JP2019218974A - クラッチ制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】クラッチバイワイヤシステムに用いられるアクチュエータを大型化及びコストアップする必要なく、運転者が感じる操作フィーリングを向上させることが可能なクラッチ制御装置を提供すること。【解決手段】クラッチ制御装置(100)は、継合状態と切断状態との間で作動するようにクラッチを操作するアクチュエータ(20)と、アクチュエータを制御する制御部(1)と、を具備し、制御部は、クラッチペダルのストローク位置と伝達トルク値との関係を予め特定した第1特性(A)、第2特性(B)、及び第3特性(C)を少なくとも備え、クラッチペダルが切断状態に向かって操作されたと判定した場合には第1特性を適用し、クラッチペダルが継合状態に向かって操作され且つ車両が発進動作中と判定した場合には第2特性を適用し、クラッチペダルが継合状態に向かって操作され且つ車両が非発進動作中と判定した場合には第3特性を適用する。【選択図】 図2
Description
本出願において開示された技術は、主にマニュアルトランスミッション(MT)方式を採用した車両に搭載され、アクチュエータを用いてクラッチの継合及び切断を電気的に制御するクラッチ制御装置に関する。
MT方式を採用した車両に搭載され、アクチュエータによりクラッチを作動させる所謂クラッチバイワイヤ(CbW)を実現するクラッチ制御装置が従来から知られている。CbWを実現するクラッチ制御装置は、一般に、運転者によるクラッチペダルの踏み込み位置(踏み込み量)に応じてアクチュエータを作動させることで、クラッチの継合及び切断(又は継合と切断の中間)を電気的に制御している。
特許文献1には、自動モードと手動モードとの間でモード選択可能な自動変速機を含む車両用パワートレインの制御装置に関し、かかる車両用パワートレインの制御装置は、クラッチの締結度合を運転者によるクラッチペダルの操作に基づき電気的に制御可能なクラッチバイワイヤ手段を備え、当該クラッチバイワイヤ手段は、クラッチペダルのストローク量に対するクラッチの締結度合が規定されたクラッチ締結度合特性を用いて、クラッチの締結度合を制御する技術が開示されている。
ところで、特許文献1における前述のクラッチ締結度合特性は、クラッチが完全締結状態であると判断されると、クラッチの解放初期段階の、クラッチペダルのストローク変化量に対するクラッチ締結度合の変化量を小さくするように(特許文献1における第2のクラッチ締結度合特性)設定されている。しかしながら、運転者によるクラッチペダルの操作速度がある程度速い場合、前述の第2のクラッチ締結度合特性を用いると、運転者は実際のクラッチペダル操作に対する実際のクラッチ動作とのタイムラグを強く感じる等、操作フィーリング上の問題がある。
他方、運転者によるクラッチペダル操作にリニアに対応(特許文献1における、一対一対応に相当)するクラッチ締結度合特性を用いる場合、運転者によるクラッチペダルの操作速度が速くなればなるほど、アクチュエータにはクラッチペダル操作に対する即応性が求められ、結果的に当該即応性を有するアクチュエータを実現するためには、アクチュエータの大型化や性能向上に伴うコストアップという別の問題が生じてしまう。
そこで、様々な実施形態により、クラッチバイワイヤシステムに用いられるアクチュエータを大型化及びコストアップする必要なく、運転者が感じる操作フィーリングを向上させることが可能なクラッチ制御装置を提供する。
一態様に係るクラッチ制御装置は、エンジンと変速機との間の動力伝達経路上に設けられるクラッチが完全に継合する継合状態と完全に切断する切断状態との間で作動するように、運転者によるクラッチペダルの操作に応じて前記クラッチを操作するアクチュエータと、前記アクチュエータの動作を制御する制御部と、を具備し、前記制御部は、前記クラッチペダルのストローク位置と、前記クラッチを介して前記変速機に入力される伝達トルク値との関係を予め特定した第1特性、第2特性、及び第3特性を少なくとも備え、前記ストローク位置の変化に伴い前記クラッチペダルが前記クラッチの前記切断状態に向かって操作されたと判定した場合には前記第1特性を適用し、前記ストローク位置の変化に伴い前記クラッチペダルが前記クラッチの前記継合状態に向かって操作されたと判定し且つ車両が発進動作中と判定した場合には前記第2特性を適用し、前記ストローク位置の変化に伴い前記クラッチペダルが前記クラッチの前記継合状態に向かって操作されたと判定し且つ車両が非発進動作中と判定した場合には前記第3特性を適用して、前記アクチュエータの動作を制御するものである。
この構成によれば、前記制御部が、前記クラッチペダルの前記ストローク位置と前記伝達トルク値との関係を予め特定した前記第1特性、前記第2特性、及び前記第3特性を少なくとも備え、前記3つの特性を運転者によるクラッチペダルの操作状態と車両の運転状態に応じて使い分けて前記アクチュエータを動作させることで、運転者が感じる操作フィーリングを向上させることができる。また、前記制御部が少なくとも前記3つの特性を予め備えておくことで、運転者が感じる操作フィーリングを向上させることができるので、アクチュエータを別途大型化又は高機能化させる必要もない。
また、一態様に係る前記クラッチ制御装置において、前記制御部は、前記ストローク位置の変化方向及び変化速度を入手して、前記変化方向が前記クラッチの前記切断状態に向かう方向であって、且つ前記変化速度が予め設定される第1閾値を超えた場合に、前記クラッチペダルが前記クラッチの前記切断状態に向かって操作されたと判定し、前記変化方向が前記クラッチの前記継合状態に向かう方向であって、且つ前記変化速度が予め設定される前記第2閾値を超えた場合に、前記クラッチペダルが前記クラッチの前記継合状態に向かって操作されたと判定する構成としてもよい。
この構成とすることによって、かかる制御部は、運転者によるクラッチペダルの操作状態を検知することが可能となり、当該検知結果に基づいて、前記3つの特性を使い分けることが可能となる。
また、一態様に係る前記クラッチ制御装置において、前記第1特性は、少なくとも、前記ストローク位置が前記切断状態に対応する位置よりも前記継合状態に対応する位置に近い位置にある場合において、前記ストローク位置の変化量に対して、前記伝達トルク値の変化量が大きくなるように設定される構成としてもよい。
この構成とすることによって、前記制御部が、前記クラッチペダルが前記切断状態に向かって操作されたと判定した場合であって、運転者によるクラッチペダルの操作速度が速い場合であっても、前記第1特性は、前記ストローク位置の変化量と前記伝達トルク値の変化量とが一対一対応以上、つまり前記ストローク位置の変化量に対して前記伝達トルク値の変化量が大きくなるように設定されているので、結果的に運転者によるクラッチペダルの操作速度に対応して前記伝達トルク値を変化させることが可能となる。これにより、運転者が感じる操作フィーリングを向上させることができる。
また、一態様に係る前記クラッチ制御装置において、前記第2特性は、前記ストローク位置の変化量に対する前記伝達トルク値の変化量が、前記第3特性に比して小さく設定される部分を含み、前記第3特性は、前記ストローク位置の変化量に対する前記伝達トルク値の変化量が、前記第1特性に比して小さく設定される部分を含む構成としてもよい。
この構成とすることによって、前記第1特性、前記第2特性、及び前記第3特性とを明確に区別した上で、発進動作中における半クラッチ操作等を考慮した前記第2特性、及び車両が一定速度で走行中の場合を考慮した前記第3特性を設けることで、いかなる車両の運転状態によっても、運転者が感じる操作フィーリングを向上させることが可能となる。
また、一態様に係る前記クラッチ制御装置において、前記制御部は、前記クラッチペダルが前記クラッチの前記切断状態に向かって操作されたと判定し前記第1特性を適用した後であって、且つ前記ストローク位置が前記クラッチの前記切断状態に対応する位置に到達する前に、前記クラッチペダルが前記クラッチの前記継合状態に向かって操作されたと継合再判定した場合には、前記継合再判定前に適用した前記第1特性から前記第2特性又は前記第3特性へと遷移させることを決定して、前記第1特性と前記第2特性、又は前記第1特性と前記第3特性とを連結させる継合遷移特性を一時的に適用し、前記クラッチペダルが前記クラッチの前記継合状態に向かって操作されたと判定し前記第2特性又は前記第3特性を適用した後であって、且つ前記ストローク位置が前記クラッチの前記継合状態に対応する位置に到達する前に、前記クラッチペダルが前記クラッチの前記切断状態に向かって操作されたと切断再判定した場合には、前記切断再判定前に適用した前記第2特性又は前記第3特性から前記第1特性へと遷移させることを決定して、前記第2特性と前記第1特性、又は前記第3特性と前記第1特性とを連結させる切断遷移特性を一時的に適用する構成としてもよい。
この構成とすることによって、前記クラッチペダルが前記切断状態に向かって操作されている途中で(運転者が前記クラッチを前記切断状態とすべく前記クラッチペダルを操作している途中で)前記継合状態に向かって操作された場合、又は前記クラッチペダルが前記継合状態に向かって操作されている途中で(運転者が前記クラッチを前記継合状態とすべく前記クラッチペダルを操作している途中で)前記切断状態に向かって操作された場合(これらの場合も総称して再判定、という。)、前記再判定前に適用されていた特性(例えば、前記第1特性)から、前記再判定後に適用される特性(例えば、前記第2特性)へと急変させてしまうと、前記再判定時における前記伝達トルク値の差(例えば、前記第1特性における前記伝達トルク値と前記第2特性における前記伝達トルク値との差)が大きい場合に、トルク変動ショックが生じてしまい、運転者が感じる操作フィーリングに悪影響が出てしまう。そこで、前記再判定時において、特性を変化(遷移)させる場合には、前記継合遷移特性及び前記切断遷移特性を経由させることで、前述のトルク変動ショックを回避して、運転者が感じる操作フィーリングを向上させることが可能となる。
また、一態様に係る前記クラッチ制御装置において、前記継合遷移特性及び前記切断遷移特性は、前記ストローク位置と、前記再判定前に適用された前記第1特性、前記第2特性、又は前記第3特性上の前記伝達トルク値に一定倍率を乗じて得られる前記伝達トルク値との関係を含む構成としてもよい。
この構成とすることによって、前記再判定時において、特性を変化(遷移)させる場合に、前述のトルク変動ショックを回避しつつ、前記継合遷移特性及び前記切断遷移特性を簡便なものとすることができる。
また、一態様に係る前記クラッチ制御装置において、前記継合遷移特性は、前記ストローク位置に対する前記伝達トルク値が、前記第1特性上の前記伝達トルク値から前記第2特性又は前記第3特性上の前記伝達トルク値に向かって漸次変化する第1勾配線と、前記伝達トルク値が、任意のストローク位置において、前記制御部によって遷移させると決定された前記第2特性又は前記第3特性上の前記伝達トルク値へと急変する第1縦軸平行線と、を有し、前記第1勾配線は、前記エンジンの回転数と前記変速機の入力回転数とが非同期の際に適用され、前記第1縦軸平行線は、前記エンジンの回転数と前記変速機の入力回転数とが同期した際に適用される構成としてもよい。
この構成とすることによって、前記再判定時において前記継合遷移特性を介して特性を変化(遷移)させる場合に、前述のトルク変動ショックを回避しつつ、速やかに前記再判定後に適用される特性へと遷移させることが可能となる。
また、一態様に係る前記クラッチ制御装置において、前記切断遷移特性は、前記伝達トルク値が、前記再判定時の前記ストローク位置における前記伝達トルク値から、前記再判定時における実エンジントルクと略同値の大きさになるまで急変する第2縦軸平行線と、
前記ストローク位置に対する前記伝達トルク値が、前記第1特性上の前記伝達トルク値に遷移するように漸次変化する第2勾配線と、を有する構成としてもよい。
前記ストローク位置に対する前記伝達トルク値が、前記第1特性上の前記伝達トルク値に遷移するように漸次変化する第2勾配線と、を有する構成としてもよい。
この構成とすることによって、前記再判定時において前記切断遷移特性を介して特性を変化(遷移)させる場合に、前述のトルク変動ショックを回避しつつ、速やかに前記再判定後に適用される特性へと遷移させることが可能となる。
また、一態様に係る前記クラッチ制御装置において、前記制御部は、前記ストローク位置が、前記クラッチの前記継合状態に対応する位置から前記切断状態に対応する位置までの所定範囲の中間位置にある場合においては、前記継合遷移特性及び前記切断遷移特性を適用することを規制して、前記再判定前の前記第1特性乃至前記第3特性のいずれかの特性の適用を維持する構成としてもよい。
この構成とすることによって、前記ストローク位置が、前記クラッチの前記継合状態に対応する位置から前記切断状態に対応する位置までの所定範囲の中間位置において、運転者による前記クラッチペダルの僅かな操作によって、前述の特性変化(遷移)が意図せず頻発してしまうことを防止することができ、結果として運転者が感じる操作フィーリングを向上させることが可能となる。
様々な実施形態によれば、クラッチバイワイヤシステムに用いられるアクチュエータを大型化及びコストアップする必要なく、運転者が感じる操作フィーリングを向上させることが可能なクラッチ制御装置を提供することができる。
以下、添付図面を参照して本発明の様々な実施形態を説明する。なお、図面において共通した構成要件には同一の参照符号が付されている。また、或る図面に表現された構成要素が、説明の便宜上、別の図面においては省略されていることがある点に留意されたい。さらにまた、添付した図面が必ずしも正確な縮尺で記載されている訳ではないということに注意されたい。
1.クラッチ制御装置を含むクラッチバイワイヤシステムの構成
一実施形態に係るクラッチ制御装置100を含むクラッチバイワイヤシステムの構成の概要について、図1を参照しつつ説明する。図1は、一実施形態に係るクラッチ制御装置100を含むクラッチバイワイヤシステムの基本的な構成を示す概略ブロック図である。
一実施形態に係るクラッチ制御装置100を含むクラッチバイワイヤシステムの構成の概要について、図1を参照しつつ説明する。図1は、一実施形態に係るクラッチ制御装置100を含むクラッチバイワイヤシステムの基本的な構成を示す概略ブロック図である。
図1に示すように、クラッチバイワイヤシステムは、主に、クラッチペダル10、アクチュエータ20、クラッチ30、反力発生装置40、及び制御部1にて構成され、通常時は、運転者によるクラッチペダル10の操作に応じて、アクチュエータ20がクラッチ30を操作している。具体的には、クラッチペダル10には、図示しないストロークセンサと速度センサ(又は加速度センサ)が取り付けられており、運転者によってクラッチペダル10が操作されると、その操作速度や操作方向等を前述の各種センサが検知して、かかる操作速度や操作方向等に関する情報が制御部1に送信されるように構成されている。そして、制御部1は、かかる各種センサから送信された情報を基に、アクチュエータ20の動作を制御する。そして、制御部1によって制御されるアクチュエータ20の動作によって、クラッチ30が操作される。なお、アクチュエータ20とクラッチ30とは、油路21及び油路31によって連結されている。なお、本明細書において、クラッチ制御装置100とは、アクチュエータ20及び制御部1から構成されるものをいうものとする。
ところで、クラッチバイワイヤシステムにおいては、運転者がクラッチペダル10を踏み込んで、運転者自らがあたかもクラッチ30の継合又は切断操作を実行しているように感じることができるように、クラッチペダル10には反力発生装置40が連結されている。具体的には、反力発生装置40は、クラッチペダル10が操作されると、当該操作量(厳密には、クラッチペダル10のストローク位置の変化量)に応じた擬似反力を発生させている。かかる擬似反力は、クラッチペダル10と反力発生装置40を繋ぐ油路11及び油路41を介してクラッチペダル10に伝達されるので、運転者はあたかも自らがクラッチペダル10を踏み込んでクラッチ30の継合又は切断操作を実行しているように錯覚することが可能となっている。
なお、クラッチバイワイヤシステムには、主にアクチュエータ20の故障等の非常時に、クラッチバイワイヤシステムを解除して、通常のクラッチ操作状態(運転者がクラッチペダル10を踏み込んで、クラッチ30の継合又は切断操作を実行することができる状態)に切り替えることが可能な切替部50が設けられている。切替部50は、非常時においては、油路11と油路31とを連結させることで、通常のクラッチ操作状態を実現することが可能となっている。
アクチュエータ20は、エンジン(図示せず)と変速機(図示せず)との間の動力伝達経路上に設けられるクラッチ30が、エンジンにおけるフライホイールと完全に継合する継合状態と、当該フライホイールに対して完全に切断する切断状態との間で作動するように、運転者によるクラッチペダル10の操作に応じてクラッチ30を操作するものである。アクチュエータ20は、例えば、モータ22と、モータ22に連結される減速機24と、ロッド25を介して減速機24に連結されるシリンダ26と、を備え、油圧を発生させることが可能なものを用いることができる。モータ22が回転すると、減速機24でその回転が減速(回転運動を直線運動に変換)されてロッド25が移動すると(図1においては紙面右方向へ移動)、シリンダ26中に設けられるアクチュエータピストン28もロッド25に同期して移動する(図1においては紙面右方向へ移動)。このアクチュエータピストン28の移動により、シリンダ26内に充填される流体(例えば作動油)が押し込まれることで流体圧が発生し、この流体圧は油路21及び油路31を経由してクラッチ30に伝達されることで、クラッチ30を作動させることができる。
2.制御部1
次に、制御部1の詳細について、図1を参照しつつ説明する。
制御部1には、図示しない受信部が設けられており、当該受信部は、図1に示すように、クラッチペダル10に設けられるストロークセンサ(図示せず)及び速度センサ(図示せず)から、クラッチペダル10のストローク位置、ストローク位置の変化方向、及びストローク位置の変化速度等に関する情報を受信する。さらに、制御部1における受信部は、アクチュエータ20におけるモータ22の回転数や、エンジン(図示せず)の回転数、エンジントルク値、変速機(図示せず)の入力回転数、変速機への伝達トルク値、及び車速、等の情報も、アクチュエータ20、エンジン、及び変速機に設けられる一般的なセンサ類(例えば、レゾルバ、アクセル開度センサ、トルクセンサ、及び車速センサ、等)から受信することができるように構成されている。なお、制御部1における受信部は、CAN(Controller Area Network)通信や有線等の一般的な通信手段を介して、前述の各センサ類から送信される様々な情報(信号)を受信する。制御部1は、各種センサから受信する各種の情報に基づいて、アクチュエータ20の動作を制御することで、クラッチ30を間接的に操作する。
次に、制御部1の詳細について、図1を参照しつつ説明する。
制御部1には、図示しない受信部が設けられており、当該受信部は、図1に示すように、クラッチペダル10に設けられるストロークセンサ(図示せず)及び速度センサ(図示せず)から、クラッチペダル10のストローク位置、ストローク位置の変化方向、及びストローク位置の変化速度等に関する情報を受信する。さらに、制御部1における受信部は、アクチュエータ20におけるモータ22の回転数や、エンジン(図示せず)の回転数、エンジントルク値、変速機(図示せず)の入力回転数、変速機への伝達トルク値、及び車速、等の情報も、アクチュエータ20、エンジン、及び変速機に設けられる一般的なセンサ類(例えば、レゾルバ、アクセル開度センサ、トルクセンサ、及び車速センサ、等)から受信することができるように構成されている。なお、制御部1における受信部は、CAN(Controller Area Network)通信や有線等の一般的な通信手段を介して、前述の各センサ類から送信される様々な情報(信号)を受信する。制御部1は、各種センサから受信する各種の情報に基づいて、アクチュエータ20の動作を制御することで、クラッチ30を間接的に操作する。
2−1.制御部1が備える基本的な特性
制御部1には、図示しない計算部が設けられており、当該計算部はアクチュエータ20の動作を制御するための基本的な特性を備える。そして、計算部は、当該基本的な特性に基づいてクラッチペダル10のストローク位置に応じた随時の伝達トルク値を算出し、かかる伝達トルク値を制御部1に別途設けられる送信部(図示せず)へと随時伝達して、当該送信部から当該伝達トルク値の随時の情報がアクチュエータ20へと伝達される。なお、アクチュエータ20は、当該伝達トルク値の随時の情報に基づいて、クラッチ30のフライホイールとの締結程度を可変させる。そこで、図2を参照しつつ、制御部1(計算部)が備える基本的な特性について説明する。図2は、一実施形態に係るクラッチ制御装置100における制御部1が備える第1特性A、第2特性B、及び第3特性Cを示す図である。
制御部1には、図示しない計算部が設けられており、当該計算部はアクチュエータ20の動作を制御するための基本的な特性を備える。そして、計算部は、当該基本的な特性に基づいてクラッチペダル10のストローク位置に応じた随時の伝達トルク値を算出し、かかる伝達トルク値を制御部1に別途設けられる送信部(図示せず)へと随時伝達して、当該送信部から当該伝達トルク値の随時の情報がアクチュエータ20へと伝達される。なお、アクチュエータ20は、当該伝達トルク値の随時の情報に基づいて、クラッチ30のフライホイールとの締結程度を可変させる。そこで、図2を参照しつつ、制御部1(計算部)が備える基本的な特性について説明する。図2は、一実施形態に係るクラッチ制御装置100における制御部1が備える第1特性A、第2特性B、及び第3特性Cを示す図である。
制御部1における計算部は、各センサ類から送信される様々な情報を、受信部より入手できるように構成されている。そして、計算部は、受信部から、クラッチペダル10のストローク位置の変化方向、及びストローク位置の変化速度等に関する情報を逐次に受信すると、ストローク位置の変化速度が予め設定される所定閾値(例えば、図5における第1閾値及び第2閾値参照)を超えた場合に、ストローク位置の変化方向に応じてクラッチペダル10(ストローク位置)が切断状態(クラッチ30がフライホイールに対して完全に切断された状態)又は継合状態(クラッチ30がフライホイールに対して完全に継合した状態)に向かって操作されたと判定する判定機能を有する。
さらに、計算部は、車速に関する情報を、受信部より入手できるように構成されている。そして、計算部は、車速が0km/hの場合及び/又は所定速度以下(例えば、数km/h未満)の場合に車両が発進動作中と判定し、車速が所定速度以上(例えば、数km/h以上)の場合に車両が非発進動作中と判定する判定機能を有する。
さらに、計算部は、図2に示すように、クラッチペダル10のストローク位置(図2における横軸)と、クラッチ30を介して変速機に入力される伝達トルク値(図2における縦軸であって、クラッチトルク値と置換してもよい)との関係を予め特定した第1特性A、第2特性B、及び第3特性Cを少なくとも備えており、クラッチペダル10の操作方向(ストローク位置の変化方向)に関する判定結果(クラッチペダル10が切断状態又は継合状態のどちらの状態に向かって操作されたかに関する判定結果)に基づいて、第1特性A、第2特性B、及び第3特性Cのいずれか一つの特性を選択する選択機能を有する。なお、図2の縦軸にかかる伝達トルク値は、クラッチ30のフライホイールとの締結程度、つまりクラッチストロークに依存するため、縦軸をクラッチストロークに置換してもよい。
第1特性Aは、クラッチペダル10が切断状態に向かって操作されたと計算部によって判定された場合に適用される特性である。図2に示すように、第1特性Aは、少なくとも、ストローク位置が切断状態に対応する位置よりも継合状態に対応する位置に近い位置にある場合において、ストローク位置の変化量に対して、伝達トルク値の変化量が大きく設定されている。具体的には、クラッチペダル10のストローク位置の変化量と、伝達トルク値の変化量とが概ね一対一対応となる基本特性Sに対して、第1特性Aの方が、伝達トルク値の変化量が大きくなるように設定される(例えば、ストローク位置の変化量と伝達トルク値の変化量とが略一対二対応)。これにより、運転者によるクラッチペダル10の操作速度が速い場合であっても、アクチュエータ20の即応性を求めることなく、運転者の意図に沿って伝達トルク値を瞬時に変化させることが可能となり、運転者が感じる操作フィーリングを向上させることが可能となる。
第2特性Bは、クラッチペダル10が継合状態に向かって操作され、且つ車両が発進動作中と計算部によって判定された場合に適用される特性である。図2に示すように、第2特性Bは、ストローク位置の変化量に対する伝達トルク値の変化量が、第1特性A及び第3特性Cに比して小さく設定される部分を含む。具体的には、クラッチペダル10のストローク位置が継合状態に対応する位置に近い位置にある場合において、ストローク位置の変化量に対する伝達トルク値の変化量が、第1特性A及び第3特性Cに比して小さく設定される。これにより、ストローク位置が継合状態に対応する位置に近い位置にある場合において、第2特性Bは、運転者によるクラッチペダル10の操作速度に対して緩やかに伝達トルク値を増加させながら、継合状態へと向かうクラッチペダル10の操作を完了させることができるため、伝達トルク値の急増によるトルク変動ショックを効果的に抑制することが可能となっている。なお、一般的に、車両が発進動作中であって、且つストローク位置が継合状態に対応する位置に近い位置にある場合、運転者は、車両を加速させるためにアクセルペダル(図示せず)を強く踏み込む傾向があり伝達トルク値の急増が生じやすい。したがって、第2特性Bにおいて、予め特性として、トルク変動ショックを抑制可能なものとしておくことで、運転者が感じる操作フィーリングを向上させることが可能となる。
なお、図2に示すように、第2特性Bは、ストローク位置が切断状態に対応する位置に近い位置(伝達トルク値が生じ始める位置から、伝達トルク値が最大値の略半分となる位置)にある場合において、ストローク位置の変化量に対する伝達トルク値の変化量が、第1特性A及び第3特性Cに比して大きく設定される。これにより、ストローク位置が切断状態に対応する位置に近い位置にある場合において、第2特性Bは、運転者によるクラッチペダル10の操作速度が速い場合であっても、アクチュエータ20の即応性を求めることなく、運転者の意図に沿って伝達トルク値を瞬時に変化(増加)させることが可能となり、車両を速やかに加速させることが可能となる。また、登坂路等での発進時において、車両のずり下がりを抑制することが可能となる。
さらに、図2に示すように、第2特性Bは、ストローク位置が継合状態に対応する位置と切断状態に対応する位置の略中間の状態に対応する位置にある場合において、ストローク位置の変化量に対する伝達トルク値の変化量が、最も小さくなるように設定される。これは、いわゆる半クラッチ操作に対応するものである。クラッチ30が半クラッチの状態にある場合とは、クラッチ30は滑りながらトルクをフライホイールに部分的に伝達する状態であるため、第2特性Bにおいて、伝達トルク値の急増によるトルク変動ショックを予め特性として抑制することで、クラッチ30の滑りを抑制し、摺動作用によるクラッチ30の発熱や摩耗を抑制することが可能となる。つまり、運転者は、半クラッチ操作をスムーズに実行可能となり、結果的に、運転者が感じる操作フィーリングを向上させることが可能となる。
第3特性Cは、クラッチペダル10が継合状態に向かって操作され、且つ車両が非発進動作中と計算部によって判定された場合に適用される特性である。図2に示すように、第3特性Cは、クラッチペダル10のストローク位置が継合状態に対応する位置に近い位置にある場合において、ストローク位置の変化量に対する伝達トルク値の変化量が、第1特性Aに比して小さく設定され、第2特性Bに比して大きく設定され、一般的に車両走行中の変速時に適用される特性となっている。これにより、ストローク位置が継合状態に対応する位置に近い位置にある場合において、第3特性Cは、運転者によるクラッチペダル10の操作速度に対して緩やかに伝達トルク値を増加させながら、継合状態へと向かうクラッチペダル10の操作を完了させることができるため、伝達トルク値の急増によるトルク変動ショックを効果的に抑制することが可能となっている。また、車両が一定速度で走行中に変速操作が実行される場合、車両の発進動作中におけるクラッチペダル10の操作時に比して、伝達トルク値の増加に対するトルク変動ショックは概して発生しにくい。したがって、第3特性Cにおいては、伝達トルク値の変化量が第2特性Bに比して原則的に大きく設定されることで、速やかに車両を加速させることが可能となり、運転者が感じる操作フィーリングを向上させることが可能となる。
なお、制御部1における計算部は、第1特性A、第2特性B、及び第3特性Cを予めマップとして記憶しておいてもよいし、各特性の関数式を記憶しておいてもよい。また、計算部は、第1特性A、第2特性B、及び第3特性Cに加えて、他の同様の特性をマップ又は関係式として多数記憶しておいてもよい。
2−2.制御部1における実際の制御
次に、運転者による実際のクラッチペダル10の操作と制御部1における実際の制御との関係の詳細について、図3乃至図9を参照しつつ説明する。
次に、運転者による実際のクラッチペダル10の操作と制御部1における実際の制御との関係の詳細について、図3乃至図9を参照しつつ説明する。
図3は、一実施形態に係るクラッチ制御装置100における制御部1が備える第1特性A、第2特性B、及び継合遷移特性Q1を示す図である。図4は、一実施形態に係るクラッチ制御装置100における制御部1が備える第1特性A、第2特性B、及び別の継合遷移特性Q1を示す図である。図5は、運転者によるクラッチペダル10の操作と、当該クラッチペダル10の操作に対応した一実施形態に係るクラッチ制御装置100における制御部1の制御を示すタイムチャートである。図6は、一実施形態に係るクラッチ制御装置100における制御部1が備える第1特性A、第2特性B、及び切断遷移特性Q2を示す図である。図7は、一実施形態に係るクラッチ制御装置100における制御部1が備える第1特性A、第2特性B、及び別の切断遷移特性Q2を示す図である。図8は、一実施形態に係るクラッチ制御装置100における制御部1の、再判定時を含む制御フロー図である。図9は、一実施形態に係るクラッチ制御装置100における制御部1が、継合遷移特性Q1及び切断遷移特性Q2の適用を規制する範囲を示す図である。
図2を参照しつつ説明した第1特性A、第2特性B、及び第3特性Cに関し、運転者がクラッチペダル10を、継合状態から切断状態へと一気に操作し(クラッチペダル10のストローク位置が継合状態に対応する位置から切断状態に対応する位置へと変化し)、その後切断状態から継合状態へと一気に操作した(ストローク位置が切断状態に対応する位置から継合状態に対応する位置へと変化した)場合においては、制御部1における計算部は、第1特性Aを適用した後、伝達トルクが0の状態において、車両が発進動作中であれば第1特性Aから第2特性Bへと遷移し、車両が非発進動作中であれば第1特性Aから第3特性Cへと遷移させる。つまり、運転者がクラッチペダル10を、継合状態、切断状態、継合状態と一連に操作した場合(運転者がクラッチペダル10を完全に踏み切った後に完全に戻す場合)においては、第1特性A及び第2特性B、又は第1特性A及び第3特性Cのいずれかの組み合わせにて特性をスムーズに遷移させる。
しかしながら、運転者による実際のクラッチペダル10の操作においては、切断状態に向かってクラッチペダル10を操作している途中(ストローク位置が継合状態に対応する位置から切断状態に対応する位置へと変化している途中)であって、ストローク位置が切断状態に対応する位置に到達する前に、継合状態に向かって操作する場合(運転者がクラッチペダル10を完全に踏み切る前に戻してしまう場合)もありうる。また、継合状態に向かってクラッチペダル10を操作している途中(ストローク位置が切断状態に対応する位置から継合状態に対応する位置へと変化している途中)であって、ストローク位置が継合状態に対応する位置に到達する前に、切断状態に向かって操作する場合(運転者がクラッチペダル10を完全に戻す前に踏み切る場合)もありうる。これらの場合のように、ストローク位置が継合状態に対応する位置と切断状態に対応する位置との間の中間位置において、クラッチペダル10の操作が切り替る場合について、以下説明する。
運転者によるクラッチペダル10の操作において、まずクラッチペダル10のストローク位置が継合状態に対応する位置P1から、切断状態に対応する位置P3に向かって操作される途中であって継合状態に対応する位置P3に到達する前であるストローク位置P10において、継合状態に向かって操作された場合について、図3を参照しつつ説明する。まず、ストローク位置がP1からP10までは、クラッチペダル10が切断状態に向かって操作されたと計算部によって判定されて第1特性Aが適用される。その後、計算部によって、ストローク位置P10において、継合状態に向かって操作されたと再判定(継合再判定)され、且つ再判定時において車両が発進動作中であると判定された場合、かかる再判定前に適用されていた第1特性Aから第2特性Bへと遷移させることを計算部が決定する。なお、当該再判定時において車両が非発進動作中であると判定された場合においては、当該再判定前に適用されていた第1特性Aから第3特性Cへと遷移させることを計算部は決定する。なお、ストローク位置P1からP2までは、いわゆるクラッチペダル10の遊びに対応する部分であり、当該部分においては、伝達トルク値の変化(アクチュエータ20の動作)は生じないものとする。
この場合において、ストローク位置P10における再判定時において、第1特性Aにおける伝達トルク値trXと第2特性Bにおける伝達トルク値trZには大きな差があるため、ストローク位置P10において、第1特性Aから第2特性Bへと急激に特性を遷移させると、伝達トルク値の急増によるトルク変動ショックが発生してしまう。そこで、第1特性Aから第2特性Bへと遷移させる際には、第1特性Aと第2特性Bとを連結させる継合遷移特性Q1が一時的に適用される。なお、第1特性Aから第3特性Cへと遷移させる場合においても、同様に継合遷移特性Q1を用いることができる。なお、図3乃至図6を参照しつつ説明する継合遷移特性Q1は、第1特性Aから第2特性Bへと特性を遷移させる場合を一例として説明し、当該説明は、第1特性Aから第3特性Cへと遷移させる場合にも援用することができるものとする。
図3に示すように、一実施形態に係る継合遷移特性Q1は、ストローク位置と、再判定前に適用された第1特性Aの伝達トルク値に一定倍率(α)を乗じて得られる伝達トルク値との関係を示すものである。つまり、継合遷移特性Q1におけるストローク位置Paにおける伝達トルク値tr2は、第1特性Aのストローク位置Paにおける伝達トルク値tr1に一定倍率αを乗じたものであり、継合遷移特性Q1におけるストローク位置Pbにおける伝達トルク値tr4は、第1特性Aのストローク位置Pbにおける伝達トルク値tr3に一定倍率αを乗じたものである。これにより、トルク変動ショックを生じさせることなく、且つスムーズに第1特性Aから第2特性B(又は第3特性C)へと遷移させることが可能となる。また、継合遷移特性Q1は、上記の通り設定することで、簡便なものとすることができる(簡便に設定することができる)。なお、一定倍率(α)の値を適宜に設定することにより、継合遷移特性Q1におけるストローク位置の変化量に対する伝達トルク値の変化量を、第1特性Aに比して大きく設定することも、小さく設定することも可能となる。
次に、図3の継合遷移特性Q1とは異なる別の継合遷移特性Q1を、図4を参照しつつ説明する。別の継合遷移特性Q1は、ストローク位置に対する伝達トルク値が、再判定前に適用されていた第1特性A上の伝達トルク値trXから、再判定後に適用される第2特性B上の伝達トルク値trWに向かって漸次変化する第1勾配線D1と、伝達トルク値が、任意のストローク位置(例えば、図4における、ストローク位置P11)において、再判定後に遷移させると決定された第2特性B上の伝達トルク値へと急変(急増)する第1縦軸平行線E1とを有する。第1勾配線D1は、エンジンの回転数と変速機の入力回転数とが非同期の際に適用され、第1縦軸平行線E1は、エンジンの回転数と変速機の入力回転数とが同期した際に適用される。一般に、エンジン回転数と変速機の入力回転数とが同期している時は、前述したトルク変動ショックの車両挙動上の影響は小さくなるため、伝達トルク値を速やかに第2特性Bに遷移させるべく、第1縦軸平行線E1の特性を用いて伝達トルク値を急激に変化させることが可能となる。逆に、エンジン回転数と変速機の入力回転数とが同期していない場合には、トルク変動ショックがダイレクトに車両挙動として表れてしまうため、当該場合においては、第1勾配線D1を用いて、伝達トルク値を緩やかに第2特性Bに遷移させる。なお、エンジン回転数と変速機の入力回転数の同期判定(及び同期制御)は、一般的な変速制御を司るトランスミッションECU(Electronic Control Unit)等にて実行され、その同期判定の方法や同期制御は、通常実行される方法を用いることができる。
第1勾配線D1の勾配は、図4に示すように、伝達トルク値が大きい値になるにしたがって大きくなるように設定されることが好ましい。例えば、第1勾配線D1において、ストローク位置P11からP12における勾配は、ストローク位置P10からP11における勾配よりも大きく設定される。また、第1勾配線D1は、ギヤ段の数だけ予め複数設定され、当該複数の第1勾配線D1の中から、変速機において選択されているギヤ段によって対応する第1勾配線D1が選択されるように切り替え可能に設けられ、且つ複数の第1勾配線D1の各勾配は、低ギヤ段であるほど、伝達トルク値が小さいストローク位置において小さく設定されることが好ましい。一般的に、低ギヤ段の減速比は、高ギヤ段の減速比よりも大きく、タイヤに出力されるトルクも大きくなるため、伝達トルク値の急増によるトルク変動ショックも大きくなる。したがって、低ギヤ段時に選択される第1勾配線D1の勾配が小さくなるように設定されることで、伝達トルク値の増加量を緩やかにすることでトルク変動ショックを抑制することが可能となる。具体的には、図4において、第1勾配線D1aが、2速ギヤ用として設定されたものであり、第1勾配線D1bが、1速ギヤ用として設定されたものである。
また、第1勾配線D1の勾配は、運転者によるクラッチペダル10の操作速度に応じてリアルタイムに変化するよう設定してもよい。
なお、図4は、計算部によって、ストローク位置P10において、継合状態に向かって操作されたと再判定(継合再判定)され、且つ再判定時において車両が発進動作中であると判定された場合を示し、ストローク位置P10においてエンジンの回転数と変速機の入力回転数とが同期していれば、ストローク位置P10において、伝達トルク値はtrXからそのまま第2特性Bにおける伝達トルク値trZへと第1縦軸平行線E1を辿って増加することで、第1特性Aから、継合遷移特性Q1(第1縦軸平行線E1)を経由して第2特性Bへと遷移する。
他方、ストローク位置P10において、エンジンの回転数と変速機の入力回転数とが同期しておらず、ストローク位置P11において同期した場合においては、伝達トルク値はストローク位置P10からP11までは第1勾配線D1を辿って漸次変化して第2特性B上の伝達トルク値に向かって増加する。その後、ストローク位置P11において、伝達トルク値はtrX’から第2特性Bにおける伝達トルク値trZ’へと第1縦軸平行線E1を辿って増加することで、第1特性Aから、継合遷移特性Q1(第1勾配線D1及び第1縦軸平行線E1)を経由して第2特性Bへと遷移する。
なお、ストローク位置P10とP2の間において、エンジンの回転数と変速機の入力回転数とが同期しない場合には、伝達トルク値は、ストローク位置P10からP12まで、第1勾配線D1を辿って漸次増加して、第2特性B上の伝達トルク値trWと一致した時点で、第2特性Bへと遷移する。
次に、図4を参照しつつ説明した第1特性Aから第2特性Bへと遷移させる場合であって、当該場合における実際の制御を示すタイムチャートを、図5を参照しつつ説明する。
まず、クラッチペダル10のストローク位置が継合状態に対応する位置P1にある時間T1において、運転者がクラッチペダル10の操作を開始し、クラッチペダル10のストローク位置の変化速度が時間T2において第1閾値を超えると、制御部1における計算部は、当該時間T2において、クラッチペダル10が切断状態に向かって操作されたと判定する。そうすると、計算部は、まず第1特性Aを適用する旨を決定する(厳密には、後述する通り、予め第1特性Aが選択されており、単に第1特性Aを適用する旨をONとする制御となる)。クラッチペダル10における遊びに相当するストローク位置P1からP2の範囲(ストローク位置P2になった時点を時間T3とする)を超えて切断状態に対応する位置P3に向かって更にクラッチペダル10が操作されると、伝達トルク値は第1特性A(図5においては、図面の便宜上直線で表現されている)に沿って次第に減少していく。そして、伝達トルク値が所定量減少した時点(時間T4)において、エンジン回転数と変速機の入力回転数との同期制御はOFFとなる。
そして、クラッチペダル10が切断状態に対応する位置P3に向かって操作される途中の時間T5及びストローク位置P10において、クラッチペダル10が継合状態に向かって操作されると、クラッチペダル10のストローク位置の変化速度が時間T6において第2閾値を超えると、制御部1における計算部は、当該時間T6において、クラッチペダル10が継合状態に向かって操作されたと再判定(継合再判定)する。この場合において、車両が発進動作中であると判定すると更に計算部が判定すると、計算部は、第1特性Aから第2特性Bへ(図5においては、図面の便宜上直線で表現されている)と遷移させることを決定する。但し、時間T6において、エンジン回転数と変速機の入力回転数とが同期していない場合においては、時間T6において、即時に第1特性Aから第2特性Bへと遷移させずに、一時的に継合遷移特性Q1を適用させる。具体的には、時間T6から、エンジン回転数と変速機の入力回転数とが同期する時間T7までの間においては、前述の第1勾配線D1(図5においては、図面の便宜上直線で表現されている)を適用し、時間T7において、前述の第1縦軸平行線E1を適用して、時間T7にて第2特性Bへと遷移させる。
再判定後に第2特性Bが適用されて、伝達トルク値が最大に達した時点(クラッチ30がフライホイールに完全に継合した時点)である時間T8において、再度第1特性Aへと遷移させておき、計算部1の制御動作を終了する。なお、時間T8による第2特性Bから第1特性Aへの特性遷移は、クラッチペダル10のストローク位置が継合状態に対応する位置にある場合においてクラッチペダル10は、次は必ず切断状態に向かって操作されるため、当該次のクラッチペダル10の操作を推定した上で、予め第1特性Aを選択している。これにより、時間T1においてクラッチペダル10が操作された時に、第1特性A、第2特性B、及び第3特性Cのうちのいずれかの特性を選択させるステップを省略して、単に第1特性Aを適用させることをONとする制御ロジックを設計するだけでよく、制御部1の応答性を高めることができる。
なお、時間T9において、クラッチペダル10のストローク位置は元の位置P1へと戻って、一連のクラッチペダル10の操作を終了する。
以上の通り、図4に示す別の継合遷移特性Q1を用いることで、第1特性Aから第2特性B(又は第3特性C)へと速やかに特性を遷移させることが可能となる。
次に、運転者によるクラッチペダル10の操作において、まずクラッチペダル10のストローク位置が切断状態に対応する位置P3から、継合状態に対応する位置P1に向かって操作される途中であって継合状態に対応する位置P1に到達する前であるストローク位置P10において、切断状態に向かって操作された場合について、図6を参照しつつ説明する。まず、ストローク位置がP3からP10までは、クラッチペダル10が継合状態に向かって操作され、且つ車両が発進動作中と計算部によって判定されて第2特性Bが適用される(なお、図6においては第2特性Bが適用される例が記載されているが、車両が非発進動作中であれば、第3特性Cが適用される)。その後、計算部によって、ストローク位置P10において、切断状態に向かって操作されたと再判定(切断再判定)された場合、かかる再判定前に適用されていた第2特性Bから第1特性Aへと遷移させることを計算部が決定する。
この場合、ストローク位置P10における再判定時において、第2特性Bにおける伝達トルク値trXと第1特性Aにおける伝達トルク値trZには大きな差があるため、ストローク位置P10において、第2特性Bから第1特性Aへと急激に特性を遷移させると、伝達トルク値の急減によるトルク変動ショックが発生してしまう(厳密には、後述するように、伝達トルク値を実エンジントルクtrY以下に急減させるとトルク変動ショックが発生してしまう)。そこで、第2特性Bから第1特性Aへと遷移させる際には、図6に示すように、第2特性Bと第1特性Aとを連結させる切断遷移特性Q2が一時的に適用される。なお、第3特性Cから第1特性Aへと遷移させる場合においても、同様に切断遷移特性Q2を用いることができる。なお、図6及び図7を参照しつつ説明する切断遷移特性Q2は、第2特性Bから第1特性Aへと特性を遷移させる場合を一例として説明し、当該説明は、第3特性Cから第1特性Aへと遷移させる場合にも援用することができるものとする。
図6に示すように、切断遷移特性Q2は、ストローク位置に対する伝達トルク値が、再判定後に適用される第1特性A上の伝達トルク値に向かって漸次変化する第2勾配線D2と、再判定時のストローク位置P10における伝達トルク値trXを、当該再判定時における実エンジントルクtrYと略同値の大きさになるまで急変(急減)させる第2縦軸平行線E2とを有する。一般に、伝達トルク値(クラッチトルク)よりも実エンジントルクの値(trY)の方が小さい場合、伝達トルク値を実エンジントルクまで急減させてもトルク変動ショックは発生しない。したがって、伝達トルク値を速やかに第1特性Aに遷移させるべく、第2縦軸平行線E2の特性を用いて、再判定時の伝達トルク値trXをtrYにまで急激に変化させることが可能となる。なお、伝達トルク値を実エンジントルク以下にまで急激に変化させてしまうと、トルク変動ショックが発生してしまうため、伝達トルク値を実エンジントルクの値(trY)まで急減させた後は、第2勾配線D2を用いて、伝達トルク値を緩やかに第1特性Aへと遷移させる。
第2勾配線D2の勾配は、ストローク位置と、再判定前に適用された第2特性Bの伝達トルク値(再判定前において第3特性Cが適用されていた場合においては、第3特性Cの伝達トルク値)に一定倍率(α)を乗じて得られる伝達トルク値との関係を示すものである。つまり、第2勾配線D2におけるストローク位置Pcにおける伝達トルク値tr6は、第2特性Bのストローク位置Pcにおける伝達トルク値tr5に一定倍率βを乗じたものであり、第2勾配線D2におけるストローク位置Pdにおける伝達トルク値tr8は、第2特性Bのストローク位置Pdにおける伝達トルク値tr7に一定倍率βを乗じたものである。これにより、トルク変動ショックを生じさせることなく、且つ速やかに第2特性B(又は第3特性C)から第1特性Aへと遷移させることが可能となる。
なお、第2勾配線D2の勾配は、運転者によるクラッチペダル10の操作速度に応じてリアルタイムに変化するよう設定してもよい。
次に、図6の切断遷移特性Q2とは異なる切断遷移特性Q2を、図7を参照しつつ説明する。まず、ストローク位置がP3からP10までは、クラッチペダル10が継合状態に向かって操作され、且つ車両が発進動作中と計算部によって判定されて第2特性Bが適用される(なお、図7においても第2特性Bが適用される例が記載されているが、車両が非発進動作中であれば、第3特性Cが適用される)。その後、計算部によって、ストローク位置P10において、切断状態に向かって操作されたと再判定(切断再判定)された場合、かかる再判定前に適用されていた第2特性Bから第1特性Aへと遷移させることを計算部が決定する。
この場合、図6を参照しつつ説明したように、まず第1に、第2縦軸平行線E2の特性を用いて、再判定時(ストローク位置P10)の伝達トルク値をtrYにまで急激に変化させる。その後、第2勾配線D2を用いて、伝達トルク値を緩やかに第1特性Aへと遷移させるが、図7にかかる第2勾配線D2は、図6を参照しつつ説明した第2勾配線D2とは異なり、所定の傾きを有する一次関数とする。当該傾きは、適宜設定すればよく特に制限はない。一般に、クラッチペダル10が切断状態に向かって操作される場合におけるトルク変動ショックは、運転者によっても許容されやすく、また車両挙動上も当該トルク変動ショックが表れにくい。したがって、図7に示すように、第2勾配線D2を一次関数とすることにより、当該第2勾配線D2を簡便なものとすることができる(簡便に設定することができる)。
次に、図4を参照しつつ説明した第1特性Aから第2特性Bへと遷移させる場合、及び図6及び図7を参照しつつ説明した第2特性Bから第1特性Aへと遷移させる場合(これらの場合を総称して、「再判定」という。)に関する制御部1における計算部の実際の制御フローについて、図8を参照しつつ説明する。
まず、計算部は、前述の再判定(継合再判定又は切断再判定)が発生したか否かについて判断する(ステップST100)。ここで、再判定が発生していなければ、当該判断時(ステップST100時)において適用されている特性(例えば、第1特性A)に従って、クラッチペダル10のストローク位置に応じた伝達トルク値を算出した上で(ステップST101)、再判定に関する制御を終了する。
他方、再判定が発生した場合は、ステップST200において、再判定前に適用された特性(例えば、継合再判定前に適用された第1特性A)の伝達トルク値と、再判定後に適用されると決定された特性(例えば、継合再判定後に適用されると決定された第2特性B)における再判定時の伝達トルク値との差が所定値以上であるかが判定される。ここで、当該差が所定値以下である場合には、即時に、再判定後に適用されると決定された特性へと遷移させて(ステップST201)、再判定に関する制御を終了する。例えば、図4、図6、及び図7におけるクラッチペダルのストローク位置P2近傍においては、第1特性Aの伝達トルク値と第2特性B(又は第3特性C)の伝達トルク値との間には、特性上大きな差はなく且つ通常エンジン回転数と変速機の入力回転数とは同期しているため、当該ストローク位置P2近傍にて再判定が発生した場合には、即時に再判定後の特性へと遷移させることができる。
ところで、ステップST200において、再判定前に適用された特性の伝達トルク値と、再判定後に適用されると決定された特性における再判定時の伝達トルク値との差が所定値以上である場合には、次にステップST300にてクラッチペダル10が継合状態及び切断状態のいずれの方向に向かって操作されているか、つまり継合再判定及び切断再判定のいずれが発生しているかを確認する。
ステップST300にて、継合再判定が発生している(継合状態に向かってクラッチペダル10が操作されている)と確認されると、エンジン回転数と変速機の入力回転数が同期しているかが判定される(ステップST310)。ここで、エンジン回転数と変速機の入力回転数とが同期していない場合には、即時に再判定後に適用されると決定された特性へと遷移させずに、継合遷移特性Q1における第1勾配線D1が適用される(ステップST311)。エンジン回転数と変速機の入力回転数が同期するまで、ステップST310及びステップST311を繰り返した上で、エンジン回転数と変速機の入力回転数が同期すると、継合遷移特性Q1における第1縦軸平行線E1を適用し、再判定後に適用される特性の伝達トルク値を算出して、再判定後の特性へと遷移させる(ステップST312)。以上をもって、再判定に関する制御を終了する。
一方、ステップST300にて、切断再判定が発生している(継合状態に向かってクラッチペダル10が操作されていない)と確認されると、再判定時の伝達トルク値が再判定時の実エンジントルクよりも大きいか否かを判定する(ステップST320)。再判定時の伝達トルク値が再判定時の実エンジントルクよりも大きい場合には、切断遷移特性Q2における第2縦軸平行線E2に基づいて、伝達トルク値を実エンジントルクと略同値の大きさまで急減させる(ステップST321)。
次に、実エンジントルクと略同値の大きさとなった伝達トルク値と(ステップST320において再判定時の伝達トルク値が、再判定時の実エンジントルクよりも大きいと判断されない場合も含む)、再判定後に適用されると決定された特性の伝達トルク値との差が所定値以上であるかを判定し(ステップST322)、当該差が所定値以上である場合には、切断遷移特性Q2における第2勾配線D2が適用される(ステップST323)。なお、当該差が所定値未満となるまで、ステップST322及びステップST323を繰り返した上で、当該差が所定値未満となると、再判定後の特性へと遷移させる(ステップST324)。以上をもって、再判定に関する制御を終了する。
以上の再判定に関する計算部の実際の制御フローを鑑みると、クラッチペダル10のストローク位置が、継合状態に対応する位置(前述のストローク位置P1)から切断状態に対応する位置(前述のストローク位置P3)までの中間位置(ストローク位置P1からストローク位置P3までのストローク位置)にある場合において、運転者によるクラッチペダル10の僅かな操作によって、運転者の意図しない特性の遷移(特性変化)が頻発して、却って運転者が違和感を覚える可能性がある。
そこで、図9に示すように、クラッチペダル10のストローク位置が前述の中間位置における所定範囲内に位置する場合においては、制御部1における計算部は、継合遷移特性Q1及び切断遷移特性Q2を適用することを規制して、特性の遷移(特性変化)を防止して、仮に再判定がなされたとしても、再判定前に適用されていた特性を維持するよう制御することが好ましい。具体的には、図9に示すように、ストローク位置が位置PXから位置PYまでの中間位置Zにある場合には、特性変化を規制し、ストローク位置が位置P1から位置PXまでの中間位置X、及びストローク位置が位置PYからP3までの中間位置Y(なお、図9におけるストローク位置P3は、切断状態に対応する位置の始点として捉え、切断状態に対応する位置とは一定のストローク距離として設定されることを前提としている。したがって、中間位置Yはストローク位置P3よりもさらに踏み込む位置まで延びるように記載されている。)においては、特性変化を許容するように制御する。これにより、運転者が感じる操作フィーリングを向上させることが可能となる。
以上、様々な実施形態を例示したが、上記実施形態はあくまで一例であって、発明の範囲を限定することは意図していない。上記実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置換、変更を行うことができる。また、各構成や、形状、大きさ、長さ、幅、厚さ、高さ、数等は適宜変更して実施することができる。クラッチ制御装置100の各部の配置や構成等は、上記実施形態には限定されない。
1 制御部
10 クラッチペダル
20 アクチュエータ
30 クラッチ
100 クラッチ制御装置
A 第1特性
B 第2特性
C 第3特性
D1,D1a,D1b 第1勾配線
D2 第2勾配線
E1 第1縦軸平行線
E2 第2縦軸平行線
P1,P2,P3,P10,P11,P12,Pa,Pb,Pc,Pd,PX,PY ストローク位置
Q1 継合遷移特性
Q2 切断遷移特性
tr1,tr2,tr3,tr4,trX,trX’,trY,trZ,trZ’,trW 伝達トルク値
10 クラッチペダル
20 アクチュエータ
30 クラッチ
100 クラッチ制御装置
A 第1特性
B 第2特性
C 第3特性
D1,D1a,D1b 第1勾配線
D2 第2勾配線
E1 第1縦軸平行線
E2 第2縦軸平行線
P1,P2,P3,P10,P11,P12,Pa,Pb,Pc,Pd,PX,PY ストローク位置
Q1 継合遷移特性
Q2 切断遷移特性
tr1,tr2,tr3,tr4,trX,trX’,trY,trZ,trZ’,trW 伝達トルク値
Claims (9)
- エンジンと変速機との間の動力伝達経路上に設けられるクラッチが完全に継合する継合状態と完全に切断する切断状態との間で作動するように、運転者によるクラッチペダルの操作に応じて前記クラッチを操作するアクチュエータと、
前記アクチュエータの動作を制御する制御部と、
を具備し、
前記制御部は、前記クラッチペダルのストローク位置と、前記クラッチを介して前記変速機に入力される伝達トルク値との関係を予め特定した第1特性、第2特性、及び第3特性を少なくとも備え、前記ストローク位置の変化に伴い前記クラッチペダルが前記クラッチの前記切断状態に向かって操作されたと判定した場合には前記第1特性を適用し、前記ストローク位置の変化に伴い前記クラッチペダルが前記クラッチの前記継合状態に向かって操作されたと判定し且つ車両が発進動作中と判定した場合には前記第2特性を適用し、前記ストローク位置の変化に伴い前記クラッチペダルが前記クラッチの前記継合状態に向かって操作されたと判定し且つ車両が非発進動作中と判定した場合には前記第3特性を適用して、前記アクチュエータの動作を制御する、クラッチ制御装置。 - 前記制御部は、前記ストローク位置の変化方向及び変化速度を入手して、前記変化方向が前記クラッチの前記切断状態に向かう方向であって、且つ前記変化速度が予め設定される第1閾値を超えた場合に、前記クラッチペダルが前記クラッチの前記切断状態に向かって操作されたと判定し、前記変化方向が前記クラッチの前記継合状態に向かう方向であって、且つ前記変化速度が予め設定される前記第2閾値を超えた場合に、前記クラッチペダルが前記クラッチの前記継合状態に向かって操作されたと判定する、請求項1に記載のクラッチ制御装置。
- 前記第1特性は、少なくとも、前記ストローク位置が前記切断状態に対応する位置よりも前記継合状態に対応する位置に近い位置にある場合において、前記ストローク位置の変化量に対して、前記伝達トルク値の変化量が大きくなるように設定される、請求項1又は2に記載のクラッチ制御装置。
- 前記第2特性は、前記ストローク位置の変化量に対する前記伝達トルク値の変化量が、前記第3特性に比して小さく設定される部分を含み、
前記第3特性は、前記ストローク位置の変化量に対する前記伝達トルク値の変化量が、前記第1特性に比して小さく設定される部分を含む、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のクラッチ制御装置。 - 前記制御部は、
前記クラッチペダルが前記クラッチの前記切断状態に向かって操作されたと判定し前記第1特性を適用した後であって、且つ前記ストローク位置が前記クラッチの前記切断状態に対応する位置に到達する前に、前記クラッチペダルが前記クラッチの前記継合状態に向かって操作されたと継合再判定した場合には、前記継合再判定前に適用した前記第1特性から前記第2特性又は前記第3特性へと遷移させることを決定して、前記第1特性と前記第2特性、又は前記第1特性と前記第3特性とを連結させる継合遷移特性を一時的に適用し、
前記クラッチペダルが前記クラッチの前記継合状態に向かって操作されたと判定し前記第2特性又は前記第3特性を適用した後であって、且つ前記ストローク位置が前記クラッチの前記継合状態に対応する位置に到達する前に、前記クラッチペダルが前記クラッチの前記切断状態に向かって操作されたと切断再判定した場合には、前記切断再判定前に適用した前記第2特性又は前記第3特性から前記第1特性へと遷移させることを決定して、前記第2特性と前記第1特性、又は前記第3特性と前記第1特性とを連結させる切断遷移特性を一時的に適用する、請求項1乃至4のいずれか一項に記載のクラッチ制御装置。 - 前記継合遷移特性及び前記切断遷移特性は、前記ストローク位置と、前記再判定前に適用された前記第1特性、前記第2特性、又は前記第3特性上の前記伝達トルク値に一定倍率を乗じて得られる前記伝達トルク値との関係を含む、請求項5に記載のクラッチ制御装置。
- 前記継合遷移特性は、
前記ストローク位置に対する前記伝達トルク値が、前記第1特性上の前記伝達トルク値から前記第2特性又は前記第3特性上の前記伝達トルク値に向かって漸次変化する第1勾配線と、
前記伝達トルク値が、任意のストローク位置において、前記制御部によって遷移させると決定された前記第2特性又は前記第3特性上の前記伝達トルク値へと急変する第1縦軸平行線と、を有し、
前記第1勾配線は、前記エンジンの回転数と前記変速機の入力回転数とが非同期の際に適用され、前記第1縦軸平行線は、前記エンジンの回転数と前記変速機の入力回転数とが同期した際に適用される、請求項5に記載のクラッチ制御装置。 - 前記切断遷移特性は、
前記伝達トルク値が、前記再判定時の前記ストローク位置における前記伝達トルク値から、前記再判定時における実エンジントルクと略同値の大きさになるまで急変する第2縦軸平行線と、
前記ストローク位置に対する前記伝達トルク値が、前記第1特性上の前記伝達トルク値に遷移するように漸次変化する第2勾配線と、を有する、請求項5に記載のクラッチ制御装置。 - 前記制御部は、前記ストローク位置が、前記クラッチの前記継合状態に対応する位置から前記切断状態に対応する位置までの所定範囲の中間位置にある場合においては、前記継合遷移特性及び前記切断遷移特性を適用することを規制して、前記再判定前の前記第1特性乃至前記第3特性のいずれかの特性の適用を維持する、請求項5に記載のクラッチ制御装置。
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---|---|---|---|
JP2018115226A JP2019218974A (ja) | 2018-06-18 | 2018-06-18 | クラッチ制御装置 |
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JP2019218974A true JP2019218974A (ja) | 2019-12-26 |
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JP2018115226A Pending JP2019218974A (ja) | 2018-06-18 | 2018-06-18 | クラッチ制御装置 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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DE112020002135T5 (de) | 2019-12-03 | 2022-01-13 | Fuji Electric Co., Ltd. | Komparatorschaltung und halbleitervorrichtung |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2005214370A (ja) * | 2004-02-02 | 2005-08-11 | Nissan Motor Co Ltd | 車両用パワートレインの制御装置 |
JP2017101735A (ja) * | 2015-12-01 | 2017-06-08 | アイシン精機株式会社 | クラッチシステム |
-
2018
- 2018-06-18 JP JP2018115226A patent/JP2019218974A/ja active Pending
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