JP2020000148A - 発酵ビール様発泡性飲料の製造方法及びオフフレーバー低減方法 - Google Patents

発酵ビール様発泡性飲料の製造方法及びオフフレーバー低減方法 Download PDF

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Abstract

【課題】酵母による発酵速度を良好に保ちながら、タマネギ様臭の主な原因物質である2M3MBの含有量が低減された発酵ビール様発泡性飲料の製造方法の提供。【解決手段】発酵ビール様発泡性飲料の製造方法は、酵母を添加した発酵原料液を発酵槽内で発酵させる発酵ビール様発泡性飲料の製造方法であって、フローテーションタンク中で冷トルーブが除去された後にエアレーション処理された発酵原料液を、n回(nは2以上の整数)に分けて発酵槽へ注入し、酵母は、1回目〜n−1回目に発酵槽に注入される発酵原料液に添加される方法である。【選択図】なし

Description

本発明は、オフフレーバーの1種であるタマネギ様臭の発生が低減された発酵ビール様発泡性飲料の製造方法及びオフフレーバー低減方法に関する。
ビールや発泡酒等の発酵ビール様発泡性飲料においては、コゲ臭・日光臭様臭やタマネギ様臭等のオフフレーバーが認められる場合があり、発酵ビール様発泡性飲料の品質向上のためには、これらのオフフレーバーの制御が重要である。オフフレーバーの1種であるタマネギ様臭の原因物質であるとされている2−メルカプト−3−メチル−1−ブタノール(以下、「2M3MB」と略記する場合がある)について、その前駆体物質である2,3−エポキシ−3−メチルブタナール(以下、「EMBal」と略記する場合がある)が同定され、麦汁、発酵液及びビール中における定量技術が確立された。2M3MBは、発酵工程において、酸素存在下で酵母によりEMBalから産生される。EMBalは、その前駆体から、酸素存在下で産生される。(例えば、特許文献1参照)。
一方、現在の大型醸造場でのビール醸造においては、仕込複数回分の麦汁を収容できる大型発酵タンクにて発酵を行うことが一般的である。麦汁は、仕込より調製される都度、発酵槽に移し替えられる。このような「複数回充填仕込」プロセスでは、発酵の初期条件は、各麦汁における酵母の添加(ピッチング)、通気(エアレーション)及び充填の条件の影響を受け、非常に多様である。この多様性は、その後の発酵プロセスの過程及び得られるビールの品質に影響を及ぼす可能性がある。特に、麦汁への酵母の添加や、これに合わせて実施される麦汁へのエアレーションのタイミング及び量を変化させることで、発酵における酵母の代謝生産物の生成が変化し、その結果、製品の香味特性が変化する。このため、この「複数回充填」プロセスの最適化は、多くの醸造業者にとって大きな問題であり、多くの研究が報告されている。
例えば、非特許文献1では、充填回数が3回である「複数回充填」プロセスにおいて、酵母の添加を仕込1回目の麦汁に集約し、2回目及び3回目の麦汁にはエアレーション処理のみを行うことで、高濃度のアルコールを含有するビールが醸造できることが開示されている。
非特許文献2では、「複数回充填」プロセスにおいて、仕込より調製される麦汁を発酵槽に充填する時間間隔が短いほど、SOの発生量が高まり、ビールの抗酸化活性が高まることが開示されている。
非特許文献3では、充填回数が4回である「複数回充填」プロセスにおいて、酵母の添加及びエアレーションのタイミングを変化させることによるビールの香味及び抗酸化活性に及ぼす影響について検討しており、酵母の添加及びエアレーションを仕込1回目の麦汁に集約することで、香味及び抗酸化活性に優れたビールが得られることが開示されている。
国際公開第2018/008175号
Yokoyama A et al., "The effect of filling procedures on multi-fill fermentations.", MBAA TQ, Vol. 34, No. 1, p320-327, 1997. Forster C et al., "Pitching and filling procedures of cylindro-conical fermentation tanks and its influence on the anti-oxidant activity of beer.", MBAA TQ, Vol. 37, No. 1, p59-64, 2000. Tenge C et al., "Effects of different aeration techniques in pitching technology.", Brauwelt international, Vol. 25, No. 2, p86-89, 2007. Iijima et al.,"Construction and evaluation of self-cloning bottom-fermenting yeast with high SSU1 expression.", Journal of Applied Microbiology,Vol.109, p.1906-1913, 2010.
しかしながら、非特許文献1〜3は、2M3MBの産生制御については言及していない。
麦汁への酸素付与を極力低減させることで、前駆体であるEMBalの発酵開始時の値を低減することができ、ひいてはビール様発泡性飲料中の2M3MB量を低減させることができる。しかしながら、酵母の発酵には酸素が必要であり、酵母への酸素供給量が減少すると、発酵の本来の目的であるエキス消費の遅延や、それに伴う他の不快臭物質の生成を引き起こす虞があった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、酵母による発酵速度を良好に保ちながら、タマネギ様臭の主な原因物質である2M3MBの含有量が低減された発酵ビール様発泡性飲料の製造方法及びオフフレーバー低減方法を提供する。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、「複数回充填」プロセスにおいて、発酵初期の酵母濃度を増大させて、発酵原料液中の酸素の酵母による消費を促進させ、かつ、発酵槽に充填される全ての発酵原料液に対してエアレーションを行うことにより、酵母による発酵速度を良好に保ちながら、タマネギ様臭の主な原因物質である2M3MBの含有量が低減された発酵ビール様発泡性飲料が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の発酵ビール様発泡性飲料の製造方法及びオフフレーバー低減方法は、以下の[1]〜[11]に示す態様を含む。
[1]酵母を添加した発酵原料液を発酵槽内で発酵させる発酵ビール様発泡性飲料の製造方法であって、
フローテーションタンク中で冷トルーブが除去された後にエアレーション処理された発酵原料液を、n回(nは2以上の整数)に分けて発酵槽へ注入し、
酵母は、1回目〜n−1回目に発酵槽に注入される発酵原料液に添加される、
発酵ビール様発泡性飲料の製造方法。
[2]1回目〜n−1回目に発酵槽に注入される発酵原料液は、
酵母を添加された後にフローテーションタンクに注入され、かつ
酵母の添加の前に、酵母の添加と同時に、又は酵母の添加後であってフローテーションタンク注入の前に、エアレーション処理される、[1]に記載の発酵ビール様発泡性飲料の製造方法。
[3]冷トルーブ除去後、発酵槽注入前の発酵原料液に対してなされるエアレーション処理によって、前記発酵原料液の流量の5容量%以上9%容量以下の空気を注入する、[1]又は[2]に記載の発酵ビール様発泡性飲料の製造方法。
[4]nが3以上の整数である、[1]〜[3]のいずれか一つに記載の発酵ビール様発泡性飲料の製造方法。
[5]1回目〜n回目に発酵槽に注入される発酵原料液の量は実質的に等量である、[1]〜[4]のいずれか一つに記載の発酵ビール様発泡性飲料の製造方法。
[6]1回目〜n−1回目に発酵槽に注入される発酵原料液に添加される酵母の量は実質的に等量である、[1]〜[5]のいずれか一つに記載の発酵ビール様発泡性飲料の製造方法。
[7]発酵槽に発酵原料液を注入する時間間隔が5時間以内である、[1]〜[6]のいずれか一つに記載の発酵ビール様発泡性飲料の製造方法。
[8]フローテーションタンク中で冷トルーブが除去された後にエアレーション処理された発酵原料液を、n回(nは2以上の整数)に分けて発酵槽へ注入し、酵母は、1回目〜n−1回目に発酵槽に注入される発酵原料液に添加される、発酵ビール様発泡性飲料のオフフレーバー低減方法。
[9]1回目〜n−1回目に発酵槽に注入される発酵原料液は、酵母を添加された後にフローテーションタンクに注入され、かつ酵母の添加の前に、酵母の添加と同時に、又は酵母の添加後であってフローテーションタンク注入の前に、エアレーション処理される、[8]に記載の発酵ビール様発泡性飲料のオフフレーバー低減方法。
[10]オフフレーバーの原因物質が2−メルカプト−3−メチル−1−ブタノールである、[8]又は[9]に記載の発酵ビール様発泡性飲料のオフフレーバー低減方法。
[11]前記発酵ビール様発泡性飲料の前記2−メルカプト−3−メチル−1−ブタノールの含有量を、0.4ppb以下に低減する、[10]に記載の発酵ビール様発泡性飲料のオフフレーバー低減方法。
上記態様の発酵ビール様発泡性飲料の製造方法及び上記態様の発酵ビール様発泡性飲料のオフフレーバー低減方法によれば、酵母による発酵速度を良好に保ちながら、発酵由来のオフフレーバー物質含有量を低減でき、タマネギ様臭の主な原因物質である2M3MBの含有量が低減された発酵ビール様発泡性飲料が得られる。
本実施形態の発酵ビール様発泡性飲料の製造方法に用いられるビール醸造装置の一態様の一部を示す概略構成図である。 試験例1における実施例1及び比較例1−1の各仕込発酵原料液の充填完了毎に測定された発酵槽内の発酵原料液中の溶存酸素(Dissolved Oxygen;DO)(ppm)を示すグラフである。 試験例1における実施例2及び比較例1−2の各仕込発酵原料液の充填完了毎に測定された発酵槽内の発酵原料液中のDO(ppm)を示すグラフである。
本明細書において、「発酵ビール様発泡性飲料」とは、発酵工程を経て製造された飲料であって、アルコール含有量や麦芽の使用の有無に関わらず、ビールと同等の又はそれと似た風味・味覚及びテクスチャーを有し、高い止渇感・ドリンカビリティーを有する発泡性飲料を意味する。すなわち、発酵ビール様発泡性飲料は、アルコール飲料であってもよく、アルコール含量が1容量%未満であるいわゆるノンアルコール飲料又はローアルコール飲料であってもよい。また、麦芽を原料とする飲料であってもよく、麦芽を原料としない飲料であってもよい。発酵ビール様発泡性飲料としては、具体的には、ビール、麦芽を原料とする発泡酒、麦芽を使用しない発泡性アルコール飲料、ローアルコール発泡性飲料、ノンアルコールビール等が挙げられる。その他、麦芽を原料とし、発酵工程を経て製造された飲料を、アルコール含有蒸留液と混和して得られたリキュール類であってもよい。アルコール含有蒸留液とは、蒸留操作により得られたアルコールを含有する溶液であり、例えば、原料用アルコールであってもよく、スピリッツ、ウィスキー、ブランデー、ウオッカ、ラム、テキーラ、ジン、焼酎等の蒸留酒等を用いることができる。
≪発酵ビール様発泡性飲料の製造方法≫
本実施形態の発酵ビール様発泡性飲料の製造方法(以下、「本実施形態の製造方法」と称する場合がある)は、酵母による発酵を、1回の仕込工程で調製される発酵原料液の複数回分を収容できる大型発酵槽を用いて行う方法である。
仕込槽で得られた発酵原料液は調製都度、発酵槽に充填される。以下において、X(Xは1以上の整数)回目に発酵槽に注入される発酵原料液を「X回目のバッチ」、例えば、1回目の発酵原料液を「1回目のバッチ」と称する場合がある。
「複数回充填」プロセスにおいては、発酵槽で行われる1回の発酵に必要な酵母は、全量を一度に発酵原料液に添加することや、全てのバッチに均等量ずつ分けて添加する(以下、「酵母均等添加法」と称する場合がある)ことが知られている(非特許文献1〜3)。
これに対して、本実施形態の製造方法では、n回発酵原料液を発酵槽へ充填する「複数回充填」プロセスにおいて、1回目〜n−1回目のバッチでは、酵母の添加を行うが、n回目のバッチでは、酵母を添加しない。これにより、酵母均等添加法よりも、発酵初期での発酵槽内の酵母量を増加させることができ、酵母による酸素の消費が促進されることで、発酵原料液中の溶存酸素を低減させることができる。そのため、EMBalの生成に使用される酸素が低減され、最終的に2M3MBの生成を抑制することができる。
さらに、本実施形態の製造方法では、1回目〜n回目の全てのバッチに対して、エアレーション処理を行う。酵母を添加しないn回目のバッチに対してもエアレーション処理を行うことにより、発酵槽内の発酵原料液中に、良好な発酵を維持するために酵母に必要な溶存酸素を確保することができる。発酵中の酵母に十分な酸素が供給されることにより、発酵速度を良好に保つことができる。また、酵母への酸素供給量の減少に起因する酢酸エステル等の過剰な増加及び不快臭物質の生成等、香気成分の生成の変化を抑制することができる。
このように、本実施形態の製造方法では、1回目〜n−1回目のバッチで酵母全量を添加してエアレーションし、n回目のバッチではエアレーションのみを行うことにより、発酵中の酵母のエキス消費活性を維持して発酵速度を良好に保ちつつ、発酵初期における発酵原料液中の溶存酸素を低減させてEMBal及び2M3MBの生成を抑制できる。2M3MBはオフフレーバーであるネギ臭の原因物質であり、2M3MBの含有量依存的にタマネギ様臭が強くなる。すなわち、本実施形態の製造方法によれば、2M3MBの含有量が少なく、タマネギ様臭が抑えられた発酵ビール様発泡性飲料を製造できる。さらに、本実施形態の製造方法では、発酵不良により生じるオフフレーバーである不快臭物質の生成も抑制される。このように、本実施形態の製造方法により、オフフレーバーが低減された発酵ビール様発泡性飲料が得られる。すなわち、本実施形態の製造方法は、発酵ビール様発泡性飲料のオフフレーバー低減方法と言い換えることができる。
本実施形態の製造方法により最終的に得られる発酵ビール様発泡性飲料の2M3MB含有量は、0.5ppb以下が好ましく、0.4ppb以下がより好ましく、0.1ppb以下がさらに好ましく、0ppb(検出限界値未満)が特に好ましい。なお、発酵ビール様発泡性飲料の2M3MB濃度は、Iijimaらの方法(非特許文献4参照)に準じて測定することができる。
本実施形態の製造方法の詳細について、以下に説明する。
本実施形態の製造方法は、「複数回充填」プロセスにおいて、仕込槽から発酵槽へ発酵原料液を移送する際の酵母の添加及びエアレーションを特定の条件で行う以外は、一般的な発酵ビール様発泡性飲料と同様にして製造できる。そこで、一般的な発酵ビール様発泡性飲料の製造方法と共に本実施形態の製造方法を説明する。一般的な発酵ビール様発泡性飲料は、仕込(発酵原料液調製)、発酵、貯酒、濾過の工程で製造することができる。
[仕込工程]
まず、仕込工程(発酵原料液調製工程)として、穀物原料及び糖質原料からなる群より選択される1種以上から発酵原料液を調製する。具体的には、まず、穀物原料と糖質原料の少なくともいずれかと原料水とを含む混合物を調製して加温し、穀物原料等の澱粉質を糖化させる。糖液の原料としては、穀物原料のみを用いてもよく、糖質原料のみを用いてもよく、両者を混合して用いてもよい。
穀物原料としては、例えば、大麦や小麦、これらの麦芽等の麦類、米、トウモロコシ、大豆等の豆類、イモ類等が挙げられる。穀物原料は、穀物シロップ、穀物エキス等として用いることもできるが、粉砕処理して得られる穀物粉砕物として用いることが好ましい。穀物類の粉砕処理は、常法により行うことができる。穀物粉砕物としては、麦芽粉砕物、コーンスターチ、コーングリッツ等のように、粉砕処理の前後において通常なされる処理を施したものであってもよい。本発明においては、用いられる穀物粉砕物は、麦芽粉砕物であることが好ましい。麦芽粉砕物を用いることにより、ビールらしさがよりはっきりとした発酵ビール様発泡性飲料を製造することができる。麦芽粉砕物は、大麦、例えば二条大麦を、常法により発芽させ、これを乾燥後、所定の粒度に粉砕したものであればよい。また、本発明において用いられる穀物原料としては、1種類の穀物原料であってもよく、複数種類の穀物原料を混合したものであってもよい。例えば、主原料として麦芽粉砕物を、副原料として米やトウモロコシの粉砕物を用いてもよい。糖質原料としては、例えば、液糖等の糖類が挙げられる。
発酵原料の種類や組成にかかわらず、発酵原料液を発酵槽へ輸送する際に、酵母の添加及びエアの注入を制御することにより、得られる発酵ビール様発泡性飲料の2M3MB含有量を低減させることができる。このため、本実施形態の製造方法は、麦芽使用比率(発酵原料全体に占める麦芽の使用量の割合)が100質量%の発酵ビール様発泡性飲料の製造方法に適用してもよく、麦芽使用比率が0質量%超100質量%未満の発酵ビール様発泡性飲料の製造方法に適用してもよく、発酵原料として麦芽を使用しない発酵ビール様発泡性飲料の製造方法に適用してもよい。
発酵原料と原料水とを含む混合物には、その他の副原料を加えてもよい。当該副原料としては、例えば、ホップ、食物繊維、酵母エキス、果汁、苦味料、着色料、香草、香料等が挙げられる。また、必要に応じて、α−アミラーゼ、グルコアミラーゼ、プルラナーゼ等の糖化酵素やプロテアーゼ等の酵素剤を添加することができる。
糖化処理は、穀物原料等由来の酵素や、別途添加した酵素を利用して行う。糖化処理時の温度や時間は、用いた穀物原料等の種類、発酵原料全体に占める穀物原料の割合、添加した酵素の種類や混合物の量、目的とする発酵ビール様発泡性飲料の品質等を考慮して、適宜調整される。例えば、糖化処理は、穀物原料等を含む混合物を35℃以上70℃以下で20分間以上90分間以下保持する等、常法により行うことができる。
煮沸処理前又は煮沸処理中に、香草等を適宜添加することにより、所望の香味を有する発酵ビール様発泡性飲料を製造することができる。特にホップは、煮沸処理前又は煮沸処理中に添加することが好ましい。ホップの存在下で煮沸処理することにより、ホップの風味・香気成分を効率よく煮出することができる。ホップの添加量、添加態様(例えば数回に分けて添加するなど)及び煮沸条件は、適宜決定することができる。
[発酵原料液の移送工程]
本実施形態の製造方法においては、仕込槽の容量の2倍以上の容量からなる発酵槽を用いて、複数回の仕込工程で調製された発酵原料液を用いて1度の発酵工程を行う。すなわち、仕込工程で調製された発酵原料液は、発酵槽まで移送される。本実施形態の製造方法においては、大型発酵槽(例えば、280〜500kL容)を用いることが好ましい。
本実施形態の製造方法において、発酵原料液を発酵槽へ充填する回数は、2回以上であればよく、発酵槽と仕込槽の容量の差によって決定される。例えば3回以上とすることができ、3回以上6回以下とすることができ、3回以上5回以下とすることができる。
本実施形態の製造方法において、1回目〜n回目の発酵槽に注入される発酵原料液の量、すなわち、1回目〜n回目のバッチの量は、異なる量であってもよいが、均一な発酵を行う観点から、実質的に等量であることが好ましい。なお、「1回目〜n回目のバッチの量が実質的に等量である」とは、1回目〜n回目のバッチの容量が等量である、又は、1回目〜n回目のバッチの容量が±5容量%程度の極僅かな誤差範囲内の量である状態を意味する。
本実施形態の製造方法においては、移送工程において、発酵原料液から粕(凝固物)の除去と、酵母の生育に必要な酸素を発酵原料液に供給するためのエアレーション処理と、酵母の添加と、を行う。
仕込工程で調製された煮汁(発酵原料液)から、沈殿により生じたタンパク質等の粕の除去は、いずれの固液分離処理で行ってもよいが、一般的には、まず、ワールプールと呼ばれる槽を用いて沈殿物(熱トルーブ)を除去する。この際の煮汁の温度は、一般的には50℃以上95℃以下程度で行われる。熱トルーブを除去した後の発酵原料液は、プレートクーラー等の熱交換器により適切な発酵温度まで冷却する。
本実施形態の製造方法においては、冷却により生じた粕(冷トルーブ)も発酵原料液から除去される。冷トルーブの除去は、例えば、フローテーションタンクを用いて行うことができる。冷トルーブを除去した後の発酵原料液は、そのまま発酵槽へ注入してもよく、所望のエキス濃度に調整した後に発酵槽へ注入してもよい。
移送工程中に行うエアレーション処理において用いられるエア(空気)は、酵母の酸素供給源である。このため、空気の組成は、酸素を含んでいればよく、例えば、標準大気の組成(約80%の窒素、約20%の酸素及びその他気体成分含有)が例示できる。
本実施形態の製造方法においては、冷トルーブが除去された発酵原料液に対して、発酵槽へ充填される前にエアレーション処理を行う。「複数回充填」プロセスにおいて、発酵原料液をそのまま発酵槽へ充填すると、発酵槽内で発酵原料液が均一に混じらず、発酵状態が発酵槽内で不均一となる。エアレーションにより注入された空気を含んだ状態で発酵槽へ充填することにより、既に発酵槽内に充填されている発酵原料液と混ざりやすくなる。エアレーション処理は、冷トルーブ除去の前にも行ってもよい。
本実施形態の製造方法においては、発酵原料液にできるだけ均一に酵母を混合するために、酵母は、発酵槽内へ添加するのではなく、発酵槽への移送工程中に添加される。酵母を発酵原料液へ添加するタイミングとしては、発酵原料液が、酵母が生存可能な温度域にまで低下した時点から発酵槽へ注入される以前のいずれの時点であってもよい。
発酵ビール様発泡性飲料の香味設計上、好ましいアルコール発酵のために、酵母にはある程度の酸素が必要である。発酵原料液中で酵母を酸素に十分に接触させるために、酵母の添加の前、酵母の添加の後、又は酵母の添加と同時に、エアレーションを行うことが好ましい。例えば、発酵槽注入前のエアレーションや、フローテーションタンク注入前のエアレーションの前後に酵母を添加することができる。また、酵母1個当たりが接する酸素量が充分となるように、1回の発酵に要する酵母全量を一度に発酵原料液に添加するよりも、複数回に分けて添加することが好ましい。このため、本実施形態の製造方法においては、n回目のバッチを除く全てのバッチの発酵原料液に対して、発酵槽へ注入する前に酵母を添加する。
当該移送工程は、例えば、図1に示すように、熱交換器3の下流側であって、発酵槽7の上流側に、1次エアレーション装置4、フローテーションタンク5及び2次エアレーション装置6をこの順に接続されている装置を用いて、行うことができる。なお、以下において、熱交換器3の下流側であって、発酵槽7の上流側に接続されている1次エアレーション装置4、フローテーションタンク5及び2次エアレーション装置6と、それらを接続する配管とを総じて「発酵原料液移送システム」と称する場合がある。
熱交換器3では、発酵原料液を適切な発酵温度まで冷却する。
1次エアレーション装置4では、発酵原料液に空気(エア)を注入する。1次エアレーション処理により、熱交換器により冷却された発酵原料液中の凝固物(冷トルーブ)を効率よく浮かせることができる。また、発酵原料液中に酸素を溶解することができる。1次エアレーション処理は、行ってもよく、行わなくてもよい。
フローテーションタンク5では、冷却された発酵原料液中の凝固物(冷トルーブ)を分離する。また、例えば、フローテーションタンク5以前に酵母を添加する場合には、フローテーションタンク5において酵母は、1次エアレーション装置4で注入されたエアによる発酵原料液中の溶存酸素を消費し、活性化される。
2次エアレーション装置6では、冷トルーブ除去後の発酵原料液にエアを注入する。これにより、発酵槽7内にこれから充填する冷トルーブ除去後の発酵原料液と、発酵槽7内にすでに充填されている発酵原料液とを十分に攪拌することができ、発酵槽内で均一に発酵させることができる。また、発酵原料液中に十分量の酸素を溶解させることができる。例えば、フローテーションタンク5以前に酵母を添加する場合には、1次エアレーション装置4で注入したエアによる発酵原料液中の溶存酸素は、フローテーションタンク5において酵母に消費されて減少する。2次エアレーション装置6を用いて、発酵原料液に追加的にエアを注入することで、酵母に十分に酸素を供給することができる。
発酵槽7では、発酵原料液を基質として酵母によるアルコール発酵を行う。
本実施形態の製造方法に用いられるビール醸造装置は、熱交換器3の上流側に、発酵原料液を煮沸する煮沸釜(図示せず)及び加熱により発酵原料液中に生成される凝固物(熱トルーブ)を分離するワールプール1をこの順に更に備えていてもよい。
本実施形態の製造方法に用いられるビール醸造装置は、煮沸釜及びワールプール1の間の配管、ワールプール1及び熱交換器3の間の配管、フローテーションタンク5及び発酵槽7の間の配管に、それぞれ発酵原料液を圧送するポンプを更に備えてもよい。
本実施形態の製造方法に用いられるビール醸造装置は、1次エアレーション装置4の下流側であってフローテーションタンク5の上流側に、注入されたエアと発酵原料液とを撹拌して溶解を補助するスタティックミキサーを更に備えてもよい。また、2次エアレーション装置6の下流側であって発酵槽7の上流側に、スタティックミキサーを更に備えてもよい。
図1では、発酵槽7に1ラインの発酵原料液移送システムが接続している場合を例示しているが、発酵槽7に2ライン以上の発酵原料液移送システムが接続していてもよい。2ライン以上の発酵原料液移送システムが接続している場合、より効率的に発酵槽7に発酵原料液を充填することができる。
図1に示す装置を用いた発酵原料液の発酵槽7への充填方法を以下に説明する。
まず、熱交換器3で冷却された発酵原料液を、配管2bを介して1次エアレーション装置4まで送液し、空気を注入する。
次いで、1次エアレーション処理後の発酵原料液を、配管2cを介してフローテーションタンク5に充填し、静置する。静置する時間としては、例えば0分以上5時間以下とすることができ、30分以上3時間以下とすることができる。静置する時間が上記範囲内であることにより、冷トルーブを発酵原料液面に浮かび上がらせ、フローテーションタンクの底面部から発酵原料液を引き抜くことで、冷トルーブが除去された発酵原料液を得ることができる。
次いで、配管2dを介して、2次エアレーション装置6まで冷トルーブが除去された発酵原料液を送液し、空気を注入する。2次エアレーション処理を行うことにより、発酵槽7内にこれから充填する冷トルーブ除去後の発酵原料液と、発酵槽7内にすでに充填されている発酵原料液とを十分に攪拌することができ、均一に発酵させることができる。また、発酵原料液中に酸素を溶解することができ、この酸素は発酵槽7内において酵母によって消費される。
次いで、空気が注入された発酵原料液を、配管2eを介して、発酵槽7へ充填する。
1次エアレーションの量及び2次エアレーションの量は、特別な限定はない。例えば、エアレーションの量は、各エアレーション装置を流れる発酵原料液の流量の4容量%以上10容量%以下とすることができ、5容量%以上9容量%以下が好ましい。当該流量比となるように空気を注入することで、エアレーション処理後の発酵原料液の溶存酸素を0.6ppm以上6.0ppm以下に調整することができる。なお、溶存酸素は、溶存酸素計を用いて測定することができる。
1回目からn回目のバッチにおいて、各バッチの発酵原料液が発酵槽へ充填される間隔は、5時間以内であることが好ましく、3時間以内であることがより好ましく、2時間以内であることがさらに好ましい。充填される間隔が上記上限値以下であることにより、発酵ビール様発泡性飲料の製造に要する時間を短くすることができることに加えて、エアレーションにより十分量の酸素を含む発酵原料液が短い間隔で供給されることにより、発酵初期の酵母に適切なタイミングで酸素が供給され、活性化される。適切なタイミングで活性化された酵母はより短いサイクルで酸素を消費するため、本実施形態の製造方法による効果を十分に発揮することができる。
1回目からn−1回目のバッチにおいては、各バッチの発酵原料液に酵母を添加する。酵母を添加するタイミングとしては、発酵槽注入以前のいずれかのタイミングとすることができ、図1に示す(A)〜(F)のいずれのタイミングであってもよい。中でも、酵母の酸素への接触を最大化し、より効果的に酵母を活性化できることから、フローテーションタンク注入前に酵母を発酵原料液に添加することが好ましい。このとき、1次エアレーション処理を行う場合には、酵母を添加するタイミングが(A)、(B)又は(C)のタイミング、すなわち、酵母の添加の前に、酵母の添加と同時に、又は酵母の添加後であってフローテーションタンク注入の前に、1次エアレーション処理されることが好ましく、酵母を添加するタイミングが(C)のタイミング、すなわち、酵母の添加の前に、1次エアレーション処理されることがより好ましい。
一方、n回目のバッチでは、熱交換器3で冷却された発酵原料液を、配管2b及び配管2cを介してフローテーションタンク5に充填し、静置する。このとき、1次エアレーション処理を行ってもよく、行わなくてもよい。中でも、発酵原料液中の溶存酸素を低減させる観点から、1次エアレーション処理を行わないことが好ましい。
次いで、配管2dを介して、2次エアレーション装置6まで冷トルーブが除去された発酵原料液を送液し、空気を注入する。2次エアレーション処理を行うことにより、発酵槽7内にこれから充填する冷トルーブ除去後の発酵原料液と、発酵槽7内にすでに充填されている発酵原料液とを十分に攪拌することができ、均一に発酵させることができる。また、発酵槽内で待機している酵母に必要な量の酸素を補うことができ、発酵初期における発酵原料液中の溶存酸素を低減させながらも、発酵槽内に全てのバッチの発酵原料液が充填された時点における溶存酸素を十分量とすることができ、酵母による発酵速度を良好に保つことができる。また、酵母への酸素供給量の減少に起因する酢酸エステル等の過剰な増加及び不快臭物質の生成等、香気成分の生成の変化を抑制することができる。
次いで、空気が注入された発酵原料液を、配管2eを介して、発酵槽7へ充填する。
本実施形態の製造方法では、n回目のバッチでは酵母を添加せず、発酵に必要な量の酵母は、1回目〜n−1回目のバッチで全量を添加する。これにより、発酵初期、具体的には、n回目のバッチが発酵槽へ注入される直前までの間の発酵槽内の酵母濃度を、酵母均等添加法よりも高濃度にすることができる。発酵槽内の溶存酸素は高濃度の酵母により効率的に消費され、EMBalの生成に供される溶存酸素が少なくなる。これにより、発酵槽内で生成されるEMBal濃度が低減され、最終的な発酵ビール様発泡性飲料に含まれる2M3MB濃度を低減することができる。
1回目〜n−1回目のバッチに添加される酵母の量は、それぞれ異なっていてもよいが、実質的に等量であることが好ましい。これにより、酵母がまんべんなく酸素と接することができ、より効率的に活性化されるため、発酵を均一に進めることができる。なお、「酵母の量が実質的に等量である」とは、酵母の量(酵母濃度)が等量(等濃度)である、又は、酵母の量(酵母濃度)が±5%程度の極僅かな誤差範囲内の量(濃度)である状態を意味する。
[発酵工程]
次いで、発酵工程として、発酵槽に注入され、酵母が添加された発酵原料液を用いて、発酵を行う。発酵に用いる酵母は特に限定されるものではなく、通常、酒類の製造に用いられる酵母の中から適宜選択して用いることができる。上面発酵酵母であってもよく、下面発酵酵母であってもよいが、大型醸造設備への適用が容易であることから、下面発酵酵母であることが好ましい。発酵温度は特に限定されるものではなく、例えば、0℃以上15℃以下で行うことができ、4℃以上12℃以下で行うことが好ましい。
[貯酒工程]
発酵工程後、貯酒工程として、得られた発酵液を、貯酒タンク中で熟成させ、0℃程度の低温条件下で貯蔵し安定化させる。
[濾過工程]
貯酒工程後、濾過工程として、熟成後の発酵液を濾過することにより、酵母及び当該温度域で不溶なタンパク質等を除去して、目的の発酵ビール様発泡性飲料を得ることができる。当該濾過処理は、酵母を濾過除去可能な手法であればよく、例えば、珪藻土濾過、平均孔径が0.4μm以上0.6μm以下程度のフィルターによるフィルター濾過等が挙げられる。
以下、実施例及び比較例により本発明を説明するが、本発明は以下の実施例等に限定されるものではない。
<各種測定方法>
[発酵ビール様発泡性飲料の2M3MB濃度の測定方法]
以降の実施例等において、発酵ビール様発泡性飲料の2M3MB濃度は、Iijimaらの方法(非特許文献4)に準じて測定した。
具体的には、まず、500mLの発酵液に、25mLの2mM p−ヒドロキシ水銀安息香酸(p−HMB)と、500μLのトリスバッファー(0.1M トリス)へ溶解させた20mM tert−ブチル−4−メトキシフェノール(BHA)と、100μLの500mg/mLの4−メトキシ−2−メチル−2−メルカプト−ブタン(4M2M2MB)溶液と、を加えて、密封し、室温で、攪拌子で激しく攪拌し、発酵液中の含硫化合物をp−HMBに結合させた。4M2M2MBは、内部標準物質として添加した。結合した反応物を、Dowex−1(強アニオン交換樹脂)に吸着させた後、0.2mM BHAを含む100mLの0.1M 酢酸バッファー(pH6)を用いて当該樹脂を洗浄した。
次いで、10mg/mLのL−システイン塩酸塩を含む100mLの0.1M 酢酸ナトリウムバッファー(pH6)により、当該樹脂から含硫化合物を溶出させた。得られた溶出液に対して、0.5mLの酢酸エチルと5mLのジクロロメタン溶液を用いて2回溶媒抽出を行い、得られた有機溶媒層を無水硫酸ナトリウムにより脱水した。脱水後の有機溶媒層を室温、窒素気流下で100μLまで濃縮した後、当該有機溶媒層に含まれている含硫化合物をGC/MSにて定量した。
(GC/MS条件)
ガスクロマトグラフ:「Agilent 6890 ガスクロマトグラフ 」(Agilent Technologies社製)
検出器:「MSD5975」(Agilent Technologies社製)
カラム:「DB−WAX capillary column」(長さ:60m、内径:0.25mm、膜厚:0.25μm、Agilent Technologies社製)注入口温度:250℃
注入モード:パルス化スプリットレスインジェクションモード(pulsed splitless injection mode)
注入量:1μL
キャリアガス:ヘリウム(1mL/分)
カラム温度設定:40℃(5分間保持)−(5℃/分)−160℃(5分間)イオン化条件:70eV
測定モード:シングルイオン−モニタリングモード(single ion-monitoring(SIM) mode)
定量:2M3MBのピークエリア面積と内部標準品のピークエリア面積との比較にて実施。
[発酵原料液の2,3−エポキシ−3−メチルブタナール(EMBal)(2M3MB前駆体)濃度の測定方法]
以降の実施例等において、発酵原料液の2,3−エポキシ−3−メチルブタナール(EMBal)濃度は次のようにして測定した。
まず、内部標準物質としてEMBalの安定同位体(D6-2,3-epoxy-3-methylbutanal)を100ppbとなるように添加した発酵原料液20gを、メタノール及び水でコンディショニングした固相抽出カラム(陰イオン交換カラム「InertSep MA−1」(ジーエルサイエンス株式会社製))へと負荷した。当該固相抽出カラムの素通り液を採取し、ジクロロメタン3mLを加えて抽出し、溶媒層を回収した。この溶媒抽出操作を3回繰り返し、回収した溶媒層を全て混合したものに無水硫酸ナトリウムを5g加え、30分間以上脱水した。その後、窒素パージにて約500μLまで濃縮した。次いで、定量をEMBalのピークエリア面積と内部標準品のピークエリア面積との比較にて実施した以外は、上記2M3MBにおける条件と同じ条件でGC/MSにて測定した。
[下し時外観エキスの測定方法]
「外観エキス」とは、発酵ビール様発泡性飲料のエキスを、20℃において同じ比重をもったショ糖水溶液のショ糖濃度(通常は質量%)として表わしたものをいう。
発酵終了時に発酵液から酵母を除した液の比重を測定し、20℃において同じ比重をもったショ糖水溶液のショ糖濃度(通常は質量%)に置き換えることで、下し時外観エキスを算出した。
[エキス2%到達時間の測定方法]
上記「下し時外観エキスの測定方法」に記載の外観エキスの算出方法を用いて、発酵液の外観エキスを経時的に算出し、外観エキスが2%に到達した時間を測定した。
[酢酸エチル濃度及び酢酸イソアミル濃度の測定方法]
以降の実施例等において、酢酸エチル濃度及び酢酸イソアミル濃度は次のようにして測定した。
まず、50mL容遠心管に硫酸アンモニウム6.0gを測り取り、氷冷した発酵液30gを加え、直ちに氷冷した。次いで、当該遠心管に内部標準物質を加え、二硫化炭素溶液3.0mLを加えた。その後、当該遠心管を200rpmで10分間振とうした後、遠心分離処理し、二硫化炭素層を回収した。回収された二硫化炭素溶液0.5mLを、ガスクロマトグラフィーに供試し、酢酸エチル濃度及び酢酸イソアミル濃度をそれぞれ検出し定量した。
[イソアミルアルコール濃度の測定方法]
以降の実施例等において、イソアミルアルコールの濃度は、参考文献1(「ASBC Methods of Analysis」(American Society of Brewing Chemists. Method of Analysis, 8th edition. Stastical Analysis-4 Youden unit block collaborative testing procedure. The society, St. Paul. MN. (1992)))で規定されている分析方法と同様にして実施した。
[SO濃度の測定方法]
以降の実施例等において、SOの濃度は、「Fキット」(株式会社JKインターナショナル製)を使用し、当該測定キットの使用指示書に従って測定した。
<発酵ビール様発泡性飲料の製造試験>
[試験例1]
(1)発酵原料液の調製及び移送
麦芽14,600kg、副原料4,800kg、及び77kLの水を混合し、得られた混合物を50℃、30分間保持してタンパク質分解処理を行った後、当該混合物を65℃、70分間保持することにより、麦芽由来成分を糖化させた。得られた麦汁を濾過し、得られた濾過液にホップを添加して90分間煮沸した。煮沸処理後、濃度調整湯を添加して、発酵原料液の濃度を調整した。
調製された発酵原料液の移送には、図1に示す装置を用いた。まず、ワールプール1において発酵原料液からホップ粕等の熱トルーブを分離し、熱交換器3を通すことで発酵原料液を5℃に冷却した。さらに、以下の表1に示す条件で、冷却された発酵原料液を発酵槽(容量:280kL)へ移送し、ビール醸造試験を行った。なお、酵母の添加タイミングは、図1の(C)のタイミングで行った。仕込1回あたり70kLの発酵原料液を調製し、仕込を4回行ったため、各試験に用いた発酵原料液の合計量は280kLであった。仕込時間の間隔は1時間20分であった。
また、使用した酵母の濃度は、約25×10cells/mLであった。また、各条件について、同一酵母を用いた試験を2回ずつ実施した。
Figure 2020000148
(2)各仕込発酵原料液の充填完了毎の発酵槽内の発酵原料液中の溶存酸素の測定
次いで、各仕込発酵原料液の充填完了毎に、発酵槽内の発酵原料液中の溶存酸素(Dissolved Oxygen;DO)(ppm)を、溶存酸素計(メトラー・トレド社製)を用いて測定した。結果を以下の表2、図2A及び図2Bに示す。なお、比較例1−1及び実施例1と、比較例1−2及び実施例2と、をそれぞれ比較するために、比較例1−1及び比較例1−2を実施例1及び実施例2それぞれと並行して実施した。また、同一試験を2回ずつ実施し、溶存酸素をそれぞれ測定し、その平均値を算出して、以下の表2、図2A及び図2Bの値とした。
Figure 2020000148
表2、図2A及び図2Bから、比較例1−1及び比較例1−2では、溶存酸素(DO)は、各仕込発酵原料液の充填完了毎に、低下した。これに対し、実施例1及び実施例2では、充填1〜3回目までは、各々比較例1−1及び比較例1−2よりも、DOが低かった。これは、充填1〜3回目までは、発酵槽内の酵母濃度が高く(比較例1−1及び比較例1−2の4/3倍量)、酸素消費が速いためであると推察された。
また、実施例1では、充填4回目でのDOが比較例1−1よりも高かった。これは、充填4回目の発酵原料液では、1次エアレーション及び2次エアレーションが注入されたが酵母が添加されず、酸素が消費されることなく発酵槽に充填されるためであると推察された。
一方、実施例2においても、充填3回目よりも充填4回目でのDOが増加したが、増加幅が小さかった。これは、2次エアレーションのみ注入され、1次エアレーションの注入及び酵母の添加は実施されず、DOが2次エアレーション分しか上がらなかったためであると推察された。
以上の結果から、実施例2では、充填4回目完了時点、すなわち、充填終了時点でのDOが、比較例1−2とほぼ同等であることが確かめられた。
(3)充填終了時点でのEMBal濃度及び発酵終了時点での2M3MB濃度の測定
発酵槽への発酵原料液充填終了時に、発酵原料液の一部をサンプリングして、EMBalの濃度を上記測定方法により測定した。
次いで、12℃で7日間発酵させた後、発酵終了後の発酵液をサンプリングし、遠心分離処理(7000rpm×15分間)して酵母を除去し、発酵終了時点でのネギ臭原因物質である2M3MB濃度を上記測定方法により測定した。
EMBal濃度(ppb)及び2M3MB濃度(ppb)の測定結果をそれぞれ表3(EMBal)及び表4(2M3MB)に示す。なお、表3及び表4において、「1回目」及び「2回目」とは、2回実施した同一試験それぞれでの測定結果であり、「平均」とは「1回目」及び「2回目」の平均値である。
Figure 2020000148
Figure 2020000148
表3及び表4から、発酵槽への発酵原料液充填終了時点でのEMBal濃度は、実施例1では、比較例1−1と比較して、ほぼ同等であった。これに対して、実施例2では、比較例1−2と比較して、20%の低下が見られた。
また、発酵終了時点での2M3MB濃度は、実施例1及び実施例2ともに、各々比較例1−1及び比較例1−2と比べて、低下が確認されたが、実施例1では10%程度の低下であったのに対して、実施例2では約30%の低下であった。
(4)発酵終了時点での2M3MB以外の物性値
発酵終了時点での2M3MB以外の物性値として、下し時(発酵終了時)外観エキス(単位:%P)、2%エキス到達時間(単位:時間)、酢酸エチル濃度(ppm)、酢酸イソアミル濃度(ppm)、イソアミルアルコール濃度(ppm)及びSO濃度(ppm)を測定した。結果を表5に示す。なお、表5において、「1回目」及び「2回目」とは、2回実施した同一試験それぞれでの測定結果であり、「平均」とは「1回目」及び「2回目」の平均値である。
Figure 2020000148
表5から、発酵時におけるエキス消費状況を示す「下し時外観エキス」及び「エキス2%到達時間」は、実施例1及び実施例2ともに、エキス消費(発酵)の遅延を示す結果は確認されず、むしろ比較例1−1及び比較例1−2と比較して、改善されていた。
酢酸エチル濃度及び酢酸イソアミル濃度ともに、実施例1と比較例1−1とにおける差異、並びに、実施例2と比較例1−2とにおける差異は、それぞれ試験間の誤差よりも小さく、実施例1及び実施例2の各試験条件は、酢酸エステル類の香気成分の生成への影響が少ないことが示唆された。また、酢酸イソアミルの基質となる、高級アルコールのイソアミルアルコールは、実施例1の試験条件による増加が確認されたものの、試験間の誤差よりも小さかった。
SO濃度は、酢酸エステル類の濃度と同様に、酵母の酸素消費と負の相関を持つと考えられている。SO濃度は、実施例1において、低下が見られ、酵母の酸素消費量が比較例1−1よりも増大したことが示された。
以上の結果から、実施例1及び実施例2の試験条件によれば、発酵速度が比較例1−1及び比較例1−2の試験条件よりも改善されており、2M3MBの含有量が低減された発酵ビール様発泡性飲料が得られることが確かめられた。また、実施例2の試験条件では、比較例1−2の試験条件に対して、香気成分の生成が同等であることが確かめられた。
[試験例2]
(1)発酵原料液の調製及び移送
試験例1と同様の方法を用いて麦汁を調製した。調製された発酵原料液の移送には、図1に示す装置を用いた。まず、ワールプール1において発酵原料液からホップ粕等の熱トルーブを分離し、熱交換器3を通すことで発酵原料液を5℃に冷却した。さらに、以下の表6に示す条件で、冷却された発酵原料液を発酵槽(容量:500kL)へ移送し、ビール醸造試験を行った。なお、酵母の添加タイミングは、図1の(C)のタイミング、すなわち、1次エアレーション処理の後であって、フローテーションタンク注入前のタイミングで行った。仕込1回あたり125kLの発酵原料液を調製し、仕込を4回行ったため、各試験に用いた発酵原料液の合計量は500kLであった。仕込時間の間隔は1時間50分であった。
また、使用した酵母の濃度は、約17×10cells/mLであった。実施例3及び比較例3については、同一酵母を用いた試験を2回ずつ実施した。比較例2については、参考として条件を記載した。
Figure 2020000148
(2)発酵終了時点での2M3MBの発酵槽内の濃度の測定
発酵槽に充填した発酵原料液を12℃で7日間発酵させた後、発酵終了後の発酵液をサンプリングし、遠心分離処理(7000rpm×15分間)して酵母を除去し、発酵終了時点での2M3MBの濃度を上記測定方法により測定した。
2M3MB濃度(ppb)の測定結果をそれぞれ表7に示す。なお、表7において、「1回目」及び「2回目」とは、2回実施した同一試験それぞれでの測定結果であり、「平均」とは「1回目」及び「2回目」の平均値である。
Figure 2020000148
表7から、2M3MB濃度は、比較例3のほうが実施例3よりもさらに低下していた。これは、2次エアレーションをなくすことで、発酵原料液への酸素の接触の影響を低減できることが示唆された。
(3)発酵終了時点での2M3MB以外の物性値
発酵終了時点での2M3MB以外の物性値として、下し時(発酵終了時)外観エキス(単位:%P)、2%エキス到達時間(単位:時間)、酢酸エチル濃度(ppm)、酢酸イソアミル濃度(ppm)、イソアミルアルコール濃度(ppm)及びSO濃度(ppm)を測定した。結果を表8に示す。なお、表8において、「1回目」及び「2回目」とは、2回実施した同一試験それぞれでの測定結果であり、「平均」とは「1回目」及び「2回目」の平均値である。
Figure 2020000148
表8から、発酵時におけるエキス消費状況を示す「下し時外観エキス」及び「エキス2%到達時間」について、実施例3に対して、比較例3では発酵の遅延が確認された。これは、比較例3では、仕込4回目での2次エアレーションを実施しないことで、酵母への酸素の供給不足となり、また、発酵原料液満了時において発酵槽内の発酵原料液が十分に攪拌されず、発酵が不均一となり、発酵が遅延したものと推察された。
酢酸エチル濃度及び酢酸イソアミル濃度はともに、比較例3に対して、実施例3では減少が確認された、一方で、イソアミルアルコール濃度は、比較例3に対して、実施例3では増加していた。SO濃度は、酢酸エステル類の濃度と同様に、実施例3において、減少が見られた。これらの結果は、発酵原料液中の酸素の低減を指示しており、実施例3の試験条件では、発酵原料液中の酸素を酵母が効率よく消費することで、発酵が良好に進んだものと考えられる。
よって、実施例3の試験条件によれば、発酵が良好に進み、2M3MBの含有量が低減された発酵ビール様発泡性飲料が得られることが確かめられた。
本実施形態の低減された発酵ビール様発泡性飲料の製造方法及びオフフレーバー低減方法によれば、酵母による発酵速度を良好に保ちながら、タマネギ様臭の主な原因物質である2M3MBの含有量が低減された発酵ビール様発泡性飲料を得ることができる。
1…ワールプール(沈殿槽)、2a,2b,2c,2e…配管、3…熱交換器、4…1次エアレーション装置、5…フローテーションタンク、6…2次エアレーション装置、7…発酵槽、10…ビール醸造装置の一部。

Claims (11)

  1. 酵母を添加した発酵原料液を発酵槽内で発酵させる発酵ビール様発泡性飲料の製造方法であって、
    フローテーションタンク中で冷トルーブが除去された後にエアレーション処理された発酵原料液を、n回(nは2以上の整数)に分けて発酵槽へ注入し、
    酵母は、1回目〜n−1回目に発酵槽に注入される発酵原料液に添加される、
    発酵ビール様発泡性飲料の製造方法。
  2. 1回目〜n−1回目に発酵槽に注入される発酵原料液は、
    酵母を添加された後にフローテーションタンクに注入され、かつ
    酵母の添加の前に、酵母の添加と同時に、又は酵母の添加後であってフローテーションタンク注入の前に、エアレーション処理される、請求項1に記載の発酵ビール様発泡性飲料の製造方法。
  3. 冷トルーブ除去後、発酵槽注入前の発酵原料液に対してなされるエアレーション処理によって、前記発酵原料液の流量の5容量%以上9%容量以下の空気を注入する、請求項1又は2に記載の発酵ビール様発泡性飲料の製造方法。
  4. nが3以上の整数である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の発酵ビール様発泡性飲料の製造方法。
  5. 1回目〜n回目に発酵槽に注入される発酵原料液の量は実質的に等量である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の発酵ビール様発泡性飲料の製造方法。
  6. 1回目〜n−1回目に発酵槽に注入される発酵原料液に添加される酵母の量は実質的に等量である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の発酵ビール様発泡性飲料の製造方法。
  7. 発酵槽に発酵原料液を注入する時間間隔が5時間以内である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の発酵ビール様発泡性飲料の製造方法。
  8. フローテーションタンク中で冷トルーブが除去された後にエアレーション処理された発酵原料液を、n回(nは2以上の整数)に分けて発酵槽へ注入し、
    酵母は、1回目〜n−1回目に発酵槽に注入される発酵原料液に添加される、発酵ビール様発泡性飲料のオフフレーバー低減方法。
  9. 1回目〜n−1回目に発酵槽に注入される発酵原料液は、
    酵母を添加された後にフローテーションタンクに注入され、かつ
    酵母の添加の前に、酵母の添加と同時に、又は酵母の添加後であってフローテーションタンク注入の前に、エアレーション処理される、請求項8に記載の発酵ビール様発泡性飲料のオフフレーバー低減方法。
  10. オフフレーバーの原因物質が2−メルカプト−3−メチル−1−ブタノールである、請求項8又は9に記載の発酵ビール様発泡性飲料のオフフレーバー低減方法。
  11. 前記発酵ビール様発泡性飲料の前記2−メルカプト−3−メチル−1−ブタノールの含有量を、0.4ppb以下に低減する、請求項10に記載の発酵ビール様発泡性飲料のオフフレーバー低減方法。
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