JP2013233089A - 風味素材及び風味改良油脂 - Google Patents

風味素材及び風味改良油脂 Download PDF

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Abstract

【課題】幅広い素材、用途に対して異味・雑味を抑えながらコク味やロースト風味を付与できる素材を提供すること。
【解決手段】乳清ミネラルを1質量%以上含有する乳清ミネラル水性液を加熱処理して得られる風味素材、及び該風味素材由来の風味成分を食用油脂に移行させて得られる、風味改良油脂を使用することにより、上記課題を解決することができる。上記乳清ミネラル水性液は植物性蛋白質を含有することが好ましい。上記乳清ミネラル水性液中の乳蛋白質含有量が1質量%未満であることも好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、幅広い食品に対してコク味とロースト風味を付与することのできる風味素材、及び該風味素材由来の風味成分を食用油脂に移行させて得られる、風味改良油脂に関する。
近年、加工食品に対する消費者の嗜好の高まりとともに、その要望は多様化、高度化する傾向にある。特に、甘味、塩味、酸味といった直接味覚に働きかけるような風味だけでなく、コク味やロースト風味といった、一般に素材を加工することではじめて得られる風味が求められている。しかし、このようなコク味やロースト風味は原料素材ごとにそれぞれ異なった成分が関与していると考えられるため、従来は素材や用途に応じて検討が行われることが一般的であった。そのため、原料素材の特徴を幅広い用途でコク味やロースト風味を付与できる素材が求められていた。このような課題を解決すべく、これまで様々な検討が行われている。
例えば、香料によってロースト風味を付与する方法(特許文献1)、焼酎粕を用いる方法(特許文献2)、風味油による方法(特許文献3,4)、特定のアミノ酸による方法(特許文献5)がある。
特許文献1に記載の方法は、穀類、豆類又は殻果類を空気を遮断した減圧下で乾留した乾留留出物を利用するものであるが、この方法ではコク味を付与することができない上、ロースト風味自体がやや苦味を感じるものであり、用途が限られてしまうという問題があった。
特許文献2は、乾燥させた焼酎粕を粉砕して得られる風味材に関するものであるが、該風味材は、焼酎粕自体の特徴が強く出てしまい、異味・雑味が強く、また酸味を有する等用途が限定されてしまうものであった。特許文献3には、風味性材料を油の存在しない条件下で加熱を伴う前処理を行った後、食用油脂と共に加熱する方法が開示されている。しかし、この発明では風味性材料として野菜類、海藻類等を使用するため、風味性素材に由来した特徴が強く出てしまい、好適に使用できる範囲がきわめて限定されるものであった。特許文献4には、糖類を加熱してカラメル化した後、一次乳製品を混合して調乳液を調製し加熱、粉末化する方法が開示されているが、この方法では工程が多く繁雑である上、一次乳製品を加熱する際にムレ臭が生じてしまうという問題があった。特許文献5は、コク味の強化に関するものであり、ロースト風味を付与するものではなかった。
このように、従来の風味素材として、幅広い素材、用途に対して異味・雑味を抑えながらコク味やロースト風味を付与できる素材が求められていた。
特開2000−333635号公報 特開2008−173057号公報 特開平10−262561号公報 特開2002−34449号公報 国際公開第2009/101972号公報
従って、本発明の目的は幅広い素材、用途に対して異味・雑味を抑えながらコク味やロースト風味を付与できる素材を提供することにある。
本発明者らは上記の課題を解決すべく種々検討を重ねた結果、加熱するとムレ臭や異味・雑味が生じやすい乳原料の中で、特定の乳原料を使用した場合に限ってムレ臭や異味・雑味を生じることなく、良好な風味成分を引き出すことが可能であるという知見を得た。更に検討を進め、乳清ミネラルを一定量以上含有する「乳清ミネラル水性液」を加熱処理すると、良好な風味成分が生成し、これが凝縮された風味素材が得られること、また上記「乳清ミネラル水性液」の加熱処理により生じる風味成分を食用油脂へ移行させることで、同様に風味の凝縮された風味改良油脂が得られることを突き止めた。
本発明は上記知見に基づいて完成されたものである。すなわち、本発明は、乳清ミネラルを1質量%以上含有する乳清ミネラル水性液を加熱処理して得られる風味素材、及び該風味素材由来の風味成分を食用油脂に移行させて得られる、風味改良油脂である。
本発明の風味素材及び風味改良油脂によれば、幅広い素材、用途に対して異味・雑味を抑えながらコク味やロースト風味を付与することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の風味素材は、乳清ミネラルを1質量%以上含有する乳清ミネラル水性液を加熱処理して得られるものである。
はじめに乳清ミネラル水性液について説明する。
本発明でいう乳清ミネラル水性液とは、必須成分として乳清ミネラルを1質量%以上(固形分基準)、好ましくは3〜40質量%、より好ましくは5〜37質量%、最も好ましくは8〜35質量%含有する水溶液である。乳清ミネラルが1質量%よりも少ないと、加熱処理により十分な風味成分が生成できなくなり、得られる風味素材はロースト風味、コク味に乏しいものとなってしまう。
上記乳清ミネラル水性液中には、原料に由来する少量の油分が含まれた場合であっても問題なく風味成分が生成するが、油分が多くなると風味成分が油相へ移行しやすくなり、その結果、水相中に濃縮される風味成分が減じられ、得られる風味素材の効果が弱くなるおそれがある。
そのため、上記乳清ミネラル水性液に含まれる油分は5質量%未満が好ましく、3質量未満がより好ましく、1質量%未満が最も好ましい。
上記油分とはトリグリセリドを表すものとし、油相とは油分の他、油溶性の成分もあわせたものとする。
なお、後述の風味改良油脂を製造する場合には、上記風味成分を油相へ移行させるのが主旨であるため、上記乳清ミネラル水性液に油分が含まれていても問題ない。
次に本発明で使用する乳清ミネラルについて説明する。
上記乳清ミネラルは、乳又はホエーを原料とし、膜分離及び/又はイオン交換等の方法により脱ミネラル液を分離し、高ミネラル液を得る工程を経て得ることができる。
上記乳としては、牛乳をはじめ、人乳、山羊乳、馬乳、更にそれらを使用した脱脂乳、加工乳、及び、クリーム等が挙げられ、そのいずれでも使用することが可能である。また上記ホエーとしては、上記乳を使用してチーズを製造する際に副産物として得られるホエー、更には、カゼイン製造の際に副産物として得られるホエー、乳を限外濾過することによって得られるホエー等、いずれでも使用することができる。
更に、チーズを製造する際に副産物として得られるホエー、及び、カゼイン製造の際に副産物として得られるホエーは、その製造方法により酸性ホエーと甘性ホエーがあるが、そのどちらでも使用することができる。
本発明では、上記乳又はホエーの中でも、特に加熱処理による風味成分が生成しやすいことから、牛乳を使用してチーズを製造する際に副産物として得られるホエー、又は、カゼイン製造の際に副産物として得られるホエーを使用することが好ましく、更に好ましくは、牛乳を使用してチーズを製造する際に副産物として得られるホエーを使用し、特に好ましくは、牛乳を使用してチーズを製造する際に副産物として得られる甘性ホエーを使用する。
上記工程で使用する膜分離の方法としては、精密濾過膜分離、限外濾過膜分離、ナノ濾過膜分離、逆浸透膜分離、透析膜分離と各種の方法があり、また、ここで使用するイオン交換の方法としては、陽イオン交換膜法や陰イオン交換膜法を用いる電気透析膜分離や、イオン交換樹脂による方法があり、これらの膜分離方法やイオン交換の1種又は2種以上を適宜組合せて使用することができる。
上記工程においては、特に分離効率が高いことから、ナノ濾過膜分離、及び/又は逆浸透膜分離の方法によることが好ましく、ナノ濾過膜分離をした後に逆浸透膜分離を行うことが更に好ましい。
得られた水溶液状の乳清ミネラルは、エバポレーター等の一般的な方法で濃縮及び/又は乾燥してもよく、水溶液状のまま水性液として使用することもできる。
上記乳清ミネラル水性液には、植物性蛋白質を含有することが好ましい。植物性蛋白質のみ又はその水溶液を加熱処理した場合には苦味が生じ、ややバランスを欠いたロースト風味となってしまうが、本発明において上記乳清ミネラル水性液中に含有させた場合には、苦味を感じさせることなく、ロースト風味をより良好なものにすることができる。
植物性蛋白質の含有量は、乳清ミネラル水性液の水相基準で0.001〜10質量%が好ましく、より好ましくは0.005〜1質量%、最も好ましくは0.01〜0.5質量%である。
上記植物性蛋白質は、植物に由来する蛋白質であればいずれも使用することができ、その由来としてはダイズ、アズキ、 ソラマメ、エンドウ等のマメ科植物、小麦、大麦、とうもろこし、ライ麦、からす麦、米等の穀物植物、キク科植物、十字花科植物等が挙げられ、更にこれらの植物性蛋白質の加水分解物、酵素処理物等の物理的及び/又は化学的処理を施した植物性蛋白質誘導体が挙げられる。本発明では、これらの植物性蛋白質、加水分解物、植物性蛋白質誘導体から任意の一種又は二種以上を使用することができる。本発明においては、より良好な風味を引き出すことができる点でマメ科植物、穀物植物由来の蛋白質を使用することが好ましく、大豆、小麦由来の蛋白質がより好ましい。
上記乳清ミネラル水性液には、食用エキスを含有することが好ましい。
上記のエキスとしては、食品として用いられる農・水・畜産物を原料(酵母も含む)として、
衛生的管理の下に抽出又は搾汁、自己消化、酵素処理、精製、濃縮等により製造し、原料由来の成分を含有するもの、又はこれに副原料、呈味成分を加えたものである。具体的にはチキンエキス・ビーフエキス・ポークエキス等の畜産エキス、鰹エキス・鯖エキス・鮭エキス・鰹節エキス・煮干エキス・グチエキス・ハモエキス・タラエキス・イカエキス・カキエキス・アワビエキス・ホタテエキス・エビエキス・カニエキス・オキアミエキス・オイスターエキス・アサリエキス・昆布エキス・ワカメエキス、魚醤エキス等の水産エキス、玉葱エキス・人参エキス・白菜エキス・キャベツエキス・セロリエキス・にんにくエキス・ジンジャーエキス・椎茸エキス・マッシュルームエキス・果実エキス等の農産エキス、ビール酵母エキス・パン酵母エキス・トルラ酵母エキス等の酵母エキス等を挙げることができる。
本発明においては、よりバランスの取れた風味成分が濃縮される点で畜肉エキス及び/又は酵母エキスを用いることが好ましい。
食用エキスは上記乳清ミネラル水性液中に0.01〜10質量%(固形分換算)含有するのが好ましく、より好ましくは0.5〜5質量%である。0.01質量%より少ないと十分な風味が付与されにくくなり、10質量%を超えると雑味を生じる場合があるため好ましくない。
なお、後述する風味改良油脂を製造する場合には、一度水相に生成した風味成分を油相へ移行させる必要があることから、上記食用エキスの含有量を大きくしたほうが移行が進行しやすい。そのため、食用エキスの含有量は好ましくは1〜50質量%、より好ましくは3〜40質量%、最も好ましくは5〜30質量%である。
上記乳清ミネラル水性液には、乳蛋白質(固形分)の含有量が乳清ミネラル水性液の水相基準で1質量%未満であることが好ましく、0.7質量%未満であることがより好ましく、0.5質量%未満であることが最も好ましい。乳蛋白質が1質量%以上含まれると、加熱処理によって乳由来のムレ臭が強く現れることがあるため好ましくない。上記乳蛋白質としては、αs1−カゼイン、αs2−カゼイン、β−カゼイン、γ−カゼイン、κ−カゼイン等のカゼインタンパク質、ラクトアルブミン、βラクトグロブリン、血清アルブミン、免疫グロブリン、プロテオースペプトン等のホエイタンパク質が挙げられる。
次に上記乳清ミネラル水性液の加熱処理について説明する。
上記加熱処理では、乳清ミネラル水性液に対して70〜150℃で行うのが好ましく、80〜120℃で行うのがより好ましい。また加熱時間は5分〜10時間の範囲が好ましく、30分〜5時間の範囲がより好ましい。また、必要に応じて加圧条件下又は減圧条件下、更にリフラックス条件下等を組み合わせて処理することができる。上記条件で行うことにより、より品質の安定した風味素材を得ることができる。
また、上記加熱処理は、加熱処理して得られる風味素材の明度(L値)が20未満となるように行うことが好ましい。
色を表現するには様々な方法があり、それらは表色系とよばれている。表色系にはR(赤)・G(緑)・B(青)という光の三原色を用いるRGB系、H(色相)・S(彩度)・B(明度)で表現されるHSB系、L*(明度)・a*・b*(色座標)で表現されるCIE1976(L*a*b*)表色系等があり、目的に応じて選択される。本発明における明度とはCIE1976(L*a*b*)表色系を利用した明度(L値)であり、0〜100の間で表され、L値が100の場合、最も明るい状態(完全な白色)を示し、一方、L値が0である場合、最も暗い状態(完全な黒色)を示す。
本発明においては、明度が20以下となるように加熱処理することが好ましく、0.5〜19がより好ましく、1〜18が最も好ましい。明度が20よりも大きいと、加熱処理の効果が十分ではなくなる可能性がある。
なお、水相以外にも油相を含む場合には、水相のみを分離し、明度を測定するものとする。
次に本発明の風味素材を含有する飲食品について述べる。
飲食品における、本発明の風味素材の含有量は、特に限定されず、使用する飲食品や、求める風味の強さに応じて適宜決定されるが、飲食品100質量部に対し、好ましくは0.001〜20質量部、より好ましくは0.005〜10質量部、更に好ましくは0.01〜5質量部である。0.001質量部未満では、風味改良の効果が認められ難く、また20質量部を超えると、風味が強すぎエグ味が感じられるおそれがある。
上記飲食品としては、特に限定されるものではなく、例えば味噌、醤油、めんつゆ、たれ、だし、パスタソース、ドレッシング、マヨネーズ、トマトケチャップ、ウスターソース、とんかつソース、ふりかけ等の調味料、お吸い物の素、カレールウ、ホワイトソース、お茶漬けの素、スープの素等の即席調理食品、味噌汁、お吸い物、コンソメスープ、ポタージュスープ等のスープ類、焼肉、ハム、ソーセージ等の畜産加工品、かまぼこ、干物、塩辛、佃煮、珍味等の水産加工品、漬物等の野菜加工品、ポテトチップス、煎餅等のスナック類、食パン、菓子パン、クッキー等のベーカリー食品類、煮物、揚げ物、焼き物、カレー、シチュー、グラタン、ごはん、おかゆ、おにぎり等の調理食品、パスタ、うどん、ラーメン等の麺類食品、マーガリン、ファットスプレッド、風味ファットスプレッド、ホイップクリーム等の油脂加工食品、フラワーペースト、餡等の製菓製パン用素材、パン用ミックス粉、ケーキ用ミックス粉、フライ食品用ミックス粉等のミックス粉、チョコレート、キャンディ、ゼリー、アイスクリーム、ガム等の菓子類、饅頭、カステラ等の和菓子類、コーヒー、コーヒー牛乳、紅茶、ミルクティー、豆乳、栄養ドリンク、野菜飲料、食酢飲料、ジュース、コーラ、ミネラルウォーター、スポーツドリンク等の飲料、ビール、ワイン、カクテル、サワー等のアルコール飲料類、牛乳、ヨーグルト、チーズ等の乳や乳製品等が挙げられる。
次に、本発明の風味改良油脂について述べる。
上記本発明の「風味素材」は飲食品にコク味やロースト風味を付与するものであり、飲食品が水溶液の形態であれば本発明の「風味素材」を添加しても物性や機能に影響のない限り好適に使用できる。しかし、飲食品の種類によっては、例えばマーガリン・ショートニング・フライ油等の油脂加工食品等の場合は、上記風味素材となじみにくく、良好な風味を付与しづらいという問題が発生する。
このような場合は、本発明の「風味素材」を直接添加するのではなく、その風味素材の風味成分を油脂に移行させた「風味改良油脂」を製造し、それを用いることが好ましい。
すなわち、本発明の風味改良油脂は、本発明の風味素材に由来する風味成分を食用油脂へ移行させて得られるものである。
上記食用油脂は、一般に食用に適する油脂であればよく、例えば、大豆油、菜種油、コーン油、綿実油、オリーブ油、落花生油、米油、べに花油、ひまわり油等の常温で液体の油脂が挙げられるが、その他に、パーム油、パーム核油、ヤシ油、サル脂、マンゴー脂、乳脂等の常温で固体の油脂も挙げられ、更に、これらの食用油脂の硬化油、分別油、エステル交換油等の物理的又は化学的処理を施した油脂を使用することもできる。本発明の風味改良油脂においては、上記食用油脂の中でも乳脂及び/又は乳脂の硬化油、分別油若しくはエステル交換油脂を、油相基準で5質量%以上含有することが好ましく、10〜90質量%以上含有することがより好ましい。
次に本発明の風味改良油脂の製造方法について説明する。
上述の通り、本発明の風味改良油脂は、本発明の風味素材に由来する風味成分を食用油脂へ移行させて得られるものである。風味成分を食用油脂に移行させるには、(I)上記乳清ミネラル水性液又は本発明の風味素材と食用油脂を接触、混合する工程、(II)攪拌及び/又は加熱し、風味素材に含まれる風味成分を食用油脂へ移行させる工程、(III)水相を除去する工程を順次行う方法が挙げられる。(ただし、(I)工程で乳清ミネラル水性液を使用した場合は、(II)工程で加熱処理を必要とするものとする。)
上記工程(I)の中には、乳清ミネラル水性液の加熱処理により得られた風味素材と上記食用油脂を接触・混合する方法の他、乳清ミネラル水性液の加熱処理の途中で食用油脂を接触・混合し、風味成分の生成と同時に食用油脂へ移行させる方法、乳清ミネラル水性液と食用油脂をあらかじめ接触・混合しておき、あわせて加熱処理し、風味成分の生成と同時に食用油脂へ移行させる方法を含み、適宜できるものとする。
本発明においては、風味素材に含まれる風味成分を食用油脂に移行させるための上記方法の中でも、乳清ミネラル水性液と食用油脂をあらかじめ接触・混合しておき、あわせて加熱処理し、風味成分が生成し風味素材が得られるのと同時に食用油脂へ移行させる方法が、より効率よく本発明の風味改良油脂を得られる点で最も好ましい。
なお、加熱条件は上記本発明の風味素材を製造する際に行う加熱条件と同じものとする。
上記乳清ミネラル水性液又は風味素材に対する食用油脂の比率は、特に限定されるものではないが、乳清ミネラル水性液又は風味素材100質量部に対して食用油脂50〜1000質量部、好ましくは100質量部〜500質量部である。
次に本発明の風味改良油脂を含有する飲食品について述べる。
上記飲食品は、油脂の一部又は全部として本発明の風味改良油脂を含有するものである。
本発明の飲食品における、本発明の風味改良油脂の含有量は、特に限定されず、使用する飲食品や、求める風味の強さに応じて適宜決定されるが、飲食品100質量部に対し、好ましくは0.01〜20質量部、より好ましくは0.1〜10質量部、更に好ましくは0.2〜5質量部である。0.01質量部未満では、風味改良の効果が認められ難く、また20質量部を超えると、異味・雑味が強くなりすぎるおそれがある。
なお、本発明でいうところの飲食品としては、特に限定されるものではなく、例えばたれ、パスタソース、ドレッシング、マヨネーズ、トマトケチャップ、ウスターソース、とんかつソース等の調味料、カレールウ、ホワイトソース、スープの素等の即席調理食品、コンソメスープ、ポタージュスープ等のスープ類、焼肉、ハム、ソーセージ等の畜産加工品、ポテトチップス、煎餅等のスナック類、食パン、菓子パン、クッキー等のベーカリー食品類、煮物、揚げ物、焼き物、カレー、シチュー、グラタン等の調理食品、マーガリン、ショートニング、ファットスプレッド、風味ファットスプレッド、ホイップクリーム等の油脂加工食品、フラワーペースト、餡等の製菓製パン用素材、パン用ミックス粉、ケーキ用ミックス粉、フライ食品用ミックス粉等のミックス粉、チョコレート、キャンディ、ゼリー、アイスクリーム、等の菓子類、饅頭、カステラ等の和菓子類、コーヒー牛乳、ミルクティー、豆乳、栄養ドリンク、野菜飲料等の飲料、牛乳、ヨーグルト、チーズ等の乳や乳製品等があげられる。
以下に本発明の実施例を挙げ、本発明を更に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<乳清ミネラル(高ミネラル液)の製造>
牛乳を使用してチーズを製造する際に副産物として得られる甘性ホエーを出発原料とし、ナノ濾過膜分離後、更に、逆浸透濾過膜分離により脱ミネラル液を分離し、固形分含量が2.5質量%であるミネラル液を得た。続いて、ミネラル液をエバポレーターを用いて濃縮し、固形分含量が30質量%の高ミネラル液を得た。(固形分中に占めるタンパク質含量〔固形分基準〕:0.5質量%)
<乳清ミネラル(粉末)の製造>
上記固形分含量が30質量%の高ミネラル液を更にスプレードライ法で処理することにより、固形分98質量%の乳清ミネラルを得た。(固形分中に占めるタンパク質含量〔固形分基準〕:0.5質量%)
<明度の測定方法>
風味素材1mLを採取して測定用丸セル(35φ×15mm)に充填し、色差計(測色色差計 ZE6000 日本電色工業製)に供して、明るさの度合いを示すL値を反射モードで測定した。(L値が大きい程、明るいことを示す。)また、油相を含む場合は、60℃にて静置し、油相と水相を分離させた上で、水相を1mL採取し、同様に明度測定を実施した。
I.風味素材の製造
[実施例A−1]
上記固形分含量が30質量%の高ミネラル液100質量部(乳清ミネラル水性液A−1)にリフラックス条件下、100℃で2時間加熱処理を行い、本発明の風味素材A−1を得た。(乳清ミネラル水性液中の植物性蛋白質含量と乳蛋白質含量、加熱処理後の風味素材の明度は〔表1〕に記載、以下実施例A−2〜A−8についても同じ)
[実施例A−2]
上記固形分含量が30質量%の高ミネラル液を水で3倍希釈し、固形分含量が10質量%の高ミネラル液を得た(乳清ミネラル水性液A−2)。続いて、得られた固形分含量が10質量%の高ミネラル液100質量部に加圧条件下、120℃で2時間加熱処理を行い、本発明の風味素材A−2を得た。
[実施例A−3]
上記固形分98質量%の乳清ミネラル41質量部、水59質量部を混合し、固形分含量が40質量%の高ミネラル液を得た(乳清ミネラル水性液A−3)。続いて、得られた固形分含量が40質量%の高ミネラル液100質量部にリフラックス条件下、80℃で8時間加熱処理を行い、本発明の風味素材A−3を得た。
[実施例A−4]
上記固形分98質量%の乳清ミネラル5質量部、水95質量部を混合し、固形分含量が5質量%の高ミネラル液を得た(乳清ミネラル水性液A−4)。続いて、得られた固形分含量が5質量%の高ミネラル液100質量部にリフラックス条件下、100℃で2時間加熱処理を行い、本発明の風味素材A−4を得た。
[実施例A−5]
上記固形分含量が30質量%の高ミネラル液98質量部、酵母エキス(固形分含量100%のパウダー状、以下の酵母エキスについても同じ)2質量部を混合し、均一にした(乳清ミネラル水性液A−5)。続いて、リフラックス条件下、100℃で2時間加熱処理を行い、本発明の風味素材A−5を得た。
[実施例A−6]
上記固形分含量が30質量%の高ミネラル液97.5質量部、酵母エキス2質量部、強力粉(植物性蛋白質含量:12質量%)0.5質量部を混合し、均一にした(乳清ミネラル水性液A−6)。続いて、リフラックス条件下、100℃で2時間加熱処理を行い、本発明の風味素材A−6を得た。
[実施例A−7]
上記固形分含量が30質量%の高ミネラル液99.5質量部、薄力粉(植物性蛋白質含量:7質量%)0.5質量部を混合し、均一にした(乳清ミネラル水性液A−7)。続いて、リフラックス条件下、100℃で2時間加熱処理を行い、本発明の風味素材A−7を得た。
[実施例A−8]
上記固形分含量が30質量%の高ミネラル液99.75質量部、大豆蛋白質0.25質量部を混合し、均一にした(乳清ミネラル水性液A−8)。続いて、リフラックス条件下、100℃で2時間加熱処理を行い、本発明の風味素材A−8を得た。
[比較例A−9]
上記固形分含量が30質量%の高ミネラル液を比較例である風味素材A−9とした。(乳清ミネラル水性液中の植物性蛋白質含量と乳蛋白質含量、及び比較例である風味素材A−9の明度は〔表1〕に記載)
[比較例A−10]
水96質量部に脱脂粉乳(乳蛋白質含量:34質量%)4質量部を混合し、均一にした(乳清ミネラル未添加水性液A−10)。続いて、リフラックス条件下、100℃で2時間加熱処理を行い、比較例である風味素材A−10を得た。(乳清ミネラル未添加水性液A−10中の植物性蛋白質含量と乳蛋白質含量、及び比較例である風味素材A−10の明度は〔表1〕に記載、以下比較例A−11〜A−14についても同様)
[比較例A−11]
水97質量部にホエイタンパク質3質量部を混合し、均一にした(乳清ミネラル未添加水性液A−11)。続いて、リフラックス条件下、100℃で2時間加熱処理を行い、比較例である風味素材A−11を得た。
[比較例A−12]
水97質量部にカゼイン3質量部を混合し、均一にした(乳清ミネラル未添加水性液A−12)。続いて、リフラックス条件下、100℃で2時間加熱処理を行い、比較例である風味素材A−12を得た。
[比較例A−13]
水98質量部にラクトース1質量部、グリシン1質量部を混合し、均一にした(乳清ミネラル未添加水性液A−13)。続いて、リフラックス条件下、100℃で2時間加熱処理を行い、比較例である風味素材A−13を得た。
[比較例A−14]
上記固形分98質量%の乳清ミネラル0.5質量部、水99.5質量部を混合し、固形分含量が0.5質量%のミネラル液を得た(乳清ミネラル水性液A−14)。続いて、リフラックス条件下、100℃で2時間加熱処理を行い、比較例である風味素材A−14を得た。
上記のように得られた実施例の風味素材A−1〜A−8及び比較例の風味素材A−9〜A−14を下記のめんつゆ評価試験、コーヒー評価試験に用いた。
評価試験1:<めんつゆ評価試験>
醤油200g、市販の無添加本かつおだし20g、みりん50g、水730gを混合し煮立て、めんつゆを得た。上記実施例A−1〜A−8又は比較例A−9〜A−14で得た風味素材A−1〜A−14を、それぞれ上記めんつゆ100質量部に対し0.1質量部添加し、十分に混合した後、ひと煮たちさせ、放冷し、本発明の飲食品であるめんつゆA−1〜A−14を得た。
得られためんつゆA−1〜A−14は、10人のパネラーにより下記評価基準に従って官能評価をさせ、10人のパネラーの合計点を評価点数とし、結果を下記のようにして〔表2〕に示した。
41〜50点:◎+、31〜40点:◎、21〜30点:○、11〜20点:△、0〜10点:×
[評価基準]
・ロースト風味
5点…鰹節を焙煎したようなロースト風味が感じられ、非常に良好であった。
3点…鰹節を焙煎したようなロースト風味が感じられ、良好であった。
1点…やや旨味が強くなっているものの、大きな違いは感じられない。
0点…通常の鰹節から得られる風味と変わらない。
・異味、雑味
5点…異味、雑味が抑えられ、全体的にカドのとれた非常にまろやかな風味であった。
3点…異味、雑味が抑えられ、カドのとれたまろやかな風味であった。
1点…やや異味、雑味が感じられた。
0点…異味、雑味が残り、カドのある塩味が感じられた。
・風味の質
5点…非常に良好なコク味が感じられ、厚みのある調和のとれた風味であった。
3点…良好なコク味が感じられ、調和のとれた風味であった。
1点…コク味が物足りず、ややバランスを欠いた風味であった。
0点…コク味が感じられず、バランスを欠いた風味であった。
評価試験2:<コーヒー評価試験>
<ミルクコーヒーの製造>
レギュラーコーヒー(モカブレンド)を使用しドリップ法にて得られたコーヒー抽出液50g、牛乳47g、グラニュー糖3gを混合しミルクコーヒーを得た。上記実施例A−1〜A−8又は比較例A−9〜A−14で得た風味素材A−1〜A−14を上記コーヒー牛乳100質量部に対し0.01質量部添加して、十分混合し、ミルクコーヒーA−1〜A−14を得た。
得られたミルクコーヒーA−1〜A−14は、10人のパネラーにより下記評価基準に従って官能評価をさせ、10人のパネラーの合計点を評価点数とし、結果を下記のようにして〔表2〕に示した。
41〜50点:◎+、31〜40点:◎、21〜30点:○、11〜20点:△、0〜10点:×
[評価基準]
・風味の質
5点 …非常に良好なコク味が感じられた。
3点 …良好なコク味が感じられた。
1点…ややコク味が物足りなかった。
0点…コク味が感じられなかった。
・ロースト風味
5点…コーヒー豆を焙煎したような濃厚なロースト風味が感じられ、きわめて良好であった。
3点…コーヒー豆を焙煎したようなロースト風味が感じられ、良好であった。
1点…若干のロースト感が感じられるのみで、大きな違いは感じられない。
0点…通常のコーヒーと変わらない。
・異味、雑味
5点…異味、雑味が抑えられ、全体的にカドのとれた非常にまろやかな風味であった。
3点…異味、雑味が抑えられ、カドのとれたまろやかな風味であった。
1点…やや異味、雑味が感じられた。
0点…異味、雑味が残り、カドのある塩味が感じられた。
<風味素材のその他使用例>
・焼肉用つけだれ
醤油900g、みりん200g、砂糖500g、ごま油30g、味噌300g、蜂蜜10g、皮をむいたニンニク1個、リンゴ1個、バナナ2本をミキサーにかけ、焼肉用つけだれを調製した。得られた焼肉用つけだれ100gに対して本発明の風味素材A−6を0.5g加え均一に混合し、本発明の焼肉用つけだれを得た。
本発明の焼肉用つけだれは、本発明の風味素材を未添加の場合に比べ異味・雑味が抑えられ、コク味やロースト感が良好なものであった。
Figure 2013233089
Figure 2013233089
II.風味改良油脂の製造
[実施例B−1]
上記高ミネラル液(固形分含量:30質量%)20質量部に、強力粉(植物性蛋白質含量:12.0質量%)を0.3質量部、酵母エキスを2質量部添加し、攪拌し、乳清ミネラル水性液B−1とした。乳脂とパーム油を3:2の割合で混合した油77.7質量部を50℃に加温して溶解させた後、上記乳清ミネラル水性液B−1と混合し、続いてリフラックス条件下、100℃で2時間加熱処理を行った。徐冷により50℃まで冷却した後、水相を除去し、本発明の風味改良油脂B−1を得た。(乳清ミネラル水性液中の植物性蛋白質含量と乳蛋白質含量、加熱処理後の水相の明度は〔表3〕に記載、以下実施例B−2〜B−7についても同じ)
[実施例B−2]
上記高ミネラル液(固形分含量:30質量%)14質量部に、上記強力粉を0.25質量部、酵母エキスを2質量部添加し、攪拌し、乳清ミネラル水性液B−2とした。乳脂とパーム油を3:2の割合で混合した油83.75質量部を50℃に加温して溶解させた後、乳清ミネラル水性液B−2と混合し、続いて、リフラックス条件下、100℃で2時間加熱処理を行った。徐冷により50℃まで冷却した後、水相を除去し、本発明の風味改良油脂B−2を得た。
[実施例B−3]
上記高ミネラル液(固形分含量:30質量%)15質量部に、上記強力粉を0.65質量部、酵母エキスを4.5質量部添加し、攪拌し、乳清ミネラル水性液B−3とした。乳脂とパーム油を3:2の割合で混合した油79.85質量部を50℃に加温して溶解させた後、上記乳清ミネラル水性液B−3と混合し、続いて、リフラックス条件下、100℃で2時間加熱処理を行った。徐冷により50℃まで冷却した後、水相を除去し、本発明の風味改良油脂B−3を得た。
[実施例B−4]
上記高ミネラル液(固形分含量:30質量%)23質量部に、上記強力粉を0.25質量部、酵母エキスを2質量部添加し、攪拌し、乳清ミネラル水性液B−4とした。パーム油74.75質量部を50℃に加温して溶解させた後、上記乳清ミネラル水性液B−4と混合し、続いて、リフラックス条件下、100℃で2時間加熱処理を行った。徐冷により50℃まで冷却した後、水相を除去し、本発明の風味改良油脂B−4を得た。
[実施例B−5]
上記高ミネラル液(固形分含量:30質量%)20質量部に、上記強力粉を0.25質量部を添加し、攪拌し、乳清ミネラル水性液B−5とした。乳脂とパーム油を3:2の割合で混合した油79.75質量部を50℃に加温して溶解させた後、上記乳清ミネラル水性液B−5と混合し、続いて、リフラックス条件下、100℃で2時間加熱処理を行った。徐冷により50℃まで冷却した後、水相を除去し、本発明の風味改良油脂B−5を得た。
[実施例B−6]
上記高ミネラル液(固形分含量:30質量%)20質量部に、上記強力粉を1.5質量部、酵母エキスを2質量部添加し、攪拌し、乳清ミネラル水性液B−6とした。乳脂とパーム油を3:2の割合で混合した油76.5質量部を50℃に加温して溶解させた後、上記乳清ミネラル水性液B−6と混合し、続いて、リフラックス条件下、100℃で2時間加熱処理を行った。徐冷により50℃まで冷却した後水相を除去し、本発明の風味改良油脂B−6を得た。
[実施例B−7]
上記高ミネラル液(固形分含量:30質量%)20質量部に、薄力粉(植物性蛋白質含量:8質量%)を0.3質量部、酵母エキスを2質量部添加し、攪拌し、乳清ミネラル水性液B−7とした。乳脂とパーム油を3:2の割合で混合した油77.7質量部を50℃に加温して溶解させた後、上記乳清ミネラル水性液B−7と混合し、続いて、リフラックス条件下、100℃で2時間加熱処理を行った。徐冷により50℃まで冷却した後、水相を除去し、本発明の風味改良油脂B−7を得た。
[実施例B−8]
乳脂とパーム油を3:2の割合で混合した油70質量部を50℃に加温して溶解させた後、上記実施例A−1で得られた風味素材A−1の30質量部と混合し、50℃で1時間攪拌・混合した。その後、水相を除去し、本発明の風味改良油脂B−8を得た。(乳清ミネラル水性液A−1中の植物性蛋白質含量と乳蛋白質含量は〔表1〕に記載、50℃1時間攪拌・混合後の水相の明度は〔表3〕に記載)
[比較例B−9]
酵母エキス2質量部、水15質量部を混合・攪拌し、乳清ミネラル未添加水性液B−9とした。乳脂とパーム油を3:2の割合で混合した油83質量部を50℃に加温して溶解させた後、上記乳清ミネラル未添加水性液B−9と混合し、続いて、リフラックス条件下、100℃で2時間加熱処理を行った。徐冷により50℃まで冷却した後、水相を除去し、比較例である風味改良油脂B−9を得た。(乳清ミネラル未添加水性液中の植物性蛋白質含量と乳蛋白質含量、加熱処理後の水相の明度は〔表3〕に記載、以下比較例B−10〜B−13についても同じ)
[比較例B−10]
脱脂粉乳3質量部、酵母エキス2質量部、水17質量部を混合・攪拌し、乳清ミネラル未添加水性液B−10とした。乳脂とパーム油を3:2の割合で混合した油78質量部を50℃に加温して溶解させた後、上記乳清ミネラル未添加水性液B−10と混合し、続いて、リフラックス条件下、100℃で2時間加熱処理を行った。徐冷により50℃まで冷却した後、水相を除去し、比較例である風味改良油脂B−10を得た。
[比較例B−11]
ホエイ蛋白質3質量部、酵母エキス2質量部、水17質量部を混合・攪拌し、乳清ミネラル未添加水性液B−11とした。乳脂とパーム油を3:2の割合で混合した油78質量部を50℃に加温して溶解させた後、上記乳清ミネラル未添加水性液B−11と混合し、続いて、リフラックス条件下、100℃で2時間加熱処理を行った。徐冷により50℃まで冷却した後、水相を除去し、比較例である風味改良油脂B−11を得た。
[比較例B−12]
カゼイン蛋白質3質量部、酵母エキス2質量部、水17質量部を混合・攪拌し、乳清ミネラル未添加水性液B−12とした。乳脂とパーム油を3:2の割合で混合した油78質量部を50℃に加温して溶解させた後、上記乳清ミネラル未添加水性液B−12と混合し、続いて、リフラックス条件下、100℃で2時間加熱処理を行った。徐冷により50℃まで冷却した後、水相を除去し、比較例である風味改良油脂B−12を得た。
[比較例B−13]
ラクトース1質量部、グリシン1質量部、酵母エキス2質量部、水18質量部を混合・攪拌し、乳清ミネラル未添加水性液B−13とした。乳脂とパーム油を3:2の割合で混合した油78質量部を50℃に加温して溶解させた後、上記乳清ミネラル未添加水性液B−13と混合し、続いて、リフラックス条件下、100℃で2時間加熱処理を行った。徐冷により50℃まで冷却した後、水相を除去し、比較例である風味改良油脂B−13を得た。
[比較例B−14]
上記高ミネラル液(固形分含量:30質量%)20質量部に、強力粉(植物性蛋白質含量:12.0質量%)を0.3質量部、酵母エキスを2質量部添加・攪拌し、乳清ミネラル水性液B−14とした。乳脂とパーム油を3:2の割合で混合した油77.7質量部を50℃に加温して溶解させた後、上記乳清ミネラル水性液B−14と混合し、50℃で1時間攪拌・混合した。その後、水相を除去し、比較例である風味改良油脂B−14を得た。(乳清ミネラル水性液B−14中の植物性蛋白質含量と乳蛋白質含量、50℃1時間攪拌・混合後の水相の明度は〔表3〕に記載)
上記のように得られた実施例の風味改良油脂B−1〜B−8及び比較例の風味改良油脂B−9〜B−14を下記のマーガリン評価試験、ホイップクリーム評価試験に用いた。
評価試験3:<マーガリン評価試験>
マーガリンの製造
パームスーパーオレインのランダムエステル交換油脂95質量部、パームステアリン5質量部及び風味改良油脂B−1〜B−14のいずれか5.0質量部を均一に混合した混合油脂72.4質量部に、グリセリン脂肪酸エステル3質量部、60%トコフェロール0.01質量部を、添加、混合、溶解した油相を60℃に保温した。続いて水19.59質量部を添加し、予備乳化液とし、90℃1分蒸気を用いて殺菌処理したのち、コンビネーターを用いて急冷可塑化を行い、マーガリンB−1〜B−14を得た。
プルマン型食パンの配合・製法
強力粉(イーグル:日本製粉製)70質量部、生イースト2質量部、イーストフード0.1質量部及び水40質量部をミキサーボウルに投入し、フックを使用し、低速で2分、中速で2分混合し、中種生地を得た。捏ね上げ温度は24℃であった。この中種生地を生地ボックスに入れ、温度28℃、相対湿度85%の恒温室で、4時間中種醗酵を行った。終点温度は29℃であった。この中種醗酵の終了した生地を再びミキサーボウルに投入し、更に、強力粉(イーグル:日本製粉製)30質量部、上白糖5質量部、脱脂粉乳2質量部、食塩1.5質量部及び水25質量部を添加し、低速で3分、中速で3分本捏ミキシングした。ここで、上記のマーガリンB−1〜B−14のいずれか10質量部を投入し、フックを使用し、低速で3分、中速で3分、高速で1分ミキシングを行い、食パン生地を得た。得られた食パン生地の捏ね上げ温度は28℃であった。ここで、フロアタイムを20分とった後、230gに分割・丸目を行った。次いで、ベンチタイムを20分とった後、 モルダー成形し、6本をU字にして3斤型プルマン型に入れ、38℃、相対湿度85%で50分ホイロをとった後、200℃に設定した固定窯に入れ40分焼成してプルマン型食パンを得た。
[評価基準]
得られた食パンは、10人のパネラーにより下記評価基準に従って官能評価をさせ、10人のパネラーの合計点を評価点数とし、結果を下記のようにして〔表4〕に示した。
41〜50点:◎+、31〜40点:◎、21〜30点:○、11〜20点:△、0〜10点:×
・焼成後のロースト風味
5点:豊かな深いロースト風味が感じられる。
3点:良好なロースト風味が感じられる。
1点:ロースト風味があまり感じられない。
0点:ロースト風味が感じられない。
・異味・雑味
5点:異味・雑味が完全に抑えられており、きわめて良好
3点:異味・雑味がほとんど感じられず良好
1点:やや異味・雑味が感じられる
0点:異味・雑味が強く感じられる
・ムレ臭
5点:まったくムレ臭が感じられず、きわめて良好
3点:ほとんどムレ臭が感じられず、良好
1点:ややムレ臭が感じられる
0点:非常にムレ臭が感じられる
評価試験4:<ホイップクリーム評価試験>
パーム分別中部油7質量部、パームスーパーオレイン(ヨウ素価65)のランダムエステル交換油7質量部、パーム核分別硬部油21質量部、上記のように得られた風味改良油脂B−1〜B−14のいずれか0.3質量部、レシチン0.15質量部、ソルビタン脂肪酸エステル0.15質量部を混合し、65℃に加温溶解し、油相とした。一方、脱脂粉乳5質量部、トータルミルクプロテイン1質量部、ショ糖脂肪酸エステル0.15質量部、グァーガム0.05質量部、水58.2質量部を混合し、65℃に加温溶解し、水相とした。上記油相と上記水相を混合、乳化して、予備乳化物を調製し、3MPaの圧力で均質化した後、VTIS殺菌機(アルファラバル社製UHT殺菌機)で140℃、4秒間殺菌し、再度5MPaの圧力で均質化後5℃まで冷却した。その後、冷蔵庫で24時間エージングを行い、起泡性水中油型乳化油脂組成物B−1〜B−14を得た。
得られた起泡性水中油型乳化油脂組成物をミキサーボウルに投入し、たて型ミキサーを使用して毎分700回転の速度で最適起泡状態に達するまで起泡させ、ホイップクリームB−1〜B−14を得た。
得られたホイップクリームは、10人のパネラーにより下記評価基準に従って官能評価をさせ、10人のパネラーの合計点を評価点数とし、結果を下記のようにして〔表4〕に示した。
41〜50点:◎+、31〜40点:◎、21〜30点:○、11〜20点:△、0〜10点:×
・コク味
5点:濃厚なコク味が感じられる。
3点:コク味が感じられる。
1点:あまりコク味を感じられない。
0点:コク味が感じられない。
・異味・雑味
5点:異味・雑味が完全に抑えられており、きわめて良好である。
3点:異味・雑味がほとんど感じられず良好である。
1点:やや異味・雑味が感じられる。
0点:異味・雑味が強く感じられる。
<風味改良油脂のその他使用例>
・可塑性油脂組成物
パームオレインのランダムエステル交換油58質量部、パームスーパーオレインのランダムエステル交換油6質量部、パームステアリン5質量部、大豆油10.5質量部、パーム油0.5質量部、上記風味改良油脂B−1の0.1質量部を混合し、混合油脂を製造した。続いて水20質量部を混合し、85℃で殺菌した。そして50℃まで予備冷却した後、急冷可塑化し本発明の飲食品である可塑性油脂組成物を得た。得られた可塑性油脂組成物は、本発明の風味改良油脂を未添加の場合に比べ異味・雑味が抑えられ、コク味やロースト感が良好なものであった。
Figure 2013233089
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Claims (10)

  1. 乳清ミネラルを1質量%以上含有する乳清ミネラル水性液を加熱処理して得られる風味素材。
  2. 上記乳清ミネラル水性液が植物性蛋白質を0.001〜10質量%含有する、請求項1記載の風味素材。
  3. 上記乳清ミネラル水性液中の乳蛋白質含有量が1質量%未満である、請求項1又は2記載の風味素材。
  4. 上記乳清ミネラル水性液が食用エキスを0.01〜10質量%含有する、請求項1〜3のいずれか1項記載の風味素材。
  5. 上記加熱処理が70〜150℃で5分〜10時間である、請求項1〜4のいずれか1項記載の風味素材。
  6. 上記加熱処理で得られる風味素材の水相の明度(L値)が20未満である、請求項1〜5のいずれか1項記載の風味素材。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項記載の風味素材を含有する飲食品。
  8. 請求項1〜6のいずれか1項記載の風味素材由来の風味成分を食用油脂に移行させて得られる、風味改良油脂。
  9. 請求項8記載の風味改良油脂を含有する飲食品。
  10. (I)乳清ミネラルを1質量%以上含有する乳清ミネラル水性液又は風味素材と、食用油脂を接触、混合する工程、(II)攪拌及び/又は加熱し、風味成分を食用油脂へ移行させる工程、(III)水相を除去する工程を順次行うことを特徴とする、風味改良油脂の製造方法。
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