JP4231563B2 - 発酵生産物の製造法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、発酵生産物の製造法に関し、詳しくはバイオリアクターを用いる発酵生産物の製造法において、流動層を形成しつつ発酵を行い、発酵生産物を取り出すと共に該リアクターに新たな原料液を供給して前記の発酵を反復実施することを特徴とする発酵生産物の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】
バイオリアクターを用いる発酵法には、連続発酵による操作法を目指したものが多い(バイオリアクター、112 (1985)講談社サイエンティフィック)。連続発酵による操作法の特徴としては、▲1▼製品の品質を一定に保ちやすい、▲2▼自動制御しやすい、▲3▼大量生産に適している等が挙げられる。一方、伝統的な酒類の製造方法においては、回分発酵による操作法が採用されている。回分発酵による操作法では、発酵時間に加えて微生物増殖のための時間(誘導期)を必要とする等のデメリットはあるが、連続操作に比べて発酵原料の完全な消費を達成しやすいという特徴を有している。
【0003】
ところで、ビール等の酒類の製造法においても、酵母を固定化する技術(Brauwelt,1491,111 (1971))が開発されて以来、バイオリアクターを用いた酒類の製造法が数多く提案されている。
この方法は、酵母を固定化用担体に保持して菌体濃度を高め、 これを用いることによって醸造期間の大幅な短縮を図るものである。発酵に用いられるバイオリアクターは、その形式から完全混合槽型リアクター、充填層型リアクター、膜型リアクター、流動層型リアクター及び横形リアクター等に大別される(バイオリアクターの世界、22(1992)ハリオ研究所)。
ビールの主発酵のように、醸造用原料の代謝によってアルコールと炭酸ガスを生成する発酵に用いるバイオリアクターの形式は、ガスを系外に排出するのが容易な流動層型が好適であると報告されている(化学工学、543 、60(1996))。
【0004】
ビール醸造におけるバイオリアクターの応用は、フィンランド(Pajunen, E. et al. EBC Proc. 23rd Congr., 361 (1991)、オランダ(Brauwelt, 133,302 (1993) )等で見られる。しかし、バイオリアクターを用いて連続操作によりビールを製造した場合、伝統的な回分式の発酵法で製造した製品と同等の香味を有する製品を製造することが困難であった。具体的には、ビール中のアミノ酸やジアセチル量が高い、エステル量が低い等の香味上の欠点があった(ニューバイオリアクター、116 (1988)シーエムシー、J. Am. Soc. Brew. Chem., 66, 43(1985))。
そのため、バイオリアクターの利用は、実用上は主として後発酵に限られており、世界的にも主発酵での実用機の長期間稼働は未だ満足し得る程度には行われていない。
しかし、ビール醸造を効率よく実施するためには、後発酵のみならず、主発酵へバイオリアクターを導入することが必須であり、このことがビール醸造におけるバイオリアクター応用面での大きな課題であった。
【0005】
上記したように、バイオリアクターを用いたビール醸造では、製品に香味上の欠点があることが指摘されており、その改良技術がいくつか提案されている。例えば、ビール中のアミノ酸量低減対策として、流動層型リアクターを用いた連続発酵において、発酵液を循環させることによってアミノ酸を固定化酵母に効果的に消費させ、これによってアミノ酸濃度を低くする方法(特開平7−123969号公報)が提案されている。この方法によれば、充填層型リアクター等を用いた場合に比べ、酵母によるアミノ酸の消費は良好となる。
しかし、この方法は、発酵槽への発酵液の流入量を抑える必要があり、つまり発酵液の希釈率を低くする必要があるため、発酵生産物の単位時間当たりの生産量は小さく、バイオリアクターの特徴である高生産性を実現できない。
【0006】
また、酵母による醸造用原料液中のアミノ酸の代謝と糖分の代謝を別の発酵槽で連続的に行わせる方法(特公平6−73445号公報)が提案されているが、この方法は、反応様式の異なる完全混合槽型リアクターと充填層型リアクターを組み合わせたものであり、さらにその間には酵母除去用の遠心分離器が設置されているため、システムが複雑である。
ジアセチルは、バリン生合成系の中間体であるα−アセト乳酸の酸化的脱炭酸により生成し、少量でもビールの香味に悪影響を与える物質である。このジアセチルは、発酵及び熟成中に酵母により閾値の低いアセトインに還元される。しかしながら、連続発酵方式によるバイオリアクターでは、酵母のおかれている環境が伝統的な回分発酵方式とは異なるため、通常の生合成系よりもα−アセト乳酸の生成量が多くなり、酵母がこれを還元しきれず、ビール中に残存するジアセチル量が多くなるものと考えられる。
ジアセチル量の低減策としては、酵母を二重の担体で包括固定化することにより、α−アセト乳酸の生成を抑制する方法(J.Ferment.Bioeng.,199,76(1993))が報告されているが、酵母の固定化操作が煩雑であり、実用上未だ未解決の問題がある。
その他に、遺伝子導入によりα−アセトラクテートデカルボキシラーゼ活性を持つ酵母を用いる方法(J.Inst.Brew.,479, 98(1992))が提案されているが、この酵母を用いるとジアセチル量を低減することができるが、該酵母は遺伝子導入前の親株に比べ、発酵能の持続期間が短いという欠点を有する。
【0007】
ビール香気の重要な成分であるエステル類は、アセチルCoA とアルコール類が、酵母の細胞膜酵素であるアルコールアセチルトランスフェラーゼにより縮合して生成される。この反応は酵母のエネルギー要求反応であるため、酵母の増殖と密接な関係がある。一般に、バイオリアクターにおいては、酵母の増殖量が少ないため、エステルの生成量は低くなる(J. Am. Soc. Brew. Chem.,66, 43(1985))という致命的な欠点が指摘されている。
エステル量を増やす対策としては、酵素処理によりグルコース含量を高めた醸造用原料液を用いて発酵を行いエステル量を調整するという対策が報告されている(J.Ferment.Bioeng.,370,73(1992))。しかし、この方法は、酵素使用によるコストアップが問題となる。
【0008】
ところで、連続発酵方式でのバイオリアクター稼働には、上記の香味品質上の問題の他に、反応器に原料液を常時、一定量づつ供給し続けなければならないという限定条件があることから、前工程である原料液の調製を回分方式により実施する製品の場合、工程間ギャップとそれに伴い製品の品質に悪影響が生じるという問題がある。
すなわち、ビール製造において、主発酵工程に連続発酵方式のバイオリアクターを用いた場合、通常、前工程である仕込工程は回分方式により実施されているため、バイオリアクターの原料液となる冷麦汁を一時的に滞留しなければならない。しかし、この滞留の間に冷麦汁は品質上の劣化、特に微生物汚染などが生じる懸念が大きい。
原料液を微生物汚染させることなく清浄に保つことは、ビール製造及びバイオリアクターの長期稼働において必要不可欠な要素であることから、この工程間ギャップの問題は、ビール製造の主発酵工程に連続発酵方式バイオリアクターを採用する上で重要なことである。
【0009】
前記したように、ビールの主発酵の如く、アルコールと多量の炭酸ガス等を産生する工程に用いるバイオリアクターの反応形式としては、流動層型が好適であり、この流動層型リアクターで用いる担体としては、酵母の固定化能が高いことは勿論のこと、炭酸ガス等の排出を阻害せず、かつ耐磨耗性、流動性に優れているものを採用しなければならない。特に、担体の炭酸ガス排出性能の良否は重要な要素であり、この性能が悪い担体の使用は、固定化酵母と原料液との接触阻害による反応効率の低下、担体の流動化の阻害、さらには担体の見掛け比重の低下による担体浮上とそれに伴う反応器の閉塞等、実用面で多大の問題を引き起こす原因となる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
上記した理由から、ビール製造等のように炭酸ガス排出量の多い分野におけるバイオリアクターの実用化、とりわけビール製造の主発酵工程での実用化には、香味品質の一層の向上は勿論のこと、前工程と連動した稼働状態の開発等が望まれていた。さらに、発酵時間の短縮や長期間稼働が可能な発酵法の確立も待たれていた。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、かかる課題を解決すべく鋭意検討を重ね、ビール等の酒類を製造するにあたり、固定化酵母を配置したリアクターを用い、原料液を循環させて流動層を形成しつつ発酵を行い、発酵生産物をリアクターから取り出すと同時に、又は取り出した後に、該リアクターに新たな原料液を供給し、前記の発酵を反復実施する方法(以下、反復回分式発酵法という。)を開発した。この反復回分式発酵法によれば、発酵時間を短縮することができ、かつ香味の良好な酒類を製造できることを知見した。さらに、この方法は連続式発酵法に比べて酵母の生理状態、増殖周期、リアクター内の菌体分布等の点で伝統的な酒類製造法である回分式操作方法に類似していることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて完成されたのである。
【0012】
流動層部、液循環部及びガス排気部を備えた流動層型リアクターに固定化微生物を配置し、該リアクターに原料液を供給して発酵を行う方法において、液循環部を介して発酵液の一部を流動層部より取り出して再びリアクター内部に戻すことにより発酵液の一部を循環させることによって、流動層を形成させつつ発酵を行い、発酵生産物をリアクターから取り出すと同時に、又は取り出した後に、該リアクターに新たな原料液を供給する工程を、反復実施することを特徴とする発酵生産物の製造法。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明を詳しく説明する。
本発明では流動層型リアクターを使用するが、この装置の1態様を図1に示す。図示したように、該リアクターは流動層部(1)、液循環部(2)及びガス排気部(3)を備えており、さらに整流部(4)、空筒部(5)等を有している。図示した装置は、ビール等のように炭酸ガスを生成する発酵生産物の製造に適している。
流動層部は、微生物を固定化した担体を配置してある部分であり、液循環部は、リアクターに供給された原料液ないし発酵液の一部を該流動層部から取り出して再びリアクター内に戻す部分である。通常、原料液ないし発酵液はリアクター下部の整流部からリアクター内に戻され、導入された液体の流れはここで整えられる。空筒部は、発酵中に生じる炭酸ガスと発酵液を気液分離する部分であり、具体的には液面から装置上部のガス排気部までの部分である。空筒部で分離された炭酸ガス等の気体はリアクター上部のガス排気部から外部に放出される。
【0014】
担体に固定化した微生物を該リアクターの流動層部に配置し、原料液を整流部から供給して発酵を行うが、本発明では該原料液ないし発酵液の一部を循環させることにより、流動層を形成させて発酵を行う。発酵は、リアクター内の固定化微生物を高濃度の状態にしておくことにより、固定化しない遊離の微生物を用いて発酵を行う場合よりも短時間で終了させることができる。
ここで、流動層を形成させるための液体の循環について説明すると、流動層の適当な位置、例えば図示の例では流動層上部より、ポンプを用いて発酵液(又は原料液)の一部を抜き取り、整流部下部よりリアクター内に戻すことによって、リアクター内に流動層を形成させる。発酵液を取り出す位置は、流動層の上部に限らず、取り出し方も縦方向、横方向のいずれでもよい。
なお、発酵中の液空塔速度(流動層単位体積あたりの流体の線速度)は微生物を担持した担体の密度によって変動させることができるが、1〜20cm/min、好ましくは1〜12cm/minが適当である。
発酵中に生成した炭酸ガスは、発酵液を循環していること及びガスを貯留しにくい担体を用いることにより、流動層内に滞留することなく、空筒部を経てガス排気部より容易にリアクター外へ排出される。
【0015】
本発明の方法では、発酵が終了した後、発酵生産物を含む発酵終了液をリアクターから取り出すと共に該リアクターに新たな原料液を供給して前記の発酵を反復実施する。すなわち、発酵が終了した後、循環を停止して発酵終了液をリアクター外に抜き出すと同時、又はその直後に、リアクターに新たな原料液を供給することによって、前記の発酵を反復して行わせる。
リアクターの運転方法は、回分式、反復回分式、連続式のいずれも可能であるが、良好な香味を有する製品を短時間で得るためには、反復回分式発酵が好適である。この反復回分式操作で製造した製品が連続式操作による製品と比べて香味が良好な理由は、発酵中に微生物の増殖と更新が行われることや、菌体の生理状態や増殖周期及びリアクター内の菌体分布等が、伝統的な酒類製造の方法である回分式操作に類似しているためであると考えられる。
【0016】
微生物を担持するための担体としては、各種のものが使用できるが、特にキトサンからなる担体、とりわけキトサンビーズが好適である。キトサンビーズは親水性で多孔質の形状であるため、炭酸ガスの排出が容易である。また、このものは摩耗しにくい上に、原料液の密度に近いため、流動性が良好である。さらに、保持できる微生物量が大きいため、発酵時間を短縮することができる。しかも、菌体は比較的緩やかに吸着固定化されるため、増殖や離脱が容易になると考えられ、包括担体のように死菌体が担体内に存在し続けることもない。
担体の殺菌は、任意の方法で行うことができるが、高圧滅菌、苛性ソーダによる殺菌、あるいは蒸気による殺菌が望ましい。担体への微生物の固定化方法は、菌体懸濁液に担体を加え、攪拌あるいは液を循環すれば完了するが、その他公知の方法によっても実施することができる。
固定化する微生物は、目的に応じて選択することができる。例えば、ビール、発泡酒、清酒のような酒類を製造する場合は、サッカロミセス・ セレビシェ、サッカロミセス・ ウバルム等の酵母を使用することができる。
【0017】
発酵生産物を製造するための原料としては、供試微生物による発酵に適したものであればよく、既知のものを任意に使用することができるが、酒類の製造には、通常は麦汁、果汁、糖液、穀類糖化液などが単独で、もしくは適宜混合して用いられる。
本発明の対象とされる発酵生産物としては、様々なものがあるが、酒類が好適なものであり、より具体的にはビール、発泡酒、清酒、ワイン等が挙げられるが、とりわけビール、発泡酒、その他発酵中に炭酸ガスを生成するアルコール飲料が特に好適なものである。
【0018】
【実施例】
以下に本発明を実施例によってさらに詳しく説明するが、本発明はこれらによって制限されるものではない。
実施例1
リアクターとして、高さ2400mmの円筒型カラム(材質:ポリカーボネート、全容積:20L、直径:100mm)を使用した。
このリアクターに、ビール酵母(サッカロミセス・ セレビシェ)を固定化したキトサンビーズ(商品名:キトパールHP、富士紡績社製)7L(嵩体積)を充填、配置した。次いで、糖度11% Platoに調整した麦汁を該リアクターの整流部から7L導入し、リアクター内発酵液の液空塔速度を6cm/minに設定して10℃で循環させることにより流動層を形成させて発酵を行った。なお、空筒部は6Lとした。
【0019】
発酵終了後、流動層上部より発酵液を抜き取り、同時に整流部より新たな麦汁を導入して反復回分発酵を行った。通算運転期間は74日間(38バッチ)であり、各回分毎の発酵時間は概ね23時間、また固定化菌体量は、担体1ml当たり約2×109 cell/mlであった。
発酵液中の遊離アミノ態窒素、全ジアセチル、酢酸エチルの値を測定した。結果を第1表に示した。なお、全ジアセチル値とは、すでに存在するジアセチル値と、発酵液に空気を取り込ませてから加熱することにより、α−アセト乳酸を強制的にジアセチルに変換させた後のジアセチル値とを合計した値をいう。
反復回分式発酵法による通算74日間稼働中の仮性エキスの経時変化を図2に示す。
【0020】
実施例2
リアクターとして、高さ2400mmの円筒型カラム(材質:ポリ塩化ビニル、全容積:80L、直径:200mm)を使用し、ビール酵母を固定化したキトサンビーズ(実施例1と同じ)13L(嵩体積)を充填、配置した。次いで、麦汁の供給量を40L、リアクター内発酵液の液空塔速度を4cm/minに設定して8℃で循環させ、空筒部は27Lとしたこと以外は実施例1と同様にしてビールを製造した。なお、このときの通算運転期間は51日間(18バッチ)であり、各回分毎の発酵時間は概ね50時間、また固定化菌体量は、担体1ml当たり約1×109 cell/mlであった。結果を第1表に示した。
【0021】
【表1】
【0022】
表から明らかなように、実施例1及び2のいずれの場合も、遊離アミノ態窒素と全ジアセチルの生成量が少ない。なお、従来のリアクターによる連続押出し式発酵法で運転を行ったところ、発酵液中の遊離アミノ態窒素量は98mg/L、全ジアセチル量は0.78mg/L、酢酸エチル量は14mg/Lであった。
【0023】
【発明の効果】
本発明によれば、流動層型リアクターを使用して発酵生産物を製造するにあたり、発酵時間の短縮や長期間稼働が可能である。
また、ビールや発泡酒のような酒類の製造において、主発酵工程をバイオリアクターを用いた反復回分式発酵法とすることにより、回分式により実施されている前工程の仕込工程と連動した稼働が可能で、冷麦汁を一時的に滞留する必要がなく、冷麦汁の品質劣化の心配がない。しかも、得られる製品は従来の回分式発酵による製品と同様に良好な香味品質を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に使用する流動層型リアクターの1態様を示す説明図である。
【図2】 実施例1の反復回分式発酵法による長期稼働中の仮性エキスの経時変化を示すグラフである。
【符号の説明】
1 流動層部
2 液循環部
3 ガス排気部
4 整流部
5 空筒部
Claims (6)
- 流動層部、液循環部及びガス排気部を備えた流動層型リアクターに固定化微生物を配置し、該リアクターに原料液を供給して発酵を行う方法において、液循環部を介して発酵液の一部を流動層部より取り出して再びリアクター内部に戻すことにより発酵液の一部を循環させることによって、流動層を形成させつつ発酵を行い、発酵生産物をリアクターから取り出すと同時に、又は取り出した後に、該リアクターに新たな原料液を供給する工程を、反復実施することを特徴とする発酵生産物の製造法。
- 流動層を、液空塔速度1〜20cm/minの条件で形成することを特徴とする請求項1記載の方法。
- リアクター内に配置する固定化微生物が、微生物をキトサンからなる固定化用担体に固定したものであることを特徴とする請求項1記載の方法。
- 固定化微生物が、酵母であることを特徴とする請求項1記載の方法。
- 発酵生産物が、酒類であることを特徴とする請求項1記載の方法。
- 発酵生産物が、ビール又は発泡酒であることを特徴とする請求項1記載の方法。
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