6.発明を実施するための形態
6.1定義
本明細書で使用される場合、「化合物1」という用語は、以下の構造を有する2−(4−クロロフェニル)−N−((2−(2,6−ジオキソピペリジン−3−イル)−1−オキソイソインドリン−5−イル)メチル)−2,2−ジフルオロアセトアミド:
及びその互変異性体を指す。
本明細書で使用される場合、かつ別途指定されない限り、「固体形態」という用語及び関連用語は、主に液体または気体状態ではない物理的形態を指す。本明細書で使用される場合、かつ別途指定されない限り、「固体形態」という用語及び関連用語は、化合物1を指すために本明細書で使用される場合、主に液体または気体状態ではない化合物1を含む物理的形態を指す。固体形態は、結晶性、非晶質、またはそれらの混合物であり得る。具体的な実施形態では、固体形態は、液体結晶である。化合物1を含む「単一成分」固体形態は、化合物1から本質的になる。化合物1を含む「複数成分」固体形態は、固体形態内にイオン及び/または分子等の有意量の1つ以上の追加の種を含む。化合物1を含む複数成分固体形態には、化合物1の共結晶、溶媒和物(例えば、水和物)、及びクラスレートが含まれる。具体的な実施形態では、「化合物1を含む固体形態」という用語及び関連用語には、化合物1を含む単一成分及び複数成分固体形態が含まれる。具体的な実施形態では、「化合物1を含む固体形態」及び関連用語には、化合物1を含む結晶形態、化合物1を含む非晶質形態、及びそれらの混合物が含まれる。
本明細書で使用される場合、かつ別途指定されない限り、本明細書で使用される「結晶性」という用語及び関連用語は、別途指定されない限り、化合物、物質、修飾物、材料、成分、または生成物を説明するために使用される場合、その化合物、物質、修飾物、材料、成分、または生成物が、X線回折によって決定されるように実質的に結晶性であることを意味する。例えば、Remington:The Science and Practice of Pharmacy,21st edition,Lippincott,Williams and Wilkins,Baltimore,MD(2005);The United States Pharmacopeia,23rded.,1843−1844(1995)を参照されたい。
本明細書で使用される場合、かつ別途指定されない限り、本明細書における「結晶形態」及び「結晶性形態」という用語、ならびに関連用語は、結晶性の固体形態を指す。結晶形態には、単一成分結晶形態及び複数成分結晶形態が含まれ、多形体、溶媒和物、水和物、及び/または他の分子複合体が含まれる。ある特定の実施形態では、物質の結晶形態は、非晶質形態及び/または他の結晶形態を実質的に含まない場合がある。ある特定の実施形態では、物質の結晶形態は、重量ベースで、約1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、または50%未満の1つ以上の非晶質形態及び/または他の結晶形態を含み得る。ある特定の実施形態では、物質の結晶形態は、物理的及び/または化学的に純粋であり得る。ある特定の実施形態では、物質の結晶形態は、物理的及び/または化学的に約99%、98%、97%、96%、95%、94%、93%、92%、91%、または90%純粋であり得る。
本明細書で使用される場合、かつ別途指定されない限り、本明細書における「多形体」及び「多形形態」という用語、ならびに関連用語は、同じ分子、複数の分子、及び/またはイオンから本質的になる2つ以上の結晶形態を指す。異なる結晶形態と同様に、異なる多形体は、結晶格子内の分子及び/またはイオンの配置または立体構造の結果として、例えば、溶融温度、融解熱、溶解度、溶解特性、及び/または振動スペクトル等の異なる物理的特性を有し得る。物理的特性の相違は、保管安定性、圧縮性及び密度(製剤及び製品製造に重要である)、ならびに溶解速度(バイオアベイラビリティに重要な因子)等の薬学的パラメータに影響を及ぼし得る。安定性の相違は、化学的反応性(例えば、剤形がある多形体から成る場合に別の多形体から成る場合よりも迅速に変色するような示差的酸化)もしくは機械的変化(例えば、動力学的に好ましい多形体として保管時に粉々に砕ける錠剤が熱力学的により安定した多形体に変わる)、またはこれらの両方(例えば、ある多形体の錠剤が高湿度で崩壊の影響をより受けやすい)の変化に起因し得る。溶解度/溶解の相違の結果として、極端な場合には、いくつかの個体状態遷移により、効力の欠如、またはその一方で毒性がもたらされ得る。加えて、物理的特性は、加工時に重要であり得る(例えば、ある多形体が溶媒和物を形成する可能性がより高い場合があるか、または不純物を含まない濾過及び洗浄が困難であり得、粒子形状及びサイズ分布が多形体間で異なり得る)。
本明細書で使用される場合、かつ別途指定されない限り、「溶媒和物」及び「溶媒和物」という用語は、溶媒を含む物質の結晶形態を指す。「水和物」及び「水和」という用語は、溶媒が水を含む溶媒和物を指す。「溶媒和物の多形体」とは、特定の溶媒和物組成物の1つより多くの結晶形態の存在を指す。同様に、「水和物の多形体」とは、特定の水和物組成物の1つより多くの結晶形態の存在を指す。「脱溶媒和溶媒和物」という用語は、本明細書で使用される場合、溶媒を溶媒和物から除去することによって調製され得る物質の結晶形態を指す。
本明細書で使用される場合、かつ別途指定されない限り、本明細書で使用される「非晶質」及び「非晶質形態」という用語、ならびに関連用語は、問題の物質、成分、または生成物が、X線回折によって決定されるように実質的に結晶性ではないことを意味する。具体的には、「非晶質形態」という用語は、不規則な固体形態、すなわち、長範囲の結晶性秩序を欠く固体形態を説明する。ある特定の実施形態では、物質の非晶質形態は、他の非晶質形態及び/または結晶形態を実質的に含まない。他の実施形態では、物質の非晶質形態は、重量ベースで、約1%、2%、3%、4%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、または50%未満の1つ以上の他の非晶質形態及び/または結晶形態を含み得る。ある特定の実施形態では、物質の非晶質形態は、物理的及び/または化学的に純粋であり得る。ある特定の実施形態では、物質の非晶質形態は、物理的及び/または化学的に約99%、98%、97%、96%、95%、94%、93%、92%、91%、または90%純粋である。
「互変異性体」は、互いに平衡状態にある、化合物の異性体形態を指す。異性体形態の濃度は、化合物が見出される環境に応じて異なり、例えば、当該化合物が固体であるか、または有機溶液もしくは水溶液中にあるのかどうかに応じて異なり得る。例えば、水溶液において、ピラゾールは、以下の異性体形態を示し得、これらは、互いの互変異性体と称される。
当業者に容易に理解されるように、多種多様な官能基及び他の構造が、互変異性を示し得、化合物1のすべての互変異性体は、本発明の範囲内にある。
結晶形態及び非晶質形態を特徴付けるための技法としては、熱重量分析(TGA)、示差走査熱量測定(DSC)、X線粉末回折法(XRPD)、単結晶X線回折法、振動分光法、例えば、赤外(IR)及びラマン分光法、固体状態及び溶液核磁気共鳴(NMR)分光法、光学顕微鏡法、高熱期光学顕微鏡法、走査電子顕微鏡法(SEM)、電子線結晶学及び定量分析、粒径分析(PSA)、表面積分析、溶解度測定、溶解測定、元素分析、ならびにカール・フィッシャー分析が挙げられるが、これらに限定されない。特徴的な単位セルパラメータは、X線回折及び中性子回折、例えば、単結晶回折及び粉末回折等であるが、これらに限定されない1つ以上の技法を使用して決定され得る。粉末回折データの分析に有用な技法には、リートベルト精密化等のプロファイル精密化が含まれ、これを使用して、例えば、1つより多くの固相を含む試料中の単相に関連する回折ピークを分析することができる。粉末回折データの分析に有用な他の方法には、単位セル指標付けが含まれ、これにより、当業者が結晶性粉末を含む試料から単位セルパラメータを決定することが可能になる。
本明細書で使用される場合、かつ別途指定されない限り、「約」及び「およそ」という用語は、特定の固体形態を特徴付けるために提供される数値または値の範囲、例えば、DSCまたはTGA熱事象(例えば、溶融、脱水、脱溶媒和、またはガラス転移事象等を含む)を説明する特定の温度または温度範囲;質量変化、例えば、温度または湿度の関数としての質量変化等;例えば、質量または割合の観点からの溶媒または水含有量;または例えば、IRもしくはラマン分光法もしくはXRPDによる分析等におけるピーク位置に関連して使用される場合、その特定の固体形態を依然として説明する一方で、その値または値の範囲が、当業者に妥当であるとみなされる程度に逸脱し得ることを示す。例えば、具体的な実施形態では、「約」及び「およそ」という用語は、この文脈で使用される場合、かつ別途指定されない限り、数値または値の範囲が、列挙される値または値の範囲の25%、20%、15%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1.5%、1%、0.5%、または0.25%以内で変動し得ることを示す。
本明細書で使用される場合、かつ別途指定されない限り、「実質的に純粋である」、例えば、他の固体形態及び/または他の化学的化合物を実質的に含まない、特定の結晶形態または非晶質形態を含む試料は、具体的な実施形態では、約25重量%、20重量%、15重量%、10重量%、9重量%、8重量%、7重量%、6重量%、5重量%、4重量%、3重量%、2重量%、1重量%、0.75重量%、0.5重量%、0.25重量%、または0.1重量%未満の1つ以上の他の固体形態及び/または他の化学的化合物を含む。
本明細書で使用される場合、かつ別途指定されない限り、1つ以上の他の固体形態及び/または他の化学的化合物を「実質的に含まない」試料または組成物とは、組成物が、具体的な実施形態では、約25重量%、20重量%、15重量%、10重量%、9重量%、8重量%、7重量%、6重量%、5重量%、4重量%、3重量%、2重量%、1重量%、0.75重量%、0.5重量%、0.25重量%、または0.1重量%未満の1つ以上の他の固体形態及び/または他の化学的化合物を含むことを意味する。
本明細書で使用される場合、「患者」という用語は、哺乳動物、特にヒトを指す。
本明細書で使用される場合、「有害作用」としては、胃腸、腎臓、及び肝臓毒性、白血球減少症、出血時間の増加(例えば、血小板減少症による)、ならびに妊娠期間の延長、嘔気、嘔吐、眠気、無力症、目まい、催奇形性、錐体外路症状、静座不能、心血管障害等の心臓毒性、炎症、男性性的機能不全、及び血清肝臓酵素レベルの上昇が挙げられるが、これらに限定されない。「胃腸毒性」という用語には、胃潰瘍及び腸潰瘍ならびに胃びらん及び腸びらんが含まれるが、これらに限定されない。「腎臓毒性」という用語には、乳頭壊死及び慢性間質性腎炎等の状態が含まれるが、これらに限定されない。
本明細書で使用される場合、かつ別途示されない限り、「有害作用を軽減または回避する」及び「有害作用の軽減または回避」という語句は、本明細書に定義される1つ以上の有害作用の重症度の軽減を意味する。
本明細書で使用される場合、かつ別途指定されない限り、「治療する」、「治療すること」、及び「治療」という用語は、疾患もしくは障害、または疾患もしくは障害に関連する1つ以上の症状の根絶または緩和を指す。ある特定の実施形態では、これらの用語は、疾患または障害の蔓延または悪化(かかる疾患または障害を有する患者への1つ以上の予防薬または治療薬の投与に起因する)を最小限に抑えることを指す。いくつかの実施形態では、これらの用語は、特定の疾患の症状の発現後の他の追加の活性薬剤を伴うまたは伴わない本明細書に提供される化合物の投与を指す。
本明細書で使用される場合、かつ別途指定されない限り、「予防する」、「予防すること」、及び「予防」という用語は、疾患もしくは障害、またはそれらの1つ以上の症状の発現、再発、または蔓延の予防を指す。ある特定の実施形態では、これらの用語は、特に本明細書に提供される疾患または障害の危険性がある患者への症状の発現前の他の追加の活性化合物を伴うまたは伴わない本明細書に提供される化合物での治療またはその投与を指す。これらの用語は、特定の疾患の症状の抑制または軽減を包含する。特にある疾患の家族歴を有する患者は、ある特定の実施形態では、予防レジメンの候補である。加えて、症状再発の病歴を有する患者も、予防の有力候補である。この関連で、「予防」という用語は、「予防的治療」という用語と同義に使用され得る。
本明細書で使用される場合、かつ別途指定されない限り、「管理する」、「管理すること」、及び「管理」という用語は、疾患もしくは障害、またはそれらの1つ以上の症状の進行、蔓延、または悪化の予防または遅延を指す。多くの場合、患者が予防薬及び/または治療薬から得る有益な効果は、疾患または障害の治癒をもたらさない。この関連で、「管理すること」という用語は、疾患の再発を予防または最小限に抑えるための特定の疾患に罹患していた患者の治療を包含する。
本明細書で使用される場合、かつ別途指定されない限り、化合物の「治療上有効な量」とは、疾患もしくは障害の治療及び/もしくは管理に治療的利点を提供するか、または疾患もしくは障害に関連する1つ以上の症状を遅延させるもしくは最小限に抑えるのに十分な量である。化合物の治療上有効な量とは、単独での、または疾患もしくは障害の治療もしくは管理に治療的利点を提供する他の療法と組み合わせた治療薬の量を意味する。「治療上有効な量」という用語は、全体的な療法を改善するか、疾患もしくは障害の症状もしくは病因を軽減もしくは回避するか、または別の治療薬の治療効力を増強する量を包含し得る。
本明細書で使用される場合、かつ別途指定されない限り、化合物の「予防的に有効な量」とは、疾患もしくは障害を予防するか、またはその再発を予防するのに十分な量である。化合物の予防的に有効な量とは、単独での、または疾患の予防に予防的利点を提供する他の薬剤と組み合わせた治療薬の量である。「予防的に有効な量」という用語は、全体的な予防法を改善するか、または別の予防薬の予防効力を増強する量を包含する。
本明細書で使用される場合、「腫瘍」という用語は、悪性または良性にかかわらず、すべての腫瘍性細胞成長及び増殖、ならびにすべての前癌性及び癌性細胞及び組織を指す。「腫瘍性」は、本明細書で使用される場合、悪性または良性にかかわらず、細胞に異常な成長をもたらす、調節されていない細胞または制御されていない細胞成長の任意の形態を指す。したがって、「腫瘍性細胞」には、調節されていないまたは制御されていない細胞成長を有する悪性及び良性細胞が含まれる。
本明細書で使用される場合、「血液悪性腫瘍」は、体内の血液形成及び免疫系−骨髄及びリンパ組織のがんを指す。かかるがんには、白血病、リンパ腫(非ホジキンリンパ腫)、ホジキン病(ホジキンリンパ腫とも呼ばれる)、及び骨髄腫が含まれる。一実施形態では、骨髄腫は、多発性骨髄腫である。いくつかの実施形態では、白血病は、例えば、急性骨髄性白血病(AML)、急性リンパ球性白血病(ALL)、成人T細胞白血病、慢性リンパ球性白血病(CLL)、有毛細胞性白血病、骨髄異形成、骨髄増殖性障害、慢性骨髄性白血病(CML)、骨髄異形成症候群(MDS)、ヒトリンパ向性ウイルス1型(HTLV−1)白血病、肥満細胞症、またはB細胞急性リンパ芽球性白血病である。いくつかの実施形態では、リンパ腫は、例えば、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、B細胞免疫芽球性リンパ腫、小非切断細胞リンパ腫、ヒトリンパ向性ウイルス1型(HTLV−1)白血病/リンパ腫、成人T細胞リンパ腫、末梢T細胞リンパ腫(PTCL)、皮膚T細胞リンパ腫(CTCL)、マントル細胞リンパ腫(MCL)、ホジキンリンパ腫(HL)、非ホジキンリンパ腫(NHL)、AIDS関連リンパ腫、濾胞性リンパ腫、小リンパ球性リンパ腫、T細胞/組織球リッチ大細胞型B細胞リンパ腫、変形性リンパ腫、縦隔原発(胸腺)大細胞型B細胞リンパ腫、脾性辺縁帯リンパ腫、リヒターの変換、節性辺縁帯リンパ腫、またはALK陽性大細胞型B細胞リンパ腫である。一実施形態では、血液癌は、例えば、DLBCL、濾胞性リンパ腫、または辺縁帯リンパ腫を含む緩慢性リンパ腫である。
「白血病」という用語は、血液形成組織の悪性腫瘍を指す。白血病としては、慢性リンパ球性白血病、慢性骨髄球性白血病、急性リンパ芽球性白血病、急性骨髄性白血病、及び急性骨髄芽球性白血病が挙げられるが、これらに限定されない。白血病は、従来の療法に対して再発性、難治性、または抵抗性であり得る。
「骨髄異形成症候群」という用語は、血液の細胞成分(赤血球、白血球(リンパ球以外)、及び血小板(もしくはそれらの前駆細胞、巨核球))のうちの1つ以上の生成における異常を特徴とする血液学的状態を指し、これには、不応性貧血(RA)、環状鉄芽球を伴うRA(RARS)、過剰な芽細胞を有するRA(RAEB)、多血球系異形成を伴う不応性血球減少症(RCMD)、単一血球系統の異形成を伴う不応性血球減少症(RCUD)、未分類骨髄異形成症候群(MDS−U)、単離されたdel(5q)の染色体異常に関連する骨髄異形成症候群、療法関連骨髄性腫瘍、及び慢性骨髄単球性白血病(CMML)が含まれる。
本明細書で使用される場合、「前骨髄球性白血病」または「急性前骨髄球性白血病」は、細胞の骨髄細胞系における成熟血液細胞の欠損及び過剰な前骨髄球と呼ばれる未成熟細胞が存在する骨髄の悪性腫瘍を指す。それは、通常、15番及び17番染色体の領域の交換を特徴とする。
本明細書で使用される場合、「急性リンパ球性白血病(ALL)」、別名、「急性リンパ芽球性白血病」は、初期の非顆粒状白血球、またはリンパ球の異常な増殖及び発達により引き起こされた悪性疾患を指す。
本明細書で使用される場合、「T細胞白血病」は、Tリンパ球またはT細胞と呼ばれるリンパ系のある特定の細胞が悪性である疾患を指す。T細胞は、通常、ウイルス感染細胞、外来細胞、及びがん細胞を攻撃し、免疫応答を調節する物質を生成することができる白血球である。
「再発した」という用語は、療法後に白血病の寛解があった患者において、骨髄に白血病細胞の復帰及び正常な血液細胞の減少がある状況を指す。
「不応性または抵抗性」という用語は、集中的な治療の後でさえも、患者が自身の骨髄に残存白血病細胞を有する状況を指す。
「共投与」及び「組み合わせて」という用語は、2つの治療剤(例えば、本明細書に提供される化合物及び別の抗がん剤)を、同時に、一斉に、または特定の時間制限なく連続して投与することを含む。一実施形態では、両方の薬剤は、細胞内または患者の体内に同時に存在するか、または生物学的もしくは治療効果を同時に発揮する。一実施形態では、2種の治療薬剤は、同じ組成物または単位剤形中にある。別の実施形態では、2種の治療薬剤は、別の組成物または単位剤形中にある。
「サポートケア剤」という用語は、化合物1の固体形態での治療からの有害作用を治療、予防、及び/または管理する任意の物質を指す。
「生物学的療法」という用語は、臍帯血、幹細胞、成長因子等の生物学的治療剤の投与を指す。
本明細書で使用される場合、全生存(OS)は、臨床試験におけるランダム化から任意の原因による死亡までの時間を意味する。本明細書で使用される場合、無増悪生存率(PFS)は、臨床試験におけるランダム化から進行または死亡までの時間を意味する。本明細書で使用される場合、無事象生存(EFS)は、研究登録から、疾患の増悪を含む任意の治療の失敗、任意の理由における治療の中止、または死亡までの時間を意味する。本明細書で使用される場合、全奏功率(ORR)は、完全及び部分的な応答を達成する患者の割合の合計を意味する。本明細書で使用される場合、奏功期間(DoR)は、応答の達成から再発または疾患の増悪までの時間である。
「抗がん剤」とは、代謝拮抗薬(例えば、5−フルオロ−ウラシル、メトトレキサート、フルダラビン)、抗微小管剤(例えば、ビンクリスチン、ビンブラスチン等のビンカアルカロイド;パクリタキセル、ドセタセル等のタキサン)、アルキル化剤(例えば、シクロホスファミド、メルファラン、カルマスティン、ビスクロロエチルニトロソ尿素及びヒドロキシ尿素等のニトロソ尿素)、プラチナ製剤(例えば、シスプラチン、カルボプラチン、オキサリプラチン、JM−216、またはサトラプラチン、CI−973)、アントラサイクリン(例えば、ドキソルビシン、ダウノルビシン)、抗腫瘍抗生物質(例えば、マイトマイシン、イダルビシン、アドリアマイシン、ダウノマイシン)、トポイソメラーゼ阻害剤(例えば、エトポシド、カンプトセシン)、抗血管新生剤(例えば、Sutent(登録商標)、ベバシズマブ)、もしくは任意の他の細胞毒性剤(リン酸エストラムスチン、プレドニムスチン)、ホルモン剤もしくはホルモンアゴニスト、アンタゴニスト、部分アゴニストもしくは部分アンタゴニスト、キナーゼ阻害剤、チェックポイント阻害剤、及び放射線治療を指す。
本明細書で使用される「組成物」という用語は、特定成分を含む生成物(示される場合特定量で)、ならびに特定量の特定成分の組み合わせから直接または間接的に得られる任意の生成物を包含するよう意図されている。「薬学的に許容される」とは、希釈剤、賦形剤、または担体が製剤の他の成分と適合性がなくてはならず、そのレシピエントに有害であってはならないことを意味する。
示される構造とその構造に与えられた名称との間に矛盾がある場合、示される構造に重きが与えられることに留意されたい。加えて、構造または構造の一部の立体化学が、例えば、太字または破線で示されていない場合、その構造またはその構造の一部は、そのすべての立体異性体を包含するものと解釈されるものとする。
本開示は、化合物1、2−(4−クロロフェニル)−N−((2−(2,6−ジオキソピペリジン−3−イル)−1−オキソイソインドリン−5−イル)メチル)−2,2−ジフルオロアセトアミドの固体形態及びその互変異性体、ならびに化合物1の固体形態の使用方法及び化合物1の固体形態を含む組成物に関する。例えば、本開示は、化合物1の固体形態のインビトロ及びインビボ使用、ならびに様々な疾患及び障害の治療及び予防に有用な薬学的組成物及び単一単位剤形への化合物1の固体形態の組み込みを包含する。
6.2.化合物1の固体形態
一実施形態では、化合物1の固体形態が本明細書に提供される。
化合物1は、各々が参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる、米国特許第9,499,514号及び国際特許公開第WO2016/007848号に記載の方法を使用して調製され得る。
化合物1を含む固体形態には、単一成分及び複数成分形態、例えば、結晶形態及び非晶質形態が含まれる。本明細書における具体的な実施形態は、化合物1の単一成分非晶質固体形態を提供する。本明細書における具体的な実施形態は、化合物1の単一成分結晶性固体形態を提供する。本明細書における具体的な実施形態は、化合物1を含む複数成分非晶質形態を提供する。本明細書における具体的な実施形態は、化合物1を含む複数成分結晶性固体形態を提供する。
化合物1を含む固体形態は、以下の実施例に記載の方法を含む本明細書に記載の方法によって、または当該技術分野で既知の技法(加熱、冷却、フリーズドライ、凍結乾燥、溶融物のクエンチ冷却、高速溶媒蒸発、低速溶媒蒸発、溶媒再結晶化、抗溶媒添加、スラリー再結晶化、溶融物からの結晶化、脱溶媒和、密閉空間、例えば、ナノ細孔またはキャピラリー等における再結晶化、表面または鋳型、例えば、ポリマー等上での再結晶化、添加物、例えば、共結晶カウンター分子等の存在下での再結晶化、脱溶媒和、脱水、急冷、徐冷、溶媒及び/または水への曝露、乾燥(例えば、真空乾燥を含む)、蒸気拡散、昇華、粉砕(例えば、低温粉砕、溶媒滴下粉砕、または液体支援粉砕を含む)、マイクロ波誘導沈殿、超音波処理誘導沈殿、レーザー誘導沈殿、及び超臨界流体からの沈殿を含む)によって調製され得る。(例えば、ナノメートル寸法からミリメートル寸法まで)異なり得る結果として生じる固体形態の粒径は、例えば、様々な結晶化条件、例えば、結晶化の速度及び/もしくは結晶化溶媒系等、または微粉砕技法、例えば、粉砕、製粉、微粉化、もしくは超音波処理によって制御され得る。
いずれの特定の理論によっても拘束されることを意図することなく、ある特定の固体形態は、薬学的及び治療的剤形に適切な物理的特性、例えば、安定性、溶解度、及び溶解速度によって特徴付けられる。さらに、いずれの特定の理論によっても拘束されることを望むことなく、ある特定の固体形態は、ある特定の固体形態を固体剤形の製造に好適なものにする特定のプロセス(例えば、産出、濾過、洗浄、乾燥、製粉、混合、錠剤化、流動性、溶解、製剤、及び凍結乾燥)に影響を及ぼす物理的特性(例えば、密度、圧縮性、硬度、形態、分裂、粘性、溶解度、水取り込み、電気的特性、熱挙動、固体状態反応性、物理的安定性、及び化学的安定性)によって特徴付けられる。かかる特性は、本明細書に記載されており、かつ当該技術分野で既知の特定の分析的化学的技法、例えば、固体状態分析的技法(例えば、X線回折、顕微鏡法、分光法、及び熱分析)を使用して決定され得る。
本明細書に提供される固体形態(例えば、化合物1の形態A、形態B、形態C、形態D、形態E、及び非晶質)は、単結晶X線回折、X線粉末回折(XRPD)、顕微鏡法(例えば、走査電子顕微鏡法(SEM))、熱分析(例えば、示差走査熱量測定(DSC)、熱重量分析(TGA)、及び高熱期顕微鏡法)、分光法(例えば、赤外、ラマン、及び固体状態核磁気共鳴)、単一示差熱分析(SDTA)、高速液体クロマトグラフィー−質量分析(HPLC−MS)、熱重量分析−単一示差熱分析(TGA−SDTA)、及び熱重量分析−質量分析(TGA−MS)を含むが、これらに限定されない当業者に既知のいくつかの方法を使用して特徴付けられ得る。本明細書に提供される固体形態の粒径及びサイズ分布は、レーザー光散乱技法等の従来の方法によって決定され得る。
本明細書に提供される固体形態の純度は、薄層クロマトグラフィー(TLC)、ゲル電気泳動、ガスクロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)、及び質量分析(MS)等の標準の分析的方法によって決定され得る。
X線粉末回折パターンのピークの数値が機械または試料によってわずかに異なり得、それ故に、引用される値が絶対的なものではなく、±0.2度2シータ(°2θ)等の許容変動を有するものと解釈されるべきであることを理解されたい(United State Pharmacopoeia,page 2228(2003)を参照のこと)。
本明細書におけるある特定の実施形態は、固体形態のうちの1つ以上を含む組成物を提供する。ある特定の実施形態は、他の活性成分と組み合わせた1つ以上の固体形態の組成物を提供する。ある特定の実施形態は、本明細書に提供される疾患及び障害を含むが、これらに限定されない疾患及び障害の治療、予防、及び/または管理時にこれらの組成物を使用する方法を提供する。
本明細書に提供される固体形態は、化合物1における原子のうちの1つ以上で原子同位体の非天然割合も含み得る。例えば、本化合物は、放射性同位体、例えば、三重水素(3H)もしくは炭素−14(14C)等で放射標識され得るか、または重水素(2H)、炭素−13(13C)、もしくは窒素−15(15N)等で同位体的に富化され得る。本明細書で使用される場合、「アイソトポログ」とは、同位体的に富化された化合物である。「同位体的に富化された」という用語は、その原子の天然同位体組成物以外の同位体組成物を有する原子を指す。「同位体的に富化された」とは、その原子の天然同位体組成物以外の同位体組成物を有する少なくとも1つの原子を含む化合物も指し得る。「同位体組成物」という用語は、所与の原子に存在する各同位体の量を指す。放射標識及び同位体的に富化された化合物は、治療薬、例えば、がん及び炎症治療薬、研究試薬、例えば、結合アッセイ試薬、及び診断薬、例えば、インビボ造影剤として有用である。化合物1のすべての同位体変形は、放射性であるかにかかわらず、本明細書に提供される実施形態の範囲内に包含されるよう意図されている。いくつかの実施形態では、化合物1のアイソトポログが提供され、例えば、アイソトポログは、重水素、炭素−13、または窒素−15富化化合物1である。
本化合物は、放射性同位体、例えば、三重水素(3H)、ヨウ素−125(125I)、硫黄−35(35S)、または炭素−14(14C)等で放射標識され得る。放射標識化合物は、治療薬、例えば、がん治療薬、研究試薬、例えば、結合アッセイ試薬、及び診断薬、例えば、インビボ造影剤として有用である。化合物1のすべての同位体変形または化合物1の同位体形態は、放射性であるかにかかわらず、本明細書に提供される実施形態の範囲内に包含されるよう意図されている。
6.2.1.化合物1の形態A
ある特定の実施形態では、化合物1の形態Aが本明細書に提供される。
一実施形態では、形態Aは、化合物1の無水形態である。別の実施形態では、化合物1の形態Aは、結晶性である。
ある特定の実施形態では、形態Aは、ある特定の溶媒系、例えば、以下の溶媒:室温でのアセトンならびにイソプロパノール及び水の溶媒混合物のうちの1つ以上を含む溶媒系からの結晶化によって得られる。ある特定の実施形態では、形態Aは、高温、例えば、約50℃でのエタノール/水(1:1)、アセトン、またはアセトニトリル中スラリーから中間体固体形態として得られる。
ある特定の実施形態では、形態Aは、例えば、X線粉末回折測定によって示されるように、実質的に結晶性である。一実施形態では、化合物1の形態Aは、実質的に図2に示されるX線粉末回折パターンを有する。
一実施形態では、化合物1の形態Aは、図2に示されるように、およそ11.5、15.6、16.6、17.2、18.1、19.0、19.6、21.1、23.2、または24.8度2θの2シータ角度で1つ以上の特徴的なX線粉末回折ピークを有する。別の実施形態では、化合物1の形態Aは、およそ15.6、16.6、17.2、または24.8度2θの2シータ角度で1つ、2つ、3つ、または4つの特徴的なX線粉末回折ピークを有する。別の実施形態では、化合物1の形態Aは、表1に記載されるように、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、または7つの特徴的なX線粉末回折ピークを有する。別の実施形態では、化合物1の形態Aは、表1に記載されるように、1つ、2つ、または3つの特徴的なX線粉末回折ピークを有する。
一実施形態では、化合物1の形態Aは、図3に示されるSEM写真を有する。
一実施形態では、図4に示される代表的な熱重量(TGA)サーモグラムに実質的に対応するTGAサーモグラフを有する化合物1の結晶性形態が本明細書に提供される。ある特定の実施形態では、TGA重量損失は、形態Aでは観察されない。
一実施形態では、図5に示されるDSCサーモグラムに実質的に対応するDSCサーモグラムを有する化合物1の結晶性形態Aが本明細書に提供される。ある特定の実施形態では、形態Aは、229℃の開始温度及び118J/gの融解熱での溶融事象を含むDSCプロットによって特徴付けられる。
ある特定の実施形態では、形態Aは、動的蒸気収着分析によって特徴付けられる。代表的な動的蒸気収着(DVS)等温線プロットが図6に示される。ある特定の実施形態では、相対湿度(「RH」)が約0%から約90%RHに増加すると、形態Aは、1.5w/w%未満、1.2%未満、または約1.2w/w%の水取り込みを呈する。ある特定の実施形態では、形態Aは、225℃に設定されたオーブン試料プロセッサを装備した電量カール・フィッシャー(KF)滴定装置で決定される、0.1%未満の水を含む。
ある特定の実施形態では、形態Aの著しい分解も残留溶媒も1H NMRでは観察されない(図7)。
ある特定の実施形態では、化合物1の形態Aは、圧縮時のその安定性プロファイルによって特徴付けられる。ある特定の実施形態では、形態Aは、安定しており、例えば、そのXRPDパターンは、2000psiの圧力を約1分間にわたって加えたときに、より広い回折ピークで実質的に不変のままである(図8)。
さらに別の実施形態では、化合物1の形態Aは、実質的に純粋である。ある特定の実施形態では、化合物1の実質的に純粋な形態Aは、他の固体形態、例えば、非晶質形態を実質的に含まない。ある特定の実施形態では、化合物1の実質的に純粋な形態Aの純度は、約95%以上純粋、約96%以上純粋、約97%以上純粋、約98%以上純粋、約98.5%以上純粋、約99%以上純粋、約99.5%以上純粋、または約99.8%以上純粋である。
本明細書におけるある特定の実施形態は、実質的に純粋な化合物1の形態Aを提供する。本明細書におけるある特定の実施形態は、化合物1を含む他の固体形態、例えば、形態B、C、D、E、及び/または本明細書に提供される化合物1を含む非晶質固体形態等を実質的に含まない化合物1の形態Aを提供する。本明細書におけるある特定の実施形態は、化合物1を含む固体形態の混合物、例えば、形態B、C、D、E、及び本明細書に提供される化合物1を含む非晶質固体形態のうちの1つ以上を含む混合物として形態Aを提供する。
6.2.2.化合物1の形態B
ある特定の実施形態では、化合物1の無水形態Bが本明細書に提供される。
ある特定の実施形態では、形態Bは、ある特定の溶媒系、例えば、以下の溶媒:メタノール/水、DMSO/イソプロパノール、DMSO/トルエン、及びDMSO/水のうちの1つ以上を含む溶媒系からの抗溶媒再結晶化によって得られる。ある特定の実施形態では、形態Bは、THF/水(1:1)からの冷却再結晶化によって得られる。
ある特定の実施形態では、形態Bは、例えば、X線粉末回折測定によって示されるように、結晶性である。一実施形態では、化合物1の形態Bは、実質的に図9に示されるX線粉末回折パターンを有する。
一実施形態では、化合物1の形態Bは、図9に示されるように、およそ15.4、16.3、16.7、17.7、20.4、25.6、または27.5度2θの2シータ角度で1つ以上の特徴的なX線粉末回折ピークを有する。別の実施形態では、化合物1の形態Bは、およそ16.7、25.6、15.4、または16.3度2θの2シータ角度で1つ、2つ、3つ、または4つの特徴的なX線粉末回折ピークを有する。別の実施形態では、化合物1の形態Bは、表2に記載されるように、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、または7つの特徴的なX線粉末回折ピークを有する。別の実施形態では、化合物1の形態Bは、表2に記載されるように、1つ、2つ、または3つの特徴的なX線粉末回折ピークを有する。
一実施形態では、化合物1の形態Bは、図10に示されるSEM写真を有する。一実施形態では、図11に示される代表的な熱重量(TGA)サーモグラムに実質的に対応するTGAサーモグラフを有する化合物1の結晶性形態が本明細書に提供される。ある特定の実施形態では、形態Bは、170℃未満でTGA重量損失を示さない。ある特定の実施形態では、形態Bは、170〜230℃で0.4%のTGA重量損失を示す。
一実施形態では、図12に示されるDSCサーモグラムに実質的に対応するDSCサーモグラムを有する化合物1の結晶性形態Bが本明細書に提供される。ある特定の実施形態では、形態Bは、219〜224℃での溶融/再結晶化事象及び231℃のピーク温度での主要溶融事象を含むDSCプロットによって特徴付けられる。
ある特定の実施形態では、形態Bは、動的蒸気収着分析によって特徴付けられる。代表的な動的蒸気収着(DVS)等温線プロットが図13に示される。ある特定の実施形態では、相対湿度(「RH」)が約0%から約90%RHに増加すると、形態Bは、約1.4w/w%の水取り込みを呈する。ある特定の実施形態では、形態Bは、225℃に設定されたオーブン試料プロセッサを装備した電量カール・フィッシャー(KF)滴定装置で決定される、0.1%未満の水を含む。
ある特定の実施形態では、形態Bは、1H NMRによって著しい分解も残留溶媒も示さない(図14)。
ある特定の実施形態では、化合物1の形態Bは、圧縮時のその安定性プロファイルによって特徴付けられる。ある特定の実施形態では、形態Bは、安定しており、例えば、そのXRPDパターンは、2000-psiの圧力を約1分間にわたって加えたときに、より広い回折ピークで実質的に不変のままである(図15)。
さらに別の実施形態では、化合物1の形態Bは、実質的に純粋である。ある特定の実施形態では、化合物1の実質的に純粋な形態Bは、他の固体形態、例えば、非晶質形態を実質的に含まない。ある特定の実施形態では、化合物1の実質的に純粋な形態Bの純度は、約95%以上純粋、約96%以上純粋、約97%以上純粋、約98%以上純粋、約98.5%以上純粋、約99%以上純粋、約99.5%以上純粋、または約99.8%以上純粋である。
本明細書におけるある特定の実施形態は、実質的に純粋な化合物1の形態Bを提供する。本明細書におけるある特定の実施形態は、化合物1を含む他の固体形態、例えば、形態A、C、D、E、及び/または明細書に提供される化合物1を含む非晶質固体形態を実質的に含まない化合物1の形態Bを提供する。本明細書におけるある特定の実施形態は、化合物1を含む固体形態の混合物、例えば、形態A、C、D、E、及び本明細書に提供される化合物1を含む非晶質固体形態のうちの1つ以上を含む混合物として形態Bを提供する。
6.2.3.化合物1の形態C
ある特定の実施形態では、化合物1の無水形態Cが本明細書に提供される。ある特定の実施形態では、形態Cは、本明細書に提供される化合物1の結晶形態の中でも最も熱力学的に安定した無水物である。
ある特定の実施形態では、形態Cは、ある特定の溶媒系、例えば、以下の溶媒:アセトニトリル/水、アセトン、またはエタノール/水のうちの1つ以上を含む溶媒系中で化合物1を長期間にわたってスラリー化することによって得られる。
ある特定の態様では、形態Cは、アセトン(30倍体積)中で形態B(1倍重量)を高温、例えば、60〜80℃または70〜75℃で少なくとも24時間スラリー化し、混合物を室温に冷却することによって得られる。一態様では、スラリー化は、50〜55-psiの窒素圧下で、70〜75℃の温度で行われる。一態様では、混合物は、少なくとも6時間にわたって室温に冷却される。
ある特定の実施形態では、形態Cは、例えば、X線粉末回折測定によって示されるように、結晶性である。一実施形態では、化合物1の形態Cは、実質的に図16に示されるX線粉末回折パターンを有する。
一実施形態では、化合物1の形態Cは、図16に示されるように、およそ7.4、11.5、15.8、16.7、16.9、17.7、18.4、19.2、19.5、21.1、23.4、24.7、または29.9度2θの2シータ角度で1つ以上の特徴的なX線粉末回折ピークを有する。別の実施形態では、化合物1の形態Cは、およそ16.7、16.9、17.7、または24.7度2θの2シータ角度で1つ、2つ、3つ、または4つの特徴的なX線粉末回折ピークを有する。別の実施形態では、化合物1の形態Cは、表3に記載されるように、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、または7つの特徴的なX線粉末回折ピークを有する。別の実施形態では、化合物1の形態Cは、表3に記載されるように、1つ、2つ、または3つの特徴的なX線粉末回折ピークを有する。
一実施形態では、化合物1の形態Cは、図17に示されるSEM写真を有する。一実施形態では、図18に示される代表的な熱重量(TGA)サーモグラムに実質的に対応するTGAサーモグラフを有する化合物1の結晶性形態が本明細書に提供される。ある特定の実施形態では、形態Cは、TGA重量損失を示さない。
一実施形態では、実質的に図19に示されるDSCサーモグラムに対応するDSCサーモグラムを有する化合物1の結晶性形態Cが本明細書に提供される。ある特定の実施形態では、形態Cは、232℃の開始温度及び126J/gの融解熱での溶融事象を含むDSCプロットによって特徴付けられる。
ある特定の実施形態では、形態Cは、動的蒸気収着分析によって特徴付けられる。代表的な動的蒸気収着(DVS)等温線プロットが図20に示される。ある特定の実施形態では、相対湿度(「RH」)が約0%〜約90%RHに増加すると、形態Cは、約0.6w/w%の水取り込みを呈する。ある特定の実施形態では、形態Cは、225℃に設定されたオーブン試料プロセッサを装備した電量カール・フィッシャー(KF)滴定装置で決定される、0.1%未満の水を含む。
ある特定の実施形態では、形態Cは、1H NMRによって著しい分解も残留溶媒も示さない(図21)。
ある特定の実施形態では、化合物1の形態Cは、圧縮時のその安定性プロファイルによって特徴付けられる。ある特定の実施形態では、形態Cは、安定しており、例えば、そのXRPDパターンは、2000-psiの圧力を約1分間にわたって加えたときに、より広い回折ピークで実質的に不変のままである(図22)。
さらに別の実施形態では、化合物1の形態Cは、実質的に純粋である。ある特定の実施形態では、化合物1の実質的に純粋な形態Cは、他の固体形態、例えば、非晶質形態を実質的に含まない。ある特定の実施形態では、化合物1の実質的に純粋な形態Cの純度は、約95%以上純粋、約96%以上純粋、約97%以上純粋、約98%以上純粋、約98.5%以上純粋、約99%以上純粋、約99.5%以上純粋、または約99.8%以上純粋である。
本明細書におけるある特定の実施形態は、実質的に純粋な化合物1の形態Cを提供する。本明細書におけるある特定の実施形態は、化合物1を含む他の固体形態、例えば、形態A、B、D、E、及び/または本明細書に提供される化合物1を含む非晶質固体形態を実質的に含まない化合物1の形態Cを提供する。本明細書におけるある特定の実施形態は、化合物1を含む固体形態の混合物、例えば、形態A、B、D、E、及び本明細書に提供される化合物1を含む非晶質固体形態のうちの1つ以上を含む混合物として形態Cを提供する。
6.2.4.化合物1の形態D
ある特定の実施形態では、化合物1の形態Dが本明細書に提供される。ある特定の実施形態では、化合物1の形態Dは、DMSO溶媒和物である。
ある特定の実施形態では、形態Dは、DMSO/メチルイソブチルケトン中で形態Bを加熱し、その溶液を冷却することによって得られる。
ある特定の実施形態では、形態Dは、例えば、X線粉末回折測定によって示されるように、結晶性である。一実施形態では、化合物1の形態Dは、実質的に図23に示されるX線粉末回折パターンを有する。
一実施形態では、化合物1の形態Dは、図23に示されるように、およそ14.1、14.3、18.8、19.1、23.6、または24.0度2θの2シータ角度で1つ以上の特徴的なX線粉末回折ピークを有する。別の実施形態では、化合物1の形態Dは、およそ14.1、14.3、18.8、または19.1度2θの2シータ角度で1つ、2つ、3つ、または4つの特徴的なX線粉末回折ピークを有する。別の実施形態では、化合物1の形態Dは、表4に記載されるように、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、または7つの特徴的なX線粉末回折ピークを有する。別の実施形態では、化合物1の形態Dは、表4に記載されるように、1つ、2つ、または3つの特徴的なX線粉末回折ピークを有する。
一実施形態では、図24に示される代表的な熱重量(TGA)サーモグラムに実質的に対応するTGAサーモグラフを有する化合物1の結晶性形態が本明細書に提供される。ある特定の実施形態では、形態Dは、最大140℃で約14.1%のTGA重量損失を示す。
ある特定の実施形態では、形態Dは、ガスクロマトグラフィーによって測定される、約14.3重量%のDMSOを含む。
さらに別の実施形態では、化合物1の形態Dは、実質的に純粋である。ある特定の実施形態では、化合物1の実質的に純粋な形態Dは、他の固体形態、例えば、非晶質形態を実質的に含まない。ある特定の実施形態では、化合物1の実質的に純粋な形態Dの純度は、約95%以上純粋、約96%以上純粋、約97%以上純粋、約98%以上純粋、約98.5%以上純粋、約99%以上純粋、約99.5%以上純粋、または約99.8%以上純粋である。
本明細書におけるある特定の実施形態は、実質的に純粋な化合物1の形態Dを提供する。本明細書におけるある特定の実施形態は、化合物1を含む他の固体形態、例えば、形態A、B、C、E、及び/または本明細書に提供される化合物1を含む非晶質固体形態を実質的に含まない化合物1の形態Dを提供する。本明細書におけるある特定の実施形態は、化合物1を含む固体形態の混合物、例えば、形態A、B、C、E、及び本明細書に提供される化合物1を含む非晶質固体形態のうちの1つ以上を含む混合物として形態Dを提供する。
6.2.5.化合物1の形態E
ある特定の実施形態では、化合物1の形態Eが本明細書に提供される。ある特定の実施形態では、化合物1の形態Eは、DMSO溶媒和物である。
ある特定の実施形態では、形態Eは、室温でのDMSO/MIBKまたはDMSO/IPAまたはDMSO/アニソール中の形態Cから得られる。
ある特定の実施形態では、形態Eは、例えば、X線粉末回折測定によって示されるように、結晶性である。一実施形態では、化合物1の形態Eは、実質的に図25に示されるX線粉末回折パターンを有する。
一実施形態では、化合物1の形態Eは、図25に示されるように、およそ10.5、12.5、16.1、17.0、18.5、21.2、21.7、22.6、22.9、23.4、23.8、24.1、25.1または26.7度2θの2シータ角度で1つ以上の特徴的なX線粉末回折ピークを有する。別の実施形態では、化合物1の形態Eは、およそ16.1、17.0、21.2、または22.9度2θの2シータ角度で1つ、2つ、3つ、または4つの特徴的なX線粉末回折ピークを有する。別の実施形態では、化合物1の形態Eは、表5に記載されるように、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、または7つの特徴的なX線粉末回折ピークを有する。別の実施形態では、化合物1の形態Eは、表5に記載されるように、1つ、2つ、または3つの特徴的なX線粉末回折ピークを有する。
一実施形態では、図26に示される代表的な熱重量(TGA)サーモグラムに実質的に対応するTGAサーモグラフを有する化合物1の結晶性形態が本明細書に提供される。ある特定の実施形態では、形態Eは、最大120℃で約19.4%のTGA重量損失を示す。ある特定の実施形態では、形態Eは、120〜220℃で24.9%のさらなる重量損失を示す。
一実施形態では、化合物1の形態Eは、実質的に純粋である。ある特定の実施形態では、化合物1の実質的に純粋な形態Eは、他の固体形態、例えば、非晶質形態を実質的に含まない。ある特定の実施形態では、化合物1の実質的に純粋な形態Eの純度は、約95%以上純粋、約96%以上純粋、約97%以上純粋、約98%以上純粋、約98.5%以上純粋、約99%以上純粋、約99.5%以上純粋、または約99.8%以上純粋である。
本明細書におけるある特定の実施形態は、実質的に純粋な化合物1の形態Eを提供する。本明細書におけるある特定の実施形態は、化合物1を含む他の固体形態、例えば、形態A、B、C、D、及び/または本明細書に提供される化合物1を含む非晶質固体形態を実質的に含まない化合物1の形態Eを提供する。本明細書におけるある特定の実施形態は、化合物1を含む固体形態の混合物、例えば、形態A、B、C、D、及び本明細書に提供される化合物1を含む非晶質固体形態のうちの1つ以上を含む混合物として形態Cを提供する。
6.2.6.非晶質化合物1
ある特定の実施形態では、非晶質化合物1が本明細書に提供される。
ある特定の実施形態では、THF及び水中で化合物1を加熱し、その溶液を凍結乾燥することによって非晶質形態を作製するための方法が本明細書に提供される。一実施形態では、凍結乾燥は、溶液を凍結することと、減圧下で溶媒を除去することとを含む。
一実施形態では、図27に示されるDSCサーモグラムを有する化合物1の非晶質固体形態が本明細書に提供される。
一実施形態では、非晶質化合物1は、実質的に図28に示されるX線粉末回折パターンを有する。
一実施形態では、非晶質化合物1は、実質的に図29に示される1H NMRスペクトルを有する。
さらに別の実施形態では、非晶質化合物1は、実質的に純粋である。ある特定の実施形態では、実質的に純粋な非晶質化合物1は、他の固体形態、例えば、形態A、形態B、形態C、形態D、または形態Eを実質的に含まない。ある特定の実施形態では、実質的に純粋な非晶質化合物1の純度は、約95%以上純粋、約96%以上純粋、約97%以上純粋、約98%以上純粋、約98.5%以上純粋、約99%以上純粋、約99.5%以上純粋、または約99.8%以上純粋である。
6.2.7.化合物1のアイソトポログ
本明細書に提供される化合物の同位体が濃縮された類似体(「アイソトポログ」)も本明細書に提供される。薬物動態(「PK」)、薬力学(「PD」)、及び毒性プロファイルを改善するために医薬品の同位体富化(例えば、重水素化)は、いくつかのクラスの薬物によって以前に実証されている。例えば、Lijinsky et.al.,Food Cosmet.Toxicol.,20:393(1982);Lijinsky et.al.,J.Nat.Cancer Inst.,69:1127(1982);Mangold et.al.,Mutation Res.308:33(1994);Gordon et.al.,Drug Metab.Dispos.,15:589(1987);Zello et.al.,Metabolism,43:487(1994);Gately et.al.,J.Nucl.Med.,27:388(1986);Wade D,Chem.Biol.Interact.117:191(1999)を参照されたい。
いずれの特定の理論によっても限定されることなく、薬物の同位体富化は、例えば、(1)望ましくない代謝産物を減少または取り除くために、(2)親薬物の半減期を増加させるために、(3)所望の効果を達成するために必要とされる投薬回数を減少するために、(4)所望の効果を達成するために必要な投与量を減少するために、(5)いずれかが形成される場合、活性代謝産物の形成を増加するために、かつ/または(6)特定の組織における有害な代謝産物の生成を減少するために、かつ/または併用療法が意図的であるかにかかわらず、併用療法用のより有効な薬物及び/もしくはより安全な薬物を作製するために使用され得る。
原子のその同位体のうちの1つへの置換により、しばしば、化学反応の反応速度に変化がもたらされる。この現象は、速度論的同位体効果(「KIE」)として知られている。例えば、C−H結合が化学反応の律速ステップ(すなわち、最高の遷移状態エネルギーを持つステップ)中に破壊される場合、重水素のその水素への置換は、反応速度の減少を引き起こし、このプロセスは遅くなるであろう。この現象は、重水素速度論的同位体効果(「DKIE」)として知られている。(例えば、Foster et al.,Adv.Drug Res.,vol.14,pp.1−36(1985);Kushner et al.,Can.J.Physiol.Pharmacol.,vol.77,pp.79−88(1999)を参照のこと)。
DKIEの規模は、C−H結合が破壊される所定の反応の速度と、重水素が水素と置換される同じ反応の速度との比率として表すことができる。DKIEは、約1(同位体効果なし)〜非常に大きい数、例えば、50以上の範囲に及び得、この反応は、重水素が水素に置換される場合、50倍以上遅い場合があることを意味する。特定の理論によって制限されるものではないが、高いDKIE値は、不確定な原理の結果であるトンネリングとして知られている現象に一部よるのかもしれない。トンネリングは、少量の水素原子に起因しており、またトンネリングが生じるのはプロトンを包含する遷移状態が、必要とされる活性化エネルギーの非存在下で時々形成することができるためである。重水素が水素よりも大きな質量を有しているため、この現象を受けている確率は統計的に非常に低い。
三重水素(「T」)は、研究、核融合炉、中性子発生装置、及び放射性医薬品に使用される水素の放射性同位体である。三重水素は、核内に2個の中性子を有し、かつ3に近い原子量を有する水素原子である。それは、非常に低い濃度で環境において天然に生じ、最も一般には、T2Oとして見出される。三重水素は緩徐に壊変し(半減期=12.3年)、ヒトの皮膚の外層を貫通できない低エネルギーベータ粒子を放出する。内部被曝は、この同位体と関係した主要なハザードであるが、未だ、多量に摂取しなければならないことで顕著な健康リスクがもたらされる。重水素と比較して、より少ない量の三重水素が有害なレベルに到達する前に消費されなければならない。三重水素(「T」)の水素との置換は、重水素よりもそれでもより強い結合を結果的に生じ、数の上ではより大きな同位体効果を付与する。
同様に、炭素に対する13Cまたは14C、硫黄に対する33S、34S、または36S、窒素に対する15N、及び酸素に対する17Oまたは18Oを含むが、これらに限定されない他の元素に対する同位体置換により、同様の速度論的同位体効果がもたらされるであろう。
6.3.治療方法
一実施形態では、患者に本明細書に提供される化合物1の固体形態を投与することを含む、がんの治療及び予防方法が本明細書に提供される。
別の実施形態では、患者に本明細書に提供される化合物1の固体形態を投与することを含む、がんの管理方法が本明細書に提供される。
がんに対して以前に治療されているが、標準療法に対して非応答性であり、また以前に治療されていない患者の治療方法も本明細書に提供される。本発明は、いくつかの疾患または障害がある特定の年齢群でより一般的であるが、患者の年齢にかかわらず、患者の治療方法も含む。本発明は、未解決の疾患または状態を治療するための試みにおいて手術を受けた患者、ならびに手術を受けなかった患者の治療方法をさらに包含する。がんを有する患者は、異種の臨床徴候及び様々な臨床転帰を有するため、患者に施される治療は、その予後に応じて異なり得る。当業者であれば、過度の実験の具体的な二次薬剤、ある種の手術、及びがんを有する個体患者を治療するために効果的に使用され得るある種の非薬物系標準療法なしに容易に決定することができるであろう。
本明細書で使用される場合、「がん」という用語は、固形腫瘍及び血液由来腫瘍を含むが、これらに限定されない。「がん」という用語は、膀胱癌、骨癌、血液癌、脳癌、乳癌、頸癌、胸癌、結腸癌、子宮内膜癌、食道癌、眼癌、頭部癌、腎臓癌、肝臓癌、リンパ節癌、肺癌、口腔癌、頸部癌、卵巣癌、膵臓癌、前立腺癌、直腸癌、胃癌、精巣癌、咽喉癌、及び子宮癌を含むが、これらに限定されない、皮膚組織、臓器、血液、及び血管の疾患を指す。特定のがんとしては、進行悪性腫瘍、アミロイドーシス、神経芽細胞腫、髄膜腫、血管周囲細胞腫、多発性脳転移、多形膠芽腫、膠芽細胞腫、脳幹神経膠腫、予後不良悪性脳腫瘍、悪性神経膠腫、再発性悪性神経膠腫、未分化星状細胞腫、未分化乏突起膠腫、神経内分泌腫瘍、直腸腺癌、結腸直腸癌(3期及び4期結腸直腸癌を含む)、切除不能結腸直腸癌、転移性肝細胞癌、カポジ肉腫、核型急性骨髄芽球性白血病、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、皮膚T細胞リンパ腫、皮膚B細胞リンパ腫、びまん性大B細胞リンパ腫、低悪性度濾胞性リンパ腫、悪性黒色腫、悪性中皮腫、悪性胸水中皮腫症候群、腹膜癌、乳頭状漿液性癌、婦人科肉腫、軟部組織肉腫、強皮症、皮膚血管炎、ランゲルハンス細胞組織球増殖症、平滑筋肉腫、進行性骨化性繊維形成異常症、ホルモン抵抗性前立腺癌、切除高リスクの軟部組織の肉腫、切除不能肝細胞癌、ヴァルデンストレームマクログロブリン血症、くすぶり型骨髄腫、無症候性骨髄腫、ファロピウス管癌、アンドロゲン非依存性前立腺癌、アンドロゲン依存性第IV期非転移性前立腺癌、ホルモン非感受性前立腺癌、化学療法非感受性前立腺癌、乳頭状甲状腺癌、濾胞状甲状腺癌、髄様甲状腺癌、及び平滑筋腫が挙げられるが、これらに限定されない。
ある特定の実施形態では、がんは、固形腫瘍である。ある特定の実施形態では、固形腫瘍は、転移性である。ある特定の実施形態では、固形腫瘍は、薬物耐性である。ある特定の実施形態では、固形腫瘍は、肝細胞癌、前立腺癌、卵巣癌、または膠芽腫である。
ある特定の実施形態では、がんは、血液由来腫瘍である。ある特定の実施形態では、血液由来腫瘍は、転移性である。ある特定の実施形態では、血液由来腫瘍は、薬物耐性である。ある特定の実施形態では、がんは、白血病である。
一実施形態では、本明細書に提供される方法は、本明細書に提供される化合物1の固体形態の治療上有効な量を投与することによって、慢性リンパ球性白血病(CLL)、慢性骨髄性白血病(CML)、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、急性骨髄性白血病(AML)、及び急性骨髄芽球性白血病(AML)等の様々な種類の白血病を治療、予防、及び/または管理することを含む。
いくつかの実施形態では、本明細書に提供される方法は、対象における急性白血病を治療、予防、及び/または管理することを含む。いくつかの実施形態では、急性白血病は、未分化AML(M0)、骨髄芽球性白血病(M1)、骨髄芽球性白血病(M2)、前骨髄球性白血病(M3またはM3変異体(M3V))、骨髄単球性白血病(好酸球増加を伴うM4またはM4変異体(M4E))、単球性白血病(M5)、赤白血病(M6)、及び巨核芽球性白血病(M7)が挙げられるが、これらに限定されない、急性骨髄性白血病(AML)である。一実施形態では、急性骨髄性白血病は、未分化AML(M0)である。一実施形態では、急性骨髄性白血病は、骨髄芽球性白血病(M1)である。一実施形態では、急性骨髄性白血病は、骨髄芽球性白血病(M2)である。一実施形態では、急性骨髄性白血病は、前骨髄球性白血病(M3またはM3変異体(M3V))である。一実施形態では、急性骨髄性白血病は、骨髄単球性白血病(好酸球増加を伴うM4またはM4変異体(M4E))である。一実施形態では、急性骨髄性白血病は、単球性白血病(M5)である。一実施形態では、急性骨髄性白血病は、赤白血病(M6)である。一実施形態では、急性骨髄性白血病は、巨核芽球性白血病(M7)である。
ある特定の実施形態では、対象における急性骨髄性白血病の治療、予防、及び/または管理方法は、対象に、急性骨髄性白血病を治療、予防、及び/または管理するのに有効な量の本明細書に提供される化合物1の固体形態を単独でまたは組み合わせて投与するステップを含む。
一実施形態では、化合物1の固体形態の静脈内投与による急性骨髄性白血病の治療、予防、及び/または管理方法が本明細書に提供される。一実施形態では、化合物1の固体形態は、本明細書に提供される急性骨髄性白血病の治療、予防、及び/または管理方法において、水中に溶解して、静脈内投与のための水溶液を形成する。
一実施形態では、化合物1の形態Cの静脈内投与による急性骨髄性白血病の治療、予防、及び/または管理方法が本明細書に提供される。一実施形態では、化合物1の形態Cは、本明細書に提供される急性骨髄性白血病の治療、予防、及び/または管理方法において、水中に溶解して、静脈内投与のための水溶液を形成する。
いくつかの実施形態では、本方法は、対象に、急性骨髄性白血病を治療、予防、及び/または管理するのに有効な量で第2の活性薬剤と組み合わせて本明細書に提供される化合物1の固体形態を投与するステップを含む。
いくつかの実施形態では、本明細書に提供される方法は、対象における急性リンパ性白血病(ALL)を治療、予防、及び/または管理することを含む。いくつかの実施形態では、急性リンパ球性白血病は、骨髄(B細胞)、胸腺(T細胞)、及びリンパ節の芽細胞に由来する白血病を含む。急性リンパ球性白血病は、仏国−米国−英国(FAB)形態学的分類スキームに従って、L1−成熟した外見のリンパ芽球(T細胞またはプレB細胞)、L2−未熟及び多形(多様な形状)リンパ芽球(T細胞またはプレB細胞)、ならびにL3−リンパ芽球(B細胞、バーキット細胞)として分類され得る。一実施形態では、急性リンパ球性白血病は、骨髄(B細胞)の芽細胞に由来する。一実施形態では、急性リンパ球性白血病は、胸腺(T細胞)に由来する。一実施形態では、急性リンパ球性白血病は、リンパ節に由来する。一実施形態では、急性リンパ球性白血病は、成熟した外見のリンパ芽球(T細胞またはプレB細胞)を特徴とするL1型である。一実施形態では、急性リンパ球性白血病は、未成熟及び多形(多様な形状)リンパ芽球(T細胞またはプレB細胞)を特徴とするL2型である。一実施形態では、急性リンパ球性白血病は、リンパ芽球(細胞、バーキット細胞)を特徴とするL3型である。ある特定の実施形態では、急性リンパ球性白血病は、T細胞白血病である。一実施形態では、T細胞白血病は、末梢T細胞白血病である。別の実施形態では、T細胞白血病は、T細胞リンパ芽球性白血病である。別の実施形態では、T細胞白血病は、皮膚T細胞白血病である。別の実施形態では、T細胞白血病は、成人T細胞白血病である。したがって、対象における急性リンパ性白血病の治療、予防、及び/または管理方法は、対象に、急性リンパ性白血病を治療、予防、及び/または管理するのに有効な量の本明細書に提供される化合物1の固体形態を単独で、または第2の活性薬剤と組み合わせて投与するステップを含む。いくつかの実施形態では、本方法は、対象に、急性リンパ性白血病を治療、予防、及び/または管理するのに有効な量で第2の活性薬剤と組み合わせて本明細書に提供される化合物1の固体形態を投与するステップを含む。
いくつかの実施形態では、本明細書に提供される方法は、対象における慢性骨髄性白血病(CML)を治療、予防、及び/または管理することを含む。本方法は、対象に、慢性骨髄性白血病を治療、予防、及び/または管理するのに有効な量の本明細書に提供される化合物1の固体形態を投与するステップを含む。いくつかの実施形態では、本方法は、対象に、慢性骨髄性白血病を治療、予防、及び/または管理するのに有効な量で第2の活性薬剤と組み合わせて本明細書に提供される化合物1の固体形態を投与するステップを含む。
いくつかの実施形態では、本明細書に提供される方法は、対象における慢性リンパ球性白血病(CLL)を治療、予防、及び/または管理することを含む。本方法は、対象に、慢性リンパ球性白血病を治療、予防、及び/または管理するのに有効な量の本明細書に提供される化合物1の固体形態を投与するステップを含む。いくつかの実施形態では、本方法は、対象に、慢性リンパ球性白血病を治療、予防、及び/または管理するのに有効な量で第2の活性薬剤と組み合わせて本明細書に提供される化合物1の固体形態を投与するステップを含む。
ある特定の実施形態では、腎機能障害を有する患者における疾患の治療、予防、及び/または管理方法が本明細書に提供される。ある特定の実施形態では、腎機能障害を有する患者におけるがんの治療、予防、及び/または管理方法が本明細書に提供される。ある特定の実施形態では、疾患、老化、または他の患者因子によるものであるが、これらに限定されない、腎機能障害を有する患者に対して適切な投与量の調節を提供する方法が本明細書に提供される。
ある特定の実施形態では、非ホジキンリンパ腫を含むリンパ腫の治療、予防、及び/または管理方法が本明細書に提供される。いくつかの実施形態では、予後因子を使用した、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)を含むが、これに限定されない、非ホジキンリンパ腫(NHL)の治療及び/または管理のための方法が本明細書に提供される。
ある特定の実施形態では、腎機能障害を伴う再発性/不応性多発性骨髄腫を有する患者に、治療上有効な量の本明細書に提供される化合物1の固体形態を投与することを含む、腎機能障害またはその症状を有する患者における再発性/不応性多発性骨髄腫を含む多発性骨髄腫の治療、予防、及び/または管理方法が本明細書に提供される。
一実施形態では、治療上活性な量の本明細書に提供される化合物1の固体形態を投与することによる骨髄異形成症候群(MDS)の治療、予防、及び/または管理方法が本明細書に提供される。一実施形態では、MDSは、再発性、耐性、または不応性MDSである。一実施形態では、MDSは、不応性貧血(RA)、環状鉄芽球を伴うRA(RARS)、過剰な芽細胞を有するRA(RAEB)、多血球系異形成を伴う不応性血球減少症(RCMD)、単一血球系統の異形成を伴う不応性血球減少症(RCUD)、未分類骨髄異形成症候群(MDS−U)、単離されたdel(5q)の染色体異常に関連する骨髄異形成症候群、療法関連骨髄性腫瘍、及び慢性骨髄単球性白血病(CMML)から選択される。
ある特定の実施形態では、本明細書に提供される化合物1の固体形態の治療的または予防的に有効な量は、約0.005〜約1,000mg/日、約0.01〜約500mg/日、約0.01〜約250mg/日、約0.01〜約100mg/日、約0.1〜約100mg/日、約0.5〜約100mg/日、約1〜約100mg/日、約0.01〜約50mg/日、約0.1〜約50mg/日、約0.5〜約50mg/日、約1〜約50mg/日、約0.02〜約25mg/日、約0.05〜約10mg/日、約0.05〜約5mg/日、約0.1〜約5mg/日、または約0.5〜約5mg/日である。
ある特定の実施形態では、治療的または予防的に有効な量は、約0.1、約0.2、約0.5、約1、約2、約3、約4、約5、約6、約7、約8、約9、約10、約15、約20、約25、約30、約40、約45、約50、約60、約70、約80、約90、約100、または約150mg/日である。いくつかのかかる実施形態では、治療的または予防的に有効な量は、約2、約3、約4、約5、約6、または約7mg/日である。
一実施形態では、本明細書に記載の状態についての本明細書に提供される化合物1の固体形態の推奨される1日用量範囲は、約0.05mg〜約50mg/日の範囲であり、好ましくは単一の1日1回用量として、または1日を通して分割用量で与えられる。いくつかの実施形態では、投薬量は、約1mg〜約50mg/日の範囲に及ぶ。他の実施形態では、投薬量は、約0.5〜約5mg/日の範囲に及ぶ。1日当たりの特定の用量には、0.1、0.2、0.5、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、または50mg/日が含まれる。
特定の実施形態では、推奨される出発投薬量は、0.1、0.5、1、2、3、4、5、10、15、20、25、または50mg/日であり得る。別の実施形態では、推奨される出発投薬量は、0.1、0.5、1、2、3、4、または5mg/日であり得る。投与量は、15、20、25、30、35、40、45、及び50mg/日まで増量され得る。特定の一実施形態では、化合物1の固体形態は、AMLを含む白血病を有する患者に約25mg/日の量で投与される。具体的な一実施形態では、化合物1の固体形態は、AMLを含む白血病を有する患者に約10mg/日の量で投与され得る。具体的な一実施形態では、化合物1の固体形態は、AMLを含む白血病を有する患者に約5mg/日の量で投与され得る。具体的な一実施形態では、化合物1の固体形態は、AMLを含む白血病を有する患者に約4mg/日の量で投与され得る。具体的な一実施形態では、本明細書に提供される化合物1の固体形態は、AMLを含む白血病を有する患者に約3mg/日の量で投与され得る。具体的な一実施形態では、本明細書に提供される化合物1は、AMLを含む白血病を有する患者に約2mg/日の量で投与され得る。具体的な一実施形態では、本明細書に提供される化合物1は、AMLを含む白血病を有する患者に約1mg/日の量で投与され得る。具体的な一実施形態では、本明細書に提供される化合物1は、AMLを含む白血病を有する患者に約0.5mg/日の量で投与され得る。
特定の一実施形態では、化合物1の固体形態は、MDSを有する患者に約25mg/日の量で投与され得る。具体的な一実施形態では、化合物1の固体形態は、MDSを有する患者に約10mg/日の量で投与され得る。具体的な一実施形態では、化合物1の固体形態は、MDSを有する患者に約5mg/日の量で投与され得る。具体的な一実施形態では、化合物1の固体形態は、MDSを有する患者に約4mg/日の量で投与され得る。具体的な一実施形態では、本明細書に提供される化合物1の固体形態は、MDSを有する患者に約3mg/日の量で投与され得る。具体的な一実施形態では、本明細書に提供される化合物1の固体形態は、MDSを有する患者に約2mg/日の量で投与され得る。具体的な一実施形態では、本明細書に提供される化合物1の固体形態は、MDSを有する患者に約1mg/日の量で投与され得る。具体的な一実施形態では、本明細書に提供される化合物1の固体形態は、MDSを有する患者に約0.5mg/日の量で投与され得る。
ある特定の実施形態では、治療的または予防的に有効な量は、約0.001〜約100mg/kg/日、約0.01〜約50mg/kg/日、約0.01〜約25mg/kg/日、約0.01〜約10mg/kg/日、約0.01〜約9mg/kg/日、0.01〜約8mg/kg/日、約0.01〜約7mg/kg/日、約0.01〜約6mg/kg/日、約0.01〜約5mg/kg/日、約0.01〜約4mg/kg/日、約0.01〜約3mg/kg/日、約0.01〜約2mg/kg/日、約0.01〜約1mg/kg/日、または約0.01〜約0.05mg/kg/日である。
投与された用量はまた、mg/kg/日以外の単位で表され得る。例えば、非経口投与のための投与量は、mg/m2/日として表され得る。当業者であれば、所与の対象の身長もしくは体重のいずれかまたはそれらの両方に対する投与量をmg/kg/日からmg/m2/日に変換する方法を容易に理解し得る(www.fda.gov/cder/cancer/animalframe.htmを参照のこと)。例えば、65kgのヒトに対する1mg/kg/日の投与量は、38mg/m2/日とほぼ同等である。
ある特定の実施形態では、投与される化合物1の固体形態の量は、約0.001〜約500μM、約0.002〜約200μM、約0.005〜約100μM、約0.01〜約50μM、約1〜約50μM、約0.02〜約25μM、約0.05〜約20μM、約0.1〜約20μM、約0.5〜約20μM、または約1〜約20μMの範囲に及ぶ、化合物の定常状態での血漿濃度を提供するのに十分である。
他の実施形態では、投与される化合物1の固体形態の量は、約5〜約100nM、約5〜約50nM、約10〜約100nM、約10〜約50nM、または約50〜約100nMの範囲に及ぶ、化合物の定常状態での血漿濃度を提供するのに十分である。
本明細書で使用される場合、「定常状態での血漿濃度」という用語は、本明細書に提供される化合物1の固体形態の投与期間後に到達される濃度である。定常状態に達すると、固体形態の血漿濃度の時間依存曲線上に微小ピーク及びトラフが存在する。
ある特定の実施形態では、投与される化合物1の固体形態の量は、約0.001〜約500μM、約0.002〜約200μM、約0.005〜約100μM、約0.01〜約50μM、約1〜約50μM、約0.02〜約25μM、約0.05〜約20μM、約0.1〜約20μM、約0.5〜約20μM、または約1〜約20μMの範囲に及ぶ、化合物の最大血漿濃度(ピーク濃度)を提供するのに十分である。
ある特定の実施形態では、投与される化合物1の固体形態の量は、約0.001〜約500μM、約0.002〜約200μM、約0.005〜約100μM、約0.01〜約50μM、約1〜約50μM、約0.01〜約25μM、約0.01〜約20μM、約0.02〜約20μM、約0.02〜約20μM、または約0.01〜約20μMの範囲に及ぶ、化合物の最小血漿濃度(トラフ濃度)を提供するのに十分である。
ある特定の実施形態では、投与される化合物1の固体形態の量は、約100〜約100,000ng*hr/mL、約1,000〜約50,000ng*hr/mL、約5,000〜約25,000ng*hr/mL、または約5,000〜約10,000ng*hr/mLの範囲に及ぶ、化合物の曲線下面積(AUC)を提供するのに十分である。
ある特定の実施形態では、本明細書に提供される方法のうちの1つで治療される患者は、本明細書に提供される化合物1の固体形態の投与前に抗がん療法で治療されていない。ある特定の実施形態では、本明細書に提供される方法のうちの1つで治療される患者は、本明細書に提供される化合物1の固体形態の投与前に抗がん療法で治療されている。ある特定の実施形態では、本明細書に提供される方法の1つにより治療されるべき患者は、抗がん療法に対し薬物耐性を発達させている。
本明細書に提供される方法は、いくつかの疾患または障害は、ある特定の年齢群においてより一般的であるが、患者の年齢にかかわらず、患者を治療することを含む。
治療される疾患及び対象の状態に応じて、本明細書に提供される化合物1の固体形態は、非経口(例えば、筋肉内、腹腔内、静脈内、CIV、嚢内注射もしくは注入、皮下注射、または埋植)、吸入、鼻腔内、膣内、直腸、舌下、または局部(例えば、経皮もしくは局所)投与経路により投与され得る。化合物1の固体形態は、単独で、または好適な投薬単位で各投与経路に適切な薬学的に許容される賦形剤、担体、アジュバント、及びビヒクルと一緒に製剤化され得る。
別の実施形態では、化合物1の固体形態は、非経口投与される。ある特定の実施形態では、化合物1の1つ以上の固体形態を含有する水溶液が、非経口投与される。
なお別の実施形態では、本明細書に提供される化合物1の固体形態は、静脈内投与される。ある特定の実施形態では、化合物1の1つ以上の固体形態を含有する水溶液が、静脈内投与される。
本明細書に提供される化合物1の固体形態は、例えば、単回ボーラス注射等の単回投与量として、または例えば、長期にわたる持続注入もしくは長期にわたる分割ボーラス投与量等の長期にわたって送達され得る。化合物1の固体形態は、必要な場合、例えば、患者が安定した疾患もしくは退行を経験するまで、または患者が疾患進行もしくは許容し難い毒性を経験するまで、繰り返し投与され得る。例えば、固形腫瘍に関して安定した疾患とは、一般に、測定可能な病巣の直交する直径が、最後の測定から、25%以上増大していないことを意味する。固形腫瘍の治療効果判定のための(RECIST)ガイドライン、Journal of the National Cancer Institute 92(3):205−216(2000)。安定した疾患またはそれらの欠如は、X線、CAT、PET、またはMRI走査及び他の一般に受け入れられた評価様式を使用し画像化されている、患者症状の評価、健康診断、腫瘍の視覚化等の、当該技術分野において既知の方法により決定される。
本明細書に提供される化合物1の固体形態は、1日1回(QD)投与され得るか、または1日2回(BID)、1日3回(TID)、及び1日4回(QID)等の複数の1日投与量に分割され得る。加えて、投与は、連続して(すなわち、連続した日にわたって毎日、または毎日)、間欠的に、例えば、サイクルで(すなわち、数日間、数週間、または数ヶ月の休薬期間を含む)あり得る。本明細書で使用される場合、「毎日」という用語は、化合物1の固体形態等の治療的化合物が、例えば、ある期間にわたって、1日1回または1回超投与されることを意味するよう意図されている。「連続」という用語は、化合物1の固体形態等の治療的化合物が、少なくとも10日間〜52週間の中断なしの期間にわたって毎日投与されることを意味するよう意図されている。本明細書に使用される「間欠的」または「間欠的に」という用語は、規則的間隔または不規則な間隔のいずれかで、停止及び開始することを意味することが意図されている。例えば、化合物1の固体形態の間欠的投与は、週に1〜6日間の投与、サイクル投与(例えば、連続した2〜8週間にわたって連日投与、その後、最大1週間の投与なしの休止期間)、または隔日投与である。本明細書で使用される「サイクル」という用語は、化合物1の固体形態等の治療的化合物が、毎日または連続して投与されるが、休止期間を伴うことを意味するよう意図されている。いくつかのかかる実施形態では、2〜6日間、1日1回投与であり、その後5〜7日間は投与なしの休止期間である。いくつかの他のかかる実施形態では、投与は、28日サイクルの最初の2〜5日間または10日間にわたって1日1回、その後、28日サイクルの残りの期間にわたって投与なしの休止期間が続く。
いくつかの実施形態では、投与頻度は、約1日投与量から約1月投与量までの範囲である。ある特定の実施形態では、投与は、1日1回、1日2回、1日3回、1日4回、隔日1回、週2回、週1回、2週間毎に1回、3週間毎に1回、または4週間毎に1回である。一実施形態では、化合物1の固体形態は、1日1回投与される。別の実施形態では、化合物1の固体形態は、1日2回投与される。なお別の実施形態では、本明細書に提供される化合物1の固体形態は、1日3回投与される。さらに別の実施形態では、本明細書に提供される化合物1の固体形態は、1日4回投与される。
ある特定の実施形態では、本明細書に提供される化合物1の固体形態は、1日〜6ヶ月間、1週間〜3ヶ月間、1週間〜4週間、1週間〜3週間、または1週間〜2週間にわたって1日1回投与される。ある特定の実施形態では、本明細書に提供される化合物1の固体形態は、1週間、2週間、3週間、または4週間にわたって1日1回投与される。一実施形態では、本明細書に提供される化合物1の固体形態は、4日間にわたって1日1回投与される。一実施形態では、本明細書に提供される化合物1の固体形態は、5日間にわたって1日1回投与される。一実施形態では、本明細書に提供される化合物1の固体形態は、6日間にわたって1日1回投与される。一実施形態では、本明細書に提供される化合物1の固体形態は、1週間にわたって1日1回投与される。別の実施形態では、本明細書に提供される化合物1の固体形態は、2週間にわたって1日1回投与される。なお別の実施形態では、本明細書に提供される化合物1の固体形態は、3週間にわたって1日1回投与される。さらに別の実施形態では、本明細書に提供される化合物1の固体形態は、4週間にわたって1日1回投与される。
6.3.1.第2の活性薬剤との併用療法
本明細書に提供される化合物1の固体形態はまた、本明細書に記載のがんの治療及び/または予防に有用な他の治療薬と組み合わせられ得るか、それと組み合わせて使用され得る。
一実施形態では、患者に、1つ以上の第2の活性薬剤と組み合わせて、かつ任意に放射線療法、輸血、または外科手術と組み合わせて、本明細書に提供される化合物1の固体形態を投与することを含む、がんの治療、予防、及び/または管理方法が本明細書に提供される。第2の活性薬剤の例は、本明細書に開示されている。
本明細書に提供される化合物1の固体形態はまた、本明細書に記載のMDSの治療及び/または予防に有用な他の治療薬と組み合わせられ得るか、それと組み合わせて使用され得る。
一実施形態では、患者に、1つ以上の第2の活性薬剤と組み合わせて、かつ任意に放射線療法、輸血、または外科手術と組み合わせて、本明細書に提供される化合物1の固体形態を投与することを含む、MDSの治療、予防、及び/または管理方法が本明細書に提供される。第2の活性薬剤の例は、本明細書に開示されている。
本明細書で使用される場合、「組み合わせて」という用語は、1つより多くの療法剤(例えば、1つ以上の予防薬及び/または治療薬)の使用を含む。しかしながら、「組み合わせて」という用語の使用は、療法剤(例えば、予防薬及び/または治療薬)が疾患または障害を有する患者に投与される順序を制限しない。第1の療法剤(例えば、予防薬または治療薬、例えば、本明細書に提供される化合物、本明細書に提供される化合物、例えば、化合物1の固体形態は、対象に、第2の療法剤(例えば、予防薬または治療薬)の投与前(例えば、5分間、15分間、30分間、45分間、1時間、2時間、4時間、6時間、12時間、24時間、48時間、72時間、96時間、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、8週間、または12週間前)に、それと同時に、またはその後(例えば、5分間、15分間、30分間、45分間、1時間、2時間、4時間、6時間、12時間、24時間、48時間、72時間、96時間、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、8週間、または12週間後)に投与され得る。三重療法剤も本明細書に企図される。
本明細書に提供される化合物1の固体形態の及び1つ以上の第2の活性薬剤の患者への投与は、同じまたは異なる投与経路により同時にまたは連続して起こり得る。特定の活性薬剤に用いられる特定の投与経路の好適性は、活性薬剤自体(例えば、それが血流に入る前に分解することなく経口投与され得るか)及び治療されるがんに依存する。
化合物1の固体形態の投与経路は、第2の療法剤の投与経路とは無関係である。別の実施形態では、化合物1の固体形態は、静脈内投与される。したがって、これらの実施形態に従って、化合物1の固体形態は、静脈内投与され、第2の療法剤は、経口、非経口、腹腔内、静脈内、動脈内、経皮、舌下、筋肉内、直腸、経頬、鼻腔内、リポソーム、吸入により、膣内、眼内、カテーテルもしくはステントによる局所送達により、皮下、脂肪内、関節内、髄腔内、または持続放出剤形により投与され得る。一実施形態では、化合物1の固体形態及び第2の療法剤は、同じ投与様式、経口、またはIVにより投与される。別の実施形態では、化合物1の固体形態は、ある投与様式、例えば、IVにより投与され、第2の薬剤(抗がん剤)は、別の投与様式、例えば、経口により投与される。
一実施形態では、第2の活性薬剤は、静脈内または皮下に、約1〜約1000mg、約5〜約500mg、約10〜約350mg、または約50〜約200mgの量で1日1回または2回投与される。第2の活性薬剤の特定の量は、使用される特定の薬剤、治療及び/または管理される疾患の種類、疾患の重症度及び病期、ならびに患者に同時に投与される本明細書に提供される化合物1の固体形態及び任意の追加の活性薬剤の量に依存する。
1つ以上の第2の活性成分または薬剤は、本明細書に提供される方法及び組成物において化合物1の固体形態と一緒に使用され得る。第2の活性薬剤は、大分子(例えば、タンパク質)または小分子(例えば、合成無機、有機金属、もしくは有機分子)であり得る。
大分子活性薬剤の例としては、造血成長因子、サイトカイン、ならびにモノクローナル及びポリクローナル抗体、特に、がん抗原への治療抗体が挙げられるが、これらに限定されない。典型的な大分子活性薬剤は、天然に存在する、または合成、または組換えタンパク質等の生体分子である。本明細書に提供される方法及び組成物に特に有用なタンパク質は、インビトロまたはインビボでの造血前駆細胞及び免疫学的に活性な造血細胞の生存及び/または増殖を刺激するタンパク質を含む。他の有用なタンパク質は、インビトロまたはインビボで細胞におけるコミットされた赤血球系前駆体の分裂及び分化を刺激する。特定のタンパク質としては、IL−2(組換えIL−II(「rIL2」)及びカナリア痘IL−2を含む)、IL−10、IL−12、及びIL−18;インターフェロン(例えばインターフェロンα−2a、インターフェロンα−2b、インターフェロンα−n1、インターフェロンα−n3、インターフェロンβ−Ia、及びインターフェロンγ−Ib);GM−CF及びGM−CSF;ならびにEPOが挙げられるが、これらに限定されない。
ある特定の実施形態では、GM−CSF、G−CSF、SCF、またはEPOは、約1〜約750mg/m2/日、約25〜約500mg/m2/日、約50〜約250mg/m2/日、または約50〜約200mg/m2/日の範囲に及ぶ量で、4週間または6週間サイクルにおいて約5日間皮下投与される。ある特定の実施形態では、GM−CSFは、約60〜約500mcg/m2の量で2時間にわたって静脈内投与され得るか、または約5〜約12mcg/m2/日の量で皮下投与され得る。ある特定の実施形態では、G−CSFは、最初に約1mcg/kg/日の量で皮下投与され得、総顆粒球数の上昇に応じて調整され得る。維持投与量のG−CSFは、約300mcg(より小さい患者において)または480mcgの量で皮下投与され得る。ある特定の実施形態では、EPOは、1週間当たり10,000単位の量で3回皮下投与され得る。
方法及び組成物に使用することができる特定のタンパク質には、Neupogen(登録商標)(Amgen,Thousand Oaks,CA)という商品名で米国で販売されているフィルグラスチム;Leukine(登録商標)(Immunex,Seattle,WA)という商品名で米国で販売されているサルグラモスチム;及びEpogen(登録商標)(Amgen,Thousand Oaks,CA)という商品名で米国で販売されている組換えEPOが挙げられるが、これらに限定されない。
GM−CSFの組換え及び変異形態は、米国特許第5,391,485号、同第5,393,870号、及び同第5,229,496号に記載されているように調製することができ、これらの文献はすべて、参照により本明細書に組み込まれる。G−CSFの組換え及び変異形態は、米国特許第4,810,643号、同第4,999,291号、同第5,528,823号、及び同第5,580,755号に記載されているように調製することができ、これらの文献の全体は、参照により本明細書に組み込まれる。
本明細書に提供される化合物1の固体形態と組み合わせて使用するために、天然タンパク質、天然に存在するタンパク質、及び組換えタンパク質も提供される。天然に存在するタンパク質の変異体及び誘導体(例えば、修飾された形態)が、元となるタンパク質の薬理学的に活性の少なくともいくらかをインビボで呈する当該タンパク質の変異体及び誘導体をさらに包含する。変異体の例としては、タンパク質の天然に存在する形態で対応する残基とは異なる1つ以上のアミノ酸残基を有するタンパク質が挙げられるが、これらに限定されない。また、「変異体」という用語によって包含されるのは、それらの天然に存在する形態(例えば、非グリコシル化形態)で通常存在する炭水化物部分を欠失しているタンパク質である。誘導体の例としては、ペグ化誘導体、及びIgG1またはIgG3を、対象となるタンパク質または当該タンパク質の活性部分に融合することによって形成されるタンパク質等の融合タンパク質が挙げられるが、これらに限定されない。例えば、Penichet,M.L.and Morrison,S.L.,J.Immunol.Methods 248:91−101(2001)を参照されたい。
本明細書に提供される化合物1の固体形態と組み合わせて使用され得る抗体には、モノクローナル抗体及びポリクローナル抗体が含まれる。抗体の例としては、トラスツズマブ(Herceptin(登録商標))、リツキシマブ(Rituxan(登録商標))、ベバシズマブ(Avastin(商標))、ペルツズマブ(Omnitarg(商標))、トシツモマブ(Bexxar(登録商標))、エドレコロマブ(Panorex(登録商標))、及びG250が挙げられるが、これらに限定されない。化合物1の固体形態はまた、抗TNF−α抗体及び/または抗EGFR抗体、例えば、Erbitux(登録商標)またはパニツムマブ等と組み合わせられ得るか、またはそれらと組み合わせて使用され得る。
大分子活性薬剤は、抗がんワクチンの形態で投与され得る。例えば、IL−2、G−CSF、及びGM−CSF等のサイトカインを分泌するか、またはその分泌を引き起こすワクチンは、提供される方法及び薬学的組成物に使用され得る。例えば、Emens,L.A.,et al.,Curr.Opinion Mol.Ther.3(1):77−84(2001)を参照されたい。
小分子である第2の活性薬剤は、本明細書に提供される化合物1の固体形態の投与に関連する有害作用を緩和するためにも使用され得る。しかしながら、いくつかの大分子と同様に、多くは、(例えば、その投与前、その投与後、またはその投与と同時に)本明細書に提供される化合物1の固体形態と投与される場合、相乗効果を提供することができると考えられる。小分子の第2の活性薬剤の例としては、抗がん剤、抗生物質、免疫抑制剤、及びステロイドが挙げられるが、これらに限定されない。
ある特定の実施形態では、第2の薬剤は、HSP阻害剤、プロテアソーム阻害剤、FLT3阻害剤、またはTORキナーゼ阻害剤である。
本明細書に記載の方法または組成物で使用される抗がん剤の例としては、アシビシン、アクラルビシン、アコダゾールヒドロクロリド、アクロニン、アドゼレシン、アルデスロイキン、アルトレタミン、アンボマイシン、酢酸アメタントロン、アムサクリン、アナストロゾール、アントラマイシン、アスパラギナーゼ、アスペルリン、アザシチジン、アゼテパ、アゾトマイシン、バチマスタット、ベンゾデパ、ビカルタミド、ビサントレンヒドロクロリド、ビスナフィドジメシラート、ビゼレシン、硫酸ブレオマイシン、ブレキナルナトリウム、ブロピリミン、ブスルファン、カクチノマイシン、カルステロン、カラセミド、カルベチマー、カルボプラチン、カルムスチン、カルビシンヒドロクロリド、カルゼレシン、セデフィンゴール、セレコキシブ(COX−2阻害剤)、クロラムブシル、シロレマイシン、シスプラチン、クラドリビン、クロファラビン、クリスナトールメシラート、シクロホスファミド、Ara−C、ダカルバジン、ダクチノマイシン、ダウノルビシンヒドロクロリド、デシタビン、デキソルマプラチン、デザグアニン、デザグアニンメシラート、ジアジクオン、ドセタキセル、ドキソルビシン、ドキソルビシンヒドロクロリド、ドロロキシフェン、ドロロキシフェンシトラート、ドロモスタノロンプロピオナート、デュアゾマイシン、エダトレキサート、エフロルニチンヒドロクロリド、エルサミトルシン、エンロプラチン、エンプロマート、エピプロピジン、エピルビシンヒドロクロリド、エルブロゾール、エソルビシンヒドロクロリド、エストラムスチン、エストラムスチンリン酸ナトリウム、エタニダゾール、エトポシド、リン酸エトポシド、エトプリン、塩酸ファドロゾール、ファザラビン、フェンレチニド、フロクスウリジン、リン酸フルダラビン、フルオロウラシル、フルオロシタビン、ホスキドン、ホストリエシンナトリウム、ゲムシタビン、ゲムシタビンヒドロクロリド、ヒドロキシ尿素、イダルビシンヒドロクロリド、イホスファミド、イルモフォシン、イプロプラチン、イリノテカン、イリノテカンヒドロクロリド、酢酸ランレオチド、レトロゾール、酢酸ロイプロリド、リアロゾールヒドロクロリド、ロメトレキソールナトリウム、ロムスチン、ロソキサントロンヒドロクロリド、マソプロコール、マイタンシン、メクロレタミンヒドロクロリド、酢酸メゲストロール、酢酸メレンゲストロール、メルファラン、メノガリル、メルカプトプリン、メトトレキサート、メトトレキサートナトリウム、メトプリン、メツレデパ、ミチンドミド、ミトカルシン、ミトクロミン、ミトギリン、ミトマルシン、ミトマイシン、ミトスペル、ミトタン、ミトキサントロンヒドロクロリド、ミコフェノール酸、ノコダゾール、ノガラマイシン、オマセタキシン、オルマプラチン、オキシスラン、パクリタキセル、ペグアスパルガーゼ、ペリオマイシン、ペンタムスチン、ペプロマイシンスルファート、ペルホスファミド、ピポブロマン、ピポスルファン、ピロキサントロンヒドロクロリド、プリカマイシン、プロメスタン、ポルフィマーナトリウム、ポルフィロマイシン、プレドニムスチン、プロカルバジンヒドロクロリド、ピューロマイシン、ピューロマイシンヒドロクロリド、ピラゾフリン、リボプリン、サフィンゴール、サフィンゴールヒドロクロリド、セムスチン、シムトラゼン、ソラフェニブ、スパルフォサートナトリウム、スパルソマイシン、スピロゲルマニウムヒドロクロリド、スピロムスチン、スピロプラチン、ストレプトニグリン、ストレプトゾシン、スロフェヌル、タリソマイシン、テコガランナトリウム、タキソテレ、テガフル、テロキサントロンヒドロクロリド、テモポルフィン、テニポシド、テロキシロン、テストラクトン、チアミプリン、チオグアニン、チオテパ、チアゾフリン、チラパザミン、トレミフェンシトラート、酢酸トレストロン、リン酸トリシリビン、トリメトレキサート、トリメトレキサートグルクロナート、トリプトレリン、ツブロゾールヒドロクロリド、ウラシルマスタード、ウレデパ、バプレオチド、ベルテポルフィン、ビンブラスチンスルファート、ビンクリスチンスルファート、ビンデシン、ビンデシンスルファート、ビネピジンスルファート、ビングリシナートスルファート、ビンロイロシンスルファート、ビノレルビンタートラート、ビンロシジンスルファート、ビンゾリジンスルファート、ボロゾール、ゼニプラチン、ジノスタチン、及びゾルビシンヒドロクロリドが挙げられるが、これらに限定しない。
方法または組成物に含まれる他の抗がん薬物としては、20−エピ−1,25ジヒドロキシビタミンD3、5−エチニルウラシル、アビラテロン、アクラルビシン、アシルフルベン、アデシペノール、アドゼレシン、アルデスロイキン、ALL−TKアンタゴニスト、アルトレタミン、アンバムスチン、アミドックス、アミホスチン、アミノレブリン酸、アムルビシン、アムサクリン、アナグレリド、アナストロゾール、アンドログラホリド、血管新生阻害剤、アンタゴニストD、アンタゴニストG、アンタレリクス、抗背側化形態形成タンパク質1、抗アンドロゲン薬、前立腺癌、抗エストロゲン薬、アンチネオプラストン、アンチセンスオリゴヌクレオチド、アフィジコリングリシナート、アポトーシス遺伝子調節剤、アポトーシス調節剤、アプリン酸、ara−CDP−DL−PTBA、アルギニンデアミナーゼ、アスラクリン、アタメスタン、アトリムスチン、アクシナスタチン1、アクシナスタチン2、アクシナスタチン3、アザセトロン、アザトキシン、アザチロシン、バッカチンIII誘導体、バラノール、バチマスタット、BCR/ABLアンタゴニスト、ベンゾクロリン、ベンゾイルスタウロスポリン、ベータラクタム誘導体、ベータ−アレチン、ベタクラマイシンB、ベツリン酸、bFGF阻害剤、ビカルタミド、ビサントレン、ビサジリジニルスペルミン、ビスナフィド、ビストラテンA、ビゼレシン、ブレフラート、ブロピリミン、ブドチタン、ブチオニンスルホキシミン、カルシポトリオール、カルホスチンC、カンプトテシン誘導体、カペシタビン、カルボキサミド−アミノ−トリアゾール、カルボキシアミドトリアゾール、CaRestM3、CARN700、軟骨由来阻害剤、カルゼレシン、カゼインキナーゼ阻害剤(ICOS)、カスタノスペルミン、セクロピンB、セトロレリクス、chlorlns、クロロキノキサリンスルホンアミド、シカプロスト、シス−ポルフィリン、クラドリビン、クロミフェン類似体、クロトリマゾール、コリスマイシンA、コリスマイシンB、コンブレタスタチンA4、コンブレタスタチン類似体、コナゲニン、クランベシジン816、クリスナトール、クリプトフィシン8、クリプトフィシンA誘導体、クラシンA、シクロペンタントラキノン、シクロプラタム、シペマイシン、Ara−Cオクホスファート、細胞溶解因子、シトスタチン、ダクリキシマブ、デシタビン、デヒドロジデムニンB、デスロレリン、デキサメタゾン、デキシホスファミド、デクスラゾキサン、デクスベラパミル、ジアジクオン、ジデムニンB、ジドックス、ジエチルノルスペルミン、ジヒドロ−5−アザシチジン、ジヒドロタキソール、9−、ジオキサマイシン、ジフェニルスピロムスチン、ドセタキセル、ドコサノール、ドラセトロン、ドキシフルリジン、ドキソルビシン、ドロロキシフェン、ドロナビノール、デュオカルマイシンSA、エブセレン、エコムスチン、エデルホシン、エドレコロマブ、エフロルニチン、エレメン、エミテフル、エピルビシン、エプリステリド、エストラムスチン類似体、エストロゲンアゴニスト、エストロゲンアンタゴニスト、エタニダゾール、リン酸エトポシド、エキセメスタン、ファドロゾール、ファザラビン、フェンレチニド、フィルグラスチム、フィナステリド、フラボピリドール、フレゼラスチン、フルアステロン、フルダラビン、フルオロダウノルビシンヒドロクロリド、フォルフェニメクス、フォルメスタン、ホストリエシン、フォテムスチン、ガドリニウムテキサフィリン、硝酸ガリウム、ガロシタビン、ガニレリクス、ゼラチナーゼ阻害剤、ゲムシタビン、グルタチオン阻害剤、ヘプスルファム、ヘレグリン、ヘキサメチレンビスアセトアミド、ハイペリシン、イバンドロン酸、イダルビシン、イドキシフェン、イドラマントン、イルモフォシン、イロマスタット、イマチニブ(例えば、Gleevec(登録商標))、イミキモド、免疫刺激ペプチド、インスリン様増殖因子1受容体阻害剤、インターフェロンアゴニスト、インターフェロン、インターロイキン、ヨーベングアン、ヨードドキソルビシン、イポメアノール、4−、イロプラクト、イルソグラジン、イソベンガゾール、イソホモハリコンドリンB、イタセトロン、ジャスプラキノリド、カハラリドF、ラメラリン−Nトリアセタート、ランレオチド、レイナマイシン、レノグラスチム、レンチナンスルファート、レプトルスタチン、レトロゾール、白血病抑制因子、白血球アルファインターフェロン、ロイプロリド+エストロゲン+プロゲステロン、ロイプロレリン、レバミソール、リアロゾール、直鎖ポリアミン類似体、親油性二糖ペプチド、親油性白金化合物、リッソクリナミド7、ロバプラチン、ロンブリシン、ロメトレキソール、ロニダミン、ロソキサントロン、ロソキソリビン、ルルトテカン、ルテチウムテキサフィリン、リソフィリン、溶解性ペプチド、マイタンシン、マンノスタチンA、マリマスタット、マソプロコール、マスピン、マトリリジン阻害剤、マトリックスメタロプロテイナーゼ阻害剤、メノガリル、メルバロン、メテレリン、メチオニナーゼ、メトクロプラミド、MIF阻害剤、ミフェプリストン、ミルテホシン、ミリモスチム、ミトグアゾン、ミトラクトール、ミトマイシン類似体、ミトナフィド、ミトトキシン線維芽細胞増殖因子−サポリン、ミトキサントロン、モファロテン、モルグラモスチム、Erbitux、ヒト絨毛性性腺刺激ホルモン、モノホスホリルリピドA+ミコバクテリウム細胞壁ストレプトキナーゼ、モピダモール、マスタード抗がん剤、ミカペルオキシドB、ミコバクテリア細胞壁抽出物、ミリアポロン、N−アセチルジナリン、N置換ベンズアミド、ナファレリン、ナグレスチプ、ナロキソン+ペンタゾシン、ナパビン、ナフテルピン、ナルトグラスチム、ネダプラチン、ネモルビシン、ネリドロン酸、ニルタミド、ニサマイシン、一酸化窒素調節剤、一酸化窒素抗酸化剤、ニトルリン、オブリマーセン(Genasense(登録商標))、O6−ベンジルグアニン、オクトレオチド、オキセノン、オリゴヌクレオチド、オナプリストン、オンダンセトロン、オンダンセトロン、オラシン、口腔サイトカイン誘導因子、オルマプラチン、オサテロン、オキサリプラチン、オキサウノマイシン、パクリタキセル、パクリタキセル類似体、パクリタキセル誘導体、パラウアミン、パルミトイルリゾキシン、パミドロン酸、パナキシトリオール、パノミフェン、パラバクチン、パゼリプチン、ペグアスパルガーゼ、ペルデシン、ペントサンポリスルファートナトリウム、ペントスタチン、ペントロゾール、ペルフルブロン、ペルホスファミド、ペリリルアルコール、フェナジノマイシン、酢酸フェニル、ホスファターゼ阻害薬、ピシバニル、ピロカルピンヒドロクロリド、ピラルビシン、ピリトレキシム、プラセチンA、プラセチンB、プラスミノーゲン活性化因子阻害剤、白金錯体、白金化合物、白金−トリアミン錯体、ポルフィマーナトリウム、ポルフィロマイシン、プレドニゾン、プロピルビス−アクリドン、プロスタグランジンJ2、プロテアソーム阻害剤、プロテインA系免疫調節剤、プロテインキナーゼC阻害剤、プロテインキナーゼC阻害剤、微細藻類、プロテインチロシンホスファターゼ阻害剤、プリンヌクレオシドホスホリラーゼ阻害剤、プルプリン、ピラゾロアクリジン、ピリドキシル化ヘモグロビンポリオキシエチレン共役体、rafアンタゴニスト、ラルチトレキセド、ラモセトロン、rasファルネシルタンパク質転移酵素阻害剤、ras阻害剤、ras−GAP阻害剤、脱メチル化レテリプチン、レニウムRe 186エチドロナート、リゾキシン、リボザイム、RIIレチナミド、ロヒツキン、ロムルチド、ロキニメクス、ルビギノンB1、ルボキシル、サフィンゴール、サイントピン、SarCNU、サルコフィトールA、サルグラモスチム、Sdi 1模倣薬、セムスチン、老化由来阻害因子1、センスオリゴヌクレオチド、シグナル伝達阻害因子、シゾフィラン、ソブゾキサン、ボロカプタートナトリウム、フェニル酢酸ナトリウム、ソルベロール、ソマトメジン結合タンパク質、ソネルミン、スパルホス酸、スピカマイシンD、スピロムスチン、スプレノペンチン、スポンギスタチン1、スクアラミン、スチピアミド、ストロメリシン阻害剤、スルフィノシン、超作用性血管作動性腸管ペプチドアンタゴニスト、スラジスタ、スラミン、スワインソニン、タリムスチン、タモキシフェンメチオヂド、タウロムスチン、タザロテン、テコガランナトリウム、テガフル、テルラピリリウム、テロメラーゼ阻害剤、テモポルフィン、テニポシド、テトラクロロデカオキシド、テトラゾミン、サリブラスチン、チオコラリン、トロンボポエチン、トロンボポエチン模倣薬剤、チマルファシン、チモポエチン受容体アゴニスト、チモトリナン、甲状腺刺激ホルモン、エチルエチオプルプリンスズ、チラパザミン、二塩化チタノセン、トプセンチン、トレミフェン、翻訳阻害剤、トレチノイン、トリアセチルウリジン、トリシリビン、トリメトレキサート、トリプトレリン、トロピセトロン、ツロステリド、チロシンキナーゼ阻害剤、チルホスチン、UBC阻害剤、ウベニメクス、泌尿生殖洞由来増殖阻害因子、ウロキナーゼ受容体アンタゴニスト、バプレオチド、バリオリンB、ベラレソール、ベラミン、ベルジン、ベルテポルフィン、ビノレルビン、ビンキサルチン、ビタキシン、ボロゾール、ザノテロン、ゼニプラチン、ジラスコルブ、及びジノスタチンスチマラマーが挙げられるが、これらに限定されない。
ある特定の実施形態では、化合物1の固体形態は、チェックポイント阻害剤と組み合わせて投与される。一実施形態では、1つのチェックポイント阻害剤が、本明細書に提供される方法に関連して化合物1の固体形態と組み合わせて使用される。別の実施形態では、2つのチェックポイント阻害剤が、本明細書に提供される方法に関連して化合物1の固体形態と組み合わせて使用される。なお別の実施形態では、3つ以上のチェックポイント阻害剤が、本明細書に提供される方法に関連して化合物1の固体形態と組み合わせて使用される。
本明細書で使用される場合、「免疫チェックポイント阻害剤」または「チェックポイント阻害剤」という用語は、1つ以上のチェックポイントタンパク質を完全にまたは部分的に減らす、阻害、拮抗、または調節する分子を指す。特定の理論によって制限されることなく、チェックポイントタンパク質は、T細胞活性化または機能を調節する。CTLA−4とそのリガンドCD80及びCD86;ならびにPD−1とそのリガンドPD−Ll及びPD−L2等の多くのチェックポイントタンパク質が、既知である(Pardoll,Nature Reviews Cancer,2012,12,252−264)。これらのタンパク質は、T細胞応答の共刺激または阻害性相互作用を担うと思われる。免疫チェックポイントタンパク質は、自己寛容性、ならびに生理学的免疫応答の期間及び程度を調節して維持する。免疫チェックポイント阻害剤は、抗体を含むか、または抗体から誘導される。
一実施形態では、チェックポイント阻害剤は、CTLA−4阻害剤である。一実施形態では、CTLA−4阻害剤は、抗CTLA−4抗体である。抗CTLA−4抗体の例としては、米国特許第5,811,097号、同第5,811,097号、同第5,855,887号、同第6,051,227号、同第6,207,157号、同第6,682,736号、同第6,984,720号、及び同第7,605,238号に記載されるものが挙げられるが、これらに限定されず、これらはすべて、それらの全体が本明細書に組み込まれる。一実施形態では、抗CTLA−4抗体は、トレメリムマブ(別名、チシリムマブまたはCP−675,206)である。別の実施形態では、抗CTLA−4抗体は、イピリムマブ(別名、MDX−010またはMDX−101)である。イピリムマブは、CTLA−4に結合する完全ヒトモノクローナルIgG抗体である。イピリムマブは、Yervoy(商標)という商品名で販売されている。
一実施形態では、チェックポイント阻害剤は、PD−1/PD−L1阻害剤である。PD−l/PD−L1阻害剤の例としては、米国特許第7,488,802号、同第7,943,743号、同第8,008,449号、同第8,168,757号、同第8,217,149号、ならびにPCT特許出願公開第WO2003042402号、同第WO2008156712号、同第WO2010089411号、同第WO2010036959号、同第WO2011066342号、同第WO2011159877号、同第WO2011082400号、及び同第WO2011161699号に記載のものが挙げられるが、これらに限定されず、これらはすべて、それらの全体が本明細書に組み込まれる。
一実施形態では、チェックポイント阻害剤は、PD−1阻害剤である。一実施形態では、PD−1阻害剤は、抗PD−1抗体である。一実施形態では、抗PD−1抗体は、ニボルマブ(別名、ONO−4538、BMS−936558、もしくはMDX1106)またはペンブロリズマブ(別名、MK−3475、SCH 900475、もしくはランブロリズマブ)である。一実施形態では、抗PD−1抗体は、ニボルマブである。ニボルマブは、ヒトIgG4抗PD−1モノクローナル抗体であり、Opdivo(商標)という商品名で販売されている。別の実施形態では、抗PD−1抗体は、ペンブロリズマブである。ペンブロリズマブは、ヒト化モノクローナルIgG4抗体であり、Keytruda(商標)という商品名で販売されている。さらに別の実施形態では、抗PD−1抗体は、ヒト化抗体CT−011である。単独で投与されたCT−011は、再発時に急性骨髄性白血病(AML)の治療への反応を示すことができない。さらに別の実施形態では、抗PD−1抗体は、融合タンパク質AMP−224である。
一実施形態では、チェックポイント阻害剤は、PD−L1阻害剤である。一実施形態では、PD−L1阻害剤は、抗PD−L1抗体である。一実施形態では、抗PD−L1抗体は、MEDI4736(デュルバルマブ)である。別の実施形態では、抗PD−L1抗体は、BMS−936559(別名、MDX−1105−01)である。さらに別の実施形態では、PD−L1阻害剤は、アテゾリズマブ(別名、MPDL3280A、及びTecentriq(登録商標))である。
一実施形態では、チェックポイント阻害剤は、PD−L2阻害剤である。一実施形態では、PD−L2阻害剤は、抗PD−L2抗体である。一実施形態では、抗PD−L2抗体は、rHIgM12B7Aである。
一実施形態では、チェックポイント阻害剤は、リンパ球活性化遺伝子3(LAG−3)阻害剤である。一実施形態では、LAG−3阻害剤は、可溶性Ig融合タンパク質IMP321である(Brignone et al.,J.Immunol.,2007,179,4202−4211)。別の実施形態では、LAG−3阻害剤は、BMS−986016である。
一実施形態では、チェックポイント阻害剤は、B7阻害剤である。一実施形態では、B7阻害剤は、B7−H3阻害剤またはB7−H4阻害剤である。一実施形態では、B7−H3阻害剤は、抗B7−H3抗体MGA271である(Loo et al.,Clin. Cancer Res.,2012,3834)。
一実施形態では、チェックポイント阻害剤は、TIM3(T細胞免疫グロブリンドメイン及びムチンドメイン3)阻害剤である(Fourcade et al.,J.Exp.Med.,2010,207,2175−86;Sakuishi et al.,J.Exp.Med.,2010,207,2187−94)。
一実施形態では、チェックポイント阻害剤は、OX40(CD134)アゴニストである。一実施形態では、チェックポイント阻害剤は、抗OX40抗体である。一実施形態では、抗OX40抗体は、抗OX−40である。別の実施形態では、抗OX40抗体は、MEDI6469である。
一実施形態では、チェックポイント阻害剤は、GITRアゴニストである。一実施形態では、チェックポイント阻害剤は、抗GITR抗体である。一実施形態では、抗GITR抗体は、TRX518である。
一実施形態では、チェックポイント阻害剤は、CD137アゴニストである。一実施形態では、チェックポイント阻害剤は、抗CD137抗体である。一実施形態では、抗CD137抗体は、ウレルマブである。別の実施形態では、抗CD137抗体は、PF−05082566である。
一実施形態では、チェックポイント阻害剤は、CD40アゴニストである。一実施形態では、チェックポイント阻害剤は、抗CD40抗体である。一実施形態では、抗CD40抗体は、CF−870,893である。
一実施形態では、チェックポイント阻害剤は、組換えヒトインターロイキン−15(rhIL−15)である。
一実施形態では、チェックポイント阻害剤は、IDO阻害剤である。一実施形態では、IDO阻害剤は、INCB024360である。別の実施形態では、IDO阻害剤は、インドキシモドである。
ある特定の実施形態では、本明細書に提供される併用療法は、本明細書に記載のチェックポイント阻害剤(同じまたは異なる種類のチェックポイント阻害剤を含む)のうちの2つ以上を含む。さらに、本明細書に記載の併用療法は、本明細書に記載の疾患を治療するために適切であり、当該技術分野で理解される、本明細書に記載の第2の活性薬剤と組み合わせて使用することができる。
ある特定の実施形態では、化合物1は、それらの表面(例えば、修飾された免疫細胞)上の1つ以上のキメラ抗原受容体(CAR)を発現する1つ以上の免疫細胞と組み合わせて使用することができる。通常、CARは、第1のタンパク質、例えば、抗原結合タンパク質)由来の細胞外ドメイン、膜貫通ドメイン、及び細胞内シグナル伝達ドメインを含む。ある特定の実施形態では、一旦細胞外ドメインが、腫瘍関連抗原(TAA)または腫瘍特異的抗原(TSA)等の標的タンパク質に結合すると、シグナルは、例えば、標的タンパク質を発現する細胞を標的とし、死滅させるために、免疫細胞を活性化する細胞内シグナル伝達ドメインを介して生成される。
細胞外ドメイン:CARの細胞外ドメインは、対象となる抗原に結合する。ある特定の実施形態では、CARの細胞外ドメインは、受容体、または該抗原に結合する受容体の一部分を含む。ある特定の実施形態では、細胞外ドメインは、抗体もしくはその抗原結合部分を含むか、または抗体もしくはその抗原結合部分である。特定の実施形態では、細胞外ドメインは、一本鎖Fv(scFv)ドメインを含むか、または一本鎖Fv(scFv)ドメインである。一本鎖Fvドメインは、例えば、可撓性リンカーによってVHに連結されたVLを含み得、当該VL及びVHは、当該抗原に結合する抗体由来である。
ある特定の実施形態では、本明細書に記載のポリペプチドの細胞外ドメインによって認識される抗原は、腫瘍関連抗原(TAA)または腫瘍特異的抗原(TSA)である。様々な特定の実施形態では、腫瘍関連抗原または腫瘍特異的抗原は、Her2、前立腺幹細胞抗原(PSCA)、アルファ−フェトタンパク質(AFP)、がん胎児性抗原(CEA)、がん抗原−125(CA−125)、CA19−9、カルレチニン、MUC−1、B細胞成熟抗原(BCMA)、上皮膜タンパク質(EMA)、上皮腫瘍抗原(ETA)、チロシナーゼ、メラノーマ−24関連抗原(MAGE)、CD19、CD22、CD27、CD30、CD34、CD45、CD70、CD99、CD117、EGFRvIII(上皮成長因子変異体III)、メソテリン、PAP(前立腺酸性ホスファターゼ)、プロステイン、TARP(T細胞受容体ガンマ代替リーディングフレームタンパク質)、Trp−p8、STEAPI(前立腺の6回膜貫通上皮抗原1)、クロモグラニン、サイトケラチン、デスミン、グリア線維性酸性タンパク質(GFAP)、総嚢胞性疾患液体タンパク質(GCDFP−15)、HMB−45抗原、タンパク質メラン−A(Tリンパ球によって認識されるメラノーマ抗原;MART−I)、myo−D1、筋特異的アクチン(MSA)、ニューロフィラメント、ニューロン特異的エノラーゼ(NSE)、胎盤アルカリホスファターゼ、シナプトフィシス、チログロブリン、甲状腺転写因子−1、二量体形態のピルビン酸キナーゼアイソエンザイムM2型(腫瘍M2−PK)、異常なrasタンパク質、または異常なp53タンパク質であるが、これらに限定されない。ある特定の他の実施形態では、CARの細胞外ドメインによって認識されるTAAまたはTSAは、インテグリンαvβ3(CD61)、ガラクチン、またはRal−Bである。
ある特定の実施形態では、CARの細胞外ドメインによって認識されるTAAまたはTSAは、がん/精巣(CT)抗原、例えば、BAGE、CAGE、CTAGE、FATE、GAGE、HCA661、HOM−TES−85、MAGEA、MAGEB、MAGEC、NA88、NY−ES0−1、NY−SAR−35、OY−TES−1、SPANXBI、SPA17、SSX、SYCPI、またはTPTEである。
ある特定の他の実施形態では、CARの細胞外ドメインによって認識されるTAAまたはTSAは、炭水化物またはガングリオシド、例えば、fuc−GMI、GM2(腫瘍胎児抗原−免疫原性−1、OFA−I−1);GD2(OFA−I−2)、GM3、GD3等である。
ある特定の他の実施形態では、CARの細胞外ドメインによって認識されるTAAまたはTSAは、アルファ−アクチニン−4、Bage−1、BCR−ABL、Bcr−Abl融合タンパク質、ベータ−カテニン、CA 125、CA 15−3(CA 27.29\BCAA)、CA 195、CA 242、CA−50、CAM43、Casp−8、cdc27、cdk4、cdkn2a、CEA、coa−1、dek−can融合タンパク質、EBNA、EF2、エプスタインバーウイルス抗原、ETV6−AML1融合タンパク質、HLA−A2、HLA−All、hsp70−2、KIAA0205、Mart2、Mum−1、2、及び3、neo−PAP、ミオシンクラスI、OS−9、pml−RARα融合タンパク質、PTPRK、K−ras、N−ras、トリオースホスファートイソメラーゼ、Gage 3,4,5,6,7、GnTV、Herv−K−mel、Lage−1、NA−88、NY−Eso−1/Lage−2、SP17、SSX−2、TRP2−Int2、gp100(Pmel17)、チロシナーゼ、TRP−1、TRP−2、MAGE−1、MAGE−3、RAGE、GAGE−1、GAGE−2、p15(58)、RAGE、SCP−1、Hom/Mel−40、PRAME、p53、HRas、HER−2/neu、E2A−PRL、H4−RET、IGH−IGK、MYL−RAR、ヒトパピローマウイルス(HPV)抗原E6及びE7、TSP−180、MAGE−4、MAGE−5、MAGE−6、p185erbB2、p180erbB−3、c−met、nm−23H1、PSA、TAG−72−4、CA 19−9、CA 72−4、CAM 17.1、NuMa、K−ras、13−カテニン、Mum−1、p16、TAGE、PSMA、CT7、テロメラーゼ、43−9F、5T4、791Tgp72、13HCG、BCA225、BTAA、CD68\KP1、C0−029、FGF−5、G250、Ga733(EpCAM)、HTgp−175、M344、MA−50、MG7−Ag、MOV18、NB\70K、NY−C0−1、RCAS1、SDCCAG16、TA−90、TAAL6、TAG72、TLP、またはTPSである。
様々な特定の実施形態では、腫瘍関連抗原または腫瘍特異的抗原は、S.Anguille et al,Leukemia(2012),26,2186−2196に記載されるような、AML関連腫瘍抗原である。
他の腫瘍関連抗原または腫瘍特異的抗原は、当業者に既知である。
キメラ抗原受容体を構築する際に有用なTSA及びTAAに結合する受容体、抗体、及びscFvは、それらをコードするヌクレオチド配列として当該技術分野で既知である。
ある種の特定の実施形態では、キメラ抗原受容体の細胞外ドメインによって認識される抗原は、TSAまたはTAAであるが、それにもかかわらず腫瘍細胞に関連するものであるか、または腫瘍によって引き起こされる損傷であると一般にみなされない抗原である。ある特定の実施形態では、例えば、抗原は、例えば、成長因子、サイトカイン、またはインターロイキン、例えば成長因子、サイトカイン、または血管新生もしくは血管形成に関連するインターロイキンである。かかる成長因子、サイトカイン、またはインターロイキンは、例えば、血管内皮成長因子(VEGF)、塩基性線維芽細胞成長因子(bFGF)、血小板由来成長因子(PDGF)、肝細胞成長因子(HGF)、インスリン様成長因子(IGF)、またはインターロイキン−8(IL−8)を含み得る。腫瘍は、腫瘍に局所的な低酸素環境も作製し得る。したがって、他の特定の実施形態では、抗原は、低酸素症関連因子、例えば、HIF−1α、HIF−1β、HIF−2α、HIF−2β、HIF−3α、またはHIF−3βである。腫瘍は、局所的な損傷を正常組織にも引き起こし、損傷関連分子パターン分子(DAMP、別名、アラーミン)として知られている分子の放出を引き起こし得る。したがって、ある種の他の特定の実施形態では、抗原は、DAMP、例えば、熱ショックタンパク質、クロマチン関連タンパク質高移動度群ボックス1(HMGB 1)、S100A8(MRP8、カルグラニュリンA)、S100A9(MRP14、カルグラニュリンB)、血清アミロイドA(SAA)であるか、またはデオキシリボ核酸、アデノシン三リン酸、尿酸、もしくはヘパリン硫酸であり得る。
膜貫通ドメイン:ある特定の実施形態では、CARの細胞外ドメインは、リンカー、スペーサ、またはヒンジポリペプチド配列、例えば、CD28由来の配列もしくはCTLA4由来の配列によってポリペプチドの膜貫通ドメインに結合される。膜貫通ドメインは、任意の膜貫通タンパク質の膜貫通ドメインから得られ得るか、またはそれに由来し得、かかる膜貫通ドメインのすべてまたはその一部分を含み得る。特定の実施形態では、膜貫通ドメインは、例えば、CD8、CD16、サイトカイン受容体、及びインターロイキン受容体、または成長因子受容体等から得られ得るか、またはそれに由来し得る。
細胞内シグナル伝達ドメイン:ある特定の実施形態では、CARの細胞内ドメインは、T細胞の表面上で発現されるタンパク質の細胞内ドメインまたはモチーフであるか、またはそれらを含み、当該T細胞の活性化及び/または増殖をもたらす。かかるドメインまたはモチーフは、CARの細胞外部分への抗原の結合に応答してTリンパ球の活性化に必要な一次抗原結合シグナルを伝送することができる。典型的には、このドメインまたはモチーフは、ITAM(免疫受容体チロシン系活性化モチーフ)を含むか、またはITAMである。CARに好適なITAM含有ポリペプチドには、例えば、ゼータCD3鎖(CD3ζ)またはそのITAM含有部分が含まれる。特定の実施形態では、細胞内ドメインは、CD3ζ細胞内シグナル伝達ドメインである。他の特定の実施形態では、細胞内ドメインは、リンパ球受容体鎖、TCR/CD3複合体タンパク質、Fe受容体サブユニット、またはIL−2受容体サブユニット由来である。ある特定の実施形態では、CARは、さらに、例えば、ポリペプチドの細胞内ドメインの一部として1つ以上の共刺激ドメインまたはモチーフを含む。1つ以上の共刺激ドメインまたはモチーフは、共刺激CD27ポリペプチド配列、共刺激CD28ポリペプチド配列、共刺激OX40(CD134)ポリペプチド配列、共刺激4−1BB(CD137)ポリペプチド配列、または共刺激誘導性T細胞共刺激性(ICOS)ポリペプチド配列、または他の共刺激ドメインもしくはモチーフ、またはそれらの任意の組み合わせのうちの1つ以上であり得るか、またはそれらを含み含み得る。
CARは、T細胞生存モチーフも含み得る。T細胞生存モチーフは、抗原による刺激後のTリンパ球の生存を促進する任意のポリペプチド配列またはモチーフであり得る。ある特定の実施形態では、T細胞生存モチーフは、CD3、CD28、IL−7受容体の細胞内シグナル伝達ドメイン(IL−7R)、IL−12受容体の細胞内シグナル伝達ドメイン、IL−15受容体の細胞内シグナル伝達ドメイン、IL−21受容体の細胞内シグナル伝達ドメイン、または形質転換成長因子β(TGFβ)受容体の細胞内シグナル伝達ドメインであるか、またはそれらに由来する。
CARを発現する修飾免疫細胞は、例えば、Tリンパ球(T細胞、例えば、CD4+T細胞またはCD8+T細胞)、細胞傷害性リンパ球(CTL)、または天然キラー(NK)細胞であり得る。本明細書に提供される組成物及び方法で使用されるTリンパ球は、ナイーブTリンパ球またはMHCの制限されたTリンパ球であり得る。ある特定の実施形態では、Tリンパ球は、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)である。ある特定の実施形態では、Tリンパ球は、腫瘍生検から単離されているか、または腫瘍生検から単離されたTリンパ球から拡大されたものである。ある特定の他の実施形態では、T細胞は、末梢血、臍帯血、またはリンパ液から単離されたものであるか、または末梢血、臍帯血、もしくはリンパ液から単離されたTリンパ球から拡大されるものである。CARを発現する修飾免疫細胞を生成するために使用される免疫細胞は、当該技術分野で認められた常法、例えば、血液収集後、アフェレーシス及び任意に抗体媒介性の細胞単離または選別を使用して単離され得る。
修飾免疫細胞は、好ましくは修飾免疫細胞が投与される個体に自己移植される。ある特定の他の実施形態では、修飾免疫細胞は、修飾免疫細胞が投与される個体に同種である。同種Tリンパ球またはNK細胞は、修飾されたTリンパ球を調製するために使用される場合、個体における移植片対宿主病(GVHD)の可能性を低めるであろうTリンパ球またはNK細胞を選択することが好ましい。例えば、ある特定の実施形態では、ウイルス特異的Tリンパ球は、修飾Tリンパ球の調製のために選択され、かかるリンパ球は、任意のレシピエント抗原に結合する著しく低減された天然能力を有することが予想され、それ故に、それらによって活性化されるであろう。ある特定の実施形態では、同種Tリンパ球のレシピエント媒介性拒絶は、1つ以上の免疫抑制剤、例えば、シクロスポリン、タクロリムス、シロリムス、シクロホスファミド等の宿主への共投与により減少され得る。
Tリンパ球、例えば、未修飾Tリンパ球、またはCD3及びCD28を発現するTリンパ球、またはCD3ζシグナル伝達ドメイン及びCD28共刺激ドメインを含むポリペプチドを含むTリンパ球は、CD3及びCD28への抗体、例えば、ビーズに結合した抗体を使用して拡張され得、例えば、米国特許第5,948,893号、同第6,534,055号、同第6,352,694号、同第6,692,964号、同第6,887,466号、及び同第6,905,681号を参照されたい。
修飾免疫細胞、例えば、修飾Tリンパ球は、所望される場合、修飾免疫細胞の実質的にすべての死滅を可能にする「自殺遺伝子」または「安全スイッチ」を任意に含むことができる。例えば、修飾Tリンパ球は、ある特定の実施形態では、ガンシクロビルと接触した時に、修飾Tリンパ球の死をもたらす、HSVチミジンキナーゼ遺伝子(HSV−TK)を含むことができる。別の実施形態では、修飾Tリンパ球は、誘導性カスパーゼ、例えば、誘導性カスパーゼ9(icaspase9)、例えば、カスパーゼ9と特定の低分子医薬を使用した二量体化を可能にするヒトFK506結合タンパク質との融合タンパク質を含む。Straathof et al.,Blood 1 05(11):4247−4254(2005)を参照されたい。
方法または組成物に特に有用な特定の第2の活性薬剤としては、リツキシマブ、オブリマーセン(Genasense(登録商標))、レミケード、ドセタキセル、セレコキシブ、メルファラン、デキサメタゾン(デカドロン(登録商標))、ステロイド、ゲムシタビン、シスプラチナム、テモゾロミド、エトポシド、シクロホスファミド、テモダール、カルボプラチン、プロカルバジン、グリアデル、タモキシフェン、トポテカン、メトトレキサート、Arisa(登録商標)、タキソール、タキソテール、フルオロウラシル、ロイコボリン、イリノテカン、キセロダ、インターフェロンα、ペグ化インターフェロンα(例えば、PEG INTRON−A)、カペシタビン、シスプラチン、チオテパ、フルダラビン、カルボプラチン、リポソームダウノノルビシン、Ara−C、ドキセタキソール、パシリタキセル、ビンブラスチン、IL−2、GM−CSF、ダカルバジン、ビノレルビン、ゾレドロン酸、パルミトロナート、バイアキシン、ブスルファン、プレドニゾン、ビスホスホネート、三酸化ヒ素、ビンクリスチン、ドキソルビシン(Doxil(登録商標))、パクリタキセル、ガンシクロビル、アドリアマイシン、エストラムスチンリン酸ナトリウム(Emcyt(登録商標))、スリンダク、及びエトポシドが挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書に提供される方法のある特定の実施形態では、本明細書に提供される化合物1の固体形態と組み合わせた第2の活性薬剤の使用は、当業者によって適切であるとみなされるように、本明細書に提供される化合物1の固体形態の投与中または投与直後に修飾または遅延され得る。ある特定の実施形態では、本明細書に提供される化合物1の固体形態を単独でまたは他の療法剤と組み合わせて投与される対象は、適切な場合、制吐剤、骨髄性成長因子、及び血小板輸血を含む支持療法を受け得る。いくつかの実施形態では、本明細書に提供される化合物1の固体形態を投与される対象は、当業者の判断に従って、第2の活性薬剤として成長因子を投与され得る。いくつかの実施形態では、リスロポエチンまたはダルベポエチン(Aranesp)と組み合わせた本明細書に提供される化合物1の固体形態の投与が提供される。
ある特定の実施形態では、本明細書に提供される化合物1の固体形態は、局所進行性または転移性移行細胞膀胱癌を有する患者に、ゲムシタビン、シスプラチナム、5−フルオロウラシル、ミトマイシン、メトトレキサート、ビンブラスチン、ドキソルビシン、カルボプラチン、チオテパ、パクリタキセル、またはドセタキセルと共に投与される。
ある特定の実施形態では、本明細書に提供される化合物1の固体形態は、以下の第2の活性成分:再発性もしくは進行性の脳腫瘍または再発性神経芽細胞腫を有する小児患者に対してはテモゾロミド;再発性または進行性のCNS癌に対してはセレコキシブ、エトポシド、及びシクロホスファミド;再発性または進行性の髄膜腫、悪性髄膜腫、血管周囲細胞腫、多発性脳転移、再発性脳腫瘍、または新しく診断された多形性膠芽腫を有する患者に対してはテモダール;再発性膠芽腫を有する患者に対してはイリノテカン;脳幹神経膠腫を有する小児患者に対してはカルボプラチン;進行性悪性神経膠腫を有する小児患者に対してはプロカルバジン;予後不良の悪性脳腫瘍、新しく診断されたもしくは再発性多形性膠芽腫を有する患者に対してはシクロホスファミド;高悪性度の再発性悪性神経膠腫に対してはGliadel(登録商標);未分化星状細胞腫に対してはテモゾロミド及びタモキシフェン;または神経膠腫、膠芽腫、未分化星状細胞腫、または未分化乏突起神経膠腫に対してはトポテカンと組み合わせて投与される。
ある特定の実施形態では、本明細書に提供される化合物1の固体形態は、転移性乳癌を有する患者に、メトトレキサート、シクロホスファミド、5−フルオロウラシル、タキサン、エベロリムス、アブラキサン、ラパチニブ、ヘルセプチン、パミドロネート二ナトリウム、エリブリンメシレート、エベロリムス、ゲムシタビン、パルボシクリブ、イキサベピロン、カドサイラ、ペルツズマブ、テオテパ、アロマターゼ阻害剤、エキセメスタン、選択的エストロゲン調節剤、エストロゲン受容体アンタゴニスト、アントラサイクリン、エムタンシン、及び/またはペキシダルチニブと共に投与される。
ある特定の実施形態では、本明細書に提供される化合物1の固体形態は、神経内分泌腫瘍を有する患者に、テモゾロミド、ドキソルビシン(アドリアマイシン)、フルオロウラシル(アドルシル、5−フルオロウラシル)、またはストレプトゾシン(Zanosar)と共に投与される。
ある特定の実施形態では、本明細書に提供される化合物1の固体形態は、再発性または転移性の頭頸部癌を有する患者に、メトトレキサート、ゲムシタビン、シスプラチン、セツキシマブ、5−フルオロウラシル、ブレオマイシン、ドセタキセル、またはカルボプラチンと共に投与される。
ある特定の実施形態では、本明細書に提供される化合物1の固体形態は、膵臓癌を有する患者に、ゲムシタビン、アブラキサン、5−フルオロウラシル、アフィニトール、イリノテカン、マイトマイシンC、スニチニブ、またはタルセバと共に投与される。
ある特定の実施形態では、本明細書に提供される化合物1の固体形態は、結腸癌を有する患者に、ARISA(登録商標)、アバスタチン、オキサリプラチン、5−フルオロウラシル、イリノテカン、カペシタビン、セツキシマブ、ラムシルマブ、パニツムマブ、ベバシズマブ、ロイコボリンカルシウム、ロンサーフ、レゴラフェニブ、ziv−アフリベルセプト、タキソール、及び/またはタキソテールと組み合わせて投与される。
ある特定の実施形態では、本明細書に提供される化合物1の固体形態は、不応性結腸直腸癌を有する患者、あるいは初回療法に失敗するか、または結腸もしくは直腸腺癌に不良な性能を有する患者に、カペシタビン及び/またはベムラフェニブと共に投与される。
ある特定の実施形態では、本明細書に提供される化合物1の固体形態は、Dukes C&D結腸直腸癌を有する患者、または転移性結腸直腸癌を以前に治療されたことがある患者に、フルオロウラシル、ロイコボリン、及びイリノテカンと組み合わせて投与される。
ある特定の実施形態では、本明細書に提供される化合物1の固体形態は、不応性結腸直腸癌を有する患者に、カペシタビン、キセロダ、及び/またはイリノテカンと組み合わせて投与される。
ある特定の実施形態では、本明細書に提供される化合物1の固体形態は、不応性結腸直腸癌を有する患者または切除不能もしくは転移性結腸直腸癌を有する患者に、カペシタビン及びイリノテカンと共に投与される。
ある特定の実施形態では、本明細書に提供される化合物1の固体形態は、切除不能もしくは転移性肝細胞癌を有する患者に、単独でまたはインターフェロンアルファもしくはカペシタビンと組み合わせて、または原発性もしくは転移性肝臓癌を有する患者に、シスプラチン及びチオテパと組み合わせて、またはトシル酸ソラフェニブと組み合わせて投与される。
ある特定の実施形態では、本明細書に提供される化合物1の固体形態は、カポジ肉腫を有する患者に、ドキソルビシン、パクリタキセル、ビンブラスチン、またはペグ化インターフェロンアルファと組み合わせて投与される。
ある特定の実施形態では、本明細書に提供される化合物1の固体形態は、不応性または再発性または高リスク急性骨髄性白血病を有する患者に、三酸化ヒ素、フルダラビン、カルボプラチン、ダウノルビシン、シクロホスファミド、シタラビン、ドキソルビシン、イダルビシン、塩酸ミトキサントロン、チオグアニン、ビンクリチン、及び/またはトポテカンと組み合わせて投与される。
ある特定の実施形態では、本明細書に提供される化合物1の固体形態は、好ましくない核型急性骨髄芽球性白血病を有する患者に、リポソームダウノルビシン、トポテカン、及び/またはシタラビンと組み合わせて投与される。
ある特定の実施形態では、本明細書に提供される化合物1の固体形態は、非小細胞肺癌を有する患者に、メトトレキサート、塩酸メクロレタミン、アファチニブジマレアート、ペメトレキセド、ベバシズマブ、カルボプラチン、シスプラチン、セリチニブ、クリゾチニブ、ラムシルマブ、ペンブロリズマブ、ドセタキセル、酒石酸ビノレルビン、ゲムシタビン、アブラキサン、エルロチニブ、ゲフィチニブ、及び/またはイリノテカンと組み合わせて投与される。
ある特定の実施形態では、本明細書に提供される化合物1の固体形態は、非小細胞肺癌を有する患者に、カルボプラチン及びイリノテカンと組み合わせて投与される。
ある特定の実施形態では、本明細書に提供される化合物1の固体形態は、炭水化物/エトポシド及び放射線療法で以前に治療されたことがある非小細胞肺癌を有する患者に、ドキセタキソールと共に投与される。
ある特定の実施形態では、本明細書に提供される化合物1の固体形態は、非小細胞肺癌を有する患者に、カルボプラチン及び/もしくはタキソテールと組み合わせて、またはカルボプラチン、パクリタキセル、及び/もしくは胸部放射線療法と組み合わせて投与される。
ある特定の実施形態では、本明細書に提供される化合物1の固体形態は、ステージIIIBまたはIV非小細胞肺癌を有する患者に、タキソテールと組み合わせて投与される。
ある特定の実施形態では、本明細書に提供される化合物1の固体形態は、小細胞肺癌を有する患者に、オブリマーセン(Genasense(登録商標))、メトトレキサート、塩酸メクロレタミン、エトポシド、トポテカン、またはドキソルビシンと組み合わせて投与される。
ある特定の実施形態では、本明細書に提供される化合物1の固体形態は、リンパ腫及び他の血液癌を有する患者に、ABT−737(Abbott Laboratories)及び/またはオバトクラックス(GX15−070)と組み合わせて投与される。
ある特定の実施形態では、本明細書に提供される化合物1の固体形態は、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、皮膚T細胞リンパ腫、皮膚B細胞リンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、または再発性もしくは不応性の低悪性度濾胞性リンパ腫を含むが、これらに限定されない様々な種類のリンパ腫を有する患者に、単独でまたは第2の活性成分、例えば、ビンブラスチンもしくはフルダラビンアドセトリス、アンボクロリン、ベセヌム、ブレオマイシン、ブレンツキシマブベドチン、カルムスチンクロラムブシル、シクロホスファミド、ダカルバジン、ドキソルビシン、ロムスチン、マチュレン、塩酸メクロレタミン、プレドニゾン、塩酸プロカルバジン、またはビンクリスチンと組み合わせて投与される。
ある特定の実施形態では、本明細書に提供される化合物1の固体形態は、様々な種類またはステージの黒色腫を有する患者に、タキソテール、ダブラフェニブ、イムリジック、イピリムマブ、ペンブロリズマブ、ニボルマブ、トラメチニブ、ベムラフェニブ、タリモジーンラハーパレプベック、IL−2、IFN、GM−CSF、及び/またはダカルバジンと組み合わせて投与される。
ある特定の実施形態では、本明細書に提供される化合物1の固体形態は、悪性中皮腫、または胸膜インプラントもしくは悪性胸水中皮腫症候群を有するステージIIIB非小細胞肺癌を有する患者に、単独でまたはビノレルビンと組み合わせて投与される。
ある特定の実施形態では、本明細書に提供される化合物1の固体形態は、様々な種類またはステージの多発性骨髄腫を有する患者に、デキサメタゾン、ゾレドロン酸、パルミトロナート、GM−CSF、バイアキシン、ビンブラスチン、メルファラン、ブスルファン、シクロホスファミド、IFN、プレドニゾン、ビスホスホネート、セレコキシブ、三酸化ヒ素、PEG INTRON−A、ビンクリスチン、ベセヌム、ボルテゾミブ、カーフィルゾミブ、ドキソルビシン、パノビノスタット、レナリドマイド、ポマリドマイド、サリドマイド、モゾビル、またはこれらの組み合わせと組み合わせて投与される。
ある特定の実施形態では、本明細書に提供される化合物1の固体形態は、様々な種類またはステージの多発性骨髄腫を有する患者に、キメラ抗原受容体(CAR)T細胞と組み合わせて投与される。
ある特定の実施形態では、本明細書に提供される化合物1の固体形態は、再発性または不応性多発性骨髄腫を有する患者に、ドキソルビシン(Doxil(登録商標))、ビンクリスチン、及び/またはデキサメタゾン(Decadron(登録商標))と組み合わせて投与される。
ある特定の実施形態では、本明細書に提供される化合物1の固体形態は、様々な種類またはステージの卵巣癌、例えば、腹膜癌、乳頭状漿液性癌、不応性卵巣癌、または再発性卵巣癌を有する患者に、タキソール、カルボプラチン、ドキソルビシン、ゲムシタビン、シスプラチン、キセロダ、パクリタキセル、デキサメタゾン、アバスチン、シクロホスファミド、トポテカン、オラパリブ、チオテパ、またはこれらの組み合わせと組み合わせて投与される。
ある特定の実施形態では、本明細書に提供される化合物1の固体形態は、様々な種類またはステージの前立腺癌を有する患者に、キセロダ、5FU/LV、ゲムシタビン、イリノテカン+ゲムシタビン、シクロホスファミド、ビンクリスチン、デキサメタゾン、GM−CSF、セレコキシブ、タキソテール、ガンシクロビル、パクリタキセル、アドリアマイシン、ドセタキセル、エストラムスチン、Emcyt、デンデロン、ザイティガ、ビカルタミド、カバジタキセル、デガレリクス、エンザルタミド、ゾラデックス、酢酸ロイプロリド、塩酸ミトキサントロン、プレドニゾン、シプリューセル−T、ラジウム223ジクロリド、またはこれらの組み合わせと組み合わせて投与される。
ある特定の実施形態では、本明細書に提供される化合物1の固体形態は、様々な種類またはステージの腎細胞癌を有する患者に、カペシタビン、IFN、タモキシフェン、IL−2、GM−CSF、Celebrex(登録商標)、またはこれらの組み合わせと組み合わせて投与される。
ある特定の実施形態では、本明細書に提供される化合物1の固体形態は、様々な種類またはステージの婦人科、子宮、または軟部組織肉腫の癌を有する患者に、IFN、ダクチノマイシン、ドキソルビシン、メシル酸イマチニブ、パゾパニブ、塩酸塩、トラベクテジン、COX−2阻害剤、例えば、Celebrex(登録商標)、及び/またはスリンダクと組み合わせて投与される。
ある特定の実施形態では、本明細書に提供される化合物1の固体形態は、様々な種類またはステージの固形腫瘍を有する患者に、セレブレックス、エトポシド、シクロホスファミド、ドセタキセル、アペシタビン、IFN、タモキシフェン、IL−2、GM−CSF、またはこれらの組み合わせと組み合わせて投与される。
ある特定の実施形態では、本明細書に提供される化合物1の固体形態は、強皮症または皮膚血管炎を有する患者に、セレブレックス、エトポシド、シクロホスファミド、ドセタキセル、アペシタビン、IFN、タモキシフェン、IL−2、GM−CSF、またはこれらの組み合わせと組み合わせて投与される。
ある特定の実施形態では、本明細書に提供される化合物1の固体形態は、MDSを有する患者に、アザシチジン、シタラビン、ダウノルビシン、デシタビン、イダルビシン、レナリドマイド、またはこれらの組み合わせと組み合わせて投与される。
患者に安全かつ効果的に投与され得る抗がん薬物または薬剤の投薬量の増加方法も本明細書に包含され、本方法は、患者(例えばヒト)に、本明細書に提供される化合物1の固体形態を投与することを含む。この方法の利益を得ることができる患者は、特定の皮膚癌、皮下組織癌、リンパ節癌、脳癌、肺癌、肝臓癌、骨癌、腸癌、結腸癌、心臓癌、膵臓癌、副腎癌、腎臓癌、前立腺癌、乳癌、結腸直腸癌、またはこれらの組み合わせを治療するための抗がん薬物に関連する有害作用に罹患している可能性が高い者である。本明細書に提供される化合物1の固体形態の投与は、さもなければ抗がん薬物の量を限定するであろう重症度の有害作用を緩和または軽減する。
一実施形態では、本明細書に提供される化合物1の固体形態は、抗がん薬物の投与に関連する有害作用の発生前、発生中、または発生後に、約0.1〜約150mg、約1〜約50mg、または約2〜約25mg、または約1〜約10mgの範囲の量で毎日投与される。ある特定の実施形態では、本明細書に提供される化合物1の固体形態は、好中球減少症または血小板減少症等であるが、これらに限定されない抗がん薬物に関連する有害作用を回避するために、ヘパリン、アスピリン、クマジン、またはG−CSF等の特定の薬剤と組み合わせて投与される。
一実施形態では、本明細書に提供される化合物1の固体形態は、望ましくない血管新生に関連するか、またはそれを特徴とする疾患及び障害を有する患者に、抗がん薬物、抗炎症、抗ヒスタミン、抗生物質、及びステロイドを含むが、これらに限定されない追加の活性成分と組み合わせて投与される。
別の実施形態では、がんの治療、予防、及び/または管理の方法が本明細書に包含され、本方法は、がんの治療、予防、及び/または管理に現在使用されている外科手術、免疫療法、生物学的療法、放射線療法、または他の非薬物に基づく療法を含むが、これらに限定されない従来の療法と共に(例えば、その療法前、その療法中、またはその療法後に)、本明細書に提供される化合物1の固体形態を投与することを含む。本明細書に提供される化合物と従来の療法との併用使用は、ある特定の患者に予想外に有効である固有の治療レジメンを提供し得る。理論によって限定されるものではないが、本明細書に提供される化合物1の固体形態が、従来の療法と同時に与えられる場合、相加または相乗効果を提供し得ると考えられる。
本明細書に他の箇所に論じられるように、外科手術、化学療法、放射線療法、ホルモン療法、生物学的療法、または免疫療法が挙げられるが、これらに限定されない従来の療法に関連する副作用または望ましくない効果を減らす、治療、及び/または予防する方法が、本明細書に包含される。本明細書に提供される化合物1の固体形態及び他の活性成分は、患者に、従来の療法に関連する有害作用の発生前、発生中、または発生後に投与され得る。
ある特定の実施形態では、本明細書に提供される方法は、化合物1の固体形態とのカルシウム、カルシトリオール、及びビタミンD補充の投与を含む。ある特定の実施形態では、本明細書に提供される方法は、化合物1の固体形態での治療前に、カルシウム、カルシトリオール、及びビタミンD補充の投与を含む。
ある特定の実施形態では、カルシウムの補充は、分割した投与量で施された1日当たり少なくとも1200mgのカルシウム元素を送達するために投与される。ある特定の実施形態では、カルシウムの補充は、経口で(PO)1日3回投与された500mgの投与量で炭酸カルシウムとして投与される。
ある特定の実施形態では、カルチトリオールの補充は、0.25μgのカルチトリオールを送達するために1日1回投与(PO)される。
ある特定の実施形態では、ビタミンDの補充は、約500IU〜約5000IUのビタミンDを送達するために1日1回投与される。ある特定の実施形態では、ビタミンDの補充は、約1000IUのビタミンDを送達するために1日1回投与される。ある特定の実施形態では、ビタミンDの補充は、約50,000IUのビタミンDを送達するために毎週投与される。ある特定の実施形態では、ビタミンDの補充は、約1000IUのビタミンD2またはD3を送達するために1日1回投与される。ある特定の実施形態では、ビタミンDの補充は、約50,000IUのビタミンD2またはD3を送達するために毎週投与される。
一実施形態では、化合物1の固体形態は、従来の療法の使用前、使用中、または使用後に、単独でまたは本明細書に開示される第2の活性薬剤と組み合わせて、約0.1〜約150mg/日、約1〜約25mg/日、または約2〜約10mg/日の範囲の量で投与され得る。
ある特定の実施形態では、本明細書に提供される化合物1の固体形態及びドキセタキソールは、炭水化物/VP16及び放射線療法で以前に治療された非小細胞肺癌を有する患者に投与される。
6.3.2.移植療法での使用
本明細書に提供される本明細書に提供される化合物1の固体形態は、移植片対宿主病(GVHD)のリスクを低減するために使用され得る。したがって、本明細書に提供される化合物1の固体形態を移植療法と共に投与することを含む、がんの治療、予防、及び/または管理方法が本明細書に包含される。
当業者が認識しているように、がんの治療は、しばしば、疾患のステージ及び機序に基づいている。例えば、回避不能な白血病性形質転換は、がんの特定のステージで発病するため、末梢血幹細胞の移植、造血幹細胞製剤、または骨髄が必要であり得る。本明細書に提供される本明細書に提供される化合物1の固体形態と移植療法との併用により、特有かつ予想外の相乗作用が提供される。具体的には、本明細書に提供される化合物1の固体形態は、がんを有する患者に移植療法と同時に与えられる場合、相加または相乗効果を提供し得る免疫調節活性を呈する。
本明細書に提供される化合物1の固体形態は、移植療法と組み合わせて機能して、移植の侵襲的技法に関連する合併症及びGVHDのリスクを低減することができる。臍帯血、胎盤血、末梢血幹細胞、造血幹細胞調製、または骨髄の移植前、移植中、または移植後に、患者(例えば、ヒト)に、本明細書に提供される化合物1の固体形態を投与することを含む、がんの治療、予防、及び/または管理方法が本明細書に包含される。本明細書に提供される方法で用いるために好適な幹細胞のいくつかの例は、米国特許第7,498,171号に開示されており、この開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
一実施形態では、本明細書に提供される化合物1の固体形態は、移植前、移植中、または移植後に、急性骨髄性白血病を有する患者に投与される。
一実施形態では、本明細書に提供される化合物1の固体形態は、自己末梢血前駆細胞の移植前、移植中、または移植後に、多発性骨髄腫を有する患者に投与される。
一実施形態では、本明細書に提供される化合物1の固体形態は、自己末梢血前駆細胞の移植前、移植中、または移植後に、NHL(例えば、DLBCL)を有する患者に投与される。
6.3.3.サイクリング療法
ある特定の実施形態では、本明細書に提供される予防薬または治療薬は、患者に周期的に投与される。サイクリング療法には、一定期間の活性薬剤の投与と、それに続く一定期間の休薬を含み、この連続的投与を繰り返す。サイクリング療法により、1つ以上の療法に対する耐性の発達を減少させること、療法の1つの副作用を回避し、もしくは減少させること、及び/または治療の有効性を改善することができる。
結果的に、ある特定の実施形態では、本明細書に提供される本明細書に提供される化合物1の固体形態は、約1週間または2週間の休止期間を伴う4〜6週間サイクルで、単回または分割用量で毎日投与される。サイクリング方法はさらに、投薬サイクルの頻度、回数、及び長さを増加することができる。したがって、ある特定の実施形態では、単独で投与される典型的な場合よりも多くのサイクルにわたる本明細書に提供される化合物1の固体形態の投与が本明細書に包含される。ある特定の実施形態では、本明細書に提供される化合物1の固体形態は、第2の活性成分も投与されていない患者に用量制限毒性を典型的に引き起こすであろうより多数のサイクルにわたって投与される。
一実施形態では、本明細書に提供される化合物1の固体形態は、約0.1〜約150mg/日の用量で3週間または4週間にわたって毎日連続して投与され、その後、1週間または2週間の中断が続く。別の実施形態では、本明細書に提供される化合物1の固体形態は、約1〜約10mgの用量で、28日サイクルの最初の2〜5日間または10日間にわたって1日1回投与され、その後、28日サイクルの残りの期間にわたる投与なし休止期間が続く。
別の実施形態では、本明細書に提供される化合物1の固体形態及び第2の活性成分は、経口投与され、化合物1の固体形態投与は、4〜6週間のサイクル中に、第2の活性成分の投与の30〜60分間前に起こる。ある特定の実施形態では、本明細書に提供される化合物1の固体形態と第2の活性成分との組み合わせは、サイクル毎に約90分間にわたって静脈内注入により投与される。ある特定の実施形態では、1サイクルは、約0.1〜約150mg/日の本明細書に提供される化合物1の固体形態及び約50〜約200mg/m2/日の第2の活性成分の3〜4週間にわたる毎日の投与、その後、1週間または2週間の休止を含む。ある特定の実施形態では、併用治療が患者に施される間のサイクル数は、約1〜約24サイクル、約2〜約16サイクル、または約4〜約3サイクルの範囲である。
6.4.患者集団
本明細書に提供される方法のある特定の実施形態では、対象は、動物、好ましくは哺乳動物、より好ましくは非ヒト霊長類である。特定の実施形態では、対象は、ヒトである。対象は、男性または女性対象であり得る。
本明細書に提供される方法に対して特に有用な対象は、ヒトがん患者、例えば、急性骨髄性白血病、急性リンパ球性白血病、慢性骨髄性白血病、及び慢性骨髄性白血病を含む白血病であると診断されている患者を含む。ある特定の実施形態では、対象は、急性前骨髄球性白血病であると診断されていない。
いくつかの実施形態では、対象は、正常なブラスト集団よりも高い。いくつかの実施形態では、対象は、少なくとも10%のブラスト集団を有する。いくつかの実施形態では、対象は、10〜15%のブラスト集団を有する。いくつかの実施形態では、対象は、少なくとも15%のブラスト集団を有する。いくつかの実施形態では、対象は、15〜20%のブラスト集団を有する。いくつかの実施形態では、対象は、少なくとも20%のブラスト集団を有する。いくつかの実施形態では、対象は、約10〜15%、約15〜20%、または約20〜25%のブラスト集団を有する。他の実施形態では、対象は、10%未満のブラスト集団を有する。本明細書に記載の方法との関連で、10%未満のブラスト集団を有する有用な対象には、当業者の判断に従ういかなる理由においても、本明細書に提供される化合物での、単独でのまたは第2の活性薬剤と組み合わせた治療を必要とする対象が含まれる。
いくつかの実施形態では、対象は、白血病に対する対象の米国東海岸がん臨床試験グループ(ECOG)のパフォーマンスステータススコアに基づいて治療される。ECOGのパフォーマンスステータスは、0〜5のスケールにおいて採点され得、0が無症候性を示し、1が症状を示すが完全に外来であることを示し、2が症状を示し、その日の間中、50%未満休んでいることを示し、3が症状を示し、50%超休んでいるが、寝たきりでないことを示し、4が寝たきりであることを示し、5が死を示す。いくつかの実施形態では、対象は、0または1のECOGのパフォーマンスステータススコアを有する。いくつかの実施形態では、対象は、0のECOGのパフォーマンスステータススコアを有する。いくつかの実施形態では、対象は、1のECOGのパフォーマンスステータススコアを有する。他の実施形態では、対象は、2のECOGのパフォーマンスステータススコアを有する。
ある特定の実施形態では、本明細書に提供される方法は、白血病のために以前に治療されていない対象の治療を包含する。いくつかの実施形態では、対象は、同種骨髄移植を受けていない。いくつかの実施形態では、対象は、幹細胞移植を受けていない。いくつかの実施形態では、対象は、ヒドロキシ尿素治療を受けていない。いくつかの実施形態では、対象は、白血病についてのいかなる治験的製品でも治療されていない。いくつかの実施形態では、対象は、全身的グルココルチコイドで治療されていない。
他の実施形態では、本方法は、白血病について以前に治療された対象、または現在治療されている対象を治療することを包含する。例えば、対象は、白血病についての標準的な治療レジメンで以前に治療されていてよく、または現在治療されている。対象は、当業者に既知の任意の標準的な白血病の治療レジメンで治療されてもよい。ある特定の実施形態では、対象は、少なくとも1つの導入/再導入または強化AMLレジメンで以前に治療された。いくつかの実施形態では、対象は、強化レジメンの一部として、自己骨髄移植または幹細胞移植を受けている。いくつかの実施形態では、骨髄または幹細胞移植は、本明細書に提供される方法に従って治療の少なくとも3ヶ月前に行われた。いくつかの実施形態では、対象は、ヒドロキシ尿素治療を受けている。いくつかの実施形態では、ヒドロキシ尿素治療は、本明細書に提供される方法に従って治療前の24時間以内に行われた。いくつかの実施形態では、対象は、シタラビン(Ara−C)での事前導入または強化療法を受けている。いくつかの実施形態では、対象は、全身的グルココルチコステロイドでの治療を受けている。いくつかの実施形態では、グルココルチコステロイド治療は、本明細書に記載の方法に従って治療前の24時間以内に行われた。他の実施形態では、本方法は、がんについて以前に治療されたが、標準的な療法に非応答性である対象を治療することを包含する。
また、再発性または不応性白血病を有している対象の治療方法も包含する。いくつかの実施形態では、対象は、世界保健機関(WHO)により定義されている再発性または不応性AML亜型と診断されている。再発性または不応性疾患は、新生AMLまたは二次AML、例えば、療法関連AML(t−AML)であってもよい。
いくつかの実施形態では、本明細書に提供される方法は、慢性骨髄性白血病(CML)等の薬物耐性白血病を治療するために使用される。それ故に、本明細書に提供される化合物での治療は、他の治療方法に応答しない患者に代替案を提供し得る。いくつかの実施形態では、かかる他の治療方法は、Gleevec(登録商標)(メシル酸イマチニブ)での治療を包含する。いくつかの実施形態では、Philadelphia染色体陽性慢性骨髄性白血病(Ph+CML)の治療方法が本明細書に提供される。いくつかの実施形態では、Gleevec(登録商標)(メシル酸イマチニブ)耐性Philadelphia染色体陽性慢性骨髄性白血病(Ph+CML)の治療方法が本明細書に提供される。
いくつかの疾患または障害は、ある特定の年齢群においてより一般的であるが、対象の年齢にかかわらず、対象の治療方法も含まれる。いくつかの実施形態では、対象は、少なくとも18歳である。いくつかの実施形態では、対象は、18、25、35、40、45、50、55、60、65、または70歳超である。他の実施形態では、対象は、65歳未満である。いくつかの実施形態では、対象は、18歳未満である。いくつかの実施形態では、対象は、18、15、12、10、9、8、または7歳未満である。
いくつかの実施形態では、本方法は、より若い対象が同様に本方法から利益を得るが、少なくとも50歳の対象での使用を見出すことができる。他の実施形態では、対象は、少なくとも55歳、少なくとも60歳、少なくとも65歳、及び少なくとも70歳である。別の実施形態では、対象は、有害な細胞遺伝学を有する。「有害な細胞遺伝学」は、任意の非二倍体核型、または3つ以上の染色体異常として定義される。別の実施形態では、対象は、少なくとも60歳であり、かつ有害な細胞遺伝学を有する。別の実施形態では、対象は、60〜65歳であり、かつ有害な細胞遺伝学を有する。別の実施形態では、対象は、65〜70歳であり、かつ有害な細胞遺伝学を有する。
ある特定の実施形態では、治療される対象は、3ヶ月以内に、本明細書に提供される方法に従う心筋梗塞の治療の病歴を有しない。いくつかの実施形態では、対象は、3ヶ月以内に、本明細書に提供される方法に従う脳血管発作または一過性脳虚血発作の治療の病歴を有しない。いくつかの実施形態では、対象は、本明細書に提供される方法に従う治療の28日以内に、深部静脈血栓症または肺動脈塞栓を含む血栓塞栓性事象を被っていないわけではない。他の実施形態では、対象は、非制御的な播種性血管内血液凝固を経験しなかったか、または経験していない。
がんを有する対象は、異種の臨床症状及び様々な臨床転帰を有するため、患者に与えられる治療は、予後に応じて変更し得る。臨床医であれば、過度の実験の具体的な二次薬剤、ある種の手術、及びがんを有する個体対象を治療するために効果的に使用され得るある種の非薬物系標準的治療なしに容易に決定することができるであろう。
本明細書に提供される化合物と前述の化合物のうちの1つ以上及び任意に1つ以上のさらなる薬理学的に活性な物質とのすべての好適な組み合わせが、本明細書に企図されることが認識されよう。
6.5.薬学的組成物の製剤
本明細書に提供される薬学的組成物は、治療上有効な量の1つ以上の本明細書に提供される化合物1の固体形態と、薬学的に許容される担体、希釈剤、または賦形剤とを含む。
一実施形態では、本明細書に提供される薬学的組成物は、化合物1の形態A及び1つ以上の薬学的に許容される賦形剤または担体を含む。一実施形態では、本明細書に提供される薬学的組成物は、化合物1の形態B及び1つ以上の薬学的に許容される賦形剤または担体を含む。一実施形態では、本明細書に提供される薬学的組成物は、化合物1の形態C及び1つ以上の薬学的に許容される賦形剤または担体を含む。一実施形態では、本明細書に提供される薬学的組成物は、化合物1の形態D及び1つ以上の薬学的に許容される賦形剤または担体を含む。一実施形態では、本明細書に提供される薬学的組成物は、化合物1の形態E及び1つ以上の薬学的に許容される賦形剤または担体を含む。一実施形態では、本明細書に提供される薬学的組成物は、非晶質化合物1及び1つ以上の薬学的に許容される賦形剤または担体を含む。
本化合物は、好適な薬学的調製物、例えば、眼投与または非経口投与のための滅菌溶液または懸濁液、ならびに経皮パッチ調製物及び乾燥粉末吸入物に製剤化され得る。典型的には、上述の化合物1の固体形態は、当該技術分野で既知の技法及び手順を使用して薬学的組成物に製剤化される(例えば、Ansel Introduction to Pharmaceutical Dosage Forms,Seventh Edition 1999を参照のこと)。
組成物において、有効な濃度の1つ以上の化合物1の固体形態は、好適な薬学的担体またはビヒクルと混合される。ある特定の実施形態では、組成物中の化合物1の固体形態の濃度は、投与時に、固形腫瘍及び血液由来腫瘍を含むがんの症状及び/または進行のうちの1つ以上を治療、予防、または緩和する量の送達に有効である。
典型的には、組成物は、単回投薬量の投与のために製剤化される。組成物を製剤化するために、化合物1の固体形態の重量画分は、治療された状態が軽減または緩和されるような有効な濃度で選択されたビヒクル中で溶解、懸濁、分散、またはさもなければ混合される。本明細書に提供される化合物1の固体形態の投与に好適な薬学的担体またはビヒクルには、特定の投与様式に好適であることが当業者に既知の任意の担体が含まれる。
加えて、化合物1の固体形態は、組成物中の唯一の薬学的活性成分として製剤化され得るか、または他の活性成分と組み合わせられ得る。腫瘍標的リポソーム等の組織標的化リポソームを含むリポソーム懸濁液は、薬学的に許容される担体としても好適であり得る。これらは、当業者に既知の方法に従って調製することができる。例えば、リポソーム製剤は、当該技術分野で既知のように調製することができる。簡潔には、多重膜小胞(MLV)等のリポソームは、卵ホスファチジルコリンと脳ホスファチジルセリン(7:3のモル比)をフラスコの内側で乾燥させることによって形成され得る。二価陽イオンを欠くリン酸緩衝生理食塩水(PBS)中の本明細書に提供される化合物の溶液を添加し、脂質フィルムが分散するまでフラスコを振盪する。結果として得られた小胞を洗浄して、カプセル化されていない化合物を除去し、遠心分離によってペレット化し、その後、PBS中に再懸濁する。
化合物1の固体形態は、望ましくない副作用の不在下で治療される患者に治療的に有用な効果を与えるのに十分な量で薬学的に許容される担体中に含まれる。治療上有効な濃度は、本明細書に記載のインビトロ及びインビボ系で化合物1の固体形態を試験することによって実験的に決定され、その後、それからヒトに対する投薬量が推定され得る。
薬学的組成物中の化合物1の固体形態の濃度は、化合物1の固体形態の吸収、組織分布、不活性化、及び排泄速度、化合物1の固体形態の物理化学的特性、投薬スケジュール、及び投与される量、ならびに当業者に既知の他の因子に依存する。例えば、送達される量は、固形腫瘍及び血液由来腫瘍を含むがんの症状のうちの1つ以上を緩和するのに十分である。
ある特定の実施形態では、治療上有効な投薬量は、約0.1ng/mL〜約50〜100μg/mLの活性成分の血清濃度を生成するべきである。一実施形態では、薬学的組成物は、1日体重1kg当たり約0.001mg〜約2000mgの化合物の投薬量を提供する。薬学的単位剤形は、単位剤形当たり約1mg〜約1000mg、ある特定の実施形態では、約10〜約500mgの必須活性成分または必須成分の組み合わせを提供するために調製される。
活性成分は、1回で投与されてもよく、またはいくつかのより少ない用量に分割して、時間間隔をおいて投与されてもよい。治療の正確な投薬量及び持続時間は、治療される疾患の関数であり、既知の試験プロトコルを使用して、またはインビボもしくはインビトロ試験データからの外挿によって実験的に決定され得ることが理解される。濃度及び投薬量の値が緩和される状態の重症度によっても異なり得ることに留意されたい。任意の特定の対象に対しても、特定の投薬レジメンは、時間にわたって、個人の必要性と、本組成物を投与するまたはその投与を監督する人の専門的な判断に従って調整すべきであり、かつ本明細書に記載の濃度範囲は例示のみであり、特許請求される組成物の範囲または実施を制限することを意図されないことをさらに理解されたい。
したがって、有効な濃度または量の本明細書に記載の化合物1の固体形態のうちの1つ以上が、全身、局部、または局所投与に好適な薬学的担体またはビヒクルと混合されて、薬学的組成物を形成する。化合物1の固体形態は、1つ以上の症状を緩和するか、または治療するか、進行を遅延させるか、または予防するのに有効な量で含まれる。組成物中の化合物1の固体形態の濃度は、化合物1の固体形態の吸収、組織分布、不活性化、及び排泄速度、投薬スケジュール、及び投与される量、特定の製剤、ならびに当業者に既知の他の因子に依存する。
組成物は、非経口、直腸、局部、及び局所を含むが、これらに限定されない好適な経路により投与されるよう意図されている。組成物は、液体、半液体、または固体形態であり、各投与経路に好適な様式で製剤化される。
非経口、皮内、皮下、または局部適用に使用される溶液または懸濁液は、以下の成分のうちのいずれかを含み得る:注射用蒸留水、生理食塩水、不揮発性油、ポリエチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコール、ジメチルアセトアミド、または他の合成溶媒等の滅菌希釈剤、ベンジルアルコール及びメチルパラベン等の抗微生物剤、アスコルビン酸及び重亜硫酸ナトリウム等の抗酸化剤、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)等のキレート剤、酢酸塩、クエン酸塩、及びリン酸塩等の緩衝液、ならびに塩化ナトリウムまたはデキストロース等の等張性調節のための薬剤。非経口調製物は、アンプル、ペン、使い捨てシリンジ、またはガラス、プラスチック、もしくは他の好適な材料から作製された単一もしくは複数用量バイアルに封入され得る。
化合物1の固体形態が不十分な溶解度を呈する場合、化合物を可溶化するための方法が使用され得る。かかる方法は、当業者に既知であり、ジメチルスルホキシド(DMSO)等の共溶媒の使用、TWEEN(登録商標)等の界面活性剤の使用、または水性重炭酸ナトリウム中での溶解が挙げられるが、これらに限定されない。
化合物(複数可)の混合または添加時に、結果として得られた混合物は、溶液、懸濁液、エマルジョン等であり得る。結果として得られた混合物の形態は、意図される投与様式及び選択された担体またはビヒクル中の化合物1の固体形態の溶解度を含むいくつかの因子に依存する。有効な濃度は、治療される疾患、障害、または状態の症状を緩和するのに十分なものであり、実験的に決定され得る。
薬学的組成物は、好適な量の化合物1の固体形態を含有する粉末、滅菌非経口溶液または懸濁液、及び油水エマルジョン等の単位剤形で、ヒト及び動物への投与のために提供される。化合物1の固体形態は、単位剤形または複数回剤形で製剤化及び投与される。本明細書で使用される単位剤形は、ヒト及び動物対象に好適であり、当該技術分野で既知のように個別包装された物理的に分離した単位を指す。各単位用量は、必要とされる薬学的担体、ビヒクル、または希釈剤と共に、所望の治療効果をもたらすのに十分な所定の量の化合物1の固体形態を含有する。単位剤形の例としては、アンプル及びシリンジが挙げられる。単位剤形は、分数でまたはその倍数で投与され得る。複数回剤形は、分割された単位剤形で投与されるべき単一容器に包装される複数の同一の単位剤形である。複数回剤形の例としては、バイアル、またはパイントもしくはガロンのボトルが挙げられる。したがって、複数回剤形は、包装時に分離されない複数の単位用量である。
徐放性調製物も調製され得る。徐放性調製物の好適な例としては、本明細書に提供される化合物1の固体形態を含有する固体疎水性ポリマーの半透過性マトリックスが挙げられ、このマトリックスは、造形品、例えば、フィルムまたはマイクロカプセルの形態である。徐放性マトリックスの例としては、イオントフォレシス用パッチ、ポリエステル、ヒドロゲル(例えば、ポリ(2−ヒドロキシエチル−メタクリレート)またはポリ(ビニルアルコール))、ポリラクチド、L−グルタミン酸及びエチル−L−グルタメートのコポリマー、非分解性エチレン−酢酸ビニル、LUPRON DEPOT(商標)(乳酸−グリコール酸コポリマー及び酢酸ロイプロリドから構成される注射可能なミクロスフェア)等の分解性乳酸−グリコール酸コポリマー、及びポリ−D−(−)−3−ヒドロキシ酪酸が挙げられる。エチレン−酢酸ビニル及び乳酸−グリコール酸等のポリマーが100日間にわたる分子の放出を可能にする一方で、ある特定のヒドロゲルは、より短い期間にわたってタンパク質を放出する。カプセル化された化合物は、長期間にわたって体内に残存する場合、それらは、37℃の水分への曝露の結果として変性または凝集し、生物学的活性の損失、及びそれらの構造の可能な変化をもたらし得る。関与する作用機構に応じて、安定化のための合理的な方策が講じられ得る。例えば、凝集機構がチオ−ジスルフィド相互交換による分子間S−−S結合形成であると発見されれば、スルフヒドリル残基を修飾すること、酸性溶液から凍結乾燥すること、水分含有量を制御すること、適切な添加剤を使用すること、及び特定のポリマーマトリクス組成物を開発することによって、安定化が達成され得る。
非毒性担体から作製された平衡0.005%〜100%の範囲の化合物1の固体形態を含有する剤形または組成物が調製され得る。
組成物は、所望の特性の組み合わせを得るために他の活性化合物を含み得る。本明細書に提供される化合物1の固体形態は、有利に、酸化的ストレスに関連する疾患等の上記に称される疾患または医学的状態のうちの1つ以上を治療する際に有益であることが一般分野で既知の別の薬理学的薬剤と一緒に、治療または予防目的のためにも投与され得る。かかる併用療法は、本明細書に提供される治療の組成物及び方法のさらなる態様を構成することを理解されたい。
本明細書に提供される化合物1の固体形態を含有する無水薬学的組成物及び剤形がさらに包含される。例えば、水(例えば、5%)の添加は、時間の経過に伴う製剤の貯蔵寿命または安定性等の特徴を判定するために、長期保管のシミュレーションを行なう手段として、薬学的分野に広く受け入れられる。例えば、Jens T.Carstensen,Drug Stability:Principles & Practice,2d.Ed.,Marcel Dekker,NY,NY,1995,pp.379−80を参照されたい。実際には、水及び加熱は、いくつかの化合物の分解を促進する。したがって、蒸気及び/または湿気が、製剤の製造、操作、包装、保管、輸送、及び使用中に一般的に引き起こされるため、製剤に対する水の影響は、非常に重要であり得る。
本明細書に提供される無水薬学的組成物及び剤形は、無水または低水分含有成分、及び低水分または低湿度条件を用いて調製され得る。ラクトース、及び第一級または第二級アミンを含む少なくとも1つの活性成分を含む薬学的組成物及び剤形は、製造、包装、及び/または保管時に、蒸気及び/または湿気との実質的接触が予想される場合、無水である。
無水薬学的組成物は、その無水性質を維持するように、調製及び保管されるべきである。したがって、無水組成物は、好適な定式のキットに含まれ得るように、水への曝露を阻止することで既知の材料を使用して包装される。好適な包装の例としては、密封フォイル、プラスチック、単位用量容器(例えば、バイアル)が挙げられるが、これらに限定されない。
6.5.1.注射可能物、溶液、及びエマルジョン
一般に、皮下、筋肉注射、または静脈内を特徴とする非経口投与も本明細書に企図される。注射可能物は、液体の溶液または懸濁液のいずれかとしての従来の形態で、注射前に液体中の溶液または懸濁液に好適な固体形態、またはエマルジョンとして調製され得る。好適な賦形剤は、例えば、水、食塩水、デキストロース、グリセロール、またはエタノールである。加えて、所望により、投与される薬学的組成物はまた、少量の非毒性補助物質、例えば、湿潤剤または乳化剤、pH緩衝剤、安定剤、溶解度向上剤、及び他のかかる薬剤、例えば、酢酸ナトリウム、ソルビタンモノラウレート、トリエタノールアミンオレエート、及びシクロデキストリン等を含有してもよい。一定のレベルの投薬量が維持されるように、持続放出または徐放性系の移植も、本明細書で企図される。簡潔には、本明細書に提供される化合物1の固体形態は、固体内部マトリックス、例えば、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸ブチル、可塑化または非可塑化塩化ポリビニル、可塑化ナイロン、可塑化テレフタル酸ポリエチレン、天然ゴム、ポリイソプレン、ポリイソブチレン、ポリブタジエン、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニルコポリマー、シリコーンゴム、ポリジメチルシロキサン、シリコーンカーボネートコポリマー、親水性ポリマー(例えば、アクリル酸及びメタクリル酸のエステルのヒドロゲル)、コラーゲン、架橋ポリビニルアルコール、及び部分的に加水分解された架橋ポリ酢酸ビニル中に分散し、これは、体液中で不溶性である、外部ポリマー膜、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン/プロピレンコポリマー、エチレン/アクリル酸エチルコポリマー、エチレン/酢酸ビニルコポリマー、シリコーンゴム、ポリジメチルシロキサン、ネオプレンゴム、塩素化ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、酢酸ビニル、塩化ビニリデン、エチレン、及びプロピレンとの塩化ビニルのコポリマー、イオノマーポリエチレンテレフタレート、ブチルゴム、エピクロロヒドリンゴム、エチレン/ビニルアルコールコポリマー、エチレン/酢酸ビニル/ビニルアルコールターポリマー、ならびにエチレン/ビニルオキシエタノールコポリマーによって包囲されている。化合物は、放出速度制御ステップにおいて外部ポリマー膜を通って拡散する。かかる非経口組成物中に含有される活性化合物の割合は、その特定の性質、ならびに化合物の活性及び対象の必要性に高度に依存している。
組成物の非経口投与は、静脈内、皮下、及び筋肉内投与を含む。非経口投与のための調製物は、そのまま注射できる滅菌溶液、使用直前に溶媒と組み合わせることができる滅菌し乾燥した可溶性製品、例えば凍結乾燥粉末が含まれ、皮下錠剤、そのまま注射できる滅菌懸濁液、使用直前にビヒクルと組み合わされる滅菌し乾燥した不溶性製品、及び滅菌したエマルジョンを含む。溶液は、水性または非水性のいずれかであり得る。
静脈内投与される場合、好適な担体には、生理食塩水またはリン酸緩衝生理食塩水(PBS)、ならびに増粘剤及び可溶化剤(グルコース、ポリエチレングリコール、及びポリプロピレングリコール、ならびにこれらの混合物等)を含有する溶液が含まれる。
非経口調製物で使用される薬学的に許容される担体には、水性ビヒクル、非水性ビヒクル、抗微生物剤、等張剤、緩衝液、抗酸化剤、局所麻酔剤、懸濁剤及び分散剤、乳化剤、金属イオン封鎖剤またはキレート剤、ならびに他の薬学的に許容される物質が含まれる。
水性ビヒクルの例には、塩化ナトリウム注射液、リンガー注射液、等張性デキストロース注射液、滅菌水注射液、デキストロース、及び乳酸加リンガー注射液が含まれる。非水性非経口ビヒクルとしては、植物由来の不揮発性油、綿実油、トウモロコシ油、ゴマ油、及びピーナッツ油が挙げられる。静菌的または静真菌濃度の抗微生物剤は、フェノールまたはクレゾール、水銀剤、ベンジルアルコール、クロロブタノール、メチル及びプロピルpヒドロキシ安息香酸エステル、チメロサール、塩化ベンザルコニウム、及び塩化ベンゼトニウムを含む、複数回用量容器に包装される非経口調製物に加えなければならない。等張剤は、塩化ナトリウム及びデキストロースを含む。緩衝液は、リン酸塩及びクエン酸塩を含む。抗酸化剤は、重硫酸ナトリウムを含む。局所麻酔剤は、塩酸プロカインを含む。懸濁剤及び分散剤は、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、及びポリビニルピロリドンを含む。乳化剤は、Polysorbate80(TWEEN(登録商標)80)を含む。金属イオンの、金属イオン封鎖剤またはキレート剤は、EDTAを含む。薬学的担体は、水混和性ビヒクル用のエチルアルコール、ポリエチレングリコール、及びプロピレングリコール、ならびにpH調整用の水酸化ナトリウム、塩酸、クエン酸、または乳酸も含む。
薬学的に活性な化合物の濃度は、注射が所望の薬理学的効果を生じるのに有効な量を提供するように調整される。正確な用量は、当該技術分野で既知であるように、患者または動物の年齢、体重、及び状態に依存する。
単位用量非経口調製物は、アンプル、バイアル、または針付き注射器で包装される。非経口投与用のすべての調製物は、当技術分野で既知かつ実践されているように、滅菌でなければならない。
例証として、化合物1の固体形態を含有する滅菌水溶液の静脈内または動脈内注入は、有効な投与様式である。別の実施形態は、望ましい薬理学的効果を生じさせるのに必要に応じて、注入される活性物質を含有する、滅菌の水性もしくは油性溶液、または懸濁液である。
注射可能物は、局所投与及び全身投与用に設計される。典型的には、治療上有効な投薬量は、治療される組織(複数可)に対して、少なくとも約0.1w/w%〜約90w/w%以上、例えば、1w/w%超の濃度の化合物1の固体形態を含有するように製剤化される。活性成分は、1回で投与されてもよく、またはいくつかのより少ない用量に分割して、時間間隔をおいて投与されてもよい。治療の正確な投薬量及び持続時間は、治療される組織の関数であり、既知の試験プロトコルを使用して、またはインビボもしくはインビトロ試験データからの外挿によって実験的に決定され得ることが理解される。濃度及び投薬量の値が治療される個人の年齢によっても異なり得ることに留意されたい。任意の特定の対象に対しても、特定の投薬レジメンは、時間にわたって、個人の必要性と、製剤を投与するまたはその投与を監督する人の専門的な判断に従って調整すべきであり、かつ本明細書に記載の濃度範囲は例示のみであり、特許請求される製剤の範囲または実施を制限することを意図されないことをさらに理解されたい。
化合物1の固体形態は、微粉化された形態もしくは他の好適な形態で懸濁され得るか、またはより可溶性の活性な生成物もしくはプロドラッグを産生するために誘導体化され得る。結果として得られた混合物の形態は、意図される投与様式及び選択された担体またはビヒクル中の化合物1の固体形態の溶解度を含むいくつかの因子に依存する。有効な濃度は、状態の症状を緩和するのに十分なものであり、実験的に決定し得る。
6.5.2.凍結乾燥粉末
投与用に、溶液、エマルジョン、及び他の混合物として再構成され得る、凍結乾燥粉末も本明細書において対象となる。それらはまた、固体またはゲルとして再構成及び製剤化され得る。
滅菌凍結乾燥粉末は、本明細書に提供される化合物1の固体形態を好適な溶媒中に溶解することによって調製される。溶媒は、安定性を改善する賦形剤もしくは粉末の他の薬理学的成分、または粉末から調製された再構成された溶液を含有してもよい。使用され得る賦形剤としては、デキストロース、ソルビトール、フルクトース、コーンシロップ、キシリトール、グリセリン、グルコース、スクロース、または他の好適な薬剤が挙げられるが、これらに限定されない。溶媒はまた、緩衝液、例えば、クエン酸緩衝液、リン酸ナトリウム緩衝液、もしくはリン酸カリウム緩衝液、または当業者に既知の他のかかる緩衝液、一実施形態では、pHがほぼ中性の緩衝液を含有してもよい。その後、当業者に既知の標準的な条件下で溶液を滅菌濾過し、続いて凍結乾燥することにより、所望の製剤を提供する。一般に、得られた溶液は、凍結乾燥用のバイアルに分配されるであろう。各バイアルは、化合物の単回投薬量(1〜1000mgもしくは100〜500mgを含むが、これらに限定されない)または複数回投薬量を含む。凍結乾燥粉末は、約4℃で室温等の適切な条件下で保管され得る。
この凍結乾燥粉末の注射用の水での再構成は、非経口投与に使用するための製剤を提供する。再構成のために、滅菌水または他の好適な担体1mL当たり約0.1〜50mg、約0.5〜50mg、約1〜50mg、約5〜35mg、または約9〜30mgの凍結乾燥粉末が添加される。一実施形態では、滅菌水または他の好適な担体1mL当たり約0.5mgの凍結乾燥粉末が添加される。
本明細書に提供される固体形態(例えば、化合物1の形態A、形態B、形態C、形態D、形態E、及び/または非晶質)を含む例示の凍結乾燥製剤は、同時出願された米国仮特許出願、表題「FORMULATIONS OF 3−(5−AMINO−2−METHYL−4−OXO−4H−QUINAZOLIN−3−YL)−PIPERIDINE−2,6−DIONE」に記載されており、この開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
6.5.3.局所投与
局部混合物は、局所及び全身投与について記載されるように調製される。結果として得られた混合物は、溶液、懸濁液、エマルジョン等であり得、クリーム、ゲル、軟膏、エマルジョン、溶液、エリキシル剤、ローション剤、懸濁液、チンキ剤、ペースト、発泡剤、エアロゾル、灌注剤、スプレー、坐薬、包帯、皮膚パッチ、または局部投与に好適な任意の他の製剤として製剤化される。
その化合物1の固体形態は、吸入等による局部適用のためのエアロゾルとして製剤化され得る(例えば、炎症性疾患、特に喘息の治療に有用なステロイドの送達のためのエアロゾルについて説明する、米国特許第4,044,126号、同第4,414,209号、及び同第4,364,923号を参照のこと)。気道に投与するためのこれらの製剤は、単独で、またはラクトース等の不活性担体と組み合わせて、ネブライザー用にエアロゾルまたは溶液の形態であってもよく、吹き入れ用超微粒粉末であってもよい。かかる場合、製剤の粒子は、50ミクロン未満、または10ミクロン未満の直径を有するであろう。
化合物1の固体形態は、局所または局部適用、例えば、皮膚及び粘膜、例えば、眼への局部適用のために、ゲル、クリーム、及びローションの形態で、かつ眼への適用、または嚢内もしくは髄腔内適用のために製剤化され得る。局部投与は、経皮送達、眼もしくは粘膜への投与、または吸入療法のために企図される。化合物1の固体形態の点鼻液は、単独でまたは他の薬学的に許容される賦形剤と組み合わせて投与することもできる。
これらの溶液、特に眼科用を意図した溶液は、適切な塩を含む、pHが約5〜7である0.01%〜10%の等張溶液として製剤化され得る。
6.5.4.他の投与経路のための組成物
局部適用、経皮パッチ、及び直腸投与等の他の投与経路も本明細書に企図される。
例えば、直腸投与のための薬学的剤形は、全身的な効果のための直腸坐薬、カプセル剤、及び錠剤である。本明細書で使用される直腸坐薬は、体温で融解するか、または軟らかくなって1つ以上の薬理学的または治療的に活性な成分を放出する、直腸に挿入するための固形物を意味する。直腸坐薬中で利用される薬学的に許容される物質は、融点を上昇させるための基剤またはビヒクル及び薬剤である。基剤の例には、カカオバター(カカオ脂)、グリセリン、ゼラチン、カーボワックス(ポリオキシエチレングリコール)、ならびに脂肪酸モノグリセリド、ジグリセリド、及びトリグリセリドの適切な混合物が含まれる。様々な基剤の組み合わせが使用され得る。坐薬の融点を上昇させる薬剤には、鯨蝋及びワックスが含まれる。直腸坐薬は、圧縮法または成形のいずれかによって調製することができる。直腸坐薬の例示の重量は、約2〜3グラムである。
6.5.5.徐放性組成物
本明細書に提供される活性成分は、制御放出手段により、または当業者に周知である送達デバイスにより投与され得る。例としては、米国特許第3,845,770号、同第3,916,899号、同第3,536,809号、同第3,598,123号、及び同第4,008,719号、同第5,674,533号、同第5,059,595号、同第5,591,767号、同第5,120,548号、同第5,073,543号、同第5,639,476号、同第5,354,556号、同第5,639,480号、同第5,733,566号、同第5,739,108号、同第5,891,474号、同第5,922,356号、同第5,972,891号、同第5,980,945号、同第5,993,855号、同第6,045,830号、同第6,087,324号、同第6,113,943号、同第6,197,350号、同第6,248,363号、同第6,264,970号、同第6,267,981号、同第6,376,461号、同第6,419,961号、同第6,589,548号、同第6,613,358号、同第6,699,500号、及び同第6,740,634号が挙げられるが、これらに限定されず、これらは各々、参照により本明細書に組み込まれる。かかる剤形は、様々な割合で所望の放出プロファイルを提供するために、例えば、ヒドロプロピルメチルセルロース、他のポリマーマトリックス、ゲル、透過性膜、浸透圧システム、多層コーティング、微小粒子、リポソーム、ミクロスフェア、またはこれらの組み合わせを使用して、1つ以上の活性成分の持続放出または制御放出を提供することができる。本明細書に記載のものを含む当業者に既知の好適な制御放出製剤は、本明細書に提供される活性成分とともに使用するために容易に選択することができる。
すべての制御放出薬学的生成物は、それらの非制御の対応物により達成されたものを超える薬物療法の改善という共通の目的を有する。一実施形態では、医療における最適に設計された制御放出調製物の使用は、最小限の時間で状態を治癒させるまたは制御するために用いられる最低限の薬剤物質によって特徴付けられる。ある特定の実施形態では、制御放出製剤の利点には、薬物活性の延長、投薬頻度の低下、及び患者コンプライアンスの増加が含まれる。加えて、制御放出製剤を使用して、作用開始の時間または薬物の血中濃度等の他の特性に影響を及ぼすことができ、それ故に、副(例えば、逆)作用の発生に影響を及ぼし得る。
多くの制御放出製剤は、所望の治療効果を素早くもたらす量の薬物(活性成分)を最初に放出し、長期間にわたってこのレベルの治療または予防効果を維持する他の量の薬物を徐々にかつ継続的に放出するように設計されている。この一定の薬物レベルを体内で維持するために、薬物は、代謝されて体から排泄される薬物の量を補うであろう速度で剤形から放出されなければならない。活性成分の制御放出は、pH、温度、酵素、水、もしくは他の生理学的条件を含むが、これらに限定されない様々な条件、または化合物1の固体形態によって刺激され得る。
ある特定の実施形態では、薬剤は、静脈内点滴、埋め込み可能な浸透ポンプ、経皮パッチ、リポソーム、または他の投与様式を使用して投与され得る。一実施形態では、ポンプが使用され得る(Sefton,CRC Crit. Ref.Biomed.Eng.14:201(1987);Buchwald et al.,Surgery 88:507(1980);Saudek et al.,N.Engl.J.Med.321:574(1989)を参照されたい。別の実施形態では、ポリマー材料が使用され得る。なお別の実施形態では、制御放出系は、治療標的に近接して配置され得、すなわち、それ故に、全身用量のほんの一画分を必要とし得る(例えば、Goodson,Medical Applications of Controlled Release,vol.2,pp.115−138(1984)を参照のこと)。
いくつかの実施形態では、制御放出デバイスは、不適切な免疫活性化または腫瘍の部位に近接して対象中に導入される。他の制御放出系は、Langerによる総説において考察される(Science 249:1527−1533(1990)。活性成分は、固体内部マトリックス、例えば、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸ブチル、可塑化または非可塑化ポリ塩化ビニル、可塑化ナイロン、可塑化テレフタル酸ポリエチレン、天然ゴム、ポリイソプレン、ポリイソブチレン、ポリブタジエン、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニルコポリマー、シリコーンラバー、ポリジメチルシロキサン、シリコーンカーボネートコポリマー、アクリル酸及びメタクリル酸のエステルのヒドロゲル等の親水性ポリマー、コラーゲン、架橋ポリビニルアルコール及び部分的に加水分解された架橋ポリ酢酸ビニル中に分散し得、これは、体液中で不溶性である、外部ポリマー膜、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン/プロピレンコポリマー、エチレン/エチルアクリル酸コポリマー、エチレン/酢酸ビニルコポリマー、シリコーンラバー、ポリジメチルシロキサン、ネオプレンラバー、塩素化ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、酢酸ビニルとの塩化ビニルコポリマー、塩化ビニリデン、エチレン及びプロピレン、イオノマーテレフタル酸ポリエチレン、ブチルラバーエピクロロヒドリンラバー、エチレン/ビニルアルコールコポリマー、エチレン/酢酸ビニル/ビニルアルコールターポリマー、ならびにエチレン/ビニルオキシエタノールコポリマーによって包囲される。次いで、活性成分は、放出速度制御ステップにおいて外部ポリマー膜を通って拡散する。かかる非経口組成物中に含まれる活性薬剤のパーセンテージは、それらの特定の性質、ならびに対象の必要性に高度に依存している。
6.5.6.標的製剤
本明細書に提供される化合物1の固体形態は、特定の組織、受容体、または治療される対象の身体の他の領域に標的とされるようにも製剤化され得る。多くのかかる標的方法は、当業者に周知である。すべてのかかる標的方法は、本組成物における使用のために本明細書で企図される。標的方法の非限定的な例については、例えば、米国特許第6,316,652号、同第6,274,552号、同第6,271,359号、同第6,253,872号、同第6,139,865号、同第6,131,570号、同第6,120,751号、同第6,071,495号、同第6,060,082号、同第6,048,736号、同第6,039,975号、同第6,004,534号、同第5,985,307号、同第5,972,366号、同第5,900,252号、同第5,840,674号、同第5,759,542号、及び同第5,709,874号を参照されたい。
一実施形態では、腫瘍標的リポソーム等の組織標的化リポソームを含むリポソーム懸濁液は、薬学的に許容される担体としても好適であり得る。これらは、当業者に既知の方法に従って調製することができる。例えば、リポソーム製剤は、米国特許第4,522,811号に記載されるように調製され得る。簡潔には、多重膜小胞(MLV)等のリポソームは、卵ホスファチジルコリンと脳ホスファチジルセリン(7:3のモル比)をフラスコの内側で乾燥させることによって形成され得る。二価陽イオンを欠くリン酸緩衝生理食塩水(PBS)中の本明細書に提供される化合物1の固体形態の溶液を添加し、脂質フィルムが分散するまでフラスコを振盪する。結果として得られた小胞を洗浄して、カプセル化されていない化合物を除去し、遠心分離によってペレット化し、その後、PBS中に再懸濁する。
6.5.7.製品
固形腫瘍及び血液由来腫瘍を含むがんの1つ以上の症状または進行の治療、予防、または緩和に使用される本明細書に提供される化合物1の固体形態、ならびに化合物1の固体形態が、固形腫瘍及び血液由来腫瘍を含むがんの1つ以上の症状または進行の治療、予防、または緩和に使用されることを示すラベル。
本明細書に提供される製品は、包装材料を含有する。薬学的製品の包装で使用するための包装材料は、当業者に周知である。例えば、米国特許第5,323,907号、同第5,052,558号、及び同第5,033,252号を参照されたい。薬学的包装材料の例としては、ブリスターパック、ボトル、チューブ、吸入器、ポンプ、袋、バイアル、容器、シリンジ、ペン、ボトル、ならびに選択された製剤ならびに意図する投与様式及び治療に好適な任意の包装材料が挙げられるが、これらに限定されない。本明細書に提供される化合物及び組成物の豊富な製剤が企図される。
6.6.活性の評価
標準的な生理学的、薬理学的、及び生化学的手順は、化合物を試験して、所望の抗増殖性活性を有するものを特定するのに利用可能である。
かかるアッセイには、生化学的アッセイ、例えば、結合アッセイ、放射能組込みアッセイ、ならびに実施例の節に記載のKG−1細胞増殖アッセイを含む様々な細胞系アッセイが含まれる。
7.実施例
以下の実施例は、例示として提示されており、限定するものではない。以下の略語を説明及び実施例で使用する。
7.1.固体形態
7.1.1.多形体スクリーニング
化合物1の多形体スクリーニングを行って、異なる固体形態を異なる溶媒、温度、及び湿度変化等の様々な条件下で生成することができるかを調査した。
多形体スクリーニングに使用した溶媒は、HPLC、または試薬グレード、例えば、アセトン、アセトニトリル(MeCN)、MeCN/水(1:1)、n−ブタノール(n−BuOH)、無水エタノール(EtOH)、エタノール/水(1:1)、メタノール(MeOH)、2−プロパノール(IPA)、酢酸エチル(EtOAc)、酢酸メチル(MeOAc)、ジクロロメタン(DCM)、メチルエチルケトン(MEK)、メチルt−ブチルエーテル(MTBE)、ヘプタン、トルエン、テトラヒドロフラン(THF)、THF/水(1:1)、水、ジメチルスルホキシド(DMSO)、及びN−メチルピロリドン(NMP)のいずれかであった。
スクリーニング中に産生された結晶形態の特徴付けを、X線粉末回折(XRPD)、示差走査熱量測定(DSC)、熱重量分析(TGA)、小型走査電子顕微鏡(Mini SEM)及び動的蒸気収着(DVS)、カール・フィッシャー(KF)、ならびに/または1H−核磁気共鳴(NMR)によって行った。
XRPD分析を、1.54ÅのCu Kα放射線を使用してPANalytical Empyrean X線粉末回折で行った。PANalytical Empyrean機器は、高精度焦点X線管を装備した。X線発生装置の電圧及びアンペア数を、それぞれ、45kV及び40mAに設定した。発散スリットを1/16°及び1/8°に設定し、受信スリットを1/16°に設定した。回折放射線を、Pixel 2D検出器を使用して測定した。シータ−2シータ連続走査を刻み幅0.013または0.026で3°から40°2θに設定し、試料回転速度を4に設定した。焼結アルミナ標準を使用して、ピーク位置を確認した。
XRPDデータを、同様の機器パラメータを使用してPANalytical Empyrean X線粉末回折計で得た。
DSC分析をTA Discovery示差走査熱量計で行った。インジウムを較正標準として使用した。およそ1〜5mgの試料をDSCパンに設置した。試料を、窒素下で、10℃/分の速度で300℃の最終温度まで加熱した。融点を外挿開始温度として報告した。
TGA分析をTA Discovery熱重量分析器で行った。シュウ酸カルシウムを性能検査に使用した。およそ2〜10mgの正確に秤量された試料をパンに置き、TGA炉内に装填した。試料を、窒素下で、10℃/分の速度で300℃の最終温度まで加熱した。
TGA/SDTA分析をTGA/SDTA851e機器(Mettler−Toledo GmbH,Switzerland)で行った。TGA/SDTA851e機器を、インジウム及びアルミニウムを用いて温度に関して較正した。試料を秤量して100μLのアルミニウム製るつぼ内に入れ、密封した。密封物に針穴を開け、るつぼをTGA内で10℃/分の加熱速度で25から300℃に加熱した。乾燥N2ガスを使用してパージした。TGAデータをTA Q500 TGA機器上で得た。試料を、窒素をパージガスとして使用して10℃/分の速度で加熱した。
試料の形態分析をEvex Mini SEMで行った。少量の試料を試料容器上に分散させ、その後、金でコーティングし、500〜1000倍率で見た。
吸湿性をSurface Measurement Systems DVSで決定した。典型的には、5〜20mgの試料サイズをDVS機器試料パン内に装填し、試料をDVS自動収着分析器で、室温で分析した。相対湿度を10%RH段階で0%から90%RHに増加させ、その後、同様の様式で減少させて、完全吸着/脱着サイクルを達成した。
1H NMRスペクトルをBruker 300MHz NMR分光計で得た。試料をDMSO−d6中に溶解し、8〜64回の走査で分析した。
選択した水性有機溶媒中での形態Cの溶解度を、室温で固体を溶媒と混合することによって決定した。分解を最小限に抑えるために2時間撹拌した後に溶解度を決定したMeOHを除いて、溶解度試料を24時間撹拌した後に濾過し、HPLC法によって定量化した。
水含有量を、オーブン試料プロセッサを装備した電量KF滴定装置を使用して測定した。オーブン温度を225℃に設定した。
7.1.2.実験及び方法
7.1.2.1.溶解度
スクリーニング溶媒を選択し、かつスクリーニングに使用する濃度範囲を決定するために、定量的溶解度評価を化合物1の形態B及び形態Cで行った。室温でのHPLCによる化合物1の形態Bの近似溶解度及び形態Cの溶解度を、それぞれ、表1及び表2に提供する。
表1.室温での化合物1の形態Bの近似溶解度
*分解が疑われたもの
表2.室温での選択した溶媒中での形態CのHPLC溶解度
7.1.2.2平衡及び蒸発
平衡及び蒸発実験を、化合物1の形態Bを出発材料として使用して室温及び50℃で行った。過剰な化合物1の形態Bを最大2mLの試験溶媒に添加した。結果として得られた混合物を室温で4日間及び50℃で約18時間別個に撹拌した。平衡状態に達した時点で、飽和上清溶液を除去し、0.45μmのPTFEフィルターを使用して濾過し、それぞれ、室温及び50℃で、窒素下にて開放バイアル内で蒸発させた。平衡から得られた固体を単離し、空気乾燥させた後に分析した。結果を表3に要約する。
表3.平衡及び蒸発結果の要約
n/a:実験なし
−:分析不能
*:著しい分解が生じたもの
50℃でのMeCN/水及びEtOH/水中での平衡により、化合物1の形態Cを得た。50℃でのEtOH、MEK、及びMeOAc中での平衡により、形態Aを得た。すべての他の平衡実験により、形態B、または形態Aもしくは形態Cと混合された形態Bを得た。比較的低い溶解度のため、大半の蒸発実験により分析可能な固体が得られなかった。THF及びTHF/水からの蒸発により、形態Bを得た。MeOH蒸発からの固体が非晶質XRPDパターンを示したが、固体の1H NMRスペクトルは、著しい分解を示した。
7.1.2.2冷却再結晶化
冷却再結晶化実験を第4.3節に記載されるように行った。溶媒は、MeOH/水(1:1)、THF/水(1:1)、及びTHFを含んだ。結果を表4に要約する。THF/水から得られた固体が形態Bであることを確認した。少量の固体をMeOH/水から得たが、拡散したXRPDパターンを示し、それからは固体形態を特定することができない。THF再結晶実験から沈殿は観察されなかった。
表4.冷却再結晶化からの結果
−:沈殿なし
7.1.2.3抗溶媒での再結晶化
抗溶媒での再結晶化を第4.3節に記載されるように行った。MeOH及びDMSOを一次溶媒として使用した。MeCN、アセトン、ヘプタン、EtOAc、トルエン、水、及びIPAを抗溶媒として使用した。結果を表5に要約する。MeOH/水、DMSO/IPA、DMSO/トルエン、及びDMSO/水を含む数個の溶媒系から沈殿が観察され、すべての固体が形態Bであることを確認した。
RT:室温
−:沈殿なし
7.1.2.4スラリー及び再結晶化
表6に詳述されるように、さらなる特徴付けのために材料を生成するさらなる実験を行った。
表6.特徴付けのために材料を生成する実験
7.1.2.5固体形態間の相互変換
さらなる形態変換実験を行って、固体形態間の相互変換を決定した。結果を表7に要約する。
表7.形態移行実験の要約
RT:室温
7.1.2.6多形形態の特徴付け
この多形体スクリーニング研究中に化合物1の合計5つの結晶性形態を見出した。これらの形態のXRPDパターンのスタックプロットを図1に示し、物理的特性を表8に要約する。
表8.化合物1の多形体の特徴付けデータの要約
n/a:該当せず
形態A
化合物1の形態AのXRPDパターン、TGA、DSC、DVS、1H NMR、圧縮時の安定性プロファイル、及びSEMを図2〜8に示す。
図2は、化合物1の形態AのXRPDパターンを提供する。化合物1の形態AのX線回折ピークのリストを以下の表9に提供する。
図9.化合物1の形態AのX線回折ピーク
図3に示されるように、形態AのTGA重量損失は観察されなかった。
形態AのDSCプロットは、図4に示されるように、229℃の開始温度及び118J/gの融解熱での溶融事象を示した。
形態Aの動的蒸気収着(DVS)等温線プロットを図5に示す。相対湿度(「RH」)を約0%から約90%RHに増加させたときに、形態Aは、約1.2w/w%の水取り込みを呈した。形態Aは、225℃に設定したオーブン試料プロセッサを装備した電量カール・フィッシャー(KF)滴定装置で決定される、0.1%未満の水を含有した。
図6に示されるように、形態Aの著しい分解も残留溶媒も1H NMRで観察されなかった。
図7に示されるように、2000-psiの圧力を約1分間にわたって加えたときに、形態AのXRPDパターンは、より広い回折ピークで実質的に不変のままであった。形態AのSEM写真を図8に示す。
形態B
形態Bを、MeOH/水、DMSO/IPA、DMSO/トルエン、及びDMSO/水を含む様々な抗溶媒での再結晶化実験によって生成した。THF/水(1:1)からの冷却再結晶化により、形態Bも得た。化合物1の形態BのXRPDパターン、SEM、TGA、DSC、DVS、1H NMR、及び圧縮時の安定性プロファイルを図9〜15に示す。
図9は、化合物1の形態BのXRPDパターンを提供する。化合物1の形態BのX線回折ピークのリストを以下の表10に提供する。
表10.化合物1の形態BのX線回折ピーク
形態BのSEM写真を図10に示す。
170℃未満での形態BのTGA重量損失は観察されなかった。図11に示されるように、0.4%のTGA重量損失が170〜230℃で観察された。
形態BのDSCプロットは、図12に示されるように、219〜224℃での溶融/再結晶化事象及び231℃のピーク温度での主要な溶融事象を示した。
形態Bの動的蒸気収着(DVS)等温線プロットを図13に示す。相対湿度(「RH」)を約0%から約90%RHに増加させたときに、形態Bは、約1.4w/w%の水取り込みを呈した。形態Bは、225℃に設定したオーブン試料プロセッサを装備した電量カール・フィッシャー(KF)滴定装置で決定される、0.1%未満の水を含有した。
図14に示されるように、形態Bの著しい分解も残留溶媒も1H NMRで観察されなかった。
図15に示されるように、2000-psiの圧力を約1分間にわたって加えたときに、形態BのXRPDパターンは、より広い回折ピークで実質的に不変のままであった。
形態C
形態Cを、以下の溶媒:アセトニトリル/水、アセトン、またはエタノール/水のうちの1つ以上を含有する溶媒系中で長期間にわたってスラリー化することによって生成した。形態B(1倍重量)を、50〜55-psiの窒素圧下で70〜75℃のアセトン(30倍体積)中に撹拌した。バッチを少なくとも24時間撹拌した。混合物を少なくとも6時間にわたって室温に冷却した。6時間後に、バッチを濾過した。ケーキをアセトン(2.3倍体積)で洗浄し、真空下で乾燥させた。固体を共製粉した。これにより、白色から灰色がかった白色の固体を得て、これは、85〜90%の予想収率及び98.5%以上の予想LC純度の点で形態Cと一致する。化合物1の形態CのXRPDパターン、SEM、TGA、DSC、DVS、1H NMR、及び圧縮時の安定性プロファイルを図16〜22に示す。
図16は、化合物1の形態CのXRPDパターンを提供する。化合物1の形態CのX線回折ピークのリストを以下の表11に提供する。
表11.化合物1の形態CのX線回折ピーク
形態CのSEM写真を図17に示す。
形態CのTGA重量損失は観察されなかった。
形態CのDSCプロットは、図18に示されるように、232℃の開始温度及び126J/gの融解熱での溶融事象を示した。
形態Cの動的蒸気収着(DVS)等温線プロットを図20に示す。相対湿度(「RH」)を約0%から約90%RHに増加させたときに、形態Cは、約0.6w/w%の水取り込みを呈した。形態Cは、225℃に設定したオーブン試料プロセッサを装備した電量カール・フィッシャー(KF)滴定装置で決定される、0.1%未満の水を含有した。
図21に示されるように、形態Cの著しい分解も残留溶媒も1H NMRで観察されなかった。
図22に示されるように、2000-psiの圧力を約1分間にわたって加えたときに、形態CのXRPDパターンは、より広い回折ピークで実質的に不変のままであった。
形態D
化合物1の形態Dは、DMSO溶媒和物である。
形態Dを、1)約1.0gの形態Bを100-mLの晶析装置に添加し、2)形態Bを約70℃に加熱し、3)約10mLのDMSO/メチルイソブチルケトン(MIBK)(1:2v/v)を添加し、4)約3.8mLのMIBKを溶液に約20分間にわたって添加し、5)約100mgの形態Cを溶液に添加し、約400rpmで1日間撹拌し、6)バッチを0.17℃/分で約5時間にわたって約20℃に冷却し、7)約20℃で一晩撹拌し、8)湿潤ケーキを濾過し、約2mLのMIBKで洗浄し、真空下にて約45℃で乾燥させることによって得た。
化合物1の形態DのXRPDパターン及びTGAを、それぞれ、図23〜24に示す。
図23は、化合物1の形態DのXRPDパターンを提供する。化合物1の形態DのX線回折ピークのリストを以下の表12に提供する。
表12.化合物1の形態DのX線回折ピーク
図24に示されるように、最大140℃で約14.1%の形態DのTGA重量損失が観察された。
形態E
化合物1の形態Eは、DMSO溶媒和物である。
形態Eを、1)200mgの形態Cを3-mLのガラスバイアル内に添加し、2)0.5mLのDMSO/MIBK(1:2v/v)またはDMSO/IPA(2:1v/v)溶液を添加し、3)任意に、形態E種子を添加し、4)室温で1日間撹拌し、5)湿潤ケーキを濾過し、それぞれ、2mLのMIBKまたはイソプロパノールで洗浄することによって得た。
化合物1の形態EのXRPDパターン及びTGAを、それぞれ、図25〜26に示す。
図25は、化合物1の形態EのXRPDパターンを提供する。化合物1の形態EのX線回折ピークのリストを以下の表13に提供する。
表13.化合物1の形態EのX線回折ピーク
図26に示されるように、120℃で約19.4%の形態EのTGA重量損失が観察され、120〜220℃で24.9%のさらなる重量損失が観察された。
非晶質形態
化合物1の非晶質形態を、1)化合物1をTHF及び水中に添加して懸濁液を形成し、2)懸濁液を35〜45℃に加熱して透明な溶液を得て、3)溶液を−78℃の冷水浴中で凍結させ、4)高真空を加えて溶媒を除去して、化合物1の非晶質形態を得ることによって得た。
化合物1の非晶質形態のDSCサーモグラム、XRPDパターン、及び1H NMRスペクトルを、それぞれ、図27〜29に示す。
7.1.3KG−1細胞増殖アッセイ
以下は、処理の72時間後のKG−1細胞株(American Type Culture Collection[ATCC]:カタログ番号ATCC(登録商標)CCL−246(商標))における化合物1の固体形態の抗増殖活性を決定するために使用することができるアッセイの実施例である。KG−1の播種密度は、384ウェルプレートにおけるアッセイ直線性を確実にするために最適化することができる。
化合物1の固体形態の増加濃度(0.5nM〜10μM)を、10点連続希釈様式(3倍希釈)で、二連で音響ディスペンサー(EDC ATS−100)により空の384ウェルプレートにスポットする。ジメチルスルホキシド(DMSO)濃度を一定に保って0.1%DMSOの最終アッセイ濃度にする。試験前に、KG−1細胞を、10%FBS(ウシ胎仔血清:HyClone)を有するRPMI−1640(Roswell Park Memorial Institute−1640)培地で成長させ、培養フラスコ内で増殖させて、十分な量の出発材料を得る。その後、細胞を50μL体積中5000細胞/ウェルに希釈し、化合物をスポットした384ウェルプレートに直接添加する。細胞を、5%CO2中で、37℃で72時間にわたって成長させる。細胞の化合物への曝露が開始した時点(t0)で、初期生存細胞数を、生存細胞中に存在するアデノシン−5’−三リン酸塩(ATP)によって生成された発光のレベルを定量化することによって、製造業者(Promega Corporation,Madison,WI)の指示に従って1体積:2体積比でCell Titer−Glo(登録商標)発光細胞生存アッセイによって評価する。72時間後、処理された細胞の細胞生存を、Cell Titer−Glo(登録商標)によって評価し、発光を読み取る。
本開示が特定の実施形態に関して説明されているが、特許請求の範囲に定義される本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく、様々な変更及び修正が行われ得ることは、当業者には明らかであろう。かかる修正は、添付の特許請求の範囲内に入るようにも意図されている。
本明細書で言及される特許、特許出願、及び刊行物はすべて、それらの全体が本明細書に組み込まれる。本出願におけるいずれの参考文献の引用または特定も、かかる参考文献が本開示の先行技術として利用可能であることを承認するものではない。本開示の完全な範囲は、添付の特許請求の範囲を参照してより良く理解される。