JP2000249789A - 放射性物質輸送・保管容器に使用される銅合金 - Google Patents

放射性物質輸送・保管容器に使用される銅合金

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JP2000249789A
JP2000249789A JP11051718A JP5171899A JP2000249789A JP 2000249789 A JP2000249789 A JP 2000249789A JP 11051718 A JP11051718 A JP 11051718A JP 5171899 A JP5171899 A JP 5171899A JP 2000249789 A JP2000249789 A JP 2000249789A
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alloy
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plating
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JP11051718A
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Yosuke Miwa
洋介 三輪
Masaaki Isono
誠昭 磯野
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Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 十分な伝熱性能、強度、耐熱性、放射線遮蔽
能などを備え、放射性物質の輸送・保管容器の伝熱リブ
やフィン、さらに本体にも使用できる銅合金を得る。 【解決手段】 Ni:1.0〜10wt%、Si:0.
2〜2.5wt%を含有し、残部が実質的にCu及び不
可避不純物からなる銅合金。必要に応じてSn、Mn、
Al、Ag、In、Pt、Auの1種又は2種以上を総
量で0.001〜1.0wt%、Be、Mg、Ca、T
i、Cr、Zrの1種又は2種以上を総量で0.001
〜0.1wt%、Li、B、C、Na、Cd、Hfの1
種又は2種以上を総量で1.0wt%以下、Zn:5w
t%以下を適宜含有することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、使用済み核燃料な
どの放射性物質の輸送・保管容器に使用される材料に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】原子力発電所などから出る使用済み核燃
料などの放射性物質を輸送・保管するための容器とし
て、容器本体が、金属板材を筒状に形成すると共に積層
した構造からなる容器が、例えば特公平6−10335
9号公報、実公昭62−36159号公報、特開平9−
54192号公報などに提案されている。特公平6−1
03359号公報に提案されているものは、同公報の図
2及び図3に示されているように、容器本体を低炭素鋼
板材で所定厚さに構成することによって放射性物質から
放射されるγ線を遮蔽し、外部壁組立体を構成する中性
子遮蔽材によって中性子を遮蔽するとともに、中性子遮
蔽層を周方向に所定間隔で分割するように容器本体の外
面に放射状に設けた伝熱リブによって、容器本体内で発
生する放射性物質の崩壊熱などを効率的に外へ放熱する
ようになっている。
【0003】また、実公昭62−36159号公報に提
案のものは、胴壁(容器本体)が放射線遮蔽に有効な質
量を持つ板材を周部に円筒状に積層して構成され、さら
にこの胴壁の外面上に断熱兼緩衝材と放熱及び緩衝のた
めのフィンを設けて構成されている。さらに、特開平9
−54192号公報に提案のものは、容器本体を構成す
る積層した板材間に軟質で熱伝導性の優れる材料を介在
させることで、積層した板材間の密着性をあげ、結果、
崩壊熱を効率よく放熱するようにしている。
【0004】以上のように、放射性物質の輸送・保管容
器を設計する際には、収納する放射性物質が出す崩壊熱
を何らかの方法で効率よく放熱させることが必要であ
る。前記伝熱リブ、フィンには伝熱性能から、また、容
器本体の積層した板材間に介在させる材料には軟質性か
ら、銅又はアルミ合金が使用されることが多い。しか
し、銅又はアルミ合金では容器本体に使用するには強
度、耐熱性などが低すぎる。このため、容器本体は構造
的に別の方法で強度を保たせなくてはならず、構造重量
の増加、構造の複雑さ、ひいては製造コストの上昇につ
ながっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】伝熱性能の優れた材料
で容器本体の一部又は全部を構成することができれば、
容器自体の放熱性を上げられることから、放熱のために
付加的に設けられる伝熱リブ、フィンなどを簡素にする
か、又は廃することができ、容器構造体の簡素化、軽量
化及び製作コストを低減することができる。それに、材
料自体が放射線遮蔽能を持てば、容器本体により放射線
遮蔽層の一部を肩代りすることも可能となる。従って、
本発明の目的は、放射性物質の輸送・保管容器に設けら
れる伝熱リブ、フィンなどを構成する材料に使用しても
十分な伝熱性能を有し、かつ容器本体にも使用できるだ
けの強度及び耐熱性、さらには放射線遮蔽能などを備え
た材料を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は放射性物質輸送
・保管容器に使用される銅合金に係り、Ni:1.0〜
10wt%、Si:0.2〜2.5wt%を含有し、残
部が実質的にCu及び不可避不純物からなることを特徴
とする。この銅合金において、Ni及びSiの比率がN
i/Siで3〜6であることが望ましい。上記銅合金
は、さらに、Sn、Mn、Al、Ag、In、Pt、
Auの1種又は2種以上を総量で0.001〜1.0w
t%、Be、Mg、Ca、Ti、Cr、Zrの1種又
は2種以上を総量で0.001〜0.1wt%、L
i、B、C、Na、Cd、Hfの1種又は2種以上を総
量で1.0wt%以下、Zn:5wt%以下、以上
〜を単独あるいは適宜組み合わせて含有してもかまわ
ない。
【0007】上記銅合金における不可避不純物として、
P、O、H、S、Pb、Fe、Co、As、Se、Bi
及びその他の元素が挙げられるが、これらはP:0.0
5wt%以下、O:100ppm以下、H:10ppm
以下、S:50ppm以下、Pb:0.01wt%以
下、Fe、Coの1種又は2種を総量で0.1wt%以
下、As、Se、Biの1種又は2種以上を総量で0.
001wt%以下に規制し、さらに、その他の元素につ
いては、本発明合金の用途が放射性物質輸送・保管容器
であることに鑑み、0.1wt%以下に規制するのが望
ましい。また、上記銅合金は、その表面にクロム、ニッ
ケル、ニッケル合金、コバルト、コバルト合金、鉄、鉄
合金、銅、銀又は金のめっき層を、1層あたりの厚さが
0.3μm以上で1層以上施して使用することができ
る。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明に係る銅合金の組成を上記
の通りに規定した理由を以下に説明する。 <Ni量>Niには、Siとの化合物を形成し合金中に
析出することで、合金の強度及び耐熱性を確保する作用
がある。しかし、その含有量が1.0wt%未満である
と所望の強度及び耐熱性が得られず、一方、10wt%
を越える割合で含有させると合金中に粗大なNi−Si
析出物が形成されるようになり曲げ加工性が低下すると
ともに、製品の耐食性及び後述するめっきを施す際のめ
っき性の低下が著しくなり好ましくない。従って、Ni
含有量は1.0〜10wt%とする。
【0009】<Si量>Siは、Niとの化合物を生成
し合金中に析出して強度及び耐熱性を向上させる。Si
の含有量が0.2wt%未満の場合は、化合物の析出が
不十分であるため、所望の強度、耐熱性が得られない。
一方、Siの含有量が2.5wt%を越える場合には、
熱間加工時の加工性が低下するとともに、導電率の低下
が生じるため好ましくない。導電率は、熱伝導度と比例
関係にあるため導電率の低下は熱伝導度の低下となる。
従って、Siの含有量は0.2〜2.5wt%とする。
また、Siは中性子遮蔽能を有しているため、本発明合
金自体、上記Si含有量の範囲で中性子遮蔽能を有す
る。なお、中性子の遮蔽には、原子核との衝突により中
性子の運動エネルギーを低下させることが必須である。
この衝突は弾性的に生じるため原子量が1に近いほど中
性子のエネルギーを低下させる能力が高く、原子量が3
0以下の元素であれば、この中性子遮蔽能を有してい
る。
【0010】<Ni/Si比>Ni及びSiは、上述し
たように化合物を形成し合金中に析出することで、合金
の強度及び耐熱性を確保する作用がある。しかし、その
重量比率がNi/Siで3未満か又は6を越えた場合、
Ni−Si化合物として析出できないNi又はSiが合
金中に多量に固溶することとなり導電率を低下させる。
従って、Ni/Siの比率は3〜6の範囲が望ましい。
【0011】<Sn、Mn、Al、Ag、In、Pt、
Au量>Sn、Mn、Al、Ag、In、Pt、Au
は、合金中に固溶して強度を向上させる。また、Snは
一般腐食に対し、Mnは有機酸に対し、Alは塩水に対
し、Ag〜Auは一般酸に対し、それぞれ耐食性を飛躍
的に向上させる作用がある。さらにAlは原子量が30
以下であり、中性子遮蔽能も有する。上記元素の1種又
は2種以上の総量が0.001wt%未満の場合、上記
の効果が得られない。一方、1.0wt%を越える場合
には、Ni−Siの粗大析出を助長するため曲げ加工性
の低下が生じるとともに、後述するめっきのめっき密着
性も低下するため好ましくない。従って、これらの元素
を添加する場合は、1種又は2種以上の総量で0.00
1〜1.0wt%とする。
【0012】<Be、Mg、Ca、Ti、Cr、Zr量
>Be、Mg、Ca、Ti、Cr、Zrは、合金の強度
向上に寄与するとともに熱間加工性を改善する。このう
ちBe、Mg、Caは、合金の溶解鋳造中に不可避敵に
混入してくるSと結び付き、硫化物を形成してノロとし
て溶湯から除去される。その結果、熱間加工性を改善す
る。またTi、Cr、Zrは、鋳塊の結晶粒界に優先的
に析出することで粒界強度を上げ、熱間加工性を改善す
る。さらに、Be、Mgは上述したSi、Alなどのよ
うに原子量が30以下であり、原子核との衝突により中
性子の運動エネルギーを低下させ、中性子の遮蔽に寄与
する。この効果は、これらの元素の1種又は2種以上の
総量が0.001wt%以下では目に見えた効果が表れ
ない。一方、0.1wt%を越える場合には、導電率を
低下させるとともに後述するめっきのめっき性密着性を
低下させてしまう。従って、これらの元素を添加する場
合は、1種又は2種以上の総量で0.001〜0.1w
t%とする。
【0013】<Li、B、C、Na、Cd、Hf量>L
i、C、Naは、上述したAl等と同様に原子量が30
以下であるため、原子核との衝突により中性子の運動エ
ネルギーを低下させ、中性子の遮蔽に寄与する。また、
B、Cd、Hfは中性子を吸収する能力を有し、これも
中性子の遮蔽に寄与する。しかし、これらの元素は多量
に添加されると、導電率、熱間加工性及びめっき性を低
下させる。従って、これらの元素を添加する場合は、こ
れらの特性を阻害しない範囲、具体的には総量で1.0
wt%以下の範囲とする。
【0014】<Zn量>Znは少量であれば本発明合金
の作用を阻害しないため、含まれていても構わない。し
かし、Znが5wt%を越えてくると応力腐食の感受性
が急激に増大し、その結果、応力腐食を生じ易くなり好
ましくない。従って、仮にZnを添加する場合は、その
含有量は5wt%以下に規制する。
【0015】<不可避不純物量> (P)不可避不純物のうちPはNiとの化合物を形成し
合金中に析出する。Ni−P化合物はNi−Si化合物
よりも析出しやすいため、Ni、Si、Pの3者がある
場合、Ni−Pが優先的に析出するようになる。Pが
0.05wt%を越えてくるとNi−P化合物が析出し
てくるようになり、その結果、Ni−Si化合物の生成
が阻害され、Ni−Si化合物による強度向上が妨げら
れる。また、Ni−P化合物は粗大な析出物となりやす
いため、めっき性を低下させ、さらには曲げ加工性の低
下も生じる。従って、Pの含有量は0.05wt%以下
に規制する。
【0016】(O)OはSiと反応しやすい。Oが10
0ppmを越えた場合、Oと反応したSiは酸化物のノ
ロとなり鋳造時に鋳塊表面の巻き込みを生じやすくな
る。また、上述したNiとの化合物を形成できなくな
り、強度及び耐熱性の効果が得られない。従って、Oの
含有量は100ppm以下、好ましくは50ppm以
下、さらに好ましくは20ppm以下に規制する。 (H)O量が10ppm以上含有されている場合、H量
が10ppmを越えてくると鋳造時の冷却過程でOと結
び付いて水蒸気となり、この水蒸気が鋳塊中にブローホ
ール欠陥を生じてしまう。従って、Hの含有量は10p
pm以下、好ましくは4ppm以下、さらに好ましくは
2ppm以下に規制する。
【0017】(S、Pb、Fe、Co、As、Se、B
i)S、Pb、Fe、Co、As、Se、Biは、いず
れも熱間加工性を低下させる。それぞれ、Sが50pp
mを越えるか、Pbが0.01wt%を越えるか、F
e、Coの1種又は2種の総量が0.1wt%を越える
か、As、Se、Biのうち1種又は2種以上の総量が
0.001wt%を越える場合、熱間加工性を阻害し、
熱間圧延による製造を困難にする。従って、これらの元
素は上記の範囲以下に規制する。
【0018】(その他の不可避不純物)元素は、放射線
を照射されることによって新たな放射線源となる。これ
を放射化という。従って、不可避不純物として様々な元
素が含まれていた場合、放射化によって予測不可能な放
射線源が現れてくることになり好ましくない。その他の
不可避不純物量が0.1wt%を越えてくると、それが
無視できなくなる。このため、その他の不可避不純物量
は総量で0.1wt%以下に規制するべきである。
【0019】<めっき>本発明の銅合金にめっきを施す
ことで、さらなる耐食性の向上が可能となる。放射性物
質輸送・保管容器は、輸送中には雨風に曝される。また
保管中は、内装した放射性物質の崩壊熱を容器外へ逃が
すため水中に水没される。さらに、容器内部は中性子遮
蔽を目的とした水溶液、ゲル、樹脂などが封入される。
これらと接触する容器表面では耐食性も重要な要素であ
る。表面にクロム、ニッケル、ニッケル合金、コバル
ト、コバルト合金、鉄、鉄合金、銅、銀、金のめっき層
を1層以上施し、適切なめっき構成を選択することで上
述した物質との接触による腐食に対して飛躍的に強くな
る。また、この効果は、1層あたりのめっき厚さが0.
3μm以下では、放射性崩壊による容器温度の上昇によ
り母材の銅合金と合金層を形成してしまい、所定のめっ
き厚さが保てず耐食性の向上が見られなくなる。従っ
て、銅合金の表面に上記のめっき層を施す場合、1層あ
たりの厚さが0.3μm以上で1層以上施すのが望まし
い。
【0020】
【実施例】以下、本発明に係わる放射性物質輸送・保管
容器に使用される銅合金の実施例について説明する。 [実施例1]表1のNo.1〜16に示す組成の銅合金
(不可避不純物レベルは全て前記規定の範囲内)をクリ
プトル炉にて木炭被覆下で大気溶解し、ブックモールド
に鋳造して100mm×200mm×400mmの鋳塊
を作製した。この鋳塊を約900℃にて熱間圧延し、直
ちに水中急冷し、厚さ30mmの熱延材を作製した。こ
の熱延材の表面の酸化スケールを除去するため、軽く表
面切削した後、冷間圧延−熱処理を1回以上くり返し
て、厚さ5mm、幅200mmの条を作製した。また、
No.17、18は、同寸法の市販のりん脱酸銅及びA
l−Mn系のアルミニウム合金(JIS 5083)を
使用した。
【0021】
【表1】
【0022】得られた条について、強度、導電率、耐熱
温度、曲げ加工性、Niめっき密着性の試験を下記要領
で実施した。その結果を表2に示す。強度は、試験材か
らJIS5号試験片を加工して引張強さを測定し、導電
率はJIS H 0505に規定された方法に基づきダブ
ルブリッジを用いて測定した。耐熱温度は、種々の温度
で5分間加熱を行い、加熱前の硬さの80%以上を保持
できる最高温度を耐熱温度とした。曲げ加工性は、JI
S H 3130の方法で板厚と同等の曲げ半径を有する
90゜V曲げ治具を用いて加工した。加工後の曲げ部を
目視で観察し、クラックの有無で加工性を評価した。N
iめっき密着性は、スルファミン酸系のニッケル浴にて
20μmの厚さまでNiめっきを行い、JIS H 86
15の方法にて曲げ半径10mmの90゜往復曲げをし
た後、めっき剥離の有無を目視で観察し、めっき密着性
の評価とした。ただし、No.18はアルミニウムであ
るためNiめっきができていない。
【0023】
【表2】
【0024】各成分の含有量及びNi/Si比が規定を
満たすNo.1〜8は、強度、導電率、耐熱性、曲げ加
工性並びにめっきの密着性が良好である。一方、Ni量
が少ないNo.9及びSi量が少ないNo.11は、N
o.1〜8と比較して強度及び耐熱温度が低い。また、
Ni量が多いNo.10は曲げ加工により割れが発生す
るとともにNiめっき密着性で剥離を生じている。Si
量が多いNo.12は、熱間圧延性に劣り圧延途中で試
験材が割れたため材料調整ができなかった。Ni/Si
比が規定を満たさないNo.13、14は導電率が低く
なっている。さらに、Sn〜Auの1種又は2種以上の
総量が0.001wt%未満のNo.15は、これらが
添加されていないNo.1と強度及び耐熱温度が同等で
あり向上効果が見られない。また、これらの元素の総量
が1.0wt%以上であるNo.16は曲げ加工性及び
Niめっき密着性に劣り、導電率も低い。従来材である
No.17は強度及び耐熱性に、No.18は強度、導
電率、耐熱性に劣る。
【0025】[実施例2]表3のNo.19〜30に示
す組成の銅合金(表に記載のない不可避不純物は全て前
記規定の範囲内)について、[実施例1]と同じ手順で
溶解、鋳造、熱間圧延、水中急冷、表面切削、冷間圧延
−熱処理を行い、厚さ5mm、幅200mmの条を作製
した。得られた条について、[実施例1]と同じ要領で
強度、導電率、Niめっき密着性の試験を実施した。そ
の結果を表4に示す。
【0026】
【表3】
【0027】
【表4】
【0028】各成分の含有量及び不可避不純物レベルが
規定を満たすNo.19〜24は、強度、導電率、めっ
きの密着性が良好である。一方、Be〜Zrの1種又は
2種以上の総量が少ないNo.25は、規定量添加され
たNo.19より強度が劣る。Be〜Zrの1種又は2
種以上の総量が多いNo.26は、Niめっき密着性で
剥離を生じている。また、S量が多いNo.27、Pb
量が多いNo.28、Fe及びCoの1種又は2種の総
量が多いNo.29、As、Se、Biの1種又は2種
以上の総量が多いNo.30は、いずれも熱間圧延性に
劣り圧延途中で試験材が割れたため材料調整ができなか
った。
【0029】[実施例3]表5のNo.31〜37に示
す組成の銅合金(表に記載のない不可避不純物は全て前
記規定の範囲内)について、[実施例1]と同じ手順で
溶解、鋳造、熱間圧延、水中急冷、表面切削、冷間圧延
−熱処理を行い、厚さ5mm、幅200mmの条を作製
した。得られた条について、[実施例1]と同じ要領で
強度、導電率、曲げ加工性、Niめっき密着性の試験を
実施し、また下記要領でアンモニア応力腐食試験を実施
した。その結果を表6に示す。アンモニア応力腐食試験
は、トンプソン法による応力腐食割れ試験を行い、40
℃のアンモニア飽和蒸気中に暴露して50%の応力緩和
を生じる時間を測定した。
【0030】
【表5】
【0031】
【表6】
【0032】各成分の含有量及び不可避不純物レベルが
規定を満たすNo.31〜33は、強度、導電率、曲げ
加工性、めっきの密着性及びアンモニア応力腐食試験の
結果が良好である。一方、Zn量の多いNo.34は、
アンモニア応力腐食割れ性に劣るため短時間で応力緩和
している。P量の多いNo.35は、曲げ加工性及びめ
っき密着性に劣る。また、O量の多いNo.36は鋳塊
表面に巻き込み傷が多数発生し、H量の多いNo.37
は鋳塊内部にブローホールが多数発生したため、両者共
に材料調整ができなかった。
【0033】[実施例4]Cu−3.2Ni−0.7S
i−0.3Znの組成(不可避不純物レベルは全て前記
規定の範囲内)について、[実施例1]と同じ手順で溶
解、鋳造、熱間圧延、水中急冷、表面切削、冷間圧延−
熱処理を行い、厚さ5mm、幅200mmの条を作製し
た。この後、表7に示す各種めっきを施した。得られた
めっき付きの条について、崩壊熱による温度上昇を想定
した200℃×1000Hrの加熱を大気中にて行った
後に下記要領で塩水噴霧試験を実施した。その結果を表
7にあわせて示す。塩水噴霧試験は、JIS Z 237
1に基づき250Hr暴露した後、試験後の試料断面を
観察し最大腐食深さを測定した。
【0034】
【表7】
【0035】No.38〜45は、200℃×1000
Hrの加熱後においてもめっき層が存在するため塩水噴
霧試験での腐食深さがめっきを施していないベア材(N
o.47)よりも少なく耐食性に優れている。一方、め
っきが施されているがその厚さが薄いNo.46は、加
熱後にめっき層が母材と合金層を形成し、結果、めっき
層が消失しているため、その後の塩水噴霧試験において
腐食深さはめっきを施されていないベア材(No.4
7)と変わらず、めっきによる耐食性の向上が期待でき
ない。
【0036】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、放
射性物質輸送・保管容器に使用される材料として要求さ
れる強度、導電率、曲げ加工性などの特性を十分に確保
することができる。従って、放射性物質の輸送・保管容
器に設けられる伝熱リブ、フィンなどを構成する材料に
使用しても十分な伝熱性能を有する。また、十分な強度
を有することから容器本体の構造体の一部又は全部を肩
代わりすることが可能となる。その際には、容器自体の
放熱性を上げられるため放熱のために付加的に設けられ
る伝熱リブ、フィンなどを簡素にするか、又は廃するこ
とができ、さらに放射線遮蔽能も有するという利点があ
る。その結果、容器の構造体の簡素化、軽量化及び製作
コストの低減に寄与することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G21F 5/005 G21F 5/00 W 9/36 501

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Ni:1.0〜10wt%、Si:0.
    2〜2.5wt%を含有し、残部が実質的にCu及び不
    可避不純物からなることを特徴とする放射性物質輸送・
    保管容器に使用される銅合金。
  2. 【請求項2】 Ni及びSiの比率が、Ni/Siで3
    〜6であることを特徴とする請求項1に記載された放射
    性物質輸送・保管容器に使用される銅合金。
  3. 【請求項3】 さらにSn、Mn、Al、Ag、In、
    Pt、Auの1種又は2種以上を総量で0.001〜
    1.0wt%含有することを特徴とする請求項1又は2
    に記載された放射性物質輸送・保管容器に使用される銅
    合金。
  4. 【請求項4】 さらにBe、Mg、Ca、Ti、Cr、
    Zrの1種又は2種以上を総量で0.001〜0.1w
    t%含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか
    に記載された放射性物質輸送・保管容器に使用される銅
    合金。
  5. 【請求項5】 さらにLi、B、C、Na、Cd、Hf
    の1種又は2種以上を総量で1.0wt%以下含有する
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載された
    放射性物質輸送・保管容器に使用される銅合金。
  6. 【請求項6】 Zn:5wt%以下、P:0.05wt
    %以下、O:100ppm以下、H:10ppm以下、
    S:50ppm以下、Pb:0.01wt%以下、F
    e、Coの1種又は2種を総量で0.1wt%以下、A
    s、Se、Biの1種又は2種以上を総量で0.001
    wt%以下に規制することを特徴とする請求項1〜5の
    いずれかに記載された放射性物質輸送・保管容器に使用
    される銅合金。
  7. 【請求項7】 さらに、表面にクロム、ニッケル、ニッ
    ケル合金、コバルト、コバルト合金、鉄、鉄合金、銅、
    銀又は金のめっき層を1層あたりの厚さが0.3μm以
    上で1層以上施すことを特徴とする請求項1〜6のいず
    れかに記載された放射性物質輸送・保管容器に使用され
    る銅合金。
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