JP2019504495A - 巻回型コンデンサおよびその製造方法 - Google Patents

巻回型コンデンサおよびその製造方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、少なくとも1つの円筒部と、該円筒部の一端に配置される第1外部電極と、該円筒部の他端に配置される第2外部電極とを含む巻回型コンデンサであって、前記円筒部は、下部電極層と上部電極層とが少なくとも誘電体層をはさんで巻回されたものであり、前記第1外部電極は前記上部電極層に電気的に接続されており、前記第2外部電極は前記下部電極層に電気的に接続されており、前記第1外部電極と接続している部分における前記上部電極層の厚みが、該上部電極層の他の部分における厚みよりも大きく、かつ/または前記第2外部電極と接続している部分における前記下部電極層の厚みが、該下部電極層の他の部分における厚みよりも大きい、巻回型コンデンサを提供する。

Description

本発明は、コンデンサおよびその製造方法に関し、特に、巻回型コンデンサおよびその製造方法に関する。
近年、電子機器の高密度実装化に伴って、より高い静電容量を有し、かつより小型のコンデンサが求められている。このようなコンデンサとして、例えば、特許文献1には、一対の誘電体フィルムの表面に、それぞれ一側辺に沿ってマージン部が形成されるように金属材料を蒸着して金属化フィルムと成し、両金属化フィルムをそれぞれのマージン部が反対側に配されるように積層し、これを巻回してコンデンサ素子を形成すると共に、該コンデンサ素子の両端面に金属材料を溶射して外部電極を形成して成る金属化フィルムコンデンサにおいて、上記金属化フィルムは、金属粒子を核成長によって薄膜化させた薄膜成長部と、金属粒子を静電的相互作用によって吸着させた薄膜未成長部とを備え、該薄膜未成長部の一端側が上記マージン部と接すると共に、他端側が上記薄膜成長部と接するよう構成したことを特徴とする金属化フィルムコンデンサが開示されている。
また、特許文献2には、一対の金属化フィルムを重ねて巻回したコンデンサ素子に、酸化ケイ素、または酸化ケイ素とアルミナをコーティングした無機酸化物層を有するフィルムを巻回し、巻回端面に電極引出部を形成し、電極引出部に外部端子を接続してなることを特徴とする乾式金属化フィルムコンデンサが開示されている。
また、特許文献3には、基板上に積層体を作製する工程であって、積層体は、少なくとも2つの電気伝導層と、2つの電気伝導層管に配置される少なくとも1つの電気絶縁層とを有する、工程と、積層体の第1部分をその当初位置から離して移動させる工程であって、第1部分は積層体の縁部分を有する、工程と、第1部分を後方へ積層体の第2部分に向かって曲成する工程とを含む、コンデンサの製造方法が開示されている。
特開平9−162062号公報 特開2002−184642号公報 欧州特許出願公開第2023357号明細書
特許文献1および2に記載のコンデンサは、厚み数μmのフィルムを巻取機によって巻回する事によって製造されるので、コンデンサを小型化するのは困難であった。一方、特許文献3に記載の巻回型コンデンサは、外部の電気要素に接続するための電極端子が、巻回した第1電気伝導層および第2電気伝導層(以下、まとめて「電気伝導層」とも言う)の終端部に形成されているので、電極端子と電気伝導層の接続面積が小さく、電極抵抗が高くなってしまう。そのため、等価直列抵抗(ESR:Equivalent Series Resistance)が高くなり、100kHzを超える高周波領域まで静電容量を得ることが困難であるという問題がある。
本発明者は、下部電極層、誘電体層および上部電極層を含んで成る積層体を巻回することにより得られる円筒部の両端に、他の電気要素に接続するための一対の外部電極を設置することにより、ESRが小さく、高周波数領域であっても良好に使用することができる巻回型コンデンサが得られることを見出した。このような構成を有する巻回型コンデンサにおいては、下部電極層および/または上部電極層と外部電極との間の接合性を向上させて、高い信頼性を達成することが求められる。
本発明の目的は、下部電極層および/または上部電極層と外部電極との間の接合性が良好であり、高い信頼性を有する巻回型コンデンサおよびその製造方法を提供することにある。
本発明者は、外部電極と接続している部分における上部電極層の厚みを、上部電極層の他の部分における厚みよりも大きくし、かつ/または外部電極と接続している部分における下部電極層の厚みを、下部電極層の他の部分における厚みよりも大きくすることにより、下部電極層および/または上部電極層と外部電極との間の接合性を向上させることができることを見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明の第1の要旨によれば、少なくとも1つの円筒部と、円筒部の一端に配置される第1外部電極と、円筒部の他端に配置される第2外部電極とを含む巻回型コンデンサであって、
円筒部は、下部電極層と上部電極層とが少なくとも誘電体層をはさんで巻回されたものであり、
第1外部電極は上部電極層に電気的に接続されており、第2外部電極は下部電極層に電気的に接続されており、
第1外部電極と接続している部分における上部電極層の厚みが、上部電極層の他の部分における厚みよりも大きく、かつ/または第2外部電極と接続している部分における下部電極層の厚みが、下部電極層の他の部分における厚みよりも大きい、巻回型コンデンサが提供される。
本発明の第2の要旨によれば、基板上に犠牲層を形成する工程と、
少なくとも1つの円筒部を形成する工程であって、
・犠牲層の上に、下部電極層、上部電極層、および下部電極層と上部電極層との間にはさまれる誘電体層を少なくとも含む積層体を形成する工程と、
・犠牲層を除去することにより積層体を巻回させて円筒部を得る工程と
を含む工程と、
1以上の円筒部の一端に、上部電極層と電気的に接続するように第1外部電極を形成し、他端に、下部電極層と電気的に接続するように第2外部電極を形成する工程と
を含み、
積層体を形成する工程において、上部電極層の上に、第1外部電極と接続する部分にて付与部を形成し、かつ/または下部電極層の上に、第2外部電極と接続する部分にて付与部を形成する、巻回型コンデンサの製造方法が提供される。
本発明によれば、下部電極層および/または上部電極層と外部電極との間の接合性が良好であり、高い信頼性を有する巻回型コンデンサおよびその製造方法およびその製造方法が提供される。
図1(a)は、本発明の第1の実施形態に係る巻回型コンデンサの概略図であって、円筒部の中心軸に沿った断面図を示す。図1(b)は、図1(a)の巻回型コンデンサの分解斜視図である。図1(c)は、図1(a)の巻回型コンデンサの一変形例の概略断面図であって、円筒部の中心軸に沿った断面図を示す。 図2は、第1の実施形態に係る巻回型コンデンサの円筒部を構成する積層体の概略断面図であって、巻回方向に対して垂直な断面図を示す。 図3は、図2に示す積層体の第1の変形例の概略断面図であって、巻回方向に対して垂直な断面図を示す。 図4は、図2に示す積層体の第2の変形例の概略断面図であって、巻回方向に対して垂直な断面図を示す。 図5は、図2に示す積層体の第3の変形例の概略断面図であって、巻回方向に対して垂直な断面図を示す。 図6は、図2に示す積層体の第4の変形例の概略断面図であって、巻回方向に対して垂直な断面図を示す。 図7は、図2に示す積層体の第5の変形例の概略断面図であって、巻回方向に対して垂直な断面図を示す。 図8は、第2の実施形態に係る巻回型コンデンサの概略断面図であって、円筒部の中心軸に沿った断面図を示す。 図9(a)〜(f)は、実施例1に係る巻回型コンデンサの製造方法の一例を説明するための図である。 図10は、犠牲層の上に積層された実施例1における積層体の概略断面図であって、巻回方向に対して垂直な断面図を示す。 図11(a)〜(d)は、実施例1に係る巻回型コンデンサの製造方法の一例を説明するための図である。 図12は、犠牲層の上に形成された比較例1における積層体の概略断面図であって、巻回方向に対して垂直な断面図を示す。
以下、本発明の実施形態に係る巻回型コンデンサおよびその製造方法について、図面を参照して詳細に説明する。但し、本発明に係る巻回型コンデンサならびに各構成要素の形状および配置等は、以下に説明する実施形態および図示される構成に限定されるものではない。
[第1の実施形態]
本発明の第1の実施形態に係る巻回型コンデンサ1は、概略的には、図1(a)および図1(b)に示すように、少なくとも1つの円筒部2と、円筒部2の一端に配置される第1外部電極4と、円筒部2の他端に配置される第2外部電極6とを含む。第1外部電極4および第2外部電極6は、円筒部2の両端において互いに対向するように位置する。なお、円筒部2の「端」とは、円筒部2の中心軸と交わる端(または面)を意味する。巻回型コンデンサ1は、図1(c)に示すように樹脂部8を含んでもよい。この場合、円筒部2の両端以外の部分は樹脂部8に覆われている。円筒部2は、下部電極層12と上部電極層16とが少なくとも誘電体層14をはさんで巻回されたものである。円筒部2は、例えば、図2に示すような断面形状を有する積層体10を巻回することにより得ることができる。図2に示す積層体10において、下部電極層12、誘電体層14および上部電極層16が順に積層されている。なお、図2に示す積層体10において、下部電極層12の上に形成された付与部13の上に誘電体層14は積層されていないが、本発明はこのような構成に限定されるものではなく、この付与部13の上に誘電体層14が積層されてもよい。
図2に示すように、上部電極層16および存在する場合にはその上に形成された付与部13の上に、絶縁層18が積層されてよい。尤も、この絶縁層18は本実施形態において必須の構成要素ではなく、下部電極層12と上部電極層16とが電気的に接触する可能性がない場合には、必ずしも設置する必要はない。
図2に示すように、積層体10において、下部電極層12および上部電極層16は、一方の電極層の一端が他方の電極層と重ならないように配置される。このような積層体10を巻回することにより、下部電極層12と上部電極層16とが少なくとも誘電体層14をはさんで巻回された円筒部2を得ることができる。このような円筒部2において、第1外部電極4および第2外部電極6はそれぞれ、図2に示す積層体10の左および右に対応する位置に配置される。これにより、上部電極層16は、第1外部電極4に電気的に接続され、第2外部電極6から電気的に離隔される。同様に、下部電極層12は、第2外部電極6に電気的に接続され、第1外部電極4から電気的に離隔される。
本実施形態に係る巻回型コンデンサ1は、非常に小型にすることができ、例えば、円筒部2の直径は、100μm以下、好ましくは50μm以下、より好ましくは20μm以下であり得る。
本実施形態に係る巻回型コンデンサ1において、第1外部電極4と接続している部分における上部電極層16の厚みは、上部電極層16の他の部分における厚みよりも大きく、かつ/または第2外部電極と接続している部分における下部電極層12の厚みが、下部電極層12の他の部分における厚みよりも大きい。即ち、上部電極層16および下部電極層12の少なくとも一方において、外部電極と接続している部分における厚みが、他の部分における厚みよりも大きい。上部電極層16および/または下部電極層12の厚みは、例えば、図2に示すように、上部電極層16および/または下部電極層12の上に付与部13を形成することにより部分的に大きくすることができるが、本願発明はこれに限定されるものではない。なお、図2に示す積層体10において、下部電極層12および上部電極層16の両方の上に付与部13が形成されているが、本発明はこの構成に限定されず、下部電極層12の上のみに付与部13が形成されてよく、あるいは上部電極層16の上のみに付与部13が形成されてよい。このように、上部電極層16および下部電極層12の少なくとも一方において、外部電極と接続している部分における厚みを大きくすることにより、上部電極層16および/または下部電極層12と外部電極との接合性を向上させることができ、接合不良の発生を低減することができる。その結果、オープン故障の発生を抑制することができ、信頼性の高い巻回型コンデンサ1を得ることができる。また、巻回型コンデンサ1のESRを低減することができる。
更に、本実施形態に係る巻回型コンデンサ1は、積層体10における損傷の発生を抑制することができるという利点も有する。円筒部2は、後述するように、積層体10が積層体自体の内部応力により自己巻回することによって形成される。このとき、積層体10の厚みが相対的に小さい部分における巻回速度は、厚みが相対的に大きい部分における巻回速度よりも大きくなる。これは、積層体10の厚みが小さい部分における応力が、厚みの大きい部分における応力よりも大きいことと厚みが薄くなることで曲げ剛性が小さくなって曲がりやすくなることに起因する。このような巻回速度の差が生じることにより、積層体10に損傷が発生してしまうことがある。本実施形態に係る巻回型コンデンサ1は、上述のように付与部13を設けることにより、例えば図12に示す積層体10と比較して、積層体10における厚みの差を小さくすることができ、その結果、積層体10における損傷の発生を抑制することができる。
下部電極層12を構成する材料は、導電性であれば特に限定されず、例えば、Ni、Cu、Al、W、Ti、Ag、Au、Pt、Zn、Sn、Pb、Fe、Cr、Mo、Ru、Pd、Taおよびこれらの合金、例えばCuNi、AuNi、AuSn、ならびにTiN、TiAlN、TiON、TiAlON、TaN等の金属酸化物、金属酸窒化物等が挙げられる。
下部電極層12の上に、第2外部電極6と接続する部分にて付与部13を形成する場合、付与部13は、下部電極層12と同じ材料で構成されることが好ましい。
下部電極層12の厚みは、特に限定されるものではないが、例えば10nm以上50nm以下であることが好ましい。下部電極層12の厚みをより大きくすることにより、例えば50nmとすることによりESRをより低減することができる。また、下部電極層12の厚みをより小さくすることにより、例えば10nmとすることにより、円筒部2の直径をより小さくすることができ、巻回型コンデンサ1をより小型化することが可能になる。
下部電極層12の上に付与部13を形成する場合、付与部13の厚みは、下部電極層12の厚みの0.5倍以上であることが好ましく、誘電体層14の厚みを超えないことが好ましい。付与部13の厚みを下部電極層12の厚みの0.5倍以上とすることにより、下部電極層12と第2外部電極6との接合性をより一層向上させることができ、また、積層体10における損傷の発生をより一層低減することができる。また、付与部13の厚みが誘電体層14の厚みを超えないようにすることにより、短絡の発生を防止することができる。付与部13の厚みは、誘電体層14の厚みの0.8倍以下であることがより好ましい。
下部電極層12の形成方法は、特に限定されず、基板の上、または存在する場合には基板上に形成された下層(例えば、後述する犠牲層等)の上に直接形成してもよく、あるいは別途形成した下部電極層12を基板または下層に貼り付けることにより形成してもよい。基板または下部電極層の下の層上に下部電極層12を直接形成する方法としては、例えば、真空蒸着法、化学蒸着法、スパッタ法、原子層堆積(ALD:Atomic Layer Deposition)法、パルスレーザー堆積法(PLD:Pulsed Laser Deposition)等が挙げられる。
下部電極層12の上に付与部13を形成する場合、付与部13は、下部電極層12と同様の方法で形成することができる。
誘電体層14を構成する材料は、絶縁性であれば特に限定されず、例えば、ペロブスカイト型の複合酸化物、酸化アルミニウム(AlO:例えば、Al)、酸化ケイ素(SiO:例えば、SiO)、Al−Ti複合酸化物(AlTiO)、Si−Ti複合酸化物(SiTiO)、酸化ハフニウム(HfO)、酸化タンタル(TaO)、酸化ジルコニウム(ZrO)、Hf−Si複合酸化物(HfSiO)、Zr−Si複合酸化物(ZrSiO)、Ti−Zr複合酸化物(TiZrO)、Ti−Zr−W複合酸化物(TiZrWO)、酸化チタン(TiO)、Sr−Ti複合酸化物(SrTiO)、Pb−Ti複合酸化物(PbTiO)、Ba−Ti複合酸化物(BaTiO)、Ba−Sr−Ti複合酸化物(BaSrTiO)、Ba−Ca−Ti複合酸化物(BaCaTiO)、Si−Al複合酸化物(SiAlO)等の金属酸化物;窒化アルミニウム(AlN)、窒化ケイ素(SiN)、Al−Sc複合窒化物(AlScN)等の金属窒化物;または酸窒化アルミニウム(AlO)、酸窒化ケイ素(SiO)、Hf−Si複合酸窒化物(HfSiO)、Si−C複合酸窒化物(SiC)等の金属酸窒化物が挙げられる。なお、上記の式は、単に元素の構成を表現するものであり、組成を限定するものではない。即ち、O、NおよびCに付されたx、yおよびzは任意の値であってもよく、金属元素を含む各元素の存在比率は任意である。より高い静電容量を得るために、より高い誘電率を有するものが好ましい。高い誘電率を有する材料としては、例えばABO(AおよびBは任意の金属原子)で表されるペロブスカイト型の複合酸化物が挙げられ、好ましくは、チタン(Ti)を含むペロブスカイト型の複合酸化物(以下、「チタン(Ti)系ペロブスカイト型複合酸化物」とも言う)が挙げられる。好ましいTi系ペロブスカイト型複合酸化物として、BaTiO、SrTiO、CaTiO、(BaSr)TiO、(BaCa)TiO、(SrCa)TiO、Ba(TiZr)O、Sr(TiZr)O、Ca(TiZr)O、(BaSr)(TiZr)O、(BaCa)(TiZr)O、(SrCa)(TiZr)O等が挙げられる。このようなTi系ペロブスカイト型複合酸化物は、高い比誘電率を有するので、コンデンサの静電容量を大きくできる点で有利である。
誘電体層14の厚みは、特に限定されないが、例えば10nm以上100nm以下であることが好ましく、10nm以上50nm以下であることがより好ましい。誘電体層14の厚みを10nm以上とすることにより、絶縁性をより高めることができ、漏れ電流をより小さくすることが可能になる。また、誘電体層14の厚みを100nm以下とすることにより、より高い静電容量を得ることが可能になる。また、誘電体層14の厚みを100nm以下とすることにより、円筒部2の直径をより小さくすることができ、巻回型コンデンサ1をより小型化することが可能になる。
誘電体層14の形成方法は、特に限定されず、下部電極層12の上に直接形成してもよく、あるいは別途形成した誘電体層14を下部電極層12に貼り付けることにより形成してもよい。下部電極層12の上に誘電体層14を直接形成する方法としては、例えば、真空蒸着法、化学蒸着法、スパッタ法、ALD法、PLD法等が挙げられる。誘電体層の材料がペロブスカイト型複合酸化物である場合、誘電体層14は、好ましくはスパッタ法により形成される。
スパッタ法を用いて誘電体層14を形成する場合、500℃以上600℃以下の基板温度で製膜することが好ましい。このように高温で製膜することにより、得られる誘電体層14の結晶性が高まり、より高い比誘電率を得ることができる。このように高温で処理する場合、積層体10は、後述の拡散防止層25を有していることが好ましい。
上部電極層16を構成する材料は、導電性であれば特に限定されず、例えば、Ni、Cu、Al、W、Ti、Ag、Au、Pt、Zn、Sn、Pb、Fe、Cr、Mo、Ru、Pd、Taおよびそれらの合金、例えばCuNi、AuNi、AuSn、ならびにTiN、TiAlN、TiON、TiAlON、TaN等の金属酸化物、金属酸窒化物などが挙げられる。
上部電極層16の上に、第1外部電極4と接続する部分にて付与部13を形成する場合、付与部13は、上部電極層16と同じ材料で構成されることが好ましい。
上部電極層16の厚みは、特に限定されないが、例えば10nm以上50nm以下であることが好ましく、10nm以上30nm以下であることがより好ましい。上部電極層16の厚みをより大きくすることにより、例えば50nmとすることにより、ESRをより低減することができる。また、上部電極層16の厚みをより小さくすることにより、例えば30nm以下とすることにより、円筒部2の直径をより小さくすることができ、巻回型コンデンサ1をより小型化することが可能になる。
上部電極層16の上に付与部13を形成する場合、付与部13の厚みは、上部電極層16の厚みの0.5倍以上であることが好ましい。付与部13の厚みを上部電極層16の厚みの0.5倍以上とすることにより、上部電極層16と第1外部電極4との接合性をより一層向上させることができ、また、積層体10における損傷の発生をより一層低減することができる。また、後述する図7に示すように、上部電極層16の上に更に第2の誘電体層21および第3の電極層22が積層される場合、付与部13の厚みは、第2の誘電体層21の厚みを超えないことが好ましい。付与部13の厚みが第2の誘電体層21の厚みを超えないようにすることにより、短絡の発生を防止することができる。付与部13の厚みは、第2の誘電体層21の厚みの0.8倍以下であることがより好ましい。また、後述の図6に示すように、上部電極層16の上に第2の誘電体層21および第3の電極層22が積層されない場合、付与部13の厚みは、下部電極層12および上部電極層16の厚みの合計を超えないように設定することが好ましい。
上部電極層16の形成方法は、特に限定されず、誘電体層14の上に直接形成してもよく、あるいは別途形成した上部電極層16を誘電体層14に貼り付けることにより形成してもよい。誘電体層14の上に上部電極層16を直接形成する方法としては、例えば、真空蒸着法、化学蒸着法、スパッタ法、ALD法、PLD法が挙げられる。
上部電極層16の上に付与部13を形成する場合、付与部13は、下部電極層12と同様の方法で形成することができる。
絶縁層18は、積層体10を巻回した場合に、下部電極層12と上部電極層16とが電気的に接触して短絡することを防止するために設置されてよい。絶縁層18は、誘電体層としても機能し得る。絶縁層18を構成する材料は、絶縁性であれば特に限定されないが、上述の誘電体層14を構成する材料として挙げたものを用いることが好ましい。誘電体層14を構成する材料として挙げたものを用いることにより、この絶縁層18の誘電体層としての機能が高くなり、より高い静電容量を有するコンデンサを得ることができる。
絶縁層18の厚みは、下部電極層12(および存在する場合にはその上に形成された付与部13)と上部電極層16(および存在する場合にはその上に形成された付与部13)との間の絶縁性が確保される限り特に限定されないが、例えば10nm以上100nm以下であることが好ましく、10nm以上50nm以下であることがより好ましい。絶縁層18の厚みを10nm以上とすることにより、絶縁性をより高めることができ、漏れ電流をより小さくすることが可能になる。また、絶縁層18の厚みを100nm以下とすることにより、円筒部2の直径をより小さくすることができ、コンデンサをより小型化することが可能になる。
絶縁層18の形成方法は、特に限定されず、上部電極層16の上に直接形成してもよく、あるいは別途形成した絶縁層18を上部電極層16に貼り付けることにより形成してもよい。上部電極層16の上に絶縁層18を直接形成する方法としては、例えば、真空蒸着法、化学蒸着法、スパッタ法、ALD法、PLD法等が挙げられる。絶縁層の材料が、ペロブスカイト型複合酸化物である場合、絶縁層は、好ましくはスパッタ法により形成される。
第1外部電極4および第2外部電極6を構成する材料は、導電性であれば特に限定されないが、Ag、Cu、Pt、Ni、Al、PdおよびAu、ならびにこれらの合金、例えばモネル(Ni−Cu合金)等が挙げられる。
第1外部電極4および第2外部電極6の形成方法は、特に限定されないが、例えば、めっき、蒸着、スパッタ等の方法が挙げられる。
本実施形態に係る巻回型コンデンサ1において、円筒部2は、図1(c)に示すように樹脂部8に包埋されてよい。この場合、円筒部2の両端以外の部分は樹脂部8に覆われている。樹脂部8は、円筒部2を保護し、取り扱いを容易にするために設置される。また、樹脂部8を形成する樹脂は、円筒部2の内部に浸透していてもよい。このように円筒部2の内部にまで樹脂を含浸させることにより、円筒部2が樹脂により固められるので、コンデンサの特性がより安定する。なお、この樹脂部8は必須ではなく、存在しない場合であっても、本実施形態に係る巻回型コンデンサ1は機能し得る。
樹脂部8を構成する材料は、絶縁性であれば特に限定されず、アクリル系樹脂、エポキシ、ポリエステル、シリコーン、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ナイロン、ポリカーボネート、ポリブチレンテレフタレート等を用いることができる。また、樹脂部8は、強度を高めるために、フィラーとしての絶縁性物質を含んでいてもよい。
このような本実施形態に係る巻回型コンデンサは、上部電極層16および下部電極層12と外部電極との接続部における電極層の断面積が大きいので、ESRが小さく、高周波数領域であっても高い静電容量を得ることができる。また、本実施形態に係る巻回型コンデンサにおいては、電流が、円筒部の中心軸に沿った方向に直線的に流れるので、電流が巻回方向に沿ってコイル状に流れる従来の巻回型コンデンサと比較して、高周波数領域での使用に適している。
図3に、本実施形態における積層体10の第1の変形例を示す。図3に示すように、下部電極層12の下に、更に拡散防止層25が積層されてよい。拡散防止層25を設置することにより、巻回型コンデンサの製造時に、後述する犠牲層を構成する成分が下部電極層12に拡散することを抑制することができる。なお、後述する図6に示すように、下部電極層12の下に更に第2の絶縁層20が積層される場合、拡散防止層25は、第2の絶縁層20の下に積層されてよい。
拡散防止層25を構成する材料は、特に限定されないが、好ましくは、酸化アルミニウム(AlO:例えば、Al)、酸化ケイ素(SiO:例えば、SiO)、Al−Ti複合酸化物(AlTiO)、Si−Ti複合酸化物(SiTiO)、酸化ハフニウム(HfO)、酸化タンタル(TaO)、酸化ジルコニウム(ZrO)、Hf−Si複合酸化物(HfSiO)、Zr−Si複合酸化物(ZrSiO)、Ti−Zr複合酸化物(TiZrO)、Ti−Zr−W複合酸化物(TiZrWO)、酸化チタン(TiO)、Sr−Ti複合酸化物(SrTiO)、Pb−Ti複合酸化物(PbTiO)、Ba−Ti複合酸化物(BaTiO)、Ba−Sr−Ti複合酸化物(BaSrTiO)、Ba−Ca−Ti複合酸化物(BaCaTiO)、Si−Al複合酸化物(SiAlO)、Sr−Ru複合酸化物(SrRuO)、Sr−V複合酸化物(SrVO)等の金属酸化物;窒化アルミニウム(AlN)、窒化ケイ素(SiN)、Al−Sc複合窒化物(AlScN)、窒化チタン(TiN)等の金属窒化物;または酸窒化アルミニウム(AlO)、酸窒化ケイ素(SiO)、Hf−Si複合酸窒化物(HfSiO)、Si−C複合酸窒化物(SiC)等の金属酸窒化物が挙げられ、特に、AlOおよびSiOが好ましい。なお、上記の式は、単に元素の構成を表現するものであり、組成を限定するものではない。即ち、O、NおよびCに付されたx、yおよびzは任意の値であってもよく、金属元素を含む各元素の存在比率は任意である。
拡散防止層25の厚みは、特に限定されないが、例えば5nm以上30nm以下であることが好ましく、5nm以上10nm以下であることが更に好ましい。拡散防止層25の厚みを5nm以上とすることにより、犠牲層を構成する成分の拡散をより効果的に抑制することができる。更に、拡散防止層25が絶縁性材料から形成されている場合、絶縁性を高めることができ、漏れ電流を小さくすることが可能になる。また、拡散防止層25の厚みを30nm以下、特に10nm以下とすることにより、円筒部2の直径をより小さくすることができ、コンデンサをより小型化することが可能になる。更に、より大きな静電容量を有する巻回型コンデンサを得ることが可能になる。
拡散防止層25を形成する方法としては、例えば、真空蒸着法、化学蒸着法、スパッタ法、ALD法、PLD法等が挙げられるが、好ましくはALD法が用いられる。ALD法は、層を構成する原料を含む反応ガスにより原子層を一層ずつ堆積させて膜を形成するので、非常に均質で緻密な膜を形成することができる。ALD法により犠牲層上に拡散防止層25を形成することによって、犠牲層を構成する成分が他の層、例えば下部電極層12に拡散することを効果的に抑制できる。また、ALD法により形成された拡散防止層25は、非常に薄く均質で緻密であるので、拡散防止層25が絶縁性材料から形成されている場合、漏れ電流が小さく高絶縁性の膜とすることができる。なお、ALD法により形成される膜は主に非晶質であるため、その組成は化学量論比に限定されず、種々の組成比率で構成され得る。
拡散防止層25が絶縁性材料から形成される場合、積層体10の巻回により得られる円筒部2において、拡散防止層25が上部電極層16と下部電極層12との電気的接触を防止することができるので、上述の絶縁層18は設置しなくてよい。
図4に、本実施形態における積層体10の第2の変形例を示す。図4に示すように、拡散防止層25と下部電極層12との間に、更に密着層26が積層されてよい。密着層26は、拡散防止層25および下部電極層12に対して密着性を有し、積層体10において下部電極層12が剥離することを防止する機能を有する。なお、後述する図6に示すように、下部電極層12の下に更に第2の絶縁層20が積層される場合、密着層26は、第2の絶縁層20と拡散防止層25との間に積層されてよい。
密着層26を構成する材料として、例えば、酸化チタン(TiO)、酸化クロム(CrO)が挙げられる。
密着層26の形成方法は、特に限定されず、その下に存在する層(例えば、犠牲層等)の上に直接形成してもよく、あるいは別途形成した密着層26を、その下に存在する層の上に貼り付けることにより形成してもよい。密着層26を、その下に存在する層の上に直接形成する方法としては、例えば、真空蒸着法、化学蒸着法、スパッタ法、ALD法、PLD法等が挙げられる。
図5に、本実施形態における積層体10の第3の変形例を示す。図5に示すように、誘電体層14と上部電極層16との間、および/または誘電体層14と下部電極層12との間に、更に界面層27が積層されてよい。界面層27は、ショットキー接合による漏れ電流を抑制する機能を有する。なお、後述する図6に示すように、下部電極層12の下に更に第2の絶縁層20が積層される場合、第2の絶縁層20と下部電極層12との間に更に界面層27が積層されてもよい。また、後述する図7に示すように、上部電極層16の上に更に第2の誘電体層21および第3の電極層22が順に積層される場合、第2の誘電体層21と上部電極層16との間、および/または第2の誘電体層21と第3の電極層22との間に界面層27が積層されてもよい。
図5に示す積層体10において、上部電極層16およびその上に形成された付与部13の上に、絶縁層18が積層されているが、この絶縁層18は本実施形態において必須の構成要素ではなく、下部電極層12と上部電極層16とが電気的に接触する可能性がない場合には、必ずしも設置する必要はない。
界面層27を構成する材料として、誘電体層の材料に応じて、適当な金属を適宜用いることができる。
界面層27の形成方法は、特に限定されず、その下に存在する層の上に直接形成してもよく、あるいは別途形成した界面層27を、その下に存在する層の上に貼り付けることにより形成してもよい。界面層27を、その下に存在する層の上に直接形成する方法としては、例えば、真空蒸着法、化学蒸着法、スパッタ法、ALD法、PLD法が挙げられる。
図6に、本実施形態における積層体10の第4の変形例を示す。図6に示すように、下部電極層12の下に、更に別の絶縁層(第2の絶縁層20とも言う)が積層されてよい。このように第2の絶縁層20を積層した場合、積層体10の巻回により得られる円筒部2において、第2の絶縁層20が上部電極層16と下部電極層12との電気的接触を防止することができるので、上述の絶縁層18は設置しなくてよい。なお、図6に示す変形例において、上部電極層16の上および下部電極層12の上に付与部13が形成されているが、本発明はこのような構成に限定されるものではなく、上部電極層16の上および下部電極層12の上のいずれか一方のみに付与部13が形成されてもよい。第2の絶縁層20は、誘電体層としても機能し得る。
第2の絶縁層20を構成する材料は、上述の誘電体層14を構成する材料として挙げたものと同様のものであってよい。また、第2の絶縁層20を形成する方法は、上述の誘電体層14を形成する方法として挙げた方法と同様のものであってよい。図6に示す積層体10は、構成要素が少ないので、積層体全体の厚みを小さくすることができ、積層体10の曲げ剛性が小さくなる。その結果、円筒部2の径を小さくすることができるという利点を有する。
図7に、本実施形態における積層体10の第5の変形例を示す。図7に示すように、上部電極層16の上に、更に別の誘電体層(第2の誘電体層21とも言う)および別の電極層(第3の電極層22とも言う)が順に積層されている。なお、図7に示す積層体は、3つの電極層12、16および22ならびにその間に配置された誘電体層14および21を含むが、本発明はこのような構成に限定されるものではなく、4以上の電極層およびその間に配置された誘電体層を含んでもよい。図7に示す積層体10において上部電極層16の上に配置された付与部13の上に第2の誘電体層21は積層されていないが、本発明はこのような構成に限定されるものではなく、この付与部13の上に第2の誘電体層21が積層されてもよい。第3の電極層22は、下部電極層12と同様に、上部電極層16と完全には重ならないように設置され、第2外部電極6に電気的に接続され、第1外部電極4から電気的に離隔される。このように第2の誘電体層21および第3の電極層22を積層した場合、積層体10の巻回により得られる円筒部2において、上部電極層16と下部電極層12との電気的接触を防止することができるので、上述の絶縁層18は設置しなくてよい。なお、図7に示す変形例において、上部電極層16の上および下部電極層12の上に付与部13が形成されているが、本発明はこのような構成に限定されるものではなく、上部電極層16の上および下部電極層12の上のいずれか一方のみに付与部13が形成されてもよい。更に、図7に示す変形例において、第3の電極部22の上に付与部は形成されていないが、本発明はこのような構成に限定されるものではなく、第3の電極部22の上に付与部が形成されてよい。図7に示す積層体10は、下部電極層12と第3の電極層22とを有することにより、確実に2層分(誘電体層14および第2の誘電体層21)の容量を取得できるという利点を有する。
第2の誘電体層21を構成する材料は、上述の誘電体層14を構成する材料として挙げたものと同様のものであってよい。また、第2の誘電体層21を形成する方法は、上述の誘電体層14を形成する方法として挙げた方法と同様のものであってよい。
第3の電極層22を構成する材料は、上述の下部電極層12を構成する材料として挙げたものと同様のものであってよい。また、第3の電極層22を形成する方法は、上述の下部電極層12を形成する方法として挙げた方法と同様のものであってよい。
本発明に係る巻回型コンデンサは、上述の実施形態に限定されるものではなく、コンデンサとしての機能を発揮し得る限り、種々の改変が可能である。例えば、同じ層を複数有していてもよく、また、更なる層を有していてもよい。
次に、本発明の第1の実施形態に係る巻回型コンデンサの製造方法を以下に説明するが、本発明に係る巻回型コンデンサの製造方法は、以下に説明する方法に限定されるものではない。
本実施形態に係る巻回型コンデンサは、概略的には、
基板上に犠牲層を形成する工程と、
少なくとも1つの円筒部を形成する工程であって、
・犠牲層の上に、下部電極層、上部電極層、および下部電極層と上部電極層との間にはさまれる誘電体層を少なくとも含む積層体を形成する工程と、
・犠牲層を除去することにより積層体を巻回させて円筒部を得る工程と
を含む工程と、
1以上の円筒部の一端に、上部電極層と電気的に接続するように第1外部電極を形成し、他端に、下部電極層と電気的に接続するように第2外部電極を形成する工程と
を含む方法により製造することができる。上述の積層体を形成する工程において、上部電極層の上に第1外部電極と接続する部分にて付与部を形成し、かつ/または下部電極層の上に前記第2外部電極と接続する部分にて付与部を形成する。このように付与部を形成することにより、下部電極層および/または上部電極層と外部電極との間の接合性を向上させることができる。更に、積層体における損傷の発生を抑制することも可能である。本実施形態に係る巻回型コンデンサは、より詳細には、以下のように製造される。
まず、基板を準備する。
基板を構成する材料は、特に限定されないが、犠牲層の成膜に悪影響を及ぼさず、犠牲層の除去に用いるエッチング液に対して安定な材料が好ましい。このような材料としては、例えば、シリコン、シリカ、マグネシア等が挙げられる。
次に基板上に犠牲層を形成する。
犠牲層を構成する材料は、下記の積層体を形成した後に、例えばエッチング処理等により除去することができる材料であれば特に限定されないが、高温においても比較的安定であることから、酸化ゲルマニウムが好ましい。
犠牲層の厚みは、特に限定されないが、例えば5nm以上100nm以下、好ましくは10nm以上30nm以下である。
犠牲層の形成方法は、特に限定されず、直接基板上に形成してもよく、あるいは別途形成した膜を基板に貼り付けることにより形成してもよい。直接基板上に形成する方法としては、例えば、真空蒸着法、化学蒸着法、スパッタ法、PLD法等が挙げられる。
また、犠牲層は、基板上に前駆体層を形成し、これを処理することにより得てもよい。例えば、基板上に金属層を形成し、これを酸化することにより、犠牲層を形成してもよい。
次に、犠牲層の上に、下部電極層、上部電極層、および下部電極層と上部電極層との間にはさまれる誘電体層を少なくとも含む積層体を形成する。積層体を形成する工程は、下部電極層、誘電体層および上部電極層を上述の方法で順に形成することを含んでよい。なお、積層体は、1つの基板上に1つである必要はなく、1つの基板上に複数の積層体を同時に形成してもよい。また、巻回型コンデンサが、その他の層、例えば絶縁層、拡散防止層、密着層、第2の誘電体層、第3の電極層等を含む場合は、これらの層を所望の箇所に形成して積層体を製造すればよい。
具体的には、例えば、本実施形態に係る巻回型コンデンサの製造方法は、上部電極層および存在する場合にはその上に形成された付与部の上に、絶縁層を形成する工程を含んでよい。また、下部電極層を形成する前に、拡散防止層を形成する工程を含んでよい。拡散防止層を形成する工程を含む場合、拡散防止層と下部電極層の間に、密着層を形成する工程を含んでよい。また、誘電体層と上部電極層との間、および/または誘電体層と下部電極層との間に、界面層を形成する工程を含んでよい。
更に、下部電極層を形成する前に、別の絶縁層(第2の絶縁層)を形成する工程を含んでよい。更に、上部電極層上に別の誘電体層(第2の誘電体層)および別の電極層(第3の電極層)を形成する工程を含んでよい。
上述の積層体を形成する工程において、上部電極層の上に第1外部電極と接続する部分にて、上述の方法で付与部を形成し、かつ/または下部電極層の上に前記第2外部電極と接続する部分にて、上述の方法で付与部を形成する。積層体が、上部電極層および下部電極層に加えて追加の電極層(第3の電極層等)を含む場合、追加の電極層の上に付与部を形成してもよい。
上述の積層体は、下部電極層および上部電極層が、例えば図2に示すように、下部電極層および上部電極層の一端が他方の電極層と重ならないように形成される。このような構造を有する積層体は、例えば、メタルマスク(金属性マスク)を用いて製造することができ、あるいはフォトリソグラフィー技術を用いることにより製造することができる。
上述の積層体は、積層体全体として、下部電極層から上部電極層に向かう方向の内部応力を有する。このような内部応力は、積層体の下方の層、例えば下部電極層に引張応力を与え、および/または積層体の上方の層、例えば上部電極層に圧縮応力を与えることにより生じさせることができる。好ましくは、積層体は、下部電極層が引張応力を有し、かつ、上部電極層が圧縮応力を有するように形成される。当業者であれば、層に引張応力または圧縮応力を与えるために、層の材料および形成方法を適宜選択することができる。
積層体が下部電極層から上部電極層に向かう方向の内部応力を有することにより、基板から解放された積層体は、その応力により曲成し、自己巻回することが可能になる。
次に、上述のようにして得られた積層体を、犠牲層を除去することにより巻回する。
犠牲層の除去方法は、特に限定されないが、エッチング溶液により犠牲層をエッチングする方法が好ましい。例えば、積層体の巻回を開始する箇所の犠牲層または基板を、エッチング等により露出させ、そこからエッチング溶液を流し込み、犠牲層をエッチングすることにより、犠牲層を除去することができる。
エッチング溶液は、犠牲層および積層体を構成する層を構成する材料に応じて適宜選択することができ、例えば、犠牲層がGeOから形成されている場合、好ましくは過酸化水素水が用いられる。
犠牲層は、積層体の一端から徐々に除去される。積層体は、犠牲層が除去された部分から順に基板から離れ、その内部応力によって曲成して巻回し、円筒部が形成される。円筒部における巻回数は特に限定されず、1回であっても、複数回であってもよく、得られる巻回型コンデンサに求められる大きさ(径)および静電容量に応じて適宜選択することができる。
次に、得られた円筒部の両端に、第1外部電極および第2外部電極を、上記した方法、例えばめっきにより形成する。
このようにして、本実施形態に係る巻回型コンデンサを得ることができる。
本実施形態に係る巻回型コンデンサの製造方法は、更に、第1外部電極および第2電極を形成する前に、円筒部の樹脂固めを行う工程を含むことが好ましい。具体的には、例えば、積層体を巻回して円筒部を得た後、樹脂を基板に流し込み、基板上の円筒部を樹脂中に浸漬させてよい。好ましくは、浸漬は、円筒部の内部にまで樹脂が含浸するのに十分な時間行われる。
次いで、樹脂を硬化させて、所望の形状、例えば直方体状に切り出し、円筒部の両端に対応する面から、例えば研磨することにより、上部電極層および下部電極層を露出させる。次いで、上部電極層および下部電極層が露出した面にそれぞれ、第1外部電極および第2外部電極を形成することにより、円筒部が樹脂部に包埋された巻回型コンデンサを得ることができる。
[第2の実施形態]
次に、本発明の第2の実施形態に係る巻回型コンデンサについて、図8を参照して以下に説明する。なお、第2の実施形態では第1の実施形態と共通の事柄についての記述を省略し、異なる点についてのみ説明する。特に、同様の構成による同様の作用効果については本実施形態においては逐次言及しないが、特段の説明がない限り、第2の実施形態に係る巻回型コンデンサは、第1の実施形態に係る巻回型コンデンサと同様の作用効果を奏するものとする。第2の実施形態に係る巻回型コンデンサは、並列に配置された2以上の円筒部2を含む以外は、第1の実施形態に係る巻回型コンデンサと同様の構成を有する。本明細書において、「2以上の円筒部が並列に配置される」とは、2以上の円筒部の中心軸が互いに平行になるように配置されることを意味する。なお、図8に示す巻回型コンデンサ1は、2つの円筒部2を含むが、本発明はこのような構成に限定されるものではなく、3以上の円筒部を含んでよい。上述の2以上の円筒部2はそれぞれ、その一端に第1外部電極4が配置され、他端に第2外部電極6が配置される。2以上の円筒部2はそれぞれ、下部電極層、誘電体層および上部電極層を含み、第1外部電極4は各々の上部電極層に電気的に接続されており、第2外部電極6は各々の下部電極層に電気的に接続されている。本実施形態に係る巻回型コンデンサ1の形状は特に限定されるものではなく、例えば、平板型のコンデンサであってよい。
本実施形態に係る巻回型コンデンサは、並列に配置された2以上の円筒部2を含むので、同じ長さの円筒部を1つのみ含む巻回型コンデンサと比較して、より高い静電容量を取得することができる。また、円筒部を1つのみ含む巻回型コンデンサと比較して、円筒部の長さが1/2である2つの円筒部が並列に配置された巻回型コンデンサは、同等の静電容量を有すると同時に、ESRを低減することができ、更に、より高波長の領域まで静電容量を取得することができる。
第2の実施形態に係る巻回型コンデンサは、第1の実施形態に係る巻回型コンデンサと同様の方法で製造することができ、樹脂固めを行う工程において、並列に配置された2以上の前記円筒部の樹脂固めを行うことにより、製造してよい。
[実施例1]
以下に説明する手順で、実施例1の巻回型コンデンサを作製した。
(犠牲層パターンの形成)
基板32として、直径4インチ(10.16cm)の円形のSi単結晶基板を準備した(図9(a))。基板32上に、スパッタ法を用いて厚み50nmのGe層を全面に形成した。得られたGe層を、N/O雰囲気下、150℃の温度で酸化させることにより、GeOからなる犠牲層34を形成した(図9(b))。犠牲層34の上に、ポジ型のフォトレジスト36を全面に塗布した(図9(c))。次いで、所定のパターンを有するマスクを介して紫外線露光し、現像して未硬化部分を除去し、犠牲層34の上に短冊状の硬化したフォトレジストが配列したフォトレジストパターン38を形成した(図9(d))。この基板32を、過酸化水素水を含むエッチング液に浸漬して、硬化したフォトレジストパターン38が形成された部分以外の犠牲層34を除去した(図9(e))。次いで、アセトンを用いて硬化したフォトレジストパターン38を除去し、幅500μm、長さ1mmの短冊状の犠牲層が配列した犠牲層パターン40を形成した(図9(f))。
(積層体の形成)
上述の手順で得られた基板上に、幅500μm、長さ1mmの短冊状のパターンが配列された金属製マスクを置き、犠牲層パターン40の上に、第2の絶縁層20としてSiO層、下部電極層12としてPt層を順にそれぞれ1層ずつ形成した。次いで、金属製マスクを、短冊状パターンの長辺に対して垂直な方向に50μmずらし、誘電体層14としてSiO層、上部電極層16としてPt層を順にそれぞれ1層ずつ形成した。SiO層はALD法により230℃の温度で形成し、Pt層はスパッタリング法により230℃の温度で形成した。SiO層(誘電体層14および第2の絶縁層20)の厚みは50nm、Pt層(下部電極層12および上部電極層16)の厚みは25nmであった。下部電極層12と上部電極層16とは、平面視において互いに重なっていない領域が幅方向に50μmずつ存在した。
上述のようにSiO層およびPt層が形成された基板上に、幅50μm、長さ1mmの短冊状のパターンが配列された別の金属製マスクを置き、スパッタリング法または蒸着法を用いて、下部電極層12および上部電極層16の上にそれぞれ、付与部13としてPt層を形成した。Pt層(付与部13)の厚みは25nmであった。このようにして、図10に示すような断面形状を有する矩形の積層体10が犠牲層パターン40の上に形成された。
(円筒部の形成(巻回工程))
このようにして得られた積層体10を複数配列した基板32(図11(a))の全面に、フォトレジスト42を塗布し(図11(b))、パターニングを行って、積層体10の一方の短辺側のフォトレジスト42を除去した。次いで、フォトレジスト42を除去した箇所を、フッ酸水溶液を用いてエッチングして、積層体10の一部を除去し、犠牲層40を露出させた(図11(c))。次いで、フォトレジスト42を除去し(図11(d))、犠牲層40が露出した部分に、過酸化水素水を供給し、積層体10の一方の短辺側から徐々に犠牲層40をエッチングした。犠牲層40のエッチングに従って積層体10が巻回した。このような手順により、直径が50μm、長さが500μmの円筒部2(コンデンサ素体)を作製した。
(樹脂部の形成(樹脂固め工程))
上述のようにコンデンサ素体が形成された基板の外縁部にダムを造り、ダムの内部にエポキシ樹脂を流し込み、コンデンサ素体をエポキシ樹脂で浸した。次いで、真空加熱によってエポキシ樹脂中の空気を除き、コンデンサ素体に樹脂を5分間含浸させた。その後、基板を150℃のオーブンにて一昼夜保存して、エポキシ樹脂を熱硬化させた。硬化したエポキシ樹脂および基板を室温付近まで急冷し、基板と樹脂との応力差によって、コンデンサ素体を含む樹脂を剥離させた。次いで、樹脂の剥離部に更にエポキシ樹脂を塗布し、同様に熱硬化させてコンデンサ素体を封止した。
(外部電極の形成)
上述の手順で得られたコンデンサ素体を含む樹脂を、各コンデンサ素体を含む単位にダイサーでカットし、次いで、コンデンサ素体の両端にある樹脂部を研磨して、一方の端面において下部電極層を露出させ、他方の端面において上部電極層を露出させた。この端面(露出面)に、電解めっき(Niめっき)により第1外部電極4および第2外部電極6をそれぞれ形成して、上部電極層16と第1外部電極4とを接続し、下部電極層12と第2外部電極6とを接続した。このようにして得られた実施例1の巻回型コンデンサ1は、図1(c)に示すような断面形状を有した。
[比較例1]
付与部13を形成しなかった以外は実施例1と同様の手順で、比較例1の巻回型コンデンサを作製した。比較例1において使用した積層体10は、図12に示すような断面形状を有した。なお、図12は、犠牲層パターン40の上に形成された積層体10の断面を示している。
(静電容量およびESRの測定)
上述の実施例1および比較例1の巻回型コンデンサをそれぞれ30個ずつ準備した。各々の巻回型コンデンサに1〜100MHz、100mVの交流電圧を印加し、静電容量C、tanδ、抵抗rを測定した。測定したC、tanδおよびrの値を用いて、下記式

ESR=r+tanδ/ωC

によりESRを算出した。その結果、実施例1については、30個全ての巻回型コンデンサにおいて、1〜100MHzの全周波数領域で1nFの容量を取得することができた。また、30個全ての巻回型コンデンサにおいて、測定したC、tanδ、rの値からESR=r+tanδ/ωCの式から、100MHzでのESRを計算した。ESRは5Ω(100MHz)であった。以上の結果より、実施例1の巻回型コンデンサにおいて、上部電極層と第1外部電極との間、および下部電極層と第2外部電極との間の接続が良好に形成されていることが確認された。
一方、比較例1については、30個の巻回型コンデンサのうち、20個のみにおいて、1〜100MHzの周波数領域で1nFの容量を取得することができた。残りの10個の巻回型コンデンサにおいては、容量の取得ができなかった。容量の取得ができた20個のサンプルのESRは10Ωであった。以上の結果より、比較例1の巻回型コンデンサにおいて、上部電極層と第1外部電極との間、および下部電極層と第2外部電極との間に接続不良が発生したと考えられる。
[実施例2]
以下に説明する手順で、実施例2の巻回型コンデンサを作製した。まず、下部電極層12、上部電極層18、誘電体層14および第2の絶縁層20を形成するのに用いた金属製マスクの短冊状パターンの幅を250μmにした以外は実施例1と同様の手順で、直径が50μm、長さが250μmの円筒部2(コンデンサ素体)を作製した。このように形成したコンデンサ素体を、基板上に並列に2本配列した。この基板にダムを造り、ダムの内部にエポキシ樹脂を流し込み、コンデンサ素体をエポキシ樹脂で浸した。次いで、真空加熱によってエポキシ樹脂中の空気を除き、コンデンサ素体に樹脂を5分間含浸させた。その後、基板を150℃のオーブンにて一昼夜保存して、エポキシ樹脂を熱硬化させた。硬化したエポキシ樹脂および基板を室温付近まで急冷し、基板と樹脂との応力差によって、コンデンサ素体を含む樹脂を剥離させた。次いで、樹脂の剥離部に更にエポキシ樹脂を塗布し、同様に熱硬化させてコンデンサ素体を封止した。上述の手順で得られたコンデンサ素体を含む樹脂を、コンデンサ素体の断面に沿ってダイサーでカットし、次いで、コンデンサ素体の両端にある樹脂部を研磨して、一方の端面において下部電極層を露出させ、他方の端面において上部電極層を露出させた。この端面(露出面)に、電解めっきにより第1外部電極および第2外部電極をそれぞれ形成して、上部電極層と第1外部電極とを接続し、下部電極層と第2外部電極とを接続した。このようにして得られた実施例2の巻回型コンデンサは、図8に示すような断面形状を有した。
(静電容量およびESRの測定)
上述の実施例2の巻回型コンデンサを30個準備し、各々の巻回型コンデンサについて、実施例1および比較例1と同様の手順で静電容量測定およびESR測定を行った。その結果、30個全ての巻回型コンデンサにおいて、実施例1と同様に全周波数領域で1nFの容量を取得することができた。また、30個全ての巻回型コンデンサについて、ESRは2.5Ωであった。
本発明のコンデンサは、小型で静電容量が大きく、かつ高い信頼性を有するので、種々の電子機器において好適に用いられる。
1 巻回型コンデンサ
2 円筒部
4 第1外部電極
6 第2外部電極
8 樹脂部
10 積層体
12 下部電極層
13 付与部
14 誘電体層
16 上部電極層
18 絶縁層
20 第2の絶縁層
21 第2の誘電体層
22 第3の電極層
25 拡散防止層
26 密着層
27 界面層
32 基板
34 犠牲層
36 フォトレジスト
38 フォトレジストパターン
40 犠牲層パターン
42 フォトレジスト

Claims (16)

  1. 少なくとも1つの円筒部と、該円筒部の一端に配置される第1外部電極と、該円筒部の他端に配置される第2外部電極とを含む巻回型コンデンサであって、
    前記円筒部は、下部電極層と上部電極層とが少なくとも誘電体層をはさんで巻回されたものであり、
    前記第1外部電極は前記上部電極層に電気的に接続されており、前記第2外部電極は前記下部電極層に電気的に接続されており、
    前記第1外部電極と接続している部分における前記上部電極層の厚みが、該上部電極層の他の部分における厚みよりも大きく、かつ/または前記第2外部電極と接続している部分における前記下部電極層の厚みが、該下部電極層の他の部分における厚みよりも大きい、巻回型コンデンサ。
  2. 前記円筒部は、少なくとも下部電極層、誘電体層および上部電極層を順に積層した積層体が巻回されたものであり、
    前記積層体において、前記下部電極層の下に、更に拡散防止層が積層されている、請求項1に記載の巻回型コンデンサ。
  3. 前記拡散防止層と前記下部電極層との間に、更に密着層が積層されている、請求項2に記載の巻回型コンデンサ。
  4. 前記円筒部は、少なくとも下部電極層、誘電体層および上部電極層を順に積層した積層体が巻回されたものであり、
    前記積層体において、前記誘電体層と前記上部電極層との間、および/または前記誘電体層と前記下部電極層との間に、更に界面層が積層されている、請求項1〜3のいずれか1項に記載の巻回型コンデンサ。
  5. 前記円筒部は、少なくとも下部電極層、誘電体層および上部電極層を順に積層した積層体が巻回されたものであり、
    前記積層体において、前記下部電極層の下に、更に絶縁層が積層されている、請求項1〜4のいずれか1項に記載の巻回型コンデンサ。
  6. 前記円筒部は、少なくとも下部電極層、誘電体層および上部電極層を順に積層した積層体が巻回されたものであり、
    前記積層体において、前記上部電極層の上に、更に別の誘電体層および別の電極層が順に積層されている、請求項1〜5のいずれか1項に記載の巻回型コンデンサ。
  7. 前記円筒部が樹脂部に包埋されている、請求項1〜6のいずれか1項に記載の巻回型コンデンサ。
  8. 並列に配置された2以上の前記円筒部を含む、請求項7に記載の巻回型コンデンサ。
  9. 基板上に犠牲層を形成する工程と、
    少なくとも1つの円筒部を形成する工程であって、
    ・前記犠牲層の上に、下部電極層、上部電極層、および下部電極層と上部電極層との間にはさまれる誘電体層を少なくとも含む積層体を形成する工程と、
    ・前記犠牲層を除去することにより前記積層体を巻回させて円筒部を得る工程と
    を含む工程と、
    前記1以上の円筒部の一端に、前記上部電極層と電気的に接続するように第1外部電極を形成し、他端に、前記下部電極層と電気的に接続するように第2外部電極を形成する工程と
    を含み、
    前記積層体を形成する工程において、前記上部電極層の上に、前記第1外部電極と接続する部分にて付与部を形成し、かつ/または前記下部電極層の上に、前記第2外部電極と接続する部分にて付与部を形成する、巻回型コンデンサの製造方法。
  10. 前記積層体を形成する工程が、前記下部電極層、前記誘電体層および前記上部電極層を順に形成することを含み、
    更に、前記下部電極層を形成する前に、拡散防止層を形成する工程を含む、請求項9に記載の方法。
  11. 前記積層体を形成する工程が、前記下部電極層、前記誘電体層および前記上部電極層を順に形成することを含み、
    更に、前記拡散防止層と前記下部電極層の間に、密着層を形成する工程を含む、請求項10に記載の方法。
  12. 前記積層体を形成する工程が、前記下部電極層、前記誘電体層および前記上部電極層を順に形成することを含み、
    更に、前記誘電体層と上部電極層との間、および/または前記誘電体層と前記下部電極層との間に、界面層を形成する工程を含む、請求項9〜11のいずれか1項に記載の方法。
  13. 前記積層体を形成する工程が、前記下部電極層、前記誘電体層および前記上部電極層を順に形成することを含み、
    更に、前記下部電極層を形成する前に、絶縁層を形成する工程を含む、請求項9〜12のいずれか1項に記載の方法。
  14. 前記積層体を形成する工程が、前記下部電極層、前記誘電体層および前記上部電極層を順に形成することを含み、
    更に、前記上部電極層上に別の誘電体層および別の電極層を順に形成する工程を含む、請求項9〜13のいずれか1項に記載の方法。
  15. 更に、前記第1外部電極および前記第2外部電極を形成する前に、前記円筒部の樹脂固めを行う工程を含む、請求項9〜14のいずれか1項に記載の方法。
  16. 前記樹脂固めを行う工程において、並列に配置された2以上の前記円筒部の樹脂固めを行う、請求項15に記載の方法。
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