JP2019531786A - 磁石および磁気遮蔽が統合された組織穿通器具用カバー - Google Patents

Abstract

組織穿通医療器具のシャフトを磁化するためのカバーであって、組織穿通医療器具のシャフトの上を覆う保護クロージャを成す中空本体を有する、スリーブ部材を含むカバーが開示される。中空本体の近位端部が、組織穿通医療器具のシャフトを受領するための受領空間を提供する。スリーブ部材上に、１つまたは複数の磁石が配設される。カバーに関連付けられた１つまたは複数の遮蔽材料から成る磁気シールドが、カバー内で発生した磁界による、臨床環境へのどんな影響も最小限に抑える。カバーを使用して組織穿通医療器具のシャフトを磁化する医療器具および方法も開示される。

Description

本開示の態様は、組織穿通医療器具を受動的に磁化して、磁気センサを利用してターゲットとする解剖学的構造に対する組織穿通医療器具上の特徴物の位置を突き止め、かつ予測する処置ガイダンスシステムとともに使用されるときの、侵襲性処置中の可視化を高めると同時に、カバー内で発生した磁界への暴露から臨床環境および機器を遮蔽するための、カバーに関する。

従来、カテーテル挿入中にニードルやカテーテル管などの侵襲性医療器具が皮膚組織を穿通して静脈に到達する様子は、臨床医には見えない。この理由から、臨床医は、自身の直接得たニードル挿入の経験とともに、静脈のロケーションを首尾よく特定する触覚に頼らざるを得ない。これは、皮下の深いロケーション内の細い静脈にアクセスしようとするときに困難な作業となることがあり、それにより、患者に対する過度の痛みおよび／または外傷のリスクが増大する。ガイドワイヤ、カテーテル、イントロデューサニードル、スタイレット、スカルペル、およびガイドワイヤなど、他の侵襲性医療器具の挿入にも、侵襲性医療器具のロケーションを正確に可視化できないことに関する同様の問題がある。

新興の処置ガイダンスシステムでは、超音波技術と磁気技術との組合せを利用して、皮下解剖学的構造および器具位置の面内（in-plane）方向および面外（out-of-plane）方向における可視化を行う。超音波法と磁気法とをこうして組み合わせると、患者の解剖学的構造に対する挿入器具位置の予測または推定も可能になり、それにより、首尾よく血管にアクセスして侵襲性処置を完了させる可能性が向上する。超音波および磁気処置ガイダンスシステム技術では、侵襲性器具が、処置全体を通じて維持される十分な磁界源を有することが求められる。

現在の一部のニードルガイダンスシステムでは、磁界はニードルの挿入の直前に、ニードルの金属カニューレを別個の外部ニードルマグネタイザ（magnetizer）にニードルの先がゴム製の停止面に当たるまで埋め込むことによりニードルを磁化することによって発生される。図１は、現在利用可能な別個の外部ニードルマグネタイザ１１の斜視図を示す。図１に示すように、現在の慣行では、保護されていないニードル１３を使用し、それを別個の外部ニードルマグネタイザ１１内に、マグネタイザの底部によって画定される深さまで入れる。挿入の前にニードルを磁化するための現在の器具は、一般に、無菌ではなく、かつ使い捨てではない。

図１に示すタイプのシステムでは、挿入過程に悪影響を及ぼすおそれのあるニードルの損傷が生じることがあり、そのことは使用者には分からない。また、使用者が金属カニューレを能動的に磁化するステップには、いくつかの制限事項および固有のリスクがあり、というのも、挿入深さ、処理スピード、およびニードルをマグネタイザ内で中央に位置付けることなど、臨床医の処置のばらつきが、異なる度合いの磁化を招くので、この手法は、むらのない磁化を保障しないためである。使用者がニードルをマグネタイザ１１の底部に完全に挿入することにむらのある可能性、ニードル先端を損傷するという重大なリスク、およびこのステップ中の汚染の可能性の増大を考慮すると、ニードル先端損傷や汚染の可能性の増大など、前述のさらなるリスクを導入することなく、ニードルを受動的にむらなく磁化するシステムを有することが有利である。

したがって、侵襲性医療器具を受動的にむらなく磁化し、それにより、ニードル先端損傷やニードル汚染などのリスクを低減させ、またはなくすと同時に、カバー内で発生した磁界による、臨床環境へのどんな影響も最小限に抑える磁気遮蔽を行うシステムが必要とされている。

本開示の態様は、組織穿通医療器具を磁化するための、かつ器具が帯びた磁荷を保護する磁気遮蔽を行うためのカバーに関する。第１の実施形態は、中空本体を有するスリーブ部材であって、中空本体が外面、内面、遠位端部、および近位端部を有して、組織穿通医療器具の部分（例えばシャフト）の上を覆う保護クロージャを成す、スリーブ部材と、組織穿通医療器具の部分を磁化するのに効果的な、スリーブ部材に沿って配設された１つまたは複数の磁石と、スリーブ部材に沿って配設された１つまたは複数の磁石および組織穿通医療器具の磁化された部分から発生した磁界による、臨床環境の暴露を最小限に抑える、１つまたは複数の遮蔽材料から成る磁気シールドとを備える、カバーに関する。１つまたは複数の実施形態では、スリーブ部材は、組織穿通医療器具のシャフトを覆う長さを有してよく、スリーブ部材の内側に配設された１つまたは複数の磁石がある。１つまたは複数の実施形態では、１つまたは複数の遮蔽材料から成る磁気シールドは、スリーブ部材の内側に配設された１つまたは複数の磁石を取り囲む。１つまたは複数の実施形態では、中空管状本体の開放端部は、組織穿通医療器具の少なくとも部分（例えばシャフト）を受領するための受領空間を提供する。

１つまたは複数の実施形態では、１つまたは複数の磁石は、固定された永久磁石である。代替的実施形態では、１つまたは複数の磁石は、磁気カラー（collar）を含む。

１つまたは複数の実施形態では、器具受領空間は、組織穿通医療器具が器具受領空間内に、またそこから外に移動することを可能にする。１つまたは複数の実施形態では、器具受領空間は、組織穿通医療器具が組織穿通医療器具の長手方向軸に平行な方向に移動することを可能にする。

１つまたは複数の実施形態では、２つ以上の磁石は、スリーブ部材の周りに位置付けられた溝内に配設される。１つまたは複数の実施形態では、スリーブ部材の周りに位置付けられた溝は、器具受領空間を取り囲む。１つまたは複数の実施形態では、１つまたは複数の遮蔽材料から成る磁気シールドは、スリーブ部材の内側に配設された１つまたは複数の磁石の部分を取り囲む。１つまたは複数の実施形態では、１つまたは複数の遮蔽材料から成る磁気シールドは、スリーブ部材の外面を取り囲む。１つまたは複数の実施形態では、１つまたは複数の遮蔽材料から成る磁気シールドは、スリーブ部材の内側に配設された１つまたは複数の磁石がスリーブ部材の受領空間に晒されるように、スリーブの内面を取り囲む。

一実施形態では、遮蔽材料は、銅などの高導電性材料であってよい。

別の実施形態では、遮蔽材料は、高透磁率を有する。高透磁率遮蔽材料は、ニッケル金属と鉄金属の合金であってよい。特定の実施形態では、遮蔽材料は、強磁性金属被覆を含む。

さらに別の実施形態では、遮蔽材料は、高導電性材料と強磁性金属被覆の両方を含む。高導電性材料は、銅であってよく、高透磁率遮蔽材料は、ニッケル金属と鉄金属の合金であってよい。

１つまたは複数の実施形態では、ニードルサブアセンブリのカバーは、ニードルカバー、カテーテル包装体、または輸送容器（shipping container）の形態をとる。

１つまたは複数の実施形態では、遮蔽材料は、カバーの内面または外面上にスプレー被覆されてよい。別の実施形態では、遮蔽材料は、カバーの内面および外面上にスプレー被覆されてよい。

さらに別の実施形態では、１つまたは複数の遮蔽材料から成る磁気シールドは、カバー内にインサート成形されてよい。

１つまたは複数の実施形態では、組織穿通医療器具は、ニードル、カニューレ、スタイレット、カテーテル、スカルペル、またはガイドワイヤであってよい。もう１つの実施形態によれば、カバーは、カバーからの組織穿通医療器具の取り外し時に組織穿通医療器具を受動的に磁化する。

従来技術の使い捨てニードルマグネタイザの斜視図である。 本開示の磁気シールドを有するニードルカバーの実施形態の斜視図である。 本開示の磁気シールドを有するニードルカバーの実施形態の斜視図である。 本開示の磁気シールドを有するニードルカバーに挿入する前の、組織穿通医療器具の実施形態を示す図である。 本開示の磁気シールドを有するニードルカバーに部分的に挿入された、組織穿通医療器具の実施形態を示す図である。 本開示の磁気シールドを有するニードルカバーに完全に挿入された、組織穿通医療器具の実施形態を示す図である。 本開示の磁気シールドを有するニードルカバーから取り外された後に完全に磁化された組織穿通医療器具の実施形態を示す図である。 磁気シールドを有する磁気カラーを備えた組織穿通医療器具の実施形態を示す図である。 本開示の埋め込み磁石および磁気シールドを備えたニードルカバーの先端の部分斜視図である。 本開示の１つの埋め込み磁石および磁気シールドを備えたニードルカバーの端面図である。 本開示の２つの埋め込み磁石および磁気シールドを備えたニードルカバーの端面図である。 本開示の磁気シールドを有するカバーを備えた医療器具の実施形態を示す図である。 磁気シールドを有するカバー内に磁界が封じ込められた、図７に示す医療器具の実施形態の部分分解図である。

本開示のいくつかの例示的実施形態について説明する前に、ここで行う説明は、以下の説明の中で記載される構築ステップまたはプロセスステップの詳細に限定されないことを理解されたい。本明細書において説明する器具および方法は、他の実施形態が可能であり、さまざまな方法で実施または実行されることが可能である。

本開示では、器具の遠位端部が、患者に最も近い端部であり、器具の近位端部が、患者から離れたところにあり施術者に最も近い端部であるという慣例に従う。

本開示の態様は、組織穿通医療器具のカバーであって、組織穿通医療器具の部分を受動的に磁化するための１つまたは複数の磁石と、カバー内に配設された１つまたは複数の磁石および組織穿通医療器具の磁化された部分から発生した磁界による、臨床環境の暴露を最小限に抑える、カバーに関連付けられた１つまたは複数の遮蔽材料から成る磁気シールドとを備えた、カバーに関する。１つまたは複数の遮蔽材料から成る磁気シールドは、臨床環境をカバー内に配設された１つまたは複数の永久磁石に晒すことから引き起こされるどんな悪影響も最小限に抑える。本開示の態様は、抹消静脈（ＩＶ）カテーテルとともに使用されるニードルなどの侵襲性医療器具を受動的に磁化すると同時に、カバー内で、カバー内に配設された１つまたは複数の永久磁石および組織穿通医療器具の磁化された部分から発生した磁界による、臨床環境へのどんな影響も最小限に抑える磁気遮蔽を行うという、既存の技術およびシステムの課題に対処する改良されたシステムに関する。

本開示の１つまたは複数の実施形態は、組織穿通医療器具用カバーであって、カバー上またはカバー内の統合された磁石と、カバー内で発生した磁界による、臨床環境へのどんな悪影響も最小限に抑える、カバーに関連付けられた１つまたは複数の遮蔽材料から成る磁気シールドとを有する、カバーに関する。１つまたは複数の実施形態によれば、本開示のカバーは、組織穿通医療器具の部分（例えばシャフト）を受動的にむらなく磁化する。１つまたは複数の実施形態では、侵襲性医療器具が器具の遠位先端を覆うカバーをすでに含んでいるので、組織穿通医療器具の受動的磁化は、追加のまたは新たな臨床ステップを用いずに達成される。１つまたは複数の実施形態では、本明細書において説明する器具およびシステムは、磁化すべき器具に対する磁石のロケーションのより正確な制御を行い、その結果として、侵襲性医療器具に、よりむらがなく予測可能な磁界が印加される。１つまたは複数の実施形態では、本明細書において説明する器具および方法は、既存のマグネタイザデバイスに比べると、ニードル損傷のさらなるリスクを生み出さず、汚染のさらなるリスクを招かない。

ここで図２Ａおよび図２Ｂを参照すると、組織穿通医療器具１０を磁化するための本開示のカバー１２であって、遠位端部２１および開放近位端部２２を有して、組織穿通医療器具３０のシャフト３４の上を覆う保護クロージャを成す中空本体２０を有する、スリーブ部材１４を備え、１つまたは複数の磁石５０と、カバー１２に関連付けられた磁気シールド６０とを有する、カバー１２の一実施形態が示されている。１つまたは複数の実施形態では、遠位端部２１は閉鎖されていてもよく、開放していてもよい。１つまたは複数の実施形態では、磁気シールド６０は、カバー内で、カバー内に配設された１つまたは複数の磁石からかつ／または組織穿通医療器具１０の磁化された部分から発生した磁界による、臨床環境へのどんな影響も最小限に抑える。１つまたは複数の実施形態では、磁気シールド６０は、組織穿通医療器具５０の磁化された領域を、外部のどんな磁界および電磁界からも隔離し、したがって、磁化された領域の磁化の完全性を維持する。１つまたは複数の実施形態では、図５に示すように、磁気シールド６０は、磁化された組織穿通医療器具１０が病院環境内の高感度機器およびデバイスへの磁気干渉を引き起こすのを防ぐために、磁化された領域によって発生した磁界をカバー１２の範囲（confine）内に封じ込める。磁気シールド６０は、磁化された領域を囲む１つまたは複数の遮蔽材料から成る。

１つまたは複数の実施形態では、中空本体２０は、管状または他の任意の適切な形状とすることができる。図示の実施形態では、組織穿通医療器具３０は、ニードルハウジング３２、および鋭利な遠位先端３６を有するニードルのシャフト３４を含む、ニードルアセンブリとして示されている。図２Ａおよび図２Ｂでは、スリーブ部材１４は、透明なものとして示されており、組織穿通医療器具３０のシャフト３４が見えることが理解されよう。スリーブ部材１４は、過失による針刺しを防ぐために鋭利な遠位先端３６を含めて、組織穿通医療器具３０のシャフト３４を覆う長さＬを有する。図２に長さ「Ｌ」に関して示す矢印は、シャフト３４の長手方向軸も示している。中空本体２０の開放近位端部２２が、組織穿通医療器具３０の少なくともシャフト３４を受領するための器具受領空間４０を提供する。カバー１２は、スリーブ部材１４上に配設された少なくとも１つの磁石５０、図示の実施形態では少なくとも２つの磁石５０を含む。

器具受領空間４０は、組織穿通医療器具３０のシャフト３４が器具受領空間４０内に、またそこから外に移動することを可能にするようなサイズおよび形状である。一実施形態では、器具受領空間４０は、組織穿通医療器具３０のシャフト３４が器具受領空間４０内に、組織穿通医療器具３０のシャフト３４の長手方向軸に平行な移動の形で移動することを可能にする。ニードルカバー上に１つまたは複数の磁石５０が、組織穿通医療器具３０の部分、例えばシャフト３４を磁化するために磁石の一方の面が受領空間４０の内部に晒され、一方、磁石の反対面が、カバー１２が組織穿通医療器具３０の上を覆って据えられているときに組織穿通医療器具の磁化された部分、例えばシャフト３４が臨床環境に悪影響を及ぼすのを防ぐ、カバー１２に関連付けられた磁気シールド６０に晒されるように、配設される。カバー１２は、カバー１２が組織穿通医療器具のシャフト３４から取り外され、それにより、受領空間４０の内部に晒されるように向けられた１または磁石５０に晒されているシャフト３４の部分を有するときに、組織穿通医療器具３０のシャフト３４を受動的に磁化する。

１つまたは複数の実施形態では、組織穿通器具３０は、組織穿通器具をカバー１２に差し込む前は磁化されない。組織穿通器具３０がカバー１２の器具受領空間４０に差し込まれるとき、磁石５０の影響下を通過する組織穿通器具３０の任意の遠位区分が磁化される。１つまたは複数の実施形態では、組織穿通器具３０の何らかの区分が保管または保管中の外部磁界への暴露のため減磁されていたとしても、使用の前にカバー１２が取り外されて、組織穿通器具３０の部分が、カバー１２の器具受領空間４０内に配設された１つまたは複数の磁石５０の下を通過するとき、組織穿通器具３０の部分が再び磁化され直す。

一実施形態によれば、１つまたは複数の遮蔽材料から成る磁気シールド６０は、磁石５０の少なくとも一方の面が遮蔽材料で被覆されず、それによって、少なくとも１つの磁石５０の非被覆面が、受領空間４０内に位置するときの組織穿通医療器具の部分（例えばシャフト３４）に晒されることが可能になるように、図２Ａに示すようにカバーの外面上に、または図２Ｂに示すようにカバーの内面上にスプレー被覆されてよい。別の実施形態では、１つまたは複数の遮蔽材料から成る磁気シールド６０は、カバーの内面および外面上にスプレー被覆されてよい。１つまたは複数の実施形態では、１つまたは複数の遮蔽材料から成る磁気シールド６０は、カバーの内面上またはカバーの外面上に、１／１０００インチ（０．００２５４ｃｍ）から１インチ（２．５４ｃｍ）の厚さにスプレー被覆されてよい。磁気シールドの厚さは、医療器具の所望の目的または用途に応じて決まってよい。

別の実施形態では、１つまたは複数の遮蔽材料から成る磁気シールド６０は、カバー内にインサート成形されてよい。インサート成形は、金属材料と熱可塑性材料とを組み合わせて、または材料と構成要素との複数の組合せを組み合わせて、単一ユニットにするものである。インサート成形プロセスには典型的に、射出成形法が関与し、この場合、原材料の固体ペレットが溶融されて金型内に押出され、次いでそのプラスチックが凝固し、次いで成形機が開き、成形された部品が取り出される。インサート成形される構成要素は、材料が金型内に射出される前に、手によって、または自動化によって金型内に据えられる。次いで、材料がインサート内の特徴物に流れ込むとき、インサートは、以前に成形された構成要素にそれが組み立てられる場合よりもずっとしっかりと固定される。

１つまたは複数の実施形態によれば、カバー１２は、導電性添加剤または磁気添加剤を有するプラスチックから成形されてよい。一実施形態では、カバー１２は、無菌および／または使い捨てであってよい。

１つまたは複数の実施形態では、遮蔽材料は、銅や銅スプレーなどの高導電性材料であってよい。高導電性遮蔽材料は、高周波電磁界の存在下で機能する。変化する磁界が導体内に渦電流を発生させ、それが次いでその磁界を打ち消し、それによって、その磁界が磁化された領域に到達するのを防ぎ、したがって、カバー内の永久磁石の減磁の可能性を防ぐ。

１つまたは複数の実施形態では、遮蔽材料は、高透磁率を有してよい。１つまたは複数の実施形態では、高透磁率材料は、鉄、ニッケル、コバルト、またはこれらの元素のうちの１つもしくは複数を含有する合金もしくは化合物であってよい。１つまたは複数の実施形態では、高透磁率材料は、ニッケル金属と鉄金属の合金から成る。高透磁率材料は、パーマロイ（典型的には約８０％のニッケルおよび約１５％の鉄および５％のモリブデン含有量を有する、ニッケル−鉄磁性合金）、または強磁性金属被覆であってよい。１つまたは複数の実施形態では、遮蔽材料は、およそ７７％のニッケル、１６％の鉄、５％の銅、および２％のクロムまたはモリブデンを有する、ニッケル−鉄合金から成ってよい。さらに別の実施形態では、おそらくおよそ８０％のニッケル、５％のモリブデン、ケイ素など、少量のさまざまな他の元素、および残りの１２から１５％の鉄から成る遮蔽材料。高透磁率遮蔽材料は、静的外部磁界（static external magnetic field）の存在下で十分機能する。磁化された領域付近に外部静磁界（external static magnetic field）が存在するとき、磁力線が磁気シールドに、その高透磁率のため引き込まれ、したがって、その磁界が磁化された領域に到達するのを防ぎ、それによって、カバー内の永久磁石を保護する。カバー内の永久磁石および磁化されたニードルによって発生した磁界は、静的であるので、磁化された組織穿通医療器具１０が病院環境内の高感度機器およびデバイスへの磁気干渉を引き起こすのを防ぐために、高透磁率をもつ遮蔽材料を使用することが好ましい。

高周波電磁界と静的外部磁界の両方が存在することが見込まれる場合、磁気シールドは、外部磁界が磁化された領域に到達するのを阻止するために、高導電性遮蔽材料と高透磁率材料の両方から成ることができる。特定の実施形態では、磁気シールド６０は、高導電性材料および強磁性金属被覆を含む。高導電性材料は、銅であってよい。

図３Ａから図３Ｃは、組織穿通医療器具１３０、組織穿通医療器具１３０のシャフト１３４を磁化するためのカバー１１２を含む、医療器具１００を示す。カバー１１２は、遠位端部１２１および開放近位端部１２２を有して、組織穿通医療器具１３０のシャフト１３４の上を覆う保護クロージャを成す中空管状本体１２０を有する、スリーブ部材１１４を含み、スリーブ部材１１４は、組織穿通医療器具１３０のシャフト１３４を覆う長さＬを有し、シャフト１３４は、長さＬ２および遠位先端１３６を有する。中空管状本体１２０の開放端部１２２は、組織穿通医療器具１３０の少なくともシャフト１３４を受領するための受領空間１４０を提供する。カバー１１２は、２つの磁石１５０、およびカバー内の２つの磁石１５０から発生した磁界による、臨床環境へのどんな影響も最小限に抑える磁気シールド１６０を含む。２つの磁石１５０が示されているが、器具は、特定の数の磁石に、またはスリーブ部材の周りの特定のロケーションの磁石に限定されないことが理解されよう。磁石１５０は、スリーブ部材の周りでどんな位置または向きに位置付けられてもよい。１つまたは複数の実施形態では、単一の磁石を利用してシャフト１３４を磁化することができ、または２つ以上の磁石を利用することができる。１つまたは複数の遮蔽材料から成る磁気シールド１６０は、磁石１５０の少なくとも一方の面が遮蔽材料で被覆されず、それによって、少なくとも１つの磁石１５０の非被覆面が、受領空間１４０内に位置するときの組織穿通医療器具１３０の部分（例えばシャフト１３４）に晒されることが可能になるように、カバー１１２の内面、またはカバー１１２の外面上にスプレー被覆されてよい。１つまたは複数の実施形態では、１つまたは複数の遮蔽材料から成る磁気シールド１６０は、カバーの内面またはカバーの外面上に、１／１０００インチ（０．００２５４ｃｍ）から１インチ（２．５４ｃｍ）の厚さにスプレー被覆されてよい。１つまたは複数の遮蔽材料から成る磁気シールド１６０の厚さは、医療器具の所望の目的または用途に応じて決まってよい。別の実施形態では、磁気シールド１６０は、カバー内にインサート成形されてよい。

２つの磁石が利用される実施形態では、２つの磁石の磁界の向きがさまざまでよい。一方の磁石は、組織穿通医療器具のシャフトと同軸の（on axis）Ｎ極およびＳ極を有してよく、一方、第２の磁石は、組織穿通医療器具のシャフトに軸外れの（off-axis）、またはそれに垂直なＮ極およびＳ極を有してよい。あるいは、２つの磁石が両方とも、組織穿通医療器具のシャフトと軸外れのＮ極およびＳ極を有してもよく、２つの磁石が両方とも、組織穿通医療器具のシャフトと同軸のＮ極およびＳ極を有してもよい。

図３Ａは、本開示のカバー１１２に挿入する前の、組織穿通医療器具１３０を示す。組織穿通医療器具１３０は、長さＬ２、遠位先端１３６を有するシャフト１３４を含み、シャフト１３４はハウジング１３０にハブ１５２によって取り付けられる。１つまたは複数の実施形態では、ハブ１５２は、ハブ磁石１５５を含む。１つまたは複数の実施形態では、ハブ磁石１５５は、永久の固定された磁石である。ハブ磁石１５５は、組織穿通ニードルが超音波技術と磁気技術との組合せとともに、皮下解剖学的構造および器具位置の可視化を行うのに使用されるときの、固定された磁気基準点を提供してよい。図３Ｂは、本開示のカバー１１２に部分的に挿入された、組織穿通医療器具１３０のシャフト１３４を示す。図３Ｃは、本開示のカバー１１２に完全に挿入された、組織穿通医療３０器具のシャフト１３４を示す。図３Ｃに示す医療器具１００は、包装されて、医療処置に使用できる状態になってよい。図３Ｃに示す医療器具１００は、より大型の医療器具アセンブリの一部として、他の器具と一緒に包装することができる。したがって、図３Ｃは、シャフトからのカバー１１２の取り外し時に医療器具１００のシャフト１３４を磁化するように構成された少なくとも１つの磁石１５０を有するカバー１１２を有する、ニードルサブアセンブリである医療器具１００を示す。医療器具１００はさらに、カテーテルアダプタサブアセンブリを含むカテーテルアセンブリの一部として包装することもできる。

医療器具の磁化される領域に応じて、磁気シールドは、ニードルカバー、個別のカテーテル包囲体、カテーテルディスペンサ、製品包装体、もしくはカテーテルシッパー（shipper）の形態をとるか、またはそれに組み込まれてよい。

磁気シールドが個別の医療器具包装体に組み込まれるとき、包装体全体を磁気遮蔽材料で被覆することができる。あるいは、包装体の、磁化された領域を囲む区分だけが、磁気遮蔽材料を含有してもよい。そのような手法は、包装体を通じた滅菌のしやすさを促進する。

図４は、カバー１１２が取り外された後に、磁化されたニードルが挿入の準備が整っている状態の実施形態を示す。これにより、器具が、ターゲットとする解剖学的構造に対するニードル先端ロケーションを測定および予測する手段としての磁気センサを利用する処置ガイダンスシステムとともに使用できるようになる。

図４に示すように、シャフト１３４が、図３Ｂ〜図３Ｃに示すニードルカバーからシャフト１３４が取り外された後に磁化された状態の、組織穿通医療器具１３０。図３Ｂ〜図３Ｃに示すように、カバー１１２の取り外し時にカバー１１２がシャフト１３４を受動的に磁化するように、２つの磁石１５０をカバー１１２に統合することができる。図３Ｂ〜図３Ｃに示す実施形態は、カバー１１２の周りに位置付けられた２つの磁石１５０を示す。そのようなカバーは、既存のカテーテルアセンブリ、およびガイドワイヤやスタイレットなどの他の侵襲性医療器具に容易に統合して、シャフトを受動的に磁化するためにカバーを取り外す時に、さまざまな侵襲性医療器具のシャフトを、磁化できるようにすることができる。磁石の軸方向位置は、シャフト長およびシャフトの磁化したい所望の部分に対して、修正し位置付けることができる。例えば、ニードルの場合、磁石は、ニードルのゲージおよび長さに基づいて特定的に位置付けることができる。図３Ｂに示すように、磁石をこのように位置付ける結果、シャフト１３４は、図３Ｃに示すおよそ位置Ｐからシャフト１３４の遠位先端１３６まで、シャフトのＰから遠位先端までの部分が磁石１５０によってもたらされる磁界の中を移動するときに磁化されることになる。この組織穿通医療器具１３０はこの時点で、ターゲットとする解剖学的構造に対するニードル先端ロケーションを測定および予測する手段としての磁気センサを利用する処置ガイダンスシステムとともに使用することができる。１つまたは複数の実施形態では、組織穿通医療器具１３０の遠位端部は、シャフト１３４の遠位先端１３６上に位置する、挿入点における血管への進入の即時確認を可能にするノッチ１３７を含む。１つまたは複数の実施形態では、組織穿通医療器具の磁化された部分は、組織穿通医療器具の部分長を備えてよい。１つまたは複数の実施形態では、組織穿通医療器具の磁化された部分は、組織穿通医療器具の遠位先端を備えてよい。１つまたは複数の実施形態では、組織穿通医療器具の磁化された部分は、組織穿通医療器具の全長を備えてよい。

図５は、磁化カラー２６０を有するカバー２１２を含む組織穿通医療器具２３０の実施形態を示し、磁化カラー２６０は、図示のようにカラー２６０の形状をとる磁石とすることができる。１つまたは複数の遮蔽材料から成る磁気シールド２６５は、内面２６２が遮蔽材料で被覆されず、それによって、非被覆内面が、受領空間２４０内に位置する組織穿通医療器具２３０の部分（例えばシャフト２３４）に晒されることが可能になるように、カラー２６０の外面２６１上にスプレー被覆されてよい。１つまたは複数の実施形態では、１つまたは複数の遮蔽材料から成る磁気シールド２６５は、カラー２６０の外面２６１上に、１／１０００インチ（０．００２５４ｃｍ）から１インチ（２．５４ｃｍ）の厚さにスプレー被覆されてよい。磁気シールド２６５の厚さは、医療器具の所望の目的または用途に応じて決まってよい。カバー２１２は、遠位端部２２１および近位端部２２２を有して、組織穿通医療器具２３０のシャフト２３４の上を覆う保護クロージャを成す中空管状本体２２０を有する、スリーブ部材２１４を含む。中空管状本体２２０の開放端部２２２は、組織穿通医療器具２３０の少なくともシャフト２３４を受領するための受領空間２４０を提供する。磁化カラー２６０は、カバー２１２から分離されているものとして示されているが、磁化カラー２６０は、シャフト２３４に対して、カバー２１２の長さＬ３に沿って可変的に位置付けられる。磁化カラー２６０は、単回使用の使い捨てアイテムとして使用することができ、または磁化カラー２６０は、磁化ステップ中にニードルカバーが所定の位置に留まるので、再使用可能であってよい。したがって、１つまたは複数の実施形態によれば、磁化カラー２６０は、カバー２１２に切り離し可能に取り付けられる。代替的実施形態では、磁化カラー２６０は、カバー２６０に永久に取り付けられる。磁化カラー２６０は、カバー２１２の長さに沿ってスライド可能に移動させることができる。他の実施形態では、組織穿通医療器具２３０のシャフト２３４がそうであるように、磁化カラー２６０の長さＬ４が、カバー２１２の長さＬ３に等しい。他の実施形態では、磁化カラー２６０の長さＬ４は、カバー２１２の長さＬ３の１０％、２０％、３０％、４０％、５０％、６０％、７０％、８０％、または９０％である。磁化カラー２６０は、カバーの周囲を実質的に取り囲む管状磁石とすることができ、または磁化カラー２６０は、磁石の配列がカバーの周囲を実質的に取り囲む、プラスチックもしくは他の材料製のカバーとすることができる。

図６Ａ〜図６Ｃは、少なくとも１つの磁石を組織穿通医療器具用カバーと統合する一方法を示す。１つまたは複数の実施形態によれば、図６Ａに示すように、カバー３１２は、全体が磁気遮蔽材料製の壁部３６０を有してよく、この場合、１つまたは複数の磁石３５０が、スリーブ部材の周りで受領空間３４０の内面上に位置付けられた溝３６２内に配設される。１つまたは複数の実施形態では、スリーブ部材の周りに位置付けられた溝３６２は、器具受領空間３４０を取り囲む。１つまたは複数の実施形態では、１つまたは複数の遮蔽材料から成る磁気シールドは、スリーブ部材の内側に配設された１つまたは複数の磁石の部分を取り囲む。１つまたは複数の実施形態では、１つまたは複数の遮蔽材料から成る磁気シールドは、スリーブ部材の外面を取り囲む。１つまたは複数の実施形態では、１つまたは複数の遮蔽材料から成る磁気シールドは、スリーブ部材の内側に配設された１つまたは複数の磁石がスリーブ部材の受領空間に晒されるように、スリーブの内面を取り囲む。

磁性材料から成る磁気シールド３６５を壁部３６０の外面に沿って有する、カバー３６０の壁部３６０内に埋め込み磁石３５０を有するカバー３１２の部分斜視図を図６Ａが示し、端面図を図６Ｂが示す。磁石３５０は、溝３６２に埋め込まれる。磁石３５０は、溝３６２内にスライド可能に取り付けられて、摩擦嵌めによって所定の位置に保持されるようなサイズとすることができ、または磁石は、接着剤もしくは他の適切な方法を用いて付着させることができる。あるいは、磁石３５０は、カバー３１２の形成プロセス中に、壁部３６０内に一体成形することもできる。図６Ａに示す磁石３５０の長さＬ５は、カバーの長さ未満であるものとして示されている。１つまたは複数の実施形態によれば、磁石３５０の長さＬ５は、カバーの長さに等しいか、またはカバーの長さの１０％、２０％、３０％、４０％、５０％、６０％、７０％、８０％、もしくは９０％に等しくてよい。

図６Ｃは、カバー４１２の壁部４６０の第１の溝４６２内に第１の磁石４５０があり、カバーの壁部４６０内の第２の溝４６４内に第２の磁石４５２がある、カバー４１２の実施形態を示す。第１の磁石４５０および第２の磁石４５２は、カバー４１２の周りに、例えば互いから１８０度に位置付けられているものとして示されている。２つの磁石は、互いに対して他の位置にあってよいことが理解されよう。加えて、カバー４１２は、２つ以上の磁石を含んでもよい。第１の磁石４５０および第２の磁石４５２は、それぞれに対応する第１の溝４６２および第２の溝４６４内にスライド可能に取り付けて、摩擦嵌めによって所定の位置に保持することができ、またはそれらは、接着剤によって所定の位置に保持することができる。代替的実施形態では、磁石は、カバー４１２と一体成形することができる。２つ以上の磁石は、反対方向に向けられた極を有してよい。例示的実施形態として、第１の溝４６２および第２の溝４６４の内面に沿った、磁性材料から成る磁気シールド４６５が示されている。

代替的実施形態では、ニードルカバーがニードルのシャフトを覆っている間にニードルカバーを既存のニードル磁化デバイスの内側に据えることを可能にする幾何学的寸法を有する、ニードルカバーが提供される。ニードルカバーの遠位端部が、ニードル磁化デバイスの底部と接触するストップ部を設けることにより挿入深さを制限するのに使用されてよい。あるいは、ニードルマグネタイザの近位開口上にあるストップ部によって挿入深さを制限するために、ニードルカバーの近位部分付近の特徴物がカバー上に設けられてもよい。

本明細書において説明するカバーは、多様な特性を有することができる。１つまたは複数の実施形態では、カバーはプラスチックから形成される。１つまたは複数の実施形態では、カバーは無菌である。１つまたは複数の実施形態では、カバーは使い捨てである。他の実施形態では、カバーは無菌かつ使い捨てであってよい。

組織穿通医療器具は、ニードル、カテーテル、イントロデューサニードル、スタイレット、スカルペル、またはガイドワイヤであってよい。一実施形態では、組織穿通医療器具はニードルであり、それは磁化されると、侵襲性医療処置中のニードルの位置を突き止め、かつ予測すべく、処置ガイダンスシステムとともに使用することができる。１つまたは複数の実施形態による組織穿通医療器具は、磁化可能金属材料を含む。特定の実施形態では、磁化可能金属材料は、磁化可能ステンレス鋼である。

本明細書において説明するカバーは、カテーテルと、カテーテルアダプタサブアセンブリと、イントロデューサニードル、イントロデューサニードルの近位端部に接続されたニードルハブ、および本明細書において説明する実施形態のいずれかによるニードルカバーを含む、ニードルサブアセンブリとを備える、血管アクセス器具に組み込まれてもよい。ニードルカバーは、本明細書において説明するように、イントロデューサニードルの上を覆う保護クロージャを成す中空管状本体を有する、プラスチックスリーブ部材、およびニードルカバー上に配設された２つ以上の磁石を含んでよい。

医療器具アセンブリ、具体的には、上で説明した前述の実施形態のいずれかによるカテーテルを含む血管アクセス器具の例が、図７に示されている。図７に示す医療器具アセンブリ５００は、ニードルサブアセンブリ５１４の形態をとる組織穿通医療器具と、カテーテルアダプタ本体５１６およびカテーテル管５１８および永久磁石要素５３２を含むカテーテルアダプタサブアセンブリ５１２と、磁性材料から成る磁気シールド５６５を壁部の外面に沿って有する、カバー５３０の壁部内に埋め込み磁性物質５３５を有するカバー５３０とを備える。図８は、磁気シールド５３０を有するカバー内に磁界５１５が封じ込められた、図７に示す医療器具の実施形態の部分分解図を示す。１つまたは複数の実施形態では、カテーテルアダプタは、シャフトの近位端部に接続される。

イントロデューサニードルに沿って位置する永久磁石要素が、超音波技術および磁気技術と組み合わせて皮下解剖学的構造および器具位置の可視化を行うのに使用されるときの、追加の基準点として働いてよい。カテーテル管５１８内のニードル５１９は、カバー５３０を示しており、ニードルは、本明細書において図２〜図７に関して説明したように、磁石を含むキャップの取り外し時に磁化されている。本明細書において説明したようにニードルをカバーで磁化することにより、磁気領域内に磁界が生み出される。

医療器具５００は、側方アクセスポート５５６を含む血管アクセス器具であってよく、ＩＶ流体源とカテーテル管５１８との間の流体連通を確立するために、延長チューブ５６０の区分に接続されてよい。１つまたは複数の実施形態では、延長チューブ５６０は、挿入部位での操作をなくすことによって汚染および機械的静脈炎を低減させるべく組み込み型である。１つまたは複数の実施形態では、延長チューブ５６０は、高圧注入と適合性がある。１つまたは複数の実施形態では、延長チューブ５６０により、カテーテルを患者の静脈内に前進させている間の血管アクセスを連続して確認できるようになっている。

１つまたは複数の実施形態では、ニードルサブアセンブリ５１４のニードルが、カテーテル管５１８の管腔に挿入される。ニードルサブアセンブリ５１４は、さまざまな挿入技法を容易にするようにニードルサブアセンブリ５１４の両側に位置付けられた指グリップ５８４を含むものとして示されている。１つまたは複数の実施形態では、使用者がニードルを取り外すためにどこで器具を把持してよいかを示すために、指グリップ上に出っ張り（bump）が存在してよい。１つまたは複数の実施形態では、緩やかに凸状を成す表面を有する親指パッド５８５が、ニードルサブアセンブリ５１４の近位端部のところに設けられる。緩やかに凸状を成す表面を有するフランジ５８６が、指パッドを提供すべく、ニードルサブアセンブリ５１４の近位端部のところに設けられる。ウィング部材５７０、親指パッド５８５、およびフランジ５８６は、挿入中に使用者によって利用されてよく、どの挿入技法を用いるかを使用者が選択できるようにする。

１つまたは複数の実施形態では、ニードルサブアセンブリ５１４は、ニードルシールド５８０を含む。ニードルシールド５８０は、ニードルの先端を使用後にシールド内に固定するように適合された設計であってよい。１つまたは複数の実施形態では、ニードルシールド５８０は、受動的に作動されてよい。ニードル先端は、ニードルシールド５８０によって固定の位置において完全に覆われる。１つまたは複数の実施形態では、先端付近にフェルール（ferrule）、クリンプ（crimp）、または他の構造体が、いくつかの用途においてニードルシールドと係合できるように含まれてよい。

挿入中のカテーテルの前進を容易にするために、プッシュタブ５８１が設けられてよい。プッシュタブ５８１はまた、片手による、または両手による前進を可能にする。１つまたは複数の実施形態では、プッシュタブ５８１は、ニードルシールド５８０とともに取り外される。アクセスポートを交換する際の血流を防ぐために、延長チューブ上にクランプ５８２が含まれてもよい。

１つまたは複数の実施形態では、血管アクセス器具５００はさらに、延長チューブ５６０と流体連通する第１のルアーアクセス５７２および第２のルアーアクセス５７３、第１のルアーアクセス５７２に関連付けられた血液制御スプリットセプタム５７４、ならびに第２のルアーアクセス５７３に関連付けられたエアベント５７６を含む。スプリットセプタム５７４は、制限されない流れおよび直線状の流体経路を提供しながら、カテーテル関連血流感染（ＣＲＢＳＩ）の低減を可能にし、血液制御セプタムとして機能する。１つまたは複数の実施形態では、スプリットセプタム５７４は、カテーテルアダプタの内部空洞内、またはカテーテルアダプタの遠位端部上に位置してよい。さらに別の実施形態では、スプリットセプタム５７４は、延長チューブ５６０の遠位端部上に位置してよい。エアベント５７６は、挿入中にシステムから血液が漏出するのを防ぎながら、挿入中にシステムから空気が逃げられるようにし、血管アクセスを連続して確認できるようになっている。１つまたは複数の実施形態では、エアベント５７６は、延長チューブ５６０の遠位端部にあってよい。

１つまたは複数の実施形態では、ベースユニットは、超音波プロセッサおよび超音波システムと直接通信する磁気検出器（magnetometric detector）を備えた超音波システムに、ワイヤレスリンクを介して、または同じ物理ケーブルを使用して統合することができる。

本開示の別の態様は、組織穿通医療器具を磁化する方法に関する。方法の実施形態は、組織穿通医療器具のシャフトを、器具受領空間、器具受領空間内に配設された少なくとも１つの磁石、およびカバーに関連付けられた１つまたは複数の遮蔽材料から成る磁気シールドを有するカバー内に位置付けることと、その後、器具受領空間から組織穿通医療器具を取り外して、組織穿通医療器具のシャフトを磁化することとを含む。

本明細書全体を通じて「一実施形態」、「いくつかの実施形態」、「１つもしくは複数の実施形態」、または「実施形態」と言及される場合、実施形態に関連して説明した特定の特徴物、構造体、材料、または特性が、本開示の少なくとも１つの実施形態に含まれていることを意味する。したがって、「１つもしくは複数の実施形態では」、「いくつかの実施形態では」、「一実施形態では」、または「実施形態では」などの句が、本明細書全体を通じてさまざまな場所に現れる場合、必ずしも本開示の同一実施形態に言及しているとは限らない。さらに、特定の特徴物、構造体、材料、または特性が、１つまたは複数の実施形態において、どんな適切な様式で組み合わされてもよい。

本明細書における開示では、特定の実施形態に即した説明を行ってきたが、これらの実施形態は、本開示の原理および用途の単なる例示であることを理解されたい。本開示の趣旨および範囲から逸脱することなく、本開示の方法および装置にさまざまな修正および変形を加えることができることが、当業者には明らかとなろう。したがって、添付の特許請求の範囲に記載の範囲およびそれらの等価物の範囲内にある、修正および変形を本開示が含むことが意図される。

Claims (19)

1. 組織穿通医療器具を磁化するためのカバーであって、
   外面、内面、近位端部、および遠位端部を備えて、長手方向軸を有する組織穿通医療器具のシャフトの上を覆う保護クロージャを成す中空本体を有する、スリーブ部材であって、前記中空本体の前記近位端部が、前記組織穿通医療器具の少なくともシャフトを受領するための受領空間を提供する、スリーブ部材と、
   前記シャフトを磁化するのに効果的な、前記スリーブ部材に沿って配設された１つまたは複数の磁石と、
   前記カバーに関連付けられた１つまたは複数の遮蔽材料から成る磁気シールドと
   を備えるカバー。
2. 前記受領空間は、前記組織穿通医療器具の前記シャフトが前記受領空間内で前記組織穿通医療器具の前記長手方向軸に平行な方向に移動することを可能にする請求項１に記載のカバー。
3. 前記２つ以上の磁石は、スリーブ部材の前記内面に沿って配設される請求項１に記載のカバー。
4. 前記１つまたは複数の遮蔽材料は、高導電性材料である請求項１に記載のカバー。
5. 前記１つまたは複数の遮蔽材料は、銅を含む請求項４に記載のカバー。
6. 前記１つまたは複数の遮蔽材料は、高透磁率を有する請求項１に記載のカバー。
7. 前記１つまたは複数の遮蔽材料は、ニッケル金属と鉄金属の合金を含む請求項６に記載のカバー。
8. 前記１つまたは複数の遮蔽材料は、強磁性金属被覆を含む請求項７に記載のカバー。
9. 前記１つまたは複数の遮蔽材料は、高導電性材料を含み、かつ強磁性金属被覆を含む請求項１に記載のカバー。
10. 前記高導電性材料は、銅を含む請求項９に記載のカバー。
11. ニードルカバー、カテーテル包装体、または輸送容器から選択される請求項１に記載のカバー。
12. 前記１つまたは複数の遮蔽材料は、前記カバーの内面上にスプレー被覆される請求項１に記載のカバー。
13. 前記１つまたは複数の遮蔽材料は、前記カバーの外面上にスプレー被覆される請求項１に記載のカバー。
14. 前記組織穿通医療器具は、ニードルアセンブリ、スタイレット、カテーテル、イントロデューサニードル、スカルペル、またはガイドワイヤである請求項１に記載のカバー。
15. 前記１つまたは複数の磁石は、固定された永久磁石を備える請求項１に記載のカバー。
16. 前記１つまたは複数の磁石は、前記カバーを取り囲む磁気カラーを備える請求項１に記載のカバー。
17. 前記磁気カラーは、前記シャフトに沿って移動可能である請求項１６に記載のカバー。
18. 前記遮蔽材料は、前記カバー内にインサート成形されてよい請求項１に記載のカバー。
19. 前記組織穿通医療器具の前記シャフトは、磁化可能金属材料を備える請求項１に記載のカバー。