JP2015074679A - 化粧料用共重合体 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、マイクロエマルションの形成を可能にするとともに、層状α−ゲルの形成をも可能にする化粧料用共重合体に関する。【解決手段】一般式(1)で表される構成単位(a) 1質量%以上23質量%以下、一般式(2)で表される構成単位(b)、及び一般式(3)で表される構成単位(c)を含有し、構成単位(b)の含有量と構成単位(c)の含有量との質量比((c)/(b))が、0.19以上2.2以下である、化粧料用共重合体。【選択図】なし
Description
本発明は、化粧料に用いられる共重合体に関する。
従来より、化粧料においては様々な乳化技術が用いられている。例えば、低分子の界面活性剤を用いることにより、微細な粒径のマイクロエマルションを形成させることができ、これによって油性成分を皮膚に均一に塗布しやすく、べたつき感を低減しながらしっとり感を高めることも可能となる。
こうしたなか、近年では、より一層高い安全性や優れた低刺激性を有する化粧料が強く求められており、かかる観点から界面活性剤の使用を制限することが望まれつつある。そのため、低分子の界面活性剤を用いることなく、又はその使用量を低減し得る調製も試みられており、これを実現し得るものとして、種々の高分子を用いた技術が提案されている。例えば、特許文献1〜2には、強酸機能を有するモノマー、中性モノマー及び特定の(メタ)アクリル酸エステルモノマーを架橋剤の存在下で重合したアニオン性高分子電解質が開示されており、これを用いれば増粘及び乳化させることが記載されている。また、特許文献3には、特定量のスルホン酸モノマー残基、アクリルアミド残基、アルキル(メタ)アクリレート残基及びクロスリンカー残基を含むポリマーが開示されており、水性組成物において良好な粘度特性をもたらすことが記載されている。
一方、皮膚に直接適用する化粧料においては、層状α−ゲルを形成させることにも期待が寄せられつつある。α−ゲルは、水和型の結晶構造であってラメラ構造を有しており、さらに層状α−ゲルは、ラメラ層が重なり合った層状の構造を有している。皮膚最外層の角層に存在する角層細胞間脂質も、その大半がこの層状α−ゲル構造を取っており、これによって皮膚に対して外部からの異物質の浸入や内部からの水分蒸散を抑制すると同時に、そのもの自身が水分を保持することで皮膚の柔軟性やなめらかな外観を保つ機能を有している。そのため、このような層状α−ゲルを化粧料として外界から補給できれば、角層細胞間脂質と同様、乾燥時において、水分を多く含有させて肌の潤い感を持続させることもできる。
しかしながら、ラメラ層間に多量の水を抱え込ませた安定な層状α−ゲル構造を保つためには、油性成分の組成と併用する界面活性剤の選択が重要となるものの、低分子の界面活性剤の代わりに両親媒性高分子を用いようとしても、曲率が不明であるが故に層状構造を形成し得るか否かを判断しにくく、またかかる構造を形成するのに最適な組成をも明確にすることができず、多大なる試行錯誤を要する。
こうした状況下、マイクロエマルションの形成が可能であり、かつ層状α−ゲルの形成をも可能とする高分子であれば、安全性も高く低刺激性にも優れる化粧料を幅広い剤形で実現できることが期待されるものの、上記特許文献に記載の高分子は、いずれもマイクロエマルションと層状α−ゲルの双方を形成し得るものではなく、依然として改善の余地がある。
したがって、本発明は、層状α−ゲルの形成を可能にする化粧料用共重合体に関する。
そこで本発明者らは、種々検討したところ、静電反発力を発現する構成単位(a)を特定量で含有し、かつ特定の構成単位(b)及び構成単位(c)を特定の質量比で含有することにより、良好な親疎水バランスを発揮して、層状α−ゲルの双方を容易に形成できる化粧料共重合体が提供できることを見出した。
すなわち、本発明は、一般式(1)で表される構成単位(a) 1質量%以上23質量%以下、
一般式(2)で表される構成単位(b)、及び
一般式(3)で表される構成単位(c)
を含有し、構成単位(b)の含有量と構成単位(c)の含有量との質量比((c)/(b))が、0.19以上2.2以下である、化粧料用共重合体に関する。
(式(1)〜(3)中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8及びR9は同一又は異なって、水素原子又は炭素数1〜2のアルキル基を示し、R10は炭素数2〜4のアルキレン基を示し、R11は炭素数1〜30の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を示す。X1はOM又はNHC(CH3)2CH2SO2Mを示し、X2は酸素原子又はNHを示す。Mは水素原子又は陽イオン基を示し、nは0〜3の整数を示す。)
一般式(2)で表される構成単位(b)、及び
一般式(3)で表される構成単位(c)
を含有し、構成単位(b)の含有量と構成単位(c)の含有量との質量比((c)/(b))が、0.19以上2.2以下である、化粧料用共重合体に関する。
本発明の化粧料用共重合体によれば、層状α−ゲルの形成が可能である。また、マイクロエマルションの形成も可能であるため、幅広い範囲の形態を呈する高性能な化粧料を容易に実現することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の化粧料用共重合体は、
一般式(1)で表される構成単位(a) 1質量%以上23質量%以下、
一般式(2)で表される構成単位(b)、及び
一般式(3)で表される構成単位(c)
を含有し、構成単位(b)の含有量と構成単位(c)の含有量との質量比((c)/(b))が、0.19以上2.2以下である。
本発明の化粧料用共重合体は、
一般式(1)で表される構成単位(a) 1質量%以上23質量%以下、
一般式(2)で表される構成単位(b)、及び
一般式(3)で表される構成単位(c)
を含有し、構成単位(b)の含有量と構成単位(c)の含有量との質量比((c)/(b))が、0.19以上2.2以下である。
上記式(1)〜(3)中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8及びR9は同一又は異なって、水素原子又は炭素数1〜2のアルキル基を示し、R10は炭素数2〜4のアルキレン基を示し、R11は炭素数1〜30の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を示す。X1はOM又はNHC(CH3)2CH2SO2Mを示し、X2は酸素原子又はNHを示す。Mは水素原子又は陽イオン基を示し、nは0〜3の整数を示す。
上記一般式(1)で表される構成単位(a)は、上記式(1)で表される構造を有することから静電反発力を発現し、また上記一般式(2)で表される構成単位(b)と一般式(3)で表される構成単位(c)が、特定の質量比を有することによって良好な親疎水バランスを示すことができる。かかる共重合体を油性成分及び水とともに用いることにより、容易にマイクロエマルジョンを形成する化粧料が得られるとともに、層状α−ゲルを形成する化粧料も得ることができる。
化粧料において、マイクロエマルション構造を形成するためには、静電反発力及び親疎水バランスが重要となるが、本発明の共重合体は、構成単位(a)を特定量で含有することで適度な静電反発力を発現しつつ、構成単位(c)と構成単位(b)が特定の質量比であることで適度な親疎水バランスを示すため、マイクロエマルションの調製が可能になると考えらえる。
また、化粧料において、ラメラ層間に多量の自由水(ラメラ構造の層間に保持されているが、ラメラ構造構成成分に束縛されていない水)を保持した安定な高含水の層状α−ゲル構造を保つためには、油性成分と共重合体が並んでα結晶を形成して層状の構造を形成すること、すなわち共重合体が油性成分と共に界面に並ぶ際にその曲率を乱さないこと、及び静電反発によってラメラ層間を拡張する作用を有することが重要である。
本発明の共重合体は、構成単位(a)を特定量で含有することで適度な静電反発力を発現しつつ、構成単位(c)と構成単位(b)が特定の質量比であることで適度な親疎水バランスを示すため、曲率が乱れることなく容易に層状の構造をとりながら、ラメラ層間を拡張させることができ、高含水の層状α−ゲルの調製が可能になると考えらえる。なお、α−ゲルは球状の構造を呈することもできるが、この場合、自由水が連続相となるために水を保持する能力が不足しがちである。一方、α−ゲルが層状の構造を呈すると、ラメラ層間に水を多く保持することができるとともに、時間が経過しても各ラメラ層がバリア層として機能し、水を持続的に保持することができ、球状α−ゲルよりも層状α−ゲルの方が、高含水のα−ゲルとして優れている。
本発明の共重合体は、構成単位(a)を特定量で含有することで適度な静電反発力を発現しつつ、構成単位(c)と構成単位(b)が特定の質量比であることで適度な親疎水バランスを示すため、曲率が乱れることなく容易に層状の構造をとりながら、ラメラ層間を拡張させることができ、高含水の層状α−ゲルの調製が可能になると考えらえる。なお、α−ゲルは球状の構造を呈することもできるが、この場合、自由水が連続相となるために水を保持する能力が不足しがちである。一方、α−ゲルが層状の構造を呈すると、ラメラ層間に水を多く保持することができるとともに、時間が経過しても各ラメラ層がバリア層として機能し、水を持続的に保持することができ、球状α−ゲルよりも層状α−ゲルの方が、高含水のα−ゲルとして優れている。
上記一般式(1)で表される構成単位(a)は、下記一般式(4)で表されるモノマー(以下、モノマー(a)ともいう)を重合することにより誘導される構成単位であり、一般式(1)及び一般式(4)中におけるR1、R2、R3及びX1は、すべて同義である。
式(1)及び式(4)中、R1、R2及びR3は同一又は異なって、水素原子又は炭素数1〜2のアルキル基を示し、X1はOM又はNHC(CH3)2CH2SO2Mを示し、Mは水素原子又は陽イオン基を示す。式(1)及び式(4)において、マイクロエマルション及び層状α−ゲルの双方の調製を可能とする観点から、R1及びR2は水素原子が好ましい。R3は、同様の観点から、水素原子又はメチル基が好ましい。X1は、同様の観点から、NHC(CH3)2CH2SO2Mが好ましく、Mは水素原子が好ましい。
上記一般式(4)で表されるモノマーとしては、具体的には、例えばアクリル酸、メタアクリル酸、クロトン酸、及び2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸から選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。なかでも、マイクロエマルション及び層状α−ゲルの双方の調製を可能とする観点から、アクリル酸、メタアクリル酸、及び2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸から選ばれる1種又は2種以上が好ましく、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸がより好ましい。
なお、上記一般式(4)で表されるモノマー以外のモノマーを用い、重合後に適宜官能基を導入させることにより、上記一般式(1)で表される構成単位を誘導してもよい。上記一般式(4)で表されるモノマー以外のモノマーとは、例えば、エステル基やニトリル基を有するモノマーが挙げられ、加水分解することによってカルボキシル基を生成して上記一般式(1)で表される構成単位とすることもできる。
本発明の化粧料用共重合体中における構成単位(a)の含有量は、マイクロエマルション及び層状α−ゲルの双方の調製を可能とする観点から、本発明の化粧料用共重合体中に1質量%以上であって、好ましくは2質量%以上であり、より好ましくは3質量%以上であり、さらに好ましくは4質量%以上である。本発明の化粧料用共重合体中における構成単位(a)の含有量は、同様の観点から、本発明の化粧料用共重合体中に23質量%以下であって、好ましくは20質量%以下であり、より好ましくは15質量%以下であり、さらに好ましくは10質量%以下であり、またさらに好ましくは8質量%以下である。また、本発明の化粧料用共重合体中における構成単位(a)の含有量は、本発明の化粧料用共重合体中に1質量%以上23質量%以下であって、好ましくは2〜20質量%であり、より好ましくは3〜15質量%であり、さらに好ましくは4〜15質量%であり、またさらに好ましくは4〜10質量%であり、よりさらに好ましくは4〜8質量%である。
上記一般式(2)で表される構成単位(b)は、下記一般式(5)で表されるモノマー(以下、モノマー(b)ともいう)を重合することにより誘導される構成単位であり、一般式(2)及び一般式(5)中におけるR4、R5及びR6は、すべて同義である。
式(2)及び式(5)中、R4、R5及びR6は同一又は異なって、水素原子又は炭素数1〜2のアルキル基を示す。式(2)及び(5)において、マイクロエマルション及び層状α−ゲルの双方の調製を可能とする観点から、R4、R5及びR6は水素原子が好ましい。具体的には、例えばN,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド等が挙げられ、同様の観点から、N,N−ジメチルアクリルアミドが好ましい。
なお、上記一般式(5)で表されるモノマー以外のモノマーを用い、重合後に適宜官能基を導入させることにより、上記一般式(2)で表される構成単位を誘導してもよい。
本発明の化粧料用共重合体中における構成単位(b)の含有量は、マイクロエマルション及び層状α−ゲルの双方の調製を可能とする観点から、本発明の化粧料用共重合体中に、好ましくは30質量%以上であり、より好ましくは35質量%以上であり、さらに好ましくは40質量%以上であり、またさらに好ましくは45質量%以上であり、よりさらに好ましくは48質量%以上である。本発明の化粧料用共重合体中における構成単位(b)の含有量は、層状α−ゲルの調製を可能とする観点から、本発明の化粧料用共重合体中に、好ましくは80質量%以下であり、マイクロエマルション及び層状α−ゲルの双方の調製を可能とする観点から、より好ましくは70質量%以下であり、さらに好ましくは65質量%以下であり、またさらに好ましくは60質量%以下であり、よりさらに好ましくは55質量%以下であり、よりさらに好ましくは52質量%以下である。また、本発明の化粧料用共重合体中における構成単位(b)の含有量は、本発明の化粧料用共重合体中に、好ましくは30質量%以上80質量%以下であり、より好ましくは35〜70質量%であり、さらに好ましくは40〜65質量%であり、またさらに好ましくは45〜60質量%であり、よりさらに好ましくは48〜55質量%であり、よりさらに好ましくは48〜52質量%である。
上記一般式(3)で表される構成単位(c)は、下記一般式(6)で表されるモノマー(以下、モノマー(c)ともいう)を重合することにより誘導される構成単位であり、一般式(3)及び一般式(6)中におけるR7、R8、R9、R10、R11、X2及びnは、すべて同義である。
式(3)及び式(6)中、R7、R8及びR9は同一又は異なって、水素原子又は炭素数1〜2のアルキル基を示し、R10は炭素数2〜4のアルキレン基を示し、R11は炭素数1〜30の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を示す。X2は酸素原子又はNHを示し、nは0〜3の整数を示す。式(3)及び式(6)において、マイクロエマルション及び層状α−ゲルの双方の調製を可能とする観点から、R7及びR8は水素原子が好ましく、R9は水素原子又はメチル基が好ましく、メチル基がより好ましく、X2は酸素原子が好ましい。nは、マイクロエマルション及び層状α−ゲルの双方の調製を可能とする観点から、好ましくは2以下であり、より好ましくは1以下であり、さらに好ましくは0である。R11は、マイクロエマルション及び層状α−ゲルの双方の調製を可能とする観点から、好ましくは炭素数12以上であり、より好ましくは14以上であり、さらに好ましくは16以上であり、またさらに好ましくは18以上であり、好ましくは24以下であり、さらに好ましくは22以下である。また、R11は、マイクロエマルション及び層状α−ゲルの双方の調製を可能とする観点から、好ましくは直鎖アルキル基である。
なかでも、構成単位(c)は、マイクロエマルション及び層状α−ゲルの双方の調製を可能とする観点から、下記式(3)'で表される構成単位であるのが好ましく、かかる構成単位は下記式(6)'で表されるモノマーから誘導される。
構成単位(c)としては、具体的には、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸iso−ブチル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸n−デシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ミリスチル、(メタ)アクリル酸パルミチル、(メタ)アクリル酸ステアリル、及び(メタ)アクリル酸ベヘニル等から選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。なかでも、構成単位(c)は、マイクロエマルション及び層状α−ゲルの双方の調製を可能とする観点から、好ましくは(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ミリスチル、(メタ)アクリル酸パルミチル、(メタ)アクリル酸ステアリル、及び(メタ)アクリル酸ベヘニルから選ばれる1種又は2種以上であり、より好ましくは(メタ)アクリル酸ステアリル又は(メタ)アクリル酸ベヘニルである。
なお、上記一般式(6)で表されるモノマー以外のモノマーを用い、重合後に適宜官能基を導入させることにより、上記一般式(3)で表される構成単位を誘導してもよい。
本発明の化粧料用共重合体中における構成単位(c)の含有量は、層状α−ゲルの調製を可能とする観点から、本発明の化粧料用共重合体中に、好ましくは15質量%以上であり、より好ましくは20質量%以上であり、マイクロエマルション及び層状α−ゲルの双方の調製を可能とする観点から、さらに好ましくは25質量%以上であり、またさらに好ましくは35質量%以上であり、よりさらに好ましくは40質量%以上であり、よりさらに好ましくは43質量%以上である。本発明の化粧料用共重合体中における構成単位(c)の含有量は、マイクロエマルション及び層状α−ゲルの双方の調製を可能とする観点から、本発明の化粧料用共重合体中に、好ましくは65質量%以下であり、より好ましくは60質量%以下であり、さらに好ましくは55質量%であり、またさらに好ましくは50質量%であり、よりさらに好ましくは47質量%以下である。また、本発明の化粧料用共重合体中における構成単位(c)の含有量は、本発明の化粧料用共重合体中に、好ましくは15質量%以上65質量%以下であり、より好ましくは20〜60質量%であり、さらに好ましくは25〜55質量%であり、またさらに好ましくは35〜50質量%であり、よりさらに好ましくは40〜47質量%であり、よりさらに好ましくは43〜47質量%である。
本発明の化粧料用共重合体において、構成単位(b)の含有量と構成単位(c)の含有量との質量比((c)/(b))は、層状α−ゲルの調製を可能とする観点から、0.19以上であって、好ましくは0.25以上であり、マイクロエマルション及び層状α−ゲルの双方の調製を可能とする観点から、より好ましくは0.30以上であり、さらに好ましくは0.40以上であり、またさらに好ましくは0.60以上であり、よりさらに好ましくは0.85以上である。構成単位(b)の含有量と構成単位(c)の含有量との質量比((c)/(b))は、マイクロエマルション及び層状α−ゲルの双方の調製を可能とする観点から、2.2以下であって、好ましくは1.6以下であり、より好ましくは1.4以下であり、さらに好ましくは1.2以下であり、またさらに好ましくは1.0以下であり、よりさらに好ましくは0.95以下である。
また、構成単位(b)の含有量と構成単位(c)の含有量との質量比((c)/(b))は、マイクロエマルションを調製する観点から、好ましくは0.3〜1.6であり、より好ましくは0.4〜1.4であり、さらに好ましくは0.6〜1.4であり、またさらに好ましくは0.85〜1.2である。さらに、構成単位(b)の含有量と構成単位(c)の含有量との質量比((c)/(b))は、層状α−ゲルを調製する観点から、好ましくは0.19〜2.2であり、より好ましくは0.25〜1.6であり、さらに好ましくは0.3〜1.4であり、またさらに好ましくは0.4〜1.2であり、よりさらに好ましくは0.6〜1.0であり、さらに好ましくは0.85〜0.95である。
本発明の化粧料用共重合体において、構成単位(a)の含有量と構成単位(b)及び構成単位(c)の合計含有量との質量比({(b)+(c)}/(a))は、適度な静電反発力を発現させる観点から、好ましくは4以上であり、より好ましくは5以上であり、さらに好ましくは9以上であり、よりさらに好ましくは12以上である。構成単位(a)の含有量と構成単位(b)及び構成単位(c)の合計含有量との質量比({(b)+(c)}/(a))は、良好な親疎水バランスを保持する観点から、好ましくは50以下であり、より好ましくは25以下である。また、構成単位(a)の含有量と構成単位(b)及び構成単位(c)の合計含有量との質量比({(b)+(c)}/(a))は、好ましくは4〜50であり、より好ましくは5〜25であり、さらに好ましくは9〜25であり、よりさらに好ましくは12〜25である。
本発明の化粧料用共重合体中における構成単位(a)、構成単位(b)及び構成単位(c)の合計含有量は、マイクロエマルション及び層状α−ゲルの双方の調製を可能とする観点から、本発明の化粧料用共重合体中に、好ましくは70質量%以上であり、より好ましくは80質量%以上であり、さらに好ましくは90質量%以上であり、よりさらに好ましくは95質量%以上であり、よりさらに好ましくは実質的に100質量%であり、よりさらに好ましくは100質量%である。
なお、実質的に100質量%とは、本発明の化粧料用共重合体中に、構成単位(a)、構成単位(b)及び構成単位(c)以外の構成単位が不可避的に混入する場合を含む意味である。
なお、実質的に100質量%とは、本発明の化粧料用共重合体中に、構成単位(a)、構成単位(b)及び構成単位(c)以外の構成単位が不可避的に混入する場合を含む意味である。
本発明の化粧料用共重合体は、本発明の効果を損なわない範囲において、構成単位(a)、構成単位(b)及び構成単位(c)以外の構成単位を含んでもよい。
また、本発明の化粧料用共重合体は、本発明の効果を損なわない範囲において、架橋されていてもよいが、マイクロエマルション及び層状α−ゲルの双方の調製を可能とする観点から、架橋されていないことが好ましい。
また、本発明の化粧料用共重合体は、本発明の効果を損なわない範囲において、架橋されていてもよいが、マイクロエマルション及び層状α−ゲルの双方の調製を可能とする観点から、架橋されていないことが好ましい。
本発明の化粧料用共重合体は、公知の合成方法により得ることができる。例えば、上記モノマー(a)、モノマー(b)及びモノマー(c)を含むモノマー成分を溶液重合法で重合させることで得られる。
上記の溶液重合に用いられる溶媒としては、例えば芳香族系炭化水素(トルエン、キシレン等)、低級アルコール(エタノール、イソプロパノール等)、ケトン(アセトン、メチルエチルケトン)、エーテル(テトラヒドロフラン、ジエチレングリコールジメチルエーテル等)等の有機溶媒を使用することができる。溶媒量(質量基準)は、モノマー全量に対し、0.5〜10倍量が好ましい。
重合開始剤としては、公知のラジカル重合開始剤を用いることができ、例えばアゾ系重合開始剤、ヒドロ過酸化物類、過酸化ジアルキル類、過酸化ジアシル類、ケトンぺルオキシド類等が挙げられる。重合開始剤量は、モノマー全量100質量部に対し、0.01〜5質量部が好ましく、0.05〜3質量部がより好ましく、0.1〜1質量部が特に好ましい。
重合反応は、窒素気流下、60〜180℃の温度範囲で行うのが好ましく、反応時間は0.5〜20時間が好ましい。
重合反応は、窒素気流下、60〜180℃の温度範囲で行うのが好ましく、反応時間は0.5〜20時間が好ましい。
本発明の化粧料用共重合体の重量平均分子量は、マイクロエマルション及び層状α−ゲルの双方の調製を可能とする観点から、5千〜100万が好ましく、8千〜10万がより好ましい。なお、重量平均分子量はGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)により測定した値であり、測定条件の詳細は実施例に示す通りである。
本発明の化粧料用共重合体を用い、さらに油性成分及び水を用いることにより、マイクロエマルション又は層状α−ゲルを呈する化粧料を得ることができる。
油性成分としては、通常化粧料に使用されるものを適宜用いることができる。具体的には、例えば、流動パラフィン、流動イソパラフィン、スクワラン等の炭化水素油;イソステアリン酸コレステリルエステル、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、イソステアリン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクタデシル、2−エチルヘキサン酸セチル、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸イソトリデシル、トリ(2−エチルヘキサン酸)グリセリン、トリ(カプリル酸・カプリン酸)グリセリン等のエステル油;アルキル−1,3−ジメチルブチルエーテル、ノニルフェニルエーテル等のエーテル油;メチルポリシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン等のシリコーン油;ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸等の炭素数8〜22の高級脂肪酸;ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、パルミチルアルコール、ステアリルアルコール、セチルアルコール等の炭素数8〜30の高級アルコール;魚油、大豆油、オリーブ油等の動植物油;セラミド、リン脂質、糖脂質等の脂質;テルペン油が挙げられる。
上記油性成分のなかでも、本発明の化粧料用共重合体を用いてマイクロエマルションを呈する化粧料を調製する場合に用いる油性成分としては、良好にマイクロエマルションを形成させる観点から、25℃で液状であるシリコーン油以外の油性成分が好ましく、またはこれに溶解させた親油性の作用物質及び添加剤を用いることもできる。なお、25℃で固体又は半固体の油性成分は、マイクロエマルションを呈する化粧料中に5質量%未満、好ましくは1質量%未満の量で含有するか、或いは不可避的に混入する場合を除き、含有しないことが好ましい。
かかる25℃で液状であるシリコーン油以外の油性成分としては、具体的には、例えば、植物油、動物油、鉱物油、炭化水素油、水添ポリオレフィン、少なくとも8個の炭素原子をもつ液状アルコールから選ばれる1種又は2種以上の、25℃で液状であるものが挙げられる。より具体的には、例えば、シクロパラフィン、パラフィン油、ポリデセン、鉱物油、イソヘキサデカン、ドデカン、イソエイコサン、フェニルトリメチコン、パルミチン酸イソセチル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸イソプロピル、イソステアリン酸オクチル、ヤシ脂肪酸オクチル、パルミチン酸オクチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、ブチルオクタノール、ヘキシルオクタノール、ブチルデカノール、ヘキシルデカノール、オクチルドデカノール、オレイルアルコール、ヘプタン酸ステアリル、デカン酸イソヘキシル、オクタン酸イソデシル、アジピン酸ジブチル、ジカプリリルエーテル、安息香酸C12−15アルキル、水添ポリイソブテン、スクアラン、スクアレン、天然油、例えばホホバ油、オリーブ油、ひまわり油、大豆油、落花生油、菜種油、アーモンド油、ひまし油、小麦胚芽油、ぶどう種油、あざみ油、宵待草油、マカデミアナッツ油、とうもろこし胚芽油、及びアボカド油から選ばれる1種又は2種以上が好ましい。
また、上記油性成分のなかでも、本発明の化粧料用共重合体を用いて層状α−ゲルを呈する化粧料を調製する場合に用いる油性成分としては、良好に層状α−ゲルを形成させる観点から、25℃で固体又は半固体である油性成分が好ましい。かかる25℃で固体又は半固体である油性成分としては、具体的には、例えば、高級アルコール、直鎖脂肪酸又は分岐脂肪酸を由来とする脂肪酸エステル、セラミドから選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。なお、25℃で液状である油性成分は、層状α−ゲルを呈する化粧料中に5質量%未満、好ましくは1質量%未満の量で含有するか、或いは不可避的に混入する場合を除き、含有しないことが好ましい。
高級アルコールとしては、例えば、炭素数10〜24のものが挙げられ、具体的には、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール等から選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。なかでも、セチルアルコールやステアリルアルコール等の炭素数14〜22のものが好ましい。
直鎖脂肪酸を由来とする脂肪酸エステルとしては、例えば、直鎖脂肪酸を由来とするグリセリンモノ脂肪酸エステル、ソルビタンモノ脂肪酸エステルが挙げられる。具体的には、例えば、グリセリンモノラウリン酸エステル、グリセリンモノミリスチン酸エステル、グリセリンモノパルミチン酸エステル、グリセリンモノステアリン酸エステル、グリセリンモノベヘン酸エステル、グリセリンモノオレイン酸エステル等のグリセリンモノ脂肪酸エステル;モノミリスチン酸ソルビタン、モノパルミチン酸ソルビタン、モノステアリン酸ソルビタン、モノベヘン酸ソルビタン等のソルビタンモノ脂肪酸エステルから選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。なかでも、炭素数18〜22の直鎖脂肪酸を由来とするグリセリンモノ脂肪酸エステル、及び炭素数14〜22の直鎖脂肪酸を由来とするソルビタンモノ脂肪酸エステルから選ばれる1種又は2種以上が好ましく、グリセリンモノパルミチン酸エステル、グリセリンモノステアリン酸エステル、グリセリンモノベヘン酸エステル、及びソルビタンモノステアリン酸エステルから選ばれる1種又は2種以上がより好ましい。
分岐脂肪酸を由来とする脂肪酸エステルとしては、例えば、ヒドロキシル基を有する分岐脂肪酸エステル、アミノ基を有する分岐脂肪酸エステルが挙げられる。かかる脂肪酸エステルは、アルコールの部分が、多価アルコールであってもよいし、脂肪酸が多価脂肪酸であってもよい。アミノ基は、アミド結合に変換されていてもよい。具体的には、例えば、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(コレステリル・オクチルドデシル)等のアミノ基を有する分岐脂肪酸エステルが挙げられる。
セラミドとしては、例えば、一般式(7)で表わされるものが挙げられる。
(式中、R12はヒドロキシル基、カルボニル基若しくはアミノ基が置換していてもよい、炭素数4〜30の直鎖、分岐鎖若しくは環状の飽和若しくは不飽和の炭化水素基又は水素原子を示し;Zはメチレン基、メチン基又は酸素原子を示し;X11、X12及びX13は各々独立して水素原子、ヒドロキシル基又はアセトキシ基を示し、X14は水素原子、アセチル基又はグリセリル基を示すか、隣接する酸素原子と一緒になってオキソ基を形成し(但し、Zがメチン基のとき、X11とX12のいずれか一方が水素原子であり、他方は存在しない。X14がオキソ基を形成するとき、X13は存在しない。);R13及びR14は各々独立して水素原子、ヒドロキシル基、ヒドロキシメチル基又はアセトキシメチル基を示し;R15はヒドロキシル基、カルボニル基又はアミノ基が置換していてもよい、主鎖にエーテル結合、エステル結合又はアミド結合を有していてもよい炭素数5〜60の直鎖、分岐鎖又は環状の飽和又は不飽和の炭化水素基を示し;R16は水素原子を示すか、ヒドロキシル基、ヒドロキシアルコキシ基、アルコキシ基及びアセトキシ基から選ばれる置換基を有していてもよい、総炭素数1〜30の直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和の炭化水素基を示し(但し、R12が水素原子、Zが酸素原子のときR16は総炭素数10〜30の炭化水素基であり、R12が炭化水素基のときR16は総炭素数1〜8の炭化水素基である);破線部は不飽和結合であってもよいことを示す)
式中、R12は、ヒドロキシル基、カルボニル基若しくはアミノ基が置換していてもよい、炭素数4〜30の、好ましくはヒドロキシル基が置換していてもよい炭素数7〜22の直鎖、分岐鎖若しくは環状の飽和若しくは不飽和の炭化水素基又は水素原子である。
Zはメチレン基、メチン基又は酸素原子のいずれかを示す。
Zはメチレン基、メチン基又は酸素原子のいずれかを示す。
X11、X12及びX13は、各々独立して水素原子、ヒドロキシル基又はアセトキシ基を示す。X11、X12及びX13のうち、0〜1個がヒドロキシル基で、残余が水素原子であるのが好ましい。Zがメチン基のとき、X11とX12のいずれか一方のみが水素原子であり、他方は存在しない。また、X14は水素原子かグリセリル基であるのが好ましい。
R13及びR14は、水素原子、ヒドロキシル基、ヒドロキシメチル基又はアセトキシメチル基を示し、好ましいR13は水素原子又はヒドロキシメチル基であり、好ましいR14は水素原子である。
R13及びR14は、水素原子、ヒドロキシル基、ヒドロキシメチル基又はアセトキシメチル基を示し、好ましいR13は水素原子又はヒドロキシメチル基であり、好ましいR14は水素原子である。
R15は、ヒドロキシル基、カルボニル基又はアミノ基が置換していてもよい、主鎖にエーテル結合、エステル結合又はアミド結合を有していてもよい炭素数5〜60の直鎖、分岐鎖又は環状の飽和又は不飽和の炭化水素基を示す。好ましくは、ヒドロキシル基又はアミノ基が置換していてもよい炭素数5〜35の直鎖、分岐鎖又は環状の飽和又は不飽和の炭化水素基、又は該炭化水素基のω位に、ヒドロキシル基が置換してもよい炭素数8〜22の直鎖、分岐又は環状の飽和又は不飽和の脂肪酸がエステル結合又はアミド結合したものが挙げられる。結合する脂肪酸としては、イソステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸又はリノール酸が好ましい。
R16は、水素原子を示すか、ヒドロキシル基、ヒドロキシアルコキシ基、アルコキシ基及びアセトキシ基から選ばれる置換基を有していてもよい総炭素数1〜30の直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和の炭化水素基である。R12が水素原子、Zが酸素原子のときR16は総炭素数10〜30の炭化水素基である。また、R12が炭化水素基のときR16は総炭素数1〜8の炭化水素基である。水素原子あるいは、ヒドロキシル基及びヒドロキシアルコキシ基、アルコキシ基から選ばれる1〜3個が置換していてもよい総炭素数1〜8の炭化水素基が好ましい。ここで、ヒドロキシアルコキシ基及びアルコキシ基としては炭素数1〜7のものが好ましい。
一般式(7)で表わされるセラミドとしては、次の一般式(8)又は(9)で表わされるセラミドであることが好ましい。
(I)一般式(8)で表わされる天然由来のセラミド又は同構造の合成物及びその誘導体(以下、天然型セラミドと記載する。)。
(I)一般式(8)で表わされる天然由来のセラミド又は同構造の合成物及びその誘導体(以下、天然型セラミドと記載する。)。
(式中、R22はヒドロキシル基が置換していてもよい炭素数7〜19の直鎖、分岐鎖又は環状の飽和又は不飽和の炭化水素基を示し;Z1はメチレン基又はメチン基を示し;X15、X16、及びX17は各々独立して水素原子、ヒドロキシル基又はアセトキシ基を示し;X18は水素原子を示すか、隣接する酸素原子と一緒になってオキソ基を形成し(但し、Z1がメチン基のとき、X15とX16のいずれか一方が水素原子であり、他方は存在しない。X18がオキソ基を形成するとき、X17は存在しない。);R23はヒドロキシメチル基又はアセトキシメチル基を示し;R24は水素原子を示すか、炭素数1〜4のアルキル基を示し;R25はヒドロキシル基が置換していてもよい炭素数5〜30の直鎖、分岐鎖又は環状の飽和又は不飽和の炭化水素基であるか、又は該アルキル基のω末端に、ヒドロキシル基が置換していてもよい炭素数8〜22の直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和の脂肪酸がエステル結合したものを示し;破線部は不飽和結合であってもよいことを示す。)
好ましくは、R22が炭素数7〜19、さらに好ましくは炭素数13〜15の直鎖アルキル基;R25がヒドロキシル基が置換しても良い炭素数9〜27の直鎖アルキル基又はリノール酸がエステル結合した炭素数9〜27の直鎖アルキル基である化合物が挙げられる。また、X18は水素原子を示すか、酸素原子とともにオキソ基を形成するのが好ましい。R25としては、トリコシル、1−ヒドロキシペンタデシル、1−ヒドロキシトリコシル、ヘプタデシル、1−ヒドロキシウンデシル、ω位にリノール酸がエステル結合したノナコシル基が好ましい。
天然型セラミドの具体的な例示として、スフィンゴシン、ジヒドロスフィンゴシン、フィトスフィンゴシン又はスフィンガジエニンがアミド化されたセラミドType1〜7(例えば、J. Lipid Res., 24:759(1983)の図2、及びJ. Lipid. Res.,35:2069(1994)の図4記載のブタ及びヒトのセラミド)が挙げられる。
さらにこれらのN−アルキル体(例えばN−メチル体)も含まれる。
これらのセラミドは天然型(D(−)体)の光学活性体を用いても、非天然型(L(+)体)の光学活性体を用いても、さらに天然型と非天然型の混合物を用いてもよい。上記化合物の相対立体配置は、天然型の立体配置のものでも、それ以外の非天然型の立体配置のものでも良く、また、これらの混合物によるものでもよい。これらのうち、CERAMIDE1、CERAMIDE2、CERAMIDE3、CERAMIDE5、CERAMIDE6IIの化合物(以上、INCI、8th Edition)及び次式で表わされるものが好ましい。
これらのセラミドは天然型(D(−)体)の光学活性体を用いても、非天然型(L(+)体)の光学活性体を用いても、さらに天然型と非天然型の混合物を用いてもよい。上記化合物の相対立体配置は、天然型の立体配置のものでも、それ以外の非天然型の立体配置のものでも良く、また、これらの混合物によるものでもよい。これらのうち、CERAMIDE1、CERAMIDE2、CERAMIDE3、CERAMIDE5、CERAMIDE6IIの化合物(以上、INCI、8th Edition)及び次式で表わされるものが好ましい。
これらは天然からの抽出物及び合成物のいずれでもよく、市販のものを用いることができる。このような天然型セラミドの市販のものとしては、Ceramide I、Ceramide III、Ceramide IIIA、Ceramide IIIB、Ceramide IIIC、Ceramide VI(以上、コスモファーム社)、Ceramide TIC-001(高砂香料社)、CERAMIDE II(Quest International社)、DS-Ceramide VI、DS-CLA-Phytoceramide、C6-Phytoceramide、DS-ceramide Y3S(DOOSAN社)、CERAMIDE2(セダーマ社)が挙げられる。
(II)一般式(9)で表わされる擬似型セラミド。
(式中、R26は、ヒドロキシル基が置換していてもよい炭素数10〜22の直鎖、分岐鎖若しくは環状の飽和若しくは不飽和の炭化水素基又は水素原子を示し;X19は水素原子、アセチル基又はグリセリル基を示し;R27はヒドロキシル基又はアミノ基が置換していてもよい炭素数5〜22の直鎖、分岐鎖又は環状の飽和又は不飽和の炭化水素基であるか、又は該炭化水素基のω末端に、ヒドロキシル基が置換していてもよい炭素数8〜22の直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和の脂肪酸がエステル結合したものを示し;R28は水素原子を示すか、ヒドロキシル基、ヒドロキシアルコキシ基、アルコキシ基又はアセトキシ基が置換していてもよい総炭素数1〜30のアルキル基を示す。)
R27としては、ノニル、トリデシル、ペンタデシル、ω位にリノール酸がエステル結合したウンデシル基、ω位にリノール酸がエステル結合したペンタデシル基、ω位に12−ヒドロキシステアリン酸がエステル結合したペンタデシル基、ω位にメチル分岐イソステアリン酸がアミド結合したウンデシル基が好ましい。
R26が水素原子の場合、R28はヒドロキシル基、ヒドロキシアルコキシ基、アルコキシ基又はアセトキシ基が置換していてもよい総炭素数10〜30の、好ましくは総炭素数12〜20のアルキル基であり;R26がヒドロキシル基が置換していてもよい炭素数10〜22の直鎖、分岐鎖又は環状の飽和又は不飽和の炭化水素基である場合、R28は水素原子を示すか、ヒドロキシル基、ヒドロキシアルコキシ基、アルコキシ基又はアセトキシ基が置換していてもよい総炭素数1〜8のアルキル基を示すことが好ましい。R28のヒドロキシアルコキシ基又はアルコキシ基としては炭素数1〜7のものが好ましい。
一般式(9)としては、R26がヘキサデシル基、X19が水素原子、R27がペンタデシル基、R28がヒドロキシエチル基のもの;R26がヘキサデシル基、X19が水素原子、R27がノニル基、R28がヒドロキシエチル基のものの擬似型セラミドが好ましく、一般式(9)のR26がヘキサデシル基、X19が水素原子、R27がペンタデシル基、R28がヒドロキシエチル基のもの(N−(ヘキサデシロキシヒドロキシプロピル)−N−ヒドロキシエチルヘキサデカナミド)が、さらに好ましい。
かかるセラミドを1種又は2種以上用いることができる。
本発明の化粧料用共重合体を用いて化粧料を得るにあたり、さらにその他の化粧料に通常用いられる有効成分や添加剤、例えば、アスコルビン酸、ニコチン酸アミド、ニコチン酸等の水溶性ビタミン類;オウバクエキス、カンゾウエキス、アロエエキス、スギナエキス、茶エキス、キューカンバーエキス、チョウジエキス、ニンジンエキス、ハマメリス抽出液、プラセンタエキス、海藻エキス、マロニエエキス、カミツレエキス、ユズエキス、チョウジエキス、アスナロエキス、アルテアエキス、ローヤルゼリーエキス、ユーカリエキス、褐藻エキス、アスナロ抽出液等の動・植物抽出液;水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、トリエタノールアミン、炭酸ナトリウム等の塩基;クエン酸、酒石酸、乳酸、リン酸、コハク酸、アジピン酸等の酸;カルボキシビニルポリマー、アルギン酸ナトリウム、カラギーナン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、グアーガム、キサンタンガム、カルボキシメチルキトサン、ヒアルロン酸ナトリウム、オキサゾリン変性シリコーン、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリル酸ジエチル硫酸塩・N,N−ジメチルアクリルアミド・ジメタクリル酸ポリエチレングリコール共重合体等の増粘剤などを含有することもできる。
本発明の化粧料用共重合体を用いてマイクロエマルションを呈する化粧料を調製する場合、本発明の化粧料用共重合体の含有量は、安定性及び使用感等を良好に保持する観点から、かかる化粧料中に、好ましくは0.1〜5.0質量%であり、より好ましくは0.3〜2.0質量%、さらに好ましくは0.5〜1.5質量%である。また、油性成分の含有量は、同様の観点から、化粧料中に、好ましくは0.1〜20質量%であり、より好ましくは0.3〜10質量%であり、さらに好ましくは0.5〜5質量%である。さらに、水の含有量は、同様の観点から、化粧料中に、好ましくは40〜95質量%であり、より好ましくは45〜90質量%である。また、油性成分100質量部に対する化粧料用共重合体の含有量は、同様の観点から、好ましくは10〜400質量部であり、より好ましくは30〜250質量部、さらに好ましくは50〜150質量部である。
また、本発明の化粧料用共重合体を用いて層状α−ゲルを呈する化粧料を調製する場合、本発明の化粧料用共重合体の含有量は、安定性及び使用感等を良好に保持する観点から、かかる化粧料中に、好ましくは0.1〜5.0質量%であり、より好ましくは0.3〜2.0質量%であり、さらに好ましくは0.5〜1.5質量%である。また、油性成分の含有量は、同様の観点から、化粧料中に、好ましくは0.1〜20質量%であり、より好ましくは0.5〜15質量%であり、さらに好ましくは1〜10質量%である。さらに、水の含有量は、同様の観点から、化粧料中に、好ましくは40〜95質量%であり、より好ましくは45〜90質量%である。また、油性成分100質量部に対する化粧料用共重合体の含有量は、同様の観点から、好ましくは5〜200質量部であり、より好ましくは10〜50質量部である。
本発明の化粧料用共重合体、上記油性成分及び水を用いてマイクロエマルション又は層状α−ゲルを呈する化粧料は、通常の方法により製造することができる。具体的には、例えば、本発明の化粧料用共重合体、及び油性成分を混合した系を可溶化状態にした後、水を添加して冷却する方法、いわゆる転相乳化法を用いることができる。
本発明の化粧料用共重合体を用いて調製できるマイクロエマルションを呈する化粧料は、本発明の化粧料用共重合体を良好に油性成分へ溶解させ、かかる油性成分が化粧料中に極めて微細化された油滴として存在する。具体的には、マイクロエマルションを呈する化粧料における油滴の平均粒径は、化粧料の透明性、及び経時安定性の観点から、小さいほど好ましく、好ましくは450nm以下であり、より好ましくは350nm以下であり、さらに好ましくは300nm以下であり、よりさらに好ましくは250nm以下であり、よりさらに好ましくは200nm以下であり、よりさらに好ましくは150nm以下である。また、マイクロエマルションを呈する化粧料における油滴の平均粒径は、生産性の観点から、好ましくは10nm以上であり、より好ましくは50nm以上であり、さらに好ましくは70nm以上であり、よりさらに好ましくは80nm以上であり、よりさらに好ましくは90nm以上である。
本発明の化粧料用共重合体を用いて調製できる層状α−ゲルを呈する化粧料は、ラメラ層が重なり合った構造、いわゆる層状ラメラ構造を有している。層状ラメラ構造は、連続相の水に球晶化したラメラが存在する構造、いわゆる球晶ラメラ構造を有する場合に比べ、連続相なるものが存在せずに堅固な構造を有するため、より高い粘度を示すこととなる。具体的には、層状α−ゲルを呈する化粧料の25℃における粘度は、通常5,000〜150,000mPaであって、好ましくは10,000〜150,000mPaであり、より好ましくは20,000〜150,000mPaであり、さらに好ましくは30,000〜140,000mPaであり、よりさらに好ましくは30,000〜130,000mPaであり、よりさらに好ましくは40,000〜120,000mPaであり、よりさらに好ましくは50,000〜120,000mPaである。なお、かかる粘度は、B型粘度計を用いて25℃にて測定した値を意味し、より具体的には実施例に記載の方法にしたがって測定することができる。
また、本発明の化粧料用共重合体を用いて調製された化粧料において、層状α−ゲルが形成されている様子は、XRD(X線回折)によって確認することもできる。具体的には、広角X線回折においてBragg角=21〜23°付近を観察すると、結晶構造が形成されている場合には大小煩雑な複数のピークが現れ、液晶構造が形成されている場合にはブロードなピークが現れる。これに対し、α−ゲル構造が形成されている場合には、六方晶系であるが故に親油基が親水基層の面に対して直角に配向し、Bragg角=21〜23°付近に鋭い1本の回折ピークが現れるので、かかるピークの有無によって層状α−ゲルの形成の有無を判断することができる。さらに、α−ゲルが形成されている場合には、小角X線回折においてBragg角0.3〜5°を観察すると、層状ラメラ構造であるが故にBragg角が1:2:3:4の比でピークが現れるので、かかるピークの有無によっても層状α−ゲルの形成の有無を判断することができる。
以下、本発明について、実施例に基づき具体的に説明する。なお、表中に特に示さない限り、各成分の含有量は質量%を示す。
また、実施例で用いた、上記構成単位(a)を誘導するモノマー(a)、構成単位(b)を誘導するモノマー(b)、構成単位(c)を誘導するモノマー(c)、溶媒及び開始剤の略称、及び各モノマーから誘導される構成単位の構造を表1に示す。
また、実施例で用いた、上記構成単位(a)を誘導するモノマー(a)、構成単位(b)を誘導するモノマー(b)、構成単位(c)を誘導するモノマー(c)、溶媒及び開始剤の略称、及び各モノマーから誘導される構成単位の構造を表1に示す。
[実施例1(共重合体1)の製造]
表2に示すモノマー、溶媒及び開始剤を用いて共重合体1を製造した。具体的には、まず攪拌機、還流冷却器、温度計、及び窒素導入管を有する反応器に、エタノール60.0gを仕込み、窒素雰囲気下で78℃まで昇温した。別途、アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸 (AMPS、SIGMA-ALDRICH製) 0.6g、ジメチルアクリルアミド (DMAAm、株式会社興人製) 38.4g、ステアリルメタクリレート (SMA、新中村化学工業株式会社製) 21.0g、開始剤として2,2’−アゾビス(イソ酪酸)ジメチル(和光純薬工業株式会社製、商品名「V−601」)0.24g、及びエタノール180.0gを均一に混合し、滴下速度2.0g/min にて2時間かけて反応器内へ滴下した。滴下終了後、78℃で4時間保持して熟成した。その後、得られた反応液を50℃にて減圧乾燥し、エタノールを留去して、共重合体1を得た。
表2に示すモノマー、溶媒及び開始剤を用いて共重合体1を製造した。具体的には、まず攪拌機、還流冷却器、温度計、及び窒素導入管を有する反応器に、エタノール60.0gを仕込み、窒素雰囲気下で78℃まで昇温した。別途、アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸 (AMPS、SIGMA-ALDRICH製) 0.6g、ジメチルアクリルアミド (DMAAm、株式会社興人製) 38.4g、ステアリルメタクリレート (SMA、新中村化学工業株式会社製) 21.0g、開始剤として2,2’−アゾビス(イソ酪酸)ジメチル(和光純薬工業株式会社製、商品名「V−601」)0.24g、及びエタノール180.0gを均一に混合し、滴下速度2.0g/min にて2時間かけて反応器内へ滴下した。滴下終了後、78℃で4時間保持して熟成した。その後、得られた反応液を50℃にて減圧乾燥し、エタノールを留去して、共重合体1を得た。
[実施例2〜6(共重合体2〜6)、比較例9(共重合体9)、実施例10〜12(共重合体10〜12、比較例5〜6(共重合体13〜14)、実施例10〜19、21〜26(共重合体15〜24、26〜31)、比較例4、7〜9(共重合体33〜36)の製造]
各モノマー、開始剤、及び反応溶媒、反応濃度を表2に示すように調製した以外は、実施例1(共重合体1)の製造方法と同様に行い、共重合体2〜6、9〜24、26〜31、33〜36を得た。
各モノマー、開始剤、及び反応溶媒、反応濃度を表2に示すように調製した以外は、実施例1(共重合体1)の製造方法と同様に行い、共重合体2〜6、9〜24、26〜31、33〜36を得た。
[比較例1(共重合体7)の製造]
攪拌機、還流冷却器、温度計、及び窒素導入管を有する反応器に、エタノール220g、アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸 (AMPS、SIGMA-ALDRICH製) 18.0g、ステアリルメタクリレート (SMA、新中村化学工業株式会社製) 42.0gを入れ、均一に混合し窒素雰囲気下で30分間攪拌した。その後、78℃まで昇温し、開始剤として2,2’−アゾビス(イソ酪酸)ジメチル(和光純薬工業株式会社製、商品名「V−601」)0.21gをエタノール20.0gに溶解した溶液を添加した。78℃で2時間保持して重合を行い、さらに4時間保持することにより熟成した。その後、得られた反応液を50℃にて減圧乾燥し、エタノールを留去して、共重合体7を得た。
攪拌機、還流冷却器、温度計、及び窒素導入管を有する反応器に、エタノール220g、アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸 (AMPS、SIGMA-ALDRICH製) 18.0g、ステアリルメタクリレート (SMA、新中村化学工業株式会社製) 42.0gを入れ、均一に混合し窒素雰囲気下で30分間攪拌した。その後、78℃まで昇温し、開始剤として2,2’−アゾビス(イソ酪酸)ジメチル(和光純薬工業株式会社製、商品名「V−601」)0.21gをエタノール20.0gに溶解した溶液を添加した。78℃で2時間保持して重合を行い、さらに4時間保持することにより熟成した。その後、得られた反応液を50℃にて減圧乾燥し、エタノールを留去して、共重合体7を得た。
[比較例2(共重合体8)、実施例20、27(共重合体25、32)の製造]
各モノマー、開始剤、及び反応溶媒、反応濃度を表2に示すように調製した以外は、比較例1(共重合体7)の製造方法と同様に行い、共重合体8、25、32を得た。
各モノマー、開始剤、及び反応溶媒、反応濃度を表2に示すように調製した以外は、比較例1(共重合体7)の製造方法と同様に行い、共重合体8、25、32を得た。
《重量平均分子量の測定》
得られた共重合体をN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)に溶解させて0.5%溶液を作製し、これを用いてゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)にて重量平均分子量を測定した。重量平均分子量は、ポリスチレン換算値として求めた。GPC測定の条件は、以下の通りである。
カラム:α-M(昭和電工株式会社製)を2本直列に連結して使用した。
溶離液:H3PO4濃度60mmol/L、かつLiBr濃度50mmol/L のDMF溶液
流速:1.0mL/min
カラム温度:40℃
検出器:RI
検量線:ポリスチレンを用いて作成した。
結果を表2に示す。
得られた共重合体をN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)に溶解させて0.5%溶液を作製し、これを用いてゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)にて重量平均分子量を測定した。重量平均分子量は、ポリスチレン換算値として求めた。GPC測定の条件は、以下の通りである。
カラム:α-M(昭和電工株式会社製)を2本直列に連結して使用した。
溶離液:H3PO4濃度60mmol/L、かつLiBr濃度50mmol/L のDMF溶液
流速:1.0mL/min
カラム温度:40℃
検出器:RI
検量線:ポリスチレンを用いて作成した。
結果を表2に示す。
[試験例1:層状α−ゲルの調製]
実施例及び比較例で得られた表2に示す共重合体を用いて、層状α−ゲルの調製を調製した。具体的には、共重合体1g、セチルアルコール(高級アルコール工業株式会社製、「セチルアルコール NX」)2g、モノベヘン酸グリセリル (太陽化学株式会社製、「サンソフトNo.8100-C」) 2gを80℃で加熱溶解したものに、80℃に加熱した86%グリセリン(花王株式会社製)を10g添加し、5分間プロペラにて撹拌した (350rpm)。その後、80℃で撹拌を続けながら、共重合体の酸成分と等モル量の1%KOH水溶液を添加して中和し、5分間均一になるまで撹拌した後、全量が100gとなるように別途80℃に加熱しておいた精製水を15分かけてゆっくりと添加した。その後、撹拌を保ったまま25℃になるまで氷冷し、乳化化粧料組成物を得た。
実施例で得られた共重合体を用いて調製した乳化化粧料組成物を参考実施例として、比較例で得られた共重合体を用いて調製した乳化化粧料組成物を参考比較例として、各々表3〜7に示す。
また、下記方法により測定した乳化化粧料組成物の粘度を表3〜7に示す。
なお、参考実施例1〜27及び参考比較例4、7〜9は、調製後、分離が起こらなかったが、参考比較例1〜3,5,6は、調製後、分離したため、粘度の測定は行わなかった。
実施例及び比較例で得られた表2に示す共重合体を用いて、層状α−ゲルの調製を調製した。具体的には、共重合体1g、セチルアルコール(高級アルコール工業株式会社製、「セチルアルコール NX」)2g、モノベヘン酸グリセリル (太陽化学株式会社製、「サンソフトNo.8100-C」) 2gを80℃で加熱溶解したものに、80℃に加熱した86%グリセリン(花王株式会社製)を10g添加し、5分間プロペラにて撹拌した (350rpm)。その後、80℃で撹拌を続けながら、共重合体の酸成分と等モル量の1%KOH水溶液を添加して中和し、5分間均一になるまで撹拌した後、全量が100gとなるように別途80℃に加熱しておいた精製水を15分かけてゆっくりと添加した。その後、撹拌を保ったまま25℃になるまで氷冷し、乳化化粧料組成物を得た。
実施例で得られた共重合体を用いて調製した乳化化粧料組成物を参考実施例として、比較例で得られた共重合体を用いて調製した乳化化粧料組成物を参考比較例として、各々表3〜7に示す。
また、下記方法により測定した乳化化粧料組成物の粘度を表3〜7に示す。
なお、参考実施例1〜27及び参考比較例4、7〜9は、調製後、分離が起こらなかったが、参考比較例1〜3,5,6は、調製後、分離したため、粘度の測定は行わなかった。
《乳化化粧料組成物における粘度の測定》
B型粘度計VISCOMETER TVB−10(東機産業株式会社製)を用い、以下の測定条件にしたがって、25℃における粘度を測定した。
回転数:5rpm
使用ルーター:No.T−C
測定時間:1分
なお、分離することなく、5000〜150,000mPa・sの粘度を示す乳化化粧料組成物は、良好に層状α−ゲル構造が形成されていると判断される。
B型粘度計VISCOMETER TVB−10(東機産業株式会社製)を用い、以下の測定条件にしたがって、25℃における粘度を測定した。
回転数:5rpm
使用ルーター:No.T−C
測定時間:1分
なお、分離することなく、5000〜150,000mPa・sの粘度を示す乳化化粧料組成物は、良好に層状α−ゲル構造が形成されていると判断される。
[試験例2:マイクロエマルションの調製]
実施例及び比較例で得られた表2に示す共重合体を用いて、マイクロエマルションの調製を調製した。具体的には、共重合体1g、油性成分としてジカプリン酸ネオペンチルグリコール (日清オイリオグループ株式会社製、「エステモールN-01」) 1gを80℃で加熱溶解したものに、80℃に加熱した86%グリセリン(花王株式会社製)を10g添加し、5分間プロペラ撹拌した (450rpm)。その後、80℃で撹拌を続けながら、共重合体の酸成分と等モル量の1%KOH水溶液を添加して中和し、5分間均一になるまで撹拌した後、全量が100gとなるように別途80℃に加熱しておいた精製水を添加した。その後、撹拌を保ったまま25℃になるまで氷冷し、乳化化粧料組成物を得た。
実施例で得られた共重合体を用いて調製した乳化化粧料組成物を参考実施例として、比較例で得られた共重合体を用いて調製した乳化化粧料組成物を参考比較例として、各々表3〜7に示す。
また、下記方法により測定した乳化化粧料組成物における油滴の平均粒径を表3〜7に示す。
なお、参考実施例1〜18、20、24〜27及び参考比較例3においては、共重合体は油性成分に溶解したが、参考比較例4においては、共重合体は油性成分に溶解しなかった。参考実施例19、21〜23及び参考比較例1,2、5〜9については、測定しなかった。
実施例及び比較例で得られた表2に示す共重合体を用いて、マイクロエマルションの調製を調製した。具体的には、共重合体1g、油性成分としてジカプリン酸ネオペンチルグリコール (日清オイリオグループ株式会社製、「エステモールN-01」) 1gを80℃で加熱溶解したものに、80℃に加熱した86%グリセリン(花王株式会社製)を10g添加し、5分間プロペラ撹拌した (450rpm)。その後、80℃で撹拌を続けながら、共重合体の酸成分と等モル量の1%KOH水溶液を添加して中和し、5分間均一になるまで撹拌した後、全量が100gとなるように別途80℃に加熱しておいた精製水を添加した。その後、撹拌を保ったまま25℃になるまで氷冷し、乳化化粧料組成物を得た。
実施例で得られた共重合体を用いて調製した乳化化粧料組成物を参考実施例として、比較例で得られた共重合体を用いて調製した乳化化粧料組成物を参考比較例として、各々表3〜7に示す。
また、下記方法により測定した乳化化粧料組成物における油滴の平均粒径を表3〜7に示す。
なお、参考実施例1〜18、20、24〜27及び参考比較例3においては、共重合体は油性成分に溶解したが、参考比較例4においては、共重合体は油性成分に溶解しなかった。参考実施例19、21〜23及び参考比較例1,2、5〜9については、測定しなかった。
《乳化化粧料組成物における油滴の平均粒径の測定》
Zetasizer Nano−ZS(Malvern社製)を用い、散乱光強度から求めた算術平均径(Z平均)に基づき、以下の測定条件にしたがって、25℃における油滴の平均粒径を測定した。
粒子径基準 : Z平均
試料屈折率 : 1.600-0.000i
分散媒屈折率: 分散媒 水、屈折率 1.333
なお、共重合体が油性成分に良好に溶解し、油滴が1μm以下の平均粒径を有する乳化化粧料組成物は、良好にマイクロエマルションが形成されていると判断される。
Zetasizer Nano−ZS(Malvern社製)を用い、散乱光強度から求めた算術平均径(Z平均)に基づき、以下の測定条件にしたがって、25℃における油滴の平均粒径を測定した。
粒子径基準 : Z平均
試料屈折率 : 1.600-0.000i
分散媒屈折率: 分散媒 水、屈折率 1.333
なお、共重合体が油性成分に良好に溶解し、油滴が1μm以下の平均粒径を有する乳化化粧料組成物は、良好にマイクロエマルションが形成されていると判断される。
[試験例3:層状α−ゲル構造の観察]
参考実施例1で得られた乳化化粧料組成物を用い、XRDにより層状α−ゲル構造が形成されていることを確認した。具体的には、広角X線回折においてBragg角=21〜22°付近に鋭い1本の回折ピークが現れるか否か、及び小角X線回折においてBragg角0.3〜5°にBragg角が1:2:3:4の比でピークが現れるか否かにより、の有無により確認した。
その結果、参考実施例1で得られた乳化化粧料組成物において、Bragg角=21〜23°付近に鋭い1本の回折ピークが認められるとともに、Bragg角0.3〜5°に1:2:3:4の比でピークが認められ、層状α−ゲル構造を呈する乳化化粧料組成物であることが確認された。
参考実施例1で得られた乳化化粧料組成物を用い、XRDにより層状α−ゲル構造が形成されていることを確認した。具体的には、広角X線回折においてBragg角=21〜22°付近に鋭い1本の回折ピークが現れるか否か、及び小角X線回折においてBragg角0.3〜5°にBragg角が1:2:3:4の比でピークが現れるか否かにより、の有無により確認した。
その結果、参考実施例1で得られた乳化化粧料組成物において、Bragg角=21〜23°付近に鋭い1本の回折ピークが認められるとともに、Bragg角0.3〜5°に1:2:3:4の比でピークが認められ、層状α−ゲル構造を呈する乳化化粧料組成物であることが確認された。
表3〜7及びXRD回折の結果から明らかなように、本発明の共重合体を用いれば、層状α−ゲルを呈する化粧料を容易に調製できるとともに、マイクロエマルジョンを呈する化粧料も調製できることがわかる。
Claims (6)
- 一般式(1)で表される構成単位(a) 1質量%以上23質量%以下、
一般式(2)で表される構成単位(b)、及び
一般式(3)で表される構成単位(c)
を含有し、構成単位(b)の含有量と構成単位(c)の含有量との質量比((c)/(b))が、0.19以上2.2以下である、化粧料用共重合体。
- 構成単位(b)の含有量が、30質量%以上80質量%である請求項1に記載の化粧料用共重合体。
- 構成単位(c)の含有量が、15質量%以上65質量%である請求項1又は2に記載の化粧料用共重合体。
- 式(3)において、X2が酸素原子であり、かつnが0である請求項1〜3のいずれか1項に記載の化粧料用共重合体。
- 式(3)において、R11が炭素数12以上22以下のアルキル基又はアルケニル基である請求項1〜4のいずれか1項に記載の化粧料用共重合体。
- 構成単位(a)の含有量と構成単位(b)及び構成単位(c)の合計含有量との質量比({(b)+(c)}/(a))が、4以上50以下である請求項1〜5のいずれか1項に記載の化粧料用共重合体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013210076A JP2015074679A (ja) | 2013-10-07 | 2013-10-07 | 化粧料用共重合体 |
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JP2015074679A true JP2015074679A (ja) | 2015-04-20 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2019219620A (ja) * | 2018-06-22 | 2019-12-26 | 日油株式会社 | コンタクトレンズ用溶液 |
-
2013
- 2013-10-07 JP JP2013210076A patent/JP2015074679A/ja active Pending
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