JPH02119769A - 酒類の製造法 - Google Patents

酒類の製造法

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JPH02119769A
JPH02119769A JP63275676A JP27567688A JPH02119769A JP H02119769 A JPH02119769 A JP H02119769A JP 63275676 A JP63275676 A JP 63275676A JP 27567688 A JP27567688 A JP 27567688A JP H02119769 A JPH02119769 A JP H02119769A
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JP
Japan
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fermentation
yeast
concentration
raw material
amino acid
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JP63275676A
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English (en)
Inventor
Koichi Nakanishi
弘一 中西
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Kirin Brewery Co Ltd
Original Assignee
Kirin Brewery Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の背景〕 技術分野 本発明は、酒類の急速製造法に関する。
さらに詳しくは、本発明は、優れた香味を有する酒類の
急速製造法に関する。
先行技術 酒類を急速に製造する手段として、麦芽汁などの醸造原
料液に対して、発酵をつかさどる酵母の濃度を高くする
醸造法が挙げられる。しかし、このような高酵母濃度発
酵によって得られる酒類は、香味の点において不満足で
あるという欠点がある。
〔発明の概要〕
要旨 本発明は、上記の問題点を解決することを目的とし、窒
素濃度の低い窒素成分を含む発酵原料液を、呼吸欠損型
の酵母を用いて発酵させることにより、上記目的を達成
しようとするものである。
すなわち、本発明による酒類の製造法は、アミノ酸が4
.5g/リットル以下の濃度で含まれる低窒素濃度発酵
原料液を用意し、この原料液を、呼吸欠損型のサツカロ
ミセス属酵母の存在する発酵帯域で発酵させること、を
特徴とするものである。
本発明による酒類の製造法の好ましい態様において、ア
ミノ酸濃度が所要低窒素濃度発酵原料液のアミノ酸濃度
よりも高い高窒素濃度原料液を、正常型のサツカロミセ
ス属酵母の存在する発酵帯域で発酵させてアミノ酸濃度
を減少させた後、該酵母を除去することにより、低窒素
濃度発酵原料液を用意することができる。
効果 本発明による酒類の製造法は、使用酵母の濃度、温度等
の条件を適宜に選択することによって酒類製造時間を短
縮させることができると共に、アミノ酸が特定濃度より
も低い濃度で含まれる発酵原料液を、エネルギー源とな
る糖の利用の仕方が醗酵的でしかない呼吸欠損型のサツ
カロミセス属酵母の存在下で発酵させることにより、香
味に大きな影響を与える有機酸やエステル成分をより高
濃度に生成させ、酒類に優れた香味を付与することがで
きる。またこの呼吸欠損型の酵母を用いることに・よっ
て、酸素濃度のコントロールに注意を払う必要がなく、
安定した品質の酒類を得ることが可能である。呼吸欠損
型サツカロミセス属酵母のこのような効果は当業者にと
って思いがけなかったことと解される。
〔発明の詳細な説明〕
概要 本発明による酒類の製造法は、前記したように、アミノ
酸が4.5g/リットル以下の濃度で含まれる低窒素濃
度発酵原料液を用意し、この原料液を、呼吸欠損型のサ
ツカロミセス(Saccharomyces)属酵母の
存在する発酵帯域(具体的には発酵槽など)で発酵させ
るものである。
本発明による製造法の好ましい態様において、アミノ酸
濃度が所要低窒素濃度発酵原料液のアミノ酸濃度よりも
高い高窒素濃度原料液を、正常型のサツカロミセス属酵
母の存在する発酵帯域で発酵させてアミノ酸濃度を減少
させた後、該酵母を除去することにより、低窒素濃度発
酵原料液を用意することができる。
本発明による製造法の好ましい別の態様において、呼吸
欠損型のサツカロミセス属酵母の存在する発酵帯域での
酵母菌体濃度が、低窒素濃度発酵原料液に対して0.4
%以上であるようにすることができる(ただし上記の%
濃度は、乾燥酵母菌体重量軸)/容量(II、I)基準
によるものである)。
本発明による製造法の好ましい更に別の態様において、
低窒素濃度発酵原料液を発酵させる発酵帯域での呼吸欠
損型のサツカロミセス属酵母が、固定化酵母であるよう
にすることができる。
本発明による製造法の好ましいまた更に別の態様におい
て、低窒素濃度発酵原料液を、果汁、麦芽汁、または(
および)こうじ汁から得るようにすることができる。
低窒素濃度発酵原料液 本発明における低窒素濃度発酵原料液は、前記したよう
にアミノ酸が4..5sr/リツトル以下の濃度で含ま
れるものであり、好ましくは、アミノ酸の濃度が0.1
〜4..0glリットルのものである。このアミノ酸の
種類については、特に限定されることはなく、また1種
であっても複数種であってもよい。
上記のような低窒素濃度発酵原料液は、合目的的な任意
の方法によって用意することができる。
好ましくは前記したように、アミノ酸濃度が所要低窒素
濃度発酵原料液のアミノ酸濃度よりも高い高窒素濃度原
料液を、正常型の、すなわち呼吸欠損型でないサツカロ
ミセス属酵母の存在する発酵帯域で発酵させてアミノ酸
濃度を減少させた後、該酵母を除去することにより、得
られるものである。従って、高窒素濃度原料液のアミノ
酸濃度は、所要低窒素濃度発酵原料液のアミノ酸濃度、
すなわち4.5g/リットル以下の特定アミノ酸濃度、
よりも相対的に高いものであるということになる。
この発酵によって低窒素濃度発酵原料液を得る場合、該
発酵原料液のアミノ酸濃度が初めの、すなわち高窒素濃
度原料液のアミノ酸濃度の、約10〜70%程度になる
ようにすることが好ましい。
−6= 高窒素濃度原料液としては、例えば果汁、穀類を原料と
した糖化液、例えば麦芽汁、こうじ汁、などが好適であ
る。
高窒素濃度原料液を代謝してアルコールその他を産生さ
せる酵母、すなわち正常型のサツカロミセス属酵母とし
ては、公知の酵母、例えばサツカロミセス・ウバルムあ
るいはサツカロミセス・セレビシェかあげられるが、特
にサツカロミセス・セレビシェが好ましい。
低窒素濃度発酵原料液としては、予定酵母の基質として
の糖のみを含む糖溶液にアミノ酸をはじめから4.5g
/リットル未満になるように、好ましくは0.1〜4.
0g/リットルの濃度になるように添加配合した調製原
料液を用いることもできる。この原料液に、必要に応じ
てペプチド類、タンパク質、ビタミン類、無機塩類など
を加えておいてもよい。この原料液中の糖の濃度は、シ
ョ糖換算で10〜300g/リットル程度が好ましい。
低窒素濃度発酵原料液や高窒素濃度原料液中に含まれる
糖としては、予定酵母、すなわち正常型のサツカロミセ
ス属酵母および(または)呼吸欠損型のサツカロミセス
属酵母が資化可能なものであればよい。特に、低窒素濃
度発酵原料液が前記の調整原料液である場合、糖の供給
源としては、糖蜜、粗糖、精製糖の他に、デンプンやセ
ルロスの糖化物、などを用いることができる。
低窒素濃度発酵原料液を用意する方法としては、上述し
たものの他に、果汁や麦芽汁などを原料として、これら
の液からアミノ酸を、適当な分離手段、たとえばイオン
交換クロマトグラフィー、を用いて一部除去し、アミノ
酸を前記したような所定の濃度にまで減少させることに
より、低窒素濃度発酵原料液を用意する方法も可能であ
る。
前記高窒素濃度原料液としては、予定酵母、すなわち正
常型のサツカロミセス属酵母の基質としての糖のみを含
む糖溶液に、所要低窒素濃度発酵原料液のアミノ酸濃度
よりも高くなるように、アミノ酸を添加配合した調製原
料液を用いることもできる。アミノ酸の添加量としては
、醗酵後に、該アミノ酸が約10〜70%程度まで消費
されて低窒素濃度発酵原料液が得られるような添加量が
好ましい。この原料液中の糖の濃度は、ショ糖換算で1
2〜500g/リッi・ル程度が好ましい。
また、この原料液に、必要に応じてペプチド類、タンパ
ク質、ビタミン類、無機塩類などを加えておいてもよい
呼吸欠損型のサツカロミセス属酵母 低窒素濃度発酵原料液の発酵に用いられる酵母、すなわ
ち本発明における呼吸欠損型のサツカロミセス属酵母は
、サツカロミセス・ウバルム(Saccharomyc
es uvarum)あるいはサツカロミセス0セレビ
シエ(Saccharomyces cerevisi
ae)の、特にサツカロミセス・セレビシェの、呼吸欠
損株であることが好ましい。
呼吸欠損型のサツカロミセス属酵母は、エネルギー源と
なる糖の利用の仕方か発酵的でしかないものである。こ
の酵母は、発酵によって、得られる酒類の香味に大きな
影響を与える香味成分、すなわぢ酢酸などの有機酸や、
酢酸エチル、酢酸イソアミルなどのエステル成分をより
高濃度に生成させる。
このような呼吸欠損型の酵母は、目的とする酒類が得ら
れるものであれば、いかなる方法により選別あるいは誘
導されたものであってもよい。具体的には例えば、従来
から醸造用として用いられているサツカロミセス属に属
する正常な酵母の中にごく少数(0,1〜1%程度)含
まれており、これを選別することにより得たものでもよ
いし、従来より知られているアクリフラビン等の変異原
性化学物質、あるいは熱ショック、紫外線照射等の物理
的刺激、による誘発処理によって得ることもできる([
蛋白質・核酸・酵素JVo1.12、N016.48〜
55頁、1967年(文献1)を参照されたい)。
上記のような呼吸欠損型の酵母を選択するには、例えば
TTC染色法を用いることが可能である。
これはTTC(トリフェニルテトラゾリウムクロライド
)が脱水素酵素(特にコハク酸脱水素酵素)の作用で還
元されると赤色のホルマザンとなって発色する反応を利
用するもので、このTTC染色によって正常型の酵母は
赤く発色し、呼吸欠損株の酵母は発色せずに白いままに
とどまっている。
また自然発生した呼吸欠損型の酵母の場合であれば、呼
吸欠損型酵母のコロニーが正常型酵母のそれよりも明ら
かに小さいため、培地上のコロニの大きさによって呼吸
欠損型の酵母を選択することもできる(上記文献1を参
照されたい)。
上記のように選択した呼吸欠損型の酵母を、分離または
分離培養することにより、純粋株として得ることができ
る。
この呼吸欠損型の酵母によって低窒素濃度発酵原料液を
発酵させる場合、好ましくは該酵母の存在する発酵帯域
での酵母菌体濃度が、上記原料液に対して0.4%以上
の高濃度に設定する(%濃度は前記した通りである)。
発酵時間、すなわち使用酵母と基質溶液との接触時間、
は発酵に伴って生成する種々の有機酸やエステル成分濃
度が所定値になるまでの時間とすればよい。たとえば、
酒類がビールの場合、酢酸が10mg/リットル以上、
好ましくは40a+g/リットル以上、酢酸エチルが0
.1+ng/リットル以上、好ましくは1.0[I1g
/リットル以上、ワインの場合、酢酸が20mg/リッ
トル以上、好ましくは50mg/リットル以上、酢酸エ
チルが0. 2mg/リットル以上、好ましくは5.0
■/リットル以上、日本酒の場合、酢酸が20ng/リ
ットル以上、好ましくは40+ng/リットル以上、酢
酸エチルが0.1ng/リットル以上、好ましくは10
■/リットル以上となるまでの時間とすればよい。また
発酵の際の温度は4〜35℃程度が適当である。
この呼吸欠損型の酵母は、所謂泥状酵母のように固定化
しないものであってもよいが、高酵母濃度発酵を行なわ
せるべくバイオリアクターとして用いることのできる形
態、すなわち固定化酵母であることが好ましい。
含水ゲルに酵母を担持させあるいは包接させて固定化し
た固定化酵母は既に知られているところであるが、それ
自身およびその使用の詳細については各種の成書または
総説、たとえば福井三部、千畑一部、鈴木周−編「酵素
工学」 (東京化学同人) 、D、Willjams、
D、M、Munneckc:Biotech、andB
ioeng、 23.1813−25(1981)を参
照することができる。
固定化酵母としては、不溶性の高分子性あるいはセラミ
ック製などの粒状担体もしくは膜等に、使用する酵母を
固定化したものを用いることもでる。また、高酵母濃度
を維持する方法としては、発酵帯域(発酵槽など)の出
口などに適当な孔径の膜(メンブランフィルタ−など)
を取り付け、発酵終了液の液のみを出口から流出させて
酵母を発酵帯域中に保持せしめておく方法も可能である
特に好ましい実施態様 本発明の好ましい実施態様が、低窒素濃度発酵原料液を
、アミノ酸濃度が所要低窒素濃度発酵原料液のアミノ酸
濃度よりも高い高窒素濃度原料液を正常型のサツカロミ
セス属酵母の存在する発酵帯域で発酵させてアミノ酸濃
度を減少させた後、該酵母を除去することによって得る
こと、であることは前記したところであるか、本発明の
特に好ましい実施態様は、この好ましい実施態様を、ダ
イアセチル類(発酵液の悪臭源となる)の含量低下を保
証しつつ実施することからなるものである。
すなわち、本発明による酒類の製造法の特に好ましい態
様は、本発明者らによって提案されている方法(特開昭
61−58573号公報明細書)を基本としたものであ
って、これは、醸造原料液(すなわち前記高窒素濃度原
料液)を第一の発酵帯域で実質的に酵母の増殖を伴う第
一の発酵に付し、次いで第二の発酵帯域で第一の発酵に
用いた酵母の混入を実質的に避けた状態で実質的に酵母
の増殖を伴わない第二の発酵に付すことからなり、第一
の発酵を原料液に対して0.4%未満の濃度の酵母の存
在下に実施すると共に第二の発酵を醸造原料液(すなわ
ち第一の発酵により得られる低窒素濃度発酵原料液)に
対して0.4%以上の濃度の酵母の存在下に実施する酒
類の製造法において、第一の発酵に正常型のサツカロミ
セス属酵母を使用すると共に、第二の発酵に呼吸欠損型
のサツカロミセス属酵母を使用すること、である(上記
の%濃度は前記した通りである)。
この製造法は、第一の発酵を低酵母濃度で実施すること
によってダイアセチル類の生成総量を少なくすると共に
、この第一の発酵において、発酵時間、温度、通気量、
撹拌強度等の条件を適宜に選択することによってα−ア
ミノ態窒素、ずなイ)ちアミノ酸、が所望程度に十分消
費された発酵液、すなわち本発明における「低窒素濃度
発酵原料液」、を生成させ、これによって酒類の基本的
香味成分を生成させるものである(前記特開昭61−5
8573号公報明細書参照う。
そしてこの製造法は、第二の発酵において、低窒素濃度
発酵原料液を、高濃度の呼吸欠損型のサツカロミセス属
酵母の存在のもとに発酵させることにより、酒類製造時
間の短縮をはかると共に、香味に大きな影響を与える有
機酸やエステル成分をより高濃度で生成させ、優れた香
味を有する品質の安定した酒類の製造を可能にするもの
である。
ここで、第一の発酵における高窒素濃度原料液としては
、前記したように果汁、麦芽汁、こうじ汁などを用いる
のか好ましい。
第一の発酵は、実質的に酵母の増殖を伴う発酵であり、
酵母の増殖に伴ってα−アミノ態窒素を企図した所定値
まで、即ちアミノ酸濃度が4.5g/リットル未満、好
ましくは0.1〜4.Og/リットルになるまで消費さ
せる発酵を言う。この場合、発酵液中のアミノ酸の濃度
が初めの濃度の約10〜70%程度になるまでの発酵で
あることが好ましい。生成するダイアセチル類の濃度は
0、  lppm以下にすることか好ましい。この第一
の発酵は、一般に通気条件下で行なわれる。しかし、醸
造原料液を発酵帯域ないし発酵槽に供給する前に通気し
ておけば、該帯域ないし槽での通気は不要である。
第二の発酵は、実質的に酵母の増殖を伴4つない発酵で
あり、ダイアセチル類の生成濃度を低く抑えながら、呼
吸欠損型酵母による発酵に伴って生成する種々の有機酸
やエステル成分を所望の濃度にまで到達させる発酵であ
る。この第二の発酵は25°C以下の温度条件下、好ま
しくは一4〜200C1より好ましくは一4〜4°Cで
行なわれ、この時嫌気条件下でも好気条件下でも可能で
あり、酸素濃度のコントロールに注意を払う必要はない
第一の発酵および第二の発酵は、それぞれの発酵帯域で
行なわれる。具体的には、また典型的には、別々の発酵
槽を使用してそれぞれ発酵を行なうということである。
各発酵槽が合目的的な任意のものでありうることは、前
記したところから明らかであろう。各発酵の一方または
双方を複数基の槽を並列または直列に連結使用して行な
うこともできる。また、希望するならば、再発酵工程を
相互に切離して実施する限り、再発酵工程を単一ないし
同一の発酵槽中で行なうこともできる。
第一の発酵で使用した酵母が第二の発酵へ持ち込まれた
場合は、ダイアセチル類が生成することがある。したが
って、この場合は、第一の発酵で得られた発酵液を遠心
分離等で酵母分離に付すことにより、低窒素濃度発酵原
料液を用意し、その後、第二の発酵を実施する必要があ
る。
第二の発酵終了時に得られる発酵液はそれ自身が既に酒
類であるが、通常はこれをさらに熟成されて最終製品と
することになろう。
第一の発酵 第一の発酵を、醸造原料に対して0.4%未満、好まし
くは0.3%未満、さらに好ましくは0.25%未満、
の濃度の酵母の存在下に実施する。ここでいう%濃度は
、乾燥菌体重ffi(g)/容ffi(ml)基準であ
る。なお、ここでいう酵母濃度は、回分式運転の場合は
所与のバッチについての酵母菌体重量(乾物基準)と基
質溶液容量との関数であるが、連続式運転の場合は基質
溶液容量は反応容器中の基質溶液容量を意味するものと
する。
第一の発酵の反応条件は前記酵母濃度で使用酵母の増殖
を保証するものである限り合目的的な任意のものであり
うるが、具体的には、たとえば、温度が4℃以上(たと
えば10〜20℃)、好気条件下(少なくとも発酵開始
前に通気して所定Doレベルに達しさせてあれば連続通
気をしなくてもよいことは前記したところである)、で
ある。
]7 第−の発酵はダイアセチル類(特にビシナルジケトン前
駆体)の生成を抑えるべく低酵母濃度で進行させるので
あるが、低酵母濃度であっても発酵時間が過大であると
ビシナルジケトン前駆体含量が望ましくないレベル、特
にlppm、を越える可能性がある。従って、第一の発
酵の発酵時間はビシナルジケント前駆体含量が1 pp
mを越えない範囲内のものであることが好ましい。
なお、第一の発酵において望まない濃度のダイアセチル
類が生成された場合、第二の発酵前に、第一の発酵で得
られた発酵液を加熱処理しておくとよい(特開昭61−
58573号公報明細書参照)。
第二の発酵 第二の発酵は実質的に酵母の増殖を伴わないものである
と共に、高濃度の酵母の存在下に行なわれる。
発酵が実質的に酵母の増殖を伴わないものであるという
ことは、25°C以下の温度条件下、好ましくは一4〜
20℃、で発酵を実施するということである。この時発
酵は嫌気条件下でも好気条件下でも可能であり、従って
特に酸素濃度のコンI・ロールをする必要がないことは
前記したところである。
使用酵母が高濃度であるということは、醸造原料液に対
して0.4%以上の酵母の存在下に発酵を行なうという
ことである。ここで%濃度の定義は前記した通りである
高濃度の酵母の存在下に発酵を行なう場合の好ましい例
が固定化酵母の使用からなるものであることは前記した
ところであるが、この固定化酵母を用いる場合は、固定
化していない酵母の場合に比べてより高い温度条件下で
発酵させることができる。
使用酵母と基質溶液との接触時間は、発酵に伴って生成
する種々の有機酸やエステル成分濃度が所定値になるま
での時間とすればよい。たとえば、酒類かビールの場合
、酢酸が10mg/リットル以上、好ましくは40mg
/リットル以上、酢酸エチルが0. 1.mg/リット
ル以上、好ましくは1.0mg/リットル以上、ワイン
の場合、酢酸が20mg/リットル以上、好ましくは5
0mg/リットル以上、酢酸エチルが0. 2■/リッ
トル以上、好ましくは5. 0mg/リットル以上、]
]本酒の場合、酢酸が20mg/リットル以上、好まし
くは40mg/リットル以上、酢酸エチルが0.1mg
/リットル以上、好ましくは10mg/リットル以上と
なるまでの時間とすればよいことは前記した通りである
実施例 実施例1 (1)呼吸欠損株の選定 ビール酵母(Saccharomyces cerev
isiae)(慣用のビール酵母)より自然に発生した
呼吸欠損株を麦芽寒天培地上のコロニーの大きさより識
別し、これを分離した後純粋株として得た。
(2)低窒素濃度発酵原料液の準備 アミノ酸濃度1.8g/リットル、蔗糖換算でエキス濃
度12w/w%、の麦芽汁に正常型の(呼吸欠損型でな
い)ビール酵母を0.1ν/V%(d、m、)添加した
後、これを20℃で通気量0、 1.vvmで10時間
培養した。この発酵液中のビール酵母を遠心分離で除去
した。この発酵液のアミノ酸の濃度は0.8g/リット
ル(初発濃度の45%)であった。
(3)呼吸欠損株酵母による発酵 (1)の呼吸欠損株酵母を多孔性の粒状セラミック担体
に吸着固定化して、酵母濃度を0.4w/v%(d、m
、)とし、これを直径8cm、高さ40cmの円筒型カ
ラムに充填し、これに(2)の発酵原料液を10℃で上
向流で80m1/hrで流して、発酵終了液を得た。こ
の発酵終了液は従来の正常型ビール酵母を用いて得られ
る発酵液よりも爽快で雑味も少なく香味的に優れた特徴
を有していた。
すなわち同一の発酵原料液、条件、装置、発酵方法で発
酵を行なった正常型(呼吸欠損型でない)の酵母による
発酵液(対照)との盲試験によるトライアングルの試験
結果では、30名中25名が識別し、そのうち21名が
呼吸欠損株を使用した本発明による発酵液の香味を好ん
だ。この試験結果は、0.1%の危険率で合意差があっ
た。
実施例2 (1)呼吸欠1■株の選定 ワイン酵母(Saceharomyces cerev
isiae)(QC−2)(11本醸造協会より入手)
をアクリフラビン0.5mg/リットル添加17たYM
培地上で培養して蒔らねたコロニーから1’ T C染
色により呼吸欠損株を選別し、これを分離した後純粋株
として得た(文献1−参照)。
(2)低窒素濃度発酵原料液の準備 アミ、ノ酸濃度]、、4g/リットル、蔗糖換算でエキ
ス濃度25 w/w /1;、のぶどう果汁に正常型の
ワイン酵母をO,1w/v%(d、m、)添加した後、
これを25℃で通気量0. 2vvmで12時間培養(
、た。この発酵液中のワイン酵母を遠心分離で除去し7
た。この発酵液のアミノ酸の濃度は0.85g/リッ1
−ル(初発濃度の60%)であった。
(3)呼吸欠損株酵母による発酵 (1)の呼吸欠損株酵母を多孔性の粒状セラミック担体
に吸着固定化して、酵母濃度を0.45w/v%(d、
m、)とし、これを直径8c11、高さ4゜c、mの円
筒型カラムに充填し、これに(2)の発酵原料液を13
℃で上向流で120m1/hrで流して、発酵終了液を
得た。この発酵終了液は従来の正常型ワイン酵母を用い
て得られる発酵液よりもさっばりとして、爽快で雑味も
少なく香味的に優れた特徴を有していた。すなわち同一
の発酵原料液、条件、装置、発酵方法で発酵を行なった
正常型の酵母による発酵液(対照)との盲試験によるト
ライアングルの試験結果では、3o名中21名が識別し
、そのうち15名が呼吸欠損株を使用した本発明による
発酵液の香味を好んだ。この試験結果は、0.1%の危
険率で合意差があった。
実施例3 (1)呼吸欠損株の選定 清酒酵母協会7号(Saccl+aromyccs c
erevisiae)(日本醸造協会より入手)をアク
リフラビン0、 5mg/リットル添加したYM培地上
で培養して得られたコロニーからTTC染色により呼吸
欠損株を選別し、これを分離した後純粋株として得た(
文献1参照)。
(2)低窒素濃度発酵原料液の準備 アミノ酸濃度2.4g/リットル、蔗糖換算でエキス濃
度35w/w%、のこうじ汁(米を原料としたもの)に
正常型の清酒酵母協会7号を0. 2w/v%(d、m
、)添加した後、これを20℃で通気量0. 2vvm
で12時間培養した。この発酵液中の清酒酵母を遠心分
離で除去(7た。この発酵液のアミノ酸の濃度は1.2
g/リットル(初発濃度の50%)であった。
(3)呼吸欠損株酵母による発酵 (1)の呼吸欠損株酵母を、酵母濃度を0.5v/v%
(d、m、)で(2)の発酵原料液に添加し13℃で2
目間培養17て発酵終了液を得た。この発酵終了液は従
来の正常型清酒酵母を用いて得られる発酵液よりもさっ
ばりとして、爽快で香味的に優れた特徴を有していた。
すなわち同一の発酵原料液、条件、装置、発酵方法で発
酵を行なった正常型の酵母による発酵液(対照)との盲
試験によるトライアングルの試験結果では、30名中1
8名が識別し、そのうち12名か呼吸欠損株を使用した
本発明による発酵液の香味を好んだ。この試験結果は、
1%の危険率で有意差があった。
実施例4 (1)呼吸欠損株の選定 ビール酵母(Saccharomyces cerev
isiae)(慣用のビール酵母)をアクリフラビン0
.3+ng/リットル添加した麦芽寒天培地上で培養し
て得られたコロニーからTTC染色により呼吸欠損株を
選別し、これを分離した後純粋株として得た(文献1参
照)。
(2)低窒素濃度発酵原料液の準備 アミノ酸濃度2.0g/リットル、蔗糖換算でエキス濃
度10.5w/w%、の麦芽汁に正常型のビール酵母を
0. 1.w/v%(d、m、)添加した後、これを1
5℃で通気ff1o、  5vvmで12時間培養した
。この発酵液中のビール酵母を遠心分離で除去した。こ
の発酵液のアミノ酸の濃度は0,8g/リットル(初発
濃度の40%)であった。
(3)呼吸欠損株酵母による発酵 (1)の呼吸欠損株酵母を、酵母添加濃度1、  Ov
/v%(d、m、)で、これを直径3 cm、高さ15
0cI11の円筒型カラム中に(2)の発酵原料液を1
0℃で上向流で30m1/hrで流して、発酵終了液を
得た。このカラムの液出口は孔径3. 0μmのメンブ
ランフィルタ−を取り付け、系外に呼吸欠損株が流出し
ない工夫を施した。発酵終了液は従来の正常型ビール酵
母を用いて得られる発酵液よりも爽快で雑味も少なく香
味的に優れた特徴を有していた。すなわち同一の発酵原
料液、条件、装置、発酵方法で発酵を行なった正常型の
酵母による発酵液(対照)との盲試験によるトライアン
グルの試験結果でも、30名中22名が識別し、そのう
ち16名が呼吸欠損株を使用した本発明による発酵液の
香味を好んだ。この試験結果は、0.1%の危険率で有
意差があった。
第1表に、得られた発酵液中の有機酸およびエステル成
分濃度の測定結果を示す。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1、アミノ酸が4.5g/リットル以下の濃度で含まれ
    る低窒素濃度発酵原料液を用意し、この原料液を、呼吸
    欠損型のサッカロミセス属酵母の存在する発酵帯域で発
    酵させることを特徴とする、酒類の製造法。 2、アミノ酸濃度が所要低窒素濃度発酵原料液のアミノ
    酸濃度よりも高い高窒素濃度原料液を、正常型のサッカ
    ロミセス属酵母の存在する発酵帯域で発酵させてアミノ
    酸濃度を減少させた後、該酵母を除去することにより、
    低窒素濃度発酵原料液を用意することを特徴とする、請
    求項1記載の製造法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006238877A (ja) * 2004-12-15 2006-09-14 Kirin Brewery Co Ltd 大豆タンパク分解物を原料とする発酵アルコール飲料及びその製造方法
JP2022164812A (ja) * 2018-06-29 2022-10-27 アサヒビール株式会社 アルコール飲料

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