JP2019219620A - コンタクトレンズ用溶液 - Google Patents

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Hiroko Kawasaki
寛子 川崎
規郎 岩切
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規郎 岩切
俊輔 櫻井
Toshisuke Sakurai
俊輔 櫻井
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Abstract

【課題】コンタクトレンズ表面に対して簡便な処理で耐久性のある表面潤滑性、表面親水性、を付与し、安全に使用できるコンタクトレンズ用溶液を提供する。【解決手段】コンタクトレンズ用溶液は、特定の構造式で表される構成単位を有し、各構成単位のモル比率na:nb:ncが100:10〜400:2〜50であり、重量平均分子量が5,000〜5,000,000である共重合体(P)を0.001〜2.0w/v%含有する。【選択図】なし

Description

本発明は特定の構造を有する共重合体を含むコンタクトレンズ用溶液に関する。
近年の日本国内におけるソフトコンタクトレンズ装用者は1000万人を超えるとも言われ、わが国では広く一般に用いられる医療機器となった。また、その手軽さや便利さゆえに、ソフトコンタクトレンズの装用時間は長時間化しており、中でも若年のソフトコンタクトレンズ装用者における一日の平均装用時間は約14時間にもなるとの報告もある(非特許文献1)。しかし、一日あたりの平均装用時間が長時間になるにつれて、ソフトコンタクトレンズの良好な装用感は失われることが多く、依然として良好な装用感が持続するソフトコンタクトレンズが市場から求められている。以前から、装用感を向上させる手段としてはソフトコンタクトレンズの親水性を高める方法が知られており、親水性の高いソフトコンタクトレンズの開発が進められてきた。さらに近年、装用感低下にソフトコンタクトレンズと角膜間の摩擦が関係していることが報告され、現在では、良好な装用感を有するソフトコンタクトレンズには親水性と潤滑性の両方が必要であるといわれている(非特許文献2〜3)。
また、特許文献1では、コンタクトレンズにポリマーをコーティングすることによって、親水性と潤滑性に富むコンタクトレンズの製造方法が開示されている。
特開2018−022174号公報
Walline J. J.,2013,Long−term Contact Lens Wear of Children and Teens,Eye&Contact Lens,39,283−289. Roba,M.,2011,Friction Measurements on Contacct Lenses In Their Operating Environment,Tribol.Lett.,44(3),387−397. 横井則彦,2009,ソフトコンタクトレンズ装用時の眼乾燥感のメカニズム,日本コンタクトレンズ学会誌,51,S33−S35.
しかし、特許文献1に記載の手法は複数のコーティング層をつくるため工程数が多い。簡便な方法にてコンタクトレンズに親水性と潤滑性を付与する方法は未だ充分には検討されておらず、開発が望まれているのが現状である。
本発明の課題は、コンタクトレンズ表面に対して簡便な処理で耐久性のある表面潤滑性、表面親水性を付与し、安全に使用できるコンタクトレンズ用溶液を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究した結果、少なくとも3種の異なる構成単位を特定割合で有する共重合体を含むコンタクトレンズ用溶液によって、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、次の[1]〜[2]である。
[1]下記式(a)〜式(c)で表される構成単位を有し、各構成単位のモル比率na:nb:ncが100:10〜400:2〜50であり、重量平均分子量が5,000〜5,000,000である共重合体(P)を0.001〜2.0w/v%含有するコンタクトレンズ用溶液。
[式(a)中、Xは(a1)に示すいずれかの基を表し、Yは(a2)に示すいずれかの基を表し、YがHの場合は、Zは存在せず、Zは(a3)に示すいずれかの基を表す。式(a)〜式(c)中、R、R及びRはそれぞれ独立に水素原子又はメチル基であり、R及びRはそれぞれ独立に水素原子、メチル基又はエチル基であるか、あるいは互いに結合してモルホリノ基を形成しており、Rは炭素数12〜24の炭化水素基である。]
[2]上記[1]に記載の共重合体(P)を0.001〜2.0w/v%含有するソフトコンタクトレンズ用溶液。
本発明のコンタクトレンズ用溶液は、コンタクトレンズ表面に、簡便な処理で耐久性のある表面潤滑性及び表面親水性を付与することができ、コンタクトレンズ装用時に良好な装用感を付与することが出来る。
以下、本発明を更に詳細に説明する。
[コンタクトレンズ用溶液]
本発明のコンタクトレンズ溶液は、式(a)〜式(c)で表される構成単位を有し、各構成単位のモル比率na:nb:ncが100:10〜400:2〜50であり、重量平均分子量が5,000〜5,000,000である共重合体(P)を0.001〜2.0
w/v%含有する。
なお、本明細書において、「(メタ)アクリレート」とは、「アクリレート又はメタクリレート」を意味し、他の類似用語についても同様である。
また、本明細書において、好ましい数値範囲(例えば、濃度や重量平均分子量の範囲)を段階的に記載した場合、各下限値及び上限値は、それぞれ独立して組み合わせることができる。例えば、「好ましくは10〜100、より好ましくは20〜90」という記載において「好ましい下限値:10」と「より好ましい上限値:90」とを組み合わせて、「10〜90」とすることができる。
<共重合体(P)>
本発明のコンタクトレンズ用溶液に用いる共重合体(P)は、下記の式(a)〜(c)で表される少なくとも3つの構成単位を有し、各構成単位のモル比率(構成比)na:nb:ncが100:10〜400:2〜50である。
((1)親水性構成単位)
本発明のコンタクトレンズ用溶液に用いる共重合体(P)は、下記式(a)で表される構成単位(以下、「親水性構成単位」と略記する)を有する。
上記の式(a)において、Rは水素原子又はメチル基であり、Xは(a1)に示すいずれかの基を表し、Yは(a2)に示すいずれかの基を表し、YがHの場合は、Zは存在せず、Zは(a3)に示すいずれかの基を表す。また、式(a)においてRは水素原子またはメチル基を示す。
共重合体(P)がこのような親水性構成単位を含むことにより、共重合体(P)は親水性を有する。これにより、該共重合体(P)を含むコンタクトレンズ用溶液は、コンタクトレンズ表面に表面潤滑性を付与することができる。
共重合体(P)中の親水性構成単位は、共重合体(P)の重合時に使用される下記式(a’)で表される親水性単量体から得られる。
上記式(a’)においてR、X、Y、Zはそれぞれ、上記式(a)のR、X、Y、Zと同じである。
式(a’)で表される親水性単量体として、例えば、(メタ)アクリル酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルコハク酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸などが挙げられる。
((2)アミド構成単位)
本発明のコンタクトレンズ用溶液に用いる共重合体(P)は、下記式(b)で表される構成単位(以下、「アミド構成単位」と略記することがある)を有する。

上記式(b)において、Rは水素原子またはメチル基を示し、R及びRはそれぞれ独立に、水素原子、メチル基、エチル基、又は、互いに結合してモルホリノ基を示す。
共重合体(P)がアミド構成単位を含むことにより、共重合体(P)を高分子量化することができる。これにより、該共重合体(P)は、コンタクトレンズへの密着性が高まる。
共重合体(P)中のアミド構成単位の割合については、親水性構成単位のモル数nを100としたときのモル数nについて、n/n=10/100〜400/100であり、好ましくは30/100〜250/100である。nが大きすぎる場合にはコンタクトレンズ用溶液を製造する際に必要となる無菌ろ過が困難となるおそれがあり、小さすぎる場合にはコンタクトレンズへの密着性が高められず、潤滑性の向上効果が見込めない。
共重合体(P)中のアミド構成単位は、共重合体(P)の重合時に使用される下記式(b’)で表されるアミド基含有単量体により得られる。

式(b’)におけるR、R及びRは、それぞれ、式(b)におけるR、R及びRと同じである。
上記式(b’)で表されるアミド基含有単量体は、(メタ)アクリルアミド又は(メタ)アクリルアミド誘導体であり、例えば、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−アクリロイルモルホリン等が挙げられ、中でもN,N−ジメチル(メタ)アクリルアミドが好ましい。
((3)疎水性構成単位)
本発明のコンタクトレンズ用溶液に用いる共重合体(P)は、下記式(c)で表される構成単位(以下、「疎水性構成単位」と略記することがある)を有する。

上記式(c)において、Rは水素原子またはメチル基を示し、Rは炭素数12〜24の一価の炭化水素基を示す。
は、直鎖、分岐鎖、飽和、不飽和の何れでもよく、例えば、ラウリル基、トリデシル基、ミリスチル基、パルミチル基、イソパルミチル基、ステアリル基、イソステアリル基、オレイル基、オクチルドデシル基、ベヘニル基等が挙げられる。これらの中でも、Rは、ラウリル基、ステアリル基、ベヘニル基が好ましく、ラウリル基、ステアリル基がより好ましい。
共重合体(P)がこのような疎水性構成単位を含むことにより、共重合体(P)のコンタクトレンズへの吸着性を高め、コンタクトレンズの潤滑性が向上する。
共重合体(P)中の疎水性構成単位の割合については,親水性構成単位のモル数nを100としたときのモル数nについて、n/n=2/100〜50/100であり、好ましくは5/100〜25/100である。nが大きすぎる場合には共重合体(P)の親水性が低下することで水溶液への溶解性が低下し、コンタクトレンズ用溶液を製造するのが困難になるおそれがある。
共重合体(P)中の疎水性構成単位は、共重合体(P)の重合時に使用される下記式(c’)で表される疎水性単量体から得られる。

式(c’)におけるR及びRはそれぞれ、式(c)におけるR及びRと同じである。
式(c’)で表される疎水性単量体としては、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレート等の直鎖アルキル(メタ)アクリレートが好ましく、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレートがより好ましい。
<その他の構成単位>
本発明に用いる共重合体(P)は、本発明の効果を損なわない範囲において、式(a)〜(c)で表される構成単位以外の他の構成単位を含んでもよい。他の構成単位の量は、
本発明の効果に影響を与えない範囲で適宜選択できるが、共重合体(P)において、式(a)で示すnaを100とした場合に、他の構成単位はモル比で50以下であることが好ましく、10以下であることがより好ましい。
共重合体(P)の合成に用いることができる他の構成単位は、後述する他の重合性単量体により形成される。共重合体(P)の重合に用いる単量体組成物中における、他の重合性単量体の量は、上記(a’)で示す親水性単量体を100質量部とした場合、50質量部以下が好ましく、10質量部以下がより好ましい。
他の重合性単量体としては、例えば、直鎖または分岐鎖のアルキル(メタ)アクリレート、環状アルキル(メタ)アクリレート、芳香族基含有(メタ)アクリレート、スチレン系単量体、ビニルエーテル単量体、ビニルエステル単量体、親水性の水酸基含有(メタ)アクリレートを挙げることができる。
直鎖または分岐鎖のアルキル(メタ)アクリレートとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
環状アルキル(メタ)アクリレートとしては、例えば、シクロヘキシル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
芳香族含有(メタ)アクリレートとしては、例えば、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
スチレン系単量体としては、例えば、スチレン、メチルスチレン、クロロメチルスチレン等が挙げられる。
ビニルエーテル単量体としては、例えば、メチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル等が挙げられる。
ビニルエステル単量体としては、例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等が挙げられる。
親水性の水酸基含有(メタ)アクリレートとしては、例えば、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
<共重合体(P)の分子量>
本発明に用いる共重合体(P)の重量平均分子量は5,000〜5,000,000であり、好ましくは5,000〜2,000,000であり、より好ましくは100,000〜1,500,000である。重量平均分子量が5,000未満の場合は、共重合体のコンタクトレンズ表面への吸着力が十分でないため潤滑性の向上効果が見込めないおそれがあり、5,000,000を超える場合は、コンタクトレンズ用溶液を製造する際に必要となる無菌ろ過が困難となるおそれがある。
共重合体(P)の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定による値をいい、実施例に記載の方法で測定できる。
<共重合体(P)の合成方法>
本発明に用いる共重合体(P)は、上記各単量体の組成物をラジカル重合することによって得ることができる。共重合体(P)は、例えば、上記各単量体の組成物を、ラジカル重合開始剤の存在下、窒素、二酸化炭素、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガス置換または雰囲気下においてラジカル重合することにより合成できる。ラジカル重合方法は、例えば、塊状重合、懸濁重合、乳化重合、溶液重合などの公知の方法が挙げられ、精製などの観点から溶液重合が好ましい。共重合体(P)の精製は、再沈殿法、透析法、限外濾過法等の公知の精製方法により行うことができる。
ラジカル重合開始剤としては、アゾ系ラジカル重合開始剤、有機過酸化物、過硫酸化物等を挙げることができる。
アゾ系ラジカル重合開始剤としては、例えば、2,2−アゾビス(2−ジアミノプロピル)二塩酸塩、2,2−アゾビス(2−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)プロパン)二塩酸塩、4,4−アゾビス−(4−シアノ吉草酸)、2,2−アゾビスイソブチロニトリルアミド二水和物、2,2−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)が挙げられる。
有機過酸化物としては、例えば、t−ブチルペルオキシネオデカネート、過酸化ベンゾイル、ジイソプロピルペルオキシジカーボネート、t−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルペルオキシピバレート、t−ブチルペルオキシジイソブチレート、過酸化ラウロイル、t−ブチルペルオキシデカネート、コハク酸ペルオキシド(=サクシニルペルオキシド)等が挙げられる。
過硫酸化物としては、例えば、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム等が挙げられる。
これらのラジカル重合開始剤は、単独で用いることができ、また、2種以上を混合して用いることもできる。重合開始剤の使用量は、共重合体(P)の製造に用いる各単量体の合計100質量部に対して通常0.001〜10質量部、好ましくは0.01〜5.0質量部である。
共重合体(P)の合成は、溶媒の存在下で行うことができる。溶媒としては、単量体組成物を溶解し、反応に悪影響を及ぼさないものであれば特に制限されず、例えば、水、アルコール系溶媒、ケトン系溶媒、エステル系溶媒、直鎖または環状のエーテル系溶媒、含窒素系溶媒を挙げることができる。好ましくは、水若しくはアルコール、又はこれらの混合溶媒が挙げられる。
アルコール系溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール等が挙げられる。
ケトン系溶媒としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン等が挙げられる。
エステル系溶媒としては、例えば、酢酸エチル等が挙げられる。
直鎖または環状のエーテル系溶媒としては、例えば、エチルセルソルブ、テトラヒドロフラン等が挙げられる。
含窒素系溶媒としては、例えば、アセトニトリル、ニトロメタン、N−メチルピロリドン等が挙げられる。
<共重合体(P)の濃度>
本発明のコンタクトレンズ用溶液中の共重合体(P)の濃度は0.001〜2.0w/v%であり、好ましくは0.01〜2.0w/v%である。
本発明のコンタクトレンズ用溶液は、共重合体(P)を、溶媒に、0.001〜2.0w/v%、好ましくは0.01〜2.0w/v%となるように溶解させることにより得ることができる。共重合体(P)の濃度が0.001w/v%未満ではコンタクトレンズに潤滑性を付与する効果が十分ではなく、2.0w/v%を超えるとコンタクトレンズ用溶液を製造する際に行う無菌ろ過が困難となるおそれがある。溶媒としては、水、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール等のアルコールまたはこれらの混合溶媒を用いることができる。
共重合体(P)をコンタクトレンズ用溶液に用いることにより、コンタクトレンズの潤滑性を向上させることができ、良好な装用感をコンタクトレンズ装用者に付与することができる。また、本発明のコンタクトレンズ用溶液は、ソフトコンタクトレンズ用溶液とし
て使用することが好ましい。すなわち、共重合体(P)を0.001〜2.0w/v%含むソフトコンタクトレンズ用溶液として使用することが好ましい。
<その他の成分>
本発明のコンタクトレンズ用溶液は、共重合体(P)以外にも必要に応じて一般のコンタクトレンズ用溶液などに使用できる、ビタミン類、アミノ酸類、糖類、粘稠化剤、清涼化剤、無機塩類、有機酸の塩、酸、塩基、酸化防止剤、安定化剤、防腐剤等のその他の成分を配合することができる。
ビタミン類としては、例えば、フラビンアデニンジヌクレオチドナトリウム、シアノコバラミン、酢酸レチノール、パルミチン酸レチノール、塩酸ピリドキシン、パンテノール、パントテン酸ナトリウム、パントテン酸カルシウム等を挙げられる。
アミノ酸類としては、例えば、アスパラギン酸またはその塩、アミノエチルスルホン酸などが挙げられる。
糖類としては、例えば、ブドウ糖、マンニトール、ソルビトール、キシリトール、トレハロース等が挙げられる。
粘稠化剤としては、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロール、ヒドロキシエチルセルロースなどが挙げられる。
清涼化剤としては、例えば、メントール、カンフル等が挙げられる。
無機塩類としては、例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、リン酸水素ナトリウム、無水リン酸二水素ナトリウム等が挙げられる。
有機酸の塩としては、クエン酸ナトリウム等が挙げられる。
酸としては、例えば、リン酸、クエン酸、硫酸、酢酸、塩酸、ホウ酸などが挙げられる。
塩基としては、例えば、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、ホウ砂、トリスヒドロキシメチルアミノメタン、モノエタノールアミン等が挙げられる。
酸化防止剤としては、例えば、酢酸トコフェロール、ジブチルヒドロキシトルエン等が挙げられる。
安定化剤としては、例えば、エデト酸ナトリウム、グリシン等が挙げられる。
防腐剤としては、例えば、塩化ベンザルコニウム、クロルヘキシジングルコン酸塩、ソルビン酸カリウム、塩酸ポリヘキサニド等が挙げられる。
<コンタクトレンズ用溶液の製造方法>
本発明のコンタクトレンズ用溶液は、一般的なコンタクトレンズ用溶液の製造方法により製造することができる。例えば、共重合体(P)、必要に応じて溶媒及びその他の成分を混合して攪拌することにより製造できる。なお、得られたコンタクトレンズ用溶液は必要に応じて無菌ろ過等の操作を行ってもよい。
本発明のコンタクトレンズ用溶液の具体的な製品形態としては、次のようなものを例示することができる。具体的には、コンタクトレンズ用出荷液、コンタクトレンズ用ケア用品、コンタクトレンズ用保存液、コンタクトレンズ用洗浄液、コンタクトレンズ用洗浄保存液などが挙げられる。なお、本明細書において、コンタクトレンズ用出荷液とは、コンタクトレンズ製品の出荷時にコンタクトレンズを浸漬する溶液のことである。
以下、実施例及び比較例により本発明をより詳細に説明するが、本発明はそれらに限定されるものではない。
<共重合体の分子量測定>
下記の合成例1〜5で得られた各共重合体5mgをメタノール/クロロホルム混液(8
0:20)に溶かし、さらに水で希釈したものを試料溶液とした。分析条件は以下を用いた。
カラム:PLgel−mixed−C
標準物質:ポリエチレングリコール
検出器:示差屈折計RI−8020(東ソー株式会社製)
重量平均分子量の算出法:分子量計算プログラム(SC−8020用GPCプログラム)
流量:毎分1mL
注入量:100μL
カラムオーブン:40℃付近の一定温度
共重合体の重量平均分子量は、ポリエチレングリコールを標準サンプルとしてゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)により測定した重量平均分子量の値である。
得られた共重合体をメタノール/クロロホルム混液に溶かした溶液を、水で希釈して共重合体濃度が0.5質量%になるようにした。この液を0.45μmメンブランフィルターでろ過し、測定した。
<共重合体(P)の合成>
[合成例1]
アニオンモノマー1(メタクリル酸、和光純薬工業株式会社製)34.6g、ステアリルメタクリレート(SMA、日油株式会社製)13.6gおよびN,N−ジメチルアクリルアミド(DMAA、KJケミカルズ株式会社製)35.8gを、4つ口フラスコへ入れ、n−プロパノール116.0gで溶解させ、30分間窒素ガスの吹き込みを行った。この後、重合開始剤(t−ブチルペルオキシネオデカネートであるパーブチル(日本登録商標)ND(PB−ND)、日油株式会社製)0.196gを加えて52℃、8時間重合反応を行った。重合反応後、重合液を3リットルのジエチルエーテル中にかき混ぜながら滴下し、析出した沈殿をろ過し、48時間室温で真空乾燥を行い、粉末を得た。収量は66.5gであった。これを共重合体1とした。共重合体1のGPC測定に基づく重量平均分子量は1,200,000であり、共重合体成分のモル比率はアニオンモノマー1 50モル%、DMAA 45モル%、SMA 5モル%である。
[合成例2〜5]
下表の表1に示す種類および量の成分を使用した以外は、合成例1と同様の手順に従って、共重合体2〜5をそれぞれ合成した。併せて、共重合成分のモル比率、収量及び重量平均分子量を表1に示す。
アニオンモノマー1:メタクリル酸、和光純薬工業株式会社製
アニオンモノマー2:ライトエステルHO−MS(2−メタクリロイロキシエチルコハク酸)、共栄社化学株式会社製
DMAA:N,N−ジメチルアクリルアミド、KJケミカルズ株式会社製
LMA:ラウリルメタクリレート、日油株式会社製
SMA:ステアリルメタクリレート、日油株式会社製
エタノール:和光純薬工業株式会社製
n−プロパノール:和光純薬工業株式会社製
PB−ND:t−ブチルペルオキシネオデカネート、日油株式会社製
<共重合体(P)以外の重合体>
比較例に用いた重合体(共重合体(P)以外の重合体)は、次の通りである。
ホモポリマー(A):ポリアクリル酸[平均分子量:約25,000]である、和光純薬工業株式会社の製品(製品名:ポリアクリル酸25,000)を試験に用いた。
ホモポリマー(B):ジメチルアクリルアミドの重合体[数平均分子量:10,000]である、シグマアルドリッチジャパンの製品(製品名:Poly(N,N−dimethylacrylamide),DDMAT Terminated)を試験に用いた。
ホモポリマー(C):ラウリルメタクリレートの重合体[重量平均分子量:470,000]である、シグマアルドリッチジャパンの製品(製品名:ポリメタクリル酸ラウリル)を試験に用いた。
<コンタクトレンズ用出荷液の調製>
以下の実施例1〜7、比較例1〜4に記載する方法で、コンタクトレンズ用出荷液を調製した。
[実施例1]
精製水約80gを量り、これに共重合体1(1g)を加え、攪拌し、溶解させた。この後、これに全量100mLとなるように精製水を加えた(共重合体溶液とする)。この後、この液10mLを取り出し、生理食塩液を用いて全量100mLとし、無菌ろ過を行い、無菌のコンタクトレンズ用出荷液とした。このコンタクトレンズ用出荷液の外観・性状を表2に示す。
[実施例2〜実施例7]
表2に示す種類及び量の成分を使用した以外は、実施例1と同様の手順に従って調製し、無菌のコンタクトレンズ用出荷液とした。各実施例の外観・性状を表2に示す。
[比較例1〜比較例4]
表3に示す種類及び量の成分を使用した以外は、実施例1と同様の手順に従って調製し、無菌のコンタクトレンズ用出荷液とした。各比較例の外観・性状を表3に示す。
上記した各実施例及び比較例のコンタクトレンズ用出荷液について、以下に示す各種評価を行い、結果を表4及び5に示した。
<生理食塩液の調製>
文献(ISO 18369−3:2006,Ophthalmic Optics−Contact Lenses Part3:Measurement Methods.)を参考に、生理食塩液を調製した。塩化ナトリウム8.3g、リン酸水素ナトリウム十二水和物5.993g、リン酸二水素ナトリウム二水和物0.528gを量り、水に溶かして1000mLとして、ろ過して生理食塩液とした。
<コンタクトレンズの潤滑性評価>
実施例及び比較例のコンタクトレンズ用出荷液において、コンタクトレンズの潤滑性評価は以下の手順に従って行った。なお、コンタクトレンズの潤滑性評価には、コンタクトレンズとして1Day ACUVUE(登録商標)(ジョンソン・エンド・ジョンソン製)を用いた。
(手順)
1)実施例1のコンタクトレンズ用出荷液を用いた。
2)試験コンタクトレンズをブリスターパックから1枚取り出し、15mL遠心チューブへと入れた。
3)これに生理食塩液10mLを加え、終夜振とうした。
4)この後、生理食塩液を取り除き、1)で準備した溶液10mLを加え、終夜振とうした。
5)振とう後、コンタクトレンズを取り出し、人差し指に乗せて潤滑性評価を行った。該評価を、コンタクトレンズの装用開始を想定した潤滑性評価とした。
6)この後、一度、コンタクトレンズを1)で準備した溶液へと浸漬し、コンタクトレンズ表面の水膜をふき取り、人差し指に乗せて潤滑性評価を行った。該評価を、コンタクトレンズ装用中を想定した潤滑性評価とした。
実施例2〜実施例7及び比較例1〜比較例4のコンタクトレンズ用出荷液についても上記手順に従って評価を行った。
潤滑性評価法は、ブリスターパックから取り出したばかりの1Day ACUVUE(登録商標)を基準(4点)として、潤滑性が向上すれば評価点数を高くなるようにし、潤滑性が低下すれば評価点数が低くなるようにした。なお、評価点数は1〜10点の範囲内で付した。潤滑性評価を表4及び表5に示す。
<表面摩擦係数測定>
摩擦感テスター(商品名KES−SE、カトーテック社製)を用いて、コンタクトレンズ用出荷液に浸漬した2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)ゲル又はシリコーンハイドロゲルの表面摩擦係数を連続して10回測定し、表面摩擦係数の変化を求めた。すなわち、低い表面摩擦係数を示し、かつ測定回数を重ねても表面摩擦係数が変化しない場合、摩擦低減効果の耐久性が高いとした。
(手順)
HEMAゲルの調整
(1)1mm厚のフッ素樹脂(PTFE)スペーサーを、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムで挟み、さらに外側からガラス板で挟んで重合用セルとした。
(2)HEMA 0.1%w/v、エチレングリコールジメタクリレート 0.3%w/v、AIBN 0.05%w/v、を混合し、重合用セルに流し込んだ。
(3)窒素雰囲気下で100℃、2時間重合を行った。
(4)重合用セルから重合物を取り出し、精製水で膨潤させた後、生理食塩液中に保存した。
シリコーンハイドロゲルの調整
(1)1mm厚のフッ素樹脂(PTFE)スペーサーを、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムで挟み、さらに外側からガラス板で挟んで重合用セルとした。
(2)2−メタクリロイルオキシエチル=3−[(トリストリメチルシロキシ)シリル]プロピル=スクシネート 60%w/v、HEMA 20%w/v、N−ビニルピロリドン 20%w/v、エチレングリコールジメタクリレート 0.3%w/v、AIBN 0.05%w/vを混合し、重合用セルに流し込んだ。
(3)窒素雰囲気下で100℃、2時間重合を行った。
(4)重合用セルから重合物を取り出し、精製水で膨潤させた後、生理食塩液中に保存した。
(評価)
(1)HEMAゲルまたはシリコーンハイドロゲルを、実施例1のコンタクトレンズ用出荷液に浸漬し、120℃、15分間のオートクレーブ滅菌を行った。
(2)室温まで冷却した後、下記測定条件にて表面摩擦係数を測定した。
測定装置測定条件
感度:H、プローブ速度1mm/秒、荷重:25g。
(3)測定後、生理食塩液5mLにコンタクトレンズを浸漬し、再度表面摩擦係数を測定した。この操作を9回行った。
(4)なお、評価の際には実施例1のコンタクトレンズ用出荷液の代わりに生理食塩液に浸漬したHEMAゲル、またはシリコーンハイドロゲルの表面摩擦係数を測定し、これを基準として下記式を用いて表面摩擦係数率を算出した。
表面摩擦係数率=X/Y
X:実施例1の表面摩擦係数(μ)
Y:生理食塩液で処理した場合の表面摩擦係数(μ)
実施例2〜実施例7及び比較例1〜比較例4のコンタクトレンズ用出荷液についても上記手順に従って評価を行った。連続して測定したうちの1回目、2回目、3回目、及び10回目におけるコンタクトレンズの表面摩擦係数率を表4及び表5に示す。
<コンタクトレンズの表面親水性評価>
実施例及び比較例において、コンタクトレンズの表面親水性評価は以下の手順に従って行った。なお、親水性評価で用いた生理食塩液は、上記潤滑性評価の場合と同様に調製した。
(1)コンタクトレンズ(1Day ACUVUE(登録商標))をブリスターパックから1枚取り出し、コンタクトレンズケースへ入れた。このとき、ブリスターパック中の出荷液はコンタクトレンズケースに入れなかった。
(2)コンタクトレンズケースに1mLの生理食塩液を入れ、上記コンタクトレンズと生理食塩液とがなじむように十分に浸漬した。
(3)生理食塩液を取り除き、再度、新しい生理食塩液を1mL入れ、コンタクトレンズと生理食塩液とがなじむよう十分に浸漬した。
(4)生理食塩液を取り除き、コンタクトレンズケースに実施例及び比較例の各溶液を1mL入れ、オートクレーブ処理(121℃、20分間)を行った。
(5)コンタクトレンズを取り出し、レンズ表面の水膜が切れるまでの時間(BUT)をストップウォッチで計測した。このBUTを「表面親水性」として表4及び表5に示す。BUTが10秒以上15秒未満のものを「表面親水性に優れる」とし、15秒以上のものを「表面親水性に特に優れる」とした。コンタクトレンズの表面親水性評価を表4及び表5に示す。
<安全性評価(細胞毒性試験)>
実施例及び比較例の安全性評価は、以下の手順で行った。
(1)コンタクトレンズ(1Day ACUVUE(登録商標))をブリスターパックから1枚取り出し、コンタクトレンズケースへ入れた。このとき、ブリスターパック中の出荷液はコンタクトレンズケースに入れなかった。
(2)コンタクトレンズケースに1mLの生理食塩液を入れ、上記コンタクトレンズと生理食塩液とがなじむように十分に浸漬した。
(3)生理食塩液を取り除き、再度、新しい生理食塩液を1mL入れ、コンタクトレンズと生理食塩液とがなじむよう十分に浸漬した。
(4)新しいコンタクトレンズケースに実施例または比較例の各溶液1mLと、(3)で処理したコンタクトレンズを入れ、35℃、65%RHで24時間浸漬させた。
(5)浸漬後、コンタクトレンズケースからコンタクトレンズを取り出し、これを牛胎児血清を10vol%添加したEagleのMinimum Essential Medium(MEM10培地)に浸漬し、37℃、5.0%COインキュベーターで24時間保管して、コンタクトレンズに吸着した物質を抽出した。
(6)あらかじめ培養したウサギ角膜上皮細胞(SIRC細胞)を細胞培養培地へ懸濁さ
せ、この懸濁液を10cells/ウェルとなるように調製し、96ウェルプレートに100μlずつ播種し、24時間培養した。
(7)培養後、96ウェルプレートから細胞培養用培地を除いた。
(8)その後、96ウェルプレートに、(5)にて調製した抽出液、陰性対照(生理食塩液)及び細胞培養用培地を100μlずつ添加し、24時間培養した。
(9)抽出液、陰性対照及び細胞培養用培地を96ウェルプレートから除き、ニュートラルレッド混合培地(ニュートラルレッドを5mg/mlとなるように精製水で溶解させ、この液を細胞培養用培地で100倍希釈した)を100μlずつ96ウェルプレートに添加し、3時間静置した。
(10)96ウェルプレートからニュートラルレッド混合培地を除いた。
(11)その後、96ウェルプレートにニュートラルレッド抽出液(エタノール/精製水/酢酸=50/49/1の体積比で調製した)を100μlずつ添加し、振とう機で5分間攪拌してSIRC細胞からニュートラルレッドを抽出した。
(12)抽出後の抽出液について540nmにおける吸光度を測定した。
(13)得られた吸光度から下記式を用いて、SIRC細胞の細胞生存率(%)を算出した。
細胞生存率(%)=(実施例、比較例又は陰性対照の吸光度−ブランクの吸光度)/(細胞培養用媒地の吸光度−ブランクの吸光度)×100
なお、ブランクの吸光度とは、96ウェルプレートの540nmにおける吸光度を示す。細胞毒性試験結果を表4及び表5に示す。
実施例におけるコンタクトレンズの潤滑性評価(装用開始時を想定した評価)では、5.3〜9.7、実施例におけるコンタクトレンズの潤滑性評価(装用中を想定した評価)では、4.4〜6.3であった。一方、比較例におけるコンタクトレンズの潤滑性評価(装用開始時を想定した評価)では、2.5〜3.4、比較例におけるコンタクトレンズの潤滑性評価(装用中を想定した評価)では、2.2〜2.5であった。
また、実施例におけるコンタクトレンズの表面親水性評価(BUT)では、15〜25であり、比較例におけるコンタクトレンズの表面親水性評価(BUT)では、7〜10であった。
更に、実施例における表面摩擦係数率に関しては、HEMAゲルの初期値が0.1〜0.4、10回目の測定が0.3〜0.5であり、シリコーンハイドロゲルの初期値は0.1〜0.5で、10回目の測定は0.3〜0.6であった。一方比較例においてはHEMAゲルの初期値は0.8〜1.0で、10回目の測定は1.0〜1.2であり、シリコーンハイドロゲルの初期値は0.8〜0.9で、10回目の測定は0.9〜1.1であった。
また細胞毒性試験では、陰性対照(生理食塩液)における細胞生存率は99%であり、全ての実施例にて、これと同等の安全性を示した。
以上より、実施例のコンタクトレンズ用出荷液は、比較例と比較して、コンタクトレンズ表面に持続的な潤滑性、表面親水性を付与し、また安全性を有することが分かった。
[実施例8〜12]
表6に記載の実施例8〜12の割合で配合して無菌ろ過を行い、本発明の共重合体を配合したコンタクトレンズ用出荷液とした。なお、表6における浸透圧の測定は、第17改正日本薬局方 一般試験法 2.47 浸透圧測定法(オスモル濃度測定法)に従い行った。
実施例8〜12のコンタクトレンズ用出荷液を用いたコンタクトレンズは、潤滑性、表面親水性に優れており、コンタクトレンズの良好な装用感を得ることができ、さらに安全に使用することができる。また、このコンタクトレンズの良好な装用感は持続することができる。
本発明のコンタクトレンズ用溶液は、コンタクトレンズに対して、簡便に親水性向上効果と潤滑性向上効果を付与することができるので良好な装用感を付与することができる。更に、この良好な装用感は長時間にわたって持続させることができる。

Claims (2)

  1. 下記式(a)〜式(c)で表される構成単位を有し、各構成単位のモル比率na:nb:ncが100:10〜400:2〜50であり、重量平均分子量が5,000〜5,000,000である共重合体(P)を0.001〜2.0w/v%含有するコンタクトレンズ用溶液。
    [式(a)中、Xは(a1)に示すいずれかの基を表し、Yは(a2)に示すいずれかの基を表し、YがHの場合は、Zは存在せず、Zは(a3)に示すいずれかの基を表す。式(a)〜式(c)中、R、R及びRはそれぞれ独立に水素原子又はメチル基であり、R及びRはそれぞれ独立に水素原子、メチル基又はエチル基であるか、あるいは互いに結合してモルホリノ基を形成しており、Rは炭素数12〜24の炭化水素基である。]
  2. 請求項1に記載の共重合体(P)を0.001〜2.0w/v%含有するソフトコンタクトレンズ用溶液。
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