JP2020000132A - フォアグラ風味増強剤および調味料 - Google Patents

フォアグラ風味増強剤および調味料 Download PDF

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Abstract

【課題】鳥レバー、特にフォアグラの風味を増強することのできる風味増強剤、およびフォアグラと風味増強剤を含むフォアグラ風味調味料を提供する。【解決手段】大豆由来の大豆タンパク質と油脂とが均一に乳化されている大豆乳化物が、鳥レバー風味を増強することができる。この鳥レバー風味増強剤とフォアグラまたはフォアグラと鶏レバーとを含む調味料は、フォアグラ風味が増強された、新たなフォアグラ含有調味料である。【選択図】なし

Description

本発明は、鳥レバー、特にフォアグラの風味を増強することのできる風味増強剤および鳥レバーと風味増強剤を含む調味料に関する。
液状調味料のうち、ドレッシング、マヨネーズ、ケチャップ、パスタソースにおいては、洋風の風味や添加物が好まれるのに対して、ステーキ用の調味料であるステーキソースにおいては、醤油をベースとしたステーキ醤油と呼ばれる和風テイストが好まれており、ニンニクやおろし野菜が風味付けのために添加されている。
また、ステーキソース以外の醤油含有液状調味料である、つゆ類、タレ類、だし醤油、ドレッシング類、ラーメン用スープ、ぽん酢醤油においても、和風の風味付けが主流である。肉類を風味付けとして添加している醤油含有液状調味料は、ラーメン用スープやうどんつゆなどがあるが、鳥レバー風味を有する醤油含有液状調味料は市販されていない。
鳥レバーのうちフォアグラは、世界三大珍味として有名なフランス料理の食材であり、その独特な濃厚な味、風味が美食家に好まれている。また、日本では、フォアグラ様の脂肪が多い鶏レバーが白レバーとして流通している。フォアグラはその独特な風味のため、その風味を感じられる量を調味料に配合すると、フォアグラのエグ味、苦味が強くなってしまうため、フォアグラを含む調味料は未だ開発されていない。
一方、低脂肪豆乳の製造において、ローラーミルで粉末化した大豆材料を水で抽出した水抽出物である豆乳を遠心分離することにより、出発大豆材料に比べてタンパク質と脂肪の比率を相対的に増加させ、特に脂肪を多く含むクリーム画分を水不溶性画分として上層に浮上させて、水溶性画分である脂肪の少ない豆乳と水不溶性画分の大豆乳化物を分離する方法(特許文献1)が提案されている。
また、このような水不溶性画分の大豆乳化物の改質を目的として、予め変性処理を施した大豆を原料とすることにより、大豆乳化物に含有させる乾物あたりのタンパク質含量が25重量%以上、中性脂質と極性脂質の量が増加し、脂質含量がタンパク質含量に対して100重量%以上、かつタンパク質あたりのリポキシゲナーゼタンパク質含量が4%以上である大豆乳化組成物(特許文献2)や、水不溶性画分をさらに均質化してから固液分離することにより、食物繊維が除去された大豆乳化組成物(特許文献3)が提案されている。
特表2010−519928号公報 特許第5887714号公報 特許第5397499号公報
本発明は、鳥レバー、特にフォアグラの風味を増強することのできる風味増強剤を提供することを課題とする。また、フォアグラおよび/または鶏レバーと風味増強剤を含み、フォアグラ風味、鶏レバー風味が増強された調味料を提供することを課題とする。
本発明者らは、フォアグラ風味の調味料を開発する中で、フォアグラの配合のみではフォアグラ風味が弱いため、フォアグラ風味を増強できる食品素材について鋭意研究を重ねた結果、大豆乳を遠心分離して得られる水不溶性画分であって、大豆タンパク質と油脂とが均一に乳化されている大豆乳化物がフォアグラ風味を増強できることを見出して、本発明を完成するに至った。
また、大豆乳化物は、フォアグラだけでなく、鶏レバーの風味を増強することができ、この大豆乳化物を鳥レバーの風味増強剤として調味料に添加することにより、調味料に添加されているフォアグラおよび/または鶏レバーの風味が増強された調味料を製造できることを見出し、本発明に至った。
本発明は、以下の(1)ないし(5)の鳥レバー風味増強剤に関する。
(1)大豆由来の大豆タンパク質と油脂とが均一に乳化されている大豆乳化物からなる、鳥レバー風味増強剤。
(2)上記大豆乳化物が、大豆の脂質親和性タンパク質が濃縮されているタンパク質組成を有し、かつ中性脂質および極性脂質を含む、前記(1)に記載の鳥レバー風味増強剤。
(3)調味料に混ぜて用いるための、および/または、調味料とともに用いるためのものである、前記(1)または(2)に記載の鳥レバー風味増強剤。
(4)調味料が鳥レバーを含有している、前記(3)に記載の鳥レバー風味増強剤。
(5)上記鳥レバーがフォアグラである、前記(1)ないし(4)のいずれかに記載の鳥レバー風味増強剤。
また、本発明は、以下の(6)ないし(9)の調味料に関する。
(6)大豆由来の大豆タンパク質と油脂とが均一に乳化されている大豆乳化物と鳥レバーを含む、調味料。
(7)上記鳥レバーがフォアグラである、前記(6)に記載の調味料。
(8)調味料が、液状調味料である前記(6)または(7)に記載の調味料。
(9)調味料が、醤油含有液状調味料である前記(6)ないし(8)のいずれかに記載の調味料。
本発明の風味増強剤は、これをフォアグラとともに調味料に配合すると、少ないフォアグラ配合量でもその風味を増強できるから、高価なフォアグラの使用量を抑えることができ、比較的安価に製造できる。また、調味料にフォアグラを配合する場合、フォアグラの風味がきちんと感じられるまでフォアグラを添加すると、フォアグラの苦味やエグ味も強くなり、調味料として好ましいものではなくなるが、調味料に本発明の風味増強剤とフォアグラを配合すると、少ないフォアグラの量でもフォアグラの風味がきちんと感じられ、風味のよい調味料となる。
また、フォアグラ料理としてテリーヌ、ステーキの他に、ステーキ上にフォアグラを載せたロッシーニ風ステーキが有名である。このようにステーキとフォアグラの相性がよいため、本発明の風味増強剤とフォアグラを、醤油をベースとしたステーキソースであるステーキ醤油に配合すると、和の醤油と洋のフォアグラの組み合わせの新感覚のステーキ醤油となる。
さらに、本発明の風味増強剤は、フォアグラに比べて安価な鶏レバーの風味も増強することができるため、調味料に配合するフォアグラの一部を鶏レバーに代替でき、より安価にフォアグラ配合調味料を製造することができる。フォアグラと鶏レバーの配合比率が好適であれば、フォアグラに鶏レバーを併用することでフォアグラだけを使用した場合と同じようなフォアグラ風味を、調味料に付与することができる。
本発明の風味増強剤は大豆乳化物であり、豆乳や豆乳入りホイップでは鳥レバー風味増強効果は得られない。大豆乳化物として、大豆の脂質親和性タンパク質が濃縮されているタンパク質組成を有し、かつ中性脂質および極性脂質を含む改質された大豆乳化物や、食物繊維が除かれた大豆乳化物を用いると、鳥レバー風味増強により効果を発揮する。
本発明は、鳥レバーの風味、特にフォアグラの風味を増強することのできる風味増強剤と、該風味増強剤を含む調味料に関する。
本発明における「鳥レバー」とは、食用可能な鳥類のレバーであり、味、風味、入手性から、ガチョウ、アヒル、または鴨の肥大させた肝臓であるフォアグラや鶏のレバーが用いられ、特にフォアグラがその独特で濃厚な味、風味から好ましい。フォアグラと鶏レバーは、生のものを加熱殺菌して用いるが、鶏レバーは市販の鶏レバーパウダーを用いてもよい。
本発明における「風味」とは、食品を喫食した時に感じる呈味と香りとを合わせた感覚を意味し、鳥レバー風味とは、鳥レバーが通常持っている濃厚な呈味と香りを意図する。風味増強剤の形態は特に制限されず、例えば、ペースト、溶液、乾燥粉末などであってもよく、所望とする風味を損なわない限り、必要に応じて調味料、香辛料、無機塩、酸、アミノ酸、核酸、糖類等の飲食品に使用可能な各種調味添加物を風味増強剤に添加することもできる。
本発明の「大豆乳化物」とは、大豆を原料として調製されるタンパク質と油脂とが均一に乳化された大豆乳化組成物をいう。粉末化した大豆材料を水で抽出した水抽出物である豆乳を遠心分離することにより、出発大豆材料に比べてタンパク質と脂肪の比率を相対的に増加させ、特に脂肪を多く含む水不溶性画分として上層に浮上するクリーム画分のことであり、その製造方法の詳細は、特許文献1に記載されている。乳化形態としては通常は水中油型である。
また、本発明の大豆乳化物は、特許文献2や3に記載された方法により得られる、改質された大豆乳化物であってもよい。これらの改質された大豆乳化物は、大豆乳化物に含有させる乾物あたりのタンパク質含量が25重量%以上であり、中性脂質と極性脂質の量が増加し、脂質含量がタンパク質含量に対して100重量%以上、かつタンパク質あたりのリポキシゲナーゼタンパク質含量が4%以上である大豆乳化組成物であり、脂質親和性タンパク質、中性脂質、および極性脂質の含量が増加している。
脂質親和性タンパク質とは、大豆の主要な酸沈殿性大豆タンパク質のうち、グリシニン(7Sグロブリン)とβ−コングリシニン(11Sグロブリン)以外の酸沈殿性大豆タンパク質群をいい、レシチンや糖脂質などの極性脂質を多く随伴するものである。中性脂質はいわゆる大豆油成分であるトリグリセリドに相当するものであり、極性脂質はホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミンやホスファチジルイノシトールなどのリン脂質に相当するものである。
大豆乳化物は、通常は生クリーム様の性状であり、固形分は20〜30重量%程度であるが、加水により低粘度の液状としたものや、濃縮加工されてより高粘度のクリーム状としたものであってもよく、またスプレードライ等により粉末状としたものであってもよい。
本発明の風味増強剤は、フォアグラ含有食品に調味料とともに用いることができる。本発明の風味増強剤を調味料に混ぜて用いる場合には、多すぎると豆風味が強くなりすぎ、少なすぎるとフォアグラ風味の増強効果を発揮できない。固形分が20〜30重量%程度の生クリーム状の大豆乳化物を用いる場合、調味料に0.1%〜3%(w/w)程度、好ましくは0.2%〜2.6%(w/w)配合するのが適当であり、特に2%(w/w)前後の配合量であると、調味料へのフォアグラの配合量が多くても少なくても、その風味を増強できるという効果がある。
本発明の鳥レバーと風味増強剤を含む調味料は、ペースト状または液状の調味料であり、ステーキソース、ドレッシング、パスタソース、バーベキューソース、グレービーミックスなどの各種液状調味料に好ましく適用される。特に醤油成分を含む醤油含有液状調味料に適用する場合には、和の醤油と洋のフォアグラという新たな組み合わせの新感覚のステーキソースとなる。フォアグラの風味が濃厚であるため、ステーキ醤油に配合する醤油の量は、通常より少なめでよい。
鳥レバーとしてフォアグラおよび/または鶏レバーを用いる場合には、調味料の種類にもよるが、多く配合するとフォアグラのエグ味、苦味が強くなりすぎ、少ないと風味増強剤を配合してもフォアグラの風味が感じされないので、調味料に0.1%〜30%(w/w)程度配合するのがよい。
フォアグラの一部に替えて鶏レバーを用いて、フォアグラと鶏レバーを配合することにより、より安価にフォアグラ配合調味料を製造することができる。フォアグラと鶏レバーの配合比率が好適であれば、フォアグラに鶏レバーを併用しても、フォアグラのみを使用した場合と同じようなフォアグラ風味を付与することができる。配合する量にもよるが、通常、フォアグラが鶏レバーの1/10以上、好ましくは1/5以上、より好ましくは1/2以上配合されれば、風味増強剤の配合により全体としてフォアグラ風味の調味料となる。
鳥レバーと風味増強剤を配合した液状調味料には、任意に他の成分を配合できる。甘味成分としては、例えば、砂糖、麦芽糖、果糖、液糖、ブドウ糖、水飴、糖蜜、デキストリン、澱粉、ソルビト−ル、マルチト−ル等の糖アルコ−ル類などが挙げられ、旨味成分としては、肉類の抽出エキス、蛋白加水分解物、グリシン、グルタミン酸ナトリウム等のアミノ酸系調味料、イノシン酸ナトリウム、グアニル酸ナトリウム等の核酸系調味料、コハク酸ナトリウム等の旨味調味料などが挙げられる。また、味を引き締めたり、雑菌の繁殖を抑制するpHに調整したりするために用いる酸味成分としては、醸造酢等の食酢、果汁類(特に柑橘類の果汁)、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、乳酸、酢酸などの有機酸を、液状調味料のpHが3.5〜6.5となるように添加することが好ましい。
以下、本発明を試験例に基づいて具体的に説明するが、本発明は、以下の試験例によって何ら限定されるものではない。
また、試験例における「%」は全て「%(w/w)」を意味する。
[試験例1]
[大豆乳化物のフォアグラ風味を増強する効果の試験(その1)]
試験材料のフォアグラペーストは、市販のフォアグラを1cm程度の角切りとし、さらに同量の水を加えた後ミキサーにかけてペースト状にし、ついで、80〜90℃で10分加熱することで製造した。すなわち、実施例に用いたフォアグラペーストには、50%のフォアグラが含まれている。
大豆乳化物として市販の豆乳クリーム(不二製油(株)製)を用いた。この豆乳クリームの大豆固形分は、18%以上である。
試験は、フォアグラペーストの割合を5%に固定し、豆乳クリームの割合を表1に示したものになるように、水に添加してよく攪拌して均一化した。
表1に示した5%のフォアグラペーストと0.1〜5%の範囲の大豆乳化物を含む13の試料について、そのフォアグラ風味の向上効果について、専門のパネル2名による官能評価を行った。
官能試験は、フォアグラペーストを5%、7.5%、10%、12.5%、15%とした大豆乳化物を含まない水溶液を基準フォアグラ溶液として作成し、大豆乳化物を含む各試料のフォアグラ風味が、何%の基準フォアグラ溶液のフォアグラ風味に相当するかを、各パネルが評価することにより行った。
評価した基準フォアグラ溶液の数値を、「相当するフォアグラ風味(溶液%)」として示し、その数値を5%で割った百分率から100%を引いた値を、「向上率(%)」として示した。結果を表1に示す。
5%フォアグラペースト水溶液(2.5%フォアグラ水溶液)においては、大豆乳化物を0.2〜2.6%を添加することにより、フォアグラ風味が1.5〜2倍向上することが示された。
[試験例2]
[大豆乳化物のフォアグラ風味を増強する効果の試験(その2)]
次に、大豆乳化物の割合を2%に固定し、フォアグラペーストの割合を変化させて、フォアグラ風味増強効果を試験した。
フォアグラペーストと大豆乳化物は、試験例1と同じものを用い、また、各試料のフォアグラ風味の評価も試験例1と同様に行った。
2%の大豆乳化物と0.1〜70%の割合のフォアグラペーストを含む試料を作成し、それら試料のフォアグラ風味の向上効果の官能試験を行った。その結果、フォアグラ風味向上効果が認められた試料の範囲を表2に示す。
大豆乳化物を2%配合することにより、0.2〜60%フォアグラペースト(0.1〜30%フォアグラ)という広いフォアグラの濃度範囲で、フォアグラ風味が向上することが示された。
[試験例3]
[大豆乳化物の鶏レバー風味を増強する効果の試験]
大豆乳化物が、鶏レバーの風味を増強できるか試験した。
試験材料の鶏レバーペーストは、市販の鶏レバーを1cm程度の角切りとし、ミキサーにかけてペースト状にし、ついで、80〜90℃で10分加熱することで製造した。すなわち、実施例に用いた鶏レバーペーストは、鶏レバーが100%含まれている。
鶏レバーペーストと豆乳クリーム(不二製油(株)製)を用いて、鶏レバーを5%、大豆乳化物を2%となるように、水に添加してよく攪拌して均一化した。
試験例1と同様に2名のパネルにより鶏レバー風味の官能評価を行った結果を、表3に示す。
鶏レバー5%に大豆乳化物を2%添加することにより、鶏レバー風味が1.5倍向上することが示され、大豆乳化物は鶏レバーの風味増強効果も有している。
[試験例4]
[豆乳のフォアグラ風味増強効果の試験]
大豆乳化物と原料が同じ豆乳に、フォアグラ風味増強効果があるかどうか試験した。
試験例1と同じフォアグラペーストを用いて、フォアグラペーストが5%、豆乳が2%となるように、水に添加してよく攪拌して均一化した。
試験例1と同様に2名のパネルによりフォアグラ風味の官能評価を行った結果を、表4に示す。
2%の豆乳には、フォアグラ風味増強効果はなかった。配合する豆乳量を増加させても同様であった。
[試験例5]
[豆乳入りホイップのフォアグラ風味増強効果の試験]
乳製品を使っていない豆乳入りホイップ(スジャータめいらく(株)製)に、フォアグラ風味増強効果があるかどうか試験した。
試験例1と同じフォアグラペーストを用いて、フォアグラペーストが5%、豆乳入りホイップが2%となるように、水に添加してよく攪拌して均一化した。
試験例1と同様に2名のパネルによりフォアグラ風味の官能評価を行った結果を、表5に示す。
2%の豆乳入りホイップを配合すると、コクや濃厚感は付与されるが、フォアグラ特有のエグ味、苦味の風味向上はみられず、フォアグラ風味増強効果はなかった。配合する豆乳入りホイップの量を増加させても同様であった。
[試験例6]
[鳥レバーと醤油を含む調味料での大豆乳化物の風味増強効果]
醤油含有調味料に、フォアグラ、またはフォアグラと鶏レバーを配合し、調味料中での大豆乳化物のフォアグラ風味増強効果を試験した。
フォアグラと大豆乳化物は、試験1と同じものを、鶏レバーは、試験例3と同じものを用いた。
表6に示す配合で、フォアグラまたはフォアグラと鶏レバーと、大豆乳化物を含む調味料を調製した。大豆乳化物を配合しない、あるいは、大豆乳化物の代わりに乳清タンパク質を用いたものをコントロールとした。
これら調味料のフォアグラ風味の向上効果について、専門のパネル2名により、醤油とフォアグラペーストを配合したコントロールと比較して、フォアグラ風味がとても向上している(◎)、フォアグラ風味が向上している(○)、フォアグラ風味ではなく鶏レバー風味が向上している(△)、フォアグラ風味が向上しない(×)として官能評価を行った。結果を表6に示す。
表6に示すように、コントロールの大豆乳化物を配合していない調味料、および大豆乳化物の代わりに乳清タンパク質を配合した調味料では、いずれもフォアグラ風味は弱く、これに対して、大豆乳化物を配合すると、フォアグラ風味が向上した調味料が得られることが示された。
また、フォアグラペーストに対して同量の鶏レバーを配合した調味料では、大豆乳化物を配合しないと、フォアグラの風味が弱く鶏レバーの風味が強い調味料となるのに対して、大豆乳化物を配合すると、フォアグラ風味が向上した調味料が得られることが明らかになった。本試験では、フォアグラペーストには50%のフォアグラが含まれているので、フォアグラが鶏レバーの1/10以上配合されれば、鶏レバーを配合してもフォアグラだけを配合したのと同じようなフォアグラ風味を、調味料に付与できることがわかった。
本発明によれば、フォアグラの風味を増強できるフォアグラ風味増強剤を発見したことにより、フォアグラの配合量が少なくても十分にフォアグラ風味が有する、新たなフォアグラ風味調味料を開発することができた。家庭料理がプロの味付けになると期待される。
本発明の風味増強剤とフォアグラを、醤油をベースとしたステーキソースであるステーキ醤油に配合すると、和の醤油と洋のフォアグラの組み合わせの新感覚のステーキ醤油となる。
また、本発明の風味増強剤は、フォアグラに比べて安価な鶏レバーの風味も増強することができ、しかも、調味料に配合するフォアグラの一部を鶏レバーで代替しても、全体としてフォアグラ風味が向上するので、鶏レバーをフォアグラの一部として配合すれば、より安価にフォアグラ配合調味料を製造することができる。

Claims (9)

  1. 大豆由来の大豆タンパク質と油脂とが均一に乳化されている大豆乳化物からなる、鳥レバー風味増強剤。
  2. 上記大豆乳化物が、大豆の脂質親和性タンパク質が濃縮されているタンパク質組成を有し、かつ中性脂質および極性脂質を含む、請求項1に記載の鳥レバー風味増強剤。
  3. 調味料に混ぜて用いるための、および/または、調味料とともに用いるためのものである、請求項1または2に記載の鳥レバー風味増強剤。
  4. 調味料が鳥レバーを含有している、請求項3に記載の鳥レバー風味増強剤。
  5. 上記鳥レバーがフォアグラである、請求項1ないし4のいずれかに記載の鳥レバー風味増強剤。
  6. 大豆由来の大豆タンパク質と油脂とが均一に乳化されている大豆乳化物と鳥レバーを含む、調味料。
  7. 上記鳥レバーがフォアグラである、請求項6に記載の調味料。
  8. 調味料が、液状調味料である請求項6または7のいずれかに記載の調味料。
  9. 調味料が、醤油含有液状調味料である請求項6ないし8のいずれかに記載の調味料。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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