JP2019521970A - フェノールの精製方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、有機スルホン酸の存在の下、ヒドロキシアセトン、2-メチルベンゾフラン、3-メチルベンゾフラン及びフェノールを含むフェノールストリームをアシルクロリドと接触させ、ヒドロキシアセトン、2-メチルベンゾフラン及び3-メチルベンゾフランからなる群から選択される1種以上を前記フェノールより沸点の高い高沸点化合物に変換する段階、及び、前記フェノールストリームから前記高沸点化合物を回収する段階を含むフェノールの精製方法に関する。

Description

[関連出願の相互参照]
本発明は、2017年1月24日に出願された韓国特許出願第10-2017-0011269号に基づいた優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示されている全ての内容は本明細書の一部として含まれる。
本発明は、フェノールの精製方法に関し、具体的には有機スルホン酸及びアシルクロリドを利用してフェノールストリーム内のヒドロキシアセトン、2-メチルベンゾフラン及び3-メチルベンゾフランを除去するフェノールの精製方法に関する。
フェノールは、アルキルアリール化合物をアルキルアリールヒドロペルオキシドに酸化する工程、アルキルアリールヒドロペルオキシドを濃縮する工程、濃縮されたアルキルアリールヒドロペルオキシドを酸触媒にして、フェノールとケトンに開裂反応させる工程、酸開裂生成物を中和する工程、及び中和された酸開裂生成物を分別蒸留する工程で製造される。
具体的には、クメン酸化によって得られたクメンヒドロペルオキシドを酸分解することによって、フェノールを製造する方法が知られている。この方法における酸分解生成物は、フェノール及びアセトンを主成分にして、この他に α-メチルスチレン、アセトフェノン、4-クミルフェノール、2-フェニル-2-プロパノール、2-メチルベンゾフラン、3-メチルベンゾフラン、未反応クメンを含む各種副産物と、微量のヒドロキシアセトン(HA)及びα-フェニルプロピオンアルデヒド(α-PPA)を含む各種カルボニル化合物とが含まれている。
蒸留塔を利用した蒸留工程を介して、酸分解生成物内のアセトン、未反応クメン、α-メチルスチレン及びヒドロキシアセトンなどは塔頂に分離される。 フェノールと一部α-メチルスチレン、一部ヒドロキシアセトン、2-メチルベンゾフラン、3-メチルベンゾフラン及びその他不純物などは塔底に分離される。
塔底に分離されたヒドロキシアセトンの場合、最終生成物であるフェノールを汚染させるが、蒸留工程を介してフェノールから完全に除去することは相当難しいことである。また、ヒドロキシアセトンはフェノールと反応し、2-メチルベンゾフランを形成することができる。さらに、塔底にフェノールとともに分離された2-メチルベンゾフラン、3-メチルベンゾフランはフェノールと共沸混合物を形成するため、蒸留工程によってフェノールから分離することは事実上不可能である。
これによって、フェノールストリーム内のヒドロキシアセトン、2-メチルベンゾフラン及び3-メチルベンゾフランを効果的に除去するために、スルホン化されたスチレン−ジビニルベンゼンのイオン結合樹脂をフェノールストリームと接触させ、精製する方法が提案された。しかし、前記スルホン化されたスチレン−ジビニルベンゼンのイオン結合樹脂は、ヒドロキシアセトンの除去には効率的であるが、2-メチルベンゾフランと3-メチルベンゾフランの除去のために、後処理をしなければならないという短所がある。このため、一つの反応器でフェノールストリーム内のヒドロキシアセトンだけでなく、2-メチルベンゾフランと3-メチルベンゾフランを効率的に除去する方法に対する研究が要求されている。
本発明の目的は、分別蒸留工程で蒸留カラムの上部に分離されたフェノールストリーム内に含まれたヒドロキシアセトン、2-メチルベンゾフラン及び3-メチルベンゾフランを効率的に、且つ速やかに除去し高純度のフェノールを提供することができるフェノールの精製方法を提供することにある。
前記課題を解決するために、本発明は、有機スルホン酸の存在下でヒドロキシアセトン、2-メチルベンゾフラン、3-メチルベンゾフラン及びフェノールを含むフェノールストリームをアシルクロリドと接触させ、ヒドロキシアセトン、2-メチルベンゾフラン及び3-メチルベンゾフランからなる群から選択される1種以上を、前記フェノールより沸点の高い高沸点化合物に変換する段階、及び前記フェノールストリームから前記高沸点化合物を回収する段階を含むフェノールの精製方法を提供する。
本発明のフェノールの精製方法によると、フェノールストリーム内にヒドロキシアセトン、2-メチルベンゾフラン及び3-メチルベンゾフランからなる群から選択される1種以上が、フェノールより沸点の高い高沸点化合物に変換するため、分別蒸留を介して高純度のフェノールを容易に収得することができる。
また、本発明のフェノールの精製方法によると、アシルクロリドを用いることによって2-メチルベンゾフラン及び3-メチルベンゾフランの高沸点化合物への変換を早い速度で進めることができるので、除去効率において優れたところがある。
さらに、本発明のフェノールの精製方法によると、一つの反応器内でフェノールストリーム内のヒドロキシアセトン、2-メチルベンゾフラン及び3-メチルベンゾフランを、全てフェノールより高い沸点を有する高沸点化合物に変換することができるため、製造効率及び費用の面で非常に効果的である。
以下、本発明に対する理解を高めるために、本発明をより詳細に説明する。
本明細書及び特許請求の範囲に使われた用語や単語は、通常的又は辞書的な意味に限定して解釈されてはならず、発明者は自分の発明を最善の方法によって説明するために、用語の概念を適切に定義することができるという原則に即し、本発明の技術的思想に適合する意味と概念に解釈されなければならない。
本発明において高沸点化合物は、ヒドロキシアセトン由来の高沸点化合物、2-メチルベンゾフラン由来の高沸点化合物、及び3-メチルベンゾフラン由来の高沸点化合物を全て含む概念であってよい。前記ヒドロキシアセトン由来の高沸点化合物、前記2-メチルベンゾフラン由来の高沸点化合物、及び前記3-メチルベンゾフラン由来の高沸点化合物は、互いに異なる化合物であってよく、互いに異なる沸点を有する化合物であってよい。しかし、本発明において高沸点化合物は、フェノールより沸点が高いだけでなくフェノールと分別蒸留によって分離可能な沸点差を有する化合物であってよい。
本発明の一実施形態に係るフェノールの精製方法は、有機スルホン酸の存在の下、ヒドロキシアセトン、2-メチルベンゾフラン、3-メチルベンゾフラン及びフェノールを含むフェノールストリームをアシルクロリドと接触させ、ヒドロキシアセトン、2-メチルベンゾフラン及び3-メチルベンゾフランからなる群から選択される1種以上を、前記フェノールより沸点の高い高沸点化合物に変換する段階を含む。
前記フェノールストリームは、アルキルアリール化合物を酸化させアルキルアリールヒドロペルオキシド及び未反応のアルキルアリール化合物を含む反応混合物を形成し、前記反応混合物を開裂反応させて生成された開裂生成物を分別蒸留して収得されたフェノールストリームであってよい。
具体的には前記フェノールストリームは、クメンを酸化させてクメンヒドロペルオキシドを形成し、前記クメンヒドロペルオキシド及び未反応クメンを含む反応混合物を、酸触媒の存在下で開裂させて生成されたフェノール、アセトン、ヒドロキシアセトン、2-メチルベンゾフラン、3-メチルベンゾフラン及びその他不純物を含む開裂生成物の混合物を分別蒸留して収得されたフェノールストリームであってよい。
一方、前記クメンの酸化は一般的に空気や酸素濃縮空気などの含-酸素ガスによる自動酸化で行われてよい。また、前記酸化反応はアルカリのような添加剤を利用するか、又は添加剤無しで行われてよい。前記添加剤としては、水酸化ナトリウム(NaOH)、水酸化カリウム(KOH)のようなアルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物、炭酸ナトリウム(Na2CO3)、炭酸水素ナトリウム(NaHCO3)のようなアルカリ金属炭酸塩、アンモニア、炭酸アンモニウム塩などを用いることができる。また、前記酸化反応は約50ないし200℃の温度、大気圧ないし約5MPaの圧力条件で行われてよい。
前記クメンの酸化は、通常のフェノール工程に用いられる多数の酸化反応器、具体的には三つの酸化反応器を介して進めることができる。前記クメンの濃度が80%以上、具体的には99重量%以上のクメン含有ストリームを酸素含有ストリームの存在下で酸化させ、クメンヒドロペルオキシド含有ストリームを用いてよい。前記クメンの酸化を促進するために通常の開始剤を用いてよい。前記開始剤としては、クメンヒドロペルオキシド、t-ブチルヒドロペルオキシドなどの有機ヒドロペルオキシド、ペルオキシ系フリーラジカル開始剤又はアゾ系フリーラジカル開始剤などが用いられてよい。
前記クメンヒドロペルオキシド及び未反応クメンを含む反応混合物は、反応混合物の全体重量に対し、60重量%ないし95重量%のクメンヒドロペルオキシドを含むことができる。前記開裂反応時に用いられる酸触媒としては、無機酸、有機酸、酸性イオン交換樹脂及び固体酸などが用いられてよい。前記無機酸は硫酸(H2SO4)、二酸化硫黄(SO2)などを含み、前記有機酸はトルエンスルホン酸又はベンゼンスルホン酸などを含む。前記酸性イオン交換樹脂は、スルホン化スチレン-ジビニルベンゼン樹脂などを含み、前記固体酸はゼオライトまたはアルミナなどを含む。
前記開裂生成物の混合物は、フェノール、アセトン、ヒドロキシアセトン、2-メチルベンゾフラン、3-メチルベンゾフラン及び副産物を含むことができる。前記副産物は前述した酸化及び開裂工程から生成されたものであってよい。前記開裂生成物の混合物は、例えばクメン、α-メチルスチレン、メタノール、アセトアルデヒド、ホルムアルデヒド、クミルフェノール、ジクミルペルオキシド、α-メチルスチレンダイマー、メシチルオキシド及びフェノールタールからなる群から選択される1種以上であってよい。
一方、前記開裂生成物の混合物は酸触媒を利用した開裂反応を経るので、前記分別蒸留を効率的に行うためにはpHが非常に低い可能性がある。これによって、前記分別蒸留を行うために適するよう、すなわち蒸留カラムなどの精製装置に無理にならないよう、すなわち精製装置が腐食されないよう、塩基を利用して前記開裂生成物の混合物のpHが3ないし10、具体的には4ないし7になるように調節し、蒸留カラムに供給することができる。前記塩基は水酸化ナトリウム溶液、NaOH、アンモニア、水酸化アンモニウム、アミン又はジアミンであってよい。
前記開裂生成物の混合物は、アセトン分画及びフェノール分画によって分離するために1回以上の分別蒸留が行われてよい。
前記アセトン分画は、前記アセトンを主成分に含む分画を意味してよい。前記フェノール分画は、前記フェノールを主成分に含む分画を意味してよい。
一方、前記分別蒸留を行う際、蒸留カラムの上端の温度は蒸留カラムの下端の温度より低くてよい。具体的には、蒸留カラムの上端の温度は65℃ないし115℃、具体的には78℃ないし115℃であってよい。蒸留カラムの下部の温度は170℃ないし225℃、具体的には193℃ないし216℃であってよい。蒸留カラムの内部圧力、すなわち運転圧力は0kgf/cm2gないし1kgf/cm2gであってよい。前述した温度及び圧力条件を満せば、蒸留カラム内で前記開裂生成物の混合物の還流が効率的に起き、前記アセトン分画及びフェノール分画での分離が容易に行われ得る。
ここで、蒸留カラムの上端は蒸留カラム内のアセトン分画が位置した区域を上部で包括的に表現したものではなく、前記蒸留カラムの上部端を意味する。前記蒸留カラムの下端も前記蒸留カラム内のフェノール分画が位置した区域を下部で包括的に表現したものではなく、蒸留カラムの下部端を意味する。
前記アセトン分画とフェノール分画は、蒸留カラムの上端と下端を介して回収されてよい。ここで回収されたフェノール分画が、本発明のフェノールの精製方法に用いられるフェノールストリームであってよい。
前記有機スルホン酸は、前記フェノールストリーム内の前記ヒドロキシアセトンをフェノールより高い高沸点化合物に変換することが可能な触媒の役割を担うことができる。また前記有機スルホン酸は、2-メチルベンゾフランと3-メチルベンゾフラン及びアシルクロリドの反応、具体的にはアシル化(acylation)反応において触媒の役割を担うことができる。
前記有機スルホン酸は、前記触媒の役割を容易に行うために前記フェノールストリームと混合されてよい。均一な混合のために前記フェノールストリーム内に投入後撹拌を行うことができる。
前記有機スルホン酸のモル数とヒドロキシアセトン、2-メチルベンゾフラン及び3-メチルベンゾフランの総モル数の比は、1:0.05ないし1:0.2、具体的には1:0.07ないし1:0.1、より具体的には1:0.08ないし 1:0.09であってよい。前述したモル比を満たせば、ヒドロキシアセトンはフェノールより高い沸点を有する高沸点化合物に容易に変換することができ、2-メチルベンゾフラン及び3-メチルベンゾフランと前記アシルクロリドとの反応で触媒の役割を担うことができる。
一方、ヒドロキシアセトンはフェノールと反応し、2-メチルベンゾフラン及び3-メチルベンゾフランを生成することができる。これによりフェノールの回収量が減少され、除去されなければならない2-メチルベンゾフラン及び 3-メチルベンゾフランは増加し得る。ヒドロキシアセトンは、2-メチルベンゾフラン及び3-メチルベンゾフランがフェノールから分別蒸留によって除去可能な高沸点化合物に変換されるために用いられる温度及び酸性条件でフェノールと反応し、より多い2-メチルベンゾフランと3-メチルベンゾフランを生成することができるが、生成された2-メチルベンゾフランと3-メチルベンゾフランは、アシルクロリドとの反応によって時間の経過に伴い含量が減少することがある。
前記有機スルホン酸には、アシルクロリドと2-メチルベンゾフラン及び3-メチルベンゾフランの反応に触媒としても用いられてよく、一つの反応器でヒドロキシアセトン、2-メチルベンゾフラン及び3-メチルベンゾフランの高沸点化合物への変換が行われる際、フェノールストリーム内で均一に混合されながら触媒の役割ができる低分子有機スルホン酸がより適切な場合がある。
これによって前記有機スルホン酸は、メタンスルホン酸(methane sulfonic acid)、3-ヒドロキシプロパン-1-スルホン酸(3-hydroxypropane-1-sulfonic acid)、ベンゼンスルホン酸(benzene sulfonic acid)、p-トルエンスルホン酸(p-tolunene sulfonic acid)及びカンファースルホン酸(camphor sulfonic acid)からなる群から選択される1種以上であってよく、より具体的にはメタンスルホン酸であってよい。
一方、フェノールの精製方法を行ううちには、有機スルホン酸の存在下でヒドロキシアセトンの一部がフェノールと反応して2-メチルベンゾフラン及び/又は3-メチルベンゾフランに変換することができるので、メチルベンゾフランの量が増加し得る。しかし、ヒドロキシアセトンから由来されたメチルベンゾフランと、フェノールストリーム内に存在していたメチルベンゾフランとは、フェノールと反応して高沸点化合物に変換されて除去されることはあるが、フェノールと反応するようになると、フェノールの純度を下げる問題もあって、反応する速度も早くないためメチルベンゾフランの除去効率も不良であるという問題があり得る。
このため、アシルクロリドを添加し、フェノールだけでなくアシルクロリドもメチルベンゾフランとの反応に追加的に参加させることができ、アシルクロリドはフェノールに比べてメチルベンゾフランと反応する速度がより早いため、メチルベンゾフランと反応するフェノールの量を低減しフェノールの純度を維持することができ、アシルクロリドを介してメチルベンゾフランを高沸点化合物に変換する反応を追加的に行うようになるので、メチルベンゾフランの除去速度が向上され得る。
したがって、フェノールの精製の際にアシルクロリドを用いない場合と比べると、メチルベンゾフランの除去速度が著しく増加し得る。これによって、精製が完了した後にはフェノールストリーム内のヒドロキシアセトン、2-メチルベンゾフラン及び3-メチルベンゾフランの量が著しく減少し得る。
前記アシルクロリドは、下記反応式1ないし反応式4に示すように、前記有機スルホン酸の存在下で2-メチルベンゾフラン及び3-メチルベンゾフランと接触し、2-メチルベンゾフラン及び3-メチルベンゾフランをフェノールより沸点の高い高沸点化合物に変換することができる。
Figure 2019521970
Figure 2019521970
Figure 2019521970
Figure 2019521970
前記アシルクロリドは、アセチルクロリド(acetyl chloride)、プロピオニルクロリド(propionyl chloride)、ベンゾイルクロリド(benzoyl chloride)、マロニルクロリド(Malonyl chloride)、スクシニルクロリド(succinyl chloride)、グルタリルクロリド(glutaryl chloride)、アジポイルクロリド(adipoyl chloride)、ピメロイルクロリド(pimeloyl chloride)、スベロイルクロリド(suberoyl chloride)、アゼラオイルジクロリド(Azelaic acid dichloride)、セバコイルクロリド(Sebacoyl chloride)、ドデカンジオイルジクロリド(dodecanedioyl dichloride)からなる群から選択される1種以上であってよい。前記2-メチルベンゾフラン及び3-メチルベンゾフランを反応させる際には、
Figure 2019521970
を2種以上含むアシルクロリドを利用すると、前記2-メチルベンゾフラン及び3-メチルベンゾフランをフェノールの沸点より遥かに高い高沸点化合物に変換することができる。
また、前記アシルクロリドのモル数と、前記ヒドロキシアセトン、2-メチルベンゾフラン及び3-メチルベンゾフランの合計モル数との比は0.5:1ないし14:1であってよく、具体的には0.7:1ないし7:1、より具体的には1:1ないし6:1であってよい。前述した範囲を満たせば、アシル化反応が容易に開始され、反応速度が適切に維持されてアシル化反応に参加できないアシルクロリドを最小化することができる。
前記接触は、50℃ないし90℃、具体的には60℃ないし80℃、より具体的には70℃ないし80℃で行うことができる。前述した条件を満たせば、 アシル化反応が容易に行われ、エネルギー効率も改善され得る。
本発明の一実施形態に係るフェノールの精製方法は、前記フェノールストリームから前記高沸点化合物を回収する段階を含む。
前記高沸点化合物を回収することは分別蒸留を利用することができる。前記高沸点化合物が前記フェノールストリームから回収されるため、高純度のフェノールを収得することができる。
以下、本発明の属する技術分野において通常の知識を有する者が容易に実施できるよう、本発明の実施例に対して詳しく説明する。しかし、本発明は幾つか異なる形態に具現されてよく、ここで説明する実施例に限定されない。
(実施例1ないし実施例3、比較例1及び比較例2:フェノールの精製方法)
下記表1に記載された量に応じて、反応器にヒドロキシアセトン、2-メチルベンゾフラン及び3-メチルベンゾフランなどの不純物が含まれたフェノールストリーム140gを投入し50℃で加熱した。ここに、表1に記載された量に応じてメタンスルホン酸を投入し15分間撹拌した。その後、下記表1に記載された量に応じてアシルクロリドを投入し外部温度を70℃にした後、6時間反応させてフェノールを精製させた。
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実験例1: フェノールストリーム内成分の分析
反応時間に応じた実施例及び比較例のフェノールストリーム内のヒドロキシアセトン、2-メチルベンゾフラン及び3-メチルベンゾフランの量をガスクロマトグラフィーを利用し分析した。その結果を下記表2ないし表6に示した。
Figure 2019521970
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Figure 2019521970
Figure 2019521970
Figure 2019521970
※ 3-MBFの平均除去速度:(3-MBFの最高濃度−3-MBFの最後濃度)/(精製完了時の所要時間−最高濃度時の所要時間)
※ HAの平均除去速度:(HAの精製前濃度−HAの精製完了後濃度)/(所要時間)
※ 2-MBFの平均除去速度:(2-MBFの精製前濃度−2-MBFの精製完了後濃度)/(所要時間)
表2ないし表6を参照すると、実施例1及び実施例2の場合、ヒドロキシアセトン及び2-メチルベンゾフランの量が反応時間の経過に伴い著しく減少した。そして、3-メチルベンゾフランの場合、ヒドロキシアセトンとフェノールの反応によって更に生成された3-メチルベンゾフランにより、精製の前に含まれていた量より著しく増加したが、時間の経過に伴い3-メチルベンゾフランの量が減少することを確認することができた。
アシルクロリドを過量投入した実施例3の場合、実施例1及び実施例2に比べてヒドロキシアセトン、2-メチルベンゾフラン及び3-メチルベンゾフランの除去率が低下したが、比較例1に比べてヒドロキシアセトン、2-メチルベンゾフラン及び3-メチルベンゾフランの総量の除去率は優れていることを確認することができた。
アシルクロリドを少量投入した比較例2の場合、比較例1よりヒドロキシアセトン、2-メチルベンゾフラン及び3-メチルベンゾフランの総量の除去率が却って落ちることを確認することができた。

Claims (8)

  1. 有機スルホン酸の存在の下、ヒドロキシアセトン、2-メチルベンゾフラン、3-メチルベンゾフラン及びフェノールを含むフェノールストリームをアシルクロリドと接触させ、ヒドロキシアセトン、2-メチルベンゾフラン及び3-メチルベンゾフランからなる群から選択される1種以上を前記フェノールより沸点の高い高沸点化合物に変換する段階、及び
    前記フェノールストリームから前記高沸点化合物を回収する段階を含むフェノールの精製方法。
  2. 前記有機スルホン酸は、前記フェノールストリームと混合された状態で存在する請求項1に記載のフェノールの精製方法。
  3. 前記有機スルホン酸のモル数と、ヒドロキシアセトン、2-メチルベンゾフラン及び3-メチルベンゾフランの総モル数の比は、1:0.05ないし1:0.2である請求項1に記載のフェノールの精製方法。
  4. 前記有機スルホン酸は、メタンスルホン酸(methane sulfonic acid)、3-ヒドロキシプロパン-1-スルホン酸(3-hydroxypropane-1-sulfonic acid)、ベンゼンスルホン酸(benzene sulfonic acid)、p-トルエンスルホン酸(p-tolunene sulfonic acid)及びカンファースルホン酸(camphor sulfonic acid)からなる群から選択される1種以上であることを特徴とする、請求項1に記載のフェノールの精製方法。
  5. 前記接触は、50ないし90℃で行われる請求項1に記載のフェノールの精製方法。
  6. 前記アシルクロリドのモル数と、前記ヒドロキシアセトン、2-メチルベンゾフラン及び3-メチルベンゾフランの合計モル数の比は、0.5:1ないし14:1である請求項1に記載のフェノールの精製方法。
  7. 前記アシルクロリドは、アセチルクロリド(acetyl chloride)、プロピオニルクロリド(propionyl chloride)、ベンゾイルクロリド(benzoyl chloride)、マロニルクロリド(Malonyl chloride)、スクシニルクロリド(succinyl chloride)、グルタリルクロリド(glutaryl chloride)、アジポイルクロリド(adipoyl chloride)、ピメロイルクロリド(pimeloyl chloride)、スベロイルクロリド(suberoyl chloride)、アゼラオイルジクロリド(Azelaic acid dichloride)、セバコイルクロリド(Sebacoyl chloride)、ドデカンジオイルジクロリド(dodecanedioyl dichloride)からなる群から選択される1種以上であることを特徴とする、請求項1に記載のフェノールの精製方法。
  8. 前記高沸点化合物の回収は分別蒸留を利用して行う請求項1に記載のフェノールの精製方法。
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