多価カルボン酸を混練する方法、すなわち(B)アルカリ金属塩、(C)多価カルボン酸を、(A)ポリアミド樹脂に対して溶融混練により添加する方法を好ましく用いることができる。
また、あらかじめ(B)アルカリ金属塩の水溶液と(A)ポリアミド樹脂ペレットとをよく撹拌して混合して混合物を得、その後に、混合物の水分を乾燥させることにより得られたポリアミド樹脂ペレットと、(C)多価カルボン酸とを、押出機の供給口から供給して溶融混練する方法を好適に用いることができる。
(B)アルカリ金属塩の分散性の観点から、(B)アルカリ金属塩の添加は、単軸又は多軸の押出機によって、(A)ポリアミド樹脂を溶融させた状態で、(B)アルカリ金属塩を混練する方法が好ましい。
また、生産性の観点から、(C)多価カルボン酸は、単軸又は多軸の押出機によって、(A)ポリアミド樹脂を溶融させた状態で、(C)多価カルボン酸を混練する方法が好ましい。
(3)ガラス繊維
ガラス繊維はポリアミド樹脂組成物100質量部中に15〜50質量部含有され、20〜45質量部含有されることが好ましく、25〜40質量部含有されることがより好ましい。
ガラス繊維としては、優れた機械的特性をポリアミド樹脂組成物に付与できるという観点から、数平均繊維径が3〜30μmであって、かつ重量平均繊維長が100〜750μmであり、重量平均繊維長と数平均繊維径とのアスペクト比(重量平均繊維長を数平均繊維径で除した値)が10〜100であるものが好ましい。ガラス繊維のカット長は2mm〜4mmが好ましい。
ここで、本明細書における数平均繊維径及び重量平均繊維長は、以下のようにして求めることができる。
すなわち、ポリアミド樹脂組成物を電気炉に入れて、含まれる有機物を焼却処理し、残渣分から、例えば100本以上のガラス繊維を任意に選択し、走査型電子顕微鏡(SEM)で観察して、これらの繊維径を測定し、平均値を算出することにより数平均繊維径を求めることができる。
また、倍率1000倍のSEM写真を用いて繊維長を計測し、所定の計算式(n本の繊維長を測定した場合、重量平均繊維長=Σ(I=1→n)(n番目の繊維の繊維長)/Σ(I=1→n)(n番目の繊維の繊維長))により重量平均繊維長を求めることができる。
ガラス繊維は、シランカップリング剤等により表面処理を行なうことが好ましい。
シランカップリング剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン等のアミノシラン類;γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン等のメルカプトシラン類;エポキシシラン類;ビニルシラン類が挙げられる。
シランカップリング剤は、1種のみを単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
シランカップリング剤の中でも、樹脂との親和性の観点から、アミノシラン類がより好ましい。
また、ガラス繊維は、さらに集束剤を含んでいることが好ましい。集束剤とは、ガラス繊維の表面に塗布する成分である。
集束剤としては、カルボン酸無水物含有不飽和ビニル単量体とカルボン酸無水物含有不飽和ビニル単量体を除く不飽和ビニル単量体とを構成単位として含む共重合体、エポキシ化合物、ポリカルボジイミド化合物、ポリウレタン樹脂、アクリル酸のホモポリマー、アクリル酸とその他の共重合性モノマーとのコポリマー、並びにこれらの第1級、第2級及び第3級アミンとの塩等が挙げられる。
これらの集束剤は、1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
中でも、ポリアミド樹脂組成物の機械的強度の観点から、カルボン酸無水物含有不飽和ビニル単量体とカルボン酸無水物含有不飽和ビニル単量体を除く不飽和ビニル単量体とを構成単位として含む共重合体、エポキシ化合物、ポリカルボジイミド化合物及びポリウレタン樹脂、並びにこれらの組み合わせが好ましく、カルボン酸無水物含有不飽和ビニル単量体とカルボン酸無水物含有不飽和ビニル単量体を除く不飽和ビニル単量体とを構成単位として含む共重合体がより好ましい。
カルボン酸無水物含有不飽和ビニル単量体とカルボン酸無水物含有不飽和ビニル単量体を除く不飽和ビニル単量体とを構成単位として含む共重合体のうち、カルボン酸無水物含有不飽和ビニル単量体としては、以下に限定されるものではないが、例えば、無水マレイン酸、無水イタコン酸や無水シトラコン酸が挙げられ、中でも無水マレイン酸が好ましい。
一方、カルボン酸無水物含有不飽和ビニル単量体を除く不飽和ビニル単量体とは、カルボン酸無水物含有不飽和ビニル単量体とは異なる不飽和ビニル単量体をいう。
カルボン酸無水物含有不飽和ビニル単量体を除く不飽和ビニル単量体としては、以下に限定されるものではないが、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、エチレン、プロピレン、ブタジエン、イソプレン、クロロプレン、2,3−ジクロロブタジエン、1,3−ペンタジエン、シクロオクタジエン、メチルメタクリレート、メチルアクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレートが挙げられる。中でもスチレンやブタジエンが好ましい。
これらの組み合わせの中でも、無水マレイン酸とブタジエンとの共重合体、無水マレイン酸とエチレンとの共重合体、及び無水マレイン酸とスチレンとの共重合体、並びにこれらの混合物よりなる群から選択される1種以上であることがより好ましい。
また、カルボン酸無水物含有不飽和ビニル単量体とカルボン酸無水物含有不飽和ビニル単量体を除く不飽和ビニル単量体とを構成単位として含む共重合体は、ポリアミド樹脂組成物の流動性向上の観点から、重量平均分子量が2,000以上であることが好ましく、より好ましくは2,000〜1,000,000である。なお、本明細書における重量平均分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)により測定することができる。
エポキシ化合物としては、以下に限定されるものではないが、例えば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブテンオキサイド、ペンテンオキサイド、ヘキセンオキサイド、ヘプテンオキサイド、オクテンオキサイド、ノネンオキサイド、デセンオキサイド、ウンデセンオキサイド、ドデセンオキサイド、ペンタデセンオキサイド、エイコセンオキサイドなどの脂肪族エポキシ化合物;グリシドール、エポキシペンタノール、1−クロロ−3,4−エポキシブタン、1−クロロ−2−メチル−3,4−エポキシブタン、1,4−ジクロロ−2,3−エポキシブタン、シクロペンテンオキサイド、シクロヘキセンオキサイド、シクロヘプテンオキサイド、シクロオクテンオキサイド、メチルシクロヘキセンオキサイド、ビニルシクロヘキセンオキサイド、エポキシ化シクロヘキセンメチルアルコールなどの脂環族エポキシ化合物;ピネンオキサイドなどのテルペン系エポキシ化合物;スチレンオキサイド、p−クロロスチレンオキサイド、m−クロロスチレンオキサイドなどの芳香族エポキシ化合物;エポキシ化大豆油;及びエポキシ化亜麻仁油が挙げられる。
ポリカルボジイミド化合物とは、一以上のカルボジイミド基(−N=C=N−)を含有する化合物、すなわちカルボジイミド化合物を縮合することにより得られる化合物である。
ポリカルボジイミド化合物は、縮合度が1〜20であることが好ましく、1〜10であることがより好ましい。縮合度が1〜20の範囲内にある場合、溶解性や分散性が良好な水溶液又は水分散液が得られる。さらに、縮合度が1〜10の範囲内にある場合、一層溶解性や分散性が良好な水溶液又は水分散液が得られる。
また、ポリカルボジイミド化合物は、部分的にポリオールセグメントを持つポリカルボジイミド化合物であることが好ましい。部分的にポリオールセグメントを持つことにより、ポリカルボジイミド化合物は水溶化し易くなり、ガラス繊維の集束剤として一層好適に使用可能となる。
カルボジイミド化合物、すなわち上記各種カルボジイミド基(−N=C=N−)を含有する化合物は、ジイソシアネート化合物を3−メチル−1−フェニル−3−ホスホレン−1−オキシド等の公知のカルボジイミド化触媒の存在下で脱炭酸反応させることによって得られる。
ジイソシアネート化合物としては、芳香族ジイソシアネート、脂肪族ジイソシアネート及び脂環式ジイソシアネート、並びにそれらの混合物を用いることが可能である。
ジイソシアネート化合物としては、以下に限定されるものではないが、例えば、1,5−ナフタレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルジメチルメタンジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネートと2,6−トリレンジイソシアネートとの混合物、ヘキサメチレンジイソシアネート、シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、2,6−ジイソプロピルフェニルジイソシアネート及び1,3,5−トリイソプロピルベンゼン−2,4−ジイソシアネート等が挙げられる。
そして、これらのジイソシアネート化合物をカルボジイミド化することによって、末端に2つのイソシアネート基を有するカルボジイミド化合物が得られる。これらのうち、反応性向上の観点からジシクロヘキシルメタンカルボジイミドが好適に使用可能である。
また、モノイソシアネート化合物を等モル量カルボジイミド化させる方法、又はポリアルキレングリコールモノアルキルエーテルと等モル量反応させてウレタン結合を生成する方法などによって、末端にイソシアネート基を1つ有するポリカルボジイミド化合物が得られる。
モノイソシアネート化合物としては、以下に限定されるものではないが、例えば、ヘキシルイソシアネート、フェニルイソシアネート、シクロヘキシルイソシアネート等が挙げられる。
上記したポリアルキレングリコールモノアルキルエーテルとしては、以下に限定されるものではないが、例えば、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、ポリエチレングリコールモノエチルエーテル等が挙げられる。
ポリウレタン樹脂は、集束剤として一般的に用いられるものであればよく、以下に限定されるものではないが、例えば、m−キシリレンジイソシアネート(XDI)、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアナート)(HMDI)やイソホロンジイソシアネート(IPDI)等のイソシアネートと、ポリエステル系やポリエーテル系のジオールとから合成されるものが挙げられる。
アクリル酸のホモポリマー(ポリアクリル酸)としては、樹脂との親和性の観点から重量平均分子量は1,000〜90,000であることが好ましく、より好ましくは1,000〜25,000である。
アクリル酸とその他の共重合性モノマーとのコポリマーを形成する、「その他の共重合性モノマー」としては、以下に限定されるものではないが、例えば、水酸基及び/又はカルボキシル基を有するモノマーのうち、アクリル酸、マレイン酸、メタクリル酸、ビニル酢酸、クロトン酸、イソクロトン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸及びメサコン酸よりなる群から選択される1種以上が挙げられる(但し、アクリル酸のみの場合を除く)。
上述したアクリル酸のポリマー(ホモポリマー及びコポリマーを共に含む)は塩の形態であってもよい。
アクリル酸のポリマーの塩としては、以下に限定されるものではないが、第一級、第二級又は第三級のアミンが挙げられる。
具体的には、トリエチルアミン、トリエタノールアミンやグリシンが挙げられる。
中和度は、他の併用薬剤(シランカップリング剤など)との混合溶液の安定性向上や、アミン臭低減の観点から、20〜90%とすることが好ましく、40〜60%とすることがより好ましい。
塩を形成するアクリル酸のポリマーの重量平均分子量は、特に限定されるものではないが、3,000〜50,000の範囲であることが好ましい。ガラス繊維の集束性向上の観点から、3,000以上が好ましく、ポリアミド樹脂組成物における機械的特性向上の観点から、50,000以下が好ましい。
上述した各種集束剤により、ガラス繊維を処理する方法としては、上述した集束剤を、公知のガラス繊維の製造工程において、ローラー型アプリケーター等の公知の方法を用いて、ガラス繊維に付与し、製造した繊維ストランドを乾燥することによって連続的に反応させる方法が挙げられる。
繊維ストランドをロービングとしてそのまま使用してもよく、さらに切断工程を得て、チョップドガラスストランドとして使用してもよい。
また、ストランドの乾燥は、切断工程後に行ってもよく、又はストランドを乾燥した後に切断工程を実施してもよい。
集束剤は、ガラス繊維100質量%に対し、固形分率として0.2〜3質量%相当を付与(添加)することが好ましく、より好ましくは0.3〜2質量%付与(添加)する。ガラス繊維の集束を維持する観点から、集束剤の添加量が、ガラス繊維100質量%に対し、固形分率として0.2質量%以上であることが好ましい。一方、ポリアミド樹脂組成物の熱安定性向上の観点から、集束剤の添加量は3質量%以下であることが好ましい。
(4)銅化合物
本発明のポリアミド樹脂組成物の製造方法においては、原料としてさらに銅化合物を用いることが好ましい。銅化合物は、銅化合物単体、もしくはハロゲン化合物との組み合わせで(1)ポリアミド66に添加することができ、銅を安定化する目的からすれば、ハロゲン化合物との組み合わせで添加することが好ましい。
銅化合物及びハロゲン化合物の添加方法としては、そのまま(1)ポリアミド66あるいはポリアミド樹脂組成物に混練して添加する態様、あるいは(1)ポリアミド66の重合時に添加する態様(以下、これらの態様を直接添加という)であってもよいし、ポリアミド樹脂と銅化合物及びハロゲン化合物を混練した態様(以下、この態様をポリアミド樹脂マスターバッチという)として、ポリアミド樹脂組成物の混練時に添加してもよい。
銅化合物のポリアミド樹脂マスターバッチに用いられるポリアミド樹脂としては、以下に限定されるものではないが、例えば、ポリアミド6、ポリアミド46、ポリアミド66、ポリアミド610、ポリアミド612、ポリアミド6I、ポリアミド6T、等が挙げられる。
上述したポリアミド樹脂のうち、(1)ポリアミド66との相溶性の観点から、ポリアミド610、ポリアミド612、ポリアミド66、ポリアミド6が好ましい。
銅化合物としては、以下に限定されるものではないが、例えば、ハロゲン化銅、酢酸銅、プロピオン酸銅、安息香酸銅、アジピン酸銅、テレフタル酸銅、イソフタル酸銅、サリチル酸銅、ニコチン酸銅、ステアリン酸銅等や、エチレンジアミン、エチレンジアミン四酢酸等のキレート剤に配位した銅錯塩等が挙げられる。これら銅化合物は、単独で用いてもよく、2種以上を混合してもよい。この中でも、ヨウ化銅、臭化第一銅、臭化第二銅、塩化第一銅、酢酸銅が、溶融混練時の分子量低下抑制/耐熱エージング性の観点から好ましい。
銅化合物の含有量は、直接添加の場合であっても、ポリアミド樹脂マスターバッチの態様であっても、(1)ポリアミド66 100質量%に対して、銅元素として65ppm以上であることが好ましく、65〜500ppmであることがより好ましく、さらに好ましくは100〜300ppm、さらにより好ましくは100〜200ppmである。この範囲にすることにより、本発明の製造方法により得られるポリアミド樹脂組成物及びその成形品において、より耐熱エージング性の向上を図ることができる。また、(1)ポリアミド66 100質量%に対して、銅元素として500ppm以下であることで、銅析出、腐食を抑制できる傾向にある。
ハロゲン化合物としては、以下に限定されるものではないが、例えば、ヨウ化カリウム、ヨウ化ナトリウム、臭化カリウム、塩化カリウム、塩化ナトリウム等が挙げられる。これらハロゲン化合物は、1種のみを単独で用いてもよく、2種以上を混合してもよい。
ハロゲン化合物の含有量は、直接添加の場合であっても、ポリアミド樹脂マスターバッチの態様であっても、銅元素に対して、3〜30倍モルが好ましく、より好ましくは5〜20倍モル、さらに好ましくは6〜15倍モルである。この範囲にすることにより、本発明のポリアミド樹脂組成物の製造方法によって得られるポリアミド樹脂組成物及びその成形品において充分な耐熱エージング性の向上を図ることができ、銅析出、腐食を抑制できる。銅化合物とハロゲン化合物は、ポリアミド樹脂組成物においては、溶融混練時の分子量低下抑制/耐熱エージング性の向上を図るために両方とも含有させる。
(ポリアミド樹脂組成物に含まれうる他の成分)
ポリアミド樹脂組成物は、上述した(1)成分〜(4)成分の他、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて、さらにその他の成分を含有してもよい。
当該その他の成分としては、以下に限定されるものではないが、例えば、紫外線吸収剤、光劣化防止剤、可塑剤、滑剤、離型剤、核剤、難燃剤、着色剤、染色剤や顔料、及び他の熱可塑性樹脂が挙げられる。
ここで、上記したその他の成分は、それぞれ性質が大きく異なるため、各成分についての、本発明の効果をほとんど損なわない好適な含有率は様々である。そして、当業者であれば、上記した他の成分ごとの好適な含有率は容易に設定可能である。例えば、その他の成分全体の好ましい含有量として、ポリアミド樹脂組成物100質量部中に10質量部以下が挙げられる。
〔ポリアミド樹脂組成物の用途〕
本発明の熱安定剤マスターバッチを使用して、本発明の製造方法で製造されたポリアミド樹脂組成物は、優れた耐熱エージング性を有し、以下に限定されるものではないが、例えば、自動車用、機械工業用、電気・電子用、産業資材用、工業材料用、日用・家庭品用等の各種用途の材料部品として好適に用いることができる。特に、自動車用材料部品として好適に用いられる。
以下、具体的な実施例及び比較例を挙げて本発明について詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
なお、実施例及び比較例に係る試料を評価するための測定方法は以下のとおりである。
〔測定方法〕
(98%硫酸相対粘度(ηr))
後述する実施例及び比較例(以下、単に「各例」ともいう)における、(A)及び(1)のポリアミド樹脂の98%硫酸相対粘度(ηr)は、JISK6920に従って測定した。
(初期引張強度)
実施例及び比較例で製造した熱安定剤マスターバッチを用いて、実施例及び比較例で製造したポリアミド樹脂組成物のペレットを、射出成形機(PS−40E:日精樹脂株式会社製)を用いて、ISO 3167に準拠しつつ、多目的試験片(A型)の成形片を成形した。
その際、射出及び保圧の時間25秒、冷却時間15秒に設定した。
また、金型温度とシリンダー温度は、後述する(A)及び(1)のポリアミド樹脂の実施例及び比較例に記載した温度に設定した。
得られた多目的試験片(A型)を用いて、ISO 527に準拠しつつ引張速度5mm/分で引張試験を行い、初期引張強度(MPa)を測定した。
(耐熱エージング性)
上記の(初期引張強度)における多目的試験片(A型)を、熱風循環式オーブン内で、200℃で加熱し、熱老化させた。
所定の時間ののちにオーブンから取り出し、23℃で24時間以上冷却した後、ISO 527に準拠しつつ引張速度5mm/分で上述した方法と同様の方法により引張試験を行い、各引張強度(MPa)を測定した。
この手法により、3000h暴露後の引張強度を求めた。
耐熱エージング後の引張強度保持率は下記式により算出し、これを耐熱エージング性の評価とした。
耐熱エージング後の引張強度保持率=(耐熱エージング後の引張強度/初期引張強度)×100[%]
〔原料〕
実施例及び比較例に用いた原料は以下の通りである。
((A)ポリアミド樹脂)
<ポリアミド樹脂A−1(PA6)>
宇部興産(株)製SF1013Aを使用した。融点は224℃であった。
<ポリアミド樹脂A−2(PA610)>
ヘキサメチレンジアミンとセバシン酸の当モル塩を投入し、投入した全量と同量の純水を加え、重合缶内をNで置換した後、撹拌しながら加熱を開始し、缶内圧力を最大20kg/cmに調整しながら最終到達温度を280℃とし反応させた。水浴中に吐出したポリマーをストランドカッターでペレタイズした。
<ポリアミド樹脂A−2>の98%硫酸相対粘度は2.3であった。
<ポリアミド樹脂A−3(PA612)>
ヘキサメチレンジアミンとドデカン二酸の当モル塩を投入し、投入した全量と同量の純水を加え、重合缶内をNで置換した後、撹拌しながら加熱を開始し、缶内圧力を最大20kg/cmに調整しながら最終到達温度を280℃とし反応させた。水浴中に吐出したポリマーをストランドカッターでペレタイズした。
<ポリアミド樹脂A−3>の98%硫酸相対粘度は2.3であった。
<ポリアミド樹脂A−4(PA66)>
ヘキサメチレンジアミンとアジピン酸の当モル塩を投入し、投入した全量と同量の純水を加え、重合缶内をNで置換した後、撹拌しながら加熱を開始し、缶内圧力を最大20kg/cmに調整しながら最終到達温度を280℃とし反応させた。水浴中に吐出したポリマーをストランドカッターでペレタイズした。
<ポリアミド樹脂A−4>の98%硫酸相対粘度は2.8であった。
なお、<ポリアミド樹脂A−1〜4>を用いた熱安定剤マスターバッチペレットの製造、ポリアミド樹脂組成物の製造においては、金型温度を80℃、シリンダー温度を290℃に設定した。
((B)アルカリ金属塩)
<B−1 アルミン酸ナトリウム>
東京化成工業株式会社製のアルミン酸ナトリウムを使用した。粒度は、16メッシュ以上90%である。
<B−2 炭酸ナトリウム>
東京化成工業株式会社製の炭酸ナトリウムを使用した。
<B−3 炭酸水素ナトリウム>
東京化成工業株式会社製の炭酸水素ナトリウムを使用した。
((C)成分:多価カルボン酸)
<C−1>
東京化成工業株式会社製の、トリメリット酸(1,2,4−ベンゼントリカルボン酸)水和物を使用した。
<C−2>
東京化成工業株式会社製の、シクロヘキサンジカルボン酸(CHDA)を使用した。
((1)ポリアミド66)
先述のポリアミドA−4を使用した。
((3)ガラス繊維)
固形分換算で、ポリウレタン樹脂を2質量%(商品名:ボンディック(登録商標)1050、大日本インキ株式会社製))、エチレン−無水マレイン酸共重合体(和光純薬工業株式会社製)を8質量%、γ−アミノプロピルトリエトキシシランを0.6質量%(商品名:KBE−903、(信越化学工業株式会社製))、潤滑剤0.1質量%(商品名:カルナウバワックス(株式会社加藤洋行製))となるように水で希釈し、全質量を100質量%に調整し、ガラス繊維集束剤を得た。
上記のガラス繊維集束剤を、溶融紡糸された数平均繊維径10μm、カット長3mmのガラス繊維に対して付着させた。
すなわち、回転ドラムに巻き取られる途中のガラス繊維に対し、所定位置に設置されたアプリケーターを用いて、上記ガラス繊維集束剤を塗布した。次いで、これを乾燥し、上記ガラス繊維集束剤で表面処理されたガラス繊維束のロービング(ガラスロービング)を得た。その際、ガラス繊維は1,000本の束となるようにした。
ガラス繊維集束剤の付着量は、0.6質量%であった。これを3mmの長さに切断して、ガラスチョップドストランドを得た。このチョップドストランドを、ガラス繊維として使用した。
((4)銅化合物)
ポリアミド6(A−1)を90質量部とヨウ化銅(東京化成工業株式会社製)を3.5質量部とヨウ化カリウム(東京化成工業株式会社製)14.5質量部とを二軸押出機ZSK26MC(コペリオン製)でスクリュー回転数200rpm、シリンダー設定温度260℃、吐出量30kg/h、ニーディングスクリューを2か所備えたスクリュー構成で混練し、ポリアミド6の銅マスターバッチを予め製造した。
〔実施例1〕
(実施例1−1)
押出機として、二軸押出機(ZSK−26MC:コペリオン製))を用いた。
この二軸押出機は、上流側から1番目のバレルに上流側供給口を有し、かつ、9番目のバレルに下流側供給口を有するものである。そして、L/D(押出機のシリンダーの長さ/押出機のシリンダー径)=48(バレル数:12)となっている。
この二軸押出機において、上流側供給口からダイまでの温度を、上述の((A)ポリアミド樹脂)の項目に記載したシリンダー温度にそれぞれ設定した。
また、スクリュー回転数を300rpmに、吐出量を25kg/時間に、それぞれ設定した。
かかる条件下で、下記表1に記載された割合となるように、上流側供給口より(A)成分と、(B)成分と、(C)成分と、を供給し、溶融混練することで熱安定剤マスターバッチのペレットを製造した。これら熱安定剤マスターバッチの組成を下記表1に示す。
(実施例1−2)
得られた熱安定剤マスターバッチを使用して、下記表2に記載された割合となるように、上流側供給口より(1)ポリアミド66、(2)熱安定剤マスターバッチ、(4)銅化合物、及び(3)ガラス繊維以外のその他の成分を供給し、下流側供給口より(3)ガラス繊維を供給し、溶融混練することでポリアミド樹脂組成物を得た。押出機及び押出条件は、実施例1−1と同様とした。
また、上記ポリアミド樹脂組成物を成形し、その成形片を用いて、各種評価を実施した。
ポリアミド樹脂組成物の組成及び評価結果等を下記表2に示す。
〔実施例2〜8、比較例1、2〕
表1、表2に記載の組成に従い、その他の条件は実施例1と同様の方法で、熱安定剤マスターバッチ及びポリアミド樹脂組成物を製造、成形し、その成形片を用いて、各種測定を実施した。
各実施例及び比較例の組成及び評価結果を下記表1、表2に示す。
なお、比較例2−1の組成においては、発泡により製造が困難であったため、サンプリングができず、ポリアミド樹脂組成物を製造することができなかった。
表1及び表2より、本発明の熱安定剤マスターバッチ及び本発明の製造方法を用いて製造されたポリアミド樹脂組成物は、優れた耐熱エージング性を示すことがわかった。
本発明の熱安定剤マスターバッチを用いて製造したポリアミド樹脂組成物は、自動車用、機械工業用、電気・電子用、産業資材用、工業材料用、日用・家庭品用等の各種部品の材料として、産業上の利用可能性がある。

Claims (4)

  1. 原料100質量部に対し、
    (1)ポリアミド66を30〜60質量部、
    (2)以下の(A)〜(C)を含む熱安定剤マスターバッチ5〜30質量部、
    (A)ポリアミド6、ポリアミド610、ポリアミド612から選ばれる1種以上のポリアミド樹脂70〜98質量%、
    (B)アルミン酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウムから選ばれる1種以上のアルカリ金属塩1〜15質量%、
    (C)トリメリット酸、シクロヘキサンジカルボン酸から選ばれる1種以上の多価カルボン酸1〜15質量%、
    (3)ガラス繊維15〜50質量部、
    を含む原料を混合する工程を含む、
    ポリアミド樹脂組成物の製造方法。
  2. 前記熱安定剤マスターバッチの製造工程において、(A)ポリアミド樹脂を溶融させた状態で(B)アルカリ金属塩および/または(C)多価カルボン酸を溶融混練させる請求項1記載のポリアミド樹脂組成物の製造方法。
  3. さらに、前記原料に(4)銅化合物を(1)ポリアミド66 100質量%に対して、銅元素として65ppm以上含む請求項1または2記載のポリアミド樹脂組成物の製造方法。
  4. (A)ポリアミド6、ポリアミド610、ポリアミド612から選ばれる1種以上のポリアミド樹脂70〜98質量%、
    (B)アルミン酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウムから選ばれる1種以上のアルカリ金属塩1〜15質量%、
    (C)トリメリット酸、シクロヘキサンジカルボン酸から選ばれる1種以上の多価カルボン酸1〜15質量%、
    を含む熱安定剤マスターバッチ。
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CN113308112A (zh) * 2021-06-17 2021-08-27 东莞市鑫塑源塑胶科技有限公司 一种耐黄变的pa6增强材料及其制备方法和应用

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