JP2019507252A - 自動車及び電機電子部品用銅合金材及びその製造方法 - Google Patents

自動車及び電機電子部品用銅合金材及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

自動車及び電機電子部品用銅合金材の製造方法。この方法によって製造された銅合金材は優れた引張強度、弾性強度、電気伝導度及び曲げ加工性を有する。
【選択図】 図1A

Description

[1]本発明は自動車及び電機電子部品用銅合金材及びその製造方法に関し、より詳しくは小型及び精密コネクタ、スプリング素材、半導体リードフレーム、自動車及び電気電子用コネクタ、リレー素材などの情報伝達又は電気直接材料であって、引張強度、弾性強度、電気伝導度及び曲げ加工性に優れた銅合金材及びその製造方法に関する。
[2]自動車及び電機電子部品に適用される銅合金材は、コネクタ、端子、スイッチ、リレー、リードフレームなどの用途によってそれぞれの相異なる要求特性を有するように多様な種類の合金が使われている。しかし、自動車及び電機電子部品の機能多様化及び電気回路構成の複雑化につれて該当部品の小型化及び軽量化が要求されており、これを満たすために素材となる銅合金材の特性改善が必要である。
[3]例えば、自動車用コネクタの場合、コネクタの幅によって0.025インチ、0.050インチ、0.070インチ、0.090インチ、0.250インチなどに分類され、コネクタの厚さによってそれぞれ025、050、070、090、250コネクタシリーズと呼ばれ、サイズが小型化の方向に改善されている。それだけでなく、コネクタ端子のピン数も既存の50〜70個から100個以上に高密度化の方向に改善されている。
[4]上述したコネクタの小型化及び高密度化につれて、銅合金材の幅も既存の0.4mmから、0.30mm、0.25mm、0.15mmに次第に小さくなる趨勢である。このような銅合金材の狭幅化によって、現在の銅合金材の引張強度及び弾性強度の水準(およそ引張強度610MPa及び弾性強度450MPa)で0.15mmの厚さに端子加工作業を行うとき、ピン部分の曲がり現象が発生する。よって、自動車及び電気電子部品の分野で使われる銅合金材は、前記曲がり現象を防止するために、強度の側面でも最小引張強度620MPa以上、及び弾性強度460MPa以上に特性向上が必要である。
[5]一方、自動車及び電気電子部品の端子加工時には、圧延方向(又は圧延に平行な方向)だけでなく、圧延に直角な方向にも曲げ加工が適用される。これにより、素材の圧延方向及び圧延直角方向の両方で曲げ加工性の改善が切実に要求される。
[6]現在、自動車用及び電機電子部品としてリン青銅又は黄銅のように合金元素添加による固溶強化型の形態に製造した銅合金材が主に適用される。前記固溶強化型銅合金材の強度は一般純銅に比べて優れた性質を現すが電気伝導度の側面で純銅に比べて大きく劣る欠点がある。また、リン青銅のような場合、圧延直角方向には曲げ加工性が良いが、圧延方向に曲げ加工するとき、亀裂(crack)が発生する。また、黄銅とリン青銅は熱に弱いから、熱が発生する部分、例えば自動車エンジン付近の端子として適用されるとき、素材の軟化による接点短絡のような短絡(short)などの問題を引き起こすことができるので、使用が厳格に制限される。
[7]その他にも、自動車用及び電機電子部品として主に使われる銅合金にはコーソン系銅合金(Cu−Ni−Si系銅合金)があるが、強度向上のために析出処理後に圧延工程で製造するとき、圧延過程によって形成された加工組職によって、曲げ加工時の圧延方向と圧延直角方向への曲げ加工差を現す。また、上述したように、自動車及び電機電子部品用銅合金材の小型化及び高密度化によって、要求される引張強度及び弾性強度の基準が一層高くなったが、既存のコーソン系銅合金(Cu−Ni−Si系銅合金)の引張強度及び弾性強度はこれに至らなくて端子の曲がり現象が発生する欠点がある。
[8]要するに、現在自動車又は電機電子部品に使われる銅合金材は、部品の小型化及び高密度化によって要求される高引張強度、高弾性強度及び高電気伝導度の特性とともに、圧延方向及び圧延直角方向への曲げ加工性も一緒に要求される。しかし、一般に、引張強度、弾性強度は曲げ加工性に反比例する傾向を有しているから、上述した特性を全て有する銅合金材の開発に対する要求が非常に高い。特に、Cu−Ni−Si系合金において、高引張強度、高弾性強度を維持しながら圧延方向及び圧延直角方向への曲げ加工性を同時に満たすための研究が活発に進行されている。
[9]日本国特開第2006−283059号公報では、立方晶系結晶方位を持っている{001}<100>の面積の比率を50%以上に制御して曲げ加工性を向上させ、日本国特開第2011−017072号公報では、黄銅(Brass)の結晶方位である{110}<112>の面積の比率を20%以下にし、銅(Copper)の結晶方位である{121}<111>の面積の比率を20%以下にし、立方晶系の結晶方位である{001}<100>の面積の比率を5〜60%にすることによって曲げ加工性を改善させた。
[10]すなわち、前述したように、従来の技術では、既存の結晶方位制御によって立方晶系方位{001}<100>の面積の比率を増加させて曲げ加工性を向上させる方法を提案する。しかし、Cu−Ni−Si系銅合金の立方晶系方位は熱処理過程で成長するので、立方晶系方位{001}<100>の面積の比率が増加するにつれて引張強度及び弾性強度が低下するという問題点がある。
[11]上述した問題を解消するための本発明の目的は、引張強度、弾性強度、電気伝導度及び曲げ加工性に優れた自動車及び電気電子部品用銅合金材を製造する方法を提供することである。
[12]本発明の目的は、(a)1.0〜4.0重量%のニッケル(Ni)、0.1〜1.0重量%のケイ素(Si)、0.1〜1.0重量(%)のスズ(Sn)、残量の銅及び不可避な不純物からなり、前記不可避な不純物はTi、Co、Fe、Mn、Cr、Nb、V、Zr、Hfからなる群から選択される1種以上の遷移金属で、総和1重量%以下の量で含まれるものである成分元素を溶解して鋳塊を鋳造する段階、(b)前記段階で収得された鋳塊を750〜1000℃の温度で1〜5時間熱間圧延する段階、(c)圧下率50%以上に中間冷間圧延する段階、(d)780〜1000℃で1〜300秒間高温及び高速溶体化処理する段階、(e)圧下率10〜60%範囲で圧延回数10回以下で最終冷間圧延する段階、(f)前段階で収得された生成物を400〜600℃で1〜20時間析出処理する段階、及び(g)析出処理された生成物を300〜700℃で10〜3000秒間応力緩和処理する段階を含み、収得された銅合金材は、EBSD分析時、{001}結晶面が10%以下、{110}結晶面が30〜60%、{112}結晶面が30〜60%、低傾角結晶粒界の分率が50〜70%、引張強度が620〜1000MPa、弾性強度が460〜750MPa、電気伝導度が35〜50%IACSの範囲であり、圧延方向及び圧延直角方向への優れた曲げ加工性を有する、自動車及び電機電子部品用銅合金材の製造方法を提供することによって達成することができる。
[13]前記(c)中間圧延段階及び(d)溶体化処理段階を必要によって繰り返し実施することができる。
[14]さらに、この方法は、前記(f)析出処理段階前又は後、板状を校正する段階をさらに含むことができる。
[15]一方、この方法は、前記(g)応力緩和段階後、スズ(Sn)、銀(Ag)、又はニッケル(Ni)メッキ段階をさらに含むことができる。さらに、この方法は、前記(g)応力緩和段階後に収得された銅合金材を板状、棒状又は管状に製造する段階をさらに含むことができる。
[16]1.0重量%以下のリン(P)がさらに添加されることができる。1.0重量%以下の亜鉛(Zn)がさらに添加されることができる。1.0重量%以下のリン(P)及び1.0重量%以下の亜鉛(Zn)がさらに添加されることができる。
[17]本発明の他の態様によると、前述した方法によって製造された、自動車及び電機電子部品用銅合金材が提供される。
[18]本発明は、引張強度、弾性強度、電気伝導度、及び曲げ加工性に優れた自動車及び電機電子部品用銅合金材の製造方法を提供する。
[19]本発明の追加の理解のために含まれる添付図面は本発明の実施例を示し、詳細な説明とともに本発明の原理を説明する。
[20]図面で、
[21]実施例1の試料(Cu−1.8Ni−0.3Si−0.3Sn−0.01P)の結晶面分率を示す図である。 [22]実施例1の試料(Cu−1.8Ni−0.3Si−0.3Sn−0.01P)の結晶粒界分率を示す図である。 [23]実施例4の試料(Cu−2.2Ni−0.5Si−0.3Sn−0.01P−0.1Zn)の結晶面分率を示す図である。 [24]実施例4の試料(Cu−2.2Ni−0.5Si−0.3Sn−0.01P−0.1Zn)の結晶粒界分率を示す図である。
[25]以下、添付図面に例が示されている本発明の好適な実施例を詳細に説明する。
[26]本発明による自動車及び電機電子部品用銅合金材の化学組成成分について説明する。本発明による銅合金材は、1.0〜4.0重量%のニッケル(Ni)、0.1〜1.0重量%のケイ素(Si)、0.1〜1.0重量(%)のスズ(Sn)、残量の銅(Cu)及び不可避な不純物からなり、前記不可避な不純物はTi、Co、Fe、Mn、Cr、Nb、V、Zr及びHfからなる群から選択される1種以上の遷移金属である。
[27]前記銅合金材は1.0重量%以下のリン(P)及び1.0重量%以下の亜鉛(Zn)の1種以上を必要によってさらに含むことができる。前記成分の総和は2重量%以下である。
[28]本発明による銅合金材に含有される成分元素の役割と、各成分元素の含量範囲は以下で説明する。
[29](1)Ni及びSi
[30]本発明による銅合金材において、Niの成分含量は1.0〜4.0重量%、Siの成分含量は0.1〜1.0重量%である。Ni重量が1.0重量%未満であるとともにSi重量が0.1重量%未満であれば、析出処理で十分な強度を確保することができないので、自動車、電気電子用コネクタ、半導体、リードフレームに適用するのに適しない。また、Niの含量が4重量%を超えるとともにSiの含量が1.0重量%を超える場合、鋳造過程で形成されたNi−Si晶出物が熱間圧延前の加熱過程で急速に粗大な化合物に成長して、熱間圧延時に側面亀裂(side crack)を引き起こす。
[31](2)Sn
[32]SnはCu基地で拡散速度が遅い元素であり、析出処理過程でNi−Si析出物の成長を抑制し、Ni−Si析出物を微細に分散させて強度を増加させる。本発明による銅合金材において、Snは0.1重量%〜1.0重量%の範囲で含み、0.1重量%以下の場合はSnのNi−Si析出物分散効果が充分に発揮されないから引張強度及び弾性強度が低下し、1.0重量%を超える場合は析出後にもCu基地中にSnが存在するから電気伝導度が急激に低下する。
[33](3)P
[34]本発明の銅合金材において、リン(P)は1.0重量%以下の量でさらに含むことができる。リンをさらに含む場合、その含まれる量だけ残部の銅の含量が減ったことが分かる。リン(P)は本発明の銅合金材の製造方法の溶湯溶解過程で脱酸剤の役割をし、析出処理過程でNiP、Ni、FeP、Mg、及びMgPなどのように多様な形態の析出物を形成し、特にリン(P)は銅合金材内に存在する遷移金属であるCo、Fe、Mn、Cr、Nb、V、Zr、及びHfの1種以上とNi−Si析出物を結合させる媒介体の役割をすることができる。したがって、銅基地組職のその他の不純物を析出過程で分離させてCu−Ni−Si−P−X(ここで、XはCo、Fe、Mn、Cr、Nb、V、Zr、及びHfの1種以上の遷移金属)のような析出物を形成して引張強度と電気伝導度を向上させる効果を有する。本発明による銅合金材中のリンの含量が1.0重量%より高ければ、銅合金材の電気伝導度が過度に低下する。
[35](4)Zn
[36]本発明の銅合金材において、Znは1.0重量%以下でさらに添加されることができ、Zn添加量だけ残部のCuの含量が減ったことが分かる。本発明の銅合金材において、Znは銅合金板材のメッキ時にSnメッキ又は半田の耐熱剥離性を改善してメッキ層の熱剥離を抑制する。本発明による銅合金材において、Znを含む場合の含量は1.0重量%以下であり、1.0重量%を超えるときはむしろ銅合金材の電気伝導度が大きく低下する。
[37](5)不純物(Ti、Co、Fe、Mn、Cr、Nb、V、Zr、Hf)
[38]本発明において不純物は遷移金属であるTi、Co、Fe、Mn、Cr、Nb、V、Zr、及びHfからなる群から選択的に1種以上を意味する。前記不純物は析出処理過程でNiSiにP成分を媒介体として不純物がともに金属間化合物を形成して基地内に析出されて強度を増加させる。しかし、不純物の合計が1重量%を超えれば、析出処理後にもCu基地に不純物が残って急激な電気伝導度の低下をもたらす欠点がある。
[39]上述した本発明による銅合金材の製造方法は次のようである。
[40](a)鋳塊鋳造段階
[41]本発明による自動車用及び電機電子部品用銅合金材の構成成分で鋳塊を鋳造する。前記鋳塊は、1.0〜4.0重量%のニッケル(Ni)、0.1〜1.0重量%のケイ素(Si)、0.1〜1.0重量(%)のスズ(Sn)、残量の銅(Cu)及び不可避な不純物からなる。選択的に、前記鋳塊はリン(P)及び亜鉛(Zn)の1種一つ以上をそれぞれ1重量%以下の量で含むことができる。選択的な成分元素を含む場合、追加される選択的な成分元素の量だけ銅の含量が調節される。また、その他の不純物としてTi、Co、Fe、Mn、Cr、Nb、V、Zr及びHfからなる群から選択される1種以上の遷移金属を総和1重量%以下の量で含むことができ、前記その他の不純物はスクラップ、電気銅、銅スクラップを介して不可避に含まれる。
[42](b)熱間圧延段階
[43]前段階で収得された鋳塊生成物は、好ましくは750℃〜1000℃の温度で1〜5時間、より好ましくは900℃〜1000℃で2〜4時間熱間圧延される。熱間圧延を750℃以下の温度で1時間より短い時間実施すれば、収得される生成物内に鋳造組職が残って強度と曲げ加工性が低下する。また、熱間圧延を1000℃を超える温度で5時間より長く実施すれば、収得される銅合金内の結晶粒が粗大化し、完成品の終厚さに製造したとき、製造された部品の曲げ加工性が落ちる。
[44](c)中間冷間圧延段階
[45]前熱間圧延段階で収得された生成物に対し、常温で中間冷間圧延を実施する。中間冷間圧延の圧下率は50%以上が好ましく、より好ましくは80%以上である。中間冷間圧延の圧下率が50%より低い場合には、Cu基地に十分な転位が発生しなくて後続の溶体化処理過程で再結晶が遅くなされるので、十分な過飽和状態が形成することができなく、結局十分な引張強度を得ることができない。
[46](d)高温及び高速溶体化処理
[47]溶体化処理は最終に収得される銅合金材の高引張強度、高弾性強度及び優れた曲げ加工性を確保するために最も重要な工程である。溶体化処理は780〜1000℃の温度で1〜300秒間行うことが好ましく、より好ましくは950〜1000℃で10〜60秒間行う。この溶体化処理工程後に最終に収得される本発明による銅合金材は引張強度及び弾性強度が増加するが、曲げ加工性はそのまま維持される。
[48]溶体化温度が780℃より低いとかあるいは溶体化処理時間が1秒より短い場合、十分な過飽和状態を形成することができなく、析出処理後にもNiSi析出物が十分に析出されなくて引張強度及び弾性強度が低下するが、溶体化処理温度が1000℃より高いとかあるいは溶体化処理時間が300秒を超える場合はNiSi析出物が過多に生成して曲げ加工性が落ちる。
[49]一方、前記溶体化処理の条件に係わる最終完製品の物性変化を、最終生成物を試料としてビッカース硬度の測定及び結晶粒粒の粒度測定の実験で分析することができる。前記溶体化条件によれば、最終に収得される銅合金材において硬度はビッカース硬度値で(1〜5kgf)75〜95Hvの範囲、より好ましくは80〜90Hvであり、銅合金材内の結晶粒の粒度は平均3〜20μm範囲、より好ましくは5〜15μmの範囲である。
[50]また、上述したように、高温温度区間で高速溶体化処理を行えば、溶体化処理過程で形成される{001}結晶面の成長が抑制され、溶体化処理前の中間冷間圧延で形成された低傾角結晶粒界分率度溶体化処理によって結晶粒が再配列されるから、EBSD分析結果、銅合金材内の{001}結晶面が5%以下に制御され、低傾角結晶粒分率が10%未満に制御される。すなわち、溶体化処理温度が780℃より低いとか溶体化処理時間が1秒以下の場合、最終に収得される銅合金材の硬度はビッカース硬度95Hv以上であるが結晶粒の粒度が3μm以下であるので、引張強度及び弾性強度が低下し、溶体化処理温度が1000℃以上であるとか300秒以上の場合には、最終に収得される銅合金材の硬度が75Hv以下に低下し、結晶粒度は20μm以上に成長して曲げ加工性が低下する。特に、圧延方向(又は圧延平行方向という)の曲げ加工性が急激に落ちる。
[51](e)最終冷間圧延
[52]前記溶体化処理後に収得される生成物に対し、最終冷間圧延を実施する。最終冷間圧延の圧下率は10〜60%の範囲、好ましくは20〜40%の範囲である。最終に冷間圧延された生成物に対してEBSD分析を実施すれば、前記区間で低傾角結晶粒界が50〜80%程度形成されることを確認することができる。最終冷間圧延の圧下率が10%未満であれば、{110}結晶面及び{112}結晶面が十分に形成されることができなくて引張強度が著しく落ちることになる。最終圧下率が60%を超えれば、{110}結晶面及び{112}結晶面が急激に形成されると同時に低傾角結晶粒界分率が低下して曲げ加工性が低下する。また、冷間圧延回数(又は“パス(pass)数”という)は7回(パス数)以下が好ましく、より好ましくは4回である。圧延回数が10回を超えれば、加工硬化能の減少による、初期に形成された転位の消滅が発生することによって最終時効処理以後に引張強度及び弾性強度が低下する。
[53](f)析出処理
[54]前記段階で収得された生成物を400〜600℃で1〜20時間析出処理することが好ましく、より好ましくは450〜550℃で5〜15時間実施する。析出処理の間に、以前段階で収得された生成物内に存在する微細なNi−Si系析出物は析出処理前の最終圧延で加工による結晶粒界とCu基地内の転位形成部位で析出処理過程で核が形成されて成長する。この過程で、Sn元素の拡散速度が遅れてNi−Si系析出物の成長を抑制し、Cu基地と結晶粒界にNi−Si系析出物を均一に分布させる。よって、最終に収得される銅合金材の引張強度、電気伝導度、弾性強度、及び曲げ加工性が全て向上する。
[55]析出処理温度が400℃未満であれば、あるいは析出処理時間が1時間未満の場合、析出処理に必要な熱量が足りなくて、Ni−Si析出物がCu基地内で充分にNi−Si析出化合物として核生成及び核成長することができないため、引張強度、電気伝導度、及び弾性強度が低下する。また、最終圧延で形成された転位が圧延方向にもっと密集して、曲げ加工時にBad way方向(圧延平行方向又は圧延方向)への曲げ加工性がもっと落ち、曲げ加工時に異方性が形成される。一方、析出処理温度が600℃を超えるとか又は析出処理時間が20時間以上の場合、過時効が発生して収得される銅合金材の電気伝導度は最大値を有することができるが、最終生成物の引張強度及び弾性強度が減少する。
[56](g)応力緩和処理
[57]前段階で収得された生成物を300〜700℃で10〜3000秒間応力緩和処理を行う。より好ましくは500〜600℃で15〜300秒間応力緩和処理を行う。応力緩和処理段階は収得された生成物の塑性変化によって形成された応力を加熱で解消する工程であり、特に板状校正後に弾性強度を回復するのに重要な役割をする。
[58]応力緩和処理を300℃未満、又は10秒未満で実施する場合は、板状校正による弾性強度の損失を十分に回復することができなく、700℃を超えるとか又は3000秒を超える時間の間に実施する場合は弾性強度最大回復区間を満たしていないため、機械的性質である引張強度及び弾性強度が低下することがある。
[59]一方、本発明の銅合金材の製造方法において、収得しようとする最終生成物の厚さを達成するために、上述した(c)中間冷間圧延及び(d)溶体化処理段階を必要によって繰り返し実施することができる。
[60]また、(f)析出処理段階前又は後、素材の板状によって板状校正を実施することができる。
[61]また、(g)応力緩和段階後、用途によってスズ(Sn)、銀(Ag)、ニッケル(Ni)メッキを実施することができる。それだけでなく、(g)応力緩和段階後に収得された銅合金材を板状、棒状、管状に製造することができる。前記工程中のメッキ段階は形態製造後の段階であるので、最後に適用することができる。
[62]一方、上述した本発明の銅合金材の製造方法によって生成された銅合金材の結晶面及び結晶粒界低傾角結晶粒分率は後述する特徴を有する。
[63]結晶面及び結晶粒界低傾角結晶粒の測定
[64]Cu−Ni−Si系合金においては、曲げ加工時のクラック(crack)の発生は、製造工程中の変形によって形成された転位が曲げ加工時にせん断帯として形成されて亀裂を発生させて曲げ加工性を低下させる。このような転位は結晶粒界の高傾角結晶粒界でもっと集中的に形成される。本発明では結晶粒界分率を下記のように分析し、低傾角結晶粒界の分率を最大化して曲げ加工性を確保した。
[65]Cu−Ni−Si系合金において理想的方位のミラー(Miller)指数とオイラー(Euler)角は下記の表1のように表現する(文献[鉄鋼集合組職の入門](2014、ホ ムヨン)参照)。
[66]
Figure 2019507252
[67]前記表1で説明したように、銅合金材において{001}結晶面は立方晶系(Cube)の結晶方位及び回転された立方晶系(Rotated−Cube)の結晶方位を含み、{110}結晶面は黄銅(Brass)結晶方位及びゴス(Goss)結晶方位を含み、{112}結晶面は銅(Copper)結晶方位を含む。
[68]一般に、{001}結晶面で形成される立方晶系(Cube)の結晶方位は曲げ加工性と関連があり、上述した本発明の製造方法の熱処理過程で形成され、{110}結晶面で形成される黄銅(Brass)の結晶方位及びゴス(Goss)の結晶方位と{112}結晶面で形成される銅(Copper)の結晶方位は上述した本発明の製造方法で引張強度及び弾性強度の向上に主な役割をし、圧延過程で形成される。
[69]EBSD(electron backscatter diffraction、電子後方散乱回折)分析装備を活用して試料を測定し、得られた測定点の座標(x、y)軸の方位gのオイラー角などを記録し、EBSD分析ソフトウェアを活用してEDSD方位マップ(map)で示した。前記EDSD方位測定データから{001}、{110}及び{112}結晶面の分率をそれぞれ計算した。このとき、EBSD方位マップ散乱角はψ=15度に設定した。
[70]曲げ加工性は、微細組職のCu基地、結晶粒界及び転位密度に密接な関係がある。特に、曲げ加工時の応力は相対的に脆弱な結晶粒界部位で集中的に発生し、該当部位で転位密度が増加し、持続的な変形過程で亀裂まで形成される。
[71]EBSDは、GBマップにおいて一結晶粒方位g1と隣接した結晶粒方位g2の間には下記式1のような関係がある。
[72](式1)
[73]g1=R*g2
[74](ここで、Rは方位g2が方位g1に対して回転するのに必要な回転行列である。)
[75]回転行列Rは一つの回転軸[r1、r2、r3]と回転角ωで表現することができ、方位g1と方位g2間の方位差はそれぞれgで表現する。また、結晶粒界の方位差gが存在する。一般に、gが15度以上であれば、高傾角結晶粒界と言う。また、結晶粒gが15度未満であれば、低傾角結晶粒界と言う。EBSDの測定結果からgの15度以上と15度未満で面積率をそれぞれ測定する。
[76]銅合金材の引張強度、弾性強度、曲げ加工性及び電気伝導度を均等に改善するためには、銅合金材の{001}、{110}及び{112}結晶面のバランスだけでなく、結晶粒界の低傾角結晶粒界と高傾角結晶粒界のバランスも均衡的に形成される必要がある。
[77]本発明による銅合金材は、曲げ加工性を確保するために、{001}結晶面の分率は10%以下であり、より好ましくは2〜7%である。{001}結晶面の分率が10%より高い場合、溶体化処理又は析出処理のような熱処理工程で{001}結晶面が形成されて曲げ加工性は増加するが、相対的に{110}、{112}面が減少して引張強度及び弾性強度は低下する。
[78]また、本発明による銅合金材において、引張強度及び弾性強度を向上させるために、{110}結晶面の分率を30〜60%に、{112}結晶面の分率を30〜60%にし、より好ましくは{110}結晶面の分率を35〜50%に、{112}結晶面の分率を35〜50%にする。{110}及び{112}結晶面の分率がそれぞれ60%以上の場合は引張強度及び弾性強度は良いが、急激な転位密度の形成によって曲げ加工時に亀裂が発生し、{110}及び{112}結晶面の分率がそれぞれ30%以下の場合は曲げ加工性は良いが転位密度の分率が低くて十分な析出が形成することができないため、引張強度及び弾性強度が低下する。
[79]また、低傾角結晶粒界の分率は50〜70%、より好ましくは60〜70%である。低傾角結晶粒界の分率が50%以下であれば、高傾角結晶粒界の比率があまり高くて粒子境界で転位密度が高くなって曲げ加工性が急激に落ちる。低傾角結晶粒界分率が70%以上の場合は、曲げ加工性は良好であるが、引張強度及び弾性強度を充分に確保することができない。
[80]したがって、上述したように、本発明の銅合金材は、{001}結晶面の分率が10%以下、{110}結晶面の分率が30〜60%、{112}結晶面の分率が30〜60%であり、{001}、{110}及び{112}結晶面のバランスを成すだけでなく、低傾角結晶粒界の分率が50〜70%であり、低傾角結晶粒界と高傾角結晶粒界のバランスを成すので、最終に収得される銅合金材の曲げ加工性、引張強度及び弾性強度が均等に良好である。
[81][82]実施例1
[83]銅合金材試料の準備(実施例及び比較例)
[84]成分元素を下記の表2に開示した組成で組み合わせ、高周波誘導炉を用いて溶解と鋳塊鋳造を実施した。鋳塊の重量を5kgにし、厚さ30mm、幅100mm、及び長さ150mmに製造した。前記銅合金鋳塊は、板材に製造するために、980℃で熱間圧延して水冷した後、酸化スケールを除去するために、両表面を0.5mmの厚さに面削した。その後、冷間圧延を実施して厚さを0.4mmまでにし、表3に開示した条件の下で溶体化処理、冷間圧延、析出処理及び応力緩和処理を順に実施した。収得される試料をそれぞれ実施例及び比較例として表2に開示したように番号を付与した。
[85]
Figure 2019507252
[86]
Figure 2019507252
[87]前記表2及び3によって、収得された実施例と比較例による銅合金を0.25mmの銅合金板材試料に製造し、各試料に対して引張強度、弾性強度、曲げ加工性、電気伝導度、結晶面、結晶粒界の低傾角結晶粒界分率を下記のような方法で評価した。
[88]試験例
[89](結晶面、結晶粒界測定)
[90]最終試片に対して0.05μmまで機械研磨、電解研磨を実施した後、FE−SEMのEBSD測定後、TSL OIM分析器を活用して分析した。結晶粒面積率は、EBSD実験結果からそれぞれ座標の(x、y)方位を計算して{001}、{110}、{112}の結晶面分率を計算した。また、結晶粒界のg値から低傾角結晶粒界及び高傾角結晶粒界の分率を計算した。
[91]上述したように、実施例1及び実施例4によって製造された銅合金材試料の結晶面及び結晶粒界の分率測定の結果をそれぞれ図1及び2に示した。具体的に、図1Aは実施例1による銅合金材(Cu−1.8Ni−0.3Si−0.3Sn−0.01P)の結晶面分率を示す図、図1Bは前記銅合金材の結晶粒界分率を示す。また、図2Aは実施例4による銅合金材(Cu−2.2Ni−0.5Si−0.3Sn−0.01P−0.1Zn)の結晶面分率を示す図、図2Bは前記銅合金材の結晶粒界分率を示す。図1A及び図1Bで、{001}結晶面は4.3%、{110}結晶面は36.0%、{112}結晶面は45.0%の分率を持っており、低傾角結晶粒界は65.4%であり、高傾角結晶粒界は35.7%である。これに関連して下記の表5を参照すると、実施例1による銅合金材の引張強度は654MPa、電気伝導度は44%IACS、弾性強度は502MPa、圧延方向及び圧延直角方向の両方向への曲げ加工性が優れた。
[92]図2A及び図2Bで、{001}結晶面は3.5%、{110}結晶面は40.4%、及び{112}結晶面は41.2%の分率を持っており、低傾角結晶粒界は64.3%であり、高傾角結晶粒界は35.7%である。また、下記の表5を参照すると、前記実施例4による銅合金材の引張強度は742MPa、電気伝導度は41%IACS、弾性強度は547MPa、圧延方向及び圧延直角方向に共に優れた曲げ加工性を現すことを確認することができる。
[93]
Figure 2019507252
[94](引張強度)
[95]引張試験器を用いてJIS Z 2241に準拠して圧延方向への引張強度を測定した。単位はMPaである。
[96](電気伝導度)
[97]4−プローブ(Probe)方式で電気抵抗を240Hzで測定し、標準基準サンプル純銅に基づいて抵抗値と電気伝導度を百分率(%IACS)で示した。
[98](弾性強度)
[99]JIS H3130規格による測定方法で評価した。規格によるカンチレバー(cantilever)型測定法によって板状試片の一端を固定させ、反対端の屈曲変位を段階的に増加させながら永久変形量を測定する。測定された永久変形量での力を用いて弾性強度を計算する。単位はMPaである。
[100](曲げ加工性)
[101]内曲げ半径をR、素材の厚さをtとし、Good way方向(圧延方向に直角な方向に曲げ)とBad way方向(圧延方向に平行な方向に曲げ)の曲げ実験を180度、R/t=0の条件(ここで、R=曲率半径、t=素材の厚さ)で完全密着を実施した後、光学燎微鏡で亀裂を確認し、微細亀裂が発生しない場合はO、亀裂が確認された場合はXで評価した。
[102]これらの測定値は下記の表5に開示する。
[103]
Figure 2019507252
[104]前記表4及び表5に開示した実施例の結果を見ると、化学成分の範囲で溶体化処理、最終圧延、時効処理、応力緩和処理によって、{001}結晶面の分率は10%以下、{110}結晶面の分率は30〜60%、{112}結晶面の分率は30〜60%であり、また結晶粒界の低傾角結晶粒界分率が50〜70%、引張強度は620〜1000MPa、弾性強度は460〜750MPaであり、また圧延方向(又は圧延平行方向という)及び圧延直角方向への曲げ加工時に亀裂が発生しなかった。
[105]比較例1は、Ni含量が1重量%未満であり、NiとSiの析出物量の不足で曲げ加工性は良好であるが、十分な引張強度及び弾性強度を得ることができなかった。比較例2は、溶体化処理温度700℃で0.5秒間処理されて充分な熱量を受けることができなくて過飽和固溶体を形成することができなかった。その結果、比較例2の試料は最適化析出処理条件でも十分な引張強度及び弾性強度を確保することができなかった。比較例3は、1050℃で400秒間溶体化処理され、この過程で銅合金内の急激な結晶粒成長によって最終に生成した試料の圧延方向への曲げ加工性が低下した。比較例4は、80%の最終圧延を適用し、収得される試料の{110}及び{112}結晶面の分率が急激に増加し、低傾角結晶粒界の分率が減少するとともに高傾角結晶粒界の分率が増加することから、圧延方向及び圧延直角方向への曲げ加工性が共に低下した。比較例5は、最終冷間圧延の圧延率が5%であり、収得された試料の{110}及び{112}結晶面の分率があまり低くて十分な引張強度及び弾性強度を確保することができなかった。比較例6は、Ni含量が4.5重量%であり、銅合金材製造過程中の熱間圧延段階で側面亀裂(side crack)が発生した。これは鋳造及び熱間作業過程で過成長したNi−Si晶出物によるものであることが確認された。比較例7は、析出処理が700℃で25時間適用されたものであり、過時効領域で収得された試料は曲げ加工性は良好であるが引張強度及び弾性強度が急激に低下した。比較例8は、析出処理が300℃で1時間以内で実施され、銅合金試料内にNiSi析出物が全く形成されることができなくて、電気伝導度、引張強度及び弾性強度が低下した。比較例9は、応力緩和処理が800℃で4000秒間行われた場合であり、最終に生成された銅合金材の引張強度及び弾性強度が低下した。これは、引張強度及び弾性強度が最大物性区間に到達した後に物性が低下する区間であるからである。比較例10は、応力緩和処理が200℃で5秒間実施された場合であり、本発明の製造方法より低い場合、最終的に生成された銅合金材に存在する応力を十分に緩和することができなくて弾性強度が充分に回復することができなかった。
[106]本発明の製造方法によって製造された銅合金材は、高温溶体化処理によって、{001}結晶面を10%以下、{110}及び{112}結晶面を30〜60%の分率で有し、低傾角結晶粒界が50〜70%分率であり、引張強度、弾性強度、曲げ加工性及び電気伝導度を同時に向上させることを確認した。これは、今後軽量化、小型化及び高密度化に進化しているコネクタ及び電機電子部品素材にとても適した素材である。
[107]当業者であれば多様な修正例及び変形例が本発明の精神又は範囲から逸脱することなしに本発明の範疇内で可能であることが明らかに分かるであろう。したがって、本発明は、添付の請求範囲及びその等価物の範疇内にある限り、本発明の修正例及び変形例をカバーするものである。
[108]

Claims (9)

  1. (a)1.0〜4.0重量%のニッケル(Ni)、0.1〜1.0重量%のケイ素(Si)、0.1〜1.0重量(%)のスズ(Sn)、残量の銅及び不可避な不純物からなり、前記不可避な不純物はTi、Co、Fe、Mn、Cr、Nb、V、Zr、Hfからなる群から選択される1種以上の遷移金属で、総和1重量%以下の量で含まれるものである成分元素を溶解して鋳塊を鋳造する段階、
    (b)前記段階で収得された鋳塊を750〜1000℃の温度で1〜5時間熱間圧延する段階、
    (c)圧下率50%以上に中間冷間圧延する段階、
    (d)780〜1000℃で1〜300秒間高温及び高速溶体化処理する段階、
    (e)圧下率10〜60%範囲で圧延回数10回以下で最終冷間圧延する段階、
    (f)前段階で収得された生成物を400〜600℃で1〜20時間析出処理する段階、及び
    (g)析出処理された生成物を300〜700℃で10〜3000秒間応力緩和処理する段階を含み、
    収得された銅合金材は、EBSD分析時、{001}結晶面が10%以下、{110}結晶面が30〜60%、{112}結晶面が30〜60%、低傾角結晶粒界の分率が50〜70%、引張強度が620〜1000MPa、弾性強度が460〜750MPa、電気伝導度が35〜50%IACSの範囲であり、圧延方向及び圧延直角方向への優れた曲げ加工性を有する、自動車及び電機電子部品用銅合金材の製造方法。
  2. 前記(c)中間圧延段階及び(d)溶体化処理段階を必要によって繰り返し実施する、請求項1に記載の自動車及び電機電子部品用銅合金材の製造方法。
  3. 前記(f)析出処理段階前又は後、板状を校正する段階をさらに含む、請求項1に記載の自動車及び電機電子部品用銅合金材の製造方法。
  4. 前記(g)応力緩和段階後、スズ(Sn)、銀(Ag)、又はニッケル(Ni)メッキ段階をさらに含む、請求項1に記載の自動車及び電機電子部品用銅合金材の製造方法。
  5. 前記(g)応力緩和段階後に収得された銅合金材を板状、棒状又は管状に製造する段階をさらに含む、請求項1に記載の自動車及び電機電子部品用銅合金材の製造方法。
  6. 1.0重量%以下のリン(P)がさらに添加される、請求項1に記載の自動車及び電機電子部品用銅合金材の製造方法。
  7. 1.0重量%以下の亜鉛(Zn)がさらに添加される、請求項1に記載の自動車及び電機電子部品用銅合金材の製造方法。
  8. 1.0重量%以下のリン(P)及び1.0重量%以下の亜鉛(Zn)がさらに添加される、請求項1に記載の自動車及び電機電子部品用銅合金材の製造方法。
  9. 請求項1〜8のいずれか一項に記載の製造方法によって製造された、自動車及び電機電子部品用銅合金材。
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