JP5954758B1 - 呈味増強剤の製造方法 - Google Patents
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(1)飲食物に添加して、飲食物の呈味を増強させるための呈味増強剤であって、飲食物に原材料として含有または非含有の食品を、0.08〜0.2MPaの加圧条件下にて110〜130℃で加熱処理して得られる加熱処理物を含有する呈味増強剤。
(2)食品が、搾汁、ペースト、乾物、エキスまたは調味料の形態に加工されたものである上記(1)に記載の呈味増強剤。
(3)加熱処理物が、食品と、アミノ酸、ペプチドおよびタンパク質の少なくとも1種とを混合し、加熱処理して得られたものである上記(1)または(2)に記載の呈味増強剤。
(4)加熱処理物が、食品と糖類とを混合し、加熱処理して得られたものである上記(1)または(2)に記載の呈味増強剤。
(5)加熱処理物が、食品と、アミノ酸、ペプチドおよびタンパク質の少なくとも1種と、糖類とを混合し、加熱処理して得られたものである上記(1)または(2)に記載の呈味増強剤。
(6)加熱処理が、水、プロピレングリコール、グリセリンおよびグリセリン脂肪酸エステルからなる群より選択される少なくとも1種の溶媒中で行われる上記(1)〜(5)のいずれかに記載の呈味増強剤。
(7)上記(1)〜(6)のいずれかに記載の呈味増強剤を含有する飲食物。
(8)呈味増強剤が、0.0001〜10質量%の割合で含有される上記(7)に記載の飲食物。
アミノ態窒素の含有量=タンパク質量×0.16 (I)
仁果類果実:リンゴ、梨、カリン、マルメロなど。
核果類果実:桃、梅、サクランボ、杏など。
柑橘類果実:オレンジ、グレープフルーツ、レモン、ライム、柚子、ミカン、カボス、すだち、シークワシャー、キンカンなど。
ブドウ類:巨峰、マスカットなど。
熱帯果実:パイナップル、バナナ、マンゴー、パパイヤ、パッションフルーツなど。
ベリー類:苺、ブルーベリー、クランベリー、ラズベリーなど。
その他:メロン、スイカなど。
果菜類:ナス、トマト、ピーマン、かぼちゃ、きゅうり、唐辛子など。
葉菜類:キャベツ、ケール、セロリ、ニラ、白菜、パセリ、ほうれん草、レタスなど。
茎菜類:アスパラガス、たけのこ、ニンニク、ネギ、タマネギなど。
根菜類:大根、カブ、わさび、ゴボウ、生姜、ニンジン、レンコンなど。
その他:もやし、ブロッコリー、アロエ、サボテンなど。
穀類:玄米、精白米、大麦、小麦、ソバなど。
イモ類:サツマイモ、ジャガイモなど。
豆類:小豆、エンドウ、大豆、インゲン豆など。
種実類:アーモンド、栗、クルミ、ココナッツ、ゴマ、落花生など。
キノコ類:シイタケ、マッシュルーム、シメジ、マイタケなど。
100gのリンゴ果汁((株)果香製の濃縮果汁、アミノ態窒素の含有量:80mg/100g)を、オートクレーブで加熱処理した。処理条件は下記のとおりである。得られた加熱処理物はほとんど無味無臭の粘性のない液体であった。加熱処理物を室温まで冷却してイオン交換水を添加し呈味増強剤を得た(加熱処理物の濃度:25質量%)。
<処理条件>
温度:120℃
圧力:0.12MPa
時間:60分
<成分>
5倍濃縮リンゴ果汁 :10g
果糖ブドウ糖液糖 :110g
無水クエン酸 :1.7g
クエン酸三ナトリウム :0.6g
ビタミンC :0.3g
<評価基準>
3点:ベース飲料と比べて、非常に強く感じた場合。
2点:ベース飲料と比べて、強く感じた場合。
1点:ベース飲料と比べて、わずかであるが強く感じた場合。
0点:ベース飲料と変わらなかった場合。
30gのリンゴ果汁(実施例1と同様)および5gのL−フェニルアラニンの混合物に、溶媒として70gのプロピレングリコールを加え、オートクレーブで加熱処理した。処理条件は実施例1と同様である。得られた加熱処理物はほとんど無味無臭の粘性のない液体であった。加熱処理物を室温まで冷却して、さらにプロピレングリコールを添加し呈味増強剤を得た(加熱処理物の濃度:5質量%)。
オートクレーブで加熱処理しなかった以外は実施例2と同様の手順で混合物の希釈物(混合物の濃度:5質量%)を得た。すなわち、30gのリンゴ果汁(実施例1と同様)および5gのL−フェニルアラニンの混合物に、70gのプロピレングリコールを添加した。次いで、混合物の濃度が5質量%となるように、さらにプロピレングリコールを添加して混合物の希釈物を調製した。実施例1と同様、1000mLのベース飲料に得られた混合物の希釈物1gを添加して試験飲料を調製した。実施例1と同様にして、得られた試験飲料の「甘味」、「果汁感」および「味の厚み」を5名のパネラーに評価してもらい、合計点を求めた。結果を表1に示す。
100gのリンゴ果汁(実施例1と同様)と8gのイオン交換水との混合物を、撹拌しながらオイルバスで加熱処理した。加熱処理は108〜110℃で約3.5時間、加圧せずに行った。得られた処理物は飴状に増粘し、さらに濃く着色していた。この処理物にイオン交換水を添加して加熱しながら溶解させ、加熱処理前のBrix値(51.5)に調整後、さらにイオン交換水を加えて25質量%の水溶液を得た。
10gのレモン果汁(雄山(株)製の濃縮果汁、アミノ態窒素の含有量:288mg/100g)および90gの果糖ブドウ糖液糖の混合物を、オートクレーブで加熱処理した。処理条件は実施例1と同様である。得られた加熱処理物はほとんど無味無臭の粘性のない液体であった。加熱処理物を室温まで冷却してイオン交換水を添加し呈味増強剤を得た(加熱処理物の濃度:25質量%)。
<成分>
5倍濃縮レモン果汁 :2g
果糖ブドウ糖液糖 :116g
無水クエン酸 :1.3g
クエン酸三ナトリウム :1g
ビタミンC :0.3g
2gのレモン果汁(実施例3と同様)、18gの果糖ブドウ糖液糖、および5gのL−フェニルアラニンの混合物に、溶媒として80gのプロピレングリコールを加え、オートクレーブで加熱処理した。処理条件は実施例1と同様である。得られた加熱処理物はほとんど無味無臭の粘性のない液体であった。加熱処理物を室温まで冷却して、さらにプロピレングリコールを添加し呈味増強剤を得た(加熱処理物の濃度:5質量%)。
オートクレーブで加熱処理しなかった以外は実施例4と同様の手順で混合物の希釈物(混合物の濃度:5質量%)を得た。すなわち、2gのレモン果汁(実施例3と同様)、18gの果糖ブドウ糖液糖、および5gのL−フェニルアラニンの混合物に、80gのプロピレングリコールを添加した。次いで、混合物の濃度が5質量%となるように、さらにプロピレングリコールを添加して混合物の希釈物を調製した。実施例3と同様、1000mLのベース飲料に得られた混合物の希釈物1gを添加して試験飲料を調製した。実施例3と同様にして、得られた試験飲料の「甘味」、「果汁感」および「味の厚み」を5名のパネラーに評価してもらい、合計点を求めた。結果を表2に示す。
実施例1で得られた呈味増強剤1gを、実施例3で用いた1000mLのベース飲料(レモン味)に添加して試験飲料を調製した。実施例1と同様にして、5名のパネラーにベース飲料(レモン味)と試験飲料とを試飲してもらった。試験飲料について、「甘味」、「果汁感」および「味の厚み」のそれぞれを実施例1と同様にして評価してもらい、5名の合計点を求めた。結果を表3に示す。
実施例2で得られた呈味増強剤1gを、実施例3で用いた1000mLのベース飲料(レモン味)に添加して試験飲料を調製した。実施例1と同様にして、5名のパネラーにベース飲料(レモン味)と試験飲料とを試飲してもらった。試験飲料について、「甘味」、「果汁感」および「味の厚み」のそれぞれを実施例1と同様にして評価してもらい、5名の合計点を求めた。結果を表3に示す。
比較例1で得られた混合物の希釈物1gを、実施例3で用いた1000mLのベース飲料(レモン味)に添加して試験飲料を調製した。実施例1と同様にして、5名のパネラーにベース飲料(レモン味)と試験飲料とを試飲してもらった。試験飲料について、「甘味」、「果汁感」および「味の厚み」のそれぞれを実施例1と同様にして評価してもらい、5名の合計点を求めた。結果を表3に示す。
100gのオニオンエキス(井村屋シーズニング(株)製のオニオンエキスIM、アミノ態窒素の含有量:896mg/100g)を、オートクレーブで加熱処理した。処理条件は実施例1と同様である。得られた加熱処理物はほとんど無味無臭の粘性のない液体であった。加熱処理物を室温まで冷却してイオン交換水を添加し呈味増強剤を得た(加熱処理物の濃度:25質量%)。
<評価基準>
3点:ベーススープと比べて、非常に強く感じた場合。
2点:ベーススープと比べて、強く感じた場合。
1点:ベーススープと比べて、わずかであるが強く感じた場合。
0点:ベーススープと変わらなかった場合。
20gのオニオンエキス(実施例7と同様)および5gのL−リジンの混合物に、溶媒として80gのプロピレングリコールを加え、オートクレーブで加熱処理した。処理条件は実施例1と同様である。得られた加熱処理物はほとんど無味無臭の粘性のない液体であった。加熱処理物を室温まで冷却して、さらにプロピレングリコールを添加し呈味増強剤を得た(加熱処理物の濃度:5質量%)。
オートクレーブで加熱処理しなかった以外は実施例8と同様の手順で混合物の希釈物(混合物の濃度:5質量%)を得た。すなわち、20gのオニオンエキス(実施例7と同様)および5gのL−リジンの混合物に、80gのプロピレングリコールを添加した。次いで、混合物の濃度が5質量%となるように、さらにプロピレングリコールを添加して混合物の希釈物を調製した。実施例7と同様、オニオンスープ1000mLに対して、混合物の希釈物1gを添加して試験スープを調製した。実施例7と同様にして、得られた試験スープの「タマネギの風味」、「塩味」および「旨味」を5名のパネラーに評価してもらい、合計点を求めた。結果を表4に示す。
10gのカツオエキス((株)マルハニチロ食品製のカツオエキスP、アミノ態窒素の含有量:7800mg/100g)および100gの果糖ブドウ糖液糖の混合物を、オートクレーブで加熱処理した。処理条件は実施例1と同様である。得られた加熱処理物はほとんど無味無臭の粘性のない液体であった。加熱処理物を室温まで冷却してイオン交換水を添加し呈味増強剤を得た(加熱処理物の濃度:25質量%)。
<評価基準>
3点:ベースだしと比べて、非常に強く感じた場合。
2点:ベースだしと比べて、強く感じた場合。
1点:ベースだしと比べて、わずかであるが強く感じた場合。
0点:ベースだしと変わらなかった場合。
2gのカツオエキス(実施例9と同様)、18gの果糖ブドウ糖液糖、および5gのL−リジンの混合物に、溶媒として80gのプロピレングリコールを加え、オートクレーブで加熱処理した。処理条件は実施例1と同様である。得られた加熱処理物はほとんど無味無臭の粘性のない液体であった。加熱処理物を室温まで冷却して、さらにプロピレングリコールを添加し呈味増強剤を得た(加熱処理物の濃度:5質量%)。
オートクレーブで加熱処理しなかった以外は実施例10と同様の手順で混合物の希釈物(混合物の濃度:5質量%)を得た。すなわち、2gのカツオエキス(実施例9と同様)、18gの果糖ブドウ糖液糖、および5gのL−リジンの混合物に、80gのプロピレングリコールを添加した。次いで、混合物の濃度が5質量%となるように、さらにプロピレングリコールを添加して混合物の希釈物を調製した。実施例9と同様、和風だし1000mLに対して、混合物の希釈物1gを添加して試験だしを調製した。実施例9と同様にして、得られた試験だしの「カツオの風味」、「塩味」および「旨味」を5名のパネラーに評価してもらい、合計点を求めた。結果を表5に示す。
10gのチキンエキス(丸善食品工業(株)製のmzチキンエキス309NDW、アミノ態窒素含有量:6300mg/100g)および100gの果糖ブドウ糖液糖の混合物を、オートクレーブで加熱処理した。加熱条件は実施例1と同様である。得られた加熱処理物はほとんど無味無臭の粘性の無い液体であった。加熱処理物を室温まで冷却してイオン交換水を添加し呈味増強剤を得た(加熱処理物の濃度:25質量%)。
<評価基準>
3点:ベーススープと比べて、非常に強く感じた場合。
2点:ベーススープと比べて、強く感じた場合。
1点:ベーススープと比べて、わずかであるが強く感じた場合。
0点:ベーススープと変わらなかった場合。
2gのチキンエキス(実施例11と同様)、18gの果糖ブドウ糖液糖、および5gのL−リジンの混合物に、溶媒として80gのプロピレングリコールを加え、オートクレーブで加熱処理した。処理条件は実施例1と同様である。得られた加熱処理物はほとんど無味無臭の粘性の無い液体であった。加熱処理物を室温まで冷却して、さらにプロピレングリコールを添加し呈味増強剤を得た(加熱処理物の濃度:5質量%)。
オートクレーブで加熱処理しなかった以外は実施例12と同様の手順で混合物の希釈物(混合物の濃度:5質量%)を得た。すなわち、2gのチキンエキス(実施例11と同様)、18gの果糖ブドウ糖液糖、および5gのL−リジンの混合物に、80gのプロピレングリコールを添加した。次いで、混合物の濃度が5質量%となるように、さらにプロピレングリコールを添加して混合物の希釈物を調整した。実施例11と同様、コンソメスープ1000mLに対して、混合物の希釈物1gを添加して試験スープを調製した。実施例11と同様にして、得られた試験スープの「チキンの風味」、「塩味」および「旨味」を5名のパネラーに評価してもらい、合計点を求めた。結果を表6に示す。
10gの乾燥卵黄(キューピータマゴ(株)製の乾燥卵黄No.1、アミノ態窒素含有量:5500mg/100g)および100gの果糖ブドウ糖液糖の混合物を、オートクレーブで加熱処理した。加熱条件は実施例1と同様である。得られた加熱処理物はほとんど無味無臭の粘性の無い液体であった。加熱処理物を室温まで冷却してイオン交換水を添加し呈味増強剤を得た(加熱処理物の濃度:25質量%)。
<評価基準>
3点:ベースカスタードクリームと比べて、非常に強く感じた場合。
2点:ベースカスタードクリームと比べて、強く感じた場合。
1点:ベースカスタードクリームと比べて、わずかであるが強く感じた場合。
0点:ベースカスタードクリームと変わらなかった場合。
2gの乾燥卵黄(実施例13と同様)、18gの果糖ブドウ糖液糖、および5gのL−リジンの混合物に、溶媒として80gのプロピレングリコールを加え、オートクレーブで加熱処理した。処理条件は実施例1と同様である。得られた加熱処理物はほとんど無味無臭の粘性の無い液体であった。加熱処理物を室温まで冷却して、さらにプロピレングリコールを添加し呈味増強剤を得た(加熱処理物の濃度:5質量%)。
オートクレーブで加熱処理しなかった以外は実施例14と同様の手順で混合物の希釈物(混合物の濃度:5質量%)を得た。すなわち、2gの乾燥卵黄(実施例13と同様)、18gの果糖ブドウ糖液糖、および5gのL−リジンの混合物に、80gのプロピレングリコールを添加した。次いで、混合物の濃度が5質量%となるように、さらにプロピレングリコールを添加して混合物の希釈物を調製した。実施例13と同様、カスタードクリーム1000gに対して、混合物の希釈物1gを添加して試験カスタードクリームを調製した。実施例13と同様にして、得られた試験カスタードクリームの「卵感」、「コク味」および「旨味」を5名のパネラーに評価してもらい、合計点を求めた。結果を表7に示す。
100gの白ワインエキス(フランス DiANA VEGETAL社製の白ワインエキス 、アミノ態窒素含有量:320mg/100g)を、オートクレーブで加熱処理した。加熱条件は実施例1と同様である。得られた加熱処理物はほとんど無味無臭の粘性の無い液体であった。加熱処理物を室温まで冷却してイオン交換水を添加し呈味増強剤を得た(加熱処理物の濃度:25質量%)。
<評価基準>
3点:ベースヨーグルトと比べて、非常に強く感じた場合。
2点:ベースヨーグルトと比べて、強く感じた場合。
1点:ベースヨーグルトと比べて、わずかであるが強く感じた場合。
0点:ベースヨーグルトと変わらなかった場合。
30gの白ワインエキス(実施例15と同様)および5gのL−リジンの混合物に、溶媒として70gのプロピレングリコールを加え、オートクレーブで加熱処理した。処理条件は実施例1と同様である。得られた加熱処理物はほとんど無味無臭の粘性の無い液体であった。加熱処理物を室温まで冷却して、さらにプロピレングリコールを添加し呈味増強剤を得た(加熱処理物の濃度:5質量%)。
オートクレーブで加熱処理しなかった以外は実施例16と同様の手順で混合物の希釈物(混合物の濃度:5質量%)を得た。すなわち、30gの白ワインエキス(実施例15と同様)、および5gのL−リジンの混合物に、70gのプロピレングリコールを添加した。次いで、混合物の濃度が5質量%となるように、さらにプロピレングリコールを添加して混合物の希釈物を調製した。実施例15と同様、ヨーグルト1000gに対して、混合物の希釈物1gを添加して試験ヨーグルトを調製した。実施例15と同様にして、得られた試験ヨーグルトの「発酵感」、「酸味」、「コク味」を5名のパネラーに評価してもらい、合計点を求めた。結果を表8に示す。
100gの廃糖蜜(日本甜菜製糖(株)製のH糖蜜、アミノ態窒素含有量:96mg/100g)を、オートクレーブで加熱処理した。加熱条件は実施例1と同様である。得られた加熱処理物はほとんど無味無臭のやや粘性のある液体であった。加熱処理物を室温まで冷却してイオン交換水を添加し呈味増強剤を得た(加熱処理物の濃度:25質量%)。
<評価基準>
3点:ベースミルクコーヒーと比べて、非常に強く感じた場合。
2点:ベースミルクコーヒーと比べて、強く感じた場合。
1点:ベースミルクコーヒーと比べて、わずかであるが強く感じた場合。
0点:ベースミルクコーヒーと変わらなかった場合。
20gの廃糖蜜(実施例17と同様)、および5gのL−フェニルアラニンの混合物に、溶媒として80gのプロピレングリコールを加え、オートクレーブで加熱処理した。処理条件は実施例1と同様である。得られた加熱処理物はほとんど無味無臭の粘性の無い液体であった。加熱処理物を室温まで冷却して、さらにプロピレングリコールを添加し呈味増強剤を得た(加熱処理物の濃度:5質量%)。
オートクレーブで加熱処理しなかった以外は実施例18と同様の手順で混合物の希釈物(混合物の濃度:5質量%)を得た。すなわち、20gの廃糖蜜(実施例17と同様)および5gのL−フェニルアラニンの混合物に、80gのプロピレングリコールを添加した。次いで、混合物の濃度が5質量%となるように、さらにプロピレングリコールを添加して混合物の希釈物を調製した。実施例17と同様、ミルクコーヒー1000gに対して、得られた混合物の希釈物を1gの割合で添加し、試験ミルクコーヒーを調製した。実施例17と同様にして、5名のパネラーにベースミルクコーヒーと試験ミルクコーヒーとを試飲してもらった。試験ミルクコーヒーについて、「甘味」、「コク味」および「ミルク感」のそれぞれを実施例17と同様にして評価してもらい、合計点を求めた。結果を表9に示す。
10gの酒かすパウダー(井村屋製菓(株)製の酒粕パウダー、アミノ態窒素含有量:3600mg/100g)および100gの果糖ブドウ糖液糖の混合物を、オートクレーブで加熱処理した。加熱条件は実施例1と同様である。得られた加熱処理物はほとんど無味無臭の粘性の無い液体であった。加熱処理物を室温まで冷却してイオン交換水を添加し呈味増強剤を得た(加熱処理物の濃度:25質量%)。
<評価基準>
3点:ベース飲料と比べて、非常に強く感じた場合。
2点:ベース飲料と比べて、強く感じた場合。
1点:ベース飲料と比べて、わずかであるが強く感じた場合。
0点:ベース飲料と変わらなかった場合。
2gの酒かすパウダー(実施例19と同様)、18gの果糖ブドウ糖液糖、および5gのL−リジンの混合物に、溶媒として80gのプロピレングリコールを加え、オートクレーブで加熱処理した。処理条件は実施例1と同様である。得られた加熱処理物はほとんど無味無臭の粘性の無い液体であった。加熱処理物を室温まで冷却して、さらにプロピレングリコールを添加し呈味増強剤を得た(加熱処理物の濃度:5質量%)。
オートクレーブで加熱処理しなかった以外は実施例20と同様の手順で混合物の希釈物(混合物の濃度:5質量%)を得た。すなわち、2gの酒かすパウダー(実施例19と同様)、18gの果糖ブドウ糖液糖、および5gのL−リジンの混合物に、80gのプロピレングリコールを添加した。次いで、混合物の濃度が5質量%となるように、さらにプロピレングリコールを添加して混合物の希釈物を調整した。実施例19と同様、ベース飲料1000gに対して、得られた混合物の希釈物を1gの割合で添加し、試験飲料を調製した。実施例19と同様にして、5名のパネラーにベース飲料と試験飲料とを試飲してもらった。試験飲料について、「甘味」、「果汁感」および「味の厚み」のそれぞれを実施例19と同様にして評価してもらい、合計点を求めた。結果を表10に示す。
Claims (5)
- 飲食物に添加して、飲食物の呈味を増強させるための呈味増強剤の製造方法であって、
前記飲食物に原材料として含有または非含有の、果実類、野菜類、魚介類、肉類、卵類、アルコール飲料類、蜜類および調味料類からなる群より選択される少なくとも1種の食品を、プロピレングリコールおよびグリセリンの少なくとも1種を含む溶媒中で、0.08〜0.2MPaの加圧条件下にて110〜130℃で加熱処理することを特徴とする呈味増強剤の製造方法。 - 前記食品が、搾汁、ペースト、乾物、エキスまたは調味料の形態に加工されたものである請求項1に記載の呈味増強剤の製造方法。
- 前記加熱処理が、アミノ酸、ペプチドおよびタンパク質の少なくとも1種をさらに混合して行われる請求項1または2に記載の呈味増強剤の製造方法。
- 前記加熱処理が、糖類をさらに混合して行われる請求項1または2に記載の呈味増強剤の製造方法。
- 前記加熱処理が、アミノ酸、ペプチドおよびタンパク質の少なくとも1種と、糖類とをさらに混合して行われる請求項1または2に記載の呈味増強剤の製造方法。
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