JPH0673445B2 - 酒類の製造法 - Google Patents

酒類の製造法

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JPH0673445B2
JPH0673445B2 JP18230184A JP18230184A JPH0673445B2 JP H0673445 B2 JPH0673445 B2 JP H0673445B2 JP 18230184 A JP18230184 A JP 18230184A JP 18230184 A JP18230184 A JP 18230184A JP H0673445 B2 JPH0673445 B2 JP H0673445B2
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【発明の詳細な説明】 発明の背景 技術分野 本発明は、酒類の急速製造法に関する。
さらに詳しくは、本発明は、ダイアセチル類濃度の低い
酒類の急速製造法に関する。
酒類の製造工程は、一般に、酵母を加えた醸造原料液中
で酵母が増殖しながら発酵が進行する発酵前期と、この
後の、酵母が増殖しないで発酵が進行する発酵後期とか
ら実質的になる。発酵前期では酵母によるその基質の窒
素、炭素両者の消費が進行すると共に副生物として避け
るべきダイアセチル類(本発明で「ダイアセチル類」と
いうときは、ダイアセチル、ペンタンジオン等のビシナ
ルジケトン並びにこれらの前駆体であるアセト乳酸、ア
セトヒドロキシ酪酸等のアセトヒドロキシ酸を総称する
ものとする)が不可避的に生成し、一方発酵後期では基
質の炭素の消費が主として進行する。発酵後期は、ま
た、発酵前期で生成したダイアセチル類を消失させる工
程でもある。
発酵前期に発酵液中に存在するに到ったダイアセチル類
は大部分がビシナルジケトン前駆体であって、そのまゝ
では使用微生物すなわち酵母によって分解されないが、
それがビシナルジケトン本体となってはじめて分解され
るようになる。しかし、ビシナルジケトン前駆体がビシ
ナルジケトン本体に変換される反応は非生物学的な純粋
な化学反応であるので、発酵後期が比較的低温で行なわ
れるところからこの化学反応の速度が遅く、それが律速
となって、ダイアセチル類濃度の低い酒類の製造には長
時間が必要である。
先行技術 醸造時間の短縮およびダイアセチル類濃度の低下に関し
ては、従来から種々の提案がなされている。
たとえば、酒類を急速に製造する手段として、発酵をつ
かさどる酵母の濃度を高くすることが挙げられる(J.In
st.Brew.,72,193(1966)および同75,260(1969))。
しかし、その場合に得られる発酵液はダイアセチル類濃
度の高いものであって、長時間の熟成が必要であるとさ
れている(Amer.Soc.Brew.Chem.Proc.,36,9(197
8))。
ところで、酵母を含水ゲル中に包接させて固定化する技
術が進歩して、このような固定化酵母を使用する醸造法
が提案されている(J.Inst.Brew.,84,228(1978)、EBC
Cngress,Proc.,505(1981)、およびBrauwissenschaf
t,35,254(1982))。この方法は、酵母を高濃度で使用
できるので、上記高酵母濃度法の利点としての醸造期間
の短縮が可能であることから、将来の醸造技術として期
待されている。しかし、この方法も、高酵母濃度法固有
の問題、すなわち生成発酵液がダイアセチル類濃度の高
いものであるとの問題、から逃れることができず、従っ
て長時間の熟成が必要となるという点からその実用化が
阻まれてきている。
一方、固定化酵母等による高酵母濃度法において、実質
的に酵母の増殖を伴わない発酵条件(例えば、嫌気発
酵、低温発酵等)を採用することにより、ダイアセチル
類の生成を抑制することが考えられる。しかし、このよ
うな発酵条件下では、醸造原料液中のα−アミノ態窒素
の酵母による消費も同時に抑制されるため、得られる発
酵液は、α−アミノ態窒素含量が高いものとなるか、あ
るいは、α−アミノ態窒素の消費に伴って生成する香味
成分が少なくなるという別の問題を生ずる。
他に、固定化酵母法により得られた発酵液中のダイアセ
チル類を加熱処理で克服しようとの試みも報告されてい
るが(J.Inst.Brew.,79,487(1973))、前記したα−
アミノ態窒素に関する問題を同時に解決するには至って
いない。
発明の概要 要 旨 本発明は上記の点に解決を与えることを、すなわち、α
−アミノ態窒素の消費が自由にコントロールされた、ダ
イアセチル類濃度の高くない酒類を短期間に得ることを
目的とし、発酵を二つの発酵帯域に分けて実施すること
によってこの目的を達成しようとするものである。
従って、本発明による酒類の製造法は、醸造原料液を第
1の発酵帯域で実質的に酵母の増殖を伴なう第一の発酵
に付し、次いで第二の発酵帯域で第一の発酵に用いた酵
母の多入を実質的に避けた状態で実施的に酵母の増殖を
伴なわない第二の発酵に付すことからなり、第一の発酵
を醸造原料液に対して0.4%未満の濃度の酵母の存在下
に実施すると共に第二の発酵を醸造原料液に対して0.4
%以上の濃度の酵母の存在下に実施すること、を特徴と
するものである。
また、本発明によるもう一つの酒類の製造法は、醸造原
料液を第一の発酵帯域で実質的に酵母の増殖を伴なう第
一の発酵に付し、次いで第二の発酵帯域で第一の発酵に
用いた酵母の混入を実質的に避けた状態で実質的に酵母
の増殖を伴なわない第二の発酵に付すことからなり、第
一の発酵を醸造原料液に対して0.4%未満の濃度の酵母
の存在下に実施すると共に第二の発酵を醸造原料液に対
して0.4%以上の濃度の酵母の存在下に実施する酒類の
製造法(ただし、上記の%濃度は、乾燥酵母菌体重量
(g)/容量(ml)基準によるものである。)におい
て、第1の発酵により得られる発酵液を第二の発酵に付
す前に加熱すること、を特徴とするものである。
両発明は、いずれも、酒類を製造すべき発酵過程を実質
的に酵母の増殖を伴なう発酵(第一の発酵)と実質的に
酵母の増殖を伴なわない発酵(第二の発酵)とに分割し
て実施することをその構成に欠くことができない事項の
主要部とするものであり、その差は第一の発酵の後の加
熱処理の有無に在る。すなわち、両発明ともに、実質的
に酵母の増殖を伴なわない発酵(第二の発酵)は嫌気条
件下および(または)低温条件下で行なわれるので、ダ
イアセチル類の生成を本質的に伴なわないということに
着目し、第二の発酵に付すべき基質溶液として、第一の
発明ではダイアセチル類の総量の少ないものを用意する
か(すなわち、第一の発酵を低酵母濃度で実施する)、
第二の発明では、第一の発明の改良として、第一の発酵
を低酵母濃度で実施したうえ、それにもかかわらず生成
したかもしれないダイアセチル類が易分解性のビシナル
ジケトン本体となっているものを用意する(すなわち、
第一の発酵の後に、生成液を加熱処理する)。そして、
第一および第二の発明は、第二の発酵を高酵母濃度で実
施することによって酒類製造時間の短縮をはかったもの
である。
効 果 第一の発明は、高酵母濃度発酵法の改良といえようが、
高酵母濃度発酵を非増殖状態の酵母の発酵(第二の発
酵)においてのみ実施することによって、前記の高酵母
濃度発酵法に固有のダイアセチル類濃度が高くなるとい
う問題が解決された。また、α−アミノ態窒素の消費が
少なくなるという問題も、第一の発酵の発酵時間、温
度、通気量、攪拌強度等を適当に選択することによって
発酵液のα−アミノ態窒素を自由に制御することが可能
となった。したがって高酵母濃度発酵法では到底なしえ
なかったダイアセチル類濃度の問題とα−アミノ態窒素
消費の問題の同時解決を容易に達成することができた。
一方、第二の発明は、ダイアセチル類濃度の問題の解決
に関して第一の発明をさらに減縮したものに相当すると
ころ、これは加熱処理によってビシナルジケトン前駆体
からビシナルジケトン本体への変換を促進する方法の改
良といえようが、この場合は第二の発酵を実質的に酵母
の増殖を伴なわない条件で行なっているので、第二の発
酵を高酵母濃度発酵法で実施したとしても該発酵でビシ
ナルジケトン前駆体が生成しないばかりでなく該発酵前
の加熱により前駆体から生じたビシナルジケトン本体は
第二の発酵によって消失して実質的に濃度がゼロとな
る。その結果、該発酵終了後の附加的な熟成工程もダイ
アセチル類の分解のためならば不要となる。
また、第一の発明同様、発酵液のα−アミノ態窒素を自
由に制御することが可能であることは言うまでもない。
発明の具体的説明 基本発酵工程 本発明方法は、基本的には、醸造原料液を第一の発酵帯
域(具体的には、発酵槽)で実施的に酵母の増殖を伴な
う第一の発酵に付し、次いで第二の発酵帯域(具体的に
は発酵槽)で実質的に酵母の増殖を伴なわない第二の発
酵に付すことからなるものである。
醸造原料液は予定酵母の基質を含むものであって、それ
は通常は基質としての糖を含む溶液ないし分散液であ
る。このような醸造原料液の具体例としては、麦芽汁、
果汁等がある。
このような基質を代謝してアルコールその他を産生させ
る酵母も公知であって、具体的にはサッカロミセス・ウ
バルム、サッカロミセス・セレビシエ、その他がある。
これらの酵母は一般に通性嫌気性である。
第一の発酵と第二の発酵とは、同一種の酵母を使用して
実施しても、別種の酵母を使用して実施してもよい。
酵母は、所謂泥状酵母のように固定化しないものであっ
てもよいが、特に第二の発酵は高酵母濃度発酵を行なわ
せるべく固定化酵母であることが好ましい。
含水ゲルに酵母を担持させあるいは包接させて固定化し
たものが公知であることは前記したところであるが、そ
れ自身およびその使用の詳細については各種の成書また
は総説、たとえば福井三郎、千畑一郎、鈴木周一編「酵
素工学」(東京化学同人)、D.Williams,D.M.Munnecke:
Biotecb.and Bioeng.23,1813−25(1981)を参照するこ
とができる。
発酵条件その他は本発明の実施に際して必要な改変があ
ることを留保して、従来公知のそれと本質的には変らな
い。
第一の発酵の実質的に酵母の増殖を伴う発酵とは、酵母
の増殖に伴ってα−アミノ態窒素を企図した所定値まで
消費させる発酵を言う。したがって、第一の発酵は、一
般に通気条件下で行なわれる。しかし、醸造原料液を発
酵帯域ないし発酵槽に供給する前に通気しておけば、該
帯域ないし槽での通気は不要である。第一の発酵終了後
にはDOは0.5ppm以下となることがふつうである。またα
−アミノ態窒素の消費も通常行なわれる酵母濃度の発酵
で消費される程度まで行なわれることがふつうである。
第二の発酵の実質的に酵母の増殖を伴わない発酵とは、
酵母の増殖に伴って生成するダイアセチル類濃度が0.1p
pm以下であるような発酵を言う。したがって、第二の発
酵は、一般に嫌気条件下(好ましくは、DOが0.5ppm以
下、さらに好ましくは0.1ppm以下)および(または)4
℃以下の低温条件下、好ましくは−1〜+1℃、で行な
われる。4℃以下ならば、嫌気条件でなくても酵母の増
殖は実質的に進行しない。
第一の発酵および第二の発酵は、それぞれの発酵帯域で
行なわれる。具体的には、また典型的には、別々の発酵
槽を使用してそれぞれ発酵を行なうということである。
各発酵槽が合目的的な任意のものでありうることは、前
記したところから明らかであろう。各発酵の一方または
双方を複数基の槽を並列または直列に連結使用して行な
うこともできる。また、希望するならば、両発酵工程を
相互に切離して実施する限り、両発酵工程を単一ないし
同一の発酵槽中で行なうこともできる。
第一の発明において、第一の発酵で使用した酵母が第二
の発酵へ持ち込まれた場合は、ダイアセチル類が生成す
ることがある。したがって、この場合は第一の発酵で得
られた発酵液を遠心分離等で酵母分離に付した後、第二
の発酵を実施する必要がある。また、第二の発明におい
て、加熱工程に酵母が持ち込まれると、酵母が加熱され
たために生じる異臭のある発酵液が得られる可能性があ
るので、この場合も遠心分離等で酵母分離を行なう方が
好ましい。
第二の発酵を嫌気条件下に行なう場合には、第二の発酵
前のこの酵母の除去も嫌気条件下で行なうことが好まし
い。
本発明においては、基質中の窒素の消費は実質的に第一
の発酵において進行するということを考慮すれば、第一
の発酵の終了の時点は窒素の消費が少なくとも部分的に
進行してその程度が所定値となった時点である。窒素消
費の程度の具体値は、製造すべき酒類について製造業者
が企図するところによって定められる。
第二の発酵の終点も、発酵液中の炭素の消費が企図した
所定値となった時点である。
第二の発酵終了時に得られる発酵液はそれ自身が既に酒
類であるが、通常はこれをさらに熟成させて最終製品と
することになろう。
第一の発酵 本発明では、第一の発酵を、醸造原料に対して0.4%未
満、好ましくは0.3%未満、さらに好ましくは0.25%未
満、の濃度の酵母の存在下に実施する。ここでいう%濃
度は、乾燥菌体重量(g)/容量(ml)基準である。な
お、ここでいう酵母濃度は、回分式運転の場合は所与の
バッチについての酵母菌体重量(乾物基準)と基質溶液
容量との関数であるが、連続式運転の場合は基質溶液容
量は反応容器中の基質溶液容量を意味するものとする。
この第一の発酵の反応条件は前記酵母濃度で使用酵母の
増殖を保証するものである限り合目的的な任意のもので
ありうるが、具体的には、たとえば、温度が4℃以上
(たとえば10〜20℃)、好気条件下(少なくとも発酵開
始前に通気して所定DOレベルに達しさせてあれば連続通
気をしなくてもよいことは前記したところである)、で
ある。なお、この発酵はダイアセチル類(特にビシナル
ジケトン前駆体)の生成を抑えるべく低酵母濃度で進行
させるのであるが、0.4%を越える酵母濃度や、低酵母
濃度であっても発酵時間が過大であるとビシナルジケト
ン前駆体含量が望ましくないレベル、特に1ppm、を越え
る可能性がある。従って、特に第一の発明での第一の発
酵の発酵時間はビシナルジケトン前駆体含量が1ppmを越
えない範囲内のものであるべきである。
第二の発酵 第二の発酵は実質的に酵母の増殖を伴なわないものであ
ると共に、高濃度の酵母の存在下に行なわれる。
発酵が実質的に酵母の増殖を伴なわないものであるとい
うことは嫌気条件下(たとえば、DOが0.5ppm以下、好ま
しくは0.1ppm以下)および(または)4℃以下の低温条
件下、好ましくは−1℃〜+1℃、で発酵を実施するこ
とであることは前記したところである。
使用酵母が高濃度であるということは、醸造原料液に対
して0.4%以上の酵母の存在下に発酵を行なうというこ
とである。ここで%濃度の定義は前記した通りであり、
またこの%濃度を定義するに当っての「醸造原料液」は
第二の発酵に付すべき基質溶液(すなわち、第一の発酵
を経たもの)を意味する。
高濃度の酵母の存在下に発酵を行なう場合の一具体例が
固定化酵母の使用からなるものであることは前記したと
ころであるが、この第二の発酵も固定化酵母を使用して
実施することが好ましい。
この第二の発酵の反応条件は使用酵母の増殖を抑制する
ものである限り合目的的な任意のものでありうるが、具
体的には、たとえば、温度が4℃以下(好ましくは−1
〜+1℃)、および(または)DOが0.5ppm以下(好まし
くは0.1ppm以下)、である。使用酵母と基質溶液との接
触時間は、発酵液中の炭素の消費が企図した所定値にな
るまでの時間とすればよい。
第二の発明での第二の発酵の特色は、該発酵前に基質溶
液(すなわち、第一の発酵を経たもの)が加熱処理を受
けたものである、ということである。この場合の加熱処
理は、香味上の問題等を考慮して基質溶液を60〜100℃
程度の温度に40分間以内保持することからなることがふ
つうである。
基質溶液をこのような加熱条件に付すための手段として
は、合目的的に任意のものが利用可能である。具体的に
は、たとえば、基質溶液を、加熱媒体用の蛇管および
(または)ジャケットを有する加熱槽に所定時間滞留さ
せるかあるいは加熱浴中に配設した蛇管中に所定滞留時
間が得られるように通過させるか、することになろう。
実験例 実施例1(第二の発明) 温度20℃、攪拌スピード200r.p.m.、通気量10ml/分・リ
ットル、容量4000mlの第一槽に、糖度を11゜Pに調製し
た麦芽汁を20℃において毎時300mlで流してビール酵母
(サッカロミセス・ウバルム)(濃度0.2%(%濃度の
定義は前記))による連続発酵を行なった。次いで、第
一槽から出て来る発酵液から嫌気的に酵母を遠心分離に
よって除去し、これを70℃で30分間加熱した後、8℃に
冷却して第二槽に嫌気的に毎時300mlで流した。第二槽
は、ビール酵母(サッカロミセス・ウバルム)を湿重量
で16.5W/V%になる様に1W/V%アルギン酸ナトリウム水
溶液に添加混合し、これを0.05M塩化カルシウム水溶液
中に滴下して固定化したアルギン酸カルシウムゲルビー
ズ(直径3mm)を容量5000mlの円筒カラムに充填率60%
で充填したものを用いた(第二槽の酵母濃度は3.6%
(%濃度の定義は前記))。
第一槽出口および第二槽出口の発酵液の組成は発酵開始
3日後に安定し、3週間以上にわたって表1のような結
果が得られた。
なお、比較例として、糖度を11゜Pに調製した麦芽汁
(DOが8.0ppm)を8℃において毎時210mlで第二槽のみ
に流したときに得られる発酵液の組成は発酵開始3日後
に安定し、2週間以上にわたって表1のような結果が得
られた。
実施例2(第二の発明) 実施例1において第一槽での通気をやめて、供給麦芽汁
に30ml/分.リットルの供給量で30分間通気した後これ
を第一槽に供給したところ、第一槽出口および第二槽出
口の発酵液の組成は発酵開始3日後に安定し、2週間以
上にわたって表1のような結果が得られた。
実施例3(第二の発明) 温度13℃、攪拌スピード500r.p.m.、通気量20ml/分・リ
ットル、容量5000mlの第一槽に、糖度を11゜Pに調製し
た麦芽汁を13℃において毎時200mlで流してビール酵母
(サッカロミセス・ウバルム)(濃度0.2%(%濃度の
定義は前記))による連続発酵を行なった。次いで、第
一槽から出てくる発酵液から嫌気的に酵母を遠心分離に
よって除去し、これを75℃で25分間加熱した後、8℃に
冷却して第二槽に毎時200mlで流した。第二槽は、実施
例1で使用したものと同じである。
第一槽出口および第二槽出口の発酵液の組成は発酵開始
3日後に安定し、2週間以上にわたって表1のような結
果が得られた。
実施例4(第一の発明) 実施例3において75℃、25分間の加熱を行なわないで、
第二槽に流したところ、第一槽出口および第二槽出口の
発酵液の組成は発酵開始3日後に安定し、2週間以上に
わたって表1のような結果が得られた。
実施例5(第一の発明) 温度13℃、攪拌スピード150r.p.m.、通気量40ml/分・リ
ットル、容量1000mlの第一槽に、糖度を11゜Pに調製し
た麦芽汁を13℃において毎時40mlで流してビール酵母
(サッカロミセス・ウバルム)(濃度0.18%(%濃度の
定義は前記))による連続発酵を行なった。次いで、第
一槽から出てくる発酵液から酵母を遠心分離によって除
去し、これを0.2℃に冷却して第二槽に毎時40mlで流し
た。この時の第二槽へ流入する発酵液のDOは4.0ppmであ
った。第二槽は、実施例1で使用したものと同じであ
る。
第一槽出口および第二槽出口の発酵液の組成は、発酵開
始3日後に安定し、2週間以上にわたって、表1のよう
な結果が得られた。
実施例6(第一の発明) 温度8℃、攪拌スピード300r.p.m.、通気量10ml/分・リ
ットル、容量6400mlの第一槽に、糖度を11゜Pに調製し
た麦芽汁を8℃において毎時200mlで流してビール酵母
(サッカロミセス・ウバルム)(濃度0.22%(%濃度の
定義は前記))による連続発酵を行なった。次いで、第
一槽から出てくる発酵液から酵母を嫌気的に遠心分離に
よって除去し、8℃で嫌気的に毎時200mlで第二槽に流
した。第二槽は、実施例1で使用したものと同じであ
る。
第一槽出口および第二槽出口の発酵液の組成は発酵開始
3日後に安定し、2週間以上にわたって表1のような結
果が得られた。
実施例7(第一の発明) 温度20℃、攪拌スピード200r.p.m.、通気量10ml/分・リ
ットル、容量6000mlの第一槽に、糖度を22゜Pに調製し
たブドウ果汁を20℃において毎時300mlで流してワイン
酵母(サッカロミセス・セレビシエ)(濃度0.22%(%
濃度の定義は前記))により連続発酵を行なった。次い
で、第一槽から出て来る発酵液から酵母を嫌気的に除去
して、これを20℃で嫌気的に毎時300mlで第二槽を流し
た。第二槽は、ワイン酵母(サッカロミセス・セレビシ
エ)を湿重量で16.5W/V%になる様に1W/V%アルギン酸
ナトリウム水溶液に添加混合し、これを0.05M塩化カル
シウム水溶液中に滴下して固定化したアルギン酸カルシ
ウムゲルビーズ(直径3mm)を容量5000mlの円筒カラム
に充填率60%で充填したものを用いた(第二槽の酵母濃
度は3.6%(%濃度の定義は前記))。
第一槽出口および第二槽出口の発酵液の組成は発酵開始
3日後に安定し、2週間以上にわたって表1のような結
果が得られた。
なお、比較例として、糖度22゜Pに調製したブドウ果汁
(DOが7.0ppm)を20℃において毎時280mlで第二槽のみ
に流したときに得られる発酵液の組成は発酵開始3日後
に安定し、2週間以上にわたって表1のような結果が得
られた。
実施例8(第二の発明) 実施例1において、第二槽の容量5000mlの円筒カラムの
凝集性の強いビール酵母(サッカロミセス・ウバルム)
を1%の濃度(%濃度の定義は前記)になるよう入れ、
その他の条件はすべて実施例1と同じとして連続発酵を
行なった。
第一槽出口および第二槽出口の発酵液の組成は発酵開始
3日後に安定し、2週間以上にわたって表1のような結
果が得られた。
実施例9(第二の発明) 温度20℃、攪拌スピード100r.p.m.、通気量10ml/分リッ
トル、容量1000mlの第一槽に、糖度を11゜Pに調製した
麦芽汁を20℃において毎時60mlで流してビール酵母(サ
ッカロミセス・ウバルム)(濃度0.2%(%濃度の定義
は前記))による連続発酵を行なった。次いで、第一槽
から出て来る発酵液から嫌気的に酵母を遠心分離によっ
て除去し、これを70℃で30分間加熱した後、8℃に冷却
して、容量4000mlの第二槽へ嫌気的に毎時60mlで通液
し、ビール酵母(サッカロミセス・ウバルム)(濃度0.
2%(%濃度の定義は前記))により嫌気的に発酵させ
た。
第一槽出口および第二槽出口の発酵液の組成は発酵開始
3日後に安定し、2週間以上にわたって表1のような結
果が得られた。
なお、実施例1〜実施例9の各槽の発酵条件等を表2に
示した。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】醸造原料液を第一の発酵帯域で実質的に酵
    母の増殖を伴なう第一の発酵に付し、次いで第二の発酵
    帯域で第一の発酵に用いた酵母の混入を実質的に避けた
    状態で実質的に酵母の増殖を伴なわない第二の発酵に付
    すことからなり、第一の発酵を醸造原料液に対して0.4
    %未満の濃度の酵母の存在下に実施すると共に第二の発
    酵を醸造原料液に対して0.4%以上の濃度の酵母の存在
    下に実施することを特徴とする、酒類の製造法(ただ
    し、上記の%濃度は、乾燥酵母菌体重量(g)/容量
    (ml)基準によるものである)。
  2. 【請求項2】第二の発酵を4℃以下の温度で実施する、
    特許請求の範囲第1項に記載の方法。
  3. 【請求項3】第二の発酵を嫌気条件下に実施する、特許
    請求の範囲第1〜2項のいずれか1項に記載の方法。
  4. 【請求項4】第二の発酵での酵母が含水ゲル中に包接さ
    れたものである、特許請求の範囲第1〜3項のいずれか
    1項に記載の方法。
  5. 【請求項5】醸造原料液を第一の発酵帯域で実質的に酵
    母の増殖を伴なう第一の発酵に付し、次いで第二の発酵
    帯域で第一の発酵に用いた酵母の混入を実質的に避けた
    状態で実質的に酵母の増殖を伴なわない第二の発酵に付
    すことからなり、第一の発酵を醸造原料液に対して0.4
    %未満の濃度の酵母の存在下に実施すると共に第二の発
    酵を醸造原料液に対して0.4%以上の濃度の酵母の存在
    下に実施する酒類の製造法(ただし、上記の%濃度は、
    乾燥酵母菌体重量(g)/容量(ml)基準によるもので
    ある)において、第一の発酵により得られる発酵液を第
    二の発酵に付す前に加熱することを特徴とする、酒類の
    製造法。
  6. 【請求項6】第二の発酵を4℃以下の温度で実施する、
    特許請求の範囲第5項に記載の方法。
  7. 【請求項7】第二の発酵を嫌気条件下に実施する、特許
    請求の範囲第5〜6項のいずれか1項に記載の方法。
  8. 【請求項8】第二の発酵での酵母が含水ゲル中に包接さ
    れたものである、特許請求の範囲第5〜7項のいずれか
    1項に記載の方法。
  9. 【請求項9】第一の発酵により得られる発酵液を第二の
    発酵に付す前の加熱が、発酵液を60〜100℃の温度に40
    分間以内保持することからなる、特許請求の範囲第5〜
    8項のいずれか1項に記載の方法。
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