JP2019510044A - ウイルス感染症の治療用チアゾリド化合物 - Google Patents

ウイルス感染症の治療用チアゾリド化合物 Download PDF

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Abstract

ニタゾキサニド及び/又はチゾキサニドなどのチアゾリド化合物は、ピコナウイルス科又はパラミクソウイルス科に属するウイルスに対して使用することができる。
【選択図】図1

Description

優先権
本願は、2016年3月31日に出願された、その内容を参照により本明細書に援用される、米国特許仮出願第62/316,463号の優先権を主張する。
本願は、概して、チアゾリド化合物に関し、さらに詳細には、あるウイルス感染症の治療でのそれらの使用に関する。
パラミクソウイルス科に属するウイルスに起因又は関連する疾患又は状態を治療する方法は、それを必要とする対象に、ニタゾキサニド若しくはチゾキサニドの少なくとも一方又はその医薬的に許容される塩を含む医薬組成物の有効量を投与することを含み、有効量とは、対象においてウイルスのF糖タンパク質の成熟を阻止する量である。
ピコナウイルス科に属するウイルスに起因又は関連する疾患又は状態を治療する方法は、それを必要とする対象に、ニタゾキサニド若しくはチゾキサニドの少なくとも一方又はその医薬的に許容される塩を含む医薬組成物の治療有効量を投与することを含む。
図1は、ニタゾキサニド及びプラセボで処置された呼吸器合胞体ウイルス(RSV)に感染した患者のカプラン・マイヤー生存率分析チャートである。TTSALLは、症状軽減に要する時間(時)を表す。このプロットは、ニタゾキサニドでの治療が中央値で症状の期間中76時間の軽減を伴ったことを示す。 図2は、病気の唯一の原因として特定されたエンテロウイルス属(エンテロウイルス及びライノウイルスを含む)に属するウイルスに感染し、a)ニタゾキサニド;b)ニタゾキサニドとオセルタミビル;c)オセルタミビル及びd)プラセボで処置された患者についてのカプラン・マイヤー生存率チャートである。 図3は、病気の唯一の原因として特定されたエンテロウイルス属(エンテロウイルス及びライノウイルスを含む)に属するウイルスに感染し、a)ニタゾキサニド自体又はニタゾキサニドとオセルタミビルとの組み合わせ、及びb)オセルタミビル自体又はプラセボで処置した患者のカプラン・マイヤー生存率チャートである。 図4は、センダイウイルスに感染したAGMK細胞におけるニタゾキサニドの抗ウイルス活性を示す。特に、図4Aは、ニタゾキサニド濃度の関数としてのセンダイウイルスの阻害を示すプロットである。図4Bは、対照、未処置のセンダイウイルス及びニタゾキサニドで処置したセンダイウイルスの写真である。 図5は、異なる感染多重度及び異なる種類型についてニタゾキサニド濃度の関数としてのセンダイウイルス(SeV)の阻害プロットである。図5中のデータは、SeVに感染した細胞におけるニタゾキサニドの抗ウイルス活性が、感染多重度及び細胞型とは無関係であることを示す。 図6は、SeVタンパク質合成に対するニタゾキサニドの効果を示すSDS−PAGEデータである。 図7は、SeV−Fタンパク質合成に対するニタゾキサニドの効果を表すSDS−PAGE及びウェスタンブロットデータである。 図8は、ニタゾキサニド(NTZ)で処理したAGMKタンパク質抽出物の不溶性画分中のSeV−Fタンパク質の未成熟形態の検出を示すウェスタンブロットデータである。 図9は、ニタゾキサニド(NTZ)で処理したAGMKタンパク質抽出物の不溶性画分中のSeV−Fタンパク質の未成熟形態の検出を示すウェスタンブロットデータである。 図10は、ニタゾキサニドがヘンドラウイルス(HeV)F糖タンパク質の細胞表面への輸送を阻害する証拠を提供する写真である。 図11A〜Cは、AGMK細胞におけるニタゾキサニドによるSeVパラインフルエンザウイルスの阻害を示す。NTZは、一段階ウイルス成長条件下(A)および多段階ウイルス成長条件下(B)でSeV複製を阻害する。SeVに感染したサル腎臓AGMK細胞を異なる濃度のNTZ又はビヒクルでウイルス吸着期間直後に処理した。ウイルス収率(○)はヘマグルチニン滴定(右のパネル)及びプラークアッセイ(左のパネル)により感染後(p.i.)24時間で決定した。HA単位(HAU)/ml又はPFU/mlで表されたウイルス収率は、4連のサンプルの平均±SDを表す。=p<0.05;**=p<0.01。偽感染細胞の細胞生存率(△)をMTTアッセイによって決定した。(C)AGMK細胞におけるニタゾキサニドによるSeVパラインフルエンザウイルスの阻害を示す。感染後24時間でのSeVに感染したAGMK細胞におけるNTZ(10μg/ml)の細胞保護効果。 NTZは、宿主細胞にとって無毒であった濃度でのSeV複製の阻害において有効であった。NTZは、感染細胞において実際に細胞保護的であった。実際、SeV感染(3PFU/細胞)は概して、細胞形状及びサイズの変化、並びに接着の喪失を引き起こす強力な細胞変性効果によって特徴づけられる(Panel C、SeV)。NTZ治療(10μg/ml)はさらに、ウイルス子孫産生を阻害することに加えて、AGMK細胞をウイルス誘発性損傷から保護することも見いだされた(Panel C、SeV+NTZ)。図11Cにおける情報は、図4A〜Bにおける情報と類似している。 図12は、ヒト肺胞A549細胞におけるニタゾキサニドによるSeVパラインフルエンザウイルスの阻害を示すデータを提示する。一段階(3PFU/細胞)及び多段階(0.01PFU/細胞)ウイルス成長条件下でSeVに感染したヒト肺胞II型様A549細胞を異なる濃度のNTZ又はビヒクルでウイルス吸着期間の直後に処理した。ウイルス収率(〇)は、感染後24時間(一段階)又は48時間(多段階)でHA滴定によって測定した。未処置対照のパーセントとして表されたウイルス収率は4連のサンプルの平均±SDを表す。=p<0.05;**=p<0.01。 NTZ抗ウイルス活性は、細胞型とは無関係であった。NTZは実際に、SeVに感染したヒト肺胞II型様A549細胞においても有効であった。図12中のデータは、図5中のデータと類似している。 図13A〜Bは、SeVタンパク質合成に対するニタゾキサニドの効果を示す。(A)ウイルス吸着後に10μg/mlのNTZ、2.5μg/mlのツニカマイシン(TM)又はビヒクル(C)で処置された偽感染(Mock)又はSeVに感染した(SeV)AGMK細胞由来の[35S]Met/Cysで標識されたタンパク質(長パルス、感染後6時間で開始して18時間)のオートラジオグラフィ。ウイルスタンパク質を表示する。(B)図13Aで処理した偽感染又はSeVに感染した細胞由来の感染後24時間での[35S]Met/Cysで標識されたタンパク質(短パルス、1時間)のオートラジオグラフィ。等しい量の放射活性(右のパネル、cpm)又は等しい量のタンパク質(左のパネル、ml)を含むサンプルをSDS−PAGE及びオートラジオグラフィのために処理した。 主なSeVタンパク質は、長い(18時間))[35S]Met/Cys標識パルスの後に感染後24時間で未処置細胞において大量に合成されることが判明した;およそ65〜70kDaの分子量バンドの消失を除いて、SeVタンパク質合成の大きな変化は、NTZで処置された細胞では検出されず、その後、融合タンパク質前駆体Fの成熟アイソフォームとして特定された(図14を参照)。図13A〜Bのデータは図7のデータと類似している。 図14A〜Bは、SeV融合タンパク質に対するニタゾキサニドの影響を示す。(A)SeV−Fタンパク質のレベルを、10μg/mlのNTZ、2.5μg/mlのツニカマイシン(TM)又はビヒクル(C)で処理されたSeVに感染したAGMK細胞において感染後の様々な時点でモノクローナルSeV−F抗体を使用したウェスタンブロット分析によって検出した。(B)は、SeV融合タンパク質に対するニタゾキサニドの影響を示す。ウイルス吸着後に10μg/mlのNTZ又はビヒクル(C)で処理された偽感染(Mock)又はSeVに感染したAGMK細胞由来の[35S]−Met/Cysで標識したタンパク質(感染後様々な時間での1時間パルス)のオートラジオグラフィ。ウイルスNP及びFタンパク質を表示する。偽感染(Mock)対照を示す。同じサンプル中のα−チューブリンのレベルをローディング対照として示す。結果は、NTZで処理された細胞中にSeV融合タンパク質が存在しないことを裏付ける。同様の結果がTMで処理された細胞で見られた。図14A〜Bは、のデータは、図8のデータと類似している。 図15A〜Bは、ニタゾキサニドがSeV−Fタンパク質不溶化を引き起こすことを示す。 プロテアソーム阻害剤ボルテゾミブ(Btz、25nM)、又はオートファジー阻害剤クロロキン(CQ、20又は40μM)の存在下(+)或いは不在下(−)で10μg/mlのNTZ、2.5μg/mlのツニカマイシン(TM)又はビヒクル(C)で処理した偽感染又はSeVに感染したAGMK細胞においてSeV−F及びβ−アクチンについてのウェスタンブロット分析。(A)緩衝液Bで抽出された細胞可溶化物の可溶性フラクション(可溶性)又はLaemmliサンプル緩衝液で抽出された平行サンプルからの全細胞可溶化物(全)を表示する。(B)表示されたように処理したAGMK細胞から緩衝液−Bで抽出された全細胞抽出物の可溶性及び不溶性画分のSeV−F及びβ−アクチンの免疫ブロット。不溶性画分を材料及び方法で記載されているように処理した。Fpは、NTZで処理した細胞においてより迅速に遊走するF形態を意味する。 NTZで処理された細胞におけるFタンパク質レベルの低下は、プロテアソーム阻害剤ボルテゾミブ又はオートファジー阻害剤クロロキンによって防止されず、プロテアソーム又はオートファジーが介在する分解とは無関係の効果を意味し;その代わりに、F−タンパク質はNTZで処理された細胞において不溶性状態で見いだされ、タンパク質プロセシング/成熟における変化は、不溶性状態で存在するF−タンパク質凝集物の形成に至る可能性があったことを意味する。図15A〜Bのデータは図9のデータと類似している。 図16は、ニタゾキサニドで処理された細胞における大きなSeV−Fタンパク質凝集物の存在の証拠を提供する。 抗カルネキシン(CNX、緑)及び抗SeV−F(赤)抗体で標識した、NTZ(10μg/ml)又はビヒクルで24時間処理した偽感染(Mock)及びSeVに感染したAGMK細胞の免疫共焦点顕微鏡法(Immunoconfocal−microscopy)。核をDAPI(青)で染色する。Olympus Fluoview FV-1000共焦点レーザー走査システムで画像を取得した。3つの蛍光色素(MERGE)及び拡大画像のオーバーレイを示す(バー、7μm)。 免疫共焦点顕微鏡研究は、NTZで処理された細胞のERにおける大きなF−タンパク質凝集物の存在を裏付ける。 図17は、ニタゾキサニドが細胞表面へのSeV−F糖タンパク質輸送を抑制することを示す。 SeV−F細胞膜糖タンパク質(赤)のレベルを、10μg/mlのNTZ又はビヒクル(SeV)で処理したSeVに感染したAGMK細胞において共焦点免疫蛍光顕微鏡によって感染後24時間で検出した。偽感染(Mock)細胞を対照として示す。核をHoechst(青)で染色する。画像をOlympus Fluoview FV-1000共焦点レーザー走査システムで取得した。2つの蛍光色素のオーバーレイを示す(バー=10μm)。 F−タンパク質の存在は、NTZで処理された細胞の宿主細胞表面上で検出できず、Fタンパク質プロセシング/成熟における変更が細胞膜へのその輸送を防止することを裏付ける。 図18A〜Bは、ニタゾキサニドがヘンドラウイルス(HeV)及び呼吸器合胞体ウイルス(RSV)Fタンパク質不溶化を引き起こすことを示す。 A.材料及び方法で記載されているようなHeV−Fタンパク質を発現するHeV−F ORF C−Flagタグ構築物で偽トランスフェクト又はトランスフェクトし、5μg/mlのNTZ(C+)、2.5μg/mlのツニカマイシン(TM)又はビヒクル(C−)で処理した、HeLa細胞のHeV−F及びα−チューブリンのウェスタンブロット分析。B.材料及び方法で記載されているようにして、RSV−Fタンパク質を発現するRSV−F ORF C−Flagタグ構築物で偽トランスフェクト又はトランスフェクトされ、5μg/mlのNTZ(C+)、2.5μg/mlのツニカマイシン(TM)又はビヒクル(C−)で処理されたHeLa細胞のRSV−F及びα−チューブリンのウェスタンブロット分析。A,B.材料及び方法で記載されているような、緩衝液−Bで抽出された細胞可溶化物の可溶性フラクション(可溶性)又はLaemmliサンプル緩衝液(全)で抽出された平行サンプル由来の全細胞可溶化物を表示する。HeV−F及びRSV−Fタンパク質は、抗FLAG抗体を使用して検出した。Fpは、TMで処理された細胞においてより急速に遊走するF形態を意味する。 HeV及びRSV F−タンパク質は、主に、NTZで処理された細胞において不溶性状態で検出され、SeV Fタンパク質と同様に、タンパク質プロセシング/成熟における変更が不溶性状態で存在するF−タンパク質凝集物の形成をもたらし得ることを意味する。 図19A〜Bは、ニタゾキサニドが細胞表面へのHeV−F及びRSV−F糖タンパク質輸送を抑制することを示す。 A.HeV−F細胞膜糖タンパク質のレベル(赤)は、材料及び方法で記載されているように、HeV−Fタンパク質を発現するHeV−F ORF C−Flagタグ構築物で偽トランスフェクト又はトランスフェクトされ、5μg/mlのNTZ又はビヒクルで処理された、非透過処理HeLa細胞において共焦点免疫蛍光顕微鏡によって感染後24時間で検出された。B.RSV−F細胞膜糖タンパク質のレベル(赤)は、材料及び方法で記載されているように、RSV−Fタンパク質を発現するRSV−F ORF C−Flagタグ構築物で偽トランスフェクト又はトランスフェクトされ、5μg/mlのNTZ又はビヒクルで処理された、非透過処理HeLa細胞において共焦点免疫蛍光顕微鏡によって感染後24時間で検出された。A,B.Fタンパク質は、抗FLAG抗体(赤)を用いて検出された。核をHoechst(青)で染色する。偽トランスフェクトされた(Mock)細胞を対照として示す。画像をOlympus Fluoview FV-1000共焦点レーザー走査システムで取得した。2つの蛍光画像のオーバーレイを示す。 F−タンパク質の存在は、NTZで処理された細胞の宿主細胞表面上でより低いレベルで検出され、SeV Fタンパク質と同様に、HeV及びRSV Fタンパク質プロセシング/成熟における変更が細胞膜へのその輸送を防止することを意味する。 RSV感染の場合、ニタゾキサニドは、非細胞傷害性用量でHeLa細胞においてRSV−A2に対する抗ウイルス活性を保有し、IC50は0.3μg/mlであり、IC90は0.8μg/mlであることが見いだされた(RSV感染の詳細については、材料及び方法を参照)。図19A〜Bのデータは図10のデータと類似している。
関連文献
すべて参照により本明細書に援用される以下の文献は、本開示の理解に有用であり得る:米国特許第9,351,937号明細書、同第9,126,992号明細書、同第9,107,913号明細書、同第9,023,877号明細書、同第8,895,752号明細書、同第8,846,727号明細書、同第8,772,502号明細書、同第8,633,230号明細書、同第8,524,278;8,124,632号明細書、同第7,645,783号明細書、同第7,550,493号明細書、同第7,285,567号明細書、同第6,117,894号明細書、同第6,020,353号明細書、同第5,968,961号明細書、同第5,965,590号明細書、同第5,935,591号明細書、同第5,886,013号明細書、同第5,859,038号明細書、同第5,856,348号明細書、同第5,387,598号明細書、米国特許出願公開第2015/025768号明細書、同第2014/0065215号明細書、同第2012/0294831号明細書、同第2016−0243087号明細書、国際公開第2016077420号パンフレット;J. Biol. Chem., 2009 Oct 23; 284(43): 29798-29808; Antiviral Research, 110(2014): 94-103; Biochim Biophys Acta., 2003 Jul 11;1614(1):73-84.
用語の定義
特別の定めのない限り、「a」又は「an」は「1以上」を意味する。
本明細書中で用いられる場合、「ウイルス感染症」という語は、ウイルスが正常細胞に侵入し、細胞の増殖機序を使用して増加又は複製し、最終的に細胞を溶解し、結果として細胞死、ウイルス粒子の放出及び新たに産生された子孫ウイルスによる他の細胞の感染をもたらす病的状態を表す。ある特定のウイルスによる潜伏感染もウイルス感染症の可能な結果である。急性ウイルス感染は、通常、疾患の急激な発生、症状の比較的短い期間、及び数日〜数週間の間の消散によって特徴づけられる。それは通常、感染性ビリオンの早期産生及び宿主免疫系による感染の排除を伴う。急性ウイルス感染症は、毎年数百万人を対象とする疾患の伝染病の原因となる。ワクチンが利用可能でないか又は使用されない場合、急性感染は制御するのが困難であり得る。なぜなら、感染した固体は通常、病気になる前に感染性であるからである。このために、大規模な集団及び、大学、養護施設、軍用基地又は船舶などの人口密集地域で急性感染を制御することは非常に困難となる。子ども、高齢者及び免疫が低下した個体はこれらの通常自己限定性の感染由来の合併症によりかかりやすい。
「ウイルスに起因又は関連する疾患又は状態ウイルス」という用語は、ウイルスに起因するウイルス感染症及び/又はウイルス感染症に関連し得る1以上のその症状を指す。
本明細書中で用いられる場合、「ウイルスに起因又は関連する疾患又は状態を治療及び/又は予防する」という語は、ウイルスの複製を阻害すること、ウイルス感染を阻害すること、ウイルスがその宿主において確立するのを防止すること、ウイルスに起因する疾患の症状又は進行を改善又は軽減することのうちの少なくとも1つを含み得る。治療は、ウイルス負荷の軽減、疾患に関連する死亡率及び/又は罹患率の低下、疾患の進行の減少又は疾患期間の短縮のうちの少なくとも1つがある場合は治療的とみなされる。ある実施形態では、「ウイルスに起因又は関連する疾患又は状態を治療及び/又は予防する」ことは、インフルエンザウイルスに起因又は関連する疾患又は状態に冒され、チアゾリド化合物などの活性剤で治療された対象において、疾患又は状態に冒されているが活性剤で治療されていない対象と比較して生存率の増加を含み得る。ある実施形態では、「ウイルスに起因又は関連する疾患又は状態を治療及び/又は予防する」とは活性剤の投与による、ウイルスに起因又は関連する疾患又は状態に冒されている対象におけるウイルス負荷の減少を含み得る。さらにいくつかの実施形態において、「ウイルスに起因又は関連する疾患又は状態を治療及び/又は予防する」とは、ウイルスに起因する疾患の症状又は進行を改善又は軽減することを含み得る。
開示
本発明者らは、ピコナウイルス科及びパラミクソウイルス科に属するウイルスに対して有効であり得る、ある特定のチアゾリド化合物を見出した。
特に、そのような化合物は、ピコナウイルス科及びパラミクソウイルス科に属するウイルスに起因又は関連する疾患又は状態の治療又は予防に有用であり得る。
ピコナウイルス科
ピコナウイルス科は、(+)ssRNAウイルス科である。ヒトをはじめとする脊椎動物は、ピコルナウイルスの自然の宿主としての役割を果たし得る。この科には現在50種があり、29属に分類される。ピコナウイルス科の属としては:ウシA型鼻炎ウイルス、ウシB型鼻炎ウイルス、ウマA型鼻炎ウイルス、口蹄疫ウイルスを含むアフトウイルス属;アクアマウイルスAを含むアクアマウイルス属;アヒルA型肝炎ウイルスを含むアビヘパトウイルス(Avihepatovirus)属;脳心筋炎ウイルス、チロウイルス(thilovirus)、コサウイルス(Cosavirus)を含むカルジオウイルス属;カジシウイルス(cadicivirus)Aを含むジシピウイルス(Dicipivirus)属;エンテロウイルスA〜J及びライノウイルスA〜Cを含むエンテロウイルス属;ウマB型鼻炎ウイルスを含むエルボウイルス属;A型肝炎ウイルスを含むヘパトウイルス属;アイチウイルス(Aichivirus)A、アイチウイルスB及びアイチウイルスCを含むコブウイルス(Kobuvirus)属;メレグリウイルス(Melegrivirus)A、ヒトパレコウイルスを含むメグリウイルス(Megrivirus)属;ユンガンウイルス(Ljungan);ファットヘッドミノウピコルナウイルスを含むピセウイルス(Piscevirus)属;サリウイルス(Salivirus)Aを含むサリウイルス属;ブタサペロウイルス、サルサペロウイルス及びトリサペロウイルスを含むサペロウイルス属;セネカバレーウイルスを含むセネカウイルス属;ブタテッショウウイルスを含むテッショウウイルス属;トリ脳脊髄炎ウイルスを含むトレモウイルス(Tremovirus)属が挙げられる。ピコナウイルス科に関連する疾患としては:エンテロウイルスに起因する麻痺(非ポリオ及びポリオ型)、夏風邪、髄膜炎、下痢;アフトウイルスに起因する口蹄疫(ウシ);カルジオウイルスに起因する心筋炎;ライノウイルスに起因する感冒;及びヘパトウイルスに起因する肝炎が挙げられる。ピコナウイルス科に関連する疾患としては:エンテロウイルスに起因する麻痺(非ポリオ及びポリオ型)、夏風邪、髄膜炎、下痢;アフトウイルスに起因する口蹄疫(ウシ);カルジオウイルスに起因する心筋炎;ライノウイルスに起因する感冒;及びヘパトウイルスに起因する肝炎が挙げられる。
エンテロウイルス属
エンテロウイルス属には以下の12種が含まれる:エンテロウイルスA、エンテロウイルスB、エンテロウイルスC、エンテロウイルスD、エンテロウイルスE、エンテロウイルスF、エンテロウイルスG、エンテロウイルスH、エンテロウイルスJ、ライノウイルスA、ライノウイルスB、ライノウイルスC。これらの12種には以下の血清型がある:1)コクサッキーウイルス:a)エンテロウイルスA種で見出される血清型CV−A2、CV−A3、CV−A4、CV−A5、CV−A6、CV−A7、CV−A8、CV−A10、CV−A12、CV−A14及びCV−A16;b)エンテロウイルスB種で見出される血清型CV−B1、CV−B2、CV−B3、CV−B4、CV−B5、CV−B6及びCV−A9;c)エンテロウイルスC種で見出される血清型CV−A1、CV−A11、CV−A13、CV−A17、CV−A19、CV−A20、CV−A21、CV−A22及びCV−A24;2)エンテロウイルスB種で見出されるエコーウイルス血清型E−1、E−2、E−3、E−4、E−5、E−6、E−7、E−9、E−11、E−12、E−13、E−14、E−15、E−16、E−17、E−18、E−19、E−20、E−21、E−24、E−25、E−26、E−27、E−29、E−30、E−31、E−32、及びE−33;3)エンテロウイルスa)エンテロウイルスA種で見出されるタイプEV−A71、EV−A76、EV−A89、EV−A90、EV−A91、EV−A92、EV−A114、EV−A119、SV19、SV43、SV46及びBA13;b)エンテロウイルスB種で見出されるタイプEV−B69、EV−B73、EV−B74、EV−B75、EV−B77、EV−B78、EV−B79、EV−B80、EV−B81、EV−B82、EV−B83、EV−B84、EV−B85、EV−B86、EV−B87、EV−B88、EV−B93、EV−B97、EV−B98、EV−B100、EV−B101、EV−B106、EV−B107、EV−B110及びSA5;c)エンテロウイルスC種で見出されるタイプEV−C95、EV−C96、EV−C99、EV−C102、EV−C104、EV−C105、EV−C109、EV−C116、EV−C117及びEV−C118;d)エンテロウイルスD種で見出されるタイプEV−D68、EV−D70、EV−D94、EV−D111及びEV−D120;e)エンテロウイルスH種で見出されるタイプ:EV−H1;f)エンテロウイルスJ種で見出される:SV6、EV−J103、EV−J108、EV−J112、EV−J115及びEV−J121;4)ヒトライノウイルスa)ライノウイルスA種で見出されるタイプHRV−A1、HRV−A2、HRV−A7、HRV−A8、HRV−A9、HRV−A10、HRV−A11、HRV−A12、HRV−A13、HRV−A15、HRV−A16、HRV−A18、HRV−A19、HRV−A20、HRV−A21、HRV−A22、HRV−A23、HRV−A24、HRV−A25、HRV−A28、HRV−A29、HRV−A30、HRV−A31、HRV−A32、HRV−A33、HRV−A34、HRV−A36、HRV−A38、HRV−A39、HRV−A40、HRV−A41、HRV−A43、HRV−A44、HRV−A45、HRV−A46、HRV−A47、HRV−A49、HRV−A50、HRV−A51、HRV−A53、HRV−A54、HRV−A55、HRV−A56、HRV−A57、HRV−A58、HRV−A59、HRV−A60、HRV−A61、HRV−A62、HRV−A63、HRV−A64、HRV−A65、HRV−A66、HRV−A67、HRV−A68、HRV−A71、HRV−A73、HRV−A74、HRV−A75、HRV−A76、HRV−A77、HRV−A78、HRV−A80、HRV−A81、HRV−A82、HRV−A85、HRV−A88、HRV−A89、HRV−A90、HRV−A94、HRV−A95、HRV−A96、HRV−A98、HRV−A100、HRV−A101、HRV−A102及びHRV−A103;b)ライノウイルスB種で見出されるタイプHRV−B3、HRV−B4、HRV−B5、HRV−B6、HRV−B14、HRV−B17、HRV−B26、HRV−B27、HRV−B35、HRV−B37、HRV−B42、HRV−B48、HRV−B52、HRV−B69、HRV−B70、HRV−B72、HRV−B79、HRV−B83、HRV−B84、HRV−B86、HRV−B91、HRV−B92、HRV−B93、HRV−B97、及びHRV−B99;c)ライノウイルスC種で見出されるタイプHRV−C1、HRV−C2、HRV−C3、HRV−C4、HRV−C5、HRV−C6、HRV−C7、HRV−C8、HRV−C9、HRV−C10、HRV−C11、HRV−C12、HRV−C13、HRV−C14、HRV−C15、HRV−C16、HRV−C17、HRV−C18、HRV−C19、HRV−C20、HRV−C21、HRV−C22、HRV−C23、HRV−C24、HRV−C25、HRV−C26、HRV−C27、HRV−C28、HRV−C29、HRV−C30、HRV−C31、HRV−C32、HRV−C33、HRV−C34、HRV−C35、HRV−C36、HRV−C37、HRV−C38、HRV−C39、HRV−C40、HRV−C41、HRV−C42、HRV−C43、HRV−C44、HRV−C45、HRV−C46、HRV−C47、HRV−C48、HRV−C49、HRV−C50及びHRV−C51;5)エンテロウイルスC種で見出されるポリオウイルス血清型PV−1、PV−2、及びPV−3。
コクサッキーAウイルスは主にヒト手足口病と関連する。コクサッキーBウイルスは、「風邪」と類似した徴候及び症状を引き起こし得るが、これらのウイルスはまた、心筋炎(心臓の炎症);心膜炎(心臓の内側を覆う嚢の炎症);髄膜炎(脳及び脊髄の内側を覆う膜の炎症);並びに膵炎(膵臓の炎症)を含むさらに重篤な疾患に至る可能性もある。エコーウイルスは、非特異性ウイルス感染症の多くの原因である。それは腸で主に見いだされ、神経障害を引き起こす可能性がある。コクサッキー及びエコーウイルスの通常の症状は、熱、軽度の発疹、及び軽度の上気道(URT)病である。
エンテロウイルス属に属するウイルスに起因する疾患としては、急性灰白髄炎;ポリ様症候群(poly−like syndrome);以下の症状:熱、筋肉痛、咽頭炎、胃腸障害/腹部不快感、及び頭痛;敗血性髄膜炎のうちの1つ以上を有し得る非特異性熱性疾患;以下の症状:胸部及び腹部における重度の発作性疼痛、熱、吐き気、頭痛、及び嘔吐の1つ以上によって特徴づけられ得るボルンホルム病又は流行性胸膜痛;以下の症状:熱、呼吸困難及び胸痛の1つ以上を有し得る心膜炎及び/又は心筋炎;急性出血性結膜炎;以下の症状:口腔中及び咽頭上の小水疱性皮疹、高熱、咽頭炎、不快感、嚥下障害、食欲不振、背痛、及び頭痛の1つ以上を伴う可能性があるヘルパンギーナ;手足口病が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
パラミクソウイルス科ウイルス科
パラミクソウイルス科は(−)ssRNAウイルス科である。ヒト、脊椎動物、及び鳥類は、パラミクソウイルスの自然の宿主としての機能を果たす。この科には現在36種があり、18属に分類される。パラミクソウイルス科に関連する疾患としては:麻疹、おたふく風邪、気道感染が挙げられる。パラミクソウイルス科は、2つの亜科、すなわちパラミクソウイルス亜科及びニューモウイルス亜科に分けられる。パラミクソウイルス亜科の属には以下のものが含まれる:タイセイヨウサケパラミクソウイルスを含むアクアパラミクソウイルス属;トリパラミクソウイルス1〜12、ガチョウパラミクソウイルス及びニューカッスル病ウイルスを含むアブラウイルス属;フェルドランスパラミクソウイルスを含むフェルラウイルス(Ferlavirus)属;ヘンドラウイルス、ニパウイルス及びシダーウイルス(Cedar virus)を含むヘニパウイルス属;イヌジステンパーウイルス、クジラ目麻しん(catecean morbillius)ウイルス、麻疹ウイルス、小反芻獣疫ウイルス、アザラシジステンパーウイルス、牛疫ウイルスを含むモルビリウイルス属;センダイウイルス、ヒトパラインフルエンザウイルス1型及びヒトパラインフルエンザウイルス3型を含むレスピロウイルス属;おたふく風邪ウイルス、ヒトパラインフルエンザウイルス2型及びヒトパラインフルエンザウイルス4型を含むルブラウイルス属;ツパイアパラミクソウイルス(TPMV)様ウイルス;トリメタニューモウイルス及びヒトメタニューモウイルスを含むメタニューモウイルス属;ヒト呼吸器合胞体ウイルス(HRSV)、ウシ呼吸器合胞体ウイルス、ヒツジ呼吸器合胞体ウイルス、ヤギ呼吸器合胞体ウイルス、マウスの肺炎ウイルスを含むニューモウイルス属。
ヘニパウイルス、例えばヘンドラウイルス、ニパウイルス及びシダーウイルス(Cedar virus)は、ウマ、ネコ、ブタをはじめとする飼育動物、並びにヒトにおいて、病気の原因となり得、又はさらには死の原因となり得る。
パラミクソウイルス科は、ヒトパラインフルエンザウイルス(HPIV)1〜4型を含む。HPIV−1は、呼吸器感染症の一種である喉頭気管気管支炎としても知られるクループの原因であり得る。感染は、気管の内部の膨潤に至る可能性があり、このため正常な呼吸を妨害し、「犬吠」咳、喘鳴、及びしわがれた声の典型的症状が生じる。熱及び鼻水も存在し得る。HPIV−2も、他の上部及び下部気道疾患の原因としてのクループの原因であり得る。HPIV−3は、細気管支炎及び肺炎の原因であり得る。HPIV−3は、主に幼児、例えば1歳未満の年齢の幼児を標的とし得る。細気管支炎は、肺の最小の気道である細気管支の炎症である。それは、咳嗽、喘鳴及び/又は息切れを示し、このため一部の幼児では摂食が困難となり得る。肺炎は、肺胞として知られる顕微鏡的気嚢に主に影響を及ぼす肺の炎症状態である。典型的な徴候及び症状としては、根本にある原因に応じて様々な重篤度及び組み合わせの湿性又は乾性咳、胸痛、熱、及び呼吸困難が挙げられる。
センダイウイルス(SeV)は、ネズミパラインフルエンザウイルス1型又はセンダイウイルス(HVJ)としても知られ、マウス、ハムスター、モルモット、ラット、及び場合によってブタにおける高伝染性気道感染の原因となる。センダイウイルスによって引き起こされる感染の症状としては、くしゃみ、猫背の姿勢、呼吸困難、眼及び/又は鼻からのポルフィリン排出、倦怠感、乳幼仔ラットが生存できないこと、拒食症が挙げられる。
ヒト呼吸器合胞体ウイルスなどのニューモウイルス属に属するウイルスは、あまり重篤ではない上部呼吸器疾患から重篤な細気管支炎又は肺炎まで及び得る、呼吸器疾患に関与する多くの疾患を引き起こす可能性がある。そのような疾患の症状には、鼻炎、咳嗽、及び食欲不振などの軽度の症状並びに喘鳴、呼吸困難、熱、細気管支炎及び肺炎などのさらに重篤な症状が含まれ得る。
いくつかの実施形態において、ニタゾキサニド及び/又はチゾキサニドなどのチアゾリド化合物は、ヒト呼吸器合胞体ウイルスに起因又は関連する症状の期間を短縮し得る。例えば、ニタゾキサニド及び/又はチゾキサニドなどのチアゾリド化合物は、ヒト呼吸器合胞体ウイルスに起因又は関連する症状の期間を、少なくとも12時間又は少なくとも24時間又は少なくとも36時間又は少なくとも48時間又は少なくとも60時間又は少なくとも72時間又は少なくとも84時間又は少なくとも96時間又は少なくとも108時間又は少なくとも120時間又は少なくとも132時間又は少なくとも144時間短縮し得る。例えば、いくつかの実施形態において、ヒト呼吸器合胞体ウイルスに起因又は関連する症状の期間は、12時間〜144時間又は24時間〜132時間又は36時間〜120時間又は48時間〜108時間又は60時間〜96時間又は66時間〜90時間、72時間〜84時間或いはこれらの範囲内の任意の部分的範囲で短縮することができる。
いくつかの実施形態において、チアゾリド化合物はニタゾキサニド(1、下記式を参照)又はその医薬的に許容される塩であり得る。ニタゾキサニドは、感染性胃腸炎の治療のために米国で許諾されている製品である。いくつかの実施形態において、チアゾリド化合物は、以下に示すチゾキサニド又はその医薬的に許容される塩であり得る。
いくつかの実施形態において、ニタゾキサニド及びチゾキサニドは組み合わせとして一緒に使用することができる。
いくつかの実施形態において、チアゾリド化合物はRM−4848であってもよく、これはチゾキサニドと同じであるが、ニトロ基と置換されたクロロ基を含む構造を有する置換チアゾリドであり、したがって結果として化合物N−(5−クロロチアゾール−2−イル)−2−ヒドロキシベンズアミドとなる。いくつかの実施形態において、チアゾリド化合物はRM−5038であってもよく、これはRM−4848のエステルプロドラッグである。RM−4848及びRM−5038は、例えば、米国特許出願公開第2012/0294831号明細書で開示されている。
チアゾリド化合物は、例えば、米国特許第3,950,351号明細書及び同第6,020,353号明細書、国際公開第2006042195(A1)号パンフレット及び米国特許第2009/0036467A号明細書の公開された手順にしたがって合成することができる。他の好適なチアゾリド化合物は、米国特許第7,645,783号明細書、同第7,550,493号明細書、同第7,285,567号明細書、同第6,117,894号明細書、同第6,020,353号明細書、同第5,968,961号明細書、同第5,965,590号明細書、同第5,935,591号明細書、及び同第5,886,013号明細書で開示されている。
いくつかの実施形態において、パラミクソウイルス科に属するウイルスに対して使用する場合、ニタゾキサニド及び/若しくはチゾキサニドなどのチアゾリド化合物、又はRM−4848及びそのエステル(例えば、RM5038)は、ウイルスの成熟Fタンパク質の細胞内レベルを低下させることができる。例えば、センダイウイルスなどのレスピロウイルス属に属するウイルスに対して使用する場合、チアゾリド化合物は、そのようなウイルスタンパク質の細胞内レベルを低下させることができる。呼吸器合胞体ウイルスなどのニューモウイルス属に属するウイルスに対して使用する場合、チアゾリド化合物はそのようなウイルスタンパク質の細胞内レベルを低下させることができる。ヘンドラウイルスなどのヘニパウイルス属に属するウイルスに対して使用する場合、チアゾリド化合物はそのようなウイルスタンパク質の細胞内レベルを低下させることができる。
いくつかの実施形態において、エンテロウイルス属に属するウイルスなどのピコナウイルス科に属するウイルスに対して使用する場合、ニタゾキサニド及び/又はチゾキサニドなどのチアゾリド化合物は、ピコナウイルス科に属するウイルスの複製を抑制する直接作用型抗ウイルス剤と一緒に投与することができる。
直接作用型抗ウイルス剤としては、3Cプロテアーゼ阻害剤、例えばルピントリビル、ピラゾール17及び18、並びにヌクレオシドアナログ阻害剤、例えばMK−0608が挙げられるが、これらに限定されるものではない。好ましくは、直接作用型抗ウイルス剤は有効量で投与し、有効量とは、直接作用型抗ウイルス剤をニタゾキサニド及び/又はチゾキサニドなどのチアゾリド化合物と一緒に使用する場合、所望の効果を達成するために必要な量である。
ニタゾキサニド及び/チゾキサニドなどのチアゾリド化合物は、ノイラミニダーゼ阻害剤と同時又はその後に投与することができる。
ウイルスがエンテロウイルス属に属する場合、ニタゾキサニド及び/又はチゾキサニドなどのチアゾリド化合物単独又は直接作用型抗ウイルス剤と合わせての投与は、そのようなウイルスに起因又は関連する疾患又は状態の少なくとも1つの症状を緩和することができ、そのような症状は、例えば、熱、咳、咽頭炎、鼻閉塞、疲労、頭痛、筋肉痛,及び/又は発熱であり得る。例えば、いくつかの実施形態において、ウイルスがエンテロウイルス属に属する場合、ニタゾキサニド及び/又はチゾキサニドなどのチアゾリド化合物単独又は直接作用型抗ウイルス剤とあわせた投与は、a)そのようなウイルスに起因又は関連する疾患又は状態に起因又は関連する熱を下げることができ、そしてb)疾患又は状態の少なくとも1つの症状を緩和することができ、そのような症状は、例えば、咳、咽頭炎、鼻閉塞、疲労、頭痛、筋肉痛,及び/又は発熱であり得る。いくつかの実施形態において、ニタゾキサニド及び/又はチゾキサニドなどのチアゾリド化合物の単独又はオセルタミビルなどのノイラミニダーゼ阻害剤とあわせた投与は、a)疾患又は状態に起因又は関連する熱を下げることができ、そしてb)疾患又は状態に起因又は関連する少なくとも1つの呼吸器症状及び疾患又は状態に関連する少なくとも1つの体質性症状を緩和することができ、少なくとも1つの呼吸器症状は咳、咽頭炎,及び/又は鼻閉塞から選択され、少なくとも体質性症状は疲労、頭痛、筋肉痛、及び発熱から選択される。
「塩」という語は、その最も広い意味で用いることができ、例えば、「塩」という語は、本発明の化合物のイオンとの水素塩及び水酸化物塩を包含する。いくつかの実施形態において、塩という用語は、医薬的に許容される塩と称するサブクラスであり得、これは、薬理活性を有する本発明の化合物の塩であり、生物学的見地からも他の見地からも不適切ではない。あらゆる実施形態において、限定されないが、水素、ハロゲン化物、酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、重硫酸塩、酪酸塩、クエン酸塩、樟脳酸塩、カンファースルホン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、フマル酸塩、グルコヘプタン酸塩、グリセロ硫酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、2−ヒドロキシエタンスルホン酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、メタンスルホン酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、シュウ酸塩、チオシアン酸塩、トシル酸塩、及びウンデカン酸塩などの塩は酸と形成することができる。あらゆる実施形態において、塩は、塩基と形成することができ、例えば限定されるものではないが、水酸化物、アンモニウム塩、アルカリ金属塩、例えばリチウム、ナトリウム及びカリウム塩、アルカリ土類金属塩、例えばカルシウム、マグネシウム塩、アルミニウム塩、例えばアンモニア、メチルアミン、ジエチルアミン、エタノールアミン、ジシクロヘキシルアミン、N−メチルモルホリン、N−メチル−D−グルカミンなどとの有機塩基との塩、並びに例えばアルギニン及びリジンなどのアミノ酸との塩である。塩基性窒素含有基は、低級アルキルハロゲン化物、例えばメチル、エチル、プロピル及びブチル塩化物、臭化物及びヨウ化物;ジアルキル硫酸塩、例えば硫酸ジメチル、ジエチル、ジブチル及びジアミル;デシル、ラウリル、ミリスチル及びステアリル塩化物、臭化物及びヨウ化物などの長鎖ハロゲン化物;並びにベンジル及びフェネチルブロミドなどのハロゲン化アラルキルを含む薬剤で四級化することができる。
「治療上許容される塩」、及び「医薬的に許容される塩」という語は、本明細書中で用いられる場合、水又は油可溶性又は分散性であり、不適切な毒性、刺激、及びアレルギー反応がなく疾患の治療に適し、妥当な効果/リスク比に見合い、それらの意図する用途に有効である、本発明の化合物の塩及び双性イオン形態の両方を表す。塩は、化合物の最終単離及び精製の間に調製することができるか、又は遊離塩基の形態の適切な化合物を好適な酸と反応させることによって別に調製することができる。代表的な酸付加塩としては、酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、L−アスコルビン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩(ベシル酸塩(besylate))、重硫酸塩、酪酸塩、樟脳酸塩、カンファースルホン酸塩、クエン酸塩、ジグルコン酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、ゲンチジン酸塩、グルタル酸塩、グリセロリン酸塩、グリコール酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、馬尿酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、2−ヒドロキシエタンスルホン酸塩(イセチオン酸塩)、乳酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、DL−マンデル酸塩、メシチレンスルホン酸塩、メタンスルホン酸塩、ナフチレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、シュウ酸塩、パモ酸、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3−フェニルプロピオン酸塩、ホスホン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、ピログルタミン酸塩、コハク酸塩、スルホン酸塩、酒石酸塩、L−酒石酸塩、トリクロロ酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、リン酸塩、グルタミン酸塩,重炭酸塩、パラ−トルエンスルホン酸塩(p−トシル酸塩)、及びウンデカン酸塩が挙げられる。また、本発明の化合物中の塩基性基は、メチル、エチル、プロピル、及びブチル塩化物、臭化物、及びヨウ化物;ジメチル、ジエチル、ジブチル、及びジアミル硫酸塩;デシル、ラウリル、ミリスチル、及びステリル塩化物、臭化物、及びヨウ化物;並びにベンジル及びフェネチルブロミドで四級化することができる。治療上許容される付加塩を形成するために用いることができる酸の例としては、塩酸、臭化水素酸、硫酸、及びリン酸などの無機酸、並びにシュウ酸、マレイン酸、コハク酸、及びクエン酸などの有機酸が挙げられる。塩は、化合物のアルカリ金属又はアルカリ土類イオンとの配位によって形成することもできる。したがって、本発明は、本発明の化合物のナトリウム、カリウム、マグネシウム、及びカルシウム塩並びに同種のものも企図する。
塩基性付加塩は、カルボキシル、フェノール又は類似の基を好適な塩基、例えば金属水酸化物、炭酸塩、若しくは重炭酸塩、又はアンモニア或いは有機一級、二級、若しくは三級アミンと反応させることによって、化合物の最終単離及び精製の間に調製することができる。治療上許容される塩のカチオンとしては、リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、及びアルミニウム、並びに非毒性四級アミンカチオン、例えばアンモニウム、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジエチルアミン、エチルアミン、トリブチルアミン、ピリジン、N,N−ジメチルアニリン、N−メチルピペリジン、N−メチルモルホリン、ジシクロヘキシルアミン、プロカイン、ジベンジルアミン、N,N−ジベンジルフェネチルアミン、1−エフェナミン、及びN,N’−ジベンジルエチレンジアミンが挙げられる。塩基付加塩の形成に有用な、他の代表的有機アミンとしては、エチレンジアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、ピペリジン、及びピペラジンが挙げられる。
いくつかの実施形態において、チアゾリド化合物は医薬組成物の一部として投与することができる。医薬組成物は、チアゾリド化合物に加えて、医薬的に許容される担体などの担体を含み得る。「担体」という語は、最も広い意味で使用することができる。例えば、「担体」という語は、あらゆる担体、希釈剤、賦形剤、湿潤剤、緩衝剤、懸濁化剤、潤滑剤、アジュバント、ビヒクル、送達系、乳化剤、崩壊剤、吸収剤、防腐剤、界面活性剤、着色剤、香味料(flavorant)、及び甘味料を指す。いくつかの実施形態において、担体は、「医薬的に許容される担体」という語が医薬組成物中での使用に好適である無毒を意味するために担体よりも狭義の用語である、医薬的に許容される担体でもあり得る。医薬組成物中の活性成分の実際の投与量レベルは、特定の患者にとって望ましい治療反応を達成するために有効な活性化合物(複数可)の量を投与するために様々であり得る。
選択された用量レベルは、チアゾリド化合物の活性、投与経路、治療される状態の重篤度、並びに治療される患者の状態及び以前の病歴に依存し得る。しかしながら、所望の治療効果を達成するために必要であるよりも低いレベルの化合物(複数可)の用量で開始し、所望の効果が達成されるまで投与量を徐々に増加させることは、当該分野の技術範囲内である。必要に応じて、有効な一日量は、投与のために複数用量に、例えば、1日につき2〜4用量に分割することができる。しかしながら、任意の特定の患者に特異的な用量レベルは、体重、総体的な健康、食事、投与時間及び経路並びに他の治療薬との組み合わせ並びに治療される状態又は疾患の重篤度を含む様々な要因に依存し得ると理解される。
医薬組成物は、例えば、経口製剤、例えば固体経口製剤で全身投与することができる。例えば、粉末、錠剤、カプセル、ロゼンジ、ゲル、溶液、懸濁液、シロップ、又は同種のものの物理的形状であり得る。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、米国特許第8,524,278号明細書及び同第9,351,937号明細書で開示されている処方の形態であり得る。そのような処方は、例えば、ニタゾキサニド及び/又はチゾキサニドなどのチアゾリド化合物を含む制御放出部分;並びにニタゾキサニド及び/又はチゾキサニドなどのチアゾリド化合物を含む即時放出部分を含み得る。これらの組成物は、単一用量又は異なる時点で投与される複数回投与で投与することができる。
いくつかの実施形態において、組成物中のニタゾキサニド及び/又はチゾキサニドなどのチアゾリド化合物の合計量は組成物の約60%〜75重量%であり得る。組成物は、即時放出、制御放出又は持続放出のために処方することができる。組成物は、1以上のさらなる医薬的に許容される添加剤又は賦形剤を含み得る。これらの賦形剤は、当該技術分野で周知であり高く評価されている治療上不活性な成分である。本明細書中で用いられる場合、「不活性成分」という語は、薬物製造の分野で周知である治療上不活性な成分を指す可能性があり、単独若しくは様々な組み合わせで使用することができ、例えば、希釈剤、崩壊剤、バインダー、懸濁化剤、流動促進剤、潤滑剤、フィラー、コーティング剤、可溶化剤、甘味料、着色剤、香味剤、及び抗酸化剤が挙げられる。例えば、Remington: The Science and Practice of Pharmacy 1995, edited by E. W. Martin, Mack Publishing Company, 19th edition, Easton, Pa.を参照。
希釈剤又はフィラーの例としては、デンプン、ラクトース、キシリトール、ソルビトール、粉砂糖、圧縮糖(compressible sugar)、デキストレート(dextrate)、デキストリン、デキストロース、フルクトース、ラクチトール、マンニトール、スクロース、タルク、微結晶セルロース、炭酸カルシウム、二塩基性又は三塩基性リン酸カルシウム、リン酸二カルシウム脱水物、硫酸カルシウム、及び同種のものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。希釈剤又はフィラーの量は、全組成物の約2%〜約15重量%の範囲であり得る。
崩壊剤の例としては、アルギン酸、メタクリル酸DVB、架橋PVP、微結晶セルロース、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、ポラクリリンカリウム、デンプングリコール酸ナトリウム、コーンスターチ又はトウモロコシデンプン、α化デンプン及び同種のものを含むデンプンが挙げられるが、これらに限定されるものではない。崩壊剤(複数可)は、典型的には全組成物の約2%〜約15重量%である。
バインダーの例としては、ジャガイモデンプン、小麦デンプン、コーンスターチなどのデンプン;微結晶セルロース;ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウムなどのセルロース;アカシア、アルギン酸、グアーガムのような天然ゴム;液体グルコース、デキストリン、ポビドン、シロップ、ポリエチレンオキシド、ポリビニルピロリドン、ポリ−N−ビニルアミド、ポリエチレングリコール、ゼラチン、ポリプロピレングリコール、トラガカント、及び同種のものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。バインダー(複数可)の量は全組成物の約0.2%〜約14重量%である。
流動促進剤の例としては、二酸化ケイ素、コロイド状無水シリカ、三ケイ酸マグネシウム、三塩基性リン酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、コロイド状二酸化ケイ素、粉末状セルロース、デンプン、タルク、及び同種のものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。流動促進剤(複数可)の量は全組成物の約0.01%〜約0.3重量%である。
潤滑剤の例としては、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸、ポリエチレングリコール、ベヘン酸グリセリル、鉱油、ステアリルフマル酸ナトリウム、タルク、水素化植物油及び同種のものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。潤滑剤(複数可)の量は全組成物の約0.2%〜約1.0重量%である。
組成物は、低粘度ポリマーであるバインダーを含んでもよい。低粘度ポリマーの例としては、Dow Chemicalによって商標「MethoceL(商標)」(例えば、Methocel E50LV(商標)、Methocel K100LVR(商標)、及びMethocel F50LVR(商標))で販売されているものなどの低粘度ヒドロキシプロピルメチルセルロースポリマー並びに低粘度ヒドロキシエチルセルロースポリマーが挙げられるが、これらに限定されるものではない。低粘度ポリマーは典型的には、全組成物の総重量の約10%〜約20%、若しくは約10%〜約15%、若しくは好ましくは約12%で存在するか、又は制御放出部分及び即時放出部分を有する実施形態では、制御放出部分中の低粘度ポリマーは、典型的には制御放出部分の重量の約15%〜約20%、好ましくは約18%で存在する。
組成物はコーティング材料をさらに含んでもよい。コーティング材料は、典型的には、処方を完全に覆う剤形上の外層として存在する。例えば、いくつかの実施形態において、剤形は、制御放出部分が錠剤の第一層を形成し、即時放出部分が第一層の上面上に堆積する第二層を形成してコア錠剤を形成する経口錠剤である。そのような実施形態において、例えば、コーティング材料は、コア錠剤の上面上に堆積する外側コーティング層の形態であり得る。コーティング材料は、典型的には組成物の約1重量%〜約5重量%であり、ヒドロキシプロピルメチルセルロース及び/又はポリエチレングリコール、並びにコーティング剤、乳白剤、味マスキング剤、フィラー、研磨剤、着色剤、粘着防止剤(antitacking agent)及び同種のものを含む群から選択される1以上の賦形剤を含み得る。フィルムコーティング物質及びそのようなコーティング物質を用いる方法の例は、当業者にはよく知られている。
ニタゾキサニド及び/又はチゾキサニドなどのチアゾリド化合物を含む組成物は、エンテロウイルス属に属するウイルスなどのピコナウイルス科に属するウイルス、又はパラミクソウイルス科に属するウイルスに起因又は関連する疾患又は状態を効果的に治療するために適した長さの時間で投与することができる。組成物にとって適切な多くの投与量及びレジメンを使用することができる。いくつかの実施形態において、投与は、約3日から約104週の期間にわたって実施することができる。いくつかの実施形態において、投与は、104週よりも長い期間にわたって実施することができ、さらには無期限に実施することもできる。適切なレジメンは医師によって決定され得る。
いくつかの実施形態において、ニタゾキサニド及び/又はチゾキサニドなどのチアゾリド化合物の投与は、ヒトなどの患者において、エンテロウイルス属に属するウイルスなどのピコナウイルス科に属するウイルス又はパラミクソウイルス科に属するウイルスに起因又は関連する疾患又は状態の少なくとも1つの症状の発生から24時間以内又は36時間以内又は48時間以内又は60時間以内又は72時間以内又は96時間以内で開始することができる。例えば、エンテロウイルス属に属するウイルスについて、ニタゾキサニド及び/又はチゾキサニドなどのチアゾリド化合物の投与は、ヒトなどの患者において、そのようなウイルスに起因又は関連する疾患又は状態の少なくとも1つの症状の発生から24時間以内又は36時間以内又は48時間以内又は60時間以内又は72時間以内又は96時間以内に開始することができ、そのような症状は、例えば、熱、咳、咽頭炎、鼻閉塞、疲労、頭痛、筋肉痛、及び発熱であり得る。
いくつかの実施形態において、ヒトに投与されるニタゾキサニド及び/又はチゾキサニドなどのチアゾリド化合物の一日量は、100mg〜1300mg又は200mg〜1200mg又は250mg〜1100mg又は300mg〜1000mg又はこれらの範囲内の任意の用量値若しくは部分的範囲であり得る。例示的投与量値には、100mg、200mg、300mg、400mg、500mg、600mg、700mg又は800mgが含まれる。
いくつかの実施形態において、ニタゾキサニド及び/又はチゾキサニドなどのチアゾリド化合物は、少なくとも2日間又は少なくとも3日間又は少なくとも4日間又は少なくとも5日間又は少なくとも6日間投与することができる。いくつかの実施形態において、ニタゾキサニド及び/又はチゾキサニドなどのチアゾリド化合物は、2〜14日又は3〜10日又は4〜7日又はこれらの範囲内の任意の値又は部分的範囲の期間で投与することができる。ある実施形態では、ニタゾキサニド及び/又はチゾキサニドなどのチアゾリド化合物は5日間投与することができる。ニタゾキサニド及び/又はチゾキサニドなどのチアゾリド化合物の用量は300mg〜900mg又は400mg〜800mg又は500mg〜700mg又はこれらの範囲内の任意の用量値又は部分的範囲であり得る。例示的投与量値には、300mg、400mg、500mg、600mg、700mg又は800mgが含まれる。ニタゾキサニド及び/又はチゾキサニドなどのチアゾリド化合物は、1日1回、2回又は3回投与することができる。場合によっては、600mgのニタゾキサニド及び/又はチゾキサニドを1日2回投与してもよい。ニタゾキサニド及び/又はチゾキサニドなどのチアゾリド化合物は、ピコナウイルス科に対する直接作用型抗ウイルス剤、例えばルピントリビル若しくはMK−0608又は呼吸器合胞体ウイルスに対する直接作用型抗ウイルス剤、例えば融合阻害剤であるGS−5806と同時投与することができる。直接作用型抗ウイルス剤の用量は様々であり得る。直接作用型抗ウイルス剤、例えばルピントリビル、MK−0608又はGS−5806を1日1回、2回又は3回同時投与することができる。場合によっては、600mgのニタゾキサニド及び/又はチゾキサニドを、1日2回投与される有効量の直接作用型抗ウイルス剤と1日2回同時投与することができる。
チアゾリド化合物は、エンテロウイルス属に属するウイルスなどのピコナウイルス科に属するウイルス、又はパラミクソウイルス科に属するウイルスに冒された対象に投与することができる。そのような対象はヒトをはじめとする動物であり得る。
好ましくは、ニタゾキサニド及び/又はチゾキサニドなどのチアゾリド化合物を、エンテロウイルス属に属するウイルスなどのピコナウイルス科に属するウイルスに冒された対象、又はパラミクソウイルス科に属するウイルスに冒された対象に有効量で投与し、有効量とは所望の効果を達成するために必要な量を意味し得る。
本明細書中で記載する実施形態を本明細書において、全く限定的ではない以下の実施例によってさらに説明する。
パラミクソウイルス科は、麻疹、おたふく風邪、パラインフルエンザ、RSV(呼吸器合胞体ウイルス)、メタニューモウイルス及びヘニパウイルスを含む多くの重要なヒトウイルス性病原菌を含み、これらは最悪の新たな人畜共通感染症のいくつかを引き起こす。有効な抗ウイルス療法がないために、これらのウイルスに対して有効な新規薬物の必要性が強調される。Cryptosporidium parvum及びGiardia lamblia感染の治療について米国で許諾されている安全かつ経口により生体利用可能なチアゾリドであるニタゾキサニド(NTZ)はインフルエンザウイルスに対して抗ウイルス活性を有することが以前に示されている。ここで、我々は、NTZ並びに第二世代チアゾリド(SGT)であるRM−4848及びRM−5038の、インビトロのパラミクソウイルス科感染に対する活性を、センダイウイルス(SeV)及びRSV−A2をモデルとして使用して調査し、抗ウイルス作用の機序を調査した。ウイルス収率をサル及びヒト細胞においてヘマグルチニン滴定及び感染力アッセイによって決定し;細胞生存率をMTT アッセイによって決定した。[35S]メチオニン標識、免疫沈降及び/又はEndoH消化後SDS/PAGE−オートラジオグラフィによって、また感染細胞又はFLAG標識されたヘンドラウイルス(HeV)融合(F)タンパク質で一時的にトランスフェクトされた細胞における免疫蛍光及びウェスタンブロット分析によって、ウイルスタンパク質合成/成熟を特性決定した。
NTZ及びSGTはSeVに対する顕著な抗ウイルス活性を示し、m.o.i.に依存して50超から625超まで及ぶSIで用量に依存してウイルス収率を低下させ、そして宿主細胞をウイルス誘発性損傷から防御した。チアゾリドはウイルス侵入に影響を及ぼさず、ウイルスタンパク質合成の一般的阻害も引き起こさなかったが、その一方で、ウイルスHN及びF糖タンパク質の成熟及び細胞内移動を阻害した。特に、NTZはまた、細胞融合及びビリオンの感染力において重要な役割を果たす、Fタンパク質の細胞内レベルを低下させた。この効果は、ユビキチン−プロテアソーム系又はオートファジーを介したタンパク質分解によるものではなかった。その理由は、プロテアソーム阻害剤ボルテゾミブ又はオートファジー阻害剤クロロキンでの治療によって救済することができなかったためである。その代わり、SeV Fタンパク質はNTZで処理された細胞において不溶性状態で存在することが見いだされ、成熟における薬物誘導性欠陥はFタンパク質凝集に至ることを示唆する。興味深いことに、チアゾリドは、ウイルス感染症が存在しない状態でFLAG標識HeV−Fを一時的に発現する細胞においてヘンドラウイルスFタンパク質に同様に影響を及ぼし、細胞が介在する機序を示唆する。結果は、NTZがパラミクソウイルス感染に対して有効であり、ウイルス糖タンパク質を標的とする新規機序によって侵入後レベルで作用することを示す。NTZ治療もRSVに対して有効であり、パラミクソウイルス科のメンバーに対する薬物の一般的効果を示唆する。研究結果を図4〜19に提示した。
材料及び方法
細胞培養、処理及びトランスフェクション。ヒトA549肺胞II型様上皮細胞及び子宮頸がんHeLa細胞、並びにアフリカミドリザル腎臓細胞(AGMK、37RC細胞株)を37℃、5%CO雰囲気中、RPMI培地(Gibco-Invitrogen, Carlsbad, CA)(AGMK、A549)、又は10%ウシ胎仔血清(FCS)、2mMのグルタミン及び抗生物質を追加したDMEM培地(Gibco-Invitrogen, Carlsbad, CA)(HeLa)中で成長させた。特に別段の指定がない限り、DMSOストック溶液(25mg/ml)中に溶解させたニタゾキサニド(NTZ)、チゾキサニド(TIZ)(Romark Laboratories, L.C.)、グリコシル化阻害剤ツニカマイシン(TM)、プロテアソーム阻害剤ボルテゾミブ及びオートファジー阻害剤クロロキン(Sigma-Aldrich, St. Louis, MO)を培養培地中で希釈し、1時間の吸着期間の直後に感染細胞に添加した。化合物を培地中に実験の期間中維持した。対照に、細胞生存率又はウイルス複製に影響を及ぼさないDMSOビヒクルの等しい量を投与した。各化合物の各濃度を二連で試験し、各実験を少なくとも2回繰り返した。トランスフェクション実験について、半コンフルエント単層のHeLa細胞を、FLAG標識(RSV-F ORF C-Flag tag, Sino Biological Inc.)に結合したヒト呼吸器合胞体ウイルス(RSV、サブタイプA、A2株)のFタンパク質を発現する遺伝子を含むpCMV駆動構築物、FLAG標識(HeV-F ORF C-Flag tag, Sino Biological Inc.)と結合したヘンドラウイルス(HeV)のFタンパク質を発現する遺伝子を含むpCMV駆動構築物、又は対照としてのpcDNA3ベクターで一時的にトランスフェクトした。トランスフェクションは、製造業者の指示に従って、jetPRIME Transfection Reagent(Polyplus transfection)を使用して実施した。
細胞毒性。細胞生存率を、3−(4,5−ジメチルチアゾール−2−イル)−2,5−ジフェニルテトラゾリウムブロミド(MTT)対MTTホルマザン変換アッセイ(Sigma-Aldrich, St Louis, MO)によって測定した。MTTアッセイに関して、10%Triton X−100を含む100mlの酸性イソプロパノールの添加によって、還元MTT(ホルマザン)を細胞から抽出し、そしてホルマザン吸光度を2つの異なる波長(540及び690nm)にてELISAマイクロプレートリーダーで測定した。50%致死量(LD50)を、Prism5.0ソフトウェア(Graph-Pad Software Inc., San Diego, CA)を用いて算出した。偽感染又はウイルスに感染した細胞の鏡検を毎日実施して、ウイルス誘導細胞変性効果並びに薬物によって誘導された可能な形態変化及び/又は細胞を検出した。Leica DM-IL顕微鏡を用いて顕微鏡調査を実施し、Leica Image-Manager500ソフトウェアを用いてLeica DC300カメラで画像を取得した。
ウイルス調製、感染及び滴定。センダイウイルス(SeV)を10日齢の胚発育卵の尿膜腔で成長させた。37℃で48時間後、尿膜腔液を収集し、5,000rpmで30分間遠心分離して細胞残屑を除去し、ウイルス力価を、標準的手順にしたがって、ヘマグルチニン(HA)滴定及びプラークアッセイによって決定した(Bernasconi et al., 2005, Pica et al., 2000)。
ウイルス感染に関して、コンフルエントAGMK細胞単層を、別段の記載がない限り、SeVで1時間、37℃、3PFU(プラーク形成単位)/細胞の感染多重度(MOI)にて感染させた。同様の状態をヒトA549細胞の感染に利用した。吸着期間の後、ウイルス接種物を除去し、細胞単層をリン酸塩緩衝生理食塩水(PBS)で3回洗浄した。細胞を、2%ウシ胎仔血清を含むRPMI1640培養培地中で37℃にて維持した。多段階ウイルス成長曲線について、コンフルエントAGMK/A549細胞単層をSeVで、1時間37℃、0.01PFU/細胞のMOIにて感染させた。1時間の吸着期間の後、ウイルス接種物を除去し、細胞単層をPBSで3回洗浄した。細胞を、0.5%ウシ血清アルブミン(BSA)及びL−1−トシルアミド−2−フェニルエチルクロロメチルケトン(TPCK)で処理したトリプシン(1μg/ml)(Sigma-Aldrich)を含むRPMI1640培養培地中、37℃で維持した。ウイルス収率を、以前に記載されているようにして(Rossignol et al., 2009)、HA滴定又はプラークアッセイによって感染後(p.i.)24時間及び48時間で測定した。プラークアッセイのために、ウイルスの段階10倍希釈を準備し、35mmプレート(Corning, New York, NY)中でコンフルエントAGMK細胞単層上に接種した。37℃で1時間後、接種物を除去し、細胞を3回PBSで洗浄した後、0.5%のBSA、1μg/mlのTPCKで処理したトリプシン、及び0.5%のSeaPlaqueアガロース(Lonza)を含むRPMIを添加した。37℃で72時間後、オーバーレイを除去し、細胞をPBS中4%パラホルムアルデヒドで固定し、1%クリスタルバイオレット(Sigma-Aldrich)で染色した。IC50(50%阻害濃度)及びIC90(90%阻害濃度)の抗ウイルス化合物を、Prism 5.0ソフトウェアを使用して算出した。
ヒトニューモウイルスRSV−A2(呼吸器合胞体ウイルス、A2株)は、英国ニューカッスルアポンタインのNewcastle大学のG. Toms博士から入手した。RSV感染に関して、コンフルエントHeLa細胞単層を1時間、37℃にてRSV−A2で1 TCID50のMOIで感染させた(50%組織培養感染量)/細胞。RSV−A2収率は、RSVの融合タンパク質(Fタンパク質)に対して特異的なモノクローナル抗体(抗F1E3抗体、Viratom Ltd., Newcastle upon Tyne, UK)で標識した後に免疫蛍光(IF)分析により測定して、感染後48時間でウイルス誘導性合胞体の数を計数することによって評価した。IF分析のために、未感染及びRSVに感染したHeLa細胞単層を4%パラホルムアルデヒド(PBS中4%)で30分間室温にて固定した。固定された細胞に抗F1E3抗体を1時間室温にて接種した。非結合型抗体をPBS中でリンスすることによって除去し、続いてFITCコンジュゲート抗マウス抗体と1時間室温でインキュベーションする。染色後、細胞を、UV励起フィルターを備えたLeica DM-Il蛍光顕微鏡で調べた。画像を、Leica Image-Manager500ソフトウェアを用いてLeica DC-300カメラで取得した。各サンプルについて少なくとも150の合胞体がカウントされた。ニタゾキサニドは非細胞傷害性用量でRSV−A2に対する抗ウイルス活性を保有し、IC50が0.3μg/mlであり、IC90が0.8μg/mlであることが見いだされた。
代謝標識。タンパク質合成及びウェスタンブロットの分析。偽感染又はウイルスに感染した細胞を、メチオニン/システイン不含培地中で30分間の飢餓性衰弱後に表示された時間、10μCi/mlの[35S]−メチオニン−システイン([35S]−Met/Cys、Redivue Pro-Mix 35Sインビトロ細胞標識ミックス;GE Healthcare)で標識した。[35S]−Met/Cys取り込みを、1mMのフェニルメチルスルホニルフルオリド(PMSF)及びプロテアーゼ阻害剤混合物(PIC;Roche Applied Science, Penzberg, Germany)を含むRIPA(放射免疫沈降アッセイ)緩衝液(150mMのNaCl、10mMのTris−HCl pH7.5、4mMのEDTA、1%のTriton X−100、600mMのKCl)中での細胞溶菌後に判定した。同じ量の放射能又は同じ量のタンパク質を含むサンプルをSDS/PAGE(3%濃縮用ゲル、10%分離ゲル)によって分離し、そして記載されているようにして(Pica et al., 2000)オートラジオグラフィのために処理した。オートラジオグラフィパターンを、Typhoon-8600 Imager[(Molecular Dynamics Phosphor-Imager(商標)(MDP)]で可視化し定量し、そして画像Quantソフトウェア(Amersham Pharmacia Biotech)を使用して画像を取得した(MDP分析)。
可溶性/不溶性タンパク質の分析のために、全細胞抽出物(WCE)を、2mMジチオトレイトール(DTT)、20mMβ−グリセロールリン酸塩、19mM(p−ニトロフェニルリン酸塩)PNPP、2mMのNaVO、1mMのPMSF及びプロテアーゼ−阻害剤カクテル(Roche)を追加した高塩濃度抽出緩衝液(緩衝液B)(50mMのTris−HCl pH7.5、400mMのNaCl、1mMのEDTA、1mMのEGTA、1%Triton X−100、0.5%NP−40及び10%グリセロール)中での溶菌後に調製した(Rossi et al., 2000)。手短に言うと、細胞を氷冷PBSで2回洗浄し、次いで緩衝液−B(80μl)中で溶解させた。凍結及び解凍の1サイクル、並びに15,000rpmでの遠心分離(4℃で15分)の後、上清(可溶性)及びペレット(不溶性)フラクションを集めた。不溶性画分は、超音波UP50Hプロセッサ(Hielscher)(40%振幅、パルスモード:6×10秒、15秒休止)を使用して氷上で音波処理することにより60μlの緩衝液−S(50mMのTris−HCl pH8.5、1%SDS及びプロテアーゼ阻害剤)中で可溶化した。細胞をLaemmli緩衝液中に溶解させ、続いて28 1/2−ゲージインスリンシリンジにより10回DNAせん断することによって、総抽出物を得た。
ウェスタンブロット分析のために、細胞抽出物(25μg)をSDS−PAGEにより分離し、ニトロセルロースにブロットし、そしてフィルターを以下の抗体:モノクローナル抗SeV−F(aF−γ236;ID Pharma)及び抗α−チューブリン(B−5−1−2、Sigma-Aldrich)抗体;ポリクローナル抗α−チューブリン(11H10;Cell Signaling Technology Inc.)、抗FLAG(DYKDDDDK Tag、Cell Signaling Technology, Inc.)及び抗β−アクチン(Sigma-Aldrich)抗体とともにインキュベートし、続いてペルオキシダーゼ標識抗ウサギIgG、抗ヤギIgG又は抗マウスIgG(SuperSignal検出キット;Pierce)でデコレーションした。
免疫蛍光顕微鏡法。スライドガラス上で成長させた、SeVに感染したAGMK又はA549細胞及びRSV−F−又はHeV−FでトランスフェクトされたHeLa細胞をPBS中4%パラホルムアルデヒドで感染後24時間に20分間室温にて固定し、偽感染又は偽トランスフェクト細胞を同様に処理した。固定された細胞を、抗Fモノクローナル抗体(aF−γ236;ID Pharma)又は抗FLAG(DYKDDDDK Tag, Cell Signaling Technology, Inc.)ポリクローナル抗体のいずれかとともに細胞膜染色のために37℃で1時間インキュベートするか、又は0.1%TritonX−100−PBSで10分間室温にて透過処理し、次いでモノクローナル抗F及び抗カルネキシン(Stressgene)又はポリクローナル抗α−チューブリン(11H10;Cell Signaling Technology Inc.)抗体とともに37℃で1時間インキュベートし、続いてAlexa Fluor488コンジュゲート(Molecular Probes-Invitrogen)又はローダミンコンジュゲート(Pierce)ヤギ抗マウスIgG、及びローダミンコンジュゲートヤギ抗ウサギIgG(Pierce)でデコレーションした。核を4’,6−ジアミジノ−2−フェニルインドール(DAPI)又はHoechst 33342(Molecular Probes, Invitrogen)で染色した。画像は、FluoView-1000ソフトウェアを使用して、Olympus Fluoview FV-1000共焦点レーザー走査システムで取得した。
統計分析。統計分析は、不対データのスチューデントt検定を使用して実施した。データを2連のサンプルの平均±S.D.として表す。0.05未満のp値を有意とみなした。
参考文献
Bernasconi, D., Amici, C., La Frazia, S., Ianaro, A., and Santoro, M. G. (2005) J. Biol. Chem. 280, 24127-24134.
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Rossi, A., Kapahi, P., Natoli, G., Takahashi, T., Chen, Y., Karin, M., and Santoro, M. G. (2000) Nature 403, 103-108.
Rossignol, J. F., La Frazia, S., Chiappa, L., Ciucci, A., Santoro, M.G. (2009) J. Biol.Chem. 284, 29798-29808.
RM08−3002試験(エンテロウイルス/ライノウイルスについての臨床試験データ)
米国、カナダ、ベルギー、オーストラリア及びニュージーランドで実施された無作為化試験は、無併発性インフルエンザ又はインフルエンザ様疾患に罹患している年齢13〜65歳の対象において症状の軽減までの時間に対するNTZ、オセルタミビル(OST)、NTZ+OST及びプラセボの影響を調査した。熱、少なくとも1つの中程度又は重度の呼吸器症状(咳、咽頭炎、鼻閉塞)、及び少なくとも1つの中程度又は重度の体質性症状(発熱、頭痛、筋肉痛、疲労、咳、鼻閉塞及び咽頭炎)を有する1,941人の対象を症状発生の48時間以内に登録した。鼻咽頭スワブをベースラインで集め、ウイルス培養及びRT−PCRに供して、ウイルス性病因を特定した。
登録後、患者を、ニタゾキサニド持続放出錠(NTZ)、オセルタミビルカプセル(OST)、NTZ+OST、又はプラセボでの治療を受けるために無作為に割り当てた。各治療は、5日間、1日に2回施した。NTZ用量は600mgであり、OST用量は75mgであった。
患者は自身の症状の重篤度を1日2回、少なくとも14日間、無症状、軽度、中程度、又は重度として記録し、全ての症状が存在しないか又は軽度と採点され、症状緩和のための投薬を使用せずに少なくとも24時間そのままである場合に、症状は緩和されたとみなされた。試験の主要評価項目は、最初の投薬から症状軽減までの時間であった。
鼻咽頭スワブサンプルのRT−PCRアッセイ(Luminex NxTAG呼吸器病原体パネル)に基づいて、251人の対象は、彼らの病気の唯一の原因と特定されたエンテロウイルス属(エンテロウイルス及びライノウイルスを含む)由来のウイルスを有していた。これらの患者にとって症状軽減までの時間を図2に提示するカプラン・マイヤー生存率分析チャートにプロットする。
NTZを投与された両治療群は、プラセボを投与された患者と比較して、症状の軽減までの時間において統計的に有意な(p<0.05)減少を示した。プラセボと比較して症状軽減までの時間の減少の中央値はおよそ47時間であった。
NTZを投与された2群をあわせて、NTZ(OST及びプラセボ)を投与されなかった2群と比較した場合、NTZを投与された患者は、投与されなかったものと比較して、NTZを投与された患者にとって症状軽減までの時間の有意な(p=0.005)減少を示した。この比較の結果を図3に提示する。
鼻咽頭スワブサンプルのRT−PCRアッセイ(Luminex NxTAG呼吸器病原体パネル)に基づいて、13人の患者は、彼らの病気の唯一の原因と同定された呼吸器合胞体ウイルスを有していた。これらの患者にとって発熱、頭痛、筋肉痛、疲労、咳、鼻閉塞及び咽頭炎などの症状の軽減までの時間を、図1に提示するカプラン・マイヤー生存率分析チャートにプロットする。
前述の記載事項は特定の好ましい実施形態を指すが、本発明はそのように限定されるものではないと理解される。開示された実施形態に様々な変更を加えることができること、そしてそのような変更が本発明の範囲内にあることを意図するものであることが当業者でればわかるであろう。
本明細書中で引用したすべての刊行物、特許出願及び特許は、その全内容を参照により本明細書に援用される。

Claims (24)

  1. パラミクソウイルス科に属するウイルスに起因又は関連する疾患又は状態を治療する方法であって、それを必要とする対象に、ニタゾキサニド若しくはチゾキサニドの少なくとも一方又はその医薬的に許容される塩を含む医薬組成物の有効量を投与することを含み、前記有効量が、前記対象における前記ウイルスの融合(F)糖タンパク質の成熟を阻止する量である、前記方法。
  2. 前記ウイルスがレスピロウイルス属に属するウイルスである、請求項1に記載の方法。
  3. 前記ウイルスがセンダイウイルスである、請求項2に記載の方法。
  4. 前記ウイルスがニューモウイルス属に属するウイルスである、請求項1に記載の方法。
  5. 前記ウイルスがヒト呼吸器合胞体ウイルスである、請求項4に記載の方法。
  6. 前記投与が、前記疾患又は状態の少なくとも1つの症状を緩和し、少なくとも1つの症状が、鼻炎、咳嗽、食欲不振、喘鳴、呼吸困難、熱、細気管支炎及び肺炎から選択される、請求項4に記載の方法。
  7. 前記ウイルスが、ヘニパウイルス属に属するウイルスである、請求項1に記載の方法。
  8. 前記ウイルスがヘンドラウイルスである、請求項7に記載の方法。
  9. 前記対象がヒトである、請求項1に記載の方法。
  10. ヘニパウイルス属に属するウイルスに起因又は関連する疾患又は状態を治療する方法であって、それを必要とする対象に、ニタゾキサニド若しくはチゾキサニドの少なくとも一方又はその医薬的に許容される塩を含む治療有効量の医薬組成物を投与することを含む、前記方法。
  11. 前記ウイルスがヘンドラウイルスである、請求項10に記載の方法。
  12. 前記治療有効量が、前記ウイルスの前記融合(F)タンパク質の前記成熟を前記対象において阻止する量である、請求項10に記載の方法。
  13. 前記対象がヒトである、請求項10に記載の方法。
  14. ピコナウイルス科に属するウイルスに起因又は関連する疾患又は状態を治療する方法であって、それを必要とする対象に、ニタゾキサニド若しくはチゾキサニドの少なくとも一方又はその医薬的に許容される塩を含む治療有効量の医薬組成物を投与することを含む、前記方法。
  15. 前記ウイルスがエンテロウイルス属に属する、請求項14に記載の方法。
  16. 前記投与が、前記疾患又は状態の少なくとも1つの症状を緩和し、前記少なくとも1つの症状が、熱、咳、咽頭炎、鼻閉塞、疲労、頭痛、筋肉痛、及び発熱から選択される、請求項15に記載の方法。
  17. 前記投与が、a)前記疾患又は状態に起因又は関連する熱を下げ、そしてb)前記疾患又は状態の少なくとも1つの症状を緩和し、前記少なくとも1つの症状が、咳、咽頭炎、鼻閉塞、疲労、頭痛、筋肉痛、及び発熱から選択される、請求項16に記載の方法。
  18. 前記投与が、a)前記疾患又は状態によるか又は関連する熱を下げ、そしてb)疾患又は状態によるか又は関連する少なくとも1つの呼吸器症状及び前記疾患又は状態に関連する少なくとも1つの体質性症状を緩和し、前記少なくとも1つの呼吸器症状が、咳、咽頭炎、及び鼻閉塞から選択され、前記少なくとも体質性症状が、疲労、頭痛、筋肉痛、及び発熱から選択される、請求項17に記載の方法。
  19. 前記ウイルスが、エンテロウイルスA〜Jから選択される、請求項15に記載の方法。
  20. 前記ウイルスが、ライノウイルスA〜Cから選択される、請求項15に記載の方法。
  21. 前記対象に治療有効量の直接作用型抗ウイルス剤を投与することをさらに含む、請求項14に記載の方法。
  22. 前記直接作用型抗ウイルス剤が、ルピントリビル若しくはMK−0608又はその医薬的に許容される塩である、請求項21に記載の方法。
  23. 前記投与を、前記疾患又は状態のうちの少なくとも1つの症状の対象における発生の48時間以内に開始し、前記少なくとも1つの症状が、熱、咳、咽頭炎、鼻閉塞、疲労、頭痛、筋肉痛、及び発熱から選択される、請求項15に記載の方法。
  24. 前記対象がヒトである、請求項14に記載の方法。
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